JPWO2018011955A1 - エレベータおよびエレベータのリニューアル方法 - Google Patents

エレベータおよびエレベータのリニューアル方法 Download PDF

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Abstract

この発明は、耐火被覆材の剥ぎ落とし量を削減し、立柱の敷設負荷を軽減できるエレベータのリニューアル方法およびエレベータを得る。
この発明のエレベータのリニューアル方法は、建築梁を四角形に組んだ複数の枠部材を、節点同士を建築柱で連結して、上下方向に組み上げて構成されて、昇降路内に設置された骨組構造体と、上記昇降路の壁に被覆された耐火被覆材と、を備えたエレベータのリニューアル方法であって、上記節点周りの上記耐火被覆材を剥ぎ取る工程と、つなぎ部材を上記節点で直交する上記建築梁の間に架け渡し、上記つなぎ部材を上記建築梁に固定する工程と、立柱を上下方向に相対する上記つなぎ部材の間に配置し、上記立柱を上記つなぎ部材に固定する工程と、を備える。

Description

この発明は、エレベータおよびエレベータのリニューアル方法に関し、特に、骨組構造体が昇降路内に設置されているエレベータをリニューアルする際に必要な、ガイドレールを固定するための立柱を昇降路内に敷設する方法、および立柱の敷設構造に関するものである。
一般に、エレベータにおいては、昇降路の壁又は囲い、および出入り口の戸などが、耐火被覆材で覆われている(例えば、特許文献1参照)。このようなエレベータをリニューアルする場合、搬入性の問題から、短いガイドレールが用いられる。短いガイドレールは、昇降路内の建築梁にブラケットを介して固定できないので、ガイドレールを固定するための立柱を、建築梁を利用して昇降路内に設置し、ガイドレールをブラケットを介して立柱に固定していた。
特開平08−277076号公報
立柱は、それぞれ、両端を上下に離間する建築梁に溶接されて、昇降路内に、建築梁の長さ方向に2列となって、上下方向に敷設される。このとき、上下に離間する建築梁の間の昇降路の壁に被覆されていた耐火被覆材を剥ぎ落とし、立柱を敷設した後、耐火被覆材を昇降路の壁に被覆する必要があり、立柱の敷設負荷が大きいという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、耐火被覆材の剥ぎ落とし量を削減し、立柱の敷設負荷を軽減できるエレベータのリニューアル方法およびエレベータを得ることを目的とする。
この発明のエレベータのリニューアル方法は、建築梁を四角形に組んだ複数の枠部材を、節点同士を建築柱で連結して、上下方向に組み上げて構成されて、昇降路内に設置された骨組構造体と、上記昇降路の壁に被覆された耐火被覆材と、を備えたエレベータのリニューアル方法であって、上記節点の周りの上記耐火被覆材を剥ぎ取る工程と、つなぎ部材を上記節点で直交する上記建築梁の間に架け渡し、上記つなぎ部材を上記建築梁に固定する工程と、立柱を上下方向に相対する上記つなぎ部材の間に配置し、上記立柱を上記つなぎ部材に固定する工程と、を備える。
この発明によれば、立柱を敷設するに先立って、節点の周りの耐火被覆材のみを剥ぎ取っているので、耐火被覆材の剥ぎ取り量が低減される。そこで、耐火被覆材の剥ぎ取り作業負荷および耐火被覆材の再吹き付け作業負荷が低減され、立柱の敷設負荷が軽減される。
この発明の実施の形態1に係るエレベータの昇降路内に設置される骨組構造体を示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータのリニューアル方法において耐火被覆材を部分的に除去した状態を示す要部斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータのリニューアル方法においてつなぎ部材を取り付けた状態を示す要部斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータのリニューアル方法において立柱を取り付けた状態を鉛直方向の上方から見た図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータのリニューアル方法において立柱を取り付けた状態を水平方向から見た図である。 この発明の実施の形態2に係るエレベータのリニューアル方法において用いられるつなぎ部材を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータのリニューアル方法において立柱を取り付けた状態を示す要部斜視図である。 この発明の実施の形態3に係るエレベータのリニューアル方法においてつなぎ部材を取り付ける前の状態を示す要部斜視図である。 この発明の実施の形態3に係るエレベータのリニューアル方法において用いられるつなぎ部材を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係るエレベータのリニューアル方法において用いられるつなぎ部材を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係るエレベータのリニューアル方法においてつなぎ部材を取り付けた状態を鉛直上方から見た図である。 従来のエレベータのリニューアル方法において立柱を敷設した状態を示す斜視図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの昇降路内に設置される骨組構造体を示す模式図、図2はこの発明の実施の形態1に係るエレベータのリニューアル方法において耐火被覆材を部分的に除去した状態を示す要部斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係るエレベータのリニューアル方法においてつなぎ部材を取り付けた状態を示す要部斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係るエレベータのリニューアル方法において立柱を取り付けた状態を鉛直方向の上方から見た図、図5はこの発明の実施の形態1に係るエレベータのリニューアル方法において立柱を取り付けた状態を水平方向から見た図である。なお、図1では、便宜上、耐火被覆材は一部のみ図示されている。
図1において、骨組構造体100は、4本の直線状の建築梁11を四角形に組んだ枠部材10を、節点同士を直線状の建築柱12で連結して、鉛直方向、すなわち上下方向に複数段に組み上げて構成されている。なお、枠部材10の節点が、一方の建築梁11の端面を、他方の建築梁11の端部の側面に突き合わせ、両者を溶接などにより剛接合して、構成されている。また、枠部材10の節点が、建築柱12と溶接などにより剛接合される。
このように構成された骨組構造体100は、例えば、昇降路のピットの床面に固定されて、昇降路内に上下方向に敷設される。そして、建築柱12が、昇降路内の四隅に位置して上下方向に延びている。さらに、昇降路の壁が耐火材としての耐火被覆材4で覆われている。なお、図1では、骨組構造体100は、建築柱12を介して枠部材10を4段に重ねて構成されているが、実際には、昇降路の上下方向の全長と同等の高さとなるように枠部材10が多段に重ねられている。
つぎに、このように構成されたエレベータのリニューアル方法について説明する。
まず、図2に示されるように、枠部材10の節点の周りの耐火被覆材4を剥ぎ取り、節点の周りの建築梁11の上面を露出させる。ついで、図3に示されるように、例えば、H形鋼で作製されたつなぎ部材20を節点で直交する建築梁11間に架け渡し、溶接、ボルトによる締着などにより、建築梁11に固定する。このようにして、つなぎ部材20が、各節点の近傍に、建築梁11の上部間に水平に架け渡される。
ついで、図4および図5に示されるように、例えば、H形鋼で作製された立柱13を上下に離間するつなぎ部材20間に配置し、立柱13の端部を溶接、ボルトによる締着などにより、つなぎ部材20に固定する。これにより、骨組構造体100の四隅のそれぞれに、立柱13が上下方向に一列に並んで敷設される。
ついで、図示していないが、耐火被覆材4が剥ぎ取られた部分に、難燃材料を吹き付けて、昇降路1の壁2を耐火被覆材4で覆う。その後、図示していないが、新規のガイドレールを搬入し、ブラケットを用いて、ガイドレールを立柱13に取り付ける。さらに、新規の巻上機を機械室に据え付け、新規のかごやつり合いおもりを昇降路に据え付ける、などの必要なリニューアル作業を行う。
ここで、比較のために、図12を用いて従来の立柱13の据え付け方法を説明する。
まず、上下に離間する建築梁11間の、昇降路1の壁2に被覆されていた耐火被覆材4を剥ぎ取り、上下に離間する建築梁11間に立柱13を配置する。ついで、立柱13の両端部を建築梁11のそれぞれに溶接、ボルトの締着などにより固定する。そこで、2本の立柱13が、図12に示されるように、建築梁11の長さ方向に離間して建築梁11間に配設される。同様にして、立柱13が上下方向に離間する建築梁11間のそれぞれに2本ずつ配設される。これにより、立柱13が、昇降路の相対する壁面のそれぞれに、建築梁11の長さ方向に2列となって上下方向に延びるように敷設され、ガイドレールがブラケットを介して立柱13に取り付けられる。
このように、従来の立柱13の据え付け方法では、耐火被覆材4の剥ぎ取り量が増大するので、耐火被覆材4の剥ぎ取り作業負荷および耐火被覆材4の再吹き付け作業負荷が増大し、立柱13の敷設負荷が増大してしまう。
実施の形態1によれば、立柱13を敷設するに先だって、立柱13を取り付ける節点の近傍の耐火被覆材4のみを剥ぎ取るだけでよいので、耐火被覆材4の剥ぎ取り作業負荷および耐火被覆材4の再吹き付け作業負荷が軽減され、立柱13の敷設負荷を大幅に軽減することができる。
また、立柱13が昇降路1内のデッドスペースである骨組構造体100の四隅に敷設されているので、エレベータの機器との干渉を回避することができる。
なお、上記実施の形態1では、枠部材10の節点が、一方の建築梁11の端面を、他方の建築梁11の端部の側面に突き合わせ、両者を溶接などにより剛接合して、構成されているが、枠部材の節点は、例えば、建築梁11の端面を建築梁11の長さ方向に対して45°傾斜する傾斜面とし、建築梁11の端面同士を突き合わせて、両者を溶接などにより剛接合して、構成されてもよい。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係るエレベータのリニューアル方法において用いられるつなぎ部材を示す斜視図、図7はこの発明の実施の形態1に係るエレベータのリニューアル方法において立柱を取り付けた状態を示す要部斜視図である。
図6において、つなぎ部材21は、厚い金属板や金属ブロックをL字状に作製して構成されている。
このように構成されたつなぎ部材21は、図7に示されるように、耐火被覆材4が剥ぎ取られた節点で直交する建築梁11の上部間に架け渡され、溶接、ボルトによる締着などにより、建築梁11に固定される。このとき、建築柱12が、L字状のつなぎ部材21の内周面に接している。そして、立柱13が、その両端部を、溶接、ボルトによる締着などにより、上下に離間するつなぎ部材21の上面および下面に固定され、上下に離間するつなぎ部材21の間に敷設される。
したがって、実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態2では、建築柱12が、L字状のつなぎ部材21の内周面に接しているので、つなぎ部材21の接合強度が高められる。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3に係るエレベータのリニューアル方法においてつなぎ部材を取り付ける前の状態を示す要部斜視図、図9はこの発明の実施の形態3に係るエレベータのリニューアル方法において用いられるつなぎ部材を示す斜視図である。
図8において、枠部材10Aの節点が、一方の建築梁11の端部を他方の建築梁11の端部の上に重ねて、両者を溶接などにより剛接合して、構成されている。つなぎ部材22は、図9に示されるように、厚い金属板や金属ブロックにより作製されたL字状の受け部材23と、建築梁11と同じH形鋼で短尺に作製されて建築梁11と同じ高さを有し、L字状の受け部材23の一片の下面に溶接などにより剛接合された高さ調整材24と、を備える。
この実施の形態3では、上記実施の形態2と同様に、つなぎ部材22が、耐火被覆材4が剥ぎ取られた節点で直交する建築梁11の上部間に架け渡される。このとき、受け部材23が一方の建築梁11の端部に載置され、高さ調整材24が他方の建築梁11の端部に載置される。これにより、受け部材23が建築梁11間に水平に架け渡される。そして、受け部材23および高さ調整材24が、溶接、ボルトによる締着などにより、建築梁11に固定される。建築柱12が、L字状の受け部材23の内周面に接している。さらに、立柱13が、その両端部を、溶接、ボルトによる締着などにより、上下に離間するつなぎ部材22の受け部材23の上面および下面に固定され、上下に離間するつなぎ部材22の間に敷設される。
したがって、実施の形態3においても、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。
なお、上記実施の形態3では、L字状の受け部材23と高さ調整材34とによりつなぎ部材22を構成しているが、L字状の受け部材23に替えて、上記実施の形態1における直線状のつなぎ部材20を受け部材として用いてもよい。
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4に係るエレベータのリニューアル方法において用いられるつなぎ部材を示す斜視図、図11はこの発明の実施の形態4に係るエレベータのリニューアル方法においてつなぎ部材を取り付けた状態を鉛直上方から見た図である。
図10において、つなぎ部材25は、それぞれ、つなぎ部材20と同等に構成されて、高さ方向に離間して平行に配列された一対の受け部材26と、角形鋼管で作製され、建築梁11の高さと同等の長さを有し、長さ方向を受け部材26の長さ方向と直交させて、一対の受け部材26の間の受け部材26の長さ方向の中央に配置され、溶接により受け部材26のそれぞれに剛接合された連結部材27と、を備える。
そして、つなぎ部材25が、図11に示されるように、耐火被覆材4が剥ぎ取られた節点で直交する建築梁11間に架け渡される。このとき、一対の受け部材26が、節点で直交する両建築梁11の端部を上下方向に挟み込むように載置される。また、節点で直交する両建築梁11の上下辺の昇降路1の内方を向く側面が、連結部材27に接している。これにより、受け部材26が建築梁11間に水平に架け渡される。そして、受け部材26が、溶接、ボルトによる締着などにより、建築梁11に固定される。さらに、立柱(図示せず)が、その両端部を、溶接、ボルトによる締着などにより、上下に離間するつなぎ部材25の受け部材26に固定され、上下に離間するつなぎ部材25の間に敷設される。
したがって、実施の形態4においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態4では、建築梁11が、連結部材27に接しているので、つなぎ部材25の接合強度が高められる。
なお、上記実施の形態4では、上記実施の形態1におけるつなぎ部材を、上下方向に相対するように、節点で直交する建築梁の上部間と下部間とのそれぞれに架け渡し、上下方向に相対するつなぎ部材を連結部材で連結しているが、上記実施の形態2、3のつなぎ部材を、上下方向に相対するように、節点で直交する建築梁の上部間と下部間とのそれぞれに架け渡してもよい。そして、実施の形態2におけるL字状のつなぎ部材を上下方向に相対して配設した場合には、上下方向に相対するL字状のつなぎ部材の角部間を連結部材で連結すればよい。また、実施の形態3におけるL字状の受け部材と高さ調整材とからなるつなぎ部材を上下方向に相対して配設した場合には、上下方向に相対するL字状の受け部材の角部間を連結部材で連結すればよい。
また、上記各実施の形態では、昇降路の壁が耐火被覆材で覆われているエレベータについて説明しているが、本発明は、昇降路の壁がモルタル、防音材、石膏ボードなどの耐火材で覆われているエレベータに適用しても、同様の効果が得られる。

Claims (6)

  1. 建築梁を四角形に組んだ複数の枠部材を、節点同士を建築柱で連結して、上下方向に組み上げて構成されて、昇降路内に設置された骨組構造体と、
    上記昇降路の壁に被覆された耐火被覆材と、を備えたエレベータのリニューアル方法において、
    上記節点の周りの上記耐火被覆材を剥ぎ取る工程と、
    つなぎ部材を上記節点で直交する上記建築梁の間に架け渡し、上記つなぎ部材を上記建築梁に固定する工程と、
    立柱を上下方向に相対する上記つなぎ部材の間に配置し、上記立柱を上記つなぎ部材に固定する工程と、を備えるエレベータのリニューアル方法。
  2. 建築梁を四角形に組んだ複数の枠部材を、節点同士を建築柱で連結して、上下方向に組み上げて構成されて、昇降路内に設置された骨組構造体と、
    上記昇降路の壁に被覆された耐火被覆材と、を備えたエレベータにおいて、
    上記節点で直交する上記建築梁の間に架け渡たされた状態で、上記建築梁に固定されたつなぎ部材と、
    それぞれ、両端を上下方向に相対する上記つなぎ部材のそれぞれに固定された状態で上下方向に相対する上記つなぎ部材の間に配設され、上記骨組構造体の四隅のそれぞれに、上下方向に一列に敷設された立柱と、を備えるエレベータ。
  3. 上記節点は、上記建築梁の端部同士が水平面上で突き合わされた状態で固定されて構成されており、
    上記つなぎ部材は、直線状に構成され、その両端部を上記建築梁のそれぞれに接して、かつ長さ方向を上記建築梁のそれぞれの長さ方向に対して傾斜させて、上記節点で直交する上記建築梁の間に水平状態に架け渡されている請求項2記載のエレベータ。
  4. 上記節点は、上記建築梁の端部同士が水平面上で突き合わされた状態で固定されて構成されており、
    上記つなぎ部材は、L字状に構成され、そのL字状の内周面を上記建築柱に接して、かつその両端部を上記建築梁のそれぞれに接して、上記節点で直交する上記建築梁の間に水平状態に架け渡されている請求項2記載のエレベータ。
  5. 上記節点は、上記建築梁の端部同士が上下方向に重ねられた状態で固定されて構成されており、
    上記つなぎ部材は、L字状に構成され、そのL字状の内周面が上記建築柱に接して、その一端部が一方の上記建築梁に接して、かつ他端部が他方の上記建築梁に対して上下方向に離間して、上記節点で直交する上記建築梁の間に架け渡され、上記立柱が固定される受け部材と、上記建築梁と同じ高さを有し、他方の上記建築梁と上記つなぎ部材の他端部との間に配設されて、上記受け部材を水平状態に保持する高さ調整材と、を備える請求項2記載のエレベータ。
  6. 上記つなぎ部材が、上下方向に相対して、上記節点で直交する上記建築梁の上部間と下部間とのそれぞれに架け渡たされており、
    上下方向に相対する上記つなぎ部材が、連結部材で連結されており、
    上記連結部材が、上記節点で直交する上記建築梁のそれぞれの端部の上記昇降路の内方を向く面に接している請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のエレベータ。
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