JPWO2018151271A1 - コーティング組成物及び表面保護被膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、臭気が少なく、施工が簡便で、かつ常温での乾燥性、硬化性に優れ、得られる塗膜が耐擦り傷性及び耐クラック性に優れるコーティング組成物の提供を目的とする。本発明は、(A)エポキシ基及びシロキサン結合を有する重量平均分子量が500〜20,000であるエポキシシランオリゴマー、(B)平均一次粒子径が1〜100nmの範囲内のコロイダルシリカ、及び(C)硬化触媒を含有するコーティング組成物に関する。

Description

本発明は、オフィスビル、商業施設、コンビニエンスストア等の合成樹脂系床材、木質系床材、セラミックス系床材、金属系床材等の各種素材の床面に簡便に施工することができ、乾燥性並びに得られる塗膜が耐擦り傷性及び耐クラック性に優れ、長期にわたってその床面を保護することができるコーティング組成物及び表面保護被膜形成方法に関する。
従来、建築物の床面は、耐擦り傷性や艶の向上を目的に水性のエマルション系樹脂を主成分とした樹脂ワックスが塗装されている。しかしながら、前記樹脂ワックスは、歩行や台車での資材運搬等により塗膜表面に多数の傷や汚れが付き易く、光沢も比較的短期間で低下してしまうため、年に数回再塗装をする作業が必要となり、メンテナンスコストや耐久性に問題があった。このことから、擦り傷や光沢等に対する耐久性の高いコーティング剤が望まれていた。
このような要望に応えるべく、近年、耐擦り傷性が良好でその耐久性が高い、シリコーン系コーティング剤組成物や活性エネルギー線硬化性組成物等のハードコート系材料が提案されてきている。例えば、特許文献1には、特定量のシラノール基を有するポリオルガノシロキサン樹脂を主成分とするフロアコーティング剤組成物が開示されている。かかるフロアコーティング剤組成物によれば、室温で良好な乾燥性及び硬化性を発揮し得る塗膜を形成することができるが、有機溶剤が多量に使用され臭気が多く、室内環境下で使用し難い。
また、特許文献2には、アルコキシシランオリゴマー、可塑剤、硬化触媒を含有する床用コーティング剤組成物が開示されている。かかる床用コーティング剤組成物によれば、高光沢で耐擦り傷性に優れ、長期にわたって床面を保護できると共に、必要に応じて塗膜を容易に剥離して再塗装することができる特徴を有するが、乾燥性が劣るため、施工直後は傷が付きやすく塗装作業性に問題があった。
一方、特許文献3には、臭気が少なく、塗布後の乾燥工程が不要又は短時間で済む無溶剤又は低溶剤型の床材被覆用活性エネルギー線硬化性組成物が開示されている。かかる活性エネルギー線硬化性組成物によれば、耐擦り傷性に優れた硬化塗膜を形成することができるが、照射装置が大掛かりで設備投資がかかる上、塗装前の準備が煩雑になる場合が多く簡便に施工することができず問題があった。また、活性エネルギー線の照射不足(例えば構造体の隙間等)による硬化不良や、活性エネルギー線の照射による床面素材そのものや電気コード等への損傷の懸念もある。
日本国特開2012−12477号公報 日本国特開2015−175151号公報 日本国特開2015−218244号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、臭気が少なく、施工が簡便で、かつ常温での乾燥性、硬化性に優れ、得られる塗膜が耐擦り傷性及び耐クラック性に優れるコーティング組成物を提供することである。
かかる状況の下、本発明者らは鋭意研究した結果、特定範囲内の重量平均分子量のエポキシシランオリゴマー、コロイダルシリカ及び硬化触媒を含有するコーティング組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出した。
従って本発明は、下記の態様を包含する。
項1.
(A)エポキシ基及びシロキサン結合を有する重量平均分子量が500〜20,000であるエポキシシランオリゴマー、
(B)平均一次粒子径が1〜100nmの範囲内のコロイダルシリカ、及び
(C)硬化触媒
を含有するコーティング組成物。
項2.
前記エポキシシランオリゴマー(A)が、下記一般式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランの加水分解縮合物(a1)、及び/又は、該エポキシ基含有加水分解性シランと下記一般式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)である項1記載のコーティング組成物。
[式(I)中、Rはエポキシ基を含有する有機基を示し、Xは同一又は異なってもよい加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示す。]
[式(II)中、Rはエポキシ基を有さない有機基を示し、Xは同一又は異なってもよい加水分解性基を示し、aは0〜3の整数を示す。]
項3.
さらに、反応性基を有するシランカップリング剤(D)を前記(A)成分及び前記(B)成分の有効成分の合計質量100質量部に対して1〜100質量部含有する項1又は項2に記載のコーティング組成物。
項4.
前記コロイダルシリカ(B)が、酸性コロイダルシリカである項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
項5.
さらに、20℃条件下で100gの水への溶解度が5g以上である有機溶剤(E)を前記(A)成分及び前記(B)成分の有効成分の合計質量100質量部に対して5〜200質量部含有する項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
項6.
さらに、前記一般式(II)で表される1〜4官能性のエポキシ基を有さない加水分解性シランから選ばれる少なくとも1種の加水分解性シラン及び/又は該加水分解性シランの加水分解縮合物(F)を含有する項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
項7.
前記(F)成分のうち、少なくともその成分の一部に下記一般式(III)で表される4官能性の加水分解性シラン及び/又は該加水分解性シランの加水分解縮合物(G)を含有する項6に記載のコーティング組成物。
[前記式(III)中、Xは前記と同じ意味である。]
項8.
前記エポキシシランオリゴマー(A)が、前記式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランと前記式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)である項1〜7のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
項9.
前記エポキシシランオリゴマー(A)が、前記式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランと前記式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)であり、前記式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランと前記式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの割合が、前者/後者(モル比)として99/1〜55/45の範囲内である項1〜8のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
項10.
さらに、水(H)を含有する項1〜9のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
項11.
基材表面に、項1〜10のいずれか1項に記載のコーティング組成物をトップコートとして塗装し、乾燥させる工程を含む、表面保護被膜形成方法。
項12.
床面に、項1〜10のいずれか1項に記載のコーティング組成物をトップコートとして塗装し、乾燥させる工程を含む、床面の表面保護被膜形成方法。
本発明のコーティング組成物は、臭気が少なく、施工が簡便で、かつ常温での乾燥性、硬化性に優れ、得られる塗膜は耐擦り傷性及び耐クラック性に優れる。また、本発明の組成物は、水希釈安定性が良好であり、硬化過程において特別な装置を必要とすることなく硬化が可能であることから、施工が簡便であり塗装作業性に優れる。また、本発明のコーティング組成物を基材表面、例えば床面に適用した場合に、長期にわたってその床面を保護することができる。
本発明のコーティング組成物は、(A)重量平均分子量が500〜20,000の範囲内であるエポキシシランオリゴマー、(B)平均一次粒子径が1〜100nmの範囲内のコロイダルシリカ及び、(C)硬化触媒を含有することを特徴とする。
(A)エポキシシランオリゴマー
本発明のコーティング組成物が含有するエポキシシランオリゴマー(A)は、分子中にエポキシ基及びシロキサン結合を有し、重量平均分子量が500〜20,000範囲内である化合物である。
かかるエポキシシランオリゴマー(A)は、例えば、下記一般式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランの加水分解縮合物(a1)、及び/又は、該エポキシ基含有加水分解性シランとエポキシ基を有さない下記一般式(II)で表される加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)であることができる。
[式(I)中、Rはエポキシ基を含有する有機基を示し、Xは同一又は異なってもよい加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示す。]
[式(II)中、Rはエポキシ基を有さない有機基を示し、Xは同一又は異なってもよい加水分解性基を示し、aは0〜3の整数を示す。]
前記Rのエポキシ基を含有する有機基としては、具体的には、グリシドキシプロピル基等のグリシドキシ基、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル基、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等の3,4−エポキシシクロヘキシル基等を挙げることができる。
前記Xは加水分解性基であり、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、アミノキシ基、ハロゲン原子などが挙げられるが、入手しやすい炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、加水分解縮合の反応速度の点から、メトキシ基が好ましい。
前記一般式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランとしては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルジメトキシシランなどが挙げられる。
エポキシシランオリゴマー(A)は、前記式(I)で表される加水分解性シラン及び下記式(II)で表される加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)であってもよい。
[式(II)中、Rはエポキシ基を有さない有機基を示し、Xは同一又は異なってもよい加水分解性基を示し、aは0〜3の整数を示す。]
エポキシ基を有さない有機基としては、耐擦り傷性の点から、炭素数1〜18の1価の有機基が好ましく、直鎖でも分岐していてもよく、ウレタン結合、エステル結合、エーテル結合等を有していてもよく、フッ素などのハロゲン等により置換されていてもよい。
前記一般式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとして具体的には、例えば、前記aが0〜3の整数であり、単官能性、2官能性、3官能性又は4官能性の加水分解性シランである。
a=1である3官能性の加水分解性シランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名「KC−89S」、信越化学工業製)、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン;メトキシPEG−10プロピルトリメトキシシラン等のポリアルキレングリコール変性トリメトキシシランなどを挙げることができる。
a=2である2官能性の加水分解性シランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン;ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等のオルガノハロシランなどを挙げることができる。
a=3である単官能性の加水分解性シランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルイソプロピルプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどを挙げることができる。
a=0である4官能性の加水分解性シランとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラフェノキシシランなどのテトラアルコキシシラン;テトラクロロシランなどのテトラハロシランを挙げることができる。
単官能性、2官能性、3官能性又は4官能性の加水分解性シランは、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記エポキシシランオリゴマー(A)の重量平均分子量は、乾燥性と耐クラック性の点から、500〜20,000であり、600〜10,000が好ましく、600〜4000がさらに好ましい。
前記エポキシシランオリゴマー(A)のエポキシ当量は、水希釈安定性と硬化性の点から、通常130(g/eq)以上であり、150(g/eq)以上が好ましく、180(g/eq)以上がさらに好ましく、また、1,000(g/eq)以下が好ましく、800(g/eq)以下がさらに好ましい。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G3000HXL」、「TSKgel G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
(A)エポキシシランオリゴマーの製造方法
(A)成分であるエポキシシランオリゴマーは、一般的なオルガノシランオリゴマーの製造に用いられている製造方法と従来公知の化学反応とを組み合わせることにより得ることができる。例えば、以下の製造方法を用いて製造することができる。
具体的には例えば、出発物質に前記式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランと、必要に応じて前記式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとを、水及び触媒の存在下で加水分解縮合反応を行い(A)成分であるエポキシシランオリゴマーを製造する方法が挙げられる。
エポキシシランオリゴマー(A)は、特に耐擦り傷性の点から、エポキシシランオリゴマー(A)が、前記一般式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランの加水分解縮合物(a1)、及び/又は、該エポキシ基含有加水分解性シランと前記一般式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)が好ましく、特に前記一般式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランと前記一般式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)が好ましい。
上記のうち、エポキシシランオリゴマー(A)が、前記加水分解化合物(a2)である場合には、前記式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランと前記式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの割合が、前者/後者(モル比)として99/1〜55/45の範囲内であることが好ましく、85/15〜60/40の範囲内で調整されることがさらに好ましい。
前記エポキシシランオリゴマー(A)は、前記加水分解縮合物(a1)と前記加水分解縮合物(a2)を併用してもよい。
本発明に使用するエポキシシシランオリゴマー(A)の製造方法における加水分解縮合反応は、前記触媒の存在下で、例えばpH1〜7.5、好ましくはpH2〜7の範囲の条件を採用するのがよい。上記pH領域で反応させることで合成中にゲル化や、凝集物が発生したりすることを抑制できる。
触媒としては、前記pH領域に調整できるものであれば、その種類は特に制限はなく、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、安息香酸、マロン酸、グルタール酸、トルエンスルホン酸などの有機酸類もしくはフッ化水素、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸類、又は表面にカルボン酸基やスルホン酸基を有する陽イオン交換樹脂等の固体酸触媒等が挙げられる。
前記触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、多すぎるとコスト高になる、合成中や貯蔵中にゲル化する等の問題があり、少ないと反応が遅くなる場合がある。
そのため、前記触媒の使用量は、出発物質として配合される加水分解性シラン100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜15質量部の範囲が適当である。
前記加水分解縮合反応において、有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒を用いることは、ゲル化を防止する点及び製造時の粘度を調節できる点から好ましい。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類を使用することができる。
加水分解縮合時の反応温度としては、通常0〜200℃、好ましくは10〜190℃、さらに好ましくは10〜120℃である。また、この反応は圧力によらず実施できるが、0.02〜0.2MPaの圧力範囲が好ましく、特に0.08〜0.15MPaの圧力範囲が好ましい。当該反応は、通常、1〜15時間程度で終了する。
加水分解縮合後の混合液からは、反応で生成したアルコール、溶媒及び触媒を公知の手法で除去してもよい。尚、得られた生成物は、その目的に応じて、洗浄、カラム分離、固体吸着剤による吸着等の各種の精製法によって触媒を除去し、さらに精製してもよい。効率の点から水洗により反応で生成したアルコール及び触媒を除去することが好ましい。
ここで、前記加水分解縮合反応において前記加水分解性シランの加水分解性基の縮合割合によりエポキシシランオリゴマーの構造が変化するが、本製造方法により得られる生成物には、Si−OH基が100%縮合した、完全籠型構造、Si−OH基が残存した直鎖状、分岐状、ラダー構造、不完全籠型構造及び/又はランダム縮合体のエポキシシランオリゴマーが含まれる場合がある。本製造方法により得られる(A)成分であるエポキシシランオリゴマーは、それら完全籠型構造、直鎖状、分岐状、ラダー構造、不完全籠型構造及び/又はランダム縮合体のいずれであってもよい。
前記エポキシシランオリゴマー(A)の含有量は、エポキシシランオリゴマー(A)及びコロイダルシリカ(B)の有効成分100質量部に対して、耐クラック性、耐擦り傷性の点から、例えば20〜80質量部、好ましくは25〜60質量部、さらに好ましくは30〜60質量部である。
(B)コロイダルシリカ
本発明のコーティング組成物が含有するコロイダルシリカ(B)は、耐擦り傷性を向上させる点から平均一次粒子径が1〜100nmの範囲内であることを特徴とする。
本明細書において、平均一次粒子径は動的光散乱法によって測定される体積基準粒度分布のメジアン径(d50)であって、例えば日機装社製のナノトラック粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
コロイダルシリカは、シリカの微粒子を分散媒に分散させたものである。
分散媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール等の多価アルコール系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン系溶剤;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等のモノマーがある。中でも、水、メタノール、エタノール等の水溶性溶剤、特に水を分散媒としたものであることがコーティング組成物に適用した際の安定性の点から好ましい。
水を分散媒とするコロイダルシリカとしては、例えば、酸性コロイダルシリカ、塩基性コロイダルシリカ等が挙げられる。
酸性コロイダルシリカとしては、特に限定されないが、例えば、市販品としてスノーテックスAK、スノーテックスO、スノーテックスO−40、スノーテックスOL、スノーテックスOUP、スノーテックスOXS、スノーテックスOYL(以上、商品名、日産化学工業社製、スノーテックスは登録商標)、アデライトAT−20Q(商品名、ADEKA社製、アデライトは登録商標)等が挙げられる。
塩基性コロイダルシリカとしては、特に限定されないが、例えば、市販品としてスノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックスNXS(以上、商品名、日産化学工業社製、スノーテックスは登録商標)、アデライトAT−20、アデライトAT−20N(以上、商品名、ADEKA社製、アデライトは登録商標)等が挙げられる。
水溶性溶剤を分散媒とするコロイダルシリカとしては、特に限定されないが、例えば、市販品としてMA−ST−M、IPA−ST、EG−ST、PGM−ST(以上、商品名、日産化学工業社製)等が挙げられる。
これらコロイダルシリカは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のコロイダルシリカを併用する方法としては、具体的には例えば、平均一次粒子径が10〜15nmの酸性コロイダルシリカと平均一次粒子径が20〜25nmの酸性コロイダルシリカとを、質量比(前者/後者)が、好ましくは10/90〜70/30の範囲内となるように併用する方法、平均一次粒子径が20〜25nmの酸性コロイダルシリカと平均一次粒子径が50〜80nmの酸性コロイダルシリカとを、質量比(前者/後者)が、好ましくは10/90〜60/40となるように併用する方法が挙げられる。
さらに、コロイダルシリカには、アルミナゾル、チタニアゾル、セリアゾル等のシリカ微粒子以外の無機質微粒子を含有させることもできる。
コロイダルシリカ(B)の平均一次粒子径は、硬化塗膜の透明性及び硬度の点から1〜100nmが好ましく、8〜50nmがさらに好ましく、10〜50nmがとくに好ましい。
中でも、前記コロイダルシリカは、コーティング組成物の安定性、塗膜外観から酸性コロイダルシリカが好適に使用できる。
コロイダルシリカ(B)の含有量は、得られる被膜の硬度と耐擦り傷性の点から、エポキシシランオリゴマー(A)及びコロイダルシリカ(B)の有効成分の合計質量100質量部に対して、例えば20〜80質量部、好ましくは40〜75質量部、さらに好ましくは40〜70質量部である。
(C)硬化触媒
本発明は、コーティング組成物の硬化性の点から、硬化触媒を含有する。
硬化触媒としては、加水分解性基を有する化合物を加水分解縮合させて硬化性を促進させうるものであれば、特に限定されず、前記エポキシシランオリゴマー(A)の製造方法の項に例示した触媒の他、ジアセチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジアセチル錫ジオクトエート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクチレートなどの有機錫化合物;アルミニウムトリメトキシド、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリス(アセチルアセトン)、アルミニウムトリス(アセトアセテートエチル)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセトアセテートエチル)、アルミニウムアセチルアセトネート等の有機アルミニウム化合物;チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)、テトラノルマルブチルチタネート等の有機チタン化合物;ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)等の有機ジルコニウム化合物;ナフテン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物;オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物;ホウ酸、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリ(4−クロロフェニル)、ホウ酸トリヘキサフルオロイソプロピル等のホウ酸エステル等のホウ酸化合物等;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等の水酸化アンモニウム塩;テトラブチルアンモニウムフルオリド等のフッ化アンモニウム塩;ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のエタノールアミン類、DBU等の強塩基3級アミン化合物等が挙げられる。上記硬化触媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記硬化触媒の中でも、乾燥性や耐擦り傷性、水希釈安定性の点からリン酸化合物、有機錫化合物が好ましい。
上記リン酸化合物としては、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、メタンホスホン酸、ベンゼンホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ホスフィン酸;これらのリン酸化合物のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩などが挙げられる。
硬化触媒(C)の含有量としては、前記エポキシシランオリゴマー(A)及びコロイダルシリカ(B)の有効成分の合計質量100質量部に対して、0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜20質量部となる範囲内で調整されることが好ましい。
(D)シランカップリング剤
本発明のコーティング組成物は、シランカップリング剤(D)を含有してもよい。シランカップリング剤(D)を含有することにより、コーティング組成物中の前記コロイダルシリカ(B)の分散性が向上し、耐擦り傷性と光沢度等の塗膜外観が向上し、特に好ましい。シランカップリング剤(D)としては、特に制限されることはないが、反応性基を有するシランカップリング剤が好適である。
反応性基は、例えば、コーティング組成物に凝集が発生せず、常温で反応し得る官能基であれば特に制限されないが、具体的には、エポキシ基、水酸基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基又はイソシアネート基等を挙げることができる。
シランカップリング剤(D)としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、等のグリシドキシ基含有シランカップリング剤、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルジメトキシシラン等の(3,4−エポキシシクロヘキシル)基含有シランカップリング剤等のエポキシ基含有シランカップリング剤;3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン等のウレイド基含有シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン等のビニル基含有シランカップリング剤;3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン等の(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、コーティング組成物の安定性、耐擦り傷性の点からウレイド基含有シランカップリング剤、グリシドキシ基含有シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤(D)を本発明のコーティング組成物に含有させる場合、その含有率としては、塗膜外観、耐擦り傷性の点から、前記エポキシシランオリゴマー(A)及び前記コロイダルシリカ(B)の有効成分の合計質量100質量部を基準として、1〜100質量部、好ましくは5〜50質量部である。
(E)有機溶剤
本発明のコーティング組成物は、無溶剤でもよく、または有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤(E)を含有することにより、前記エポキシシランオリゴマー(A)とコロイダルシリカ(B)との相溶性を向上させることができ特に好ましい。有機溶剤としては、上記加水分解性シラン化合物を溶解し、その加水分解縮合反応が進行した後も溶解し得る限り、任意の適切なものを用いることができる。
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、ブタノール、メチルイソブチルカルビノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、プロピオン酸メチル等のエステル系溶剤;シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソプロピルグリコール等のエーテル系溶剤;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素類系溶剤が挙げられる。これらは、粘度の調整、塗布性の調整等の目的に応じて適宜組み合わせて使用することができる。
上記有機溶剤の水への溶解度(20℃)としては、5g/水100g以上が好ましく、仕上がり性と前記エポキシシランオリゴマー(A)とコロイダルシリカ(B)、後述の加水分解性シラン及び/又はその加水分解縮合物(F)及びシランシランカップリング剤(D)を配合する場合には、それらの相溶性向上の点から、好ましくは20g/水100g以上、より好ましくは50g/水100g以上である。
仕上がり性と硬化性の点から、上記有機溶剤の中でも、塗装作業性と相溶性の点から、ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテルの中から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
有機溶剤(E)を本発明のコーティング組成物に含有させる場合、その含有率としては、塗膜外観、塗装作業性の点から、前記エポキシシランオリゴマー(A)成分及び前記コロイダルシリカ(B)成分の有効成分の合計質量100質量部を基準として、例えば5〜200質量部、好ましくは10〜50質量部である。
(F)1〜4官能性の加水分解性シランから選ばれる少なくとも1種の加水分解性シラン及び/又はその加水分解縮合物
本発明のコーティング組成物は、1〜4官能性の加水分解性シランから選ばれる少なくとも1種の加水分解性シラン及び/又はその加水分解縮合物(F)を含有してもよい。前記(F)成分としては、前記一般式(II)で表される加水分解性シランの加水分解縮合物を好適に使用することができる。
前記一般式(II)で表される1〜4官能性のエポキシ基を有さない加水分解性シランが具体的に挙げられるが、中でも、特に乾燥性の点から、メチルトリメトキシシランが好ましい。
前記1〜4官能性のエポキシ基を有さない加水分解性シランから選ばれる少なくとも1種の加水分解性シラン及び/又はその加水分解縮合物(F)を本発明のコーティング組成物に含有させる場合、その含有率としては、耐擦り傷性と耐クラック性などのバランスの点から適宜調整することができるが、コーティング組成物の有効成分の総量に対して、1〜40質量%、好ましくは35〜30質量%である。
(G)4官能性の加水分解性シラン及び/又はその加水分解縮合物
本発明のコーティング組成物は、前記(F)成分のうち、少なくともその成分の一部に4官能性の加水分解性シラン及び/又はその加水分解縮合物(G)を含有してもよい。
(G)成分としては、下記一般式(III)で表される加水分解性シラン及び/又はその加水分解縮合物が挙げられる。
[前記式(III)中、Xは前記と同じ意味である。]
上記一般式(III)は、4官能性の加水分解性シランであり、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラフェノキシシランなどのテトラアルコキシシラン;テトラクロロシランなどのテトラハロシラン等を挙げることができる。
前記4官能性の加水分解性シランの加水分解縮合物としては、平均縮合度が2〜15のものが好適であり、該オルガノシリケート化合物を900℃で焼成した際にシリカとなって残る該シリカの重量分率で20〜60質量%の範囲内となるまで縮合せしめた縮合物が好適である。また該加水分解縮合物には、直鎖状の縮合物以外に、分岐状或いは環状構造の縮合物を含んでいてもよい。
なお、前記平均縮合度は、4官能性の加水分解性シランの縮合化合物におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)から得られる分子量を用いて求めることができる。
前記一般式(III)で表される4官能性の加水分解性シラン及び/又はその加水分解縮合物(G)を含有させる場合のその含有率は、耐擦り傷性と乾燥性、耐クラック性のバランスの観点から、コーティング組成物の有効成分の総量に対して1〜20質量%、好ましくは1.5〜15質量%の範囲内が好ましい。
ここで、本明細書において、有効成分とは、試料から、水、有機溶剤などの溶媒を除いた残渣を意味する。有効成分の量は、溶剤等が含まれる混合物・組成物等を105℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して溶剤等を揮散させたときの加熱残分により求めることができる。
(H)水
本発明のコーティング組成物は、水(H)を含有してもよい。水を含有することにより、塗膜形成時に乾燥を促進することができる。また、塗装時に水で後から希釈することによりコーティング組成物の粘度を適宜調整し、塗装作業性を調製することができる。本発明のコーティング組成物は組成物中に水を含むことが可能であると共に、塗装段階の希釈作業において、有機溶剤ではなく水を用いることができるため、屋内作業においても、作業者の健康や周辺の衛生環境を損なう恐れが少なく安全性が高い。
水としては、任意のものを用いることができ、例えば、水道水、イオン交換水、および純水が好ましく用いられる。
上記水(H)の含有量は、本発明のコーティング組成物の仕上がり性や塗装時のハジキ性を配慮した範囲内で適宜調節することができる。
後から添加する場合、その添加量としては、例えば希釈前のコーティング組成物の有効成分の総量に対して、1〜30質量%の範囲内とすることができる。
本発明のコーティング組成物は、その他、性能を損なわない範囲で、前記硬化触媒以外の硬化触媒、RTVゴム、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等の顔料、染料、艶消し剤、骨材、樹脂粒子、表面調整剤、粘度調整剤、消泡剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、防曇剤、可塑剤、スリップ剤、脱水剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、金属酸化物微粒子、金属粉、酸化防止剤、界面活性剤、造膜助剤、増粘剤、帯電防止剤、撥水性付与剤、繊維類等の添加剤;イソシアネート化合物やメラミン樹脂等の架橋剤;樹脂エマルション、ワックスエマルション等の樹脂成分;アクリル樹脂、フッ素樹脂、各種有機変性シリコーンオイル等の改質剤などを適宜配合することができる。
コーティング組成物の形態及び調製方法
本発明のコーティング組成物は、一液型組成物であってもよいし、二液以上の多液型組成物であってもよい。
多液型とする場合は、例えば、エポキシシランオリゴマー(A)を第1成分に、硬化触媒(C)を第2成分にし、それ以外のその他成分をいずれかに振り分ける方法を挙げることができる。
本発明のコーティング組成物において、貯蔵安定性及び塗装作業性の観点から、例えば、エポキシシランオリゴマー(A)を含む第一液、硬化触媒(C)を含む第二液及び、コロイダルシリカ(B)を含む第三液を個別に作成し、使用直前に全液を混合して使用することができる。前記(D)〜(H)成分やその他、顔料分散剤、沈降防止剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤等を第一〜三液のいずれかに適宜含ませることができる。
上記の例の場合、混合中に凝集物が発生するのを抑制する観点から、前記第一液および前記第三液を先に混合した後、前記第二液を最後に混合することが好ましい。
シランカップリング剤(D)を含有する場合には、コロイダルシリカ(B)と予め分散せしめてから硬化触媒(C)を混合することで相溶性が向上する場合があり好ましい。
被膜形成方法
本発明では、上記の通り得られるコーティング組成物を基材表面に塗装し、トップコートとして塗装し、乾燥させることにより、基材を表面保護する被膜を形成することができる。
基材表面としては、特に制限されるものではないが、例えば、石膏ボード、コンクリート板、コンクリートブロック、サイディングボード、モルタル板、スレート板、PC板、ALC板、セメント珪酸カルシウム板、レンガ、ガラス、木材、石材;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂や各種のFRP等の合成樹脂成形物;陶磁器、磁器タイル、鉄部、アルミサッシ等の金属加工材等、窓ガラス、ヘッドランプカバーの基材の表面;これら基材上に設けられたアクリル樹脂系、アクリルウレタン樹脂系、ポリウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコーン樹脂、シリコーンアクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系等の塗膜面、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、紙、布等の材質からなる床面、壁紙面等を挙げることができる。
上記材質の適用分野は基材の表面保護を目的とする分野であれば特に制限されることはなく適用でき、例えば機械、船舶、車両、航空機、土木、建築、防食、インキ、その他の一般工業分野等が挙げられる。
本発明のコーティング組成物は、それ自体既知の塗装手段を用いて塗装を行うことができるが、例えば、上記コーティング組成物を被塗面にモップ、スポンジ、クロス等によって塗り広げる方法が挙げられる。その他、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、ディップコート、ロールコーター、刷毛塗り等、塗装法から基材の種類、用途等に応じて適宜選択して使用することができる。
また、本発明のコーティング組成物は、塗膜外観を損なわない範囲で複数回塗り重ねることもできる。さらに必要に応じて塗装後の余剰分を拭き取ることもできる。
形成塗膜の乾燥は、常温乾燥で行うことができるが、使用した塗料組成物の組成や塗装環境等に応じて、加熱乾燥又は強制乾燥してもよい。
常温乾燥では、例えば5〜45℃の環境下で乾燥することにより塗膜を得ることができる。塗装時における相対湿度(以下RHと略すことがある)は70%以下、特に60%以下が好ましい。常温乾燥の乾燥時間としては、1時間以上、好ましくは1日以上、さらには3日以上が好ましい。
乾燥膜厚は適用基材や塗装環境によって適宜調整できるが十分な耐擦り傷性が得られるには一般に1〜1,000μm、好ましくは5〜500μmがよい。
床面の表面保護被膜形成方法
本発明はまた、床面に上記コーティング組成物をトップコートとして塗装することにより、床面の耐擦り傷性と仕上がり性を向上させる方法を提供する。
この床面を構成するものとしては、一般的な床材であり、例えば、窯業系サイディングボード、陶磁器、磁器タイルなどのセラミックス系床材や、鉄、アルミニウム、金属サイディング等の金属系床材や、天然木、合板等の木質系床材、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂系床材等を挙げることができ、表面に旧塗膜が設けられたものも包含される。
床面の表面保護被膜形成方法において、上記コーティング組成物の乾燥膜厚は適用基材や塗装環境によって適宜調整できるが十分な耐擦り傷性が得られるには一般に、1回の塗装あたり1〜50μm、好ましくは1〜30μmがよい。
本発明のコーティング組成物は、場合により、基材表面に予め下塗り塗料を塗装した後、形成される下塗り塗面上に塗装することができる。
上記下塗り塗料としては、基材表面の種類や状態等に応じて適宜選択することができ、特に制限されることはなく、例えば、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、フッソ系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、メラミン系樹脂、生分解性樹脂等を樹脂バインダーとして含んでなる塗料や本発明以外の無機系コーティング剤等であってもよい。これらの塗料やコーティング剤は無溶剤、水系又は溶剤系のいずれであってもよい。特に作業者の健康や周辺の衛生環境の配慮する観点から、水系の樹脂を含んでなる水性塗料を使用することが好ましい。
また、前記下塗り塗料としては、塗膜外観を損なわない範囲で複数回塗り重ねることもできる。
上記下地形成用塗料の塗装は、それ自体既知の塗装手段を用いて行うことができ、例えば、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、ロールコーター等の塗装法から基材の用途等に応じて適宜選択して使用することができる。形成される下塗り塗膜の乾燥は、常温乾燥が最も好ましいが、下塗り塗料の種類や塗装環境等に応じて、加熱乾燥又は強制乾燥を行うことができる。乾燥膜厚は適用基材や塗装環境によって適宜調整できるがトップコート塗装時の十分な仕上がり性が得られるには一般に0.5〜1,000μm、好ましくは5〜1,000μmがよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」は、特記しない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
エポキシ当量とは、JIS K7236:2001に準拠した方法により測定した1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数である。
エポキシシランオリゴマー(A)の製造
(製造例1)
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、KBM−403(注1)236部(1.0mol)とメタノール32部(1.0mol)を入れ、室温下混合撹拌した。次に撹拌しながら0.05N塩酸水10部を30分かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて75℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら2時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、エポキシシランオリゴマー(A−1)を得た。
生成物(A−1)について120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は80%であった。また、重量平均分子量は1,100、エポキシ当量は183g/eqであった。
(注1)KBM−403:商品名、信越化学工業社製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、分子量236.34。
(製造例2)
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、KBM−403(注1)236部(1.0mol)、KBM−13(注2)27部(0.2mol)及びメタノール32部(1.0mol)を入れ、室温下混合撹拌した。次に撹拌しながら0.05N塩酸水10部を30分かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて75℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら2時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、エポキシシランオリゴマー(A−2)を得た。
生成物(A−2)について120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は72%であった。また、重量平均分子量は1,000、エポキシ当量は230g/eqであった。
(注2)KBM−13:商品名、信越化学工業株式会社、メチルトリメトキシシラン、分子量136.22。
(製造例3)
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、KBM−403(注1)236部(1.0mol)、KBM−22(注3)60部(0.5mol)及びイソプロパノール60部(1.0mol)を入れ、室温下混合撹拌した。次に撹拌しながら酢酸0.6部(0.1mmol)を投入し、30分間撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて75℃まで昇温させ、2時間還流させた。その後、90℃で副生メタノール及びイソプロパノールを減圧留去し、室温まで冷却後、ろ過を行い、エポキシシランオリゴマー(A−3)を得た。
生成物(A−3)について120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は80%であった。また、重量平均分子量は1,000、エポキシ当量は225g/eqであった。
(注3)KBM−22:商品名、信越化学工業株式会社、ジメチルジメトキシシラン、分子量120.2。
(製造例4)
製造例1と同様の反応装置を用い、KBM−403(注1)236部(1.0mol)とメタノール32部(1.0mol)入れ、室温下混合撹拌した。次に撹拌しながら0.05N塩酸水3部を30分かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて75℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら2時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、エポキシシランオリゴマー(A−4)を得た。
生成物(A−4)について120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は80%であった。また、重量平均分子量は500、エポキシ当量は167g/eqであった。
(製造例5)
製造例1と同様の反応装置を用い、KBM−403(注1)236部(1.0mol)とメタノール32部(1.0mol)入れ、室温下混合撹拌した。次に撹拌しながら0.05N塩酸水15.2部を30分かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて75℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら2時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、エポキシシランオリゴマー(A−5)を得た。
生成物(A−5)について120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は80%であった。また、重量平均分子量は3000、エポキシ当量は188g/eqであった。
コーティング組成物の調製
(実施例1)
製造例1で得られたエポキシシランオリゴマー(A−1)62.5部(有効成分として50部)、スノーテックスO−40(注4)125部(有効成分として50部)、硬化触媒としてリン酸2部をイオン交換水10部に溶解したものを混合し、ディスパーで均一になるまで撹拌することによりコーティング組成物(KP−1)を得た。
(注4)スノーテックスO−40:商品名、日産化学工業株式会社、スノーテックスは登録商標、平均一次粒子径23nmの水分散型酸性コロイダルシリカ、pH=3、有効成分40質量%。
(実施例2〜21、比較例1〜5)
実施例1において、各成分の配合を表1〜3に示す配合に変更する以外は実施例1と同様にして、コーティング組成物(KP−2)〜(KP−26)を得た。尚、表1〜3の配合量は、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(F)及び(G)については有効成分量を示すものであり、得られたコーティング組成物について下記の各種評価を行った結果を表1〜3に併せて示す。





表中(注5)〜(注15)は下記の通りである。
(注5)IPA−ST:商品名、日産化学工業株式会社、平均一次粒子径12.5nmのイソプロパノール分散型酸性コロイダルシリカ、有効成分30%、
(注6)スノーテックスOXS:商品名、日産化学工業株式会社、スノーテックスは登録商標、平均一次粒子径5nmの水分散型酸性コロイダルシリカ、有効成分10質量%、
(注7)スノーテックスO:商品名、日産化学工業株式会社、スノーテックスは登録商標、平均一次粒子径12.5nmの水分散型酸性コロイダルシリカ、有効成分20質量%、
(注8)スノーテックスOYL:商品名、日産化学工業株式会社、スノーテックスは登録商標、平均一次粒子径75nmの水分散型酸性コロイダルシリカ、有効成分20質量%、
(注9)スノーテックスMP−2040:商品名、日産化学工業株式会社、スノーテックスは登録商標、平均一次粒子径200nmの水分散型Na+安定型アルカリ性コロイダルシリカ、有効成分40質量%、
(注10)Silquest A−1160:商品名、Momentive Performance Materials、Silquestは登録商標、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、有効成分50%、
(注11)KR−500:商品名、信越化学工業株式会社、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物、メトキシ基含有量28質量%、重量平均分子量1,200、
(注12)KBE−04:商品名、信越化学工業株式会社、テトラエトキシシラン、
(注13)MKCシリケートMS51:商品名、三菱化学社製、MKCは登録商標、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物、SiO含有量52質量%、
(注14)著しいブツが認められ、成膜しなかったため、評価が困難であった。
(注15)硬化不十分で塗膜表面にタック(粘着感)があり、評価が困難であった。
<評価試験>
各評価項目の試験方法及び評価基準は下記の通りである。
(試験項目1.)水希釈安定性:
各コーティング組成物をガラス製容器に入れた後、イオン交換水で100%希釈し、5分間撹拌した後、溶液状態を目視にて評価した。
S:希釈した組成物に凝集物が認められず、透明である、
A:希釈した組成物に凝集物は認められないが、わずかに白濁する、
B:希釈した組成物に凝集物や明らかな白濁が発生する、
C:希釈した組成物が凝集し、固化する。
(試験項目2.)塗膜外観:
各コーティング組成物を厚さ2mmのガラス板(150×70mm)に乾燥膜厚が10μmになるようにアプリケーターで塗装し、気温23℃、湿度50%RHの条件下で24時間乾燥させ試験板を得た。各試験板について塗膜外観を目視にて評価した。
S:ブツやムラがなく透明である、
A:ブツはないが、わずかなムラが認められる、
B:ブツやムラが認められる、
C:著しいブツが認められ、成膜しない。
(試験項目3.)光沢度:
305×305×2mmのコンポジションビニル床タイル(商品名「PタイルP−60」、タジマ製)上に、プライマーとして「エコカチオンシーラー透明」(関西ペイント社製、水系カチオンエマルション系下塗り組成物)を塗付量40g/mになるように塗装し、気温23℃、湿度50%RHの条件下で24時間乾燥させたものを被塗板とした。この上に各コーティング組成物を、床用モップを用いて乾燥膜厚10μmになるように塗装し、さらに気温23℃、湿度50%RHの条件下で4日間乾燥させた。その後、JIS K 3920:2009の鏡面光沢度(60度)に準じて各試験板の光沢度を測定した。
S:鏡面光沢度が80以上、
A:鏡面光沢度が70以上かつ80未満、
B:鏡面光沢度が50以上かつ70未満、
C:鏡面光沢度が50未満。
(試験項目4.)乾燥性:
気温23℃、湿度50%RHの条件下、各コーティング組成物を厚さ2mmのガラス板(150×70mm)に乾燥膜厚が10μmになるようにアプリケーターで塗装した。その後、同条件下、指で触って塗料が付かなくなるまでの指触乾燥時間を測定した。
S:指触乾燥時間が15分未満、
A:指触乾燥時間が15分以上かつ30分未満、
B:指触乾燥時間が30分以上かつ60分未満、
C:指触乾燥時間が60分以上。
(試験項目5.)耐擦り傷性:
各コーティング組成物を厚さ2mmのガラス板(150×70mm)に乾燥膜厚が10μmになるようにアプリケーターで塗装し、気温23℃、湿度50%RHの条件下、4日間乾燥させ試験板を得た。得られた試験板に対してスチールウール#0000を用い、塗膜表面を300g/cm荷重で100mmの移動距離で10往復させ、擦り傷を付けたときの塗膜外観を目視で評価した。
S:傷が認められない、
A:傷がわずかに認められるが、傷の本数は10本未満である、
B:傷が認められ、傷の本数が10本以上ある、
C:著しい傷がはっきりと認められる。
(試験項目6.)耐クラック性:
各コーティング組成物を厚さ2mmのガラス板(150×70mm)に乾燥膜厚が15μmとなるようにアプリケーターで塗装し、気温23℃、湿度50%RHの条件下、24時間乾燥させた。その後、さらに80℃の乾燥機にて1時間加熱乾燥(強制乾燥)させ試験板を得た。各試験板について塗膜外観を目視にて評価した。
S:クラックの発生が全く認められない、
A:塗膜の一部分に微細なクラックの発生が認められる、
B:塗膜全体に微細なクラックの発生が認められる、
C:塗膜全体に著しいクラックの発生が認められる。
(試験項目7.)塗装作業性:
305×305×2mmのコンポジションビニル床タイル(商品名「PタイルP−60」、タジマ製)上に、プライマーとして「エコカチオンシーラー透明」(関西ペイント社製、水系カチオンエマルション系下塗り組成物)を塗付量40g/mになるように塗装し、気温23℃、湿度50%RHの条件下で24時間乾燥させたものを被塗板とした。この上に各コーティング組成物を、床用モップを用いて乾燥膜厚10μmになるように塗り広げた際の塗りやすさを下記基準にて評価した。
S:容易に塗り広げることができ、かつモップ跡が残らず均一な塗膜となる、
A:容易に塗り広げることはできるが、わずかなモップ跡が残る、
B:塗り広げることはできるが、モップ跡が残る、
C:塗り広げることが困難であり、著しいモップ跡が残る。
表1および2の結果から、各実施例のコーティング組成物は、(A)エポキシ基及びシロキサン結合を有する重量平均分子量が500〜20,000であるエポキシシランオリゴマー、(B)平均一次粒子径が1〜100nmの範囲内のコロイダルシリカ、及び(C)硬化触媒を含有しているので、水希釈安定性、塗装作業性に優れることから塗工が簡便であり、常温での乾燥性、硬化性に優れ、また、得られる塗膜は耐擦り傷性及び耐クラック性に優れる。さらに臭気も少なく、光沢度も高い評価となっている。
一方、各比較例のコーティング組成物は、上記要件をすべて満たしていないため、水希釈安定性、塗膜外観、光沢度、乾燥性、耐擦り傷性、耐クラック性及び塗装作業性を同時に満足することができなかった。
本出願を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2017年2月16日出願の日本特許出願(特願2017−26989)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
(実施例2〜21、比較例1〜5)
実施例1において、各成分の配合を表1〜3に示す配合に変更する以外は実施例1と同様にして、コーティング組成物(KP−2)〜(KP−26)を得た。尚、表1〜3の配合量は、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(F)及び(G)については有効成分量を示すものであり、得られたコーティング組成物について下記の各種評価を行った結果を表1〜3に併せて示す。尚、実施例7は参考例である。

Claims (12)

  1. (A)エポキシ基及びシロキサン結合を有する重量平均分子量が500〜20,000であるエポキシシランオリゴマー、
    (B)平均一次粒子径が1〜100nmの範囲内のコロイダルシリカ、及び
    (C)硬化触媒
    を含有するコーティング組成物。
  2. 前記エポキシシランオリゴマー(A)が、下記一般式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランの加水分解縮合物(a1)、及び/又は、該エポキシ基含有加水分解性シランと下記一般式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)である請求項1記載のコーティング組成物。

    [式(I)中、Rはエポキシ基を含有する有機基を示し、Xは同一又は異なってもよい加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示す。]
    [式(II)中、Rはエポキシ基を有さない有機基を示し、Xは同一又は異なってもよい加水分解性基を示し、aは0〜3の整数を示す。]
  3. さらに、反応性基を有するシランカップリング剤(D)を前記(A)成分及び前記(B)成分の有効成分の合計質量100質量部に対して1〜100質量部含有する請求項1又は請求項2に記載のコーティング組成物。
  4. 前記コロイダルシリカ(B)が、酸性コロイダルシリカである請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  5. さらに、20℃条件下で100gの水への溶解度が5g以上である有機溶剤(E)を前記(A)成分及び前記(B)成分の有効成分の合計質量100質量部に対して5〜200質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  6. さらに、前記一般式(II)で表される1〜4官能性のエポキシ基を有さない加水分解性シランから選ばれる少なくとも1種の加水分解性シラン及び/又は該加水分解性シランの加水分解縮合物(F)を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  7. 前記(F)成分のうち、少なくともその成分の一部に下記一般式(III)で表される4官能性の加水分解性シラン及び/又は該加水分解性シランの加水分解縮合物(G)を含有する請求項6に記載のコーティング組成物。

    [前記式(III)中、Xは前記と同じ意味である。]
  8. 前記エポキシシランオリゴマー(A)が、前記式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランと前記式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)である請求項1〜7のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  9. 前記エポキシシランオリゴマー(A)が、前記式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランと前記式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの混合物の加水分解縮合物(a2)であり、前記式(I)で表されるエポキシ基含有加水分解性シランと前記式(II)で表されるエポキシ基を有さない加水分解性シランとの割合が、前者/後者(モル比)として99/1〜55/45の範囲内である請求項1〜8のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  10. さらに、水(H)を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  11. 基材表面に、請求項1〜10のいずれか1項に記載のコーティング組成物をトップコートとして塗装し、乾燥させる工程を含む、表面保護被膜形成方法。
  12. 床面に、請求項1〜10のいずれか1項に記載のコーティング組成物をトップコートとして塗装し、乾燥させる工程を含む、床面の表面保護被膜形成方法。
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