JPWO2018020994A1 - マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法、半導体デバイスの製造方法、マスクブランク用基板、マスクブランク及び転写用マスク - Google Patents

マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法、半導体デバイスの製造方法、マスクブランク用基板、マスクブランク及び転写用マスク Download PDF

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Abstract

ハイスペックのマスクブランク用基板を用いずに比較的疎な転写パターンを有する転写用マスクを製造し、その転写用マスクを高NAの露光装置のマスクステージにセットし、ウェハ上のレジスト膜に露光転写した場合でもフォーカスエラーを起こしにくくすることが可能な、マスクブランク用基板、マスクブランク及び転写用マスクを提供することである。また、これらの製造方法を提供することである。
基板の主表面(P)に正方形算出領域(TA)を設定し、算出領域(TA)の隅部にそれぞれ特定点(A〜D)を設定し、特定点(A〜D)の基準平面からの高さを取得し、特定点(A〜D)のうち3点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ基準平面に垂直である垂線と仮想平面との交点を設定し、残りの特定点と当該交点との距離を算出し、当該距離が事前に設定され基準を満たす基板をマスクブランク用基板として選定する。

Description

本発明は、マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法、半導体デバイスの製造方法、マスクブランク用基板、マスクブランク及び転写用マスクに関する。
近年、半導体デバイスの微細化に対応するためにArF露光光を使用する露光装置の高NA(Numerical Aperture)化が進み、さらに液浸露光技術が導入されることによってさらなる高NA化が進んできている。露光装置を高NA化することによって、転写用マスクに設けられた微細パターンをウェハ上のレジスト膜に露光転写するときの解像性が向上する。ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置は、転写用マスクとウェハとを露光光が走査することによって、転写用マスクの転写パターンをウェハ上のレジスト膜に露光転写する。
しかし、走査中の転写用マスク面とウェハ面のフォーカス調整を行わなければ、フォーカスエラーが発生し、結像位置がベストフォーカスから大きくずれてしまうため、レジスト膜での転写パターンの解像性が大きく低下する。
特許文献1に開示されているように、露光装置の高NA化に伴い、焦点深度(DOF:Depth Of Focus)が小さくなってきている。焦点深度が小さいとベストフォーカスからのずれの許容範囲が小さくなるため、フォーカス管理が非常に厳しくなっている。また、特許文献2に開示されているように、焦点深度が小さくなっていることによって発生しやすくなっているフォーカスエラーを低減するために、露光転写時における転写用マスク(基板)の平坦度を良好な状態にすることが必要とされている。そして、特許文献2では、フォトマスクブランク用基板(転写用マスクの基板)のマスクパターン(転写パターン)を形成する上面(主表面)の形状が、その上面に一対の帯状領域(または四角リング形状領域)を設定したとき、その帯状領域(または四角リング形状領域)が基板外周に向かって各々下向きに傾斜しているとともに、その帯状領域(または四角リング形状領域)内における高さの最大値と最小値との差が0.5μm以下である形状が好適であることを開示している。
特開2009−272387号公報 特開2005−043838号公報
特許文献2に開示されている転写用マスク用の基板(マスクブランク用基板)は、高NAの露光装置でなければウェハ上のレジスト膜に解像させることが困難な程度の微細なパターンを有する転写用マスクに適用可能なマスクブランク用基板である。
このようなマスクブランク用基板は、主表面(転写パターン形成用の薄膜が設けられる側である一方の表面)の平坦度が高く、さらに主表面形状に関する厳しい条件を満たすハイスペックの基板である。従来の複数の基板を同時に両面研磨する工程を多段階で行う製法によってマスクブランク用基板を製造する場合、上記のハイスペックのマスクブランク用基板が取得できる比率は小さい。このため、ハイスペックのマスクブランク用基板はそれ以外のマスクブランク用基板に比べて一般に高価である。
一般に、半導体デバイスは、ウェハ上にレイヤーおよびレジスト膜を形成し、転写用マスクによるレジスト膜へのパターンの露光転写を行い、そのレジスト膜の現像処理等を行ってレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをマスクとするエッチングによってレイヤーにパターンを形成するという工程を繰り返し行うことで製造される。従って、レイヤーごとに少なくとも1枚の転写用マスクが必要になる。半導体デバイスを製造するためには、その半導体デバイスの各レイヤーの転写用マスクを全てセットにした転写用マスクセットを製造する必要がある。
半導体デバイスにおける全てのレイヤーが、高NAの露光装置でなければウェハ上のレジスト膜に解像させることが困難な程度の微細なパターンを有しているわけではなく、比較的疎なパターンを有するレイヤーも存在する。よって、1つの転写用マスクセットの中に、このような微細なパターンを有する転写用マスクと、比較的疎な転写パターンを有する転写用マスクが混在する。このような比較的疎な転写パターンを有する転写用マスクは、ハイスペックではないマスクブランク用基板、すなわち、平坦度がさほど高くないマスクブランク用基板から製造しても、ウェハ上のレジスト膜にパターンを解像させることが可能である。
しかし、このようにハイスペックではないマスクブランク用基板を用いて製造された、比較的疎な転写パターンを有する転写用マスクを、高NAの露光装置のマスクステージにセットし、ウェハ上のレジスト膜に露光転写を行うと、フォーカスエラーが起きやすく、問題となっていた。一方、ある程度微細な転写パターンを有する転写用マスクについても、ハイスペックではないマスクブランク用基板を用いて製造し、高NAの露光装置のマスクステージにセットして使用することが検討され始めている。この場合においても、その転写用マスクを、高NAの露光装置のマスクステージにセットし、ウェハ上のレジスト膜に露光転写を行うと、フォーカスエラーが起きやすく、問題となっていた。
本発明は上記の課題を解決する手段として、以下の構成を有する。
(構成1)
対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクの製造に用いられるマスクブランク用基板の製造方法であって、
前記基板の一方の主表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、前記算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定する工程と、
基準平面からの高さを前記全ての前記特定点で取得する工程と、
前記全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ前記基準平面に垂直である垂線と前記仮想平面との交点を設定し、前記残りの特定点と前記交点との距離を算出する工程と、
前記算出された距離が0.2μm未満である基板をマスクブランク用基板として選定する工程と、
を有することを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
(構成2)
前記算出領域は、前記基板の中心を基準とする一辺が146mmの正方形の領域と同一あるいはそれよりも小さい領域であることを特徴とする構成1記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成3)
前記基板の一方の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して前記測定点の前記基準平面からの高さを取得したとき、前記算出領域内の前記特定点および前記測定点における前記基準平面からの高さの最高値から最低値を差し引いた差が0.2μmよりも大きいことを特徴とする構成1または2に記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成4)
前記基準平面は、前記基板の一方の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して表面形状測定装置で測定することによって得られた前記表面形状測定装置の参照平面を基準とする前記測定点の高さ情報に基づいて最小二乗法により近似した最小二乗平面であることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成5)
前記一方の主表面は、二乗平均平方根粗さRqが0.25nm以下であることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成6)
構成1から5のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法で製造されたマスクブランク用基板の前記一方の主表面に前記転写パターン形成用の薄膜を設ける工程を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(構成7)
対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクの製造方法であって、
前記薄膜が設けられた基板の前記薄膜の表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、前記算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定する工程と、
基準平面からの高さを全ての前記特定点で取得する工程と、
前記全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ前記基準平面に垂直である垂線と前記仮想平面との交点を設定し、前記残りの特定点と前記交点との距離を算出する工程と、
前記算出された距離が0.2μm未満である、前記薄膜が設けられた基板をマスクブランクとして選定する工程と
を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(構成8)
前記算出領域は、前記基板の中心を基準とする一辺が146mmの正方形の領域と同一あるいはそれよりも小さい領域であることを特徴とする構成7記載のマスクブランクの製造方法。
(構成9)
前記薄膜の表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して前記測定点の前記基準平面からの高さを取得したとき、前記算出領域内の前記特定点および前記測定点における前記基準平面からの高さの最高値から最低値を差し引いた差が0.2μmよりも大きいことを特徴とする構成7または8に記載のマスクブランクの製造方法。
(構成10)
前記基準平面は、前記薄膜の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して表面形状測定装置で測定することによって得られた前記表面形状測定装置の参照平面を基準とする前記測定点の高さ情報に基づいて最小二乗法により近似した最小二乗平面であることを特徴とする構成7から9のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
(構成11)
構成6から10のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法で製造されたマスクブランクの前記薄膜に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(構成12)
対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクの製造に用いられるマスクブランク用基板であって、
前記基板は、前記一方の主表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、前記算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定し、基準平面からの高さを全ての前記特定点で取得し、前記全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ前記基準平面に垂直である垂線と前記仮想平面との交点を設定し、前記残りの特定点と前記交点との距離を算出したとき、前記算出された距離が0.2μm未満であることを特徴とするマスクブランク用基板。
(構成13)
前記算出領域は、前記基板の中心を基準とする一辺が146mmの正方形の領域と同一あるいはそれよりも小さい領域であることを特徴とする構成12記載のマスクブランク用基板。
(構成14)
前記基板の一方の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して前記測定点の前記基準平面からの高さを取得したとき、前記算出領域内の前記特定点および前記測定点における前記基準平面からの高さの最高値から最低値を差し引いた差が0.2μmよりも大きいことを特徴とする構成12または13に記載のマスクブランク用基板。
(構成15)
前記基準平面は、前記基板の一方の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して表面形状測定装置で測定することによって得られた前記表面形状測定装置の参照平面を基準とする前記測定点の高さ情報に基づいて最小二乗法により近似した最小二乗平面であることを特徴とする構成12から14のいずれかに記載のマスクブランク用基板。
(構成16)
前記一方の主表面は、二乗平均平方根粗さRqが0.25nm以下であることを特徴とする構成12から15のいずれかに記載のマスクブランク用基板。
(構成17)
構成12から16のいずれかに記載のマスクブランク用基板の前記一方の主表面に前記転写パターン形成用の薄膜を備えることを特徴とするマスクブランク。
(構成18)
対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクであって、
前記マスクブランクは、前記薄膜の表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、前記算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定し、基準平面からの高さを全ての前記特定点で取得し、前記全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ前記基準平面に垂直である垂線と前記仮想平面との交点を設定し、前記残りの特定点と前記交点との距離を算出したとき、前記算出された距離が0.2μm未満であることを特徴とするマスクブランク。
(構成19)
前記算出領域は、前記基板の中心を基準とする一辺が146mmの正方形の領域と同一あるいはそれよりも小さい領域であることを特徴とする構成18記載のマスクブランク。
(構成20)
前記薄膜の表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して前記測定点の前記基準平面からの高さを取得したとき、前記算出領域内の前記特定点および前記測定点における前記基準平面からの高さの最高値から最低値を差し引いた差が0.2μmよりも大きいことを特徴とする構成18または19に記載のマスクブランク。
(構成21)
前記基準平面は、前記薄膜の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して表面形状測定装置で測定することによって得られた前記表面形状測定装置の参照平面を基準とする前記測定点の高さ情報に基づいて最小二乗法により近似した最小二乗平面であることを特徴とする構成18から20のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成22)
構成17から21のいずれかに記載のマスクブランクの前記薄膜に転写パターンが設けられていることを特徴とする転写用マスク。
(構成23)
構成11記載の転写用マスクの製造方法で製造された転写用マスクを露光装置のマスクステージにセットし、リソグラフィ法により前記転写用マスクの転写パターンを半導体基板上に転写することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
(構成24)
構成22記載の転写用マスクを露光装置のマスクステージにセットし、リソグラフィ法により前記転写用マスクの転写パターンを半導体基板上に転写することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
本発明のマスクブランク用基板の製造方法またはマスクブランクの製造方法によれば、これらの製造方法で製造されたマスクブランク用基板またはマスクブランクを用いて製造された転写用マスクは、高NAの露光装置で露光転写を行ったときのフォーカスエラーが発生しにくい。また、本発明のマスクブランク用基板またはマスクブランクによれば、このマスクブランク用基板またはマスクブランクを用いて製造された転写用マスクは、高NAの露光装置で露光転写を行ったときのフォーカスエラーが発生しにくい。
本発明の実施形態における、基板の主表面及び算出領域の一例を示した概略平面図である。 本発明の実施形態における、基板の主表面、仮想平面及び基準平面を示す概略断面図である。 本発明の実施形態における、基準平面を基準とする平坦度と仮想平面を基準とする平坦度の差分値と、浮き上がり距離又は基準平面を基準とする平坦度との相関を示す図である。 実施例1における基板A1の主表面の等高線分布等を示す図である。 実施例2における基板A2の主表面の等高線分布等を示す図である。 比較例1における基板B1の主表面の等高線分布等を示す図である。 実施例3における基板A3の主表面の等高線分布等を示す図である。 実施例4における基板A4の主表面の等高線分布等を示す図である。 比較例2における基板B2の主表面の等高線分布等を示す図である。
[マスクブランク用基板の製造方法及びマスクブランク用基板]
ここでは、マスクブランク用基板の製造方法及びマスクブランク用基板に関して説明する。最初に本発明の構成概念を説明し、その後、その概念に基づいて実施した実施例を比較例とともに示す。
本発明者は、ハイスペックのマスクブランク用基板を用いずに比較的疎な転写パターンまたはある程度微細な転写パターンを有する転写用マスクを製造し、その転写用マスクを高NAの露光装置にセットしてウェハ上のレジスト膜に露光転写した場合でもフォーカスエラーの発生を抑制できる手段について、鋭意研究を行った。
一般的に、基板の主表面の表面形状は略正方形の形状であり、表面形状測定装置(表面形状解析装置)を用いて取得される。この場合に用いられる表面形状測定装置は、レーザー光のようなコヒーレントの傾向が強い検査光を被測定対象物の測定領域全体に照射し、その被測定対象物の表面で反射された光と、高い平坦度を有する参照表面で反射された光との間で干渉縞像を生成し、その干渉縞像を画像解析することで、その被測定対象物の表面形状を取得するものである。
この表面形状測定装置を用いる基板の表面形状の測定は、次のような方法によって行われる。まず、上記の方法で得られた干渉縞像に対し、基板の主表面上にグリッド状に測定点を配置して画像解析等の処理を行い、各測定点の高さ情報(この時の基準とする平面は、例えば測定装置の参照平面である。)を取得する。次に、各測定点の高さ情報に基づいて、最小二乗法により近似した面(最小二乗平面)を算出し、これを基準平面とする。次に、上記の各測定点の高さ情報を、その基準平面(最小二乗平面)を基準とした各測定点の高さに換算し、その結果を、各測定点における表面形状の情報とする。
従来、ハイスペックの基板とハイスペックではない基板を仕分ける指標には、基板の主表面(転写パターン形成用の薄膜が設けられる側である一方の主表面)における平坦度が用いられている。基板の主表面上に転写用マスクを製造したときに転写パターンが形成される領域を少なくとも含む所定領域を定義し、上記の最小二乗平面を基準とした各測定点の高さである表面形状の情報から、その所定領域内における最大高さと最小高さの差であるTIR(Total Indicator Reading)値を算出し、これを平坦度として用いている。この平坦度の高いハイスペックの基板で製造された転写用マスクは、高NAの露光装置のマスクステージにセットしてウェハ上のレジスト膜に露光転写した場合、フォーカスエラーが発生しにくい。
一方、本発明者は、この平坦度の指標でハイスペックではないとされた複数の基板に対し、これを用いて同じ転写パターンを有する転写用マスクを製造し、高NAの露光装置のマスクステージにセットしてウェハ上のレジスト膜に露光転写を行って、フォーカスエラーが発生する傾向を検証した。その結果、ほぼ同じ平坦度の基板を用いた転写用マスクであっても、フォーカスエラーが発生しやすいものと発生しにくいものがあることが判明した。すなわち、従来用いられてきた平坦度の指標で、ハイスペックではない基板の中からフォーカスエラーが発生しにくい基板を選定する基準値を新たに設けることは困難であることがわかった。
次に、本発明者は、ほぼ同じ平坦度であるフォーカスエラーが発生しやすい基板と発生しにくい基板の各表面形状について、その傾向の相違についてさらに研究を行った。その結果、フォーカスエラーが発生しにくい基板の主表面の表面形状(略正方形)は、中心側から各隅部に向かう方向の傾斜が4つの隅部で近い傾向を有しているのに対し、フォーカスエラーが発生しやすい基板の表面形状(略正方形)は、中心側から隅部に向かう方向の傾斜が少なくともいずれか1つの隅部で異なる傾向を有していることを突き止めた。高NAの露光装置は、転写用マスクに対して露光光のスキャン照射を行っている間、各スキャン位置でベストフォーカスに近づくように照射条件の調整が行われる。フォーカスエラーが発生しやすい基板のような対角線方向で偏った傾向の主表面の形状に対しては、この照射条件の調整が難しくなることが、フォーカスエラーが発生しやすくなる要因と推測される。
そこで、このようなフォーカスエラーが発生しにくい基板を選定する新たな基準について研究を行った。基板の主表面の表面形状を各測定点における最小二乗平面を基準とする高さで定義し、基板の4つの隅部のそれぞれに測定点(特定点)を設定し、最小二乗平面を基準とする4つの隅部の特定点における高さの各数値がいずれも所定値以下という選定基準で検討してみたところ、選定された基板はフォーカスエラーが発生しにくい基板ではあった。しかし、この選定基準で選定されなかった基板の中にフォーカスエラーが発生しにくい基板が比較的多く存在していた。この選定基準では、フォーカスエラーが発生しにくい基板として本来選ばれるべき基板の多くが選定外になってしまう。
4つの隅部の特定点における高さの各数値がいずれも所定値以下という選定基準の場合、基板の主表面の一方の端面側から、その一方の端面に対向する端面側に向かって単純な傾斜を有する主表面形状の基板は、その傾斜が大きいと選定外になる。しかし、このような主表面の表面形状を有する基板は、露光装置のチルト補正機能で比較的容易に補正できるので、フォーカスエラーが発生しにくい基板といえる。このような主表面の傾向を有する基板もフォーカスエラーが発生しにくい基板として選定される選定基準であることが必要である。
本発明者は、さらに研究を重ねた結果、主表面の4つの特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残る1つの特定点とその仮想平面との間の距離(具体的には、最小二乗平面に対して垂直な方向を基準とする距離)を算出し、この算出された距離をフォーカスエラーが発生しにくい基板を選定する基準として用いるとよいことに気付いた。この算出された距離が大きい基板は、この基板から製造された転写用マスクを高NAの露光装置のマスクステージにセットしたときに、基板の4つの隅部の内、3つの隅部がマスクステージのチャック面に接触したとき、残る1つの隅部がチャック面から浮き上がりやすい。そして、このような状態でセットされた転写用マスクに対してスキャン露光したとき、照明条件の調整等でフォーカスを補正することが難しく、フォーカスエラーが発生しやすい。この傾向は、マスクステージの転写用マスクをチャックする力が比較的弱いチャック方式であるソフトチャックが採用されている高NAの露光装置の場合に顕著となる。以下、上述のように算出された距離を、適宜、「浮き上がり距離」と称する。
一方、上記の手順で算出された距離が小さい基板は、この基板から製造された転写用マスクを高NAの露光装置のマスクステージにセットしたときに、基板の4つの隅部の内、3つの隅部がマスクステージのチャック面に接触したとき、残る1つの隅部がチャック面から浮き上がりにくく、浮き上がった場合でも浮き上がる量は小さい。そして、このような状態でセットされた転写用マスクに対してスキャン露光したとき、照明条件の調整等でフォーカスを補正することが十分可能であり、フォーカスエラーが発生しにくい。なお、平坦度の高いハイスペックな基板を用いて製造された転写用マスクは、基板の主表面の各測定点における最小二乗平面を基準とする高さの最大値と最小値の差が大幅に小さい。このため、このハイスペックな基板から製造された転写用マスクを高NAの露光装置のマスクステージにセットしたときに、基板の4つの隅部の内、3つの隅部がマスクステージのチャック面に接触したとき、残る1つの隅部がチャック面から浮き上がること自体が発生しにくい。
以上の鋭意研究の結果として完成されたマスクブランク用基板の製造方法は、対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクの製造に用いられるマスクブランク用基板の製造方法であって、基板の一方の主表面に対し、基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定する工程と、基準平面からの高さを全ての特定点で取得する工程と、全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ基準平面に垂直である垂線と仮想平面との交点を設定し、残りの特定点と交点との距離を算出する工程と、算出された距離が0.2μm未満である基板をマスクブランク用基板として選定する工程と、を有することを特徴とするものである。
以下、マスクブランク用基板の製造方法に係る実施の形態について、より具体的に説明する。まず、ガラスインゴットからマスクブランク用基板の形状に切り出し、次に、切り出した基板の主表面、端面及び面取り面に対して研削を行う研削工程、続いて、主表面、端面及び面取り面に対してその表面を精密に研磨する研磨工程を行う。主表面の研磨工程は通常多段階で行われる。研磨の方法は様々であってここでは特に制限を設けるわけではないが、酸化セリウム等の研磨剤を用いて基板の2つの主表面を同時に研磨する研磨工程を行った後、コロイダルシリカ等の研磨剤を用いて基板の2つの主表面を同時に研磨する研磨工程を行うことが好ましい。このような多段階の研磨工程を経た基板は、所定以上の平坦度であり、かつ表面粗さの小さい鏡面である主表面を有する。
このマスクブランク用基板の材料は、露光光に対して高い透過率を有するものであれば、特に制限されない。この基板の材料としては、合成石英ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、無アルカリガラス、フッ化カルシウムガラス等を用いることができる。これらの材料の中でも特に合成石英ガラスは、ArFエキシマレーザーまたはそれよりも短波長の領域で透過率が高いので、高NAの露光装置で使用される本発明のマスクブランク用基板には好適である。
次に、基板の一方の主表面(マスクブランクを製造するときに転写パターン形成用の薄膜が設けられる側の主表面)に対して、算出領域を設定する工程を行う。この点につき図1を用いて説明する。図1は基板1を一方の主表面P側から見た平面図である。図1のように、基板1の中心Oを基準とする正方形の領域である算出領域Tを設定し、算出領域Tにおける基板1の表面形状に着目し、マスクブランク用基板を選定する。本実施の形態における算出領域Tは、この基板1から製造された転写用マスクが露光装置のマスクステージにセットされたときに転写パターンが形成され、露光光が照射される領域である一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域とすることが求められる。すなわち、算出領域Tを一辺の長さが132mmの正方形の領域としても、本発明の効果を得ることができる。一方、算出領域Tは、一辺の長さが146mmの正方形の領域と同一あるいはそれよりも小さい領域であるとより好ましい。この一辺の長さの正方形の領域までは、後述の表面形状測定装置で基板の主表面の表面形状を測定したときに、高い精度で基準平面からの高さ情報が得られるためである。
次に、図1のように算出領域Tに4つの隅部C、C、C、Cの各領域内(領域の境界線上を含む。)に、基準平面P(図2参照)からの高さを測定するための点である測定点であって、後述の仮想平面を設定するのに必要となる点である特定点A、B、C、Dを設定する工程を行う。4つの隅部C、C、C、Cは、例えば、算出領域Tの頂点を共通の頂点とし、かつ算出領域Tの内側に設定される正方形の領域である。この隅部C等である正方形の領域の一辺の長さは、例えば3mmである。一辺が3mmの正方形の領域の範囲内であれば、主表面Pの基準平面Pからの高さの変化は微小であり、その正方形の領域内に設定する特定点A等の位置を変えたときの後述の仮想平面P からの高さの変化も微小となる。この隅部C等である正方形の領域の一辺の長さは、2mmであるとより好ましく、1mmであるとさらに好ましい。なお、特定点A、B、C、Dは、算出領域Tの各頂点に設定するとより好ましい。
次に、少なくとも主表面P上の4つの特定点A、B、C、Dにおける基準平面Pからの高さを取得する工程を行う。主表面P上の4つの特定点A、B、C、Dにおける基準平面Pからの高さは、上記の表面形状測定装置を用いて取得する。この場合の表面形状測定装置としては、例えば、UltraFLAT 200M(Corning TROPEL社製)が好適である。上記のように表面形状測定装置では、取得された干渉縞像を画像解析することで基板1の主表面Pの表面形状(高さ情報)に変換されるが、この段階での高さ情報の基準とする平面は、表面形状測定装置の参照平面あるいはそれと平行な平面になる。しかし、この参照平面と基板1の主表面との間の平行度は、表面形状測定装置に基板1を設置したときの位置関係に依存するため、その平行度が高くなるとは限らない。この点を考慮すると、表面形状測定装置で測定した参照平面を基準とする複数の測定点の高さ情報から最小二乗平面を算出し、主表面Pの表面形状(各測定点の参照平面からの高さ)をこの最小二乗平面を基準平面Pとする高さに変換することが好ましい。この最小二乗平面は、少なくとも4つの特定点A、B、C、Dを含む測定点から算出することが好ましい。
一方、算出領域T内に、上記の特定点以外に基板1の表面形状である主表面Pの基準平面Pからの高さを測定するための点である測定点Nを複数設定してもよい。図1においては測定点Nx-1、N、Nx+1についてのみ記載しているが、算出領域T全体の基板1の表面形状を測定するために十分な数の測定点を設定することが好ましい。測定点Nは、基板1の主表面P上にグリッド状に配置するとより好ましい。この場合における各測定点Nの間隔は2mm以下であると好ましく、1mm以下であるとより好ましい。測定点Nは、算出領域Tの外側の主表面上に設定してもよい。
なお、上記の工程では、基板1の主表面Pに算出領域Tと特定点A、B、C、Dを設定してから、表面形状測定装置で高さ情報を取得している。しかし、算出領域Tを少なくとも含む大きさの主表面Pの測定領域で、測定点Nをグリッド状に配置して高さ情報を取得するのであれば、算出領域Tを設定する工程の前に表面形状測定装置で高さ情報を取得してもよい。この場合、最小二乗平面である基準平面Pを算出するとき、表面形状測定装置で測定した測定領域内の全測定点Nの参照平面を基準とする高さ情報を用いることが好ましい。
次に、特定点A、B、C、Dのうち3つの特定点を通る仮想平面Pを設定する工程を行う。その後、仮想平面Pの設定に用いなかった残りの特定点を通りかつ基準平面Pに対して垂直である垂線と、仮想平面Pとの交点を設定する工程を行う。さらに、その交点と残りの特定点との距離を算出する工程を行う。これらの工程について図2を用いて説明する。図2は、特定点A、B、Cを通る仮想平面Pを設定し、特定点Dを残りの特定点とした場合の、特定点Dを含む基板1の断面模式図である。残りの特定点Dを通りかつ基準平面Pに対して垂直である垂線と基準平面Pとの交点をDとする。この垂線と仮想平面Pとの交点をDとする。そして、表面形状測定装置等で既に取得している、DとDとの距離Zから、DとDとの距離を差し引くことで、残りの特定点Dと交点Dとの距離ZD1を算出する。
さらに、このように算出された距離ZD1を新たな指標とし、その値が基準を満たす(基準値未満となる)基板を、マスクブランク用基板として選定する工程を行う。以下、このように算出される新たな指標である距離ZD1を「浮き上がり距離」と呼ぶ。なお、本実施の形態においては、特定点A、B、Cを通る平面を仮想平面として設定しているが、任意の特定点3点を通る平面を仮想平面として設定してもよい。また、上述の新たな指標の名称における、「浮き上がり」との表現は便宜上の表現であり、上述の残りの特定点Dは仮想平面Pから浮き上がっていなくてもよい。
浮き上がり距離と、フォーカスエラーの発生との相関を種々調べた結果、浮き上がり距離の判定基準としては「0.2μm未満」とすることで十分な性能が得られることが判明した。本発明においては、浮き上がり距離が0.2μm未満である基板を、マスクブランク用基板として選定する。このような判定基準で選定されたマスクブランク用基板から製造した転写用マスクを用いることで、高NAの露光装置で露光転写を行ったときのフォーカスエラーの発生を低減することができる。なお、上記の浮き上がり距離が0.18μm以下である基板をマスクブランク用基板として選定するとより好ましく、浮き上がり距離が0.15μm以下である基板をマスクブランク用基板として選定するとさらに好ましい。一方、判定基準を満たさない基板は、再度研磨工程に戻すか、局所加工工程を経て再度この浮き上がり距離による判定を行うか、あるいはこの基板を廃棄する。
以下、図3について説明する。任意に200枚の基板を準備し、各基板に対して上記の手順で、主表面Pの表面形状を測定し、最小二乗平面の基準平面Pを算出し、さらに仮想平面Pと浮き上がり距離ZD1をそれぞれ算出した。次に、各基板に対し、基準平面Pを基準とする主表面Pの表面形状から、従来の指標である、基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域内における平坦度(TIR値)を算出した。次に、各基板に対し、仮想平面Pを基準とする主表面Pの表面形状から、基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域内における平坦度(TIR値)を算出した。次に、各基板に対して、基準平面Pを基準とする平坦度と仮想平面Pを基準とする平坦度の差分を算出した。図3に、横軸を「基準平面を基準とする平坦度と仮想平面を基準とする平坦度の差分値[μm]」とし、縦軸を「浮き上がり距離または基準平面を基準とする平坦度[μm]」として、200枚の基板に対する結果をプロットしたグラフを示す。
「基準平面を基準とする平坦度と仮想平面を基準とする平坦度の差分値」と「浮き上がり距離」との関係のプロット(図3中の●のプロット。)に対し、線形近似関数を算出したところ、その線形近似関数の決定係数Rが0.746であり、比較的高い相関性があることが確認できた。このことから、4つの隅部の特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面Pが、最小二乗平面の基準平面Pに対して大きく変化する基板であるほど、その基板から製造された転写用マスクはフォーカスエラーが発生しやすくなる傾向があるといえる。他方、「基準平面を基準とする平坦度と仮想平面を基準とする平坦度の差分値」と従来の指標である「基準平面を基準とする平坦度」との関係のプロット(図3中の□のプロット。)に対し、線形近似関数を算出したところ、その線形近似関数の決定係数Rが0.032であり、相関性が得られなかった。この結果から、フォーカスエラーが発生しやすくなる傾向がある基板を、従来の指標である平坦度で仕分けることは困難であることが確認できた。
一方、本発明のマスクブランク用基板は、対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクの製造に用いられるマスクブランク用基板であって、その基板は、一方の主表面に対し、基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定し、基準平面からの高さを全ての特定点で取得し、全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ基準平面に垂直である垂線と仮想平面との交点を設定し、残りの特定点と前記交点との距離を算出したとき、前記算出された距離(浮き上がり距離)が0.2μm未満であることを特徴とするものである。このような特徴を有するマスクブランク用基板から製造された転写用マスクはフォーカスエラーが起きにくい。なお、この場合においても、上記のマスクブランク用基板の浮き上がり距離は0.18μm以下であるとより好ましく、0.15μm以下であるとさらに好ましい。
このマスクブランク用基板は、上記算出領域Tにおける基準平面Pからの高さの最高値から最低値を差し引いた差が0.2μmよりも大きいものである。すなわち、このマスクブランク用基板は、主表面Pの算出領域T内に測定点を複数設定して各測定点の基準平面Pからの高さを取得したとき、算出領域T内の特定点A、B、C、Dおよび各測定点における基準平面Pからの高さの最高値から最低値を差し引いた差(平坦度(TIR)と同様の指標)が0.2μmよりも大きい。一般的に、この差が0.2μmよりも大きいマスクブランク用基板は、その基板を用いて転写用マスクを製造して露光装置のマスクステージにセットしたとき、マスクステージに対する浮き上がりが大きくなりやすい傾向があり、フォーカスエラーも発生しやすい。このようなマスクブランク用基板は、従来、ハイスペックではない基板として選定される場合が多いものである。このように選定されたハイスペックではない基板について、本発明のマスクブランク用基板の製造方法を適用することにより、ハイスペックではない基板であるにも関わらず、高NAの露光装置で露光転写を行ったときにフォーカスエラーが発生しにくい基板を選定することが可能となる。
また、マスクブランク用基板の主表面Pは、所定以上の表面粗さに鏡面研磨されている必要がある。主表面Pは、二乗平均平方根粗さRqが0.25nm以下であることが好ましい。この場合における表面粗さRqの算出領域は、例えば、一辺が10μmの正方形の内側領域である。なお、表面粗さRqは、例えば原子間力顕微鏡(AFM:Atomic
Force Microscope)等によって測定することができる。
[マスクブランクの製造方法及びマスクブランク]
本発明のマスクブランクの製造方法は、前述のマスクブランク用基板の製造方法で製造されたマスクブランク用基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜を設ける工程を備えることを特徴としている。また、本発明のマスクブランクは、前述のマスクブランク用基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜を設けたことを特徴としている。
本発明のマスクブランクの製造方法で製造されるマスクブランク及び本発明のマスクブランクは、以下の(1)〜(5)の構成のものを適用することができる。
(1)遷移金属を含む材料からなる遮光膜を備えたバイナリマスクブランク
かかるバイナリマスクブランクは、基板上に遮光膜(パターン形成用の薄膜)を有する形態のものであり、この遮光膜は、クロム、タンタル、ルテニウム、タングステン、チタン、ハフニウム、モリブデン、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、ロジウム等の遷移金属単体あるいはその化合物を含む材料からなる。例えば、クロムや、クロムに酸素、窒素、炭素などの元素から選ばれる1種以上の元素を添加したクロム化合物で構成した遮光膜が挙げられる。また、例えば、タンタルに、酸素、窒素、ホウ素などの元素から選ばれる1種以上の元素を添加したタンタル化合物で構成した遮光膜が挙げられる。かかるバイナリマスクブランクは、遮光膜を、遮光層と表面反射防止層の2層構造や、さらに遮光層と基板との間に裏面反射防止層を加えた3層構造としたものなどがある。また、遮光膜の膜厚方向における組成が連続的又は段階的に異なる組成傾斜膜としてもよい。
(2)遷移金属及びケイ素(遷移金属シリサイド、特にモリブデンシリサイドを含む)の化合物を含む材料からなる光半透過膜を備えた位相シフトマスクブランク
かかる位相シフトマスクブランクとしては、基板上に光半透過膜(パターン形成用の薄膜)を有する形態のものであって、該光半透過膜をパターニングしてシフタ部を設けるタイプであるハーフトーン型位相シフトマスクが作製される。かかる位相シフトマスクにおいては、光半透過膜を透過した光に基づき転写領域に形成される光半透過膜パターンによる被転写基板のパターン不良を防止するために、基板上に光半透過膜とその上の遮光膜(遮光帯)とを有する形態とするものが挙げられる。また、ハーフトーン型位相シフトマスクブランクのほかに、基板をエッチング等により掘り込んでシフタ部を設ける基板掘り込みタイプであるレベンソン型位相シフトマスク用やエンハンサー型位相シフトマスク用のマスクブランクが挙げられる。
この光半透過膜は、例えば遷移金属及びケイ素(遷移金属シリサイドを含む)の化合物を含む材料からなり、これらの遷移金属及びケイ素と、酸素及び/又は窒素を主たる構成要素とする材料が挙げられる。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、クロム等が適用可能である。また、光半透過膜上に遮光膜を有する形態の場合、上記光半透過膜の材料が遷移金属及びケイ素を含むので、遮光膜の材料としては、光半透過膜に対してエッチング選択性を有する(エッチング耐性を有する)クロムや、クロムに酸素、窒素、炭素などの元素を添加したクロム化合物で構成することが好ましい。
レベンソン型位相シフトマスクは、バイナリマスクブランクと同様の構成のマスクブランクから作製されるため、パターン形成用の薄膜の構成については、バイナリマスクブランクの遮光膜と同様である。エンハンサー型位相シフトマスク用のマスクブランクの光半透過膜は、実質的に露光に寄与しない強度の光(例えば、露光波長に対して1%〜30%)を透過させるものではあるが、透過する露光光に生じさせる位相差が小さい膜(例えば、位相差が30度以下。好ましくは0度。)であり、この点が、ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの光半透過膜とは異なる。この光半透過膜の材料は、ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの光半透過膜と同様の元素を含むが、各元素の組成比や膜厚は、露光光に対して所定の透過率と所定の小さな位相差となるように調整される。
(3)ケイ素の化合物を含む材料からなる光半透過膜を備えた位相シフトマスクブランク
この光半透過膜は、ケイ素と窒素からなる材料、またはケイ素と窒素からなる材料に半金属元素、非金属元素および貴ガスから選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成される以外は、(2)に記載の光半透過膜に関する事項と同様である。
(4)遷移金属及びケイ素(遷移金属シリサイド、特にモリブデンシリサイドを含む)の化合物を含む材料からなる遮光膜を備えたバイナリマスクブランク
この遮光膜(パターン形成用の薄膜)は、遷移金属及びケイ素の化合物を含む材料からなり、これらの遷移金属及びケイ素と、酸素又は窒素のうちの少なくとも1つ以上を主たる構成要素とする材料が挙げられる。また、遮光膜は、遷移金属と、酸素、窒素又はホウ素のうちの少なくとも1つ以上を主たる構成要素とする材料が挙げられる。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、クロム等が適用可能である。特に、遮光膜をモリブデンシリサイドの化合物で形成する場合であって、遮光層(MoSi等)と表面反射防止層(MoSiON等)の2層構造や、さらに遮光層と基板との間に裏面反射防止層(MoSiON等)を加えた3層構造がある。また、遮光膜の膜厚方向における組成が連続的又は段階的に異なる組成傾斜膜としてもよい。
(5)ケイ素の化合物を含む材料からなる遮光膜を備えたバイナリマスクブランク
この遮光膜は、ケイ素と窒素からなる材料、またはケイ素と窒素からなる材料に半金属元素、非金属元素および貴ガスから選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成される以外は、(1)に記載の遮光膜に関する事項と同様である。
また、レジスト膜の膜厚を薄膜化して微細パターンを形成するために、遮光膜上にエッチングマスク膜を有する構成としてもよい。このエッチングマスク膜は、遷移金属シリサイドを含む遮光膜のエッチングに対してエッチング選択性を有するクロムや、クロムに酸素、窒素、炭素などの元素を添加したクロム化合物からなる材料で構成することが好ましい。このとき、エッチングマスク膜に反射防止機能を持たせることにより、遮光膜上にエッチングマスク膜を残した状態で転写用マスクを作製してもよい。
なお、上記(1)〜(5)において、基板と遮光膜との間、又は光半透過膜と遮光膜との間に、遮光膜や光半透過膜に対してエッチング耐性を有するエッチングストッパー膜を設けてもよい。エッチングストッパー膜は、エッチングストッパー膜をエッチングするときにエッチングマスク膜を同時に剥離することができる材料としてもよい。
一方、別の実施形態のマスクブランクの製造方法として、基板上に転写パターン形成用の薄膜が形成されたマスクブランクに対し、その薄膜の表面に算出領域Tを設定し、算出領域Tにおける4つの隅部C、C、C、Cのそれぞれに特定点A、B、C、Dを設定して上記のマスクブランク用基板の製造方法と同様の手順で浮き上がり距離を算出し、その浮き上がり距離が0.2μm未満である薄膜が設けられた基板をマスクブランクとして選定する製造方法を適用してもよい。
すなわち、この別の実施形態のマスクブランクの製造方法は、対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクの製造方法であって、薄膜が設けられた基板の薄膜の表面に対し、基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定する工程と、基準平面からの高さを全ての前記特定点で取得する工程と、全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ基準平面に垂直である垂線と仮想平面との交点を設定し、残りの特定点と前記交点との距離を算出する工程と、算出された距離が0.2μm未満である、前記薄膜が設けられた基板をマスクブランクとして選定する工程とを有することを特徴とする。
基板上に形成される転写パターン形成用の薄膜は、面内の膜厚分布の均一性が高く、膜応力も十分に低減されている。このため、転写パターン形成用の薄膜に特定点等を設定して算出した浮き上がり距離と、基板の主表面に特定点等を設定して算出した浮き上がり距離との差は微小であり、この別の実施形態のマスクブランクの製造方法で選定されたマスクブランクから製造された転写用マスクもフォーカスエラーが起きにくいものとなる。なお、この別の実施形態のマスクブランクの製造方法に関するその他の事項(浮き上がり距離の算出手順等)については、マスクブランク用基板の製造方法の場合と同様である。
同様に、別の実施形態のマスクブランクとして、薄膜の表面に算出領域Tを設定し、算出領域Tにおける4つの隅部C、C、C、Cのそれぞれに特定点A、B、C、Dを設定して上記のマスクブランク用基板と同様の手順で浮き上がり距離を算出したときに、その浮き上がり距離が0.2μm未満である特徴を有するものが挙げられる。すなわち、この別の実施形態のマスクブランクは、対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクであって、マスクブランクは、薄膜の表面に対し、基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定し、基準平面からの高さを全ての特定点で取得し、全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ基準平面に垂直である垂線と仮想平面との交点を設定し、残りの特定点と交点との距離を算出したとき、算出された距離が0.2μm未満であることを特徴とする。この別の実施形態のマスクブランクから製造された転写用マスクも同様にフォーカスエラーが起きにくいものとなる。なお、この別の実施形態のマスクブランクに関するその他の事項(浮き上がり距離の算出手順等)については、上記の別の実施形態のマスクブランクの場合と同様である。
[転写用マスクの製造方法及び転写用マスク]
本発明の転写用マスクの製造方法は、前述のマスクブランクの製造方法により製造されたマスクブランクの薄膜に転写パターンを形成する工程を備えることを特徴としている。また、本発明の転写用マスクは、前述のマスクブランクの薄膜に転写パターンを備えることを特徴としている。以下、マスクブランクから転写用マスクを製造する工程について説明する。なお、ここで使用するマスクブランクは、前述(2)の位相シフトマスクブランクであり、基板上に、光半透過膜(転写パターン形成用の薄膜)と遮光膜が順に積層した構造を備える。また、この転写用マスク(位相シフトマスク)の製造方法は一例であり、一部の手順を変えて製造したものであってもよい。
まず、位相シフトマスクブランクの遮光膜上に、レジスト膜をスピン塗布法等によって形成する。このレジスト膜には、電子線露光描画用の化学増幅型レジストが好ましく用いられる。次に、レジスト膜に対して、光半透過膜に形成すべき転写パターンを電子線で露光描画し、現像等の所定の処理を施し、転写パターンを有するレジストパターンを形成する。続いて、遮光膜に対してレジストパターンをマスクとしたドライエッチングを行い、遮光膜に光半透過膜に形成すべき転写パターンを形成する。そのドライエッチング後、レジストパターンを除去する。次に、光半透過膜に対し、転写パターンを有する遮光膜をマスクとしたドライエッチングを行い、光半透過膜に転写パターンを形成する。続いて、レジスト膜をスピン塗布法等で再度形成し、遮光膜に形成すべきパターン(遮光帯等のパターン)を電子線で露光描画し、現像等の所定の処理を施し、レジストパターンを形成する。遮光膜に対し、遮光帯等のパターンを有するレジストパターンをマスクとするドライエッチングを行い、遮光膜に遮光帯等のパターンを形成する。そして、所定の洗浄処理等を施し、転写用マスク(位相シフトマスク)が出来上がる。
[半導体デバイスの製造]
本発明の半導体デバイスの製造方法は、上記の各転写用マスクを露光装置のマスクステージにセットし、リソグラフィ法により、半導体基板上のレジスト膜に転写用パターンを転写することを特徴としている。これらの転写用マスクは、いずれも露光装置のマスクステージにセットしたときに、チャック面からの浮き上がりがないあるいは浮き上がりが小さいため、フォーカスエラーが発生しにくい。このため、これらの転写用マスクを用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときに、半導体デバイス上のレジスト膜に転写不良が発生することを抑制できる。さらに、このレジストパターンをマスクとして、被加工膜をドライエッチングして回路パターンを形成した場合、転写不良に起因する配線短絡や断線がなく、高精度で歩留まりの高い回路パターンを形成することができる。
以下、実施例により、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
(実施例、比較例)
[マスクブランク用基板の製造]
まず、合成石英ガラス基板(大きさ152.4mm×152.4mm、厚さ6.35mm)を切り出し、この合成石英ガラス基板の端面を面取加工、及び研削加工し、さらに酸化セリウム砥粒を含む研磨液で粗研磨及び精密研磨を行った。その後、このガラス基板を両面研磨装置のキャリアにセットし、以下の条件で超精密研磨を行った。
研磨パッド:軟質ポリシャ(スウェードタイプ)
研磨液:コロイダルシリカ砥粒(平均粒径100nm)と水
加工圧力:50〜100g/cm
加工時間:60分
超精密研磨終了後、ガラス基板を希フッ酸液中に浸漬させてコロイダルシリカ砥粒を除去する洗浄を行った。その後、ガラス基板の主表面及び端面に対してスクラブ洗浄を行い、その後純水によるスピン洗浄、及びスピン乾燥を行って、表面が研磨加工されたガラス基板1を40枚準備した。これら40枚の基板の主表面に対して原子間力顕微鏡によって一辺が10μmの正方形の算出領域での二乗平均平方根粗さRqを測定したところ、全ての基板において0.25nm以下であった。
次に、このように準備された40枚のガラス基板1のそれぞれに対し、測定領域を基板1の中心Oを基準とする一辺が148mmの正方形とし、その測定領域内に測定点Nをグリッド状に256点×256点で設定し、表面形状測定装置 UltraFLAT 200M(Corning TROPEL社製)を用いて、各測定点の基準平面P(最小二乗平面)からの高さ、すなわち主表面Pの表面形状を取得した。その後、40枚のガラス基板1を2つのグループ(各グループ20枚)に分けた。
次に、一方のグループの20枚のガラス基板1のそれぞれに対し、一辺の長さが132mmの正方形の算出領域Tを設定し、その算出領域Tに4つの隅部C、C、C、C(算出領域Tの頂点を共通とする一辺が1mmの正方形。)を設定した。次に、各隅部C、C、C、Cの領域内にある測定点Nのうち、算出領域Tの頂点に最も近い各測定点を4つの特定点A、B、C、Dとした。
各ガラス基板1に対し、4つの特定点A、B、C、Dのうちの3つの特定点A、B、Cを通る仮想平面Pを算出した。次に、残りの特定点Dを通りかつ基準平面Pに対して垂直な垂線を設定し、その垂線と仮想平面Pとの交点Dを算出した。さらに、残りの特定点Dと交点Dとの距離である浮き上がり距離ZD1を算出した。この浮き上がり距離ZD1は、垂線と基準平面Pの交点Dと、垂線と仮想平面Pの交点Dとの距離を算出し、特定点Dの基準平面Pからの高さZからその距離を差し引くことで算出される。
そして、この一方のグループの20枚のガラス基板1に対し、浮き上がり距離ZD1が0.2μm未満であることを選定基準とするマスクブランク用基板の選定工程を行った。選定基準を満たしたガラス基板1の中から、ガラス基板A1(実施例1)を図4に、ガラス基板A2(実施例2)を図5にそれぞれ示す。また、選定基準を満たせなかったガラス基板の中から、ガラス基板B1(比較例1)を図6に示す。図4から図6における(a)は、仮想平面Pを基準とする主表面Pの高さ情報(表面形状)について主表面Pを上方から見た等高線分布図であり、(b)は対角線方向の高さ分布断面図(実線が(a)の等高線分布図を右上がりの対角線で切った断面の高さ分布であり、破線が(a)の等高線分布図を右下がりの対角線で切った断面の高さ分布である。)であり、(c)は縦横方向の高さ分布断面図(実線が(a)の等高線分布図の中心を通る横方向で切った断面の高さ分布であり、破線が(a)の等高線分布図の中心を通る縦方向で切った断面の高さ分布である。)である。
また、図4から図6における(a’)は、基準平面(最小二乗平面)Pを基準とする主表面Pの高さ情報(表面形状)について主表面Pを上方から見た等高線分布図であり、(b’)は対角線方向の高さ分布断面図(実線が(a’)の等高線分布図を右上がりの対角線で切った断面の高さ分布であり、破線が(a’)の等高線分布図を右下がりの対角線で切った断面の高さ分布である。)であり、(c’)は縦横方向の高さ分布断面図(実線が(a’)の等高線分布図の中心を通る横方向で切った断面の高さ分布であり、破線が(a’)の等高線分布図の中心を通る縦方向で切った断面の高さ分布である。)である。
なお、各等高線分布図の等高線は25nm刻みとなっており、各等高線分布図の横軸と縦軸は表面形状測定装置で付与したピクセル番号であり、(b)、(c)、(b’)、(c’)の縦軸は、高さを表し、その単位はμmである(以降の各図面も同様。)。
ガラス基板A1(実施例1)の浮き上がり距離ZD1は0.145μm、ガラス基板A2(実施例2)の浮き上がり距離ZD1は0.028μmと0.2μm未満の選定基準を満たしているのに対し、ガラス基板B1(比較例1)の浮き上がり距離ZD1は0.480μmであり、選定基準を大幅に上回ってしまっている。一方、従来の指標である基準平面Pを基準とする高さ情報を用いた平坦度(基板の中心Oを基準とする一辺が132mmの正方形の内側領域内での最高高さと最低高さの差)で見た場合、ガラス基板A1(実施例1)が0.289μm、ガラス基板A2(実施例2)が0.311μm、ガラス基板B1(比較例1)が0.279μmである。この結果から、従来の平坦度の指標ではフォーカスエラーが発生しやすい基板をマスクブランク用基板から除外することは困難であることがわかる。
仮想平面Pを基準とする高さ情報を用いて平坦度(基板の中心Oを基準とする一辺が132mmの正方形の内側領域内での最高高さと最低高さの差)を算出してみたところ、ガラス基板A1(実施例1)が0.362μm、ガラス基板A2(実施例2)が0.294μm、ガラス基板B1(比較例1)が0.439μmである。この結果から、この指標でもフォーカスエラーが発生しやすい基板をマスクブランク用基板から除外することは容易ではないことがわかる。
次に、他方のグループの20枚のガラス基板1のそれぞれに対し、一辺の長さが146mmの正方形の算出領域Tを設定し、その算出領域Tに4つの隅部C、C、C、C(算出領域Tの頂点を共通とする一辺が1mmの正方形。)を設定した。次に、各隅部C、C、C、Cの領域内にある測定点Nのうち、算出領域Tの頂点に最も近い各測定点を4つの特定点A、B、C、Dとした。そして、一方のグループのガラス基板の場合と同様の手順で、他方のグループの20枚のガラス基板1の浮き上がり距離Z D1を算出した。
この他方のグループの20枚のガラス基板1に対し、浮き上がり距離ZD1が0.2μm未満であることを選定基準とするマスクブランク用基板の選定工程を行った。選定基準を満たしたガラス基板の中から、ガラス基板A3(実施例3)を図7に、ガラス基板A4(実施例4)を図8にそれぞれ示す。また、選定基準を満たさなかったガラス基板の中から、ガラス基板B2(比較例2)を図9に示す。
ガラス基板A3(実施例3)の浮き上がり距離ZD1は0.047μm、ガラス基板A4(実施例4)の浮き上がり距離ZD1は0.028μmと0.2μm未満の選定基準を満たしているのに対し、ガラス基板B2(比較例2)の浮き上がり距離ZD1は0.525μmであり、選定基準を大幅に上回ってしまっている。一方、従来の指標である基準平面Pを基準とする高さ情報を用いた平坦度(基板の中心Oを基準とする一辺が146mmの正方形の内側領域内での最高高さと最低高さの差)で見た場合、ガラス基板A3(実施例3)が0.565μm、ガラス基板A4(実施例4)が0.386μm、ガラス基板B2(比較例2)が0.537μmである。この結果から、従来の平坦度の指標ではフォーカスエラーが発生しやすい基板をマスクブランク用基板から除外することは困難であることがわかる。
仮想平面Pを基準とする高さ情報を用いて平坦度(基板の中心Oを基準とする一辺が146mmの正方形の内側領域内での最高高さと最低高さの差)を算出してみたところ、ガラス基板A3(実施例3)が0.553μm、ガラス基板A4(実施例4)が0.339μm、ガラス基板B2(比較例2)が0.342μmである。この結果から、この指標でもフォーカスエラーが発生しやすい基板をマスクブランク用基板から除外することは困難であることがわかる。
[マスクブランクの製造]
次に、この各実施例のマスクブランク用基板A1(実施例1)、A2(実施例2)、A3(実施例3)、A4(実施例4)を用いて、以下の手順で各実施例のハーフトーン型位相シフトマスク用マスクブランクをそれぞれ製造した。同様に、各比較例の基板B1(比較例1)、B2(比較例2)を用いて、各比較例のハーフトーン型位相シフトマスク用マスクブランクをそれぞれ製造した。
具体的には、各基板の上に窒化されたモリブデン及びシリコンからなる光半透過膜を形成した。具体的には、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合ターゲット(Mo:Si=10mol%:90mol%)を用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス流量比 Ar:N:He=5:49:46)で、ガス圧0.3Pa、DC電源の電力を3.0kWとして、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、モリブデン、シリコン及び窒素からなるMoSiN膜を69nmの膜厚で形成した。次いで、上記MoSiN膜が形成されたガラス基板1に対して、加熱炉を用いて、大気中で加熱温度を450℃、加熱時間を1時間として、加熱処理を行った。なお、このMoSiN膜は、ArFエキシマレーザーにおいて、透過率は6.16%、位相差が184.4度となっていた。
次に、上記光半透過膜の上に、遮光膜を成膜した。具体的には、スパッタターゲットにクロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)と窒素(N )とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.2Pa,ガス流量比 Ar:CO:N:He=20:35:10:30)とし、DC電源の電力を1.7kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、膜厚30nmのCrOCN層を成膜した。続いて、アルゴン(Ar)と窒素(N)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.1Pa,ガス流量比 Ar:N=25:5)とし、DC電源の電力を1.7kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、膜厚4nmのCrN層を成膜した。最後に、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)と窒素(N)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.2Pa,ガス流量比Ar:CO:N:He=20:35:5:30)とし、DC電源の電力を1.7kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、膜厚14nmのCrOCN層を成膜し、合計膜厚48nmの3層積層構造のクロム系遮光膜を形成した。その後、280℃で15分間の加熱処理を加えて、膜応力を0近くまで軽減し、実施例1、2、3、4および比較例1、2の各マスクブランクを得た。
[転写用マスクの製造]
次に、実施例1、2、3、4および比較例1、2の各マスクブランク上の薄膜に対してパターン形成を行ってハーフトーン型位相シフトマスク(転写マスク)を製造した。転写用マスクの製造工程については、上記[転写用マスクの製造方法及び転写用マスク]で記載した方法と同様であるので説明は省略する。
[露光転写性能の評価]
以上の手順を経て作成された実施例1、2、3、4および比較例1、2の各ハーフトーン型位相シフトマスクに対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて波長193nmの露光光を用いる高NA(液浸露光)の露光条件で、ウェハ上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、実施例1、2、3、4の各ハーフトーン型位相シフトマスクの場合は、露光転写像の解像性が高く、またフォーカスエラーに起因すると思われるパターンの欠落等も見つからなかった。これらの結果から実施例1、2、3、4のハーフトーン型位相シフトマスクを露光装置のマスクステージにセットし、ウェハ上のレジスト膜に露光転写したとしても、フォーカスエラーが発生していないことが確認できたといえる。
これに対し、比較例1、2の各ハーフトーン型位相シフトマスクの場合は、露光転写像に解像性が低い領域があり、フォーカスエラーに起因すると思われるパターンの欠落等が多数見つかった。これらの結果からの比較例1、2のハーフトーン型位相シフトマスクを露光装置のマスクステージにセットし、ウェハ上のレジスト膜に露光転写した場合、フォーカスエラーが発生する恐れが高いといえる。
なお、本発明は上述の実施形態において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
1…基板、C…隅部、A B C D…特定点、O…基板の中心、N…測定点、P…主表面、P…仮想平面、P…基準平面

Claims (24)

  1. 対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクの製造に用いられるマスクブランク用基板の製造方法であって、
    前記基板の一方の主表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、前記算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定する工程と、
    基準平面からの高さを前記全ての前記特定点で取得する工程と、
    前記全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ前記基準平面に垂直である垂線と前記仮想平面との交点を設定し、前記残りの特定点と前記交点との距離を算出する工程と、
    前記算出された距離が0.2μm未満である基板をマスクブランク用基板として選定する工程と、
    を有することを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
  2. 前記算出領域は、前記基板の中心を基準とする一辺が146mmの正方形の領域と同一あるいはそれよりも小さい領域であることを特徴とする請求項1記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  3. 前記基板の一方の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して前記測定点の前記基準平面からの高さを取得したとき、前記算出領域内の前記特定点および前記測定点における前記基準平面からの高さの最高値から最低値を差し引いた差が0.2μmよりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  4. 前記基準平面は、前記基板の一方の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して表面形状測定装置で測定することによって得られた前記表面形状測定装置の参照平面を基準とする前記測定点の高さ情報に基づいて最小二乗法により近似した最小二乗平面であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  5. 前記一方の主表面は、二乗平均平方根粗さRqが0.25nm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法で製造されたマスクブランク用基板の前記一方の主表面に前記転写パターン形成用の薄膜を設ける工程を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  7. 対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクの製造方法であって、
    前記薄膜が設けられた基板の前記薄膜の表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、前記算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定する工程と、
    基準平面からの高さを全ての前記特定点で取得する工程と、
    前記全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ前記基準平面に垂直である垂線と前記仮想平面との交点を設定し、前記残りの特定点と前記交点との距離を算出する工程と、
    前記算出された距離が0.2μm未満である、前記薄膜が設けられた基板をマスクブランクとして選定する工程と
    を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  8. 前記算出領域は、前記基板の中心を基準とする一辺が146mmの正方形の領域と同一あるいはそれよりも小さい領域であることを特徴とする請求項7記載のマスクブランクの製造方法。
  9. 前記薄膜の表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して前記測定点の前記基準平面からの高さを取得したとき、前記算出領域内の前記特定点および前記測定点における前記基準平面からの高さの最高値から最低値を差し引いた差が0.2μmよりも大きいことを特徴とする請求項7または8に記載のマスクブランクの製造方法。
  10. 前記基準平面は、前記薄膜の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して表面形状測定装置で測定することによって得られた前記表面形状測定装置の参照平面を基準とする前記測定点の高さ情報に基づいて最小二乗法により近似した最小二乗平面であることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
  11. 請求項6から10のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法で製造されたマスクブランクの前記薄膜に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  12. 対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクの製造に用いられるマスクブランク用基板であって、
    前記基板は、前記一方の主表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、前記算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定し、基準平面からの高さを全ての前記特定点で取得し、前記全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ前記基準平面に垂直である垂線と前記仮想平面との交点を設定し、前記残りの特定点と前記交点との距離を算出したとき、前記算出された距離が0.2μm未満であることを特徴とするマスクブランク用基板。
  13. 前記算出領域は、前記基板の中心を基準とする一辺が146mmの正方形の領域と同一あるいはそれよりも小さい領域であることを特徴とする請求項12記載のマスクブランク用基板。
  14. 前記基板の一方の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して前記測定点の前記基準平面からの高さを取得したとき、前記算出領域内の前記特定点および前記測定点における前記基準平面からの高さの最高値から最低値を差し引いた差が0.2μmよりも大きいことを特徴とする請求項12または13に記載のマスクブランク用基板。
  15. 前記基準平面は、前記基板の一方の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して表面形状測定装置で測定することによって得られた前記表面形状測定装置の参照平面を基準とする前記測定点の高さ情報に基づいて最小二乗法により近似した最小二乗平面であることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載のマスクブランク用基板。
  16. 前記一方の主表面は、二乗平均平方根粗さRqが0.25nm以下であることを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載のマスクブランク用基板。
  17. 請求項12から16のいずれかに記載のマスクブランク用基板の前記一方の主表面に前記転写パターン形成用の薄膜を備えることを特徴とするマスクブランク。
  18. 対向する1組の主表面を有する基板の一方の主表面に転写パターン形成用の薄膜が設けられたマスクブランクであって、
    前記マスクブランクは、前記薄膜の表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が132mmの正方形の領域を少なくとも含む正方形の領域である算出領域を設定し、前記算出領域における4つの隅部のそれぞれに特定点を設定し、基準平面からの高さを全ての前記特定点で取得し、前記全ての特定点のうち3つの特定点を通る仮想平面を設定し、残りの特定点を通りかつ前記基準平面に垂直である垂線と前記仮想平面との交点を設定し、前記残りの特定点と前記交点との距離を算出したとき、前記算出された距離が0.2μm未満であることを特徴とするマスクブランク。
  19. 前記算出領域は、前記基板の中心を基準とする一辺が146mmの正方形の領域と同一あるいはそれよりも小さい領域であることを特徴とする請求項18記載のマスクブランク。
  20. 前記薄膜の表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して前記測定点の前記基準平面からの高さを取得したとき、前記算出領域内の前記特定点および前記測定点における前記基準平面からの高さの最高値から最低値を差し引いた差が0.2μmよりも大きいことを特徴とする請求項18または19に記載のマスクブランク。
  21. 前記基準平面は、前記薄膜の主表面の前記算出領域内に測定点を複数設定して表面形状測定装置で測定することによって得られた前記表面形状測定装置の参照平面を基準とする前記測定点の高さ情報に基づいて最小二乗法により近似した最小二乗平面であることを特徴とする請求項18から20のいずれかに記載のマスクブランク。
  22. 請求項17から21のいずれかに記載のマスクブランクの前記薄膜に転写パターンが設けられていることを特徴とする転写用マスク。
  23. 請求項11記載の転写用マスクの製造方法で製造された転写用マスクを露光装置のマスクステージにセットし、リソグラフィ法により前記転写用マスクの転写パターンを半導体基板上に転写することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  24. 請求項22記載の転写用マスクを露光装置のマスクステージにセットし、リソグラフィ法により前記転写用マスクの転写パターンを半導体基板上に転写することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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