JPWO2018088474A1 - 織機用全幅テンプル装置、織物の製造方法および織物、該織物からなる織物ロール - Google Patents

織機用全幅テンプル装置、織物の製造方法および織物、該織物からなる織物ロール Download PDF

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Abstract

製織時に織物(8)を把持するための織物把持棒(9、9a)を備える織機用全幅テンプル装置(4)であり、織物把持棒(9、9a)は、本体部(91)と、本体部(91)の少なくとも片側であって、織物把持棒(9、9a)の軸方向の少なくとも片端に形成された補強部(92、92a)とを備え、本体部(91)は、第1の材料からなり、補強部(92、92a)は、第1の材料よりもヤング率の大きい第2の材料を含み、幅が1cm以上6cm未満である、織機用全幅テンプル装置(4)。

Description

本発明は、織機用全幅テンプル装置、織物の製造方法および織物、該織物からなる織物ロールに関する。より詳細には、本発明は、製織時の織密度差を小さくし、高品位な織物を得るための織機用全幅テンプル装置、該織機用全幅テンプル装置を用いた織物の製造方法ならびに該織物の製造方法によって製造される織物、該織物からなる織物ロールに関する。
スポーツ分野や産業資材用途等において、織物は、高品位化(たとえば高強度化、撥水性向上、低通気度化、縫い目ずれ改善等)を目的として、密度を高くする需要が高まっている。また、織機の性能向上とともに、高密度な織物を汎用化するためのコスト競争が激しくなっている。そのため、高速製織技術の開発が必要となっている。
織物は、密度が高くなると、製織時の経糸と緯糸との摩擦が高くなる。そのため、筬打ち時に、緯糸は、打ち込まれにくくなる。その結果、織機上の織物が形成される織り前は、筬方向に移動し、「迫出し」が生じる。
迫出しを抑制する従来技術として、織機の全幅において織物を把持する全幅テンプル装置が知られている(特許文献1および特許文献2)。また、織物の端部における迫出しを抑制する技術として、端部に対して追加のテンプル装置を使用し、端部を巻き取り側に引く力を強める技術が知られている(特許文献3および特許文献4)。さらに、全幅テンプル装置に備えられた織物把持棒の端部の外径を大きくし、両耳部における織物の巻き取り量を大きくする技術が知られている(特許文献5)。ほかにも、幅の広いリングテンプルを用いる技術が知られている(特許文献6および特許文献7)。
特開平10−251944号公報 特開2002−69803号公報 特開平11−350309号公報 特開平10−226946号公報 特開昭57−128241号公報 特開平7−324257号公報 特開2003−278054号公報
特許文献1および特許文献2に記載の技術によれば、織物は、端部の迫出しが充分に抑制されないだけでなく、織物中央と端部で織密度に差が生じていた。また、特許文献3および特許文献4に記載の技術のように、複数のテンプル装置が使用される場合、中央部または端部のいずれかは、織り前から離れた位置で把持される。そのため、中央部または端部のいずれかに対する把持力が弱くなる。また、把持力は、全幅において均等ではない。そのため、迫出しは、全幅において充分に抑制されないだけでなく、織物中央と端部で織密度に差が生じていた。さらに、特許文献5に記載の技術によれば、織物把持棒の両端部における把持力は、充分に向上されない。そのため、迫出しは、必ずしも充分に抑制されないだけでなく、織物中央と端部で織密度に差が生じていた。加えて、特許文献6および特許文献7に記載の技術によっても、織物把持力が弱く全幅において均一ではない。そのため、迫出しは、必ずしも充分に抑制されないだけでなく、織物中央と端部で織密度に差が生じていた。また、織物は、リングテンプルの針により傷付けられ、外観が悪化したり、引張強度、破断伸度が低下しやすいものであった。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、製織時に発生する織物端部と中央部の織密度差を抑制し、かつ引張強度、もしくは破断伸度低下が小さく、高品位な織物を製造することのできる織機用全幅テンプル装置、該織機用全幅テンプル装置を用いた織物の製造方法ならびに該織物の製造方法によって製造される織物、該織物からなる織物ロールを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の一態様の織機用全幅テンプル装置は、製織時に織物を把持するための織物把持棒を備える織機用全幅テンプル装置であり、前記織物把持棒は、本体部と、前記本体部の少なくとも片側に形成され、前記織物把持棒の軸方向の幅が1cm以上6cm未満である補強部とを備え、前記本体部は、第1の材料からなり、前記補強部は、前記第1の材料よりもヤング率の大きい第2の材料を含む、織機用全幅テンプル装置である。
本発明の一態様の織物の製造方法は、上記織機用全幅テンプル装置を用いて、カバーファクターが2000以上の織物を製織する、織物の製造方法である。
本発明の一態様の織物は、上記織物の製造方法によって製造され、カバーファクターが2000以上2500未満であり、幅方向の中央領域と、織物の幅方向の端から6cmまでの端部領域とを備え、前記端部領域における経糸密度平均と、前記中央領域における経糸密度平均との差は、3%以下である、織物である。
本発明の一態様の織物ロールは、上記織物からなる織物ロールである。
図1は、本発明の一実施形態(第1の実施形態)の織機用全幅テンプル装置を備える織機の概略的な平面図である。 図2は、本発明の一実施形態(第1の実施形態)の織機用全幅テンプル装置の概略的な側面図である。 図3は、本発明の一実施形態(第1の実施形態)の織物把持棒の概略的な平面図である。 図4は、本発明の一実施形態(第2の実施形態)の織物把持棒の概略的な平面図である。
[織機用全幅テンプル装置]
<第1の実施形態>
本発明の一実施形態の織機用全幅テンプル装置(以下、単にテンプル装置ともいう)が、図面を参照して説明される。図1は、本実施形態のテンプル装置4を備える織機1の概略的な平面図である。織機1は、経糸供給装置(図示せず)から供給され、縦方向に整列された複数の経糸2と、経糸2が通される筬3と、筬3の下流側に配置されたテンプル装置4と、筬3とテンプル装置4との間に配置された緯糸ノズル5と、緯糸ノズル5から経糸2を直交する方向に適宜繰り出され、経糸2間に緯入れされる緯糸6と、筬3によりテンプル装置4の方向に打ち込まれる緯糸6を切断するための緯糸カッター7とを主に備える。テンプル装置4には、筬3により緯糸6が打ち込まれて形成された織物8が導入される。テンプル装置4は、織機1にて製織する際に、伸び縮みによる筬3の摩耗や、経糸切れを防止するための装置であり、織り前に取り付けられる。テンプル装置4から導出される織物8は、下流側に配置された巻取装置(図示せず)により巻き取られる。
図2は、本実施形態のテンプル装置4の概略的な側面図である。本実施形態のテンプル装置4は、いわゆるバーテンプルであり、製織時に織物8を把持するための織物把持棒9と、織物8の幅全体にわたる上下一対の把持部材(支持部材10および押さえ部材11)とを主に備える。このようなテンプル装置4において、織物8は、筬打ち方向A1に沿って、支持部材10と織物把持棒9とにより把持されるよう導入される。テンプル装置4に導入された織物8は、織物把持棒9の外周面に沿って掛け回されている。また、織物8は、織物把持棒9と押さえ部材11とにより把持されており、押さえ部材11の上面に沿って、筬打ち方向A1に導出される。この際、織物8は、テンプル装置4の下流側に配置された巻取装置により張力が加えられている。そのため、織物8が掛け回された織物把持棒9は、支持部材10および押さえ部材11に適度に押し付けられている。
織物8は、筬3によって緯糸6が打ち込まれる筬打ち時には、織物把持棒9が筬打ち方向A1にわずかに移動することにより、支持部材10および押さえ部材11によって把持される力が一時的に弱められる。その際、織物8は、織物把持棒9の回転とともに繰り出され、筬打ち方向A1へ移動される。その後、織物8は、再び巻取装置により張力が加えられる。その結果、織物把持棒9は、筬打ち方向A1の上流側へ移動し、再度、支持部材10および押さえ部材11に押し付けられる。このような織機1およびテンプル装置4において、筬打ちされた緯糸6によって形成される織物8の後端部(織り前)は、筬打ち方向A1の下流側に移動し、迫出し81が生じ得る(図1参照)。特に、織物の幅方向の端部は、中央部と比べて、迫出し81が大きくなりやすい。迫出し81が大きくなると、織物は、特に端部において経糸の張力が低下し、密度ムラや通気度ムラ等に加えて、毛羽立ちが発生しやすい。織機は、織物に毛羽が発生すると、製織動作が停止する場合がある。そのため、毛羽立ちを抑制することは、得られる織物の品位を高めるだけでなく、製造コストの低減にも貢献し得る。なお、本実施形態において、迫出し81の大きさ(迫出し量)は、テンプル装置4の筬打ち方向A1の上流側端部と、筬3が筬打ち方向A1の最も上流側に位置するときの最後に筬打ちされた緯糸6との最大距離をいう(図1の迫出し量d2参照)。本実施形態のテンプル装置4は、筬打ち時に発生するこのような迫出し81を適度に抑制するだけでなく、織物中央部と端部の織密度差を効果的に抑制することができる。以下、それぞれの構成について説明する。なお、本実施形態のテンプル装置4は、織物把持棒9に特徴を有する。そのため、以下に示される他の構成(支持部材10および押さえ部材11等)は例示であり、公知の他の構成が採用されてもよい。
(支持部材10)
支持部材10は、織物把持棒9および押さえ部材11が取り付けられる部材であり、支持台12に固定されている。支持部材10は、支持台12に取り付けられる取付部10aと、取付部10aの端部から筬打ち方向A1の上流側の斜め上方に延設された縁部10bと、取付部10aの上側に形成された被係合部10cとを備える。被係合部10cは、取付部10aの上面に形成された略平板状の部材であり、側面には筬打ち方向A1に落ち窪んだ凹部が形成されている。凹部には、後述する押さえ部材11の係合部11bが係合される。
(押さえ部材11)
押さえ部材11は、支持部材10とともに織物把持棒9を把持するための部材であり、略平板状の押さえ部本体11aと、押さえ部本体11aの下面から筬打ち方向A1の下流側の斜め下方に延設された係合部11bとを備える。押さえ部本体11aのうち、筬打ち方向A1の上流側端部は、筬打ち方向A1の上流側の斜め下方に向かって湾曲加工されている(湾曲部)。押さえ部材11と支持部材10とは、それぞれ湾曲部の端部と縁部10bの端部とが離間するよう配置されており、筬打ち方向A1の上流側に脱落しないよう織物把持棒9を制止する。係合部11bは、被係合部10cの凹部よりもわずかに寸法が小さく、凹部に嵌め込まれる。そのため、押さえ部材11は、係合部11bが凹部に嵌め込まれた状態において、係合部11bを支点として所定の角度だけ回動し得る。
(織物把持棒9)
織物把持棒9は、製織時に織物8を把持するための棒状部材である。図3は、本実施形態のテンプル装置4が備える織物把持棒9の概略的な平面図である。織物把持棒9は、本体部91と、本体部91の少なくとも片側であって、織物把持棒9の軸方向A2の少なくとも片側に形成された補強部92とを備える。本実施形態では、補強部92は、本体部91の片側(緯糸ノズル5側 図1参照)に形成されている。本体部91は、第1の材料からなる。補強部92は、第1の材料よりもヤング率の大きい第2の材料を含む。なお、本実施形態において、ヤング率は、「JIS Z 2280 ひずみゲージ法」に基づいて測定される値が採用される。
本体部91は、織物把持棒9の主たる部位であり、比較的長尺の棒状部位である。本体部91を構成する第1の材料としては、後述する第2の材料よりもヤング率の小さい材料であればよい。このような材料としては、ナイロン、ポリオキシメチレン等の樹脂や、ステンレス、真鍮、アルミニウム等の金属が例示される。これらの中でも、第1の材料は、得られる織物8に傷がつきにくいように表面硬度の低い材料が好ましい。より具体的には、第1の材料は、ナイロン、ポリオキシメチレン等の樹脂が好ましい。本実施形態において、表面硬度は、JIS7202−2 プラスチック−硬さの求め方−第2部:ロックウェル硬さに基づき測定されたロックウェル硬さが参照される。第1の材料は、ロックウェル硬度が、Lスケール、Rスケール、Mスケールのいずれかのスケールで、測定可能であるものが好ましい。中でも、第1の材料は、Lスケールで150以下であることがより好ましい。さらには、第1の材料は、Mスケールで100以下であることが好ましく、90以下であることがより好ましい。あるいは、第1の材料は、Rスケールで150以下であることが好ましく、130以下であることがより好ましい。また、織物把持棒は、作用する応力によって表面が損傷し、損傷した織物把持棒の表面が織物に接触する虞がある。損傷した織物把持棒を使用して製織した場合、織物は、傷がつき、織物物性が低下する虞がある。そのため、織物把持棒は、応力によっても損傷しない程度の硬度が必要である。そのような硬度の下限は、Mスケールでは10以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましい。
なお、一般に、樹脂と金属とでは、表面硬度の値が大きく異なる。そのため、樹脂と金属とは、表面硬度を同一の方法で測定すること、および、値を換算して比較することが難しい。そのため、本実施形態では、織物8表面に傷がつかない、ロックウェル硬さがMスケールで100以下の場合、および、Rスケールで150以下の場合がより好ましく、織物に対して「柔らかい」と判定され、これらよりも表面硬度が大きいことが明らかである金属は、「硬い」と判定される。
本体部91の長さは特に限定されない。本体部91の長さは、製織すべき織物8の全幅、後述する補強部92の長さ等に合わせて適宜調整される。一例を挙げると、本体部91の長さは、製織すべき織物8の全幅が205cmであり、補強部92の長さが5cmである場合、209〜214cmである。また、本体部91の長さは、製織すべき織物8の全幅が250cmであり、補強部92の長さが3cmである場合、260〜263cmである。
本体部91の太さ(径)は特に限定されない。本体部91の太さは、強度(材質)等に合わせて適宜調整される。一例を挙げると、本体部91の太さは、7〜10mmである。
本体部91の断面形状は特に限定されない。本体部91の断面形状は、織物8の表面を傷つけにくく、かつ、織物8を均等に把持する観点から、円形であることが好ましい。
本体部91の表面形状は特に限定されない。一例を挙げると、本体部91の表面形状は、凹凸が形成されていてもよく、凹凸の無い平面状であってもよい。本体部91の表面形状は、迫出し81を抑制しやすく、かつ、織物8の巾出し効果が得られる観点から、凹凸が形成されていることが好ましい。凹凸加工の種類としては、ユニファイ並目ねじ(JIS B 0206記載)、ユニファイ細目ねじ(JIS B 0208記載)、ローレット目(JIS B 0951記載)等が例示される。
補強部92は、本体部91の少なくとも片側に形成された部位であり、本体部91と同様の棒状部位である。本実施形態の織物把持棒9は、本体部91の片側(緯糸ノズル5側、図1参照)に補強部92が形成されている。なお、補強部92は、本体部91と別の部材として構成されていてもよく、本体部91と一体的に形成された部材であってもよい。また、補強部92は、本体部91と連結されることによって一体的に形成されてもよく、元々同一の部材からなる織物把持棒9の一部に補強部92が形成されてもよい(第2の実施形態を参照)。さらに、補強部92と本体部91とは、上記した支持部材10上に連結されずに横並びで配置されてもよい。
補強部92は、上記した第1の材料よりもヤング率の大きい第2の材料で構成されている。このような第2の材料としては、第1の材料にも依るが、ヤング率が10GPa以上の材料であることが好ましく、100GPa以上の材質であることがより好ましい。より具体的には、第2の材料としては、ナイロン、ポリオキシメチレン等の樹脂や、ステンレス、真鍮、アルミニウム等の金属が例示される。これらの中でも、第2の材料は、得られる織物8に傷がつきにくい観点からは、樹脂製であることが好ましい。一方、第2の材料は、高い織物把持力を維持することができ、かつ、高剛性である観点からは、金属製であることが好ましい。このように、第2の材料は、所望される作用効果に合わせて適宜選択されればよい。
補強部92(第2の材料)の表面硬度は、本体部91と同様に、ASTM D785の試験方法により測定されたロックウェル硬さが参照される。第2の材料は、Mスケールでは100以下であることが好ましく、90以下であることがより好ましい。また、第2の材料は、Rスケールでは150以下であることが好ましく、130以下であることがより好ましい。
補強部92の長さは、1cm以上である。また、補強部92の長さは6cm未満であり、5.5cm以下であることが好ましい。特に両端に補強部を形成した場合には補強部92の長さが1cm未満とすると、補強部92は、支持部材10および押さえ部材11に押さえ付けられる応力が小さくなりやすい。そのため、織物把持棒9は、織物8の把持力が弱くなりやすい。その結果、テンプル装置4は、迫出し81を充分に抑制できない傾向がある。一方、補強部92の長さが6cm以上となる場合、テンプル装置4は、迫出し81を抑制する効果は有するが、補強部92の把持力が向上する一方、布帛に負荷を与えることで引張強度、破断伸度を低下させる。そのため、補強部92の長さが6cm以上、さらに大きくなるに従い、布帛の引張強度、破断伸度が低下する範囲は、増加する。
なお、補強部92の長さの好ましい範囲は、具体的な長さに代えて、織物把持棒9全体の長さに対する割合として現されてもよい。すなわち、補強部92は、1cm以上6cm未満であればよく、1cm以上5.5cm以下が好ましい。片側のみに補強部を形成した場合には、補強部は3cm超6cm未満が補強部による把持力がよりいっそう充分に得られる観点では好ましく、特に好ましくは3.5cm以上5.5cm以下である。さらに補強部は両側に形成することにより、各補強部の長さが小さくても織物把持棒9全体に適度な把持力をバランスよく維持することができ、織物の中央部と端部での織密度差の抑制が可能となるだけでなく、補強部に本体部分とは異なる材料を使用することによる織物端部のダメージも低減することができ、よりいっそう均質性に優れた織物が得られる点で好ましい。両側に補強部を形成する場合、それぞれの補強部の長さは、1cm以上であることが好ましい。また、それぞれの補強部の長さは、6cm未満であり、5.5cm以下であることが好ましい。
補強部92の太さ(径)、断面形状および表面形状としては特に限定されない。補強部92の太さ、断面形状および表面形状は、本体部91と同様であることが好ましい。
テンプル装置4全体の説明に戻り、図1または図2に示されるように、本実施形態のテンプル装置4は、筬3によって迫出し81が押し込まれると、織物把持棒9は、筬打ち方向A1に沿って強い応力が加えられる。迫出し81は、織物8の幅方向の端部の方が、中央部よりも大きく形成されている。そのため、応力は、織物把持棒9の補強部92に加えられやすい。しかしながら、補強部92を構成する第2の材料は、本体部91を構成する第1の材料よりもヤング率が大きい。そのため、織物把持棒9は、曲げ剛性が強く、筬打ち時に加えられる応力によっても変形しにくい。その結果、テンプル装置4は、筬打ち時に織物把持棒9が支持部材10および押さえ部材11から離れる距離が短くなり、織物把持棒9に掛け回された織物8を適度な強さでバランスよく把持し続けることができる。したがって、迫出し81は、適度に抑制されるだけでなく、織物中央部と端部での織密度差は低減される。
なお、本実施形態で製織される織物8は、特に限定されない。一例を挙げると、織物8は、所定の織機(たとえば図1に示される織機1)によって、経糸2に対して緯糸6が織り込まれて製織される。織物8の組織は特に限定されない。織物8の組織は、平組織、綾組織、朱子組織およびこれらの変形組織等が例示される。
製織に用いられる経糸用の糸および緯糸用の糸は、特に限定されない。経糸用の糸および緯糸用の糸は、化学繊維、天然繊維等が例示される。化学繊維は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アラミド系繊維、レーヨン系繊維、ポリサルホン系繊維、超高分子量ポリエチレン系繊維等が例示される。天然繊維は、綿、麻、絹、ウール等が例示される。これらの中でも、糸は、高密度織物を製織しやすい観点から、化学繊維であることが好ましく、大量生産性や経済性が優れる観点から、ポリアミド系繊維やポリエステル系繊維であることがより好ましい。
ポリアミド系繊維は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン46や、ナイロン6とナイロン66との共重合ポリアミド、ナイロン6にポリアルキレングリコール、ジカルボン酸、アミン等を共重合させた共重合ポリアミド等からなる繊維が例示される。また、ポリエステル系繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等からなる繊維が例示される。ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートは、酸成分としてイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸が共重合された共重合ポリエステルであってもよい。これらの合成繊維は、紡糸・延伸工程や加工工程での生産性、または特性改善のために、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤等の添加剤が配合されてもよい。
繊維の形態は特に限定されない。繊維の形態がマルチフィラメント糸である場合、得られる織物8は、迫出し81が抑制されやすい。繊維の単糸断面形状は特に限定されない。単糸断面は、丸型に限定されず、いずれの形であってもよい。単糸断面は、扁平、長方形、菱形、繭型等の左右対称型であってもよく、左右非対称型であってもよく、これらの組み合わせ型であってもよい。さらに、繊維は、それぞれに突起や凹凸、中空糸があってもよい。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態のテンプル装置が、図面を参照して説明される。図4は、本実施形態のテンプル装置が備える織物把持棒9aの概略的な平面図である。本実施形態のテンプル装置は、織物把持棒9aの構成が異なる以外は、第1の実施形態において上記したテンプル装置4(図2参照)と同様の構成である。そのため、重複する構成については同一の参照符号を付して説明を適宜省略する。
(織物把持棒9a)
織物把持棒9aは、第1の材料からなる本体部91と、本体部91の少なくとも片側であって、織物把持棒9の軸方向A2の少なくとも片側に形成された補強部92aとを備える。本実施形態では、補強部92aは、本体部91の片側(緯糸ノズル5側 図1参照)に形成されている。補強部92aは、芯部93と、芯部93を覆う被覆部94とからなる。被覆部94は、第1の材料からなる。芯部93は、第1の材料よりもヤング率の大きい第2の材料からなる。なお、第1の材料および第2の材料は、第1の実施形態において上記したものと同じである。
このように、本実施形態の織物把持棒9aは、補強部92aの芯部93としてヤング率の大きい第2の材料が採用されている。そのため、織物把持棒9aは、曲げ剛性が強く、筬打ち時に加えられる応力によっても変形しにくい。また、補強部92aは、被覆部94として芯部93よりもヤング率の小さい第1の材料が採用されている。そのため、織物把持棒9aは、本体部91だけでなく補強部92aの表面硬度も低い。その結果、織物8は、傷つきにくい。したがって、織物8は、全幅にわたって傷つきにくく、幅方向の物性が均一化され、高強度となりやすい。また、織物8は、傷を原因として廃棄される部位が減る。そのため、本実施形態のテンプル装置によれば、織物8の歩留まりが向上し、製造コストが低減する。
補強部92aの長さは、第1の実施形態における補強部92(図3参照)と同様に、1cm以上〜6cm未満であればよい。補強部92aの長さが6cm以上の場合、織物把持棒9aは、製造難度が上がり、高コストとなる傾向があるだけでなく、製造される織物の引張強度、破断伸度等の物性が低下しやすくなる。
また、本実施形態の織物把持棒9aは、本体部91と被覆部94とがいずれも第1の材料からなる。本体部91と被覆部94とは、接合されて一体化されてもよく、同時成型されてもよい。本体部91と被覆部94とが一体化される場合、このような織物把持棒9aが使用されることにより、得られる織物8は、全幅にわたって物性が均一化されやすい。また、本体部91と被覆部94とが同時成型される場合、織物把持棒9aは、製造されやすく、利便性がよい。
なお、芯部93の数(本数)は特に限定されない。芯部93の本数は、2本以上であってもよい。図4には、芯部93が1本の場合について例示されている。また、芯部93の太さ(径)は特に限定されない。芯部93の太さは、強度(材質)、本数等に合わせて適宜調整される。一例を挙げると、芯部93の太さは、芯部93が1本である場合、1〜7mmである。芯部93の断面形状は特に限定されない。図4には、芯部93が円形の場合について例示されている。
[織物の製造方法]
次に、図1を参照して、本発明の一実施形態の織物8の製造方法が説明される。本実施形態の織物の製造方法は、上記した第1の実施形態のテンプル装置4を用いて、カバーファクターが2000以上の織物8を製織する方法である。なお、織物8は、上記した第2の実施形態のテンプル装置を用いて製造されてもよい。
まず、経糸供給装置(図示せず)により供給された複数の経糸2は、テンプル装置4および巻取装置(図示せず)により適宜引っ張られつつ、所定数の束ごとに筬3に通される。緯糸6は、整列された経糸2に対し、筬3とテンプル装置4との間に配置された緯糸ノズル5から、経糸2を直交する方向に適宜繰り出され、経糸2間に緯入れされる。緯入れされた緯糸6は、筬3が筬打ち方向A1に移動することにより(筬打ち)、緯糸カッター7に押し付けられ、切断される。筬打ちされて経糸2と緯糸6が互いに交錯することで、経糸2、緯糸6にクリンプを生じる。本実施形態において、「クリンプ」とは、捲縮した状態を表す。すなわち、たとえば平織の場合、経糸の上および下に、緯糸が波打って入る。このような波うちの生じた状態を、クリンプという。緯糸6に生じたクリンプにより、織物幅は筬入れ幅よりも若干小さくなるのが通常である。
この際、緯入れは、空気流(エアジェット)または水流(ウォータージェット)に乗せて繰り出されることが好ましい。空気流または水流によって緯入れされる場合、すなわち、本実施形態の製造方法がジェットルーム(エアジェットルームまたはウォータージェットルーム)を採用する場合、高速かつ長距離を安定して緯入れすることができる。そのため、製織速度が向上しやすく、かつ、広幅の織物8が得られる。特に、製造方法がウォータージェットルームである場合、製造コストが低減されやすい。ところで、一般に、ジェットルームは、高速で緯糸6を供給し、適宜切断する方法である。そのため、緯糸6は、切断された後に端部が撓みやすい。その結果、緯糸6の端部(すなわち織物8の幅方向の端部)は迫出し81が大きくなりやすいだけでなく、端部の緯糸張力が低下し、緯糸6のクリンプの程度(波うちの程度)が増加することで経糸2のクリンプの程度(波うちの程度)が低下する。結果として経糸張力が小さくり、経糸2が隣接する経糸2に寄りつき経糸密度が高くなりやすい。この現象は、ノズル側の端部に特に発生しやすい。反ノズル側では繰り出した緯糸6の先端部は通常キャッチコード糸(図示せず)等でキャッチされるため、緯糸切断時の緯糸張力がノズル側よりも低下しにくいことに起因すると考えられる。しかしながら、本実施形態の織物の製造方法は、上記した織物把持棒9を備えるテンプル装置4を使用する。そのため、織物8は、適度にバランスよく把持されている。その結果、製造方法がジェットルームであっても、迫出し81が充分に抑制されるだけでなく、織物中央部と端部での織密度差が効果的に抑制された高品位な織物8が得られる。
本実施形態の織物の製造方法において、織機1の回転数は特に限定されない。織機1の回転数は、通常500rpm以上である。一般に、織物の端部の迫出し81は、織機1の回転数を速くした場合に大きくなりやすい。しかしながら、本実施形態の織物の製造方法は、上記した織物把持棒9が用いられることにより、特に端部における迫出し81が抑制される。そのため、本実施形態の織物の製造方法は、好ましくは700rpm以上、より好ましくは800rpm以上の高速で実施されても、得られる織物8の迫出し81が充分に抑制されるだけでなく、織物中央部と端部での織密度差が効果的に抑制される。また、本実施形態の織物の製造方法は、このような高速で実施し得るため、織物8の製造コストが低減される。なお、織機1の回転数の上限は、1000rpm程度である。なお、本実施形態において、織機1の回転数は、1分間当たりの挿入される緯糸の本数として定義される。すなわち、700rpmとは、1分間当たり、緯糸の挿入が、700回行われることをいう。
また、本実施形態の織物の製造方法において、筬入れ幅は特に限定されない。筬入れ幅は通常全幅テンプル装置の把持棒の長さと同程度であることが好ましい。前記同程度とは厳密に同じでなくてもよいが、織物把持棒全長に対して±2%程度であれば、同程度とみなしてよい。筬入れ幅は、通常150cm以上が好ましい。本実施形態において特に有効な筬入れ幅の一例を挙げると、筬入れ幅は、150cm以上であることが好ましく、200cm以上であることがより好ましく、230cm以上であることがさらに好ましい。筬入れ幅の上限は、高品位を保つ点から、280cm程度であることが好ましく、260cm程度であることがより好ましい。一般に、筬入れ幅が大きい場合、得られる織物の端部は、迫出しが大きくなりやすく、織物中央部と端部での織密度差大きくなりやすい。しかしながら、本実施形態の織物の製造方法は、上記した織物把持棒9が用いられることにより、特に端部における迫出し81が抑制されるだけでなく、織物中央部と端部での織密度差が効果的に抑制される。そのため、筬入れ幅が150cm以上の場合において、なかでも200cm以上の広幅、さらには230cm以上の広幅であっても、得られる織物8は、迫出し81が充分に抑制され、生産面積が増やされ、かつ、高品位である。その結果、織物の製造方法は、製造コストが低減されやすい。上限としては280cm以下が好ましく、260cm以下がより好ましい。
織物の製造方法の説明に戻り、筬打ちされた織物8は、テンプル装置4に導入され、その後、巻取装置によって巻き取られる。
得られる織物8は、カバーファクターが2000以上になるよう製造条件(たとえば経糸2および緯糸6の繊度、織密度等)が調整され得る。織物8は、カバーファクターが2300以上になるよう調整されることが好ましい。カバーファクターの上限としては2500程度であることが好ましい。一般に、カバーファクターが2000以上の織物は、製造時に迫出しが大きくなりやすく、織物中央部と端部での織密度差が大きくなりやすい。しかしながら、本実施形態の織物の製造方法は、上記した織物把持棒9が用いられることにより、特に端部における迫出し81が抑制されるだけでなく、織物中央部と端部での織密度差が効果的に抑制される。その結果、織物8は、製織性が優れ、得られる織物は部位によらず均質でかつ、高品位である。なお、本実施形態において、カバーファクター(CF)は、以下の式(1)によって定義される。
CF=(DW)1/2×MW+(DF)1/2×MF ・・・ (1)
(ただし、DWは経糸総繊度(dtex)であり、MWは経糸織密度(本/2.54cm)であり、DFは緯糸総繊度(dtex)であり、MFは緯糸織密度(本/2.54cm)である)
また、得られる織物8は、幅方向の中央領域R1と、織物幅方向の端から6cmまでの端部領域R2およびR3とを比較する場合において、端部領域R2およびR3における経糸密度平均と、中央領域R1における経糸密度平均との差が、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。端部領域R2およびR3における経糸密度平均と、中央領域R1における経糸密度平均との差が3%以下である場合、織物8は、全幅にわたってほぼ均一な密度であり、信頼性が高い。
得られる織物8の用途は特に限定されない。一例を挙げると、織物8は、スポーツ衣料、産業用資材等で用いられる高密度織物を製織する際に特に有用である。これらの中でも、織物8は、高密度であり、かつ、全幅における物性が均一かつ高品位である。そのため、織物8は、エアバッグ用基布としての性能が高く、製品価値が高い。この場合、織物8は、エアバッグとしての機械特性を満足するために、引張強度が経方向、緯方向ともに、750N/cm以上であることが好ましい。
また、本実施形態の織物8は、織物ロールとして使用されてもよい。本実施形態において、織物ロールは、上記織物8を巻き取ったロール体であればよい。一例を挙げると、本実施形態の織物ロールは、経糸と緯糸とを用いて織機で製織した織物を、紙管等の芯体に巻き取ったロール体であってもよく、製織後に必要に応じて精練、乾燥、ヒートセット、樹脂コーティング、または、硬化処理等を施した織物を芯体となる紙管に巻き取ったロール体であってもよく、上述のいずれかの織物を品質検査後に芯体となる紙管に巻き取ったロール体であってもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明した。本発明は、たとえば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記実施形態(第1の実施形態および第2の実施形態)では、本体部の片側に補強部が形成された織物把持棒について例示した。これに代えて、本発明は、本体部の両側であって、織物把持棒の軸方向の両側に補強部が形成された織物把持棒であってもよい。すなわち、本変形例によれば、本体部の両側に第2の材料を含む補強部が形成される。これにより、片側に補強部が形成される場合と比較して、本変形例の織物把持棒は、織物の幅方向の両端において、迫出しが均等に抑制されやすい。
(2)上記実施形態(第1の実施形態および第2の実施形態)では、本体部のうち、緯糸ノズル側の片側に補強部が形成された織物把持棒について例示した。これに代えて、本発明は、本体部のうち、緯糸ノズルの反対側の片側に補強部が形成された織物把持棒であってもよい。すなわち、本変形例によれば、たとえば緯糸ノズルの反対側において迫出しが大きくなりやすかったり、織物中央部と緯糸ノズルの反対側端部で織密度差が大きくなりやすい製造条件において、そのような織物の迫出しを効果的に抑制し得る。また、織物把持棒は、両側ともに補強部が形成されることが好ましい。補強部が両側に形成される場合には、緯糸ノズル側と反緯糸ノズル側との両方において迫出しを効果的に抑制できるだけでなく、織物の中央部と両端部できわめてバランスよく織物を把持することができるため、織物中央部と端部の織密度差を低減することができる。そのため、全巾においてより均一な織物が製造できる。その際、両側の補強部の長さは、いずれも同じでもよく、異なっていてもよい。
(3)上記実施形態(第2の実施形態)では、本体部と補強部の被覆部とが同じ材料(第1の材料)である場合について例示した。これに代えて、本発明は、本体部と補強部の被覆部との材料が異なっていてもよい。すなわち、本変形例によれば、補強部の被覆部は、第2の材料よりもヤング率の小さい第3の材料から構成されてもよい。第3の材料は特に限定されない。一例を挙げると、第3の材料は、ナイロン、ポリオキシメチレン等の樹脂や、ステンレス、真鍮、アルミニウム等の金属である(ただし、第3の材料は、第1の材料および第2の材料とは異なり、かつ、第2の材料よりもヤング率が小さいものに限る)。本変形例によれば、たとえば被覆部を構成する第3の材料のヤング率が、芯部を構成する第2の材料のヤング率よりも小さく、かつ、本体部を構成する第1の材料のヤング率よりも大きい場合、このような織物把持棒は、充分な曲げ強度を備えつつ、織物を傷付けにくい。
以上、本発明の一実施形態について説明した。本発明は、上記実施形態に格別限定されない。なお、上記した実施形態は、以下の構成を有する発明を主に説明するものである。
(1)製織時に織物を把持するための織物把持棒を備える織機用全幅テンプル装置であり、前記織物把持棒は、本体部と、前記本体部の少なくとも片側に形成され、前記織物把持棒の軸方向の幅が1cm以上6cm未満である補強部とを備え、前記本体部は、第1の材料からなり、前記補強部は、前記第1の材料よりもヤング率の大きい第2の材料を含む、織機用全幅テンプル装置。
織物把持棒は、迫出しが筬によって押しこまれた際に、織物の長さ方向に沿って強い応力が加えられやすい。しかしながら、本発明の織物把持棒は、本体部を構成する第1の材料よりもヤング率の大きい第2の材料を含む特定の補強部を備える。そのため、織物把持棒は、特に補強部において曲げ剛性が高く、筬打ち時に応力が加えられた際、織物把持棒は、織物をバランスよく適度に把持し続けることができ、テンプル装置は、迫出しを適度に抑え、さらに織密度差を抑制し、物性差も抑制することができる。
(2)前記補強部は、芯部と、前記芯部を覆う被覆部とからなり、前記芯部は、前記第2の材料からなる、(1)記載の織機用全幅テンプル装置。
このような構成によれば、織物把持棒は、補強部を構成する芯部が第2の材料からなる。そのため、補強部は曲げ剛性が高められやすい。また、補強部の被覆部は、第2の材料よりもヤング率の低い材料(たとえば本体部と同じ第1の材料)が採用されてもよい。この場合、織物把持棒は、補強部全体としての曲げ剛性が適度に高められるため、筬打ち時に応力が加えられた際、テンプル装置は、適度に迫出しを抑え、さらに織密度差を抑制し、物性差も抑制することができる。織物把持棒は、被覆部に第2の材料よりも表面硬度の低い材料が採用されれば、織物を傷付けにくい。
(3)前記被覆部は、前記第1の材料からなる、(2)記載の織機用全幅テンプル装置。
このような構成によれば、織物把持棒は、本体部と補強部の被覆部とが同一の材料で構成される。そのため、このような織物把持棒が使用されることにより、得られる織物は、表面が均一化されやすい。
(4)前記第1の材料は、樹脂であり、前記第2の材料は、金属である、(1)〜(3)のいずれかに記載の織機用全幅テンプル装置。
このような構成によれば、織物把持棒は、本体部が樹脂製である。そのため、織物把持棒に把持される織物は、本体部において傷付けられにくい。また、織物把持棒は、補強部に金属を含む。そのため、補強部は曲げ剛性が高められやすい。その結果、織物把持棒は、筬打ち時に応力が加えられても、より変形しにくく、テンプル装置は、迫出しをより抑えつつ、織密度差をよりいっそう抑制することができる。
(5)前記補強部は、前記本体部の両側であって、前記織物把持棒の軸方向の両端に形成される、(1)〜(4)のいずれかに記載の織機用全幅テンプル装置。
このような構成によれば、織物把持棒は、織物の両端部をよりいっそう均一に把持し得る。そのため、得られる織物は、中央部と両端部での織密度差、がよりいっそう低減し、より均一な織物とすることができる。その結果、より高品位な織物が得られやすい。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の織機用全幅テンプル装置を用いて、カバーファクターが2000以上の織物を製織する、織物の製造方法。
一般に、カバーファクターが2000以上の織物は、迫出しが大きくなりやすく、また織物の中央部、端部で密度差が大きくなりやすい。しかしながら、織機用全幅テンプル装置は、織物把持棒を用いて迫出しを適度に抑制しつつ、織物の密度差を効果的に抑制し得る。そのため、このような織物の製造方法によれば、織物のカバーファクターが2000以上であっても、織物の密度差が充分に抑制された高品位な織物が得られる。
(7)700rpm以上の製織速度で製織する、(6)記載の織物の製造方法。
このような構成によれば、織物は、700rpm以上の高速で製織される。そのため、高密度な織物が短時間で製造されやすいが、中央部、端部での織物密度差が大きくなり、織物品位が低下しやすい。また、その際、織機用全幅テンプル装置は、織物把持棒を用いて織物密度差を効果的に低減し得る。そのため、このような織物の製造方法によれば、製織速度が700rpm以上であっても、織物密度差が効果的に抑制された高品位な織物が得られる。
(8)製織時の筬入れ幅が150cm以上である、(6)または(7)記載の織物の製造方法。
このような構成によれば、広幅の織物が得られる。そのため、織物は、生産面積が増やされ、製造コストが低減されやすいが、織物の中央部と端部での織密度差が大きくなりやすい。また、本発明の織物の製造方法は、広幅の織物であっても織物把持棒を用いてバランスよく適度に織物を把持できる。そのため、筬入れ幅が150cm以上であっても、織密度差が充分に適限された広幅かつ高品位な織物が得られる。
(9)ジェットルームを用いる、(6)〜(8)のいずれかに記載の織物の製造方法。
一般に、織物がジェットルーム(たとえばエアジェットルームまたはウォータージェットルーム)によって製織される場合、高速で製織でき、広幅の織物が得られ得る。しかしながら、ジェットルームは、高速で緯糸を供給し、適宜切断する。その際、緯糸には撓みが生じやすい。その結果、織物の幅方向の端部は迫出しや、織物中央部、端部での織密度差が大きくなりやすい。しかしながら、本発明の織物の製造方法は、上記した織物把持棒を備えるテンプル装置を使用する。そのため、織物は、適度にバランスよく充分に把持されている。その結果、このような織物の製造方法によれば、製造方法がジェットルームを用いる場合であっても、織密度差が充分に抑制された高品位な織物が得られる。
(10)(7)〜(9)のいずれかに記載の織物の製造方法によって製造され、カバーファクターが2000以上2500未満であり、幅方向の中央領域と、織物の幅方向の端から6cmまでの端部領域とを備え、前記端部領域における経糸密度平均と、前記中央領域における経糸密度平均との差は、3%以下である、織物。
このような構成によれば、織物は、本発明の製造方法によって製造される。また、織物は、高密度かつ均一であり、高品位である。
(11)上記(10)記載の織物からなる織物ロール。
このような構成によれば、織物ロールは、上記織物からなる。そのため、織物ロールは、高密度かつ均一であり、高品位である。
(12)エアバッグ用基布である、(10)記載の織物。
このような構成によれば、織物は、高密度かつ均一であり、高品位である。そのため、織物は、エアバッグ用基布としての性能が高く、製品価値が高い。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
<実施例1>
(糸の準備)
経糸および緯糸として、ナイロン66からなり、円形の断面形状を有し、単繊維繊度6.53dtex、フィラメント数72、総繊度470dtex、強度8.5cN/dtex、伸度23%、無撚りのマルチフィラメントを準備した。
(製織)
上記の糸を経糸および緯糸として使用し、図2に示すテンプル装置を付設したウォータージェットルームで、織機回転数を800rpm、経糸密度を53本/2.54cm、緯糸密度を53本/2.54cm、筬入れ幅を214cmとし、織布幅を208cmとし、平織物を製織した後、この織物をアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5g/Lおよびソーダ灰0.5g/Lを含んだ80℃温水浴中に1分間浸漬し精練処理を行った後、160℃で1分間乾燥させ、経糸密度を53.5本/2.54cm、緯糸密度を53.3本/2.54cm、幅205cmの織物ロールを得た。得られた織物のカバーファクターは、2384であった。織物把持棒として、本体部と、本体部の片側(緯糸ノズル側 図1参照)に3cmの補強部を備えるものを使用した。補強部は、外径4.0mmのステンレス(第2の材料の一例)を芯部とし、表面に根ネジ切り加工を施したポリオキシメチレン(第1の材料の一例)を被覆部とした。被覆部は、表面に凹凸加工を施した。補強部全体の外径は、8.0mmとした。本体部は、表面にネジ切りを施したポリオキシメチレン製(第1の材料の一例)であり、外径が8.0mm、長さ211cmとした。本体部と補強部とは接合せず、それぞれ別体のまま横並びに配置して使用した。織物把持棒としては、合計で214cmとなる。なお、本体部と補強部とは、このようにいずれも連結または接合されずに別体として配置されていても正常に動作し得る。すなわち、製織時の織物には、両端方向から中央方向に向かって織り縮みによる応力が生じる。織物把持棒の補強部にも、このような応力が作用する。そのため、補強部は、本体部に向かって近づくよう移動する。その結果、本体部と補強部とは、みかけ上、連結された状態で配置されることとなり、一体的に動作し得る。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。なお、織物把持棒の物性のうち、ヤング率はJIS Z 2280 ひずみゲージ法に基づいて測定した。また、ロックウェル硬さは、ASTM D785の試験方法により測定した。織機上での迫り出し量は実用上充分な程度に抑制されていた。
<実施例2>
織物把持棒の補強部の長さを4cmとし、本体部を210cmとし、把持棒全体として合計214cmとした以外は、実施例1と同様の方法で製織した。得られた織物のカバーファクターは、2384であった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。織機上での迫り出し量は実用上充分な程度に抑制されていた。
<実施例3>
織物把持棒の補強部の長さを5cmとし、本体部を209cmとし、把持棒全体として合計214cmとした以外は、実施例1と同様の方法で製織した。得られた織物のカバーファクターは、2384であった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。織機上での迫り出し量は実施例1よりさらに抑制されていた。
<実施例4>
織物把持棒として、本体部の両端にそれぞれ1cmの長さの補強部を形成し、本体部を212cmとし、把持棒全体として合計214cmとした以外は、実施例1と同様の方法で製織した。得られた織物のカバーファクターは、2384であった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。織機上での迫り出し量は実施例1と同等の結果が得られた。
<実施例5>
織物把持棒の補強部の長さをそれぞれ3cmとし、本体部を208cmとし、把持棒全体として合計214cmとした以外は、実施例4と同様の方法で製織した。得られた織物のカバーファクターは、2384であった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。
織機上での迫り出し量は実施例3よりさらに抑制されていた。
<実施例6>
織物把持棒の補強部の長さを5cmとし、本体部を204cmとし、把持棒全体として合計214cmとした以外は、実施例4と同様の方法で製織した。得られた織物のカバーファクターは、2384であった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。織機上での迫り出し量は実施例5よりさらに抑制されていた。
<実施例7>
実施例4と同様の糸、織機を使用し、織機回転数を700rpm、経糸密度を50本/2.54cm、緯糸密度を50本/2.54cm、筬入れ幅を265cmとし、織布幅249cmの平織物を製織した。織物把持棒は、その補強部の長さをそれぞれ5cmとし、本体部を255cmとし、把持棒全体として合計265cmとした。織成して得られた織物を実施例1と同様に、精練処理、乾燥を行った後、経糸密度50.2本/2.54cm、緯糸密度50.1本/2.54cm、幅246cmの織物ロールを得た。得られた織物のカバーファクターは、2167であった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。織機上での迫り出し量は実用上充分な程度によりさらに抑制されていた。
<実施例8>
実施例1と同様の糸、織機を使用し、織機回転数を700rpm、経糸密度を57本/2.54cm、緯糸密度を56本/2.54cm、筬入れ幅を165cmとし、織物把持棒の補強部の長さをそれぞれ5cmとし、本体部を155cmとし、織布幅152cmの平織物を製織した。織成して得られた織物を実施例1と同様に、精練処理、乾燥を行った後、経糸密度57.0本/2.54cm、緯糸密度56.8本/2.54cm、幅150cmの織物ロールを得た。得られた織物のカバーファクターは、2514であった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。織機上での迫り出し量は実用上充分な程度に抑制されていた。
<比較例1>
全幅において表面にネジ切り加工を施した外径8.0mm、長さ214cmのポリオキシメチレン製織物把持棒を使用した以外は、実施例1と同様の方法で製織した。得られた織物のカバーファクターは、2384であった。織機上での迫出し量は実施例よりも大きかった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。経糸密度差は、悪化した。
<比較例2>
全幅において表面にネジ切り加工を施した外径8.0mm、長さ214cmの真鍮製織物把持棒を使用した以外は、実施例1と同様の方法で製織した。得られた織物のカバーファクターは、2384であった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。引張強度、破断伸度は、大きく低下した。
<実施例9>
織物把持棒の補強部の長さを2cmとし本体部の長さを212cmとした以外は、実施例1と同様の方法で製織した。得られた織物のカバーファクターは、2384であった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。織機上での迫り出し量は、実用上充分な程度に抑制できた。
<比較例3>
織物把持棒の補強部の長さを6cmとし本体部の長さを208cmとした以外は、実施例1と同様の方法で製織した。得られた織物のカバーファクターは、2384であった。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。破断伸度は、低下した。
<比較例4>
織物把持棒として、本体部の両端にそれぞれ6cmの長さの補強部を形成し、本体部の長さを202cmとした以外は、実施例4と同様の方法で製織した。織物把持棒の詳細な物性を表1に示す。破断伸度は、低下した。
Figure 2018088474
実施例1〜9および比較例1〜4で得られたそれぞれの織物について、以下の評価方法により、傷の有無、引張強度、破断伸度、および経糸密度差を評価した。結果を表2に示す。
(1)傷の有無
(株)日立ハイテクノロジーズ製「TM3000形 Miniscope」を使用し、織物の中央部1cm×1cmを倍率500倍で観察し、大きさ20μm以上の損傷の有無を確認した。測定は、織物幅方向に5箇所均等に実施した。
(2)引張強度
JIS K 6404−3:1999 6.試験方法B(ストリップ法)に則り、タテ方向およびヨコ方向のそれぞれについて、試験片を5枚ずつ採取し、幅の両側から糸を取り除いて幅30mmとし、定速緊張型の試験機にて、つかみ間隔150mm、引張速度200mm/minで試験片が切断するまで引っ張り、切断に至までの最大荷重を測定し、タテ方向およびヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。
(3)破断伸度
JIS K 6404−3:1999 6.試験方法B(ストリップ法)に則り、タテ方向およびヨコ方向のそれぞれについて、試験片を5枚ずつ採取し、幅の両側から糸を取り除いて幅30mmとし、これらの試験片の中央部に100mm間隔の標線を付け、定速緊張型の試験機にて、つかみ間隔150mm、引張速度200mm/minで試験片が切断するまで引っ張り、切断に至るときの標線間の距離を読みとり、下記式によって、破断伸度を算出し、タテ方向およびヨコ方向のそれぞれについて平均値を算出した。
E=[(L−100)/100]×100
ここに、E:破断伸度(%)
L:切断時の標線間の距離(mm)
破断伸度は織物の形態安定性に優れ、高速で展開するバッグ形状が安定するために22〜50%が好ましい。
(4)織密度
JIS L 1096:2010 8.6.1A法に従い、織物の経糸密度、緯糸密度を測定した。織物を平らな台上に置き、不自然なしわや張力を除いて、織物の幅方向中央部を測定した。これを3回繰り返し、平均値を織密度とした。
(5)経糸密度差
JIS L 1096:2010 8.6.1A法に準拠して、織物の経糸密度を測定した。織物を平らな台上に置き、不自然なしわや張力を除いて、図1に示される織物8の幅方向端から6cmまでの領域(端部領域R2)中、3箇所について2.54cm間の経糸の本数を数え、平均値を算出した。また、算出した平均値と上記織密度で求めた中央部の経糸密度に基づいて、端部領域R2における経糸密度平均と、中央領域における経糸密度平均との差(経糸密度差)を算出した。
経糸密度差=[(端部領域の経糸密度−中央領域の経糸密度)/端部領域の経糸密度]×100(%)
(なお端部領域の経糸密度は、織物の幅方向の両端のうち、中央領域の経糸密度との差が大きい方を選択した。)
Figure 2018088474
表2に示されるように、本体部を構成する第1の材料よりもヤング率の大きい第2の材料を含む補強部を備える織物把持棒を備えるテンプル装置を使用して製織された実施例1〜9の織物は、いずれも傷が見られず、経糸密度差が小さかった。そのため、これら織物は、引張強度、破断伸度が低下することなく製織され、かつ、高品位であることが分かった。さらに、これら織物は、引張強度が経方向、緯方向ともに、750N/cm以上であり、たとえばエアバッグ用基布として有用であることが分かった。
さらに、補強部の位置(片側であるか両側であるか)のみを変更した実施例1と実施例5、および、実施例3と実施例6との比較において、補強部を両側に設けた実施例5と実施例6で得られた織物は、経糸密度差が更に小さくなった。
一方、ポリオキシメチレン製の織物把持棒を備えるテンプル装置を使用して製織された比較例1の織物は、経糸密度差が大きく、かつ実施例1〜9で得られた織物よりも経糸密度差が大きかった。また、真鍮製の織物把持棒を備えるテンプル装置を使用して製織された比較例2の織物は、織物が傷付きやすかった。また、補強部の長さが6cmであった比較例3〜4の織物は、破断伸度が幾らか低下した。
1 織機
10 支持部材
10a 取付部
10b 縁部
10c 被係合部
11 押さえ部材
11a 押さえ部本体
11b 係合部
12 支持台
2 経糸
3 筬
4 テンプル装置
5 緯糸ノズル
6 緯糸
7 緯糸カッター
8 織物
9、9a 織物把持棒
91 本体部
92、92a 補強部
93 芯部
94 被覆部
d1、d2 迫出し量

Claims (12)

  1. 製織時に織物を把持するための織物把持棒を備える織機用全幅テンプル装置であり、
    前記織物把持棒は、
    本体部と、
    前記本体部の少なくとも片側に形成され、前記織物把持棒の軸方向の幅が1cm以上6cm未満である補強部とを備え、
    前記本体部は、第1の材料からなり、
    前記補強部は、前記第1の材料よりもヤング率の大きい第2の材料を含む、織機用全幅テンプル装置。
  2. 前記補強部は、芯部と、前記芯部を覆う被覆部とからなり、
    前記芯部は、前記第2の材料からなる、請求項1記載の織機用全幅テンプル装置。
  3. 前記被覆部は、前記第1の材料からなる、請求項2記載の織機用全幅テンプル装置。
  4. 前記第1の材料は、樹脂であり、
    前記第2の材料は、金属である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の織機用全幅テンプル装置。
  5. 前記補強部は、前記本体部の両側であって、前記織物把持棒の軸方向の両端に形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の織機用全幅テンプル装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の織機用全幅テンプル装置を用いて、カバーファクターが2000以上の織物を製織する、織物の製造方法。
  7. 700rpm以上の製織速度で製織する、請求項6記載の織物の製造方法。
  8. 製織時の筬入れ幅が150cm以上である、請求項6または7記載の織物の製造方法。
  9. ジェットルームを用いる、請求項6〜8のいずれか1項に記載の織物の製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の織物の製造方法によって製造され、
    カバーファクターが2000以上2500未満であり、
    幅方向の中央領域と、織物の幅方向の端から6cmまでの端部領域とを備え、
    前記端部領域における経糸密度平均と、前記中央領域における経糸密度平均との差は、3%以下である、織物。
  11. 請求項10記載の織物からなる織物ロール。
  12. エアバッグ用基布である、請求項10記載の織物。
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