JPWO2018147468A1 - インクジェットインク組成物、記録物、及び画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子と、ケイ素化合物と、水と、を含むインクジェットインク組成物、記録物、及び画像記録方法。
Description
本開示は、インクジェットインク組成物、記録物、及び画像記録方法に関する。
従来より、金属粒子を含むインクジェット用インク及びインクセットが知られている。
例えば、インクジェット型のアドレス電極及びバス電極の固着、耐磨滅製、及び可撓性を改善する金属インクとして、分散した金属ナノ粉末及び溶剤を含む導電性ラインのインクジェット印刷用の金属インクであって、磨滅防止促進ナノ粒子及び可撓性促進重合体よりなる群から選ばれた少なくとも一つを含む金属インクが知られている(例えば、特開2006−241455号公報参照)。
また、平滑性の低い記録媒体においても、ムラ及び滲みが抑制され、優れた光輝性を有した記録物を得ることが可能であるとともに、乾燥時間の短縮も可能なインクセットとして、処理剤と光輝性顔料インクとを含むインクセットであって、処理液は、ヒュームドシリカを含み、光輝性顔料インクは、光輝性顔料、水、及びウレタン樹脂を含むインクセットが知られている(例えば、特開2015−193721号公報参照)。
例えば、インクジェット型のアドレス電極及びバス電極の固着、耐磨滅製、及び可撓性を改善する金属インクとして、分散した金属ナノ粉末及び溶剤を含む導電性ラインのインクジェット印刷用の金属インクであって、磨滅防止促進ナノ粒子及び可撓性促進重合体よりなる群から選ばれた少なくとも一つを含む金属インクが知られている(例えば、特開2006−241455号公報参照)。
また、平滑性の低い記録媒体においても、ムラ及び滲みが抑制され、優れた光輝性を有した記録物を得ることが可能であるとともに、乾燥時間の短縮も可能なインクセットとして、処理剤と光輝性顔料インクとを含むインクセットであって、処理液は、ヒュームドシリカを含み、光輝性顔料インクは、光輝性顔料、水、及びウレタン樹脂を含むインクセットが知られている(例えば、特開2015−193721号公報参照)。
ところで、金属粒子を含むインクにおいては、光沢性に優れる画像を記録できることが求められることがある。特に、金属粒子を含むインクを加飾画像の記録に使用する場合には、非常に高い光沢性、即ち、鏡面光沢性を有する画像を記録できることが望まれる。
本発明者らは、鏡面光沢性を有する画像を記録するためには、インク中の金属粒子を平板状の金属ナノ粒子とすることが有効であることを見出した。
しかし、平板状の金属ナノ粒子は、鋭利な形状を有する金属粒子であるため、インクジェットヘッド部材(基材、保護膜、撥液膜等;以下同じ)と接触した際に、インクジェットヘッド部材を傷付けやすい。インクジェットヘッド部材が損傷を受けると、吐出不良が生じやすく、安定な吐出を行うことができない場合がある。
本発明者らは、鏡面光沢性を有する画像を記録するためには、インク中の金属粒子を平板状の金属ナノ粒子とすることが有効であることを見出した。
しかし、平板状の金属ナノ粒子は、鋭利な形状を有する金属粒子であるため、インクジェットヘッド部材(基材、保護膜、撥液膜等;以下同じ)と接触した際に、インクジェットヘッド部材を傷付けやすい。インクジェットヘッド部材が損傷を受けると、吐出不良が生じやすく、安定な吐出を行うことができない場合がある。
本発明の一実施形態は、インクジェットヘッドのノズルからの吐出信頼性に優れ、かつ、鏡面光沢性を有する画像を記録できるインクジェットインク組成物を提供することに関する。
本発明の別の実施形態は、鏡面光沢性を有する画像を備える記録物、及び上記インクジェットインク組成物を用いた画像記録方法を提供することに関する。
本発明の別の実施形態は、鏡面光沢性を有する画像を備える記録物、及び上記インクジェットインク組成物を用いた画像記録方法を提供することに関する。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子と、ケイ素化合物と、水と、を含むインクジェットインク組成物。
<2> 平板状金属ナノ粒子の平均円相当径が、10nm以上500nm以下である<1>に記載のインクジェットインク組成物。
<3> 平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比が、10以上である<1>又は<2>に記載のインクジェットインク組成物。
<4> 平板状金属ナノ粒子が、銀、金、及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<5> 平板状金属ナノ粒子が、銀を含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<6> 平板状金属ナノ粒子の含有量が、インクジェットインク組成物の全量に対して、1質量%以上8質量%以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<7> ケイ素化合物が、コロイダルシリカを含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<8> ケイ素化合物の含有量が、インクジェットインク組成物の全量に対して、0.01質量%以上3質量%以下である<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<9> 更に、ゼラチンを含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<10> 加飾画像の記録に用いられる<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<11> 基材と、基材上に配置され、かつ、平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子、及びケイ素化合物を含む画像と、を備える記録物。
<12> <1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物を、ケイ素を含む吐出ヘッドを用いて、インクジェット法によって基材上に付与する工程を有する画像記録方法。
<1> 平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子と、ケイ素化合物と、水と、を含むインクジェットインク組成物。
<2> 平板状金属ナノ粒子の平均円相当径が、10nm以上500nm以下である<1>に記載のインクジェットインク組成物。
<3> 平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比が、10以上である<1>又は<2>に記載のインクジェットインク組成物。
<4> 平板状金属ナノ粒子が、銀、金、及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<5> 平板状金属ナノ粒子が、銀を含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<6> 平板状金属ナノ粒子の含有量が、インクジェットインク組成物の全量に対して、1質量%以上8質量%以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<7> ケイ素化合物が、コロイダルシリカを含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<8> ケイ素化合物の含有量が、インクジェットインク組成物の全量に対して、0.01質量%以上3質量%以下である<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<9> 更に、ゼラチンを含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<10> 加飾画像の記録に用いられる<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<11> 基材と、基材上に配置され、かつ、平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子、及びケイ素化合物を含む画像と、を備える記録物。
<12> <1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物を、ケイ素を含む吐出ヘッドを用いて、インクジェット法によって基材上に付与する工程を有する画像記録方法。
本発明の一実施形態によれば、インクジェットヘッドのノズルからの吐出信頼性に優れ、かつ、鏡面光沢性を有する画像を記録できるインクジェットインク組成物が提供される。
本発明の別の実施形態によれば、鏡面光沢性を有する画像を備える記録物、及び上記インクジェットインク組成物を用いた画像記録方法が提供される。
本発明の別の実施形態によれば、鏡面光沢性を有する画像を備える記録物、及び上記インクジェットインク組成物を用いた画像記録方法が提供される。
以下、本発明を適用したインクジェットインク組成物、記録物、及び画像記録方法の一例について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の実施形態の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、各成分の濃度又は含有量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計の濃度又は含有量を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、各成分の濃度又は含有量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計の濃度又は含有量を意味する。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「光」は、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線等の活性エネルギー線を包含する概念である。
本開示において、「光」は、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線等の活性エネルギー線を包含する概念である。
[インクジェットインク組成物]
本開示のインクジェットインク組成物(以下、単に「インク」ともいう。)は、平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子と、ケイ素化合物と、水と、を含む。
本開示のインクは、インクジェットヘッドのノズルからの吐出信頼性に優れる。また、本開示のインクによれば、鏡面光沢性を有する画像を記録できる。
本開示において、「インクジェットヘッドのノズルからの吐出信頼性に優れる」とは、インクジェットヘッドのノズルからインクを繰り返し吐出した場合に、吐出不良が生じ難いことを意味する。
また、本開示では、インクジェットヘッドのノズルからの吐出信頼性を、単に「吐出信頼性」と称することがある。
本開示のインクがこのような効果を奏し得る理由については明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。
本開示のインクジェットインク組成物(以下、単に「インク」ともいう。)は、平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子と、ケイ素化合物と、水と、を含む。
本開示のインクは、インクジェットヘッドのノズルからの吐出信頼性に優れる。また、本開示のインクによれば、鏡面光沢性を有する画像を記録できる。
本開示において、「インクジェットヘッドのノズルからの吐出信頼性に優れる」とは、インクジェットヘッドのノズルからインクを繰り返し吐出した場合に、吐出不良が生じ難いことを意味する。
また、本開示では、インクジェットヘッドのノズルからの吐出信頼性を、単に「吐出信頼性」と称することがある。
本開示のインクがこのような効果を奏し得る理由については明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。
本開示のインクは、金属粒子として平板状金属ナノ粒子を含み、かつ、この平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比が3以上であることにより、鏡面光沢性を有する画像を記録できる。本開示のインクによれば、鏡面光沢性を有する画像を記録できる理由は、インクが、金属粒子として平板状金属ナノ粒子を含み、かつ、この平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比が3以上であることにより、記録された画像において、平板状金属ナノ粒子の配向性が向上し、かつ、平板状金属ナノ粒子の側面(即ち、2つの主平面以外の面)における光の散乱が抑制され、その結果、画像の鏡面光沢が実現できるためと推測される。
例えば、金属粒子の形状が、球、立方体等の平板以外の形状である場合には、金属光沢性を有する画像が得られるとしても、金属粒子の表面における光の散乱の影響により、画像の鏡面光沢性は損なわれると考えられる。また、金属粒子が平板状金属ナノ粒子である場合であっても、平板状金属ナノ粒子のアスペクト比が低い場合には、画像を記録した場合に、画像中における平板状金属ナノ粒子の配向性が低いことにより、また、平板状金属ナノ粒子の側面(2つの主平面以外の面)における光の散乱の影響により、画像の鏡面光沢性が損なわれると考えられる。
本開示のインクに対して、特開2006−241455号公報に記載の金属インクは、導電性ラインのインクジェット印刷に用いられるインクであって、そもそも画像を記録するためのインクではない。すなわち、特開2006−241455号公報では、画像を記録すること自体に着目しておらず、当然に、鏡面光沢性を有する画像を記録することは、一切想定していないものと考えられる。
また、特開2006−241455号公報に記載の金属インクに含まれる金属ナノ粉末は、球状の金属粒子であるため、たとえ画像を記録したとしても、金属粒子の表面における光の散乱の影響により、鏡面光沢性を有する画像は得られないと考えられる。
また、特開2006−241455号公報に記載の金属インクに含まれる金属ナノ粉末は、球状の金属粒子であるため、たとえ画像を記録したとしても、金属粒子の表面における光の散乱の影響により、鏡面光沢性を有する画像は得られないと考えられる。
なお、本開示でいう「平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比」とは、平板状金属ナノ粒子における、平均厚さに対する平均円相当径の比〔平均円相当径/平均厚さ〕を指す。
平均厚さ、平均円相当径、及び平均アスペクト比を求める方法については後述する。
平均厚さ、平均円相当径、及び平均アスペクト比を求める方法については後述する。
本開示でいう「画像の鏡面光沢性」とは、画像に対向する物体が写り込む程の高い光沢性を示し、単なる金属光沢とは区別される(例えば、後述の実施例における「画像の鏡面光沢性(官能評価)の評価基準」を参照)。
本開示において、「画像の鏡面光沢性」は、20°グロス値、60°グロス値、及び官能評価(目視による画像評価)によって評価される。
20°グロス値及び60°グロス値は、いずれも数値が高いほど、画像の鏡面光沢性に優れることを意味する。
本開示において、「画像の鏡面光沢性」は、20°グロス値、60°グロス値、及び官能評価(目視による画像評価)によって評価される。
20°グロス値及び60°グロス値は、いずれも数値が高いほど、画像の鏡面光沢性に優れることを意味する。
ところで、平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子によれば、鏡面光沢性を有する画像を記録できるインクを実現し得るが、一方で、平板状金属ナノ粒子は、鋭利な形状を有するため、インクジェットヘッド部材と接触した際に、インクジェットヘッド部材を削り、磨耗させる場合があることが判明した。インクジェットヘッド部材が削られて磨耗すると、インクの吐出不良が生じやすくなり、吐出信頼性の低下を招く。
一般に、インクジェットヘッド部材は、ケイ素を含んで形成されている場合が多い。
本開示のインクでは、平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子とともに、ケイ素化合物及び水を含むことにより、インクジェットヘッド部材がケイ素を含んで形成されている場合に、平板状金属ナノ粒子によって生じたインクジェット部材の磨耗部位(ケイ素を含んで形成されている部位)が、インク中のケイ素化合物によって修復される。その結果、吐出不良の発生が抑制され、安定した吐出性が保持されるものと推測される。
一般に、インクジェットヘッド部材は、ケイ素を含んで形成されている場合が多い。
本開示のインクでは、平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子とともに、ケイ素化合物及び水を含むことにより、インクジェットヘッド部材がケイ素を含んで形成されている場合に、平板状金属ナノ粒子によって生じたインクジェット部材の磨耗部位(ケイ素を含んで形成されている部位)が、インク中のケイ素化合物によって修復される。その結果、吐出不良の発生が抑制され、安定した吐出性が保持されるものと推測される。
本開示のインクに対して、特開2015−193721号公報に記載のインクセットは、銀粒子を含む光輝性顔料インクと、ヒュームドシリカを含む処理液とを組み合わせたインクセットであり、インク中に、ヒュームドシリカを含んでいない。特開2015−193721号公報では、金属粒子によるインクジェット部材の磨耗の問題については着目しておらず、ましてや、磨耗をヒュームドシリカによって修復することについては、一切想定していないものと考えられる。
また、インクジェットヘッド部材がケイ素を含んで形成されている場合、ケイ素を含んで形成されている部位が、インクとの接触によって溶出し、侵食されることがある。インクジェットヘッド部材が侵食されると、吐出の際のインク滴のサイズ、吐出速度等が変化して吐出不良を起こす場合がある。
本開示のインクでは、ケイ素化合物及び水を含むことにより、インクジェットヘッド部材のケイ素を含んで形成されている部位の侵食が抑制される。
また、本開示のインクでは、ケイ素化合物及び水を含むことにより、インクジェットヘッド部材の撥液性の低下(所謂、接触角の低下)も抑制される。
本開示のインクでは、ケイ素化合物及び水を含むことにより、インクジェットヘッド部材のケイ素を含んで形成されている部位の侵食が抑制される。
また、本開示のインクでは、ケイ素化合物及び水を含むことにより、インクジェットヘッド部材の撥液性の低下(所謂、接触角の低下)も抑制される。
ところで、可視領域の波長以下のサイズの粒径を有する金属粒子を含むインクを用いて画像を記録した場合、記録された画像に色味が生じる場合がある。
可視領域の波長以下のサイズの粒径を有する金属粒子では、プラズモン共鳴が生じる。このプラズモン共鳴に起因し、金属粒子が可視領域中の特定の波長の光を吸収する場合がある。インク中の金属粒子が可視領域中の特定の波長の光を吸収する結果、このインクを用いて記録された画像に色味が生じると考えられる。また、例えば、金属粒子の形状が球又は立方体であると、金属粒子が、可視領域中の特定の光を吸収し、記録された画像に色味が生じると考えられる。
これに対して、本開示のインクは、金属粒子として平板状金属ナノ粒子を含み、かつ、この平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比が3以上であることにより、色味が抑制された画像を記録できる。
平板形状の金属粒子(平板状金属粒子)は、粒子サイズが小さくなって、プラズモン共鳴を生じる場合においても、プラズモン共鳴による吸収波長を可視領域から赤外域に制御できる。平板状金属粒子のアスペクト比が大きくなると、プラズモン共鳴による吸収波長は、より長波側となる。すなわち、本開示のインクは、プラズモン共鳴による吸収波長を赤外域に有し、可視光域の吸収率が低い金属ナノ粒子を含むため、色味が抑制された画像を記録できると考えられる。
可視領域の波長以下のサイズの粒径を有する金属粒子では、プラズモン共鳴が生じる。このプラズモン共鳴に起因し、金属粒子が可視領域中の特定の波長の光を吸収する場合がある。インク中の金属粒子が可視領域中の特定の波長の光を吸収する結果、このインクを用いて記録された画像に色味が生じると考えられる。また、例えば、金属粒子の形状が球又は立方体であると、金属粒子が、可視領域中の特定の光を吸収し、記録された画像に色味が生じると考えられる。
これに対して、本開示のインクは、金属粒子として平板状金属ナノ粒子を含み、かつ、この平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比が3以上であることにより、色味が抑制された画像を記録できる。
平板形状の金属粒子(平板状金属粒子)は、粒子サイズが小さくなって、プラズモン共鳴を生じる場合においても、プラズモン共鳴による吸収波長を可視領域から赤外域に制御できる。平板状金属粒子のアスペクト比が大きくなると、プラズモン共鳴による吸収波長は、より長波側となる。すなわち、本開示のインクは、プラズモン共鳴による吸収波長を赤外域に有し、可視光域の吸収率が低い金属ナノ粒子を含むため、色味が抑制された画像を記録できると考えられる。
本開示において、「画像の色味」は、メトリック彩度値によって評価される。
メトリック彩度値が低いほど、画像の色味が抑制されていることを意味する。
メトリック彩度値が低いほど、画像の色味が抑制されていることを意味する。
なお、上記の推測は、本発明の効果を限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
以下、本開示のインクにおける各成分について詳細に説明する。
〔平板状金属ナノ粒子〕
本開示のインクは、平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子(以下、「特定平板状金属ナノ粒子」ともいう。)を含む。
特定平板状金属ナノ粒子における「平板状」とは、2つの主平面を有する形状を意味する。
本開示のインクは、特定平板状金属ナノ粒子を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本開示のインクは、平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子(以下、「特定平板状金属ナノ粒子」ともいう。)を含む。
特定平板状金属ナノ粒子における「平板状」とは、2つの主平面を有する形状を意味する。
本開示のインクは、特定平板状金属ナノ粒子を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
特定平板状金属ナノ粒子の形状としては、平板状、即ち、2つの主平面を有する形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
特定平板状金属ナノ粒子の形状としては、三角形状、四角形状、六角形状、八角形状、円形状等が挙げられる。
特定平板状金属ナノ粒子の形状としては、可視光域の吸収率が低いという観点から、三角形状以上の多角形状及び円形状(以下、「三角形状乃至円形状」ともいう。)が好ましい。
特定平板状金属ナノ粒子の形状としては、三角形状、四角形状、六角形状、八角形状、円形状等が挙げられる。
特定平板状金属ナノ粒子の形状としては、可視光域の吸収率が低いという観点から、三角形状以上の多角形状及び円形状(以下、「三角形状乃至円形状」ともいう。)が好ましい。
円形状としては、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;TEM)を用いて、特定平板状金属ナノ粒子を主平面の法線方向から観察した際に、角が無く、丸い形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
三角形状以上の多角形状としては、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、特定平板状金属ナノ粒子を主平面の法線方向から観察した際に、三角形状以上の多角形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
三角形状以上の多角形状の角は、鋭角であってもよいし、鈍角であってもよいが、可視光域の吸収を軽減し得る点で、鈍角であることが好ましい。
三角形状以上の多角形状としては、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、特定平板状金属ナノ粒子を主平面の法線方向から観察した際に、三角形状以上の多角形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
三角形状以上の多角形状の角は、鋭角であってもよいし、鈍角であってもよいが、可視光域の吸収を軽減し得る点で、鈍角であることが好ましい。
特定平板状金属ナノ粒子のうち、三角形状乃至円形状の特定平板状金属ナノ粒子は、全特定平板状金属ナノ粒子の個数に対して、60個数%以上であることが好ましく、65個数%以上であることがより好ましく、70個数%以上であることが更に好ましい。
三角形状乃至円形状の特定平板状金属ナノ粒子の割合が60個数%以上であると、可視光域の吸収率がより低くなる。
「個数%」は、特定平板状金属ナノ粒子500個中における三角形状乃至円形状の特定平板状金属ナノ粒子の数の割合(百分率)を意味する。個数%は、TEMを用いて、主平面の法線方向から特定平板状金属ナノ粒子を500個観察することによって求める。
三角形状乃至円形状の特定平板状金属ナノ粒子の割合が60個数%以上であると、可視光域の吸収率がより低くなる。
「個数%」は、特定平板状金属ナノ粒子500個中における三角形状乃至円形状の特定平板状金属ナノ粒子の数の割合(百分率)を意味する。個数%は、TEMを用いて、主平面の法線方向から特定平板状金属ナノ粒子を500個観察することによって求める。
特定平板状金属ナノ粒子の平均円相当径としては、特に制限はなく、例えば、10nm以上500nm以下であることが好ましく、50nm以上400nm以下であることがより好ましく、90nm以上300nm以下であることが更に好ましい。
特定平板状金属ナノ粒子の平均円相当径が、10nm以上であると、可視光域の吸収率がより低くなるため、画像の色味が抑制される。また、可視光域の吸収率がより低くなることで、画像の鏡面光沢性がより向上する。
特定平板状金属ナノ粒子の平均円相当径が、500nm以下であると、インクによるノズルの詰まりがより抑制されるため、インクの吐出信頼性がより向上する。また、特定平板状金属ナノ粒子の平均円相当径が、500nm以下であると、インク中における特定平板状金属ナノ粒子の分散性がより良好となるため、画像の鏡面光沢性がより向上する。
特定平板状金属ナノ粒子の平均円相当径が、10nm以上であると、可視光域の吸収率がより低くなるため、画像の色味が抑制される。また、可視光域の吸収率がより低くなることで、画像の鏡面光沢性がより向上する。
特定平板状金属ナノ粒子の平均円相当径が、500nm以下であると、インクによるノズルの詰まりがより抑制されるため、インクの吐出信頼性がより向上する。また、特定平板状金属ナノ粒子の平均円相当径が、500nm以下であると、インク中における特定平板状金属ナノ粒子の分散性がより良好となるため、画像の鏡面光沢性がより向上する。
本開示において、「特定平板状金属ナノ粒子の平均円相当径」は、特定平板状金属ナノ粒子500個の円相当径の数平均値を意味する。
個々の特定平板状金属ナノ粒子の円相当径は、透過型電子顕微鏡像(TEM像)に基づき求める。詳細には、TEM像における特定平板状金属ナノ粒子の面積(即ち、投影面積)と同一面積の円の直径を、円相当径とする。
特定平板状金属ナノ粒子の平均円相当径の測定方法の例は、後述の実施例に示すとおりである。
個々の特定平板状金属ナノ粒子の円相当径は、透過型電子顕微鏡像(TEM像)に基づき求める。詳細には、TEM像における特定平板状金属ナノ粒子の面積(即ち、投影面積)と同一面積の円の直径を、円相当径とする。
特定平板状金属ナノ粒子の平均円相当径の測定方法の例は、後述の実施例に示すとおりである。
特定平板状金属ナノ粒子の粒度分布における変動係数は、35%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であることが更に好ましい。
「特定平板状金属ナノ粒子の粒度分布における変動係数」とは、特定平板状金属ナノ粒子500個の円相当径(粒度分布)の標準偏差を、特定平板状金属ナノ粒子500個の円相当径の数平均値(平均円相当径)で割って100を乗じた値(%)を意味する。
「特定平板状金属ナノ粒子の粒度分布における変動係数」とは、特定平板状金属ナノ粒子500個の円相当径(粒度分布)の標準偏差を、特定平板状金属ナノ粒子500個の円相当径の数平均値(平均円相当径)で割って100を乗じた値(%)を意味する。
特定平板状金属ナノ粒子の平均厚さは、インク中における特定平板状金属ナノ粒子の分散性、及び、インクの吐出性の観点から、50nm以下であることが好ましく、2nm〜25nmであることがより好ましく、3nm〜15nmであることが更に好ましい。
本開示において、「特定平板状金属ナノ粒子の平均厚さ」は、特定平板状金属ナノ粒子500個の厚さの数平均値を意味する。
特定平板状金属ナノ粒子の厚さは、FIB−TEM(Focused Ion Beam - Transmission electron microscopy)法により測定する。
特定平板状金属ナノ粒子の平均厚さの測定方法の例は、後述の実施例に示すとおりである。
本開示において、「特定平板状金属ナノ粒子の平均厚さ」は、特定平板状金属ナノ粒子500個の厚さの数平均値を意味する。
特定平板状金属ナノ粒子の厚さは、FIB−TEM(Focused Ion Beam - Transmission electron microscopy)法により測定する。
特定平板状金属ナノ粒子の平均厚さの測定方法の例は、後述の実施例に示すとおりである。
特定平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比(即ち、平均円相当径/平均厚さ)は、既述のとおり、3以上である。
特定平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比は、画像の色味を抑制し、画像の鏡面光沢性をより向上させる観点から、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、15以上であることが更に好ましい。
また、特定平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比の上限としては、特に制限はないが、例えば、特定平板状金属ナノ粒子の分散性及び画像の鏡面光沢性の観点から、100以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましい。
特定平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比は、画像の色味を抑制し、画像の鏡面光沢性をより向上させる観点から、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、15以上であることが更に好ましい。
また、特定平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比の上限としては、特に制限はないが、例えば、特定平板状金属ナノ粒子の分散性及び画像の鏡面光沢性の観点から、100以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましい。
特定平板状金属ナノ粒子に含まれる金属元素としては、特に制限はなく、銀、金、白金、アルミニウム等が挙げられる。
特定平板状金属ナノ粒子は、画像の鏡面光沢性の観点から、銀、金、及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むことが好ましく、銀及び金から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むことがより好ましく、銀を含むことが更に好ましい。
また、特定平板状金属ナノ粒子は、画像の色味を抑制する観点から、銀及び白金から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むことが好ましく、銀を含むことがより好ましい。
特定平板状金属ナノ粒子は、画像の鏡面光沢性の観点から、銀、金、及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むことが好ましく、銀及び金から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むことがより好ましく、銀を含むことが更に好ましい。
また、特定平板状金属ナノ粒子は、画像の色味を抑制する観点から、銀及び白金から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むことが好ましく、銀を含むことがより好ましい。
例えば、画像の鏡面光沢性がより向上させる観点からは、特定平板状金属ナノ粒子は、銀を、特定平板状金属ナノ粒子の全量に対して80質量%以上含むことが好ましい。
本開示のインク中における特定平板状金属ナノ粒子の含有量は、特に制限されない。
本開示のインク中における特定平板状金属ナノ粒子の含有量は、例えば、インクの全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上8質量%以下であることが更に好ましい。
本開示のインク中における特定平板状金属ナノ粒子の含有量が、インクの全量に対して0.1質量%以上であると、画像の鏡面光沢性がより向上する。
本開示のインク中における特定平板状金属ナノ粒子の含有量が、インクの全量に対して20質量%以下であると、インクの吐出信頼性がより向上する。
本開示のインク中における特定平板状金属ナノ粒子の含有量は、例えば、インクの全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上8質量%以下であることが更に好ましい。
本開示のインク中における特定平板状金属ナノ粒子の含有量が、インクの全量に対して0.1質量%以上であると、画像の鏡面光沢性がより向上する。
本開示のインク中における特定平板状金属ナノ粒子の含有量が、インクの全量に対して20質量%以下であると、インクの吐出信頼性がより向上する。
〜特定平板状金属ナノ粒子の合成方法〜
特定平板状金属ナノ粒子の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、三角形状以上の多角形状の特定平板状金属ナノ粒子を合成する方法としては、例えば、化学還元法、光化学還元法、電気化学還元法等の液相法が挙げられる。
これらの中でも、三角形状以上の多角形状の特定平板状金属ナノ粒子を合成する方法としては、形状及びサイズの制御性の観点から、化学還元法又は光化学還元法が好ましい。
三角形状以上の多角形状の特定平板状金属ナノ粒子を合成する場合、合成後に、硝酸、亜硫酸ナトリウム等の銀を溶解する溶解種によるエッチング処理、加熱によるエージング処理などを行うことにより、三角形状以上の多角形状の特定平板状金属ナノ粒子の角を鈍らせてもよい。
特定平板状金属ナノ粒子の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、三角形状以上の多角形状の特定平板状金属ナノ粒子を合成する方法としては、例えば、化学還元法、光化学還元法、電気化学還元法等の液相法が挙げられる。
これらの中でも、三角形状以上の多角形状の特定平板状金属ナノ粒子を合成する方法としては、形状及びサイズの制御性の観点から、化学還元法又は光化学還元法が好ましい。
三角形状以上の多角形状の特定平板状金属ナノ粒子を合成する場合、合成後に、硝酸、亜硫酸ナトリウム等の銀を溶解する溶解種によるエッチング処理、加熱によるエージング処理などを行うことにより、三角形状以上の多角形状の特定平板状金属ナノ粒子の角を鈍らせてもよい。
特定平板状金属ナノ粒子の合成方法としては、既述の合成方法の他、予め、フィルム、ガラス等の透明基材の表面に種晶を固定した後、平板状に金属粒子(例えば、Ag)を結晶成長させてもよい。
特定平板状金属ナノ粒子には、所望の特性を付与するために、更なる処理を施してもよい。
更なる処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
更なる処理の例としては、特開2014−184688号公報の段落[0068]〜[0070]に記載の高屈折率シェル層の形成、特開2014−184688号公報の段落[0072]〜[0073]に記載の各種添加剤の添加等が挙げられる。
更なる処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
更なる処理の例としては、特開2014−184688号公報の段落[0068]〜[0070]に記載の高屈折率シェル層の形成、特開2014−184688号公報の段落[0072]〜[0073]に記載の各種添加剤の添加等が挙げられる。
〔ケイ素化合物〕
本開示のインクは、ケイ素化合物を含む。
本開示のインクにおいて、ケイ素化合物は、インクの吐出信頼性の向上に寄与する。また、ケイ素化合物は、インクジェットヘッド部材の撥液性の低下(所謂、接触角の低下)の抑制にも寄与する。
本開示のインクは、ケイ素化合物を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本開示のインクは、ケイ素化合物を含む。
本開示のインクにおいて、ケイ素化合物は、インクの吐出信頼性の向上に寄与する。また、ケイ素化合物は、インクジェットヘッド部材の撥液性の低下(所謂、接触角の低下)の抑制にも寄与する。
本開示のインクは、ケイ素化合物を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
ケイ素化合物としては、特に制限はない。
ケイ素化合物の例としては、ケイ酸、ケイ酸塩等が挙げられる。
ケイ酸の例としては、コロイダルシリカ等の無水ケイ酸(シリカ)が挙げられる。
ケイ酸塩は、水溶性であることが好ましく、水溶性のケイ酸塩の例としては、ケイ酸アルカリ金属塩、ケイ酸アンモニウム塩等が挙げられる。
なお、水溶性のケイ酸塩における「水溶性」とは、25℃の水1000gに対して0.1g以上(好ましくは1g以上)溶解する性質を意味する。
ケイ素化合物は、例えば、インクの分散性の観点から、コロイダルシリカ及び水溶性のケイ酸アルカリ金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、インクの吐出信頼性を向上させる観点から、コロイダルシリカを含むことがより好ましい。特に好ましくは、ケイ素化合物がコロイダルシリカである。
ケイ素化合物の例としては、ケイ酸、ケイ酸塩等が挙げられる。
ケイ酸の例としては、コロイダルシリカ等の無水ケイ酸(シリカ)が挙げられる。
ケイ酸塩は、水溶性であることが好ましく、水溶性のケイ酸塩の例としては、ケイ酸アルカリ金属塩、ケイ酸アンモニウム塩等が挙げられる。
なお、水溶性のケイ酸塩における「水溶性」とは、25℃の水1000gに対して0.1g以上(好ましくは1g以上)溶解する性質を意味する。
ケイ素化合物は、例えば、インクの分散性の観点から、コロイダルシリカ及び水溶性のケイ酸アルカリ金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、インクの吐出信頼性を向上させる観点から、コロイダルシリカを含むことがより好ましい。特に好ましくは、ケイ素化合物がコロイダルシリカである。
コロイダルシリカは、平均粒子径が数100nm以下のケイ素を含む無機酸化物の微粒子からなるコロイドである。
コロイダルシリカは、主成分として二酸化ケイ素(二酸化ケイ素の水和物を含む。)を含み、少量成分としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。主成分とは、含有比率(質量%)が最も高い成分を意味する。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等が挙げられる。
また、コロイダルシリカには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類などが含まれていてもよい。これらの無機塩類及び有機塩類は、例えば、コロイドの安定化剤として作用する。
コロイダルシリカは、主成分として二酸化ケイ素(二酸化ケイ素の水和物を含む。)を含み、少量成分としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。主成分とは、含有比率(質量%)が最も高い成分を意味する。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等が挙げられる。
また、コロイダルシリカには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類などが含まれていてもよい。これらの無機塩類及び有機塩類は、例えば、コロイドの安定化剤として作用する。
コロイダルシリカの分散媒は、特に制限されず、水、有機溶剤、及びこれらの混合液のいずれであってもよい。
有機溶剤は、水溶性有機溶剤であってもよいし、非水溶性有機溶剤であってもよいが、水溶性有機溶剤であることが好ましい。
なお、水溶性有機溶剤における「水溶性」とは、25℃の水1000gに対して0.1g以上(好ましくは1g以上)溶解する性質を意味する。
水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等が挙げられる。
有機溶剤は、水溶性有機溶剤であってもよいし、非水溶性有機溶剤であってもよいが、水溶性有機溶剤であることが好ましい。
なお、水溶性有機溶剤における「水溶性」とは、25℃の水1000gに対して0.1g以上(好ましくは1g以上)溶解する性質を意味する。
水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等が挙げられる。
コロイダルシリカの製造方法としては、特に制限はなく、通常用いられる方法により製造することができる。
コロイダルシリカは、例えば、四塩化ケイ素の熱分解によるアエロジル合成のような気相合成法以外に、安価な水ガラスを原料とする方法、アルコキシドの加水分解といった液相合成法(例えば、「繊維と工業」、Vol.60、No.7(2004)P.376参照)等によっても製造することができる。
コロイダルシリカは、例えば、四塩化ケイ素の熱分解によるアエロジル合成のような気相合成法以外に、安価な水ガラスを原料とする方法、アルコキシドの加水分解といった液相合成法(例えば、「繊維と工業」、Vol.60、No.7(2004)P.376参照)等によっても製造することができる。
コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子の平均粒子径は、特に制限されない。
シリカ粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、例えば、1nm〜200nmとすることができ、1nm〜100nmであることが好ましく、3nm〜50nmであることがより好ましく、3nm〜25nmであることが更に好ましく、5nm〜20nmであることが特に好ましい。
シリカ粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)が200nm以下であると、インクジェットヘッド部材の撥液性の低下をより効果的に抑制することができる。
また、シリカ粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)が1nm以上であると、性能のバラツキの少ないコロイダルシリカを得ることができる。
コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、分散粒子の一般的な測定である光散乱法、レーザー回折法等の手法により求めることができる。
シリカ粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、例えば、1nm〜200nmとすることができ、1nm〜100nmであることが好ましく、3nm〜50nmであることがより好ましく、3nm〜25nmであることが更に好ましく、5nm〜20nmであることが特に好ましい。
シリカ粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)が200nm以下であると、インクジェットヘッド部材の撥液性の低下をより効果的に抑制することができる。
また、シリカ粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)が1nm以上であると、性能のバラツキの少ないコロイダルシリカを得ることができる。
コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、分散粒子の一般的な測定である光散乱法、レーザー回折法等の手法により求めることができる。
コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子の形状は、インクの吐出性能を妨げない限り、特に制限されない。
シリカ粒子の形状は、例えば、球状、針状、及び数珠状のいずれであってもよい。
これらの中でも、シリカ粒子の形状としては、例えば、インクの吐出性の観点から、球状であることが好ましい。
シリカ粒子の形状は、例えば、球状、針状、及び数珠状のいずれであってもよい。
これらの中でも、シリカ粒子の形状としては、例えば、インクの吐出性の観点から、球状であることが好ましい。
コロイダルシリカは、既述の製造方法により製造されたものであってもよいし、市販品であってもよい。
コロイダルシリカの市販品の例としては、Ludox(登録商標) AM、Ludox(登録商標) AS、Ludox(登録商標) LS、Ludox(登録商標) TM、Ludox(登録商標) HS等(以上、E.I.Du Pont de Nemouvs & Co);スノーテックス(登録商標)S、スノーテックス(登録商標)XS、スノーテックス(登録商標)20、スノーテックス(登録商標)30、スノーテックス(登録商標)40、スノーテックス(登録商標)N、スノーテックス(登録商標)C、スノーテックス(登録商標)O、スノーテックス(登録商標)ST−UP、スノーテックス(登録商標)PS−S、スノーテックス(登録商標)PS−M、スノーテックス(登録商標)ST−OUP、スノーテックス(登録商標)PS−SO、スノーテックス(登録商標)PS−MO等(以上、日産化学工業(株));Syton(登録商標) C−30、Syton(登録商標)ZOO等(以上、Monsanto Co);Nalcoag−1060、Nalcoag−ID21〜64等(以上、Nalco Chem Co);メタノールゾル、イソプロピルアルコール(IPA)ゾル、メチルエチルケトン(MEK)ゾル、トルエンゾル等(以上、扶桑化学工業(株));Cataloid(登録商標)−S、Cataloid(登録商標)−F120、Cataloid(登録商標) SI−350、Cataloid(登録商標) SI−500、Cataloid(登録商標) SI−30、Cataloid(登録商標) S−20L、Cataloid(登録商標) S−20H、Cataloid(登録商標) S−30L、Cataloid(登録商標) S−30H、Cataloid(登録商標) SI−40、OSCAL(登録商標)−1432(イソプロピルアルコールゾル)等(以上、日揮触媒化成(株));アデライト(登録商標)シリーズ(ADEKA(株))などが挙げられる。
コロイダルシリカの市販品の例としては、Ludox(登録商標) AM、Ludox(登録商標) AS、Ludox(登録商標) LS、Ludox(登録商標) TM、Ludox(登録商標) HS等(以上、E.I.Du Pont de Nemouvs & Co);スノーテックス(登録商標)S、スノーテックス(登録商標)XS、スノーテックス(登録商標)20、スノーテックス(登録商標)30、スノーテックス(登録商標)40、スノーテックス(登録商標)N、スノーテックス(登録商標)C、スノーテックス(登録商標)O、スノーテックス(登録商標)ST−UP、スノーテックス(登録商標)PS−S、スノーテックス(登録商標)PS−M、スノーテックス(登録商標)ST−OUP、スノーテックス(登録商標)PS−SO、スノーテックス(登録商標)PS−MO等(以上、日産化学工業(株));Syton(登録商標) C−30、Syton(登録商標)ZOO等(以上、Monsanto Co);Nalcoag−1060、Nalcoag−ID21〜64等(以上、Nalco Chem Co);メタノールゾル、イソプロピルアルコール(IPA)ゾル、メチルエチルケトン(MEK)ゾル、トルエンゾル等(以上、扶桑化学工業(株));Cataloid(登録商標)−S、Cataloid(登録商標)−F120、Cataloid(登録商標) SI−350、Cataloid(登録商標) SI−500、Cataloid(登録商標) SI−30、Cataloid(登録商標) S−20L、Cataloid(登録商標) S−20H、Cataloid(登録商標) S−30L、Cataloid(登録商標) S−30H、Cataloid(登録商標) SI−40、OSCAL(登録商標)−1432(イソプロピルアルコールゾル)等(以上、日揮触媒化成(株));アデライト(登録商標)シリーズ(ADEKA(株))などが挙げられる。
市販のコロイダルシリカ分散液のpHは、酸性又はアルカリ性に調整されているものが多い。pHが調整されている理由は、コロイダルシリカの安定分散領域が酸性側又はアルカリ性側に存在するためであり、市販のコロイダルシリカ分散液をインク中に添加する場合は、コロイダルシリカの安定分散領域のpHとインクのpHとを考慮して添加することがある。
水溶性のケイ酸アルカリ金属塩は、ケイ酸とアルカリ金属とから構成され、水溶性を示す化合物であれば、特に制限されない。
水可溶性のケイ酸アルカリ金属塩は、メタケイ酸のアルカリ金属塩及びオルトケイ酸のアルカリ金属塩のいずれであってもよいし、これらの混合物であってもよい。
水可溶性のケイ酸アルカリ金属塩は、メタケイ酸のアルカリ金属塩及びオルトケイ酸のアルカリ金属塩のいずれであってもよいし、これらの混合物であってもよい。
ケイ酸アルカリ金属塩は、具体的には、下記一般式(S)で表される化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
x(M2O)・y(SiO2) (S)
一般式(S)中、Mは、ナトリウム又はカリウムを表し、xは、1又は2を表し、yは、1〜4の整数を表す。
一般式(S)で表されるケイ酸のアルカリ金属塩は、x=1、y=1の場合は、メタケイ酸アルカリ金属塩と、x=2、y=1の場合は、オルトケイ酸アルカリ金属塩と、それぞれ称され、いずれも水溶性を有するケイ酸アルカリ金属塩である。
x(M2O)・y(SiO2) (S)
一般式(S)中、Mは、ナトリウム又はカリウムを表し、xは、1又は2を表し、yは、1〜4の整数を表す。
一般式(S)で表されるケイ酸のアルカリ金属塩は、x=1、y=1の場合は、メタケイ酸アルカリ金属塩と、x=2、y=1の場合は、オルトケイ酸アルカリ金属塩と、それぞれ称され、いずれも水溶性を有するケイ酸アルカリ金属塩である。
一般には、ケイ酸アルカリ金属塩は、一般式(S)で表される化合物の2種以上からなる混合物であることが多いが、本開示におけるケイ酸アルカリ金属塩は、一般式(S)で表される化合物の1種からなるものであってもよいし、一般式(S)で表される化合物の2種以上からなる混合物であってもよい。
水可溶性のケイ酸アルカリ金属塩としては、市販品の化合物(例えば、水ガラス)を用いてもよいし、ケイ酸と、アルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物とを融解して得られるものを用いてもよいが、例えば、インクの分散性の観点から、市販品の化合物であるケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムを用いることが好ましい。
本開示のインク中におけるケイ素化合物の含有量は、特に制限されない。
本開示のインク中におけるケイ素化合物(好ましくはコロイダルシリカ。以下、同じ。)の含有量は、例えば、インクの吐出信頼性をより向上させる観点から、インクの全量に対して、0.01質量%以上4質量%以下であることが好ましく、インクの吐出信頼性をより向上させ、かつ、鏡面光沢性に優れた画像を記録する観点から、インクの全量に対して、0.01質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.02質量%以上2質量%以下であることが更に好ましく、0.02質量%以上1質量%以下であることが特に好ましい。
また、本開示のインク中におけるケイ素化合物の含有量が、インクの全量に対して、0.01質量%以上4質量%以下(好ましくは0.1質量%以上4質量%以下)であると、インクジェットヘッドを構成する部材の撥液性の低下を効果的に抑制することもできる。
本開示のインク中におけるケイ素化合物(好ましくはコロイダルシリカ。以下、同じ。)の含有量は、例えば、インクの吐出信頼性をより向上させる観点から、インクの全量に対して、0.01質量%以上4質量%以下であることが好ましく、インクの吐出信頼性をより向上させ、かつ、鏡面光沢性に優れた画像を記録する観点から、インクの全量に対して、0.01質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.02質量%以上2質量%以下であることが更に好ましく、0.02質量%以上1質量%以下であることが特に好ましい。
また、本開示のインク中におけるケイ素化合物の含有量が、インクの全量に対して、0.01質量%以上4質量%以下(好ましくは0.1質量%以上4質量%以下)であると、インクジェットヘッドを構成する部材の撥液性の低下を効果的に抑制することもできる。
本開示のインク中における、ケイ素化合物の含有量に対する特定平板状金属ナノ粒子の含有量の比(以下、「特定平板状金属ナノ粒子の含有量/ケイ素化合物の含有量」ともいう。)は、質量基準で、0.1以上10000以下であることが好ましく、1以上1000以下であることが好ましく、2以上500以下であることが更に好ましい。
特定平板状金属ナノ粒子の含有量/ケイ素化合物の含有量が、上記範囲内であると、インクの吐出信頼性がより向上し、かつ、鏡面光沢性に優れた画像を記録できる。
特定平板状金属ナノ粒子の含有量/ケイ素化合物の含有量が、上記範囲内であると、インクの吐出信頼性がより向上し、かつ、鏡面光沢性に優れた画像を記録できる。
〔水〕
本開示のインクは、水を含む。
本開示のインクにおいて、水は、インクの吐出信頼性に寄与する。
本開示のインクは、水を含むため、特定平板状金属ナノ粒子によるインクジェットヘッドの磨耗が生じた場合に、ケイ素化合物が磨耗部分の修復に寄与し得る。
また、インクジェットヘッドのノズル吐出面には、ヘッドを保護するための撥液膜が設けられることが多い。撥液膜は、例えば、フッ化アルキルシラン化合物のようなケイ素を含む化合物により形成されており、水を含む水系インクでは、インクのpHによっては、撥液膜中のケイ素が溶出することがある。本開示のインクによれば、撥液膜中のケイ素が溶出した場合であっても、インク中のケイ素化合物によって溶出部分が修復されると推定される。
本開示のインク中における水の含有量としては、特に制限はない。
本開示のインク中における水の含有量は、インクの取扱い性、環境負荷の軽減等の観点から、インクの全量に対して、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましい。
また、本開示のインク中における水の含有量は、例えば、インクの全量に対して、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。
本開示のインクは、水を含む。
本開示のインクにおいて、水は、インクの吐出信頼性に寄与する。
本開示のインクは、水を含むため、特定平板状金属ナノ粒子によるインクジェットヘッドの磨耗が生じた場合に、ケイ素化合物が磨耗部分の修復に寄与し得る。
また、インクジェットヘッドのノズル吐出面には、ヘッドを保護するための撥液膜が設けられることが多い。撥液膜は、例えば、フッ化アルキルシラン化合物のようなケイ素を含む化合物により形成されており、水を含む水系インクでは、インクのpHによっては、撥液膜中のケイ素が溶出することがある。本開示のインクによれば、撥液膜中のケイ素が溶出した場合であっても、インク中のケイ素化合物によって溶出部分が修復されると推定される。
本開示のインク中における水の含有量としては、特に制限はない。
本開示のインク中における水の含有量は、インクの取扱い性、環境負荷の軽減等の観点から、インクの全量に対して、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましい。
また、本開示のインク中における水の含有量は、例えば、インクの全量に対して、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。
〔分散剤〕
本開示のインクは、特定平板状金属ナノ粒子の分散性の観点から、分散剤を少なくとも1種含むことが好ましい。
分散剤としては、特に制限はないが、水溶性分散剤であることが好ましい。
なお、水溶性分散剤における「水溶性」とは、25℃の水100gに対して5g以上(好ましくは10g以上)溶解する性質を意味する。
分散剤の例としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂、セルロース等の多糖類、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
本開示のインクは、特定平板状金属ナノ粒子の分散性の観点から、分散剤を少なくとも1種含むことが好ましい。
分散剤としては、特に制限はないが、水溶性分散剤であることが好ましい。
なお、水溶性分散剤における「水溶性」とは、25℃の水100gに対して5g以上(好ましくは10g以上)溶解する性質を意味する。
分散剤の例としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂、セルロース等の多糖類、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
これらの中でも、分散剤としては、ゼラチンが特に好ましい。
本開示のインクは、ゼラチンを含むことにより、特定平板状金属ナノ粒子の分散性が顕著に向上し得る。特定平板状金属ナノ粒子の分散性が向上することで、記録される画像の鏡面光沢性の向上が期待できる。また、特定平板状金属ナノ粒子の分散性が向上すると、インクの吐出性が向上する。
特に、特定平板状金属ナノ粒子が銀を含む場合、分散剤としてゼラチンを選択すると、インク中において特定平板状金属ナノ粒子をより高い濃度で良好に分散できるため、画像の鏡面光沢性をより向上させることができる。
本開示のインクは、ゼラチンを含むことにより、特定平板状金属ナノ粒子の分散性が顕著に向上し得る。特定平板状金属ナノ粒子の分散性が向上することで、記録される画像の鏡面光沢性の向上が期待できる。また、特定平板状金属ナノ粒子の分散性が向上すると、インクの吐出性が向上する。
特に、特定平板状金属ナノ粒子が銀を含む場合、分散剤としてゼラチンを選択すると、インク中において特定平板状金属ナノ粒子をより高い濃度で良好に分散できるため、画像の鏡面光沢性をより向上させることができる。
ゼラチンとしては、コラーゲンからの誘導過程で石灰等のアルカリによる処理を伴うアルカリ処理ゼラチン;塩酸等の酸による処理を伴う酸処理ゼラチン;加水分解酵素等の酵素による処理を伴う酵素処理ゼラチン;酸素処理ゼラチン;ゼラチン分子中に含まれる官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を、これらの官能基と反応し得る基を一個持った試薬によって変性した変性ゼラチン(フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、トリメトリト化ゼラチン等);例えば、特開昭62−215272号公報の第222頁左下欄6行目から第225頁左上欄末行目等に記載される当業界内で一般に用いられているゼラチンなどが挙げられる。
ゼラチンの重量平均分子量は、特定平板状金属ナノ粒子の分散性の観点から、5000〜1000000が好ましく、10000〜500000がより好ましく、20000〜200000が更に好ましい。
本明細書中において、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定された値を意味する。
GPCは、測定装置として、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)、Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて行う。
また、GPCは、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行う。
検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、及び「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
GPCは、測定装置として、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)、Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて行う。
また、GPCは、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行う。
検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、及び「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
本開示のインクが分散剤を含む場合、インク中における分散剤の含有量は、特に制限されない。
本開示のインク中における分散剤(好ましくはゼラチン。以下、同じ。)の含有量は、例えば、インクの全量に対して、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上が更に好ましい。
本開示のインク中における分散剤の含有量が、インクの全量に対して、0.005質量%以上であると、特定平板状金属ナノ粒子の分散性がより向上し得る。
また、本開示のインク中における分散剤の含有量は、例えば、インクの全量に対して、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
インク中における分散剤(特に、ゼラチン)の含有量が高すぎると、記録される画像の鏡面光沢性が損なわれる場合がある。インク中における分散剤の含有量が、インクの全量に対して、15質量%以下であると、記録される画像の鏡面光沢性が損なわれ難い。
本開示のインク中における分散剤(好ましくはゼラチン。以下、同じ。)の含有量は、例えば、インクの全量に対して、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上が更に好ましい。
本開示のインク中における分散剤の含有量が、インクの全量に対して、0.005質量%以上であると、特定平板状金属ナノ粒子の分散性がより向上し得る。
また、本開示のインク中における分散剤の含有量は、例えば、インクの全量に対して、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
インク中における分散剤(特に、ゼラチン)の含有量が高すぎると、記録される画像の鏡面光沢性が損なわれる場合がある。インク中における分散剤の含有量が、インクの全量に対して、15質量%以下であると、記録される画像の鏡面光沢性が損なわれ難い。
本開示のインクが分散剤を含む場合、分散剤の含有量に対する特定平板状金属ナノ粒子の含有量の比(以下、「特定平板状金属ナノ粒子の含有量/分散剤の含有量」ともいう。)は、質量基準で、0.1以上10000以下であることが好ましく、0.5以上500以下であることが好ましく、1以上100以下であることが更に好ましい。
特定平板状金属ナノ粒子の含有量/分散剤の含有量が、上記範囲内であると、特定平板状金属ナノ粒子の分散性がより向上し、鏡面光沢性により優れた画像を記録できる。また、特定平板状金属ナノ粒子の含有量/分散剤の含有量が、上記範囲内であると、画像の色味が良好に抑制される。
特定平板状金属ナノ粒子の含有量/分散剤の含有量が、上記範囲内であると、特定平板状金属ナノ粒子の分散性がより向上し、鏡面光沢性により優れた画像を記録できる。また、特定平板状金属ナノ粒子の含有量/分散剤の含有量が、上記範囲内であると、画像の色味が良好に抑制される。
〔有機溶剤〕
本開示のインクは、インクの吐出性向上の観点から、有機溶剤を少なくとも1種含むことが好ましい。
有機溶剤としては、特に制限はないが、水溶性有機溶剤であることが好ましい。
水溶性有機溶剤における「水溶性」の意味は、既述のとおりである。
本開示のインクは、インクの吐出性向上の観点から、有機溶剤を少なくとも1種含むことが好ましい。
有機溶剤としては、特に制限はないが、水溶性有機溶剤であることが好ましい。
水溶性有機溶剤における「水溶性」の意味は、既述のとおりである。
水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等のグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類などが挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、上記以外にも、例えば、特開2011−46872号公報の段落[0176]〜[0179]に記載されている水溶性有機溶剤、及び特開2013−18846号公報の段落[0063]〜[0074]に記載されている水溶性有機溶剤の中から、適宜選択することもできる。
なお、水溶性有機溶剤の中でも、多価アルコール類は、乾燥防止剤又は湿潤剤としても有用である。乾燥防止剤又は湿潤剤としての多価アルコール類としては、特開2011−42150号公報の段落[0117]に記載されている多価アルコール類が挙げられる。
なお、水溶性有機溶剤の中でも、多価アルコール類は、乾燥防止剤又は湿潤剤としても有用である。乾燥防止剤又は湿潤剤としての多価アルコール類としては、特開2011−42150号公報の段落[0117]に記載されている多価アルコール類が挙げられる。
水溶性有機溶剤は、沸点が150℃以上であり、かつ、溶解度パラメーター(以下、「SP値」ともいう。)が24MPa1/2以上である有機溶剤(以下、「特定有機溶剤」ともいう。)が好ましい。
インク中に含まれる水溶性有機溶剤の沸点が150℃以上である(即ち、水溶性有機溶剤の沸点が水の沸点よりも高い)と、溶剤の揮発に起因するインクの吐出性の低下がより抑制される。
水溶性有機溶剤の沸点は、インクの吐出性の観点から、170℃以上であることがより好ましく、180℃以上であることが更に好ましい。
水溶性有機溶剤の沸点の上限としては、特に制限はなく、例えば、インクの粘度の観点から、300℃以下であることが好ましい。
沸点は、沸点測定器(DosaTherm300、Titan Technologies社)を用いて測定される。
本開示において、沸点は、大気圧下での沸点を意味する。
インク中に含まれる水溶性有機溶剤の沸点が150℃以上である(即ち、水溶性有機溶剤の沸点が水の沸点よりも高い)と、溶剤の揮発に起因するインクの吐出性の低下がより抑制される。
水溶性有機溶剤の沸点は、インクの吐出性の観点から、170℃以上であることがより好ましく、180℃以上であることが更に好ましい。
水溶性有機溶剤の沸点の上限としては、特に制限はなく、例えば、インクの粘度の観点から、300℃以下であることが好ましい。
沸点は、沸点測定器(DosaTherm300、Titan Technologies社)を用いて測定される。
本開示において、沸点は、大気圧下での沸点を意味する。
また、水溶性有機溶剤のSP値が24MPa1/2以上であると、基材上に付与されたインク(即ち、画像)中において、特定平板状金属ナノ粒子の配向性が向上し、その結果、画像の鏡面光沢性がより向上する。
水溶性有機溶剤のSP値は、画像の鏡面光沢性の観点から、25MPa1/2以上であることがより好ましく、26MPa1/2以上であることが更に好ましく、27MPa1/2以上であることが特に好ましい。
水溶性有機溶剤のSP値の上限としては、特に制限はなく、例えば、インクの粘度の観点から、40MPa1/2以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤のSP値は、画像の鏡面光沢性の観点から、25MPa1/2以上であることがより好ましく、26MPa1/2以上であることが更に好ましく、27MPa1/2以上であることが特に好ましい。
水溶性有機溶剤のSP値の上限としては、特に制限はなく、例えば、インクの粘度の観点から、40MPa1/2以下であることが好ましい。
本開示において、溶解度パラメーター(SP値)は、沖津法によって求められる値〔単位:MPa1/2〕である。沖津法は、従来周知のSP値の算出方法の一つであり、例えば、日本接着学会誌Vol.29、No.6(1993年)249〜259頁に詳述されている方法である。
以下、特定有機溶剤の具体例を示す。なお、カッコ内の数値は、記載した順に、沸点(単位:℃)及びSP値(単位:MPa1/2)を示す。
エチレングリコール(197℃、29.9MPa1/2)、ジエチレングリコール(244℃、24.8MPa1/2)、プロピレングリコール(188℃、27.6MPa1/2)、1,4−ブタンジオール(230℃、30.7MPa1/2)、1,2−ペンタンジオール(206℃、28.6MPa1/2)、1,5−ペンタンジオール(206℃、29.0MPa1/2)、1,6−ヘキサンジオール(250℃、27.7MPa1/2)、グリセリン(290℃、33.8MPa1/2)、ホルムアミド(210℃、39.3MPa1/2)、ジメチルホルムアミド(153℃、30.6MPa1/2)、トリエタノールアミン(208℃(20hPa)、32.3MPa1/2)、ポリエチレングリコール(250℃、26.1MPa1/2)、1,2−へキサンジオール(223℃、24.1MPa1/2)、ジプロピレングリコール(230℃、27.1MPa1/2)、1,2−ブタンジオール(191℃(747mmHg、文献値)、26.1MPa1/2)。
これらの中でも、特定有機溶剤としては、インクの吐出性の観点から、プロピレングリコール、グリセリン、及びエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
エチレングリコール(197℃、29.9MPa1/2)、ジエチレングリコール(244℃、24.8MPa1/2)、プロピレングリコール(188℃、27.6MPa1/2)、1,4−ブタンジオール(230℃、30.7MPa1/2)、1,2−ペンタンジオール(206℃、28.6MPa1/2)、1,5−ペンタンジオール(206℃、29.0MPa1/2)、1,6−ヘキサンジオール(250℃、27.7MPa1/2)、グリセリン(290℃、33.8MPa1/2)、ホルムアミド(210℃、39.3MPa1/2)、ジメチルホルムアミド(153℃、30.6MPa1/2)、トリエタノールアミン(208℃(20hPa)、32.3MPa1/2)、ポリエチレングリコール(250℃、26.1MPa1/2)、1,2−へキサンジオール(223℃、24.1MPa1/2)、ジプロピレングリコール(230℃、27.1MPa1/2)、1,2−ブタンジオール(191℃(747mmHg、文献値)、26.1MPa1/2)。
これらの中でも、特定有機溶剤としては、インクの吐出性の観点から、プロピレングリコール、グリセリン、及びエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本開示のインクが有機溶剤を含む場合、インク中における有機溶剤の含有量は、特に制限されない。
本開示のインク中における有機溶剤(好ましくは特定有機溶剤)の含有量は、例えば、インクの全量に対して、5質量%以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上75質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上70質量%以下であることが更に好ましい。
本開示のインク中における有機溶剤(好ましくは特定有機溶剤)の含有量は、例えば、インクの全量に対して、5質量%以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上75質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上70質量%以下であることが更に好ましい。
〔界面活性剤〕
本開示のインクは、界面活性剤を少なくとも1種含むことができる。
本開示のインクが界面活性剤を含む場合、界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤が好ましい。本開示のインクは、フッ素系界面活性剤を含むことで、画像の鏡面光沢性がより向上する。
フッ素系界面活性剤によれば、インクの表面張力が低下し、基材に付与されたインク中における特定平板状金属ナノ粒子の配向性がより向上するため、画像の鏡面光沢性がより向上すると考えられる。
フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、公知のフッ素系界面活性剤の中から選択することができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、「界面活性剤便覧」(西一郎、今井怡知一郎、笠井正蔵編、産業図書株式会社、1960年発行)に記載されているフッ素系界面活性剤が挙げられる。
本開示のインクは、界面活性剤を少なくとも1種含むことができる。
本開示のインクが界面活性剤を含む場合、界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤が好ましい。本開示のインクは、フッ素系界面活性剤を含むことで、画像の鏡面光沢性がより向上する。
フッ素系界面活性剤によれば、インクの表面張力が低下し、基材に付与されたインク中における特定平板状金属ナノ粒子の配向性がより向上するため、画像の鏡面光沢性がより向上すると考えられる。
フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、公知のフッ素系界面活性剤の中から選択することができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、「界面活性剤便覧」(西一郎、今井怡知一郎、笠井正蔵編、産業図書株式会社、1960年発行)に記載されているフッ素系界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、分子中にパーフルオロ基を含み、かつ、屈折率が1.30〜1.42(好ましくは1.32〜1.40)であるフッ素系界面活性剤が好ましい。
屈折率が1.30〜1.42であるフッ素系界面活性剤によれば、画像の鏡面光沢性をより向上させることができる。
屈折率は、カルニュー精密屈折計(KPR−3000、(株)島津製作所)を用いて測定することができる。フッ素系界面活性剤が液体である場合には、フッ素系界面活性剤をセルに収容し、屈折率を測定する。フッ素系界面活性剤が固体である場合には、固体試料をカルニュー精密屈折計(KPR−3000、(株)島津製作所)付属のVブロックプリズムに設置するVブロック法にて、屈折率を測定する。
屈折率が1.30〜1.42であるフッ素系界面活性剤によれば、画像の鏡面光沢性をより向上させることができる。
屈折率は、カルニュー精密屈折計(KPR−3000、(株)島津製作所)を用いて測定することができる。フッ素系界面活性剤が液体である場合には、フッ素系界面活性剤をセルに収容し、屈折率を測定する。フッ素系界面活性剤が固体である場合には、固体試料をカルニュー精密屈折計(KPR−3000、(株)島津製作所)付属のVブロックプリズムに設置するVブロック法にて、屈折率を測定する。
フッ素系界面活性剤が分子中にパーフルオロ基を含むと、フッ素系界面活性剤の屈折率を上記範囲内に調整しやすく、また、比較的少量でインクの表面張力を調整することができる。
分子内にパーフルオロ基を含み、屈折率が1.30〜1.42であるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基及び親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基及び親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を含有するウレタン等のノニオン型などが挙げられる。また、特開昭62−170950号公報、特開昭62−226143号公報、及び特開昭60−168144号公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適な例として挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、市販品を用いることができる。
フッ素系界面活性剤の市販品の例としては、AGCセイミケミカル(株)のサーフロン(登録商標)シリーズ(S−243、S-242等)、DIC(株)のメガファック(登録商標)シリーズ(F-444、F−410等)、3M社のNOVEC(登録商標)シリーズ(例えば、27002)、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社のゾニールシリーズ(例えば、FSE)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品の例としては、AGCセイミケミカル(株)のサーフロン(登録商標)シリーズ(S−243、S-242等)、DIC(株)のメガファック(登録商標)シリーズ(F-444、F−410等)、3M社のNOVEC(登録商標)シリーズ(例えば、27002)、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社のゾニールシリーズ(例えば、FSE)などが挙げられる。
本開示のインクが界面活性剤を含む場合、インク中における界面活性剤の含有量は、特に制限されない。
本開示のインク中における界面活性剤の含有量は、例えば、インクの全量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以上3.0質量%以下であることが更に好ましく、0.05質量%以上1.0質量%以下であることが更に好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
また、画像が記録される基材がコート紙(アート紙を含む)である場合は、インクに含まれ得る界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上4.0質量%以下であることも好ましく、0.2質量%以上3.0質量%以下であることも好ましい。
本開示のインク中における界面活性剤の含有量が、上記範囲内であると、インクの吐出性がより良好な範囲となるように、インクの表面張力を調整しやすい。
本開示のインク中における界面活性剤の含有量は、例えば、インクの全量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以上3.0質量%以下であることが更に好ましく、0.05質量%以上1.0質量%以下であることが更に好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
また、画像が記録される基材がコート紙(アート紙を含む)である場合は、インクに含まれ得る界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上4.0質量%以下であることも好ましく、0.2質量%以上3.0質量%以下であることも好ましい。
本開示のインク中における界面活性剤の含有量が、上記範囲内であると、インクの吐出性がより良好な範囲となるように、インクの表面張力を調整しやすい。
〔その他の成分〕
本開示のインク組成物は、必要に応じて、既述した成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、防腐剤、消泡剤等が挙げられる。
防腐剤としては、特開2014−184688号公報の段落[0073]〜[0090]の記載を参照することができる。
消泡剤としては、特開2014−184688号公報の段落[0091]及び[0092]の記載を参照することができる。
本開示のインク組成物は、必要に応じて、既述した成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、防腐剤、消泡剤等が挙げられる。
防腐剤としては、特開2014−184688号公報の段落[0073]〜[0090]の記載を参照することができる。
消泡剤としては、特開2014−184688号公報の段落[0091]及び[0092]の記載を参照することができる。
また、その他の成分としては、フッ素系界面活性剤以外の界面活性剤、固体湿潤剤(尿素等)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、キレート剤等も挙げられる。
また、その他の成分としては、ポリマー粒子も挙げられる。
ポリマー粒子としては、特開2010−64480号公報の段落[0090]〜[0121]、特開2011−068085号公報の段落[0130]〜[0167]、及び特開2011−62998号公報の段落[0180]〜[0234]に記載されている自己分散性ポリマー粒子が挙げられる。
ポリマー粒子としては、特開2010−64480号公報の段落[0090]〜[0121]、特開2011−068085号公報の段落[0130]〜[0167]、及び特開2011−62998号公報の段落[0180]〜[0234]に記載されている自己分散性ポリマー粒子が挙げられる。
また、本開示のインクは、着色剤(顔料、染料等)を含んでいてもよい。
着色剤としては、画像の耐光性、画像の耐候性等の観点から、顔料が好ましい。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
顔料としては、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料が挙げられる。
有機顔料及び無機顔料としては、黄色顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。また、顔料としては、表面処理された顔料(樹脂、顔料誘導体の分散剤等で顔料表面を処理した顔料、粒子表面に親水性基を有する自己分散顔料など)も挙げられる。さらに、顔料としては、市販の顔料分散体を用いてもよい。
着色剤として顔料を用いる場合には、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよい。
顔料等の色材及び顔料分散剤については、特開2014−040529号公報の段落[0180]〜[0200]を適宜参照することができる。
着色剤としては、画像の耐光性、画像の耐候性等の観点から、顔料が好ましい。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
顔料としては、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料が挙げられる。
有機顔料及び無機顔料としては、黄色顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。また、顔料としては、表面処理された顔料(樹脂、顔料誘導体の分散剤等で顔料表面を処理した顔料、粒子表面に親水性基を有する自己分散顔料など)も挙げられる。さらに、顔料としては、市販の顔料分散体を用いてもよい。
着色剤として顔料を用いる場合には、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよい。
顔料等の色材及び顔料分散剤については、特開2014−040529号公報の段落[0180]〜[0200]を適宜参照することができる。
但し、色味が抑制された金属調の画像を記録する場合には、本開示のインク中における着色剤の含有量は、インクの全量に対して、1質量%以下が好ましく、1質量%未満がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましく、0質量%(即ち、本開示のインクが着色剤を含まないこと)が最も好ましい。
また、本開示のインクは、重合性化合物を少なくとも1種含む光硬化型のインクであってもよい。この場合、インクは、更に重合開始剤を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、例えば、2011−184628号公報の段落[0128]〜[0144]、特開2011−178896号公報の段落[0019]〜[0034]、又は特開2015−25076号公報の段落[0065]〜[0086]に記載されている重合性化合物(例えば、2官能以上の(メタ)アクリルアミド化合物)が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、特開2011−184628号公報の段落[0186]〜[0190]、特開2011−178896号公報の段落[0126]〜[0130]、又は特開2015−25076の段落[0041]〜[0064]に記載されている公知の重合開始剤が挙げられる。
重合性化合物としては、例えば、2011−184628号公報の段落[0128]〜[0144]、特開2011−178896号公報の段落[0019]〜[0034]、又は特開2015−25076号公報の段落[0065]〜[0086]に記載されている重合性化合物(例えば、2官能以上の(メタ)アクリルアミド化合物)が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、特開2011−184628号公報の段落[0186]〜[0190]、特開2011−178896号公報の段落[0126]〜[0130]、又は特開2015−25076の段落[0041]〜[0064]に記載されている公知の重合開始剤が挙げられる。
<インクの好ましい物性>
本開示のインクの物性としては、特に制限はないが、例えば、以下の物性を有していることが好ましい。
本開示のインクは、25℃(±1℃)におけるpHが、7.5以上であることが好ましい。
本開示のインクの25℃(±1℃)におけるpHは、7.5〜13であることがより好ましく、7.5〜10であることが更に好ましい。
本開示のインクの物性としては、特に制限はないが、例えば、以下の物性を有していることが好ましい。
本開示のインクは、25℃(±1℃)におけるpHが、7.5以上であることが好ましい。
本開示のインクの25℃(±1℃)におけるpHは、7.5〜13であることがより好ましく、7.5〜10であることが更に好ましい。
本開示のインクの粘度は、0.5mPa・s〜10mPa・sであることが好ましく、1mPa・s〜7mPa・sであることがより好ましい。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD)を用いて、30℃の条件下で測定される。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD)を用いて、30℃の条件下で測定される。
本開示のインクの25℃(±1℃)における表面張力は、60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m〜50mN/mであることがより好ましく、25mN/m〜45mN/mであることが更に好ましい。
インクの表面張力が60mN/m以下であると、基材におけるカールの発生が抑制される点で有利である。
表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株))を用いて、プレート法により測定される。
インクの表面張力が60mN/m以下であると、基材におけるカールの発生が抑制される点で有利である。
表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株))を用いて、プレート法により測定される。
<インクの用途>
本開示のインクによれば、鏡面光沢性を有する画像を記録できる。
本開示のインクは、鏡面光沢性の効果をより効果的に得る観点から、最小幅1mm以上の画像の記録に用いられることが好ましい。
本開示のインクによって記録される画像の最小幅は、2mm以上であることがより好ましく、3mm以上であることが更に好ましい。
本開示のインクによって記録される画像の最小幅の上限としては、特に制限はなく、例えば、300mm以下であり、200mm以下であることが好ましい。
本開示のインクによれば、鏡面光沢性を有する画像を記録できる。
本開示のインクは、鏡面光沢性の効果をより効果的に得る観点から、最小幅1mm以上の画像の記録に用いられることが好ましい。
本開示のインクによって記録される画像の最小幅は、2mm以上であることがより好ましく、3mm以上であることが更に好ましい。
本開示のインクによって記録される画像の最小幅の上限としては、特に制限はなく、例えば、300mm以下であり、200mm以下であることが好ましい。
本開示のインクは、インクジェット法による画像記録全般に特に制限なく用いられるものであるが、特に、インクジェット法による加飾画像の記録に用いられることが好ましい。
「加飾画像の記録」とは、対象物に対して装飾を加えることを目的とした画像記録全般を意味する。加飾画像の記録は、上記目的以外の記録(例えば、導電性ラインを形成するための記録)とは異なる。
本開示のインクを加飾画像の記録に用いた場合には、対象物に対して、鏡面光沢性を有する装飾を加えることができる。
「加飾画像の記録」とは、対象物に対して装飾を加えることを目的とした画像記録全般を意味する。加飾画像の記録は、上記目的以外の記録(例えば、導電性ラインを形成するための記録)とは異なる。
本開示のインクを加飾画像の記録に用いた場合には、対象物に対して、鏡面光沢性を有する装飾を加えることができる。
<インクの製造方法>
本開示のインクの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、既述の各成分を混合する方法を適宜適用することができる。
本開示のインクの製造方法の好ましい態様は、特定平板状金属ナノ粒子を含む分散液を準備する工程(所謂、準備工程)と、少なくとも上記分散液と上記有機溶剤とを混合する工程(所謂、混合工程)と、を有する態様である。
本開示のインクの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、既述の各成分を混合する方法を適宜適用することができる。
本開示のインクの製造方法の好ましい態様は、特定平板状金属ナノ粒子を含む分散液を準備する工程(所謂、準備工程)と、少なくとも上記分散液と上記有機溶剤とを混合する工程(所謂、混合工程)と、を有する態様である。
本開示のインクの製造方法の好ましい態様において、特定平板状金属ナノ粒子及び有機溶剤の各々の好ましい態様は、それぞれ既述のとおりである。
特定平板状金属ナノ粒子を含む分散液の分光特性の好ましい態様は、本開示のインクの分光特性の好ましい態様と同様である。
特定平板状金属ナノ粒子を含む分散液の分光特性の好ましい態様は、本開示のインクの分光特性の好ましい態様と同様である。
混合工程では、特定平板状金属ナノ粒子を含む分散液及び有機溶剤と、界面活性剤と、を混合してもよい。
また、混合工程では、特定平板状金属ナノ粒子を含む分散液及び有機溶剤(並びに、必要に応じて、界面活性剤)と、その他の成分と、を混合してもよい。
混合工程において混合し得る、界面活性剤及びその他の成分については、それぞれ、インクに含まれ得る界面活性剤及びその他の成分として既述したとおりである。
また、混合工程では、特定平板状金属ナノ粒子を含む分散液及び有機溶剤(並びに、必要に応じて、界面活性剤)と、その他の成分と、を混合してもよい。
混合工程において混合し得る、界面活性剤及びその他の成分については、それぞれ、インクに含まれ得る界面活性剤及びその他の成分として既述したとおりである。
[記録物]
本開示のインクは、下記の本実施形態の記録物の作製に好適に用いることができる。
本実施形態の記録物は、基材と、基材上に配置され、かつ、平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子(即ち、特定平板状金属ナノ粒子)、及びケイ素化合物を含む画像と、を備える。
本開示のインクは、下記の本実施形態の記録物の作製に好適に用いることができる。
本実施形態の記録物は、基材と、基材上に配置され、かつ、平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子(即ち、特定平板状金属ナノ粒子)、及びケイ素化合物を含む画像と、を備える。
本実施形態の記録物における基材は、本実施形態の画像記録方法における基材と同義であり、好ましい態様も同様である。
本実施形態の記録物における特定平板状金属ナノ粒子の好ましい態様は、本開示のインクにおける特定平板状金属ナノ粒子の好ましい態様と同様である。
本実施形態の記録物における画像の好ましい態様(例えば、画像の最小幅)は、「インクの用途」の項で説明した画像の好ましい態様と同様である。
本実施形態の記録物における特定平板状金属ナノ粒子の好ましい態様は、本開示のインクにおける特定平板状金属ナノ粒子の好ましい態様と同様である。
本実施形態の記録物における画像の好ましい態様(例えば、画像の最小幅)は、「インクの用途」の項で説明した画像の好ましい態様と同様である。
本実施形態の記録物における画像は、本開示のインクの成分として例示した成分(好ましくは、水及び有機溶剤以外の成分)を含むことができる。
本実施形態の記録物は、特定平板状金属ナノ粒子を含む画像上、及び、基材と特定平板状金属ナノ粒子を含む画像との間の少なくとも一方に、着色剤を含む画像(所謂、着色画像)を備えていてもよい。
特定平板状金属ナノ粒子を含む画像上に着色画像を備える場合には、特定平板状金属ナノ粒子を含む画像と着色画像との重なり部分において、鏡面光沢性を有する着色画像が記録される。
基材と特定平板状金属ナノ粒子を含む画像との間に着色画像を備える場合には、特定平板状金属ナノ粒子を含む画像と着色画像との重なり部分において、特定平板状金属ナノ粒子を含む画像(例えば、銀色の画像)によって、着色画像が隠蔽される。
特定平板状金属ナノ粒子を含む画像上に着色画像を備える場合には、特定平板状金属ナノ粒子を含む画像と着色画像との重なり部分において、鏡面光沢性を有する着色画像が記録される。
基材と特定平板状金属ナノ粒子を含む画像との間に着色画像を備える場合には、特定平板状金属ナノ粒子を含む画像と着色画像との重なり部分において、特定平板状金属ナノ粒子を含む画像(例えば、銀色の画像)によって、着色画像が隠蔽される。
特定平板状金属ナノ粒子を含む画像と着色画像とを備える態様の記録物は、本開示のインクと、着色剤を含む公知のインクと、を用いて形成できる。
[画像記録方法]
本開示のインクを用いた画像記録方法としては、特に制限はないが、下記の本実施形態の画像記録方法が好ましい。
本実施形態の画像記録方法は、既述の本開示のインクを、ケイ素を含むインク吐出ヘッド(以下、「インクジェットヘッド」ともいう。)を用いて、インクジェット法によって基材上に付与する工程(以下、「インク付与工程」ともいう。)を有する態様である。
本開示のインクを用いた画像記録方法としては、特に制限はないが、下記の本実施形態の画像記録方法が好ましい。
本実施形態の画像記録方法は、既述の本開示のインクを、ケイ素を含むインク吐出ヘッド(以下、「インクジェットヘッド」ともいう。)を用いて、インクジェット法によって基材上に付与する工程(以下、「インク付与工程」ともいう。)を有する態様である。
本実施形態の画像記録方法では、ケイ素を含むインク吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を用いる。
ケイ素を含むインクジェットヘッドを用いる画像記録方法によれば、本開示のインクの優れた吐出信頼性の効果を顕著に奏し得る。
本開示のインクに含まれる特定平板状金属ナノ粒子は、鋭利な形状を有するため、インクジェットヘッド部材と接触した際に、インクジェットヘッド部材を削り、磨耗させる場合がある。インクジェットヘッド部材が削られて磨耗すると、インクの吐出不良が生じやすくなり、インクの吐出信頼性の低下を招く。
本開示のインクでは、平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子(即ち、特定平板状金属ナノ粒子)とともに、ケイ素化合物及び水を含むことにより、特定平板状金属ナノ粒子によって生じたインクジェット部材の磨耗部位(ケイ素を含んで形成されている部位)が、インク中のケイ素化合物によって修復される。その結果、吐出不良の発生が抑制され、安定した吐出性が保持されるものと考えられる。
ケイ素を含むインクジェットヘッドを用いる画像記録方法によれば、本開示のインクの優れた吐出信頼性の効果を顕著に奏し得る。
本開示のインクに含まれる特定平板状金属ナノ粒子は、鋭利な形状を有するため、インクジェットヘッド部材と接触した際に、インクジェットヘッド部材を削り、磨耗させる場合がある。インクジェットヘッド部材が削られて磨耗すると、インクの吐出不良が生じやすくなり、インクの吐出信頼性の低下を招く。
本開示のインクでは、平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子(即ち、特定平板状金属ナノ粒子)とともに、ケイ素化合物及び水を含むことにより、特定平板状金属ナノ粒子によって生じたインクジェット部材の磨耗部位(ケイ素を含んで形成されている部位)が、インク中のケイ素化合物によって修復される。その結果、吐出不良の発生が抑制され、安定した吐出性が保持されるものと考えられる。
また、インクジェットヘッド部材がケイ素を含んで形成されている場合、ケイ素を含んで形成されている部位が、インクとの接触によって溶出し、侵食されることがある。インクジェットヘッド部材が侵食されると、吐出の際のインク滴のサイズ、吐出速度等が変化して吐出不良を起こす場合がある。このような現象は、本開示のインクがアルカリ性である場合において、特に生じやすい。
本開示のインクでは、ケイ素化合物及び水を含むことにより、インクジェットヘッド部材のケイ素を含んで形成されている部位の侵食が抑制されると考えられる。
本開示のインクでは、ケイ素化合物及び水を含むことにより、インクジェットヘッド部材のケイ素を含んで形成されている部位の侵食が抑制されると考えられる。
また、インクジェットヘッドには、ヘッドを保護するために、ノズル吐出面に撥液膜が設けられる場合がある。撥液膜の形成には、例えば、フッ化アルキルシラン化合物のようなケイ素を含む化合物が多用されている。
特定平板状金属ナノ粒子によって撥液膜が剥がれると、撥液性が低下する。撥液膜の撥液性が低下すると、インク吐出時に吐出曲がり(吐出方向性不良)が生じ、インクの吐出信頼性が損なわれる。本開示のインクでは、ケイ素化合物を含むことで、特定平板状金属ナノ粒子によって磨耗された撥液膜が修復されるため、撥液性の低下が抑制され、ひいては、インクの吐出信頼性が向上すると推定される。
特定平板状金属ナノ粒子によって撥液膜が剥がれると、撥液性が低下する。撥液膜の撥液性が低下すると、インク吐出時に吐出曲がり(吐出方向性不良)が生じ、インクの吐出信頼性が損なわれる。本開示のインクでは、ケイ素化合物を含むことで、特定平板状金属ナノ粒子によって磨耗された撥液膜が修復されるため、撥液性の低下が抑制され、ひいては、インクの吐出信頼性が向上すると推定される。
インクジェットヘッドは、複数の吐出孔が二次元に配列されたノズルプレートを備えていてもよい。複数の吐出孔の数としては、特に制限されず、例えば、画像記録の高速化を考慮し、適宜選択することができる。
ノズルプレートとしては、ケイ素(シリコン)を含むノズルプレート(シリコンノズルプレート)を用いることができ、例えば、少なくともノズル口内壁及びインク吐出方向側のプレート面にシリコンが露出した構造のシリコンノズルプレートが好ましい。また、ノズルプレートとしては、例えば、シリコン(ケイ素)基板上に、酸化シリコン(酸化ケイ素)の膜が設けられたものを用いることもできる。酸化シリコンの膜は、シリコン基板と撥液膜との間に配置される。
酸化シリコンは、シリコン基板の表面の全部又は一部が酸化されて形成されたSiO2膜であってもよい。
ノズルプレートとしては、ケイ素(シリコン)を含むノズルプレート(シリコンノズルプレート)を用いることができ、例えば、少なくともノズル口内壁及びインク吐出方向側のプレート面にシリコンが露出した構造のシリコンノズルプレートが好ましい。また、ノズルプレートとしては、例えば、シリコン(ケイ素)基板上に、酸化シリコン(酸化ケイ素)の膜が設けられたものを用いることもできる。酸化シリコンの膜は、シリコン基板と撥液膜との間に配置される。
酸化シリコンは、シリコン基板の表面の全部又は一部が酸化されて形成されたSiO2膜であってもよい。
インクジェット法の方式としては、特に制限はなく、公知の方式の中から、適宜選択することができる。
インクジェット法の方式の例としては、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等が挙げられる。
インクジェット法の方式の例としては、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等が挙げられる。
インクジェットヘッドの方式は、オンデマンド方式であってもよいし、コンティニュアス方式であってもよい。
インクジェットヘッドからのインクの吐出方式としては、特に制限はない。
インクの吐出方式の例としては、電気−機械変換方式(シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等);電気−熱変換方式(サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等);静電吸引方式(電界制御型、スリットジェット型等);放電方式(スパークジェット型等)などが挙げられる。
インクジェットヘッドからのインクの吐出方式としては、特に制限はない。
インクの吐出方式の例としては、電気−機械変換方式(シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等);電気−熱変換方式(サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等);静電吸引方式(電界制御型、スリットジェット型等);放電方式(スパークジェット型等)などが挙げられる。
インクジェット法における記録方式としては、単尺のシリアルヘッドを用いてヘッドを基材の幅方向に走査させながら記録を行うシャトル方式;基材の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式(シングルパス方式)等が挙げられる。
吐出ヘッドのノズル径は、特に制限されず、例えば、より精細な画像を記録することができる点で、25μm未満であることが好ましく、5μm以上25μm未満がより好ましく、10μm以上25μm未満が更に好ましく、15μm以上25μm未満が特に好ましい。
以下、図面に従って、本開示の画像記録方法に好適に用いられる、ノズルプレートを備えたインクジェットヘッドについて説明する。なお、以下に示す各図(図1及び図2)は、模式的に示した図であり、各部の大きさ及び形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
図1は、ノズルプレートを備えたインクジェットヘッドの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、インクジェットヘッド100は、吐出孔(ノズル)を有するノズルプレート11と、ノズルプレート11の吐出方向と反対側に設けられたインク供給ユニット20とを備えている。ノズルプレート11は、シリコンを含むノズルプレート(シリコンノズルプレート)である。ノズルプレート11には、インクを吐出する複数の吐出孔12が設けられている。ノズルプレート11の吐出面側には、フッ化アルキルシラン化合物を含む撥液膜13が設けられている。
図2は、ノズルプレート11の吐出面(撥液膜13形成面)を概念的に示す斜視図である。図2に示すように、ノズルプレート11は、複数の吐出孔(ノズル)が2次元配列されて設けられている。
インク供給ユニット20は、ノズルプレート11の複数の吐出孔12のそれぞれとノズル連通路22を介して連通する複数の圧力室21と、複数の圧力室21のそれぞれにインクを供給する複数のインク供給流路23と、複数のインク供給流路23にインクを供給する共通液室25と、複数の圧力室21のそれぞれを変形する圧力発生手段30とを備えている。
インク供給流路23は、ノズルプレート11と圧力発生手段30との間に形成されており、共通液室25に供給されたインクが送液されるようになっている。このインク供給流路23には、圧力室21との間を繋ぐ供給調整路24の一端が接続されており、インク供給流路23から供給されるインク量を所要量に絞って圧力室21に送液することができる。供給調整路24は、インク供給流路23に複数設けられ、このインク供給流路23を介して圧力発生手段30に隣接して設けられた圧力室21にインクが供給される。
このように、複数の吐出孔にインクを多量に供給することが可能である。
このように、複数の吐出孔にインクを多量に供給することが可能である。
圧力発生手段30は、圧力室21側から、振動板31、接着層32、下部電極33、圧電体層34、及び上部電極35を順に積み重ねて構成されており、外部から駆動信号を供給する電気配線が接続されている。画像信号に応じて圧電素子が変形することで、インクがノズル連通路22を介してノズル12から吐出される。
また、吐出孔12の近傍には、循環絞り41が設けられており、常時インクが循環路42へ回収されるようになっている。これにより、非吐出時の吐出孔近傍のインクの増粘を防止することができる。
基材としては、紙基材、樹脂基材等を特に制限無く使用できる。
紙基材としては、普通紙、光沢紙、コート紙等が挙げられる。
光沢紙は、原紙と、原紙上に配置された高分子又は多孔性微粒子と、を備える紙基材である。
光沢紙の市販品としては、特に制限はない。光沢紙の市販品の例としては、富士フイルム(株)の「画彩(登録商標)」、セイコーエプソン(株)の写真用紙、フォト光沢紙等、コニカミノルタ(株)の光沢紙などが挙げられる。
コート紙は、原紙と、原紙上に配置されたコート層と、を備える紙基材である。
コート紙の市販品としては、特に制限はない。コート紙の市販品の例としては、王子製紙(株)の「OKトップコート(登録商標)+」、日本製紙(株)の「オーロラコート」等が挙げられる。
紙基材としては、鏡面光沢性により優れた画像を記録できる点で、光沢紙又はコート紙が好ましく、光沢紙がより好ましい。
紙基材としては、普通紙、光沢紙、コート紙等が挙げられる。
光沢紙は、原紙と、原紙上に配置された高分子又は多孔性微粒子と、を備える紙基材である。
光沢紙の市販品としては、特に制限はない。光沢紙の市販品の例としては、富士フイルム(株)の「画彩(登録商標)」、セイコーエプソン(株)の写真用紙、フォト光沢紙等、コニカミノルタ(株)の光沢紙などが挙げられる。
コート紙は、原紙と、原紙上に配置されたコート層と、を備える紙基材である。
コート紙の市販品としては、特に制限はない。コート紙の市販品の例としては、王子製紙(株)の「OKトップコート(登録商標)+」、日本製紙(株)の「オーロラコート」等が挙げられる。
紙基材としては、鏡面光沢性により優れた画像を記録できる点で、光沢紙又はコート紙が好ましく、光沢紙がより好ましい。
樹脂基材としては、樹脂フィルムが挙げられる。
樹脂基材(例えば、樹脂フィルム)の樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂基材としては、鏡面光沢性により優れた画像を記録できる点で、PVC又はPETが好ましく、PETがより好ましい。
樹脂基材(例えば、樹脂フィルム)の樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂基材としては、鏡面光沢性により優れた画像を記録できる点で、PVC又はPETが好ましく、PETがより好ましい。
また、本実施形態の画像記録方法における基材は、既に画像が記録されている基材であってもよい。すなわち、本実施形態の画像記録方法は、既に画像が記録されている基材の画像(所謂、記録画像)上に、本開示のインクを用いて画像を記録する方法であってもよい。
基材に記録されている画像上に、本開示のインクを用いて画像を記録することで、基材に記録されている画像に対して、鏡面光沢性を有する装飾を加えることができる。また、基材に記録されている画像を、本開示のインクにより記録される画像(例えば、銀色の画像)によって隠蔽することもできる。
基材に記録されている画像上に、本開示のインクを用いて画像を記録することで、基材に記録されている画像に対して、鏡面光沢性を有する装飾を加えることができる。また、基材に記録されている画像を、本開示のインクにより記録される画像(例えば、銀色の画像)によって隠蔽することもできる。
本実施形態の画像記録方法は、基材に付与されたインクを乾燥させる工程を有していてもよい。
乾燥は、室温における自然乾燥であってもよいし、加熱乾燥であってもよい。
基材として樹脂基材を用いる場合には、加熱乾燥が好ましい。
乾燥は、室温における自然乾燥であってもよいし、加熱乾燥であってもよい。
基材として樹脂基材を用いる場合には、加熱乾燥が好ましい。
加熱乾燥の手段としては、特に制限されず、ヒートドラム、温風、赤外線ランプ、熱オーブン等が挙げられる。
加熱乾燥の温度は、50℃以上が好ましく、60℃〜150℃程度がより好ましく、70℃〜100℃程度が更に好ましい。
加熱乾燥の時間は、インクの組成及びインクの吐出量を加味して適宜設定することができ、1分〜180分が好ましく、5分〜120分がより好ましく、5分〜60分が更に好ましい。
加熱乾燥の温度は、50℃以上が好ましく、60℃〜150℃程度がより好ましく、70℃〜100℃程度が更に好ましい。
加熱乾燥の時間は、インクの組成及びインクの吐出量を加味して適宜設定することができ、1分〜180分が好ましく、5分〜120分がより好ましく、5分〜60分が更に好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<金属ナノ粒子分散液Aの調製>
金属ナノ粒子分散液Aとして、銀ナノ粒子分散液を調製した。以下、詳細を説明する。
金属ナノ粒子分散液Aとして、銀ナノ粒子分散液を調製した。以下、詳細を説明する。
−金属ナノ粒子形成液Aの調製−
高Cr−Ni−Moステンレス鋼(NTKR−4、日本金属工業(株))製の反応容器を準備した。この反応容器は、ステンレス鋼(SUS316L)製のシャフトにNTKR−4製のプロペラ4枚及びNTKR−4製のパドル4枚を取り付けたアジターを備えている。
上記反応容器内で、イオン交換水13L(リットル)を上記アジターによって撹拌しながら、ここに10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液1.0Lを添加した。得られた液体を35℃に保温した。
35℃に保温された上記液体に対して、8.0g/Lのポリスチレンスルホン酸水溶液0.68Lを添加し、更に、水素化ホウ素ナトリウムの濃度を23g/Lに調節した水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.041Lを添加した。水素化ホウ素ナトリウム水溶液の濃度の調節は、0.04N(mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用いて行った。
水素化ホウ素ナトリウム水溶液が添加された液体に対して、更に、0.10g/Lの硝酸銀水溶液13Lを5.0L/minの速度で添加した。
得られた液体に対して、更に、10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液1.5L及びイオン交換水11Lを添加し、更に80g/Lのヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液0.68Lを添加した。
次に、撹拌の速度を800rpm(round per minute;以下同じ)に上げ、次いで、0.10g/Lの硝酸銀水溶液8.1Lを0.95L/minの速度で添加した後、得られた液体の温度を30℃に降温した。
30℃に降温した液体に対して、44g/Lのメチルヒドロキノン水溶液8.0Lを添加し、次いで、後述する40℃のゼラチン水溶液を全量添加した。
次いで、撹拌の速度を1200rpmに上げ、後述する亜硫酸銀白色沈殿物混合液を全量添加した。亜硫酸銀白色沈殿物混合液が添加された液体のpHは、除々に変化した。
上記液体のpHの変化が止まった段階で、この液体に対して、1N(mol/L)のNaOH水溶液5.0Lを0.33L/minの速度で添加した。得られた液体を、NaOH及びクエン酸(無水物)を用いてpH=7.0±1.0に調整した。次に、このpH調整後の液体に対して、2.0g/Lの1−(m−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム水溶液0.18Lを添加し、次いで、アルカリ性に調整して溶解させた70g/Lの1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン水溶液0.078Lを添加した。
以上により、金属ナノ粒子形成液Aを得た。
高Cr−Ni−Moステンレス鋼(NTKR−4、日本金属工業(株))製の反応容器を準備した。この反応容器は、ステンレス鋼(SUS316L)製のシャフトにNTKR−4製のプロペラ4枚及びNTKR−4製のパドル4枚を取り付けたアジターを備えている。
上記反応容器内で、イオン交換水13L(リットル)を上記アジターによって撹拌しながら、ここに10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液1.0Lを添加した。得られた液体を35℃に保温した。
35℃に保温された上記液体に対して、8.0g/Lのポリスチレンスルホン酸水溶液0.68Lを添加し、更に、水素化ホウ素ナトリウムの濃度を23g/Lに調節した水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.041Lを添加した。水素化ホウ素ナトリウム水溶液の濃度の調節は、0.04N(mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用いて行った。
水素化ホウ素ナトリウム水溶液が添加された液体に対して、更に、0.10g/Lの硝酸銀水溶液13Lを5.0L/minの速度で添加した。
得られた液体に対して、更に、10g/Lのクエン酸三ナトリウム(無水物)水溶液1.5L及びイオン交換水11Lを添加し、更に80g/Lのヒドロキノンスルホン酸カリウム水溶液0.68Lを添加した。
次に、撹拌の速度を800rpm(round per minute;以下同じ)に上げ、次いで、0.10g/Lの硝酸銀水溶液8.1Lを0.95L/minの速度で添加した後、得られた液体の温度を30℃に降温した。
30℃に降温した液体に対して、44g/Lのメチルヒドロキノン水溶液8.0Lを添加し、次いで、後述する40℃のゼラチン水溶液を全量添加した。
次いで、撹拌の速度を1200rpmに上げ、後述する亜硫酸銀白色沈殿物混合液を全量添加した。亜硫酸銀白色沈殿物混合液が添加された液体のpHは、除々に変化した。
上記液体のpHの変化が止まった段階で、この液体に対して、1N(mol/L)のNaOH水溶液5.0Lを0.33L/minの速度で添加した。得られた液体を、NaOH及びクエン酸(無水物)を用いてpH=7.0±1.0に調整した。次に、このpH調整後の液体に対して、2.0g/Lの1−(m−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム水溶液0.18Lを添加し、次いで、アルカリ性に調整して溶解させた70g/Lの1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン水溶液0.078Lを添加した。
以上により、金属ナノ粒子形成液Aを得た。
−ゼラチン水溶液の調製−
SUS316L製のアジターを備えるSUS316L製の溶解タンクを準備した。
この溶解タンク内にイオン交換水16.7Lを入れ、上記アジターで低速撹拌しながら、ここに、脱イオン処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(重量平均分子量:20万、GPCによる測定値)1.4kgを添加した。
得られた液体に、更に、脱イオン処理、蛋白質分解酵素処理、及び過酸化水素による酸化処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(重量平均分子量:2.1万、GPCによる測定値)0.91kgを添加した。
その後、液体の温度を40℃に昇温し、ゼラチンの膨潤及び溶解を同時に行うことにより、ゼラチンを完全に溶解させた。
以上により、ゼラチン水溶液を得た。
SUS316L製のアジターを備えるSUS316L製の溶解タンクを準備した。
この溶解タンク内にイオン交換水16.7Lを入れ、上記アジターで低速撹拌しながら、ここに、脱イオン処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(重量平均分子量:20万、GPCによる測定値)1.4kgを添加した。
得られた液体に、更に、脱イオン処理、蛋白質分解酵素処理、及び過酸化水素による酸化処理を施したアルカリ処理牛骨ゼラチン(重量平均分子量:2.1万、GPCによる測定値)0.91kgを添加した。
その後、液体の温度を40℃に昇温し、ゼラチンの膨潤及び溶解を同時に行うことにより、ゼラチンを完全に溶解させた。
以上により、ゼラチン水溶液を得た。
−亜硫酸銀白色沈殿物混合液の調製−
SUS316L製のアジターを備えるSUS316L製の溶解タンクを準備した。
この溶解タンク内にイオン交換水8.2Lを入れ、ここに100g/Lの硝酸銀水溶液8.2Lを添加した。
得られた液体を上記アジターで高速撹拌しながら、ここに140g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液2.7Lを短時間で添加することにより、亜硫酸銀の白色沈澱物を含む混合液(即ち、亜硫酸銀白色沈殿物混合液)を得た。
この亜硫酸銀白色沈殿物混合液は、使用する直前に調製した。
SUS316L製のアジターを備えるSUS316L製の溶解タンクを準備した。
この溶解タンク内にイオン交換水8.2Lを入れ、ここに100g/Lの硝酸銀水溶液8.2Lを添加した。
得られた液体を上記アジターで高速撹拌しながら、ここに140g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液2.7Lを短時間で添加することにより、亜硫酸銀の白色沈澱物を含む混合液(即ち、亜硫酸銀白色沈殿物混合液)を得た。
この亜硫酸銀白色沈殿物混合液は、使用する直前に調製した。
−金属ナノ粒子形成液Aの物理特性−
金属ナノ粒子形成液Aの物理特性は、25℃においてpH=9.4(アズワン(株)のKR5Eを用いて測定した値)、電気伝導度8.1mS/cm(東亜ディーケーケー(株)のCM−25Rを用いて測定した値)、及び粘度2.1mPa・s((株)エー・アンド・デイのSV−10を用いて測定した値)であった。
得られた金属ナノ粒子形成液Aは、ユニオンコンテナーII型の20Lの容器(低密度ポリエチレン製容器、アズワン(株))に収納し、30℃で貯蔵した。
金属ナノ粒子形成液Aの物理特性は、25℃においてpH=9.4(アズワン(株)のKR5Eを用いて測定した値)、電気伝導度8.1mS/cm(東亜ディーケーケー(株)のCM−25Rを用いて測定した値)、及び粘度2.1mPa・s((株)エー・アンド・デイのSV−10を用いて測定した値)であった。
得られた金属ナノ粒子形成液Aは、ユニオンコンテナーII型の20Lの容器(低密度ポリエチレン製容器、アズワン(株))に収納し、30℃で貯蔵した。
−金属ナノ粒子分散液Aの調製(脱塩処理及び再分散処理)−
上記金属ナノ粒子形成液Aに対して、脱塩処理及び再分散処理を施すことにより金属ナノ粒子分散液Aを得た。詳細な操作は、以下のとおりである。
上記金属ナノ粒子形成液Aに対して、脱塩処理及び再分散処理を施すことにより金属ナノ粒子分散液Aを得た。詳細な操作は、以下のとおりである。
上記金属ナノ粒子形成液Aを遠沈管に800g採取して、1N(0.5mol/L)の硫酸を用いて25℃でpH=9.2±0.2に調整した。
上記pH調整後の金属ナノ粒子形成液Aに対して、遠心分離機(himacCR22GIII、アングルロータとしてR9A使用、日立工機(株))を用いて、35℃、9000rpm、60分間の条件の遠心分離操作を行った後、上澄み液を784g捨てた。残った固体(即ち、金属ナノ粒子及びゼラチンを含む固体)に、0.2mmol/LのNaOH水溶液を加えて合計400gとし、撹拌棒を用いて手撹拌することにより、粗分散液Xを得た。
上記操作により、粗分散液Xを24本分調製し、これらの粗分散液Xを全て(即ち、合計で9600g)SUS316L製のタンクに添加して混合した。次いで、ここに更に、Pluronic31R1(ノニオン系界面活性剤、BASF社)の10g/L溶液(溶媒は、メタノール:イオン交換水=1:1(体積比)の混合液)を10mL添加した。
次に、プライミクス(株)のオートミクサー20型(撹拌部は、ホモミクサーMARKII)を用いて、タンク中の粗分散液Xの混合物に対して、9000rpmで120分間のバッチ式分散処理を施した。分散中の液温は50℃に保った。
上記pH調整後の金属ナノ粒子形成液Aに対して、遠心分離機(himacCR22GIII、アングルロータとしてR9A使用、日立工機(株))を用いて、35℃、9000rpm、60分間の条件の遠心分離操作を行った後、上澄み液を784g捨てた。残った固体(即ち、金属ナノ粒子及びゼラチンを含む固体)に、0.2mmol/LのNaOH水溶液を加えて合計400gとし、撹拌棒を用いて手撹拌することにより、粗分散液Xを得た。
上記操作により、粗分散液Xを24本分調製し、これらの粗分散液Xを全て(即ち、合計で9600g)SUS316L製のタンクに添加して混合した。次いで、ここに更に、Pluronic31R1(ノニオン系界面活性剤、BASF社)の10g/L溶液(溶媒は、メタノール:イオン交換水=1:1(体積比)の混合液)を10mL添加した。
次に、プライミクス(株)のオートミクサー20型(撹拌部は、ホモミクサーMARKII)を用いて、タンク中の粗分散液Xの混合物に対して、9000rpmで120分間のバッチ式分散処理を施した。分散中の液温は50℃に保った。
上記分散後、25℃に降温してから、プロファイルIIフィルター(製品型式:MCY1001Y030H13、日本ポール(株))を用いて、シングルパスの濾過を行った。
上記にて濾過した液(即ち、濾液)を遠沈管に800g採取し、採取した濾液に対して、上記遠心分離機を用い、35℃、9000rpm、60分間の条件の遠心分離操作を行った後、上澄み液を784g捨てた。残った固体(即ち、金属ナノ粒子及びゼラチンを含む固体)に、0.2mmol/LのNaOH水溶液を加えて合計40gとし、撹拌棒を用いて手撹拌することにより、粗分散液Yを得た。
上記操作により、粗分散液Yを120本分調製し、得られた粗分散液Yを全て(即ち、合計で4800g)SUS316L製のタンクに添加して混合した。次いで、ここに更に、Pluronic31R1(ノニオン系界面活性剤、BASF社)の10g/L溶液(溶媒は、メタノール:イオン交換水=1:1(体積比)の混合液)を5mL添加した。
次に、プライミクス(株)のオートミクサー20型(撹拌部は、ホモミクサーMARKII)を用いて、タンク中の粗分散液Yの混合物に対して、9000rpmで120分間のバッチ式分散処理を施した。分散中の液温は50℃に保った。
上記にて濾過した液(即ち、濾液)を遠沈管に800g採取し、採取した濾液に対して、上記遠心分離機を用い、35℃、9000rpm、60分間の条件の遠心分離操作を行った後、上澄み液を784g捨てた。残った固体(即ち、金属ナノ粒子及びゼラチンを含む固体)に、0.2mmol/LのNaOH水溶液を加えて合計40gとし、撹拌棒を用いて手撹拌することにより、粗分散液Yを得た。
上記操作により、粗分散液Yを120本分調製し、得られた粗分散液Yを全て(即ち、合計で4800g)SUS316L製のタンクに添加して混合した。次いで、ここに更に、Pluronic31R1(ノニオン系界面活性剤、BASF社)の10g/L溶液(溶媒は、メタノール:イオン交換水=1:1(体積比)の混合液)を5mL添加した。
次に、プライミクス(株)のオートミクサー20型(撹拌部は、ホモミクサーMARKII)を用いて、タンク中の粗分散液Yの混合物に対して、9000rpmで120分間のバッチ式分散処理を施した。分散中の液温は50℃に保った。
以上の操作により、金属ナノ粒子形成液Aに対して、脱塩処理及び再分散処理を施すことにより、金属ナノ粒子分散液Aを得た。
−金属ナノ粒子分散液Aの物理特性及び金属ナノ粒子の含有量−
金属ナノ粒子分散液Aの物理特性は、25℃においてpH=7.0(アズワン(株)のKR5Eを用いて測定した値)、電気伝導度0.08mS/cm(東亜ディーケーケー(株)のCM−25Rを用いて測定した値)、及び粘度7.4mPa・s((株)エー・アンド・デイのSV−10を用いて測定した値)であった。
また、金属ナノ粒子分散液A中における金属ナノ粒子の含有量は、金属ナノ粒子分散液Aの全量に対して、10質量%であり、ゼラチンの含有量は、金属ナノ粒子分散液Aの全量に対して、1質量%であった。
得られた金属ナノ粒子分散液Aは、ユニオンコンテナーII型の20Lの容器に収納し、30℃で貯蔵した。
金属ナノ粒子分散液Aの物理特性は、25℃においてpH=7.0(アズワン(株)のKR5Eを用いて測定した値)、電気伝導度0.08mS/cm(東亜ディーケーケー(株)のCM−25Rを用いて測定した値)、及び粘度7.4mPa・s((株)エー・アンド・デイのSV−10を用いて測定した値)であった。
また、金属ナノ粒子分散液A中における金属ナノ粒子の含有量は、金属ナノ粒子分散液Aの全量に対して、10質量%であり、ゼラチンの含有量は、金属ナノ粒子分散液Aの全量に対して、1質量%であった。
得られた金属ナノ粒子分散液Aは、ユニオンコンテナーII型の20Lの容器に収納し、30℃で貯蔵した。
−金属ナノ粒子の形状−
上記金属ナノ粒子分散液Aを希釈した後、光顕用(光学顕微鏡用)グリッドメッシュ上に滴下し、乾燥させることにより、観察用サンプルを作製した。作製した観察用サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察することにより、金属ナノ粒子分散液Aに含有される金属ナノ粒子の形状を確認したところ、表1に示すように、平板状であった。
上記金属ナノ粒子分散液Aを希釈した後、光顕用(光学顕微鏡用)グリッドメッシュ上に滴下し、乾燥させることにより、観察用サンプルを作製した。作製した観察用サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察することにより、金属ナノ粒子分散液Aに含有される金属ナノ粒子の形状を確認したところ、表1に示すように、平板状であった。
−金属ナノ粒子の平均円相当径−
透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察して得られた上記観察用サンプルのTEM像を、画像処理ソフトImageJ(アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)提供)に取り込み、画像処理を施した。
より詳細には、数視野のTEM像から任意に抽出した500個の金属ナノ粒子に関して画像解析を行い、同面積円相当直径を算出した。得られた500個の金属ナノ粒子の同面積円相当直径を単純平均(数平均)することにより、金属ナノ粒子の平均円相当径を求めた。
結果を表1に示す。
透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察して得られた上記観察用サンプルのTEM像を、画像処理ソフトImageJ(アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)提供)に取り込み、画像処理を施した。
より詳細には、数視野のTEM像から任意に抽出した500個の金属ナノ粒子に関して画像解析を行い、同面積円相当直径を算出した。得られた500個の金属ナノ粒子の同面積円相当直径を単純平均(数平均)することにより、金属ナノ粒子の平均円相当径を求めた。
結果を表1に示す。
−金属ナノ粒子の平均厚さ−
上記金属ナノ粒子分散液Aをシリコン基板上に滴下して乾燥させて観察用サンプルとした。
この観察用サンプルを用い、上記金属ナノ粒子分散液Aに含まれる金属ナノ粒子500個の厚さを、FIB−TEM(Focused Ion Beam−Transmission electron microscopy)法によってそれぞれ測定した。
500個の金属ナノ粒子の厚さを単純平均(数平均)することにより、金属ナノ粒子の平均厚さを求めた。
結果を表1に示す。
上記金属ナノ粒子分散液Aをシリコン基板上に滴下して乾燥させて観察用サンプルとした。
この観察用サンプルを用い、上記金属ナノ粒子分散液Aに含まれる金属ナノ粒子500個の厚さを、FIB−TEM(Focused Ion Beam−Transmission electron microscopy)法によってそれぞれ測定した。
500個の金属ナノ粒子の厚さを単純平均(数平均)することにより、金属ナノ粒子の平均厚さを求めた。
結果を表1に示す。
−金属ナノ粒子の平均アスペクト比−
上記金属ナノ粒子の平均円相当径を金属ナノ粒子の平均厚さで割ることにより、金属ナノ粒子の平均アスペクト比を求めた。
結果を表1に示す。
上記金属ナノ粒子の平均円相当径を金属ナノ粒子の平均厚さで割ることにより、金属ナノ粒子の平均アスペクト比を求めた。
結果を表1に示す。
<金属ナノ粒子分散液B〜Fの調製>
上述の「−金属ナノ粒子形成液の調製−」において、「0.10g/Lの硝酸銀水溶液13L」の添加量、及び、「1N(mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液5.0L」の添加のタイミングを変えたこと以外は、金属ナノ粒子分散液Aの調製と同様にして、金属ナノ粒子分散液B〜Fをそれぞれ調製した。
金属ナノ粒子分散液B〜Fのそれぞれに対して、金属ナノ粒子分散液Aと同様の測定及び確認を行った。
結果を表1に示す。
上述の「−金属ナノ粒子形成液の調製−」において、「0.10g/Lの硝酸銀水溶液13L」の添加量、及び、「1N(mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液5.0L」の添加のタイミングを変えたこと以外は、金属ナノ粒子分散液Aの調製と同様にして、金属ナノ粒子分散液B〜Fをそれぞれ調製した。
金属ナノ粒子分散液B〜Fのそれぞれに対して、金属ナノ粒子分散液Aと同様の測定及び確認を行った。
結果を表1に示す。
<金属ナノ粒子分散液Gの調製>
金属ナノ粒子分散液Gとして、金ナノ粒子分散液を調製した。
詳細には、まず、Pelaz et al.“Tailoring the synthesis and heating ability of gold nanoprisms for bioapplications”, Langmuir 2012, 28, 8965-8970により記載された方法で金属ナノ粒子形成液Gを調製し、次いで、金属ナノ粒子形成液Gに対して、金属ナノ粒子分散液Aの調製において行った脱塩処理及び再分散処理と同様にして、脱塩処理及び再分散処理を行うことにより、金属ナノ粒子分散液Gを得た。
金属ナノ粒子分散液Gに対して、金属ナノ粒子分散液Aと同様の測定及び確認を行った。
結果を表1に示す。
金属ナノ粒子分散液Gとして、金ナノ粒子分散液を調製した。
詳細には、まず、Pelaz et al.“Tailoring the synthesis and heating ability of gold nanoprisms for bioapplications”, Langmuir 2012, 28, 8965-8970により記載された方法で金属ナノ粒子形成液Gを調製し、次いで、金属ナノ粒子形成液Gに対して、金属ナノ粒子分散液Aの調製において行った脱塩処理及び再分散処理と同様にして、脱塩処理及び再分散処理を行うことにより、金属ナノ粒子分散液Gを得た。
金属ナノ粒子分散液Gに対して、金属ナノ粒子分散液Aと同様の測定及び確認を行った。
結果を表1に示す。
金属ナノ粒子分散液B〜Dの調製では、詳細には、「1N(mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液5.0L」の添加のタイミングを早めること(例えば、亜硫酸銀白色沈殿物混合液が添加された液体のpHの変化が止まる前に、「1N(mol/L)の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液5.0L」を添加すること)により、厚みを厚くし、平均アスペクト比を低下させた。
また、金属ナノ粒子分散液E又はFの調製では、詳細には、「0.10g/Lの硝酸銀水溶液13L」の添加量を減らすことにより、形成される金属ナノ粒子の平均円相当径を上昇させ、平均アスペクト比を上昇させた。
また、金属ナノ粒子分散液E又はFの調製では、詳細には、「0.10g/Lの硝酸銀水溶液13L」の添加量を減らすことにより、形成される金属ナノ粒子の平均円相当径を上昇させ、平均アスペクト比を上昇させた。
<金属ナノ粒子分散液Hの調製>
金属ナノ粒子分散液Hとして銀ナノコロイドH−1液(三菱マテリアル(株))を用いた。銀ナノコロイドH−1液に含まれる銀ナノ粒子は、平均粒径が20nmの球状の粒子であった。
金属ナノ粒子分散液Hとして銀ナノコロイドH−1液(三菱マテリアル(株))を用いた。銀ナノコロイドH−1液に含まれる銀ナノ粒子は、平均粒径が20nmの球状の粒子であった。
なお、表1では、「金属ナノ粒子分散液」を「分散液」と表記した。
また、表1における「PEG」は、「ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)」の略称である。
表1中の「−」は、該当するものがないことを示す。
また、表1における「PEG」は、「ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)」の略称である。
表1中の「−」は、該当するものがないことを示す。
〔実施例1〕
<インクの調製>
上記金属ナノ粒子分散液A、有機溶剤(プロピレングリコール)、サーフロン(登録商標)S−243(AGCセイミケミカル(株)のフッ素系界面活性剤)、及びイオン交換水を用い、下記組成のインクを調製した。
<インクの調製>
上記金属ナノ粒子分散液A、有機溶剤(プロピレングリコール)、サーフロン(登録商標)S−243(AGCセイミケミカル(株)のフッ素系界面活性剤)、及びイオン交換水を用い、下記組成のインクを調製した。
−インクの組成−
・金属ナノ粒子 5質量%
・ゼラチン 0.5質量%
(重量平均分子量20万のアルカリ処理牛骨ゼラチンと重量平均分子量2.1万のアルカリ処理牛骨ゼラチンとの混合物)
・プロピレングリコール 30質量%
(PG;沸点188℃、SP値27.6(MPa)1/2の有機溶剤)
・スノーテックス(登録商標)XS 0.1質量%
(コロイダルシリカ、シリカ粒子の平均粒子径(体積平均粒子径):5nm、シリカ粒子の形状:球、日産化学工業(株))
・サーフロン(登録商標)S−243 0.14質量%
(パーフルオロ基を有するフッ素系界面活性剤、屈折率=1.35、AGCセイミケミカル(株))
・イオン交換水 合計で100質量%となる残量
・金属ナノ粒子 5質量%
・ゼラチン 0.5質量%
(重量平均分子量20万のアルカリ処理牛骨ゼラチンと重量平均分子量2.1万のアルカリ処理牛骨ゼラチンとの混合物)
・プロピレングリコール 30質量%
(PG;沸点188℃、SP値27.6(MPa)1/2の有機溶剤)
・スノーテックス(登録商標)XS 0.1質量%
(コロイダルシリカ、シリカ粒子の平均粒子径(体積平均粒子径):5nm、シリカ粒子の形状:球、日産化学工業(株))
・サーフロン(登録商標)S−243 0.14質量%
(パーフルオロ基を有するフッ素系界面活性剤、屈折率=1.35、AGCセイミケミカル(株))
・イオン交換水 合計で100質量%となる残量
<インクに含まれる金属ナノ粒子の形状及びサイズ>
インクに含まれる金属ナノ粒子の形状及びサイズ(詳細には、形状、平均円相当径、平均厚さ、及び平均アスペクト比)を、金属ナノ粒子分散液Aに含まれる金属ナノ粒子の形状及びサイズと同様にして確認した。
結果を表2に示す。
インクに含まれる金属ナノ粒子の形状及びサイズ(詳細には、形状、平均円相当径、平均厚さ、及び平均アスペクト比)を、金属ナノ粒子分散液Aに含まれる金属ナノ粒子の形状及びサイズと同様にして確認した。
結果を表2に示す。
[評価]
1.撥液性
2cm×2cmのシリコン板上に、フッ化アルキルシラン化合物を用いて撥液膜(SAM膜:Self-Assembled Monolayer)を形成した評価用の試験片を作製した。
上記にて調製した各インク30mLを、ポリプロピレン製の50mL広口ビン(アイボーイ広口ビン50mL、アズワン(株))にそれぞれ量りとった。次いで、上記試験片をインク中に浸漬し、60℃で24時間撹拌しながら加熱経時した。試験片を取り出し、超純水で洗浄した後、撥液膜表面の水の接触角を測定した。
水の接触角は、接触角測定装置(DM−500、協和界面科学(株))を用いて、25℃、50%RHの環境下で常法により測定した。測定には、水として超純水を用いた。得られた水の接触角の測定値に基づき、下記評価基準に従い、インクによる撥液膜の撥液性に対する影響を評価した。
なお、インク浸漬前における撥液膜表面の水の接触角は、106.5度である。
下記の評価基準では、「S」が最も撥液性に優れていることを示し、「S」、「A」、又は「B」であれば実用上問題がない。
1.撥液性
2cm×2cmのシリコン板上に、フッ化アルキルシラン化合物を用いて撥液膜(SAM膜:Self-Assembled Monolayer)を形成した評価用の試験片を作製した。
上記にて調製した各インク30mLを、ポリプロピレン製の50mL広口ビン(アイボーイ広口ビン50mL、アズワン(株))にそれぞれ量りとった。次いで、上記試験片をインク中に浸漬し、60℃で24時間撹拌しながら加熱経時した。試験片を取り出し、超純水で洗浄した後、撥液膜表面の水の接触角を測定した。
水の接触角は、接触角測定装置(DM−500、協和界面科学(株))を用いて、25℃、50%RHの環境下で常法により測定した。測定には、水として超純水を用いた。得られた水の接触角の測定値に基づき、下記評価基準に従い、インクによる撥液膜の撥液性に対する影響を評価した。
なお、インク浸漬前における撥液膜表面の水の接触角は、106.5度である。
下記の評価基準では、「S」が最も撥液性に優れていることを示し、「S」、「A」、又は「B」であれば実用上問題がない。
〜評価基準〜
S:水の接触角が80度以上であった。
A:水の接触角が60度以上80度未満であった。
B:水の接触角が40度以上60度未満であった。
C:水の接触角が20度以上40度未満であった。
D:水の接触角が20度未満であった。
S:水の接触角が80度以上であった。
A:水の接触角が60度以上80度未満であった。
B:水の接触角が40度以上60度未満であった。
C:水の接触角が20度以上40度未満であった。
D:水の接触角が20度未満であった。
2.吐出信頼性
図1に示すようなシリコンノズルプレートを備えたインクジェットヘッドを、ステージの移動方向がノズル配列方向に対して垂直方向になるように固定した。なお、シリコンノズルプレートには、フッ化アルキルシラン化合物を用いて撥液膜が予め設けられている。
次に、インクジェットヘッドに繋がる貯留タンクに、上記にて調製したインクを詰めた。記録媒体として富士フイルム(株)の画彩写真仕上げProを、ヘッドのノズル配列方向に対して垂直方向に移動するステージに貼り付けた。
次に、ステージを248mm/minで移動させ、インク滴量3.4pL、吐出周波数10kHz、及びノズル配列方向×搬送方向75×1200dpi(dot per inch;以下同じ)の吐出条件にて、搬送方向に対して平行に1ノズル当り2000発のインク滴を吐出して、96本のラインを形成し、印画サンプルを作製した。得られた印画サンプルを目視にて観察し、全てのノズルからインクが吐出されていることを確認した。吐出後は、5分間そのままの状態で放置した。以上の記録媒体の貼り付けから5分間の放置後までを1サイクルとした。
次のサイクルとして、新しい記録媒体を貼り付けて、再び同様の条件でインクを吐出して印画サンプルを作製した。このようなサイクルを繰り返し、2000発のインク滴を吐出して96本のノズルの全てが吐出可能であった最大のサイクル数に基づき、下記評価基準に従い、吐出信頼性を評価した。
下記の評価基準では、「S」が最も吐出信頼性に優れていることを示し、「S」、「AA」、「A」、又は「B」であれば実用上問題がない。
図1に示すようなシリコンノズルプレートを備えたインクジェットヘッドを、ステージの移動方向がノズル配列方向に対して垂直方向になるように固定した。なお、シリコンノズルプレートには、フッ化アルキルシラン化合物を用いて撥液膜が予め設けられている。
次に、インクジェットヘッドに繋がる貯留タンクに、上記にて調製したインクを詰めた。記録媒体として富士フイルム(株)の画彩写真仕上げProを、ヘッドのノズル配列方向に対して垂直方向に移動するステージに貼り付けた。
次に、ステージを248mm/minで移動させ、インク滴量3.4pL、吐出周波数10kHz、及びノズル配列方向×搬送方向75×1200dpi(dot per inch;以下同じ)の吐出条件にて、搬送方向に対して平行に1ノズル当り2000発のインク滴を吐出して、96本のラインを形成し、印画サンプルを作製した。得られた印画サンプルを目視にて観察し、全てのノズルからインクが吐出されていることを確認した。吐出後は、5分間そのままの状態で放置した。以上の記録媒体の貼り付けから5分間の放置後までを1サイクルとした。
次のサイクルとして、新しい記録媒体を貼り付けて、再び同様の条件でインクを吐出して印画サンプルを作製した。このようなサイクルを繰り返し、2000発のインク滴を吐出して96本のノズルの全てが吐出可能であった最大のサイクル数に基づき、下記評価基準に従い、吐出信頼性を評価した。
下記の評価基準では、「S」が最も吐出信頼性に優れていることを示し、「S」、「AA」、「A」、又は「B」であれば実用上問題がない。
〜評価基準〜
S:サイクル数が12サイクル以上であった。
AA:サイクル数が10サイクル以上12サイクル未満であった。
A:サイクル数が8サイクル以上10サイクル未満であった。
B:サイクル数が6サイクル以上8サイクル未満であった。
C:サイクル数が4サイクル以上6サイクル未満であった。
D:サイクル数が4サイクル未満であった。
S:サイクル数が12サイクル以上であった。
AA:サイクル数が10サイクル以上12サイクル未満であった。
A:サイクル数が8サイクル以上10サイクル未満であった。
B:サイクル数が6サイクル以上8サイクル未満であった。
C:サイクル数が4サイクル以上6サイクル未満であった。
D:サイクル数が4サイクル未満であった。
3.画像の評価
(画像記録)
図1に示すようなシリコンノズルプレートを備えたインクジェットヘッドを準備し、このインクジェットヘッドに繋がる貯留タンクに、上記にて調製したインクを詰めた。なお、シリコンノズルプレートには、フッ化アルキルシラン化合物を用いて撥液膜が予め設けられている。
基材としての光沢紙(富士フイルム(株)の画彩(登録商標)写真仕上げPro)を、ヘッドのノズル配列方向に対して垂直方向に移動するステージに貼り付けた。詳細には、上記基材を、500mm/秒で所定の直線方向に移動可能なステージ上に固定し、ステージ温度を30℃で保持した。その後、インクジェットヘッドを、ステージの移動方向(即ち、副走査方向)と直交する方向に対して、ノズルが並ぶラインヘッドの方向(即ち、主走査方向)が75.7度傾斜するように固定配置し、基材を副走査方向に定速移動させながら、インク液滴量2.4pL、吐出周波数24kHz、及び解像度1200dpi×1200dpiの吐出条件にてライン方式でインクを吐出し、2cm四方のベタ画像を記録した。記録後、ベタ画像を完全に乾燥させた。
(画像記録)
図1に示すようなシリコンノズルプレートを備えたインクジェットヘッドを準備し、このインクジェットヘッドに繋がる貯留タンクに、上記にて調製したインクを詰めた。なお、シリコンノズルプレートには、フッ化アルキルシラン化合物を用いて撥液膜が予め設けられている。
基材としての光沢紙(富士フイルム(株)の画彩(登録商標)写真仕上げPro)を、ヘッドのノズル配列方向に対して垂直方向に移動するステージに貼り付けた。詳細には、上記基材を、500mm/秒で所定の直線方向に移動可能なステージ上に固定し、ステージ温度を30℃で保持した。その後、インクジェットヘッドを、ステージの移動方向(即ち、副走査方向)と直交する方向に対して、ノズルが並ぶラインヘッドの方向(即ち、主走査方向)が75.7度傾斜するように固定配置し、基材を副走査方向に定速移動させながら、インク液滴量2.4pL、吐出周波数24kHz、及び解像度1200dpi×1200dpiの吐出条件にてライン方式でインクを吐出し、2cm四方のベタ画像を記録した。記録後、ベタ画像を完全に乾燥させた。
(1)画像の色味
上記ベタ画像について、スペクトロアイ分光光度計(サカタインクスエンジニアリング(株))を用い、a*及びb*を測定し、得られた結果から、算出式(a*2+b*2)1/2により、メトリック彩度を算出した。得られたメトリック彩度に基づき、下記評価基準に従い、画像の色味を評価した。
メトリック彩度は、数値が小さいほど、画像の色味が抑制されていること(即ち、ニュートラルな画像であること)を示す。即ち、下記評価基準において、画像の色味が最も抑制されている結果は、「S」である。「S」、「AA」、「A」、又は「B」であれば実用上問題がない。
上記ベタ画像について、スペクトロアイ分光光度計(サカタインクスエンジニアリング(株))を用い、a*及びb*を測定し、得られた結果から、算出式(a*2+b*2)1/2により、メトリック彩度を算出した。得られたメトリック彩度に基づき、下記評価基準に従い、画像の色味を評価した。
メトリック彩度は、数値が小さいほど、画像の色味が抑制されていること(即ち、ニュートラルな画像であること)を示す。即ち、下記評価基準において、画像の色味が最も抑制されている結果は、「S」である。「S」、「AA」、「A」、又は「B」であれば実用上問題がない。
〜評価基準〜
S:メトリック彩度値が1未満であった。
AA:メトリック彩度値が1以上3未満であった。
A:メトリック彩度値が3以上5未満であった。
B:メトリック彩度値が5以上10未満であった。
C:メトリック彩度値が10以上であった。
S:メトリック彩度値が1未満であった。
AA:メトリック彩度値が1以上3未満であった。
A:メトリック彩度値が3以上5未満であった。
B:メトリック彩度値が5以上10未満であった。
C:メトリック彩度値が10以上であった。
(2)画像の鏡面光沢性
(2−1)グロス値に基づく評価
上記ベタ画像について、光沢時計(micro−TRI−gloss、BYK社)を用い、20°グロス値及び60°グロス値をそれぞれ測定した。得られた20°グロス値及び60°グロス値の測定値に基づき、下記評価基準に従い、画像の鏡面光沢性を評価した。
20°グロス値及び60°グロス値は、いずれも数値が高いほど、鏡面光沢性に優れていることを示す。即ち、下記の評価基準では、「S」が最も画像の鏡面光沢性に優れていることを示し、「S」、「AA」、「A」、又は「B」であれば実用上問題がない。
(2−1)グロス値に基づく評価
上記ベタ画像について、光沢時計(micro−TRI−gloss、BYK社)を用い、20°グロス値及び60°グロス値をそれぞれ測定した。得られた20°グロス値及び60°グロス値の測定値に基づき、下記評価基準に従い、画像の鏡面光沢性を評価した。
20°グロス値及び60°グロス値は、いずれも数値が高いほど、鏡面光沢性に優れていることを示す。即ち、下記の評価基準では、「S」が最も画像の鏡面光沢性に優れていることを示し、「S」、「AA」、「A」、又は「B」であれば実用上問題がない。
〜評価基準(20°グロス値)〜
S:20°グロス値が1000以上であった。
AA:20°グロス値が800以上1000未満であった。
A:20°グロス値が600以上800未満であった。
B:20°グロス値が400以上600未満であった。
C:20°グロス値が200以上400未満であった。
D:20°グロス値が200未満であった。
S:20°グロス値が1000以上であった。
AA:20°グロス値が800以上1000未満であった。
A:20°グロス値が600以上800未満であった。
B:20°グロス値が400以上600未満であった。
C:20°グロス値が200以上400未満であった。
D:20°グロス値が200未満であった。
〜評価基準(60°グロス値)〜
S:60°グロス値が1000以上であった。
AA:60°グロス値が800以上1000未満であった。
A:60°グロス値が600以上800未満であった。
B:60°グロス値が400以上600未満であった。
C:60°グロス値が200以上400未満であった。
D:60°グロス値が200未満であった。
S:60°グロス値が1000以上であった。
AA:60°グロス値が800以上1000未満であった。
A:60°グロス値が600以上800未満であった。
B:60°グロス値が400以上600未満であった。
C:60°グロス値が200以上400未満であった。
D:60°グロス値が200未満であった。
(2−2)官能評価
上記ベタ画像を目視で観察することにより、画像の鏡面光沢性を評価した。評価基準は、以下に示すとおりである。
下記の評価基準では、「S」が最も画像の鏡面光沢性に優れていることを示し、「S」、「AA」、又は「A」であれば実用上問題がない。
上記ベタ画像を目視で観察することにより、画像の鏡面光沢性を評価した。評価基準は、以下に示すとおりである。
下記の評価基準では、「S」が最も画像の鏡面光沢性に優れていることを示し、「S」、「AA」、又は「A」であれば実用上問題がない。
〜評価基準〜
S:極めて優れた鏡面光沢性を有し、映りこんだ物が鏡に映った像のように明確に見える。
AA:優れた鏡面光沢性を有し、映りこんだ物体が何であるかが識別できる。
A:鏡面光沢性を有するが、映りこんだ物体が何であるかまでは識別できない。
B:金属調の弱い光沢を示すが、鏡面光沢性を有さず、物体が映りこまない。
C:光沢がなく、灰色に見える。
S:極めて優れた鏡面光沢性を有し、映りこんだ物が鏡に映った像のように明確に見える。
AA:優れた鏡面光沢性を有し、映りこんだ物体が何であるかが識別できる。
A:鏡面光沢性を有するが、映りこんだ物体が何であるかまでは識別できない。
B:金属調の弱い光沢を示すが、鏡面光沢性を有さず、物体が映りこまない。
C:光沢がなく、灰色に見える。
〔実施例2〜15、比較例1〜4〕
金属ナノ粒子分散液の種類、金属ナノ粒子のインク全量に対する量、ケイ素化合物の種類、及びケイ素化合物のインク全量に対する量の組み合わせを、下記表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
結果を表2に示す。
いずれの例においても、インク全量に対する有機溶剤の含有量は、30質量%となるようにした。また、金属ナノ粒子のインク全量に対する量は、金属ナノ粒子分散液の使用量を変更することにより変更した。
金属ナノ粒子分散液の種類、金属ナノ粒子のインク全量に対する量、ケイ素化合物の種類、及びケイ素化合物のインク全量に対する量の組み合わせを、下記表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
結果を表2に示す。
いずれの例においても、インク全量に対する有機溶剤の含有量は、30質量%となるようにした。また、金属ナノ粒子のインク全量に対する量は、金属ナノ粒子分散液の使用量を変更することにより変更した。
なお、表2では、「金属ナノ粒子分散液」を「分散液」と表記した。
表2中の「−」は、該当するものがないことを示す。
表2中の「−」は、該当するものがないことを示す。
表2に示すように、平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子(即ち、特定平板状金属ナノ粒子)と、ケイ素化合物と、水と、を含む実施例1〜15のインクは、インクの吐出信頼性が良好であった。また、実施例1〜15のインクによれば、鏡面光沢性を有する画像を記録することができた。
さらに、実施例1〜15のインクでは、フッ化アルキルシラン化合物を用いて形成された撥液膜の撥液性が低下し難いことがわかった。また、実施例1〜15のインクを用いて記録された画像は、色味が抑制されていた。
さらに、実施例1〜15のインクでは、フッ化アルキルシラン化合物を用いて形成された撥液膜の撥液性が低下し難いことがわかった。また、実施例1〜15のインクを用いて記録された画像は、色味が抑制されていた。
一方、ケイ素化合物を含まない比較例1のインクは、ケイ素化合物を含むインク(例えば、実施例1のインク)と比較して、インクの吐出信頼性が低く、かつ、撥液膜の撥液性が顕著に低下した。
平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比が3未満である比較例2のインクを用いて記録された画像は、色味が生じ、鏡面光沢性を有していなかった。
金属ナノ粒子の形状が球である比較例3及び4のインクを用いて記録された画像は、色味が生じ、鏡面光沢性を有していなかった。
平板状金属ナノ粒子の平均アスペクト比が3未満である比較例2のインクを用いて記録された画像は、色味が生じ、鏡面光沢性を有していなかった。
金属ナノ粒子の形状が球である比較例3及び4のインクを用いて記録された画像は、色味が生じ、鏡面光沢性を有していなかった。
2017年2月13日に出願された日本国特許出願2017−024052号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的に、かつ、個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的に、かつ、個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (12)
- 平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子と、ケイ素化合物と、水と、を含むインクジェットインク組成物。
- 前記平板状金属ナノ粒子の平均円相当径が、10nm以上500nm以下である請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記平板状金属ナノ粒子の前記平均アスペクト比が、10以上である請求項1又は請求項2に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記平板状金属ナノ粒子が、銀、金、及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記平板状金属ナノ粒子が、銀を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記平板状金属ナノ粒子の含有量が、インクジェットインク組成物の全量に対して、1質量%以上8質量%以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記ケイ素化合物が、コロイダルシリカを含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記ケイ素化合物の含有量が、インクジェットインク組成物の全量に対して、0.01質量%以上3質量%以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 更に、ゼラチンを含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 加飾画像の記録に用いられる請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 基材と、
前記基材上に配置され、かつ、平均厚さに対する平均円相当径の比である平均アスペクト比が3以上である平板状金属ナノ粒子、及びケイ素化合物を含む画像と、
を備える記録物。 - 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物を、ケイ素を含む吐出ヘッドを用いて、インクジェット法によって基材上に付与する工程を有する画像記録方法。
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