JPWO2018128073A1 - 自己修復膜、自己修復フィルム及び自己修復膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、自己修復性、延伸性、耐溶剤性及び防汚性に優れた自己修復膜を提供することである。また、それを有する自己修復フィルム及び自己修復膜の製造方法を提供することである。本発明の自己修復膜は、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、表面自由エネルギーが、30mN/m以下で、前記表面自由エネルギーを構成する双極子間力成分が、0.5mN/m以下であることを特徴とする。
Description
本発明は、自己修復膜、自己修復フィルム及び自己修復膜の製造方法に関する。より詳しくは、自己修復性、延伸性、耐溶剤性及び防汚性に優れた自己修復膜、それを有する自己修復フィルム及び自己修復膜の製造方法に関する。
車の外装保護として、耐傷性に優れた自己修復膜の技術開発が盛んに行われており、一般的には、自己修復性の観点からウレタンアクリレート系の材料を用いた自己修復膜が知られている。
近年、自己修復膜は、自己修復性に加えて近年高い耐溶剤性、防汚性が求められている。特許文献1には、含フッ素共重合体による自己修復膜が開示されている。しかし、フッ素系材料は価格が高い。また、基材との密着性に劣り、車の外装に成形して数か月すると、自己修復膜が剥がれてきてしまうという問題があった。
特許文献2には、エポキシ樹脂を用いた自己修復膜が開示されているが、ウレタンアクリレート系の材料を用いた自己修復フィルムに較べると自己修復性が弱く、室温での延伸性に問題があった。
特許文献3には、共重合体構造中にシリコーン部位を導入する自己修復膜が開示されている。しかし、シリコーン部を増やすと樹脂が硬くなってしまい、室温での延伸性や自己修復性が劣化してしまうという問題があった。さらに、表面に出てくるシリコーン部が多くないため、防汚性に劣るという問題があった。
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、自己修復性、延伸性、耐溶剤性及び防汚性に優れた自己修復膜を提供することである。また、それを有する自己修復フィルム及び自己修復膜の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について鋭意検討した結果、特定構造の共重合体を含有する自己修復膜の表面自由エネルギーを特定範囲に制御することにより、上記の課題解決されることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、表面自由エネルギーが、30mN/m以下で、前記表面自由エネルギーを構成する双極子間力成分が、0.5mN/m以下であることを特徴とする自己修復膜。
2.前記表面自由エネルギーが、27mN/m以下であることを特徴とする第1項に記載の自己修復膜。
3.シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート及びシランカップリング剤を重合成分として含有し、前記シランカップリング剤が、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有することを特徴とする自己修復膜。
4.前記シランカップリング剤のシラン部位が、ジメトキシシラン又はトリメトキシシランであることを特徴とする第3項に記載の自己修復膜。
5.第1項から第4項までのいずれか一項に記載の自己修復膜を、基材の一方の面に有し、その反対側の面に粘着層を有することを特徴とする自己修復フィルム。
6.前記基材がポリウレタンフィルムであることを特徴とする第5項に記載の自己修復フィルム。
7.第3項又は第4項に記載の自己修復膜を製造する自己修復膜の製造方法であって、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート、及びエポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有するシランカップリング剤を含有する重合成分を光又は熱により共重合することにより製造することを特徴とする自己修復膜の製造方法。
本発明の上記手段により、自己修復性、延伸性、耐溶剤性及び防汚性に優れた自己修復膜を提供することができる。また、それを有する自己修復フィルム及び自己修復膜の製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の自己修復膜は、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、表面自由エネルギーが、30mN/m以下で、前記表面自由エネルギーを構成する双極子間力成分が、0.5mN/m以下であることを特徴とする。
この自己修復膜は、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体の重合成分として、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有するシランカップリング剤(以下、本発明に係るシランカップリング剤ともいう。)を用いることにより達成される。このようなシランカップリング剤を、シリコーン部を有するウレタン(メタ)アクリレートの共重合成分として加えることにより、シランカップリング剤の有する特定の官能基、例えばエポキシ基がウレタン(メタ)アクリレート成分と共重合し、最表層にシランカップリング剤のSi側の官能基が配向し、配向したSi官能基とシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレートの重合成分であるシリコーン部位が反応し、Si−O−Siの結合が表面に形成されていると推定される。
このため、接触角評価結果でも明らになっているが、表面自由エネルギーを構成する双極子間力成分が少なくなっており、表面が疎水的になっていると考えられる。つまり、最表層がガラス化しているため、耐溶剤性及び防汚性の改良が実現できるものと考えられる。一方で、膜面方向に強固なガラス結合が形成されているわけではないため、良好な室温での延伸適性を有することができるものと考えられる。
さらに、本発明に係る自己修復膜は硬化する際のウレタン(メタ)アクリレート架橋において、ポリウレタンやポリエチレンテレフタレート(PET)やアクリル樹脂などの基材の官能基とも架橋結合するため、ポリウレタンやPETやアクリル樹脂などの基材との密着性にすぐれた自己修復フィルムが得られるものと推定している。
本発明の自己修復膜は、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、表面自由エネルギーが、30mN/m以下で、前記表面自由エネルギーを構成する双極子間力成分が、0.5mN/m以下であることを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記表面自由エネルギーが、27mN/m以下であることが好ましい。
さらに、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート及びシランカップリング剤を重合成分として含有し、前記シランカップリング剤が、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有することを特徴とする自己修復膜であることが好ましい。これにより、本発明の効果が得られる。
本発明の実施態様としては、前記シランカップリング剤のシラン部位が、ジメトキシシラン又はトリメトキシシランであることがシラン部位の表面への配向性の観点から好ましい。
さらに、本発明の実施態様として、自己修復膜を基材の一方の面に有し、その反対側の面に粘着層を有する自己修復フィルムであることが好ましい。また、前記基材がポリウレタンフィルムであることが好ましい。
本発明の自己修復膜を製造する自己修復膜の製造方法としては、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート、及びエポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有するシランカップリング剤を含有する重合成分を光又は熱により共重合することにより製造することを特徴とする自己修復膜の製造方法であることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
ここで、「自己修復性」とは、自己修復膜が擦過、打撃等を受けて表面に傷が形成されたとき、外部からの修復操作を必要とせず、直ちにあるいは短時間の経時により当該傷が消失し、傷を受ける前の状態に戻ることをいう。本発明においては、傷を形成後、1時間常温(23℃)に放置した後の傷の回復状態について評価することで自己修復性を評価する。評価方法等については後述する。
《自己修復膜の概要》
本発明の自己修復膜は、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、表面自由エネルギーが、30mN/m以下で、前記表面自由エネルギーを構成する双極子間力成分が、0.5mN/m以下であることを特徴とする。この自己修復膜は、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート及びシランカップリング剤を重合成分として含有し、前記シランカップリング剤が、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有することを特徴とする自己修復膜により達成される。
本発明の自己修復膜は、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、表面自由エネルギーが、30mN/m以下で、前記表面自由エネルギーを構成する双極子間力成分が、0.5mN/m以下であることを特徴とする。この自己修復膜は、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート及びシランカップリング剤を重合成分として含有し、前記シランカップリング剤が、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有することを特徴とする自己修復膜により達成される。
特定の官能基を有するシランカップリング剤を加えることにより、シランカップリング剤の例えば、エポキシ基がウレタン(メタ)アクリレート成分と共重合し、表層にSi側の官能基が配向する。配向したSi官能基とシリコーン部位が反応し、Si−O−Siの結合が表面に形成されていると推定される。このため、耐溶剤性及び防汚性の改良が実現できるものと考えられる。
〈自己修復膜の表面自由エネルギー〉
一般に、固体の表面自由エネルギーは、分散力、双極子力、水素結合力の各成分に分けて考えることができる。
一般に、固体の表面自由エネルギーは、分散力、双極子力、水素結合力の各成分に分けて考えることができる。
本発明において、自己修復膜の表面自由エネルギーは30mN/m以下である。下限は20mN/m以上であることが、室温での延伸性を持たせる観点から好ましい。表面自由エネルギーが30mN/mを超えると、表面に活性があるため、汚れが付着しやすくなり、防汚性が劣化するため、また有機溶剤などに対しても付着・浸透性が増すため、耐溶剤性の観点からも好ましくない。また下限が、20mN/mを下回るようにするには、剛直な無機表面材料の表面にする必要があり、材料の延伸性を持たせる観点から20mN/m以上であることが好ましい。
本発明においては、さらに、表面自由エネルギーを構成する双極子間力成分が、0.5mN/m以下であり、好ましくは、0〜0.3mN/mの範囲内である。双極子間力成分が小さいとことにより、表層に電荷が溜まりにくく、防汚性を強くする効果があるため好ましい。双極子間力成分が0.5mN/mを超えると防汚性が劣化するため好ましくない。
本発明においては、自己修復膜の表面自由エネルギー及びその双極子間力成分は、次のようにして測定することができる。
測定装置:固液界面解析装置(DropMaster500、協和界面科学株式会社製)
測定方法:液滴法
環境 :温度23℃、55%RH
3種の標準液体:純水、ニトロメタン、ヨウ化メチレンと、被測定固体(自己修復膜)との接触角を、JIS R3257で規定される方法に準拠して前記標準液体を被測定固体上に3μL滴下して、固液界面解析装置(DropMaster500、協和界面科学株式会社製)により5回測定し、測定値の平均から平均接触角を得る。接触角測定までの時間は試薬を滴下してから60秒後に測定する。
測定方法:液滴法
環境 :温度23℃、55%RH
3種の標準液体:純水、ニトロメタン、ヨウ化メチレンと、被測定固体(自己修復膜)との接触角を、JIS R3257で規定される方法に準拠して前記標準液体を被測定固体上に3μL滴下して、固液界面解析装置(DropMaster500、協和界面科学株式会社製)により5回測定し、測定値の平均から平均接触角を得る。接触角測定までの時間は試薬を滴下してから60秒後に測定する。
次に、Young−Dupreの式及び拡張Fowkesの式に基づき、固体の表面自由エネルギーの3成分を算出する。 この場合、表面自由エネルギー解析ソフトEG−11(協和界面科学株式会社製)を用いて計算することができる。
Young−Dupreの式:WSL=γL(1+cosθ)
WSL:液体/固体間の付着エネルギー
γL:液体の表面自由エネルギー
θ:液体/固体の接触角
拡張Fowkesの式:
WSL=2{(γsdγLd)1/2+(γspγLp)1/2+(γshγLh)1/2}
γL=γLd+γLp+γLh:液体の表面自由エネルギー
γs=γsd+γsp+γsh:固体の表面自由エネルギー
γsd、γsp、γsh:表面自由エネルギーの分散力、双極子力、水素結合力の各成分
標準液体の表面自由エネルギー各成分値(mN/m)は、表Iのように既知であるので、接触角の値から3元連立方程式を解くことにより、被測定固体表面の表面自由エネルギー各成分値(γsd、γsp、γsh)を求めることができる。
WSL:液体/固体間の付着エネルギー
γL:液体の表面自由エネルギー
θ:液体/固体の接触角
拡張Fowkesの式:
WSL=2{(γsdγLd)1/2+(γspγLp)1/2+(γshγLh)1/2}
γL=γLd+γLp+γLh:液体の表面自由エネルギー
γs=γsd+γsp+γsh:固体の表面自由エネルギー
γsd、γsp、γsh:表面自由エネルギーの分散力、双極子力、水素結合力の各成分
標準液体の表面自由エネルギー各成分値(mN/m)は、表Iのように既知であるので、接触角の値から3元連立方程式を解くことにより、被測定固体表面の表面自由エネルギー各成分値(γsd、γsp、γsh)を求めることができる。
《自己修復膜の具体的構成》
本発明の自己修復膜は、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート及びシランカップリング剤を重合成分として含むシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、前記シランカップリング剤が、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有することを特徴とする。
本発明の自己修復膜は、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート及びシランカップリング剤を重合成分として含むシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、前記シランカップリング剤が、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有することを特徴とする。
〈自己修復膜の主な構成材料〉
本発明に係るシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体は、シランカップリング剤を、シリコーン部を有するウレタン(メタ)アクリレートの共重合成分として有するものであり、例えば、以下の(a)〜(d)及び(s)に示す、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物、及び本発明に係るシランカップリング剤を反応させて得ることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」、「メタクリロイル基」又はこれらの両者を含むものを表すものとする。すなわち、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物は、アクリロイル基を有するイソシアネート化合物、メタクリロイル基を有するイソシアネート化合物、又はこの両者の混合物のいずれであってもよい。したがって、本発明のシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体中の、(メタ)アクリロイル部は、アクリロイル基構造、メタクリロイル基構造、又はこの両構造を有するもの、いずれであってもよい。
(a)ポリオール
(b)ポリイソシアネート
(c)シリコーンポリオール
(d)(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物
(s)本発明に係るシランカップリング剤
本発明のシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体は、例えば、(a)〜(d)及び(s)を反応させることにより形成でき、(a)と(b)の反応により形成されるポリウレタン(ウレタンオリゴマー含む。以後同じ。)構造中に(c)由来のシリコーン部が導入され、その共重合体分子末端に(d)由来の(メタ)アクリロイル基が結合し、さらにシランカプリング剤を共重合成分として含有する共重合体である。使用するポリオール及びポリイソシアネートにより、共重合体の分子末端数は異なるが、少なくとも一つの分子末端に、好ましくは全てに(メタ)アクリロイル基が結合している。シランカップリング剤はシリコーン部位に反応し、Si−O−Si結合を形成するものと考えられる。
本発明に係るシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体は、シランカップリング剤を、シリコーン部を有するウレタン(メタ)アクリレートの共重合成分として有するものであり、例えば、以下の(a)〜(d)及び(s)に示す、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物、及び本発明に係るシランカップリング剤を反応させて得ることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」、「メタクリロイル基」又はこれらの両者を含むものを表すものとする。すなわち、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物は、アクリロイル基を有するイソシアネート化合物、メタクリロイル基を有するイソシアネート化合物、又はこの両者の混合物のいずれであってもよい。したがって、本発明のシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体中の、(メタ)アクリロイル部は、アクリロイル基構造、メタクリロイル基構造、又はこの両構造を有するもの、いずれであってもよい。
(a)ポリオール
(b)ポリイソシアネート
(c)シリコーンポリオール
(d)(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物
(s)本発明に係るシランカップリング剤
本発明のシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体は、例えば、(a)〜(d)及び(s)を反応させることにより形成でき、(a)と(b)の反応により形成されるポリウレタン(ウレタンオリゴマー含む。以後同じ。)構造中に(c)由来のシリコーン部が導入され、その共重合体分子末端に(d)由来の(メタ)アクリロイル基が結合し、さらにシランカプリング剤を共重合成分として含有する共重合体である。使用するポリオール及びポリイソシアネートにより、共重合体の分子末端数は異なるが、少なくとも一つの分子末端に、好ましくは全てに(メタ)アクリロイル基が結合している。シランカップリング剤はシリコーン部位に反応し、Si−O−Si結合を形成するものと考えられる。
なお、以後、特に断らない限り、「本共重合体」と称した場合は本発明に係るシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を指すものとする。また、(a)と(b)の反応によるポリウレタン形成部をウレタン部と称する。
本共重合体中のシリコーン部の含有量は、質量においてウレタン部より少なく、本共重合体全量に対して0.5〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜7質量%が特に好ましい。0.5質量%以上含有することにより、硬化物の自己修復性が良好となるからである。15質量%以下であれば、硬化物に濁りが生じず、透明な硬化物が得られるからである。
シランカップリング剤の配合量としては、自己修復膜の全固形分に対して0.2〜5質量%が望ましい。0.2質量%以上であれば、大きな効果が得られ、5質量%よりも少なければ、材料がブリードアウトし、自己修復膜が白化してしまうこともない。
本共重合体の重量平均分子量は、3000〜150000が好ましく、3500〜100000がより好ましく、4000〜60000がさらに好ましい。重量平均分子量が3000以上であれば、硬化物の自己修復性と引張強度等の機械的強度を両立できるからである。また、150000以下であれば、塗布等のハンドリング性の面で好適なためである。
本共重合体(シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体)の好ましい一つの形態(以後、「第1形態」と称する。)は、(b)のポリイソシアネートが、非環式脂肪族ジイソシアネート、環式脂肪族ジイソシアネート、又はそれらの混合物である。以後、当該ジイソシアネートを「脂肪族系ジイソシアネート」と称する。当該脂肪族系ジイソシアネートを使用することにより、硬化物の透明性、耐候性及び耐変色性が良好となる。
これらの特性が良好となる点で、脂肪族系ジイソシアネート中の「NCO」含有量は15〜50質量%であることが好ましい。
また、第1形態において、硬化物の自己修復性及び耐擦傷性が良好となる点で、(a)のポリオールは、ポリカーボネートを主成分とするポリオールであることが好ましい。(a)の全てがポリカーボネートジオールであることがより好ましく、複数のメチレン基が連結したアルキレン基を有するポリカーボネートジオールがさらに好ましい。以後、当該ポリカーボネートジオールを「アルキレン基含有ポリカーボネートジオール」と称する。
上記硬化物の特性が良好となる点で、アルキレン基含有ポリカーボネートジオールのホドロキシ価は、100〜250mgKOH/gであることが好ましい。なお、後述する第2形態においても、当該ジオールを使用する場合は同様である。
第1形態において、上記のとおり、アルキレン基含有ポリカーボネートジオールと脂肪族系ジイソシアネートとの反応によりウレタン部を形成することが、本発明の効果を高レベルで発現する点で好ましい。しかし、ポリオール中のアルキレン基含有ポリカーボネートジオールの含有割合が、70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であれば、本発明の効果を一定レベルで満足し得るので、他のポリオールを併用することができる。
また、ジイソシアネート中の脂肪族系ジイソシアネートの含有割合が、70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であれば、本発明の効果を一定レベルで満足し得るので、芳香族系ジイソシアネートを併用することができる。
第1形態におけるアルキレン基含有ポリカーボネートジオールは、その分子中にヒドロキシ基を二つ有するポリカーボネートジオールであって、例えば、ジオール化合物とエチレンカーボネートとの反応により得ることができる。ジオール化合物としては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、及び2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール等の、直鎖又は分岐鎖アルカンジオール等を挙げることができる。また、これらのアルキレン基とともに、脂環構造、芳香環構造及びその両者をその骨格内に含むジオール化合物であってもよい。本共重合体のウレタン部中のジオール化合物由来部は、上記ジオール化合物のいずれか1種類であっても、2種以上が併用されたものであってもよい。
第1形態における脂肪族系ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及びジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(H12MDI)等を挙げることができ、これらのいずれか1種類であっても、2種以上が併用されたものであってもよい。
第1形態において、併用可能な他のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の低分子量ポリオールや、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合物等のポリエーテルポリオールを挙げることができる。また、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール等のポリエステルポリオールを挙げることができる。
また、第1形態において、併用可能な芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート等を挙げることができる。
第1形態における(c)シリコーンポリオールはシリコーンジオールであることが好ましい。シリコーンジオールは、例えば、下記式(1)で表されるジアルキルポリシロキサン、又は式(2)に示すその誘導体化合物を例示できる。なお、経済性の点で各式中のRはメチル基が好ましく、nはポリオールとの相溶性の点で4〜30が好ましい。また、良好な自己修復性及び高い透明性の硬化物が得られる点で、式(1)及び(2)に示すシリコーンジオールの分子量はいずれも、重量平均分子量で300〜5000が好ましく、500〜3000がより好ましい。
上記X及びY中に含まれ得るジアルキルシランは、Siが1個のものでも、2〜4個つながったポリシランでもよく、経済性の点でジメチルシラン基が好ましい。
(c)のシリコーンポリオール由来のシリコーン部は、ウレタン部の途中、即ち、(a)と(b)の反応で形成されるポリウレタン鎖(ウレタン部)の、任意の位置に組み込まれている。具体的には、シリコーンジオールの両末端のヒドロキシ基が(b)ジイソシアネートのイソシアネート基と反応し、(a)のジオールと同様にウレタン結合を形成してウレタン部中に組み込まれるものである。ここで、当該(c)と(b)の反応部を便宜的にシリコーンウレタン部と称し、(a)〜(c)の反応生成物をシリコーン部含有ポリウレタンと称し、(a)〜(d)及び(s)の反応生成物を本発明の共重合体である、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体と称す。
シランカップリング剤は、(a)〜(c)の反応後に用いても良いし、(c)のシリコーンポリオール由来のシリコーン部を形成するときに用いても良いし、(a)〜(d)及び(s)を共重合させて本発明のシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を作製しても良い。
なお、第1形態の別の形成例として次の例を挙げることができる。即ち、シリコーン部含有ポリウレタン末端に(メタ)アクリロイル基を導入するに当たり、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを使用する例を挙げることができる。すなわち、上記(a)〜(c)の反応後、(d)の(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物の代わりに、(e)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて第1形態を製造することもできる。
(e)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
次に、本共重合体(シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体)の好ましい他の形態(以後、「第2形態」と称する。)について説明する。第2形態は、本共重合体形成のためのポリイソシアネートとして、3〜6個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと、ジイソシアネートとを併用して使用する。
自己修復性をより良好にする点で、3〜6個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート中の「NCO」含有量は10〜25質量%であることが好ましい。
具体的には、(a)アルキレン基含有ポリカーボネートジオール、(b)脂肪族系ジイソシアネート、及び(c)シリコーンポリオールの反応によって形成されたシリコーン含有ポリウレタンの片末端が、(f)3〜6個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと結合し、もう一方の末端に(メタ)アクリロイル基が結合しており、かつ重合成分として本発明に係るシランカップリング剤を含有する構造である。
第2形態は、本発明の課題である自己修復性を高レベルで解決できるため、特に好ましい。(f)3〜6個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートとしては、例えば、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系アダクト型ポリイソシアネート、HDI系アロファネート型ポリイソシアネート、HDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、及びIPDI(イソホロンジイソシアネート)系イソシアヌレート型ポリイソシアネート等を挙げることができ、イソシアヌレート環を有するポリイソシアネートが好ましい。硬化物の自己修復性に加えて耐擦傷性をより高度に達成できるからである。
また、第2形態においても、第1形態で説明した「併用可能なポリオール」及び「併用可能な芳香族イソシアネート」を、第1形態と同様の範囲内で併用して使用することができる。
シランカップリング剤を除く本発明のシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレートを構成する、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネートの各モノマーを含有する物として、市販品としては、自己修復液AUP−787((株)トクシキ製)や2液タイプのS800C、S800HC(ATT(株)製)を挙げることができる。
(シランカップリング剤)
本発明の自己修復膜においては、重合成分であるシランカップリング剤は、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有する。このような官能基、例えば、エポキシ基がウレタン(メタ)アクリレート成分と共重合し、表層にSi側の官能基が配向する。配向したSi官能基とシリコーン部位が反応し、Si−O−Siの結合が表面に形成されていると推定される。このため、耐溶剤性及び防汚性の改良が実現できるものと考えられる。
本発明の自己修復膜においては、重合成分であるシランカップリング剤は、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有する。このような官能基、例えば、エポキシ基がウレタン(メタ)アクリレート成分と共重合し、表層にSi側の官能基が配向する。配向したSi官能基とシリコーン部位が反応し、Si−O−Siの結合が表面に形成されていると推定される。このため、耐溶剤性及び防汚性の改良が実現できるものと考えられる。
また、シランカップリング剤のシラン部位が、ジメトキシシラン又はトリメトキシシランであることが、シラン部位の表面への配向性の観点から好ましい。
本発明に用いられるシランカップリング剤は、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有するものであれば、シランカップリング剤は特に限定されない。
このようなものとして、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
《用途》
本発明に係るシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体は、本発明に係る重合成分を光又は熱により共重合することにより製造することができる。具体的には、熱や、紫外線(UV)、電子線及び放射線などのいわゆる活性エネルギー線の照射により、自己修復性、耐擦傷性、耐摩耗性及び耐溶剤性に優れた硬化物を形成することができる。したがって、電子機器分野、自動車分野など各種分野に適用可能な、従来にない自己修復性を有するコーティングシート、保護シート、粘着シート等の用途に使用できる。さらには、スマートフォン、タブレットパソコン、及び携帯電話等の携帯端末、並びにノートパソコン等の筐体としても使用できる。
本発明に係るシリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体は、本発明に係る重合成分を光又は熱により共重合することにより製造することができる。具体的には、熱や、紫外線(UV)、電子線及び放射線などのいわゆる活性エネルギー線の照射により、自己修復性、耐擦傷性、耐摩耗性及び耐溶剤性に優れた硬化物を形成することができる。したがって、電子機器分野、自動車分野など各種分野に適用可能な、従来にない自己修復性を有するコーティングシート、保護シート、粘着シート等の用途に使用できる。さらには、スマートフォン、タブレットパソコン、及び携帯電話等の携帯端末、並びにノートパソコン等の筐体としても使用できる。
本共重合体を得る方法としては、次のような方法を挙げることができる。例えば、シート状の硬化物を形成する場合には、まず、本共重合体を所定の基板上等に、バーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、又はスプレー等の塗工装置によって塗布する。
つづいて、本共重合体又は共重合体組成物に溶媒等の溶剤が含有されている場合は、乾燥等によって溶剤を除去し、紫外線、電子線、X線等の活性エネルギー線を照射して硬化させる。活性エネルギー線照射装置としては、紫外線ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、レーザー光照射装置、電子線照射装置等を挙げることができる。簡便性及び経済性の点で、紫外線ランプ等による紫外線を使用することが好適である。照射線量としては、例えば紫外線照射の場合は、500〜1000mJ/cm2程度が好ましい。
なお、硬化に当たっては、必要により適宜硬化剤(重合開始剤)を常法にしたがって使用してもよい。
電気・電子機器製品等の筐体などの成形体硬化物を得る場合は、例えば、ニート状の本共重合体又は共重合体組成物を加熱して金型に注入して加工することによって、所望の形状の成形体硬化物とする方法を挙げることができる。また2液タイプでモノマーを含有する場合は、2液を混合した後熱硬化させることもできる。
《自己修復フィルム》
本発明の自己修復フィルムは、基材の一方の面に自己修復膜を有し、その反対側の面に粘着層を有する。
本発明の自己修復フィルムは、基材の一方の面に自己修復膜を有し、その反対側の面に粘着層を有する。
〈基材〉
基材としては、ポリウレタンフィルム、PETフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルムなどが好ましい。この中では、基材は、ポリウレタンフィルムであることが好ましい。
基材としては、ポリウレタンフィルム、PETフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルムなどが好ましい。この中では、基材は、ポリウレタンフィルムであることが好ましい。
〈粘着層〉
粘着剤層を形成する粘着剤は、特に限定されず、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等、一般的なものを使用することができるが、低温での接着性や高温での保持性、コスト面等を考慮するとアクリル系の粘着剤が好ましい。
粘着剤層を形成する粘着剤は、特に限定されず、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等、一般的なものを使用することができるが、低温での接着性や高温での保持性、コスト面等を考慮するとアクリル系の粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤としては、アクリル酸エステルを主体とするモノマー成分に、カルボキシ基やヒドロキシ基等の官能基を有するモノマー成分を共重合したアクリル系共重合体(2種類以上であってもよい)を含むアクリル系粘着剤を用いることができる。
粘着剤層の厚さについて、特に限定はなく任意に設定することができるが、通常は20μm以上であることが好ましく、更に好ましくは30μm以上、特に好ましくは40μm以上である。ただし、上限値は通常1000μm程度であることが好ましい。
なお、当該粘着シートを使用するまでの間は、粘着剤層の表面を剥離ライナーで保護しておき、使用時に剥離ライナーを剥離して粘着シートを用いてもよい。なお、剥離ライナーとしては、例えば、セパレーターを用いることができる。
セパレーターとしては、特に限定されず、慣用の剥離紙、剥離処理層を有するセパレーター、フッ素ポリマーからなる低接着性基材、無極性ポリマーからなる低接着性基材などを使用できる。セパレーターの厚さ等も特に限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〔実施例1〕
以下の実施例で用いた材料を記す。
・AUP−787((株)トクシキ製自己修復液):シリコーン部を共重合成分として有するウレタン(メタ)アクリレート生成用モノマー。
・S800C(ATT(株)製:S800HCを対とする2液系の硬化剤(主剤)):ポリオール((メタ)アクリル系)、ポリシロキサンを含有する。
・S800HC(ATT(株)製:S800Cを対とする2液系の硬化剤):ポリイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートを含有する。
・KBM−802(信越化学工業(株)製):3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(メルカプト基を有するシランカップリング剤)
・KBM−403(信越化学工業(株)製):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシ基を有するシランカップリング剤)
・KBM−903(信越化学工業(株)製):3−アミノプロピルトリエトキシシラン(アミノ基を有するシランカップリング剤)
〈自己修復膜1の作製〉
(塗布液の調製)
以下の塗布液を調製した。
以下の実施例で用いた材料を記す。
・AUP−787((株)トクシキ製自己修復液):シリコーン部を共重合成分として有するウレタン(メタ)アクリレート生成用モノマー。
・S800C(ATT(株)製:S800HCを対とする2液系の硬化剤(主剤)):ポリオール((メタ)アクリル系)、ポリシロキサンを含有する。
・S800HC(ATT(株)製:S800Cを対とする2液系の硬化剤):ポリイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートを含有する。
・KBM−802(信越化学工業(株)製):3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(メルカプト基を有するシランカップリング剤)
・KBM−403(信越化学工業(株)製):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシ基を有するシランカップリング剤)
・KBM−903(信越化学工業(株)製):3−アミノプロピルトリエトキシシラン(アミノ基を有するシランカップリング剤)
〈自己修復膜1の作製〉
(塗布液の調製)
以下の塗布液を調製した。
自己修復液AUP−787(固形分50%) 100質量部
〈塗布及び硬化〉
厚さ150mのポリウレタンフィルム上に乾燥後膜厚が20μmの厚さになるように塗布液を塗布し、90℃で1min乾燥した後、紫外線照射装置ECS−1511U(アイグラフィックス社製)で1000mJ/cm2のUV光を、照射して樹脂を硬化させて自己修復膜1を作製した。
〈塗布及び硬化〉
厚さ150mのポリウレタンフィルム上に乾燥後膜厚が20μmの厚さになるように塗布液を塗布し、90℃で1min乾燥した後、紫外線照射装置ECS−1511U(アイグラフィックス社製)で1000mJ/cm2のUV光を、照射して樹脂を硬化させて自己修復膜1を作製した。
〈自己修復膜2の作製〉
(塗布液の調製)
以下の塗布液を用いた以外は自己修復膜1の作製と同様にして自己修復膜2を作製した。
(塗布液の調製)
以下の塗布液を用いた以外は自己修復膜1の作製と同様にして自己修復膜2を作製した。
AUP−787(固形分50%) 100質量部
KBM−802(シランカップリング剤) 0.50質量部
〈自己修復膜3の作製〉
(塗布液の調製)
以下の塗布液を用いた以外は自己修復膜1の作製と同様にして自己修復膜3を作製した。
KBM−802(シランカップリング剤) 0.50質量部
〈自己修復膜3の作製〉
(塗布液の調製)
以下の塗布液を用いた以外は自己修復膜1の作製と同様にして自己修復膜3を作製した。
AUP−787(固形分50%) 100質量部
ポリシロキサン(KF−53信越化学工業(株)製) 1質量部
〈自己修復膜4の作製〉
(塗布液の調製)
以下の塗布液を調製した。
ポリシロキサン(KF−53信越化学工業(株)製) 1質量部
〈自己修復膜4の作製〉
(塗布液の調製)
以下の塗布液を調製した。
S800C(主剤(固形分50%)) 100質量部
S800HC(硬化剤(固形分50%) 100質量部
KBM−403(シランカップリング剤(固形分100%))
0.50質量部
〈塗布及び硬化〉
厚さ150μmのポリウレタンフィルム上に、乾燥後20μmの厚さになるように塗布液を塗布し、90℃で3min乾燥した後、塗膜上にセパレートフィルムをラミネートして、フィルムを巻き取った。その後、40℃の環境下で3日間エージング処理を施して、自己修復膜4を得た。
S800HC(硬化剤(固形分50%) 100質量部
KBM−403(シランカップリング剤(固形分100%))
0.50質量部
〈塗布及び硬化〉
厚さ150μmのポリウレタンフィルム上に、乾燥後20μmの厚さになるように塗布液を塗布し、90℃で3min乾燥した後、塗膜上にセパレートフィルムをラミネートして、フィルムを巻き取った。その後、40℃の環境下で3日間エージング処理を施して、自己修復膜4を得た。
〈自己修復膜5の作製〉
以下の塗布液を用いた以外は自己修復膜4の作製と同様にして自己修復膜5を作製した。
以下の塗布液を用いた以外は自己修復膜4の作製と同様にして自己修復膜5を作製した。
S800C(主剤(固形分50%)) 100質量部
S800HC(硬化剤(固形分50%) 100質量部
KBM−903(シランカップリング剤(固形分100%))
0.50質量部
〈自己修復膜6の作製〉
以下の塗布液を用いた以外は自己修復膜4の作製と同様にして自己修復膜6を作製した。
S800HC(硬化剤(固形分50%) 100質量部
KBM−903(シランカップリング剤(固形分100%))
0.50質量部
〈自己修復膜6の作製〉
以下の塗布液を用いた以外は自己修復膜4の作製と同様にして自己修復膜6を作製した。
S800C(主剤(固形分50%)) 100質量部
S800HC(硬化剤(固形分50%) 100質量部
〈自己修復膜7の作製〉
特開2013−177535号公報に記載の含フッ素共重合体1を比較試料に用いた。すなわち、含フッ素共重合体1の調製液を用い、厚さ150μmのポリウレタンフィルム上に、乾燥後20μmの厚さになるように塗布し、80℃で60min乾燥して、含フッ素共重合体を含有する自己修復膜7を作製した。
S800HC(硬化剤(固形分50%) 100質量部
〈自己修復膜7の作製〉
特開2013−177535号公報に記載の含フッ素共重合体1を比較試料に用いた。すなわち、含フッ素共重合体1の調製液を用い、厚さ150μmのポリウレタンフィルム上に、乾燥後20μmの厚さになるように塗布し、80℃で60min乾燥して、含フッ素共重合体を含有する自己修復膜7を作製した。
〈自己修復膜8の作製〉
特開2007−284613号公報に記載の実施例1に記載のコーティング剤の硬化物を比較試料に用いた。すなわち、当該実施例1に記載のコーティング剤を用い、厚さ150μmのポリウレタンフィルム上に乾燥後膜厚が20μmの厚さになるように塗布し、90℃で1min乾燥した後、紫外線照射装置ECS−1511U(アイグラフィックス社製)で1000mJ/cm2のUV光を、照射して樹脂を硬化させ、エポキシ樹脂を含有する自己修復膜8を作製した。
特開2007−284613号公報に記載の実施例1に記載のコーティング剤の硬化物を比較試料に用いた。すなわち、当該実施例1に記載のコーティング剤を用い、厚さ150μmのポリウレタンフィルム上に乾燥後膜厚が20μmの厚さになるように塗布し、90℃で1min乾燥した後、紫外線照射装置ECS−1511U(アイグラフィックス社製)で1000mJ/cm2のUV光を、照射して樹脂を硬化させ、エポキシ樹脂を含有する自己修復膜8を作製した。
以上作製した自己修復膜1〜8の主な構成を表IIに示した。
《評価》
上記作製した自己修復膜1〜8について、耐溶剤性、防汚性、延伸性及び自己修復性の評価を行った。
上記作製した自己修復膜1〜8について、耐溶剤性、防汚性、延伸性及び自己修復性の評価を行った。
〈耐溶剤性〉
ガラスに貼りつけたフィルムの上に、23℃、55%RH環境下、下記4種の溶剤1mLをベンコットに含ませ、それを摩耗試験装置に取り付けて、500gの荷重をかけた状態で10往復させた後、試験の前後でのフィルムのヘイズの変化を測定し、以下のランク付けを行った。
ガラスに貼りつけたフィルムの上に、23℃、55%RH環境下、下記4種の溶剤1mLをベンコットに含ませ、それを摩耗試験装置に取り付けて、500gの荷重をかけた状態で10往復させた後、試験の前後でのフィルムのヘイズの変化を測定し、以下のランク付けを行った。
(溶剤)
メチルエチルケトン(MEK)
ジクロロメタン
ガソリン
キャブレタークリナー
(ヘイズ)
○:ヘイズ変化が0.5%未満
△:ヘイズ変化が0.5%以上、1%未満
×:ヘイズ変化が1%以上
メチルエチルケトン(MEK)
ジクロロメタン
ガソリン
キャブレタークリナー
(ヘイズ)
○:ヘイズ変化が0.5%未満
△:ヘイズ変化が0.5%以上、1%未満
×:ヘイズ変化が1%以上
〈防汚性〉
ガラスに貼りつけたフィルムに、標準土壌(金属成分分析用土壌認証標準物質 JSAC 0401、JSAC 0411、日本分析化学会)を5質量%分散させた水溶液を0.1mL滴下し、80℃のオーブンで1時間乾燥した後、汚れの付着性を評価し、以下のランク付けを行った。
ガラスに貼りつけたフィルムに、標準土壌(金属成分分析用土壌認証標準物質 JSAC 0401、JSAC 0411、日本分析化学会)を5質量%分散させた水溶液を0.1mL滴下し、80℃のオーブンで1時間乾燥した後、汚れの付着性を評価し、以下のランク付けを行った。
◎:純水を十分に含ませたベンコットで汚れを拭き取ると、1回で汚れが取れる
○:10回拭き取ると、汚れが取れている
△:10回拭き取っても、滴下部の5%未満の領域で汚れが付着している
×:10回拭き取っても、滴下部の5%以上の領域で汚れが付着している
〈延伸性〉
室温(23℃)において、2cm×10cmに切り出したフィルムを引っ張り試験機にて引っ張り評価をした。未延伸状態を100%とした時、延伸後のフィルムクラック発生有無を目視で確認した。
○:10回拭き取ると、汚れが取れている
△:10回拭き取っても、滴下部の5%未満の領域で汚れが付着している
×:10回拭き取っても、滴下部の5%以上の領域で汚れが付着している
〈延伸性〉
室温(23℃)において、2cm×10cmに切り出したフィルムを引っ張り試験機にて引っ張り評価をした。未延伸状態を100%とした時、延伸後のフィルムクラック発生有無を目視で確認した。
○:200%にまでフィルムを延伸しても、クラック発生は見られなかった
△:200%未満の延伸状態においては、クラック発生が見られなかった
×:150%の延伸状態で、クラックが発生する
〈自己修復性〉
真鍮ブラシのブラシ部分を摩擦試験装置に取り付け、荷重2000gで硬化塗膜に押し付け、100mmで速度500mm/minでフィルム上を10往復させた。各試料の塗膜表面に5本以上の傷が形成されたことを確認し、室温(23℃)で1時間放置したのち、塗膜表面の傷の回復状態を目視観察した。
○:傷無し
△:傷が1〜5本
×:傷が5本より多い
以上の結果を以下の表IIIに示した。
△:200%未満の延伸状態においては、クラック発生が見られなかった
×:150%の延伸状態で、クラックが発生する
〈自己修復性〉
真鍮ブラシのブラシ部分を摩擦試験装置に取り付け、荷重2000gで硬化塗膜に押し付け、100mmで速度500mm/minでフィルム上を10往復させた。各試料の塗膜表面に5本以上の傷が形成されたことを確認し、室温(23℃)で1時間放置したのち、塗膜表面の傷の回復状態を目視観察した。
○:傷無し
△:傷が1〜5本
×:傷が5本より多い
以上の結果を以下の表IIIに示した。
上記表IIIの結果から、本発明の自己修復膜は、自己修復性、延伸性、耐溶剤性及び防
汚性に優れていることが分かる。
汚性に優れていることが分かる。
本発明の自己修復膜は、自己修復性、延伸性、耐溶剤性及び防汚性に優れ、電子機器分野、自動車分野など各種分野に適用可能な、従来にない自己修復性を有するコーティングシート、保護シート、粘着シート等の用途に使用できる。さらには、スマートフォン、タブレットパソコン、及び携帯電話等の携帯端末、並びにノートパソコン等の筐体としても使用できる。
Claims (7)
- シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、表面自由エネルギーが、30mN/m以下で、前記表面自由エネルギーを構成する双極子間力成分が、0.5mN/m以下であることを特徴とする自己修復膜。
- 前記表面自由エネルギーが、27mN/m以下であることを特徴とする請求項1に記載の自己修復膜。
- シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート共重合体を含有する自己修復膜であって、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート及びシランカップリング剤を重合成分として含有し、前記シランカップリング剤が、エポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有することを特徴とする自己修復膜。
- 前記シランカップリング剤のシラン部位が、ジメトキシシラン又はトリメトキシシランであることを特徴とする請求項3に記載の自己修復膜。
- 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の自己修復膜を、基材の一方の面に有し、その反対側の面に粘着層を有することを特徴とする自己修復フィルム。
- 前記基材がポリウレタンフィルムであることを特徴とする請求項5に記載の自己修復フィルム。
- 請求項3又は請求項4に記載の自己修復膜を製造する自己修復膜の製造方法であって、ポリオール、ポリイソシアネート、シリコーンポリオール、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート、及びエポキシ基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基又はイソシアネート基を有するシランカップリング剤を含有する重合成分を光又は熱により共重合することにより製造することを特徴とする自己修復膜の製造方法。
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