JPWO2018134956A1 - 双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池 - Google Patents

双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池 Download PDF

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Abstract

レドックスフロー電池の正極電極と負極電極との間に配置される双極板であって、前記双極板における前記正極電極及び前記負極電極の少なくとも一方の電極に対向する面に、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う前記溝部間に位置する畝部とを備え、前記溝部を形成する溝内面の少なくとも一部に、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上である粗面を備える双極板。

Description

本発明は、双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池に関する。
特許文献1〜4には、正極電解液が供給される正極電極と、負極電解液が供給される負極電極と、正極電極と負極電極との間に介在される隔膜とを備える電池セルを主な構成要素とし、各極の電極に各極の電解液を供給して充放電を行うレドックスフロー電池が開示されている。上記電池セルは、正極電極、隔膜、負極電極の積層物を挟むように一組のセルフレームが配置されて構成される。セルフレームは、表裏面に正極電極及び負極電極がそれぞれ配置される双極板と、双極板の外周に設けられる枠体とを備える。
特許文献1〜4には、電池セル内の各極の電極に十分に電解液を行き渡らせるために、電解液が流通する複数の溝部を有する双極板が開示されている。
特開2015−122230号公報 特開2015−122231号公報 特開2015−138771号公報 特開2015−210849号公報
本開示の双極板は、
レドックスフロー電池の正極電極と負極電極との間に配置される双極板であって、
前記双極板における前記正極電極及び前記負極電極の少なくとも一方の電極に対向する面に、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う前記溝部間に位置する畝部とを備え、
前記溝部を形成する溝内面の少なくとも一部に、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上である粗面を備える。
本開示のセルフレームは、本開示の双極板と、前記双極板の外周に設けられる枠体とを備える。
本開示のセルスタックは、本開示のセルフレームを備える。
本開示のレドックスフロー電池は、本開示のセルスタックを備える。
実施形態1に係るレドックスフロー電池の動作原理図である。 実施形態1に係るレドックスフロー電池の概略構成図である。 実施形態1に係るセルスタックの概略構成図である。 実施形態1に係るセルフレームを一面側から見た概略平面図である。 実施形態1に係る双極板を示す概略断面図である。 実施形態2に係る双極板を示す概略断面図である。 実施形態3に係る双極板を示す概略平面図である。 実施形態4に係る双極板を示す概略平面図である。 実施形態5に係る双極板を示す概略平面図である。 実施形態6に係る双極板を示す概略平面図である。 実施形態7に係る双極板を示す概略平面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
複数の溝部を有する双極板上での電解液の流れは、各溝部に沿った流れと、隣り合う溝部間に位置する畝部を渡って溝部間を移動するような流れとを形成する。双極板は、その最表面の大部分が畝部で構成される。そのため、畝部を渡るように流れる電解液は、畝部に対向する電極に浸透され易く、電極内で電池反応が行われ易い。一方、溝部に沿って流れる電解液のうち、溝部の底部側で流れる電解液は、電極に浸透され難く、電池反応が行われないで未反応のまま排出される虞がある。
そこで、本開示は、電解液の拡散性に優れ、電池反応性を向上できる双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池を提供することを目的の一つとする。
[本開示の効果]
本開示によれば、電解液の拡散性に優れ、電池反応性を向上できる双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池を提供できる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る双極板は、
レドックスフロー電池の正極電極と負極電極との間に配置される双極板であって、
前記双極板における前記正極電極及び前記負極電極の少なくとも一方の電極に対向する面に、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う前記溝部間に位置する畝部とを備え、
前記溝部を形成する溝内面の少なくとも一部に、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上である粗面を備える。
上記双極板は、溝部を形成する溝内面に算術平均粗さRaで0.1μm以上の粗面を備えることで、溝部に沿って電解液が流れるときに、粗面の細かい高低差によって電解液の流速が変化し、電解液に乱流を生じさせることができる。電解液に乱流が生じることで、溝部に沿って流れる電解液の拡散性を向上でき、溝部の底部側で流れる電解液も電極に供給され易い。よって、溝部に沿って流れる電解液が電極に供給及び浸透されることで、電池反応性を向上でき、電解液が未反応のまま排出されることを抑制できる。
(2)上記双極板の一例として、前記粗面は、表面粗さが算術平均粗さRaで25μm以下である形態が挙げられる。
双極板の表面に配置される電極は、一般的に繊維を含む多孔体で構成される。双極板に粗面を備えると、粗面の細かい高低差に電極の繊維が引っ掛かり易い。正負間の差圧により電極が圧縮された際に、溝部の内側に電極の繊維が引っ掛かると、電極が溝部の内側に入り込むことになり、溝部の体積が減少し、圧力損失が増加する。そこで、粗面の表面粗さが算術平均粗さRaで25μm以下であることで、溝部の内側に電極の繊維が引っ掛かり難く、溝部の体積を確保し易く、圧力損失の増加を抑制できる。また、粗面の表面粗さが算術平均粗さRaで25μm以下であることで、電池セルの組立時に、溝部の内側に電極の繊維が引っ掛かったとしても、その引っ掛かりを解除し易い。更に、粗面の表面粗さが算術平均粗さRaで25μm以下であることで、溝部に沿って流れる電解液の流通抵抗の増加も抑制でき、電解液と粗面との摩擦熱による電解液の温度上昇も抑制できる。
(3)上記双極板の一例として、前記畝部の表面の少なくとも一部に、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上である粗面を備える形態が挙げられる。
溝部に加えて、畝部にも粗面を備えることで、畝部を渡るように流れる電解液にも乱流を生じさせることができ、畝部に対向配置される電極内への電解液の拡散性を向上でき、より電池反応性を向上できる。また、溝部及び畝部の全面に亘って粗面を備える場合、双極板に粗面を形成し易い。
(4)本発明の実施形態に係るセルフレームは、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の双極板と、前記双極板の外周に設けられる枠体とを備える。
上記セルフレームは、本発明の実施形態に係る双極板を備えるため、溝部に沿って流れる電解液が電極に供給及び浸透され易く、電池反応性を向上できる。
(5)本発明の実施形態に係るセルスタックは、上記(4)に記載のセルフレームを備える。
上記セルスタックは、本発明の実施形態に係るセルフレームを備えるため、溝部に沿って流れる電解液が電極に供給及び浸透され易く、電池反応性を向上できる。
(6)本発明の実施形態に係るレドックスフロー電池は、上記(5)に記載のセルスタックを備える。
上記レドックスフロー電池は、本発明の実施形態に係るセルスタックを備えるため、溝部に沿って流れる電解液が電極に供給及び浸透され易く、電池反応性を向上できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
≪実施形態1≫
本実施形態の特徴の一つは、電解液の拡散性に優れ、電池反応性を向上可能な構成を双極板に備える点にある。以下では、まず、図1〜図4を参照して、実施形態1に係るレドックスフロー電池、セルスタック、及びセルフレームの基本構成を説明し、その後、図4及び図5を参照して、実施形態1のセルフレーム(セルスタック、レドックスフロー電池)に備わる双極板の構成を詳細に説明する。
〔RF電池〕
レドックスフロー電池(以下、RF電池)1は、代表的には、図1に示すように、交流/直流変換器や変電設備等を介して、発電部と、電力系統や需要家等の負荷とに接続され、発電部を電力供給源として充電を行い、負荷を電力消費対象として放電を行う。発電部は、例えば、太陽光発電機、風力発電機、その他一般の発電所等が挙げられる。
RF電池1は、隔膜101で正極セル102と負極セル103とに分離された電池セル100を備える。正極セル102には、正極電解液が供給される正極電極104が内蔵され、負極セル103には、負極電解液が供給される負極電極105が内蔵されている。正極電極104及び負極電極105は、供給された電解液に含まれる活物質イオンが電池反応を行う反応場である。隔膜101は、正極電極104と負極電極105とを分離すると共に、所定のイオンを透過する薄膜部材である。
正極セル102に正極電解液を循環供給する正極循環機構100Pは、正極電解液を貯留する正極電解液タンク106と、正極電解液タンク106と正極セル102との間を繋ぐ導管108,110と、上流側(供給側)の導管108に設けられたポンプ112とを備える。負極セル103に負極電解液を循環供給する負極循環機構100Nは、負極電解液を貯留する負極電解液タンク107と、負極電解液タンク107と負極セル103との間を繋ぐ導管109,111と、上流側(供給側)の導管109に設けられたポンプ113とを備える。
正極電解液は、正極電解液タンク106から上流側の導管108を介して正極電極104に供給され、正極電極104から下流側(排出側)の導管110を介して正極電解液タンク106に戻される。また、負極電解液は、負極電解液タンク107から上流側の導管109を介して負極電極105に供給され、負極電極105から下流側(排出側)の導管111を介して負極電解液タンク107に戻される。正極電解液の循環及び負極電解液の循環によって、正極電極104に正極電解液を循環供給すると共に、負極電極105に負極電解液を循環供給しながら、各極の電解液中の活物質イオンの価数変化反応に伴って充放電を行う。図1及び図2において、正極電解液タンク106内及び負極電解液タンク107内に示すバナジウムイオンは、正極電解液中及び負極電解液中に活物質として含むイオン種の一例を示す。図1において、実線矢印は充電、破線矢印は放電を意味する。
〔セルスタック〕
RF電池1は、代表的には、複数の電池セル100が積層されたセルスタック2と呼ばれる形態で利用される。セルスタック2は、図3に示すように、あるセルフレーム3、正極電極104、隔膜101、負極電極105、別のセルフレーム3が繰り返し積層された積層体と、積層体を挟む一対のエンドプレート210,220と、エンドプレート210,220間を繋ぐ長ボルト等の連結部材230及びナット等の締結部材とを備える。締結部材によってエンドプレート210,220間が締め付けられると、積層体は、その積層方向の締付力によって積層状態が保持される。セルスタック2は、所定数の電池セル100をサブスタック200とし、複数のサブスタック200を積層した形態で利用される。サブスタック200やセルスタック2における電池セル100の積層方向の両端に位置するセルフレーム3には、双極板4に代えて給排板(図示せず)が配置される。
〔セルフレーム〕
セルフレーム3は、図2及び図3に示すように、正極電極104と負極電極105との間に配置される双極板4と、双極板4の外周に設けられる枠体5とを備える。双極板4は、電流を流すが電解液を流さない導電部材で構成され、その一面側には正極電極104が接触するように配置され、他面側には負極電極105が接触するように配置される。枠体5は、内側に電池セル100となる領域を形成する。具体的には、枠体5の厚みは、双極板4の厚みよりも大きく、双極板4の外周を枠体5で囲むことで、双極板4の表面(裏面)と枠体5の表面(裏面)とで、内部に正極電極104(負極電極105)が配置される空間を形成する段差が形成される。サブスタック200(セルスタック2)では、隣り合うセルフレーム3,3の双極板4,4の間に、それぞれ一つの電池セル100が形成されることになる。
正極電極104及び負極電極105への各極の電解液の供給は、セルフレーム3における枠体5の対向する一片(図3上図の紙面下側)に形成される給液マニホールド51,52、給液ガイド溝51s,52sにより行われる。正極電極104及び負極電極105からの各極の電解液の排出は、枠体5の対向する他片(図3上図の紙面上側)に形成される排液マニホールド53,54、排液ガイド溝53s,54sにより行われる。正極電解液は、給液マニホールド51から枠体5の一面側(紙面表側)に形成された給液ガイド溝51sを介して正極電極104に供給される。そして、図3上図の矢印に示すように正極電極104の下側から上側へ流通し、枠体5の一面側(紙面表側)に形成された排液ガイド溝53sを介して排液マニホールド53に排出される。負極電解液の供給及び排出は、枠体5の他面側(紙面裏側)で行われる点を除き、正極電解液と同じである。各枠体5間には、電池セル100からの電解液の漏洩を抑制するために、Oリングや平パッキン等の環状のシール部材6(図2及び図3)が配置されている。枠体5には、環状のシール部材6を配置するためのシール溝6s(図4を参照)が周方向にわたって形成されている。
上述したRF電池1、セルスタック2、及びセルフレーム3の基本構成は、公知の構成を適宜利用できる。
〔双極板〕
図4及び図5を参照して、実施形態1に係る双極板4Aについて説明する。この双極板4Aは、上述した双極板4に相当する部材である。
双極板4Aは、図4に示すように、矩形状の平板である。双極板4Aの表裏面にはそれぞれ、隣り合う電池セル100の正極電極104と負極電極105とが配置される(図2及び図3を参照)。双極板4Aは、正極電極104に対向する面及び負極電極105に対向する面それぞれに、複数の溝部41と、隣り合う溝部41,41間に位置する畝部42とを備える。実施形態1に係る双極板4Aは、溝部41を形成する溝内面の少なくとも一部に、粗面410(図5)を備える点を特徴の一つとする。
複数の溝部41は、電解液が流通する流路として機能する。正極電極104が対向配置される双極板4Aの一面に設けられた溝部41には正極電解液が流通され、負極電極105が対向配置される双極板4Aの他面に設けられた溝部41には負極電解液が流通される。各電池セル100内での電解液の流れは、溝部41の形状や寸法等によって調整することができる。なお、図4では、分かり易くするために、畝部42にハッチングを付している。
本例では、溝部41は、枠体5の一片から他片に向かう方向(図4の紙面下側から上側に向かう上下方向)に沿って非連通形状に形成されている点を特徴の一つとする。溝部41は、電解液を電極に導入する導入側溝部41iと、電解液を電極から排出する排出側溝部41oとを備える。また、溝部41は、全ての導入側溝部41iにおける電解液の流入口に連続し、かつ導入側溝部41iの並列方向に沿って設けられた分配溝部41dを備える。分配溝部41dは、枠体5に形成された給液ガイド溝51s(52s)を介して給液マニホールド51(52)と連通している。更に、溝部41は、全ての排出側溝部41oにおける電解液の流出口に連続し、かつ排出側溝部41oの並列方向に沿って設けられた集約溝部41aを備える。集約溝部41aは、枠体5に形成された排液ガイド溝53s(54s)を介して排液マニホールド53(54)と連通している。導入側溝部41iと排出側溝部41oとは、連通せずに独立しており、所定の間隔を有して交互に並列配置され、分配溝部41d及び集約溝部41aとで形成される対向櫛歯構造である。隣り合う導入側溝部41iと排出側溝部41oとの間に、畝部42が形成される。
本例では、導入側溝部41i及び排出側溝部41oは、双極板4Aの縦方向(図4の上下方向)に沿った縦溝で構成されており、分配溝部41d及び集約溝部41aは、双極板4Aの横方向(図4の左右方向)に沿った横溝部で構成されている。他に、溝部は、導入側溝部及び排出側溝部が双極板の横方向に沿った横溝で構成されており、分配溝部及び集約溝部が双極板の縦方向に沿った縦溝部で構成されていてもよい。
畝部42は、隣り合う溝部41,41間に位置する部分であり、双極板4Aの最表面の大部分を形成する。よって、電池セル100を組み立てたとき、畝部42が各極の電極104,105と接触することになる。
双極板4Aでは、給液ガイド溝51s(52s)から分配溝部41dに導入された電解液は、各導入側溝部41iに分配され、双極板4Aの全面に行き渡る。導入側溝部41iに流れる電解液は、双極板4Aの表面に配置される電極に浸透し、双極板4Aの表面を跨いで、導入側溝部41iに隣り合う排出側溝部41oに流れる。排出側溝部41oに流れる電解液は、集約溝部41aで集約されて、排液ガイド溝53s(54s)から排出される。給液ガイド溝51s(52s)から導入されて排液ガイド溝53s(54s)に排出されるまでの間に溝部41を流通する電解液は、双極板4Aに対向配置される電極に浸透して拡散し、電極内で電池反応を行う。複数の溝部41を有する双極板4A上での電解液の流れは、各導入側溝部41i及び排出側溝部41oに沿った流れ(図4で示す実線矢印の方向)と、導入側溝部41iと排出側溝部41oとの間の畝部42を介して幅方向(図4の左右方向)に渡るような流れ(図4で示す破線矢印の方向)とを形成する。
溝部41は、底面410bと、底面410bと双極板4Aの表面(畝部42)とを繋ぐ側面410sとで形成され、横断面形状が長方形状である。溝部41は、両側面410sが粗面410で構成されている。
粗面410は、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上である。溝部41を形成する側面410sが粗面410で構成されることで、溝部41に沿って電解液が流れるときに、粗面410の細かい高低差によって電解液の流速が変化し、電解液に乱流を生じさせることができる。溝部41内の電解液に乱流が生じることで、電解液の拡散性を向上でき、溝部41の底面410b側で流れる電解液も電極に供給及び浸透され易く、電池反応性を向上できる。粗面410は、表面粗さが大きいほど乱流を生じさせ易く、算術平均粗さRaで、更に0.2μm以上、特に0.4μm以上が好ましい。
一方、粗面410は、表面粗さが算術平均粗さRaで25μm以下であることが好ましい。双極板4Aの表面に配置される正極電極104及び負極電極105は、一般的に繊維を含む多孔体で構成される。そのため、双極板4Aに粗面410を備えると、粗面410の細かい高低差に正極電極104や負極電極105を構成する繊維が引っ掛かることがある。正負間の差圧により正極電極104及び負極電極105が圧縮された際に、溝部41の内側に上記繊維が引っ掛かると、正極電極104や負極電極105が溝部41の内側に入り込むことになり、溝部41の体積が減少し、圧力損失が増加する。そこで、粗面410の表面粗さが算術平均粗さRaで25μm以下であることで、溝部41の内側に上記繊維が引っ掛かり難く、溝部41の体積を確保し易く、圧力損失の増加を抑制できる。また、粗面410の表面粗さが算術平均粗さRaで25μm以下であることで、電池セル100の組立時に、溝部41の内側に上記繊維が引っ掛かったとしても、その引っ掛かりを解除し易い。更に、粗面410の表面粗さが算術平均粗さRaで25μm以下であることで、溝部41に沿って流れる電解液の流通抵抗の増加も抑制でき、電解液と粗面410との摩擦熱による電解液の温度上昇も抑制できる。粗面410は、算術平均粗さRaで、更に20μm以下、10μm以下、6.4μm以下、3,2μm以下、特に1.6μm以下が好ましい。
本例では、粗面410は、溝部41を形成する側面410sの全面に亘って構成されている。粗面410は、側面410sの少なくとも一部に構成されていればよく、例えば、側面410sの上部側(溝部41の開口部側)にのみ構成されていてもよく、側面410sの下部側(底面410b側)にのみ構成されていてもよい。また、粗面410は、溝部41の長手方向に沿った一部に構成されていてもよい。粗面410は、側面410sの下部側から上部側に亘って、かつ溝部41の長手方向全長に亘って構成されている方が、溝部41に沿って流れる電解液に均一的に乱流を生じさせ易く、正極電極104や負極電極105に供給かつ浸透させ易い。
溝部41の横断面形状は、任意の形状とでき、長方形状以外に、半円状、U字状、V字状等とすることができる。いずれの形状であっても、溝部41を形成する溝内面の少なくとも一部が粗面410で構成されていることで、溝部41に沿って流れる電解液に乱流を生じさせることができる。
溝部41の深さは、双極板4Aの厚さの5%以上45%以下であることが挙げられる。溝部41の体積を十分に確保しつつ、双極板4Aの強度を低下させないためである。双極板4Aの表裏面に溝部41を備える場合、溝部41の深さが深過ぎると機械的強度の低下を招く虞があるため、溝部41の深さは、双極板4Aの厚さの20%以上40%以下が更に好ましい。双極板4Aの表裏面に溝部41を備える場合、双極板4Aを平面視したとき、重なる位置に溝部41を備えていてもよいし(図5を参照)、一部が重なるように溝部41を備えていてもよいし、重ならない位置に設けてもよい。
溝部41の幅は、横断面積が十分に大きくなるように、溝部41の深さに応じて適宜選択でき、例えば、0.1mm以上10mm以下、更に0.5mm以上2.5mm以下とすることができる。また、隣り合う溝部41間の間隔、つまり畝部42の幅は、溝部41の幅の100%以上700%以下、更に200%以上500%以下とすることができる。本例では、導入側溝部41i、排出側溝部41o、分配溝部41d、集約溝部41aの全ての幅を同じとしているが、それぞれ異なっていてもよい。
双極板4Aの材質には、電流は通すが電解液は通さない材料を用いることができる。加えて、耐酸性及び適度な剛性を有する材料であることが好ましい。双極板4Aの材質は、例えば、黒鉛及びポリオレフィン系有機化合物又は塩素化有機化合物から形成される導電性プラスチックが挙げられる。黒鉛の一部をカーボンブラック及びダイヤモンドライクカーボンの少なくとも一方に置換した導電性プラスチックでもよい。ポリオレフィン系有機化合物は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられる。塩素化有機化合物は、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィン等が挙げられる。双極板4Aがこのような材料から形成されることで、双極板4Aの電気抵抗を小さくできる上に、耐酸性に優れる。
双極板4Aは、上記の構成材料を射出成型、プレス成型、真空成型等の公知の方法によって板状に成形すると共に、溝部41と畝部42とを成形することで製造できる。溝部41を有していない平板材に切削加工等を行って、溝部41を形成することもできる。
溝部41の溝内面に粗面410を形成するには、射出成形やプレス成形等により板状に成形する際に、金型の溝部41に対応する領域に粗面を形成しておくことが挙げられる。金型に形成された粗面は、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上25μm以下程度であるため、溝部41の溝内面に粗面410を形成した後でも脱型可能である。他に、溝部41のみを形成した後に、溝部41の溝内面にブラスト加工を施すことで、溝内面に粗面410を構成することもできる。
≪実施形態2≫
図6を参照して、実施形態2に係る双極板4Bについて説明する。
双極板4Bは、溝部41を形成する溝内面の全面に亘って粗面410を備える点と、畝部42にも粗面410を備える点とを特徴の一つとする。実施形態2の双極板4Bは、溝部41を形成する底面410b、及び畝部42が粗面410で構成されている点が実施形態1の双極板4Aと異なり、その他の構成については同様である。畝部42に備わる粗面410は、溝部41の溝内面に備わる粗面410と同様の表面粗さを有する。
溝部41の溝内面の全面に亘って粗面410を備えることで、溝部41に沿って流れる電解液に均一的に乱流を生じさせ易く、電解液の拡散性をより向上でき、正極電極104や負極電極105に電解液をより供給かつ浸透させ易く、電池反応性をより向上できる。この場合、側面410sの表面粗さと、底面410bの表面粗さとは、同じであってもよいし、異ならせてもよい。
畝部42に粗面410を備えることで、畝部42を渡るように流れる電解液にも乱流を生じさせることができ、畝部42に対向配置される正極電極104や負極電極105内への電解液の拡散性を向上でき、より電池反応性を向上できる。また、双極板4Bの最表面の大部分は畝部42で形成されているため、畝部42に粗面410を備えることで、粗面410の細かい高低差によって正極電極104や負極電極105の繊維を引っ掛けることができ、電池セル100の組立時に両極の電極104,105と双極板4Bとの間で位置ずれが発生することを防止できて組立性に優れる。畝部42に粗面410を備える場合、畝部42の全幅に亘って設けてもよいし、その幅方向の一部に設けてもよい。
溝部41の溝内面の全面及び畝部42の全面に亘って粗面410を備えると、粗面410をブラスト加工により形成する場合、双極板4Bの全面に亘ってブラスト加工を施すことができ、加工性に優れる。
≪実施形態3≫
図7を参照して、実施形態3に係る双極板4Cについて説明する。
双極板4Cは、溝部41が対向櫛歯構造(実施形態1を参照)であり、導入側溝部41i及び排出側溝部41oがそれぞれ畝部42側に張り出している点を特徴の一つとする。導入側溝部41iと排出側溝部41oとはそれぞれ、双極板4Cの縦方向(図7の上下方向)に沿った幹溝部(縦溝部)と、幹溝部に連続して双極板4Cの横方向(図7の左右方向)に沿った枝溝部(横溝部)とを備える。本例では、枝溝部の幅は、幹溝部の幅よりも狭くなっている。隣り合う導入側溝部41iの幹溝部と排出側溝部41oの幹溝部との間に、畝部42が形成される。また、隣り合う導入側溝部41iの枝溝部と排出側溝部41oの枝溝部との間にも、双極板4Cの縦方向(図7の上下方向)に対向する部分が形成され、この部分に畝部42が形成される。双極板4Cでも、図4を参照する給液ガイド溝51s(52s)から分配溝部41dに導入された電解液は、各導入側溝部41i及び排出側溝部41oに沿った流れ(図7で示す実線矢印の方向)と、導入側溝部41iと排出側溝部41oとの間の畝部42を渡るような流れ(図7で示す破線矢印の方向)とを形成する。本例では、畝部42を渡るような電解液の流れが多いため、実施形態1に比較して電池反応を行い易い。そして、溝部41は、その溝内面の少なくとも一部に、粗面410(図5や図6を参照)を備える。
≪実施形態4≫
図8を参照して、実施形態4に係る双極板4Dについて説明する。
双極板4Dは、溝部41が対向櫛歯構造(実施形態1を参照)であり、導入側溝部41i及び排出側溝部41oがそれぞれ畝部42側に張り出していると共に、その張り出しの先端側で屈曲している点を特徴の一つとする。導入側溝部41iと排出側溝部41oとはそれぞれ、双極板4Dの縦方向(図8の上下方向)に沿った幹溝部(縦溝部)と、幹溝部に連続して双極板4Dの横方向(図8の左右方向)に沿った枝溝部(横溝部)とを備える。本例では、枝溝部の幅は、幹溝部の幅よりも狭くなっている。枝溝部は、先端部がL字状に屈曲しており、導入側溝部41iの先端部と排出側溝部41oの先端部との屈曲方向が互いに向き合っている。隣り合う導入側溝部41iの幹溝部と排出側溝部41oの幹溝部との間に、畝部42が形成される。また、隣り合う導入側溝部41iの枝溝部と排出側溝部41oの枝溝部との間にも、双極板4Dの縦方向(図8の上下方向)に対向する部分が形成され、この部分に畝部42が形成される。双極板4Dでも、図4を参照する給液ガイド溝51s(52s)から分配溝部41dに導入された電解液は、各導入側溝部41i及び排出側溝部41oに沿った流れ(図8で示す実線矢印の方向)と、導入側溝部41iと排出側溝部41oとの間の畝部42を渡るような流れ(図8で示す破線矢印の方向)とを形成する。本例でも、畝部42を渡るような電解液の流れが多いため、実施形態3と同様に電池反応を行い易い。そして、溝部41は、その溝内面の少なくとも一部に、粗面410(図5や図6を参照)を備える。
≪変形例≫
実施形態1、実施形態3、実施形態4の対向櫛歯構造の双極板は、溝部41の配置形態を以下とすることができる(図示せず)。
(1)導入側溝部41iと排出側溝部41oとが噛合して交互に配置されるのではなく、電解液の流通方向に間隔を有して対向配置される。
(2)導入側溝部41i及び排出側溝部41oの少なくとも一方を連続した溝部ではなく、断続した複数の溝部とする。例えば、導入側溝部や排出側溝部を、その長手方向に間隔をあけて設けられた複数の溝群とする。
≪実施形態5≫
図9を参照して、実施形態5に係る双極板4Eについて説明する。
双極板4Eは、溝部41が渦巻状の導入側溝部41iと排出側溝部41oとで構成され、その導入側溝部41iと排出側溝部41oとが非連通形状に形成されている点を特徴の一つとする。本例では、導入側溝部41iの幅と、排出側溝部41oの幅とが同じである。また、枠体5(図4)に形成された給液ガイド溝51s(52s)を介して給液マニホールド51(52)と連通している横溝部(分配溝部41d)の幅と、枠体5に形成された排液ガイド溝53s(54s)を介して排液マニホールド53(54)と連通している横溝部(集約溝部41a)の幅とが同じである。そして、導入側溝部41iの幅及び排出側溝部41oの幅が、分配溝部41dの幅及び集約溝部41aの幅よりも狭くなっている。溝部41は、導入側溝部41iと排出側溝部41oとが互いに嵌合して渦巻状に形成されているため、双極板4Eの横方向(図9の左右方向)に隣り合う導入側溝部41iと排出側溝部41oとの間、及び双極板4Eの縦方向(図9の上下方向)に隣り合う導入側溝部41iと排出側溝部41oとの間に畝部42が形成される。双極板4Eでも、給液ガイド溝51s(52s)から双極板4Eに導入された電解液は、各導入側溝部41i及び排出側溝部41oに沿った流れ(図9で示す実線矢印の方向)と、導入側溝部41iと排出側溝部41oとの間の畝部42を渡るような流れ(図9で示す破線矢印の方向)とを形成する。そして、溝部41は、その溝内面の少なくとも一部に、粗面410(図5や図6を参照)を備える。
≪実施形態6≫
図10を参照して、実施形態6に係る双極板4Fについて説明する。
双極板4Fは、溝部41が枠体5(図4)の一片から他片に向かう方向(図4の紙面下側から上側に向かう上下方向)に沿った縦溝部41sで構成されている点を特徴の一つとする。また、溝部41は、全ての縦溝部41sにおける電解液の流入口に連続し、かつ縦溝部41sの並列方向に沿って設けられた分配溝部41dを備える。分配溝部41dは、枠体5(図4)に形成された給液ガイド溝51s(52s)を介して給液マニホールド51(52)と連通している。更に、溝部41は、全ての縦溝部41sにおける電解液の流出口に連続し、かつ縦溝部41sの並列方向に沿って設けられた集約溝部41aを備える。集約溝部41aは、枠体5(図4)に形成された排液ガイド溝53s(54s)を介して排液マニホールド53(54)と連通している。本例では、縦溝部42s、分配溝部41d、集約溝部41aは、全て同じ幅である。
双極板4Fでは、図4を参照する給液ガイド溝51s(52s)から分配溝部41dに導入された電解液は、各縦溝部41sに分配され、双極板4Fの全面に行き渡る。縦溝部41sを流れる電解液は、集約溝部41aで集約されて、排液ガイド溝53s(54s)から排出される。給液ガイド溝51s(52s)から導入されて排液ガイド溝53s(54s)に排出されるまでの間に溝部41を流通する電解液は、双極板4Fに対向配置される電極に浸透して拡散し、電極内で電池反応を行う。双極板4F上での電解液の流れは、各縦溝部41sに沿った流れ(図10で示す実線矢印の方向)と、隣り合う縦溝部41s間に位置する畝部42を渡るような流れ(図10で示す破線矢印の方向)とを形成する。そして、溝部41は、その溝内面の少なくとも一部に、粗面410(図5や図6を参照)を備える。
≪実施形態7≫
図11を参照して、実施形態7に係る双極板4Gについて説明する。
双極板4Gは、溝部41が枠体5(図4)の一片から他方に向かう方向(図4の紙面下側から上側に向かう上下方向)に沿って一連の蛇行形状に形成されている点を特徴の一つとする。溝部41は、並列される複数の横溝部41tと、複数の横溝部41tの一端同士又は他端同士を交互に繋ぐ複数の短い縦溝部41sとを備える。その他に、溝部は、並列される複数の縦溝部と、複数の縦溝部の一端同士又は他端同士を交互に繋ぐ複数の短い横溝部とを備える一連の蛇行形状に形成されていてもよい。
双極板4Gでは、図4を参照する給液ガイド溝51s(52s)から双極板4Gに導入されて電解液は、溝部41に沿った流れ(図11で示す実線矢印の方向)と、各横溝部41t,41t間に位置する畝部42を渡るような流れ(図11で示す破線矢印の方向)とを形成する。そして、溝部41は、その溝内面の少なくとも一部に、粗面410(図5や図6を参照)を備える。
[試験例1]
互いに連通しない導入側溝部と排出側溝部とが噛合して交互に配置される噛合型の対向櫛歯構造の双極板を備えるセルフレーム(図4)を用いた複数のRF電池を作製した(試験体A〜G)。用いたRF電池の仕様を以下に示す。なお、試験例1では、正極電極−隔膜−負極電極を重ねた電池セルを、双極板を備えるセルフレームで挟んだ単セル構造のRF電池とした。各試験体に用いた双極板は、横断面形状が長方形状の溝部を有し、溝部を形成する側面が、全面に亘って表1に示す粗面で構成されている(図5を参照)。
・双極板
寸法:長さ150mm、幅158mm、厚み6.0mm
溝部形状:導入側溝部と排出側溝部とを備える噛合型の対向櫛歯形状(図4を参照)
導入側溝部及び排出側溝部について
数:導入側溝部10本×排出側溝部10本
長さ:110mm
櫛歯の重複長さ:100mm
溝部の幅:0.5mm
溝部の深さ:0.5mm
溝部の断面形状:矩形形状
畝部の幅(溝間距離):2.5mm
分配溝部及び集約溝部について
長さ:100mm
構成材料:黒鉛50質量%とマトリックス樹脂としてポリプロピレン50質量%とを圧粉成形した双極板
・電極
寸法:長さ100mm、幅100mm、厚み2.5mm
構成材料:炭素繊維とバインダー炭素とを含むカーボンフェルト
・隔膜
構成材料:デュポン株式会社製 ナフィオン(登録商標)212
・電解液
組成:硫酸V水溶液(V濃度:2.0mol/L、硫酸濃度:5.0mol/L)
流量:300mL/min
≪セル抵抗率≫
各試験体を用いて充放電試験を行うことで、各試験体のセル抵抗率を測定した。充放電試験の条件は、放電終了電圧:1V、充電終了電圧:1.6V、電流:25Aとした。セル抵抗率の評価は、充放電試験に基づいて充放電曲線を作成し、その充放電曲線から3サイクル目のセル抵抗率で行なった。その結果を表1に示す。
≪圧力損失≫
各試験体の圧力損失を測定した。圧力損失の評価は、電池セルにおける電解液の流入口と排出口の直近に圧力ゲージをとりつけて、電解液を流した際の流入口と排出口の測定圧力の差を測定し、この測定圧力の差で行った。その結果を表1に示す。
Figure 2018134956
表1より、溝部の側面を構成する粗面の表面粗さRaが0.1μm以上を満たすことで、セル抵抗率を低減できることがわかった。これは、溝部に沿って流れる電解液に乱流が生じたことで、電解液の拡散性が向上し、電極に電解液が効率的に供給及び浸透されたことによると考えられる。ただし、粗面の表面粗さが30μm以上であると、セル抵抗率が増加すると共に、圧力損失が増加することがわかった。これは、双極板に電極を組み立てる際に、溝部の内側に電極の繊維が引っ掛かったり、RF電池の運用時に正負間の差圧により電極が圧縮された際に、溝部の内側に電極が引っ掛かったりすることで、電極が溝部の内側に入り込み、溝部の体積を確保できず、電解液の流路が閉塞したことによると考えられる。よって、粗面の表面粗さは25μm以下であることが好ましいと言える。
1 レドックスフロー電池(RF電池)
2 セルスタック
3 セルフレーム
4,4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G 双極板
41 溝部
410 粗面
410s 側面 410b 底面
41i 導入側溝部 41o 排出側溝部
41d 分配溝部 41a 集約溝部
41s 縦溝部 41t 横溝部
42 畝部
5 枠体
51,52 給液マニホールド 53,54 排液マニホールド
51s,52s 給液ガイド溝 53s,54s 排液ガイド溝
6 シール部材 6s シール溝
100 電池セル
101 隔膜
102 正極セル 103 負極セル
104 正極電極 105 負極電極
100P 正極循環機構 100N 負極循環機構
106 正極電解液タンク 107 負極電解液タンク
108,109,110,111 導管
112,113 ポンプ
200 サブスタック
210,220 エンドプレート
230 連結部材

Claims (6)

  1. レドックスフロー電池の正極電極と負極電極との間に配置される双極板であって、
    前記双極板における前記正極電極及び前記負極電極の少なくとも一方の電極に対向する面に、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う前記溝部間に位置する畝部とを備え、
    前記溝部を形成する溝内面の少なくとも一部に、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上である粗面を備える双極板。
  2. 前記粗面は、表面粗さが算術平均粗さRaで25μm以下である請求項1に記載の双極板。
  3. 前記畝部の表面の少なくとも一部に、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上である粗面を備える請求項1又は請求項2に記載の双極板。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の双極板と、前記双極板の外周に設けられる枠体とを備えるセルフレーム。
  5. 請求項4に記載のセルフレームを備えるセルスタック。
  6. 請求項5に記載のセルスタックを備えるレドックスフロー電池。
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