JPWO2018154870A1 - 金属接合方法、半導体装置の製造方法、及び半導体装置 - Google Patents

金属接合方法、半導体装置の製造方法、及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

第1金属部材1a及び第2金属部材1bの表面粗さを0.5μm以上200μm以下に調整する工程と、第1金属部材1aと第2金属部材1bとの間に有機還元剤2を配置する工程と、第1金属部材1aと第2金属部材1bとの間を加熱及び加圧して接合する工程とを含む金属接合方法。

Description

本発明は、金属接合方法、半導体装置の製造方法、及び半導体装置に関する。詳細には、本発明は、金属部材同士を固相接合する金属接合方法、この金属接合方法を用いる半導体装置の製造方法、及び半導体装置に関する。
近年、窒化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などの高温動作が可能な半導体素子を用いた半導体装置の開発が行われている。このような半導体装置においては、半導体素子と回路基板との接合に、従来の鉛フリーはんだよりも耐熱性の高い接合技術の開発が要求される。
耐熱性の高い接合技術としては、半導体素子と基板との間に焼結性金属(例えば、Agなど)ナノ粒子を含む接合材料を配置し、その間を加熱及び加圧することによって接合部を形成する方法が知られている。この方法で用いられる接合材料は、金属ナノ粒子同士が相互に溶融して焼結することによって耐熱性の高い接合部を形成することができる。しかしながら、この接合材料は、金属ナノ粒子の表面に形成された有機保護膜、ペースト化のために一般に含有される有機溶媒などによって接合部に有機残渣が生じ易い。有機残渣は、絶縁封止材の剥離による絶縁破壊の要因となることから、半導体装置の接合信頼性が低下する恐れがある。また、この接合材料を用いた接合方法は、プロセスが複雑であるため、生産性の観点からも適切であるとは言い難い。
上記のような接合材料を用いた従来の接合方法では、接合材料に起因する問題が生じるため、半導体素子と基板との間を直接接合する固相接合技術が有効であると考えられる。
そこで、非特許文献1には、2つの金属部材の表面(Cu層)を平滑化し、真空中でArイオンビームを適用して表面活性化した後に、Cu層間を接合する固相接合技術が提案されている。
また、特許文献1には、2つの金属部材の間に、酸化膜除去剤を含む溶液を配置し、その間を加熱及び加圧することによって接合する固相接合技術が提案されている。
国際公開第2013/027354号
T. H. Kimら他3名、「Room Temperature Cu-Cu direct bonding using surface activated bonding method」、Journal of Vacuum Science & Technology. A, vol. 21, No. 2, pp. 449-453, Mar/Apr 2003
しかしながら、非特許文献1の固相接合技術は、2つの金属部材の表面粗さを数ナノメートル以下のレベルまでCMP(化学機械研磨)、精密機械研磨などを用いて平滑化すること、及び真空中でArイオンビームを用いて表面活性化することが必要である。よって、この固相接合技術は、プロセスが複雑であると共に設備コストも上昇するため、半導体装置の製造への適用が困難である。
また、特許文献1の固相接合技術は、金属部材の表面粗さについて特に言及しておらず、金属部材の表面粗さと接合性との関係についても何ら教示していない。また、この固相接合技術では、接合部の周囲に、酸化防止剤を含む腐食防止膜が形成されるため、この腐食防止膜が有機残渣となって半導体装置の接合信頼性を低下させる要因となる。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、接合信頼性に優れた金属接合方法、及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記のような問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、金属部材の表面粗さが、金属部材間の接合性に影響を与えることに着目し、金属部材の表面粗さを特定の範囲に制御した上で、金属部材間に有機還元剤を配置し、加熱及び加圧することによって上記のような問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第1金属部材及び第2金属部材の表面粗さを0.5μm以上200μm以下に調整する工程と、
前記第1金属部材と前記第2金属部材との間に有機還元剤を配置する工程と、
前記第1金属部材と前記第2金属部材との間を加熱及び加圧して接合する工程と
を含む金属接合方法である。
また、本発明は、上記の金属接合方法を用いる半導体装置の製造方法である。
本発明によれば、接合信頼性に優れた金属接合方法、及び半導体装置の製造方法を提供することができる。
実施の形態1の金属接合方法を説明するための概略断面図である。 表面粗さが200μmよりも大きい場合の金属接合方法を説明するための概略断面図である。 表面粗さが0.5μmよりも小さい場合の金属接合方法を説明するための概略断面図である。 典型的な半導体装置の概略断面図である。 実施例1における表面粗さと接合面積との関係を示す図である。 走査型透過電子顕微鏡による接合界面の断面の二次電子像である。 実施例1における表面粗さと未接合点サイズとの関係を示す図である。 実施例2における表面粗さと接合面積との関係を示す図である。 実施例2における表面粗さと未接合点サイズとの関係を示す図である。 実施例3における表面粗さと接合面積との関係を示す図である。 実施例3における表面粗さと未接合点サイズとの関係を示す図である。
以下、本発明の金属接合方法、及び半導体装置の製造方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態の金属接合方法を説明するための概略断面図である。
本実施の形態の金属接合方法では、まず、第1金属部材1a及び第2金属部材1bの表面粗さ(Rz)を0.5μm以上200μm以下、好ましくは0.5μm以上100μm以下に調整する。表面粗さ(Rz)を0.5μm未満にする場合、CMP(化学機械研磨)、精密機械研磨などを用いた長時間の平滑化処理が必要となる上、第1金属部材1aと第2金属部材1bとの間の接合性も十分に向上しない。また、表面粗さ(Rz)が200μmを超えると、第1金属部材1aと第2金属部材1bとの間の接合性が低下する。
ここで、本明細書において「表面粗さ(Rz)」とは、市販の三次元形状測定機(例えば、株式会社キーエンス製の三次元形状測定機)を用いて測定される表面粗さのことを意味する。
第1金属部材1a及び第2金属部材1bの表面粗さ(Rz)を上記の範囲に調整する方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。当該方法としては、例えば、めっき、スパッタ、蒸着などを用いた薄膜の形成処理、エッチング処理、簡易研磨処理、簡易切削処理、表面が平滑な治具を用いた加圧処理などが挙げられる。これらの方法を用いることにより、表面粗さ(Rz)を上記の範囲に調整することができる。
第1金属部材1a及び第2金属部材1bとしては、特に限定されず、各種金属から形成される被接合部材を用いることができる。金属の例としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、モリブデン、タングステン、チタン、鉄、バナジウム、又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金が挙げられる。
次に、第1金属部材1aの上記表面粗さ(Rz)を有する表面と第2金属部材1bの上記表面粗さ(Rz)を有する表面とを対向させ、その間に有機還元剤2を配置することにより、第1金属部材1a及び第2金属部材1bの上記表面粗さ(Rz)を有する表面の酸化膜が有機還元剤2によって除去され、新生面が露出する。そして、露出した新生面の間を接合することにより、接合性を向上させることができる。
有機還元剤2の配置方法としては、特に限定されないが、第1金属部材1aの上記表面粗さ(Rz)を有する表面及び第2金属部材1bの上記表面粗さ(Rz)を有する表面のうちの少なくとも一方の表面に有機還元剤2を適用した後、有機還元剤2を介して第1金属部材1a及び第2金属部材1bを積層すればよい。一例として、図1(a)は、第1金属部材1aの上記表面粗さ(Rz)を有する表面に有機還元剤2を適用した場合を示す。
有機還元剤2の適用方法としては、特に限定されず、有機還元剤2を滴下、塗布などすればよい。また、有機還元剤2の適用量は、形成する接合面の大きさに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。
有機還元剤2は、接合面の酸化膜を還元して除去することができるものであれば特に限定されない。有機還元剤2の例としては、多価アルコール、カルボン酸、アミンなどが挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物は、液状であればそのまま用いることができるが、固体状であれば水などの溶媒に溶解して用いればよい。
多価アルコールは、分子中に2個以上の水酸基を有するものであれば特に限定されない。また、多価アルコールは、水酸基以外の官能基(例えば、アルデヒド基、エステル基、スルファニル基、ケトン基など)を有していてもよい。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トレイトール、エリトリトール、ペンタエリスリトール、ペンチトール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、キシリトール、リビトール、アラビトール、ヘキシトール、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、グリセリンアルデヒド、ジオキシアセトン、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、アルトロース、ラクトース、イソマルトース、グルコヘプトース、ヘプトース、マルトトリオース、ラクツロース、トレハロースなどが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
カルボン酸としては、分子中に1個以上のカルボキシ基を有する化合物であれば特に限定されず、一級カルボン酸、二級カルボン酸又は三級カルボン酸のいずれであっても用いることができる。また、カルボン酸は、カルボキシ基以外の官能基(例えば、アルデヒド基、エステル基、スルファニル基、ケトン基など)を有していてもよい。
カルボン酸の例としては、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸などのアルキルカルボン酸が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミンとしては、分子中に1個以上のアミノ基を有する化合物であれば特に限定されず、一級アミン、二級アミン又は三級アミンのいずれであっても用いることができる。また、アミンは、アミノ基以外の官能基(例えば、アルデヒド基、エステル基、スルファニル基、ケトン基など)を有していてもよい。
アミンの例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコデシルアミンなどのアルキルアミンが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、2−エチルヘキシルアミン、1,5−ジメチルヘキシルアミンなどの分岐構造を有するアミンを用いてもよい。
次に、図1(b)に示すように、第1金属部材1aと第2金属部材1bとの間を加熱及び加圧して接合する。
加熱及び加圧処理は、特に限定されないが、加熱を行うことが可能なプレス機などを用いて大気中で行うことができる。具体的には、有機還元剤2を介して積層させた第1金属部材1a及び第2金属部材1bからなる積層体をプレス機に配置して加熱及び加圧処理を行なえばよい。例えば、図1(b)に示すように、プレス機のプレス定盤3の間に積層体を配置し、また必要に応じて、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などから形成された緩衝材4をプレス定盤3と積層体との間に挿入した後、加熱及び加圧処理を行なえばよい。
加熱温度及び加圧力としては、第1金属部材1a及び第2金属部材1bの材質などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。加熱温度は、好ましくは120℃以上350℃以下であり、加圧力は、好ましくは10MPa以上200MPa以下、より好ましくは10MPa以上150MPa以下である。
また、加熱及び加圧処理の時間も第1金属部材1a及び第2金属部材1bの材質などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、一般に1分以上60分以下、好ましくは5分以上30分以下である。
図1(c)は、上記のようにして製造された金属接合体の概略断面図である。
有機還元剤2は、加熱及び加圧処理時に、接合温度以下の温度で還元・分解されるため、第1金属部材1a及び第2金属部材1bの表面、並びに第1金属部材1aと第2金属部材1bとの間の接合面5に有機還元剤2が残存しない。このような固相拡散接合は、金属部材の温度による金属拡散機構と加熱及び加圧による塑性変形機構とで接合面が形成されていくが、金属部材の表面粗さによって接合信頼性が異なってくる。形成された接合面には微細な未接合点が存在し、この未接合点の形成状態は接合前の金属部材の表面粗さによって異なる。金属部材の表面粗さ(Rz)を0.5μm以上200μm以下の範囲に調整することで、優れた接合信頼性が得られる。
接合信頼性は、低温保持と高温保持とを或る一定間隔で繰り返し行う耐熱衝撃試験によって評価する。耐熱衝撃試験では、低温保持時の温度と高温保持時の温度との差及び第1金属部材1aと第2金属部材1bとの熱膨張係数差によって接合面5に生じるせん断応力で接合端部にクラックが発生する。第1金属部材1a及び第2金属部材1bの表面粗さ(Rz)が0.5μm以上200μm以下であると、有機還元剤2が第1金属部材1a及び第2金属部材1bの表面のアンカー効果によって加熱及び加圧前に適度に存在するため、第1金属部材1a及び第2金属部材1bの表面の酸化膜の還元が均一に行われ、優れた接合信頼性が得られる。
図2は、第1金属部材1a及び第2金属部材1bの少なくとも一方の表面の表面粗さ(Rz)が200μmよりも大きい場合の金属接合方法を説明するための概略断面図である。図2(a)に示すように、第1金属部材1aの表面に有機還元剤2を適用した後、図2(b)に示すように、第1金属部材1aと第2金属部材1bとの間を加熱及び加圧して接合する。有機還元剤2は第1金属部材1a及び第2金属部材1bの表面のアンカー効果によって加熱及び加圧前に適度に存在するものの、表面粗さ(Rz)が200μmよりも大きいため、上記した固相拡散接合(金属拡散機構及び塑性変形機構)で形成された接合面5には、粗大な未接合点20が存在する。耐熱衝撃試験では、粗大な未接合点20に沿ってクラックが伝播するため、優れた接合信頼性が得られない。
図3は、第1金属部材1a及び第2金属部材1bの少なくとも一方の表面の表面粗さ(Rz)が0.5μmよりも小さい場合の金属接合方法を説明するための概略断面図である。図3(a)に示すように、第1金属部材1aの表面に有機還元剤2を適用するが、第1金属部材1aの表面粗さ(Rz)が0.5μmよりも小さいため、有機還元剤2が接合すべき箇所に不均一に存在する。次に、図3(b)に示すように、第1金属部材1aと第2金属部材1bとの間を加熱及び加圧して接合する。しかし、上記した固相拡散接合(金属拡散機構及び塑性変形機構)で接合しようとしても、接合を阻害する金属酸化膜が加熱によって形成され、接合面5の形成が十分に進行しない。そのため、接合面5には、粗大な未接合点20が存在する。耐熱衝撃試験では、粗大な未接合点20に沿ってクラックが伝播するため、優れた接合信頼性が得られない。
また、この金属接合体では、第1金属部材1aと第2金属部材1bとの間の接合面5の粗さ(Δt)は、接合されていない第1金属部材1a及び第2金属部材1bの表面粗さ(Rz)よりも小さい(Δt<Rz)。
ここで、本明細書において「接合面5の粗さ(Δt)」とは、市販の三次元形状測定機(例えば、株式会社キーエンス製の三次元形状測定機)を用いて測定される接合面5の粗さのことを意味する。
本実施の形態の金属接合方法は、第1金属部材1a及び第2金属部材1bの表面をCMP(化学機械研磨)、精密機械研磨などを用いて長時間にわたって平滑化したり、真空中でArイオンビームを用いて表面活性化したりする必要がないため、プロセスが容易であると共に、設備コストを低減することができる。また、本実施の形態の金属接合方法によれば、加熱及び加圧処理の際に有機還元剤2が容易に揮発するため、接合信頼性の低下の要因となる有機残渣が生じ難い。したがって、本実施の形態の金属接合方法は、プロセスの簡素化、設備コストの低減、接合信頼性の向上などが要求されている各種技術分野に用いるのに適しており、特に、この要求が大きい半導体分野(すなわち、装置の製造方法)に用いるのに最適である。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1の金属接合方法を用いる半導体装置の製造方法を説明する。
図4は、典型的な半導体装置の概略断面図である。図4において、半導体装置10は、ベース基板11と、ベース基板11上に設けられた回路基板12と、回路基板12上に設けられた半導体素子13と、半導体素子13上に設けられたリード端子14と、リード端子14の外部接続用部分以外を封止する封止材15とを備えている。半導体素子13は、半導体基板16と、その両面にそれぞれ設けられた表面電極17a及び裏面電極17bとを有する。また、図2では、回路基板12としてDBC(Direct Bonded Copper)基板を用いた例を示しており、このDBC基板は、絶縁基材18と、その両面にそれぞれ設けられた表面導電層19a及び裏面導電層19bとを有する。絶縁基材18は、窒化ケイ素(Si34)、窒化アルミニウム(AlN)などのセラミックから形成され、表面導電層19a及び裏面導電層19bは、銅から形成される。また、ベース基板11は金属表面を有する。
回路基板12と半導体素子13との接合は、回路基板12に設けられた表面導電層19aと半導体素子13に設けられた裏面電極17bとの間で行われている。また、ベース基板11と回路基板12との間の接合は、ベース基板11と回路基板12に設けられた裏面導電層19bとの間で行われている。さらに、半導体素子13とリード端子14との間の接合は、半導体素子13に設けられた表面電極17aとリード端子14との間で行われている。これらの各接合において、実施の形態1の金属接合方法を用いることができる。
回路基板12と半導体素子13との接合を行う場合、実施の形態1の金属接合方法において、回路基板12に設けられた表面導電層19aが第1金属部材1aに相当し、半導体素子13に設けられた裏面電極17bが第2金属部材1bに相当する。したがって、表面導電層19a及び裏面電極17bの表面粗さ(Rz)を0.5μm以上200μm以下に調整し、表面導電層19aと裏面電極17bとの間に有機還元剤2を配置し、表面導電層19aと裏面電極17bとの間を加熱及び加圧して接合すればよい。このようにして接合することにより、回路基板12と半導体素子13との間の接合信頼性を向上させることができる。
また、ベース基板11と回路基板12との間の接合を行う場合、実施の形態1の金属接合方法において、ベース基板11が第1金属部材1aに相当し、回路基板12に設けられた裏面導電層19bが第2金属部材1bに相当する。したがって、ベース基板11及び裏面導電層19bの表面粗さ(Rz)を0.5μm以上200μm以下に調整し、ベース基板11と裏面導電層19bとの間に有機還元剤2を配置し、ベース基板11と裏面導電層19bとの間を加熱及び加圧して接合すればよい。このようにして接合することにより、ベース基板11と回路基板12との間の接合信頼性を向上させることができる。
また、半導体素子13とリード端子14との間の接合を行う場合、実施の形態1の金属接合方法において、半導体素子13に設けられた表面電極17aが第1金属部材1aに相当し、リード端子14が第2金属部材1bに相当する。したがって、表面電極17a及びリード端子14の表面粗さ(Rz)を0.5μm以上200μm以下に調整し、表面電極17aとリード端子14との間に有機還元剤2を配置し、表面電極17aとリード端子14との間を加熱及び加圧して接合すればよい。このようにして接合することにより、半導体素子13とリード端子14との間の接合信頼性を向上させることができる。
ベース基板11としては、金属表面を有するものであれば特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。ベース基板11の例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金などから形成される基板が挙げられる。
回路基板12としては、特に限定されず、図2で示したDBC基板のような当該技術分野において公知のものを用いることができる。回路基板12を構成する絶縁基材18の例としては、窒化ケイ素(Si34)、窒化アルミニウム(AlN)などのセラミックから形成される基板が挙げられる。また、回路基板12を構成する表面導電層19a及び裏面導電層19bの例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金から形成される導電層が挙げられる。
半導体素子13としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。半導体素子13を構成する半導体基板16の例としては、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、GaAs(ガリウム砒素)、Ga23(酸化ガリウム)及びダイヤモンドなどから形成される基板が挙げられる。これらの中でも、高温動作が可能であり、次世代デバイスに有用なSiC、GaN、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体から形成される基板が好ましく、SiCから形成される基板が特に好ましい。また、半導体素子13を構成する表面電極17a及び裏面電極17bの例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金から形成される電極が挙げられる。
半導体素子13の種類としては、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、金属−酸化物−半導体接合電界効果トランジスタ(MOSFET)などのスイッチング素子の他、ダイオードなどの整流素子であってもよい。例えば、半導体素子13がMOSFETである場合、表面電極17aとしてゲート電極及びソース電極が形成され、裏面電極17bとしてドレイン電極が形成される。
リード端子14としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。リード端子14の例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金から形成される端子が挙げられる。
封止材15としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。封止材15の例としては、シリコーンゲル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
実施の形態1の金属接合方法を用いて製造される半導体装置は、第1金属部材1aに相当する、回路基板12に設けられた表面導電層19a、ベース基板11又は半導体素子13に設けられた表面電極17aと、第2金属部材1bに相当する、半導体素子13に設けられた裏面電極17b、回路基板12に設けられた裏面導電層19b又はリード端子14とが接合された接合体であって、接合体の接合面に、18nm以上91nm以下の平均サイズを有する未接合点が存在することを特徴とする。ここで、未接合点の平均サイズとは、走査型透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製STEM、HD−2700)を用いて、接合体の接合界面の断面を観察し、接合界面に存在する楕円状の未接合点(少なくとも15箇所)の接合面方向のサイズ(長さ)を計測し、その計測値を算術平均した値である。また、上記した未接合点の内部には、有機還元剤2が存在しない。また、接合部の周囲の不接合部21には、炭素(C)と硫黄(S)と酸素(O)とを含む化合物であって、炭素(C)原子数が6以上である化合物が存在する。
以下、実施例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、回路基板12と半導体素子13との接合を行い、その接合性について評価した。
回路基板12としてはDBC基板、半導体素子13としてはMOSFETを用いた。DBC基板は、窒化ケイ素(Si34)からなる絶縁基材18の両面に、銅からなる表面導電層19a及び裏面導電層19bが形成された構造を有する。絶縁基材18は、サイズを50mm×70mm、厚さを0.3mmとし、表面導電層19a及び裏面導電層19bは、厚さを0.4mmとした。
半導体素子13は、SiCからなる半導体基板16に、表面電極17aとしてCuからなるゲート電極及びソース電極、裏面電極17bとしてCuからなるドレイン電極をスパッタによって形成した構造を有する。半導体基板16のサイズは10mm×10mmとした。
まず、接合を行う回路基板12の表面導電層19a及び半導体素子13の裏面電極17bの表面をそれぞれ簡易切削処理し、表1(試験No.1〜7)に示す表面粗さ(Rz)に調整した。このとき、表面粗さ(Rz)は、工具の刃先形状及び送り度合いを調整することによって制御した。
次に、表面粗さ(Rz)を調整した回路基板12の表面導電層19aの表面に、有機還元剤2としてジエチレングリコールを滴下した後、その上に、表面粗さを調整した半導体素子13の裏面電極17bを重ね、回路基板12と半導体素子13とからなる積層体を得た。
次に、図1(b)に示すように、プレス機のプレス定盤3の間に積層体を配置し、半導体素子13とプレス定盤3との間にPTFE製の緩衝材4を挿入した後、加熱及び加圧処理を行なった。この処理において、加熱温度は330℃、加圧力は50MPa、処理時間は10分に設定した。
上記のようにして得られた回路基板12と半導体素子13との接合体について、耐熱衝撃性の試験を行うことによって接合性を評価した。具体的には、次のような手順に従って評価を行った。
まず、−55℃(15分保持)〜175℃(15分保持)の間を繰り返し往復させるヒートサイクル試験を実施し、1000サイクル後に超音波映像装置(株式会社日立パワーソリューションズ製FineSAT)を用いて接合面5のSAT画像を得た。次に、接合面5のSAT画像を画像処理ソフト(アドビ社製Adobe Photoshop)で二階調化処理(閾値を220で一定とした)し、接合面積を計算することによって、接合性を評価した。その結果を図5に示す。図5において、横軸は表面粗さ(Rz)を表し、縦軸は接合面積(%)を表す。
この評価において、接合面積≧90%の場合、接合性が良好であるため「〇」と表し、60%≦接合面積<90%の場合、接合性がやや劣るため「△」と表し、接合面積<60%の場合、接合性が不十分なため「×」と表す。その結果を表1に示す。
なお、比較として、接合を行う回路基板12の表面導電層19a及び半導体素子13の裏面電極17bの表面をそれぞれCMP処理して平滑化した後、上記と同様にして回路基板12と半導体素子13との接合を行い、その接合性を評価した結果も表1に示す(試験No.8)。また、比較として、接合を行う回路基板12の表面導電層19a及び半導体素子13の裏面電極17bの表面をそれぞれ精密機械研磨して平滑化した後、上記と同様にして回路基板12と半導体素子13との接合を行い、その接合性を評価した結果も表1に示す(試験No.9及び10)。
Figure 2018154870
表1に示されるように、回路基板12の表面導電層19a及び半導体素子13の裏面電極17bの表面粗さ(Rz)を0.5μm以上200μm以下の範囲に調整した試験No.1〜6では、回路基板12と半導体素子13との間の接合性が良好であったのに対し、当該表面粗さ(Rz)が大きすぎる試験No.7では、回路基板12と半導体素子13との間の接合性が不十分であった。また、試験No.1〜6は、CMP処理を行った試験No.8並びに精密機械研磨した試験No.9及び10よりも、回路基板12と半導体素子13との間の接合性が良好であった。
さらに、走査型透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製STEM、HD−2700)を用いて、本発明の金属接合方法で得られた接合体の接合界面の断面を分析した。図6に、その断面の二次電子像の一例を示す。接合体の接合界面に未接合点20が存在することが確認された。溶融はんだを介して接合する場合、還元剤等の揮発によって気泡が生じるため、球状の未接合点が形成される。しかし、本発明の金属接合方法では、金属部材同士を加熱及び加圧しながら接合するため、球状の未接合点はあまり形成されず、接合面に沿って楕円状の未接合点が形成されるという特長がある。
次に、試験No.1〜10の接合体の接合界面の断面写真より、楕円状の未接合点の接合面方向のサイズ(長さ)を計測し、その平均値と表面粗さ(Rz)との関係を確認した。その結果を、表1に示すとともに、グラフ化したものを図7に示す。なお、未接合点の間隔が1nm未満である場合は、繋がっていると判断して計測した。表1及び図7に示す通り、表面粗さ(Rz)が0.5μm以上200μm以下であると、未接合点のサイズが19nm以上89nm以下であった。一方、表面粗さ(Rz)が0.5μm未満又は200μm超であると、未接合点のサイズが100nmを超えるサイズになっていることが確認された。
(実施例2)
実施例2では、ベース基板11と回路基板12との接合を行い、その接合性について評価した。ベース基板11としてはCu基板を用い、回路基板12としては実施例1と同様のものを用いた。ベース基板11は、サイズを100mm×120mm、厚さを8mmとした。
まず、接合を行う回路基板12の裏面導電層19b及びベース基板11の表面をそれぞれ簡易切削処理し、表2(試験No.11〜17)に示す表面粗さ(Rz)に調整した。このとき、表面粗さ(Rz)は、工具の刃先形状及び送り度合いを調整することによって制御した。
次に、表面粗さ(Rz)を調整したベース基板11の表面に、有機還元剤2としてジエチレングリコールを滴下した後、その上に、表面粗さ(Rz)を調整した回路基板12の裏面導電層19bを重ね、ベース基板11と回路基板12とからなる積層体を得た。
次に、図1(b)に示すように、プレス機のプレス定盤3の間に積層体を配置し、回路基板12とプレス定盤3との間にPTFE製の緩衝材4を挿入した後、加熱及び加圧処理を行なった。この処理において、加熱温度は300℃、加圧力は50MPa、処理時間は10分に設定した。
上記のようにして得られたベース基板11と回路基板12との接合体について、実施例1と同様にして接合性を評価した。その結果を図8に示す。図8において、横軸は表面粗さ(Rz)を表し、縦軸は接合面積(%)を表す。
また、比較として、接合を行う回路基板12の裏面導電層19b及びベース基板11の表面をそれぞれCMP処理して平滑化した後、上記と同様にしてベース基板11と回路基板12との接合を行い、その接合性を評価した結果も表2に示す(試験No.18)。また、比較として、接合を行う回路基板12の表面導電層19a及び半導体素子13の裏面電極17bの表面をそれぞれ精密研磨して平滑化した後、上記と同様にして回路基板12と半導体素子13との接合を行い、その接合性を評価した結果も表2に示す(試験No.19及び20)。
Figure 2018154870
表2に示されるように、回路基板12の裏面導電層19b及びベース基板11の表面粗さ(Rz)を0.5μm以上200μm以下の範囲に調整した試験No.11〜16では、ベース基板11と回路基板12との間の接合性が良好であったのに対し、当該表面粗さ(Rz)が大きすぎる試験No.17では、ベース基板11と回路基板12との間の接合性が不十分であった。また、試験No.11〜16は、CMP処理を行った試験No.18並びに精密機械研磨した試験No.19及び20よりも、ベース基板11と回路基板12との間の接合性が良好であった。
さらに、実施例1と同様に、走査型透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製STEM、HD−2700)を用いた試験No.11〜20の接合体の接合界面の断面写真より、楕円状の未接合点の接合面方向のサイズ(長さ)を計測し、その平均値と表面粗さ(Rz)との関係を確認した。その結果を、表2に示すとともに、グラフ化したものを図9に示す。なお、未接合点の間隔が1nm未満である場合は、繋がっていると判断して計測した。表2及び図9に示す通り、表面粗さ(Rz)が0.5μm以上200μm以下であると、未接合点のサイズが22nm以上91nm以下であった。一方、表面粗さ(Rz)が0.5μm未満又は200μm超であると、未接合点のサイズが100nmを超えるサイズになっていることが確認された。
(実施例3)
実施例3では、半導体素子13とリード端子14との接合を行い、その接合性について評価した。半導体素子13としては実施例1と同様のものを用い、リード端子14としてはCuからなる端子を用いた。リード端子14は、サイズを15mm×15mm、厚さを2mmとした。
まず、接合を行う半導体素子13の表面電極17a及びリード端子14の表面をそれぞれ簡易切削処理し、表3(試験No.21〜27)に示す表面粗さ(Rz)に調整した。このとき、表面粗さ(Rz)は、工具の刃先形状及び送り度合いを調整することによって制御した。
次に、表面粗さ(Rz)を調整した半導体素子13の表面電極17aの表面に、有機還元剤2としてジエチレングリコールを滴下した後、その上に、表面粗さ(Rz)を調整したリード端子14を重ね、半導体素子13とリード端子14とからなる積層体を得た。
次に、図1(b)に示すように、プレス機のプレス定盤3の間に積層体を配置し、リード端子14とプレス定盤3との間にPTFE製の緩衝材4を挿入した後、加熱及び加圧処理を行なった。この処理において、加熱温度は330℃、加圧力は50MPa、処理時間は10分に設定した。
上記のようにして得られた半導体素子13とリード端子14との接合体について、実施例1と同様にして接合性を評価した。その結果を図10に示す。図10において、横軸は表面粗さ(Rz)を表し、縦軸は接合面積(%)を表す。
また、比較として、接合を行う半導体素子13の表面電極17a及びリード端子14の表面をそれぞれCMP処理して平滑化した後、上記と同様にして半導体素子13とリード端子14との接合を行い、その接合性を評価した結果も表3に示す(試験No.28)。また、比較として、接合を行う回路基板12の表面導電層19a及び半導体素子13の裏面電極17bの表面をそれぞれ精密研磨して平滑化した後、上記と同様にして回路基板12と半導体素子13との接合を行い、その接合性を評価した結果も表3に示す(試験No.29及び30)。
Figure 2018154870
表3に示されるように、半導体素子13の表面電極17a及びリード端子14の表面粗さ(Rz)を0.5μm以上200μm以下の範囲に調整した試験No.21〜26では、半導体素子13とリード端子14との間の接合性が良好であったのに対し、当該表面粗さ(Rz)が大きすぎる試験No.27では、半導体素子13とリード端子14との間の接合性が不十分であった。また、試験No.21〜26は、CMP処理を行った試験No.28並びに精密機械研磨した試験No.29及び30よりも、半導体素子13とリード端子14との間の接合性が良好であった。
さらに、実施例1と同様に、走査型透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製STEM、HD−2700)を用いた試験No.21〜30の接合体の接合界面の断面写真より、楕円状の未接合点の接合面方向のサイズ(長さ)を計測し、その平均値と表面粗さ(Rz)との関係を確認した。その結果を、表3に示すとともに、グラフ化したものを図11に示す。なお、未接合点の間隔が1nm未満である場合は、繋がっていると判断して計測した。表3及び図11に示す通り、表面粗さ(Rz)が0.5μm以上200μm以下であると、未接合点のサイズが18nm以上85nm以下であった。一方、表面粗さ(Rz)が0.5μm未満又は200μm超であると、未接合点のサイズが100nmを超えるサイズになっていることが確認された。
次に、代表的な未接合点の内部を、EDS(Energy Dispersive X−ray Spectrometry)で点分析したところ、Cu以外に有機成分である炭素(C)が検出された。有機成分の詳細を調べるため、GC/MS(クロマトグラフィ)分析により、成分の同定を試みた。その結果、有機還元剤2として使用したジエチレングリコール(C4103)は検出されなかった。しかし、接合部の周囲にある不接合部21から、Cu以外に炭素(C)、硫黄(S)及び酸素(O)を含む化合物が検出された。ここで検出された炭素(C)は、加熱によって、有機還元剤2による酸化膜の還元反応と同時に有機還元剤2の一部が大気あるいは表面の不可避不純物と反応して炭化したものに起因すると考えられる。また、Cuは大気に放置していると空気中の硫黄(S)及び酸素(O)と反応しやすいため、ここで検出された硫黄(S)及び酸素(O)は、固相拡散接合の過程でCuと空気中の硫黄(S)及び酸素(O)とが反応して凝集したものに起因すると考えられる。接合部の周囲にある不接合部21に存在する化合物中の炭素原子数は6以上であった。有機還元剤2は炭化する(炭素原子数が多くなる)と分解温度が300℃を超える。別の言い方をすると、接合部の周囲にある不接合部21に存在する化合物は、接合信頼性評価である耐熱衝撃試験において分解・反応することがないため、接合部の信頼性に悪影響を与えることはない。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、接合信頼性に優れた金属接合方法、及び半導体装置10の製造方法を提供することができる。
なお、本国際出願は、2017年2月27日に出願した日本国特許出願第2017−034563号に基づく優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を本国際出願に援用する。
1a 第1金属部材、1b 第2金属部材、3 プレス定盤、4 緩衝材、5 接合面、10 半導体装置、11 ベース基板、12 回路基板、13 半導体素子、14 リード端子、15 封止材、16 半導体基板、17a 表面電極、17b 裏面電極、18 絶縁基材、19a 表面導電層、19b 裏面導電層、20 未接合点、21 不接合部。

Claims (14)

  1. 第1金属部材及び第2金属部材の表面粗さを0.5μm以上200μm以下に調整する工程と、
    前記第1金属部材と前記第2金属部材との間に有機還元剤を配置する工程と、
    前記第1金属部材と前記第2金属部材との間を加熱及び加圧して接合する工程とを含む金属接合方法。
  2. 前記有機還元剤が、多価アルコール、カルボン酸及びアミンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の金属接合方法。
  3. 前記第1金属部材及び前記第2金属部材の表面粗さを0.5μm以上100μm以下に調整する、請求項1又は2に記載の金属接合方法。
  4. 加熱温度が120℃以上350℃以下であり、加圧力が10MPa以上200MPa以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属接合方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項の金属接合方法を用いる半導体装置の製造方法。
  6. 前記第1金属部材が、回路基板に設けられた表面導電層であり、前記第2金属部材が、半導体素子に設けられた裏面電極である、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記回路基板に設けられた表面導電層が、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金から形成され、前記半導体素子に設けられた裏面電極が、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金から形成されている、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記半導体素子が、シリコン、シリコンカーバイド、窒化ガリウム、ガリウム砒素、酸化ガリウム及びダイヤモンドからなる群から選択される少なくとも1種から形成された半導体基板を有する、請求項6又は7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第1金属部材が、金属表面を有するベース基板であり、前記第2金属部材が、回路基板に設けられた裏面導電層である、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記ベース基板の金属表面が、金、銀、銅、ニッケル、モリブデン、タングステン又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金から形成され、前記回路基板に設けられた裏面導電層が、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金から形成されている、請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記第1金属部材が、半導体素子に設けられた表面電極であり、前記第2金属部材がリード端子である、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記半導体素子に設けられた表面電極が、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金から形成され、前記リード端子が、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金から形成されている、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 第1金属部材と第2金属部材とが接合された接合体の接合面に、18nm以上91nm以下の平均サイズを有する未接合点が存在することを特徴とする半導体装置。
  14. 前記未接合点の内部には、有機還元剤が存在せず且つ酸化物及び硫化物が埋包されていないことを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
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