JPWO2017170868A1 - さび止め油組成物 - Google Patents

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匡基 田巻
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Abstract

下記(A1)〜(A4)成分及びこれらの有機塩からなる群から選択される少なくとも1つの水除去剤(A)と、下記(B1)〜(B6)成分からなる群から選択される少なくとも1つの防錆剤(B)と、40℃動粘度が20mm2/s以下の軽質鉱物油(C)と、40℃動粘度が80mm2/s以上の重質鉱物油(D)とを含むさび止め油組成物によって、水除去性、防錆性、及び水分離性を良好にすることが可能なさび止め油組成物を提供することができる。
(A1):炭素数10〜24の脂肪族炭化水素基を有するイミダゾリン化合物
(A2):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるリン酸エステル系化合物
(A3):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるチオリン酸エステル系化合物
(A4):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるジアミン化合物
(B1):1つのスルホン基あたりの全炭素数が23以上のスルフォネート
(B2):多価アルコール部分エステル
(B3):数平均分子量が600〜5000のポリマー
(B4):数平均分子量が400〜3500の樹脂
(B5):ワックス
(B6):コハク酸イミド化合物

Description

本発明は、さび止め油組成物に関する。
鉄等の金属からなる金属材料は、製造工程間又は製品出荷後において金属表面に錆やステインが発生することを防止するために、金属表面にさび止め油を塗布するのが一般的である。一方で、金属材料は、加工油を用いて、切削、プレスなどの各種の加工が行われ、また、製造途中で洗浄液を用いて洗浄されることもある。
さび止め油は、金属材料が各種加工され、または洗浄等された後に、金属材料表面に被膜させることがある。加工油、洗浄液などが水系のものである場合、加工油、洗浄液が原因となってサビが発生するのを防止するために、さび止め油は、加工油や洗浄液を金属表面から除去した上で金属表面に被膜させる必要がある。
したがって、水系の加工液等を用いた後にさび止め油を被膜する場合には、通常、水除去性に優れた油剤を塗布して水分を除去した後、防錆性に優れたさび止め油を金属表面に塗布する。なお、水除去性とは、金属表面に付着した水と金属の間に添加剤が入り込み、金属表面から水を除去する性能をいう。水除去性に優れた油剤としては、例えば、特許文献1に記載されるように、非水溶媒と、カチオン活性剤、又は高級アミン若しくはそのカルボン酸塩等からなる界面活性剤とを含む水置換剤が知られている。
また、工程を簡略化するために、水除去性に優れた油剤等を塗布して水分を除去する工程を省略することも試みられている。この場合、さび止め油は、暴露環境下における防錆性のみならず、水除去性も良好にする必要がある。そのようなさび止め油を提供することを目的として、従来、低粘度鉱油と、高粘度鉱油と、脂肪酸アミン塩と、エステルと、ザルコシン型化合物等の防錆剤とを含有するさび止め油が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−60191号公報 特開2013−199670号公報
しかし、水除去性を付与するための添加剤(水除去剤)と、防錆性を付与するための添加剤(防錆剤)は、いずれも金属表面に吸着することで、水除去性や防錆性を付与している。そのため、水除去性と防錆性の両立を図るために、水除去剤と防錆剤の両方をさび止め油に配合すると、これらは金属表面に競争吸着してしまうと考えられており、一般的に、水除去性と防錆性の両立を図るのは困難である。
例えば特許文献2に開示されるさび止め油組成物でも、脂肪酸アミン塩が水除去剤の働きをすると考えられ、水除去剤と防錆剤の両方が配合されるが、暴露環境下における防錆性を十分に高めることは難しい。
さらに、さび止め油組成物を金属材料に塗布するとき、例えば、金属材料をさび止め油組成物に浸漬するが、浸漬時に金属材料表面に付着していた水分がさび止め油組成物に混入することがある。したがって、さび止め油組成物に混入した水をさび止め油組成物から分離して除去するために、さび止め油組成物には実用的には水分離性が必要とされる。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、水除去性、防錆性、及び水分離性を良好にすることが可能なさび止め油組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、さび止め油組成物において、軽質鉱物油及び重質鉱物油に加え、特定の水除去剤と、特定の防錆剤とを組み合わせて使用することで、上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]及び[2]を提供する。
[1]下記(A1)〜(A4)成分及びこれらの有機塩からなる群から選択される少なくとも1つの水除去剤(A)と、
下記(B1)〜(B6)成分からなる群から選択される少なくとも1つの防錆剤(B)と、
40℃動粘度が20mm2/s以下の軽質鉱物油(C)と、
40℃動粘度が80mm2/s以上の重質鉱物油(D)とを含む
さび止め油組成物。
(A1):炭素数10〜24の脂肪族炭化水素基を有するイミダゾリン化合物
(A2):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるリン酸エステル系化合物
(A3):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるチオリン酸エステル系化合物
(A4):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるジアミン化合物
(B1):1つのスルホン基あたりの全炭素数が23以上のスルフォネート
(B2):多価アルコール部分エステル
(B3):数平均分子量が600〜5000のポリマー
(B4):数平均分子量が400〜3500の樹脂
(B5):ワックス
(B6):コハク酸イミド化合物
[2]下記(A1)〜(A4)成分及びこれらの有機塩からなる群から選択される少なくとも1つの水除去剤(A)と、
下記(B1)〜(B6)成分からなる群から選択される少なくとも1つの防錆剤(B)と、
40℃動粘度が20mm2/s以下の軽質鉱物油(C)と、
40℃動粘度が80mm2/s以上の重質鉱物油(D)と配合して、さび止め油組成物を得る、さび止め油組成物の製造方法。
(A1):炭素数10〜24の脂肪族炭化水素基を有するイミダゾリン化合物
(A2):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるリン酸エステル系化合物
(A3):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるチオリン酸エステル系化合物
(A4):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるジアミン化合物
(B1):1つのスルホン基あたりの全炭素数が23以上のスルフォネート
(B2):多価アルコール部分エステル
(B3):数平均分子量が600〜5000のポリマー
(B4):数平均分子量が400〜3500の樹脂
(B5):ワックス
(B6):コハク酸イミド化合物
本発明では、水除去性、防錆性、及び水分離性を良好にすることが可能なさび止め油組成物を提供することができる。
以下、本発明について、実施形態を用いて説明する。
本発明の一実施形態に係るさび止め油組成物は、下記(A1)〜(A4)成分及びこれらの有機塩からなる群から選択される少なくとも1つの水除去剤(A)と、下記(B1)〜(B6)成分からなる群から選択される少なくとも1つの防錆剤(B)と、40℃動粘度が20mm2/s以下の軽質鉱物油(C)と、40℃動粘度が80mm2/s以上の重質鉱物油(D)とを含むさび止め油組成物である。
(A1):炭素数10〜24の脂肪族炭化水素基を有するイミダゾリン化合物
(A2):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるリン酸エステル系化合物
(A3):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるチオリン酸エステル系化合物
(A4):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるジアミン化合物
(B1):1つのスルホン基あたりの全炭素数が23以上のスルフォネート
(B2):多価アルコール部分エステル
(B3):数平均分子量が600〜5000のポリマー
(B4):数平均分子量が400〜3500の樹脂
(B5):ワックス
(B6):コハク酸イミド化合物
本実施形態のさび止め油組成物は、水除去性及び防錆性の両方が良好となるものであるが、上記(A)、(B)、(D)成分のいずれかを含有しないと、水除去性及び防錆性のいずれかの性能が劣る。なお、さび止め油組成物は、水除去性が低下すると、さび止め油組成物を金属材料に塗布したときに金属材料から水を十分に除去できずに、防錆が十分にできないことがある。また、(C)成分を含有しないと、溶液安定性が悪くなったり、金属材料への浸透性が悪くなったりする。
また、本実施形態のさび止め油組成物は、上記(A)、(B)、(D)成分を含有することで、水分離性を良好とすることが可能になる。なお、金属材料表面に付着する水分としては、各種加工液や、アルカリ洗浄液等があるが、本実施形態のさび止め油組成物は、(A)、(B)、(D)成分を含有することで、通常の加工液のみならず、アルカリ洗浄液等のアルカリ性の水溶液に対する水分離性も良好としやすくなる。
さらに、本実施形態のさび止め油組成物は、脱脂性も良好としやすくなるが、脱脂性が良好となることで、金属材料表面に被膜したさび止め油組成物を容易に落とすことが可能になる。
<水除去剤(A)>
水除去剤(A)としては、上記の(A1)〜(A4)成分及びこれらの有機塩から選択される1種又は2種以上を使用する。上記の(A1)〜(A4)成分は、いずれもある程度の大きさを有する脂肪族炭化水素基を有することで、防錆性を損なうことなく、さび止め油組成物の水除去性を向上させることが可能になる。以下、(A1)〜(A4)成分をより詳細に説明する。
[(A1)成分]
(A1)成分として使用されるイミダゾリン化合物は、炭素数10〜24の脂肪族炭化水素基を有するが、この脂肪族炭化水素基の炭素数が10未満となると、水除去性が低下し、さらには水分離性が低下することもある。一方で、(A1)成分は、上記炭素数が24を超えると、工業的に入手しにくくなる。
上記観点から、上記脂肪族炭化水素基の炭素数は、10〜22が好ましく、11〜20がより好ましい。
また、(A1)成分としてのイミダゾリン化合物は、具体的には以下の式(1)で示す化合物が挙げられる。
Figure 2017170868

式(1)において、R1は、炭素数10〜24の脂肪族炭化水素基を示し、R2は、水酸基を有してもよい炭素数1〜4の炭化水素基、又は水素原子を示す。
式(1)において、R1は、アルキル基、アルケニル基、二重結合を2〜3個有する不飽和脂肪族炭化水素基等が挙げられ、中でも、アルキル基、アルケニル基が好ましい。R1は、直鎖状、分岐状でもよいし、環状構造を有していてもよく、具体的には、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、イソドデシル基、トリデシル基、ミリスチル基、イソテトラデシル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、イソヘキサデシル基、ステアリル基、イソオクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基、ウンデセニル基、cis−4−テトラデセニル基、cis−5−テトラデセニル基、cis−9−テトラデセニル基、cis−6−ヘキサデセニル基、パルミトレイル基、cis−6−オクタデセニル基、オレイル基、trans−9−オクタデセニル基、cis−11−オクタデセニル基、trans−11−オクタデセニル基、リノレイル基等が挙げられる。
2の水酸基を有してもよい炭素数1〜4の炭化水素基は、分岐でも直鎖でもよい。また、水酸基を有する場合、水酸基は通常1つであり、具体的には、ヒドロキシアルキル基が挙げられる。R2のより詳細な具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプルピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられ、これらの中では2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
イミダゾリン化合物としては、R2が2−ヒドロキシエチル基である、アルキル又はアルケニル−2−ヒドロキシエチルイミダゾリン化合物が好ましい。
また、R1は、炭素数10〜22の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数11〜20の脂肪族炭化水素基がより好ましい。さらには、R1は直鎖であることが好ましい。
好適なイミダゾリン化合物の具体例としては、ウンデシル−2−ヒドロキシエチルイミダゾリン、オレイル−2−ヒドロキシエチルイミダゾリン等が挙げられ、さらには、トール油−2−ヒドロキシエチルイミダゾリン等のR1が複数種類からなる混合物等も挙げられる。これらの中では、ウンデシル−2−ヒドロキシエチルイミダゾリンが最も好ましい。
(A1)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(A2)成分]
(A2)成分としてのリン酸エステル系化合物は、一分子中に含まれる脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40となるものである。この総炭素数が8未満となったり40を超えたりすると、防錆性、水除去性、水分離性等の性能が低下するおそれがある。各種性能をより良好にする観点から上記総炭素数は、好ましくは10〜38、より好ましくは12〜36である。
また、リン酸エステル系化合物は、炭素数8以上の脂肪族炭化水素基を有することが好ましく、炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基を有することがより好ましく、炭素数10〜18の脂肪族炭化水素基を有することがより好ましい。このような脂肪族炭化水素基を有することで、リン酸エステル系化合物は上記各種性能を発揮させやすくなる。
上記脂肪族炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、二重結合を2〜3個有する不飽和脂肪族炭化水素基等が挙げられ、中でも、アルキル基、アルケニル基が好ましい。
また、リン酸エステル系化合物は、リン酸エステルであってもよいし、亜リン酸エステルであってもよい。
リン酸エステルとしては、具体的には、以下の式(2)で示す化合物が挙げられる。
(R3O−)P(=O)(−OH)3−n (2)
式(2)において、nは1又は2を表し、R3は脂肪族炭化水素基を示し、一分子中におけるR3の総炭素数が8〜40となる。nが2の場合、R3は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(2)において、R3は、アルキル基、アルケニル基、二重結合を2〜3個有する不飽和脂肪族炭化水素基等が挙げられ、中でも、アルキル基、アルケニル基が好ましい。R3は、直鎖状でも分岐状でもよく、環状構造を有していてもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましい。各R3は、通常、炭素数1〜24であるが、好ましくは炭素数8〜24、より好ましくは炭素数10〜18である。また、nは1であることが好ましい。
なお、式(2)で示す化合物は、いわゆる酸性リン酸エステルと呼ばれるものである。
3の好ましい具体例としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、イソドデシル基、トリデシル基、ミリスチル基、イソテトラデシル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、イソヘキサデシル基、ステアリル基、イソオクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基、ウンデセニル基、cis−4−テトラデセニル基、cis−5−テトラデセニル基、cis−9−テトラデセニル基、cis−6−ヘキサデセニル基、パルミトレイル基、cis−6−オクタデセニル基、オレイル基、trans−9−オクタデセニル基、cis−11−オクタデセニル基、trans−11−オクタデセニル基等が挙げられる。
式(2)で示す化合物としては、nが1で、R3が炭素数8〜24のアルキル基又は炭素数8〜24のアルケニル基である化合物がより好ましく、具体的に好適な化合物としては、2−エチルヘキシルリン酸エステル、オクチルリン酸エステル、イソノニルリン酸エステル、ノニルリン酸エステル、イソデシルリン酸エステル、デシルリン酸エステル、ラウリルリン酸エステル、トリデシルリン酸エステル、ミリスチルリン酸エステル、パルミチルリン酸エステル、ステアリルリン酸エステル、オレイルリン酸エステル、イソオクタデシルリン酸エステル、エライジルリン酸エステルなどが挙げられ、2−エチルヘキシルリン酸エステル、オレイルリン酸エステルが特に好ましい。
また、亜リン酸エステルとしては、具体的には、以下の式(3)で示す化合物が挙げられる。
(R4O−)P(−OH)3−m (3)
式(3)において、mは1又は2を表し、R4は脂肪族炭化水素基を示し、一分子中におけるR4の総炭素数が8〜40となる。mが2の場合、R4は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(3)において、R4は、アルキル基、アルケニル基、二重結合を2〜3個有する不飽和脂肪族炭化水素基等が挙げられ、中でも、アルキル基、アルケニル基が好ましい。R4は、直鎖状でも分岐状でもよく、環状構造を有していてもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましい。R4は、通常、炭素数1〜24であるが、好ましくは、炭素数8〜24、より好ましくは炭素数12〜18である。また、mが2であることが好ましい。
なお、式(3)で示す化合物は、いわゆる酸性亜リン酸エステルと呼ばれるものである。
4の好ましい具体例としては、上記R3で列挙した各官能基が挙げられる。
式(3)で示す化合物としては、mが2でR4が炭素数8〜24のアルキル基又は炭素数8〜24のアルケニル基である化合物が好ましく、具体的には、ジ−2−エチルヘキシル亜リン酸エステル、ジオクチル亜リン酸エステル、ジイソノニル亜リン酸エステル、ジノニル亜リン酸エステル、ジイソデシル亜リン酸エステル、ジデシル亜リン酸エステル、ジラウリル亜リン酸エステル、ジトリデシル亜リン酸エステル、ジミリスチル亜リン酸エステル、ジパルミチル亜リン酸エステル、ジステアリル亜リン酸エステル、ジオレイル亜リン酸エステルなどが挙げられる。中でも、特に、ジオレイル亜リン酸エステル、ジラウリル亜リン酸エステルが特に好ましい。
(A2)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(A3)成分]
(A3)成分としてのチオリン酸エステル系化合物は、一分子中に含まれる脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40となるものである。この総炭素数が8未満となると水除去性等が不十分になる。また、40を超えると、防錆性等の性能が低下するおそれがある。各種性能をより良好にする観点から上記総炭素数は、好ましくは12〜38、より好ましくは20〜36である。
上記脂肪族炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、二重結合を2〜3個有する不飽和脂肪族炭化水素基等が挙げられ、中でも、アルキル基、アルケニル基が好ましい。
また、チオリン酸エステル系化合物は、チオリン酸エステルであってもよいし、チオ亜リン酸エステルであってもよいが、チオリン酸エステルが好ましい。
チオリン酸エステルとしては、具体的には、以下の式(4)で示す化合物が挙げられる。
S=P(−OR5)(−OR5)(−OR5) (4)
(式(4)において、R5は炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40となるものである。複数のR5は互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。)
5としては、具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、二重結合を2〜3個有する不飽和脂肪族炭化水素基等が挙げられる。アルキル基、アルケニル基、二重結合を2〜3個有する不飽和脂肪族炭化水素基、及び、アルキルアリール基中のアルキル基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよいし、環状構造を有していてもよいが、直鎖又は分岐状のいずれかが好ましい。
また、アルキル基、アルケニル基、又は二重結合を2〜3個有する不飽和脂肪族炭化水素基であるR5は、通常、炭素数1〜24であるが、好ましくは炭素数8〜24、より好ましくは炭素数10〜18である。
一方、R5がアルキルアリール基である場合、アルキルアリール基中のアルキル基は、通常、炭素数1〜18であるが、好ましくは炭素数8〜12、特に好ましくは炭素数8〜10である。
また、R5の官能基としては、上記の中では、アルキルアリール基が好ましく、特にアルキルフェニル基が好ましい。
5の具体的な官能基としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、パルミトレイル基、オレイル基、オクチルフェニル基、2−エチルヘキシルフェニル基、ノニルフェニル基、イソノニルフェニル基、デシルフェニル基、イソデシルフェニル基、ウンデシルフェニル基等が挙げられる。
好ましい(A3)成分の化合物としては、アルキル基の炭素数が8〜10であるトリス(アルキルフェニル)ホスホロチオエートが挙げられ、具体的には、トリス(オクチルフェニル)ホスホロチオエート、トリス(2−エチルヘキシルフェニル)ホスホロチオエート、トリス(ノニルフェニル)ホスホロチオエート、トリス(イソノニルフェニル)ホスホロチオエート、トリス(デシルフェニル)ホスホロチオエート、トリス(イソデシルフェニル)ホスホロチオエート、トリス(アルキルフェニル)ホスホロチオエート(ただし、アルキル基は、炭素数8〜10のアルキル基の混合物)等が挙げられる。
(A3)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(A4)成分]
(A4)成分としてのジアミン化合物は、一分子中に含まれる脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40となるものである。この総炭素数が8未満となったり40を超えたりすると、防錆性、水除去性、水分離性等の性能が低下するおそれがある。鉱物油への溶解性を良好にする観点から上記総炭素数は、8〜30が好ましく、さらに加工液との分離性を良好にする観点から上記炭素数は、18〜30がより好ましい。
(A4)成分が有する脂肪族炭化水素基は、1価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂肪族炭化水素基のいずれであってもよく、両者を含むことが好ましい。
1価の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、二重結合を2〜3個有する不飽和脂肪族炭化水素基等が挙げられ、中でも、アルキル基、アルケニル基が好ましい。
2価の脂肪族炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基、二重結合を2〜3個有する2価の不飽和脂肪族炭化水素基等が挙げられ、中でも、アルキル基、アルケニル基が好ましい。なお、ここでいうアルキレン基は、アルキリデン基も含む。
ジアミン化合物としては、具体的には、以下の式(5)で示す化合物が挙げられる。
6−NH−R7−NH (5)
(式(5)において、R6は炭素数1〜39のアルキル基又はアルケニル基、R7は炭素数1〜39のアルキレン基又はアルケニルレン基、R6及びR7の合計炭素数は8〜40である。)
6及びR7の合計炭素数は、鉱物油への溶解性を良好にする観点から8〜30が好ましく、さらに加工液との分離性を良好にする観点から18〜30がより好ましい。
6の炭素数は、2〜35が好ましく、15〜25がより好ましい。R6は、直鎖状、分岐状でもよいし、環状構造を有していてもよく、具体的には、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、イソドデシル基、トリデシル基、ミリスチル基、イソテトラデシル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、イソヘキサデシル基、ステアリル基、イソオクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基、ウンデセニル基、cis−4−テトラデセニル基、cis−5−テトラデセニル基、cis−9−テトラデセニル基、cis−6−ヘキサデセニル基、パルミトレイル基、cis−6−オクタデセニル基、オレイル基、trans−9−オクタデセニル基、cis−11−オクタデセニル基、trans−11−オクタデセニル基、リノレイル基等が挙げられる。
の炭素数は、1〜6が好ましく、2〜5がより好ましい。Rは、直鎖状、分岐状でもよいし、環状構造を有していてもよく、具体的には、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、トリメチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキサメチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
式(6)で示す化合物の具体例としては、N−オクチルエチレンジアミン、N−ドデシルエチレンジアミン、N−ヘキサデシルエチレンジアミン、N−オクタデシルエチレンジアミン、N−オレイルエチレンジアミン、N−牛脂アルキルエチレンジアミン等のN−モノ置換エチレンジアミン;N−オクチルトリメチレンジアミン、N−ドデシルトリメチレンジアミン、N−ヘキサデシルトリメチレンジアミン、N−オクタデシルトリメチレンジアミン、N−オレイルトリメチレンジアミン、N−ヤシアルキルトリメチレンジアミン、N−牛脂アルキルトリメチレンジアミン、N−硬化牛脂アルキルトリメチレンジアミン等のN−モノ置換トリメチレンジアミン;N−ラウリルブチレンジアミン、N−ヘキサブチレンジアミン、N−オクタデシルブチレンジアミン、N−牛脂アルキルブチレンジアミン、N−ヤシアルキルブチレンジアミン等のN−モノ置換ブチレンジアミン等が挙げられる。なお、これらのジアミン化合物のうち、「ヤシアルキル‥‥ジアミン」、「牛脂アルキル‥‥ジアミン」、「硬化牛脂アルキル‥‥ジアミン」とは、そのジアミン化合物が、ヤシ油、ヤシ脂肪、牛脂等から公知の手段により製造された炭素数8〜20の範囲の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素残基のものがその主要成分を占めるアミンの混合物(混合アルキルアミン)を意味する。
(A4)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[有機塩]
(A)成分に使用する有機塩としては、(A1)成分と(A2)成分により形成される有機塩(A1-A2)、(A4)成分と(A2)成分により形成される有機塩(A4-A2)、上記(A1)成分と(A2)成分以外の有機酸(E1)により形成される有機塩(A1-E1)、(A4)成分と有機酸(E1)により形成される有機塩(A4-E1)、上記(A2)成分と上記(A1)成分及び(A4)成分以外の有機塩基(E2)により形成される有機塩(A2-E2)等が挙げられる。
有機塩の形成方法は、特に限定されず、(A1)成分と(A2)成分、(A4)成分と(A2)成分、(A1)成分と有機酸(E1)、(A2)成分と有機塩基(E2)、又は(A4)成分と有機酸(E1)により予め有機塩を形成し、その有機塩をさび止め油組成物に配合してもよい。あるいは、(A1)成分と(A2)成分、(A4)成分と(A2)成分、(A1)成分と有機酸(E1)、(A2)成分と有機塩基(E2)又は(A4)成分と有機酸(E1)を各々個別に組成物に配合して組成物中で有機塩を形成してもよい。
なお、上記(A1)成分と(A2)成分とを組成物に配合した場合には、通常、(A1)成分と、(A2)成分により形成した有機塩(A1-A2)がさび止め油組成物中に含まれるが、その場合(A1)成分、(A2)成分の一部は、有機塩を形成せずにさび止め油組成物中に存在してもよい。なお、以下の説明においても、(A1)成分と(A2)成分の組み合わせと述べたときには、さび止め油組成物においてこれらは一部又は全部が有機塩を形成してもよいし、有機塩を形成しなくてもよい。同様に、(A4)成分と(A2)成分、(A1)成分と有機塩(E1)、(A2)成分と有機塩基(E2)又は(A4)成分と有機酸(E1)を組成物中に配合した場合も、(A1)成分、(A2)成分、又は(A4)成分の一部は有機塩を形成していなくてもよい。
有機酸(E1)としては、各種のカルボン酸が挙げられる。カルボン酸の炭素鎖としては、好ましくは炭素数8〜24のものが挙げられ、より好ましくは炭素数10〜20のものが挙げられる。
カルボン酸の炭素鎖は、直鎖状でも、分岐状でもよく、環状構造を有してもよい。又、カルボン酸の具体例としては、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸のハーフエステル、芳香族モノカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、カルボキシル基を3つ以上有する多塩基酸及び多塩基酸の一部エステル化物、不飽和脂肪族カルボン酸の重合脂肪酸等が挙げられるが、これらの中では脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸のハーフエステル、芳香族モノカルボン酸が好ましい。
より具体的には、脂肪族モノカルボン酸として、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸として、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。さらに、脂肪族ジカルボン酸のハーフエステルとして、前述した脂肪族ジカルボン酸の1つがエステル化したものや、アルキル又はアルケニルコハク酸ハーフエステル等が挙げられる。さらに、芳香族モノカルボン酸として、トルイル酸、ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等が挙げられる。また、重合脂肪酸としては、リシノレイン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸を重合して得られる重合脂肪酸等が挙げられる。これらの中では、オレイン酸、トルイル酸、ドデカン二酸、アルキル又はアルケニルコハク酸ハーフエステル、ネオデカン酸、リシノレイン酸の重合脂肪酸が好ましい。
カルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機塩基(E2)としては、各種のアミンが挙げられる。有機塩基(E2)として使用されるアミンは、1級アミン、2級アミン及び3級アミンのいずれでもよいが、1級アミンが好ましい。アミンの総炭素数は、8〜20が好ましく、より好ましくは炭素数8〜18である。また、当該アミンは、一般式NRで表され、Rのうち1〜3個が炭化水素基であり、残りが水素原子であるものが挙げられる。炭化水素基は、直鎖状、分岐状であってもよいし、環状構造を有してもよい。なお、炭化水素基は、好ましくはアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。なお、炭化水素基の炭素数は、1〜20であればよいが、好ましくは8〜18である。
また、アミンの好ましい具体例としては、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン等が挙げられ、中でもオクチルアミン、オレイルアミンがより好ましい。
アミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分としては、上記した(A1)〜(A4)成分、又はこれらの有機塩から選択される1種又は2種以上を使用すればよい。ただし、これらの中では、(A1)成分、(A2)成分、及びこれらの有機塩から選択される少なくとも1種を使用することが好ましく、(A1)成分及びこれらの有機塩から選択される少なくとも1種を使用することがより好ましい。本実施形態では、(A1)成分の使用により、防錆性、水除去性を良好にしつつも、脱脂性、水分離性等も良好にしやすくなる。
<防錆剤(B)>
防錆剤(B)としては、上記した(B1)〜(B6)成分から選択される1種又は2種以上が使用される。
[(B1)成分]
(B1)成分としては、1つのスルホン基あたりの全炭素数が23以上のスルフォネートが使用される。1つのスルホン基あたりの全炭素数が23未満となると、水除去性、防錆性を良好にすることが難しくなる。1つのスルホン基あたりの全炭素数の数は、水除去性、防錆性等をバランスよく向上させる観点から、23〜40が好ましく、25〜35がより好ましい。
(B1)成分として使用されるスルフォネートは、各種スルホン酸の金属塩である。
スルフォネートのスルホン酸は、アルキルフェニル構造(すなわち、Alkyl-Ph-SO3 - (Alkylはアルキル基、Phはベンゼン環であることを示す))、アルキルナフチル構造を有するスルホン酸であることが好ましく、アルキルナフチル構造を有することがより好ましい。すなわち、スルホン酸としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸がより好ましく、アルキルナフタレンスルホン酸がさらに好ましい。なお、アルキルナフチル構造において、ナフタレン骨格に結合されるアルキル基の数は、通常1つであるが、2つ以上であってもよい。同様に、アルキルフェニル構造において、ベンゼン骨格に結合されるアルキル基の数は、通常1つであるが、2つ以上であってもよい。
スルホン酸は、アルキルナフチル構造を有することで、水除去性が優れたものとなりやすく、さらには、さび止め油組成物の水分離性が良好となりやすい。
また、スルフォネートに使用される金属としては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、バリウムが挙げられるが、カルシウム、バリウムが好ましく、カルシウムがより好ましい。カルシウム、バリウムを使用することで水除去性が優れたものとなりやすい。
スルフォネートとしては、中性スルフォネートでもよいし、塩基性スルフォネートでもよいし、過塩基性スルフォネートでもよいが、防錆フィルム等の梱包材との相性を良好とするためには中性スルフォネートが好ましい。
中性スルフォネートは、塩基価30mgKOH/g未満のものである。また、塩基性又は過塩基性スルフォネートの塩基価は、特に制限されないが、200mgKOH/g以下であることが好ましく、30〜150mgKOH/gがより好ましく、30〜100mgKOH/gがさらに好ましい。
なお、スルホン基あたりの全炭素数とは、(B1)成分中のスルホン基(RSO3)それぞれに含まれる全炭素数(すなわち、Rの炭素数)の平均値を意味する。
(B1)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(B2)成分]
(B2)成分としては、多価アルコール部分エステルを使用する。部分エステルは、多価アルコール中の水酸基の少なくとも1個以上がエステル化されない水酸基の形のままで残っているエステルを意味する。エステルは、完全エステルとなり水酸基を有しない場合には、水除去性が低下する。
多価アルコール部分エステルの具体例としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、又はソルビタンの部分エステルが挙げられ、水除去性、水分離性の観点から、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの部分エステルが好ましい。
部分エステルとしては、水酸基の1個がエステル化されたモノエステル、2個がエステル化されたジエステルが好ましい。
また、部分エステルに使用されるアルコールは1種単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
より具体的に説明すると、部分エステルとしては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、又はソルビタンから選択される多価アルコールと、炭素数8〜24の脂肪酸とのエステルが挙げられる。脂肪酸は、モノカルボン酸であるが、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また直鎖状脂肪酸でも分枝状脂肪酸でもよい。脂肪酸の炭素数は、防錆性の観点から10〜24がより好ましく、12〜18がさらに好ましい。
具体的な脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、イソノナン酸、カプリン酸、イソデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、イソラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、イソミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、ウンデセン酸、cis−4−テトラデセン酸、cis−5−テトラデセン酸、cis−9−テトラデセン酸、cis−6−ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、cis−6−オクタデセン酸、オレイン酸、trans−9−オクタデセン酸、cis−11−オクタデセン酸、trans−11−オクタデセン酸等が挙げられるが、これらの中ではオレイン酸が好ましい。
脂肪酸は、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
多価アルコール部分エステルの好適な具体例としては、トリメチロールプロパンモノラウレート、トリメチロールプロパンモノミリステート、トリメチロールプロパンモノパルミテート、トリメチロールプロパンモノステアレート、トリメチロールプロパンモノオレート等のトリメチロールプロパンモノエステル;ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノミリステート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノオレート等のペンタエリスリトールモノエステル;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート等のソルビタンモノエステル;トリメチロールプロパンジラウレート、トリメチロールプロパンジミリステート、トリメチロールプロパンジパルミテート、トリメチロールプロパンジステアレート、トリメチロールプロパンジオレート等のトリメチロールプロパンジエステル;ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリトールジミリステート、ペンタエリスリトールジパルミテート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールジオレート等のペンタエリスリトールジエステル;ソルビタンジラウレート、ソルビタンジミリステート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンジオレート等のソルビタンジエステル等が挙げられるが、これらの中では、トリメチロールプロパンジオレート、ペンタエリスリトールモノオレートが特に好ましい。
[(B3)成分]
(B3)成分としては、数平均分子量が600〜5000のポリマーを使用する。なお、(B3)成分でいうポリマーとは、環構造を有しないものである。
数平均分子量が600未満であると、金属表面に形成される膜厚が薄くなり、防錆性が低下しやすくなる。また、5000を超えると、脱脂性が低下して、金属表面に被膜されたさび止め油組成物を除去しにくくなる。
これら観点から上記数平均分子量は、好ましくは600〜4000、より好ましくは710〜3000である。
なお、(B3)成分及び後述する(B4)成分の数平均分子量は、後述する実施例に示すように、GPC法によりポリスチレン換算で求めたものである。
(B3)成分で使用されるポリマーとしては、ポリブデン、ポリイソブテン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びこれらの誘導体から選択される1種又は2種以上挙げられる。これらの中では、各種性能を良好にしやすいことから、ポリブデンが好ましい。
ポリブデンとしては、ブテン−1、ブテン−2、イソブテン等の各種ブテンを重合したものが挙げられる。また、ポリイソブテンとしては、イソブテンを重合したものが挙げられる。さらに、ポリブデン及びポリイソブテンの誘導体としては、これらを水素添加したものが挙げられる。
なお、ポリブデン及びポリイソブテンそれぞれは、その性状に影響を与えない範囲で、少量(例えば、全構成単位の20質量%以下)のブテン、及びイソブテン以外のモノマー由来の構成単位を有してもよい。
ポリメチルメタクリレートとしては、メチルメタクリレートを重合したものである。また、ポリメチルメタクリレートの誘導体としては、メチルメタクリレートと、メチルメタクリレート以外のビニルモノマーとを重合したものが挙げられ、この際、通常、メチルメタクリレート由来の構成単位が、主成分(例えば、全構成単位の70質量%以上)となるものである。
(B3)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(B4)成分]
(B4)成分としては、数平均分子量が400〜3500の樹脂を使用する。樹脂の数平均分子量が400未満であると防錆性を十分に向上させることができない。また、3500を超えると、脱脂性が悪くなり、被膜したさび止め油組成物を金属材料から除去しにくくなる等の不具合が生じやすくなる。
上記(B4)成分の数平均分子量は、より好ましくは450〜2000、さらに好ましくは500〜1500である。分子量をこれらの範囲内とすることで、防錆性及び脱脂性をより良好にしやすくなる。
(B4)成分でいう樹脂は、環構造を有するものをいう。また、(B4)成分は、具体的には石油樹脂、テルペン樹脂等が挙げられ、これらの中では石油樹脂が好ましい。(B4)成分は、環状構造を有することで、防錆性を向上しやすくなる。
石油樹脂としては、水添石油樹脂が好ましく、例えば、ジシクロペンタジエンと芳香族化合物の共重合物に水素添加したものを好適に挙げることができる。水添石油樹脂は、部分水添石油樹脂、完全水添石油樹脂のいずれでもよいが、部分水添石油樹脂が好ましい。
(B4)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(B5)成分]
(B5)成分としては、ワックスを使用する。ワックスは、その融点が30〜80℃のものが好ましい。融点を30℃以上とすることで防錆性を良好にしやすくなる。また、80℃以下とすることで低温安定性が良好となり、ワックス成分が析出したりするなどの不具合が生じやすくなる。ワックスの融点は、好ましくは35〜65℃、より好ましくは40〜55℃である。
ワックスとしては、パラフィンワックス、酸化ワックスが使用されるが、防錆性の観点では酸化ワックスが、脱脂性や臭気性の観点ではパラフィンワックスが好ましい。
酸化ワックスは、例えば、パラフィンワックスを酸化したものを使用する。酸化ワックスは、例えば、その酸価が10〜200であり、好ましくは20〜100であり、より好ましくは30〜80である。なお、酸価とは、JISK2501:2003に基づく電位差法により測定したものである。また、ワックスの融点は、JIS K0064:2014に基づいて測定したものである。
(B5)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(B6)成分]
(B6)成分としてはコハク酸イミド化合物が使用される。
(B6)成分として使用されるコハク酸イミド化合物としては、例えば、イミド基を1つ有するモノタイプのコハク酸イミド化合物、イミド基を2つ以上有するビスタイプのコハク酸イミド化合物等が挙げられる。これらの中でも、水除去性、防錆性、原液安定性等をバランスよく向上させる観点から、モノタイプのコハク酸イミド化合物が好ましい。
モノタイプのコハク酸イミド化合物としては、アルケニルコハク酸イミド化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、下記の式(6)で示す化合物がより好ましい。
Figure 2017170868

式(6)において、R8は、数平均分子量100以上5,000以下のアルケニル基を示し、R9は、炭素数2〜5のアルキレン基を示し、rは1以上10以下の整数を示す。
8の数平均分子量は、防錆性を優れたものとする観点から、100以上であり、150以上がより好ましい。また、R8の数平均分子量は、脱脂性を優れたものとする観点から、5,000以下である。
8は、数平均分子量100以上5,000以下のアルケニル基であれば特に制限はなく、ポリブテニル基、ポリイソブテニル基、エチレン−プロピレン共重合体等の重合体を含むアルケニル基を挙げられる。これらの中では、各種性能を良好にしやすいことから、ポリブテニル基が好ましい。ポリブテニル基としては、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン等の各種ブテンを重合したものが挙げられる。また、ポリイソブテニル基としては、イソブテンを重合したものが挙げられる。なお、ポリブテニル基及びポリイソブテニル基それぞれは、その性状に影響を与えない範囲で、少量(例えば、全構成単位の20質量%以下)のブテン、及びイソブテン以外のモノマー由来の構成単位を有してもよい。
9が示すアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられ、これらの中でも、エチレン基であることが好ましい。
rは、好ましくは2以上5以下、より好ましくは3以上4以下である。rが1以上であると、分散性が良好であり、rが10以下であると、基油に対する溶解性も良好である。
アルケニルコハク酸イミド化合物は、通常、ポリオレフィンと無水マレイン酸との反応で得られるアルケニルコハク酸無水物を、ポリアミンと反応させることによって製造することができる。
前記ポリオレフィンを形成するオレフィン単量体としては、炭素数2〜8のα−オレフィンの一種又は二種以上を混合して用いることができるが、イソブテンと1−ブテンとの混合物を好適に用いることができる。
また、前記ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン等の単一ジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ(メチルエチレン)トリアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、ペンタペンチレンヘキサミン等のポリアルキレンポリアミン;アミノエチルピペラジン等のピペラジン誘導体等が挙げられる。
前記コハク酸イミド化合物の窒素含有量は、水除去性、防錆性等をバランスよく向上させる観点から、0.5〜5.0質量%が好ましく、単体の水除去性向上の観点からは、1.0〜4.5質量%がより好ましく、(A)成分との水除去性の相乗効果を得る観点からは、1.4〜4.0質量%がさらに好ましい。
(B)成分としては、上記した(B1)〜(B6)成分から選択される1種又は2種以上を使用すればよいが、(B)成分として2種以上を使用する場合、少なくとも(B2)成分及び(B3)成分の両方を使用することが好ましい。その際、(A)成分は、上記したように、(A1)〜(A4)成分及びその有機塩から選択される少なくとも1種であればよいが、好ましくは(A1)成分又はその有機塩を少なくとも使用する。
また、(B2)成分と(B5)成分の組み合わせで使用することも好ましい。この際、(A)成分は、(A1)成分又はその有機塩を少なくとも使用することが好ましい。(B2)成分と(B5)成分の組み合わせで使用する場合、さらに(B6)成分を組み合わせてもよい。
(B2)成分及び(B3)成分の両方を使用する場合、(B2)成分と、(B3)成分と、(B1)成分、(B4)成分及び(B5)成分から選択される少なくとも1種と、を組み合わせて使用することがより好ましい。具体的な組み合わせとしては、(B1)成分、(B2)成分、(B3)成分、及び(B5)成分の組み合わせ;(B2)成分、(B3)成分、及び(B5)成分の組み合わせ;(B2)成分、(B3)成分、及び(B4)成分の組み合わせが挙げられる。もちろん、(B)成分としては、(B2)及び(B3)のみを使用する態様でもよい。
(B)成分をこれら組み合わせで使用することで、防錆性をより良好にしやすくなる。
さらに、(B)成分としては、(B1)成分を含む態様も好ましく、例えば、(B)成分として(B1)成分のみを使用してもよい。この際、(A)成分は、(A1)成分又はその有機塩を少なくとも使用することが好ましい。ただし、(B)成分としては、上記した(B1)〜(B6)成分の6つのうちから1つのみ選択する場合、(B1)成分以外を選択してもよい。
そして、(A)成分と(B)成分の組み合わせの好適な具体例としては、以下の(I)〜(XII)が挙げられる。
(I):(A)成分が、(A1)成分及び上記有機塩(A1-E1)から選択される少なくとも1種であるとともに、(B)成分が(B1)成分、(B2)成分、(B3)成分、及び(B5)成分の組み合わせである
(II):(A)成分が(A1)成分及び(A2)成分の組み合わせであるとともに、(B)成分が(B1)成分、(B2)成分、(B3)成分、及び(B5)成分の組み合わせである
(III):(A)成分が(A2)成分及び有機塩(A2-E2)から選択される少なくとも1種であるとともに、(B)成分が(B1)成分、(B2)成分、(B3)成分、及び(B5)成分の組み合わせである
(IV):(A)成分が(A3)成分であるとともに、(B)成分が(B1)成分、(B2)成分、(B3)成分、及び(B5)成分の組み合わせである
(V):(A)成分が(A1)成分であるとともに、(B)成分が(B2)、(B3)、及び(B5)成分の組み合わせである
(VI):(A)成分が(A1)成分であるとともに、(B)成分が(B2)成分、(B3)成分、及び(B4)成分である
(VII):(A)成分が(A1)成分であるとともに、(B)成分が(B2)成分、(B3)成分、及び(B5)成分の組み合わせである
(VIII):(A)成分が(A1)成分であるとともに、(B)成分が(B2)、及び(B3)成分の組み合わせである
(IX)(A)成分が(A1)成分であるとともに、(B)成分が(B1)成分である
(X)(A)成分が有機塩(A1-E1)から選択される少なくとも1種であるとともに、(B)成分が(B2)成分及び(B5)成分の組み合わせである。
(XI)(A)成分が、(A1)成分及び上記有機塩(A1-E1)から選択される少なくとも1種であるとともに、(B)成分が(B2)成分、(B5)成分及び(B6)成分の組み合わせである
(XII)(A)成分が、(A4)成分及び上記有機塩(A4-E1)から選択される少なくとも1種であるとともに、(B)成分が(B2)成分、(B5)成分及び(B6)成分の組み合わせである
<(C)及び(D)成分>
(C)成分として使用される軽質鉱物油は、40℃動粘度が20mm2/s以下のものである。40℃動粘度が20mm2/sを超えると、さび止め油組成物の金属材料への浸透性が低下することがあり、被膜を十分に形成できないことがある。また、溶解性が不十分になり、さび止め油組成物に配合した各成分が溶解されない等の不具合が生じることがある。
軽質鉱物油の40℃動粘度は、0.5〜10mm2/sであることが好ましく、1〜8mm2/sであることがさらに好ましい。
また、(D)成分として使用される重質鉱物油は、40℃動粘度が80mm2/s以上となるものである。40℃動粘度が80mm2/s未満となると、被膜が適切に形成しにくくなり、防錆性が維持できない等の不具合が生じる。
また、(D)成分の40℃動粘度は、800mm2/s以下であることが好ましい。800mm2/s以下とすることで、脱脂性が良好となり、さび止め油組成物を金属材料から除去しやすくなる。
脱脂性と防錆性をバランスよく良好にする観点から、重質鉱物油の40℃動粘度は、100〜550mm2/sが好ましく、さらに脱脂性を優れたものとするためには120〜240mm2/sがより好ましく、防錆性を優れたものとするためには300〜500mm2/sがより好ましい。
上記軽質鉱物油及び重質鉱物油は、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等のうちの1つ以上の処理を行って精製した鉱物油等が挙げられる。
((A)〜(D)成分の含有量)
さび止め油組成物は、組成物全量基準で、上記(A)成分を0.01〜10質量%、(B)成分を1〜40質量%、(C)成分を50質量%以上、(D)成分を1〜40質量%含有することが好ましい。(A)及び(B)成分の含有量を上記範囲内とすることで、さび止め油組成物の防錆性及び水除去性を良好にしやすくなる。また、(C)成分の含有量を50質量%以上とすることで組成物に配合される各成分の溶解性を良好にできる。さらに、(D)成分を上記範囲内とすることで、防錆性を良好にしつつ脱脂性も向上する。
なお、(A)成分として、上記(A1)〜(A4)成分の4つのうち2つ以上を使用するような場合にも、(A)成分の合計含有量を上記範囲となるように調整することが好ましい。(B)成分についても同様である。
さび止め油組成物における(A)成分のより好ましい含有量は、組成物全量基準で0.05〜8質量%である。含有量をこのような範囲内とすることで、防錆性及び水分離性の両方をより良好にしやすくなる。また、(A)成分の組成物全量基準の含有量は、水との分離性を優れたものとするために0.1〜6質量%がさらに好ましい。さらに、水及びアルカリ水溶液との分離性を優れたものとするために、0.3〜1質量%がよりさらに好ましい。
上記したように、(B)成分の含有量合計は、1〜40質量%とすることが好ましいが、(B1)〜(B6)成分それぞれの含有量の好ましい範囲は、使用される成分によって異なる。
(B1)成分を使用する場合、(B1)成分の含有量は、水分離性を向上させ、他の成分もバランスよく含有させるために、組成物全量基準で1〜20質量%が好ましい。また、(B1)成分の上記含有量は、脱脂性及び防錆性を向上させるために、3〜10質量%がより好ましい。
(B2)成分を使用する場合、(B2)成分の含有量は、脱脂性を良好にしつつ、他の成分もバランスよく含有させるために、組成物全量基準で2〜30質量%が好ましい。(B2)成分の含有量は、良好な防錆性を確保しつつ脱脂性をより良好にするために、10〜25質量%がより好ましい。
(B3)成分を使用する場合、(B3)成分の含有量は、良好な防錆性を確保しつつ脱脂性を良好にするために、組成物全量基準で1〜30質量%が好ましく、他の成分もバランス良く含有させるために、3〜15質量%がより好ましい。
(B4)成分を使用する場合、(B4)成分の含有量は、良好な防錆性を確保しつつ脱脂性を良好にするために、組成物全量基準で0.5〜30質量%が好ましく、他成分もバランスよく含有させるために、1〜20質量%がより好ましい。
(B5)成分を使用する場合、(B5)成分の含有量は、低温安定性をより良好にする観点から、組成物全量基準で0.5〜15質量%が好ましく、脱脂性も良好にする観点から、1〜10質量%がより好ましい。
(B6)成分を使用する場合、(B6)成分の含有量は、良好な防錆性を確保しつつ脱脂性を良好にするために、組成物全量基準で1〜30質量%が好ましく、他成分もバランスよく含有させるために、3〜15質量%がより好ましい。
さらに本実施形態では、(B)成分として、上記(B1)〜(B6)成分の6つの中から2つ以上(例えば、(B1)成分と(B2)成分、(B1)成分と(B2)成分と(B3)成分など)を使用する場合には、(B1)〜(B6)成分のそれぞれの含有量を上記それぞれの好ましい範囲内又はより好ましい範囲内に調整しつつ、(B)成分の合計含有量を好ましい範囲(すなわち、1〜40質量%)内に調整することが特に好ましい。このような量に調整することで、(B)成分の各成分の機能を発揮させやすくなり、防錆性を良好にしやすくなる。
また、(D)成分の含有量は、上記のように好ましくは1〜40質量%であるが、より好ましくは2.5〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。また、(C)成分の含有量は、上記のように50質量%以上であることが好ましいが、(A)、(B)、(D)成分、及び後述するその他成分の残部となるものである。
(その他成分)
また、さび止め油組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記(A)〜(D)成分以外の成分(その他の成分)を含有していてもよい。具体的には、(C)、(D)成分以外の基油や、上記(A)、(B)成分以外の添加剤が挙げられる。
(C)及び(D)成分以外の基油としては、例えば、軽質鉱物油(C)の40℃動粘度と、重質鉱物油(D)の40℃動粘度の間の40℃動粘度を有する鉱物油が挙げられる。そのような鉱物油も、上記軽質鉱物油及び重質鉱物油と同様に、上記の各種精製処理を行った鉱物油を使用可能である。
また、上記(A)、(B)成分以外の添加剤としては、酸化防止剤、不動態化剤等が挙げられる。酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノールや2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール系酸化防止剤、アルキル化ジフェニルアミンやフェニル−α−ナフチルアミンなどのアミン系酸化防止剤を用いることができる。
不動態化剤としては、例えばベンゾトリアゾール、チアジアゾール、及びこれらの誘導体などが挙げられる。
さび止め油組成物におけるその他の成分それぞれの含有量は、組成物全量基準で、好ましくは20質量%以下、より好ましくは0.1〜10質量%の範囲である。
<さび止め油組成物の使用方法>
さび止め油組成物は、金属材料の表面に塗布して使用する。さび止め油組成物は、金属表面に塗布されることで、通常、金属材料の表面に被膜を形成する。塗布は、金属材料をさび止め油組成物に浸漬させることで行ってもよいし、金属材料にさび止め油組成物を吹き付けたり、その他の各種の塗装法で行ったりしてもよいが、浸漬により行うことが好ましい。
また、金属材料は、水系の加工液を用いて加工し、又はアルカリ洗浄液等により洗浄した後に、さび止め油組成物を金属材料表面に塗布することが好ましい。
上記さび止め油組成物は、防錆性に加え水除去性にも優れるため、水系の加工液、洗浄液が金属材料の表面に残った状態で塗布すると、金属材料の表面から加工液、洗浄液を除去した上で被膜を形成することが可能である。
なお、さび止め油組成物が使用される金属は、純鉄、鋼、鋳鋼、合金鋼、炭素鋼、銑鉄、鋳鉄等の鉄を含む金属が好ましいが、他の金属に使用することも可能である。
本実施形態のさび止め油組成物は、特に限定されないが、例えば工程間防錆、出荷前防錆に使用される。
<さび止め油組成物の製造方法>
本発明の一実施形態に係るさび止め油組成物の製造方法は、上記(A1)〜(A4)成分及びこれらの有機塩からなる群から選択される少なくとも1つの水除去剤(A)と、上記(B1)〜(B6)成分からなる群から選択される少なくとも1つの防錆剤(B)と、40℃動粘度が20mm2/s以下の軽質鉱物油(C)と、40℃動粘度が80mm2/s以上の重質鉱物油(D)とを配合してさび止め油組成物を得る方法である。
なお、本製造方法においては、上記(A)〜(D)成分に加えて、その他成分を配合してもよい。
本方法においては、上記(A)〜(D)、及びその他成分の配合量、及びその他の詳細は、上記した含有量、及びその他の詳細と同様であるので、その説明は省略する。
なお、(A)成分に関し、さび止め油組成物に有機塩を含有させる場合には、上記のように有機塩としてから配合してもよいし、上記(A1)と(A2)成分、(A4)成分と(A2)成分、(A1)成分と有機酸(E1)、(A2)成分と有機塩基(E2)、又は(A4)成分と有機酸(E1)とを別々に配合して、さび止め油組成物において有機塩を形成してもよい。
以下に、本発明を、実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
本発明における測定方法、評価方法は以下のとおりである。
(1)動粘度
JIS K2283−2000に準じ、ガラス製毛管式粘度計を用いて測定した値である。
(2)塩基価
塩基価は、JIS K−2501−2003に準拠して過塩素酸法で測定したものである。
(3)数平均分子量
各成分の数平均分子量は、東ソー株式会社製のHLC−8220型に、東ソーカラム:TSKgelGMH−XL 2本+G2000H−XL1本を取り付け、検出器:屈折率検出器、測定温度:40℃、移動相:テトラヒドロフラン、流速:1.0ml/分、濃度1.0mg/mlの条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて求めた。
(4)軒下暴露試験(暴露防錆性)
市販のSPCC−SDを試験油に浸漬して24時間油切りした後、軒下暴露試験を実施した。各試験について、10日後、14日後、20日後、40日後の状態を以下の評価基準により評価した。なお、試験数は3で実施した。
A:さびなし、B:さび面積<5%、C:さび面積≧5%
また、3回の試験について、総合評価として以下の基準で判定した。
AAA:5、AAB:4、ABB:3、BBB:2、Cが1つ以上含まれる:1
(5)水置換性試験(水除去性)
JIS K2246:2007の6.29の規定と同様に、市販のSPCC-SB研磨板(前処理A240、仕上げ研磨A100)より試験片を用意した。その試験片を水に浸漬後引き上げ、研磨箇所が水に覆われていることを確認した。水を弾く場合は試験片を破棄した。試験油を70mL入れた500mLビーカーに、水に覆われた試験片を入れ、油中で上下に揺動(1回/秒)した。目視にて水が落ち切るまでの時間(秒)を水置換秒数として測定して、以下の評価基準で水除去性を評価した。
A:6秒以下、B:6秒超8秒未満、C:8秒以上
(6)脱脂性試験
SPCC−SDを試験油に浸漬して24時間油切りをした後、脱脂液にて15秒揺動浸漬し、次いで水浸漬により15秒水洗し、水浸漬から引き上げ後の水濡れ面積を確認した。水濡れ面積100%になるまでの脱脂時間を、前述した揺動浸漬から水濡れ面積確認までの操作を繰り返して測定し、以下の評価基準で評価した。脱脂条件は、脱脂液を市販のアルカリ洗浄液(pH11〜13)とし、温度40℃、攪拌なしで行った。
A:60秒以下、B:60秒超
(7)水分離性試験
試験油(20mL)と水系加工液(20mL)を50mLの瓶に入れ、5秒上下に振とう後、分離するまでの時間を計測し、以下の評価基準で判定した。なお、水系加工液としては、現場での水分離性を検討するため、水、又はアルカリ洗浄液である水溶性洗浄油(商品名「ダフニーWクリーナーCM」、出光興産株式会社製、5質量%希釈液)を用いて評価を行った。
A:120秒未満、B:120秒以上180秒未満、C:180秒以上
[実施例1〜44、比較例1〜8]
表1〜4に記載される配合にてさび止め油組成物を調製して、各さび止め油組成物の暴露防錆性、水除去性、脱脂性、及び水分離性を評価した。
Figure 2017170868

Figure 2017170868

Figure 2017170868

Figure 2017170868

※各表における炭素数は、以下のとおりである。
(A1)成分:イミダゾリン化合物が有する脂肪族炭化水素基の炭素数
(A2)、(A3)成分:リン酸エステル系化合物又はチオリン酸エステル系化合物が有する脂肪族炭化水素基の総炭素数
(A4)成分:一分子中に含まれる脂肪族炭化水素基の総炭素数
(B1)成分:スルフォネートにおける1つのスルホン基あたりの全炭素数
※各表における各化合物の詳細は以下のとおりである。
(B1)成分
中性カルシウムスルフォネート1:スルホン酸基にアルキルナフチル構造を含む
過塩基性カルシウムスルフォネート:スルホン酸基にアルキルナフチル構造を含む、塩基価50mgKOH/g
中性バリウムスルフォネート:スルホン酸基にアルキルナフチル構造を含む
中性カルシウムスルフォネート2:スルホン酸基にアルキルフェニル構造を含む
中性カルシウムスルフォネート3:スルホン酸基がアルキルフェニル構造を含む
(B3)成分
ポリブテン1:数平均分子量(Mn)710
ポリブテン2:数平均分子量(Mn)1200
PMMA:数平均分子量(Mn)2500
ブテンオリゴマー:数平均分子量(Mn)560
(B4)成分
石油樹脂1:ジシクロペンタジエンと芳香族化合物の共重合物に水素添加したもの、部分水添石油樹脂、数平均分子量(Mn)710
石油樹脂2:ジシクロペンタジエンと芳香族化合物の共重合物に水素添加したもの、部分水添石油樹脂、数平均分子量(Mn)500
(B5)成分
酸化ワックス:融点45℃、酸価60
パラフィンワックス:融点49℃
(B6)成分
ポリブテニルコハク酸イミド:酸価1.0mgKOH/g、塩基価44.0mgKOH/g、窒素含有量3.5質量%、ポリブテニル基の数平均分子量(Mn)950
アルケニルコハク酸イミド:酸価14.2mgKOH/g、塩基価40.5mgKOH/g、窒素含有量1.8質量%
(C)成分
鉱物油1:40℃動粘度5mm2/s
(D)成分
鉱物油2:40℃動粘度150mm2/s
鉱物油3:40℃動粘度450mm2/s
その他の添加剤:酸化防止剤、不動態化剤
以上の実施例1〜44に示すように、所定の(A)〜(D)成分をさび止め油組成物に含有させることで、防錆性、水除去性、脱脂性、及び水分離性のいずれも良好にできた。
それに対して、比較例1〜3では、さび止め油組成物が、(A)成分、(B)成分、(C)成分のいずれかを含有しなかったため、防錆性、水除去性の少なくともいずれか一方を良好にできなかった。また、比較例4では、(A)成分として、脂肪族炭化水素基の炭素数が小さいイミダゾリン化合物を使用したため、水除去性を良好にできず、さらには水分離性も低下した。比較例5では、(A)成分として、脂肪族炭化水素基を有しない(A3)成分を使用したため、防錆性、水除去性のいずれも良好にできなかった。
さらに、比較例6〜8では、スルホン基あたりの全炭素数が少ない(B1)成分、完全エステルである(B2)成分、及び分子量が小さい(B3)成分を使用したため、防錆性、水除去性の少なくともいずれか一方を良好にできなかった。

Claims (14)

  1. 下記(A1)〜(A4)成分及びこれらの有機塩からなる群から選択される少なくとも1つの水除去剤(A)と、
    下記(B1)〜(B6)成分からなる群から選択される少なくとも1つの防錆剤(B)と、
    40℃動粘度が20mm2/s以下の軽質鉱物油(C)と、
    40℃動粘度が80mm2/s以上の重質鉱物油(D)とを含む
    さび止め油組成物。
    (A1):炭素数10〜24の脂肪族炭化水素基を有するイミダゾリン化合物
    (A2):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるリン酸エステル系化合物
    (A3):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるチオリン酸エステル系化合物
    (A4):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるジアミン化合物
    (B1):1つのスルホン基あたりの全炭素数が23以上のスルフォネート
    (B2):多価アルコール部分エステル
    (B3):数平均分子量が600〜5000のポリマー
    (B4):数平均分子量が400〜3500の樹脂
    (B5):ワックス
    (B6):コハク酸イミド化合物
  2. (A1)成分が、以下の式(1)で示す化合物である請求項1に記載のさび止め油組成物。
    Figure 2017170868

    (式(1)において、R1は、炭素数10〜24の脂肪族炭化水素基を示し、R2は、水酸基を有してもよい炭素数1〜4の炭化水素基、又は水素原子を示す。)
  3. (A2)成分が、以下の式(2)で示す化合物、及び以下の式(3)で示す化合物からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載のさび止め油組成物。
    (R3O−)P(=O)(−OH)3−n (2)
    (式(2)において、nは1又は2を表し、R3は脂肪族炭化水素基を示し、一分子中におけるR3の総炭素数が8〜40となる。nが2の場合、R3は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
    (R4O−)P(−OH)3−m (3)
    (式(3)において、mは1又は2を表し、R4は脂肪族炭化水素基を示し、一分子中におけるR4の総炭素数が8〜40となる。mが2の場合、R4は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
  4. (A3)成分が、以下の式(4)で示す化合物から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載のさび止め油組成物。
    S=P(−OR5)(−OR5)(−OR5) (4)
    (式(4)において、R5は炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40となるものである。複数のR5は互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。)
  5. (A4)成分が、以下の式(5)で示す化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のさび止め油組成物。
    6−NH−R7−NH (5)
    (式(5)において、R6は炭素数1〜39のアルキル基又はアルケニル基、R7は炭素数1〜39のアルキレン基又はアルケニレン基、R6及びR7の合計炭素数は8〜40である。)
  6. (B1)成分におけるスルフォネートのスルホン酸が、アルキルナフチル構造を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のさび止め油組成物。
  7. (B2)成分が、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びソルビタンからなる群から選択される少なくとも1種の部分エステルである請求項1〜6のいずれか1項に記載のさび止め油組成物。
  8. (B3)成分が、ポリブデン、ポリイソブテン、ポリメチルメタクリレート及びこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか1項に記載のさび止め油組成物。
  9. (B4)成分が、環構造を有するとともに、石油樹脂及びテルペン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜8のいずれか1項に記載のさび止め油組成物。
  10. (B5)成分が、融点が30〜80℃のワックスである請求項1〜9のいずれか1項に記載のさび止め油組成物。
  11. (B6)成分が、アルケニルコハク酸イミド及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜10のいずれか1項に記載のさび止め油組成物。
  12. さび止め油組成物は、組成物全量基準で、(A)成分を0.1〜10質量%、(B)成分を1〜40質量%、(C)成分を50質量%以上、及び(D)成分を1〜40質量%含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載のさび止め油組成物。
  13. (B)成分が、(B1)成分、(B2)成分と(B3)成分、又は(B2)成分と(B5)成分を含む請求項1〜12のいずれか1項に記載のさび止め油組成物。
  14. 下記(A1)〜(A4)成分及びこれらの有機塩からなる群から選択される少なくとも1つの水除去剤(A)と、
    下記(B1)〜(B6)成分からなる群から選択される少なくとも1つの防錆剤(B)と、
    40℃動粘度が20mm2/s以下の軽質鉱物油(C)と、
    40℃動粘度が80mm2/s以上の重質鉱物油(D)とを配合して、さび止め油組成物を得る、さび止め油組成物の製造方法。
    (A1):炭素数10〜24の脂肪族炭化水素基を有するイミダゾリン化合物
    (A2):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるリン酸エステル系化合物
    (A3):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるチオリン酸エステル系化合物
    (A4):脂肪族炭化水素基の総炭素数が8〜40であるジアミン化合物
    (B1):1つのスルホン基あたりの全炭素数が23以上のスルフォネート
    (B2):多価アルコール部分エステル
    (B3):数平均分子量が600〜5000のポリマー
    (B4):数平均分子量が400〜3500の樹脂
    (B5):ワックス
    (B6):コハク酸イミド化合物
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