JPWO2018061842A1 - 異常検知プログラム、異常検知方法および異常検知装置 - Google Patents

異常検知プログラム、異常検知方法および異常検知装置 Download PDF

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Abstract

異常検知装置は、監視対象装置において繰り返し実行される処理中の所定タイミングにおいて監視対象装置の運転状態の指標となる観測値を取得する。異常検知装置は、当該観測値をまとめた要約値に対して統計モデリングを適用することにより、要約値からノイズを除去した状態を推測し、当該推測に基づき一期先の要約値を予測した予測値を生成する。異常検知装置は、予測値に基づき、監視対象装置の異常有無を検知する。

Description

この発明は、異常検知プログラム、異常検知方法および異常検知装置に関する。
半導体を製造する工程においては、レシピすなわち処理の流れおよび内容が予め設定される。そして、半導体製造装置は、レシピ通りに制御されて処理を実行している場合に、所望の品質の半導体を製造する。半導体製造装置が、所望の制御状態にあることを、安定稼働状態にある、と呼ぶ。
従来、半導体製造装置が安定稼働状態にあるか否かを監視し、半導体製造装置の異常を検知するためにシューハート管理図等の管理図が利用されている。管理図を用いた異常検知では、予め半導体製造装置に設けられたセンサから、各レシピの実行中のデータを取得し、取得したデータから平均値やばらつき等の要約値を算出する。そして、算出した要約値を時系列にプロットして、上限閾値と下限閾値(またはいずれか一方)を設定し、要約値が当該閾値を逸脱すると、異常と判定する。閾値としては、固定値や3σ等が使用される。
このような異常検知の手法として、たとえば、半導体製造装置の運転駆動に関わる情報や処理室の内部状態に関わる情報等の装置ログ情報に基づいて、半導体製造装置の異常の予兆を検知する方法が知られている(特許文献1)。また、機械設備のメンテナンス中も診断を継続するよう構成された異常予兆診断装置も提案されている(特許文献2)。異常予兆診断装置は、機械設備が有する複数の装置のうちメンテナンス期間中も継続稼働する装置に関する時系列データに基づいて正常モデルを学習し、メンテナンス期間中も継続して診断を行う。また、プロセス系の異常診断を行う異常診断装置や、当該プロセス系におけるオペレータの判断を推測する装置等も提案されている(特許文献3)。
特開2010−283000号公報 特開2015−108886号公報 特開2012−9064号公報
今沢慶ほか「半導体製造装置の異常予兆検知方式」、精密工学会学術講演会講演論文集、2010S(0), 223-224, 2010、公益社団法人精密工学会
しかしながら、従来技術においては、半導体製造装置の高精度かつ効率的な異常検知を達成することが困難である。
半導体製造装置の制御状態を確認するために設けられるセンサは数も多く、種類も多様である。そして、複数のセンサは、動的に制御され相互に作用干渉しあう。また、複数のセンサは経時的な変化の影響も受ける。このため、半導体製造の各工程において、センサ出力が毎回完全に再現されることはない。
たとえば、従来の管理図に基づく異常検知の場合、短時間に完了する工程などサンプル数が極端に少ない工程や、センサの出力値にノイズや観測誤差が大きく影響する工程、動的で変化が大きい工程等は、要約値の再現性が低い。このため、半導体製造装置については、従来の管理図を用いた手法では、正確な異常検知が困難であった。
また、異常を検出するための閾値の設定は、半導体製造装置を扱うオペレータが過去のデータに基づいて行う。このため、異常検知の正確性はオペレータの経験値に依存する。
さらに、半導体製造装置のメンテナンス等が行われた場合、その前後でセンサからの出力値が大きく変動する場合がある。また、時間の経過に伴い、半導体製造装置の状態は変化する。また、半導体製造装置ごとに機差やセンサの個体差が存在する。このため、高精度な異常検知を実現するためには、半導体製造装置の時々の状態に応じて頻繁に閾値を調整する必要があり、手間がかかる。
また、複数の半導体製造装置について、たとえばクラウドコンピューティング等を利用して大規模な異常検知サービスを提供しようとした場合、従来のように手作業で個々の装置のために閾値等を調整することは多大な労力を要し、現実的でない。
開示する実施形態において、異常検知装置、異常検知方法および異常検知プログラムは、監視対象装置において繰り返し実行される処理中の所定タイミングにおいて取得した、当該監視対象装置の運転状態の指標となる観測値をまとめた要約値に対して統計モデリングを適用する。そして、異常検知装置、異常検知方法および異常検知プログラムは、要約値からノイズを除去した状態を推測し、当該推測に基づき一期先の要約値を予測した予測値を生成する。さらに、異常検知装置、異常検知方法および異常検知プログラムは、予測値に基づき、監視対象装置の異常有無を検知する。
開示する実施態様によれば、高精度かつ効率的な異常検知を実現することができるという効果を奏する。
図1は、第1の実施形態に係る異常検知方法を実行する異常検知装置の構成の一例を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る異常スコア算出処理について説明するための図である。 図3は、第1の実施形態に係る異常検知装置に記憶される半導体製造装置情報の構成の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る異常検知装置に記憶される異常検知情報の構成の一例を示す図である。 図5は、第1の実施形態に係る異常検知処理により出力される情報の一例を示す図である。 図6は、第1の実施形態に係る異常検知処理により生成される予測値、異常スコアおよび変化スコアの一例を説明するための図である。 図7は、第1の実施形態に係る異常検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図8は、第1の実施形態の変形例1に係る異常検知装置における処理について説明するためのフローチャートである。 図9は、第1の実施形態の変形例2に係る異常検知装置における処理について説明するためのフローチャートである。 図10は、第1の実施形態に係る異常検知プログラムによる情報処理がコンピュータを用いて具体的に実現されることを示す図である。 図11は、従来の管理図の一例を示す図である。
開示する一つの実施形態において、異常検知プログラムは、予測値生成手順と、検知手順とをコンピュータに実行させる。予測値生成手順において、コンピュータは、監視対象装置において繰り返し実行される処理中の所定タイミングにおいて取得した、当該監視対象装置の運転状態の指標となる観測値をまとめた要約値に対して統計モデリングを適用することにより、要約値からノイズを除去した状態を推測し、当該推測に基づき一期先の要約値を予測した予測値を生成する。また、検知手順において、コンピュータは、予測値に基づき、監視対象装置の異常有無を検知する。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知プログラムは、予測値生成手順において、コンピュータに、新しい要約値が取得されるごとに逐次、統計モデリングとして予測モデルを実行させて予測値を更新させる。また、異常検知プログラムは、検知手順において、コンピュータに、更新された予測値の任意の信頼区間を上下閾値として設定して、監視対象装置の異常を検知させる。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知プログラムは、予測値生成手順において、コンピュータに、統計モデリングとして、フィルタリングを用いた予測モデルを適用して予測値を生成させる。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知プログラムは、予測値生成手順において、コンピュータに、カルマンフィルタリングで得たフィルタリング値またはスムージング値を、予測値として生成させる。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知プログラムは、予測値生成手順において、コンピュータに、統計モデリングとして、マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた予測モデルを適用して予測値を生成させる。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知プログラムは、予測値生成手順において、コンピュータに、マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた予測モデルで事後分布を推定させ、当該事後分布の平均値、最頻値および中央値のいずれか1つを予測値として生成させる。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知プログラムは、検知手順において、コンピュータに、予測値と要約値との残差、当該残差の二乗、および、予測値と要約値との標準化残差のうち少なくともいずれか1つが閾値よりも大きい場合に異常を検知させる。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知プログラムは、予測値生成手順において、コンピュータに、統計モデリングとして予測モデルと変化点検出モデルとを適用させる。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知プログラムは、検知手順において、コンピュータに、要約値のベイジアン変化点のスコアが閾値を超えた場合に異常を検知させる。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知方法は、監視対象装置において繰り返し実行される処理中の所定タイミングにおいて取得した、当該監視対象装置の運転状態の指標となる観測値をまとめた要約値に対して統計モデリングを適用することにより、要約値からノイズを除去した状態を推測し、当該推測に基づき一期先の要約値を予測した予測値を生成する予測値生成工程と、予測値に基づき、監視対象装置の異常有無を検知する検知工程と、を、コンピュータが実行する。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知方法は、予測値と要約値との残差、当該残差の二乗、および、予測値と要約値との標準化残差のうち少なくともいずれか1つと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する表を出力する出力工程を、コンピュータがさらに実行する。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知方法は、要約値のベイジアン変化点のスコアと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する表を出力する出力工程を、コンピュータがさらに実行する。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知方法は、予測値と、要約値との残差、当該残差の二乗、および、予測値と要約値との標準化残差のうち少なくともいずれか1つと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する第1の表と、要約値のベイジアン変化点のスコアと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する第2の表とを、時間軸をそろえて整列させた画像として出力する出力工程を、コンピュータがさらに実行する。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知装置は、予測値生成部と、検知部と、を備える。予測値生成部は、監視対象装置において繰り返し実行される処理中の所定タイミングにおいて取得した、当該監視対象装置の運転状態の指標となる観測値をまとめた要約値に対して統計モデリングを適用することにより、要約値からノイズを除去した状態を推測し、当該推測に基づき一期先の要約値を予測した予測値を生成する。検知部は、予測値に基づき、監視対象装置の異常有無を検知する。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知装置は、予測値と要約値との残差、当該残差の二乗、および、予測値と要約値との標準化残差のうち少なくともいずれか1つと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する表を作成する作成部と、作成部が作成した表を出力する出力部と、をさらに備える。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知装置は、要約値のベイジアン変化点のスコアと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する表を作成する作成部と、作成部が作成した表を出力する出力部と、をさらに備える。
また、開示する一つの実施形態において、異常検知装置は、予測値と、要約値との残差、当該残差の二乗、および、予測値と要約値との標準化残差のうち少なくともいずれか1つと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する第1の表と、要約値のベイジアン変化点のスコアと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する第2の表と、を作成する作成部と、第1の表と第2の表とを、時間軸をそろえて整列させた画像として出力する出力部と、をさらに備える。
以下に、開示する実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により開示する発明が限定されるものではない。各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
実施形態について説明する前に、前提として、従来の異常検知において用いられている管理図について説明する。
[従来の管理図の一例]
図11は、従来の管理図の一例を示す図である。ここでは製品Aをロットごとに1000個製造する製造装置のXbar−R管理図を作成する場合を考える。まず、1ロットから5サンプルを抽出して、5サンプルの所定パラメータの平均値を算出する。また、5サンプルの所定パラメータのばらつき(範囲)を算出する。20ロット分の管理図を作成する場合であれば、20ロット各々について5サンプルを抽出して同様に平均値とばらつきとを算出する。そして、20ロット分の平均値の平均値を算出する。また、20ロット分のばらつきの平均値を算出する。平均値の平均値が図11の(A)の中心線CLであり、ばらつきの平均値が図11の(B)の中心線CLである。
次に、予め決められた係数と、上で算出した二つの平均値に基づき、上限管理限界UCLと下限管理限界LCLとを算出する。そして、算出した上限管理限界UCLと下限管理限界LCLと、各ロットについて算出された平均値と、を表にプロットしていくと、図11に示す管理図が得られる。管理図上で、上限管理限界UCLと下限管理限界LCLとの間からはみ出る値をとるロットが異常と判定される。このように、固定値を閾値として用いる管理図は、性能の判定基準(限界値)が明確である場合には効果的である。他方、性能の判定基準(限界値)を固定値として明確に設定することが困難な場合には、管理図のみを用いた異常判定では不十分である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る異常検知装置は、観測値の平均値等の要約値に対して統計モデリングを適用することにより、観測値の要約値からシステムのノイズと観測のノイズを取り除いた状態を推定する。そして、異常検知装置は、推定される状態に基づいて、次に観測値が取得される時点(一期先)の要約値として予測される値、すなわち予測値を生成する。異常検知装置は、次の観測値から要約値が生成されると、当該要約値に基づいてさらに一期先の予測値を生成する。このように、実施形態に係る異常検知装置は、統計モデリングの手法を適用して、新しい要約値が生成されるごとに、監視対象装置の真の状態を推定し、次の時点で要約値がとると推定される予測値と、を生成する。そして、異常検知装置は、異常検知に用いる閾値を、各時点で生成される予測値に基づいて設定する。このため、異常検知装置は、固定値を閾値とすると異常検知が困難なパラメータを用いる場合であっても、高精度に異常を検知することができる。また、異常検知装置は、次々と生成される新しい要約値から予測値を生成しなおして自動的に異常検知の閾値を更新するため、機差等も加味して自動的な異常検知を実現することができる。
[用語の説明]
実施形態について説明する前に、以下の説明において用いる用語について説明する。
「観測値」とは、半導体製造装置等の監視対象装置において実際に観測される値を意味する。「観測値」とは、たとえば、半導体製造装置に配置されたセンサが検知する、気圧、真空度、温度などの実測値である。「観測値」には、たとえばセンサの状態や半導体製造装置の状態等に応じて、ばらつき(すなわちシステムのノイズや観測のノイズ)が含まれる。
「要約値」とは、観測値が有する任意の特徴を抽出することで取得される値である。「要約値」とは、たとえば、所定期間にわたる観測値の平均値やばらつき(標準偏差等)、ばらつきの平均値、中央値、加重平均等である。
「予測値」とは、「観測値」または「要約値」にもとづいて、一期先の「要約値」がとるべき値を予測したものである。すなわち、「予測値」とは、一期先について予測される要約値を示す値である。
以下に説明する実施形態にかかる異常検知装置は、統計モデリングの手法を適用することによって、観測値から真の状態を推定し、予測値を生成する。そして、異常検知装置は、算出した予測値に基づき、監視対象装置の異常有無を検知する。
[異常検知装置1の構成の一例]
図1は、第1の実施形態に係る異常検知方法を実行する異常検知装置1の構成の一例を示す図である。異常検知装置1は、ネットワーク2を介してリモートサーバ3と接続される。リモートサーバ3は、異常検知の対象である監視対象装置すなわち半導体製造装置4と接続される。半導体製造装置4には任意の数のセンサが設置され、半導体製造装置4における製造工程が実行されるごとに、所定のパラメータを測定する。測定されたパラメータは、リモートサーバ3に送信される。リモートサーバ3は、半導体製造装置4のセンサから受信したパラメータを順次異常検知装置1に送信する。
異常検知装置1はたとえば、半導体製造装置4の保守管理を行う事業者が運用する。また、リモートサーバ3は、半導体製造装置4を使用するユーザが管理する。たとえば、リモートサーバ3および半導体製造装置4は、ユーザの事業所等に設置される。また、異常検知装置1は、クラウドコンピューティングを利用して仮想的に実現されてもよい。
異常検知装置1とリモートサーバ3とは、ネットワーク2を介して通信可能に接続される。接続するネットワーク2の種類は特に限定されず、インターネット、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク等任意のネットワークであってよい。また、無線ネットワークおよび有線ネットワークのいずれでもよく、それらの組み合わせであってもよい。異常検知装置1は、半導体製造装置4において観測される観測値を常時収集するリモートサーバ3とネットワーク2を介して接続されることにより、半導体製造装置3をオンラインで常時監視するオンライン監視を実現する。このため、異常検知装置1は、半導体製造装置3の異常をリアルタイムで検知してユーザに通知することができる。
異常検知装置1は、通信部10と、制御部20と、記憶部30と、出力部40と、を備える。
通信部10は、異常検知装置1とリモートサーバ3との間の通信を実現する機能部である。通信部10はたとえば、ポートやスイッチを含む。通信部10は、リモートサーバ3から送信される情報を受信する。また、通信部10は、異常検知装置1において生成される情報を制御部20の制御下で、リモートサーバ3に送信する。
制御部20は、異常検知装置1の動作および機能を制御する。制御部20は、任意の集積回路や電子回路で構成することができる。たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などを用いて制御部20を構成することができる。
記憶部30は、異常検知装置1の各部の処理に使用する情報および各部の処理により生成される情報を記憶する。記憶部30には、任意の半導体メモリ素子等を用いることができる。たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を記憶部30として使用できる。また、ハードディスク、光ディスクなども記憶部30として使用できる。
出力部40は、異常検知装置1において生成される情報および異常検知装置1に記憶される情報を出力する。出力部40はたとえば、音声や画像によって情報を出力する。出力部40はたとえば、異常検知装置1において生成される情報および異常検知装置1に記憶される情報を表示する表示装置である。出力部40はたとえば、スピーカ、プリンタ、モニタ等を含む。
制御部20は、観測値取得部201、要約値生成部202、選択部203、第1の予測値生成部204、第2の予測値生成部205、異常スコア算出部206、変化スコア算出部207、検知部208、警告部209、および、異常レポート作成部210を有する。
[観測値取得処理の一例]
観測値取得部201は、半導体製造装置4に配置されるセンサが取得した観測値を、リモートサーバ3および通信部10を介して受信する。
本実施形態では、半導体製造装置4において実行されるステップの所定のタイミングにおいてセンサが当該ステップの稼働状態を示す数値すなわち観測値を取得する。たとえば、処理室内を所定気圧に保持して実行されるステップであれば、処理開始から予め定められた時間が経過したときの処理室内の気圧の観測値を、センサが取得する。
観測値は、半導体製造装置4において処理が1ラン終了するごとに、リモートサーバ3から異常検知装置1に送信される。1ランとは、たとえば、バッチ処理であれば1バッチ分の処理、枚葉処理であれば1枚のウェハの処理に相当する。1ランの間に同じ処理が所定回数繰り返される場合、当該処理の所定タイミングに取得した観測値が所定回数分、半導体製造装置4から観測値取得部201に送信される。観測値とはたとえば、各センサのトレースログである。観測値取得部201が取得した観測値は、記憶部30に記憶される。
[要約値生成処理の一例]
要約値生成部202は、観測値取得部201が取得した観測値をもとに、要約値を生成する。
要約値とは、観測値取得部201が取得した観測値に基づいて算出される、各時点における半導体製造装置4の運転状態を示す統計的な値である。要約値とはたとえば、従来の管理図において利用される、観測値の平均値や、観測値のばらつきの平均値、標準偏差、中央値、加重平均などである。
要約値生成部202は、観測値を、監視目的に合わせて層別に分類する。要約値生成部202はたとえば、観測値を、センサ部位ごと、レシピごと、ステップごとに分類する。そして、要約値生成部202は、分類後の観測値に対して前処理を実行する。前処理とはたとえば、欠損値や不要なデータを切り捨て、トレンドを除去して正規分布化する処理である。要約値生成部202は、分類および前処理後の観測値にもとづき、要約値を生成する。なお、要約値としてどのような値を生成するかは、レシピやステップの性質に応じて予め設定する。
[選択処理の一例]
選択部203は、それまでに取得されたデータの性質に応じて、要約値を、第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205のいずれか一方に入力する。たとえば、選択部203は、それまでに取得されたデータが正規分布するか非正規分布するか、に応じて要約値を第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205のいずれか一方に入力する。たとえば、選択部203は、正規分布するデータについては、要約値を第1の予測値生成部204に入力する。また、選択部203は、非正規分布するデータについては、要約値を第2の予測値生成部205に入力する。
たとえば、以下の説明では、第1の予測値生成部204は、フィルタリングを用いた予測手法を用いて、要約値から予測値を生成する。フィルタリングを用いた予測手法は、新しく入力されるデータに基づいて、予測値を生成する。このため、フィルタリングを用いた予測手法は、高速な処理を実現することができ、正規分布する観測データに適している。
他方、第2の予測値生成部205は、マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)を用いた予測手法を用いて、要約値から予測値を生成する。MCMCを用いた予測手法は、新しくデータが入力されると、新しいデータを含めて過去のデータ全体(または過去所定期間分のデータ全体)に基づき、予測値を生成し直す。このため、MCMCを用いた予測手法は、フィルタリングを用いた予測手法と比較して処理は遅くなるが、より高精度の推定を実現することができ、非正規分布する観測データにも適応する。
このため、本実施形態では、予め異常検知装置1に入力される観測値の種類に応じて、どの要約値を第1の予測値生成部204に入力し、どの要約値を第2の予測値生成部206に入力するかを設定する。設定は記憶部30に記憶する。
[第1の予測値生成処理の一例−状態空間モデル(1)]
次に、第1の予測値生成部204は、要約値生成部202が生成した要約値に対して第1の統計モデリングを適用し、予測値を生成する。
要約値生成部202が生成する要約値は、前処理を実行した後でも依然としてノイズや観測誤差が含まれた状態である。このため、本実施形態では、第1の予測値生成部204は、統計モデリングを適用して、要約値からノイズや観測誤差を取り除いた真の要約値すなわち予測値を推定する。
たとえば、第1の予測値生成部204は、状態空間モデルを用いた時系列分析の手法を適用することで、要約値から状態を推定する。たとえば、ここでは、第1の予測値生成部204は、カルマンフィルタ等のフィルタリングを用いた予測手法を適用し、状態を推定する。たとえば、第1の予測値生成部204は、ローカル・レベル・モデル(動的線形モデル)を用いてカルマンフィルタリングを実行するものとする。第1の予測値生成部204は、要約値をカルマンフィルタに通して、動的線形モデルのパラメータの最適な尤度を求める。そして、第1の予測値生成部204は、求めた尤度を動的線形モデルに入れなおし、フィルタリング結果から状態を推定する。
たとえば、第1の予測値生成部204は、時点tの観測値から生成される要約値をカルマンフィルタに通し、次に取得される時点t+1の観測値から生成される要約値の真の状態を推定する。そして、第1の予測値生成部204は、推定した状態に基づき、時点t+1において要約値がとると予測される値である予測値を生成する。予測値は、たとえば、フィルタリング値、スムージング値等である。
たとえば、第1の予測値生成部204は、半導体製造装置4から最新のランのデータ(要約値)を取得するごとに、前のランの要約値入力時に算出した予測値の誤差をカルマンゲインで補正して予測値を更新し、最新の予測値を生成する。第1の予測値生成部204は、状態の推定においても部分的に重回帰推定を実行してもよい。
このようにして、第1の予測値生成部204は予測値を生成する。このように要約値から予測値を生成することによって、要約値(観測値)のノイズや観測誤差を除去して、要約値の増減のトレンドを抽出することができる。
[第2の予測値生成処理の一例−マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)]
第2の予測値生成部205は、要約値生成部202が生成した要約値に対して第2の統計モデリングを適用し、予測値を生成する。第2の予測値生成部205が用いる第2の統計モデリングは、第1の予測値生成部204が用いる第1の統計モデリングとは異なる手法とする。
たとえば上述のように、第2の予測値生成部205は、要約値に対してマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)を利用した予測手法を適用することで、予測値を生成する。
第2の予測値生成部205は、ベイズの定理を用いて、前の要約値取得時点において生成された事後確率を事前確率として用いて、ベイズ推定により事後確率を算出することで予測値を求める。ベイズ推定によって得られる事後確率は分布として表現されるため、第2の予測値生成部205は、事後確率分布の平均値(事後平均値)または最頻値または中央値を算出し、予測値とする。
第2の予測値生成部205は、最新の要約値が入力されるごとに、最新の要約値を用いて予測値を更新する。第2の予測値生成部205は、新しい要約値が入力されるたびに、それまでに入力された全データに対してMCMCを適用して、予測値を更新する。このように、第2の予測値生成部205は、要約値の入力毎に、それまでに入力されたデータすべてに基づいて異常検知のベースとなる値を調整する。このため、MCMCを用いて生成される予測値を用いて異常検知を実行する場合、フィルタリングを用いて生成される予測値を用いた異常検知よりもさらに精度高い異常検知を実現できる。
[予測値に基づく異常スコア算出処理の一例]
異常スコア算出部206は、第1の予測値生成部204または第2の予測値生成部205が生成した予測値を用いて、半導体製造装置4の異常有無の指標となる異常スコアを算出する。異常スコアは、予測値に基づき、半導体製造装置4の各時点における異常発生の可能性の大きさをスコア化したものである。
たとえば、異常スコア算出部206は、予測値と要約値との残差の大きさを算出し、異常スコアとする。また、異常スコア算出部206は、予測値と要約値との残差の絶対値を算出し、異常スコアとしてもよい。またたとえば、異常スコア算出部206は、予測値と要約値との残差の二乗を異常スコアとしてもよい。またたとえば、異常スコア算出部206は、予測値と要約値との残差を標準偏差で割り標準化した値(標準化残差)を異常スコアとしてもよい。
異常スコア算出部206は、予測値の任意の信頼区間(たとえば95%)を閾値として設定する。また、異常スコア算出部206は、算出した異常スコアをトリミングし外れ値を除いた分布の任意の確率を異常判定ラインすなわち閾値として設定してもよい。また、異常スコア算出部206は、サポートベクトルマシン等を用いた機械学習により、教師なし状態で異常と正常とを判断し、閾値を設定してもよい。そして、検知部208(後述)が、要約値が設定された閾値内にあるか否かに応じて異常有無を検知する。
なお、ここでは、異常検知装置1は、要約値を第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205のいずれか一方に入力するものとして説明する。すなわち、異常スコア算出部206は、第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205のいずれか一方が生成した予測値に基づき異常スコアを算出するものとして説明する。
図2は、第1の実施形態に係る異常スコア算出処理について説明するための図である。図2の(A)は、ラン毎に取得されたセンサデータ(要約値)を縦軸に、横軸にランを示す。(A)中、要約値を実線で示し、予測値を点線で示す。
図2の(B)は、(A)に示す要約値と予測値との残差の大きさを異常スコアとしてプロットしたものである。(B)中、異常スコアが点線で示す上下閾値から外れると、異常と検知される。(B)中、矢印X,Yで示す部分で、異常スコアが上下閾値から外れている。矢印Xで示す部分は、異常スコアが上限閾値を超え、異常と検知される部分である。また、矢印Yで示す部分はメンテナンスにより観測値が変動した部分であり、やはり異常と検知される。
[変化スコア算出処理の一例]
変化スコア算出部207は、半導体製造装置4の状態の変化の指標となる変化スコアを算出する。変化スコア算出部207は、要約値に対して、統計モデリングすなわち変化点検出モデルを適用することで、要約値の変化の大きさをスコア化した変化スコアを算出する。変化スコア算出部207は、第1の予測値生成部204または第2の予測値生成部205が生成する予測値に基づき、変化スコアを算出する。
たとえば、変化スコア算出部207は、第2の予測値生成部205が算出した事後確率の大きさを変化スコアとしてもよい。この場合、変化スコア算出部207は、変化スコアに対する評価基準値として経験的に設定される閾値を採用する。
また、たとえば、変化スコア算出部207は、第2の予測値生成部205が算出した事後確率をサポートベクターマシン(SVM)に入力し、正常時の群とその他の群とを分ける境界を閾値として抽出してもよい。
また、たとえば、変化スコア算出部207は、事後確率のマハラノビス距離を変化スコアとしてもよい。
また、たとえば、変化スコア算出部207は、ベイズを使った積分割のモデルによるベイジアン変化点のスコアを変化スコアとしてもよい(Barry D, Hartigan J.A., “A Bayesian Analysis for Change Point Problems.” Journal of the American Statistical Association, 35(3), 309-319 (1993) を参照)。この場合は、変化スコア算出部207は、過去のデータの分布の外れ値をトリミングして、任意の確率(たとえば5%)を閾値とする。ただし、この他、経験的に設定される固定値を閾値としてもよいし、上述のようにSVMによる機械学習に基づき閾値を設定してもよい。
変化スコアは、要約値の波形が大きく変化する部分を変化点として検知できればよく、算出手法は特に限定されない。
[異常検知処理および異常レポート作成処理の一例]
検知部208は、異常スコア算出部206が算出した異常スコアおよび変化スコア算出部207が算出した変化スコアに基づいて、異常を検知する。
たとえば、検知部208は、異常スコア算出部206が算出した異常スコアが閾値を超えたか否かを判定する。また、検知部208は、変化スコア算出部207が算出した変化スコアが閾値を超えたか否かを判定する。
そして、検知部208は、異常スコアおよび変化スコアのいずれか一方が閾値を超えたと判定した場合に、警告部209に通知する。また、検知部208は、異常スコアおよび変化スコアの双方が閾値を超えたと判定した場合に、警告部209に通知する。
また、検知部208は、異常スコアが閾値を超え、変化スコアが閾値を超えていないと判定した場合、および、異常スコアが閾値を超えておらず、変化スコアが閾値を超えたと判定した場合に第1レベルの異常を警告部209に通知するように構成してもよい。そして、検知部208は、異常スコアおよび変化スコアが閾値を超えたと判定した場合に、第2レベルの異常を警告部209に通知するように構成してもよい。ここで、第1レベルの異常は、第2レベルの異常よりも軽度の異常を示すものとする。
また、検知部208は、異常スコアを第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205の双方が生成した予測値について算出する場合は、二つの異常スコアの一方が閾値を超えた場合と二つの異常スコアの双方が閾値を超えた場合を識別できるようにしてもよい。たとえば、検知部208は、2つの異常スコアのいずれか一方または変化スコアが閾値を超えた場合に第1レベルの異常を警告部209に通知する。また、検知部208は、2つの異常スコアと変化スコアのうちいずれか2つが閾値を超えた場合に第2レベルの異常を警告部209に通知する。さらに、検知部208は、2つの異常スコアと変化スコアの全てが閾値を超えた場合に第3レベルの異常を警告部209に通知する。ここで、第1レベルから第3レベルの異常まで、段階的に異常の度合いが高くなるものとする。
警告部209は、検知部208からの通知に応じて、通信部10を介して、リモートサーバ3に警告を送信する。警告部209はたとえば、検知部208が第1レベルの異常を通知した場合、第2レベルの異常を通知した場合、第3レベルの異常を通知した場合のそれぞれを識別可能な警告を送信する。
異常レポート作成部210は、記憶部30に記憶される情報に基づき、異常検知装置1における異常検知処理の結果を集積した異常レポートを作成する。異常レポート作成部210が作成した異常レポートは、通信部10を介してリモートサーバ3に送信される。また、異常レポート作成部210が作成した異常レポートは、出力部40から出力される。
異常レポート作成部210は、予め設定された期間ごとに異常レポートを作成するものとしてもよい。また、異常レポート作成部210は、検知部208が第1〜第3レベルの異常のいずれかを検知した場合に、異常レポートを出力するように構成してもよい。また、異常レポート作成部210は、ユーザからの指示入力に応じて異常レポートを作成するように構成してもよい。なお、異常レポートの内容の具体的な例については後述する。
[記憶部30に記憶される情報の一例]
記憶部30は、制御部20において生成される情報およびリモートサーバ3から受信される情報を適宜記憶する。記憶部30は、半導体製造装置情報記憶部31と、異常検知情報記憶部32と、異常レポート記憶部33と、を有する。
半導体製造装置情報記憶部31は、半導体製造装置4に関する情報である半導体製造装置情報を記憶する。図3は、第1の実施形態に係る異常検知装置1に記憶される半導体製造装置情報の構成の一例を示す図である。
異常検知装置1は、予め監視対象装置に関する情報である半導体製造装置情報を記憶する。たとえば、リモートサーバ3側から異常検知装置1に対して、半導体製造装置4の情報を登録するように構成してもよいし、異常検知装置1のオペレータが監視対象装置の情報を入力するように構成してもよい。
図3に示すように、半導体製造装置情報はたとえば、「装置ID」、「ユーザID」、「監視ステップ」、「監視レシピ」、「センサID」、「運転情報」等の情報を含む。「装置ID」は、監視対象装置を各々一意に識別するための識別子(Identifier)である。「ユーザID」は、監視対象装置を使用するユーザ、事業者を一意に識別するための識別子である。「監視ステップ」は、監視対象装置において監視対象とするステップを識別するための情報である。「監視レシピ」は、監視ステップにおいて使用するレシピを識別するための情報である。「監視ステップ」および「監視レシピ」は、異常検知処理において適用する統計モデリングの手法等と対応付けて記憶し、ステップおよびレシピごとに最適な統計モデリングの手法や閾値設定手法を選択できるように構成してもよい。「センサID」は、監視対象装置に設けられるセンサを一意に識別するための情報である。また、「センサID」は、監視ステップおよび監視レシピに対応付けて設定される。「運転情報」は、監視対象装置について特別な処理を実行する予定がある場合に記憶される、監視対象装置において実行される処理についての情報である。たとえば、所定の日時にメンテナンスを実行する予定がある場合は、メンテナンスする旨およびその日時の情報が「運転情報」として記憶される。また、監視対象装置の部品交換が行われる場合には、その旨およびその日時の情報が「運転情報」として記憶される。
図3の例では、装置ID「D001」で識別される監視対象装置は、ユーザID「U582」で識別されるユーザの監視対象装置として記憶されている。また、当該監視対象装置について、監視ステップ「S003」、監視レシピ「R043」が記憶されている。また、監視ステップ「S003」の監視には、センサID「S001」で識別されるセンサにより測定されるデータが使用されることが記憶されている。また、装置ID「D001」で識別される監視対象装置について、2016年6月2日の16時からメンテナンスが実行される予定であることが記憶されている。
なお、半導体製造装置情報は、複数のユーザが使用する複数の監視対象装置についての情報を含む。異常検知装置1は、複数のユーザが使用する複数の監視対象装置についての情報を一元的に記憶し管理することにより、ネットワークを介して複数の監視対象装置の異常検知を統合的に実行することができる。
異常検知情報記憶部32は、異常検知情報を記憶する。図4は、第1の実施形態に係る異常検知装置1に記憶される異常検知情報の構成の一例を示す図である。
異常検知情報はたとえば、「装置ID」、「センサID」、「タイムスタンプ」、「観測値」、「要約値」、「予測値(1)」、「予測値(2)」、「異常スコア」、「変化スコア」、「異常判定」等の情報を含む。「装置ID」および「センサID」は、半導体製造装置情報に含まれる情報と同様である。「タイムスタンプ」は、観測値がセンサによって測定された日時を示す情報である。なお、「タイムスタンプ」はたとえば、対応するランを特定する情報等で代替してもよい。「観測値」は、「センサID」により特定されるセンサが「タイムスタンプ」により特定される日時に測定した実際の測定値である。「要約値」は、対応する「観測値」を要約した値、たとえば平均値等である。「予測値(1)」は、対応する「観測値」「要約値」に基づき第1の統計モデリングを通じて生成された予測値の情報である。「予測値(2)」は、対応する「観測値」「要約値」に基づき第2の統計モデリングを通じて生成された予測値の情報である。「異常スコア」は、予測値に基づいて算出された異常スコアの情報である。「変化スコア」は、変化スコア算出部207が算出する変化スコアの情報である。「異常判定」は、異常スコアおよび変化スコアに基づき、検知部208が検知した異常に関する情報である。
図4の例では、装置ID「D001」で識別される監視対象装置について、センサID「S001」で識別されるセンサから、タイムスタンプ「2016/06/01:14:00:00」で特定される日時に受信された観測値に関連する情報が記憶されている。すなわち、観測値として5つの値「0.034,0.031,0.040,0.039,0.030」が記憶される。そして、5つの観測値の平均値である「0.0348」が要約値として記憶される。また、当該要約値に基づき第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205により生成された予測値が記憶される。さらに、異常スコア算出部25が算出した異常スコア、変化スコア算出部207が算出した変化スコアがそれぞれ記憶される。さらに、検知部208が、異常スコアと変化スコアに基づいて検知した異常の内容、図4の例では異常なしを示す「NO」が記憶される。なお、「異常判定」は、第1レベル乃至第3レベルの異常が検知された場合は、それぞれを識別できるように記憶する。
なお、予測値、異常スコア、変化スコアは、第2の予測値生成部205が生成する予測値については、要約値が入力されるごとに更新される。
異常レポート記憶部33は、異常レポート情報を記憶する。異常レポート情報は、異常レポート作成部29により作成される。異常レポート情報は、異常検知装置1における異常検知処理の結果を示す情報である。
図5は、第1の実施形態に係る異常検知処理により出力される情報の一例を示す図である。また、図6は、第1の実施形態に係る異常検知処理により生成される予測値、異常スコアおよび変化スコアの一例を説明するための図である。異常レポート情報はたとえば、図5および図6に示す情報を含む。
[異常レポートの一例]
図5は、第1の実施形態に係る異常検知方法により出力される情報の一例を示す図である。図5の例では、半導体製造装置4において1日に20回ランが行われた結果をプロットしている。図5の(A)は、各ランにおける要約値と、予測値にもとづき設定された異常スコア判定用の上下閾値と、を示す。上下閾値は、予測値の任意の信頼区間、ここでは約95%をもとに設定した。また、図5の例では、予測値は、第1の予測値生成部204においてカルマンフィルタを用いて算出した。
図5の(A)において、「Act」で示す線は要約値を示す。また、「UCL1」「LCL1」はそれぞれ、予測値に基づき設定された異常スコア判定用の上下閾値である。図5の(A)では、予測値に基づく上下閾値に加えて、固定値を用いた監視も併用する。このため、閾値「UCL1」、「LCL1」に加えて、閾値「UCL2」と「LCL2」とを設定する。また、図5の(B)において、「C Score」は変化スコアを示し、「UCL」は変化スコアの上限閾値を示す。
図5の例では、異常検知装置1は、観測値に基づいて要約値(Act)を各ランについて算出している。図5に示すように、要約値は各測定時点で上下に振れている。
また、異常検知装置1は、各時点において要約値に基づいて予測値を算出する。たとえば、図5の左から6番目のプロットまでは、要約値は上下に振れつつ緩やかな減少傾向をみせている。このため、6番目の要約値が入力されたとき、統計モデリングを適用して得られる予測値は、1番目から4番目のプロットを平均した値よりもやや減少した値となる(上下閾値の中央部分)。しかし、左から7番目のプロットの時点の要約値は、6番目のプロットの要約値から増加している。そして、左から8番目のプロットの時点の要約値もさらに増加を示す。このため、左から8番目のプロットの時点で予測値は緩やかな増加を示す値となる。しかし、左から9番目のプロットの時点で要約値は大きく増加し、8番目のプロット時点で予測された予測値にもとづく上限閾値UCL1を超えている。このため、異常検知装置1では、左から9番目の要約値に基づく判定を実行した時点で、警告部209が警告を出す(図5の(A)中、矢印W1で示す部分)。このように、異常検知装置1では、予測値に基づき要約値に対して適用する上下閾値を動的に変化させる。さらに、図5の(A)中、矢印W2、W3で示す部分でも、要約値Actは上限閾値UCL1を超える値をとる。このように、要約値Actが上限閾値UCL1を超えた部分は、異常レポートにおいては強調表示する。たとえば、図5の(A)中、矢印W1,W2,W3の部分を他のプロットとは異なる色で表示したり、ハイライトをつけたりする。
このように、本実施形態に係る異常検知装置1は、観測値および要約値に現れるノイズや観測誤差を捨象して、監視対象装置の状態のトレンドをより正確に反映した状態を推定し予測値を算出する。そして、異常検知装置1は、予測値に基づき、半導体製造装置4が正常に動作している場合に、要約値がとると予想される値の範囲すなわち閾値を設定する。このため、異常検知装置1は、過去のトレンドに基づき、新たに取得される要約値と比較すべき閾値を動的に設定し直すことができる。このため、実施形態の異常検知装置1は、閾値を固定的に設定することが難しい性質をもつ値を異常検知に利用する場合であっても、閾値を動的に変動させて、精度高く異常を検知することができる。
また、図5の(A)の例では、予測値に基づき変動する閾値に加えて固定閾値も併用する。このため、異常検知装置1は、従来の管理図と同様に固定値を閾値とした監視も実行しつつ、上記のように予測値に基づき変動する閾値を用いて監視を実行することができ、異常検知の精度をさらに向上させることができる。
図5の(B)は、(A)の要約値のベイジアン変化点をスコア化した例である。(A)に示したように、左から8番目のプロットから9番目のプロットの間で要約値が大きく増加しているために、変化スコアにおいても、9番目のプロットに対応して大きな増加がみられる。また、異常スコア中の矢印W2,W3で表示される箇所とほぼ同じ時点で、変化スコアの値も増加している(図5の(B)中、矢印W5,W6で示す箇所)。異常スコアと同様、変化スコアにおいても、スコアが閾値を超えた部分を強調表示する。たとえば、図5の(B)中、矢印W4,W5,W6の部分を他のプロットとは異なる色で表示したり、ハイライトをつけたりする。
このように、本実施形態において、予測値にもとづいて設定した閾値を利用して異常検知した場合(すなわち異常スコア、要約値と予測値と残差等を利用する場合)、突発的な変化を精度よく検知することができる。また、本実施形態に基づき算出した変化スコアは、データに変化が生じた変化点を抽出することができる。このため、実施形態に係る異常検知装置は、異常スコアと変化スコアを組み合わせて異常検知することで、データに発生した変化を検知して、多様な原因にもとづく異常を精度よく検知することができる。また、異常検知装置1は、予測値に基づき設定される閾値だけでなく、固定値に基づき設定される閾値を併用することで、さらに異常検知の精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、(A)に示すように動的および固定的に閾値を設定して要約値と比較するデータと、(B)のように要約値の変化の大きさ自体をスコア化したデータと、を並列的に表示する。このため、突発的に発生する変化と漸進的に発生する変化とを、ユーザが視覚的直観的に把握することができる。また、異常検討装置は、異なる観点で検知した変化をまとめて提示し、異常有無を判断することにより、より精度高く異常の発生を検知することが可能である。
異常レポートは、図5に示すグラフを含んでもよいし、さらに、半導体製造装置情報記憶部31および異常検知情報記憶部32に記憶される他の情報を含んでもよい。
また、異常レポートは、図6に示すグラフを含んでもよい。図6は、第1の実施形態に係る異常検知処理により生成される予測値、異常スコアおよび変化スコアの一例を説明するための図である。図6の(A)は、各時点における要約値と、要約値に対して統計的モデリングを適用して生成した予測値(予測値の平滑値)と、をプロットしたものである。図6の(A)にはまた、固定値に基づく上下閾値T1およびT2を示す。図6の(B)は、(A)に示す予測値と要約値との差を異常スコアとしてプロットしたものである。図6の(C)は、(A)に示す要約値に対してベイズ推定による尤度変化点を算出して変化スコアとしたものである。
図6の(A)では、図5と異なり、予測値に基づき動的に設定される閾値ではなく予測値そのものをグラフとして表示する。図6の(A)中、矢印A1,A2,A3で示す箇所において、要約値が予測値から大きく逸脱している。しかし、何れの時点でも要約値は、固定値に基づく上下閾値T1およびT2の範囲からは逸脱していない。
図6の(B)中、矢印で示す部分B1,B2において、異常スコアが閾値を超えている。また、図6の(C)中、矢印で示す部分C1,C2,C3において、変化スコアが閾値を超えている。図6の(A)において固定の閾値T1,T2によっては、(B)のB1,B2、(C)のC1,C2,C3における異常や変化は検知することができない。これに対して、異常スコアと変化スコアとをあわせて利用し、いずれか一方において外れ値が発生すれば、ユーザの注意を促し、双方において外れ値が発生すれば警告を出すようにすれば、C2の時点で「注意」、B1(C1)およびB2(C3)の時点で「警告」を出すことができる。異常レポートは、B1,B2,C1,C2,C3を異常ポイントとして表示するようにしてもよい。
なお、図6の例では、(A)(B)は一つの予測値について表示したが、二つの予測値について異常スコアを算出する場合は、異常レポートは、(A)(B)をそれぞれ2つ含んでもよい。
[異常検知処理の流れの一例]
図7は、第1の実施形態に係る異常検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。異常検知装置1の観測値取得部201は、まず、リモートサーバ3を介して半導体製造装置4におけるセンサの観測値を取得する(ステップS1)。観測値取得部201が取得した観測値は、要約値生成部202に送られる。要約値生成部202は、観測値を基に要約値を生成する(ステップS2)。要約値生成部202が生成した要約値は、選択部203に送られる。選択部203は、要約値の分布が正規分布か非正規分布かを判定する(ステップS3)。正規分布と判定した場合(ステップS3、Yes)、選択部203は、要約値を第1の予測値生成部204に送る(ステップS4)。第1の予測値生成部204は、要約値に対して第1の統計モデリングを適用して予測値を生成する(ステップS6)。他方、選択部203が非正規分布と判定した場合(ステップS3、No)、選択部203は、要約値生成部202が生成した要約値を、第2の予測値生成部205に送る(ステップS5)。そして第2の予測値生成部205は、要約値に対して第2の統計モデリングを適用して、予測値を生成する(ステップS6)。第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205の一方が生成した予測値は、異常スコア算出部206に送られる。異常スコア算出部206は、予測値に基づく異常スコアを算出する(ステップS7)。
他方、第1の予測値生成部204または第2の予測値生成部205が生成した予測値は、変化スコア算出部207にも入力される。変化スコア算出部207は、変化スコアを算出する(ステップS8)。検知部208は、異常スコアと変化スコアとを参照して、各スコアが閾値を超えるか否かを判定する(ステップS9)。検知部208はスコアが閾値を超えると判定した場合、つまり異常を検知した場合(ステップS9、Yes)、警告部209に通知し、警告部209はリモートサーバ3に警告を送る。また、異常レポート作成部210は、異常レポートを出力する(ステップS10)。また、検知部208はスコアが閾値以下であると判定した場合すなわち異常を検知しなかった場合(ステップS9、No)、ステップS1に戻る。これで異常検知処理が終了する。
[変形例]
上記第1の実施形態においては、異常検知装置1は、選択部203を備え、第1の統計モデリングおよび第2の統計モデリングのいずれかの手法を用いて予測値を生成するものとした。ただし、異常検知装置1は、選択部203を省略して第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205の両方に要約値を入力するように構成してもよい。そして、異常スコア算出部206は、第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205が生成する2つの予測値に基づき、二つの異常スコアを算出するよう構成してもよい。
また、異常検知装置は、第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205の双方に予測値を生成させて2つの異常スコアを算出し、算出したスコアに基づく検知部208の検知結果に基づいて、統計モデリングに使用するパラメータを調整するように構成してもよい。第1の実施形態では、統計モデリングとして、第1の予測値生成部204がフィルタリングを用い、第2の予測値生成部205がMCMCを用いる。このため、第2の予測値生成部205が生成する予測値を用いた異常検知結果の精度の方が高くなると予想される。そこで、異常検知装置を、第1の予測値生成部204が生成した予測値を用いた異常検知結果と、第2の予測値生成部205が生成した予測値を用いた異常検知結果と、を比較し、齟齬がある場合に、第1の予測値生成部204が用いる統計モデリングのパラメータを調整するように構成してもよい。
また、異常検知装置は、第1の予測値生成部204と第2の予測値生成部205の双方に常に予測値を生成させ、2つの異常スコアに基づいて異常検知するように構成してもよい。
また、異常検知装置は、異常スコアについて上述したように予測値に応じて変動する閾値のほか、固定の閾値を用いた判定を併せて実行するように構成してもよい。このように構成することで、異常検知装置は、突発的に発生する異常とあわせて、徐々に進行する変化も検知することができ、さらに異常検知の精度を向上させることができる。
[第1の実施形態の効果]
上記のように、本実施形態に係る異常検知装置は、監視対象装置において繰り返し実行される処理中の所定タイミングにおいて取得した、当該監視対象装置の運転状態の指標となる観測値をまとめた要約値に対して統計モデリングを適用する。そして、異常検知装置は、要約値からノイズを除去した状態を推測し、当該推測に基づき一期先の要約値を予測した予測値を生成する。そして、異常検知装置は、予測値に基づき、監視対象装置の異常有無を検知する。このように、実施形態に係る異常検知装置によれば、観測値そのものを監視するのではなく、観測値に基づいて判定される装置の状態を監視する。このため、異常検知装置は、本来の検知目標である、装置の突発的な変化や状態の変化を見逃すことなく、異常を早期発見することができる。このため、異常検知装置は、高精度かつ効率的な異常予知および異常監視を自動的に実現することができる。また、本実施形態に係る異常検知装置は、ネットワークを介して監視対象である半導体製造装置と接続され、半導体製造装置において観測される観測値を受信する。そして、異常検知装置は、観測値に基づきリアルタイムで半導体製造装置の状態を監視する。このため、異常検知装置は、半導体製造装置におけるオンライン監視を実現することができる。
また、実施形態に係る異常検知装置は、監視対象装置から取得された値(観測値)に直接基づいて異常検知をするのではなく、要約値および予測値を導出した上で、異常検知を実行する。このため、異常検知装置は、サンプル数や、ノイズ、観測誤差等の要因によって左右される実測データの質に影響されることなく、監視対象装置の稼働状態を定量化し、動的に閾値を適応させて監視対象装置の自動監視を実現することができる。
また、実施形態に係る異常検知装置は、統計モデリングとして予測モデルと変化点検出モデルとを適用することにより予測値を生成する。また、実施形態に係る異常検知装置は、予測モデルとして状態空間モデルおよびカルマン・フィルタリングを適用してフィルタリング値またはスムージング値を予測値として生成する。また、実施形態に係る異常検知装置は、統計モデリングとして、マルコフ連鎖モンテカルロ法で事後分布を推定し、事後分布の平均値、最頻値および中央値のいずれか1つを予測値として生成する。また、実施形態に係る異常検知装置は、要約値に対してベイズ推定を適用して得た事後平均値を予測値として生成する。このように、異常検知装置は、要約値の変動の傾向(トレンド)を抽出することができる統計モデリングを適用することで、観測値のサンプル数が少ない場合や欠損がある場合であっても、高精度かつ効率的な異常予知および異常監視を自動的に実現することができる。
また、実施形態に係る異常検知装置は、新しい要約値が取得されるごとに逐次、予測モデルを実行させて予測値を更新し、更新した予測値の任意の信頼区間を上下閾値として設定し、更新した予測値が上下閾値の範囲から外れる場合に、監視対象装置の異常を検知する。また、実施形態に係る異常検知装置は、予測値と要約値との残差、当該残差の二乗、および、予測値と要約値との標準化残差の少なくともいずれか1つが閾値よりも大きい場合に異常を検知する。このため、異常検知装置は、動的に異常検知の閾値を変動させることで、機差等を加味して、異常検知を実現することができる。
また、実施形態に係る異常検知装置は、要約値のベイジアン変化点のスコアが閾値を超えた場合に異常を検知する。このため、経時的な変化だけでなく、突発的な変化が生じた場合にも検知漏れを発生させることなく精度高い異常検知を実現できる。また、異常検知装置は、複数の異常検知基準を組み合わせて実行することで、異なる性質の異常を漏れなく検知するとともに、異常のレベルを併せて検知することができる。また、異常検知装置は、複数の視点から監視対象装置の状態を評価するため、一つの基準で異常を判定する場合と比較して、より精度高い異常検知を実現することができる。
また、実施形態に係る異常検知装置は、変化スコアと異常スコアとを視覚的に把握しやすい表の形で出力する。このため、ユーザは、異常が発生した時点や異常の程度を視覚的に把握し、監視対象装置の状態を容易に理解することができる。また、実施形態に係る異常検知装置は、変化スコアと異常スコアとの時間軸をそろえて整列させて出力する。このため、ユーザは、二つの異なる視点から検知された異常を対応付けて、監視対象装置の状態変化を容易に把握することができる。
また、実施形態に係る異常検知装置は、半導体製造装置における処理が完了するごとに、最新の観測結果(観測値)を取得して、異常検知に使用する閾値を自動的に更新する。このため、異常検知装置は、人手を介して閾値を設定し直す必要がなく、メンテナンスフリーの異常監視を実現することができる。
なお、上記実施形態では、予測モデルと変化点検出モデルとを統計モデリングの例として説明したが、他の統計モデリングの手法を用いてもよい。また、予測値は、必ずしも要約値から生成しなくてもよく、観測値の性質上可能であれば観測値に対して直接統計モデリングを適用してもよい。
また、実施形態に係る異常検知装置は、異なる統計モデリングの手法を用いて予測値を生成する二つの異なる予測値生成部を備える。このため、実施形態に係る異常検知装置は、要約値の性質に応じて、当該要約値に適した統計モデリングの手法を選択し予測値を生成することができる。
たとえば、異常検知装置は、より精度の高い異常検知結果が要求される場合には、MCMCを利用した予測手法を用いて異常検知を実行し、より高速に処理を行うことが要求される場合には、フィルタリングを利用した予測手法を用いることができる。
また、フィルタリングを利用した予測手法としては、カルマンフィルタのほか、拡張カルマンフィルタ、粒子フィルタその他任意のフィルタを利用することができる。
[変形例1]
上記第1の実施形態では、半導体製造装置4のメンテナンス等の特定のイベントの発生については特に考慮していない。変形例1では、半導体製造装置4のメンテナンス等特定のイベントが発生することで取得されるデータに変動が生じる可能性を考慮して、特定のイベント直後の観測値を破棄するよう、異常検知装置を構成する。特定のイベントの発生についての情報は、異常検知装置が、イベントログとして監視対象装置から取得し、記憶部に格納するよう構成すればよい。
変形例1に係る異常検知装置1Aの構成および動作は、第1の実施形態に係る異常検知装置1と概ね同様であるため、同様の部分については説明を省略する(図1参照)。変形例1に係る異常検知装置1Aでは、制御部20Aが備える観測値取得部201Aの動作が、第1の実施形態の観測値取得部201と異なる。
図8は、第1の実施形態の変形例1に係る異常検知装置1Aにおける処理について説明するためのフローチャートである。
図8に示すように、変形例1に係る異常検知装置1Aは、まず、リモートサーバ3を介して半導体製造装置4からセンサの観測値を受信する(ステップS81)。観測値を受信した観測値取得部201Aは、次に、記憶部30(半導体製造装置情報記憶部31)に格納される半導体製造装置4の情報を取得する(ステップS82)。観測値取得部201Aは、記憶部30から取得した情報において、取得した観測値の測定時間に半導体製造装置4がメンテナンス中であったことを示す情報が含まれているか否かを判定する(ステップS83)。そして、観測値取得部201Aは、情報が含まれていると判定した場合(ステップS83、Yes)、取得した観測値を他の機能部に送らず、そのまま破棄する(ステップS84)。他方、観測値取得部201Aは、情報が含まれていないと判定した場合(ステップS83、No)、図7に示した異常検知処理に進む(ステップS85)。これで変形例1に係る異常検知装置1Aの処理は終了する。
なお、観測値取得部201Aは、予め半導体製造装置情報記憶部31からメンテナンスの情報を取得しておき、メンテナンス中の観測値だけでなく、メンテナンス前後所定時間中の観測値も破棄するよう構成してもよい。
また、観測値取得部201Aが、メンテナンス中であったことを示す情報が含まれていると判定した場合(ステップS83、Yes)には、それまでの異常検知処理をリセットして、新たに処理を開始するように異常検知装置1Aを構成してもよい。すなわち、異常検知装置1Aは、メンテナンスが行われた時点で統計モデリングを使用した学習をいったん終了して、新たに学習を開始するように構成してもよい。
また、観測値取得部201Aが、メンテナンス中であったことを示す情報が含まれていると判定した場合(ステップS83、Yes)、観測値取得部201Aは、その後所定回数にわたり取得した観測値を破棄するよう構成してもよい。このように構成すれば、統計モデリングによる異常検知処理自体は継続しつつ、メンテナンスによる変動が生じた可能性のあるデータは異常検知処理の対象から除外することができる。このため、異常検知の精度を向上させることができる。
また、異常が検知された後にメンテナンスが実行された場合に、異常検知の対象となったデータを破棄するように異常検知装置1Aを構成してもよい。たとえば、観測値取得部201Aが、メンテナンス中であったことを示す情報が含まれていると判定した場合(ステップS83、Yes)、観測値取得部201Aはさらに、異常検知情報記憶部32を参照する。そして、観測値取得部201Aは、たとえば異常検知情報に含まれる「タイムスタンプ」と「異常判定」とを参照して、メンテナンス実行日時から所定期間前までに異常が検知されているか否かを判定する。異常が検知されていると判定した場合、観測値取得部201Aは、異常検知時点からメンテナンス終了までの間に取得された観測値を破棄する。そして、観測値取得部201Aは、所定期間にわたり、異常検知時点直前の観測値を繰り返し要約値生成部202に送信する。このように構成すれば、異常検知の対象となったデータすなわち異常なデータを除外して半導体製造装置4の状態を推定して統計モデリングを実行することができ、異常検知の精度を向上させることができる。
[変形例1の効果]
このようにメンテナンス中およびメンテナンス前後所定時間の観測値を、異常検知の判定対象から除外することで、異常検知装置1Aの検知精度を向上させることができる。
[変形例2]
上記変形例1では、異常検知装置1Aを、メンテナンス中の観測値および/またはメンテナンス前後所定時間中の観測値を破棄するように構成した。これに代えて、メンテナンス中およびメンテナンス後所定期間中は、観測値はそのまま入力させるが、警告を出力しないように構成してもよい。メンテナンス後は警告を出力しないように構成した例を変形例2として説明する。
変形例2に係る異常検知装置1Bの構成および動作は、第1の実施形態に係る異常検知装置1と概ね同様であるため、同様の部分については説明を省略する(図1参照)。変形例2に係る異常検知装置1Bでは、制御部20Bが備える警告部209Bの動作が、第1の実施形態の警告部209と異なる。
図9は、変形例2に係る異常検知装置1Bにおける処理について説明するためのフローチャートである。
図9に示すように、変形例2に係る異常検知装置1Bは、まず、リモートサーバ3を介して半導体製造装置4からセンサの観測値を受信し、図7のS1〜S7と同様の処理を実行する(ステップS1101)。そして、警告部209Bは、検知部208から異常検知を通知されたか否かを判定する(ステップS1102)。警告部209Bが異常検知の通知がなかったと判定した場合(ステップS1102、No)、処理は終了する。他方、異常検知の通知があったと判定した場合(ステップS1102、Yes)、警告部209Bは次に、要約値取得前に特定のイベントがあったか否かを判定する(ステップS1103)。たとえば、警告部209Bは、図3の「運転情報」を参照し、要約値取得時から所定期間内にメンテナンスが実行されている旨の情報があるか否かを判定する。そして、警告部209Bは、特定のイベントがあったと判定した場合(ステップS1103、Yes)、警告を出力せず(ステップS1104)に処理を終了する。他方、特定のイベントがなかったと判定した場合(ステップS1103、No)、警告部209Bは、警告を出力し(ステップS1105)、処理を終了する。
このように、メンテナンス等の特定のイベントが発生し、観測値が不安定になると予測される場合は、異常検知装置を、当該イベント後所定期間にわたって警告を出力しないように構成してもよい。
この他、特定のイベントが発生した後に、一旦異常検知処理を初期化するように異常検知装置を構成してもよい。たとえば、メンテナンスの実行後に、異常検知装置に記憶された予測値等のデータをいったん消去等して、新しく入力されるデータのみに対して統計モデリングを適用するように構成してもよい。または、警告が出力されてメンテナンスを実行した場合等、警告の出力と特定のイベントが続いて発生した場合には、その後異常検知処理を初期化するように構成してもよい。または、警告の出力と特定のイベントが続いて発生した場合には、警告の対象となった観測値、要約値および予測値と、特定のイベントの実行中に取得された観測値、要約値および予測値と、を異常検知処理の対象から除外してもよい。このように構成することで、メンテナンス等による条件の変動によって検知結果の精度が不安定になることを防止することができる。
[プログラム]
図10は、第1の実施形態に係る異常検知プログラムによる情報処理がコンピュータを用いて具体的に実現されることを示す図である。図10に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU(Central Processing Unit)1020と、ハードディスクドライブ1080と、ネットワークインタフェース1070とを有する。コンピュータ1000の各部はバス1100によって接続される。
メモリ1010は、図10に例示するように、ROM1011およびRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。
ここで、図10に例示するように、ハードディスクドライブ1080は、例えば、OS1081、アプリケーションプログラム1082、プログラムモジュール1083、プログラムデータ1084を記憶する。すなわち、開示の実施の形態に係る異常検知プログラムは、コンピュータによって実行される指令が記述されたプログラムモジュール1083として、例えばハードディスクドライブ1080に記憶される。
また、異常検知プログラムによる情報処理に用いられるデータは、プログラムデータ1084として、例えばハードディスクドライブ1080に記憶される。そして、CPU1020が、ハードディスクドライブ1080に記憶されたプログラムモジュール1083やプログラムデータ1084を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種の手順を実行する。
なお、異常検知プログラムに係るプログラムモジュール1083やプログラムデータ1084は、ハードディスクドライブ1080に記憶される場合に限られない。例えば、プログラムモジュール1083やプログラムデータ1084は、着脱可能な記憶媒体に記憶されてもよい。この場合、CPU1020は、ディスクドライブなどの着脱可能な記憶媒体を介してデータを読み出す。また、同様に、異常検知プログラムに係るプログラムモジュール1083やプログラムデータ1084は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。この場合、CPU1020は、ネットワークインタフェース1070を介して他のコンピュータにアクセスすることで各種データを読み出す。
[その他]
なお、本実施形態で説明した異常検知プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、異常検知プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読取可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
なお、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1,1A,1B 異常検知装置
10 通信部
20,20A,20B 制御部
201,201A 観測値取得部
202 要約値生成部
203 選択部
204 第1の予測値生成部
205 第2の予測値生成部
206 異常スコア算出部
207 変化スコア算出部
208 検知部
209,209B 警告部
210 異常レポート作成部
30 記憶部
31 半導体製造装置情報記憶部
32 異常検知情報記憶部
33 異常レポート記憶部
40 出力部
2 ネットワーク
3 リモートサーバ
4 半導体製造装置
異常検知装置1とリモートサーバ3とは、ネットワーク2を介して通信可能に接続される。接続するネットワーク2の種類は特に限定されず、インターネット、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク等任意のネットワークであってよい。また、無線ネットワークおよび有線ネットワークのいずれでもよく、それらの組み合わせであってもよい。異常検知装置1は、半導体製造装置4において観測される観測値を常時収集するリモートサーバ3とネットワーク2を介して接続されることにより、半導体製造装置をオンラインで常時監視するオンライン監視を実現する。このため、異常検知装置1は、半導体製造装置の異常をリアルタイムで検知してユーザに通知することができる。
このため、本実施形態では、予め異常検知装置1に入力される観測値の種類に応じて、どの要約値を第1の予測値生成部204に入力し、どの要約値を第2の予測値生成部205に入力するかを設定する。設定は記憶部30に記憶する。
図4の例では、装置ID「D001」で識別される監視対象装置について、センサID「S001」で識別されるセンサから、タイムスタンプ「2016/06/01:14:00:00」で特定される日時に受信された観測値に関連する情報が記憶されている。すなわち、観測値として5つの値「0.034,0.031,0.040,0.039,0.030」が記憶される。そして、5つの観測値の平均値である「0.0348」が要約値として記憶される。また、当該要約値に基づき第1の予測値生成部204および第2の予測値生成部205により生成された予測値が記憶される。さらに、異常スコア算出部206が算出した異常スコア、変化スコア算出部207が算出した変化スコアがそれぞれ記憶される。さらに、検知部208が、異常スコアと変化スコアに基づいて検知した異常の内容、図4の例では異常なしを示す「NO」が記憶される。なお、「異常判定」は、第1レベル乃至第3レベルの異常が検知された場合は、それぞれを識別できるように記憶する。
異常レポート記憶部33は、異常レポート情報を記憶する。異常レポート情報は、異常レポート作成部210により作成される。異常レポート情報は、異常検知装置1における異常検知処理の結果を示す情報である。
また、本実施形態では、(A)に示すように動的および固定的に閾値を設定して要約値と比較するデータと、(B)のように要約値の変化の大きさ自体をスコア化したデータと、を並列的に表示する。このため、突発的に発生する変化と漸進的に発生する変化とを、ユーザが視覚的直観的に把握することができる。また、異常検知装置は、異なる観点で検知した変化をまとめて提示し、異常有無を判断することにより、より精度高く異常の発生を検知することが可能である。

Claims (17)

  1. 監視対象装置において繰り返し実行される処理中の所定タイミングにおいて取得した、当該監視対象装置の運転状態の指標となる観測値をまとめた要約値に対して統計モデリングを適用することにより、前記要約値からノイズを除去した状態を推測し、当該推測に基づき一期先の要約値を予測した予測値を生成する予測値生成手順と、
    前記予測値に基づき、前記監視対象装置の異常有無を検知する検知手順と、
    を、コンピュータに実行させることを特徴とする異常検知プログラム。
  2. 前記予測値生成手順において、前記コンピュータに、新しい要約値が取得されるごとに逐次、前記統計モデリングとして予測モデルを実行させて前記予測値を更新させ、
    前記検知手順において、前記コンピュータに、前記更新された予測値の任意の信頼区間を上下閾値として設定して、前記監視対象装置の異常を検知させる、請求項1に記載の異常検知プログラム。
  3. 前記予測値生成手順において、前記コンピュータに、前記統計モデリングとして、フィルタリングを用いた予測モデルを適用して予測値を生成させる、請求項2に記載の異常検知プログラム。
  4. 前記予測値生成手順において、前記コンピュータに、カルマンフィルタリングで得たフィルタリング値またはスムージング値を、予測値として生成させる、請求項3に記載の異常検知プログラム。
  5. 前記予測値生成手順において、前記コンピュータに、前記統計モデリングとして、マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた予測モデルを適用して前記予測値を生成させる、請求項1または2に記載の異常検知プログラム。
  6. 前記予測値生成手順において、前記コンピュータに、マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた予測モデルで事後分布を推定させ、当該事後分布の平均値、最頻値および中央値のいずれか1つを前記予測値として生成させる、請求項5に記載の異常検知プログラム。
  7. 前記検知手順において、前記コンピュータに、前記予測値と前記要約値との残差、当該残差の二乗、および、前記予測値と前記要約値との標準化残差のうち少なくともいずれか1つが閾値よりも大きい場合に異常を検知させる、請求項1から6のいずれか1項に記載の異常検知プログラム。
  8. 前記予測値生成手順において、前記コンピュータに、前記統計モデリングとして予測モデルと変化点検出モデルとを適用させる、請求項1から7のいずれか1項に記載の異常検知プログラム。
  9. 前記検知手順において、前記コンピュータに、前記要約値のベイジアン変化点のスコアが閾値を超えた場合に異常を検知させる、請求項1から8のいずれか1項に記載の異常検知プログラム。
  10. 監視対象装置において繰り返し実行される処理中の所定タイミングにおいて取得した、当該監視対象装置の運転状態の指標となる観測値をまとめた要約値に対して統計モデリングを適用することにより、前記要約値からノイズを除去した状態を推測し、当該推測に基づき一期先の要約値を予測した予測値を生成する予測値生成工程と、
    前記予測値に基づき、前記監視対象装置の異常有無を検知する検知工程と、
    を、コンピュータが実行することを特徴とする異常検知方法。
  11. 前記予測値と前記要約値との残差、当該残差の二乗、および、前記予測値と前記要約値との標準化残差のうち少なくともいずれか1つと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する表を出力する出力工程を、前記コンピュータがさらに実行する、請求項10に記載の異常検知方法。
  12. 前記要約値のベイジアン変化点のスコアと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する表を出力する出力工程を、前記コンピュータがさらに実行する、請求項10に記載の異常検知方法。
  13. 前記予測値と、前記要約値との残差、当該残差の二乗、および、前記予測値と前記要約値との標準化残差のうち少なくともいずれか1つと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する第1の表と、前記要約値のベイジアン変化点のスコアと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する第2の表とを、時間軸をそろえて整列させた画像として出力する出力工程を、前記コンピュータがさらに実行する、請求項10に記載の異常検知方法。
  14. 監視対象装置において繰り返し実行される処理中の所定タイミングにおいて取得した、当該監視対象装置の運転状態の指標となる観測値をまとめた要約値に対して統計モデリングを適用することにより、前記要約値からノイズを除去した状態を推測し、当該推測に基づき一期先の要約値を予測した予測値を生成する予測値生成部と、
    前記予測値に基づき、前記監視対象装置の異常有無を検知する検知部と、
    を備える異常検知装置。
  15. 前記予測値と前記要約値との残差、当該残差の二乗、および、前記予測値と前記要約値との標準化残差のうち少なくともいずれか1つと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する表を作成する作成部と、
    前記作成部が作成した表を出力する出力部と、
    をさらに備える、請求項14に記載の異常検知装置。
  16. 前記要約値のベイジアン変化点のスコアと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する表を作成する作成部と、
    前記作成部が作成した表を出力する出力部と、
    をさらに備える、請求項14に記載の異常検知装置。
  17. 前記予測値と、前記要約値との残差、当該残差の二乗、および、前記予測値と前記要約値との標準化残差のうち少なくともいずれか1つと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する第1の表と、前記要約値のベイジアン変化点のスコアと閾値とを縦軸に表示し、時間軸を横軸に表示する第2の表と、を作成する作成部と、
    前記第1の表と前記第2の表とを、時間軸をそろえて整列させた画像として出力する出力部と、
    をさらに備える、請求項14に記載の異常検知装置。
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