JPWO2018051850A1 - 電池用電極の製造方法及び電池用電極の製造装置及び電池用電極及び電池 - Google Patents

電池用電極の製造方法及び電池用電極の製造装置及び電池用電極及び電池 Download PDF

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Abstract

ダイヘッドから塗出するスラリーの塗出量の制御が容易となり、所望とする塗工膜を得ることができ、リチウムイオン二次電池の性能向上に資することができる電池用電極の製造方法を提供するために、本発明電池用電極の製造方法は、スラリーを貯溜するタンク220と、ローラ270によって搬送されるシート基材203に対して、スラリーを吐出する塗出口を有するヘッド260と、開閉することによって前記ヘッド260へのスラリーの流入量を制御する塗工弁240と、開閉することによって前記タンク220へのスラリーの流入量を制御するリターン弁250と、前記タンクから圧送されるスラリーを前記塗工弁240及び前記リターン弁250の双方に供給する配管210と、を有する塗工装置200によって電池用電極を製造する方法であって、前記リターン弁250の弁体が弁座に対して水平または回転方向に作動する弁であり、前記塗工弁240の開度の制御、及び、前記リターン弁250の開度の制御を行うことで吐出するスラリーの量を調整するステップを有するものである。

Description

本発明は、ラミネート型のリチウムイオン二次電池の電極を製造する際、活物質などのスラリーをシート基材に塗工することで製造される電池用電極の製造方法及び電池用電極の製造装置、前記方法で製造した電池用電極、及びこのような電池用電極によりなる電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、小型化、軽量化が可能であって、エネルギー密度が大きいので、携帯機器の電源、電動自転車、電気自動車等の電源、あるいは商用電源のバックアップ用途で利用しており、性能向上のための様々な提案を見ることができる。
リチウムイオン二次電池では、帯状の集電体の表面に活物質粒子を含有するスラリーを連続的または間欠的に塗布し、乾燥した後に圧縮することで、活物質粒子相互、および活物質粒子と集電体との電気的接触抵抗を小さくし、更にはエネルギー密度を高めて電池の性能の向上を行っている。
リチウムイオン二次電池を例にとると、負極活物質層は、黒鉛をはじめとする炭素質粒子が主成分である場合には、正極活物質層は、リチウムマンガン複合酸化物粒子等のリチウム含有複合酸化物を利用している。
また、集電体などのシート基材に、活物質粒子を含有するスラリーを塗工する工程で用いられるダイコータなどの塗工装置については、例えば、特許文献1(特開2015−26471号公報)に開示されている。
特開2015−26471号公報
ここで、シート基材に、活物質粒子を含むスラリーを塗工する塗工装置200を用いて間欠塗工(シート基材203上に塗工膜207の形成区間(塗工部)と、非形成区間(未塗工部)とを交互に設ける塗工法)を行う構成の概略について説明する。図9は塗工装置200を模式的に示す図である。また、図10は塗工装置200における塗工弁240及びリターン弁250の動作を説明する図である。
間欠塗工における塗工装置200のスラリー205の流路には、ダイヘッド260と、ダイヘッド260に連結された塗工弁240と、ポンプ230、スラリー205を溜めるタンク220を有している。また、当該タンク220と塗工弁240との間に位置するリターン弁250とを有している。
塗工装置200において、タンク220はスラリー205の貯蔵部であると共に、ダイヘッド260にスラリー205を供給する供給部でもある。このようなタンク220は、不図示のメインタンクなどからスラリー205の供給を受けることができるようにしておくことが好ましい。
タンク220は、配管210によりダイヘッド260と接続されている。また、配管210には、送液手段であるポンプ230が設けられている。このポンプ230が動作することで、スラリー205がタンク220からダイヘッド260側(図中矢印方向)へと送り込まれるようになっている。
塗工装置200における配管210は分岐しており、分岐した一方側の配管210はダイヘッド260へと接続され、分岐した他方側の配管210はタンク220へと接続されるようになっている。
分岐した一方側の配管210の途中には塗工弁240が設けられている。また、分岐した他方側の配管210の途中にはリターン弁250が設けられている。リターン弁250は開状態であるときタンク220側にスラリー205を戻すことができるようになっている。また、塗工弁240は開状態であるとき、ダイヘッド260にスラリー205を供給する。
ダイヘッド260としては、例えば、スロットダイと呼ばれるものが用いられる。このダイヘッド260には、配管210からスラリー205が供給される流入口261が設けられている。また、ダイヘッド260にはマニホールド263と呼ばれる液溜り部が設けられている。流入口261から供給されたスラリー205は、このマニホールド263を介して塗出口265から吐出される。塗出口265は一定幅のスリット状をなしている。
シート基材203は、所定のテンションがかかった状態でバックロール270に張架されている。また、本発明に係る塗工装置200は回転するローラなどの搬送手段(不図示)を有しており、シート基材203は図中矢印方向に当該搬送手段によって搬送されるようになっている。シート基材203の搬送に伴い、バックロール270は回転するようになっている。
塗工弁240が開状態となることで、塗出口265からスラリー205が塗出され、シート基材203上に塗工膜207が形成される。この塗工膜207が形成された部分を塗工部と称する。一方、塗工弁240が閉状態である場合には、スラリー205は塗出されず、シート基材203上に未塗工部が形成される。このような塗工装置200によれば、シート基材203上に塗工部と未塗工部とを交互に形成することができるようになっている。また、このような塗工装置200による塗工方法を間欠塗工と称している。
塗工弁240は、スラリー205の塗工中でも弁の開閉を精度良く変化させることができ、リターン弁250の動作と組み合わせてスラリーの流路を制御することで、複雑な塗工状態を実現することが可能となる。
次に、塗工弁240とリターン弁250の内部構造及び動作を、図10を参照して説明する。ここで、塗工弁240とリターン弁250とは共通の構造を有しているが、動作については独立している。
塗工弁240及びリターン弁250は、弁箱241、251の内部の中央部に貫通穴242、252を有する弁座243、253が設けられており、この弁座243、253に接離可能な弁体247、257が配置されている。
弁体247、257にはシャフト246、256が一体的に形成されており、シャフト246、256にシリンダー245、255が接続されている。シリンダー245、255が作動すると、シャフト246、256を介して弁体247、257が、弁座243、253に近づいたり離れたりする方向(図中の上下方向)に移動させられる。
弁体247、257が当接している状態では、貫通穴242、252が弁体247、257によって塞がれて、塗工弁240及びリターン弁250は閉じた状態である。
一方、弁体247、257が弁座132から離れていると、貫通穴242、252が開放されて、塗工弁240及びリターン弁250は開いた状態である。そして、弁体247、257が弁座243、253から離れている距離に応じて塗工弁240及びリターン弁250の開度(開口量)が変わり、塗工弁240及びリターン弁250を通過するスラリーの量が変動する。
間欠塗工においては、塗工膜207の形成を開始するタイミングで、塗工弁240を開け、それと同時にリターン弁250を閉めて、塗工弁240からダイヘッド260にスラリー205を供給して、ダイヘッド260の塗出口265からシート基材203に対してスラリー205を塗出するようにしている。
より詳細には、図10に示すように、塗工弁240においては、弁体247を上昇させて貫通穴242から離間させると共に、リターン弁250においては、弁体257は下降させて貫通穴252を塞ぐような動作を行うこととなる。
このとき、スラリー205中に矢印に示すような圧力が掛かり、これにより、ダイヘッド260の塗出口265からシート基材203に対してスラリー205を塗出する圧力が想定よりも高まり、ダイヘッド260から塗出するスラリー205の塗出量の制御が困難になる、という問題があった。
さらに、シート基材203上に塗布するスラリー205の塗出量の制御ができないと、所望の塗工膜207を得ることができず、リチウムイオン二次電池の性能にも悪影響を与えてしまう、という問題もあった。
本発明は、上記のような問題を解決するものであって、本発明に係る電池用電極の製造方法は、スラリーを貯溜するタンクと、ローラによって搬送されるシート基材に対して、スラリーを吐出する塗出口を有するヘッドと、開閉することによって前記ヘッドへのスラリーの流入量を制御する塗工弁と、開閉することによって前記タンクへのスラリーの流入量を制御するリターン弁と、前記タンクから圧送されるスラリーを前記塗工弁及び前記リターン弁の双方に供給する配管と、を有する塗工装置によって電池用電極を製造する方法であって、前記リターン弁の弁体が弁座に対して水平または回転方向に作動する弁であり、前記塗工弁の開度の制御、及び、前記リターン弁の開度の制御を行うことで吐出するスラリーの量を調整するステップを有する。
また、本発明に係る電池用電極の製造方法は、前記塗工弁の弁体が弁座に対して垂直に作動する弁である。
また、本発明に係る電池用電極の製造方法は、前記塗工弁の開度を0%から増加させる時、前記リターン弁の開度を100%から減少させる。
また、本発明に係る電池用電極の製造方法は、前記塗工弁の開度を0%から100%に増加させる途中に開度を一定に保つ期間を設けた。
また、本発明に係る電池用電極の製造方法は、前記塗工弁の開度が0%となる時、前記リターン弁の開度が100%となるように、前記塗工弁の開度を減少させ、前記リターン弁の開度を増加させる。
また、本発明に係る電池用電極の製造装置は、スラリーを貯溜するタンクと、ローラによって搬送されるシート基材に対して、スラリーを吐出する塗出口を有するヘッドと、開閉することによって前記ヘッドへのスラリーの流入量を制御する塗工弁と、開閉することによって前記タンクへのスラリーの流入量を制御するリターン弁と、前記タンクから圧送されるスラリーを前記塗工弁及び前記リターン弁の双方に供給する配管と、を有する電池用電極を製造する装置であって、前記塗工弁の弁体が弁座に対して垂直に作動する弁であり、前記リターン弁の弁体が弁座に対して水平または回転方向に作動する弁である。
また、本発明に係る電池用電極の製造装置は、前記塗工弁の開度を0%から増加させる時、前記リターン弁の開度を100%から減少させる。
また、本発明に係る電池用電極の製造装置は、前記塗工弁の開度を0%から100%に増加させる途中に開度を一定に保つ期間を設けた。
また、本発明に係る電池用電極の製造装置は、前記塗工弁の開度が0%となる時、前記リターン弁の開度が100%となるように、前記塗工弁の開度を減少させ、前記リターン弁の開度を増加させる。
また、本発明に係る電池用電極は、前記のいずれかに記載の電池用電極の製造方法を用いて、シート基材上に、間欠的に設けられたスラリーにより活物質層を形成した。
また、本発明に係る電池用電極は、活物質層が、厚みが略一定の第1膜厚部と、第1膜厚部よりも厚さが薄い第2膜厚部と、からなり、活物質層が設けられている部分と、活物質層が設けられていない部分の境界に第2膜厚部が配された。
また、本発明に係る電池用電極は、活物質層が設けられている部分と、活物質層が設けられていない部分の境界に絶縁部材が配された。
また、本発明に係る電池は、前記のいずれかに記載の電池用電極を正極又は負極のいずれかとして用い、前記正極と前記負極とをセパレーターを介して積層した電極積層体と、電解液とが外装材の内部に収容されると共に、前記正極と導電接続された正極引き出しタブと、前記負極と導電接続された負極引き出しタブとが前記外装材の外部に引き出される。
本発明に係る電池用電極の製造方法・製造装置は、前記リターン弁の弁体が弁座に対して水平または回転方向に作動する弁であり、前記リターン弁の開閉時における弁体の移動が、前記塗工弁に影響を与えることがないので、このような本発明に係る電池用電極の製造方法・製造装置によれば、前記塗工弁、前記リターン弁の動作に伴うダイヘッド内におけるスラリーの圧力の変動を抑制することができ、ダイヘッドから塗出するスラリーの塗出量の制御が容易となり、所望とする塗工膜を得ることができ、リチウムイオン二次電池の性能向上に資することができる。
また、前記のような製造方法を用いて製造された、本発明に係る電池用電極によれば、電池の性能を向上させることができる。
また、前記のような電池用電極が用いられた、本発明に係る電池によれば、より性能を向上させた電池を提供することが可能となる。
電極積層体60における各構成の積層順序を説明する図である。 ラミネートフィルム外装材80内に封止される電極積層体60の構成を示す図である。 ラミネートフィルム外装材80で外装された電池100の斜視図である。 電池100における正極20の製造過程を説明する図である。 図4(C)のX−X’断面を示す図である。 本発明に係る電池用電極の製造方法で用いられる塗工装置200における塗工弁240及びリターン弁300の動作を説明する図である。 塗工装置200の塗工弁240及びリターン弁300の動作タイミングの一例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る電池用電極の製造方法で用いられる塗工装置200における塗工弁240及びリターン弁300の動作を説明する図である。 塗工装置200を模式的に示す図である。 塗工装置200における塗工弁240及びリターン弁250の動作を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の実施の形態は、以下に記載する実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の実施の形態の範囲に含まれ得るものである。
まず、本発明の製造方法・製造装置によって製造される電池用電極で構成される電池100について説明する。
図1は、本発明の製造方法・製造装置によって製造される正極20、負極30(電池用電極)と、セパレーター40とを積層することで得られる電極積層体60における各構成の積層順序を説明する図である。
図2はラミネートフィルム外装材80内に封止される電極積層体60の構成を示す図である。また、図3はラミネートフィルム外装材80で外装された電池100の斜視図である。
本実施形態においては、電池100として、リチウムイオンが負極30と正極20とを移動することにより充放電が行われる、電気化学素子の1種であるリチウムイオン二次電池を例に説明するが、本発明は他の種類の電池にも適用することができる。
本発明の実施形態に係る電池100は、複数の正極20と複数の負極30とがセパレーター40を介して積層された電極積層体60、および電解液(不図示)が、矩形のラミネートフィルム外装材80内に収容された構造となっている。
図1は電極積層体60における各構成の積層順序を説明する図である。図1に示すように、電極積層体60を構成する上では、正極20、負極30、セパレーター40が用いられている。
正極20は、矩形状の正極集電体本体部22と、正極集電体本体部22から延出する短冊状の正極集電体端子部24とを有している。正極20の集電体全体は、薄板状のアルミニウム板などからなり、正極集電体本体部22においては、リチウムニッケル複合酸化物等を含む正極活物質層26が両面に塗布されている。正極集電体端子部24は、正極活物質層26が塗布されていない未塗工部である。
また、負極30は、矩形状の負極集電体本体部32と、負極集電体本体部32から延出する短冊状の負極集電体端子部34とを有している。負極30の集電体全体は、薄板状のニッケル板又は銅板などからなり、負極集電体本体部32においては、グラファイト等を含む負極活物質層36が両面に塗布されている。負極集電体端子部34は、負極活物質36が塗布されていない未塗工部である。
正極活物質層26を構成し得る材料を、より詳しくすると、例えば、LiCoO、LiNiO、LiNi(1−x)CoO、LiNi(CoAl)(1−x)、LiMnO−LiMO(ここで、Mは遷移金属であり、例としてNi、Co、Fe、Crなどが挙げられる)、LiNi1/3Co1/3Mn1/3などの層状酸化物系材料や、LiMn、LiMn1.5Ni0.5、LiMn(2−x)などのスピネル系材料、LiMPOなどのオリビン系材料、LiMPOF、LiMSiOFなどのフッ化オリビン系材料、Vなどの酸化バナジウム系材料などが挙げられ、これらのうちの1種、または2種以上の混合物を使用することができる。
負極活物質層36を構成し得る材料を、より詳しくすると、例えば、黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどの炭素材料や、リチウム金属材料、シリコンやスズなどの合金系材料、NbやTiO などの酸化物系材料、あるいはこれらの複合物を用いることができる。
正極活物質層26及び負極活物質層36を構成し得る材料は、結着剤や導電助剤等を適宜加えた合剤であってよい。導電助剤としては、カーボンブラック、炭素繊維、または黒鉛などのうちの1種、または2種以上の組み合わせを用いることができる。また、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、変性アクリロニトリルゴム粒子などを用いることができる。
正極20の集電体の材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金等を用いることができ、特にアルミニウムが好ましい。また、負極30の集電体の材料としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金を用いることができる。
正極20においては、正極集電体端子部24側の端部と、正極集電体端子部24の一部に絶縁部材28が配されている。すなわち、正極活物質層26が塗布されている正極集電体本体部22と、正極活物質層26が塗布されていない正極集電体端子部24との間の境界部が絶縁部材28によって覆われるような構成となっている。
正極20は、セパレーター40を介して負極30と積層され、電極積層体60とされる。電極積層体60における積層状態が規定の積層状態からずれて、正極20と負極30の活物質層同士が接触し、正極20と負極30が短絡してしまうことを防止するために、絶縁部材28が設けられている。
上記のような絶縁部材28には、ポリイミド、ガラス繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、或いはこれらを含む材料を用いることができる。正極活物質層26が塗布されている部分と、塗布されていない部分との境界に、前記のような材料からなるテープ状の樹脂部材に熱を加えて、溶着させたり、ゲル状の樹脂を当該境界に塗布してから乾燥させたりすることで、絶縁部材28を形成することができる。
セパレーター40は、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂から作られた、多孔膜、マイクロポーラスフィルム(微多孔フィルム)、不織布あるいは織布など、電解液を含浸することができる矩形のシート状の部材である。
ここで、電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類や、エチレンメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類や、脂肪族カルボン酸エステル類や、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類や、鎖状エーテル類、環状エーテル類、などの有機溶媒のうちの1種、または2種以上の混合物を使用することができる。さらに、これらの有機溶媒にリチウム塩を溶解させることができる。
セパレーター40は主に樹脂製の多孔膜、織布、不織布等からなり、その樹脂成分として、例えばポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、またはナイロン樹脂等を用いることができる。特にポリオレフィン系の微多孔膜は、イオン透過性と、正極と負極とを物理的に隔離する性能に優れているため好ましい。また、必要に応じて、セパレーター40には無機物粒子を含む層を形成してもよく、無機物粒子としては、絶縁性の酸化物、窒化物、硫化物、炭化物などを挙げることができ、なかでもTiOやAlを含むことが好ましい。
上記のような各構成が、電極積層体60として積層されると、正極20に形成された正極集電体端子部24の全ては、負極30に形成された負極集電体端子部34の全ては、それぞれ超音波溶着などにより互いに固着される。
さらに、図2に示すように、正極20の負極集電体端子部34は、正極引き出しタブ120に導電接続され、また、負極30の負極端子部は、負極引き出しタブ130に導電接続される。
正極引き出しタブ120にはアルミニウムやアルミニウム合金で構成されたものが用いられ、負極引き出しタブ130にはニッケルまたは銅、銅合金が用いられる。負極引き出しタブ130を銅や銅合金の板で構成する場合、表面にニッケルめっきを施してもよい。
また、上記のような各構成が、電極積層体60として積層されると、図2に示すように、電極積層体60の対向する2辺側の2箇所において接着テープ65などによる固着を行い、積層状態の保持を確実とするようにすることが好ましい。
図2に示されるように形成された電極積層体60及び電解液(不図示)は、正極引き出しタブ120及び負極引き出しタブ130が引き出された状態で、ラミネートフィルム外装材80内に封止され、図3に示されるような電池100とされる。
本実施形態では、ラミネートフィルム外装材80は、電極積層体60をその積層方向両側から挟んで包囲する2枚のラミネートフィルムからなり、電極積層体60の周囲で重なり合った対向面同士における第1辺111、第2辺112、第3辺113、第4辺114を熱溶着し、熱溶着部(封止領域)81を形成することで、電極積層体60が電解液(不図示)と共に封止されている。ラミネートフィルム外装材80において、第1辺111からは正極引き出しタブ120が、また、第2辺112からは負極引き出しタブ130が引き出される。
なお、本実施形態では、2枚のラミネートフィルムで電極積層体60と電解液(不図示)とを封止する構成としたが、1枚のラミネートフィルを折り返すようにして電極積層体60と電解液(不図示)とを封止する構成としてもよい。
ラミネートフィルム外装材80を構成するラミネートフィルムとしては、柔軟性を有しており、かつ電解液が漏洩しないように、電極積層体60と電解液(不図示)を封止できるものであれば、この種のフィルム外装電池に一般に用いられるフィルムを用いることができる。
ラミネートフィルム外装材80に用いられるラミネートフィルムの代表的な層構成としては、金属薄膜層と熱溶着性樹脂層とを積層し、さらに、金属薄膜層の熱溶着性樹脂層と反対側の面にさらに、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルやナイロン等のフィルムからなる保護用樹脂層を積層した構成が挙げられる。電極積層体60、電解液を封止するに際しては、熱溶着性樹脂層を対向させて電極積層体60を包囲する。
金属薄膜層としては、例えば、厚さ10μm〜100μmの、Al、Ti、Ti合金、Fe、ステンレス、Mg合金などの箔を用いることができる。
熱溶着性樹脂層に用いられる樹脂としては、熱溶着が可能な樹脂であれば特に制限はなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、これらの酸変成物、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル等、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが使用できる。熱溶着性樹脂層の厚さは10μm〜200μmが好ましく、より好ましくは30μm〜100μmである。
ラミネートフィルム外装材80の内面は、ラミネートフィルム外装材80の上記のような熱溶着性樹脂層となる。一方、電極積層体60においては、最外層には必ず負極30となるように、積層順が規定されている。したがって、電池100においては、電極積層体60の負極30と、ラミネートフィルム外装材80内面(熱溶着性樹脂層)とが当接した状態した状態となっている。
以上のように構成される電池100における正極20の製造過程を、図4を参照して説明する。なお、以下、正極20の製造過程を例に挙げ説明を行うが、負極30の製造過程は、材料が変更される点と、絶縁部材28が形成されていない点を除けば、正極20の製造過程と略同一である。
図4に示す正極20の製造過程において(A)→(B)→(C)の順序で正極20の製造が進められる。また、シート基材203は正極20の集電体(正極集電体本体部22及び正極集電体端子部24)の前駆体となる基材であり、塗工膜207は塗工装置200から塗出されるスラリー205によって形成される所定厚さを有する膜であり、正極20における正極活物質層26の前駆体である。図4においては、シート基材203の表面の製造過程のみが図示されているが、シート基材203の裏面にも同様の塗工膜207が塗工装置200によって形成されるものである。
図4(A)は、塗工装置200から間欠的にスラリー205を塗出して、シート基材203上に、塗工膜207が形成されている塗工部と、塗工膜207が形成されていない未塗工部とを交互に形成する様子を示している。塗工膜207は、所定の膜厚を有するシート基材203上のスラリー205によって形成されるものである。
塗工装置200において、シート基材203は、図中の矢印方向に進行するように設定されている。さらに、塗工装置200は、スラリー205を塗出する塗出口265が設けられたダイヘッド260を有している。この塗出口265の長手方向は、シート基材203の進行方向に対して垂直となるように設定されている。この塗出口265から、スラリー205を間欠的となるように塗出することで、図4(A)に示すように、シート基材203上にスラリー205による塗工膜207の塗工部と、未塗工部とを交互に形成する。
塗工装置200によって、シート基材203上に塗工膜207が形成されると、所定の乾燥工程などを経て、続いて、図4(B)に示す工程へと進む。
図4(B)の工程においては、シート基材203上における塗工膜207の塗工部と、未塗工部と間の境界部に絶縁部材28が、不図示の装置によって施される。このような装置においては、例えばポリプロピレンなどのテープ状の樹脂部材に熱を加えて、溶着させることで、前記境界部に絶縁部材28を形成することができる。
続く、図4(C)は不図示の切断装置を用い、シート基材203から点線で示す範囲を切り出すことによって、正極20を得る工程を示している。正極20の製造過程において、シート基材203上の塗工膜207として言及した箇所は、以降、正極活物質層26と称することとする。また、シート基材203は、正極20の集電体(正極集電体本体部22、正極集電体端子部24)と称することとする。
図5は、図4(C)のX−X’断面を示す図である。ここでは、正極20の正極活物質層26は、正極活物質層26の塗り始めや塗り終わり部分を除いた中央部であって、全体の平均膜厚とほぼ同等であって概ね一定の厚さを有し、正極活物質層26の面積の大半を占める第1膜厚部26aと、正極活物質26の一端部に位置し第1膜厚部26aよりも厚さが薄い第2膜厚部26bとを有するものを例示している。
図4及び図5を参照すると分かるように、第2膜厚部26bは、正極活物質層26となるスラリー205を正極集電体の前駆体であるシート基材203上に塗布する際の塗り始めの部分である。
第2膜厚部26bの厚さと、一部がこの第2膜厚部26bの上に配置される絶縁部材28との厚さの和は、第1膜厚部26aの平気厚さ以下となるように、第1膜厚部26a及び第2膜厚部26bの厚さが設定されている。このように厚さが設定されているために、電極積層体60を形成する際、正極20を複数枚用いたとしても、絶縁部材28による電極積層体60の厚さの不均一を生ずることがない。
また、本実施形態に係る電池100の正極20を製造する上では、シート基材203上にスラリー205を塗布する際、未塗工部から、層厚が薄い第2膜厚部26bが形成され、さらにそれに連続して、層厚が厚い第1膜厚部26aが形成されることを想定して、塗工膜207を形成していく必要がある。このため、特に、塗工膜207形成時の開始端部における塗工装置200による塗工膜207の膜厚制御が非常に重要であることがわかる。
ところで、間欠塗工においては、塗工膜207の形成を開始するタイミングで、塗工弁240を開け、それと同時にリターン弁250を閉めて、塗工弁240からダイヘッド260にスラリー205を供給して、ダイヘッド260の塗出口265からシート基材203に対してスラリー205を塗出するようにしている。
より詳細には、図10に示すように、塗工弁240においては、弁体247を上昇させて貫通穴242から離間させると共に、リターン弁250においては、弁体257は下降させて貫通穴252を塞ぐような動作を行うこととなる。
このとき、スラリー205中に矢印に示すような圧力が掛かり、これにより、ダイヘッド260の塗出口265からシート基材203に対してスラリー205を塗出する圧力が想定よりも高まり、ダイヘッド260から塗出するスラリー205の塗出量が不安定になるおそれがあった。
さらに、シート基材203上に塗布するスラリー205の塗出量の制御ができないと、所望の塗工膜207を得ることができず、リチウムイオン二次電池の性能にも悪影響を与えてしまう可能性もあった。
このような製造方法によると、特に、シート基材203上にスラリー205の塗布を開始するタイミングでのスラリー205の塗出量の制御、そしてそれに伴う、塗工膜207の膜厚の制御が不安になる可能性がある上、層厚が薄い第2膜厚部26bを形成する場合には、いっそう複雑な制御によって塗工膜207を形成する必要があった。
このような課題を解決するために、本発明に係る電池用電極の製造方法で用いる塗工装置200においては、リターン弁の弁体が弁座に対して水平または回転方向に作動する弁である弁構造を有するものが採用されることを特長としている。
図6は本発明に係る電池用電極の製造方法で用いられる塗工装置200における塗工弁240及びリターン弁300の動作を説明する図である。
本発明で用いる塗工装置200の塗工弁240は、塗工弁の弁体が弁座に対して垂直に作動する弁である。すなわち、塗工弁240としては、弁座243に設けられた貫通穴242を、弁体247が塞いだり開いたりすることで、流量を制御するものであって、玉形弁などが用いられる。
一方、リターン弁300としては、リターン弁の弁体が弁座に対して水平または回転方向に作動する弁であり、仕切弁やボール弁などが挙げられる。図6は仕切弁を模式的に表したものである。本実施形態では図6に示すように、リターン弁300としては、弁箱301内に設けられ仕切弁体307が、弁箱301内のスラリー205の流れを仕切ることで、流量を制御する仕切弁が用いられる。このような仕切弁は、流量の制御において水撃作用のような高圧を発生させにくいというだけでなく、配管を通じて接続されている塗工弁への流量の変動までも極めて小さくできることが明らかとなった。
リターン弁300で用いられる仕切弁においては、スラリー205の流れに対して、略垂直方向から仕切弁体307が抜き差しされることで、スラリー205の流量が制御されることから、リターン弁300の開閉時、図10の矢印に示したような圧力がスラリー205中に発生することがなく、ダイヘッド260からシート基材203上に塗出するスラリー205の塗出量の制御が容易となり、これに伴い、シート基材203上に塗布するスラリー205の膜厚の制御も容易となる。
次に、以上のように構成される、本発明で用いる塗工装置200の塗工弁240及びリターン弁300の制御について説明する。
図7は塗工装置200の塗工弁240及びリターン弁300の動作タイミングの一例を示す図である。図7で示す動作タイミングは、図4及び図5で示した塗工膜207(正極活物質層26)を形成する際のものである。すなわち、シート基材203上に、未塗工部から、層厚が薄い第2膜厚部26bが形成され、さらにそれに連続して、層厚が厚い第1膜厚部26aが形成されることを想定して、塗工膜207を形成する際の動作タイミングを示すものである。
なお、図7において、開度0[%]とは流路が完全に遮断される弁の開度を言う。一方、開度100[%]とは、流量が100[%]であるものとして使用者が想定しているときの弁の開度を言い、弁自体の性能としての開度100[%]を言うのではない。
以下、図7を時系列で説明する。図7の横軸は時間軸を示している。また、図7の上段は塗工弁240の開度を、また、下段はリターン弁300の開度をそれぞれ示している。
シート基材203上に塗工膜207の塗工を開始しようとする瞬間(t)においては、塗工弁240の開度を0%から増加させると同時に、リターン弁300の開度を100%から減少させるようにしている。
なお、以下、時間tのサフィックスの数字が小さいほど、経過時間が少ないときの時間であるものとする。
においては、塗工弁240の開度上昇は一端停止し、開度一定とする。これにより、第2膜厚部26bに相当する塗工膜207を形成するようにする。一方、tで開度100%から開度を減少させていたリターン弁300の開度はtにおいて0%となる。
塗工弁240で開度一定とされていた開度は、tにおいて再び増加させて、tで開度100%として、第1膜厚部26aに相当する塗工膜207を形成するようにする。
第1膜厚部26aに相当する塗工膜207を形成する期間を終了するために塗工弁240の開度を100%から減少させるタイミングより若干早いタイミングであるtにおいて、リターン弁300の開度を0%から上昇させる。
一方、塗工弁240の開度は、tで100%から減少を開始させる。塗工弁240の開度が0%となるタイミング、及び、リターン弁300の開度が100%となるタイミングは、tで一致するように制御される。
以上のような塗工弁240及びリターン弁300の動作タイミングによって、シート基材203上に、未塗工部から、層厚が薄い第2膜厚部26b、さらにそれに連続した、層厚が厚い第1膜厚部26aを想定した塗工膜207を形成することが可能となる。
以上、本発明に係る電池用電極の製造方法・製造装置は、前記塗工弁240が玉形弁であり、前記リターン弁300が仕切弁であり、前記仕切弁の開閉時における仕切弁体の移動が、前記塗工弁240に影響を与えることがないので、このような本発明に係る電池用電極の製造方法・製造装置によれば、前記塗工弁240、前記リターン弁300の動作に伴うダイヘッド260内におけるスラリー205の圧力の変動を抑制することができ、ダイヘッド260から塗出するスラリー205の塗出量の制御が容易となり、所望とする塗工膜を得ることができ、リチウムイオン二次電池の性能向上に資することができる。
また、前記のような製造方法を用いて製造された、本発明に係る電池用電極によれば、電池100の性能を向上させることができる。
また、前記のような電池用電極が用いられた、本発明に係る電池によれば、より性能を向上させた電池100を提供することが可能となる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図8は本発明の他の実施形態に係る電池用電極の製造方法で用いられる塗工装置200における塗工弁240及びリターン弁300の動作を説明する図である。
他の実施形態で用いる塗工装置200が、先の図6に示した塗工装置200と相違する点は、リターン弁300において仕切弁体307が複数設けられる点のみで、その他の構成は同様である。他の実施形態で用いる塗工装置200においては、2つの仕切弁体307が、弁箱301内のスラリー205の流れを仕切る構成となっているが、3つ以上の仕切弁体307によって、弁箱301内のスラリー205の流れを仕切るようにしてもよい。
他の実施形態に係るリターン弁300で用いられる仕切弁においては、スラリー205の流れに対して、略垂直方向から、複数の仕切弁体307が抜き差しされることで、先の実施形態の場合より、より精密な流量制御を可能とするものである。
このような他の実施形態によれば、ダイヘッド260から塗出するスラリー205の塗出量の制御が非常に容易となり、所望とする塗工膜を得ることができ、リチウムイオン二次電池の性能向上に資することができる。
産業上の利用性
本発明は、小型化、軽量化が可能で、エネルギー密度が大きいリチウムイオン二次電池などの電池用電極の製造方法・製造装置に関するものである。従来、電池用電極の製造方法・製造装置においては、活物質粒子を含有するスラリーを、集電体などのシート基材上へ塗布する際、スラリー塗出量の制御が難しく、所望の塗工膜を得ることができず、リチウムイオン二次電池の性能にも悪影響を与えてしまう、という問題があった。
これに対して、本発明に係る電池用電極の製造方法・製造装置は、リターン弁の弁体が弁座に対して水平または回転方向に作動する弁であり、リターン弁の開閉時における弁体の移動が、塗工弁に影響を与えることがないので、このような本発明に係る電池用電極の製造方法・製造装置によれば、前記塗工弁、前記リターン弁の動作に伴うダイヘッド内におけるスラリーの圧力の変動を抑制することができ、ダイヘッドから塗出するスラリーの塗出量の制御が容易となり、所望とする塗工膜を得ることができ、リチウムイオン二次電池の性能向上に資することができる。
20・・・正極
22・・・正極集電体本体部
24・・・正極集電体端子部
26・・・正極活物質層
26a・・・第1膜厚部
26b・・・第2膜厚部
28・・・絶縁部材
30・・・負極
32・・・負極集電体本体部
34・・・負極集電体端子部
36・・・負極活物質層
40・・・セパレーター
60・・・電極積層体
65・・・接着テープ
80・・・ラミネートフィルム外装材
81・・・熱溶着部(封止領域)
100・・・電池
110・・・電池本体部
111・・・第1辺
112・・・第2辺
113・・・第3辺
114・・・第4辺
120・・・正極引き出しタブ
130・・・負極引き出しタブ
200・・・塗工装置
203・・・シート基材
205・・・スラリー
207・・・塗工膜
210・・・配管
220・・・タンク
230・・・ポンプ
240・・・塗工弁
241・・・弁箱
242・・・貫通穴
243・・・弁座
245・・・シリンダー
246・・・シャフト
247・・・弁体
250・・・リターン弁
251・・・弁箱
252・・・貫通穴
253・・・弁座
255・・・シリンダー
256・・・シャフト
257・・・弁体
260・・・ダイヘッド
261・・・流入口
263・・・マニホールド
265・・・塗出口
270・・・バックロール
300・・・リターン弁
301・・・弁箱
307・・・仕切弁体

Claims (13)

  1. スラリーを貯溜するタンクと、
    ローラによって搬送されるシート基材に対して、スラリーを吐出する塗出口を有するヘッドと、
    開閉することによって前記ヘッドへのスラリーの流入量を制御する塗工弁と、
    開閉することによって前記タンクへのスラリーの流入量を制御するリターン弁と、
    前記タンクから圧送されるスラリーを前記塗工弁及び前記リターン弁の双方に供給する配管と、
    を有する塗工装置によって電池用電極を製造する方法であって、
    前記リターン弁の弁体が弁座に対して水平または回転方向に作動する弁であり、
    前記塗工弁の開度の制御、及び、前記リターン弁の開度の制御を行うことで吐出するスラリーの量を調整するステップを有する電池用電極の製造方法。
  2. 前記塗工弁の弁体が弁座に対して垂直に作動する弁である請求項1に記載の電池用電極の製造方法。
  3. 前記塗工弁の開度を0%から増加させる時、
    前記リターン弁の開度を100%から減少させる請求項1又は請求項2に記載の電池用電極の製造方法。
  4. 前記塗工弁の開度を0%から100%に増加させる途中に開度を一定に保つ期間を設けた請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電池用電極の製造方法。
  5. 前記塗工弁の開度が0%となる時、前記リターン弁の開度が100%となるように、
    前記塗工弁の開度を減少させ、前記リターン弁の開度を増加させる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電池用電極の製造方法。
  6. スラリーを貯溜するタンクと、
    ローラによって搬送されるシート基材に対して、スラリーを吐出する塗出口を有するヘッドと、
    開閉することによって前記ヘッドへのスラリーの流入量を制御する塗工弁と、
    開閉することによって前記タンクへのスラリーの流入量を制御するリターン弁と、
    前記タンクから圧送されるスラリーを前記塗工弁及び前記リターン弁の双方に供給する配管と、
    を有する電池用電極を製造する装置であって、
    前記塗工弁の弁体が弁座に対して垂直に作動する弁であり、
    前記リターン弁の弁体が弁座に対して水平または回転方向に作動する弁である電池用電極の製造装置。
  7. 前記塗工弁の開度を0%から増加させる時、
    前記リターン弁の開度を100%から減少させる請求項6に記載の電池用電極の製造装置。
  8. 前記塗工弁の開度を0%から100%に増加させる途中に開度を一定に保つ期間を設けた請求項6又は請求項7に記載の電池用電極の製造装置。
  9. 前記塗工弁の開度が0%となる時、前記リターン弁の開度が100%となるように、
    前記塗工弁の開度を減少させ、前記リターン弁の開度を増加させる請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の電池用電極の製造装置。
  10. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電池用電極の製造方法を用いて、
    シート基材上に、間欠的に設けられたスラリーにより活物質層を形成した電池用電極。
  11. 活物質層が、厚みが略一定の第1膜厚部と、第1膜厚部よりも厚さが薄い第2膜厚部と、からなり、
    活物質層が設けられている部分と、活物質層が設けられていない部分の境界に第2膜厚部が配された請求項10に記載の電池用電極。
  12. 活物質層が設けられている部分と、活物質層が設けられていない部分の境界に絶縁部材が配された請求項10又は請求項11に記載の電池用電極。
  13. 請求項10乃至12のいずれか1項に記載の電池用電極を正極又は負極のいずれかとして用い、
    前記正極と前記負極とをセパレーターを介して積層した電極積層体と、電解液とが外装材の内部に収容されると共に、
    前記正極と導電接続された正極引き出しタブと、前記負極と導電接続された負極引き出しタブとが前記外装材の外部に引き出される電池。
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