JPWO2018055925A1 - 水素感知素子及び水素センサー - Google Patents

水素感知素子及び水素センサー Download PDF

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Abstract

本発明の一態様は、水素感知素子において、透明基材上に、三水素化物による透明状態と二水素化物による反射状態との間で状態が可逆的に変化する金属を含む水素感知層と、前記水素感知層における水素化及び脱水素化を促進する金属又は合金を含む触媒層とを備え、前記水素感知層に含まれる金属は、光学特性の異なる、無水素化物、二水素化物及び三水素化物の状態を有する。

Description

本発明は、水素感知素子及び水素センサーに関する。
近年、クリーンなエネルギー源である水素を用いた燃料電池が注目されている。
しかしながら、水素は、分子が小さいため、透過性が高い。さらに、水素は、爆発の危険性があるため、燃料電池を実用化する際に、水素を取り扱う方法が重要になる。水素を安全に取り扱うためには、水素の漏洩を安全かつ迅速に検出する水素感知素子や水素センサーが必須であり、多くの研究が進められている(例えば、特許文献1〜3参照)。
イットリウム(Y)やランタン(La)などの希土類金属をベースとした合金(例えば、特許文献4参照)や、マグネシウム(Mg)をベースとした合金(例えば、特許文献5、6参照)、酸化タングステン(例えば、特許文献7参照)等は、水素を吸蔵又は放出した際に、光学特性や電気抵抗特性が大きく変化するため、水素感知素子や水素センサーに用いられている。具体的には、水素感知素子として、ガラス基材、プラスチック基材等の透明基材の表面に、Mg−Ni合金等の水素吸蔵層が形成されており、水素吸蔵層の表面に、パラジウム等の触媒層が形成されている素子が用いられている(例えば、特許文献8参照)。
このような水素感知素子は、常温常圧において、水素吸蔵層が可逆的に水素を吸蔵又は放出することに伴い、水素吸蔵層の光反射率又は光透過率が大きく変化する。このため、水素感知素子は、常温常圧において、水素吸蔵層が水素を吸蔵することに伴う光反射率又は光透過率の変化を検知することで、水素の漏洩を安全かつ迅速に検出することができる。
特開2004−346418号公報 特開2011−219841号公報 特開2013−245370号公報 米国特許第6006582号明細書 米国特許第5905590号明細書 米国特許第6647166号明細書 国際公開第2009/133997号 米国特許第8758691号明細書
しかしながら、このような水素感知素子は、水素が漏洩すると、水素を吸蔵することで光学特性が変化し、水素が漏洩しなくなると、水素を放出して元の状態に戻るという、異なる2種類の光学特性のみを有する。このため、現時点で水素が漏洩していない場合に、過去に水素が漏洩した履歴を残すことができない。また、過去に水素が漏洩した履歴が残るように、吸蔵した水素を放出しないで水素を吸蔵した状態を維持することができても、現時点でも水素が漏洩しているかどうかを判断することができない。
本発明の一態様は、上記の点に鑑み、全く水素が漏洩していない状態、現時点では水素が漏洩していないが、過去に水素が漏洩した履歴を示す状態、現時点で水素が漏洩している状態を判断することが可能な水素感知素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、水素感知素子において、透明基材上に、三水素化物による透明状態と二水素化物による反射状態との間で状態が可逆的に変化する金属を含む水素感知層と、前記水素感知層における水素化及び脱水素化を促進する金属又は合金を含む触媒層とを備え、前記水素感知層に含まれる金属は、光学特性の異なる、無水素化物、二水素化物及び三水素化物の状態を有する。
本発明の一態様によれば、全く水素が漏洩していない状態、現時点では水素が漏洩していないが、過去に水素が漏洩した履歴を示す状態、現時点で水素が漏洩している状態を判断することが可能な水素感知素子を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る水素感知素子の構成例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る水素感知素子の変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る水素感知素子の構成例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る水素感知素子の構成例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る水素感知素子の変形例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
[第1の実施形態]
本実施形態では、本発明の第1の実施形態に係る水素感知素子について説明する。
本発明の第1の実施形態に係る水素感知素子は、三水素化物による透明状態と二水素化物による反射状態との間で状態が可逆的に変化する金属を含む水素感知層と、水素感知層における水素化及び脱水素化を促進する金属又は合金を含む触媒層と、透明基材を備える。そして、水素感知層に含まれる金属は、光学特性の異なる、無水素化物、二水素化物及び三水素化物の状態を有する。
図1に、本発明の第1の実施形態に係る水素感知素子の構成例を示す。
水素感知素子100は、水素感知層10と、触媒層20を備え、水素感知層10に対して、触媒層20とは反対側に、透明基材(透明基板)40をさらに備える。
水素感知層10に含まれる金属は、成膜後に水素化されていない無水素化物(金属)の状態と、無水素化物又は二水素化物の水素化により透明状態になった三水素化物の状態と、三水素化物の脱水素化により反射状態になった二水素化物の状態を有する。
水素感知層10は、希土類金属を含むことが好ましく、希土類金属又は希土類金属をベースとする合金を含むことがより好ましい。
次に、水素感知層10に含まれる希土類金属及び希土類金属をベースとする合金について説明する。
希土類金属(X)としては、光学特性の異なる、無水素化物(X)、二水素化物(XH)及び三水素化物(XH)の状態を有していれば、特に限定されるものではない。
希土類金属は、入手の容易さ、コスト、大気中での安定性から、Sc、Y、La、Gd、Ceからなる群より選択されることが好ましい。
希土類金属をベースとする合金は、第2属金属を含むことが好ましい。
希土類金属又は希土類金属をベースとする合金は、イットリウム、イットリウム・マグネシウム合金又はイットリウム・マグネシウム・スカンジウム合金であることが好ましい。
イットリウム・マグネシウム合金は、イットリウムの無水素化物(Y)と、イットリウムを一度水素化した後、脱水素化したイットリウムの二水素化物(YH)の光学特性に明瞭な差が生じるため、一般式
1−xMg(0<x<0.4)・・・(1)
で表される化合物であることが好ましく、一般式
1−xMg(0<x<0.25)・・・(2)
で表される化合物であることがより好ましい。また、マグネシウム・イットリウム合金は、1000回以上の安定した水素感知特性、即ち、繰り返し耐久性を示すため、一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
また、イットリウム・マグネシウム・スカンジウム合金は、上記と同様の理由で、一般式
1−x―yMgSc(0<x<0.4、0<y<0.6、x+y<1)・・・(3)
で表される化合物であることが好ましい。
水素感知層10の厚さは、光透過率、光反射率等を考慮して選択されるものであり、特に限定されるものではないが、10nm以上1000nm以下であることが好ましい。水素感知層10の厚さが10nm以上であると、水素感知層10の反射状態における光反射率を向上させることができる。一方、水素感知層10の厚さが1000nm以下であると、水素感知層10の透明状態における光透過率を向上させることができる。
水素感知層10の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき法等の一般的な成膜方法を用いることができる。
触媒層20は、水素感知層10上に形成されており、水素感知層10における水素化及び脱水素化を促進する機能を有する。このため、水素感知層10の透明状態から反射状態への十分なスイッチング速度、及び、水素感知層10の反射状態から透明状態への十分なスイッチング速度が確保される。
触媒層20に含まれる金属又は合金としては、水素感知層10における水素化及び脱水素化を促進する機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。
触媒層20に含まれる金属又は合金は、パラジウム、パラジウム合金、白金及び白金合金からなる群より選択される一種以上であることが好ましく、水素透過性が高いことから、パラジウム又はパラジウム・ルテニウム合金であることがより好ましい。
パラジウム・ルテニウム合金は、コスト及び脱水素化の速度の観点から、一般式
Pd1−xRu(0<x<0.7)・・・(4)
で表される化合物であることが好ましい。
触媒層20の厚さは、水素感知層10の反応性、触媒層20に含まれる金属又は合金の触媒能により適宜選択されるものであり、特に限定されるものではないが、1nm以上20nm以下であることが好ましい。触媒層20の厚さが1nm以上であると、触媒層20の機能を向上させることができる。一方、触媒層20の厚さが20nm以下であると、触媒層20の光透過率を向上させることができる。
触媒層20の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき法等の一般的な成膜方法を用いることができる。
透明基材40は、水素感知素子100の土台としての機能を有する。また、透明基材40は、水や酸素による水素感知層10の酸化を防止する機能を有することが好ましい。
透明基材40の形状は、例えば、シート状やフィルム状であってもよい。
なお、透明基材40の形状は、特に限定されるものではなく、フレキシブル性を有していてもよい。
透明基材40を構成する材料としては、波長が380nm〜780nmの可視光域で50%以上の光透過率を有するものであれば、限定されるものではないが、ガラス又はプラスチックを用いることが好ましい。
ここで、プラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、アクリル等を用いることが好ましい。
また、図2に示すように、水素感知素子100の水素感知層10と触媒層20との間に、拡散防止層50を挿入して、水素感知素子200としてもよい。
拡散防止層50を構成する材料としては、触媒層20を構成する材料が水素感知層10に拡散することを防ぐと共に、触媒層20を透過した水素が水素感知層10に効果的に拡散する能力を有するものであれば、特に限定されるものではないが、ニオブ、バナジウム、チタン、タンタルを用いることが好ましい。
拡散防止層50の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき法等の一般的な成膜方法を用いることができる。
以上に説明してきたように、水素感知素子100、200は、水素感知層10を備えることにより、従来の水素感知素子とは異なり、全く水素が漏洩していない状態、現時点では水素が漏洩していないが、過去に水素が漏洩した履歴を示す状態、現時点で水素が漏洩している状態を判断することができる。
[第2の実施形態]
本実施形態では、本発明の第2の実施形態に係る水素感知素子について説明する。
本発明の第2の実施形態に係る水素感知素子は、本発明の第1の実施形態に係る水素感知素子において、水素感知層として、2種類以上の異なる組成比を有する水素感知層の積層体を備える。
図3に、本発明の第2の実施形態に係る水素感知素子の構成例を示す。
水素感知素子300は、水素感知素子200において、水素感知層10の代わりに、異なる2種類の組成比を有する水素感知層12、14の積層体を備える。
なお、水素感知素子300の水素感知層12、14以外の構成は、水素感知素子200と同様であるので、水素感知素子300の水素感知層12、14以外の構成の説明を省略する。
次に、水素感知層12、14について説明する。
水素感知層12、14は、水素感知層10と同様にして、希土類金属を含むことが好ましく、希土類金属又は希土類金属をベースとする合金を含むことがより好ましい。また、希土類金属をベースとする合金は、第2属金属を含むことが好ましい。
水素感知層12、14に含まれる希土類金属又は希土類金属をベースとする合金は、イットリウム、イットリウム・マグネシウム合金又はイットリウム・マグネシウム・スカンジウム合金であることが好ましい。
なお、水素感知層12(又は14)に含まれる金属又は合金が希土類金属又は希土類金属をベースとする合金である場合、水素感知層14(又は12)に含まれる金属又は合金は、希土類金属をベースとする合金から希土類金属を除いた金属又は合金であってもよい。
水素感知素子300は、組成比が異なる水素感知層12、14を備えることにより、水素感知層12、14に含まれる金属の無水素化物、二水素化物及び三水素化物の状態の光学特性が異なる。また、水素感知素子300は、干渉効果により、1種類の水素感知層10を備える水素感知素子100と比較して、金属の無水素化物、二水素化物及び三水素化物の状態の光学特性のより大きい差を発現させることができる。このため、水素感知層12、14にそれぞれ含まれる金属又は合金は、干渉効果が生じれば、特に限定されるものではないが、組成比の差が大きい方が好ましい。
次に、水素感知層12、14にそれぞれ含まれる金属又は合金として、マグネシウム、イットリウム又はマグネシウム・イットリウム合金を用いる場合について、より具体的に説明する。
まず、水素感知層12に含まれるイットリウム又はイットリウム・マグネシウム合金を、一般式
1−xMg(0≦x<0.25)・・・(5)
で表される化合物とする場合について説明する。この場合、水素感知層14に含まれるマグネシウム又はイットリウム・マグネシウム合金は、一般式
1−xMg(0.35≦x≦1)・・・(6)
で表される化合物であることが好ましく、スイッチングの繰り返し耐久性を向上させるためには、一般式
1−xMg(0.35≦x<0.5)・・・(7)
で表される化合物であることがより好ましい。
次に、水素感知層12に含まれるマグネシウム又はイットリウム・マグネシウム合金を、一般式
1−xMg(0.5≦x≦1)・・・(8)
で表される化合物とする場合について説明する。この場合、水素感知層14に含まれるイットリウム又はイットリウム・マグネシウム合金は、一般式
1−xMg(0≦x<0.5)・・・(9)
で表される化合物であることが好ましく、無水素化物、二水素化物及び三水素化物の状態の光学特性の明瞭な差を発現させるためには、一般式
1−xMg(0≦x<0.25)・・・(10)
で表される化合物であることがより好ましい。
水素感知層12の厚さは、光透過率、光反射率等を考慮して選択されるものであり、特に限定されるものではないが、1nm以上100nm以下であることが好ましい。水素感知層12の厚さが1nm以上であると、1種類の水素感知層10を備える水素感知素子100と比較して、金属の無水素化物、二水素化物及び三水素化物の状態の光学特性のより大きい差を発現させることができる。一方、水素感知層12の厚さが100nm以下であると、水素感知層12の透明状態における光透過率を向上させることができる。
さらに、水素感知層14の厚さは、光透過率、光反射率等を考慮して選択されるものであり、特に限定されるものではないが、10nm以上1000nm以下であることが好ましい。水素感知層14の厚さが10nm以上であると、反射状態における光反射率を向上させることができる。一方、水素感知層14の厚さが1000nm以下であると、透明状態における光透過率を向上させることができる。
水素感知層12、14の形成方法は、水素感知層10の形成方法と同様であるため、水素感知層12、14の形成方法の説明を省略する。
なお、水素感知素子100と同様にして、水素感知層14と触媒層20との間に拡散防止層50を挿入しなくてもよい。
[第3の実施形態]
本実施形態では、本発明の第3の実施形態に係る水素感知素子について説明する。
本発明の第3の実施形態に係る水素感知素子は、本発明の第1の実施形態に係る水素感知素子の表面に、1層以上の保護層をさらに備える。
図4に、本発明の第3の実施形態に係る水素感知素子の構成例を示す。
水素感知素子400は、水素感知素子100の表面に、保護層30をさらに備える。
なお、水素感知素子400の保護層30以外の構成は、水素感知素子100と同様であるので、水素感知素子400の保護層30以外の構成の説明を省略する。
保護層30は、触媒層20の水素感知層10とは反対側の面に形成されており、水素透過性及び撥水性を有する。また、保護層30は、水や酸素による触媒層20の酸化を防止する機能及び触媒層20と協働して、水や酸素による水素感知層10の酸化を防止する機能を有する。
触媒層20を構成する材料は、通常、貴金属であるため、酸化しにくいが、触媒層20の酸化を防止する機能を有する保護層30を形成することで、触媒能を長期間維持することが可能となる。
さらに、触媒層20は、水素感知層10の酸化を防止する機能も有するが、保護層30を形成することで、水素感知層10の酸化を防止する機能を高めることが可能になる。
保護層30は、上記のように、水素(水素イオン)に対する透過性(水素透過性)及び水に対する非透過性(撥水性)を有する。
保護層30を構成する材料としては、水素透過性及び撥水性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、酢酸セルロース等のポリマーや、酸化チタン等の無機材料が用いられる。
保護層30の形成方法としては、例えば、ポリマーが分散している分散液を塗布した後、乾燥させる方法、スパッタリング法、真空蒸着法により無機薄膜を成膜する方法等の一般的な成膜方法を用いることができる。
保護層30を形成することによって、水や酸素による触媒層20及び水素感知層10の酸化を防止することができる。このため、触媒層20及び水素感知層10の劣化を防止し、耐久性を高めることが可能になる。
なお、本実施形態では、本発明の第1の実施形態に係る水素感知素子の表面に、1層以上の保護層をさらに備える水素感知素子について説明したが、本発明の第2の実施形態に係る水素感知素子の表面に、1層以上の保護層をさらに備える水素感知素子とすることもできる。すなわち、図5に示すように、水素感知素子300において、触媒層20の水素感知層14とは反対側の面に保護層30が形成されている水素感知素子500としてもよい。この場合、水素感知素子400で説明したように、触媒層20及び水素感知層12、14の劣化を防止し、耐久性を高めることが可能になる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例では、透明基材40としての、ガラス基板上に、イットリウム又はイットリウム・マグネシウム合金からなる水素感知層10、タンタルからなる拡散防止層50、パラジウムからなる触媒層20が順次積層されている水素感知素子200を作製した。
具体的には、厚さ1mmのガラス基板(透明基材40)上に、順次、膜厚を変化させたイットリウム薄膜又は膜厚及び組成比を変化させたイットリウム・マグネシウム合金薄膜(水素感知層10)、膜厚2nmのタンタル薄膜(拡散防止層50)、膜厚3nmのパラジウム薄膜(触媒層20)を成膜した。
次に、水素感知層10、拡散防止層50、触媒層20の成膜条件について説明する。
水素感知層10のイットリウム薄膜又はイットリウム・マグネシウム合金薄膜、拡散防止層50のタンタル薄膜、触媒層20のパラジウム薄膜を成膜する際には、多元成膜が可能なマグネトロンスパッタ装置を用いた。このとき、4つのスパッタ銃に、ターゲットとして、それぞれ金属イットリウム、金属マグネシウム、金属タンタル及び金属パラジウムをセットした。
最初に、ガラス基板(透明基材40)を洗浄した後、真空装置の中にガラス基板をセットして、チャンバー内を真空排気した。
次に、金属イットリウムのターゲットと、金属マグネシウムのターゲットに同時に電力を印加して、イットリウム・マグネシウム合金薄膜を成膜した。なお、イットリウム薄膜を成膜する際には、金属イットリウムのターゲットだけに電力を印加した。このとき、スパッタ中のアルゴンガス圧を0.3Paとし、直流スパッタ法により、それぞれのターゲットに所定の電力を所定の時間印加することでスパッタした。
なお、それぞれのターゲットに印加する電力によって、成膜される薄膜(水素感知層10)の組成比を制御することができる。また、ターゲットに電力を印加する時間によって、成膜される薄膜(水素感知層10)の膜厚を制御することができる。
本実施例では、膜厚が15nm〜167nmとなるように、イットリウム薄膜又は組成式
1−xMg(x=0.1、0.15、0.25)
で表わされるイットリウム・マグネシウム合金薄膜を成膜し、実施例1−1〜1−18の水素感知素子200における水素感知層10とした。
ここで、ラザフォード後方散乱法により、金属イットリウムのターゲット及び金属マグネシウムのターゲットに印加する電力の比に対する、成膜されるイットリウム・マグネシウム合金薄膜の組成比の関係を示すキャリブレーションカーブを作成した。次に、キャリブレーションカーブに基づいて、成膜されたイットリウム・マグネシウム合金薄膜の組成比を見積もった。
表1に、実施例1−1〜1−18の水素感知素子200における水素感知層10を成膜する際に、ターゲットに印加した電力及びその印加時間、水素感知層10の組成比及び膜厚を示す。
Figure 2018055925
次に、水素感知層10を成膜するのと同一の真空条件で、金属タンタルのターゲットに20Wの電力を印加して、タンタル薄膜(拡散防止層50)を成膜した後、金属パラジウムのターゲットに30Wの電力を印加して、パラジウム薄膜(触媒層20)を成膜し、水素感知素子200を作製した。
以上の手順によって作製した水素感知素子200は、金属光沢の反射状態になっているが、パラジウム薄膜の表面をアルゴンで4体積%に希釈した1気圧の水素ガス(以下、「水素含有ガス」という)に曝すと、イットリウム薄膜又はイットリウム・マグネシウム合金薄膜が水素化されることにより、イットリウムの三水素化物(及びマグネシウムの二水素化物)が生成し、透明状態に変化した。この状態で、パラジウム薄膜の表面を大気に曝すと、イットリウムの三水素化物(及びマグネシウムの二水素化物)が脱水素化されることにより、イットリウムの二水素化物(及びマグネシウム)が生成し、反射状態に戻った。このように、水素感知素子200は、水素化されていないイットリウムを含む状態(以下、「無水素化物状態」という)から、イットリウムの三水素化物を含む状態(以下、「三水素化物状態」という)、イットリウムの二水素化物を含む状態(以下、「二水素化物状態」という)に変化することを確認した。さらに、水素感知素子200は、その後、イットリウムの二水素化物が水素化されること及びイットリウムの三水素化物が脱水素化されることにより、三水素化物状態と二水素化物状態の間で状態が可逆的に変化することを確認した。
[光学特性]
分光光度計を用いて、水素感知素子200の光学特性を評価した。具体的には、水素感知素子200の無水素化物状態(反射状態)(X)、二水素化物状態(反射状態)(XH)、三水素化物状態(透明状態)(XH)の各状態の波長550nmの光透過率(T)、透明基材40の側からの波長550nmの光反射率(Rb)を測定した。
表2に、水素感知素子200の光学特性の評価結果を示す。なお、二水素化物状態(XH)と無水素化物状態(X)の光透過率の差(ΔT)、三水素化物状態(XH)と二水素化物状態(XH)の光透過率の差(ΔT)、無水素化物状態(X)と二水素化物状態(XH)の光反射率の差(ΔRb)、二水素化物状態(XH)と三水素化物状態(XH)の光反射率の差(ΔRb)も併せて表2に示す。
Figure 2018055925
表2から、実施例1−1〜1−18の水素感知素子200は、無水素化物状態と二水素化物状態の光透過率の差(ΔT)及び/又は光反射率の差(ΔRb)と、二水素化物状態と三水素化物状態の光透過率の差(ΔT)及び/又は光反射率の差(ΔRb)が、それぞれ5%以上であることがわかる。このため、実施例1−1〜1−18の水素感知素子200は、全く水素が漏洩していない状態、現時点では水素が漏洩していないが、過去に水素が漏洩した履歴を示す状態、現時点で水素が漏洩している状態を目視で判断することができる。
[実施例2]
本実施例では、イットリウム又はイットリウム・マグネシウム合金からなる水素感知層10の代わりに、マグネシウム(又はイットリウム)からなる水素感知層12及びイットリウム(又はイットリウム・マグネシウム合金)からなる水素感知層14の積層体を用いた以外は、実施例1と同様にして、水素感知素子300を作製した。すなわち、透明基材40としての、ガラス基板上に、マグネシウム(又はイットリウム)からなる水素感知層12、イットリウム(又はイットリウム・マグネシウム合金)からなる水素感知層14、タンタルからなる拡散防止層50、パラジウムからなる触媒層20が順次積層されている水素感知素子300を作製した。
具体的には、厚さ1mmのガラス基板(透明基材40)上に、順次、膜厚を変化させたマグネシウム薄膜(又はイットリウム薄膜)(水素感知層12)、膜厚を変化させたイットリウム薄膜(又は膜厚及び組成比を変化させたイットリウム・マグネシウム合金薄膜)(水素感知層14)、膜厚2nmのタンタル薄膜(拡散防止層50)、膜厚3nmのパラジウム薄膜(触媒層20)を成膜した。
次に、水素感知層12、14、拡散防止層50、触媒層20の成膜条件について説明する。
水素感知層12のマグネシウム薄膜(又はイットリウム薄膜)、水素感知層14のイットリウム薄膜(又はイットリウム・マグネシウム合金薄膜)、拡散防止層50のタンタル薄膜、触媒層20のパラジウム薄膜を成膜する際には、多元成膜が可能なマグネトロンスパッタ装置を用いた。このとき、4つのスパッタ銃に、ターゲットとして、それぞれ金属イットリウム、金属マグネシウム、金属タンタル及び金属パラジウムをセットした。
最初に、ガラス基板(透明基材40)を洗浄した後、真空装置の中にガラス基板をセットしてチャンバー内を真空排気した。
次に、金属マグネシウム(又は金属イットリウム)のターゲットに電力を印加して、マグネシウム薄膜(又はイットリウム薄膜)を成膜した。なお、イットリウム・マグネシウム合金薄膜を成膜する際には、金属イットリウムのターゲットと、金属マグネシウムのターゲットに同時に電力を印加した。このとき、スパッタ中のアルゴンガス圧を0.3Paとし、直流スパッタ法により、それぞれのターゲットに所定の電力を所定の時間印加することでスパッタした。
なお、それぞれのターゲットに印加する電力によって、成膜される薄膜(水素感知層12、14)の組成比を制御することができる。また、ターゲットに電力を印加する時間によって、成膜される薄膜(水素感知層12、14)の膜厚を制御することができる。
本実施例では、膜厚が12nm〜25nmとなるように、マグネシウム薄膜(又はイットリウム薄膜)を成膜し、実施例2−1〜2−5の水素感知素子300における水素感知層12とした。また、膜厚が80nm〜150nmとなるように、イットリウム薄膜(又は組成式
0.55Mg0.45
で表わされるイットリウム・マグネシウム合金薄膜)を成膜し、実施例2−1〜2−5の水素感知素子300における水素感知層14とした。
ここで、ラザフォード後方散乱法により、金属イットリウムのターゲット及び金属マグネシウムのターゲットに印加する電力の比に対する、成膜されるイットリウム・マグネシウム合金の組成比のキャリブレーションカーブを作成した。次に、キャリブレーションカーブに基づいて、成膜されたイットリウム・マグネシウム合金薄膜の組成比を見積もった。
表3に、実施例2−1〜2−5の水素感知素子300における水素感知層12及び水素感知層14を成膜する際に、ターゲットに印加した電力及びその印加時間、水素感知層12及び水素感知層14の組成比及び膜厚を示す。
Figure 2018055925
次に、水素感知層12及び水素感知層14を成膜するのと同一の真空条件で、金属タンタルのターゲットに20Wの電力を印加して、タンタル薄膜(拡散防止層50)を成膜した後、金属パラジウムのターゲットに30Wの電力を印加して、パラジウム薄膜(触媒層20)を成膜し、水素感知素子300を作製した。
以上の手順によって作製した水素感知素子300は、金属光沢の反射状態になっているが、パラジウム薄膜の表面をアルゴンで4体積%に希釈した1気圧の水素含有ガスに曝すと、イットリウム薄膜、マグネシウム薄膜又はイットリウム・マグネシウム合金薄膜が水素化されることにより、イットリウムの三水素化物及びマグネシウムの二水素化物が生成し、透明状態に変化した。この状態で、パラジウム薄膜の表面を大気に曝すと、イットリウムの三水素化物及びマグネシウムの二水素化物が脱水素化されることにより、イットリウムの二水素化物及びマグネシウムが生成し、反射状態に戻った。このように、水素感知素子300は、無水素化物状態から、三水素化物状態、二水素化物状態に変化することを確認した。さらに、水素感知素子300は、その後、イットリウムの二水素化物が水素化されること及びイットリウムの三水素化物が脱水素化されることにより、三水素化物状態と二水素化物状態の間で状態が可逆的に変化することを確認した。
[光学特性]
前述と同様にして、得られた水素感知素子300の光学特性を評価した。
表4に、水素感知素子300の光学特性の評価結果を示す。
Figure 2018055925
表4から、実施例2−1〜2−5の水素感知素子300は、無水素化物状態と二水素化物状態の光透過率の差(ΔT)及び/又は光反射率の差(ΔRb)と、二水素化物状態と三水素化物状態の光透過率の差(ΔT)及び/又は光反射率の差(ΔRb)が、それぞれ5%以上であることがわかる。このため、実施例2−1〜2−5の水素感知素子300は、全く水素が漏洩していない状態、現時点では水素が漏洩していないが、過去に水素が漏洩した履歴を示す状態、現時点で水素が漏洩している状態を目視で判断することができる。
[実施例3]
本実施例では、触媒層20として、パラジウム・ルテニウム合金薄膜を用いた以外は、実施例1と同様にして、水素感知素子200を作製した。すなわち、透明基材40としての、ガラス基板上に、イットリウム・マグネシウム合金からなる水素感知層10、タンタルからなる拡散防止層50、パラジウム・ルテニウム合金からなる触媒層20が順次積層されている水素感知素子200を作製した。
具体的には、厚さ1mmのガラス基板(透明基材40)上に、順次、厚さ100nmのイットリウム・マグネシウム合金薄膜(水素感知層10)、厚さ2nmのタンタル薄膜(拡散防止層50)、組成比を変化させた厚さ3nmのパラジウム・ルテニウム合金薄膜(触媒層20)を成膜した。
次に、水素感知層10、拡散防止層50、触媒層20の成膜条件について説明する。
水素感知層10のイットリウム・マグネシウム合金薄膜、拡散防止層50のタンタル薄膜、触媒層20のパラジウム薄膜を成膜する際には、多元成膜が可能なマグネトロンスパッタ装置を用いた。このとき、5つのスパッタ銃に、ターゲットとして、それぞれ金属マグネシウム、金属イットリウム、金属タンタル、金属パラジウム及び金属ルテニウムをセットした。
最初に、ガラス基板(透明基材40)を洗浄した後、真空装置の中にガラス基板をセットしてチャンバー内を真空排気した。
次に、金属イットリウムと、金属マグネシウムのターゲットに、それぞれ60W及び4.7Wの電力を同時に印加して、組成式
0.85Mg0.15
で表わされるイットリウム・マグネシウム合金薄膜(水素感知層10)を成膜した。このとき、スパッタ中のアルゴンガス圧を0.3Paとし、直流スパッタ法により、それぞれのターゲットに630秒間印加することでスパッタした。
次に、水素感知層10を成膜するのと同一の真空条件で、金属タンタルのターゲットに20Wの電力を印加して、タンタル薄膜(拡散防止層50)を成膜した。
次に、金属パラジウムと、金属ルテニウムのターゲットに同時に電力を印加して、組成式
Pd1−xRu(x=0.2、0.4、0.6)
で表わされるパラジウム・ルテニウム合金薄膜(触媒層20)を成膜し、実施例3−1〜3−3の水素感知素子200を作製した。
表5に、実施例3−1〜3−3の水素感知素子200における触媒層20を成膜する際に、ターゲットに印加した電力、触媒層20の組成比及び膜厚を示す。
Figure 2018055925
以上の手順によって作製した水素感知素子200は、金属光沢の反射状態になっているが、パラジウム・ルテニウム合金薄膜の表面をアルゴンで4体積%に希釈した1気圧の水素含有ガスに曝すと、イットリウム・マグネシウム合金薄膜が水素化されることにより、イットリウムの三水素化物及びマグネシウムの二水素化物が生成し、透明状態に変化した。この状態で、パラジウム・ルテニウム合金薄膜の表面を大気に曝すと、イットリウムの三水素化物及びマグネシウムの二水素化物が脱水素化されることにより、イットリウムの二水素化物及びマグネシウムが生成し、反射状態に戻った。このように、水素感知素子200は、無水素化物状態から、三水素化物状態、二水素化物状態に変化することを確認した。さらに、水素感知素子200は、その後、イットリウムの二水素化物が水素化されること及びイットリウムの三水素化物が脱水素化されることにより、三水素化物状態と二水素化物状態の間で状態が可逆的に変化することを確認した。
[光学特性]
前述と同様にして、得られた水素感知素子200の光学特性を評価した。
表6に、水素感知素子200の光学特性の評価結果を示す。
Figure 2018055925
表6から、実施例3−1〜3−3の水素感知素子200は、無水素化物状態と二水素化物状態の光透過率の差(ΔT)及び/又は光反射率の差(ΔRb)と、二水素化物状態と三水素化物状態の光透過率の差(ΔT)及び/又は光反射率の差(ΔRb)が、それぞれ5%以上であることがわかる。このため、実施例3−1〜3−3の水素感知素子200は、全く水素が漏洩していない状態、現時点では水素が漏洩していないが、過去に水素が漏洩した履歴を示す状態、現時点で水素が漏洩している状態を目視で判断することができる。
本国際出願は、2016年9月23日に出願された日本国特許出願2016−185564号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2016−185564号の全内容を本国際出願に援用する。
10、12、14 水素感知層
20 触媒層
30 保護層
40 透明基材
50 拡散防止層
100、200、300、400、500 水素感知素子

Claims (11)

  1. 透明基材上に、三水素化物による透明状態と二水素化物による反射状態との間で状態が可逆的に変化する金属を含む水素感知層と、前記水素感知層における水素化及び脱水素化を促進する金属又は合金を含む触媒層とを備え、
    前記水素感知層に含まれる金属は、光学特性の異なる、無水素化物、二水素化物及び三水素化物の状態を有することを特徴とする水素感知素子。
  2. 前記水素感知層が希土類金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の水素感知素子。
  3. 前記水素感知層が、イットリウム又は一般式
    1−xMg(0<x<0.4)
    で表されるイットリウム・マグネシウム合金を含むことを特徴とする請求項2に記載の水素感知素子。
  4. 前記触媒層は、パラジウム、パラジウム合金、白金及び白金合金からなる群より選択される一種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の水素感知素子。
  5. 前記触媒層が、パラジウム又は一般式
    Pd1−xRu(0<x<0.7)
    で表されるパラジウム・ルテニウム合金を含むことを特徴とする請求項4に記載の水素感知素子。
  6. 前記水素感知層と前記触媒層との間に、拡散防止層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の水素感知素子。
  7. 前記触媒層に対して、前記水素感知層とは反対側に、保護層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の水素感知素子。
  8. 前記水素感知層の厚さが、10nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の水素感知素子。
  9. 前記触媒層の厚さが、1nm以上20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の水素感知素子。
  10. 前記透明基材は、ガラス基材又はプラスチック基材であることを特徴とする請求項1に記載の水素感知素子。
  11. 請求項1に記載の水素感知素子を備えることを特徴とする水素センサー。
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