まず、本発明の第1の実施の形態にかかる接続装置の一例である集塵装置1について、図1乃至図6(b)を参照して説明する。
図1に示すように、集塵装置1は、作業工具の一例であるハンマドリル100に対して着脱自在に接続される。集塵装置1は、ハンマドリル100が被削材に対して行う作業によって被削材から生じる粉塵を吸引し、収集するための装置である。
以下の説明において、図1中の矢印で示された「前」を前方向、「後」を後方向、「上」を上方向、「下」を下方向と定義する。また、集塵装置1、ハンマドリル100を後方から見た場合の左を左方向、右を右方向と定義する。
図1に示されるように、集塵装置1は、ハンマドリル100に対して下方から接続される。まずは、集塵装置1が接続されるハンマドリル100の構成について、簡潔に説明する。
ハンマドリル100は、その外郭をなす本体ケーシング110を備える。本体ケーシング110は、本発明における「作業工具本体」の一例である。図1、2に示されるように、本体ケーシング110内には、駆動源としてのモータ120が設けられている。本体ケーシング110の後方下部には、バッテリ接続部111が設けられている。バッテリ接続部111には、モータ120を駆動するための電力を供給するバッテリパック6が着脱自在に接続される。また、本体ケーシング110の前端部には作業用途に応じてドリル刃等の先端工具130が着脱自在に取付けられる工具取付部112が設けられ、本体ケーシング110の後端部、バッテリ接続部111の上方には、作業者が把持するためのハンドル113が設けられている。ハンドル113にはモータ120の駆動を制御可能なトリガスイッチ114が設けられている。
上記構成を有するハンマドリル100においては、バッテリパック6がバッテリ接続部111に接続された状態で、作業者がハンドル113を把持してトリガスイッチ114を操作すると、モータ120が駆動され、工具取付部112に装着された先端工具130が駆動される。作業者は、駆動された状態の先端工具130を被削材に当接させる、あるいは被削材に当接させてからトリガスイッチ114を操作して先端工具130を駆動することで、被削材に対して回転、打撃、回転打撃の三種の作業を行うことができる。このようなハンマドリル100の構成は周知であるため、その詳細な説明は省略する。
また、集塵装置1との接続のため、本体ケーシング110には、凹部115、左右一対のガイド溝116、および左右一対の被係止部117が形成されている。凹部115は、本体ケーシング110の前方部分(工具取付部112を支持する部分)の下面に形成されている(図2参照)。左右一対のガイド溝116は、本体ケーシング110の左右両側面の下部において、バッテリ接続部111の前方の位置にそれぞれ形成されている。各ガイド溝116は、本体ケーシング110の対応する左右各側面の外表面から内側へ凹む溝形状を有しており、上下方向に延在している。左右一対の被係止部117は、本体ケーシング110の左右両側面の下部において、対応するガイド溝116よりも前方かつ凹部115よりも後方の位置にそれぞれ形成されている。各被係止部117は、本体ケーシング110の対応する左右各側面の外表面から内側へ窪む凹形状を有している。各被係止部117の窪みを構成する下面は、前後方向および水平方向に延在する面であって、後述の集塵装置1の係止爪44が係止される係止面Eとして機能する(図5(a)参照)。
次に、上記構成のハンマドリル100に接続される集塵装置1について説明する。図1〜4に示されるように集塵装置1は、ハウジング2と、スライダ部3と、係止機構4と、螺合機構5とを備えている。
図1乃至3に示されるように、ハウジング2は、本発明における「ハウジング」の一例であり、側面視略矩形状の略箱形を有している。ハウジング2は、前方部2Aと、後方部2Bとを有する。
図2に示されるように、前方部2Aは、集塵装置1がハンマドリル100に接続された状態において、ハンマドリル100よりも前方に位置する部分を構成する。前方部2A内には、吸引した粉塵を回収するための集塵ケース21が収容されている。集塵ケース21は前方部2Aに対して着脱自在に構成されている。よって、集塵ケース21内に蓄積された粉塵は、集塵ケース21をハウジング2から取り出すことで廃棄することができる。集塵ケース21内には吸引された粉塵を吸着させ、吸引した空気を濾過するためのフィルタ22が設けられている。
前方部2Aの上面2aには、凸部23が形成されている。凸部23は、上面2aの後端部近傍において上面2aから上方へ突出する略円柱状を有している。集塵装置1がハンマドリル100に接続されると、凸部23はハンマドリル100の本体ケーシング110に形成された凹部115に受け入れられ、凹部115と嵌合する。
後方部2Bは、ハウジング2の後方部分を構成する部分であり、本発明の「接続部」の一例である。後方部2B内には、集塵装置1の駆動源である集塵用モータ24が収容されている。集塵用モータ24は、回転軸24Aを有している。回転軸24Aは、前後方向に延びており、後方部2Bに対して回転可能に支承されている。集塵用モータ24の回転軸24Aの前端部にはファン24Bが固定されている。集塵用モータ24が駆動され、ファン24Bが回転することで、集塵装置1の吸引力が生成される。ファン24Bは、集塵ケース21がハウジング2(前方部2A)に装着された状態において、集塵ケース21のフィルタ22と略対向する。
図3に示されているように、ハウジング2の後方部2Bの上面2bには、一対の支持部25と、集塵用端子部26とが設けられている。一対の支持部25は、左右方向において互いに対向するように配置されており、それぞれ上面2bから上方に突出するよう設けられている。各支持部25は、略角柱形状を有しており、集塵装置1がハンマドリル100に接続された時にハンマドリル100の本体ケーシング110の底面に対して下から当接可能な高さを有している。
各支持部25には、第1支持孔27が形成されている。各第1支持孔27は、支持部25の側面視略中央部分を左右方向に貫通する貫通孔であり、本発明における「取付部」の一例である。第1支持孔27は、大径部27Aと小径部27Bとを有する(図5(a)、5(b)参照)。大径部27Aは第1支持孔27の左右方向内側を構成する部分であり、側面視六角形を有している(図3)。小径部27Bは、大径部27Aの左右方向外側に配置され、第1支持孔27の左右方向外側部分を構成する。大径部27Aと小径部27Bとは左右方向において同軸上に配置されている。
図2に示されるように、集塵用端子部26は、ハンマドリル100に接続された際に本体ケーシング110の底面に設けられた端子部118と嵌合する。これにより、集塵装置1とハンマドリル100とが電気的に接続される。つまり、集塵装置1はハンマドリル100に接続されると、ハンマドリル100に接続されたバッテリパック6から給電を受けることができるよう構成されている。
図3に戻り、後方部2Bは、一対の側壁28を有する。一対の側壁28は、後方部2Bの上面2bの左右の上縁部と、前方部2Aの左右の後縁部とをそれぞれ接続している。
両側壁28の後端部にはそれぞれ被ガイド部29が形成されている。各被ガイド部29は対応する側壁28の後端部の内面から左右方向内側へ突出し、上下方向に延在している。集塵装置1がハンマドリル100に接続するにあたり、各被ガイド部29は本体ケーシング110の対応するガイド溝116に下方から受け入れられる。つまり、被ガイド部29とガイド溝116とによって、集塵装置1のハンマドリル100に対する接続がガイドされる。
スライダ部3は、本体ケーシング110の前方部2Aに対して前後方向にスライド移動可能に支持されている。図2に示すように、スライダ部3は側面視略L字形状を有しており、前後方向に延在するホース収容部31と、ホース収容部31の前端部から上方へ延びるアダプタ部32とを有している。ホース収容部31の内部にはホース33が収容されている。ホース33はスライダ部3(ホース収容部31)の前後方向のスライド移動に応じて前後方向に伸縮可能に構成されている。ホース33の内部には空間33aが画成されており、集塵ケース21がハウジング2に装着された状態において集塵ケース21内の空間と連通する。アダプタ部32は作業時に被削材に対して当接される部分であり、その内部に画成される空間32aはホース33内の空間33aと連通している。また、アダプタ部32の先端部(上端部)には後面視略環状の吸引部34が設けられており、吸引部34には空間33aと連通する開口34aが形成されている。
工具取付部112に装着された先端工具130の先端(前端)は、環状の吸引部34の中央部分に配置される。この状態で先端工具130の先端および吸引部34を被削材に対して当接させてハンマドリル100を駆動させると、駆動された先端工具130による作業によって被削材から生じる粉塵等は開口34aからスライダ部3内に吸引される。開口34aから吸引された粉塵等は、アダプタ部32内の空間32a、ホース33内の空間33aを経由して、集塵ケース21まで運ばれ、集塵ケース21内に蓄積される。集塵ケース21内に設けられたフィルタ22が吸気中の粉塵を捕捉するため、吸引された粉塵は集塵用モータ24側へ移動することなく、確実に集塵ケース21内に蓄積される。フィルタ22により濾過された空気は、ファン24Bの近傍に形成される図示されない排気口から集塵装置1の外へ排出される。
係止機構4は、左右一対のラッチ機構41を備える。一対のラッチ機構41は、それぞれ対応する側壁28と後方部2Bの側壁とを上下方向に跨ぐように設けられている。
ラッチ機構41はハンマドリル100(被係止部117の係止面E)に対して係止可能であり、係止することで集塵装置1をハンマドリル100に対して接続するよう機能する。図3〜図6(b)に示されているように、各ラッチ機構41は、係止部材42と、付勢部材43とを有する。係止部材42は、上下方向に延在する側面視略矩形を有する。係止部材42は、ハウジング2の後方部2Bに対して回動可能に、後方部2Bに支持されている。
図3に示されるように、各係止部材42は、係止部42Aと、操作部42Bと、連結部42Cと、カバー46とを有している。
係止部42Aは、係止部材42の上部を構成する部分であり、その上端部には係止爪44を有している。係止爪44は、係止部42Aの上端部の内側面から左右方向内側へ向かって突出している。係止爪44は、集塵装置1がハンマドリル100に対して接続された時に本体ケーシング110の被係止部117の下面(係止面E)に係止する。より具体的には、図5(a)、5(b)に示すように、係止爪44の先端部(遊端部)は後面視略三角形を有しており、傾斜面44Aと下面44Bとを有する。傾斜面44Aは、左右方向内側へ向かうにつれて下方へ傾斜する面である。下面44Bは、左右方向、前後方向に延びる面であり、被係止部117の係止面Eに係止する。係止部42A、係止爪44は、それぞれ本発明における「係止部」、「係止爪」の一例である。
各係止部42Aにはその下部の前後方向略中央部分に第2支持孔47が形成されている。第2支持孔47は係止部42Aを左右方向に貫通する貫通孔であり、本発明における「取付部」の一例である。本実施の形態においては、第2支持孔47は支持部25に形成される第1支持孔27の小径部27Bと略同一の径を有している。第2支持孔47は、係止部42Aが図5(a)に示す係止位置にある時、小径部27Bと左右方向において同軸上に並んで配置される。
操作部42Bは、係止部材42の下部を構成する部分であり、作業者が集塵装置1をハンマドリル100に対して接続解除する際に操作する部分である。操作部42Bは、本発明における「操作部」の一例である。連結部42Cは、係止部42Aと操作部42Bとを連結しており、係止部材42の上下方向略中央部分を構成する。連結部42Cは、揺動軸45を有している。揺動軸45は、前後方向に延在する略円柱形を有しており、ハウジング2の後方部2Bを構成する側壁(左壁もしくは右壁)に回転可能に支持される。この構成により、各係止部材42は、ハウジング2の後方部2Bに対して揺動軸45の軸心を中心に回動可能に構成されている。カバー46は、連結部42Cに対して左右方向外側から取り付けられ、揺動軸45を覆っている。
付勢部材43は、本発明における「付勢部材」の一例であり、対応する操作部42Bとハウジング2の後方部2Bの対応する側壁(左壁もしくは右壁)との間に設けられている。付勢部材43は、操作部42Bを常に左右方向外側へ向けて付勢している。すなわち、各係止部42A(係止爪44)は、対応する各付勢部材43の付勢力により常には左右方向内側へ向けて付勢されている。したがって、係止爪44は、常には、図5(a)に示すハンマドリル100の被係止部117の係止面Eに係止した係止位置に位置する。
係止爪44が係止位置にある状態において、作業者が付勢部材43の付勢力に抗して操作部42Bを左右方向内側へ押圧すると、係止部材42は、揺動軸45の軸心を中心として、係止部42Aが左右方向外側へ向かって移動する方向に回動する。係止部材42の回動によって、係止爪44は図5(a)に示される係止位置から図5(b)に示される非係止位置へ移動する。非係止位置においては、係止爪44の下面44Bは被係止部117の係止面Eから離間しており、係止面Eに対する係止は解除されている。なお、以下、係止部材42の回動方向について、係止部42Aが左右方向外側へ向かって移動する回動方向を「外側回動方向」といい、係止部42Aが左右方向内側へ向かって移動する回動方向を「内側回動方向」という。「外側回動方向」は、本発明の「所定方向」の一例である。
作業者が操作部42Bを押圧して係止爪44を非係止位置に位置させている状態から操作部42Bに対する押圧を解除すると、付勢部材43の付勢力により係止部材42は揺動軸45の軸心を中心として内側回動方向に回動するため、係止爪44は非係止位置から係止位置へ戻る。このように、係止爪44は係止位置と非係止位置との間で移動可能に構成されている。
螺合機構5は、係止部42Aの移動量を規制することで、係止爪44の係止位置と非係止位置との間の移動を規制・許容するものである。螺合機構5は、本発明における「規制部」の一例であり、「規制手段」の一例である。図6(a)に示されるように、螺合機構5は左右一対の螺合部材51を有する。詳しくは、各螺合部材51は、雄ネジ部材52と、雌ネジ部材53とを有する。
雄ネジ部材52は、六角形のネジ頭52Aと、その首下の胴体部52Bとを有する六角ボルトである。ネジ頭52Aの径は、支持部25に形成された第1支持孔27の大径部27Aよりも僅かに小さく構成されている。図6(a)に示されるように、雄ネジ部材52は、ネジ頭52Aを左右方向内側に向けた状態で対応する第1支持孔27の大径部27Aに対して左右方向内側から挿入され、胴体部52Bが小径部27B、係止部42Aの第2支持孔47にそれぞれ挿通された状態で第1支持孔27と第2支持孔47とによって支持される。第1支持孔27(大径部27A、小径部27B)と第2支持孔47とに挿通された状態で、雄ネジ部材52の胴体部52Bは、その先端部分に形成されるネジ部(ネジ山)が第2支持孔47よりも左右方向外側へ突出するような長さを有している。
雌ネジ部材53は、第2支持孔47から突出した雄ネジ部材52の胴体部52Bのネジ部に対して螺合可能に構成された蝶ナットである。雌ネジ部材53は、図4に示すように、側面視略矩形のノブ部53Aを有する。作業者は、このノブ部53Aを操作することで雌ネジ部材53の雄ネジ部材52に対する締め付け量、すなわち、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53の螺合量を変更することができる。
雄ネジ部材52のネジ頭52Aの径は、第1支持孔27に形成された大径部27Aの径よりも小さく構成されている。よって、雄ネジ部材52のネジ頭52Aは、大径部27A内に収容された状態において大径部27Aに対して相対移動可能である。また、雄ネジ部材52の胴体部52Bは、小径部27Bおよび第2支持孔47より小さい(細い)径を有する。そのため、雄ネジ部材52が第1支持孔27、第2支持孔47に挿入された状態においては、雄ネジ部材52のネジ頭52Aは大径部27Aに対して、雄ネジ部材52の胴体部52Bは小径部27B、第2支持孔47に対して、それぞれ遊びをもって支持される。この遊びの存在により、雄ネジ部材52に対して雌ネジ部材53が緩く螺合された状態であれば、係止部材42は、揺動軸45の軸心を中心として外側回動方向に回動することができる。すなわち、係止部材42の係止部42A(係止爪44)は、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53とが螺合されたままの状態で、係止位置から非係止位置へ移動可能に構成されている。
具体的には、本実施の形態においては、各螺合部材51の雄ネジ部材52と雌ネジ部材53の螺合量が所定量R1未満の場合には、係止爪44は係止位置と非係止位置とに移動可能であり、螺合量が所定量R1以上である場合には、係止爪44の係止位置から非係止位置への移動は規制され、係止爪44は係止位置に維持される。
より詳細には、図6(b)を参照して、雄ネジ部材52が第1支持孔27、第2支持孔47に挿入された状態における胴体部52Bの先端の位置をR0とする。雌ネジ部材53を雄ネジ部材52に対してR0からRmaxの位置まで締めていき、雌ネジ部材53の左右方向内側面が係止部42Aの左右方向外側面と当接すると、係止部材42の外側回動方向への回動が規制される。すなわち、雄ネジ部材52のネジ頭52Aと雌ネジ部材53とによって、支持部25と係止部42Aとが挟まれた状態となる。これにより、係止爪44の係止位置から非係止位置への移動が規制され、係止爪44は係止位置に維持される。一方、図6(b)において破線で示されるように、雌ネジ部材53を雄ネジ部材52に対してR0からR1の位置までしか締め付けていない状態においては、雌ネジ部材53は、R0からRmaxの位置まで締めた状態よりも左右方向外側に位置するため、係止部42Aが左右方向外側へ移動可能となり、係止部材42の外側回動方向への回動は許容される。これにより、係止爪44は係止位置から非係止位置へ移動可能となる。
雄ネジ部材52と雌ネジ部材53との螺合量を変化させるには、大径部27A、小径部27B、第2支持孔47に挿通された状態の雄ネジ部材52に対する雌ネジ部材53の締め付け量を変化させればよい。具体的には、ノブ部53Aを操作し、雌ネジ部材53を雄ネジ部材52に対して締め付ければ螺合量を増加させ、緩めれば螺合量を減少させることができる。
螺合量がR1未満の場合、係止爪44は係止位置と非係止位置とに移動可能である。したがって、螺合量がR1未満である状態において作業者が操作部42Bを押圧すると、係止部材42は揺動軸45の軸心を中心として外側回動方向へ回動する。よって、係止爪44は係止位置から非係止位置へ移動する。また、係止爪44が係止位置から非係止位置へ移動された状態において作業者が操作部42Bに対する押圧を解除すれば、係止爪44は再び付勢部材43の付勢力によって係止位置に戻ることができる。
一方、螺合量がR1以上の場合、係止部材42の外側回動方向への回動は規制され、係止爪44は係止位置に維持される。この状態で作業者が操作部42Bを押圧しても、雌ネジ部材53の左右方向内側面が係止部42Aの左右方向外側面に当接して係止部材42の左右方向外側への回動を規制するため、係止爪44の係止位置から非係止位置への移動は規制される。
よって、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53との螺合量がR1以上の場合は、作業者が操作部42Bを押圧して集塵装置1をハンマドリル100から取り外そうとしても、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53との螺合によって係止爪44が係止位置に維持されるため、集塵装置1とハンマドリル100との接続は解除されない。逆に、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53の螺合量をR1未満としておけば、作業者が操作部42Bを押圧することで係止爪44は係止位置から非係止位置に移動するため、集塵装置1をハンマドリル100から取り外して接続を解除することができる。すなわち、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53をハウジング2(第1支持孔27)と係止部42A(第2支持孔47)に取付けたままの状態で、集塵装置1とハンマドリル100との接続/非接続に切り替えることができる。
次に、集塵装置1のハンマドリル100への接続について説明する。
集塵装置1をハンマドリル100に接続するには、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53との螺合量をR1未満にした後、集塵装置1の被ガイド部29をハンマドリル100の対応するガイド溝116に対して下方から挿入する。この状態でガイド溝116に沿って集塵装置1を上方へ移動させていくと、係止爪44はハンマドリル100の本体ケーシング110の下面、左右側面に順次当接しながら上方へ移動する。すなわち、各係止爪44の傾斜面44Aが本体ケーシング110の下面、左右各側面と順次当接しつつ上方へ相対移動するため、各係止部材42は付勢部材43の付勢力に抗して外側回動方向に開くように回動する。
集塵装置1を更に上方へ移動させていき、集塵装置1の凸部23とハンマドリル100の凹部115とが嵌合し、各被ガイド部29の上端部が対応するハンマドリル100のガイド溝116の上端部に当接すると、ハンマドリル100に対する集塵装置1のそれ以上の上方への移動が規制される。
この時、各係止部材42の係止爪44がハンマドリル100の対応する被係止部117と左右方向において対向し、係止部材42は付勢部材43の付勢力によって内側回動方向に回動する。この係止部材42の回動により、係止爪44が被係止部117内に受け入れられ、図5(a)に示すように、係止爪44の下面44Bが被係止部117の係止面Eに対して係止する。すなわち、係止爪44は係止位置に位置する。これにより、集塵装置1のハンマドリル100に対する接続が完了する。
なお、集塵装置1のハンマドリル100に対する接続が完了すると、集塵装置1の集塵用端子部26とハンマドリル100の端子部118とが嵌合し、集塵装置1とハンマドリル100とは電気的に接続される。
集塵装置1のハンマドリル100に対する接続が完了した段階で、雌ネジ部材53を雄ネジ部材52に対して締め付けて螺合量をR1以上とすれば、係止位置にある係止爪44の非係止位置への移動が規制され、係止爪44は係止位置に維持される。係止爪44を係止位置に維持しておく必要が無い場合は、接続完了後も螺合量をそのまま変更しなければよい。
集塵装置1のハンマドリル100に対する接続を解除するには、まず、雌ネジ部材53を雄ネジ部材52に対して緩めて螺合量をR1未満とする。螺合量がR1未満となった状態で作業者が操作部43Bを付勢部材43の付勢力に抗して左右方向内側へ押圧すると、係止部材42は外側回動方向に回動され、係止爪44の下面44Bは被係止部117の係止面Eから離間する(図5(b)参照)。すなわち、係止爪44の被係止部117(係止面E)に対する係止が解除され、係止爪44は係止位置から非係止位置に移動する。操作部42Bを押圧し係止爪44を非係止位置に維持した状態でガイド溝116に沿って集塵装置1をハンマドリル100に対して下方へ移動させていくと、まず凸部23と凹部115の嵌合が解除され、次に集塵装置1の被ガイド部29がガイド溝116から離間する。これにより、集塵装置1のハンマドリル100に対する接続解除が完了する。なお、集塵装置1の係止爪44の下面44Bが被係止部117の係止面Eより下方まで移動した時点で、作業者は操作部43Bから手を放してもよい。
なお、集塵装置1とハンマドリル100との接続が解除されると、集塵用端子部26もハンマドリル100の端子部118から離間し、集塵装置1とハンマドリル100との電気的接続も解除される。
上述の第1の実施の形態によれば、集塵装置1は、係止爪44を係止位置から非係止位置へ移動させる操作部42Bに対する操作が行われた場合であっても、係止爪44の係止位置から非係止位置への移動を規制可能な螺合機構5を規制部として有している。すなわち、螺合機構5(雄ネジ部材52と雌ネジ部材53との螺合)により、操作部42Bに対する操作が行われた場合であっても係止爪44を係止位置に維持可能に構成されている。そのため、操作部42Bに対する操作が行われたとしても係止爪44とハンマドリル100(被係止部117の係止面E)との係止が解除されないため、集塵装置1とハンマドリル100との接続が解除されることがない。よって、集塵装置1とハンマドリル100との接続をより強固に維持することができ、操作性を向上させることができる。
また、集塵装置1が接続された状態でハンマドリル100を用いて作業を行うと、振動等により、両者の接続部分を中心とした回転モーメントなど、ハンマドリル100と接続された集塵装置1とが相対移動するような方向に力が働くことがある。しかしながら、このような場合であっても、本実施の形態のように操作部42Bが操作されても集塵装置1とハンマドリル100との接続を維持可能な規制部としての螺合機構5を備えていれば、集塵装置1とハンマドリル100との相対移動を抑制することができる。
また、螺合機構5は、互いに螺合可能な雄ネジ部材52と雌ネジ部材53とを有している。すなわち、該雄ネジ部材52と該雌ネジ部材53とを螺合させるだけで、簡単に係止爪44を係止位置に維持することができる。
また、螺合機構5は、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53との螺合量がR1以上の場合には、操作部42Bに対する操作が行われても係止爪44が係止位置に維持されるよう係止爪44の移動量を規制し、螺合量がR1未満の場合には、係止爪44が係止位置と非係止位置との間で移動できるよう係止爪44の移動量を規制する。このように、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53の螺合量を変化させるだけで簡単に係止爪44の移動量を調整することができる。
また、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53との螺合を完全に解除することなく、螺合させたままの状態で係止爪44を係止位置に維持するか、あるいは係止爪44を係止位置と非係止位置との間で移動可能とするかを、作業内容や作業環境に応じて作業者が適宜選択し、容易に変更することができる。つまり、集塵装置1のハンマドリル100に対する接続を維持するか否かを作業者が容易に変更することができる。よって、作業性を向上させることができる。このような構成は、集塵装置1をハンマドリル100に対して頻繁に接続・接続解除する必要がある場合には、特に有効である。
また、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53の螺合量がR1未満である場合、操作部42Bが操作されると、係止部材42は外側回動方向へ回動し、該回動により係止爪44は係止位置から非係止位置へ移動する。すなわち、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53との螺合量がR1未満であれば、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53とを螺合させたままの状態でも、操作部42Bを操作すれば係止爪44を係止位置から非係止位置へ移動させることができる。すなわち、集塵装置1をハンマドリル100に対して接続解除するために雄ネジ部材52と雌ネジ部材53との螺合をわざわざ解除する必要がなく、操作性を損なうことがない。
なお、第1の実施の形態においては、雄ネジ部材52と雌ネジ部材53とが螺合した状態のままで係止爪44を係止位置と非係止位置との間で移動可能とするため、雄ネジ部材52のネジ頭52Aは大径部27Aに対して、雄ネジ部材52の胴体部52Bは小径部27B、第2支持孔47に対して、それぞれ遊びをもって支持される構成であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、雄ネジ部材52のネジ頭52Aが大径部27Aに対して移動不能な大きさである場合、胴体部52Bの径を小径部27B、第2支持孔47の径に対して十分に細くすれば係止部材42の回動を許容することができる。あるいは、雄ネジ部材52のネジ頭52A、胴体部52Bがともに大径部27A、小径部27Bに対してそれぞれほぼ遊びなく挿入される構成である場合、係止部材42の回動が許容される程度に係止部42Aの第2支持孔47の径を大きくすればよい。
更に、第1の実施の形態によれば、係止部材42(係止部42A)は互いに対向するように左右に一対設けられ、係止爪44がハンマドリル100の係止面Eに係止した状態において、ハンマドリル100は該一対の係止部材42の間に位置する。すなわち、係止爪44が係止位置にあるとき、係止されるハンマドリル100は該左右一対の係止部材42(係止部42A)の間に配置される。よって、係止爪44がハンマドリル100に対して一か所においてのみ係止される場合と比較すると、係止爪44がハンマドリル100の両側において係止するため、ハンマドリル100に対して集塵装置1をよりバランスよく接続することができる。
また、螺合機構5も、該左右一対の係止部材42(係止部42A)に対応して左右一対設けられるため、集塵装置1とハンマドリル100との相対移動の発生をより確実に抑制することができる。
また、第1の実施の形態によれば、ハンマドリル100には接続装置たる集塵装置1が着脱自在に接続される。よって、ハンマドリル100を用いて行われる作業中に粉塵等が発生しても、接続された集塵装置1が発生した粉塵等を吸引・回収するため、作業効率を向上させることできる。
また、第1の実施の形態によれば、集塵装置1の係止部42A(係止部材42)を接続対象であるハンマドリル100に近接させるだけで、係止爪44をハンマドリル100の係止面Eに対して係止させることができる。よって、集塵装置1をハンマドリル100に対して容易に接続することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる接続装置の一例であるバッテリパック6について、図7乃至図9(b)を参照して説明する。
バッテリパック6は、作業工具の一例であるハンマドリル100に着脱自在に接続されて使用される接続装置の一例である。すなわち、バッテリパック6は、接続されたハンマドリル100のモータ120を駆動するための電力を供給する装置である。
図7に示されるように、バッテリパック6は、ハウジング61と、ラッチ機構62と、規制部材7と、螺合機構8と、を備えている。ハウジング61は、本発明における「ハウジング」の一例である。規制部材7及び螺合機構8は、本発明における「規制部」の一例であり、「規制手段」の一例である。
ハウジング61は略直方体を有しており、図示せぬバッテリセルが収容されるロアハウジング61Aと、図示せぬ基板や端子等が収容されるアッパーハウジング61Bとを有している。
アッパーハウジング61Bは、左右一対のレール部63と、ラッチ機構収容部64とを有する。レール部63は、本発明における「接続部」の一例であり、「一対のレール部」の一例である。具体的には、一対のレール部63は、アッパーハウジング61Bの上面の略中央部分に配置されている。各レール部63は、本体部63Aと、リブ部63Bとを有する。本体部63Aは、前後方向に延在し、左右方向において互いに対向するよう設けられている。リブ部63Bは、対応する本体部63Aの上端部から水平に左右方向外側へ延びている。各レール部63の本体部63Aには、後述する係止部材65の係止爪65Aを進退可能に受け入れる貫通口63aが形成されている。
ラッチ機構収容部64は、アッパーハウジング61Bの上面において、左右一対のレール部63の後方に設けられている。ラッチ機構収容部64は、各レール部63の後端部に接続されている。ラッチ機構収容部64は、その内部空間にラッチ機構62を収容している。図7に示されるように、ラッチ機構収容部64の左右の各側壁には、後述する係止部材65の被押圧部67を進退可能に受け入れる貫通口64aが形成されている。また、図9(a)、9(b)に示されるように、ラッチ機構収容部64の後壁には、後述する規制部材7が挿入される一対の貫通口64bと、後述する螺合機構8の雄ネジ部材81を受け入れ可能に構成される受部641とが形成されている。貫通口64b、受部641は、本発明における「取付部」の一例である。受部641は、一対の貫通口64bの中間の位置であって、ラッチ機構収容部64の後壁の左右方向略中央の位置に設けられている。受部641は、後述する螺合機構8の雌ネジ部材82を支持する支持部641Aと、雄ネジ部材81が挿通される支持孔641bとを有している。
ラッチ機構62は、一対の係止部材65と、一対の付勢部材66とを備えている。各係止部材65は、ラッチ機構収容部64内において左右方向に移動可能に設けられている。詳細には、各係止部材65は、係止爪65Aと、操作部65Bとを有している。係止部材65、係止爪65Aは、それぞれ本発明における「係止部」、「係止爪」の一例である。係止爪65Aは、その先端が左右方向外側へ突出するフック形状を有しており、係止部材65の前方部分を構成している。操作部65Bは、係止部材65の後方部分を構成しており、前後方向、上下方向に延在する被押圧部67と、当接リブ68とを有する。被押圧部67は、対応する係止爪65Aの突出端(先端部)よりも左右方向外側に位置している。被押圧部67は、本発明における「操作部」の一例である。当接リブ68は操作部65Bの後端部から後方へ突出するリブである。すなわち、当接リブ68は被押圧部67よりも後方に位置している。
付勢部材66は、対応する係止部材65を左右方向外側へ向けて付勢する部材であり、本実施の形態においては圧縮バネである。付勢部材66は、本発明における「付勢部材」の一例である。付勢部材66の一端部は、対応する係止部材65の被押圧部67の左右方向内側面に接続されている。付勢部材66の他端部は、アッパーハウジング61Bに対してねじ止めされた付勢部材受部69の左右方向内側面に接続されている(図9(a)、9(b)参照)。上記構成により、各係止部材65は、対応する付勢部材66により、常には左右方向外側へ向けて付勢されている。すなわち、付勢部材66の付勢力により、各係止部材65の係止爪65Aの先端部は、常には対応するレール部63の本体部63Aに形成された貫通口63aを介して左右方向外側へ突出している(図8(a)参照)。この時の係止爪65Aの位置を、係止位置という。また、この時、各係止部材65の被押圧部67は、ラッチ機構収容部64を構成する左右の側面より左右方向外側へ突出している。
作業者が被押圧部67を左右方向外側から内側へ向けて押圧すると、係止部材65は付勢部材66の付勢力に抗して左右方向内側へ移動される。これにより、係止爪65Aも左右方向内側へ移動し、係止爪65Aの外側端部は、対応するレール部63の本体部63Aの貫通口63aを介して本体部63Aの左右方向外側面より内側に退避する(図8(b)参照)。この時の係止爪65Aの位置を非係止位置という。すなわち、係止爪65Aは、作業者の被押圧部67に対する押圧操作によって、対応するレール部63の左右方向外側面に対し左右方向において進退可能に構成されている。
図9(b)に示されるように、規制部材7は、上面視略コの字型を有する板状の部材であり、本発明の「規制部材」の一例である。本実施の形態においては、規制部材7は金属製である。規制部材7は、左右方向に延びる本体部71と、本体部71の左右両端部から前方へ延びる当接部72とを有している。当接部72がアッパーハウジング61Bの後壁(ラッチ機構収容部64の後壁)に形成された一対の貫通口64bに挿入され、本体部71の前面が該アッパーハウジング61Bの後壁に当接されることで、規制部材7はアッパーハウジング61Bに対して装着される。本体部71の左右方向の長さは、係止爪65Aが係止位置にある時の両当接リブ68間の左右方向における距離と略同一である。各当接部72の遊端部(前端部)は、本体部71の前面がアッパーハウジング61Bの後壁に当接された状態において、係止爪65Aが係止位置にある時の当接リブ68に対して左右方向内側から当接可能に構成されている。
具体的には、図9(b)に示されるように、規制部材7がアッパーハウジング61Bに対して装着された状態で、当接部72の左右方向外側面は、係止爪65Aが係止位置にある時の当接リブ68の左右方向内側面と当接する。当該当接状態において、当接部72の当接リブ68との当接部分の前後方向の長さは、Lである。また、当該当接状態においては、作業者が被押圧部67を左右方向外側から内側へ向けて押圧しても、係止部材65は係止位置から非係止位置へ移動されない。
本体部71の左右方向略中央部には、後述する螺合機構8の雄ネジ部材81の胴体部81Bが挿通される貫通孔71bが形成されている。貫通孔71bは、規制部材7の本体部71の前面がアッパーハウジング61Bの後壁に当接した状態において、アッパーハウジング61Bの受部641の支持孔641bと前後方向において対向する位置に形成されている。貫通孔71bと支持孔641bとは略同一の径を有している。
螺合機構8は、規制部材7をアッパーハウジング61Bの後壁に対して固定・固定解除可能に構成されている。螺合機構8は、本発明の「螺合機構」の一例であり、雄ネジ部材81と、雌ネジ部材82とを有する。雄ネジ部材81は、ネジ頭81Aと、それより首下のネジ山を有する胴体部81Bとを有する蝶ネジである。雌ネジ部材82は雄ネジ部材81の胴体部81Bに対して螺合可能に構成され、アッパーハウジング61Bの後壁(ラッチ機構収容部64の後壁)に設けられた受部641の支持部641Aに支持されている。雄ネジ部材81は、規制部材7がアッパーハウジング61Bに装着された状態で、胴体部81Bを貫通孔71bから挿入し、支持孔641bを介して雌ネジ部材82に対して挿入した後、ネジ頭81Aを操作して胴体部81Bを雌ネジ部材82に対して螺合させることで、規制部材7をアッパーハウジング61Bに対して固定可能に構成されている。具体的には、雄ネジ部材81を雌ネジ部材82に対して締め付けていき、アッパーハウジング61Bの後壁と規制部材7の本体部71とが当接された状態となった時、規制部材7はアッパーハウジング61Bに対して装着状態に固定される。この時の雄ネジ部材81の前端の位置をP1とする(図9(b)参照)。
逆に、雄ネジ部材81を雌ネジ部材82に対して緩めていき、規制部材7をアッパーハウジング61Bの後壁に対して後方へ離間させると、各当接部72を対応する当接リブ68から離間させることができる。詳細には、雄ネジ部材81のネジ頭81Aを操作して雌ネジ部材82に対して雄ネジ部材81を緩めていき、雄ネジ部材81の前端を位置P1から後方へ距離L以上移動させる。なお、雄ネジ部材81の前端が位置P1に位置している状態から雄ネジ部材81を後方に距離Lだけ移動させたときの雄ネジ部材81の前端の位置は、図9(b)に示されている位置P2である。雄ネジ部材81の前端を位置P2よりも後方に配置した後、規制部材7をアッパーハウジング61Bの後壁よりも後方へ離間するように移動させると、当接部72と当接リブ68との当接が解除される。当接部72と当接リブ68との当接が解除されることで、係止爪65Aは係止位置と非係止位置との間を移動可能となる。すなわち、規制部材7、雄ネジ部材81をアッパーハウジング61Bから外すことなく、雄ネジ部材81と雌ネジ部材82とを螺合させたままで係止爪65Aを係止位置と非係止位置とに移動可能とすることができる。
上述の構成を有するバッテリパック6は、ハンマドリル100のバッテリ接続部111に対して水平方向に、後方から前方へ向けてスライド移動させることで接続される。詳細には、図8(a)、8(b)に示されるように、バッテリ接続部111には、アッパーハウジング61Bの上面と一対のレール部63とに係合可能な本体接続部の一例としての一対のガイドレール111Aが形成されている。各ガイドレール111Aの後端部には、係止爪65Aと係止可能な被係止部111Bが形成されている。
バッテリパック6をバッテリ接続部111に接続するには、まず、雄ネジ部材81を緩めてその先端を位置P2よりも後方に配置し、その後規制部材7をアッパーハウジング61Bの後壁から離間させる。その状態で、各レール部63のリブ部63Bの前端とアッパーハウジング61Bの上面とで対応するガイドレール111Aを上下方向において挟み込むように係合させ、バッテリパック6をガイドレール111Aに沿って前方へスライド移動させつつ挿入していく。バッテリパック6の前方へのスライド移動に伴い、レール部63の本体部63Aから突出している係止爪65Aは、対応するガイドレール111Aの被係止部111Bによって左右方向内側へ押圧され、付勢部材66の付勢力に抗して左右方向内側へ移動する。よって、係止爪65Aは係止位置から非係止位置へ移動する。言い換えると、非係止位置において、係止爪65Aはガイドレール111A(被係止部111B)の移動軌跡から退避している。
そのままバッテリパック6を更に前方へスライド移動させ、係止爪65Aが対応する被係止部111Bを通過すると、係止爪65Aは付勢部材66の付勢力によって左右方向外側へ押し出され、被係止部111Bに係止する。すなわち、係止爪65Aは非係止位置から係止位置に移動する。言い換えると、係止位置において、係止爪65Aはガイドレール111A(被係止部111B)の移動軌跡に進出している。係止爪65Aが被係止部111Bに対して係止すると、バッテリパック6のそれ以上の前方への移動が規制される。これにより、バッテリパック6のハンマドリル100に対する接続が完了する。
なお、図示はしないが、バッテリパック6のバッテリ接続部111に対する接続が完了した時点で、アッパーハウジング61Bに収容されるバッテリパック6側の端子とバッテリ接続部111に設けられるハンマドリル100側の端子とが電気的に接続される。
バッテリパック6とハンマドリル100との接続が完了した状態において、規制部材7をアッパーハウジング61Bの後壁に当接させる。これにより、規制部材7の当接部72と係止部材65の当接リブ68とが当接し、係止爪65Aは係止位置から非係止位置への移動(左右方向内側への移動)が規制される。次に、雄ネジ部材81のネジ頭81Aを操作して雄ネジ部材81を雌ネジ部材82に対して締めつけ、雄ネジ部材81の先端を位置P1まで移動させる。これにより、当接部72と当接リブ68とが相互に当接した状態に維持される。すなわち、雄ネジ部材81と雌ネジ部材82との螺合により、係止爪65Aは係止位置に維持される。この状況下においては、作業者が被押圧部67を左右方向内側へ押圧しても、当接部72と当接リブ68との当接により係止爪65Aの係止位置から非係止位置への移動は規制されるため、バッテリパック6とハンマドリル100との接続が解除されることはない。
バッテリパック6とハンマドリル100との接続を解除するには、まず、作業者は雄ネジ部材81のネジ頭81Aを操作して雄ネジ部材81を雌ネジ部材82に対して緩めていき、雄ネジ部材81の先端を位置P1から位置P2よりも後方へ移動させる。その後、規制部材7をアッパーハウジング61Bの後壁から方向へ移動させて離間させる。これにより、当接部72が当接リブ68から離間されるため、係止爪65Aは係止位置から非係止位置へ移動可能となる。すなわち、規制部材7と雄ネジ部材81とをアッパーハウジング61Bから外すことなく、雄ネジ部材81と雌ネジ部材82との螺合状態を維持したままで、係止爪65Aを係止位置と非係止位置とに移動可能とすることができる。この状態下においては、作業者が被押圧部67を左右方向内側へ向けて押圧すると、係止部材65は付勢部材66の付勢力に抗して左右方向内側へ移動する。係止爪65Aは貫通口63aを介してガイドレール111Aの軌道軌跡から退避し、非係止位置に移動する。
作業者は被押圧部67を押圧したままの状態で、すなわち、係止爪65Aを非係止位置に位置させたままの状態でバッテリパック6を後方へスライド移動させると、バッテリパック6はガイドレール111Aに対して後方へ相対移動される。各レール部63の前端部とアッパーハウジング61Bの上面とが対応するガイドレール111Aから後方へ離間すると、バッテリパック6はバッテリ接続部111から離脱する。これにより、バッテリパック6はハンマドリル100に対して接続解除される。なお、バッテリパック6とハンマドリル100との電気的接続も、バッテリパック6がバッテリ接続部111から離脱し接続解除された時点で、解除される。
上述の第2の実施の形態によれば、螺合機構8に加えて、係止爪65Aの係止位置から非係止位置への移動を規制可能な規制部材7を更に有している。螺合機構8は、規制部材7をアッパーハウジング61Bに対して固定することで、係止爪65Aの係止位置から非係止位置への移動を規制し、係止爪65Aを係止位置に維持する。すなわち、螺合機構8は、規制部材7を介して係止爪65Aが係止位置から非係止位置へ移動することを規制することができる。よって、本実施の形態のように螺合機構8が係止爪65Aの移動を直接的に規制することが難しいような構造であっても、係止爪65Aの係止位置から非係止位置への移動を規制することが可能となる。
また、係止部材65は、アッパーハウジング61Bに設けられる一対のレール部63に対応して一対設けられ、係止爪65Aは対応するレール部63の左右方向外側面から突出しガイドレール111Aの移動軌跡に侵入する係止位置と、対応するレール部63の左右方向外側面よりも内側に移動しガイドレール111Aの移動軌跡から退避した非係止位置とに移動可能に構成されている。また、規制部材7は、各係止部材65の当接リブ68と当接可能であり、当接することで係止爪65Aの係止位置から非係止位置への移動を規制し、螺合機構8は、規制部材7をアッパーハウジング61Bに対して螺合により固定することで、係止爪65Aのそれぞれの係止位置から非係止位置への移動を規制する。
このように、係止部材65が一対設けられる構成であっても、両係止部材65と当接可能な規制部材7を介在させることで、一つの螺合機構8で両係止部材65を係止位置に維持することができる。また、係止部材65が一つだけ設けられる場合と比較すると、バッテリパック6とハンマドリル100とが相対移動することをより確実に防止することができる。
なお、本実施の形態においては、作業者が規制部材7をアッパーハウジング61Bに対して手動で当接・離間させる構成であったが、規制部材7は作業者が手動で操作しない構成であってもよい。例えば、規制部材7は、アッパーハウジング61B内に移動可能に設けられ、アッパーハウジング61Bの後壁に向けて付勢部材により付勢される構成であってもよい。このような構成によれば、雄ネジ部材81の雌ネジ部材82に対する螺合量(移動量)を変化させるに応じて、規制部材7も雄ネジ部材81の移動に追従して前後方向に移動可能となる。よって、係止爪65Aの係止位置から非係止位置への移動を許容するか否かを、より簡単に変更することができる。
また、バッテリパック6は、ハンマドリル100に対して着脱自在に接続されるが、規制部材7と螺合機構8とで、ハンマドリル100とバッテリパック6との接続をより強固なものとすることができる。よって、ハンマドリル100へのより安定した電力供給が実現される。
上述の第2の実施の形態にかかるバッテリパック6は、係止爪65Aが水平方向(左右方向)に移動することでバッテリ接続部111に接続される構成であったが、本発明の係止爪の移動方向は水平方向ではなく上下方向であってもよい。
次に、図10乃至12を参照して、第2の実施の形態の変形例1にかかるバッテリパック260について説明する。バッテリパック260は、係止部材270を有しており、その係止爪270Aがハウジング261に対して上下方向に移動可能に構成されている点においてバッテリパック6と異なる。バッテリパック260は、バッテリ接続部211(図11参照)に係止され、接続される。
詳細には、バッテリパック260は、ハウジングとしてのハウジング261と、係止部としての係止部材270と、規制部あるいは規制手段としての螺合機構280(図12参照)と、を備えている。
ハウジング261は略直方体を有しており、図示せぬバッテリセルが収容されるロアハウジング261Aと、図示せぬ基板や端子等が収容されるアッパーハウジング261Bとを有している。アッパーハウジング261Bの上面には、第2の実施の形態と略同様の構成を有する左右一対のレール部63と、ラッチ機構収容部64とが形成されている。また、ハウジング261の後面には、アッパーハウジング261B(ラッチ機構収容部64)の後壁とロアハウジング261Aの後壁とに跨って、凹部261Cが形成されている。凹部261Cは、本発明における「取付部」の一例である。
図11に示されているように、係止部材270は、ラッチ機構収容部64に対して上下方向に移動可能に設けられている。係止部材270の上端部には係止爪の一例として係止爪270Aが、係止部材270の下部には作業者が操作する操作部の一例として操作部270Bが設けられている。操作部270Bは、ハウジング261の凹部261C内を上下方向にスライド移動可能に構成されている。係止爪270Aは、ハウジング261内に収容された図示されない付勢部材によって常に上方へ付勢されている。よって、係止爪270Aは、常にはアッパーハウジング261B(ラッチ機構収容部64)の上縁部より上方へ突出した係止位置に位置している。また、操作部270Bは常には凹部261Cの上部に位置している。
係止爪270Aが係止位置にある状態において、作業者が操作部270Bを凹部261Cの下部まで、具体的には図10における距離Dだけ押し下げると、係止部材270も下方へ押し下げられる。よって、係止爪270Aも下方へ移動し、ラッチ機構収容部64の上端と略面一となる位置まで、あるいはそれより下方まで移動する。この時の係止爪270Aの位置を非係止位置という。すなわち、係止爪270Aは、上下方向において、係止位置と非係止位置とに移動可能である。
図12に示されるように、螺合機構280は、本発明における「螺合機構」の一例であり、第2の実施の形態の螺合機構8と同様の構成を有している。すなわち、螺合機構280は、蝶ネジである雄ネジ部材281と、雄ネジ部材281と螺合可能な雌ネジ部材(図示せず)とを有している。雌ネジ部材は、ハウジング261内において、ハウジング261内の凹部261Cに対応する位置に設けられている。また、凹部261Cの下部、左右方向中央位置には前後方向に貫通する貫通孔261dが形成されている。貫通孔261dの径は距離Dよりも小さく構成されている。雄ネジ部材281は貫通孔261dに挿入されるとハウジング261内に配置される雌ネジ部材と螺合可能に構成されている。
図11に示すように、バッテリ接続部211は、一対のレール部63と係合可能な一対のガイドレール211Aと、係止爪270Aと当接可能な被当接部211Bと、係止爪270Aを受入可能な凹部211Cとを有している。被当接部211Bは、凹部211Cよりも後方に位置している。
バッテリパック260をバッテリ接続部211に接続するには、雄ネジ部材281が貫通孔261dに挿入されていない状態で、レール部63の前端部とガイドレール211Aとを係合させ、そのままレール部63とガイドレール211Aとを係合させた状態でバッテリパック260を前方へスライド移動させる。バッテリパック260が前方へスライド移動するに伴い、ラッチ機構収容部64より上方へ突出している状態の係止爪270Aは、被当接部211Bと当接し、被当接部211Bによって押し下げられつつ前方へ移動する。バッテリパック260が更に前方へスライド移動し、レール部63とガイドレール211Aとが完全に係合すると、係止爪270Aは被当接部211Bを通過し、凹部211Cと対向する。係止爪270Aが凹部211Cと対向すると、係止爪270Aは図示されない付勢部材の付勢力によって再び上方へ移動し、凹部211C内に受け入れられて凹部211Cと係止する。すなわち、係止爪270Aは係止位置に位置する。これにより、バッテリパック260がバッテリ接続部211に対して接続される。
なお、この時、図示はされないが、バッテリパック260とバッテリ接続部211の端子同士も嵌合され、両者が電気的に接続される。
バッテリパック260のバッテリ接続部211に対する接続が解除されないようにしたい場合は、図12に示されるように、バッテリパック260がバッテリ接続部211に対して接続された状態で、雄ネジ部材281を貫通孔261dに挿入し、ハウジング261内の雌ネジ部材に対して締め付けて固定すればよい。固定された雄ネジ部材281によって、操作部270Bの下方への移動が規制されるため、作業者が操作部270Bを押し下げようとしても操作部270Bは凹部261C内を下方へ移動しない。よって、係止爪270Aは係止位置に維持される。したがって、操作部270Bが操作されても、バッテリパック260とバッテリ接続部211との接続は解除されない。
この状態からバッテリパック260とバッテリ接続部211との接続を解除するには、まず、雄ネジ部材281を雌ネジ部材に対して緩めていき、雄ネジ部材281を貫通孔261dから引き抜く。雄ネジ部材281が引き抜かれた状態では、作業者が操作部270Bを押し下げると、係止爪270Aは係止位置から下方へ移動し、非係止位置へ移動する。作業者が操作部270Bを押し下げたままの状態、すなわち、係止爪270Aを係止位置から非係止位置へ移動させた状態で、バッテリパック260をバッテリ接続部211に対して後方へ引き抜くと、バッテリパック260はバッテリ接続部211から離脱する。これにより、バッテリパック260とバッテリ接続部211との接続が解除される。
上述の第2の実施の形態の変形例1にかかるバッテリパック260によっても、雄ネジ部材281を雌ネジ部材に対して螺合させることによって、係止爪270Aを係止位置に維持することができる。よって、バッテリパック260とバッテリ接続部211との接続が解除されることがない。バッテリパック260とバッテリ接続部211との接続がより強固に維持されるため、バッテリパック260とバッテリ接続部211との相対移動をより確実に抑制することができる。
その他、第2の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
上記の第1の実施の形態、第2の実施の形態、および第2の実施の形態の変形例1においては、雄ネジ部材と雌ネジ部材との螺合を利用して係止爪の係止位置から非係止位置への移動を規制する構成であったが、本発明はこれに限られず、雄ネジ部材と雌ネジ部材との螺合を利用せずに、係止爪の係止位置から非係止位置への移動を規制する構成であってもよい。
次に、図13、14を参照して、第2の実施の形態の変形例2にかかるバッテリパック360について説明する。バッテリパック360は、第2の実施の形態の変形例1にかかるバッテリパック260とほぼ同等の構成を有しているが、規制部あるいは規制手段として螺合機構280のかわりにストッパ機構380を有している点においてバッテリパック260とは異なる。以下、バッテリパック260とは異なるストッパ機構380の構成についてのみ説明する。
ストッパ機構380は、アッパーハウジング261B(ラッチ機構収容部64)の後壁に設けられる。ストッパ機構380はスライド部材381を有している。スライド部材381は、ラッチ機構収容部64の後壁(外表面)に対して左右方向に移動可能に構成されている。スライド部材381の上下方向の高さは、距離Dより僅かに小さく構成されている。
具体的には、図14に示されるように、スライド部材381は、後面視において、凹部261Cの下端部の右方に位置し凹部261Cから退避した第1位置と、該第1位置から右方へ移動し凹部261C内に進出した第2位置とに移動可能に構成されている。言い換えれば、スライド部材381は、第1位置において係止部材270の移動軌跡から退避しており、第2位置において係止部材270の移動軌跡に進出している。よって、スライド部材381が第1位置にある時、係止部材270(操作部270B)は上下方向に移動可能であり、スライド部材381が第2位置にある時、係止部材270(操作部270B)は下方への移動が規制される。スライド部材381は、作業者が操作することで、第1位置と第2位置とに移動可能に構成されている。このように、スライド部材381の第1位置と第2位置との移動に応じて、係止爪270Aの上下方向の移動が許容、規制される構成となっている。
バッテリパック360をバッテリ接続部211に接続するには、まずスライド部材381を第1位置に移動させ、係止爪270Aの上下方向の移動が許容される状態としておく(図13の状態)。スライド部材381が第1位置にある状態でバッテリパック360をバッテリ接続部211に対して後方からガイドレール211Aに沿って前方へスライド移動させると、係止爪270Aは、被当接部211Bと当接して非係止位置に移動した後、凹部211Cに収容され、凹部211Cに係止する。すなわち、係止爪270Aは再び係止位置に位置し、バッテリパック360はバッテリ接続部211と接続される。
係止爪270Aが係止位置にありバッテリパック360とバッテリ接続部211とが接続された状態において、スライド部材381を第1位置から第2位置に移動させれば、スライド部材381によって係止部材270の下方への移動が規制される。よって、係止爪270Aの係止位置から非係止位置への移動が規制され、係止爪270Aは係止位置に維持される。これにより、バッテリパック360とバッテリ接続部211との接続は解除されることなく維持される。
バッテリパック360とバッテリ接続部211との接続を解除するには、まず、スライド部材381を第2位置から第1位置へ移動させて、係止部材270の上下方向の移動を許容する。よって、スライド部材381が第1位置にある状態で作業者が操作部270Bを押し下げれば、係止爪270Aは係止位置から非係止位置へ移動する。操作部270Bを押し下げて係止爪270Aを非係止位置に維持した状態で、バッテリパック360をバッテリ接続部211に対して後方へスライド移動させれば、バッテリパック360をバッテリ接続部211から離脱することができる。これにより、バッテリパック360のバッテリ接続部211に対する接続が解除される。
上記構成によれば、スライド部材381を用いた簡易なストッパ機構380を利用して、係止爪270Aの係止位置から非係止位置への移動の規制と許容とを切換可能な構成とすることができる。よって、操作性の更なる向上を図ることができる。
上述の第2の実施の形態の変形例2にかかるバッテリパック360においても、第2の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態の変形例3にかかるバッテリパック460について図15乃至図16(b)を参照して説明する。
バッテリパック460は、ラッチ機構462を有しており、そのラッチ機構462がハウジング461に対して上下方向に移動可能に構成されている点においてバッテリパック6と異なる。バッテリパック460は、バッテリ接続部211(図11参照)に係止され、接続される。ハウジング461は、本発明における「ハウジング」の一例である。
ハウジング461は略直方体を有しており、図示せぬバッテリセルが収容されるロアハウジング461Aと、図示せぬ基板や端子等が収容されるアッパーハウジング461Bとを有している。
アッパーハウジング461Bは、左右一対のレール部463と、ラッチ機構収容部464とを有する。レール部463は、本発明における「接続部」の一例であり、「一対のレール部」の一例である。具体的には、一対のレール部463は、アッパーハウジング461Bの上面の略中央部分に配置されている。各レール部463は、本体部463Aと、リブ部463Bとを有する。本体部463Aは、前後方向に延在し、左右方向において互いに対向するよう設けられている。リブ部463Bは、対応する本体部463Aの上端部から水平に左右方向外側へ延びている。各レール部463の本体部463Aには、後述する係止部材465の係止爪465Aを進退可能に受け入れる貫通口463aが形成されている。
ラッチ機構収容部464は、アッパーハウジング461Bの上面において、左右一対のレール部463の後方に設けられている。ラッチ機構収容部464は、各レール部463の後端部に接続されている。ラッチ機構収容部464は、その内部空間にラッチ機構462を収容している。図7に示されるように、ラッチ機構収容部464の左右の各側壁には、後述する係止部材465の被押圧部467を進退可能に受け入れる貫通口464aが形成されている。
また、ラッチ機構収容部464は、係止部材465の非押圧部467の外径に対して幅方向長さが略同一であり、下方向に延長された延長部4642を有する。延長部4642が設けられるため、非押圧部467は図15に示される状態から、延長部4642へと進入するようにハウジング461に対して下方に移動可能とされる。
ラッチ機構462は、一対の係止部材465と、一対の付勢部材466とを備えている。各係止部材465は、ラッチ機構収容部464および延長部4642内において上下および左右方向に移動可能に設けられている。詳細には、各係止部材465は、係止爪465Aと、操作部465Bとを有している。係止部材465、係止爪465Aは、それぞれ本発明における「係止部」、「係止爪」の一例である。係止爪465Aは、その先端が左右方向外側へ突出するフック形状を有しており、係止部材465の前方部分を構成している。操作部465Bは、係止部材465の後方部分を構成しており、前後方向、上下方向に延在する被押圧部467と、当接リブ468とを有する。被押圧部467は、対応する係止爪465Aの突出端(先端部)よりも左右方向外側に位置している。被押圧部467は、本発明における「操作部」の一例である。当接リブ468は操作部465Bの後端部から後方へ突出するリブである。すなわち、当接リブ468は被押圧部467よりも後方に位置している。
付勢部材466は、対応する係止部材465を左右方向外側へ向けて付勢する部材であり、本実施の形態においては圧縮バネである。付勢部材466は、本発明における「付勢部材」の一例である。付勢部材466の一端部は、対応する係止部材465の被押圧部467の左右方向内側面に接続されている。付勢部材466の他端部は、アッパーハウジング461Bに対してねじ止めされた付勢部材受部469の左右方向内側面に接続されている(図16(a)、16(b)参照)。上記構成により、各係止部材465は、対応する付勢部材466により、常には左右方向外側へ向けて付勢されている。すなわち、付勢部材466の付勢力により、各係止部材465の係止爪465Aの先端部は、常には対応するレール部463の本体部463Aに形成された貫通口463aを介して左右方向外側へ突出している(図16(a)参照)。この時の係止爪465Aの位置を、係止位置という。また、この時、各係止部材465の被押圧部467は、ラッチ機構収容部464を構成する左右の側面より左右方向外側へ突出している。
アッパーハウジング461Bは、アッパーハウジング461Bの後端からアッパーハウジング461B内部の前方側へ突出する規制部材407を有する。規制部材407は、本発明の「規制部」の一例である。図15および図16(a)に示す状態、つまり非押圧部467がラッチ機構収容部464の上方側に位置する状態では、規制部材407は、上下方向において当接リブ468と重なる位置に設けられる。一方で、図16(b)に示す状態、つまり非押圧部467が延長部4642へと進入するように係止部材465がハウジング461に対して下方に移動した状態では、上下方向において当接リブ468と重ならない位置に設けられる。
作業者が被押圧部467を左右方向外側から内側へ向けて押圧すると、係止部材465は付勢部材466の付勢力に抗して左右方向内側へ移動される。しかしながら係止部材465は、図16に示す状態から左右方向内側へ移動しようとしても、当接リブ468と規制部材407とが当接するため、十分に移動することができず、係止爪465Aの外側端部が、対応するレール部463の本体部463Aの貫通口463aを介して本体部463Aの左右方向外側面より内側に退避することができない。つまり、バッテリパック460は係止位置に維持される。
これに対し、作業者が係止部材465の非押圧部467を下方に向けて押圧すると、非押圧部467が延長部4642へと進入するように、係止部材465がハウジング461に対して下方に移動する。このとき、係止部材465の当接リブ468は、上下方向において係止部材465と重ならない位置となる。このため、作業者は、係止部材465の非押圧部467を下方に向けて押圧した後に、左右方向外側から内側へ向けて押圧すると、係止部材465は付勢部材466の付勢力に抗して左右方向内側へ移動される。これにより、係止爪465Aも左右方向内側へ移動し、係止爪465Aの外側端部は、対応するレール部463の本体部463Aの貫通口463aを介して本体部463Aの左右方向外側面より内側に退避する非係止位置となる(図16(b)参照)。
上述の第2の実施の形態の変形例3によれば、作業者が係止部材465の非押圧部467を左右方向内側へ向けて押圧するのみでは、係止部材465の係止爪465Aが係止位置に維持され、バッテリパック406とハンマドリル100との接続が解除されることはない。一方で、作業者が係止部材465の非押圧部467を下方に向けて押圧し、非押圧部467が延長部4672へと進入させた後に、非押圧部467を左右方向内側へ向けて押圧すれば、係止部材465の係止爪465Aを非係止位置へと移動することができ、バッテリパック406とハンマドリル100との接続を解除することができる。このように、第2の実施の形態の変形例3によれば、係止爪が係止位置から非係止位置へと移動することを規制可能である。しかも、この規制の解除を操作部の操作のみで行うことができるため、係止爪の規制を行う構成においても作業者の操作が煩雑になることを抑制できる。
本発明による作業工具は、上述した実施の形態等に限定されず、たとえば特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上述した第1、第2の実施の形態およびその変形例においては、接続装置と作業工具本体とは、係止爪の係止により接続される構成であったが、接続装置は係止以外の方法で作業工具本体に接続される構成であってもよい。
また、上述の第1の実施の形態においては、集塵装置1の凸部23はハンマドリル100の本体ケーシング110に形成された凹部115に受け入れられ、凹部115と嵌合するよう構成されている。しかしながら、集塵装置1側に凹部を、ハンマドリル100側に凸部を設けてもよい。
また、本発明にかかる作業工具に着脱自在に装着される接続装置は、上述した被削材から発生した粉塵等を吸引する集塵装置やバッテリパックに限定されない。例えば、被削材から発生した粉塵等を吹き飛ばす送風機能を有するブロワであってもよい。あるいは、ブロワ機能を有する集塵装置を接続装置として作業工具に装着する構成でもよい。
上述の実施の形態にかかる接続装置が接続されるハンマドリル100は、先端工具130に打撃力と回転力を与えられるものであったが、打撃力だけを与えるものであってもよいし、回転力だけを与えるものであってもよい。また、先端工具130は、ネジ部材を締め付けるためのドライバビットでもよいし、コンクリート、石材等に穴あけ、ハツリを施すためのドリルビットでもよい。
上述の実施の形態やその変形例においては接続装置が接続される作業工具としてハンマドリル100を例に説明したが、本発明にかかる接続装置はハンマドリル以外のモータで駆動される作業工具、例えば、電気ハンマ、電動ドリル、振動ドリル、ドライバドリル等の穿孔工具に対して接続されるものであってもよい。
このような構成によれば、接続装置は係止爪の係止位置から非係止位置への移動を規制可能な規制手段を取付可能な取付部を備えている。そのため、取付部に規制手段を取付けることで、係止爪の係止位置から非係止位置への移動を規制する、すなわち、係止爪を係止位置に維持することができる。したがって、接続装置と作業工具本体との接続をより強固に維持することができ、操作性を向上させることができる。また、接続装置が接続された状態で作業工具を用いて作業を行うと、振動等により、両者の接続部分を中心とした回転モーメントなど、作業工具本体と接続された接続装置とが相対移動するような方向に力が働くことがある。しかしながら、このような場合であっても、本発明のように接続装置と作業工具との接続を維持可能な規制手段を取付可能な取付部が設けられていれば、接続装置と作業工具本体との相対移動を抑制することができる。
本発明は更に、先端工具に対して打撃力と回転力を与えるハンマドリルに対して着脱自在に接続される接続部を有するハウジングと、前記ハンマドリルに係止し前記接続部と前記ハンマドリルとを接続する係止位置と前記ハンマドリルに対する係止が解除され前記接続を解除する非係止位置とに移動可能な係止爪を有する係止部と、前記係止爪を前記係止位置に維持するように前記係止部を付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して前記係止爪を前記係止位置から前記非係止位置へ移動させる操作部と、前記係止爪の前記係止位置から前記非係止位置への移動を規制可能な規制部と、を備えることを特徴とする接続装置を提供する。
本発明は更に、接続された作業工具本体のモータを駆動する電力を供給する接続装置であって、前記作業工具本体に対して着脱自在に接続される接続部を有するハウジングと、前記作業工具本体に係止し前記接続部と前記作業工具本体とを接続する係止位置と前記作業工具本体に対する係止が解除され前記接続を解除する非係止位置とに移動可能な係止爪を有する係止部と、前記係止爪を前記係止位置に維持するように前記係止部を付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して前記係止爪を前記係止位置から前記非係止位置へ移動させる操作部と、前記係止爪の前記係止位置から前記非係止位置への移動を規制可能な規制部と、を備えることを特徴とする接続装置を提供する。