以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、先端工具を駆動して加工作業を行う作業工具として、電動式のハンマドリルを例示する。また、ハンマドリルに対して着脱可能に構成された集塵装置を例示する。
[第一実施形態]
以下、図1〜図10を参照して、第一実施形態に係るハンマドリル1と、集塵装置4について説明する。
まず、図1を参照して、ハンマドリル1の全体構成について簡単に説明する。図1に示すように、ハンマドリル1は、本体部10と、ハンドル13とを備えている。本体部10は長尺状に形成されている。本体部10の長軸方向における一端部には、先端工具19を着脱可能なツールホルダ12が設けられており、他端部からは、本体部10の長軸方向に交差する方向にハンドル13が延びている。なお、ツールホルダ12に装着可能な先端工具19としては、様々な加工作業に対応して、種類および長さが異なる複数の工具(ドリルビット、ハンマビット等)が用意されている。
本実施形態のハンマドリル1は、先端工具19を所定の打撃軸A1に沿って直線状に駆動させる動作(ハンマ動作)や、先端工具19を打撃軸A1線周りに回転駆動させる動作(ドリル動作)を行うように構成されている。作業者は、実際に行う加工作業に応じて、適切な種類および長さの先端工具19を選択し、先端工具19の軸方向と打撃軸A1方向とが一致するようにツールホルダ12に先端工具19を装着する。なお、本実施形態のハンマドリル1では、打撃軸A1は、本体部10の長軸方向に延在する。
以下、本体部10およびハンドル13の詳細構成について順に説明する。なお、以下の説明では、便宜上、本体部10の長軸方向(打撃軸A1方向、または先端工具19の軸方向とも言い換えられる)をハンマドリル1の前後方向と規定し、ツールホルダ12が設けられている側をハンマドリル1の前側、ハンドル13が接続されている側を後側と規定する。また、本体部10の長軸方向に直交し、ハンドル13の延在方向に対応する方向を上下方向と規定し、ハンドル13が本体部10と接続されている側を上側、ハンドル13の先端(自由端)が配置される側を下側と規定する。
図1および図2を参照して、本体部10について説明する。本体部10は、本体ハウジング11と、ツールホルダ12と、モータ20と、運動変換機構31と、打撃要素33と、回転伝達機構35とを備えている。以下、これらの構成について、順に説明する。
図1に示すように、本体ハウジング11は、本体部10の外郭を形成するハウジングであり、ツールホルダ12、モータ20、運動変換機構31、打撃要素33、回転伝達機構35をその内部に収容する。本体ハウジング11は、例えば、モータ20を収容する部分、先端工具19の駆動機構(運動変換機構31、打撃要素33、回転伝達機構35)を収容する部分等の複数の部分が結合されることで形成されていてもよいし、1つの部分から形成されていてもよい。また、本体ハウジング11は、1層のハウジングとして形成されてもよいし、本体部10の外郭を形成するアウタハウジングと、アウタハウジング内に配置され、内部機構を収容するインナハウジングの2層構造とされてもよい。
本体ハウジング11の前後方向における中央領域の下端面には、吸気口15が設けられている。吸気口15は、本体ハウジング11内部と外部とを連通させる貫通孔である。詳細は後述するが、吸気口15は、集塵装置4がハンマドリル1に装着されたときに集塵装置4の連通路9と連通するように設けられている。本体ハウジング11には、吸気口15から流入して空気流路151を通過した空気を排出する排気口(図示せず)も設けられている。
更に、図2に示すように、本体ハウジング11の下端部には、吸気口15よりも前側から前端部に亘って前後方向に延在する左右一対のガイドレール17が設けられている。ガイドレール17は、後述する集塵装置4の係合部63が係合可能に構成されている。また、本体ハウジング11の下前端部(ガイドレール17の前側)には、係合凹部18が設けられている。係合凹部18は、本体ハウジング11の下端面から上方へ凹んだ凹部であり、後述する集塵装置4の操作部材64の突起部643が係合可能に構成されている。
本実施形態では、先端工具19の駆動源として機能するモータ20として、交流モータが採用されている。図1に示すように、モータ20は、モータ20の出力シャフト21の軸線が打撃軸A1と平行となるように(つまり前後方向に延在するように)、本体ハウジング11の後部領域内に配置されている。出力シャフト21には、モータ20を冷却するための冷却ファン23と、冷却ファン23の前側に配置された集塵ファン25が固定されている。集塵ファン25は、先端工具19による加工作業で発生した粉塵を吸引するための空気流を発生させるように構成された吸引ファンである。なお、集塵ファン25は、前述の吸気口15の上方に配置されている。出力シャフト21前端部には、駆動ギア27が設けられている。冷却ファン23、集塵ファン25、駆動ギア27は、出力シャフト21と一体的に回転する。
運動変換機構31、打撃要素33、回転伝達機構35は、本体ハウジング11の前部領域内に配置されている。モータ20の回転動力は、駆動ギア27を介して運動変換機構31および回転伝達機構35に伝達される。運動変換機構31は、揺動リングが揺動することで、出力シャフト21の回転運動をピストンの打撃軸A1方向の往復運動に変換するように構成されている。打撃要素33は、ピストンの往復運動に伴い、先端工具19に対して打撃軸A1方向の打撃力を加えるように構成されている。先端工具19は、モータ20の駆動に伴い、運動変換機構31および打撃要素33によって、打撃軸A1方向に直線状に駆動される。回転伝達機構35は複数のギアから構成されており、モータ20の回転動力を適宜減速させた上で、最終軸としてのツールホルダ12を介して先端工具19に伝達するように構成されている。先端工具19は、モータ20の駆動に伴い、回転伝達機構35によって打撃軸A1周りに回転駆動される。なお、運動変換機構31、打撃要素33、回転伝達機構35については、周知の技術であるため、ここでの更なる説明は省略する。
本実施形態のハンマドリル1は、本体部10に設けられたモードチェンジレバー(図示せず)の操作により、ハンマドリルモード、ドリルモード、ハンマモードの3つのモードのうち何れかが選択可能に構成されている。ハンマドリルモードは、運動変換機構31および回転伝達機構35が駆動されることで、打撃動作およびドリル動作が行われるモードである。ハンマモードは、回転伝達機構35における動力の伝達が遮断され、運動変換機構31のみが駆動されることで、打撃動作のみが行われるモードである。ドリルモードは、運動変換機構31における動力の伝達が遮断され、回転伝達機構35のみが駆動されることで、ドリル動作のみが行われるモードである。本実施形態の集塵装置4は、これらのモードのうち、ハンマドリル1をハンマドリルモードまたはドリルモードで動作させる場合(つまり穴あけ作業を含む加工作業を遂行する場合)に使用されることが特に有用である。なお、かかるモード切替えのための構成については、周知の技術であるため、ここでの説明は省略する。
図1を参照して、ハンドル13について説明する。ハンドル13は、本体部10の後端部から下方に延在する長尺状の部位である。ハンドル13は、ハンドル13の外郭を形成するハンドルハウジング131と、電源ケーブル133と、トリガ135とを備える。ハンドルハウジング131は、本体ハウジング11と別体として形成され、本体ハウジング11に結合されてもよいし、本体ハウジング11の少なくとも一部と一体的に形成されていてもよい。
外部の交流電源に接続するための電源ケーブル133は、ハンドルハウジング131の下端部から延びている。トリガ135は、ハンドルハウジング131の前側上部に設けられている。ハンドルハウジング131の内部には、スイッチ、コントローラ(いずれも図示せず)等が収容されている。コントローラには、モータ20、電源ケーブル133、スイッチ等が電気的に接続されている。作業者がトリガ135を引くことで、スイッチがONとされ、モータ20が通電されて駆動される。モータ20は、コントローラによって駆動制御される。
以下、図1を参照して、集塵装置4の全体構成について簡単に説明する。なお、集塵装置4はハンマドリル1に装着された状態で使用されるため、以下の説明では、便宜上、集塵装置4の方向を、ハンマドリル1に装着されたときのハンマドリル1の方向に合わせて規定する。
図1に示すように、集塵装置4は、本体部5と、摺動部8とを含む。本体部5は、ハンマドリル1の本体部10の下側に着脱可能に構成されている。本体部5の下側部分には、粉塵を収容する粉塵容器7が、取り外し可能に設けられている。摺動部8は、側面視L字状に形成されており、先端部に粉塵の吸引口812を有する。摺動部8は、吸引口812を含む一部が本体部5から前方へ突出した状態で、打撃軸A1に平行な方向(前後方向)に摺動可能に本体部5に保持されている。吸引口812から吸引された粉塵が移送される粉塵移送路80は、摺動部8を通り、本体部5の粉塵容器7に接続されている。また、集塵装置4がハンマドリル1に装着された状態では、粉塵容器7は、連通路9によってハンマドリル1の吸気口15と接続されている。
ハンマドリル1のモータ20が駆動されると、出力シャフト21と共に回転する集塵ファン25によって、吸気口15から本体ハウジング11内に引き込まれる方向の空気流が形成される。この空気流によって、集塵装置4の連通路9、粉塵容器7、粉塵移送路80を通して吸引口812に吸引力が作用する。加工作業によって生じた粉塵は、この吸引力によって空気と共に吸引口812から吸い込まれ、粉塵移送路80を通って粉塵容器7に流入する。粉塵容器7では、粉塵のみが空気から分離されて収容される。粉塵が分離された後の空気は、連通路9を通って吸気口15からハンマドリル1の本体ハウジング11内に流入し、排気口(図示せず)から排出される。このように、集塵装置4は、ハンマドリル1の集塵ファン25によって形成された空気流を用いて粉塵を収集するように構成されている。
以下、本体部5と摺動部8の詳細について、順に説明する。まず、本体部5の構成について説明する。図2および図3に示すように、本実施形態では、本体部5の外郭は、主に、本体ハウジング6と、粉塵容器7とから形成されている。本体ハウジング6は、ハンマドリル1の本体部10に対応する長尺状に形成されており、本体部10に着脱可能に構成されている。粉塵容器7は、全体として概ね矩形箱状に形成されており、本体ハウジング6の下側に取り外し可能に装着されている。
以下、図2〜図4を参照して、本体ハウジング6の構成について説明する。図3に示すように、本体ハウジング6は、本体ハウジング6の後側部分を形成する箱状部61と、本体ハウジング6の前側部分を形成する筒状部62とを含む。箱状部61は、粉塵容器7が着脱される部位であり、概ね矩形箱状に形成されているが、前端部に、下方に突出する突出部611を有する。筒状部62は、主に摺動部8を前後方向に摺動可能に保持するための部位であり、図4に示すように、断面が概ね矩形の筒状に形成されている。なお、本実施形態では、本体ハウジング6は樹脂製であり、箱状部61と筒状部62とは一体的に形成されている。
図2〜図4に示すように、本体ハウジング6の上端部には、ハンマドリル1の本体部10(詳細には本体ハウジング11)に対して着脱可能に構成された係合部63が設けられている。より詳細には、係合部63は、本体ハウジング11の左右の端部から上方へ突出し、且つ、前後方向に延在する一対の突出部として形成されている。係合部63は、ハンマドリル1の本体ハウジング11に設けられた一対のガイドレール17に対応する前後方向の長さを有し、内側に、一対のガイドレール17にスライド係合可能な一対のガイド溝631を有する。
図2に示すように、係合部63の前側には、操作部材64が設けられている。操作部材64は、筒状部62の上方に設けられた収容部640内に配置されている。操作部材64と筒状部62の上面の間には、付勢バネ641が配置されており、操作部材64は、収容部640内で係止された前端部を支点として、上下方向に揺動可能に保持されている。操作部材64は、後端部に設けられた突起部643と、中央部に設けられた押圧部642とを有する。突起部643は、ハンマドリル1の係合凹部18に係合可能に構成された部位である。押圧部642は、作業者によって外部から押圧操作される部位である。操作部材64は付勢バネ641によって常時上方へ付勢されており、突起部643は収容部640上面の開口部から上方へ突出し、押圧部642は、収容部640上面の開口部から上方へ露出している。
作業者は、集塵装置4をハンマドリル1に装着する場合、係合部63のガイド溝631にガイドレール17が係合した状態で、集塵装置4をハンマドリル1に対して後方に摺動させる。集塵装置4が所定位置まで移動される過程で、突起部643は本体ハウジング11の前端部に押圧され、付勢バネ641の付勢力に抗して一旦下方へ移動し、その後、付勢バネ641に付勢されて係合凹部18に係合する。これにより、集塵装置4のハンマドリル1への装着が完了する。突起部643は、係合凹部18に係合し、本体ハウジング11と本体ハウジング6との前後方向の相対移動を規制することで、ガイド溝631とガイドレール17との係合状態を保持する。
作業者が押圧部642を下方へ押圧すると、付勢バネ641の付勢力に抗して操作部材64が下方に揺動し、突起部643と係合凹部18の係合が解除される。作業者は、この状態で、集塵装置4をハンマドリル1に対して前方に移動させることで、集塵装置4をハンマドリル1から取り外すことができる。このように、操作部材64は、係合部63によるハンマドリル1(ガイドレール17)との係合を保持する状態と、この係合を解除可能な状態との間で切替え可能に構成されている。
本体ハウジング6の箱状部61には、粉塵容器7を保持するための構成が設けられている。具体的には、図2に示すように、箱状部61の下後端部には、左右方向に延在する円柱状の回動支持部612が設けられ、突出部611の下端部には、後方へ突出する係止部613が左右方向に延在するように設けられている。回動支持部612と係止部613に、後述する粉塵容器7の回動係合部712と係止突部713とが係合することで、粉塵容器7が本体ハウジング6に装着される。
本体ハウジング6内には、摺動部8を前後方向に摺動可能に保持するための構成が設けられている。具体的には、図4に示すように、本体ハウジング6の左内面には、本体の内側に向けて突出し、上下方向に離間して前後方向に延在する一対のガイドレール621が設けられている。同様に、本体ハウジング6の右内面にも、一対のガイドレール622が設けられている。詳細は後述するが、ガイドレール621、622は、摺動部8の係合凹部822、823にスライド係合可能に構成されている。
図2に示すように、本体ハウジング6の内部に形成される内部領域60(箱状部61および筒状部62の内部に連続して形成された空間領域)は、本体部5において、集塵装置4がハンマドリル1に装着された状態で、ハンマドリル1と粉塵容器7の間に配置される領域である。内部領域60は、筒状部62の前端に設けられた開口部620を介して本体部5の外部に連通している。内部領域60には、開口部620から挿入された摺動部8の一部と、粉塵移送路80の一部(より詳細には、粉塵移送路80を規定するホース800の一部とホース接続部802)が配置される。なお、前述の通り、摺動部8は前後方向に摺動するため、内部領域60への摺動部8の進入長さ、つまり、開口部620に対して本体ハウジング6の最も内部(最後方)に配置される摺動部8の後端85の位置は変動する。内部領域60における摺動部8と粉塵移送路80の配置については、後で詳述する。また、内部領域60には、連通路9および導電部材67が配置されているが、連通路9および導電部材67については、粉塵容器7の説明後に説明する。
以下、図2、図5および図6を参照して、粉塵容器7の構成について説明する。図5に示すように、粉塵容器7は、主に、容器本体71と、容器本体71の上後端部に連結ピン75を介して連結されたフィルタホルダ72とから形成されている。
粉塵の収容部として機能する容器本体71は、樹脂製であり、上部全体が開放された箱状部材として形成されている。
フィルタホルダ72は、容器本体71に対し、連結ピン75を中心として回動可能である。フィルタホルダ72は、容器本体71上部の開口を開閉可能に構成されている。つまり、フィルタホルダ72は、容器本体71の蓋部としても機能する。なお、図2は、容器本体71の閉塞状態を示し、図5は、容器本体71の開放状態を示している。本実施形態では、フィルタホルダ72のうち、上面部725は導電性材料で形成されており、その他の部分は、樹脂、ゴム等の非導電性材料で形成されている。導電性材料として、例えば、導電性樹脂(カーボンブラックや金属の粉末を充填する、表面に金属蒸着膜を形成する等の加工が施された樹脂)、導電性ゴム(カーボンブラックや金属の粉末が配合されたゴム)が採用されることが好ましい。
図5に示すように、フィルタホルダ72の上面部725には、容器本体71の閉塞状態において粉塵容器7の内部と外部とを連通させる流入口701および流出口702が形成されている。流入口701は、吸引口812(図1参照)から吸引され、粉塵移送路80を移送された粉塵を含む空気が粉塵容器7に流入する開口である。流出口702は、フィルタ73によって粉塵が分離された後の空気が粉塵容器7から流出する開口である。流入口701は、上面部725の前端部に設けられ、流出口702は、上面部725の中央部に設けられている。詳細は後述するが、粉塵容器7が本体ハウジング6に装着されることで、粉塵移送路80が流入口701に接続され、連通路9が流出口702に接続される。
フィルタホルダ72は、上面部725から下方に突出し、フィルタ73を着脱可能に構成されたフレーム721を備えている。フィルタ73は、紙や不織布等の通気性を有する素材により、容器本体71内に流入した空気から粉塵を分離するように構成されている。作業者は、フィルタ73にある程度の粉塵が付着した場合、図5に示すように容器本体71を開放状態とし、フィルタ73をフレーム721から取り外して交換することができる。
図6に示すように、フレーム721の左右一対の側面部722には、夫々、リブ723が設けられている。一対のリブ723は、側面部722から左右方向に外側へ向けて突出しており、容器本体71の閉塞状態においてほぼ容器本体71まで達している。また、図2に示すように、リブ723は、側面視で側面部722の上端部から概ね下方へ延びる円弧状に形成されており、下方へ向かうほど後方へ緩やかに湾曲して傾斜している。なお、リブ723の上端は、前後方向において、流出口702の若干前側に配置されている。
作業者は、先端工具19が下向きとなる姿勢でハンマドリル1を保持して加工作業を行う場合がある。このような場合、粉塵容器7の前側(図2の左側)が下側に配置されることになるため、粉塵容器7内でフィルタ73に補足されていない粉塵は自重で下方へ移動し、前端部に設けられた流入口701の近傍領域に堆積し、吸引力の低下を招く可能性がある。これに対し、本実施形態では、粉塵容器7の前側が下側に配置された場合でも、リブ723が自重で下方へ移動する粉塵を受けることができるため、流入口701の近傍領域に粉塵が堆積するのを抑制することができる。また、作業者は、容器本体71に収集された粉塵を廃棄するときには、図5に示すようにフィルタホルダ72を持ち上げる。これに伴って、円弧状のリブ723が連結ピン75を中心に回動するため、リブ723に堆積した粉塵はスムーズに容器本体71内へ誘導される。よって、効率的に粉塵の廃棄作業を行うことができる。
容器本体71には、粉塵容器7を本体ハウジング6に着脱可能とするための構成が設けられている。具体的には、図5に示すように、容器本体71の上後端部には回動係合部712が設けられ、下前端部には係止突部713が設けられている。回動係合部712は、本体ハウジング6の回動支持部612に対応して、断面半円状の凹部として形成されており、回動支持部612に係合し、回動支持部612を中心として回動可能に構成されている。係止突部713は、前方へ突出する突条として形成されており、本体ハウジング6の係止部613に係止可能に構成されている。作業者は、粉塵容器7の前端部が下方に傾斜した状態で回動係合部712を回動支持部612に係合させ、前端部を押し上げて係止突部713を係止部613に係止させることで、粉塵容器7を本体ハウジング6に装着することができる(図2参照)。
以下、本体ハウジング6の内部領域60に配置された連通路9と導電部材67について、順に説明する。
図2を参照して、連通路9について説明する。連通路9は、内部領域60の前後方向における後部領域(箱状部61内部の中央領域)に配置されている。連通路9は、上下方向に延在し、集塵装置4がハンマドリル1に装着された状態で、粉塵容器7とハンマドリル1の空気流路151とを連通させるように構成されている。より詳細には、連通路9は、粉塵容器7の流出口702と、ハンマドリル1の吸気口15とを接続する通路であって、筒状の連通路形成部90によって規定されている。本実施形態では、連通路形成部90は、全体として軸方向(上下方向)に弾性変形可能に形成されている。連通路形成部90は、弾性体で形成された上端部と下端部が本体ハウジング6の上面と下面に設けられた貫通孔615、616に夫々嵌め込まれることで、本体ハウジング6に保持されている。連通路形成部90の上端と下端に形成されたフランジ部は、何れも本体ハウジング6の外部へ僅かに突出している。
粉塵容器7が本体ハウジング6に装着されると、連通路形成部90の下端のフランジ部は、粉塵容器7の流出口702の周囲に上方から密着状に押し付けられる。また、集塵装置4がハンマドリル1の本体ハウジング11に装着されると、連通路形成部90の上端のフランジ部は、本体ハウジング11の吸気口15の周囲に下方から密着状に押し付けられる。これにより、粉塵容器7の内部と、本体ハウジング11の空気流路151とが連通路9を介して連通される。
図7を参照して、導電部材67について説明する。導電部材67は、粉塵容器7の帯電を防止するために設けられた部材である。本実施形態では、導電部材67は金属製の板(例えば、鋼板)として構成されている。導電部材67は、箱状部61の後端部に箱状部61と一体的に形成された支持部618に、ネジで固定されている。また、導電部材67には、導電性ゴムで形成された導電路68が接続されている。
本実施形態では、導電路68は概ね紐状に形成されており、その両端部が、夫々、導電部材67と粉塵容器7に接触するように配置されている。具体的には、導電路68の第一端部681は、導電部材67に接触するように支持部618に支持されている。導電路68の第二端部682は、一部が箱状部61の下面部の貫通孔617から下方へ僅かに突出しており、粉塵容器7が本体ハウジング6に装着されると、フィルタホルダ72の上面部725に上方から密着状に押し付けられる。これにより、導電性材料で形成された上面部725と導電部材67とが、導電路68を介して電気的に接続される。また、上面部725と箱状部61の下面部の間に第二端部682が介在状に配置されることで、粉塵容器7と本体ハウジング6との相互接触が緩衝されている。これにより、粉塵容器7の本体ハウジング6に対するがたつきが抑制されている。
集塵装置4では、粉塵が空気と共に吸引され、粉塵移送路80を経由して粉塵容器7に収集される際に静電気が発生し、粉塵容器7に静電気が帯電する場合がある。本実施形態では、粉塵容器7に帯電した静電気は、上面部725から導電路68を通って導電部材67に逃げるため、粉塵容器7に静電気が帯電することを抑制することができる。
以下、図1を参照して、摺動部8の全体構成について簡単に説明する。図1に示すように、摺動部8は、吸引口812を有する第一移送部81と、第一移送部81に連結され、本体ハウジング6に保持された第二移送部82とを含む。
第一移送部81は、略L字状に形成された筒状部材である。第一移送部81の一端部には、先端工具19の先端を被覆可能に形成された吸引フード811が設けられている。吸引フード811には、先端工具19が挿通可能な吸引口812が設けられている。以下、第一移送部81の吸引フード811が設けられた端部を先端部といい、反対側の端部を基端部という。
第二移送部82は、中空状に形成され、直線状に延在する長尺部材である。第二移送部82は、打撃軸A1に平行に、前後方向に延在するように配置されている。第二移送部82の前端部には、先端部が上方に配置されるように、第一移送部81の基端部が連結されている。後端85を含む第二移送部82の一部は、本体ハウジング6に前後方向に摺動可能に保持され、内部領域60に配置されている。
以下、第二移送部82の詳細構成について説明する。図8に示すように、本実施形態では、第二移送部82の外郭は、アルミニウム製の本体フレーム821と、樹脂製の左側部841および右側部845とから形成されている。本体フレーム821は、直線状に延在する長尺部材である。左側部841と右側部845は、何れも直線状の長尺部材であり、図4に示すように、本体フレーム821の左側部と右側部に形成された溝に夫々嵌め込まれ、第二移送部82の左側面と右側面を形成している。第二移送部82の全体としての左右方向の断面形状は、概ね矩形状である。
図9に示すように、左側部841は、後端部に設けられた固定部846の貫通孔と本体フレーム821に設けられた貫通孔にボルト847が挿入され、ナットで固定されることで、本体フレーム821の左後端部に固定されている。右側部845は、後端部に設けられた係止片844が本体フレーム821に設けられた係止孔に係止されることで、本体フレーム821の右後端部に固定されている。なお、左側部841が係止片ではなくボルト847で固定されるのは、左側部841には、後述する長さ調整部87および深さ調整部870の係止ユニット88の荷重がかかるため、より強固に本体フレーム821に対して固定する必要があるためである。
第二移送部82は、本体ハウジング6にスライド係合可能に構成されている。具体的には、図4に示すように、本体フレーム821の左側部には、上下方向に離間して前後方向に延在する一対の係合凹部822が設けられている。同様に、本体フレーム821の右側部にも、一対の係合凹部823が設けられている。係合凹部822、823は、夫々、本体ハウジング6に設けられたガイドレール621、622にスライド係合可能に構成されている。かかる構成によって、摺動部8は、第二移送部82の長軸周りの相対移動が規制された状態で、本体ハウジング6に対して、打撃軸A1に平行に、前後方向(第二移送部82の長軸方向)に摺動可能に保持されている。
本実施形態では、摺動部8は、図1に実線で示す最離間位置と、二点鎖線で示す最近接位置との間で本体部5に対して相対移動可能である。最離間位置とは、前後方向(第二移送部82の長軸方向、摺動部8の摺動方向)において、吸引口812が本体ハウジング6の開口部620から最も離れるときの摺動部8の位置である。開口部620からの摺動部8の突出長さ(以下、単に摺動部8の突出長さという)が最大、且つ、内部領域60への摺動部8の進入長さ(以下、単に摺動部8の進入長さという)が最小となる摺動部8の位置と言い換えることもできる。最近接位置とは、前後方向において、吸引口812が開口部620に最も近接するときの摺動部8の位置である。摺動部8の突出長さが最小、且つ、摺動部8の進入長さが最大となる摺動部8の位置と言い換えることもできる。
本実施形態では、摺動部8が最離間位置に配置されているときには、摺動部8の後端85は、筒状部62内に配置される。一方、摺動部8が最近接位置に配置されているときには、摺動部8の後端85は、連通路9(連通路形成部90)よりも後方で箱状部61の後端部内に配置される。つまり、前後方向において、開口部620と連通路形成部90との間の距離よりも、摺動部8が最近接位置に配置されているときの開口部620と後端85との間の距離(言い換えると、摺動部8の内部領域60への最大進入長さ)の方が長い。
第二移送部82(より詳細には、本体フレーム821)は、前後方向(第二移送部82の長軸方向)に直線状に延在して第二移送部82(本体フレーム821)を貫通する内部通路820を有する。内部通路820は、吸引口812と粉塵容器7とを接続する粉塵移送路80が通過可能に構成されている。なお、本実施形態では、粉塵移送路80は、第一移送部81と、ホース800と、ホース接続部802とによって規定されている。
図1に示すように、内部通路820の前端部には、第一移送部81の基端部が挿入され、固定されている。第一移送部81の基端部には、ホース800の一端部(前端部)が連結されている。ホース800は、圧縮コイルバネ801が外装されることで、伸縮自在に構成されている。ホース800の他端部(後端部)は、ホース接続部802の一端部に連結されている。ホース接続部802は、側面視L字状に形成された筒状部材である。ホース接続部802の他端部は、箱状部61前端部の下面に形成された貫通孔617(図2参照)を介して下方へ突出しており、粉塵容器7が本体ハウジング6に装着されると、流入口701から粉塵容器7内部に挿入される。これにより、第一移送部81、ホース800、ホース接続部802の内部を延在する粉塵移送路80と、粉塵容器7の内部空間とが連通する。なお、ホース800に外装された圧縮コイルバネ801によって、摺動部8は、常時、本体ハウジング6(開口部620)から突出する方向、つまり前方に付勢されている。
摺動部8が本体ハウジング6に対して前後方向に相対的に移動するのに伴い、摺動部8に対するホース800とホース接続部802の配置は変化する。具体的には、図1に実線で示すように、摺動部8が最離間位置に配置されているときには、摺動部8の後端85は筒状部62内に配置される。このため、内部通路820には、前端から後端までの全長に亘ってホース800が配置される。一方、二点鎖線で示すように、摺動部8が最近接位置に配置されているときには、摺動部8の後端85は、内部領域60(箱状部61)の後端部に配置される。このため、内部通路820の前側部分に縮められたホース800が配置され、内部通路820の中央部に、下方へ屈曲して粉塵容器7に接続するホース接続部802が配置される。そこで、第二移送部82には、粉塵移送路80との干渉を回避するための構成が設けられている。更に、前述のように、箱状部61内部の中央領域には、連通路9が設けられているため、第二移送部82には、摺動部8が最近接位置に配置されたときに、連通路9との干渉を回避するための構成も設けられている。以下、これらの構成について説明する。
図8に示すように、本体フレーム821は、上部に形成された切欠き部835と、下部に形成された溝部831とを有する。
切欠き部835は、本体フレーム821の後端(つまり、摺動部8の後端)85から前方へ向けて本体フレーム821の上部(内部通路820の上側の部分)が平面視U字状に切りかかれた部分である。切欠き部835の下端は、内部通路820に接続している。切欠き部835の前端(後端85から最も深く切りかかれた部分)は、摺動部8が最近接位置に配置されたときに連通路形成部90の前端が配置される位置よりも前方に設定されている。つまり、切欠き部835の前端から後端85までの距離は、摺動部8が最近接位置に配置されたときの連通路形成部90の前端から後端85までの距離よりも長い。更に、切欠き部835の前端から後端85までの距離は、摺動部8が最離間位置に配置されたときの開口部620から後端85までの距離よりも短い。
溝部831は、本体フレーム821の前端から後端に亘って直線状に延在する。溝部831の上端は、内部通路820に接続している。溝部831の後側部分は、前側部分よりも幅(左右方向の長さ)が広く形成されている。以下、溝部831の後側部分を、幅広部832という。幅広部832の前端は、摺動部8が最近接位置に配置されたときに、ホース接続部802のうち下方へ延在する部分(以下、下方延在部803という(図2参照))の前端が配置される位置よりも前方に設定されている。幅広部832は、前述の切欠き部835と概ね同一の幅(左右方向の長さ)を有する。幅広部832と切欠き部835の幅は、少なくとも、連通路形成部90および下方延在部803の左右方向において最も太い部分の外径よりも大きく設定されている。
かかる構成によって、図2および図8に示すように、第二移送部82には、第二移送部82を上下方向に貫通すると共に、前後方向(第二移送部82の長軸方向、摺動部8の摺動方向)において、切欠き部835の前端から後端85まで延在する第一空間部837が形成されている。本実施形態では、第一空間部837は、連通路形成部90の延在方向(上下方向)において、ハンマドリル1が配置される側(上側)からみたときに、切欠き部835の輪郭線と後端85で規定された空間領域であって、第二移送部82を上下に貫通し、且つ後端85側が開放された空間領域であるということもできる。第一空間部837は、摺動部8が最近接位置に配置されたときに、摺動部8と連通路9(連通路形成部90)との干渉を回避するための空間部であって、摺動部8が最近接位置に配置されたときに連通路形成部90が配置される領域を少なくとも含んでいる。
また、第二移送部82には、第二移送部82の下面から上方へ延在すると共に、前後方向(第二移送部82の長軸方向、摺動部8の摺動方向)において、幅広部832の前端から後端85まで延在する第二空間部838が形成されている。第二空間部838は、連通路形成部90の延在方向(上下方向)において、粉塵容器7が配置される側(下側)からみたときに、幅広部832の輪郭線と後端85で規定された空間領域であって、幅広部832から内部通路820に亘って延在し、且つ後端85側が開放された空間領域であるということもできる。第二空間部838は、摺動部8が最近接位置に配置されたときに、摺動部8と粉塵移送路80(下方延在部803)との干渉を回避するための空間部であって、摺動部8が最近接位置に配置されたときに下方延在部803が配置される領域を少なくとも含んでいる。なお、第二空間部838は、第一空間部837と一部が重複する空間領域である。
以下、第一空間部837と第二空間部838の作用について説明する。摺動部8が最離間位置から最近接位置へ向けて本体ハウジング6に対して相対的に後方へ移動する場合、摺動部8の後端85は、図2に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで移動する。この過程で、後端85が下方延在部803の前端に達すると、下方延在部803は、第二空間部838に後端85側から進入する。このため、摺動部8は、下方延在部803と干渉することなく、更に後方へ移動することができる。更に、後端85が連通路形成部90の前端に達すると、連通路形成部90は、第一空間部837に後端85側から進入する。このため、摺動部8は、連通路形成部90と干渉することなく、更に後方へ移動することができる。摺動部8が最近接位置に配置されると、下方延在部803および連通路形成部90は、夫々、第二空間部838および第一空間部837の前端部に配置される。このように、第一空間部837および第二空間部838が設けられることによって、摺動部8が最近接位置に配置されたときでも、摺動部8と粉塵移送路80および連通路9との干渉を回避することができる。
以下、図3、図9および図10を参照して、長さ調整部87および深さ調整部870について説明する。長さ調整部87は、加工作業開始時の摺動部8の突出長さを調整可能に構成された部位である。深さ調整部870は、先端工具19による被加工物に対する加工の深さを調整可能に構成された部位である。
長さ調整部87および深さ調整部870は何れも、一対のガイドレール86によって摺動部8に対してその長軸方向(前後方向)に相対移動可能に保持され、且つ、一対のガイドレール86に係止可能に構成されている。図3に示すように、一対のガイドレール86は、左側部841に設けられており、上下方向に離間して、互いに略平行に、前後方向に延在する。図9に示すように、左右方向において、ガイドレール86と本体フレーム821の左側面828との間には、間隙が設けられている。ガイドレール86は、夫々、前後方向に一列で等間隔に配置された複数の突起を含む歯部861を有する。歯部861には、後述の長さ調整部87の係止部876、および深さ調整部870の係止部876が夫々係合可能である。
本実施形態では、長さ調整部87は、深さ調整部870と実質的に同一の構成と、付加的な構成とを含んでいる。具体的には、長さ調整部87および深さ調整部870は何れも、保持部材871と、押圧部材875と、付勢バネ878で構成された係止ユニット88を含む。長さ調整部87は、更に、操作レバー881を含む。まず、長さ調整部87および深さ調整部870に共通する構成である係止ユニット88(保持部材871、押圧部材875、付勢バネ878)について説明する。なお、以下の説明では、長さ調整部87の係止ユニット88を参照するが、形状が若干異なるものの、深さ調整部870の係止ユニット88も実質的な構成は同じである。
図3、図9および図10に示すように、保持部材871は、一対のガイドレール86によって摺動部8に対して前後方向に相対移動可能に保持されている。より詳細には、保持部材871は、側面視矩形状の左側面部872が上下一対のガイドレール86に跨るようにガイドレール86の左方に配置され、他の部分がガイドレール86と本体フレーム821の左側面828との間に配置されている。押圧部材875は、付勢バネ878によって左方へ付勢された状態で、左右方向に摺動可能に保持部材871に保持されている。押圧部材875の本体部分は、上下方向において一対のガイドレール86の間に配置されており、その先端部(左端部)は、常時には、保持部材871に設けられた開口部874から左方へ突出している。また、押圧部材875は、右端部の上下両端部に、ガイドレール86の歯部861に係合可能に構成された係止部876を有する。係止部876は、常時には、押圧部材875が付勢バネ878の付勢力で左方へ付勢されることで、歯部861に係合している。これにより、第二移送部82の長軸方向(前後方向)における係止ユニット88の位置決めがなされている。
作業者によって押圧部材875が右方(第二移送部82の内側方向)へ押圧されると、付勢バネ878の付勢力に抗して押圧部材875が右方へ移動し、歯部861に対する係止部876の係合状態が解除される。作業者は、ガイドレール86に沿って係止ユニット88を移動させた後、押圧部材875に対する押圧を解除することで、係止部876を歯部861上の別の位置に係合させることができる。作業者は、このようにして第二移送部82の長軸方向(前後方向)における係止ユニット88の配置を変更することができる。
深さ調整部870を構成する係止ユニット88は、ガイドレール86のうち、本体ハウジング6から外部へ露出している部分(つまり開口部620から前方へ突出している部分)の任意の位置に配置することができる。一方、長さ調整部87の係止ユニット88は、本体ハウジング6の内部に配置されており、本体ハウジング6から外部には露出しない。具体的には、図9に示すように、筒状部62の左側部の内部には、右方へ突出する移動規制部623が設けられている。前述の通り、摺動部8は、ホース800に外装された圧縮コイルバネ801によって前方へ付勢されている。よって、本体ハウジング6の内部でガイドレール86に係止された係止ユニット88は、摺動部8と共に前方へ移動し、移動規制部623に当接してそれ以上の前方への移動が規制される。つまり、前後方向に関しては、長さ調整部87の係止ユニット88は、常時には、圧縮コイルバネ801の付勢力で移動規制部623に後方から当接する位置(以下、初期位置という)で保持される。
筒状部62の左側部には、初期位置に配置された係止ユニット88に対向する位置に、開口部624が形成されている。操作レバー881は、開口部624を覆うように配置され、前端部において、ピン882を介して左右方向に回動可能に筒状部62に保持されている。操作レバー881が外部から右方へ押圧操作されると、操作レバー881の後端部によって押圧部材875が右方へ押圧される。これにより、歯部861に対する係止部876の係合状態が解除される。
長さ調整部87による突出長さの調整は、次のように行われる。作業者は、長さ調整部87の操作レバー881を片方の手で押圧しながら、もう一方の手で摺動部8を本体ハウジング6に対して前後方向に相対的に移動させ、先端工具19の先端部が吸引フード811で覆われるように摺動部8の突出長さを調整すればよい。このとき、係止ユニット88は、ガイドレール86に対する係止が解除された状態で操作レバー881と本体フレーム821の間で保持されるため、摺動部8は係止ユニット88に対しても前後方向に相対的に移動する。作業者が操作レバー881の押圧を解除すると、係止ユニット88が再びガイドレール86に係止され、初期位置に配置されることで、摺動部8の突出長さが確定される。なお、左側部841の後端部に設けられた固定部846は、長さ調整部87の係止ユニット88の後端に当接することで、摺動部8の抜け止めとして機能し、摺動部8の最離間位置を規定する。
なお、本実施形態では、第二移送部82は、摺動部8が最離間位置に配置されたときに、本体フレーム821の上部に設けられた切欠き部835が筒状部62の内部に配置されるように構成されている。つまり、摺動部8が最離間位置に配置されたとき、第一空間部837は、筒状部62の内部に配置される。
また、深さ調整部870による被加工物に対する加工の深さの調整は、次のように行われる。吸引フード811が被加工物に押し付けられた状態で加工作業が進行すると、摺動部8は、圧縮コイルバネ801の付勢力に抗して本体ハウジング6内部に押し込まれる。係止ユニット88は、ガイドレール86に係止した状態で摺動部8と共に移動する。この過程で、深さ調整部870の左側面部872が筒状部62の前端(開口部620)に当接すると、摺動部8がそれ以上本体ハウジング6に対して後方へ相対的に移動することが規制される。つまり、被加工物に対する加工の深さは、開口部620から左側面部872の後端までの距離に対応する。よって、作業者は、所望の加工の深さに応じて、前述の手順でガイドレール86上の係止ユニット88の位置を調整すればよい。なお、深さ調整部870の係止ユニット88がガイドレール86の前端に配置されたときに、摺動部8は本体ハウジング6に対して最近接位置まで移動可能となる。
以上に説明したように、本実施形態の集塵装置4では、摺動部8が最近接位置に配置されたとき、つまり、摺動部8が本体部5(本体ハウジング6)の内部に最も進入したとき、摺動部8の後端85は、内部領域60において連通路9(連通路形成部90)よりも開口部620から離れた位置に配置される。これに対し、摺動部8に第一空間部837を設けることによって、摺動部8が最近接位置に配置されたときでも、連通路9との干渉を回避することができる。よって、摺動部8の長さが、摺動部8が最近接位置に配置されたときに連通路9に達しないように設定された従来の構成に比べ、より長い先端工具19にも適用可能な集塵装置4が実現されている。
第一空間部837は、摺動部8の摺動方向(前後方向)に交差する上下方向に摺動部8を貫通すると共に、前後方向において、後端85まで連続する空間部として摺動部8に形成されており、少なくとも、摺動部8が最近接位置に配置されたときに連通路9が配置される領域を含んでいる。このように、連通路9との干渉を回避するための構成を、摺動部8に形成された第一空間部837として実現することで、何らかの部材でかかる構成を実現する場合に比べ、摺動部8全体を簡便な構成とすることができる。
第一空間部837は、摺動部8が最離間位置に配置されたとき、内部領域60に配置される。このため、第一空間部837を介して摺動部8や本体部5の内部に粉塵が進入することを防止することができる。
なお、本実施形態では、第一空間部837に一部が重なり、第一空間部837よりも前方に延在する第二空間部838が設けられているが、第二空間部838は、切欠き部835よりも前側では上部が本体フレーム821によって閉塞されているため、摺動部8が最離間位置に配置されたときには、第二空間部838の上側の端部は、内部領域60に配置される。これにより、第二空間部838の上端部から粉塵が進入する可能性も低減されている。
本実施形態では、本体部5は、ハンマドリル1のガイドレール17にスライド係合可能な係合部63と、作業者の手動操作に応じて係合部63による係合を保持する状態と解除可能な状態との間で切替可能な操作部材64とを備えている。係合部63と、操作部材64はいずれも、ハンマドリル1が配置される上側に設けられているため、着脱作業を容易とすることができる。作業者は、ハンマドリル1に対する集塵装置4の着脱操作を行うとき、上側に親指を配置する場合が多いと考えられる。操作部材64は下方向に押圧操作される構成とされているため、操作がより容易となる。
本実施形態では、摺動部8は、略平行に、互いに離間して配置され、前後方向に延在する一対のガイドレール86と、ガイドレール86によって摺動部8に対して前後方向に相対移動可能に保持され、且つ、ガイドレール86に係止可能に構成された係止ユニット88を備えている。係止ユニット88によって、実際に使用される先端工具19の長さに応じて摺動部8の突出長さを調整可能な長さ調整部87、および、先端工具19による被加工物に対する所望の加工量に応じて摺動部8の進入長さを調整可能な深さ調整部870が実現されている。また、係止ユニット88は一対のガイドレール86によって保持されているため、ガイドレール86に沿って前後方向に安定して相対移動することができる。
本実施形態の集塵装置4は、ハンマドリル1の集塵ファン25によって形成された空気流を用いて粉塵の収集を行うため、金属領域を伴う電装部品(集塵用のモータやファン)を備えていない。その代りに、集塵装置4には、粉塵を収容する粉塵容器7と、ハンマドリル1の空気流路151とを連通させる連通路9が必要となる。そこで、本体部5には、集塵装置4がハンマドリル1に装着された状態で、ハンマドリル1と粉塵容器7との間に配置される内部領域60が設けられ、この内部領域60に連通路9が配置されている。本実施形態では、導電部材67を連通路9と同じ内部領域60に配置し、粉塵容器7に導電路68を介して接続することで、内部領域60のデッドスペースを有効利用しつつ、粉塵を収集する過程で発生した静電気を粉塵容器7から導電部材67へ逃がすことができる。これにより、粉塵容器7の帯電を効果的に防止することができる。
特に、本実施形態のように、摺動部8が内部領域60内を移動する場合、内部領域60は、その移動空間を確保するために、比較的大きなデッドスペースが形成される。よって、摺動部8が内部領域60内で本体部5に対して相対移動するように構成された集塵装置4では、内部領域60に導電部材67を配置することで、より大きなデッドスペースの利用効果が得られる。
粉塵容器7は、内部領域60(本体ハウジング6)に対して着脱可能な容器として構成され、且つ、導電性材料で形成された上面部725を有する。導電路68は、導電性ゴムで形成され、粉塵容器7が本体ハウジング6に装着された状態で、上面部725と導電部材67とを電気的に接続するように構成されている。かかる構成により、粉塵の廃棄を容易にし、粉塵容器7の装着時に、上面部725と導電部材67とを別途接続する手間が不要とすることができる。また、導電路68は、第二端部682によって、粉塵容器7と本体ハウジング6との相互接触を緩衝するように構成されている。これにより、本体ハウジング6に対する粉塵容器7のがたつきを抑えることができる。
[第二実施形態]
以下、図11および図12を参照して、第二実施形態に係るハンマドリル100および集塵装置40について説明する。本実施形態のハンマドリル100の構成の大部分は、第一実施形態のハンマドリル1と同一である。また、集塵装置40の構成の主な部分は、第一実施形態の集塵装置4と同一である。よって、以下では、同一の構成については同一符号を付して説明を省略または簡略化し、主に第一実施形態と異なる点について説明する。
まず、ハンマドリル100と集塵装置40の着脱構造について説明する。第一実施形態と同様、ハンマドリル100の本体ハウジング110の下端部の前側部分には、ガイドレール17が設けられている。また、集塵装置40の本体ハウジング600の上端部には、ガイド溝631を有する係合部63が設けられている(図2および図4参照)。一方、図11および図12に示すように、係合部63とガイドレール17とが係合した状態で、本体ハウジング11と本体ハウジング6との前後方向の相対移動を規制するための構成としての係合凹部112および突起部645は、第一実施形態とは若干異なる。
具体的には、ハンマドリル100の係合凹部112は、本体ハウジング110の下前端部ではなく、下端部中央部において、吸気口15のすぐ前側に設けられている。係合凹部112に係合可能な突起部645は、本体ハウジング600の内部領域60において、連通路形成部90のすぐ前側に配置されている。係合部63とガイドレール17とが係合した状態で、集塵装置40がハンマドリル100に対して前方から後方に移動され、所定位置に達すると、突起部645が係合凹部112に係合する。なお、図示は省略するが、突起部645を上下方向に移動させるための操作部材は、本体ハウジング600の左側に露出するように配置されている。
次に、集塵装置40の構成について説明する。集塵装置40は、本体ハウジング600および粉塵容器7を含む本体部5と、摺動部84とを備えている。本体ハウジング600は、第一実施形態の本体ハウジング6とほぼ同一の構成を有するが、内部領域60に、前述の突起部645と、第一実施形態とは異なる粉塵容器7の帯電防止のための構成とを備えている。具体的には、集塵装置40には、粉塵容器7の帯電した静電気をハンマドリル100に逃がすための第一導電路680が設けられている。
第一導電路680は、第一実施形態の導電路68と同様、導電性ゴムで形成されている。第一導電路680は概ね紐状に形成されている。第一導電路680の両端部である第一端部683と第二端部684は、夫々、箱状部61の上面部と下面部に形成された貫通孔に嵌め込まれている。第一端部683の一部は、箱状部61の上面部から僅かに上方へ突出している。第二端部684の一部は、箱状部61の下面部から僅かに下方へ突出しており、粉塵容器7が本体ハウジング6に装着されると、フィルタホルダ72の上面部725に上方から密着状に押し付けられる。
一方、ハンマドリル100の本体ハウジング110の下端部には、集塵装置40がハンマドリル100に装着されたとき第一端部683に対向する位置に、貫通孔113が形成されている。貫通孔113は、前後方向において、吸気口15の前側、且つ、支持体111の後側に配置されている。支持体111は、本体ハウジング110内に設けられ、本体部10の内部機構の一部を支持する金属部材である。本実施形態では、支持体111は、出力シャフト21の前後端部に装着された2つの軸受のうち、前側の軸受を支持している。貫通孔113には、上端部と下端部が貫通孔113から上下に突出した状態で、導電性ゴムで形成された第二導電路685が嵌め込まれている。本体ハウジング110の内部に突出する第二導電路685の上端部は、支持体111の後面に後方から密着している。
集塵装置40がハンマドリル100に装着されると、集塵装置40に設けられた第一導電路680の第一端部683は、第二導電路685に下方から密着状に押し付けられる。これにより、導電性材料で形成された粉塵容器7の上面部725と、金属製の支持体111とが、第一導電路680および第二導電路685を介して電気的に接続される。よって、粉塵容器7に静電気が帯電した場合、静電気は、上面部725から第一、第二導電路680、685を通って支持体111に逃げるため、粉塵容器7に静電気が帯電することを抑制することができる。
また、本実施形態の集塵装置40では、摺動部84の長軸方向(前後方向)の長さは、第一実施形態の集塵装置4の摺動部8よりも短く形成されている。図示は省略するが、詳細には、摺動部84が最近接位置に配置されたとき、摺動部84の後端は、連通路9(連通路形成部90)よりも前側、且つ、ホース接続部802よりも後側に配置される。このため、摺動部84には、第一実施形態と同様、ホース接続部802との干渉を回避するための構成(溝部831)が設けられているが、第一実施形態とは異なり、連通路9との干渉を回避するための構成は特に設けられていない。
なお、集塵装置40では、摺動部84の突出長さを調整するための構成(ガイドレールおよび係止ユニット、操作レバー)が第一実施形態とは異なるが、ここでの説明は省略する。
上記実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。集塵装置4は、本発明の「集塵装置」に対応する構成例である。本体部5、摺動部8は、夫々、本発明の「本体部」、「摺動部」に対応する構成例である。内部領域60、粉塵容器7、開口部620は、夫々、本発明の「内部領域」、「粉塵収容領域」、「開口部」に対応する構成例である。吸引口812、粉塵移送路80は、夫々、本発明の「吸引口」、「粉塵移送路」に対応する構成例である。連通路9は、本発明の「連通路」に対応する構成例である。摺動部8の後端85は、本発明の「最内端」に対応する構成例である。第一空間部837は、本発明の「干渉回避部」および「空間部」に対応する構成例である。係合部63、操作部材64は、夫々、本発明の「係合部」、「操作部材」の構成例である。一対のガイドレール86、係止ユニット88は、夫々、本発明の「一対のガイドレール」、「位置決め部材」の構成例である。ハンマドリル1、本体ハウジング11、集塵ファン25は、夫々、本発明の「作業工具」、「工具本体」、「ファン」の構成例である。
上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る集塵装置および作業工具は、例示された集塵装置4、40およびハンマドリル1、100の構成に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示す集塵装置4、40およびハンマドリル1、100、あるいは請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
集塵装置4、40は、ハンマドリル1、100以外の作業工具に適用されてもよい。具体的には、先端工具19の長さに応じて摺動部8、84の突出長さを調整することが望ましい作業工具に適用することができる。かかる作業工具として、例えば、穴あけ作業を遂行するための作業工具(振動ドリル、電動ドリル等)が挙げられる。
集塵装置4、40とハンマドリル1、100またはその他の作業工具との係合機構は、上記実施形態で例示されたガイドレール17と係合部63の組み合わせに限られない。例えば、フックと係合孔の組み合わせ等からなる係合機構が採用可能である。なお、集塵装置4、40とハンマドリル1、100またはその他の作業工具との係合を保持する状態と、係合を解除する状態との間で切替えるための部材は、操作性向上の観点から、第一実施形態の操作部材64のように、係合機構と同じ側に設けられることが好ましい。第一実施形態では、操作部材64は、ハンマドリル1の下前端部に対応するように、本体部5の上前端部に配置されているが、ハンマドリル1の下後端部に対応するように、本体部5の上後端部に配置されてもよい。
また、集塵装置4、40における着脱構造は、必ずしも本体部5に設けられる必要はなく、本体部5とは別の部位に設けられてもよいし、集塵装置4、40とは別体として設けられてもよい。例えば、集塵装置4、40は、留め具付きのベルトや、ゴム等の可撓性を有する素材で形成された環状部材でハンマドリル1、100またはその他の作業工具の工具本体に装着されてもよい。
上記実施形態では、粉塵移送路80は、第一移送部81、ホース800、ホース接続部802によって規定されている。しかし、粉塵移送路80は、吸引口812から粉塵容器7まで空気と共に粉塵を移送可能に構成されていればよく、例えば、吸引口812と粉塵容器7とを接続するホースのみによって形成されていてもよい。粉塵容器7は、本体ハウジング6に着脱可能な構成に限られず、本体ハウジング6と一体的に設けられていてもよい。また、粉塵容器7は、粉塵移送路80を介して移送された粉塵を空気から分離して収集可能に構成されている限り、その構成は適宜変更が可能である。
内部領域60に配置される連通路9の形状や配置は、粉塵容器7の流出口702とハンマドリル1の吸気口15の配置に応じて適宜変更されてもよい。例えば、連通路9は、上下方向に対して斜めに延在してもよいし、少なくとも一部が湾曲していてもよい。摺動部8において、連通路9(連通路形成部90)との干渉を回避するための構成は、第一空間部837に限られず、適宜変更されてもよい。第一空間部837は、摺動部8が最近接位置に配置されたときに連通路9(連通路形成部90)が配置される領域を少なくとも含む空間部であって、第二移送部82を上下方向に貫通し、且つ、後端85側が開放されていればよい。この条件が満たされる範囲で、例えば、第一空間部837を規定する切欠き部835や溝部831の幅広部832の形状や配置が変更されてもよい。
また、摺動部8や本体部5内に粉塵が進入する可能性を低減するためには、第一空間部837は、摺動部8が最離間位置にあるときに、少なくとも上側の端部が内部領域60、つまり本体ハウジング6内に配置されることが好ましい。しかしながら、摺動部8が最離間位置にあるときに第一空間部837が本体ハウジング6の外部に露出する態様が排除されるものではない。よって、第一空間部837は、例えば、本体フレーム821の前後方向の全長に亘って延在し、且つ、上下方向に本体フレーム821を貫通する空間部として形成されてもよい。具体的には、例えば、第二移送部82は、前後方向に延在し、且つ、本体ハウジング6に対してスライド係合可能な構成を備えた左右一対の長尺部材と、これらの部材を適宜連結する連結部材とで形成されていてもよい。
集塵装置4の長さ調整部87および深さ調整部870は、何れか一方のみが設けられてもよいし、両方が省略されてもよい。また、ガイドレール86、係止ユニット88、操作レバー881の構成が適宜変更されてもよい。例えば、係止ユニット88は、一対のガイドレール86ではなく、一本のガイドレールに沿って移動可能、且つ、係止可能に構成されていてもよい。
粉塵容器7の帯電を抑制するという観点からは、静電気の逃がし先(導電部材67、ハンマドリル100の支持体111)とを導電路(導電路68、第一、第二導電路680、685)を介して電気的に接続することが好ましい。しかしながら、必ずしもそのような構成が設けられる必要はない。また、集塵装置4の導電部材67および導電路68の形状や内部領域60における配置は、適宜変更可能である。例えば、粉塵容器7と導電部材67とは、1本の導電路68ではなく、複数の導電路を介して接続されていてもよい。ハンマドリル1および集塵装置4に、導電部材67および導電路68に代えて、第二実施形態の第一、第二導電路680、685が設けられてもよい。ハンマドリル100における静電気の逃がし先として、支持体111に代えて、金属製のモータ20ハウジング等が採用されてもよい。集塵装置40に、第一導電路680に代えて、第一実施形態の導電部材67および導電路68が設けられてもよい。上面部725、導電部材67、導電路68、第一、第二導電路680、685は、上記実施形態で例示された以外の導電性を有する材料で形成されていてもよい。
粉塵容器7において、導電性材料で形成される部分は、上面部725に限られず、他の部分(例えば、フレーム721)であってもよい。また、粉塵容器7には、必ずしも導電性材料で形成される部分が設けられる必要はない。この場合、例えば、導電路68、第一導電路680の一部を粉塵容器7内部に配置することで、粉塵容器7から導電部材67、支持体111に静電気を逃がす構成が実現されてもよい。
上記実施形態のように、粉塵移送路80が摺動部8の摺動方向(前後方向)に対して交差する方向(具体的には粉塵容器7が配置される下方)に延在する部分を含む場合、摺動部8は、連通路9(連通路形成部90)に加え、粉塵移送路80との干渉を回避する構成を含むことが好ましい。この観点から、以下の態様が構築される。なお、以下の態様は、いずれか1つのみ、あるいは複数が、各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記粉塵移送路は、前記摺動部内で前記第一方向に延在する第一部分と、前記第二方向に延在して前記第一部分と前記粉塵収容領域とを接続する第二部分とを含み、
前記第二部分は、前記第一方向において前記連通路と前記開口部との間に配置されており、
前記摺動部は、前記摺動部が前記最近接位置に配置されたときに前記第二部分との干渉を回避するように構成された移送路干渉回避部を有する。
[態様2]
前記態様1において、前記移送路干渉回避部は、前記第二方向において、前記粉塵収容領域が配置される側から前記作業工具が配置される側に向けて延在すると共に、前記第一方向において前記最内端まで連続する空間部として前記摺動部に形成されており、
前記移送路干渉回避部は、少なくとも、前記摺動部が前記最近接位置に配置されたときに前記第二部分が配置される領域を含む。