JP2022071754A - 硬化性組成物 - Google Patents

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貴司 岩井
Takashi Iwai
文男 山下
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Abstract

【課題】常温で乾燥させても短時間で硬化させることが可能であり、かつ高い硬度とともに耐擦り傷性を備えた硬化体を形成し得る硬化性組成物を提供する。【解決手段】(A1)ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物、並びに、(A2)該ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物、のうちの少なくとも一方を含有する、硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は硬化性組成物に関し、特には特定構造の結合基を有するビスシラン化合物及び/又はその加水分解縮合物を含む硬化性組成物に関する。
従来、建築物の床面は、耐擦り傷性や艶の向上を目的に水性のエマルション系樹脂を主成分とした樹脂ワックスが塗装されている。しかしながら、前記樹脂ワックスは、歩行や台車での資材運搬等により塗膜表面に多数の傷や汚れが付き易く、光沢も比較的短期間で低下してしまうため、年に数回再塗装をする作業が必要となり、メンテナンスコストや耐久性に問題があった。このことから、擦り傷や光沢等に対する耐久性の高いコーティング剤が望まれていた。
このような要望に応えるべく、近年、耐擦り傷性が良好でその耐久性が高い、シリコーン系コーティング剤組成物や活性エネルギー線硬化性組成物等のハードコート系材料が提案されてきている。例えば、特許文献1には、特定量のシラノール基を有するポリオルガノシロキサン樹脂を主成分とするフロアコーティング剤組成物が開示されている。かかるフロアコーティング剤組成物によれば、室温で良好な乾燥性及び硬化性を発揮し得る塗膜を形成することができるが、有機溶媒が多量に使用されるために臭気が多く、室内環境下で使用し難い。
また、特許文献2には、アルコキシシランオリゴマー、可塑剤、硬化触媒を含有する床用コーティング剤組成物が開示されている。かかる床用コーティング剤組成物によれば、高光沢で耐擦り傷性に優れ、長期にわたって床面を保護できると共に、必要に応じて塗膜を容易に剥離して再塗装することができると記載されているが、形成される塗膜においてワレが生じる場合があった。
特開2012-12477号公報 特開2015-175151号公報
このような状況のもと、常温で乾燥させても短時間で硬化させることが可能な硬化性組成物であって、高い硬度とともに柔軟性を備え、耐擦り傷性及び耐ワレ性に優れた硬化体を形成することができる硬化性組成物や、多量の有機溶媒を使用しない場合であっても良好な耐擦り傷性、耐ワレ性及び硬化性を示し、室内環境下での使用にも好適な硬化性組成物が望まれていた。
かかる状況の下、本発明者らは鋭意研究した結果、特定構造の結合基を有するビスシラン化合物及び/又はその加水分解縮合物を含む硬化性組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出した。
従って本発明は、下記の態様を包含する。
[態様1]
(A1)ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物、並びに
(A2)該ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物、
のうちの少なくとも一方を含有することを特徴とする、硬化性組成物。
[態様2]
前記ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)が、下記一般式(I)で表されるビスシラン化合物である、態様1に記載の硬化性組成物。
3-mSi-L-NR-C(=O)-Z-L-SiR 3-n (I)
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素又は炭素数1~10の1価の炭化水素基であり、XはOH基又は加水分解性基であり、n=1、2又は3であり、m=1、2又は3であり、L、Lはそれぞれ独立して炭素数1~10の2価の炭化水素基であり、Zは-S-又は-NR-であり、Rは水素又は炭素数1~10の1価の炭化水素基である。)
[態様3]
前記有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)が、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)とエポキシ基含有シラン化合物(A3)とを含有する有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)である、態様1又は2に記載の硬化性組成物。
[態様4]
前記加水分解縮合物(A2)の重量平均分子量が500~100,000の範囲内である、態様1~3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
[態様5]
さらにエポキシ基含有シラン化合物(A3’)を含有する、態様1~4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
[態様6]
さらに水を含有する、態様1~5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
本発明の硬化性組成物は、常温での乾燥性、硬化性に優れるとともに、耐擦り傷性及び耐ワレ性に優れた硬化体を形成することができる。また、本発明の硬化性組成物は、多量の有機溶媒を使用しない場合であっても良好な耐擦り傷性、耐ワレ性及び硬化性を示すことが可能であり、室内環境下であっても好適に使用することができる。本発明の硬化性組成物は、各種基材上に被膜を形成するためのコーティング剤組成物として好適に使用することが可能であり、例えば、常温乾燥性や迅速な硬化性、及び耐擦り傷性(高硬度)、耐ワレ性等が要求される床用コーティング剤として好適に使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、(A1)ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物、並びに(A2)該ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物、のうちの少なくとも一方を含有するものである。
(A1)ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物
ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物は、2つの置換又は非置換のシリル基が結合基を介して結合している化合物であって、前記結合基の骨格構造中にウレア結合及び/又はチオウレタン結合を含む化合物である。
このようなウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物としては、例えば次の一般式(I)で表されるものが挙げられる。
3-mSi-L-NR-C(=O)-Z-L-SiR 3-n (I)
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素又は炭素数1~10の1価の炭化水素基であり、XはOH基又は加水分解性基であり、n=1、2又は3であり、m=1、2又は3であり、L、Lはそれぞれ独立して炭素数1~10の2価の炭化水素基であり、Zは-S-又は-NR-であり、Rは水素又は炭素数1~10の1価の炭化水素基である。)
、Rは、水素、又はメチル、エチル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、フェニル基等のアリール基等の、炭素数1~10の1価の炭化水素基を表し、メチル基又はエチル基が好ましく、なかでもメチル基が特に好適に用いられる。
及びRは、水素、又はメチル、エチル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、フェニル基等のアリール基等の、炭素数1~10の1価の炭化水素基を表し、なかでも水素が好ましい。
また、L、Lは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、フェニレン基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、フェニル基等のアリール基等の炭素数1~10の2価の炭化水素基を表し、炭素数3~10のものが好ましい。なかでもプロピレン基が特に好適に用いられる。
Xは、OH基、又は加水分解性基であり、加水分解性基の例としては、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルコキシ基、アシルオキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アルコキシアルコキシ基又は-NCO基等が挙げられる。具体的には、OH基、Cl等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケノキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基、メチルエチルケトキシム基等のケトオキシム基、メトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基、-NCO基等を挙げることができる。なかでも、メトキシ基、エトキシ基が好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
m、nは1~3の整数であってよいが、硬化性の観点からはm、nが2又は3であることが好適である。特に、形成される硬化体の耐擦り傷性及び硬化性の向上の観点からは、m、n=3として架橋密度を上げることが好適である。
このようなビスシラン化合物の具体例としては次の化合物が挙げられる。
(CHO)Si-C-NH-C(=O)-NH-C-Si(OCH
(CHO)Si-C-NH-C(=O)-NH-C-Si(OCH
(CHO)Si-C-NH-C(=O)-NH-C-Si(OCH
(CO)Si-C-NH-C(=O)-NH-C-Si(OC
(CHO)Si-C-NH-C(=O)-S-C-Si(OCH
(CHO)Si-C-NH-C(=O)-S-C-Si(OCH
(CHO)Si-C-NH-C(=O)-S-C-Si(OCH
(CO)Si-C-NH-C(=O)-S-C-Si(OC
これらの中でも、特に、(CHO)Si-C-NH-C(=O)-NH-C-Si(OCH等が好適に用いられる。
本発明で用いられるウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物は、種々の合成方法を用いて得ることができ、例えば、イソシアネート基含有シラン化合物と、アミノ基含有シラン化合物及び/又はメルカプト基含有シラン化合物とを反応させることによって得ることができる。
上記イソシアネート基含有シラン化合物としては、例えば、イソシアネートメチルトリメトキシシラン、2-イソシアネートエチルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、4-イソシアネートブチルトリメトキシシラン、5-イソシアネートペンチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン及び3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランが好ましく、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
上記アミノ基含有シラン化合物としては、例えば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、3-アミノプロピルトリメトキシシラン及び3-アミノプロピルトリエトキシシランが好ましく、3-アミノプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
上記メルカプト基含有シラン化合物としては、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3-メルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましく、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
上記イソシアネート基含有シラン化合物とアミノ基含有シラン化合物及び/又はメルカプト基含有シラン化合物との反応は上記反応成分を混合し、所望により温度を上げ、公知の方法で実施することができる。この反応は5~100℃、好ましくは20~90℃の温度で行うことが望ましい。
上記反応成分の混合は、公知の方法で行うことができ、例えば、イソシアネート基含有シラン化合物に、アミノ基含有シラン化合物及び/又はメルカプト基含有シラン化合物を添加することによって行うことができる。また、上記反応成分の添加は、所望によりいくつかの段階に分けて行うことができる。
また、上記反応は有機溶剤、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、脂肪族炭化水素系溶剤(石油エーテル等)等の存在下で行うことができる。
(A2)ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物
本発明の硬化性組成物は、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)に代えて、又はこれに加えて、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)を含有させることができる。
ここで有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)は、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)のみを含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)であっても、又は、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)とそれ以外の有機ケイ素化合物とを含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)であってもよい。
ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)以外の有機ケイ素化合物としては、例えばエポキシ基含有シラン化合物、アルキル基含有シラン化合物等を用いることができる。なかでも、エポキシ基含有シラン化合物(A3)を用いることが形成される塗膜の耐擦り傷性向上の観点から好ましい。
このようなエポキシ基含有シラン化合物(A3)としては、たとえば下記一般式(II)で表されるエポキシ基含有シランを挙げることができる。
SiX4-a (II)
(式中、Rはエポキシ基を含有する有機基であり、Xは加水分解性基であり、aは1~3の整数である。)
前記エポキシ基を含有する有機基としては、具体的には、グリシドキシプロピル基等のグリシドキシ基、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル基、(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基等の3,4-エポキシシクロヘキシル基等を挙げることができる。
前記Xは加水分解性基であり、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、アミノキシ基、ハロゲン原子等が挙げられるが、入手しやすい炭素数1~6のアルコキシ基が好ましく、加水分解縮合の反応速度の点から、メトキシ基が好ましい。
前記一般式(I)で表されるエポキシ基含有シラン化合物(A3)の具体例としては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルジメトキシシラン等が挙げられる。上記エポキシ基含有シラン化合物(A3)としては、形成される塗膜の耐擦り傷性向上の観点から、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用することが好ましい。
加水分解縮合物(A2)は、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)に、加水分解縮合反応を行わせることにより得ることができる。加水分解縮合反応は、従来公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)を、水及び触媒の存在下で加水分解縮合反応を行い、(A2)成分である加水分解縮合物を調製する方法が挙げられる。
触媒としては、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、メタンホスホン酸、ベンゼンホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、ホスフィン酸、これらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩等のリン酸化合物;ジアセチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジアセチル錫ジオクトエート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクチレート等の有機錫化合物;アルミニウムトリメトキシド、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アルミニウムトリ-n-ブトキシド、アルミニウムトリス(アセチルアセトン)、アルミニウムトリス(アセトアセテートエチル)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセトアセテートエチル)、アルミニウムアセチルアセトネート等の有機アルミニウム化合物;チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)、テトラノルマルブチルチタネート等の有機チタン化合物;ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)等の有機ジルコニウム化合物;ナフテン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物;オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物;ホウ酸、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリ(4-クロロフェニル)、ホウ酸トリヘキサフルオロイソプロピル等のホウ酸エステル等のホウ酸化合物等;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等の水酸化アンモニウム塩;テトラブチルアンモニウムフルオリド等のフッ化アンモニウム塩;ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等のエタノールアミン類;1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン等の強塩基3級アミン化合物等が挙げられる。上記硬化触媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、多すぎるとコスト高になる、合成中や貯蔵中にゲル化する等の問題があり、少ないと反応が遅くなる場合がある。そのため、前記触媒の使用量は、出発物質として配合される加水分解性シラン100質量部に対して0.01~1質量部、好ましくは0.01~0.1質量部の範囲が適当である。
前記加水分解縮合反応においては、有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒を用いることは、ゲル化を防止する点及び製造時の粘度を調節できる点から好ましい。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類、アセトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類を使用することができる。
加水分解縮合時の反応温度としては、通常5~100℃、好ましくは20~80℃、さらに好ましくは60~80℃である。また、この反応は圧力によらず実施できるが、0.1~1MPaの圧力範囲が好ましく、特に0.1~0.2MPaの圧力範囲が好ましい。当該反応は、通常、2~3時間程度で終了する。
加水分解縮合後の混合液からは、反応で生成したアルコール、溶媒及び触媒を公知の手法で除去してもよい。なお、得られた生成物は、その目的に応じて、洗浄、カラム分離、固体吸着剤による吸着等の各種の精製法によって触媒を除去し、さらに精製してもよい。
前記加水分解縮合反応において、有機ケイ素化合物(A)が、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)以外の有機ケイ素化合物を含む場合には、それらの配合割合は、形成される塗膜の耐擦り傷性及び硬化性の観点から、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1):それ以外の有機ケイ素化合物のモル比で、10:1~1:5、好ましくは5:1~1:2、さらに好ましくは2:1~1:2の範囲内であることが好適である。
上記のような加水分解縮合反応により得られた、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)は、貯蔵安定性及び形成される塗膜の耐擦り傷性の観点から、その重量平均分子量が500~100,000、好ましくは1,000~50,000、さらに好ましくは10,000~50,000の範囲内であることが好適である。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフには、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G-4000HXL」、「TSKgel G-3000HXL」、「TSKgel G-2500HXL」、「TSKgel G-2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行った。
ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)並びにウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)以外の、有機ケイ素化合物
本発明の硬化性組成物は、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)並びにウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)以外の、有機ケイ素化合物を含有することができる。
上記ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)並びにウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)以外の、有機ケイ素化合物としては、例えばエポキシ基含有シラン化合物、アルキル基含有シラン化合物等が挙げられる。なかでも、エポキシ基含有シラン化合物(A3’)を用いることが形成される塗膜の耐擦り傷性向上の観点から好ましい。上記エポキシ基含有シラン化合物(A3’)としては、上記エポキシ基含有シラン化合物(A3)として例示したものを挙げることができるが、形成される塗膜の耐擦り傷性向上の観点から、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用することが好ましい。
本発明の硬化性組成物において、(A1)ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物、並びに、(A2)ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物の合計量は、形成される塗膜の耐擦り傷性、耐ワレ性及び硬化性の観点から、該硬化性組成物中の合計固形分質量を基準として、10~100質量%、好ましくは20~90質量%、さらに好ましくは40~80質量%の範囲内であることが好適である。

本発明の硬化性組成物は、水を含有することができる。水を含有することにより、硬化性組成物の硬化を促進することができる。また、本発明の硬化性組成物を用いて塗装を行う場合、塗装時に水で希釈することによって硬化性組成物の粘度を適宜調整し、これにより塗装の作業性を調整することができる。本発明の硬化性組成物は、組成物中に水を含むことが可能であるとともに、塗装段階の希釈作業においても、有機溶媒ではなく水を用いることができるため、屋内作業においても、作業者の健康や周辺の衛生環境を損なう恐れが少なく安全性が高い。
水としては、任意のものを用いることができ、例えば、水道水、イオン交換水、及び純水が好ましく用いられる。上記水の含有量は、本発明の硬化性組成物の用途に応じて、例えば塗装時の仕上がり性や形成された被膜時のハジキ性を配慮した範囲内で適宜調節することができる。水を後から塗装を行う際に添加する場合、その添加量としては、例えば希釈前の硬化性組成物の有効成分の総量100質量部に対して、1~10,000質量部、好ましくは10~1,000質量部の範囲内とすることができる。
その他の配合成分
本発明の硬化性組成物は、その他、硬化触媒、RTVゴム、着色顔料、体質顔料、染料、艶消し剤、骨材、樹脂粒子、表面調整剤、粘度調整剤、消泡剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、防曇剤、可塑剤、スリップ剤、脱水剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、金属酸化物微粒子、金属粉、酸化防止剤、界面活性剤、造膜助剤、増粘剤、帯電防止剤、撥水性付与剤、繊維類等の添加剤;イソシアネート化合物やメラミン樹脂等の架橋剤;樹脂エマルション、ワックスエマルション等の樹脂成分;アクリル樹脂、フッ素樹脂、各種有機変性シリコーンオイル等の改質剤等を適宜配合することができる。
硬化触媒としては、加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解縮合させて硬化性を促進させ得るものであれば、特に限定されず、例えば、前記ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)を調製する方法の説明において例示した触媒を、使用することができる。上記硬化触媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記硬化触媒の中でも、硬化性や耐擦り傷性、水希釈安定性の観点から、リン酸化合物、有機錫化合物が好ましく、リン酸化合物が特に好ましい。
上記リン酸化合物としては、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、メタンホスホン酸、ベンゼンホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、ホスフィン酸;これらのリン酸化合物のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。
硬化触媒の含有量としては、形成される塗膜の耐擦り傷性及び硬化性の観点から、該硬化性組成物中の、(A1)ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物、(A2)ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物、並びに、必要に応じて添加される、上記ビスシラン化合物(A1)及びビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)以外の有機ケイ素化合物の、合計固形分質量100質量部を基準として、0.01~10質量部、好ましくは0.1~5質量部、さらに好ましくは1~5質量部の範囲内であることが好適である。
有機溶媒
本発明の硬化性組成物は、無溶媒でもよいが、用途に応じて有機溶媒を含有していてもよい。有機溶媒としては、上記加水分解性シラン化合物を溶解し、その加水分解縮合反応が進行した後も溶解し得る限り、任意の適切なものを用いることができる。
有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、ブタノール、メチルイソブチルカルビノール、2-エチルヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、プロピオン酸メチル等のエステル系溶媒;シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソプロピルグリコール等のエーテル系溶媒;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール等のグリコールエーテル系溶媒;芳香族炭化水素系溶媒;脂肪族炭化水素類系溶媒が挙げられる。これらは、粘度の調整、塗布性の調整等の目的に応じて適宜組み合わせて使用することができる。
上記有機溶媒の中でも、硬化性組成物の貯蔵安定性向上、硬化触媒配合時のポットライフの延長等の観点から、アルコール系溶媒を使用することが好ましく、なかでもメタノール及び/又はエタノールを使用することが好ましい。
被膜形成方法
本発明の硬化性組成物は、コーティング剤組成物として用いて基材表面に塗装し、乾燥させることにより、基材の表面を保護する被膜を形成することができる。
基材としては、特に制限されるものではないが、例えば、石膏ボード、コンクリート板、コンクリートブロック、サイディングボード、モルタル板、スレート板、PC板、ALC板、セメント珪酸カルシウム板、レンガ、ガラス、木材、石材;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂や各種のFRP等の合成樹脂成形物;陶磁器、磁器タイル、鉄部、アルミサッシ等の金属加工材等、窓ガラス、ヘッドランプカバーの基材;これら基材上に設けられたアクリル樹脂系、アクリルウレタン樹脂系、ポリウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコーン樹脂、シリコーンアクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系等の塗膜面、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、紙、布等の材質からなる床面、壁紙面等を挙げることができる。
上記硬化性組成物の適用分野は、基材の表面保護を目的とする分野であれば特に制限されることはなく、例えば機械、光学機器、船舶、車両、航空機、土木、建築、防食、インキ、その他の一般工業分野等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、それ自体既知の塗装手段を用いて塗装に用いることができる。このような塗装手段としては、例えば、本発明の硬化性組成物を被塗面にモップ、スポンジ、クロス等によって塗り広げる方法が挙げられる。その他、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、ディップコート、ロールコーター、刷毛塗り等、塗装法から基材の種類、用途等に応じて適宜選択して使用することができる。また、本発明の硬化性組成物は、塗膜外観を損なわない範囲で複数回塗り重ねることもできる。さらに必要に応じて塗装後の余剰分を拭き取ることもできる。
形成塗膜の乾燥は、常温乾燥で行うことができるが、使用した硬化性組成物の組成や塗装環境等に応じて加熱乾燥又は強制乾燥とすることもできる。常温乾燥では、例えば5~45℃の環境下で乾燥することにより塗膜を得ることができる。塗装時における相対湿度(以下RHと略すことがある)は70%以下、特に60%以下が好ましい。常温乾燥の乾燥時間としては、1時間以上、好ましくは1日以上、さらには3日以上が好ましい。
乾燥膜厚は適用基材や塗装環境によって適宜調整できるが、十分な耐擦り傷性を得るためには一般に1~1,000μmが好ましく、5~500μmがより好ましい。本発明の硬化性組成物は、比較的厚い乾燥膜厚で塗装された場合においても、塗膜にワレが発生しにくいという利点を有する。
床面の表面保護被膜形成方法
本発明の硬化性組成物は、コーティング剤組成物として床面にトップコートとして塗装することにより、床面の耐擦り傷性と硬度を向上させることができる。このため、本発明の硬化性組成物は、床面にトップコートとして塗装するコーティング剤組成物として好適に使用することができる。
この床面を構成するものとしては、一般的な床材であり、例えば、窯業系サイディングボード、陶磁器、磁器タイル等のセラミックス系床材や、鉄、アルミニウム、金属サイディング等の金属系床材や、天然木、合板等の木質系床材、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂系床材等を挙げることができ、表面に旧塗膜が設けられたものも包含される。
本発明の硬化性組成物は、場合により、基材表面に予め下塗り塗料を塗装した後、形成される下塗り塗面上に塗装することができる。
上記下塗り塗料としては、基材表面の種類や状態等に応じて適宜選択することができるが、例えば、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、フッソ系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、メラミン系樹脂、生分解性樹脂等の樹脂種よりなる水系又は溶剤系の樹脂を樹脂バインダーとして含んでなる塗料を挙げることができ、水系の樹脂を含んでなる水性塗料を使用することが好ましい。
上記下地形成用塗料の塗装は、それ自体既知の塗装手段を用いて行うことができ、例えば、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、ロールコーター等の塗装法から基材の用途等に応じて適宜選択して使用することができる。形成される下塗り塗膜の乾燥は、常温乾燥が好ましいが、下塗り塗料の種類や塗装環境等に応じて加熱乾燥又は強制乾燥を行うことができる。乾燥膜厚は、適用基材や塗装環境によって適宜調整できるが、トップコート塗装時の十分な仕上がり性を得るためには一般に0.5~1,000μmの膜厚とすることが好ましく、さらには5~1,000μmが好ましい。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらにより限定されるものではない。各例において、「部」及び「%」は、特記しない限り質量基準による。
ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)の製造
製造例1
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、「Silquest A-Link 35 Silane」(商品名、Momentive社製、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、固形分100%)43部(0.21mol)及び「KBM-903」(商品名、信越化学工業社製、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、固形分100%)37部(0.21mol)を入れ、室温下混合撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて80℃で1時間反応させてウレア結合を有するビスシラン化合物(A1-1)を得た。
製造例2
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、「Silquest A-Link 35 Silane」(商品名、Momentive社製、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、固形分100%)40.9部(0.20mol)及び「KBM-803」(商品名、信越化学工業社製、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、固形分100%)39.1部(0.20mol)を入れ、室温下混合撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて80℃で1時間反応させてチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1-2)を得た。
ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)の製造
製造例3
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、製造例1で得たウレア結合を有するビスシラン化合物(A1-1)80部、脱イオン水4.2部、メタノール4.2部、及びテトラブチルアンモニウムフルオリド0.0005部を入れ、室温下混合撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて60℃まで昇温させ、3時間撹拌した。その後、100℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら3時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、加水分解縮合物(A2-1)を得た。得られた加水分解縮合物(A2-1)を120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は85%であった。また、重量平均分子量は2000であった。
製造例4
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、製造例1で得たウレア結合を有するビスシラン化合物(A1-1)80部、「KBM-403」(商品名、信越化学工業社製、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、固形分100%)49.1部、脱イオン水4.2部、メタノール4.2部、及びテトラブチルアンモニウムフルオリド0.0005部を入れ、室温下混合撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて60℃まで昇温させ、3時間撹拌した。その後、100℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら3時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、加水分解縮合物(A2-2)を得た。得られた加水分解縮合物(A2-2)を120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は85%であった。また、重量平均分子量は2000であった。
製造例5
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、製造例1で得たウレア結合を有するビスシラン化合物(A1-1)80部、「KBM-403」(商品名、信越化学工業社製、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、固形分100%)24.6部、脱イオン水4.2部、メタノール4.2部、及びテトラブチルアンモニウムフルオリド0.0005部を入れ、室温下混合撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて60℃まで昇温させ、3時間撹拌した。その後、100℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら3時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、加水分解縮合物(A2-3)を得た。得られた加水分解縮合物(A2-3)を120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は85%であった。また、重量平均分子量は2000であった。
製造例6
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、製造例2で得たチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1-2)80部、脱イオン水4.2部、メタノール4.2部、及びテトラブチルアンモニウムフルオリド0.0005部を入れ、室温下混合撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて60℃まで昇温させ、3時間撹拌した。その後、100℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら3時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、加水分解縮合物(A2-4)を得た。得られた加水分解縮合物(A2-4)を120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は85%であった。また、重量平均分子量は2000であった。
製造例7
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、製造例2で得たチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1-2)80部、「KBM-403」(商品名、信越化学工業社製、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、固形分100%)49.1部、脱イオン水4.2部、メタノール4.2部、及びテトラブチルアンモニウムフルオリド0.0005部を入れ、室温下混合撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて60℃まで昇温させ、3時間撹拌した。その後、100℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら3時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、加水分解縮合物(A2-5)を得た。得られた加水分解縮合物(A2-5)を120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は85%であった。また、重量平均分子量は2000であった。
製造例8
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、製造例2で得たチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1-2)80部、「KBM-403」(商品名、信越化学工業社製、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、固形分100%)24.6部、脱イオン水4.2部、メタノール4.2部、及びテトラブチルアンモニウムフルオリド0.0005部を入れ、室温下混合撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて60℃まで昇温させ、3時間撹拌した。その後、100℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら3時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、加水分解縮合物(A2-6)を得た。得られた加水分解縮合物(A2-6)を120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は85%であった。また、重量平均分子量は2000であった。
製造例9
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、製造例2で得たチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1-2)80部、「KBM-3063」(商品名、信越化学工業社製、ヘキシルトリメトキシシラン、固形分100%)42.9部、脱イオン水4.2部、メタノール4.2部、及びテトラブチルアンモニウムフルオリド0.0005部を入れ、室温下混合撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて60℃まで昇温させ、3時間撹拌した。その後、100℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら3時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、加水分解縮合物(A2-7)を得た。得られた加水分解縮合物(A2-7)を120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は85%であった。また、重量平均分子量は2000であった。
製造例10
温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を取り付けたセパラブルフラスコに、製造例2で得たチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1-2)80部、「KBM-3103C」(商品名、信越化学工業社製、デシルトリメトキシシラン、固形分100%)54.6部、脱イオン水4.2部、メタノール4.2部、及びテトラブチルアンモニウムフルオリド0.0005部を入れ、室温下混合撹拌した。その後、マントルヒーターを用いて60℃まで昇温させ、3時間撹拌した。その後、100℃まで昇温させ、副生したメタノールも同時に除去しながら3時間還流させた。室温まで冷却後、ろ過を行い、加水分解縮合物(A2-8)を得た。得られた加水分解縮合物(A2-8)を120℃で1時間加熱した結果、加熱残分(有効成分)は85%であった。また、重量平均分子量は2000であった。
硬化性組成物の調製
実施例1
製造例1で得たウレア結合を有するビスシラン化合物(A1-1)80部(有効成分として80部)と、硬化触媒としてリン酸の1%水溶液320部(リン酸の含有量が3.2部)とを均一に混合して硬化性組成物(X-1)を得た。
実施例2~12、比較例1
実施例1において、各成分の配合を下記表1に示す配合に変更する以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物(X-1)~(X-12)及び(X-21)を得た。得られた硬化性組成物について下記の各種評価を行った結果を表1に併せて示す。
比較例2
「KBM-3066」(商品名、信越化学工業社製、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、固形分100%)46部(有効成分として46部)と、硬化触媒としてリン酸の1%水溶液186部(リン酸の含有量が1.86部)とを攪拌したが均一に混合せず硬化性組成物が得られなかった。
Figure 2022071754000001
Figure 2022071754000002
実施例13
製造例1で得たウレア結合を有するビスシラン化合物(A1-1)80部(有効成分として80部)と、硬化触媒としてリン酸トリメチルの1%エチレングリコールモノブチルエーテル溶液320部(リン酸の含有量が3.2部)とを均一に混合して硬化性組成物(X-13)を得た。
実施例14~20、比較例3~4
実施例13において、各成分の配合を下記表2に示す配合に変更する以外は実施例13と同様にして、硬化性組成物(X-14)~(X-20)及び(X-23)~(X-24)を得た。得られた硬化性組成物について下記の各種評価を行った結果を表2に併せて示す。
Figure 2022071754000003
Figure 2022071754000004
<評価試験>
各評価項目の試験方法及び評価基準は下記の通りである。
水との混合性:
各硬化性組成物をガラス製容器に入れた後、溶液状態を目視にて評価した。
S:希釈した組成物に凝集物が認められず、透明である、
A:希釈した組成物に凝集物は認められないが、わずかに白濁する、
B:希釈した組成物に凝集物や明らかな白濁が発生する、
C:希釈した組成物が凝集し、固化する。
有機溶剤との混合性:
各硬化性組成物をガラス製容器に入れた後、溶液状態を目視にて評価した。
S:希釈した組成物に凝集物が認められず、透明である、
A:希釈した組成物に凝集物は認められないが、わずかに白濁する、
B:希釈した組成物に凝集物や明らかな白濁が発生する、
C:希釈した組成物が凝集し、固化する。
可使時間(ポットライフ):各硬化性組成物の作製後、1時間ごとに状態を確認し、ゲル化が観察された時間の1時間前までの時間を可使時間とした。
耐ワレ性:
各硬化性組成物を厚さ2mmのガラス板(150×70mm)に乾燥膜厚が10μm又は15μmとなるようにアプリケーターで塗装し、気温23℃、湿度50%RHの条件下、24時間乾燥させた。その後、さらに80℃の乾燥機にて1時間加熱乾燥(強制乾燥)させ試験板を得た。各試験板について塗膜外観を目視にて評価した。
S:ワレの発生が全く認められない、
A:塗膜の一部分に微細なワレの発生が認められる、
B:塗膜全体に微細なワレの発生が認められる、
C:塗膜全体に著しいワレの発生が認められる。
耐擦り傷性:
各硬化性組成物を厚さ2mmのガラス板(150×70mm)に乾燥膜厚が10μmになるようにアプリケーターで塗装し、気温23℃、湿度50%RHの条件下、4日間乾燥させ試験板を得た。得られた試験板に対してスチールウール#0000を用い、塗膜表面を1kg/cm荷重で100mmの移動距離で50回往復させ、擦り傷を付けたときの塗膜外観を目視で評価した。
S:傷が認められない、
A:傷がわずかに認められるが、傷の本数は5本未満である、
B:傷がわずかに認められるが、傷の本数は5本以上10本未満である、
C:傷が認められ、傷の本数が10本以上ある、
D:著しい傷がはっきりと認められる。
硬度:各硬化性組成物を厚さ2mmのガラス板(150×70mm)に乾燥膜厚が10μmになるようにアプリケーターで塗装し、気温23℃、湿度50%RHの条件下、4日間乾燥させ試験板を得た。各試験板のマルテンス硬さ(N/mm)を、フィッシャースコープ(登録商標)HM2000S(商品名、(株)フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定した。測定条件は、圧子:四角錐型のビッカース圧子(材質:ダイヤモンド、対面角:136°)、最大試験荷重:20mN、押し込み速度:20mN/25秒、温度:21±2℃、湿度:50±5%相対湿度とした。
S:マルテンス硬さが125以上
A:マルテンス硬さが100以上125未満
B:マルテンス硬さが75以上100未満
C:マルテンス硬さが50以上75未満
D:マルテンス硬さが50未満

Claims (6)

  1. (A1)ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物、並びに
    (A2)該ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)を含む有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物、
    のうちの少なくとも一方を含有する、硬化性組成物。
  2. 前記ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)が、下記一般式(I)で表されるビスシラン化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
    3-mSi-L-NR-C(=O)-Z-L-SiR 3-n (I)
    (式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素又は炭素数1~10の1価の炭化水素基であり、XはOH基又は加水分解性基であり、n=1、2又は3であり、m=1、2又は3であり、L、Lはそれぞれ独立して炭素数1~10の2価の炭化水素基であり、Zは-S-又は-NR-であり、Rは水素又は炭素数1~10の1価の炭化水素基である。)
  3. 前記有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)が、ウレア結合及び/又はチオウレタン結合を有するビスシラン化合物(A1)とエポキシ基含有シラン化合物(A3)とを含有する有機ケイ素化合物(A)の加水分解縮合物(A2)である、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記加水分解縮合物(A2)の重量平均分子量が500~100,000の範囲内である、請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. さらにエポキシ基含有シラン化合物(A3’)を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. さらに水を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
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