JPWO2017212874A1 - 研磨液、化学的機械的研磨方法 - Google Patents

研磨液、化学的機械的研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017212874A1
JPWO2017212874A1 JP2018522390A JP2018522390A JPWO2017212874A1 JP WO2017212874 A1 JPWO2017212874 A1 JP WO2017212874A1 JP 2018522390 A JP2018522390 A JP 2018522390A JP 2018522390 A JP2018522390 A JP 2018522390A JP WO2017212874 A1 JPWO2017212874 A1 JP WO2017212874A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
acid
group
mass
polishing liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018522390A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6808731B2 (ja
Inventor
上村 哲也
上村  哲也
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JPWO2017212874A1 publication Critical patent/JPWO2017212874A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6808731B2 publication Critical patent/JP6808731B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09GPOLISHING COMPOSITIONS; SKI WAXES
    • C09G1/00Polishing compositions
    • C09G1/02Polishing compositions containing abrasives or grinding agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/14Anti-slip materials; Abrasives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/14Anti-slip materials; Abrasives
    • C09K3/1454Abrasive powders, suspensions and pastes for polishing
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/302Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to change their surface-physical characteristics or shape, e.g. etching, polishing, cutting
    • H01L21/304Mechanical treatment, e.g. grinding, polishing, cutting

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

本発明の課題は、CMPに適用した場合、被研磨体に欠陥が生じにくい研磨液、及び、化学的機械的研磨方法を提供することである。本発明の研磨液は、化学的機械的研磨に用いられる研磨液であって、砥粒、及び、有機酸を含み、Ca濃度が100質量ppt以下である。

Description

本発明は、化学的機械的研磨に用いられる研磨液、及び、化学的機械的研磨方法に関する。
半導体デバイスの開発においては、小型化及び高速化のため、近年、配線の微細化と積層化による高密度化及び高集積化が求められている。このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下、「CMP」と記す。)等の種々の技術が用いられている。このCMPは層間絶縁膜等の被加工膜の表面平坦化、プラグ形成、又は、埋め込み金属配線の形成等を行う場合に必須の技術であり、被研磨体の平滑化、配線形成時の余分な金属薄膜の除去又は絶縁膜上の余分なバリア層の除去を行っている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに被研磨体の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び被研磨体の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により被研磨体の表面を平坦化するものである。
研磨液として、例えば、特許文献1には「(a)シリカ粒子、(b)研磨組成物の全重量に対し、約5×10−3から約10ミリモル/kgの、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ土類金属、(c)約0.1から約15wt%の酸化剤、及び(d)水を含んでなる液体キャリア、を含み、約7から約13のpHを有する、化学的機械的研磨組成物。」が記載されている。特許文献1に記載される研磨組成物における、例えば、カルシウム等のアルカリ土類金属量を換算すると、0.2ppm〜400ppmに相当する。
特開2011−159998号公報
本発明者は、特許文献1に記載されたような研磨組成物を用いて、酸化珪素膜若しくは窒化珪素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta若しくはTaN等を主として含有する膜が成膜した基板等の各種被研磨体のCMPを実施したところ、研磨後の被研磨体に多くの欠陥が生じることを知見するに至った。この欠陥について詳細に検討したところ、その多くが、残渣の付着及びスクラッチ(研磨傷)を起因としたものであることを明らかとした。
併せて、研磨後に被研磨体上に付着した残渣は、その多くがカルシウムを含有しており、また一方で、研磨液中に含まれ得る砥粒のうち、例えばシリカ粒子又はセリナ粒子等の負の電荷を帯びた金属酸化物からなる砥粒を用いた場合には、液中にカルシウムが多く含まれるほど、被研磨体に化学的機械的研磨を実施した際のスクラッチ(研磨傷)がより顕著に発生することも明らかとした。
そこで、本発明は、CMPに適用した場合、被研磨体に欠陥が生じにくい研磨液を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記研磨液を用いた化学的機械的研磨方法を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定の組成を有し、且つ、液中に含まれるカルシウムの濃度を低減した研磨液により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 化学的機械的研磨に用いられる研磨液であって、
砥粒、及び、有機酸を含み、Ca濃度が100質量ppt以下である、研磨液。
(2) 研磨液中、SNP−ICP−MS測定より求められる金属粒子の含有量が100質量ppt以下である、(1)に記載の研磨液。
(3) 更に、電荷調整剤を含み、
上記電荷調整剤の含有量が、上記有機酸の含有量に対して質量比で0.1以下であり、
上記Ca濃度が0.01〜100質量pptである、請求項1又は2に記載の研磨液。
(4) 上記Ca濃度が0.01〜80質量pptである、(1)〜(3)のいずれかに記載の研磨液。
(5) 上記有機酸が、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸及びクエン酸からなる群から選ばれる多価酸を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の研磨液。
(6) pHが、1.5〜5.0、又は、9.0〜12.0の範囲である、(1)〜(5)のいずれかに記載の研磨液。
(7) 上記電荷調整剤として、硝酸、ホウ酸、及び燐酸からなる群より選ばれる無機酸若しくはそのアンモニウム塩、又は、有機酸のアンモニウム塩を含む、(3)〜(6)のいずれかに記載の研磨液。
(8) 研磨定盤に取り付けられた研磨パッドに、(1)〜(7)のいずれかに記載の研磨液を供給しながら、被研磨体の被研磨面を上記研磨パッドに接触させ、上記研磨体、及び上記研磨パッドを相対的に動かして上記被研磨面を研磨して研磨済み被研磨体を得る工程を含有する、化学的機械的研磨方法。
本発明によれば、CMPに適用した場合、被研磨体に欠陥が生じにくい研磨液を提供することができる。
また、本発明によれば、上記研磨液を用いた化学的機械的研磨方法を提供することもできる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子群)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において「準備」というときには、特定の材料を合成ないし調合等して備えることのほか、購入等により所定の物を調達することを含む意味である。
また、本明細書において、「ppm」は「parts-per-million(10−6)」を意味し、「ppt」は「parts-per-trillion(10−12)」を意味する。
また、本発明において、1psiは、6894.76Paに相当する。
〔研磨液〕
本発明の研磨液は、砥粒及び有機酸を含み、Ca濃度(カルシウム濃度)が100質量ppt以下である。
本発明の研磨液は、上記の構成を有することにより、CMPに適用した場合、被研磨体に欠陥が生じにくい。
これは、詳細には明らかではないが、以下のように推測される。
本発明の研磨液は、その調製過程においてイオン交換及び/又はフィルタリング等によりCa濃度が100質量ppt以下となるまで精製している点に大きな特徴がある。
上記の特徴により、カルシウムが核としてパーティクルを形成し、残渣として被研磨体上に付着することを抑制することができる。また、カルシウム(特にイオン性カルシウム)が液中に多く含まれると、砥粒であるシリカ粒子等の粒子周辺のマイナス電荷が中和されてゼータ電位が小さくなり、粒子同士の凝集が生じやすくなると考えられる。しかし、上述の構成とすることにより粒子の凝集が生じにくく、結果として、被研磨体に化学的機械的研磨を実施した際のスクラッチ(研磨傷)を抑制することが可能となる。
また、有機酸は、上記遊離のカルシウムイオンと錯形成し、遊離のカルシウムイオンの量を低減する。この結果、粒子の凝集をより抑制することができる。
なお、イオン交換又はフィルタリング等によるCa濃度の調整は、研磨液の調製過程で使用される溶剤又は原料成分に対して実施してもよいし、調製後の研磨液に対して実施してもよい。
研磨液をCMPに適用した際に、被研磨体に欠陥がより生じにくい観点から、研磨液中、Ca濃度は80質量ppt以下であることが好ましく、50質量ppt以下であることがより好ましく、45質量ppt以下であることが更に好ましく、25質量ppt以下であることが特に好ましい。また、その下限は特に限定されないが、欠陥性能の改良の観点から、0.01質量ppt以上であることが好ましい。
なお、本明細書において、Ca濃度とは、研磨液中に含まれるイオン性カルシウム及び非イオン性カルシウム(例えば、カルシウム粒子)の総濃度を意味し、言い換えると研磨液に含まれるカルシウム原子の含有量を意味する。
また、本明細書において「研磨液」とは、上記Ca濃度を満たしてれば、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。濃縮液又は濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液等で希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発等の物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
以下、本発明の研磨液の液性及び各成分について詳細に説明する。
<pH>
上記研磨液のpHは、通常、1.0〜14.0であり、被研磨体の材質により適宜設定することができる。

例えば、研磨対象が後述するような金属層である場合には、pHは9.0〜12.0であることが好ましい。pHが9.0以上であることで被研磨面が活性化され、より研磨されやすい状態になり、pHが12.0以下であることで、コロイダルシリカ等の砥粒が化学的に溶解するおそれが小さくなる。
また、例えば、研磨対象が、後述するような、無機絶縁層、又はポリシリコン等の無機半導体層である場合には、pHは1.5〜5.0であることが好ましい。pHが1.5以上であることで研磨装置関連の各種部材の腐食を防止し、pHが5.0以下であることで、被研磨面が活性化され、より研磨されやすい状態になる。
<砥粒>
上記研磨液は、砥粒を含有する。
上記砥粒としては特に制限されず、公知の砥粒を用いることができる。
砥粒としては例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、ゲルマニア、及び炭化珪素等の無機物砥粒;ポリスチレン、ポリアクリル、及びポリ塩化ビニル等の有機物砥粒が挙げられる。なかでも、研磨液中での分散安定性が優れる点、及びCMPにより発生するスクラッチの発生数の少ない点で、砥粒としてはシリカ粒子又はセリア粒子が好ましく、シリカ粒子がより好ましい。
シリカ粒子としては特に制限されず、例えば、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、及びコロイダルシリカ等が挙げられる。なかでも、コロイダルシリカが好ましい。
砥粒の平均一次粒径は特に制限されないが、研磨液がより優れた分散安定性を有する点で、1〜100nmが好ましい。なお、上記平均一次粒径は、メーカーのカタログ等により確認することができる。
上記砥粒の市販品としては、例えば、コロイダルシリカとして、PL−1、PL−3、PL−7、及びPL−10H等(いずれも商品名、扶桑化学工業社製)が挙げられる。
砥粒の含有量としては特に制限されず、研磨液全質量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。上記範囲内であると、研磨液をCMPに適用した場合、より優れた研磨速度が得られる。
なお、砥粒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の砥粒を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<有機酸>
上記研磨液は、有機酸を含有する。有機酸は、後述する酸化剤とは異なる化合物であり、金属の酸化促進、研磨液のpH調整、液中に含まれるイオン性カルシウムイオンの吸着(吸着の形態としては配位結合が好ましい)、及び緩衝剤としての作用を有する。
有機酸としては、水溶性の有機酸が好ましい。
有機酸としては、特に制限されず、公知の有機酸を用いることができる。
有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、並びにこれらのアンモニウム塩及び/又はアルカリ金属塩等の塩が挙げられる。なかでも、液中に含まれるイオン性カルシウムのキレート化性により優れる観点から多価酸又はその塩であることが好ましく、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸及びクエン酸から選ばれる多価酸であることがより好ましい。
有機酸の含有量としては特に制限されず、研磨液全質量に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
有機酸の含有量が、0.001質量%以上だと、研磨液をCMPに適用した場合、より優れた研磨速度が得られるほか、欠陥の発生をより抑制することができる。また、有機酸の含有量が25質量%以下だと、研磨液をCMPに適用した場合、被研磨面にディッシングがより発生しにくい。
なお、有機酸は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の有機酸を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<電荷調整剤>
上記研磨液は、電荷調整剤を含有することが好ましい。電荷調整剤は、砥粒である例えばシリカ粒子又はセリア粒子の表面電荷を調整して、粒子同士の凝集を抑制する機能を有する。
電荷調整剤としては特に限定されず、各粒子の表面に集積しやすい観点から、硝酸、ホウ酸及び燐酸からなる群より選ばれる無機酸若しくはそのアンモニウム塩、又は、有機酸のアンモニウム塩が好ましい。
硝酸、ホウ酸及び燐酸からなる群より選ばれる無機酸若しくはそのアンモニウム塩としては、なかでも硝酸又は硝酸アンモニウムが好ましい。また、有機酸のアンモニウム塩としては、上述した有機酸のアンモニウム塩が挙げられ、なかでも安息香酸アンモニウムが好ましい。
上記研磨液が電荷調整剤を含有する場合、その含有量としては特に制限されないが、研磨液をCMPに適用した際に、被研磨体に欠陥がより生じにくい観点から、研磨液全質量に対して、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましく、0.05質量%以下が特に好ましい。また、その下限は特に限定されないが、0.0001質量%以上であることが好ましい。
また、研磨液をCMPに適用した際に、被研磨体に欠陥がより生じにくい観点から、電荷調整剤の含有量は、有機酸の含有量に対して質量比で0.6以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下が更に好ましく、0.03以下が特に好ましく、0.001以下が最も好ましい。また、その下限は特に限定されないが、0.0001以上であることが好ましい。
なお、電荷調整剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の電荷調整剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<酸化剤>
上記研磨液は、配線形成時の余分な金属薄膜の除去等のCMP用途に適用する場合には、酸化剤を含有することが好ましい。酸化剤は、被研磨体の被研磨面に存在する研磨対象となる金属を酸化する機能を有する。
酸化剤としては特に制限されず、公知の酸化剤を用いることができる。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水、銀(II)塩、及び鉄(III)塩等が挙げられる。なかでも、過酸化水素が好ましい。
上記研磨液が酸化剤を含有する場合、その含有量としては特に制限されないが、研磨液全質量に対して、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
酸化剤の含有量が0.005質量%以上だと、研磨液をCMPに適用した場合に、より優れた研磨速度が得られる。酸化剤の含有量が10質量%以下だと、研磨液をCMPに適用した場合に、被研磨面にディッシングがより発生しにくい。
なお、酸化剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の酸化剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<アゾール化合物>
上記研磨液は、配線形成時の余分な金属薄膜の除去等のCMP用途に適用する場合には、アゾール化合物を含有することが好ましい。アゾール化合物は、上述した任意成分である酸化剤による酸化作用を向上させるだけではなく、被研磨体表面に吸着して皮膜を形成し、金属表面の腐食を制御するため、ディッシング又はエロージョンの発生を抑制できる。
本明細書において、アゾール化合物とは、窒素原子を1個以上含有する複素五員環を含有する化合物のことを意図し、窒素原子数としては1〜4個が好ましい。また、アゾール化合物は窒素原子以外の原子をヘテロ原子として含有してもよい。
また、上記誘導体は、上記複素五員環が含有しうる置換基を有する化合物を意図する。
上記アゾール化合物としては、例えば、ピロール骨格、イミダゾール骨格、ピラゾール骨格、イソチアゾール骨格、イソオキサゾール骨格、トリアゾール骨格、テトラゾール骨格、イミダゾール骨格、チアゾール骨格、オキサゾール骨格、イソオキサゾール骨格、チアジアゾール骨格、オキサジアゾール骨格、及びテトラゾール骨格を有する化合物等が挙げられる。
上記アゾール化合物としては、上記の骨格に更に縮合環を含有する多環構造を含有するアゾール化合物であってもよい。上記多環構造を含有するアゾール化合物としては例えば、インドール骨格、プリン骨格、インダゾール骨格、ベンゾイミダゾール骨格、カルバゾール骨格、ベンゾオキサゾール骨格、ベンゾチアゾール骨格、ベンゾチアジアゾール骨格、及びナフトイミダゾール骨格を含有する化合物等が挙げられる。
アゾール化合物が含有しうる置換基としては特に制限されないが、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、及びN−スルファモイルカルバモイル基等が挙げられる。)、カルバゾイル基、カルボキシル基又はその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基を繰り返し単位として含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキル又はアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、及びイソキノリニオ基が挙げられる)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、及びN−スルホニルスルファモイル基が挙げられる)又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、及びシリル基等が挙げられる。
なかでも、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロ環基(置換する位置は問わない)が好ましい。
なお、ここで、「活性メチン基」とは、2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味する。「電子求引性基」とは、例えば、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、又はカルボンイミドイル基を意図する。また、2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また、「塩」とはアルカリ金属、アルカリ土類金属、及び重金属等の陽イオン;アンモニウムイオン、及びホスホニウムイオン等の有機の陽イオン;を意図する。
アゾール化合物としては、具体的には、5−メチルベンゾトリアゾール、5−アミノベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチルベンゾアトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ピラゾール、及びイミダゾール等が挙げられる。
中でも、ベンゾトリアゾール化合物(ベンゾトリアゾール骨格を含有する化合物)と、ベンゾトリアゾール化合物とは異なる化合物(ベンゾトリアゾール骨格を含有しない化合物)とを含有することが好ましい。ベンゾトリアゾール骨格を含有する化合物は酸化剤により酸化された銅に強く配位しやすい。一方で、アゾール化合物であっても、ベンゾトリアゾール骨格を含有しない化合物は、酸化された銅に比較的弱く配位しやすい。これらを併用することで、研磨速度をより速めながらディッシングを抑制する効果が得られる。
上記ベンゾトリアゾール骨格を含有しない化合物としては、特に制限されないが、研磨速度をより向上させる観点から、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、又はイミダゾールが好ましい。
上記アゾール化合物の含有量としては、特に制限されないが、研磨速度をより向上させる観点から、研磨液全質量に対して0.001〜2質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましく、0.001〜0.1質量%が更に好ましい。
アゾール化合物を2種以上用いる場合は、その合計量が上記範囲内に含まれることが好ましい。
<研磨促進剤>
上記研磨液は、研磨促進剤を含有してもよい。研磨促進剤を含有することで、被研磨体の研磨後の処理面(例えば、無機絶縁層)の面内均一性(平坦性)をより向上させやすい。
研磨促進剤としては、スルホン酸化合物、ホスホン酸化合物が挙げられ、スルホ基(−SOH)及びアミノ基(−NH、−NHR又は−NRR’)を有する化合物であることが好ましい。なお、上記R及びR’は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、又はアリール基を表す。スルホ基及びアミノ基を有する化合物としては、例えば、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、1−アミノエタンスルホン酸、2−アミノ−1−エタンスルホン酸(タウリン)、1−アミノプロパン−2−スルホン酸等のアミノスルホン酸類、アミド硫酸(スルファミン酸)、及びN−メチルスルファミン酸が挙げられる。なかでも、4−アミノベンゼンスルホン酸又はアミド硫酸がより好ましい。
上記研磨液が研磨促進剤を含有する場合、その含有量としては特に制限されないが、面内均一性及び研磨速度をより良好とする観点から、研磨液全質量に対して、0.001〜10.0質量%が好ましく、0.01〜5.0質量%がより好ましい。
なお研磨促進剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の研磨促進剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<水>
上記研磨液は、水を含有することが好ましい。上記研磨液が含有する水としては、特に制限されないが、イオン交換水、又は純水等を用いることができる。
水の含有量としては特に制限されないが、研磨液全質量中、通常50〜99質量%が好ましい。
<界面活性剤及び/又は親水性ポリマー>
上記研磨液は、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーを含有してもよい。界面活性剤及び親水性ポリマーは、研磨液の被研磨面に対する接触角を低下させる作用を有し、研磨液が被研磨面に濡れ広がりやすくなる。
界面活性剤としては特に制限されず、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン界面活性剤等からなる群から選択される公知の界面活性剤を用いることができる。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸塩、硫酸エステル塩、及びリン酸エステル塩等が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、及びイミダゾリニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、及びアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型、グリコール型、及びフッ素系界面活性剤等が挙げられる。
上記研磨液が界面活性剤を含有する場合、その含有量としては特に制限されないが、研磨液をCMPに適用した際に、被研磨体に欠陥がより生じにくい観点から、研磨液全質量に対して、0.00001〜1.0質量%が好ましく、0.0001〜0.2質量%がより好ましく、0.0001〜0.05質量%が更に好ましい。
なお界面活性剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の界面活性剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
親水性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール等のポリグリコール類、ポリグリコール類のアルキルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸等の多糖類、ポリメタクリル酸及びポリアクリル酸等のカルボン酸含有ポリマー、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、並びにポリエチレンイミン等が挙げられる。そのような親水性ポリマーの具体例としては、特開2009−88243号公報の0042〜0044段落、特開2007−194261号公報の0026段落に記載されている水溶性高分子が挙げられる。
親水性ポリマーは、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリエチレンイミン及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる水溶性高分子であることが好ましい。ポリアクリルアミド及びポリメタクリルアミドとしては、窒素原子上にヒドロキシアルキル基を有するもの(例えばN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドポリマー等)又はポリアルキレンオキシ鎖を有する置換基を有するものがより好ましく、なかでも重量平均分子量が2000〜50000であるものが更に好ましい。ポリエチレンイミンとしては、窒素原子上にポリアルキレンオキシ鎖を有するものが好ましく、下記一般式(A)で表わされる繰り返し単位を有するものがより好ましく、なかでも重量平均分子量が2000〜50000であるものが更に好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法によるポリスチレン換算値として表した値を示す。
一般式(A)
一般式(A)において、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表す。
m、nは0〜200の数(混合物である場合は、その平均数)を表わし、m+nは2〜200である。
エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基が形成するアルキレンオキシ鎖は、ランダムであってもブロックであってもよい。
また、ポリエチレンイミンはHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値が16〜19であるものを用いることが好ましい。
上記研磨液が親水性ポリマーを含有する場合、その含有量としては特に制限されないが、研磨液をCMPに適用した際に、被研磨体に欠陥がより生じにくい観点から、研磨液全質量に対して、0.0001〜2.0質量%が好ましく、0.01〜1.0質量%がより好ましく、0.03〜0.4質量%が更に好ましい。
なお親水性ポリマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の親水性ポリマーを併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
また、界面活性剤と親水性ポリマーとを併用してもよい。
<有機溶剤>
上記研磨液は、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤としては特に制限されず、公知の有機溶剤を用いることができる。なかでも、水溶性の有機溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、例えば、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤及びアミド系溶剤等が挙げられる。
より具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びエトキシエタノール等が挙げられる。
なかでも、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、又はエチレングリコール等が好ましい。
有機溶剤を含有する場合、その含有量としては特に制限されないが、研磨液全質量に対して、0.001〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
有機溶剤の含有量が0.01〜2.0質量%の範囲内であると、より欠陥性能が改良された研磨液が得られる。
なお有機溶剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の有機溶剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<pH調整剤及び/又はpH緩衝剤>
上記研磨液は、所定のpHとすべく、更にpH調整剤及び/又はpH緩衝剤を含有してもよい。pH調整剤及び/又はpH緩衝剤としては、酸剤及び/又はアルカリ剤が挙げられる。なお、pH調整剤及びpH緩衝剤は、上記有機酸又は電荷調整剤とは異なる化合物である。
酸剤としては、特に制限されないが、例えば、硫酸が挙げられる。
アルカリ剤としては、特に制限されないが、アンモニア;水酸化アンモニウム及び有機水酸化アンモニウム(例えば水酸化テトラブチルアンモニウム);ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びトリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム等の炭酸塩;リン酸三ナトリウム等のリン酸塩;ホウ酸塩、及び四ホウ酸塩;ヒドロキシ安息香酸塩;等が挙げられる。
なお、有機水酸化アンモニウム(例えば水酸化テトラブチルアンモニウム)は、上述のpH調整剤及び/又はpH緩衝剤としての機能を有するほか、砥粒の安定剤としての機能も有する。
pH調整剤及び/又はpH緩衝剤の含有量としては、pHが所望の範囲に維持されるのに必要な量であれば特に制限されず、通常、研磨液全質量中、0.001〜0.1質量%が好ましい。
〔研磨液の製造方法〕
上記研磨液は、公知の方法により製造することができる。
以下、上記研磨液の製造方法について詳述する。
<原料精製工程>
上記研磨液の製造においては、液中のCa濃度を低減するため、研磨液を調製するための原料のいずれか1種以上を、事前に蒸留、イオン交換、又はろ過等によって精製することが望ましい。精製の程度としては、例えば、原料の純度99%以上となるまで精製することが好ましく、純度99.9%以上となるまで精製することがより好ましい。このような高純度の原料を使用することが、本発明による顕著な効果を得るために重要である。
精製方法としては、特に限定されないが、イオン交換樹脂若しくはRO膜(Reverse Osmosis Membrane)等に通す方法、蒸留、又は後述するフィルタリング等の方法が挙げられる。具体的には、例えば、逆浸透膜等に通液して1次精製を行った後、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、又は混床型イオン交換樹脂からなる精製装置に通液して2次精製を実施する方法等が挙げられる。
なお、精製処理は、上述した公知の精製方法を複数組み合わせて、実施してもよい。
また、精製処理は、複数回実施してもよい。
(フィルタリング)
フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、並びに、ポリエチレン及びポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これら材料の中でもポリエチレン、ポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)、PTFE及びPTA等のフッ素樹脂、並びに、ナイロン等のポリアミド系樹脂からなる群より選ばれる材料が好ましく、なかでも、PTFE及びPTA等のフッ素樹脂のフィルタがより好ましい。これらの材料により形成されたフィルタを使用することで、欠陥の原因となり易い極性の高い異物を効果的に除去できるほか、Ca濃度を効率的に減らすことができる。
フィルタの臨界表面張力としては、70mN/m以上が好ましく、95mN/m以下がより好ましく、75mN/m以上85mN/m以下が更に好ましい。なお、臨界表面張力の値は、製造メーカーの公称値である。臨界表面張力が上記範囲のフィルタを使用することで、欠陥の原因となり易い極性の高い異物を効果的に除去できるほか、Ca濃度を効率的に減らすことができる。
フィルタの孔径は、2〜20nm程度であることが好ましく、2〜15nmであることがより好ましい。この範囲とすることにより、ろ過詰まりを抑えつつ、原料中に含まれる不純物又は凝集物等、微細な異物を確実に除去することが可能となるほか、Ca濃度を効率的に減らすことができる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。異なるフィルタを組み合わせて2回以上フィルタリングを行う場合は1回目のフィルタリングの孔径より2回目以降の孔径が同じ、又は、小さい方が好ましい。また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照できる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択できる。また、ポリアミド製の「P−ナイロンフィルター(孔径0.02μm、臨界表面張力77mN/m)」;(日本ポール株式会社製)、高密度ポリエチレン製の「PE・クリーンフィルタ(孔径0.02μm)」;(日本ポール株式会社製)、及び高密度ポリエチレン製の「PE・クリーンフィルタ(孔径0.01μm)」;(日本ポール株式会社製)も使用することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたフィルタを使用できる。第2のフィルタの孔径は、1〜10nm程度であることが好ましい。
また、本発明においては、フィルタリングの工程は室温(25℃)以下で行うことが好ましい。より好ましくは23℃以下であり、20℃以下が更に好ましい。また、0℃以上であることが好ましく、5℃以上であることがより好ましく、10℃以上であることが更に好ましい。
フィルタリングの工程では、粒子性の異物又は不純物が除去できるが、上記の温度であると、原料中に溶解している上記粒子性の異物及び/又は不純物の量が少なくなるため、フィルタリングにより効率的に除去されるようになる。
また、使用されるフィルタは、原料を濾過する前に処理することが好ましい。この処理に使用される液体は、特に限定されないが、金属含有率が0.001質量ppt未満であることが好ましく、例えば、上述した水のほか、他の有機溶剤を精製して金属含有量を上記の範囲にしたものが挙げられる。上述のような金属含有率が低減された液体でフィルタを前処理することで、Ca濃度を効率的に減らすことができる。
<定量方法>
原料、又は、研磨液等に含まれるCa濃度は、ICP−MS法(誘導結合プラズマ質量分析法、測定装置としては、例えば、横河アナリティカルシステムズ製、Agilent 7500cs型を使用できる。)等で分析することができる。
ICP−MS法で測定されるCa濃度とは、イオン性カルシウム及び非イオン性カルシウム(例えば、カルシウム粒子)の総濃度であり、言い換えると研磨液中に含まれるカルシウム原子の含有量に相当する。
また、最近開発されたSNP−ICP−MS(Single Nano Particle-Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry)測定によれば、溶液中に存在する金属原子の量を、イオン性金属及び非イオン性金属(金属粒子)に分けて測定することが可能となった。ここで、非イオン性金属(金属粒子)とは、液中で溶解せず固体として存在している成分である。
本発明の研磨液において、SNP−ICP−MS法で測定したときの非イオン性金属(金属粒子)の含有量は、欠陥性能の改良の観点から、研磨液全質量に対して100質量ppt以下であることが好ましく、50質量ppt以下であることがより好ましい。下限は特に制限されないが、0.1質量ppt以上の場合が多い。
なお、本明細書において、非イオン性金属(金属粒子)として金属元素を限定しない場合には、液中に含まれる全金属元素を意図している。
また、研磨液に含まれる非イオン性金属(金属粒子)量を測定する場合には、研磨液に超高純度フッ化水素酸を加え、研磨液中に含まれる砥粒等の固体成分を溶解した後、SNP−ICP−MS法による測定を行えばよい。
本発明の研磨液の調製、処理分析、及び、測定は全てクリーンルームで行うことが好ましい。クリーンルームは、14644−1クリーンルーム基準を満たすことが好ましい。ISO(国際標準化機構)クラス1、ISOクラス2、ISOクラス3、又はISOクラス4のいずれかを満たすことが好ましく、ISOクラス1、又はISOクラス2を満たすことがより好ましく、ISOクラス1であることが更に好ましい。
<調液工程>
本発明の研磨液の調液は特に限定されず、例えば、上述した各成分を混合することにより製造することができる。上述した各成分を混合する順序及び/又はタイミングは特に制限されず、例えば、pHを調整した水に予め砥粒を分散し、所定の成分を順次混合する方法が挙げられる。
なお、必要に応じて調液された研磨液に対して、上述したようなフィルタリング等の精製処理を行って、Ca濃度の調整をしてもよい。
<研磨装置>
研磨装置としては特に制限されず、上記実施態様に係るCMP方法を適用できる公知の化学的機械的研磨装置(以下「CMP装置」ともいう、)を用いることができる。
CMP装置としては、例えば、被研磨面を有する被研磨体(例えば、半導体基板等)を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を備える一般的なCMP装置を用いることができる。市販品としては、例えば、Reflexion(アプライド・マテリアルズ社製)を用いることができる。
〔化学的機械的研磨方法〕
本発明の研磨液を用いた化学的機械的研磨方法は、特に限定されず、公知の化学的機械的研磨方法を適用することができる。
本発明の研磨液を用い得る一実施形態に係る化学的機械的研磨方法とおして、研磨定盤に取り付けられた研磨パッドに、上記研磨液を供給しながら、被研磨体の被研磨面を研磨パッドに接触させ、研磨体、及び研磨パッドを相対的に動かして被研磨面を研磨して研磨済み被研磨体を得る工程を含有する、化学的機械的研磨方法(以下「CMP方法」ともいう。)が挙げられる。
<被研磨体>
上記実施態様に係るCMP方法を適用することができる被研磨体としては、特に制限されない。被研磨体の一例として、表面に、金属層、無機絶縁層、及び無機半導体層からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する基板が挙げられる。つまり、上記実施態様に係るCMP方法により、上述した金属層、無機絶縁層、又は無機半導体層が研磨される。なお、これらの層は積層されていてもよい。
基板とは、特に限定されないが、例えば、単層からなる半導体基板、及び、多層からなる半導体基板が含まれる。
単層からなる半導体基板を構成する材料は特に限定されず、一般的に、シリコン、シリコンゲルマニウム、GaAsのような第III−V族化合物、又はそれらの任意の組み合わせから構成されることが好ましい。
多層からなる半導体基板である場合には、その構成は特に限定されず、例えば、上述のシリコン等の半導体基板上に金属線及び誘電材料のような相互接続構造(interconnect features)等の露出した集積回路構造を有していてもよい。
金属層とは、特に限定されないが、配線を形成し得る配線層及びバリア金属層等が挙げられる。配線を形成し得る配線層に含まれる金属成分とは、例えば、銅系金属(銅又は銅合金等)が挙げられる。また、バリア金属層を構成するメタル材料としては、特に制限されず、公知の低抵抗のメタル材料を用いることができる。低抵抗のメタル材料としては、例えば、TiN、TiW、Ta、TaN、W、又はWNが好ましく、なかでもTa、又はTaNがより好ましい。
無機絶縁層を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、炭窒化珪素、酸化炭化珪素、及び酸窒化珪素等が挙げられる。なかでも、酸化珪素、又は窒化珪素が好ましい。

また、無機半導体層を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリシリコン、ポリシリコンにB又はP等の不純物元素をドーブした変性シリコンが挙げられる。
<研磨圧力>
上記実施態様に係るCMP方法では、研磨圧力、即ち、被研磨面と研磨パッドとの接触面に生ずる圧力が3000〜25000Paで研磨を行うことが好ましく、6500〜14000Paで研磨を行うことがより好ましい。
<研磨定盤の回転数>
上記実施態様に係るCMP方法では、研磨定盤の回転数が50〜200rpmで研磨を行うことが好ましく、60〜150rpmで研磨を行うことがより好ましい。
なお、研磨体及び研磨パッドを相対的に動かすために、更にホルダーを回転及び/又は揺動させてもよいし、研磨定盤を遊星回転させてもよいし、ベルト状の研磨パッドを長尺方向の一方向に直線状に動かしてもよい。なお、ホルダーは固定、回転、又は揺動のいずれの状態でもよい。これらの研磨方法は、研磨体及び研磨パッドを相対的に動かすのであれば、被研磨面及び/又は研磨装置により適宜選択できる。
<研磨液の供給方法>
上記実施態様に係るCMP方法では、被研磨面を研磨する間、研磨定盤上の研磨パッドに研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。なお、研磨液の態様については上記のとおりである。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容又は処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、特に断らない限り「%」は「質量%」を意図する。
〔原料等の精製〕
以下に示す各実施例で使用される各原料及び各触媒は、純度99%以上の高純度グレードを用い、更に事前に蒸留、イオン交換、又はろ過等によって精製したものである。特に研磨粒子を添加する前の溶液状態において、イオン交換、又はろ過等を行うことでより高精度の薬液が得られる。
なお、本実施例では、上記ろ過を下記方法により実施した。具体的には、フィルタとしてEntegris社製 15nm IEX PTFEを一段目に、Entegris社製 12nm ALL PTFEを二段目に用いて、連続ろ過を行った(循環回数は10回)。なお、各フィルタは使用前にIPA(イソプロピルアルコール)に浸漬して親水化処理を行った後に使用した。
実施例で使用した超純水は、特開2007―254168号公報に記載されている方法により精製を行い、後述する通常のICP−MS法による測定により、Ca原子の含有率が10質量ppt未満としたものである。
1.実施例1〜4、比較例1の研磨液の調製及びその評価
〔実施例1〕
下記に示す各成分を混合し、研磨液を調製した。なお研磨液のpHが表1に記載の値となるよう、希硫酸又は水酸化カルシウムを適宜添加した。
・コロイダルシリカ(平均一次粒子径:35nm、製品名「PL3」、扶桑化学工業社製、砥粒に該当する。) 4.0質量%
・マロン酸(有機酸に該当する。) 0.2質量%
・クエン酸(有機酸に該当する。) 0.02質量%
・硝酸アンモニウム(電荷調整剤に該当する。) 0.001質量%
・BTA(ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール骨格を含有するアゾール化合物に該当する。) 0.02質量%
・1,2,4−トリアゾール(ベンゾトリアゾール骨格を含有しない化合物に該当する。) 0.02質量%
・過酸化水素(酸化剤に該当する。) 0.02質量%
・水(超純水) 残部(質量%)
[各種測定及び評価]
得られた実施例1の研磨液に対して下記の評価を行った。
<Ca濃度測定>
ICP−MS分析(後述するSNP−ICP−MS分析ではない、通常のICP−MS分析を意味する)においては、分析ソフトウエアを後述するICP−MS分析装置としての分析ソフトウエア(Syngistix for ICP−MS ソフトウエア)に代えた以外は、後述するSNP−ICP−MS分析と同様の手法により、Ca濃度を測定した。ここで測定した「Ca濃度」は、イオン性カルシウム及び非イオン性カルシウム(例えばカルシウム粒子)の総濃度であり、言い換えると研磨液中に含まれるカルシウム原子の含有量に相当する。
<SNP−ICP−MS(Single Nano Particle-Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry)測定>
金属粒子の含有率については、Perkinelmer社製「Nexion350S」を用いて測定を行った。ここで、金属粒子とは、非イオン性金属であり、液中で溶解せず固体として存在している成分である。
1)標準物質の準備
標準物質は清浄なガラス容器内へ超純水を計量投入し、メディアン径50nmの測定対象金属粒子を10000個/mlの濃度となるように添加した後、超音波洗浄機で30分間処理した分散液を輸送効率測定用の標準物質として用いた。
2)測定条件
PFA製同軸型ネブライザ(なお、「PFA」とは、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体である。)、石英製サイクロン型スプレーチャンバ、石英製内径1mmトーチインジェクタを用い、測定対象液を約0.2mL/minで吸引した。酸素添加量は0.1L/min、プラズマ出力1600W、アンモニアガスによるセルパージを行った。時間分解能は50usにて解析を行った。
3) 金属粒子の含有率は、メーカー付属の下記解析ソフトを用いて計測した。
・金属粒子の含有率:ナノ粒子分析“SNP−ICP−MS”専用Syngistix ナノアプリケーションモジュール
<研磨速度の評価>
以下の条件で研磨液を研磨パッドに供給しながら研磨を行い、研磨速度の評価を行った。
・研磨装置:Reflexion(アプライド・マテリアルズ社製)
・被研磨体(ウエハ):
研磨速度算出用;
シリコン基板上に厚み0.5μmのCu膜を形成した直径300mmのブランケットウエハ
シリコン基板上に厚み0.15μmのTa膜を形成した直径300mmのブランケットウエハ
シリコン基板上に厚み1.0μmのSiO膜を形成した直径300mmのブランケットウエハ
・研磨パッド:IC1010(ロデール社製)
・研磨条件:
研磨圧力(被研磨面と研磨パッドとの接触圧力);1.5psi
研磨液供給速度;200ml/min
研磨定盤回転数;110rpm
研磨ヘッド回転数;100rpm
研磨速度の算出:
研磨速度算出用のブランケットウエハを60秒間研磨し、ウエハ面上の均等間隔の49箇所に対し、研磨前後での金属膜厚を電気抵抗値から換算して求め、(研磨前の膜厚―研磨後の膜厚)を研磨時間で割って求めた値の平均値を研磨速度(単位:nm/min)とした。
結果を表1に示す。
<欠陥性能>
研磨速度を評価したウエハに対し、ケーエルエーテンコール社製装置「SP−1」を用いてウエハ全面の0.30μm以上の残渣及びスクラッチに起因する欠陥を測定した。
得られた評価結果に対する欠陥の分類を実施し、残渣数及びスクラッチ数をそれぞれ下記の基準により評価した。
(残渣数評価)
「A」:残渣数が10個以下
「B」:残渣数が10個超50個以下
「C」:残渣数が50個超100個以下
「D」:残渣数が100個超
(スクラッチ数評価)
「A」:スクラッチ数が10個以下
「B」:スクラッチ数が10個超50個以下
「C」:スクラッチ数が50個超100個以下
「D」:スクラッチ数が100個超
〔実施例2〜4、比較例1〕
各成分の配合量又はCa濃度を換えた以外は上記実施例1と同様の方法により、実施例2〜4、比較例1の研磨液を調製し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。なお、Ca濃度は、原料精製時の条件を変更することにより調整した。
表1の結果から、本発明の研磨液を用いる場合、欠陥の発生が抑制されていることが明らかである。特に、液中において、電荷調整剤の含有量が、有機酸の含有量に対して質量比で0.3以下(好ましくは0.03以下)である場合、欠陥の発生をより抑制することができることが確認された(実施例1〜3の対比)。また、液中におけるCa濃度を80質量ppt以下とすることで欠陥の発生をより抑制することができることが確認された(実施例1、4の対比)。
2.実施例5〜9、比較例2の研磨液の調製及びその評価
〔実施例5〕
下記に示す各成分を混合し、研磨液を調製した。なお研磨液のpHが表2に記載の値となるよう、希硫酸又は水酸化カルシウムを適宜添加した。
・コロイダルシリカ(平均一次粒子径:35nm、製品名「PL3」、扶桑化学工業社製、砥粒に該当する。) 3.0質量%
・クエン酸(有機酸に該当する。) 0.2質量%
・硝酸(電荷調整剤に該当する。) 0.01質量%
・界面活性剤A(1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、和光純薬社製) 2.0質量%
・界面活性剤B(製品名「タケサーフA−43−NQ」、竹本油脂社製)
0.5質量%
・水(超純水) 残部(質量%)
[各種測定及び評価]
得られた実施例5の研磨液に対して、実施例1と同様に、Ca濃度測定(Ca原子量の測定)、SNP−ICP−MS測定(金属粒子量の測定)、研磨速度評価、及び、欠陥性能評価を実施した。なお、研磨速度評価については、被研磨体を下記に示す研磨速度算出用ブランケットウエハとした。
(被研磨体)
研磨速度算出用;
シリコン基板上に厚み1.0μmのSiN膜を形成した直径300mmのブランケットウエハ
シリコン基板上に厚み1.0μmのSiO膜を形成した直径300mmのブランケットウエハ
シリコン基板上に厚み1.0μmのpoly―Si膜を形成した直径300mmのブランケットウエハ
結果を表2に示す。
〔実施例6〜9、比較例2〕
各成分の配合量又はCa濃度を換えた以外は上記実施例5と同様の方法により、実施例6〜9、比較例2の研磨液を調製し、同様の評価を行った。結果を表2に示す。なお、Ca濃度は、原料精製時の条件を変更することにより調整した。
表2の結果から、本発明の研磨液を用いた場合、欠陥の発生が抑制されていることが明らかである。特に、液中において、電荷調整剤の含有量が、有機酸の含有量に対して質量比で0.6以下(好ましくは0.3以下)である場合、欠陥の発生をより抑制することができることが確認された(実施例5〜8の対比)。また、液中におけるCa濃度を45質量ppt以下とすることで欠陥の発生をより抑制することができることが確認された(実施例5、8、9の対比)。
3.実施例10〜14、比較例3の研磨液の調製及びその評価
〔実施例10〕
下記に示す各成分を混合し、研磨液を調製した。なお研磨液のpHが表3に記載の値となるよう、希硫酸又は水酸化カルシウムを適宜添加した。
・コロイダルシリカ(平均一次粒子径:35nm、製品名「PL3」、扶桑化学工業社製、砥粒に該当する。) 3.0質量%
・クエン酸(有機酸に該当する。) 0.5質量%
・安息香酸アンモニウム(電荷調整剤に該当する。) 0.002質量%
・TBAH(水酸化テトラブチルアンモニウム) 1.0質量%
・PAA(Mw25000)(重量平均分子量25000のポリアクリル酸、親水性ポリマーに該当する。) 0.2質量%
・水(超純水) 残部(質量%)
[各種測定及び評価]
得られた実施例10の研磨液に対して、実施例5と同様に、Ca濃度測定(Ca原子量の測定)、SNP−ICP−MS測定(金属粒子量の測定)、研磨速度評価、及び、欠陥性能評価を実施した。結果を表3に示す。
〔実施例11〜14、比較例3〕
各成分の配合量又はCa濃度を換えた以外は上記実施例10と同様の方法により、実施例11〜14、比較例3の研磨液を調製し、同様の評価を行った。結果を表3に示す。なお、Ca濃度は、原料精製時の条件を変更することにより調整した。
表3の結果から、本発明の研磨液を用いた場合、欠陥の発生が抑制されていることが明らかである。特に、液中において、電荷調整剤の含有量が、有機酸の含有量に対して質量比で好ましくは0.01以下である場合、欠陥の発生をより抑制することができることが確認された(実施例10〜12の対比)。また、液中におけるCa濃度を80質量ppt以下(好ましくは45質量ppt以下、より好ましくは25質量ppt以下)とすることで欠陥の発生をより抑制することができることが確認された(実施例10、13、14の対比)。
4.実施例15〜22、比較例4の研磨液の調製及びその評価
〔実施例15〕
下記に示す各成分を混合し、研磨液を調製した。なお研磨液のpHが表4に記載の値となるよう、希硫酸又は水酸化カルシウムを適宜添加した。
・セリア粒子(セリア砥粒分散液、二次粒径:350nm、日立化成工業株式会社製、製品名「GPXシリーズ」、pH8〜9、砥粒に該当する。)
3.0質量%
・リンゴ酸(有機酸に該当する。) 0.5質量%
・硝酸(電荷調整剤に該当する。) 0.001質量%
・4-アミノベンゼンスルホン酸(研磨促進剤に該当する。) 2.0質量%
・PAA(Mw5000)(重量平均分子量5000のポリアクリル酸、親水性ポリマーに該当する。) 0.3質量%
・水(超純水) 残部(質量%)
[各種測定及び評価]
得られた実施例15の研磨液に対して、実施例1と同様に、Ca濃度測定(Ca原子量の測定)、SNP−ICP−MS測定(金属粒子量の測定)、研磨速度評価、及び、欠陥性能評価を実施した。なお、研磨速度評価については、被研磨体(ウエハ)を下記に示す研磨速度算出用ブランケットウエハとした。
研磨速度算出用;
シリコン基板上に厚み1.0μmのSiO膜を形成した直径300mmのブランケットウエハ
シリコン基板上に厚み1.0μmのSiN膜を形成した直径300mmのブランケットウエハ
結果を表4に示す。
〔実施例16〜22、比較例4〕
各成分の配合量又はCa濃度を換えた以外は上記実施例15と同様の方法により、実施例16〜22、比較例4の研磨液を調製し、同様の評価を行った。結果を表4に示す。なお、Ca濃度は、原料精製時の条件を変更することにより調整した。
以下、表4でその他の添加剤として用いられる成分について説明する。
アルキレンポリアルキレンオキシドポリアミン(重量平均分子量(Mw)46000、 EO:PO=8:1、親水性ポリマーに該当する。)
・ポリグリセリン(重量平均分子量(Mw)1500、親水性ポリマーに該当する。)
・ポリアリルアミン(重量平均分子量(Mw)5000、親水性ポリマーに該当する。)
・ポリエチレングリコール(重量平均分子量(Mw)4000、親水性ポリマーに該当する。)
・ジアリルジメチルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(重量平均分子量(Mw)20000、親水性ポリマーに該当する。)
表4の結果から、本発明の研磨液を用いた場合、欠陥の発生が抑制されていることが明らかである。特に、液中において、電荷調整剤の含有量が、有機酸の含有量に対して質量比で好ましくは0.1以下である場合、欠陥の発生をより抑制することができることが確認された(実施例15〜17の対比)。また、液中におけるCa濃度を80質量ppt以下(好ましくは25質量ppt以下)とすることで欠陥の発生をより抑制することができることが確認された(実施例15、18、19の対比)。

Claims (8)

  1. 化学的機械的研磨に用いられる研磨液であって、
    砥粒、及び、有機酸を含み、Ca濃度が100質量ppt以下である、研磨液。
  2. 研磨液中、SNP−ICP−MS測定より求められる金属粒子の含有量が100質量ppt以下である、請求項1に記載の研磨液。
  3. 更に、電荷調整剤を含み、
    前記電荷調整剤の含有量が、前記有機酸の含有量に対して質量比で0.6以下であり、
    前記Ca濃度が0.01〜100質量pptである、請求項1又は2に記載の研磨液。
  4. 前記Ca濃度が0.01〜80質量pptである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨液。
  5. 前記有機酸が、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸及びクエン酸からなる群から選ばれる多価酸を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨液。
  6. pHが、1.5〜5.0、又は、9.0〜12.0の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨液。
  7. 前記電荷調整剤として、硝酸、ホウ酸、及び燐酸からなる群より選ばれる無機酸若しくはそのアンモニウム塩、又は、有機酸のアンモニウム塩を含む、請求項3〜6のいずれか1項に記載の研磨液。
  8. 研磨定盤に取り付けられた研磨パッドに、請求項1〜7のいずれか1項に記載の研磨液を供給しながら、被研磨体の被研磨面を前記研磨パッドに接触させ、前記研磨体、及び前記研磨パッドを相対的に動かして前記被研磨面を研磨して研磨済み被研磨体を得る工程を含有する、化学的機械的研磨方法。
JP2018522390A 2016-06-06 2017-05-15 研磨液、化学的機械的研磨方法 Active JP6808731B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016112944 2016-06-06
JP2016112944 2016-06-06
PCT/JP2017/018151 WO2017212874A1 (ja) 2016-06-06 2017-05-15 研磨液、化学的機械的研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017212874A1 true JPWO2017212874A1 (ja) 2019-05-16
JP6808731B2 JP6808731B2 (ja) 2021-01-06

Family

ID=60578571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018522390A Active JP6808731B2 (ja) 2016-06-06 2017-05-15 研磨液、化学的機械的研磨方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6808731B2 (ja)
KR (2) KR20190005918A (ja)
CN (1) CN109312213B (ja)
TW (1) TWI727052B (ja)
WO (1) WO2017212874A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7002354B2 (ja) * 2018-01-29 2022-02-04 ニッタ・デュポン株式会社 研磨用組成物
CN109746771B (zh) * 2019-02-14 2020-11-20 南京航空航天大学 一种CsPbX3无机钙钛矿晶体材料的抛光方法
KR102261822B1 (ko) * 2019-05-23 2021-06-08 에스케이씨솔믹스 주식회사 결함 발생이 감소된 cmp 슬러리 조성물 및 이의 제조방법
JP2022543483A (ja) * 2019-08-08 2022-10-12 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア タングステンエッチング抑制用組成物
CN114507478B (zh) * 2022-02-24 2023-05-09 北京通美晶体技术股份有限公司 一种砷化镓晶片加工用抛光液及其制备方法
CN115044299B (zh) * 2022-07-04 2023-11-17 浙江奥首材料科技有限公司 一种水溶性高比重大尺寸磨料悬浮助剂、制备方法、用途及包含其的研磨液

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW274625B (ja) * 1994-09-30 1996-04-21 Hitachi Seisakusyo Kk
JP3430733B2 (ja) * 1994-09-30 2003-07-28 株式会社日立製作所 研磨剤及び研磨方法
US7485241B2 (en) * 2003-09-11 2009-02-03 Cabot Microelectronics Corporation Chemical-mechanical polishing composition and method for using the same
JP2010028079A (ja) * 2008-02-18 2010-02-04 Jsr Corp 化学機械研磨用水系分散体およびその製造方法、ならびに化学機械研磨方法
WO2009104465A1 (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Jsr株式会社 化学機械研磨用水系分散体および化学機械研磨方法
KR100982870B1 (ko) * 2008-08-22 2010-09-16 주식회사 케이티 단말기 ui 저작 방법, 단말기 ui 저작 장치 및 단말기 ui 저작 방법을 구현하기 위한 프로그램이 기록된 기록매체
JP6038640B2 (ja) * 2012-12-17 2016-12-07 株式会社フジミインコーポレーテッド 基板濡れ性促進組成物、並びにこれを含む研磨用組成物およびこれを用いた基板の製造方法
RU2669598C2 (ru) * 2013-07-11 2018-10-12 Басф Се Композиция для химико-механической полировки (cmp), содержащая бензотриазольные производные в качестве ингибиторов коррозии

Also Published As

Publication number Publication date
TW201742899A (zh) 2017-12-16
KR102340528B1 (ko) 2021-12-20
CN109312213A (zh) 2019-02-05
CN109312213B (zh) 2021-11-30
JP6808731B2 (ja) 2021-01-06
WO2017212874A1 (ja) 2017-12-14
KR20190005918A (ko) 2019-01-16
TWI727052B (zh) 2021-05-11
KR20210104161A (ko) 2021-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6808731B2 (ja) 研磨液、化学的機械的研磨方法
KR102169835B1 (ko) 연마액, 화학적 기계적 연마 방법
US20080206995A1 (en) Metal-polishing liquid and polishing method therewith
WO2018159530A1 (ja) 研磨液、研磨液の製造方法、研磨液原液、研磨液原液収容体、化学的機械的研磨方法
JP2003124160A (ja) 研磨用組成物およびそれを用いた研磨方法
JP6113619B2 (ja) 研磨用組成物
JP7300030B2 (ja) 研磨液および化学的機械的研磨方法
JP2015193714A (ja) 研磨用組成物
KR102609113B1 (ko) 연마액, 연마액의 제조 방법, 연마액 원액, 및 화학적 기계적 연마 방법
JP2008244316A (ja) 金属用研磨液及び研磨方法
JP2009088182A (ja) 金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法
JP2007194593A (ja) 金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法
WO2019181437A1 (ja) 研磨液および化学的機械的研磨方法
TWI833935B (zh) 研磨用組合物、研磨方法及基板之製造方法
US20220106499A1 (en) Polishing liquid and chemical mechanical polishing method
JP6652638B2 (ja) 研磨液、及び化学的機械的研磨方法
JP2009087967A (ja) 金属用研磨液及び研磨方法
JP2007184395A (ja) 金属用研磨液
JP2008091543A (ja) 金属用研磨液及び研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191224

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6808731

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250