JPWO2018123612A1 - オーディオ信号再生装置及び再生方法、収音装置及び収音方法、並びにプログラム - Google Patents

オーディオ信号再生装置及び再生方法、収音装置及び収音方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

本技術は、より簡単な構成で、聴取位置での各スピーカからの聴取タイミングを一致させることができるようにするオーディオ信号再生装置及び再生方法、収音装置及び収音方法、並びにプログラムに関する。聴取位置に対して設置されたスピーカに供給するオーディオ信号を再生する再生部と、収音信号から得られる測定音の他のスピーカとの間隔に応じて、対象のスピーカに供給するオーディオ信号の遅延量を調整する調整部とを有し、収音信号は、聴取位置に設けられた収音装置で収音された測定音であって、測定信号に応じた測定音を含む信号であり、測定信号は、聴取位置に対して設置された複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、測定音を出力させる信号であるオーディオ信号再生装置が提供される。本技術は、例えば、AVアンプ装置やワイヤレススピーカ等のオーディオ信号再生装置に適用することができる。

Description

本技術は、オーディオ信号再生装置及び再生方法、収音装置及び収音方法、並びにプログラムに関し、特に、より簡単な構成で、聴取位置での各スピーカからの聴取タイミングを一致させることができるようにしたオーディオ信号再生装置及び再生方法、収音装置及び収音方法、並びにプログラムに関する。
マルチチャンネルのオーディオ信号によるサラウンド効果を正確に再現するためには、聴取位置から各スピーカへの距離は、全て等距離であることが望まれる。
しかしながら、一般の家庭において、複数のスピーカを配置する場合には、家屋の形状や家具類の配置による物理的な制限が生じ、必ずしも聴取位置から等距離の位置に配置できるとは限らない。
ここで、マルチチャンネルのオーディオ再生環境において、テスト用の信号を、複数のスピーカから再生して、これらのテスト音声を、聴取位置に設置されたマイクロフォンにより収音し、その収音信号から検出されるピーク間のずれに基づいたタイミング補正を行うことで、各スピーカからの聴取タイミングを一致させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、マルチチャンネルのオーディオ再生環境において、各スピーカからテスト用の信号を再生して、マイクロフォンにより収音し、その収音信号に基づいて、各スピーカの位置関係を算出する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−166106号公報 特開2006−101248号公報
ところで、上述した文献に開示されている技術では、各スピーカから再生された信号に応じた音を、聴取位置に置かれたマイクロフォンで収音して、距離測定等の解析処理を行っているが、スピーカ側でのテスト用の信号の再生動作と、マイクロフォン側での収音信号の収音動作の両動作が厳密に同期している必要がある。
ここで、スピーカ側の再生動作と、マイクロフォン側の収音動作とが、それぞれ独立した非同期動作となる場合には、スピーカ側とマイクロフォン側の両方に同期再生・収音機構を組み込む必要がある。
そのため、マルチチャンネルのオーディオ再生環境において、より簡単な構成で、聴取位置での各スピーカからの聴取タイミングを一致させるための技術が求められていた。
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より簡単な構成で、聴取位置での各スピーカからの聴取タイミングを一致させることができるようにするものである。
本技術の第1の側面のオーディオ信号再生装置は、聴取位置に対して設置されたスピーカに供給するオーディオ信号を再生する再生部と、収音信号から得られる測定音の他のスピーカとの間隔に応じて、対象のスピーカに供給する前記オーディオ信号の遅延量を調整する調整部とを備え、前記収音信号は、前記聴取位置に設けられた収音装置で収音された測定音であって、測定信号に応じた前記測定音を含む信号であり、前記測定信号は、前記聴取位置に対して設置された複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号であるオーディオ信号再生装置である。
本技術の第1の側面の再生方法及びプログラムは、上述した本技術の第1の側面のオーディオ信号再生装置に対応する再生方法及びプログラムである。
本技術の第1の側面のオーディオ信号再生装置、再生方法、及びプログラムにおいては、聴取位置に対して設置されたスピーカに供給するオーディオ信号が再生され、収音信号から得られる測定音の他のスピーカとの間隔に応じて、対象のスピーカに供給する前記オーディオ信号の遅延量が調整される。また、前記収音信号は、前記聴取位置に設けられた収音装置で収音された測定音であって、測定信号に応じた前記測定音を含む信号とされ、前記測定信号は、前記聴取位置に対して設置された複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号とされる。
本技術の第2の側面の収音装置は、聴取位置に対して設置された複数のスピーカから出力される、測定信号に応じた測定音を収音して、収音信号を得る収音部を備え、前記測定信号は、前記複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号であり、前記収音信号は、前記聴取位置で収音された前記測定音を含む信号である収音装置である。
本技術の第2の側面の収音方法及びプログラムは、上述した本技術の第2の側面の収音装置に対応する収音方法及びプログラムである。
本技術の第2の側面の収音装置、収音方法、及びプログラムにおいては、聴取位置に対して設置された複数のスピーカから出力される、測定信号に応じた測定音が収音され、収音信号が得られる。また、前記測定信号は、前記複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号とされ、前記収音信号は、前記聴取位置で収音された前記測定音を含む信号とされる。
なお、本技術の第1の側面のオーディオ信号再生装置、又は本技術の第2の側面の収音装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。
本技術の第1の側面及び第2の側面によれば、より簡単な構成で、聴取位置での各スピーカからの聴取タイミングを一致させることができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
複数のスピーカが理想的に配置された場合のマルチチャンネルオーディオシステムの構成例を示す図である。 携帯端末装置の構成例を示すブロック図である。 測定時の再生側の構成例を示すブロック図である。 測定処理の流れを説明するフローチャートである。 オーディオ信号再生装置から各スピーカに供給される信号の信号波形を時系列で表した図である。 スピーカが理想的な配置の場合の携帯端末装置により収音される収音信号の信号波形を時系列に表した図である。 測定信号再生処理の流れを説明するフローチャートである。 各スピーカ間に距離差がある配置の場合のマルチチャンネルオーディオシステムの構成例を示す図である。 各スピーカ間に距離差がある配置の場合の携帯端末装置により収音される収音信号の信号波形を時系列に表した図である。 再生時の再生側の構成例を示すブロック図である。 オーディオ信号再生処理の流れを説明するフローチャートである。 ワイヤレススピーカの構成例を示すブロック図である。 各ワイヤレススピーカ間に距離差がある配置の場合のワイヤレススピーカシステムの構成例を示す図である。 コンピュータの構成例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態:マルチチャンネルオーディオシステム
(1)測定時の各機器の構成と動作
(A)理想的な配置の場合
(B)各スピーカ間に距離差がある配置の場合
(2)再生時の各機器の構成と動作
2.第2の実施の形態:ワイヤレススピーカシステム
3.変形例
4.コンピュータの構成
<1.第1の実施の形態>
第1の実施の形態においては、本技術を適用したマルチチャンネルオーディオシステムについて説明する。このマルチチャンネルオーディオシステムでは、聴取位置から各スピーカまでの距離が一定でない場合に、各距離差に応じて、オーディオ信号の再生タイミングの調整を行うことで、聴取位置での各スピーカからの聴取タイミングを一定にさせることができるようにする。
ここでは、オーディオ信号を再生する前の測定時に、聴取位置で、当該聴取位置に対して設置された複数のスピーカから出力される測定音の収音を行っておくことで、オーディオ信号の再生時には、その収音結果に応じた再生タイミングの調整が行われることになる。
そこで、以下の説明では、まず、測定時の各機器の構成と動作について説明してから、その後に、再生時の各機器の構成と動作について説明する。また、測定時の説明では、聴取位置から各スピーカまでの距離が一定となる理想的な配置の場合と、各スピーカ間に距離差がある配置の場合とを比べながら説明する。
(1)測定時の各機器の構成と動作
(A)理想的な配置の場合
(マルチチャンネルオーディオシステムの構成)
図1は、複数のスピーカが理想的に配置された場合のマルチチャンネルオーディオシステムの構成例を示す図である。
図1において、マルチチャンネルオーディオシステム1では、聴取位置(聴取点)に置かれた携帯端末装置10に対し、センタスピーカ20−C、フロントLスピーカ20−L、フロントRスピーカ20−R、サラウンドLスピーカ20−SL、及びサラウンドRスピーカ20−SRが、理想的な位置に配置されている。
すなわち、図1のマルチチャンネルオーディオシステム1では、各スピーカ20が、理想的な位置に配置されているため、図中の聴取位置を中心とした点線の円との関係から明らかなように、携帯端末装置10が置かれた聴取位置から、各スピーカ20の配置位置までの距離は一定となる。なお、以下の説明では、マルチチャンネルオーディオシステム1を構成するスピーカ(C,L,R,SL,SR)を、特に区別する必要がない場合、単に、スピーカ20と称する。
携帯端末装置10は、例えば、スマートフォンや携帯電話機、ワイヤレスマイクロフォン、タブレット型コンピュータ、携帯音楽プレーヤ、ウェアラブルコンピュータ、ゲーム機等として構成される。なお、携帯端末装置10は、収音器としてのマイクロフォンを内蔵している機器(あるいは外部のマイクロフォンが取り付けられた機器)であればよく、携帯型の機器に限定されるものではない。
オーディオ信号を再生する前の測定時において、携帯端末装置10は、聴取位置で、各スピーカ20(C,L,R,SL,SR)から出力される測定音の収音を行うことで、各スピーカ20の距離差を求める。ただし、図1に示したように、各スピーカ20が理想的な位置に配置されている場合には、聴取位置から、各スピーカ20までの距離は一定となるので、各スピーカ20の距離差はなく、距離差に応じた再生タイミングの調整を行う必要はない。
なお、図1においては、各スピーカ20に対してオーディオ信号や測定信号(テスト用の信号)を供給するためのオーディオ信号再生装置や外部信号源の図示を省略しているが、マルチチャンネルオーディオシステム1には、後述するオーディオ信号再生装置30(図3)及び外部信号源40(図3)が含まれる。
(携帯端末装置の構成)
図2は、図1の携帯端末装置10の構成例を示すブロック図である。
図2において、携帯端末装置10は、処理部100、メモリ101、タッチパネル102、マイクロフォン103、スピーカ104、受信部105、送信部106、及び電源部107から構成される。
処理部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等から構成される。処理部100は、各種の演算処理や、各部の動作制御など、携帯端末装置10における中心的な処理装置として動作する。
メモリ101は、例えば、不揮発性メモリ(例えば、NVRAM(Non-Volatile RAM)等)などの半導体メモリとして構成される。メモリ101は、処理部100からの制御に従い、各種のデータを記録する。
タッチパネル102は、タッチセンサ121と表示部122から構成される。なお、タッチセンサ121は、表示部122の画面上に重畳されている。
タッチセンサ121は、ユーザによりタッチパネル102に対して行われる入力操作(例えば、ユーザの指をパネル表面に接触させる操作など)を、その操作が行われた場所のタッチパネル102上での位置とともに検出し、その検出信号を処理部100に供給する。
表示部122は、例えば、液晶や有機EL等のディスプレイから構成される。表示部122は、処理部100からの制御に従い、画像やテキスト等の各種の情報を表示する。
マイクロフォン103は、外部からの音を、電気信号に変換する機器(収音器)である。マイクロフォン103は、変換で得られる信号を、処理部100に供給する。
スピーカ104は、処理部100からの制御に従い、オーディオ信号等の電気信号に応じた音を出力する。
受信部105及び送信部106は、例えば、通信I/F回路として構成される。受信部105は、アンテナ131を介して外部の機器との間で通信を行うことで、各種のデータを受信し、処理部100に供給する。送信部106は、アンテナ131を介して外部の機器との間で通信を行うことで、処理部100からの各種のデータを送信する。なお、アンテナ131は、携帯端末装置10に内蔵することができる。
なお、この通信I/F回路としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)やLTE-A(LTE-Advanced)、5G(5th Generation)等のセルラー通信プロトコル、無線LAN(Wi-Fi(登録商標)ともいう)等の無線通信プロトコルを実装することができる。また、この通信I/F回路としては、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信プロトコルを実装してもよい。
電源部107は、蓄電池又は外部電源から得られる電源電力を、処理部100を含む携帯端末装置10の各部に供給する。
ここで、処理部100は、測定時に、各スピーカ20(C,L,R,SL,SR)からの測定音を収音して、各スピーカ20の遅延量を算出するために、距離差算出部111及び遅延量算出部112を有している。
距離差算出部111は、各スピーカ20からの測定音を収音することで得られる収音結果に基づいて、各スピーカ20の距離差を算出する。距離差算出部111は、算出した各スピーカ20の距離差を、遅延量算出部112に供給する。
遅延量算出部112は、距離差算出部111からの各スピーカ20の距離差に基づいて、各スピーカ20の遅延量を算出する。遅延量算出部112は、算出した各スピーカ20の遅延量を、遅延データとして、送信部106に供給する。
送信部106は、遅延量算出部112からの遅延データを、オーディオ信号再生装置30(図3)に送信する。なお、距離差算出部111及び遅延量算出部112による処理の詳細は、図4等を参照して後述する。
携帯端末装置10は、以上のように構成される。
(測定時の再生側の機器の構成)
図3は、図1のスピーカ20(C,L,R,SL,SR)を含む再生側の機器の構成例を示すブロック図である。
図3において、再生側の機器としては、図1に示した複数のスピーカ20のほかに、オーディオ信号再生装置30及び外部信号源40が含まれる。
オーディオ信号再生装置30は、例えば、AVアンプ装置として構成される。オーディオ信号再生装置30は、コントローラ300、メモリ301、受信部302、復号部303、及び信号増幅器304−1乃至304−5から構成される。
コントローラ300は、マイクロコントローラであって、各種の演算処理や、各部の動作制御など、オーディオ信号再生装置30における中心的な処理装置として動作する。なお、コントローラ300は、CPUやマイクロプロセッサ等から構成されるようにしてもよい。
メモリ301は、例えば、不揮発性メモリなどの半導体メモリとして構成される。メモリ301は、コントローラ300からの制御に従い、各種のデータを記録する。
受信部302は、例えば、通信I/F回路として構成される。受信部302は、アンテナ331を介して外部の機器との間で通信を行うことで、各種のデータを受信し、コントローラ300に供給する。
なお、この通信I/F回路としては、例えば、無線LAN等の無線通信プロトコル、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信プロトコル、又はLTE等のセルラー通信プロトコルなどの各種のプロトコルを実装することができる。
復号部303は、そこに入力される信号を、所定の復号方式に応じて復号し、その結果得られるオーディオ信号を出力する。
信号増幅器304−1乃至304−5は、そこに入力されるオーディオ信号を増幅し、対応する各スピーカ20に供給する。
信号増幅器304−1は、フロントLスピーカ20−Lに接続され、信号増幅器304−2は、フロントRスピーカ20−Rに接続され、信号増幅器304−3は、センタスピーカ20−Cに接続される。また、信号増幅器304−4は、サラウンドLスピーカ20−SLに接続され、信号増幅器304−5は、サラウンドRスピーカ20−SRに接続される。
ここで、測定時において、オーディオ信号再生装置30では、コントローラ300によって、メモリ301に記録された測定信号が読み出され、信号増幅器304−1乃至304−5にそれぞれ供給される。
これにより、フロントLスピーカ20−L、フロントRスピーカ20−R、センタスピーカ20−C、サラウンドLスピーカ20−SL、及びサラウンドRスピーカ20−SRに対し、各信号増幅器304から測定信号が供給されるので、各スピーカ20からは、測定信号に応じた測定音が出力される。
そして、聴取位置に置かれた携帯端末装置10によって、各スピーカ20から出力される測定音の収音が行われ、その収音結果に応じた遅延量が求められる。この遅延量に応じた遅延データは、携帯端末装置10から、オーディオ信号再生装置30に送信される。
オーディオ信号再生装置30においては、受信部302によって、携帯端末装置10からの遅延データが受信され、コントローラ300によって、この遅延データから得られる遅延量が、メモリ301に記録される。
測定時の再生側の機器は、以上のように構成される。
次に、図4乃至図7を参照して、測定時に各機器で実行される処理の流れを説明する。
(測定処理の流れ)
まず、図4のフローチャートを参照して、携帯端末装置10により実行される測定処理の流れを説明する。ただし、図4の測定処理を実行する際に、携帯端末装置10は、聴取位置に置かれ、各スピーカ20は、図1に示した理想的な配置になっているものとする。
ステップS11において、マイクロフォン103は、収音を開始する。
ここで、携帯端末装置10では、測定音の再生開始前に、マイクロフォン103により収音を開始している。その理由であるが、携帯端末装置10の収音動作と、オーディオ信号再生装置30の再生動作とが非同期であるので、再生される測定信号の先頭部分を確実に収音するため、携帯端末装置10では、測定音の再生開始前に、収音を開始するようにしている。
その後、携帯端末装置10は、オーディオ信号再生装置30に対し、測定信号の再生開始を指示する。これにより、オーディオ信号再生装置30では、測定信号の再生が開始され、各スピーカ20からは、測定信号に応じた測定音が出力(再生)される。
ステップS12において、処理部100は、全てのスピーカ20から測定音を収音したかどうかを判定する。
ここでは、オーディオ信号再生装置30によって、測定信号が再生されることで、当該測定信号に応じた測定音が、フロントLスピーカ20−L、フロントRスピーカ20−R、センタスピーカ20−C、サラウンドLスピーカ20−SL、サラウンドRスピーカ20−SRの順に、所定の時間間隔で、出力(再生)される。
そのため、この判定処理では、フロントLスピーカ20−L、フロントRスピーカ20−R、センタスピーカ20−C、サラウンドLスピーカ20−SL、及びサラウンドRスピーカ20−SRからの測定音を収音したかどうかが判定される。
ステップS12において、全てのスピーカ20から測定音を収音していないと判定された場合、収音処理は継続される。
そして、ステップS12において、全てのスピーカ20から測定音を収音したと判定された場合、処理は、ステップS13に進められる。ステップS13において、マイクロフォン103は、収音を終了する。
ここで、図5には、オーディオ信号再生装置30から各スピーカ20に供給される信号の信号波形の例を示している。なお、図5において、L,R,C,SL,SRは、図1に示した各スピーカ20の配置に対応している。また、図5において、時間の方向は、図中の左側から右側に向かう方向とされる。
オーディオ信号再生装置30では、測定信号が再生され、フロントLスピーカ20−L、フロントRスピーカ20−R、センタスピーカ20−C、サラウンドLスピーカ20−SL、サラウンドRスピーカ20−SRの順に、T秒ごとに、測定信号に応じた測定音が出力(再生)されるため、図5に示すような信号波形が得られる。
すなわち、最初に測定音が出力されるフロントLスピーカ20−Lによる測定音に応じた信号波形の波形位置P0を基準にすれば(時刻0とすれば)、その次に測定音が出力されるフロントRスピーカ20−Rによる測定音に応じた信号波形の波形位置P1は、波形位置P0から時間T秒後の位置に相当する。
同様に、センタスピーカ20−Cによる測定音に応じた信号波形の波形位置P2は、波形位置P1から時間T秒後の位置に相当する。同様にまた、サラウンドLスピーカ20−SLによる測定音に応じた信号波形の波形位置P3は、波形位置P2から時間T秒後の位置に相当し、サラウンドRスピーカ20−SRによる測定音に応じた信号波形の波形位置P4は、波形位置P3から時間T秒後の位置に相当する。
このように、オーディオ信号再生装置30では、測定信号を再生することで、所定の時間間隔(時間Tの一定間隔)で、各スピーカ20に対し、測定信号に応じた信号を供給することになるため、各スピーカ20から出力される測定音に応じた信号波形の波形位置P0,P1,P2,P3,P4は、T秒ごとの等間隔(一定間隔)となる。
なお、ここでの測定信号としては、例えば、時間軸上での波形位置の把握が容易となるインパルス信号、又は周波数軸上での位相処理によってインパルス信号に復元可能な信号などを用いることができる。
一方で、図6には、携帯端末装置10のマイクロフォン103により収音される収音信号(各スピーカ20の応答信号)の信号波形の例を示している。なお、図6においても、時間の方向は、図中の左側から右側に向かう方向とされる。
携帯端末装置10では、マイクロフォン103によって、フロントLスピーカ20−L、フロントRスピーカ20−R、センタスピーカ20−C、サラウンドLスピーカ20−SL、サラウンドRスピーカ20−SRの順に、測定音に応じた収音信号が得られるため、図6に示すような信号波形が得られる。
すなわち、図6においては、先頭の無音区間Sに続いて、T秒ごとの等間隔で、各スピーカ20から出力される測定音に応じた信号波形(ピーク波形)を有する収音信号が収音されている。
具体的には、最初に測定音が出力されるフロントLスピーカ20−Lからの測定音に応じた信号波形の波形位置P0を基準にすれば、その次に測定音が出力されるフロントRスピーカ20−Rからの測定音に応じた信号波形の波形位置P1は、波形位置P0から時間T秒後の位置に相当する。
同様に、センタスピーカ20−Cからの測定音に応じた信号波形の波形位置P2は、波形位置P1から時間T秒後の位置に相当する。同様にまた、サラウンドLスピーカ20−SLからの測定音に応じた信号波形の波形位置P3は、波形位置P2から時間T秒後の位置に相当し、サラウンドRスピーカ20−SRからの測定音に応じた信号波形の波形位置P4は、波形位置P3から時間T秒後の位置に相当する。
このように、図1に示したような、各スピーカ20が理想的な位置に配置されている場合には、携帯端末装置10が置かれた聴取位置から、各スピーカ20までの距離は一定となって、各スピーカ20の距離差が0となる。そのため、図6に示した収音信号の信号波形は、図5に示した信号波形と同様に、各スピーカ20から出力された測定音に応じた信号波形の波形位置P0,P1,P2,P3,P4は、T秒ごとの等間隔(一定間隔)となる。
なお、図6において、無音区間Sには、フロントLスピーカ20−Lから、携帯端末装置10のマイクロフォン103に至る音波の伝播時間のほか、携帯端末装置10のマイクロフォン103での収音開始から、実際に、フロントLスピーカ20−Lから測定音が出力されるまでの、携帯端末装置10及びオーディオ信号再生装置30でのシステム処理遅延時間などが含まれる。
ここで、マルチチャンネルオーディオシステム1において、携帯端末装置10の収音動作と、オーディオ信号再生装置30の再生動作とは、非同期動作であるため、これらのシステム処理遅延時間は不定となり、無音区間Sの時間長も不定となる。すなわち、オーディオ信号再生装置30と携帯端末装置10には、測定信号の再生と収音における特別な同期機構(同期再生・収音機構)は設けられていない。
そのため、マルチチャンネルオーディオシステム1においては、測定時に、オーディオ信号再生装置30で、測定信号の再生が開始される前に、携帯端末装置10のマイクロフォン103で、収音を開始することで、再生される測定信号の先頭部分を確実に収音できるようにしている。
図4の説明に戻り、ステップS14において、距離差算出部111は、ステップS11乃至S13の処理で得られる収音結果に基づいて、各スピーカ20の距離差を算出する。
この距離差算出処理では、収音信号における、各スピーカ20からの測定音に応じた信号波形の波形位置から、各スピーカ20の距離差を算出する。例えば、ここでは、まず、距離差の基準値として、最初に再生されるフロントLスピーカ20−Lの距離を設定する。
図1に示したスピーカ20の配置は、理想的な配置であって、聴取位置に置かれた携帯端末装置10から、各スピーカ20までの距離(相対距離)は、同一の距離となる。すなわち、フロントRスピーカ20−R、センタスピーカ20−C、サラウンドLスピーカ20−SL、及びサラウンドRスピーカ20−SRは、フロントLスピーカ20−Lとの距離差が全て0となる。
そのため、図6に示したように、収音信号における各スピーカ20から出力された測定音に応じた信号波形の波形位置P0,P1,P2,P3,P4は、図5に示した信号波形と同様に、T秒ごとの等間隔となっている。
ステップS15において、遅延量算出部112は、ステップS14の処理で得られる距離差に基づいて、各スピーカ20の遅延量を算出する。
ここで、スピーカ20の配置が、図1に示した理想的な配置の場合には、各スピーカ20の距離差は0となり、各スピーカ20の再生タイミングは一致している。そのため、各スピーカ20の遅延量は、0となる。
ステップS16において、送信部106は、ステップS15の処理で得られる遅延量に応じた遅延データを、オーディオ信号再生装置30に送信する。ただし、携帯端末装置10では、各スピーカ20の遅延量が0となる場合には、遅延データを送信しないか、あるいは、その旨を、オーディオ信号再生装置30に通知するようにしてもよい。
以上、測定処理の流れを説明した。
(測定信号再生処理の流れ)
次に、図7のフローチャートを参照して、オーディオ信号再生装置30により実行される測定信号再生処理の流れを説明する。
ステップS31において、コントローラ300は、受信部302により受信されるデータを監視することで、携帯端末装置10から、測定信号の再生開始指示を受けたかどうかを判定する。
ステップS31において、測定信号の再生開始指示を受けていないと判定された場合、ステップS31の判定処理が繰り返される。一方で、ステップS31において、測定信号の再生開始指示を受けたと判定された場合、処理は、ステップS32に進められる。
ステップS32において、コントローラ300は、メモリ301に記録された測定信号を読み出して再生し、その測定信号に応じた信号を、所定のスピーカ20に供給することで、測定信号に応じた測定音を、所定のスピーカ20から出力(再生)する。
ステップS33において、コントローラ300は、全てのスピーカ20から測定音を出力したかどうか判定する。
ここで、オーディオ信号再生装置30では、コントローラ300によって、メモリ301から読み出された測定信号が、信号増幅器304−1乃至304−5のいずれかに供給されることで、測定信号に応じた測定音が、フロントLスピーカ20−L、フロントRスピーカ20−R、センタスピーカ20−C、サラウンドLスピーカ20−SL、サラウンドRスピーカ20−SRの順に、所定の時間間隔で、出力(再生)される。
ステップS33において、全てのスピーカ20から測定音を出力していないと判定された場合、処理は、ステップS32に戻り、全てのスピーカ20から測定音が出力されるまで、ステップS32の再生処理が繰り返される。
そして、ステップS33において、全てのスピーカ20から測定音を出力したと判定された場合、処理は、ステップS34に進められる。
なお、ここでは、図5を参照して上述したように、オーディオ信号再生装置30では、測定信号を再生することで、所定の時間間隔(時間Tの一定間隔)で、各スピーカ20に対し、測定信号に応じた信号を供給することになるため、各スピーカ20から出力される測定音に応じた信号波形の波形位置P0,P1,P2,P3,P4は、T秒ごとの等間隔となっている。
また、この測定信号の時間間隔Tとしては、例えば、聴取位置から各スピーカ20の位置までの距離差によって生じるずれの最大時間を上回る値とすることができる。このとき、測定に要する時間は、スピーカ20の数×T秒を演算することで求められる。
ステップS34において、コントローラ300は、受信部302により受信されるデータを監視することで、携帯端末装置10から、遅延量に応じた遅延データを受信したかどうかを判定する。
ステップS34において、遅延データを受信していないと判定された場合、ステップS34の判定処理が繰り返される。一方、携帯端末装置10側で、図4のステップS16の処理が実行されることで、ステップS34において、遅延データを受信したと判定された場合、処理は、ステップS35に進められる。
ステップS35において、コントローラ300は、携帯端末装置10から受信した遅延データから得られる遅延量を、メモリ301に記録する。
以上、測定信号再生処理の流れを説明した。
(B)各スピーカ間に距離差がある配置の場合
(マルチチャンネルオーディオシステムの構成)
図8は、各スピーカ間に距離差がある配置の場合のマルチチャンネルオーディオシステムの構成例を示す図である。
図8に示したスピーカ20の配置は、図1に示した理想的な配置と比べて、センタスピーカ20−CとフロントRスピーカ20−Rの配置位置がずれており、他のスピーカ20(L,SL,SR)との間に距離差がある配置となっている。
具体的には、図中の聴取位置を中心とした点線の円に対する各スピーカ20の配置位置の関係から明らかなように、フロントLスピーカ20−Lに比べて、センタスピーカ20−Cは、距離lcだけ遠い位置に配置され、フロントRスピーカ20−Rは、距離lrだけ近い位置に配置されている。
(測定処理の流れ)
このような、各スピーカ20の間に距離差がある配置の場合に、聴取位置に置かれた携帯端末装置10によって、図4の測定処理が実行されると、次のようになる。
すなわち、図4のステップS11乃至S13においては、マイクロフォン103によって、全てのスピーカ20から測定音が収音されるまで、収音処理が継続されることで、全てのスピーカ20からの測定音が収音される。
図9には、図8に示したスピーカ配置の場合に、携帯端末装置10のマイクロフォン103により収音される収音信号の信号波形の例を示している。なお、図9においても、時間の方向は、図中の左側から右側に向かう方向とされる。
図9においては、不定長の無音区間S"と、フロントLスピーカ20−Lからの測定音に応じた信号波形の波形位置P0に続いて、フロントRスピーカ20−Rからの測定音に応じた信号波形の波形位置P1"と、センタスピーカ20−Cからの測定音に応じた信号波形の波形位置P2"が現れている。
ここで、フロントRスピーカ20−Rからの測定音から得られる波形位置P1"に注目すれば、図8に示したフロントRスピーカ20−Rの配置位置が聴取位置に近づいている分だけ、波形位置P1"は、理想的な波形位置P1(図6)と比べて、時間的に早い位置となっている(図9のP1からP1"に向かう矢印)。
一方で、センタスピーカ20−Cからの測定音から得られる波形位置P2"に注目すれば、図8に示したセンタスピーカ20−Cの配置位置が聴取位置から遠ざかっている分だけ、波形位置P2"は、理想的な波形位置P2(図6)と比べて、時間的に遅い位置となっている(図9のP2からP2"に向かう矢印)。
これらの波形位置と距離差の関係は、音速Voを用いれば、下記の式(1)乃至式(4)の関係で表すことができる。
(i)フロントRスピーカ20−RとフロントLスピーカ20−Lとの距離差(lr):
lr = (P1" - P1)×Vo ・・・(1)
ただし、式(1)において、P1" < P1とされる。したがって、lrは、負値となる。
(ii)センタスピーカ20−CとフロントLスピーカ20−Lとの距離差(lc):
lc = (P2" - P2)×Vo ・・・(2)
ただし、式(2)において、P2 < P2"とされる。したがって、lcは、正値となる。
(iii)サラウンドLスピーカ20−SLとフロントLスピーカ20−Lとの距離差(lsl):
lsl = 0 ・・・(3)
(iv)サラウンドRスピーカ20−SRとフロントLスピーカ20−Lとの距離差(lsr):
lsr = 0 ・・・(4)
図4のステップS14においては、距離差算出部111によって、図9に示した収音信号の信号波形の波形位置に基づいて、フロントLスピーカ20−Lの距離を基準として、フロントRスピーカ20−Rの距離は、lrだけ短く、センタスピーカ20−Cの距離は、lcだけ長いことが算出される。
また、サラウンドLスピーカ20−SLとサラウンドRスピーカ20−SRからの測定音から得られる波形位置は、理想的な波形位置P3,P4(図6)と同一であるので、基準となるフロントLスピーカ20−Lとの距離差は、lsl,lsrとも0と算出される。
図4のステップS15においては、遅延量算出部112によって、上述した式(1)乃至式(4)を演算することで得られる、フロントLスピーカ20−Lの位置を基準としたときの各スピーカ20の距離差に基づいて、聴取位置での各スピーカ20からの再生タイミングを一致させるために必要な遅延量が算出される。
図8に示したスピーカ20の配置において、各スピーカ20の遅延量は、最大の距離差であるlcを基準にして、下記の式(5)乃至式(9)の関係で表すことができる。ただし、式(5)乃至式(9)においても、Voは、音速を表している。
(i)フロントLスピーカ20−Lの遅延量(Dl):
Dl = lc / Vo ・・・(5)
(ii)フロントRスピーカ20−Rの遅延量(Dr):
Dr = (lc - lr) / Vo ・・・(6)
ただし、式(6)においては、lr < 0 とされる。
(iii)センタスピーカ20−Cの遅延量(Dc):
Dc = 0 ・・・(7)
(iv)サラウンドLスピーカ20−SLの遅延量(Dsl):
Dsl = lc / Vo ・・・(8)
(v)サラウンドRスピーカ20−SRの遅延量(Dsr):
Dsr = lc / Vo ・・・(9)
このように、聴取位置に対して、最も遠い位置に配置されたセンタスピーカ20−Cには、遅延量として、0が算出される一方で、最も近い位置に配置されたフロントRスピーカ20−Rには、lcとlrとを合わせた距離に相当する、最大の遅延量が算出される。
また、それ以外のスピーカ20、すなわち、フロントLスピーカ20−Lと、サラウンドLスピーカ20−SLと、サラウンドRスピーカ20−SRには、lcに相当する遅延量が算出される。
そして、このようにして得られる遅延量(Dl,Dr,Dc,Dsl,Dsr)に応じた遅延データは、オーディオ信号再生装置30に送信される(図4のステップS16の処理)。
以上、測定処理の流れを説明した。
(2)再生時の各機器の構成と動作
次に、図10及び図11を参照して、再生時の各機器の構成と動作について説明する。
(再生時の再生側の機器の構成)
図10は、スピーカ20(C,L,R,SL,SR)を含む再生側の機器の構成例を示すブロック図である。
図10において、再生側の機器としては、図3に示した構成と同様に、複数のスピーカ20のほかに、オーディオ信号再生装置30及び外部信号源40が含まれる。
また、図10の再生時のオーディオ信号再生装置30を、図3の測定時のオーディオ信号再生装置30と比べると、復号部303と、信号増幅器304−1乃至304−5との間に、遅延メモリ305−1乃至305−5が設けられている点が異なっている。
コントローラ300は、測定時にメモリ301に記録された遅延量(Dl,Dr,Dc,Dsl,Dsr)を読み出し、遅延メモリ305−1乃至305−5にそれぞれ設定する。
すなわち、オーディオ信号再生装置30において、フロントLスピーカ20−Lの系列(チャンネル)では、信号増幅器304−1の前段に、遅延メモリ305−1が設けられ、コントローラ300によって、遅延メモリ305−1に対し、フロントLスピーカ20−Lの遅延量(Dl)が設定される。
また、フロントRスピーカ20−Rの系列では、信号増幅器304−2の前段に、遅延メモリ305−2が設けられ、フロントRスピーカ20−Rの遅延量(Dr)が設定される。同様に、センタスピーカ20−Cの系列では、信号増幅器304−3の前段に、遅延メモリ305−3が設けられ、センタスピーカ20−Cの遅延量(Dc)が設定される。
また、サラウンドLスピーカ20−SLの系列では、信号増幅器304−4の前段に、遅延メモリ305−4が設けられ、サラウンドLスピーカ20−SLの遅延量(Dsl)が設定される。同様に、サラウンドRスピーカ20−SRの系列では、信号増幅器304−5の前段に、遅延メモリ305−5が設けられ、サラウンドRスピーカ20−SRの遅延量(Dsr)が設定される。
ここで、再生時において、オーディオ信号再生装置30には、外部信号源40から信号が入力される。外部信号源40は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)等の光学ディスク再生装置等として構成され、DVD等の光学ディスクから読み出された記録信号が、オーディオ信号再生装置30に入力される。
オーディオ信号再生装置30では、復号部303によって、外部信号源40から入力される信号が復号され、その結果得られるマルチチャンネルのオーディオ信号が、遅延メモリ305−1乃至305−5に設定される各系列の遅延量(Dl,Dr,Dc,Dsl,Dsr)に応じて遅延され、信号増幅器304−1乃至304−5にそれぞれ供給される。
そして、信号増幅器304−1乃至304−5により増幅された信号が、フロントLスピーカ20−L、フロントRスピーカ20−R、センタスピーカ20−C、サラウンドLスピーカ20−SL、及びサラウンドRスピーカ20−SRに、それぞれ供給され、オーディオ信号が再生されることになる。
再生時の再生側の機器は、以上のように構成される。
(オーディオ信号再生処理の流れ)
次に、図11のフローチャートを参照して、オーディオ信号再生装置30により実行されるオーディオ信号再生処理の流れを説明する。ただし、図11のオーディオ信号再生処理を実行する際には、上述した図4の測定処理や、図7の測定信号再生処理が実行済みであって、メモリ301には、各スピーカ20の遅延量が記録されているものとする(図7のステップS35の処理)。
ステップS51において、復号部303は、外部信号源40から入力される信号を処理して、マルチチャンネルのオーディオ信号を復号する。
ステップS52において、遅延メモリ305−1乃至305−5は、復号された各チャンネルのオーディオ信号ごとに、測定時に得られる各スピーカ20の遅延量に応じた適切な遅延を与える。
ここでは、スピーカ20(C,L,R,SL,SR)の配置位置が、例えば、図8に示した各スピーカ間に距離差がある配置となる場合に、その距離差に応じた遅延量(Dl,Dr,Dc,Dsl,Dsr)が、遅延メモリ305−1乃至305−5にそれぞれ設定され、各チャンネルのオーディオ信号ごとに遅延される。
具体的には、図8に示したスピーカ20の配置では、センタスピーカ20−CとフロントRスピーカ20−Rが、他のスピーカ20(L,SL,SR)との間に距離差がある配置となっており、測定時に、上述した測定処理(図4)と測定信号再生処理(図7)が実行されることで、各スピーカ20の遅延量(Dl,Dr,Dc,Dsl,Dsr)が求められ、メモリ301に記録されている。
すなわち、測定時に、上述した式(5)乃至式(9)により求められる遅延量Dl,Dr,Dc,Dsl,Dsrが、メモリ301に記録されるので、再生時には、そこから遅延量Dl,Dr,Dc,Dsl,Dsrを読み出して、遅延メモリ305−1乃至305−5に、それぞれ設定することができる。
ステップS53において、信号増幅器304−1乃至304−5は、遅延量に応じて遅延された信号を増幅して、各チャンネルのオーディオ信号を、該当するチャンネルのスピーカ20に供給する。これにより、各チャンネルのオーディオ信号が再生され、各スピーカ20からは、オーディオ信号に応じた音が出力(再生)される
ここでは、最も遠い位置にあるセンタスピーカ20−Cの遅延量は、Dc = 0であるので、遅延メモリ305−1には、遅延量0が設定され、センタスピーカ20−Cの系列(チャンネル)では、オーディオ信号が、遅延なしで再生される。また、最も近い位置にあるフロントRスピーカ20−Rの遅延量は、Dr = (lc - lr) / Voとなるので、フロントRスピーカ20−Rの系列では、当該遅延量に応じた遅延で、オーディオ信号が再生される。
それ以外のフロントLスピーカ20−L、サラウンドLスピーカ20−SL、及びサラウンドRスピーカ20−SRの遅延量は、lc / Voで共通となるので、フロントLスピーカ20−L、サラウンドLスピーカ20−SL、及びサラウンドRスピーカ20−SRの系列では、当該遅延量に応じた遅延で、オーディオ信号が再生される。
このように、オーディオ信号を再生する前の測定時に、時間的に等間隔となる測定信号を、各スピーカ20から順に再生して、その測定音の収音を行うことで、各スピーカ20と聴取位置との距離差が順次算出され、オーディオ信号の再生時には、当該距離差に応じた遅延設定を行うことで、オーディオ信号の再生タイミングが調整される。その結果として、聴取タイミングが補正され、聴取位置での各スピーカ20からの聴取タイミングを一致させることが可能となる。
なお、上述した説明では、図8に示したスピーカ20の配置の場合を中心に説明したが、図1に示した理想的な配置の場合には、聴取位置から、各スピーカ20までの距離は一定となって、各スピーカ20と聴取位置との距離差がないため、ステップS52の処理で遅延設定を行わなくても、聴取位置での各スピーカ20からの聴取タイミングが一致することになる。
以上、オーディオ信号再生処理の流れを説明した。
以上のように、第1の実施の形態においては、測定時に、等間隔の測定信号を連続して各スピーカ20から順に再生することで、マイクロフォン103が内蔵された携帯端末装置10では、各スピーカ20と聴取位置との距離差(各スピーカ20間の相対距離)に応じた適切な遅延量を算出することができる。そのため、再生時に、オーディオ信号再生装置30では、この距離差に応じた遅延設定を行い、聴取タイミングの補正を行うことで、聴取位置での各スピーカ20からの聴取タイミングを一致させることが可能となる。
例えば、一般の家庭において、複数のスピーカ20を配置する場合には、家屋の形状や家具類の配置による物理的な制限が生じる可能性があるが、このような制限のある状況で、複数のスピーカ20の配置位置を、聴取位置から等距離の位置に配置できない場合でも、本技術を適用したマルチチャンネルオーディオシステム1では、聴取位置での各スピーカ20からの聴取タイミングを一致させることができる。
なお、上述した特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、各スピーカから再生された測定信号を聴取位置に置かれたマイクロフォンで収音して、距離測定等の解析処理を行っているが、スピーカ側での測定信号の再生動作と、マイクロフォン側での応答信号の収音動作の両動作が厳密に同期している必要があった。
ここで、上記の文献に開示されているマイクロフォンを、スマートフォン等の携帯端末装置10に内蔵されたマイクロフォン103に置き換えた場合、オーディオ信号再生装置30(スピーカ20)側の再生動作と、携帯端末装置10(マイクロフォン103)側の収音動作がそれぞれ独立した非同期の動作となる。そのため、オーディオ信号再生装置30(スピーカ20)側と、携帯端末装置10(マイクロフォン103)側の両方に、ワイヤレスに対応した同期再生・収音機構(高価な機構や複雑な機構)を組み込む必要が出てくる。
そのため、より簡単な構成で、聴取位置での各スピーカからの聴取タイミングを一致させるための技術が求められていたが、本技術を用いることで、そのような要求に応えることができる。すなわち、本技術では、測定信号の再生・収音における同期機構や距離測定用の専用のマイクロフォンが不要となって、携帯端末装置10(例えば、ユーザが保有するスマートフォン等)に内蔵されたマイクロフォン103が使用可能となり、利便性の向上を図ることもできる。
なお、システムとは、複数の装置が論理的に集合したものをいう。また、マルチチャンネルオーディオシステム1は、聴取位置での各スピーカ20からの聴取タイミングを一致させることが可能な音場補正システムであるとも言える。
<2.第2の実施の形態>
ところで、第1の実施の形態では、測定時に用いられる測定信号が、オーディオ信号再生装置30のメモリ301(図3)に記録されている場合を例示したが、測定信号は、携帯端末装置10のメモリ101(図2)に記録されるようにしてもよい。
また、図3又は図10に示した再生側の機器の構成では、単一のオーディオ信号再生装置30に対し、複数のスピーカ20が付随する構成としていたが、各スピーカ20を独立させて、図12に示すようなワイヤレススピーカ21として構成されるようにしてもよい。
(ワイヤレススピーカの構成)
図12において、ワイヤレススピーカ21は、コントローラ200、受信部201、送信部202、復号部203、再生バッファ204、信号増幅器205、及びスピーカユニット206から構成される。
コントローラ200は、マイクロコントローラであって、各種の演算処理や、各部の動作制御など、ワイヤレススピーカ21における中心的な処理装置として動作する。なお、コントローラ200は、CPUやマイクロプロセッサ等から構成されるようにしてもよい。
受信部201及び送信部202は、例えば、通信I/F回路として構成される。受信部201は、アンテナ231を介して外部の機器との間で通信を行うことで、各種のデータを受信し、コントローラ200に供給する。送信部202は、アンテナ231を介して外部の機器との間で通信を行うことで、コントローラ200からの各種のデータを送信する。
なお、この通信I/F回路としては、例えば、無線LAN等の無線通信プロトコル、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信プロトコル、又はLTE等のセルラー通信プロトコルなどの各種のプロトコルを実装することができる。
復号部203は、そこに入力される信号を、所定の復号方式に応じて復号し、その結果得られるオーディオ信号を出力する。再生バッファ204は、復号されたオーディオ信号をバッファリングし、信号増幅器205に供給する。
信号増幅器205は、そこに入力されるオーディオ信号を増幅し、スピーカユニット206に供給する。スピーカユニット206は、信号増幅器205により増幅されたオーディオ信号に応じた音を出力(再生)する。
ワイヤレススピーカ21は、以上のように構成される。
なお、ワイヤレススピーカ21は、携帯端末装置10からのオーディオ信号やコマンドを受信するほか、他のワイヤレススピーカとの間で、再生同期のための制御信号等を無線通信により相互にやり取りを行い、各ワイヤレススピーカ間の同期再生機構を有している。
(ワイヤレススピーカシステムの構成)
図13は、各ワイヤレススピーカ間に距離差がある場合のワイヤレススピーカシステムの構成例を示す図である。
図13において、ワイヤレススピーカシステム2では、聴取位置(聴取点)に置かれた携帯端末装置10に対し、センタワイヤレススピーカ21−C、フロントLワイヤレススピーカ21−L、フロントRワイヤレススピーカ21−R、サラウンドLワイヤレススピーカ21−SL、及びサラウンドRワイヤレススピーカ21−SRが配置されている。
図13に示したワイヤレススピーカ21の配置は、図8に示したスピーカ20の配置と同様に、センタワイヤレススピーカ21−CとフロントRワイヤレススピーカ21−Rの配置位置がずれており、他のワイヤレススピーカ21(L,SL,SR)との間に距離差がある配置となっている。
具体的には、図中の聴取位置を中心とした点線の円に対する各ワイヤレススピーカ21の配置位置の関係から明らかなように、フロントLワイヤレススピーカ21−Lに比べて、センタワイヤレススピーカ21−Cは、距離lcだけ遠い位置に配置され、フロントRワイヤレススピーカ21−Rは、距離lrだけ近い位置に配置されている。
ここで、測定時において、聴取位置に置かれた携帯端末装置10では、メモリ101に記録された測定信号が読み出され、送信部106によって、センタワイヤレススピーカ21−C、フロントLワイヤレススピーカ21−L、フロントRワイヤレススピーカ21−R、サラウンドLワイヤレススピーカ21−SL、及びサラウンドRワイヤレススピーカ21−SRにそれぞれ送信される。
すなわち、ここでは、上述した図5に示した信号波形と同様の信号が、携帯端末装置10から各ワイヤレススピーカ21に対して送信される。これにより、各ワイヤレススピーカ21からは、測定信号に応じた測定音が出力(再生)されるので、聴取位置に置かれた携帯端末装置10では、各ワイヤレススピーカ21からの測定音が収音される。
ここで、図13に示したワイヤレススピーカ21の配置は、図8に示したスピーカ20の配置と同様とされ、図9に示した信号波形と同様の収音信号が得られるので、携帯端末装置10では、上述した第1の実施の形態と同様に、各ワイヤレススピーカ21の遅延量が求められ、各ワイヤレススピーカ21に送信される。
例えば、上述した式(5)乃至式(9)を演算することで、フロントLワイヤレススピーカ21−L、フロントRワイヤレススピーカ21−R、センタワイヤレススピーカ21−C、サラウンドLワイヤレススピーカ21−SL、及びサラウンドRワイヤレススピーカ21−SRに対し、遅延量Dl,Dr,Dc,Dsl,Dsrがそれぞれ求められる。
そして、各ワイヤレススピーカ21においては、受信部201によって、携帯端末装置10からの遅延データ(遅延量)が受信され、コントローラ200によって、復号部203及び再生バッファ204が制御され、当該遅延量が、オーディオ信号に対し適切に設定されることになる。その結果として、各ワイヤレススピーカ21において、オーディオ信号の再生タイミングが調整され(聴取タイミングが補正され)、聴取位置での各ワイヤレススピーカ21からの聴取タイミングを一致させることが可能となる。
なお、各ワイヤレススピーカ21により再生されるオーディオ信号は、光学ディスク再生装置等の外部信号源40から、無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線通信によって提供されるほか、例えば、携帯端末装置10において、ダウンロードされた音楽のオーディオ信号や、ストリーミング再生されている音楽のオーディオ信号などであってもよい。
以上のように、第2の実施の形態においては、測定時に、等間隔の測定信号を連続して各ワイヤレススピーカ21から順に再生することで、マイクロフォン103が内蔵された携帯端末装置10では、各ワイヤレススピーカ21と聴取位置との距離差に応じた適切な遅延量を算出することができる。そのため、再生時に、ワイヤレススピーカ21では、この距離差に応じた遅延設定を行い、聴取タイミングの補正を行うことで、聴取位置での各ワイヤレススピーカ21からの聴取タイミングを一致させることが可能となる。
<3.変形例>
(測定信号の時間間隔Tの設定)
上述した説明では、図5に示した測定信号の時間間隔Tとして、聴取位置から各スピーカ20(ワイヤレススピーカ21)の位置までの距離差によって生じるずれの最大時間を上回る値を設定することができると説明したが、例えば、2回目以降の測定時又は事前に、距離差の最大値が想定(予測)できる場合には、その想定値(予測値)をわずかに上回る時間間隔を、時間間隔Tとして設定することができる。その結果として、測定に要する時間を減らすことができる。
また、時間間隔Tは、全てのスピーカ20(ワイヤレススピーカ21)に対し、同じ値とする必要はなく、各スピーカ20(ワイヤレススピーカ21)の想定される距離差に応じた値が、個別に設定されるようにしてもよい。
(サラウンドのチャンネル数)
上述した説明では、サラウンドのチャンネル数として、5チャンネル(C,L,R,SL、SR)の場合を一例に説明したが、例えば、7chや9ch,5.1ch,7.1ch,9.1ch等の他のチャンネル数であっても同様に、本技術を適用することができる。さらには、2.0chのステレオの場合でも同様に、本技術を適用することができる。
すなわち、チャンネル数が増減して、他のチャンネル数となった場合でも、上述した5チャンネルの場合と同様に、測定時に、等間隔の測定信号を連続して、チャンネル数分のスピーカ20(ワイヤレススピーカ21)から順に再生することで、各スピーカ20(ワイヤレススピーカ21)と聴取位置との距離差に応じた適切な遅延量を求めることができる。
そのため、再生時に、オーディオ信号再生装置30(ワイヤレススピーカ21)では、この距離差に応じた遅延設定を行い、聴取タイミングの補正を行うことで、聴取位置での各スピーカ20(ワイヤレススピーカ21)からの聴取タイミングを一致させることができる。
また、複数のスピーカ20(ワイヤレススピーカ21)の配置場所としては、家庭内(ユーザ宅)に限らず、例えば、車両内など、複数のスピーカ20(ワイヤレススピーカ21)を配置可能なスペースが存在する空間であれば、いずれの場所に設置されるようにしてもよい。すなわち、本技術を用いることで、スピーカ20を配置する際に物理的な制限がある場合でも、聴取位置での各スピーカ20からの聴取タイミングを一致させることができるため、物理的な制限がある空間に、スピーカ20を配置することが可能となる。
(他の構成例)
上述した説明では、聴取位置に置かれた携帯端末装置10によって、各スピーカ20の距離差が算出され、その距離差から、各スピーカ20の遅延量が算出されるとして説明したが、これらの距離差や遅延量は、オーディオ信号再生装置30側で、算出されるようにしてもよい。この場合、オーディオ信号再生装置30(図3)が、距離差算出部111(図2)と、遅延量算出部112(図2)を有することになる。
そして、測定時には、収音データ(収音信号)そのものが、携帯端末装置10からオーディオ信号再生装置30に送信され、オーディオ信号再生装置30においては、距離差算出部111によって、各スピーカ20の距離差が算出され、さらに、遅延量算出部112によって、各スピーカ20の遅延量が算出されることになる。
なお、各スピーカ20(ワイヤレススピーカ21)の距離差や遅延量は、例えばインターネット等のネットワーク上に設置されたサーバによって算出されるようにしてもよい。この場合、測定時に、携帯端末装置10は、収音データそのものを、ネットワーク上のサーバに送信することで、当該サーバが、収音データに基づいて、各スピーカ20の距離差や遅延量を算出する。そして、当該サーバは、算出した遅延量を、ネットワークを介してオーディオ信号再生装置30(各ワイヤレススピーカ21)に送信することになる。
(レベルや周波数特性の調整)
上述した説明では、収音信号の信号波形(図6,図9)を用いて、各スピーカ20(ワイヤレススピーカ21)の遅延量を求めたが、収音信号の信号波形から得られる情報を用い、オーディオ信号のレベルや周波数特性等を調整するようにしてもよい。これにより、聴取位置での各スピーカ20(ワイヤレススピーカ21)からの聴取タイミングを一致させるだけでなく、ユーザは、より最適な音を聴取することが可能となる。
<4.コンピュータの構成>
上述した一連の処理(例えば、図4の測定処理、図7の測定信号再生処理、又は図11のオーディオ信号再生処理)は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
図14は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータ1000において、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。バス1004には、さらに、入出力インターフェース1005が接続されている。入出力インターフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記録部1008、通信部1009、及びドライブ1010が接続されている。
入力部1006は、マイクロフォンや物理的なボタン等よりなる。出力部1007は、スピーカやディスプレイ等よりなる。記録部1008は、不揮発性のメモリやハードディスク等よりなる。通信部1009は、通信I/F回路等よりなる。ドライブ1010は、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、又は光磁気ディスク等のリムーバブル記録媒体1011を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータ1000では、CPU1001が、例えば、記録部1008に記録されているプログラムを、入出力インターフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ1000(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータ1000では、プログラムは、リムーバブル記録媒体1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インターフェース1005を介して、記録部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記録部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記録部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータ1000が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
ここで、本明細書において、コンピュータ1000に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
聴取位置に対して設置されたスピーカに供給するオーディオ信号を再生する再生部と、
収音信号から得られる測定音の他のスピーカとの間隔に応じて、対象のスピーカに供給する前記オーディオ信号の遅延量を調整する調整部と
を備え、
前記収音信号は、前記聴取位置に設けられた収音装置で収音された測定音であって、測定信号に応じた前記測定音を含む信号であり、
前記測定信号は、前記聴取位置に対して設置された複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号である
オーディオ信号再生装置。
(2)
前記調整部は、前記聴取位置に対する、各スピーカの位置の距離差に応じて、前記オーディオ信号の遅延量を調整する
(1)に記載のオーディオ信号再生装置。
(3)
前記調整部は、前記複数のスピーカのうち、前記聴取位置に最も遠い位置に設置されたスピーカを基準に、前記オーディオ信号の遅延量を調整する
(2)に記載のオーディオ信号再生装置。
(4)
前記複数のスピーカと接続され、
前記複数のスピーカに対し、測定時に、前記測定信号を供給し、再生時に、前記遅延量に応じた前記オーディオ信号を供給する
(1)乃至(3)のいずれかに記載のオーディオ信号再生装置。
(5)
測定時において、前記収音装置での収音が開始された後に、前記測定信号を、前記複数のスピーカに供給する
(4)に記載のオーディオ信号再生装置。
(6)
前記収音装置は、マイクロフォンを有する端末装置であり、
前記端末装置は、前記マイクロフォンにより収音を開始した後に、前記オーディオ信号再生装置に対し、前記測定信号を、前記複数のスピーカのそれぞれに供給して、各スピーカから前記測定音の出力が開始されるように要求する
(1)乃至(5)のいずれかに記載のオーディオ信号再生装置。
(7)
前記端末装置は、
前記複数のスピーカから出力される前記測定音を収音して得られる前記収音信号に基づいて、前記オーディオ信号の遅延量を算出し、
算出した前記オーディオ信号の遅延量を、前記オーディオ信号再生装置に送信する
(6)に記載のオーディオ信号再生装置。
(8)
前記オーディオ信号再生装置は、前記聴取位置に対して設置されるスピーカであって、スピーカユニットを有するワイヤレススピーカであり、
前記スピーカユニットに対し、測定時に、前記測定信号を供給し、再生時に、前記遅延量に応じた前記オーディオ信号を供給する
(1)乃至(3)のいずれかに記載のオーディオ信号再生装置。
(9)
前記収音装置は、マイクロフォンを有する端末装置であり、
前記端末装置は、
前記マイクロフォンにより収音を開始した後に、前記測定信号を、複数のワイヤレススピーカのそれぞれに送信して、各ワイヤレススピーカから前記測定音の出力が開始されるように要求し、
前記複数のワイヤレススピーカから出力される前記測定音を収音して得られる前記収音信号に基づいて、前記オーディオ信号の遅延量を算出し、
算出した前記オーディオ信号の遅延量を、前記複数のワイヤレススピーカのそれぞれに送信して、各ワイヤレススピーカで、当該遅延量に応じた前記オーディオ信号が再生されるように要求する
(8)に記載のオーディオ信号再生装置。
(10)
前記時間間隔は、前記聴取位置から各スピーカの位置までの距離差によって生じる、時間のずれの最大時間を上回る時間間隔とされる
(1)乃至(9)のいずれかに記載のオーディオ信号再生装置。
(11)
前記時間間隔は、前記聴取位置から各スピーカの位置までの距離差の予測値を上回る時間間隔とされる
(1)乃至(9)のいずれかに記載のオーディオ信号再生装置。
(12)
前記時間間隔は、前記複数のスピーカごとに、同一の時間間隔となるか、あるいは前記聴取位置から各スピーカの位置までの距離差の予測値に応じた異なる時間間隔となる
(1)乃至(9)のいずれかに記載のオーディオ信号再生装置。
(13)
オーディオ信号再生装置の再生方法において、
前記オーディオ信号再生装置が、
聴取位置に対して設置されたスピーカに供給するオーディオ信号を再生する再生部と、
収音信号から得られる測定音の他のスピーカとの間隔に応じて、対象のスピーカに供給する前記オーディオ信号の遅延量を調整する調整部と
ステップを含み、
前記収音信号は、前記聴取位置に設けられた収音装置で収音された測定音であって、測定信号に応じた前記測定音を含む信号であり、
前記測定信号は、前記聴取位置に対して設置された複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号である
再生方法。
(14)
コンピュータを、
聴取位置に対して設置されたスピーカに供給するオーディオ信号を再生する再生部と、
収音信号から得られる測定音の他のスピーカとの間隔に応じて、対象のスピーカに供給する前記オーディオ信号の遅延量を調整する調整部と
を備え、
前記収音信号は、前記聴取位置に設けられた収音装置で収音された測定音であって、測定信号に応じた前記測定音を含む信号であり、
前記測定信号は、前記聴取位置に対して設置された複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号である
オーディオ信号再生装置として機能させるためのプログラム。
(15)
聴取位置に対して設置された複数のスピーカから出力される、測定信号に応じた測定音を収音して、収音信号を得る収音部を備え、
前記測定信号は、前記複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号であり、
前記収音信号は、前記聴取位置で収音された前記測定音を含む信号である
収音装置。
(16)
前記収音部により収音を開始した後に、オーディオ信号の再生を行うオーディオ信号再生装置に対し、前記測定信号を、前記複数のスピーカのそれぞれに供給して、各スピーカから前記測定音の出力が開始されるように要求する
(15)に記載の収音装置。
(17)
前記複数のスピーカから出力される前記測定音を収音して得られる前記収音信号に基づいて、前記オーディオ信号の遅延量を算出する算出部と、
算出した前記オーディオ信号の遅延量を、前記オーディオ信号再生装置に送信する送信部と
をさらに備える(15)又は(16)に記載の収音装置。
(18)
前記収音部は、マイクロフォンであり、
前記収音装置は、前記マイクロフォンを有する端末装置である
(15)乃至(17)のいずれかに記載の収音装置。
(19)
収音装置の収音方法において、
前記収音装置が、
聴取位置に対して設置された複数のスピーカから出力される、測定信号に応じた測定音を収音して、収音信号を得るステップを含み、
前記測定信号は、前記複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号であり、
前記収音信号は、前記聴取位置で収音された前記測定音を含む信号である
収音方法。
(20)
コンピュータを、
聴取位置に対して設置された複数のスピーカから出力される、測定信号に応じた測定音を収音して、収音信号を得る収音部を備え、
前記測定信号は、前記複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号であり、
前記収音信号は、前記聴取位置で収音された前記測定音を含む信号である
収音装置として機能させるためのプログラム。
1 マルチチャンネルオーディオシステム, 2 ワイヤレススピーカシステム, 10 携帯端末装置, 20 スピーカ, 20−C センタスピーカ, 20−L フロントLスピーカ, 20−R フロントRスピーカ, 20−SL サラウンドLスピーカ, 20−SR サラウンドRスピーカ, 21 ワイヤレススピーカ, 21−C センタワイヤレススピーカ, 21−L フロントLワイヤレススピーカ, 21−R フロントRワイヤレススピーカ, 21−SL サラウンドLワイヤレススピーカ, 21−SR サラウンドRワイヤレススピーカ, 30 オーディオ信号再生装置, 40 外部信号源, 100 処理部, 101 メモリ, 103 マイクロフォン, 106 送信部, 111 距離差算出部, 112 遅延量算出部, 200 コントローラ, 201 受信部, 202 送信部, 203 復号部, 204 再生バッファ, 205 信号増幅器, 206 スピーカユニット, 300 コントローラ, 301 メモリ, 302 受信部, 303 復号部, 304−1乃至304−5 信号増幅器, 305−1乃至305−5 遅延メモリ, 1000 コンピュータ, 1001 CPU

Claims (20)

  1. 聴取位置に対して設置されたスピーカに供給するオーディオ信号を再生する再生部と、
    収音信号から得られる測定音の他のスピーカとの間隔に応じて、対象のスピーカに供給する前記オーディオ信号の遅延量を調整する調整部と
    を備え、
    前記収音信号は、前記聴取位置に設けられた収音装置で収音された測定音であって、測定信号に応じた前記測定音を含む信号であり、
    前記測定信号は、前記聴取位置に対して設置された複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号である
    オーディオ信号再生装置。
  2. 前記調整部は、前記聴取位置に対する、各スピーカの位置の距離差に応じて、前記オーディオ信号の遅延量を調整する
    請求項1に記載のオーディオ信号再生装置。
  3. 前記調整部は、前記複数のスピーカのうち、前記聴取位置に最も遠い位置に設置されたスピーカを基準に、前記オーディオ信号の遅延量を調整する
    請求項2に記載のオーディオ信号再生装置。
  4. 前記複数のスピーカと接続され、
    前記複数のスピーカに対し、測定時に、前記測定信号を供給し、再生時に、前記遅延量に応じた前記オーディオ信号を供給する
    請求項1に記載のオーディオ信号再生装置。
  5. 測定時において、前記収音装置での収音が開始された後に、前記測定信号を、前記複数のスピーカに供給する
    請求項4に記載のオーディオ信号再生装置。
  6. 前記収音装置は、マイクロフォンを有する端末装置であり、
    前記端末装置は、前記マイクロフォンにより収音を開始した後に、前記オーディオ信号再生装置に対し、前記測定信号を、前記複数のスピーカのそれぞれに供給して、各スピーカから前記測定音の出力が開始されるように要求する
    請求項1に記載のオーディオ信号再生装置。
  7. 前記端末装置は、
    前記複数のスピーカから出力される前記測定音を収音して得られる前記収音信号に基づいて、前記オーディオ信号の遅延量を算出し、
    算出した前記オーディオ信号の遅延量を、前記オーディオ信号再生装置に送信する
    請求項6に記載のオーディオ信号再生装置。
  8. 前記オーディオ信号再生装置は、前記聴取位置に対して設置されるスピーカであって、スピーカユニットを有するワイヤレススピーカであり、
    前記スピーカユニットに対し、測定時に、前記測定信号を供給し、再生時に、前記遅延量に応じた前記オーディオ信号を供給する
    請求項1に記載のオーディオ信号再生装置。
  9. 前記収音装置は、マイクロフォンを有する端末装置であり、
    前記端末装置は、
    前記マイクロフォンにより収音を開始した後に、前記測定信号を、複数のワイヤレススピーカのそれぞれに送信して、各ワイヤレススピーカから前記測定音の出力が開始されるように要求し、
    前記複数のワイヤレススピーカから出力される前記測定音を収音して得られる前記収音信号に基づいて、前記オーディオ信号の遅延量を算出し、
    算出した前記オーディオ信号の遅延量を、前記複数のワイヤレススピーカのそれぞれに送信して、各ワイヤレススピーカで、当該遅延量に応じた前記オーディオ信号が再生されるように要求する
    請求項8に記載のオーディオ信号再生装置。
  10. 前記時間間隔は、前記聴取位置から各スピーカの位置までの距離差によって生じる、時間のずれの最大時間を上回る時間間隔とされる
    請求項2に記載のオーディオ信号再生装置。
  11. 前記時間間隔は、前記聴取位置から各スピーカの位置までの距離差の予測値を上回る時間間隔とされる
    請求項2に記載のオーディオ信号再生装置。
  12. 前記時間間隔は、前記複数のスピーカごとに、同一の時間間隔となるか、あるいは前記聴取位置から各スピーカの位置までの距離差の予測値に応じた異なる時間間隔となる
    請求項2に記載のオーディオ信号再生装置。
  13. オーディオ信号再生装置の再生方法において、
    前記オーディオ信号再生装置が、
    聴取位置に対して設置されたスピーカに供給するオーディオ信号を再生する再生部と、
    収音信号から得られる測定音の他のスピーカとの間隔に応じて、対象のスピーカに供給する前記オーディオ信号の遅延量を調整する調整部と
    ステップを含み、
    前記収音信号は、前記聴取位置に設けられた収音装置で収音された測定音であって、測定信号に応じた前記測定音を含む信号であり、
    前記測定信号は、前記聴取位置に対して設置された複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号である
    再生方法。
  14. コンピュータを、
    聴取位置に対して設置されたスピーカに供給するオーディオ信号を再生する再生部と、
    収音信号から得られる測定音の他のスピーカとの間隔に応じて、対象のスピーカに供給する前記オーディオ信号の遅延量を調整する調整部と
    を備え、
    前記収音信号は、前記聴取位置に設けられた収音装置で収音された測定音であって、測定信号に応じた前記測定音を含む信号であり、
    前記測定信号は、前記聴取位置に対して設置された複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号である
    オーディオ信号再生装置として機能させるためのプログラム。
  15. 聴取位置に対して設置された複数のスピーカから出力される、測定信号に応じた測定音を収音して、収音信号を得る収音部を備え、
    前記測定信号は、前記複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号であり、
    前記収音信号は、前記聴取位置で収音された前記測定音を含む信号である
    収音装置。
  16. 前記収音部により収音を開始した後に、オーディオ信号の再生を行うオーディオ信号再生装置に対し、前記測定信号を、前記複数のスピーカのそれぞれに供給して、各スピーカから前記測定音の出力が開始されるように要求する
    請求項15に記載の収音装置。
  17. 前記複数のスピーカから出力される前記測定音を収音して得られる前記収音信号に基づいて、前記オーディオ信号の遅延量を算出する算出部と、
    算出した前記オーディオ信号の遅延量を、前記オーディオ信号再生装置に送信する送信部と
    をさらに備える請求項16に記載の収音装置。
  18. 前記収音部は、マイクロフォンであり、
    前記収音装置は、前記マイクロフォンを有する端末装置である
    請求項15に記載の収音装置。
  19. 収音装置の収音方法において、
    前記収音装置が、
    聴取位置に対して設置された複数のスピーカから出力される、測定信号に応じた測定音を収音して、収音信号を得るステップを含み、
    前記測定信号は、前記複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号であり、
    前記収音信号は、前記聴取位置で収音された前記測定音を含む信号である
    収音方法。
  20. コンピュータを、
    聴取位置に対して設置された複数のスピーカから出力される、測定信号に応じた測定音を収音して、収音信号を得る収音部を備え、
    前記測定信号は、前記複数のスピーカに対し、所定の時間間隔で、前記測定音を出力させる信号であり、
    前記収音信号は、前記聴取位置で収音された前記測定音を含む信号である
    収音装置として機能させるためのプログラム。
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