JPWO2017169672A1 - 電波吸収用粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 より高い反射減衰性を有する電波吸収材料を提供することを課題とする。【解決手段】 針状の導電性金属酸化物が樹脂中に分散固定された整合層と、粘着層と、を積層した積層体を、2組以上積層したことを特徴とする電波吸収用粘着シート【選択図】図2

Description

本発明は、事後的に所望の位置に貼り付けるだけで電波吸収性能を付与することのできる電波吸収用粘着シートに関するものである。
近年、電波の利用用途が多様に広がりを見せるなか、その電波障害が大きな問題となっている。当該問題を解決すべく、例えば、フェライト、またはフェライトと金属粉末もしくはカーボン粉末との混合物を有機高分子中に分散させた電波吸収材料が提案されている(例えば特許文献1)。
特開平4−211199号公報
しかしながら、従来型の前記電波吸収材料は反射減衰性が低いという課題がある。そこで、本発明は、より高い反射減衰性を有する電波吸収材料を提供することを課題とする。
本発明(1)は、針状の導電性金属酸化物が樹脂中に分散固定された整合層と、粘着層と、を積層した積層体を、2組以上積層したことを特徴とする電波吸収用粘着シートである。
本発明(2)は、前記積層体が2組または3組積層されたことを特徴とする発明(1)に記載の電波吸収用粘着シートである。
本発明(3)は、前記針状の導電性金属酸化物のアスペクト比が5以上であることを特徴とする発明(1)または(2)に記載の電波吸収用粘着シートである。
本発明(4)は、前記針状の導電性金属酸化物が導電性針状酸化チタンであることを特徴とする発明(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の電波吸収用粘着シートである。
本発明(5)は、前記粘着層には金属および金属酸化物が含まれないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電波吸収用粘着シートである。
本発明によれば、より高い反射減衰性を有する電波吸収材料を提供することが可能となる。加えて、本発明の電波吸収材料は粘着層を備えているために、事後的に新たな電波周波数を吸収することが必要になった場合にも対応可能である。
無反射条件曲線を示すグラフである。 本発明の電波吸収用粘着シートの実施の態様例の断面図である。 実施例1の電波吸収用粘着シートの反射減衰性曲線である。
以下、本発明を下記の順で説明する。
1.電波吸収用粘着シート
1−1.全体構造
1−2.各部
1−2−1.整合層
1−2−1−1.概括
1−2−1−2.針状の導電性金属酸化物
1−2−1−3.樹脂
1−2−1−3−1.成分A
1−2−1−3−2.成分B
1−2−1−3−3.その他の成分
1−2−1−4.配合
1−2−1−4−1.針状の導電性金属酸化物の配合量
1−2−1−4−2.針状の導電性金属酸化物/樹脂の配合比
1−2−1−4−3.成分A/成分Bの比率
1−2−2.粘着層
1−2−3.剥離性保護フィルム
2.電波吸収用粘着シートの製造方法
3.電波吸収用粘着シートの使用方法
1.電波吸収用粘着シート
本発明による電波吸収用粘着シートは、針状の導電性金属酸化物が樹脂中に分散固定された整合層と、粘着層とを、積層した積層体を、2組以上積層したことを特徴とする電波吸収用粘着シートである。
1−1.全体構造
前記電波吸収用粘着シートは、整合層と複素比誘電率の異なる粘着層との、積層体を2組以上積層することで、層界面での乱反射や層ごとの減衰により、電波の吸収を効果的にしたものである。前記電波吸収用粘着シートにおける積層体の積層数は、2組以上である限りは特に限定されないが、2組または3組を積層させることが特に好ましい。
ここで、複数積層される前記積層体は、全てが同一の積層体を積層してもよいし、各性質の異なる積層体を積層してもよい。なお積層体の間に、別の層が存在してもよい(即ち、本発明に係る電波吸収用粘着シートは、前記2以上の組のみからなる態様には限られない)。
前記電波吸収用粘着シートは、最外層に設けられた粘着層を使用直前まで保護するため、前記粘着層表面に剥離性保護フィルムを貼り合わせることができる。
1−2.各部
1−2−1.整合層
本発明の整合層は、樹脂層に針状の導電性金属酸化物を分散固定したものである。
1−2−1−1.概括
前記整合層は、前記整合層が電波反射体に貼り付けられた際に、前記電波反射体と、前記整合層との、界面で反射された電波と、前記整合層の表面で反射された電波とが、打ち消しあうように、それら電波の振幅と位相を制御するように設計される。電波が、垂直に入射する場合において、無反射となる場合の前記整合層の複素比誘電率の、実部と、虚部の関係は、d/λ(d:整合層の厚さ、λ:電波の波長)に応じて変化し、図1に示す無反射条件曲線で表される。前記整合層は、その内部に分散固定される針状の導電性金属酸化物によって、複素比誘電率の実部と、虚部が、前記無反射曲線上になるように設計され、吸収したい電波の波長(または周波数)に応じて、前記整合層の厚さが決められる。
本発明のように整合層が積層されている場合には、全ての整合層の厚さの合計によって、吸収される電波の波長(または周波数)が決まる。したがって、前記整合層に含まれる各積層体の各整合層の厚さは、前記すべての整合層の厚さの合計を、積層数で除した値となる。
積層される前記積層体に、含まれる各整合層の厚さは、特に限定されないが、厚くなりすぎるとシートとしての特性が失われ、薄すぎると、前記針状の導電性金属酸化物を分散させることが困難となり、製造が困難となる。
前記整合層内に、分散固定される前記導電性金属酸化物は、配向せずにランダムになっていることが好ましく、3次元的にランダム分散していることがより好ましい。前記導電性金属酸化物が配向すると、前記電波吸収用粘着シートが異方性を有してしまい、電波吸収も異方性を示し、電波方向によって吸収性能がばらつきを持つおそれがある。
1−2−1−2.針状の導電性金属酸化物
針状の導電性金属酸化物(成分Cとする)は、針状の導電性金属酸化物である限り特に限定されず、例えば、導電性コートされたフェライトや酸化チタン、ITO、アンチモンドープ酸化スズ、コバルト酸化物などが挙げられる。ここで、「導電性」とは、体積低効率が10Ω・cm以下の抵抗を有するものをいう。
これらは、単独または2種類以上組み合わせて用いることが可能である。中でも誘電率が高く、複素比誘電率の実部を設計しやすい点で、導電性針状酸化チタンを含むことが好ましい。針状酸化チタンは、2以上の軸比を有する二酸化チタン核晶の存在下、チタン化合物、アルカリ金属化合物及びオキシリン化合物を加熱焼成して二酸化チタン核晶を成長させる工程を2回以上繰り返すこと等により得られる。そして、導電性針状酸化チタンは、得られた針状酸化チタンを懸濁した懸濁液に、スズ化合物を含む溶液とアンチモン、リン等の化合物を含む溶液を加えて、沈殿させ、次いで、得られた生成物を加熱焼成すること等により得られる。
針状の導電性金属酸化物(例えば導電性針状酸化チタン)の平均径は、0.05〜5.0μm、平均長は、0.5〜50μmであることが好ましく、平均径0.15〜1.0μm、平均長2〜20μmであることが更に好ましい。また、前記導電性金属酸化物は、アスペクト比が5以上であることが好ましく、上限は限定されないが、アスペクト比が大きすぎると、前記整合層中において、前記導電性金属酸化物が配向してしまう場合がある。また、アスペクト比が小さい場合には、電波吸収効率が著しく低下する。そのためアスペクト比は2〜100が好適であり、3〜50がより好適であり、5〜30がさらに好適である。ここで、「平均径」、「平均長」、「アスペクト比」の値は、前記導電性金属酸化物をSEM観察し、少なくとも100個の粒子を観察測定し、その平均値から求めた値である。より詳細には「平均径」とは、SEM観察で撮像された粒子の長さ方向中心付近における垂直断面に基づき粒子の断面積を算出し(例えば、公知ソフトにて)、当該断面積と同一面積を有する円の直径を算出することにより導かれた面積径の平均値である。平均径と平均長は100粒子の測定平均、アスペクト比については、平均径と平均長の比から求めた値である。
また、前記導電性金属酸化物は、無機化合物や有機化合物、あるいは無機化合物と有機化合物を組み合わせて、表面処理を行ってもよい。無機化合物と有機化合物を併用する場合、有機化合物を最外部に被覆すると、樹脂組成物中への分散が容易になる傾向があると共に、重合性樹脂成分および/又は重合開始剤成分との馴染みが良好となるため好ましい。無機化合物としては、例えば、ケイ素、ジルコニウム、アルミニウム、チタニウムの酸化物、水和酸化物が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、2種以上を積層させたり、混合させたりして併用することもできる。有機化合物としては、例えば、有機ケイ素化合物、有機金属化合物、ポリオール類、アルカノールアミン類又はその誘導体、高級脂肪酸類又はその金属塩、高級炭化水素類又はその誘導体等が挙げられる。有機化合物も単独でも、2種以上を積層又は混合するなどして併用することができる。
有機ケイ素化合物としては、ストレート型ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、メチルメトキシポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等)、変性型ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサンジオール、ジメチルポリシロキサンジハイドロジェン、側鎖又は両末端アミノ変性ポリシロキサン、側鎖又は両末端又は片末端エポキシ変性ポリシロキサン、両末端又は片末端メタクリル変性ポリシロキサン、側鎖又は両末端カルボキシル変性ポリシロキサン、側鎖又は両末端又は片末端カルビノール変性ポリシロキサン、両末端フェノール変性ポリシロキサン、側鎖又は両末端メルカプト変性ポリシロキサン、両末端又は側鎖ポリエーテル変性ポリシロキサン、側鎖アルキル変性ポリシロキサン、側鎖メチルスチリル変性ポリシロキサン、側鎖カルボン酸エステル変性ポリシロキサン、側鎖フルオロアルキル変性ポリシロキサン、側鎖アルキル・カルビノール変性ポリシロキサン、側鎖アミノ・両末端カルビノール変性ポリシロキサン等)等、又は、それらの共重合体、アミノシラン(アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等)、エポキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等)、メタクリルシラン(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)、ビニルシラン(ビニルトリエトキシシラン等)、メルカプトシラン(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、クロロアルキルシラン(3−クロロプロピルトリエトキシシラン等)、アルキルシラン(n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルメチルジメトキシシラン等)、フェニルシラン(フェニルトリエトキシシラン等)、フルオロアルキルシラン(トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン等)等、又は、それらの加水分解生成物、(3)オルガノシラザン類(ヘキサメチルシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン等)等が挙げられる。
有機金属化合物としては、アミノアルコキシチタニウム(イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等)、リン酸エステルチタニウム(イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート等)、カルボン酸エステルチタニウム(イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等)、スルホン酸エステルチタニウム(イソプロピル−n−ドデシルベンゼンスルホニルチタネート等)、チタニウムキレート(チタニウムジイソプロポキシビスアセチルアセトネート、チタニウムジイソプロポキシビスエチルアセトアセテート、オクチレングルコールチタネート等)等)、亜リン酸エステルチタニウム錯体(テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等)、カルボン酸エステルジルコニウム(ジルコニウムトリブトキシステアレート等)、ジルコニウムキレート(ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等)等)、(3)有機アルミニウム化合物(アルミニウムキレート(アルミニウムアセチルアセトネートジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、オクタデシレンアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等)等が挙げられる。
ポリオール類としては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
アルカノールアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等が挙げられ、その誘導体としては、これらの酢酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
高級脂肪酸類としては、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸等が挙げられ、その金属塩としては、これらのアルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等が挙げられる。
高級炭化水素類としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等が挙げられ、その誘導体としては、これらのパーフルオロ化物等が挙げられる。
針状の導電性金属酸化物(例えば、酸化チタン)の粒子表面に無機化合物や有機化合物を被覆する方法は、乾式、湿式を問わず公知のいずれの方法においても実施することが出来る。
1−2−1−3.樹脂
前記整合層の基材である樹脂は、典型的には、重合性樹脂(成分Aとする)と重合開始剤(成分Bとする)とを含有する樹脂組成物をエネルギー硬化したものである。以下、樹脂の原料となる成分Aと成分Bについて詳述する。
1−2−1−3−1.成分A
成分Aは、特に限定されず、エステル系重合樹脂、ウレタン系重合樹脂、エポキシ系重合樹脂、及びアクリル系樹脂などから選択できる。本発明による電波吸収用粘着シートが、屋外でも使用されることを考慮すると、耐候性が高いアクリル系重合樹脂が好ましい。
アクリル系重合性樹脂としては、ビニル基を有するエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、エステルアクリレート、共重合アクリレート、ブタジエンアクリレート、シリコンアクリレート、及び/又はアミノ樹脂アクリレートを用いることが好ましく、より好ましくは、繰り返し単位が2〜20程度のアクリル系オリゴマーであり、末端に2〜6個のビニル基を持っているエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、共重合アクリレート、ブタジエンアクリレート、シリコンアクリレート、及び、アミノ樹脂アクリレート等が挙げられるが、中でも3官能以下のものが樹脂の硬化収縮を抑えやすい点において好ましい。
また、これらは単独または2種類以上組み合わせて用いることが可能であり、中でも重量平均分子量が500〜10,000、粘度が3,000〜500,000mPa・s/25℃のウレタンアクリレートが無溶剤系での塗工が容易行える点においてより好ましく、粘度は5,000〜200,000mPa・s/25℃が更に好ましく、6,000以上が最も好ましい。粘度が3,000mPa・s/25℃以上であると、針状の導電性酸化物が整合層中で3次元的にランダム分散しやすくなるため、反射減衰性を高め易い効果を奏する。また、無溶剤で整合層を形成できるため残留溶剤の揮発による整合層の寸法変化を抑制しやすくなる。尚、重量平均分子量は、JIS K7252に準拠して、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(日本分光株式会社製)を用いて測定される値であり、粘度はE型粘度計を用いて測定される値である。
1−2−1−3−2.成分B
成分Bは特に限定されず、選択した成分Aの重合反応に適したものから、選択することができる。成分Aをアクリル系樹脂とした場合について、以下に説明する。
アクリル系重合性樹脂と組み合わせる場合には、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物は、常温から300℃程度の温度範囲において、無溶剤でアクリル系樹脂組成物を重合硬化させる温度を自由に設定できる点において好適である。上記有機過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5トリメチルヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、スクシニックアシッドパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−ミリスティルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−アリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサネート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート等が挙げられ、これらは単独または2種類以上組み合わせて使用することが出来る。これら有機過酸化物は、ラジカルを発生させ、重合を加速させるが反応終了後は整合層中にはほぼ残留しない。
1−2−1−3−3.その他の成分
整合層中には、導電性金属酸化物以外のフィラー成分を添加することも出来る。フィラー成分は、有機・無機を問わないが、有機フィラーである場合には、前記樹脂成分A、Bに不溶のものが好ましい。また、無機フィラーである場合には、複素比誘電率の実部が4以下の無機フィラーが好適であり、例としては、水酸化アルミニウム、二酸化珪素等が挙げられる。これらフィラー成分の添加量は、吸収対象となる電磁波、それに対応する針状導電性金属酸化物の添加量等により、任意に設定可能であるが、一般的には樹脂成分に対して、5〜200質量部であり、好ましくは18〜100質量部である。
このように整合層中に導電性金属酸化物以外のフィラーを添加することで、整合層中での導電性金属酸化物が3次元的にランダム分散しやすいため、反射減衰性を高め易いという効果を奏する。
1−2−1−4.配合
1−2−1−4−1.針状の導電性金属酸化物の配合量
最も理想的な電磁波吸収性能を得るための、整合層中の(成分C)の含有量は、吸収目的の電磁波の周波数とこれに応じた複素比誘電率により、任意に決定することができる。すなわち、無反射条件曲線にのるような添加量とすればよい。
1−2−1−4−2.針状の導電性金属酸化物/樹脂の配合比
針状の導電性金属酸化物と樹脂成分の配合比は、吸収目的の電磁波の周波数とこれに応じた複素比誘電率により、任意に決定することができるが、層を形成する上では、樹脂成分に対して300質量部未満が好ましい。
1−2−1−4−3.成分A/成分Bの比率
前記成分Aと、前記成分Bの配合について、(成分A/成分B)で表される質量比は、10〜2,000であることが好ましく、20〜1,000であることがより好ましく、33〜200であることがさらに好ましい。質量比が2,000を超えると、硬化反応が不十分となり、長期間高温状態におかれた場合に残留未硬化成分の重量減少が起こり、整合層に収縮が生じた結果、電磁波吸収性能が、所望の周波数帯からズレるおそれがある。また、10未満である場合には、整合層の硬化収縮率が、大きくなり電磁波吸収体を製造する際に層の厚さの調整が難しくなるおそれがある。
1−2−2.粘着層
粘着層は、金属又は金属酸化物を含有しないこと又は痕跡量程度のみ含有することが好適である。整合層と粘着層との複素比誘電率の差が大きいほど、電波吸収効率は高くなるからである。但し、粘着層に金属が含まれていても、整合層と粘着層の複素比誘電率の差が大きな場合には、電波吸収は可能である。
前記粘着層は、任意の接着剤組成物、または粘着剤組成物から選択できる。具体的には、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等が挙げられる。
粘着層の厚さは、電波吸収用粘着シートとしての構造が維持できればよく、特に制限はないが、一般的には5〜100μm、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜25μmである。5μm未満では十分な粘着力を確保できない可能性があり、100μmを超える場合にはシート全体の厚みが増してしまう点で好ましくない。
1−2−3.剥離性保護フィルム
本発明に用いられる剥離性保護フィルムの材質は、特に限定されないが、ポリプロピレンフィルム、フッ素樹脂系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、紙及びこれらにシリコーン樹脂で剥離処理を施したもの(剥離処理フィルム)等が挙げられる。
前記剥離性保護フィルムの厚さは、特に限定されないが、1〜200μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
前記剥離性保護フィルムは、ピール強度が1.0〜50g/cmが好ましい。1.0g/cm以下であると、粘着層の製造過程において粘着層と剥離性保護フィルムとが粘着層の硬化途中で剥離し易く、粘着層の表面が不均一になり易い。50g/cm以上であると、粘着層と剥離性保護フィルムを剥離する際に、欠損等が生じる恐れがある。
2.電波吸収用粘着シートの製造
本発明の電波吸収用粘着シートは、種々の公知の方法を利用して製造できる。例えば、PETフィルム等に塗工した整合層形成用塗料(整合層の原料を混合した塗料)を硬化させたものと、別のPETフィルム等に塗工した粘着層形成用塗料(粘着層の原料を混合した塗料)を硬化させたものと、を貼り合わせることで、整合層と、粘着層とを、積層した1組の積層体が形成できる。得られた積層体を複数積層することによって前記電波吸収用粘着シートが得られる。
3.電波吸収用粘着シートの使用方法
前記電波吸収用粘着シートは、最外層の粘着層を介して、電波反射体である対象物に貼り付けて使用される。電波反射体である対象物と本願電波吸収用粘着シートとが組み合わさることで、整合型電波吸収体として機能する。該最外層の粘着層は、他の粘着層と異なり、貼り付ける対象物に合わせて、変更することができる。
<<実施例>>
次に実施例、比較例を用いて本発明の電波吸収用粘着シートをより詳細に説明するが、本発明はこれらの具体例になんら限定されるものではない。
<整合層の作成方法>
重合性樹脂成分:重量平均分子量2,500、粘度6,500mPa・s/25℃のポリウレタンアクリレート(商品名:「ビームセット505A−6」、荒川化学工業社製)100質量部、重合開始剤成分:1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(商品名:「パーオクタO」:日油社製)1.0質量部、に導電性金属酸化物を加え、公知の方法で攪拌して整合層形成用塗料(整合層の原料を混合した塗料)を作成した。得られた塗料をPETフィルム上に塗工して、整合層を形成した。さらに、整合層露出面にPETフィルムを貼り合わせ、熱風循環型乾燥機中にて100℃、10分間の条件で加熱して整合層を硬化させ、PETフィルムを剥離して整合層を得た。
<粘着層の作成方法>
モノマーとしてブチルアクリレート(427.3g)、エチルアクリレート(171.2g)、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(1.5g)を秤量し、十分に混合して重合性モノマー混合物(a1)を得た。次いで、この重合性モノマー混合物(a1)300gと酢酸エチル160gとをフラスコに入れた。また、滴下ロートに300gの重合性モノマー混合物(a1)、16gの酢酸エチル及び0.15gの2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル)バレロニトリルを入れ、よく混合して滴下用混合物(a2)を調製した。
次に、窒素ガスを20ml/分で流通させながら、上記フラスコの内温を95℃まで上昇させ、重合開始剤である2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル)バレロニトリル(0.15g)をフラスコに投入し、重合反応を開始させた。そして、このフラスコに滴下ロートから滴下用混合物(a2)を90分掛けて滴下した。滴下用混合物(a2)の滴下終了後、粘度の上昇に応じて酢酸エチルで希釈を行いながら、6時間の熟成を行った。反応終了後、重量平均分子量60万、酸価0mgKOH/gのアクリル系粘着剤a3を得た。
調整された粘着剤をアプリケーターにて剥離性PETフィルム(リンテック製、商品名:PET38C)に乾燥後の粘着層の厚さが所望の厚さになるように塗工し、80℃のオーブン中にて2分間乾燥させ、粘着層を形成した。
(実施例1)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)16.7質量部を用い、厚さ350μmの整合層を形成した。粘着層の厚さは25μmになるように作成した。このようにして、整合層及び剥離性PETフィルム上に形成された粘着層を貼り合わせ、1組の積層体を形成した。得られた積層体2組を準備し、一方の整合層面に、他方の粘着層面を貼り合わせ、2組積層された実施例1の電波吸収用粘着シートを得た。
(実施例2)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)16.7質量部を用い、厚さ225μmの整合層を形成した。粘着層の厚さは25μmになるように作製した。このようにして、整合層及び剥離性PETフィルム上に形成された粘着層を貼り合わせ、1組の積層体を形成した。得られた積層体3組を準備し、一方の整合層面に、他方の粘着層面を貼り合わせることを繰り返し、3組積層された実施例2の電波吸収用粘着シートを得た。
(実施例3)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)16.7質量部を用い、厚さ162μmの整合層を形成した。粘着層の厚さは25μmになるように作製した。このようにして、整合層及び剥離性PETフィルム上に形成された粘着層を貼り合わせ、1組の積層体を形成した。得られた積層体2組を準備し、一方の整合層面に、他方の粘着層面を貼り合わせることを繰り返し、4組積層された実施例3の電波吸収用粘着シートを得た。
(実施例4)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)11.0質量部を用い、厚さ654μmの整合層を形成した。粘着層の厚さは25μmになるように作製した。このようにして、整合層及び剥離性PETフィルム上に形成された粘着層を貼り合わせ、1組の積層体を形成した。得られた積層体2組を準備し、一方の整合層面に、他方の粘着層面を貼り合わせ、2組積層された実施例4の電波吸収用粘着シートを得た。
(実施例5)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)23.8質量部を用い、厚さ205μmの整合層を形成した。粘着層の厚さは25μmになるように作製した。このようにして、整合層及び剥離性PETフィルム上に形成された粘着層を貼り合わせ、1組の積層体を形成した。得られた積層体2組を準備し、一方の整合層面に、他方の粘着層面を貼り合わせ、2組積層された実施例5の電波吸収用粘着シートを得た。
(実施例6)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)30.0質量部を用い、厚さ144μmの整合層を形成した。粘着層の厚さは25μmになるように作製した。このようにして、整合層及び剥離性PETフィルム上に形成された粘着層を貼り合わせ、1組の積層体を形成した。得られた積層体2組を準備し、一方の整合層面に、他方の粘着層面を貼り合わせ、2組積層された実施例6の電波吸収用粘着シートを得た。
(実施例7)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)31.0質量部を用い、厚さ138μmの整合層を形成した。粘着層の厚さは25μmになるように作製した。このようにして、整合層及び剥離性PETフィルム上に形成された粘着層を貼り合わせ、1組の積層体を形成した。得られた積層体2組を準備し、一方の整合層面に、他方の粘着層面を貼り合わせ、2組積層された実施例7の電波吸収用粘着シートを得た。
(実施例8)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)16.7質量部と、その他の成分として、平均径1μmの不定形水酸化アルミニウム(商品名:「BF013」日本軽金属社製)58.0質量部を用い、厚さ350μmの整合層を形成した。粘着層の厚さは25μmになるように作製した。このようにして、整合層及び剥離性PETフィルム上に形成された粘着層を貼り合わせ、1組の積層体を形成した。得られた積層体2組を準備し、一方の整合層面に、他方の粘着層面を貼り合わせ、2組積層された実施例8の電波吸収用粘着シートを得た。
(比較例1)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)16.7質量部を用い、厚さ700μmの整合層を形成した。粘着層の厚さは25μmになるように作製した。このようにして、剥離性PETフィルム上に形成された整合層及び粘着層を貼り合わせ、比較例1の電波吸収用粘着シートを得た。
(比較例2)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物の代わりに、平均径0.5μm、平均長10.0μmの非導電性針状酸化チタン(商品名:「FTL−400」石原産業社製)に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の電波吸収用粘着シートを得た。
(比較例3)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均粒径0.25μmの導電性球状酸化チタン(商品名:「ET−500W」石原産業社製)に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例3の電波吸収用粘着シートを得た。
(比較例4)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物の代わりに、平均粒径0.5μmの非導電性不定形チタン酸バリウム(商品名:「HPBT−1」富士チタン社製)に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例4の電波吸収用粘着シートを得た。
(比較例5)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物の代わりに、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)11.0質量部を用い、厚さ1334μmに変更した以外は比較例1と同様にして、比較例5の電波吸収用粘着シートを得た。
(比較例6)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物の代わりに、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)23.8質量部を用い、厚さ434μmに変更した以外は比較例1と同様にして、比較例6の電波吸収用粘着シートを得た。
(比較例7)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物として、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)30.0質量部を用い厚さ316μmに変更した以外は比較例1と同様にして、比較例7の電波吸収用粘着シートを得た。
(比較例8)
整合層作製に用いる導電性金属酸化物の代わりに、平均径0.5μm、平均長10.0μmの導電性針状酸化チタン(商品名:「FT−4000」石原産業社製)31.0質量部を用い、厚さ299μmに変更した以外は比較例1と同様にして、比較例8の電波吸収用粘着シートを得た。
(評価)
得られた実施例1〜8及び比較例1〜8で作製した電波吸収用粘着シートについて、150mm長×150mm幅の試験片を作成し、それぞれ厚さ50μmのアルミ板に貼り付け、整合型電波吸収体として、20〜110GHz周波数帯域における電波の反射減衰性を測定した。測定には、関東電子応用開発社製の「フリースペース型Sパラメータ測定装置」を用い、キーサイトテクノロジー社製の「PNAネットワークアナライザーN5225A」で測定した。反射減衰性は、最大電波吸収波長における反射減衰性とした。実施例と比較例とに関する各ピーク吸収波長における反射減衰性の測定値を表1に示す。
(評価結果)
図3は、実施例1において測定された反射減衰性曲線である。得られた反射減衰曲線のピークは鋭く、周波数選択性が高いことが理解できる。
実施例1〜3及び比較例1、比較例5〜8の結果から、整合層を積層しない場合である比較例1、5〜8は、反射減衰性が低く、電波吸収性が低い。積層体の積層数が2組以上では電波吸収性は高くなるが、積層数が3組を超えると、電波吸収性は低下し始めることが理解できる。
さらに実施例1及び8と比較例2〜4の結果から、積層したすべての整合層の合計の厚さと単層の整合層の厚さが等しければ、吸収される電波の波長が同一であることが理解できる。
比較例2のように、樹脂層に分散固定させるフィラーが針状であっても非導電性である場合には、電波吸収性が著しく低くなることが理解できる。
比較例3及び4のように、前記フィラーが非針状である場合には、フィラーの導電性/非導電性に関わらず、電波吸収性が著しく低くなることが理解できる。
これらの結果から、本発明の電波吸収用粘着シートは、周波数選択性が高く、電波吸収性に優れた整合型電波吸収体の整合層であると言える。
100,200 電波吸収用粘着シート
110,210,211,212 整合層
120,220,221,222 粘着層
130,230 剥離性保護フィルム

Claims (5)

  1. 針状の導電性金属酸化物が樹脂中に分散固定された整合層と、粘着層と、を積層した積層体を、2組以上積層したことを特徴とする電波吸収用粘着シート。
  2. 前記積層体が2組または3組積層されたことを特徴とする請求項1に記載の電波吸収用粘着シート。
  3. 前記針状の導電性金属酸化物のアスペクト比が5以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の電波吸収用粘着シート。
  4. 前記針状の導電性金属酸化物が導電性針状酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電波吸収用粘着シート。
  5. 前記粘着層には金属および金属酸化物が含まれないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電波吸収用粘着シート。
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