JP4713029B2 - 圧力検出装置用パッケージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を検出するための圧力検出装置に使用される圧力検出装置用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧力を検出するための圧力検出装置として静電容量型の圧力検出装置が知られている。この静電容量型の圧力検出装置は、例えば図3に断面図で示すように、セラミックス材料や樹脂材料から成る配線基板21上に、静電容量型の感圧素子22と、パッケージ28に収容された演算用の半導体素子29とを備えている。感圧素子22は、例えばセラミックス材料等の電気絶縁材料から成り、上面中央部に静電容量形成用の一方の電極23が被着された凹部を有する絶縁基体24と、この絶縁基体24の上面に絶縁基体24との間に密閉空間を形成するようにして可撓な状態で接合され、下面に静電容量形成用の他方の電極25が被着された絶縁板26と、各静電容量形成用の電極23・25をそれぞれ外部に電気的に接続するための外部リード端子27とから構成されており、外部の圧力に応じて絶縁板26が撓むことにより各静電容量形成用の電極23・25間に形成される静電容量が変化する。そして、この静電容量の変化を演算用の半導体素子29により演算処理することにより外部の圧力を検出することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の圧力検出装置によると、感圧素子22と半導体素子29とを配線基板21上に個別に実装していることから、圧力検出装置が大型化してしまうとともに圧力検出用の電極23・25と半導体素子29との間の配線が長いものとなり、この長い配線間に不要な静電容量が形成されるため感度が低いという問題点を有していた。
【0004】
そこで、本願出願人は、先に特願2000-178618において、一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する絶縁基体と、この絶縁基体の表面および内部に配設され、半導体素子の各電極が電気的に接続される複数の配線導体と、絶縁基体の他方の主面の中央部に被着され、配線導体の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第一電極と、絶縁基体の他方の主面に、この主面の中央部との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で接合された絶縁板と、この絶縁板の内側主面に第一電極と対向して被着され、配線導体の他の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第二電極とを具備する圧力検出装置用パッケージを提案した。この圧力検出装置用パッケージによると、一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する絶縁基体の他方の主面に静電容量形成用の第一電極を設けるとともに、この第一電極と対向する静電容量形成用の第二電極を内側面に有する絶縁板を、絶縁基体の他方の主面との間に密閉空間を形成するようにして可撓な状態で接合させたことから、半導体素子を収容するパッケージに感圧素子が一体に形成され、その結果、圧力検出装置を小型とすることができるとともに圧力検出用の電極と半導体素子とを接続する配線を短いものとして、これらの配線間に発生する不要な静電容量を小さなものとすることができる。
【0005】
なお、この特願2000-178618で提案した圧力検出装置用パッケージでは、パッケージを外部電気回路基板に実装するための外部接続用導体が絶縁板と反対側に形成されており、そのためパッケージの絶縁板側を表向きにして外部電気回路基板に実装するようになっていた。そして、このようにパッケージの絶縁板側を表向きに実装した場合、パッケージに外部からの異物の飛来があると、その異物は絶縁板に衝突してしまいやすい。
【0006】
絶縁板は脆性を有するセラミックス材料から成ることから、圧力検出の感度を高めるためにその厚みを例えば0.5mm以下程度に薄くすると、そのような異物の衝突により絶縁板にクラックや割れが発生しやすくなり、そのようなクラックや割れが発生した場合、絶縁基体と絶縁板との間の密閉空間の気密性が低下し、外部の圧力を正確に検出することができなくなってしまうという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、かかる上述の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、小型でかつ感度が高く、しかも外部の圧力を長期間にわたり正確に検出することが可能な圧力検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧力検出装置用パッケージは、内部および表面に複数の配線導体を有するとともに一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を、他方の主面に配線導体の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第一電極を有する絶縁基体と、絶縁基体の他方の主面との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で絶縁基体に接合されており、その内側主面に、第一電極に対向しかつ配線導体の他の一つに電気的に接続された第二電極を有する絶縁板とから成る圧力検出装置用パッケージであって、絶縁基体の外周部に絶縁板を取り囲む突起部が形成されているとともに、該突起部に外部電気回路基板に対向させて実装可能とする外部接続用導体が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、絶縁基体の外周部に、絶縁板を取り囲む突起部が形成されているとともに、この突起部に外部電気回路基板に対向させて実装可能とする外部接続用導体が形成されていることから、外部電気回路基板に絶縁板側を裏向きにして実装することができ、その結果、パッケージに外部から異物が飛来したとしてもその異物が絶縁板に衝突することはなく、絶縁板にクラックや割れが発生することを有効に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付の図面を基に詳細に説明する。図1は、本発明の圧力検出装置用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図であり、図中、1は絶縁基体、2は絶縁板、3は半導体素子である。
【0011】
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・炭化珪素質焼結体・窒化珪素質焼結体・ガラス−セラミックス等のセラミックス材料から成る積層体であり、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクタブレード法を採用してシート状に成形することにより複数枚のセラミックグリーンシートを得、しかる後、これらのセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工・積層加工・切断加工を施すことにより絶縁基体1用の生セラミック成形体を得、最後にこの生セラミック成形体を約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0012】
絶縁基体1は、その下面中央部に半導体素子3を収容するための凹部1aが形成されており、これにより半導体素子3を収容する容器として機能する。そして、この凹部1aの底面中央部が半導体素子3が搭載される搭載部1bとなっており、この搭載部1bに半導体素子3を搭載するとともに凹部1a内に例えばエポキシ樹脂等の樹脂製封止材4を充填することにより半導体素子3が封止される。なお、この例では半導体素子3は樹脂製封止材4を凹部1a内に充填することにより封止されるが、半導体素子3は絶縁基体1の下面に金属やセラミックスから成る蓋体を凹部1aを塞ぐように接合させることにより封止されてもよい。
【0013】
また、搭載部1bには半導体素子3の各電極と接続される複数の配線導体5が導出しており、この配線導体5と半導体素子3の各電極を半田バンプ6等の導電性材料から成る電気的接続手段を介して接続することにより半導体素子3の各電極と各配線導体5とが電気的に接続されるとともに半導体素子3が搭載部1bに固定される。なお、この例では、半導体素子3の電極と配線導体5とは半田バンプ6を介して接続されるが、半導体素子3の電極と配線導体5とはボンディングワイヤ等の他の種類の電気的接続手段により接続されてもよい。
【0014】
配線導体5は、半導体素子3の各電極を外部電気回路および後述する第一電極7・第二電極9に電気的に接続するための導電路として機能し、その一部は絶縁基体1の外周部に導出して後述する外部接続用導体11に、別の一部は第一電極7・第二電極9に電気的に接続されている。そして、半導体素子3の各電極をこれらの配線導体5に半田バンプ6を介して電気的に接続するとともに半導体素子3を樹脂製封止材4で封止した後、外部接続用導体11を外部電気回路基板12の配線導体13に半田14等の導電性接合材を介して接合することにより、内部に収容する半導体素子3が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0015】
このような配線導体5は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤等を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに所定のパターンに印刷塗布し、これを絶縁基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁基体1の内部および表面に所定のパターンに形成される。
【0016】
なお、配線導体5の露出表面には、配線導体5が酸化腐食するのを防止するとともに配線導体5と半田等の導電性接合材との接合を良好なものとするために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚みが0.1〜3μm程度の金めっき層とが順次被着されている。
【0017】
また、絶縁基体1の上面中央部には深さが0.01〜5mm程度の密閉空間形成用の凹部1cが形成されている。この凹部1cは、後述するように、絶縁板2との間に密閉空間Sを形成するためのものであり、この凹部1cの底面には静電容量形成用の第一電極7が被着されている。
【0018】
この第一電極7は、後述する第二電極9とともに感圧素子用の静電容量を形成するためのものであり、例えば略円形のパターンに形成されている。そして、この第一電極7には配線導体5の一つ5aが接続されており、それによりこの配線導体5aに半導体素子3の電極を半田バンプ6等の電気的接続手段を介して接続すると半導体素子3の電極と第一電極7とが電気的に接続されるようになっている。
【0019】
このような第一電極7は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これを絶縁基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁基体1の凹部1c底面に所定のパターンに形成される。なお、第一電極7の露出表面には、第一電極7が酸化腐食するのを防止するために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0020】
また、絶縁基体1上面の凹部1c周囲にはその全周にわたり枠状の第一接合用メタライズ層8が被着されており、この第一接合用メタライズ層8には、下面に第二電極9および第二接合用メタライズ層10を有する絶縁板2が銀−銅ろう材等の導電性接合材を介して接合されている。
【0021】
この第一接合用メタライズ層8には配線導体5の一つ5bが接続されており、それによりこの配線導体5bに半導体素子3の電極を半田バンプ6等の電気的接続手段を介して電気的に接続すると配線導体5bおよび第一接合用メタライズ層8および第二接合用メタライズ層10を介して第二電極9と半導体素子3の電極とが電気的に接続されるようになっている。
【0022】
第一接合用メタライズ層8は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これを絶縁基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁基体1上面の凹部1c周囲に枠状の所定のパターンに形成される。なお、第一接合用メタライズ層8の露出表面には、第一接合用メタライズ層8が酸化腐食するのを防止するとともに第一接合用メタライズ層8と導電性接合材との接合を強固なものとするために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0023】
また、絶縁基体1の上面には凹部1cとの間に密閉空間Sを形成するようにして絶縁板2が接合されている。この絶縁板2は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・ガラス−セラミックス等のセラミックス材料から成る厚みが0.01〜5mmの略平板であり、外部の圧力に応じて撓むいわゆる圧力検出用のダイアフラムとして機能する。
【0024】
なお、絶縁板2は、その厚みが0.01mm未満では、その機械的強度が小さいものとなってしまうため、これに大きな外部圧力が印加された場合に破壊されてしまう危険性が大きなものとなり、他方、5mmを超えると、小さな圧力では撓みにくくなり、圧力検出用のダイアフラムとしては不適となってしまう。したがって、絶縁板2の厚みは0.01〜5mmの範囲が好ましい。
【0025】
このような絶縁板2は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクタブレード法を採用してシート状に成形することによりセラミックグリーンシートを得、しかる後、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工や切断加工を施すことにより絶縁板2用の生セラミック成形体を得るとともにこの生セラミック成形体を約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0026】
また、絶縁板2の下面中央部には、静電容量形成用の略円形の第二電極9が被着されている。この第二電極9は前述の第一電極7とともに感圧素子用の静電容量を形成するための電極として機能する。
【0027】
このような第二電極9は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁板2用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これを絶縁板2用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁板2の下面の中央部に所定のパターンに形成される。なお、第二電極9の露出表面には、第二電極9が酸化腐食するのを防止するために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0028】
さらに、絶縁板2の下面外周部には、第二電極9に電気的に接続された枠状の第二接合用メタライズ層10が被着されている。この第二接合用メタライズ層10は絶縁板2を絶縁基体1に接合するための接合用下地金属層として機能し、第一接合用メタライズ層8と第二接合用メタライズ層10とを銀−銅ろう等の導電性接合材を介して接合することにより絶縁基体1に絶縁板2が接合されるとともに配線導体5bと第二電極9とが電気的に接続される。
【0029】
このような第二接合用メタライズ層10は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁板2用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これを絶縁板2用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁板2の下面の外周部に所定のパターンに形成される。なお、第二接合用メタライズ層10の表面には、第二接合用メタライズ層10が酸化腐食するのを防止するととも第二接合用メタライズ層10と導電性接合材との接合を良好とするために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0030】
このとき、第一電極7と第二電極9とは、絶縁基体1と絶縁板2との間に形成された密閉空間Sを挟んで対向しており、これらの間には、第一電極7や第二電極9の面積および第一電極7と第二電極9との間隔に応じて所定の静電容量が形成される。そして、絶縁板2の上面に外部の圧力が印加されると、その圧力に応じて絶縁板2が絶縁基体1側に撓んで第一電極7と第二電極9との間隔が変わり、それにより第一電極7と第二電極9との間の静電容量が変化するので、外部の圧力の変化を静電容量の変化として感知する感圧素子として機能する。そして、この静電容量の変化を凹部1a内に収容した半導体素子3に配線導体5a・5bを介して伝達し、これを半導体素子3で演算処理することによって外部の圧力の大きさを知ることができる。
【0031】
なお、第一電極7と第二電極9との間隔が1気圧中において0.01mm未満の場合、絶縁板2に大きな圧力が印加された際に、第一電極7と第二電極9とが接触して圧力を検出することができなくなってしまう危険性があり、他方、5mmを超えると、第一電極7と第二電極9との間に形成される静電容量が小さなものとなり、圧力を検出する感度が低いものとなる傾向にある。したがって、第一電極7と第二電極9との間隔は、1気圧中において0.01〜5mmの範囲が好ましい。
【0032】
さらに絶縁基体1の外周部には、絶縁板2を取り囲む突起部1dが形成されてているとともにこの突起部1d上面から絶縁基体1の側面にかけて上面視で略半円状の切り欠き部1eが形成されており、これらの切り欠き部1eの表面および突起部1dの上面には、半導体素子3を外部電気回路に電気的に接続するための外部接続用導体11が配線導体5に電気的に接続された状態で被着されている。
【0033】
そして、半導体素子3の各電極を配線導体5に半田バンプ6等の電気的接続手段を介して電気的に接続するとともに半導体素子3を樹脂製封止材4で封止した後、外部接続用導体11を外部電気回路基板12の配線導体13に半田14等の導電性接合部材を介して接続することによりパッケージが外部電気回路基板12に実装されるとともに内部に収容する半導体素子3の電極が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0034】
このとき、本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、外部接続用導体11が絶縁板2側に形成されており、外部電気回路基板12に絶縁板2側を裏側にして実装されることから、絶縁板2は外部電気回路基板12で覆われて保護されることとなり、パッケージに外部から異物が飛来したとしてもその異物が絶縁板2に衝突することはなく、そのため絶縁板2にクラックや割れが発生することはない。したがって、絶縁基体1と絶縁板2との間に形成された密閉空間Sの気密性が低下することはなく、外部の圧力を長期間にわたり正確に検出することが可能な圧力検出装置を提供することができる。
【0035】
なお、このような外部接続用導体11は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤等を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに所定のパターンに印刷塗布し、これを絶縁基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁基体1の突起部1d上面および切り欠き部1e表面に所定のパターンに形成される。また、外部接続用導体11の露出表面には、外部接続用導体11が酸化腐食するのを防止するとともに外部接続用導体11と半田14等の導電性接合材との接合を良好なものとするために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚みが0.1〜3μm程度の金めっき層とが順次被着されている。
【0036】
以上説明したように、本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、一方の主面に半導体素子3が搭載される搭載部1bを有する絶縁基体1の他方の主面に、静電容量形成用の第一電極7を設けるとともに、この第一電極7と対向する静電容量形成用の第二電極9を内側主面に有する絶縁板2を絶縁基体1との間に密閉空間Sを形成するように可撓な状態で接合させたことから、半導体素子3を収容する容器と感圧素子とが一体となり、その結果、圧力検出装置を小型化することができる。また、静電容量形成用の第一電極7および第二電極9を、絶縁基体1に設けた配線導体5a・5bを介して半導体素子3に接続することから、第一電極7および第二電極9を短い距離で半導体素子3に接続することができ、その結果、これらの配線導体5a・5b間に発生する不要な静電容量を小さなものとして感度の高い圧力検出装置を提供することができる。また、絶縁基体1外周部の絶縁板2側に、絶縁板2を外部電気回路基板12に対向させて実装可能とする外部接続用導体11が形成されていることから、外部電気回路基板12に絶縁板2側を裏向きにして実装することができ、その結果、このパッケージを外部電気回路基板12に実装すると、外部電気回路基板12により絶縁板2が外部からの異物の衝突から良好に保護されて絶縁板2にクラック等が発生することはない。したがって、密閉空間Sの気密性が常に維持されて外部の圧力を長期間にわたり正確に検出することができる。
【0037】
かくして、上述の圧力検出装置用パッケージによれば、搭載部1bに半導体素子3を搭載するとともに半導体素子3の各電極とメタライズ配線導体5とを電気的に接続し、しかる後、半導体素子3を封止することによって小型でかつ感度が高く、しかも外部の圧力を長期間にわたり正確に検出することが可能な高信頼性の圧力検出装置となる。
【0038】
なお、本発明は、上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば上述の実施の形態の一例では、絶縁基体1と絶縁板2とはろう材により接合されていたが、図2に断面図で示すように、絶縁基体1と絶縁板2とは、同時焼成により焼結一体化することにより接合されていてもよい。その場合、第一接合用メタライズ層8や第二接合用メタライズ層10は設ける必要はない。
【0039】
なお、図2で示した実施形態例においては、図1で示した実施形態例と実質的に共通の部分については図1で用いた符号と同じ符号を用い、その説明を省略する。
【0040】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する絶縁基体の他方の主面に静電容量形成用の第一電極を設けるとともに、この第一電極と対向する静電容量形成用の第二電極を一方の主面に有する絶縁板を、絶縁基体の他方の主面との間に密閉空間を形成するようにして可撓な状態で接合させたことから、半導体素子を収容するパッケージに感圧素子が一体となり、その結果、圧力検出装置を小型とすることができる。また、静電容量形成用の第一電極および第二電極を、絶縁基体に設けた配線導体を介して半導体素子に接続することから、第一電極および第二電極を短い距離で半導体素子に接続することができ、その結果、これらの配線導体間に発生する不要な静電容量を小さなものとして感度の高い圧力検出装置を提供することができる。さらに、絶縁基体外周部の絶縁板側に、絶縁板を外部電気回路基板に対向させて実装可能とする外部接続用導体が形成されていることから、外部電気回路基板に絶縁板側を裏向きにして実装することができ、その結果、外部電気回路基板により絶縁板が外部からの異物の衝突から良好に保護されて絶縁板にクラック等が発生することはない。したがって、密閉空間の気密性が常に維持されて外部の圧力を長期間にわたり正確に検出することが可能な圧力検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力検出装置用パッケージの実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の圧力検出装置用パッケージの実施形態の他の例を示す断面図である。
【図3】従来の圧力検出装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・絶縁基体
1b・・・・搭載部
2・・・・・絶縁板
3・・・・・半導体素子
5・・・・・配線導体
7・・・・・第一電極
9・・・・・第二電極
11・・・・・外部接続用導体
S・・・・・密閉空間
Claims (1)
- 内部および表面に複数の配線導体を有するとともに一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を、他方の主面に前記配線導体の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第一電極を有する絶縁基体と、前記他方の主面との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で前記絶縁基体に接合されており、その内側主面に、前記第一電極に対向しかつ前記配線導体の他の一つに電気的に接続された第二電極を有する絶縁板とから成る圧力検出装置用パッケージであって、前記絶縁基体の外周部に前記絶縁板を取り囲む突起部が形成されているとともに、該突起部に外部電気回路基板に対向させて実装可能とする外部接続用導体が形成されていることを特徴とする圧力検出装置用パッケージ。
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JPH0894471A (ja) * | 1994-09-27 | 1996-04-12 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 静電容量式圧力センサ及びその製造方法 |
JPH09264804A (ja) * | 1996-03-28 | 1997-10-07 | Nagano Keiki Seisakusho Ltd | 静電容量式圧力センサ |
JPH1168120A (ja) * | 1997-08-22 | 1999-03-09 | Nippon Seiki Co Ltd | 半導体圧力センサ及びその製造方法 |
JP2000275129A (ja) * | 1999-03-24 | 2000-10-06 | Omron Corp | 静電容量型センサ |
-
2001
- 2001-08-28 JP JP2001258370A patent/JP4713029B2/ja not_active Expired - Lifetime
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