JPWO2018096897A1 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

操舵制御装置は、自動操舵制御量を生成する自動操舵制御器と、手動操舵制御量を生成する手動操舵制御器とを備え、自動操舵モードおよび手動操舵モードのいずれか一方を選択して電動機を制御する。そして、自動操舵モードによる制御中に、操舵トルクが所定値を超過すると、手動操舵制御器は、超過時を基準とする前記手動操作量の変化に基づく手動操舵制御量変化を生成した後に、操舵トルクに基づく手動操舵制御量を生成し、超過時の自動操舵制御量に手動操舵制御量変化を加算した制御量に基づいて電動機を制御した後に、手動操舵モードにより電動機を制御する。

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
自動車の操舵装置としてパワーステアリング装置等が使用されているが、操舵装置に使用される操舵制御装置として、例えば、特許文献1で提案されているように、手動操舵モードと自動操舵モードとを選択して制御する機能を有するものが知られている。手動操舵モードでは、車両の運転状態に基づき、モータなどを備えたアクチュエータを制御して運転者の操舵力を補助する操舵補助力を付与するアシスト制御を行う。自動操舵モードでは、上位コントローラの指令値に基づく目標舵角に応じて、アクチュエータを制御して転舵輪舵角を自動で調整する。操舵制御装置は、運転者がステアリングホイールを操作したときの操舵トルクをトルクセンサで検出し、検出された操舵トルクが閾値未満の時には自動操舵モードに切替え、操舵トルクが閾値以上の時には手動操舵モードに切替える。
日本国特開平9−240502号公報
上述のように、特許文献1に記載の車両操舵装置では、自動操舵モード中の操舵トルクが閾値をこえた場合に手動操舵モードに移行する。しかしながら、手動操舵モードではステアリングホイール操作時の操舵トルクに応じてアシスト力を発生させるので、操舵トルクが閾値に到達した直後に発生するアクチュエータ出力と切替え直前(自動操舵モード中)のアクチュエータ出力との大小関係によって、ステアリングホイールから受ける感触が異なる。例えば、アクチュエータ出力が移行直前よりも大きく同じ方向の場合には、ステアリングホイールが急に軽くなり、逆にアクチュエータ出力が移行直前よりも小さい場合にはステアリングホイールが押し戻されるような感触を受けることになる。このような違和感は運転操作の妨げになるため、車両が走行中の場合には、車両挙動を乱す要因となる可能性がある。
本発明の一態様によると、入力された自動走行指令に基づいて、車両車輪を転舵する操舵用アクチュエータの自動操舵制御量を生成する自動操舵制御器と、前記車両車輪を転舵する手動操作部の手動操作量に基づいて、前記操舵用アクチュエータの手動操舵制御量を生成する手動操舵制御器と、を備え、前記自動操舵制御量により前記操舵用アクチュエータを制御する自動操舵モードおよび前記手動操舵制御量により前記操舵用アクチュエータを制御する手動操舵モードのいずれか一方を選択して、前記操舵用アクチュエータを制御する操舵制御装置であって、前記自動操舵モードによる制御中に、前記車両車輪を転舵する手動操作部の手動操作量が所定値を超過すると、前記手動操舵制御器は、超過時を基準とする前記手動操作量の変化に基づく手動操舵制御量変化を生成した後に、前記手動操作量に基づく手動操舵制御量を生成し、前記超過時の前記自動操舵制御量に前記手動操舵制御量変化を加算した第1制御量に基づいて前記操舵用アクチュエータを制御した後に、前記手動操舵モードにより前記操舵用アクチュエータを制御する。
本発明によれば、自動操舵モードから手動操舵モードに移行した際の操舵違和感を低減することができる。
図1は、操舵装置および操舵制御装置を示す図である。 図2は、操舵制御装置の構成を示すブロック図である。 図3は、手動制御量と手動操舵制御量との関係の一例を示す図である。 図4は、操舵制御の一例を示すフローチャートである。 図5は、操舵角、操舵トルクおよび電動機制御量の時間変化を示す図である。 図6は、従来の場合の操舵トルクおよび電動機制御量の時間変化を示す図である。 図7は、逆方向に転舵した場合の操舵トルクおよび電動機制御量の時間変化を示す図である。 図8は、直進状態からレーン変更する場合の操舵トルクおよび電動機制御量の時間変化を示す図である。 図9は、変形例における操舵制御のフローチャートを示す図である。 図10は、変形例における操舵角、操舵トルクおよび電動機制御量の時間変化を示す図である。 図11は、超過時の操舵制御量を上限とし、それを超えない範囲で移行制御量を設定する場合の一例を示す図である。 図12は、超過時の操舵制御量を上限とし、それを超えない範囲で移行制御量を設定する場合の他の例を示す図である。 図13は、第2の実施の形態における操舵制御装置の構成を示すブロック図である。 図14は、操舵トルクとアシスト制御量との相関の一例を示す図である。 図15は、第2の実施の形態における操舵制御の一例を示すフローチャートである。 図16は、第2の実施の形態における操舵トルク、アシスト制御量および電動機制御量の時間変化を示す図である。 図17は、第3の実施の形態における操舵制御装置の構成を示すブロック図である。 図18は、第3の実施の形態における操舵制御の一例を示すフローチャートである。 図19は、第3の実施の形態における操舵トルク、アシスト制御量、手動寄与度および電動機制御量の時間変化を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
−第1の実施の形態−
図1は操舵装置1および操舵制御装置17を示す図である。なお、図1で説明する構成は、以下に説明する各実施形態において共通する構成である。操舵装置1は、ステアリングホイール2、ステアリングシャフト3、ピニオン軸4、ラック軸5および電動機7を備えている。
ステアリングシャフト3とピニオン軸4との間には、トルクセンサ10が設けられている。トルクセンサ10は、図示しないトーションバーのねじれ角に基づいて操舵トルクThを出力する。なお、不図示のトーションバーは、ステアリングシャフト3とピニオン軸4との接続部に配置される。また、トーションバーよりもステアリングシャフト3側には、ステアリングホイール2の回転角である操舵角を検出する操舵角センサ12が配置されている。
ピニオン軸4とかみ合うラック歯が形成されたラック軸5は、ピニオン軸4と共にラックアンドピニオン機構を構成している。ステアリングホイール2が回転操作されると、ステアリングシャフト3を介してピニオン軸4に回転が伝達され、ラックアンドピニオン機構によりピニオン軸4の回転がラック軸5の直動運動に変換される。その結果、ラック軸5の両端に接続されたタイロッド8を介して転舵輪9が転舵される。
ラック軸5には、アクチュエータである電動機7が減速機構6を介して接続されている。図1に示した例では、減速機構6は、電動機7の出力軸14に取り付けられたベルト・プーリ15と、ベルト・プーリ15によって駆動されるボールねじ16とを備えている。減速機構6によって、電動機7のトルクがラック軸5の並進方向力に変換される。なお、減速機構6としては、ステアリングホイール入力の場合と同様にラックアンドピニオンを用いる構成や、ボールねじのナットを中空モータによる直接駆動する構成などを用いても良い。
電動機7の動作を制御する操舵制御装置17は、入力端子18と出力端子19とを備えている。入力端子18には、例えば、車両制御装置20からの入力情報21、トルクセンサ10からの操舵トルクTh、操舵角センサ12からの操舵角δhおよび車速などの車両状態情報22が入力される。入力情報21には、車両の走行モードや自動操舵に関する目標舵角が含まれる。また、操舵制御装置17の出力端子19からは、操舵装置1の操舵制御量や操舵装置1の状態情報を含む出力情報23が出力される。
ここで車両制御装置20とは、操舵装置1を搭載する車両に搭載されている制御装置である。車両制御装置20は、車両状態量(車両の速度、前後左右加速度、ヨーレイトなど)と、ステアリング操作、アクセル操作、各種スイッチ操作などの情報とに基づいて、少なくとも操舵装置1を含む車両の各アクチュエータに対する制御量の演算と送信を行うと共に、自動操舵モードと手動操舵モードのいずれかのモードの選択及び各アクチュエータへの実行要求などを行う機能を有している。
図2は、電動機7を制御する操舵制御装置17の構成を示すブロック図である。操舵制御装置17は、少なくとも手動操舵制御器31、自動操舵制御器32、制御選択部33、電動機制御量演算部34、手動変化分演算部35、移行制御量演算部36、電動機駆動回路44を備えている。
自動操舵制御器32には、少なくとも、車両制御装置20からの入力情報21と、操舵装置1からの操舵角δh、実舵角37および操舵トルクThとが入力される。車両制御装置20からの入力情報21には、少なくとも、自動操舵モードを実行するための自動操舵モード実行指令や目標舵角が含まれる。実舵角37は車輪9の実際の回転角であり、電動機駆動回路44で検出される電動機7の回転角から算出されたり、ラック軸5に取り付けられたセンサなどで検出されたりする。
自動操舵制御器32は、これらの入力情報に基づいて自動操舵制御量38を出力する。自動操舵制御量38は、例えば車両制御装置20から送信される目標舵角と車輪9の実舵角37との舵角差を低減するために、舵角差をなくすような出力を電動機7に要求するトルク指令値である。
手動操舵制御器31には、少なくとも、手動変化分演算部35からの手動制御量Tmと、操舵装置1からの操舵角δhおよび実舵角37とが入力される。手動変化分演算部35は、入力される操舵トルクTh、操舵角δhおよび実舵角37に基づいて、操舵モードに応じた手動制御量Tmを演算する。手動操舵制御器31は、入力された手動制御量Tm、操舵角δhおよび実舵角37に基づいて、運転者の操舵力を補助するための手動操舵制御量40を出力する。
図3は、手動制御量Tmと手動操舵制御量40との関係の一例を示す図である。手動操舵制御量40は、運転者の操舵力をアシストするアシスト力を発生するための出力を電動機7に要求するトルク指令値であって、手動制御量Tmと図3に示すような相関関係とに基づいて算出される。なお、図3の特性は、車速などの車両状態量によって変化するとしてもよい。
図2に戻って、制御選択部33は、入力情報21に含まれる操舵モード情報と操舵トルクThに基づいて、入力された自動操舵制御量38および手動操舵制御量40のどちらか一方を選択し、それを操舵制御量Mcとして出力する。
移行制御量演算部36は、操舵トルクThと操舵角δhまたは実舵角37に基づいて、自動操舵モードから手動操舵モードに移行する際の移行制御量Mmを演算し、演算した移行制御量Mmを電動機制御量演算部34へ出力する。
電動機制御量演算部34は、入力された操舵制御量Mcおよび移行制御量Mmに基づいて電動機制御量Mrを出力する。電動機制御量Mrは電動機7に出力を要求するトルク指令値である。電動機制御量Mrは、電動機駆動回路44に入力される。
電動機駆動回路44は、入力された電動機制御量Mrに応じたトルクを発生するように、電動機7の状態に応じた駆動電流45を生成し、操舵装置1の電動機7を駆動する。
(動作説明)
次に、操舵制御装置17の動作について図4,5を参照して説明する。図4は、車両が「自動操舵モード」で走行中に、運転者がステアリングホイール2を操作した場合の操舵制御装置17の制御の概略を示す制御フローチャートである。図5は、車両が一定の曲率を持つ円弧状の道路を走行している状態を説明する図であり、(a)は操舵角δhの時間変化を示し、(b)は操舵トルクThの時間変化を示し、(c)は電動機制御量Mrの時間変化を示す。
なお、図4のステップS0およびステップS1は図5のt3〜t5における処理を表しており、ステップS2からステップS6まではt=t5における処理を表しており、ステップS7からステップS12まではt5〜t7の処理を表しており、ステップS13はt>t7における処理を表している。
≪ステップS0≫
図4のステップS0においては、車両は自動操舵モードで走行している。すなわち、車両制御装置20からの入力情報21に含まれる操舵モード情報は自動操舵モードとなっており、入力情報21には自動操舵モードにおける舵角目標値が含まれている。操舵制御装置17は操舵モード情報から自動操舵モードであること認識し、自動操舵制御器32は、舵角目標値が実現されるような自動操舵制御量38を算出して出力する。制御選択部33は、自動操舵制御器32から入力される自動操舵制御量38を操舵制御量Mcとして出力する。
自動操舵モードにおいては、電動機制御量演算部34は、移行制御量演算部36から入力される移行制御量Mmの値に関係なく、制御選択部33から出力された操舵制御量Mc(すなわち、自動操舵制御器32からの自動操舵制御量38)を電動機制御量Mrとして出力する。そして、電動機制御量Mrに基づく駆動電流45が電動機駆動回路44から出力され、舵角目標値を実現するように操舵装置1の電動機7が駆動される。
図5のt3〜t4においては、車両が一定の曲率を持つ円弧状の道路を走行するように、自動操舵モードにより一定の舵角(=舵角目標値)に制御されており、運転者がステアリングホイール2から手を離した状態で車両は走行している。この際に、車両は一定の曲率の軌道を走行しているため、車輪9を転舵するために必要な操舵力は一定になる。自動操舵モードでは操舵力は電動機7のみに依存しているので、図5(c)に示すように、t3〜t4における電動機制御量Mrは一定値となっている。また、t3〜t4においては、ステアリングホイール2は運転者によって操作されていないので、操舵トルクThはゼロとなっており(図5(b))、操舵角δhも舵角目標値に対応する操舵角Aで一定となっている(図5(a))。
≪ステップS1≫
ステップS1では、操舵制御装置17は、操舵トルクThの絶対値|Th|が予め設定した操舵トルク閾値Cを超えたか否かを判定し、|Th|>Cの場合には手動操舵モードへの移行要求があると判断してステップS2へ進む。一方、|Th|≦Cの場合にはステップS0へ戻って自動操舵モードを継続する。
図5に示す例では、t=t4において運転者によるステアリングホイール2の操作が開始される。ここでは、車輪9の転舵量を増加させる操舵が行われ、そのときの操舵トルクThの符号を正とする。
上述したように、自動操舵モードでは舵角は舵角目標値を維持するように電動機制御量Mrが制御される。そのため、ステアリングホイール2の操作によってトーションバーがねじられて操舵角δhが若干変化しても、舵角は一定に保たれる。ステアリングホイール2の操作によってトーションバーがねじられると、操舵トルクTh(>0)がトルクセンサ10による検出される。t4〜t5では、トーションバーのねじれの増加に伴って操舵トルクThが増加する。操舵角δhもトーションバーのねじれの分だけ僅かに増加している。そして、t=t5において|Th|>Cとなると、ステップS1においてYESと判定され、ステップS2へ進む。
≪ステップS2≫
ステップS1からステップS2へ進むと、ステップS2において、t=t5における操舵トルクThを、すなわち|Th|>Cとなった超過時の操舵トルクThを、変数Tcとして操舵制御装置17の記憶部(不図示)に記憶する。このとき、変数TcはCに等しいとみなすことができる。さらに、手動変化分演算部35から手動操舵制御器31へ出力される手動制御量TmがTm=0にセットされる。その結果、t=t5において、手動操舵制御器31から出力される手動操舵制御量40はゼロとなる(図3参照)。ここで、超過時とは厳密なt=t5である必要はなく、変数Tcとしては、制御的な時間ズレ等を考慮した時間幅において取得された操舵トルクThであれば良い。
≪ステップS3≫
ステップS3において、移行制御量演算部36は、|Th|>Cとなった超過時に制御選択部33から出力される操舵制御量Mc(=自動操舵制御量38)を保存し、t=t5以後は保存したMcを移行制御量Mmとして出力する。
≪ステップS4≫
ステップS4において、制御選択部33は、制御選択部33から出力される操舵制御量Mcを、自動操舵制御量38から手動操舵制御量40へと切り替える。
≪ステップS5≫
ステップS5において、操舵制御装置17は、上述した変数Tcの絶対値|Tc|を変数Tpとして保存する。
≪ステップS6≫
ステップS6において、電動機制御量演算部34は、次式(1)により電動機制御量Mrを演算する。すなわち、t=t5からは操舵制御量Mcと移行制御量Mmとに基づいて、電動機制御量Mrを次式(1)により演算し、その電動機制御量Mrを電動機制御量43へ出力する。電動機駆動回路44は、この電動機制御量Mrに基づいて駆動電流45を生成し、生成された駆動電流45により操舵装置1の電動機7が駆動される。
Mr=Mc+(Tp/|Tc|)Mm …(1)
図5においては、t=t5においてステップS1で|Th|>Cと判定され、Tm=0とされると共にt=t5における操舵制御量Mc(t5)が移行制御量Mmとされる。ステップS2でTm=0とされると手動操舵制御量40はゼロになるので、ステップS4で操舵制御量Mcとして手動操舵制御量40に切り替えられると、制御選択部33から出力される操舵制御量McはMc=0となる。また、t=t5ではTp/|Tc|=1なので、式(1)から算出される電動機制御量Mrは、Mr=Mm(=Mc(t5))となる。すなわち、t=t5では電動機制御量Mrは移行制御量Mmとなる。
≪ステップS7≫
ステップS7では、トルクセンサ10から出力される操舵トルクThの絶対値|Th|と変数Tpとを比較し、|Th|≧Tpの場合にはステップS9へ進み、|Th|<Tpの場合にはステップS8へ進む。
図5に示す例では、t5とt6との間ではTh>Cなので|Th|≧Tp(=C)の条件が満足され、ステップS7からステップS9へと進む。また、t5〜t6においては、転舵量が増加する方向にステアリングホイール2を操舵した後、転舵量が減少する方向にステアリングホイール2を操作しており、t≦t6において操舵角δh<A、操舵トルクTh<Cとなる。そのため、t5〜t6においてはステップS7からステップS9へと進み、t6以後は|Th|<Tpと判定されてステップS8へと進む。
≪ステップS8≫
ステップS8では、ステップS5においてTp=|Tc|のように設定された変数Tpを、関数g(x)を用いてTp=g(|Tc|)のように置き換える。ここで、関数g(x)としては、g(Tc)=Tcかつg(0)=0となる任意の関数を選ぶとよい。
≪ステップS9≫
ステップS9では、手動変化分演算部35は、次式(2)で算出されるTmを手動制御量Tmとして出力する。なお、sgn(Th)は、Thの符号を表す。
Tm=sgn(Th)×(|Th|−Tp) …(2)
≪ステップS10≫
ステップS10では、手動操舵制御器31は、入力された手動制御量Tm(=sgn(Th)×(|Th|−Tp))に対して、f(Tm)で算出される手動操舵制御量40を制御選択部33へ出力する。ここで、関数f(x)は操舵トルクと手動操舵制御量との関係を示す任意の関数を表す。ステップS4において説明したように、制御選択部33は操舵制御量Mcとして手動操舵制御量40すなわちf(Tm)を出力するので、電動機制御量演算部34には、f(sgn(Th)×(|Th|−Tp))が操舵制御量Mcとして入力される。その結果、電動機制御量演算部34は、ステップS10で算出した操舵制御量Mc=f(sgn(Th)×(|Th|−Tp))と、移行制御量演算部36から出力される移行制御量Mmと、式(1)とから電動機制御量Mrを算出し、出力する。
≪ステップS11≫
ステップS11では、操舵トルクThの絶対値|Th|と予め設定された移行下限値Dとの比較を行い、|Th|≧Dの場合はステップS7へ戻り、|Th|<Dの場合にはステップS12へ進む。
図5に示す例では、t5<t<t6においては「S7→S9→S10→S11」の処理が繰り返され、t6≦t<t7においては「S7→S8→S9→S10→S11」の処理が繰り返される。そして、t=t7においてステップS11でYESと判定されて、ステップS12へ進む。
t5<t<t6では、ステップS9で算出されるTmはTm=|Th|−Tp=ΔTとなり、ステップS10の操舵制御量McはMc=f(ΔT)となる。ここで、ΔTは図5(b)の操舵トルクThと操舵トルク閾値Cとの差分に相当する。また、Tp/|Tc|=1なので、式(1)で表される電動機制御量MrはMr=f(ΔT)+Mmとなる。図5(c)の破線は(Tp/|Tc|)Mmを示しており、t5<t<t6では一定値Mmとなる。
また、t6<t<t7では、手動制御量Tmや電動機制御量Mrの演算におけるTpに、ステップS8で算出されるTp=g(|Th|)が用いられる。ステップS7からステップS8に移行した場合は|Th|<Tp=|Tc|=Cであるので、g(|Th|)<Cであってg(|Th|)は操舵トルクThの減少と共に小さくなる。その結果、手動制御量Tmが減少し、それに応じて「Mr=Mc+(Tp/|Tc|)Mm」の右辺第1項のMcも減少する。また、Tpの減少につれてTp/|Tc|も減少するので、(Tp/|Tc|)Mmを表す図5(c)の破線ラインも減少する。
このような制御を行うことによって、ステップS9で算出される手動制御量Tmは、操舵トルクThの低下と共に実際の操舵トルクに近づくことになり、ステップS10における手動操舵制御量(=操舵制御量)は通常の手動操舵モードのときの値に近づく。また、電動機制御量Mrの計算でも、操舵トルクThの減少と共に(Tp/|Tc|)Mmの値が減少するので、電動機操舵量Mrは手動操舵制御量f(Th)に徐々に近づく。その後、t=t7において|Th|<Dとなると、ステップS12へ進む。
≪ステップS12≫
ステップS11において|Th|<Dと判定されてステップS12へ進んだ場合、操舵制御装置17は制御モードが手動操舵モードに完全に移行したと判断する。すなわち、移行制御量演算部36から出力される移行制御量MmをMm=0とすると共に、手動変化分演算部35から出力される手動制御量TmをTm=Thとする。そのため、手動操舵制御器31からは手動操舵制御量f(Th)が出力され、電動機制御量演算部34から出力される電動機制御量Mrは、Mr=Mc=f(Th)のように手動操舵制御量f(Th)と同一となる。これによってt=t7以後は、操舵装置1は通常の手動操舵モードで制御されることになる。
上述したように、t=t5から運転者がさらに操舵して操舵トルクThが増加すると(ステップS7)、操舵制御量Mcは、t=t5における操舵トルクTcからの差分(図5の場合は増加分)ΔTに応じた手動操舵制御量f(ΔT)とされる。また、t5〜t6ではTh>CなのでステップS7からステップS9に進むが、その場合はTp=|Tc|なので(Tp/|Tc|)Mm=Mmとなる。そのため、式(1)で算出される電動機制御量MrはMr=Mc+Mmとなり、電動機制御量Mrは、t=t5の電動機制御量(Mm)を起点として運転者の操舵の増加分に対応するように増加する。このようにΔTに基づく制御を行うことによって、従来のようにモード切替時の操舵トルクThに基づいて電動機制御量Mrが生成される場合に比べて、自動操舵モードから手動操舵モードに切替えた直後(t5)の電動機7の出力が大きく変化するのを防止することができる。
その結果、運転者はステアリングホイール2の操作が急に軽くなったり、重くなったりするように感じることがなく、操舵モードが移行した際の運転操作が容易になる効果が得られる。また、緊急の操舵をした場合にも、運転者の操作が運転モード切替え直後に反映されるため、障害物の緊急回避などを安全に実行することができる。
一方、前述した特許文献1に記載の車両操舵装置では、自動操舵モード中の操舵トルクが閾値をこえると、単純に手動操舵モードに移行する。しかしながら、手動操舵モードではステアリングホイール操作時の操舵トルクThに応じてアシスト力を発生させるので、切り替え直後に要求されるアクチュエータ出力(操舵トルクTh=Cに対応するアクチュエータ出力)と切替え直前のアクチュエータ出力との大小関係によって、ステアリングホイールから受ける感触が異なる。
例えば、アクチュエータ出力が移行直前よりも大きく同じ方向の場合には、ステアリングホイールが急に軽くなり、逆にアクチュエータ出力が移行直前よりも小さい場合にはステアリングホイールが押し戻されるような感触を受けることになる。このような違和感は運転操作の妨げになるため、車両が走行中の場合には、車両挙動を乱す要因となる可能性がある。
図6は、従来の制御において、アクチュエータ出力が移行直前よりも大きく同じ方向の場合の挙動を示したものである。図6(a)は操舵トルクの時間変化を示し、図6(b)は電動機制御量の時間変化を示す。運転者は、操舵トルクTh2に相当する舵角に転舵しようと、t=t4にステアリングホイール2の操作を開始する。そして、t=t5において操舵トルクThがモード切り替えの閾値Cを超えると、すぐさま手動操作モードに移行する。そのため、移行時の操舵トルクTh=C(>Th2)に応じてアシスト力が急激に大きくなると、アシスト力の増加に応じて操舵トルクも大きく低下する。図6の例では、電動機制御量Mrが操舵トルクTh2に対応する電動機制御量Mr2よりも大きくオーバーシュートし、電動機制御量Mrおよび操舵トルクThの振動が発生している。
図7は、図5と同様に自動運転モードで一定の曲率の軌道を走行する車両に対して、逆方向へ転舵した場合、すなわち、自動運転で走行している軌道の外側への移動を意図して操舵を開始した場合を示す。図7(a)は運転者がステアリングホイール2を操舵した際の操舵トルクThの時間変化を示し、図7(b)はその場合の電動機制御量Mrの時間変化を示す。
上述した図5の場合と同様に、t=t4でステアリングホイール2を握って操舵を開始する。操舵トルク11が操舵トルク閾値Cに到達したt=t5に、図4のステップS2へ移行する。また、t=t5において、直前に出力していた操舵制御量Mc(すなわち電動機制御量Mr=Mc)を移行制御量Mmとして保持し、その移行制御量Mmに、t5の操舵トルクThを基準とした操舵トルク変化量(ΔT)に対応した手動操舵制御量f(ΔT)を加算したものを電動機制御量Mrとする。図7では図5の場合と逆に転舵するため、電動機制御量Mrは、t=t5における電動機制御量Mrを起点として、f(ΔT)だけ減少するように出力される。
従来の制御の場合に図7のような操舵を運転者が行うと、t=t5における操舵トルク量に応じてそれまで車輪9を転舵していた方向とは反対方向に転舵させるための電動機出力が発生し、運転者は想定よりも大きく転舵してしまう可能性がある。しかし、本発明の制御では、それまで発生していた出力を減少させる動作に変わるので、運転者が誤って大きく転舵してしまうことがない。そのため、操舵モードが移行した直後の運転操作が容易になる効果が得られる。また、緊急の操舵をした場合にも、運転者の操作が運転モード切替え直後に反映されるため障害物の緊急回避などを安全に実行することができる。
上述した図5、7に示したでは、自動操舵モードにおいて所定の曲率で走行している場合に、ステアリングホイール2を操作して手動操舵モードに移行する場合について説明した。図8は、直進状態からレーン変更するような場合の、操舵トルクThおよび電動機制御量Mrの時間推移を示したものである。この場合、操舵トルクThが閾値Cを超えるまでは、電動機制御量MrはMr=0となっている。
(変形例)
図9、10は変形例を説明する図であり、図9はフローチャートを示し、図10は操舵角δh、操舵トルクThおよび電動機制御量Mrの時間変化を示す。図10では、図5の場合と同様に、一定の曲率を持つ円弧状の道路を走行中の状態を示す。
図4に示したフローチャートでは、t=t5において操舵トルクThが閾値Cを超えると(図5参照)、t>t5においては操舵トルクThの変化に応じて、手動制御量Tmを「Tm=sgn(Th)×(|Th|−Tp)」のように演算し、電動機制御量Mrを式(1)により演算するようにした。一方、図9のフローチャートでは、操舵角に応じて手動制御量Tmおよび電動機制御量Mrを演算するようにした。
図9のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと同様の処理を行うステップは同一の符号を付した。以下では、処理の異なるステップを中心に説明し、重複する説明は省略する。図9のステップS0からステップS4までは、図4のステップS0からステップS4までの処理と同一であり省略する。すなわち、操舵トルクThが閾値Cを超過すると、手動制御量TmはTm=0とされると共に、超過時の操舵制御量(すなわち自動操舵制御量38)が移行制御量Mmとして出力され、制御選択部33から手動操舵制御量40が操舵制御量Mcとして出力される。
≪ステップS21≫
ステップS21では、操舵制御装置17は、超過時の操舵角δhの絶対値|δh|を変数δcおよびδpとして保存する。
≪ステップS22≫
ステップS22において、電動機制御量演算部34は、操舵制御量Mcと移行制御量Mmとに基づいて、電動機制御量Mrを次式(3)により演算し、その電動機制御量Mrを電動機駆動回路44へ出力する。超過時においてはTm=0なので手動操舵制御量40および操舵制御量Mcはゼロとなり、かつ、δp=δc=|δh|なので電動機制御量MrはMr=Mmとなる。
Mr=Mc+(δp/δc)Mm …(3)
≪ステップS23≫
ステップS23において、操舵角の絶対値|δh|と変数δpとの大きさを比較し、|δh|≧δpの場合にはステップS25へ進み、|δh|<δpの場合にはステップS24へ進む。
≪ステップS24≫
ステップS23からステップS24へ進んだ場合には、ステップS24において、変数δpを関数h(|δh|)で算出される値に置き換える。ここで、関数h(x)はh(δc)=Tc、h(0)=0となる任意の関数を選ぶと良い。
≪ステップS25≫
ステップS25では、手動変化分演算部35は、次式(4)で算出されるTmを手動制御量として出力する。
Tm=sgn(Th)×(|Th|−(δp/δc)Tc) …(4)
≪ステップS26≫
ステップS26では、操舵各δhの絶対値|δh|と予め設定された移行下限値δdとの比較を行い、|δh|≧δdの場合にはステップS3へ戻り、|δh|<δdの場合にはステップS12へ進む。すなわち、操舵角δhがほぼ中立位置に戻ったならばステップS12に進んで、完全な手動操舵モードに移行する。なお、図4に示した例では、操舵角ではなく、操舵トルク|Th|が値Dを下回ったときに完全な手動操舵モード(ステップS12)に移行した。
図10に示す例では、t5<t<t6においては「S23→S25→S10→S26」の処理が繰り返され、t6≦t<t9においては「S23→S24→S25→S10→S26」の処理が繰り返される。そして、t=t9においてステップS26でYESと判定されて、ステップS12へ進む。
t5<t<t6ではδp/δc=1なので、ステップS25で算出されるTmはTm=|Th|−Tc=ΔTとなり、ステップS10の操舵制御量McはMc=f(ΔT)となる。また、式(3)で表される電動機制御量MrはMr=f(ΔT)+Mmとなる。図10(c)の破線は(δp/δc)Mmを示しており、t5<t<t6では一定値Mmとなる。
また、t6<t<t9では、手動制御量Tmや電動機制御量Mrの演算におけるδpに、ステップS24で算出されるδp=h(|δh|)が用いられる。ステップS23からステップS24に移行した場合は|δh|<δp=δcであるので、ステップS24で算出されるδp=h(|δh|)はδp<δcとなる。そして、δp(=h(|δh|))の値は操舵角δhの減少と共に小さくなる。その結果、t6<t<t9において図10(a)のようにδhが減少すると手動制御量Tmも減少し、それに応じて「Mr=Mc+(δp/δc)Mm」の右辺第1項のMcも減少することになる。また、δpの減少につれて(δp/δc)も減少するので、(δp/δc)Mmを表す図10(c)の破線ラインも減少傾向となる。
このような制御を行うことによって、ステップS25で算出される手動制御量Tmは、操舵角δhの低下と共に実際の操舵トルクに近づくことになり、ステップS10における手動操舵制御量(=操舵制御量)は通常の手動操舵モードのときの値に近づく。また、電動機制御量Mrにおいても、操舵角δhの減少と共に(δp/δc)Mmの値が減少するので、電動機操舵量Mrは手動操舵制御量の値に近づく。その後、t=t9において|δh|<δdとなると、ステップS12へ進む。
上述した変形例の場合も、|Th|>Cとなった超過時においてはMr=Mmと設定され、その後は、閾値Cを基準とした操舵トルクの変化量ΔT=|Th|−Tcが手動制御量Tmに設定される。このとき、電動機制御量MrはMr=Mc+Mmとなり、Mc=f(ΔT)とされるので、電動機制御量Mrは、t=t5の電動機制御量(Mm)を起点として操舵トルクThの変化分に対応するように変化する。そのため、従来のようにモード切替時の操舵トルクThに基づいて電動機制御量Mrが生成される場合に比べて、自動操舵モードから手動操舵モードに切り替えた直後に電動機7の出力が大きく変化するのを防止することができる。
なお、図5,7,8,10の説明では、電動機制御量Mrの変化を例に説明したが、電動機7へ出力される駆動電流45も、操舵トルクThに応じてほぼ同様の変化を示す。
また、上述した図4のステップS3の処理では、操舵トルクThが閾値Cを超過した時の操舵制御量McをMmに保存して、それを移行制御量として出力したが、超過時の操舵制御量Mcからそのときの操舵トルクTh(例えば、閾値C)を差し引いた値を、移行制御量Mmとして出力するようにしても良い。t<t5においては自動操舵モードであるので、この自動操舵モード中に操舵した場合、運転者の操舵に逆らって自動運転の軌道にとどまろうとし、運転者の操舵トルク分だけ電動機7の出力が変化する(若干小さくなる)ことになる。そのため、超過時の操舵制御量Mcからそのときの操舵トルクThを差し引くことによって、t=5で自動操舵モードから手動操舵モードに移行したときの電動機制御量Mrが乖離することなく連続的に接続されることになる。
また、超過時の操舵制御量McをMmに保存して、その一定の値Mmを移行制御量として出力するような制御としたが、超過時の操舵制御量Mc(=Mm)を上限とした値としてもよい。t5以後は、この上限Mmをこえない範囲で式(1)、(3)のMmを含む項を設定することになる。
例えば、t5以後における自動運転の軌道の曲率が低下した場合には、図11に示すように操舵トルク11が閾値Cをこえたt5後も、t5における操舵制御量M5を上限として、自動操舵制御器32の演算結果に基づいて、すなわち自動操舵モードにおいてt5以後に予定していた自動操舵制御量38を考慮して移行制御量Mmを低下させる。また、図12に示すように移行制御量Mmを時間の経過とともに漸減させるようにしても良い。このような場合であっても、自動操舵モードから手動操舵モードへの移行時(t5)に、運転者が受ける違和感を低減する効果が得られる。
また、図1の移行制御量演算部36では、操舵トルクThが閾値Cをこえた際の操舵制御量Mcを移行制御量Mmとして使用すると説明したが、これに代えて、超過時の操舵制御量を上限として、車両状態量からこの時点の車輪9の転舵量を維持するために必要な操舵装置1の出力から逆算した電動機制御量を、移行制御量Mmとして用いるようにしても良い。例えば、現在の車両運動のヨーレイトなどから車輪に加わる力を推定して、その力に対向できる電動機制御量を与える。
また、図4,8に示したフローでは、ステアリングホイール2の手動操作量の指標である操舵トルクThが閾値Cをこえた際に、ステップS2以後の処理が実行される。しかし、手動操作量の指標として操舵トルクThの代わりに操舵角δhを使用し、運転者の操舵角要求値である操舵角δhと実舵角37との差が所定の舵角差閾値よりも大きくなった場合に、ステップS2以後の処理が実行されるようにしても良い。
また、ステップS10で手動操舵制御量40を手動操舵変動分である手動制御量Tmに応じて演算したが、この値にローパスフィルタをかけた値を手動操舵制御量としてもよい。これによって自動操舵モードから手動操舵モードへ移行した際の違和感を低減することができる。
−第2の実施の形態−
次に、本発明の第2の実施形態について、図13〜15を参照して説明する。図13は操舵制御装置17の構成を示すブロック図である。第2の実施形態では、操舵制御装置17内の運転者の操舵による手動変化分の抽出方法が第1の実施の形態と異なっており、それ以外の構成は第1の実施の形態と同様である。なお、操舵装置1の構成は第1の実施の形態と同様のため説明を省略する。また、操舵制御装置17においても、図2と同様の箇所については同じ符号を付し説明を省略する。
図13では、手動操舵制御器131と手動変化分演算部135とが図2の構成と異なる。手動操舵制御器131は、入力された操舵トルクThに基づいてアシスト制御量Ahを算出する。手動操舵制御器131は、図14に示すような操舵トルクThとアシスト制御量Ahとの相関を示す相関関係に基づいて、入力された操舵トルクThに対してアシスト制御量Ahを出力する。アシスト制御量Ahは、運転者の操舵力に対するアシスト力を発生するために、電動機7に出力を要求するトルク指令値である。手動変化分演算部135にはアシスト制御量Ah、操舵トルクTh、操舵角δh、実舵角37が入力され、手動変化分演算部135はそれらに基づいて操舵モードに応じた手動操舵制御量Amを出力する。
図15は、操舵制御装置17の制御の概略を示す制御フローチャートである。なお、図15においても、図4に示す制御フローと同じ処理を行うステップには同じ符号を付し、そのステップの説明は省略する。
≪ステップS31≫
ステップS1において|Th|>Cと判定されてステップS31に進むと、ステップS31では、手動操舵制御器131から出力されるアシスト制御量AhをAcとして保存すると共に、手動変化分演算部135から出力される手動操舵制御量Amをゼロにセットする。
≪ステップS32≫
ステップS32では、操舵制御装置17は、変数Tp,Tcとして、|Th|>Cとなったときの(後述する、図16のt=t5)の操舵トルクThの絶対値|Th|を保存する。
≪ステップS33≫
ステップS7において|Th|≧Tpと判定されてステップS33に進んだ場合には、ステップS33において、手動変化分演算部135は、次式(5)で算出されるAmを手動操舵制御量として出力する。式(5)で、Ahは、現時点で得られる操舵トルクThに対して図14の特性から得られるからアシスト制御量である。
Am=sgn(Ah)×(|Ah|−(Tp/Tc)Ac) …(5)
≪ステップS34≫
ステップS34では、制御選択部33は、手動変化分演算部135から入力された手動操舵制御量Amを操舵制御量Mcとして出力する。その結果、電動機制御量演算部34は、制御選択部33から出力される操舵制御量Mcと移行制御量演算部36から出力される移行制御量Mmと、前述した式(1)とから電動機制御量Mrを算出し、出力する。
≪ステップS35≫
ステップS11において|Th|<Dと判定されてステップS35へ進んだ場合、操舵制御装置17は制御モードが手動操舵モードに完全に移行したと判断する。ステップS35では、移行制御量演算部36から出力される移行制御量MmをMm=0とする。また、手動変化分演算部135は、操舵トルクと手動操舵制御量との関係を表す関数f(x)と入力される操舵トルクThとに基づいて算出されるf(Th)を、手動操舵制御量Amとして出力する。その結果、電動機制御量演算部34において式(1)により算出される電動機制御量Mrは、Mr=Mc=f(Th)のように手動操舵制御量f(Th)と同一となる。これによって操舵装置1は通常の手動操舵モードで制御されることになる。
図16は車両動作の一例を示す図であり、(a)は操舵トルクThの時間変化を示し、(b)はアシスト制御量Ahの時間変化を示し、(c)は電動機制御量Mrの時間変化を示す。図5の場合と同様に、車両は一定の曲率を持つ円弧状の道路を走行しており、自動操舵モード(t<t5)においては、電動機制御量演算部34からは一定の電動機制御量Mrが出力されている。また、図16では、図15においてS7→S8→S33→S34→S11と処理が進んだ場合について示した。
t=t3からt=t4までの区間は、運転者がステアリングホイール2から手を離した状態で、車両は自動運転モードで走行している(ステップS0)。車両が一定の曲率の軌道を走行している場合には、車輪9を転舵するために必要な操舵装置1の操舵力は一定になるため、図16(c)に示すように電動機制御量Mrは一定の値となる。
次に、t=t4において運転者はステアリングホイール2を握って操舵を開始する。なお、図16に示す例では、円弧の内側に移動する、つまり車輪9の転舵量を増加させる操舵を行うものとする。図16(a)に示すように、t=t4から操舵トルクThが上昇し始める。
t=t5において操舵トルクThが閾値Cを超え、運転者が自動操舵モードから手動操舵モードへの移行を要求していると判断すると(ステップS1)、その時点のアシスト制御量AhをAcとして保存し、手動操舵制御量Amをゼロにセットする(ステップS31)。同時に、この時点の操舵制御量McをMmとして保存し、そのMmを移行制御量演算部36から移行制御量として出力させる(ステップS3)。
その後、制御選択部33の出力である操舵制御量Mcを手動操舵制御量Amに切替える(ステップS4)。同時に、操舵トルクThが閾値Cを超えた時点での操舵トルクThの絶対値|Th|をTc,Tpに保存する(ステップS32)。この時点では、手動操舵制御量Amは0が出力されるためMc=0となり、またTc=Tp=|Th|なので、前述の式(1)で算出される電動機制御量MrはMr=Mmとなる(ステップS6)。
t=t5から運転者がさらに操舵して操舵トルクThが増加すると(ステップS7)、上述した式(5)により算出される手動操舵制御量AmはAm=Ah−Acとなる。このとき制御選択部33は手動操舵制御量Amを選択しているので、制御選択部33から出力される操舵制御量McはMc=Amとなる(ステップS34)。その結果、式(1)で算出される電動機制御量MrはMr=Am+Mmとなる(図16(c)参照)。
図15に示すような制御を行うことによって、図16のt>t5に示すように、閾値Cを超えた時点の電動機制御量Mr(=Mm)を起点として、運転者の操舵の増加分に対応するように電動機制御量Mrが増加する。そのため、自動操舵モードから手動操舵モードに切替えた時点の電動機出力が大きく変化しないようにすることが可能となる。その結果、ステアリングホイール2の操作が急に軽くなったり重くなったりする違和感を低減することができ、操舵モードが切替った際の運転操作が容易になる。また、緊急の操舵をした場合にも運転者の操作が運転モード切替え直後に反映されるため、障害物の緊急回避などを安全に実行することができる。
−第3の実施の形態−
次に、本発明の第3の実施形態について図17〜19を参照して説明する。図17は操舵制御装置17の構成を示す図であり、図13の手動変化分演算部135に代えて手動寄与演算部120を設けた点が第2の実施の形態と異なる。手動寄与演算部120は、入力されたアシスト制御量Ah、操舵トルクTh、操舵角δh、実舵角37に基づいて、操舵モードに応じた手動操舵制御量Amを演算する。なお、操舵装置1の構成は第1の実施の形態と同様のため説明を省略する。また、操舵制御装置17も図13の構成と同様の箇所については同じ番号を付し説明を省略する。
図18は、操舵制御装置17の制御の概略を示す制御フローチャートである。図18においては、ステップS41およびステップS42の処理が、図15のフローチャートと異なる。なお、図18においても、図15に示す制御フローと同じ処理を行うステップには同じ符号を付し、そのステップの説明は省略する。
≪ステップS41≫
ステップS7において|Th|≧Tpと判定されてステップS41に進んだ場合には、ステップS41において、手動寄与演算部120は手動寄与度Rを算出する。手動寄与度Rは手動操作の程度を表す指標であり、操舵トルクThが閾値Cをこえた時点で0とされ、時間の経過とともに漸増し、最大=1となるように算出される量である。
≪ステップS42≫
ステップS42では、手動寄与演算部120は、算出した手動寄与度Rと手動操舵制御器131から入力されたアシスト制御量Ahとに基づいて、手動操舵制御量AmをAm=R×Ahのように演算し、出力する。
そして、第2の実施の形態の場合と同様に、算出した手動制動制御量Amを式(1)の操舵制御量Mcに代入して、電動機制御量Mrを算出する。
図19は車両動作の一例を示す図であり、(a)は操舵トルクThの時間変化を示し、(b)はアシスト制御量Ahの時間変化を示し、(c)は手動寄与演算部120で演算される手動寄与度Rの時間変化を示し、(d)は電動機制御量Mrの時間変化を示す。図16の場合と同様に、一定の曲率を持つ円弧状の道路を走行している状態を示す。また、図19では、図18でS7→S8→S41→S42→S34→S11と処理が進んだ場合について示した。
操舵トルクThが発生すると、その操舵トルクThに応じてアシスト制御量Ahが演算されるので、t=t5から操舵トルクThが上昇するにつれてアシスト制御量Ahも上昇している。手動寄与度Rは、操舵トルクThが閾値Cを超えた後における、電動機制御量に占める手動操作の割合である寄与の度合いを設定するものである。自動操舵モードから手動操舵モードに移行(t=t5)した直後の手動操舵制御量Amはゼロなので(ステップS31)、手動寄与度RはR=0である。操舵トルクThが閾値Cを超過するt5以後は、手動寄与度Rは、手動操舵制御量Am=R×Ahが操舵トルクThの超過量(=Th−C)に超過量に応じた値となるように設定される。
図18では、t=t3〜t4の区間は運転者がステアリングホイール2から手を離した状態で車両が自動運転モードで走行しており、t=t4において運転者がステアリングホイール2を掴んで操舵を始め、t=t5において操舵トルクThが閾値Cを超えている。手動寄与演算部120は、t=t5において手動寄与度Rを0とし、t5以降は時間経過と共に手動寄与度Rを0から1(t=t6)まで漸増させる。
図18に示すような制御を行うことにより、自動操舵モードから手動操舵モードに切替えた時点の電動機出力が大きく変化しないようにすることが可能となる。その結果、ステアリングホイール2の操作が急に軽くなったり重くなったりする違和感を低減することができ、操舵モードが切替った際の運転操作が容易になる。また、緊急の操舵をした場合にも運転者の操作が運転モード切替え直後に反映されるため、障害物の緊急回避などを安全に実行することができる。
また、図18では図示を省略したが、ステップS7でNOと判定されてS7→S8→S41→S42→S34と処理が進む場合には、第1の実施の形態の場合と同様に、操舵トルクThが閾値Cよりも小さくなったときは電動機制御量Mrにおける(Tp/|Th|)Mmの項が減少する。そして、|Th|<Dと判定されると通常の手動操舵モードに移行する。本実施の形態の場合も、上述した第1および第2の実施の形態の場合と同様に、自動操舵モードから手動操舵モードに切り替わった際の手動操舵の違和感を低減することができる。
上述した実施の形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
(C1)例えば、図1,2,4に示すように、操舵制御装置17は、車両制御装置20から入力された自動走行指令に基づいて、車両車輪を転舵する電動機7の自動操舵制御量38を生成する自動操舵制御器32と、車両車輪を転舵する手動操作部であるステアリングホイール2の手動操作量の指標である操舵トルクThに基づいて、電動機7の手動操舵制御量40を生成する手動操舵制御器31と、を備え、自動操舵制御量38により電動機7を制御する自動操舵モードおよび手動操舵制御量40により電動機7を制御する手動操舵モードのいずれか一方を選択して電動機7を制御する。
そして、自動操舵モードによる制御中に、ステアリングホイール2の操舵トルクThの|Th|が閾値Cを超過すると、手動操舵制御器31は、超過時を基準とする操舵トルクThの変化ΔTに基づく手動操舵制御量変化である操舵制御量Mc=f(ΔT)を生成した後に、手動操舵制御量f(Th)を生成し、超過時の自動操舵制御量である移行制御量Mmに操舵制御量Mc=f(ΔT)を加算した電動機制御量Mrに基づいて電動機7を制御した後に、手動操舵モードにより電動機7を制御する。図5(c)に示すように、t5〜t6では、Mr=f(ΔT)+Mmとなっている。
そのため、図10(c)に示すように、電動機制御量Mrは、超過時(t5)のMmから操舵制御量Mc=f(ΔT)に従って、超過時を基準とする操舵トルクThの変化ΔTに応じた変化を示す。その結果、自動操舵モードから手動操舵モードに切替えた直後に電動機7の出力が大きく変化するのを防止することができ、運転者がステアリングホイール2の操作に違和感を覚えることがない。
すなわち、自動操舵モード中の運転者の操作に応じて自動操舵モードから手動操舵モードに移行する際に操舵装置のアクチュエータの出力差を抑制することができる。これによって運転者が手動操舵モードに移行した際の違和感を低減することができるため、手動操舵モード移行後の運転操作が容易となり、安全な走行を継続することができる。また、運転者の運転操作が手動操舵モード移行後即座に反映されるため、緊急回避などの操作を容易に行うことができる。
(C2)また、超過以後の手動操舵制御量変化としては、図4や図8で説明したように超過時を基準とする操舵トルクThの変化量ΔTに基づいて手動操舵制御器31で生成される手動操舵制御量Tm=f(ΔT)であっても良いし、図14で説明したようにアシスト制御量の変化(=|Ah|−Ac)であっても良い。
(C3)また、図18に示したように、超過以後の手動操舵制御量変化Mcとして、手動操舵制御器131から出力されたアシスト制御量Ahと超過時からの時間経過に従ってゼロから漸増する手動寄与度Rとを乗算して得られる手動操舵制御量Amを用いるようにしても良い。
(C4)また、図5(c)のMr=f(ΔT)+Mmに代えて、図11(b)、図12(b)に示すようなMr=Mc+Mmを電動機制御量としても良い。例えば図11(b)では、超過時の自動操舵制御量M5を上限として演算される移行制御量Mmに手動操舵制御量変化Mcを加算したものが電動機制御量Mrとされている。
(C5)なお、図11(b)に示す例では、移行制御量Mmとしてt5以後における自動操舵制御量を用いても良い。このように制御することで、自動操舵制御量で予定されていた走行経路を基準として自動操舵モードから手動操舵モードへの移行動作が行われる。
(C6)また、|Th|>Cと判定された後に|Th|が減少して|Th|<Cと判定された場合には、操舵トルクThの減少に応じて電動機制御量Mrを減少させ、さらに、操舵トルクThの大きさが移行下限値Dを下回った場合には、電動機制御量Mrとして手動操舵制御量f(Tm)が適用される完全な手動操舵モードへ移行するような制御を行っても良い。このような制御を行うことで、自動操舵モードから手動操舵モードに移行した直後の操舵の違和感を低減させるだけでなく、自動操舵モードから手動操舵モードに完全に移行するまで違和感のないスムーズな操舵感を可能にすることができる。
なお、図9のように、操舵角δhの大きさが第1操舵角閾値である値δpを下回ったときに、操舵角δhの減少に追従に応じて手動制御量Tmを減少させて電動機制御量Mrを減少させる場合には、操舵角δhの大きさが移行下限値δdを下回った場合に完全な手動操舵モードに移行するように制御する。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特許出願2016年第226787号(2016年11月22日出願)
1…操舵装置、2…ステアリングホイール、7…電動機、10…トルクセンサ、17…操舵制御装置、31…手動操舵制御器、32…自動操舵制御器、33…制御選択部、34…電動機制御量演算部、35…手動変化分演算部、36…移行制御量演算部、38…自動操舵制御量、40,Am…手動操舵制御量、Mc…操舵制御量Mc、Mm…移行制御量、Mr…電動機操舵量、Th…操舵トルク、Tm…手動制御量、δh…操舵角

Claims (8)

  1. 入力された自動走行指令に基づいて、車両車輪を転舵する操舵用アクチュエータの自動操舵制御量を生成する自動操舵制御器と、
    前記車両車輪を転舵する手動操作部の手動操作量に基づいて、前記操舵用アクチュエータの手動操舵制御量を生成する手動操舵制御器と、を備え、
    前記自動操舵制御量により前記操舵用アクチュエータを制御する自動操舵モードおよび前記手動操舵制御量により前記操舵用アクチュエータを制御する手動操舵モードのいずれか一方を選択して、前記操舵用アクチュエータを制御する操舵制御装置であって、
    前記自動操舵モードによる制御中に、前記車両車輪を転舵する手動操作部の手動操作量が所定値を超過すると、
    前記手動操舵制御器は、超過時を基準とする前記手動操作量の変化に基づく手動操舵制御量変化を生成した後に、前記手動操作量に基づく手動操舵制御量を生成し、
    前記超過時の前記自動操舵制御量に前記手動操舵制御量変化を加算した第1制御量に基づいて前記操舵用アクチュエータを制御した後に、前記手動操舵モードにより前記操舵用アクチュエータを制御する、操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記手動操作量は、前記手動操作部の操作量に応じて検出される操舵トルクであって、
    前記手動操舵制御量変化は、超過時を基準とする前記操舵トルクの変化量に基づいて前記手動操舵制御器で生成される手動操舵制御量である、操舵制御装置。
  3. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記手動操作量は、前記手動操作部の操作量に応じて検出される操舵トルクであって、
    前記手動操舵制御量変化は、超過時を基準とする前記手動操舵制御量の変化量である、操舵制御装置。
  4. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記手動操作量は、前記手動操作部の操作量に応じて検出される操舵トルクであって、
    前記手動操舵制御量変化は、前記手動操舵制御量と前記超過時からの時間経過に従ってゼロから漸増する手動寄与度との積である、操舵制御装置。
  5. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記第1制御量に代えて、前記超過時の前記自動操舵制御量を上限として演算される移行制御量に前記手動操舵制御量変化を加算した第2制御量に基づいて前記操舵用アクチュエータを制御した後に、前記手動操舵モードにより前記操舵用アクチュエータを制御する、操舵制御装置。
  6. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記第1制御量に代えて、前記自動操舵制御量に前記手動操舵制御量変化を加算した第3制御量に基づいて前記操舵用アクチュエータを制御した後に、前記手動操舵モードにより前記操舵用アクチュエータを制御する、操舵制御装置。
  7. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記手動操作量の大きさが前記所定値を超過した後に前記所定値を下回った場合には、前記手動操作量の減少に応じて前記第1制御量を減少させ、
    さらに、前記手動操作量の大きさが前記所定値を下回った後に、前記所定値よりも小さな手動操舵モード移行操作量を下回った場合には、前記手動操舵モードによる前記操舵用アクチュエータの制御を行う、操舵制御装置。
  8. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記手動操作量の大きさが前記所定値を超過した後に、前記手動操作部の操作に伴って操舵角が第1操舵角閾値を下回った場合には、前記操舵角の減少に応じて前記第1制御量を減少させ、
    さらに、前記操舵角が前記第1操舵角閾値よりも小さな第2操舵角閾値を下回った場合には、前記手動操舵モードによる前記操舵用アクチュエータの制御を行う、操舵制御装置。
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