JPWO2018074401A1 - ピックアップ装置及び弦楽器 - Google Patents

ピックアップ装置及び弦楽器 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018074401A1
JPWO2018074401A1 JP2018546313A JP2018546313A JPWO2018074401A1 JP WO2018074401 A1 JPWO2018074401 A1 JP WO2018074401A1 JP 2018546313 A JP2018546313 A JP 2018546313A JP 2018546313 A JP2018546313 A JP 2018546313A JP WO2018074401 A1 JPWO2018074401 A1 JP WO2018074401A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support member
string
pickup device
sensor
piezoelectric element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018546313A
Other languages
English (en)
Inventor
拓未 木村
拓未 木村
Original Assignee
拓未 木村
拓未 木村
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 拓未 木村, 拓未 木村 filed Critical 拓未 木村
Publication of JPWO2018074401A1 publication Critical patent/JPWO2018074401A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10DSTRINGED MUSICAL INSTRUMENTS; WIND MUSICAL INSTRUMENTS; ACCORDIONS OR CONCERTINAS; PERCUSSION MUSICAL INSTRUMENTS; AEOLIAN HARPS; SINGING-FLAME MUSICAL INSTRUMENTS; MUSICAL INSTRUMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10D3/00Details of, or accessories for, stringed musical instruments, e.g. slide-bars
    • G10D3/04Bridges
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H3/00Instruments in which the tones are generated by electromechanical means
    • G10H3/12Instruments in which the tones are generated by electromechanical means using mechanical resonant generators, e.g. strings or percussive instruments, the tones of which are picked up by electromechanical transducers, the electrical signals being further manipulated or amplified and subsequently converted to sound by a loudspeaker or equivalent instrument
    • G10H3/14Instruments in which the tones are generated by electromechanical means using mechanical resonant generators, e.g. strings or percussive instruments, the tones of which are picked up by electromechanical transducers, the electrical signals being further manipulated or amplified and subsequently converted to sound by a loudspeaker or equivalent instrument using mechanically actuated vibrators with pick-up means
    • G10H3/18Instruments in which the tones are generated by electromechanical means using mechanical resonant generators, e.g. strings or percussive instruments, the tones of which are picked up by electromechanical transducers, the electrical signals being further manipulated or amplified and subsequently converted to sound by a loudspeaker or equivalent instrument using mechanically actuated vibrators with pick-up means using a string, e.g. electric guitar

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)
  • Stringed Musical Instruments (AREA)

Abstract

ピックアップ装置は、楽器本体50に張設される少なくとも1本の弦60を保持する弦保持部材20と、弦保持部材20を支持するとともに、センサ取付面を有する支持部材10と、支持部材10のセンサ取付面に固定される圧電素子センサ40とを備える。圧電素子センサ40は、支持部材10のセンサ取付面に沿って延びる。支持部材10のセンサ取付面は、弦が延びる方向に平行である。このピックアップ装置は、弦楽器の演奏に用いられる弦振動をより精密に検出することが可能である。

Description

本発明は、ピックアップ装置及び弦楽器に係り、特に弦楽器の演奏に用いられる弦振動を検出するピックアップ装置に関するものである。
近年、弦楽器、特にバイオリン属において、木材を組み合わせ、その響きのみで演奏を行う従来のアコースティック楽器だけではなく、弦振動を電気信号に変換し、この電気信号を用いて演奏を行う電気弦楽器も流通している(例えば、特許文献1参照)。このような電気弦楽器においては、例えば、形状変化や加圧によって発電する圧電素子を用いたピックアップセンサによって弦振動を電気信号に変換し、この電気信号をプリアンプやアンプ、スピーカー等のサウンドユニットにケーブルを介して送信し、このサウンドユニットによって楽音を生成している。
弦振動を検出するピックアップセンサを弦楽器に組み込む方法としては、ブリッジ構造の隙間に挟み込む方法、ブリッジと楽器本体との間に挟み込む方法(例えば、特許文献2参照)、ブリッジの中に組み込む方法(例えば、特許文献3参照)などが知られている。
このようなピックアップセンサにおいては、弦楽器の演奏に用いられる弦振動を精密に検出することが求められるが、従来の方法よりも精密に弦振動を検出できるピックアップセンサの開発が求められている。
実用新案登録第3098934号公報 特開2003−157079号公報 特開2005−250356号公報
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、弦楽器の演奏に用いられる弦振動をより精密に検出することができるピックアップ装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、楽音をより精密に出力することができる弦楽器を提供することを第2の目的とする。
本発明の第1の態様によれば、弦楽器の演奏に用いられる弦振動をより精密に検出することができるピックアップ装置が提供される。このピックアップ装置は、楽器本体に張設される少なくとも1本の弦を保持する弦保持部材と、上記弦保持部材を支持する支持部材と、上記支持部材の上記センサ取付面に固定される圧電素子センサとを備える。上記支持部材は、センサ取付面を有する。上記圧電素子センサは、上記支持部材の上記センサ取付面に沿って延びる。
このようなピックアップ装置によれば、弦保持部材を介して弦楽器の振動を支持部材に伝達させ、支持部材に固定された圧電素子センサを効果的に変形させることができるので、弦楽器の振動を精密に検出することができる。
上記支持部材の上記センサ取付面は、上記少なくとも1本の弦が延びる方向に平行であってもよい。あるいは、上記支持部材の上記センサ取付面は、上記少なくとも1本の弦が延びる方向に垂直であってもよい。
上記支持部材の上記センサ取付面の上記少なくとも1本の弦が延びる方向に沿った長さは、上記少なくとも1本の弦が主として振動する方向に沿った上記弦保持部材の幅の30%以上であることが好ましい。このように支持部材のセンサ取付面の長さを長くすることで、圧電素子センサによる振動の検出がより容易になる。
上記支持部材の上記センサ取付面に少なくとも1つの開口部を形成してもよい。この場合において、上記圧電素子センサが、上記支持部材の上記センサ取付面に形成された上記少なくとも1つの開口部を塞ぐように延びていることが好ましい。このような構成により、支持部材に伝達された弦楽器の振動が開口部により増幅され、この開口部を塞いでいる圧電素子センサの変形も増幅されるため、より細かい弦の振動を圧電素子センサによって検出することができる。
上記支持部材は、炭素繊維強化プラスチック、樹脂を含浸させた木材、金属、非鉄金属、繊維強化プラスチック、及び樹脂からなる群より選択された少なくとも1つの材料から形成されていることが好ましい。
上記支持部材は、上記少なくとも1本の弦が延びる方向において非対称の形状を有していてもよい。支持部材がこのような非対称の形状を有することにより、弦保持部材から伝達された弦振動によって支持部材に共振が生じることを抑制することができる。
上記ピックアップ装置は、上記支持部材を上記楽器本体に固定するための固定部材をさらに備えていてもよい。
この場合において、上記支持部材は、上記弦保持部材が取り付けられる上縁部と、上記上縁部から下方に延びるセンサ取付部と、上記固定部材に固定される固定部と、上記上縁部と上記固定部とを接続し、上記上縁部より細く形成された接続部とを含んでいてもよい。このように、支持部材の接続部を弦保持部材が載置される上縁部よりも細くすることで、より効率的に弦振動を弦保持部材からセンサ取付部に伝達することが可能となる。
上記圧電素子センサを上記支持部材の上記センサ取付面に貼付してもよく、あるいは、上記支持部材の上記センサ取付面への吹付により上記圧電素子センサを形成してもよい。また、上記支持部材の上記センサ取付面への印刷により上記圧電素子センサを形成してもよい。また、上記圧電素子センサは、フィルム状の圧電素子を含む圧電フィルムセンサにより構成されていてもよい。
本発明の第2の態様によれば、楽音をより精密に出力することができる弦楽器が提供される。この弦楽器は、器本体と、上記楽器本体に張設される少なくとも1本の弦と、上述したピックアップ装置とを備えている。上記ピックアップ装置は、上記楽器本体と上記少なくとも1本の弦との間に配置される。
本発明によれば、弦保持部材を介して弦楽器の振動を支持部材に伝達させ、支持部材に固定された圧電素子センサを効果的に変形させることができるので、弦楽器の振動を精密に検出することができる。
図1Aは、弦楽器に張設される弦を模式的に示す側面図である。 図1Bは、弦楽器に張設される弦を模式的に示す平面図である。 図2は、従来のバイオリン属における弦の振動を説明するための模式図である。 図3は、従来のバイオリン属のブリッジにおける振動伝達を説明するための模式図である。 図4は、従来のバイオリン属のブリッジにおけるピックアップセンサの設置例を示す模式図である。 図5は、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置を含む弦楽器の一部を示す模式的斜視図である。 図6は、図5に示すピックアップ装置を示す模式的斜視図である。 図7は、図6に示すピックアップ装置とサウンドユニットとの関係を示す模式図である。 図8は、図6に示すピックアップ装置を模式的に示す側面図である。 図9は、図6に示すピックアップ装置の変形例を示す模式的正面図である。 図10は、図6に示すピックアップ装置の他の変形例を示す模式的正面図である。 図11は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的正面図である。 図12は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的正面図である。 図13は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的正面図である。 図14は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的正面図である。 図15は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的正面図である。 図16Aは、図6に示すピックアップ装置の支持部材を展開した形状の例を示す平面図である。 図16Bは、図6に示すピックアップ装置の支持部材を展開した形状の例を示す平面図である。 図16Cは、図6に示すピックアップ装置の支持部材を展開した形状の例を示す平面図である。 図16Dは、図6に示すピックアップ装置の支持部材を展開した形状の例を示す平面図である。 図17は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的正面図である。 図18は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的正面図である 図19は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的正面図である 図20は、図8に示すピックアップ装置の変形例を示す側面図である。 図21は、図8に示すピックアップ装置の変形例を示す側面図である。 図22Aは、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置における支持部材の断面形状の例を示す模式図である。 図22Bは、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置における支持部材の断面形状の例を示す模式図である。 図22Cは、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置における支持部材の断面形状の例を示す模式図である。 図22Dは、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置における支持部材の断面形状の例を示す模式図である。 図22Eは、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置における支持部材の断面形状の例を示す模式図である。 図22Fは、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置における支持部材の断面形状の例を示す模式図である。 図22Gは、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置における支持部材の断面形状の例を示す模式図である。 図22Hは、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置における支持部材の断面形状の例を示す模式図である。 図22Iは、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置における支持部材の断面形状の例を示す模式図である。 図23は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的斜視図である 図24は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的斜視図である 図25は、図6に示すピックアップ装置のさらに他の変形例を示す模式的斜視図である 図26は、図6に示すピックアップ装置における固定部材の変形例を示す模式的正面図である。 図27は、図6に示すピックアップ装置における固定部材の他の変形例を示す模式的正面図である。 図28は、図6に示すピックアップ装置における固定部材の他の変形例を示す模式的正面図である。 図29Aは、図6に示すピックアップ装置における固定部材の形状の例を示す部分拡大側面図である。 図29Bは、図6に示すピックアップ装置における固定部材の形状の例を示す部分拡大側面図である。 図29Cは、図6に示すピックアップ装置における固定部材の形状の例を示す部分拡大側面図である。 図30Aは、図6に示すピックアップ装置における弦保持部材の内部構造の例を示す部分破断斜視図である。 図30Bは、図6に示すピックアップ装置における弦保持部材の内部構造の例を示す部分破断斜視図である。 図30Cは、図6に示すピックアップ装置における弦保持部材の内部構造の例を示す部分破断斜視図である。 図31は、図6に示すピックアップ装置における弦保持部材の変形例を示す斜視図である。 図32は、図6に示すピックアップ装置における弦保持部材の他の変形例を示す斜視図である。 図33は、図6に示すピックアップ装置における弦保持部材のさらに他の変形例を示す斜視図である。 図34は、図6に示すピックアップ装置における支持部材と固定部材とを固定する方法の例を説明する模式的斜視図である。 図35Aは、図6に示すピックアップ装置における支持部材と固定部材とを固定する方法の例を説明する部分斜視図である。 図35Bは、図6に示すピックアップ装置における支持部材と固定部材とを固定する方法の例を説明する部分斜視図である。 図36は、図6に示すピックアップ装置における支持部材と固定部材とを固定する方法の例を説明する模式的斜視図である。 図37は、図6に示すピックアップ装置における支持部材と固定部材とを固定する方法の例を説明する模式的斜視図である。 図38は、図6に示すピックアップ装置を楽器本体に固定する方法の例を説明する模式的斜視図である。 図39は、図6に示すピックアップ装置を楽器本体に固定する方法の例を説明する模式的斜視図である。 図40は、図6に示すピックアップ装置を楽器本体に固定する方法の例を説明する模式的斜視図である。 図41は、図6に示すピックアップ装置を楽器本体に固定する方法の例を説明する模式的斜視図である。 図42は、本発明の第2の実施形態におけるピックアップ装置を含む弦楽器の一部を示す模式的斜視図である。 図43は、図42に示すピックアップ装置の支持部材を示す斜視図である。 図44は、図42に示すピックアップ装置の固定部材を示す斜視図である。 図45は、本発明の第3の実施形態におけるピックアップ装置を示す斜視図である。 図46は、図45に示すピックアップ装置の分解斜視図である。 図47は、本発明の第4の実施形態におけるピックアップ装置を含む弦楽器の一部を示す模式的斜視図である。 図48は、図47に示すピックアップ装置の支持部材及び圧電素子センサを示す斜視図である。 図49は、図47に示すピックアップ装置の固定部材を示す斜視図である。 図50は、本発明の第5の実施形態におけるピックアップ装置を含む弦楽器の一部を示す模式的斜視図である。 図51は、図50に示すピックアップ装置の支持部材及び圧電素子センサを示す斜視図である。 図52は、図50に示すピックアップ装置の固定部材を示す斜視図である。 図53Aは、本発明に係るピックアップ装置に用いられる支持部材の一例を示す側面図である。 図53Bは、図53Aに示す支持部材の使用状態を示す側面図である。 図54Aは、本発明に係るピックアップ装置に用いられる支持部材の他の例を示す側面図である。 図54Bは、図54Aに示す支持部材の使用状態を示す側面図である。 図55は、本発明の第6の実施形態におけるピックアップ装置を示す前方斜視図である。 図56は、図55に示すピックアップ装置の後方斜視図である。 図57は、本発明の第7の実施形態におけるピックアップ装置を示す前方斜視図である。 図58は、図57に示すピックアップ装置の後方斜視図である。
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、図面において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図面においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。
1.従来の弦楽器の特徴
図1Aは、弦楽器に張設される弦60を模式的に示す側面図、図1Bは平面図である。図1A及び図1Bに示すように、弦楽器は、張設方向64に張設された弦60を振動させることによって楽音を生成するものであるが、弦60を振動させる方法としては、ナット62からブリッジ63の間に張設された弦60を弾く又は弓を用いて弦60を擦るなどの方法がある。通常、ブリッジ63寄りの弦60の任意の箇所を弾く又は擦ることにより所望の楽音を生成する。
図2は、従来のバイオリン属における弦の振動を説明するための模式図、図3は、従来のバイオリン属のブリッジにおける振動伝達を説明するための模式図である。バイオリンを演奏する際は、例えば弓70に張られた馬の毛71などをバイオリンに張設された弦60に当て、弓70で弦60を擦ることによって弦60を振動させることによって楽音を生成する。
このとき、弓70に張られた馬の毛71で弦60を動作方向72に擦ると、弦60は弓70の動作方向72とほぼ同じ方向61に振動する。厳密には、弦60は、図2の紙面に対して垂直な方向にも振動しており、弦60は、弓70の動作方向72を長軸とする楕円運動を行うが、バイオリンの機構構造を説明する上で、主たる働きをするのは長軸方向61の振動である。
図3に示すように、従来のバイオリンにおいては、バイオリンのブリッジ73は弦60と表板50の間に挟まれ、弦60の張力によって弦60と表板50との間に挟持される。表板50の裏面には、補強や振動伝達を目的とすると考えられているバスバー75が接着されている。一般的に、バスバー75は、ブリッジ73が表板50に固定される2箇所のうち一方の裏面に接着される。バスバー75が接着されている表板50の部位は、表板50の他の部位に比べ、バスバー75によって裏面から補強されているため振動しにくい。
上述したように、弦60の振動方向61は弓70の動作方向72と略同一になるが、図3に示すように、ブリッジ73はバスバー75側の支点81を中心として、回転方向76に振動する。このように、弓70の動作方向72に近似する弦60の振動方向61は、回転方向76の振動に変換され、この回転方向76の振動により表板50が振動し、楽音が生成される。このような振動の方向を変換する構造を有する楽器は、世界的に見ても珍しい。
このような構造を有するため、振動方向61の弦60の振動を回転方向76の振動に変換する際に、振動のエネルギー損失が発生していると考えられている。楽器ごとの個体差や木材の材質等によっても大きく結果が異なるが、弦振動のエネルギーの約半分が表板50の振動に用いられることなく、伝達の途上で損失していると考えられている。
このように、弦楽器は、エネルギー損失の大きい構造をしているため、演奏者の弓70の動作による音楽表現を忠実に再現し、なおかつ楽音の音量を大きくするためには、表板50はできるだけ振動しやすい方が好ましい。このために、表板50を薄く削り出す必要がある。
例えば、製造後年月の経過したバイオリンを解体し、自然乾燥によって水分含有量が減少し強度の増した表板を裏面から薄く削ることもなされる。そのような作業を多いものでは複数回繰り返すこともあり、最も薄い箇所では1mm前後まで表板が削り込まれることがある。バイオリンにおいて、製作年代が古いもの程、評価額が高価となるのは上述のような理由によるところが大きい。
現在流通している、電気的に楽音を増幅させる電気楽器のうち、バイオリンを基に作られた電気楽器は、上述したバイオリンの構造的特徴を多く踏襲している。
元々バイオリンは、木材を素材にして弦振動を楽音として増幅させ、音楽に利用するという技術思想と、開発当時利用可能であった技術を活用し考案されたものであり、振動センサを組み込むことなどは想定していなかった。したがって、従来の構造的特徴を単に模倣しただけの電気楽器では、弦振動を効率的に検出することは難しい。
例えば、従来の電気弦楽器では、図4に示すように、弦振動を検出するセンサ77をブリッジ73と楽器本体50との間に挟み込んだり(例えば、特許文献2参照)、ブリッジ73の内部に設置したりしている(例えば、特許文献3参照)。
例えば、特許文献2においては、ブリッジと楽器本体との間にセンサが挟み込まれているが、この方法は、従来の他の電気楽器にも採用されている一般的な方法の1つになっている。しかしながら、この方法は、主に圧迫方向の加圧による信号の生成が可能であるものの、曲げ等の形状変化による信号の生成は期待できない。このため、信号生成の効率が低いという問題がある。
また、特許文献3のように、従来のバイオリンのブリッジの内部にセンサを設置する方法も考えられている。この方法においては、ブリッジを構成する木材がセンサの両側に位置しているため、弦振動がブリッジに伝達されても、振動によるセンサの変形又は加圧が生じにくい。その欠点を補うために、特許文献3では、センサの側方に位置するブリッジの部分に切込溝を形成し、振動によるブリッジの形状変化を促進させていると推測される。切込溝を大きくすればブリッジは変形しやすくなり、センサの形状変化や加圧による信号生成は可能になるが、その反面、構造体としてのブリッジの強度が低下するため、切込溝の深さには限界がある。
また、特許文献3のように、ブリッジに形成した溝の内部にセンサを設置する場合には、ブリッジとセンサとを密着させることが困難なため、ブリッジとセンサとの間の隙間に塑性材料を充填している。この場合には、ブリッジとセンサとの間の塑性材料が振動を吸収するため、弦振動がセンサに伝わりづらくなってしまう。
このように、従来の電気弦楽器は、既存の楽器構造を踏襲し使用するものである。しかしながら、従来の弦楽器の構造は、本来、旧来のアコースティック楽器において、木材を素材として弦振動を増幅させ楽音を生成するという目的を達成するために考え出されたものであり、電気弦楽器や電子弦楽器のピックアップセンサの特性を考慮し、このピックアップセンサにより弦振動を効率的かつ精密に検出するために最適化されたものではない。
このような状況の下、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、ピックアップセンサの特性を活かすためには、既存の楽器構造とは全く異なる構造を採用すべきことを見出した。以下、本発明に係るピックアップ装置の実施形態について詳細に説明する。
2.第1の実施形態
図5は、本発明の第1の実施形態におけるピックアップ装置を含む弦楽器の一部を示す模式的斜視図である。図5に示すように、本実施形態におけるピックアップ装置は、楽器本体の表板50上に設置され、弦60と表板50との間に挟まれている。
図6は、図5に示すピックアップ装置を示す模式的斜視図である。図6に示すように、ピックアップ装置は、楽器本体50に張設される弦60を保持する弦保持部材20と、弦保持部材20を支持する2つの支持部材10と、2つの支持部材10のうち一方に固定される圧電素子センサ40と、支持部材10が固定された固定部材30とを備えている。固定部材30は、楽器本体50に固定されている(図5参照)。支持部材10は、弦60が延びる方向に平行なセンサ取付面を有しており、このセンサ取付面上に圧電素子センサ40が配置されている。
弦保持部材20は、例えば、金属、木材、樹脂固形物、木材に樹脂を浸透させたものなどから形成することができる。図6に示すように、弦保持部材20の上面には、弦60を受け入れる溝21が形成されている。本実施形態では、弦保持部材20に4つの溝21が形成されているが、溝21の数は4つに限定されるものではなく、楽器本体50に張設される弦60の本数によって変わるものである。したがって、弦保持部材20に形成される溝21の数は1つでも複数であってもよい。
圧電素子センサ40は、振動や引張、圧縮、加圧等による形状の変化に応じて電気信号を生成するものである。このような圧電素子センサ40として、例えば、支持部材10のセンサ取付面に沿って延びるフィルム状の圧電素子を含む圧電フィルムセンサを用いることができる。この圧電素子センサ40は、図7に示すように、ケーブル41を介してサウンドユニットに接続されている。このサウンドユニットは、圧電素子センサ40が生成した電気信号を電気的に増幅し、楽音を生成するものである。なお、図6に示すように、固定部材30には、ケーブル41を挿通させるための貫通孔33が形成されている。
弦60が振動すると、その弦振動が弦保持部材20を介して支持部材10に伝達され、支持部材10が振動及び変形する。支持部材10に固定された圧電素子センサ40は、支持部材10の振動及び変形に伴って変形し、支持部材10の振動による変形から圧電効果により電気信号を生成する。圧電素子センサ40により生成された電気信号は、ケーブル41を介してサウンドユニットに送信される。サウンドユニットに送られた電気信号は、サウンドユニット内で電気的に加工及び増幅され、楽音として出力される。
支持部材10は、薄くて軽く、また、振動を伝達しやすい材料から形成されることが好ましい。また、支持部材10は、弦保持部材20を支持しなければならないので、ある程度の強度及び剛性を有する材料から形成されることがより好ましい。例えば、支持部材10を構成する材料として、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、樹脂を含浸させた木材、金属材、非鉄金属材、繊維強化プラスチック(FRP)、樹脂などを用いることができる。また、上述した条件を満たす他の材料を支持部材10として使用することもできる。また、それぞれの支持部材10は、複数の部材要素を連続的に接続したものであってもよい。
図6に示す例では、固定部材30は楽器本体50と別部材として図示されているが、後述するように、固定部材30が楽器本体50の一部を構成していてもよい、また、固定部材30は、複数の部材要素から構成されていてもよい。
図8は、本実施形態におけるピックアップ装置を模式的に示す側面図である。図8に示すように、圧電素子センサ40は、支持部材10の略全面にわたって広がっている。なお、図8では、弦保持部材20は断面で示されている。
3.弦保持部材、支持部材、及び圧電素子センサの数
上述した第1の実施形態では、2つの支持部材10のうちの一方に圧電素子センサ40を設けているが、図9に示すように、2つの支持部材10のそれぞれに圧電素子センサ40を設けてもよい。
また、上述した第1の実施形態では、1つの弦保持部材20を2つの支持部材10で支持しているが、図10に示すように、1つの弦保持部材20を3つ以上の支持部材10で支持してもよい。これら3つ以上の支持部材10のうち少なくとも1つの支持部材10に圧電素子センサ40を設けることができる。あるいは、1つの弦保持部材20を1つの支持部材10で支持してもよい。
さらに、上述した第1の実施形態では、1つの弦保持部材20に複数の溝21が形成されていたが、図11に示すように、複数の弦保持部材20を設け、これらの弦保持部材20のそれぞれに1つの溝21を形成してもよい。この場合には、それぞれの弦保持部材20は別個の支持部材10により支持され、それぞれの支持部材10に圧電素子センサ40が設けられる。換言すれば、1つの溝21が形成された1つの弦保持部材20と、これを支持する1つの支持部材10と、支持部材10に固定された圧電素子センサ40とを含むセンサセットが複数個並列に配置されている。なお、図11に示す例では、複数の支持部材10は1つの固定部材30に固定されている。
また、図12に示すように、1つの弦保持部材20と複数の支持部材10と少なくとも1つの圧電素子センサ40とを含むセンサセットを複数個並べてもよい。なお、それぞれのセンサセットにおける溝21、弦保持部材20、支持部材10、及び圧電素子センサ40の数は、図示のものに限られるものではない。
4.支持部材の構成例
図6に示す例では、2つの支持部材10が固定部材30からそれぞれ斜め上方に異なる角度で延びているが、図13に示すように、複数の支持部材10が互いに平行に延びていてもよい。
また、図6に示す例では、1つの弦保持部材20を2つの支持部材10で支持しているが、図14に示すように、2つの支持部材を一体化して1つの支持部材10としてもよい。図14に示す例では、支持部材10の一端の近傍から他端の近傍まで圧電素子センサ40が延びているが、圧電素子センサ40の長さは図示のものに限られるものではない。さらに、図15に示すように、一体化した支持部材10を略半円状に構成してもよい。
図16Aから図16Dは、図14又は図15に示す支持部材10を展開した形状の例を示す平面図である。図16Aに示す支持部材10は長円状の板材から構成されている。図16Bに示す支持部材10は、任意の形状の孔又は凹部又は凸部が内側に形成された板材から構成されている。図16C及び図16Dに示す支持部材10は、複数の孔又は凹部又は凸部が内側に形成された板材から構成されている。図16Cにおける複数の孔又は凹部又は凸部は、支持部材10の長手方向に沿って配置されており、図16Dにおける複数の孔又は凹部又は凸部は、支持部材10の長手方向と垂直な方向に沿って配置されている。
図15に示す支持部材10の両端をさらに延ばし、図17に示すように、環状の支持部材10としてもよい。この支持部材10の環状部分は、必ずしも真円である必要はなく、楕円であってもよく、さらに曲率が一定に変化せず角と認識されるような箇所があってもよく、一部が直線によって構成されていてもよい。また、図17に示す例では、弦保持部材20は、支持部材10と2箇所において接続されているが、3箇所以上で支持部材10に接続されていても、あるいは1箇所で支持部材10に接続されていてもよい。
また、図18に示すように、図6に示す支持部材10をアーチ状に一体化してもよく、このアーチ状の支持部材10を弦保持部材20と1つの面で接続してもよい。
また、図14に示す例では、2つの支持部材を一体化して1つの支持部材10としたが、図19に示すように、さらに弦保持部材20と支持部材10とを一体化し、1つの部材により構成してもよい。
また、図8に示す例では、圧電素子センサ40が支持部材10の略全面にわたって広がっているが、図20に示すように、支持部材10を上端部で2つに分岐させ、分岐させた2つの下端部を固定部材30に固定してもよい。図20に示す例では、分岐させた2つの下端部のうち一方の下端部に圧電素子センサ40が設けられているが、分岐させた2つの下端部のそれぞれに圧電素子センサ40を設けてもよい。また、支持部材10には任意の形状の孔又は凹部又は凸部が形成されていてもよく、支持部材10に形成された孔又は凹部を塞ぐように圧電素子センサ40を設けてもよい。なお、図20では、弦保持部材20は断面で示されている。
また、図8に示すピックアップ装置において、図21に示すように、支持部材10の上端部を凹状に湾曲させることで、支持部材10と弦保持部材20と接触面積を大きくしてもよい。
支持部材10の断面形状は任意の形状にすることができる。例えば、支持部材10の断面形状として図22Aから図22Iに示すような形状が挙げられるが、これらに限られるものではない。また、支持部材10の厚さは、長手方向に沿って一定でなくてもよく、長手方向に沿って変化してもよい。
5.ケーブルの構成例
図6に示す例では、固定部材30に形成した貫通孔33にケーブル41を挿通させているが、必ずしも固定部材30に貫通孔33を形成する必要はなく、図23に示すように、固定部材30の周囲にケーブル41を取り回してもよい。
また、図14、図15、又は図17に示すように、支持部材10が1箇所で固定部材30に固定される場合には、図24に示すように、支持部材10に貫通孔33を形成し、この貫通孔33にケーブル41を挿通させてもよいし、あるいは、図25に示すように、支持部材10に貫通孔33を形成せず、支持部材10の周囲にケーブル41を取り回してもよい。
6.固定部材の構成例
図6に示す固定部材30は略直方体状の形状を有しているが、図26に示すように、固定部材30の両側が上方に大きく迫り出していてもよい。この場合において、固定部材30の迫り出した部分に支持部材10をそれぞれ固定することができる。
また、図27に示すように、固定部材30の形状を、従来の弦楽器で用いられているブリッジを模した形状にしてもよい。さらに、図28に示すように、上述のように1箇所で固定部材30に固定される支持部材10に、このようなブリッジを模した形状の固定部材30を適用することもできる。
図29Aに示すように、固定部材30の上端の弦張設方向における全面において支持部材10と接続されていてもよく、あるいは図29Bに示すように、弦張設方向の両側で支持部材10と接続されていてもよく、あるいは図29Cに示すように、弦張設方向の片側のみで支持部材10と接続されていてもよい。
7.弦保持部材の構成例
弦保持部材20は任意の内部構造を有していてもよい。図30Aから図30Cは、図6に示す弦保持部材20の内部構造の例を示すものである。例えば、弦保持部材20は、中実構造を有していてもよく(図30A)、あるいは内部に気泡又は気泡に類する微細な空洞が形成された構造を有していてもよく(図30B)、あるいは部分的な中空構造を有していてもよい(図30C)。
また、図31に示すように、弦保持部材20の表面に1以上の凹部24や貫通孔25を形成してもよい。また、図6に示す例では、弦保持部材20の外周面は曲面により構成されていたが、図32に示すように、弦保持部材20の外周面が1以上の平面を含んでいてもよい。また、図33に示すように、弦保持部材20は、部分的に断面積の異なる外形形状を有していてもよく、支持部材10との接続部を突出させてもよい。
8.支持部材の固定部材への固定
支持部材10は固定部材30に任意の方法により固定することができる。例えば接着材を用いた接着や溶着などの方法により支持部材10を固定部材30に固定することができる。あるいは、図34に示すように、固定部材30から斜め上方に延びる2つの支持部材10を楔状の固定補助部材32と固定部材30との間に挟み込み、ネジなどの固定具31により固定してもよい。この固定具31は、固定補助部材32を貫通して固定補助部材32を固定部材30又は楽器本体に固定する。図34においては圧電素子センサ40の図示を省略している。
図14、図17 、図19に示す例のように、支持部材10が固定部材30に固定される部分が1つの部材で構成されている場合には、図35Aに示すように、半円柱状の固定補助部材32で支持部材10を固定補助部材32と固定部材30との間で挟み込み、支持部材10を固定部材30に固定してもよい。あるいは、図35Bに示すように、アーチ状の固定補助部材32で支持部材10を固定補助部材32と固定部材30との間で挟み込み、支持部材10を固定部材30に固定してもよい。いずれの場合にも、上述した固定具31を併用することができる。
また、図36に示すように、支持部材10を固定部材30の側面に固定してもよい。この場合において、図37に示すように、固定補助部材32によって支持部材10を側方から固定部材30に挟み込んでもよい。
9.ピックアップ装置の楽器本体への固定
ピックアップ装置は楽器本体50に任意の方法により固定することができる。例えば接着材を用いた接着や溶着などの方法によりピックアップ装置を楽器本体50に固定することができる。あるいは、図38に示すように、ネジなどの固定具34を用いて固定部材30を楽器本体50に固定してもよい。この場合において、図34に示すような固定補助部材32を用いることもできる。また、ピックアップ装置を楽器本体50に着脱自在に取り付けてもよい。
図5に示す例では、ピックアップ装置が楽器本体の表板50上に配置されているが、例えば、図39に示すように、楽器本体の表板50に凹部を形成し、この凹部に固定部材30を配置してもよい。
また、上述した例では、ピックアップ装置の固定部材30が楽器本体50に固定されているが、図40に示すように、固定部材30を介することなく、支持部材10を楽器本体の表板50に直接固定してもよい。また、図14、図15、又は図17に示すように、支持部材10が1箇所で固定部材30に固定される場合においても、図41に示すように、支持部材10を楽器本体の表板50に直接固定してもよい。いずれの場合においても、楽器本体の表板50に凹部を形成し、この凹部に支持部材10を配置してもよい。
また、固定具34が、固定部材30や図34に示すような固定補助部材32に組み込まれていて、外観からは目視し難い位置にあってもよい。また、固定具34が、楽器本体50の外観からは目視し難い位置に設けられていてもよい。例えば、固定具34を楽器本体の表板50に設け、固定部材30の底面にネジ孔を形成して、楽器本体50側からピックアップ装置を固定するようにしてもよい。
上述した固定具31や固定具34は図示したネジに限られるものではなく、2つの部材を任意に着脱可能とするものであればどのようなものであってもよい。
10.第2の実施形態
次に、上述したピックアップ装置の具体的な実施形態について説明する。図42は、本発明の第2の実施形態におけるピックアップ装置201を含む弦楽器の一部を示す模式的斜視図である。
図42に示すように、本実施形態におけるピックアップ装置201は、楽器本体50上に設置されており、図示しない4本の弦の張力により、これらの弦と楽器本体50との間に挟まれている。ピックアップ装置201は、弦を受け入れる溝221が上面に形成された4つの弦保持部材220と、弦保持部材220を支持する4つの支持部材210と、それぞれの支持部材210のセンサ取付面に貼付された圧電素子センサ240と、支持部材210が固定された固定部材230とを含んでいる。なお、圧電素子センサ240として、例えば、支持部材210のセンサ取付面に沿って延びるフィルム状の圧電素子を含む圧電フィルムセンサや圧電体セラミックスを含む圧電素子センサを用いることができる。
図43は、支持部材210を示す斜視図である。図43に示すように、本実施形態における支持部材210は、弦が延びる方向と平行に延びる板状に形成されており、例えば炭素繊維強化プラスチックから構成される。この支持部材210は、弦保持部材220が載置される上縁部213と、上縁部213から弦が延びる方向に延出する2つの延出部212と、上縁部213から下方に延びるセンサ取付部214とを有している。図42に示すように、上縁部213は弦保持部材220の下部に形成された溝に嵌合するようになっている。センサ取付部214の表面(センサ取付面)は、弦が延びる方向と平行に延びている。なお、この支持部材210には、上述の実施形態において説明した例と同様に、任意の形状の開口部を形成してもよいことは言うまでもない。
図44は、固定部材230を示す斜視図である。図44に示すように、本実施形態における固定部材230は、楽器本体50に固定される基部232と、基部232から上方に延びる2つのホルダアーム233とを有している。それぞれのホルダアーム233の上端には4つの差込溝234が形成されている。このホルダアーム233の差込溝234に支持部材210の延出部212が差し込まれることにより、支持部材210が固定部材230に固定される。図42に示すように、支持部材210が固定部材230に固定された状態では、支持部材210のセンサ取付部214の下端は自由端となっている。
このような構成において、弦が振動すると、その弦振動が弦保持部材220を介して支持部材210に伝達され、支持部材210が振動及び変形する。支持部材210に貼付された圧電素子センサ240は、支持部材210の振動及び変形に伴って変形し、支持部材210の振動による変形から圧電効果により電気信号を生成する。圧電素子センサ240により生成された電気信号は、図示しないサウンドユニットに送られ、ここで電気的に加工及び増幅されて楽音として出力される。このように、本実施形態のピックアップ装置201は、弦の振動を圧電素子センサ240により精密に検出して電気信号に変換し楽音として出力することができる。
11.第3の実施形態
図45は、本発明の第3の実施形態におけるピックアップ装置301を示す斜視図である。図45に示すように、本実施形態におけるピックアップ装置301は、弦が延びる方向と垂直に延びる弦保持部材320と、弦保持部材320を支持する支持部材310と、支持部材310のセンサ取付面に貼付された圧電素子センサ340と、支持部材310が固定された固定部材330とを含んでいる。弦保持部材320の上面には、弦を受け入れる溝321が形成されている。なお、このような圧電素子センサ340として、例えば、支持部材310のセンサ取付面に沿って延びるフィルム状の圧電素子を含む圧電フィルムセンサや圧電体セラミックスを含む圧電素子センサを用いることができる。
図46は、ピックアップ装置301の分解斜視図である。図46に示すように、固定部材330は、凹部331が形成された基部332と、凹部331の上方を覆うカバー333と、弦保持部材320が載置される台座334とを有している。弦保持部材320と台座334との間には弾性を有するクッション部材335が配置される。基部332の凹部331内には圧電素子センサ340とサウンドユニット(図示せず)とを接続するケーブル341が収容される。また、基部332には、ネジ350を螺合させるためのネジ孔336が形成されている。なお、図45においては、簡略化のためネジ350の図示を省略している。
支持部材310は、弦が延びる方向と平行に延びる板状に形成されており、例えば炭素繊維強化プラスチックから構成されている。支持部材310は、弦保持部材320の一方の端部近傍の下面に形成された溝322に嵌合する上縁部313と、上縁部313から下方に延びるセンサ取付部314とを有している。この支持部材310のセンサ取付部314には、支持部材310を固定部材330の基部332に固定するためのネジ350を挿通させるための貫通孔316と、弦保持部材320を介して伝達される弦の振動を増幅するための複数の開口部318とが形成されている。支持部材310のセンサ取付部314の表面(センサ取付面)は、弦が延びる方向と平行に延びている。
圧電素子センサ340は、例えば支持部材310のセンサ取付部314の略全面にわたる大きさを有している。圧電素子センサ340には、ネジ350を挿通させるための貫通孔346が形成されている。したがって、ネジ350を支持部材310の貫通孔316及び圧電素子センサ340の貫通孔346に挿通させ、固定部材330のネジ孔336に螺合させることにより、支持部材310を固定部材330に固定することができる。
また、圧電素子センサ340は、支持部材310のセンサ取付部314の表面(センサ取付面)に貼付されており、圧電素子センサ340がセンサ取付部314の開口部318を塞ぐように延びている。したがって、図45に示すように、圧電素子センサ340がセンサ取付部314の開口部318から露出するようになっている。
図46に示すように、弦保持部材320の一方の端部は、クッション部材335を挟んで固定部材330の台座334上に載置される。したがって、ピックアップ装置301は、図示しない4本の弦の張力により、これらの弦と楽器本体との間に挟まれた状態で保持される。
このような構成において、弦が振動すると、その弦振動が弦保持部材320を介して支持部材310に伝達され、支持部材310が振動及び変形する。支持部材310のセンサ取付部314に貼付された圧電素子センサ340は、支持部材310の振動及び変形に伴って変形し、支持部材310の振動による変形から圧電効果により電気信号を生成する。圧電素子センサ340により生成された電気信号は、図示しないサウンドユニットに送られ、ここで電気的に加工及び増幅されて楽音として出力される。
本実施形態では、圧電素子センサ340が、開口部318が形成された支持部材310のセンサ取付部314の略全面にわたっており、圧電素子センサ340が開口部318を塞ぐように延びている。支持部材310に伝達された弦振動は開口部318により増幅され、したがって、これらの開口部318を塞いでいる圧電素子センサ340の変形も増幅される。このため、より細かい弦の振動を圧電素子センサ340によって検出することができる。このように、本実施形態のピックアップ装置301によれば、より細かい弦の振動を検出して電気信号に変換し楽音として出力することが可能となる。
12.第4の実施形態
図47は、本発明の第4の実施形態におけるピックアップ装置401を含む弦楽器の一部を示す模式的斜視図である。図47に示すように、本実施形態におけるピックアップ装置401は、楽器本体50上に設置されており、4本の弦60の張力により、これらの弦60と楽器本体50との間に挟まれている。ピックアップ装置401は、弦保持部材220と、弦保持部材220を支持する4つの支持部材410と、それぞれの支持部材410のセンサ取付面に貼付された圧電素子センサ440(図47においては図示を省略)と、支持部材410が固定された固定部材430とを含んでいる。なお、このような圧電素子センサ440として、例えば、支持部材410のセンサ取付面に沿って延びるフィルム状の圧電素子を含む圧電フィルムセンサや圧電体セラミックスを含む圧電素子センサを用いることができる。
図48は、支持部材410及び圧電素子センサ440を示す斜視図である。図47及び図48に示すように、本実施形態における支持部材410は、弦60が延びる方向と平行に延びる板状に形成されており、例えば炭素繊維強化プラスチックから構成される。この支持部材410は、弦保持部材220が載置される上縁部413と、上縁部413から下方に延びるセンサ取付部414と、センサ取付部414の下端から下方に延出する延出部412とを有している。この支持部材410のセンサ取付部414には、支持部材410を固定部材430に固定するためのネジ450(図47参照)を挿通させるための貫通孔416と、弦保持部材220を介して伝達される弦の振動を増幅するための複数の開口部418が形成されている。センサ取付部414の表面(センサ取付面)は、弦60が延びる方向と平行になっている。
支持部材410のセンサ取付部414に貼付される圧電素子センサ440は、例えば支持部材410のセンサ取付部414の略全面にわたる大きさを有している。本実施形態では、圧電素子センサ440は、開口部418が形成された支持部材410のセンサ取付部414の略全面にわたっており、圧電素子センサ440がセンサ取付部414の開口部418を塞ぐように延びている。したがって、図48に示すように、圧電素子センサ440はセンサ取付部414の開口部418から露出するようになっている。
図49は、固定部材430を示す斜視図である。図49に示すように、本実施形態における固定部材430は、楽器本体50に固定される基部432と、基部432から上方に延びる2つのホルダアーム433とを有している。それぞれのホルダアーム433の上端には、ネジ450(図47参照)を螺合させるためのネジ孔436が形成されている。したがって、ネジ450を支持部材410の貫通孔416に挿通させ、ホルダアーム433のネジ孔436に螺合させることにより、支持部材410を固定部材430に固定することができる。
図49に示すように、固定部材430の基部432の上面には、支持部材410の延出部412を挿入するスロット434が形成されている。支持部材410の延出部412を固定部材430の基部432のスロット434に挿入することで、支持部材410の位置決めがなされる。
このような構成において、弦が振動すると、その弦振動が弦保持部材220を介して支持部材410に伝達され、支持部材410が振動及び変形する。支持部材410のセンサ取付部414に貼付された圧電素子センサ440は、支持部材410の振動及び変形に伴って変形し、支持部材410の振動による変形から圧電効果により電気信号を生成する。圧電素子センサ440により生成された電気信号は、図示しないサウンドユニットに送られ、ここで電気的に加工及び増幅されて楽音として出力される。
また、支持部材310に伝達された弦振動は開口部418により増幅され、これらの開口部418を塞いでいる圧電素子センサ440の変形も増幅される。したがって、より細かい弦の振動を圧電素子センサ440によって検出することができ、より細かい弦の振動を電気信号に変換して楽音として出力することが可能である。
13.第5の実施形態
図50は、本発明の第5の実施形態におけるピックアップ装置501を含む弦楽器の一部を示す模式的斜視図である。図50に示すように、本実施形態におけるピックアップ装置501は、楽器本体50上に設置されており、4本の弦60の張力により、これらの弦60と楽器本体50との間に挟まれている。ピックアップ装置501は、弦保持部材220と、弦保持部材220を支持する4つの支持部材510と、それぞれの支持部材510のセンサ取付面に貼付された圧電素子センサ540(図50においては図示を省略)と、支持部材510が固定された固定部材530とを含んでいる。なお、このような圧電素子センサ540として、例えば、支持部材510のセンサ取付面に沿って延びるフィルム状の圧電素子を含む圧電フィルムセンサや圧電体セラミックスを含む圧電素子センサを用いることができる。
図51は、支持部材510及び圧電素子センサ540を示す斜視図である。図50及び図51に示すように、本実施形態における支持部材510は、弦60が延びる方向と平行に延びる板状に形成されており、例えば炭素繊維強化プラスチックから構成される。この支持部材510は、上縁部513と、上縁部513から下方に延びるセンサ取付部514と、センサ取付部514の下端から下方に延出する延出部512とを有している。この支持部材510のセンサ取付部514には、支持部材510を固定部材530に固定するためのネジ550(図50参照)を挿通させるための貫通孔516と、弦保持部材220を介して伝達される弦の振動を増幅するための複数の開口部518が形成されている。センサ取付部514の表面(センサ取付面)は、弦60が延びる方向と平行になっている。
支持部材510のセンサ取付部514に貼付される圧電素子センサ540は、例えば支持部材510のセンサ取付部514の略全面にわたる大きさを有している。本実施形態では、圧電素子センサ540は、開口部518が形成された支持部材510のセンサ取付部514の略全面にわたっており、図51に示すように、圧電素子センサ540はセンサ取付部514の開口部518から露出するようになっている。
図52は、固定部材530を示す斜視図である。図52に示すように、本実施形態における固定部材530は、楽器本体50に固定される基部532と、基部532から上方に延びる4つのホルダアーム533とを有している。弦が延びる方向に並べられたホルダアーム533は上端で互いに連結されている。それぞれのホルダアーム533の上端には、ネジ550(図50参照)を螺合させるためのネジ孔536が形成されている。したがって、ネジ550を支持部材510の貫通孔516に挿通させ、ホルダアーム533のネジ孔536に螺合させることにより、支持部材510を固定部材530に固定することができる。
図52に示すように、固定部材530の基部532の上面には、支持部材510の延出部512を挿入するスロット534が形成されている。支持部材510の延出部512を固定部材530の基部532のスロット534に挿入することで、支持部材510の位置決めがなされる。
このような構成において、弦が振動すると、その弦振動が弦保持部材220を介して支持部材510に伝達され、支持部材510が振動及び変形する。支持部材510のセンサ取付部514に貼付された圧電素子センサ540は、支持部材510の振動及び変形に伴って変形し、支持部材510の振動による変形から圧電効果により電気信号を生成する。圧電素子センサ540により生成された電気信号は、図示しないサウンドユニットに送られ、ここで電気的に加工及び増幅されて楽音として出力される。
また、支持部材510に伝達された弦振動は開口部518により増幅され、これらの開口部518を塞いでいる圧電素子センサ540の変形も増幅される。したがって、より細かい弦の振動を圧電素子センサ540によって検出することができ、より細かい弦の振動を電気信号に変換して楽音として出力することが可能である。
14.支持部材の他の形態
上述した第3から第5の実施形態においては、支持部材310,410,510にそれぞれ開口部318,418,518が形成されているが、これらの開口部318,418,518の形状は図示のものに限られるものではない。例えば、図53Aに示すような形状の支持部材810を用いてもよい。図53Bは、この支持部材810の使用状態を示している。図53A及び図53Bに示すように、この支持部材810は、弦保持部材820が載置される上縁部813と、上縁部813から下方に延びるセンサ取付部814とを有している。支持部材810の上部と下部には、支持部材810を固定部材(図示せず)に固定するためのネジ850A,850Bを挿通させるための貫通孔816A,816Bと、弦保持部材820を介して伝達される弦の振動を増幅するための2つの開口部818とが形成されている。
図53Bに示すように、支持部材810は、ネジ850A,850Bを貫通孔816A,816Bに挿通して固定部材のネジ孔に螺合させることで固定部材に固定される。ここで、支持部材810は、ネジ850Aにより固定部材に固定される部分(固定部)と上縁部813との間に接続部819を有しており、この接続部819の太さは、上縁部813の太さよりも細くなっている。弦保持部材820から伝達された弦振動はネジ850Aを支点としてセンサ取付部814に伝わるが、このように接続部819を弦保持部材820が載置される上縁部813よりも細くすることで、より効率的に弦振動を弦保持部材820からセンサ取付部814に伝達することが可能となる。
また、図53Aに示すように、支持部材810は、弦が延びる方向において非対称の形状を有している。このように支持部材810を非対称形状とすることにより、弦保持部材820から伝達された弦振動によって支持部材810に共振が生じることを抑制することができる。これは、上述した支持部材310,410,510にも当てはまることである。
図53Aに示す例では、支持部材810は、上部2箇所と下部1箇所で固定部材に固定されているが、図54Aに示すように、上部1箇所と下部1箇所で固定部材に固定してもよい。また、開口部818の数や形状は図示のものに限られるものではないが、開口部818の数や形状を調整することで、支持部材810の形状を葉っぱの葉脈や蝶の翅にある筋のように格子状とすることが好ましい。このような格子状の構造を採用することにより、振動を分散させて、複雑な成分を持つ弦振動を精度よく検出することができる。
図53A及び図54Aに示す例では、支持部材810の下部もネジ850Bにより固定部材に固定されているので、支持部材810の不要な振動が抑制されるが、このように支持部材810の下部を固定部材に固定する必要は必ずしもない。また、支持部材810の固定方法はネジ850A,850Bによるものに限られず、任意の方法で支持部材810を固定部材に固定してもよい。例えば、支持部材810の一部を固定部材に形成されたスロットに差し込むことにより支持部材810を固定部材に固定してもよい。
15.第6の実施形態
図55は、本発明の第6の実施形態におけるピックアップ装置601を示す前方斜視図、図56は、後方斜視図である。図55及び図56に示すように、本実施形態におけるピックアップ装置601は、弦が延びる方向と垂直に延びるブリッジ部材620と、ブリッジ部材620が固定された固定部材630と、ブリッジ部材620の裏面(センサ取付面)622に貼付された圧電素子センサ640とを含んでいる。なお、このような圧電素子センサ640として、例えば、ブリッジ部材620のセンサ取付面に沿って延びるフィルム状の圧電素子を含む圧電フィルムセンサや圧電体セラミックスを含む圧電素子センサを用いることができる。
本実施形態におけるブリッジ部材620は、上述した各実施形態の弦保持部材と支持部材とを一体化したものである。したがって、ブリッジ部材620の上面には、弦を受け入れる溝621が形成され、ブリッジ部材620の下部は、固定部材630に形成されたスロット634に差し込まれて固定部材630に固定されている。このブリッジ部材620は、例えば炭素繊維強化プラスチックから構成されている。本実施形態においては、圧電素子センサ640が貼付されるブリッジ部材620の裏面(センサ取付面)622が、弦が延びる方向と略垂直となっている。
このような構成において、弦が振動すると、溝621に保持された弦から弦振動がブリッジ部材620に伝達され、ブリッジ部材620が振動及び変形する。ブリッジ部材620の裏面622に貼付された圧電素子センサ640は、ブリッジ部材620の振動及び変形に伴って変形し、ブリッジ部材620の振動による変形から圧電効果により電気信号を生成する。圧電素子センサ640により生成された電気信号は、図示しないサウンドユニットに送られ、ここで電気的に加工及び増幅されて楽音として出力される。
なお、本実施形態におけるブリッジ部材620に、上述した実施形態において説明した支持部材の開口部と同様の開口部を形成してもよいことは言うまでもない。
16.第7の実施形態
図57は、本発明の第7の実施形態におけるピックアップ装置701を示す前方斜視図、図58は、後方斜視図である。図57及び図58に示すように、本実施形態におけるピックアップ装置701は、弦が延びる方向と垂直に延びるブリッジ部材720と、ブリッジ部材720が固定された固定部材730と、ブリッジ部材720の裏面(センサ取付面)722に貼付された3つの圧電素子センサ740とを含んでいる。なお、このような圧電素子センサ740として、例えば、ブリッジ部材720のセンサ取付面に沿って延びるフィルム状の圧電素子を含む圧電フィルムセンサや圧電体セラミックスを含む圧電素子センサを用いることができる。
本実施形態におけるブリッジ部材720は、上述した各実施形態の弦保持部材と支持部材とを一体化したものである。したがって、ブリッジ部材720の上面には、弦を受け入れる溝721が形成され、ブリッジ部材720の下部は、固定部材730に形成されたスロット734に差し込まれて固定部材730に固定されている。このブリッジ部材720は、例えば炭素繊維強化プラスチックから構成されている。本実施形態においては、圧電素子センサ740が貼付されるブリッジ部材720の裏面(センサ取付面)722が、弦が延びる方向と略垂直となっている。
図57に示すように、ブリッジ部材720には、溝721に保持された弦から伝達される弦振動を増幅するための開口部718が形成されている。本実施形態では、3つの開口部718が形成されており、これらの開口部718に対応して3つの圧電素子センサ740が設けられている。それぞれの圧電素子センサ740は、対応する開口部718よりも大きくなっており、圧電素子センサ740がブリッジ部材720の開口部718を塞ぐように延びている。したがって、圧電素子センサ740はブリッジ部材720の開口部718から露出するようになっている。
このような構成において、弦が振動すると、溝721に保持された弦から弦振動がブリッジ部材720に伝達され、ブリッジ部材720が振動及び変形する。ブリッジ部材720の裏面722に貼付された圧電素子センサ740は、ブリッジ部材720の振動及び変形に伴って変形し、ブリッジ部材720の振動による変形から圧電効果により電気信号を生成する。圧電素子センサ740により生成された電気信号は、図示しないサウンドユニットに送られ、ここで電気的に加工及び増幅されて楽音として出力される。
また、支持部材710に伝達された弦振動は開口部718により増幅され、これらの開口部718を塞いでいる圧電素子センサ740の変形も増幅される。したがって、より細かい弦の振動を圧電素子センサ740によって検出することができ、より細かい弦の振動を電気信号に変換して楽音として出力することが可能である。
上述した各実施形態においては、弦が延びる方向に沿った支持部材のセンサ取付面の長さは、弦が主として振動する方向に沿った弦保持部材の幅の30%以上であることが好ましい。このように支持部材のセンサ取付面の長さを長くすることで、圧電素子センサによる振動の検出がより容易になる。
また、上述した各実施形態において、圧電素子センサを支持部材に固定する方法は、上述したように圧電素子センサを支持部材のセンサ取付面に貼付する方法に限られるものではない。例えば、圧電素子センサを構成する材料を支持部材のセンサ取付面に吹き付けることによって圧電素子センサを形成してもよく、あるいは、圧電素子センサを構成する材料を支持部材のセンサ取付面に印刷することによって圧電素子センサを形成してもよい。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
本発明は、弦楽器の演奏に用いられる弦振動を検出するピックアップ装置に好適に利用できる。
10 支持部材
20 弦保持部材
30 固定部材
40 圧電素子センサ
41 ケーブル
50 楽器本体
60 弦
201 ピックアップ装置
210 支持部材
213 上縁部
214 センサ取付部
220 弦保持部材
230 固定部材
240 圧電素子センサ
301 ピックアップ装置
310 支持部材
313 上縁部
314 センサ取付部
318 開口部
320 弦保持部材
330 固定部材
340 圧電素子センサ
341 ケーブル
401 ピックアップ装置
410 支持部材
413 上縁部
414 センサ取付部
418 開口部
430 固定部材
440 圧電素子センサ
501 ピックアップ装置
510 支持部材
513 上縁部
514 センサ取付部
518 開口部
530 固定部材
540 圧電素子センサ
601 ピックアップ装置
620 ブリッジ部材
630 固定部材
640 圧電素子センサ
701 ピックアップ装置
718 開口部
720 ブリッジ部材
730 固定部材
740 圧電素子センサ
810 支持部材
813 上縁部
814 センサ取付部
818 開口部
819 接続部
820 弦保持部材

Claims (13)

  1. 楽器本体に張設される少なくとも1本の弦を保持する弦保持部材と、
    前記弦保持部材を支持するとともに、センサ取付面を有する支持部材と、
    前記支持部材の前記センサ取付面に固定される圧電素子センサであって、前記支持部材の前記センサ取付面に沿って延びる圧電素子センサと
    を備える、ピックアップ装置。
  2. 前記支持部材の前記センサ取付面は、前記少なくとも1本の弦が延びる方向に平行である、請求項1に記載のピックアップ装置。
  3. 前記支持部材の前記センサ取付面の前記少なくとも1本の弦が延びる方向に沿った長さは、前記少なくとも1本の弦が主として振動する方向に沿った前記弦保持部材の幅の30%以上である、請求項2に記載のピックアップ装置。
  4. 前記支持部材の前記センサ取付面には、少なくとも1つの開口部が形成され、
    前記圧電素子センサは、前記支持部材の前記センサ取付面に形成された前記少なくとも1つの開口部を塞ぐように延びる、
    請求項1に記載のピックアップ装置。
  5. 前記支持部材は、炭素繊維強化プラスチック、樹脂を含浸させた木材、金属、非鉄金属、繊維強化プラスチック、及び樹脂からなる群より選択された少なくとも1つの材料から形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のピックアップ装置。
  6. 前記支持部材は、前記少なくとも1本の弦が延びる方向において非対称の形状を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のピックアップ装置。
  7. 前記支持部材を前記楽器本体に固定するための固定部材をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のピックアップ装置。
  8. 前記支持部材は、
    前記弦保持部材が取り付けられる上縁部と、
    前記上縁部から下方に延びるセンサ取付部と、
    前記固定部材に固定される固定部と、
    前記上縁部と前記固定部とを接続し、前記上縁部より細く形成された接続部と
    を含む、請求項7に記載のピックアップ装置。
  9. 前記圧電素子センサは、前記支持部材の前記センサ取付面に貼付される、請求項1から8のいずれか一項に記載のピックアップ装置。
  10. 前記圧電素子センサは、前記支持部材の前記センサ取付面への吹付により形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のピックアップ装置。
  11. 前記圧電素子センサは、前記支持部材の前記センサ取付面への印刷により形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のピックアップ装置。
  12. 前記圧電素子センサは、フィルム状の圧電素子を含む圧電フィルムセンサにより構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のピックアップ装置。
  13. 楽器本体と、
    前記楽器本体に張設される少なくとも1本の弦と、
    前記楽器本体と前記少なくとも1本の弦との間に配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載のピックアップ装置と
    を備える、弦楽器。
JP2018546313A 2016-10-17 2017-10-16 ピックアップ装置及び弦楽器 Pending JPWO2018074401A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016203810 2016-10-17
JP2016203810 2016-10-17
PCT/JP2017/037320 WO2018074401A1 (ja) 2016-10-17 2017-10-16 ピックアップ装置及び弦楽器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2018074401A1 true JPWO2018074401A1 (ja) 2019-09-05

Family

ID=62018676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018546313A Pending JPWO2018074401A1 (ja) 2016-10-17 2017-10-16 ピックアップ装置及び弦楽器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2018074401A1 (ja)
WO (1) WO2018074401A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2222057A (en) * 1938-04-02 1940-11-19 Benioff Hugo Stringed musical instrument
JP3864847B2 (ja) * 2002-05-22 2007-01-10 ヤマハ株式会社 振動検出装置、駒および弦楽器
JP3912193B2 (ja) * 2002-06-07 2007-05-09 ヤマハ株式会社 弦楽器用駒および電気楽器
JP3885673B2 (ja) * 2002-06-26 2007-02-21 ヤマハ株式会社 弦楽器用サイレンサー
JP4363270B2 (ja) * 2004-07-13 2009-11-11 ヤマハ株式会社 ピックアップ付き駒および弦楽器
GB2536945B (en) * 2015-04-01 2017-10-04 Hristov Valentin Pickup for a string instrument

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018074401A1 (ja) 2018-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10304435B2 (en) Musical instrument and acoustic transducer device
EP1600940B1 (en) Pickup device for plucked string instrument and plucked string instrument
KR101245381B1 (ko) 어쿠스틱 전자 겸용 바이올린족 현악기
CA2544984A1 (en) Transducer and stringed musical instrument mounting the same
JP5109666B2 (ja) 弦楽器のテールピース保持構造
JP4702188B2 (ja) 電気弦楽器
CN107836021B (zh) 乐器用拾音装置
JP5831714B2 (ja) 電気弦楽器
US20120260787A1 (en) Stringed Musical Instruments and Related Methods
WO2018074401A1 (ja) ピックアップ装置及び弦楽器
JP2005084257A (ja) 弦楽器
JP6981021B2 (ja) エレクトリックギターのボディおよびエレクトリックギター
JP2007333757A (ja) 楽器
JP2006308870A (ja) 弦楽器及びこれに用いられる変換装置の取付構造
KR20140030234A (ko) 기타에 대한 개선
JP2023061702A (ja) 弦楽器励振装置および弦楽器励振システム
JP3864847B2 (ja) 振動検出装置、駒および弦楽器
JP4222237B2 (ja) 擦弦楽器
JP6960647B1 (ja) 振動増幅器
JPH11102182A (ja) 弦楽器
JP2006251244A (ja) 撥弦楽器および撥弦楽器用ピックアップ
JP3232965U (ja) 振動増幅器
JP4239860B2 (ja) 擦弦楽器用駒および擦弦楽器
JP3912193B2 (ja) 弦楽器用駒および電気楽器
GB2536945A (en) Pickup for a string instrument

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190702

AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20190702