JPWO2017104695A1 - ガスバリア性包装材料用前駆体、その製造方法、ガスバリア性包装材料および包装体の製造方法 - Google Patents

ガスバリア性包装材料用前駆体、その製造方法、ガスバリア性包装材料および包装体の製造方法 Download PDF

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Abstract

ガスバリア性包装材料用前駆体は、支持体と;前記支持体の上に直接設けられ、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物とを含むガスバリア層と;前記ガスバリア層の上に直接設けられ、多価金属成分、ポリエステル樹脂、及び分散剤を含む保護層と、を備え、前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m2以上であり、前記多価金属成分の含有量が、前記保護層の全質量に対して40〜90質量%であり、前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、前記ガスバリア層の赤外線吸収スペクトルを測定したときの、波数1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、波数1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が1以上7未満である。

Description

本発明は、ガスバリア性包装材料用前駆体、その製造方法、ガスバリア性包装材料および包装体の製造方法に関する。
本願は、2015年12月14日に日本に出願された特願2015−243267号及び特願2015−243335号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
食品、医薬品等の包装に用いられる包装材料に対しては、酸素や水蒸気、あるいは、内容物と反応するような他のガスの透過を抑制し、内容物の変質を防止するため、ガスバリア性が求められる。
従来、ガスバリア性を有する包装材料として、ポリ(メタ)アクリル酸やポリビニルアルコールに代表される、分子内に親水性の高い高水素結合性基を含有する重合体から形成されるフィルムや、前記重合体から形成される層を有する多層フィルムが用いられている。これらのフィルムは、乾燥条件下では非常に優れた酸素ガスバリア性を示す。しかしその親水性に起因して、高湿度条件下では酸素ガスバリア性が大きく低下する問題や、湿度や熱水に対する耐性が劣るおそれがある。
このような問題に対し、支持体上に、ポリカルボン酸系重合体を含む層と、多価金属化合物を含む層とを積層した積層体が提案されている。かかる積層体は、例えばレトルト処理等の熱水処理を施したときに、層間の反応によって多価金属イオンによるポリカルボン酸系重合体のイオン架橋が進み、高湿度条件下でも高い酸素ガスバリア性を発現することが知られている。このような積層体やその製造方法について、これまで、種々検討がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。
上記のような積層体についての検討は通常、熱(寸法)安定性、吸水性、価格等の観点より、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを支持体として行われており、得られた成果は他の支持体でも再現可能とみなされていることが多い。
国際公開第2010/061705号 日本国特許第4684891号公報 国際公開第2010/001836号
PETは剛直性が高い。上記積層体の支持体としてPETフィルムを用いる場合、包装材料の可とう性の観点から、PETフィルムの厚さをある程度薄くする必要がある。このようなPETフィルムは強度が低い。そのため、包装材料としての実用上の強度の観点から、ポリアミド系樹脂フィルムを積層することが必要になり、包装材料の製造に手間やコストがかかる。
本発明者らは、包装材料の層の数を削減するために、支持体としてPETフィルムの代わりにポリアミド系樹脂フィルムを用いることについて検討した。その結果、このようなフィルムに特許文献1〜3等に開示された技術を適用した場合、PETフィルムを用いる場合に比べて酸素ガスバリア性が劣ることが非常に多かった。
さらに検討を重ねた結果、上記の問題が、支持体に用いたフィルムの水蒸気透過度がPETフィルムと比較して高いことに起因することを見出した。
本発明は、水蒸気透過度の高い支持体上に、熱水処理により優れた酸素バリア性を発現する層を有するガスバリア性包装材料用前駆体およびその製造方法、ならびに前記ガスバリア性包装材料用前駆体を用いたガスバリア性包装材料および包装体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第一態様に係るガスバリア性包装材料用前駆体は、支持体と;前記支持体の上に直接設けられ、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物とを含むガスバリア層と;前記ガスバリア層の上に直接設けられ、多価金属成分、ポリエステル樹脂、及び分散剤を含む保護層と、を備え、前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、前記多価金属成分の含有量が、前記保護層の全質量に対して40〜90質量%であり、前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、前記ガスバリア層の赤外線吸収スペクトルを測定したときの、波数1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、波数1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が1以上7未満である。
本発明の第二態様に係るガスバリア性包装材料は、支持体と;前記支持体の上に直接設けられ、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物とを含むガスバリア層と;前記ガスバリア層の上に直接設けられ、多価金属成分、ポリエステル樹脂、及び分散剤を含む保護層と、を備え、前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、前記多価金属成分の含有量が、前記保護層の全質量に対して40〜90質量%であり、前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、 前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、前記ガスバリア層の赤外線吸収スペクトルを測定したときの、波数1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、波数1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が7以上である。
本発明の第三態様に係るガスバリア性包装材料用前駆体の製造方法は、支持体の表面に、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物と、液状媒体とを含むガスバリア層用塗液を塗布し乾燥させてガスバリア層を形成し、前記ガスバリア層の表面に、多価金属成分と、ポリエステル樹脂と、分散剤と、水とを含む保護層用塗液を塗布し乾燥させて保護層を形成することを有し、前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、前記多価金属成分の含有量が、前記保護層用塗液の全固形分に対して40〜90質量%であり、前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の多価金属による中和度が0モル%である。
本発明の第四態様に係る包装体の製造方法は、上記第一態様に係るガスバリア性包装材料用前駆体を用いて被包装物を包装し、熱水処理して包装体を得る。
本発明の第五態様に係るガスバリア性包装材料用前駆体は、支持体と;前記支持体の上に直接設けられ、多価金属成分、ポリエステル樹脂、及び分散剤を含む中間層と;前記中間層の上に直接設けられ、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物とを含むガスバリア層と、を備え、前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、 前記多価金属成分の含有量が、前記中間層の全質量に対して40〜90質量%であり、前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、 前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、前記ガスバリア層の赤外線吸収スペクトルを測定したときの、波数1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、波数1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が1以上7未満である。
本発明の第六態様に係るガスバリア性包装材料は、支持体と;前記支持体の上に直接設けられ、多価金属成分、ポリエステル樹脂、及び分散剤を含む中間層と;前記中間層の上に直接設けられ、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物とを含むガスバリア層と、を備え、前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、前記多価金属成分の含有量が、前記中間層の全質量に対して40〜90質量%であり、前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、 前記ガスバリア層の赤外線吸収スペクトルを測定したときの、1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が7以上である。
本発明の第七態様に係るガスバリア性包装材料用前駆体の製造方法は、支持体の表面に、多価金属成分、ポリエステル樹脂、分散剤、及び液状媒体を含む中間層用塗液を塗布し乾燥させて中間層を形成し、前記中間層の表面に、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物と、水とを含むガスバリア層用塗液を塗布し乾燥させてガスバリア層を形成することを有し、前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、 前記多価金属成分の含有量が、前記中間層用塗液の全固形分に対して40〜90質量%であり、前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の多価金属による中和度が20〜50モル%である。
本発明の第八態様に係る包装体の製造方法は、上記第五態様に係るガスバリア性包装材料用前駆体を用いて被包装物を包装し、熱水処理して包装体を得る。
本発明の上記態様によれば、水蒸気透過度の高い支持体上に、熱水処理により優れた酸素バリア性を発現する層を有するガスバリア性包装材料用前駆体およびその製造方法を提供できる。さらに、本発明の上記態様によれば、前記ガスバリア性包装材料用前駆体を用いたガスバリア性包装材料および包装体の製造方法を提供できる。
本発明の第1実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体の模式断面図である。 第1実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体から得たガスバリア性包装材料の模式断面図である。 本発明の第2実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体の模式断面図である。 第2実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体から得たガスバリア性包装材料の模式断面図である。 本発明の第3実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体の模式断面図である。 第3実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体から得たガスバリア性包装材料の模式断面図である。 本発明の第4実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体の模式断面図である。 第4実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体から得たガスバリア性包装材料の模式断面図である。 本発明の第5実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体の模式断面図である。 第5実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体から得たガスバリア性包装材料の模式断面図である。 本発明の第6実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体の模式断面図である。 第6実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体から得たガスバリア性包装材料の模式断面図である。
以下、本発明の第1〜第6実施形態に係るガスバリア性包装材料用前駆体(以下、「包装材料用前駆体」ともいう。)、その製造方法、ガスバリア性包装材料(以下、「包装材料」ともいう。)、及び包装体の製造方法について、添付の図面を用いて説明する。
≪第1実施形態≫
図1は、本発明の第1実施形態に係る包装材料用前駆体10の模式断面図である。図2は、包装材料用前駆体10から得た包装材料11の模式断面図である。
本実施形態の包装材料用前駆体10は、支持体1とガスバリア層2と保護層3とがこの順に隣接して積層した積層構造を備える。つまり、本実施形態の包装材料用前駆体10においては、ガスバリア層2が支持体1の上に直接設けられ、保護層3がガスバリア層2の上に直接設けられている。
包装材料11は、ガスバリア層2の代わりにガスバリア層4を有すること以外は包装材料用前駆体10と同様である。
<包装材料用前駆体>
〔支持体〕
支持体1の水蒸気透過度は100g/m以上であり、120g/m以上が好ましい。支持体1の水蒸気透過度が上記下限値(100g/m)以上であれば、包装材料用前駆体10を熱水処理したときに、支持体1を介してガスバリア層2および保護層3に充分な水分が供給される。そのため、ガスバリア層2の後述する比(α/β)を1以上7未満の範囲から7以上にすることができる。
支持体1の水蒸気透過度が上記下限値(100g/m)以上であれば、熱水処理後の酸素バリア性が良好である。
支持体1の水蒸気透過度は、40℃、相対湿度90%の条件で測定される値である。
支持体1の材質としては、支持体1の水蒸気透過度が100g/m以上となる限り特に限定されず、例えば、プラスチックス類や、紙類、ゴム類等が挙げられる。これらの材質の中でも、支持体1とガスバリア層2との密着性の観点から、プラスチックス類が好ましい。
プラスチックス類としては、例えば、ポリアミド系重合体が挙げられる。
ポリアミド系重合体としては、例えばナイロン6や、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6,66共重合体、ナイロン6,12共重合体、メタキシレンアジパミド・ナイロン6共重合体等が挙げられる。
支持体1は、単一の層から形成されてもよく、複数の層から形成されていてもよい。複数の層で形成されている場合、各層を形成する材質は同じでも異なってもよい。
支持体1の形態は、図示するようなシート(フィルム、板)に限定されず、ボトルや、カップ、トレー、タンク、チューブ等の形態であってもよい。支持体1の形態としては、シートが好ましい。
支持体1としては、例えば上記プラスチックス類のフィルムを用いることができる。このフィルムは、延伸されていてもよく、未延伸であってもよい。
支持体1の表面には、ガスバリア層2との接着性の観点から、コロナ処理や、火炎処理、プラズマ処理等の表面活性化処理が施されていてもよい。
支持体1の厚さは、用途等によっても異なるが、通常は、5μm〜2cmである。支持体1の形態がシートである場合は、5〜800μmが好ましく、10〜500μmがより好ましい。ボトル、カップ、トレーまたはタンクの形態の場合は、100μm〜1cmが好ましく、150μm〜8mmがより好ましい。チューブの形態の場合は、20μm〜2cmが好ましい。支持体1の厚さが上記範囲内であると、作業性および生産性に優れる。
〔ガスバリア層〕
ガスバリア層2は、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物(以下、「ケイ素化合物(i)」ともいう。)とを含む層である。
ガスバリア層2は、必要に応じて、ポリカルボン酸系重合体およびケイ素化合物(i)以外の他の成分をさらに含有してもよい。
(ポリカルボン酸系重合体)
ポリカルボン酸系重合体とは、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する重合体である。ポリカルボン酸系重合体としては、例えばエチレン性不飽和カルボン酸の(共)重合体;エチレン性不飽和カルボン酸と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体;アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ペクチン等の分子内にカルボキシル基を有する酸性多糖類が挙げられる。ポリカルボン酸系重合体としては、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸や、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。
エチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレンや、プロピレン、酢酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル類、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類、アルキルイタコネート類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
ポリカルボン酸系重合体としては、ガスバリア性の観点から、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸およびクロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体から誘導される構成単位(以下、「構成単位(x)」ともいう。)を含む重合体(以下、「重合体(X)」ともいう。)、または該重合体(X)の2種以上の混合物であることが好ましい。重合体(X)は、単独重合体でもよく共重合体でもよい。構成単位(x)は、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸およびイタコン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体から誘導される構成単位であることが好ましい。
重合体(X)は、構成単位(x)以外の他の構成単位をさらに含んでいてもよい。他の構成単位としては、例えば前述のエチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体から誘導される構成単位等が挙げられる。
重合体(X)において、構成単位(x)の含有量は、重合体(X)を構成する全構成単位の合計に対し、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、100モル%であってもよい。
ポリカルボン酸系重合体の数平均分子量は、2,000〜10,000,000が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましい。数平均分子量が2,000以上であれば、包装材料用前駆体10から得られる包装材料の耐水性が優れ、水分によるガスバリア性や透明性の悪化、白化等が生じにくい。他方、数平均分子量が10,000,000以下であれば、ポリカルボン酸系重合体等を含む塗液の塗布によってガスバリア層2を形成する際に、塗液の粘度を充分に低くでき、塗布性が良好である。
上記数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。
ガスバリア層2中のポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の一部は、多価金属イオンで中和され、多価金属塩を形成している。すなわちカルボキシ基の一部が多価金属イオンによりイオン架橋されている。多価金属は、金属イオンの価数が2以上の金属であり、例えばベリリウムや、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の遷移金属、アルミニウム等が挙げられる。ガスバリア性、高温水蒸気や熱水に対する耐性、製造性の観点で、多価金属は、金属イオンの価数が2である2価金属が好ましい。酸素バリア性の点では、亜鉛、銅が好ましく、亜鉛が特に好ましい。
ガスバリア性を損なわない範囲で、ガスバリア層2中のポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の一部が一価金属イオンおよびアンモニウムイオンからなる群から選択される少なくとも1種で中和されていてもよい。一価金属イオンとしては、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属等が挙げられる。
ガスバリア層2中のカルボキシル基の中和度は、後述する比(α/β)が1以上7未満であることから、50モル%程度である。
(ケイ素化合物(i))
ケイ素化合物(i)は、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種である。つまり、ケイ素化合物(i)は、加水分解性シラン化合物、加水分解性シラン化合物の加水分解物、および加水分解性シラン化合物及びその加水分解物の縮合物からなる群から選択される少なくとも1種である。
ケイ素化合物(i)は、包装材料用前駆体10から得られる包装材料の耐水性およびガスバリア性の向上に寄与する。
加水分解性シラン化合物は、加水分解によりシラノール基(SiOH)を生じる化合物である。加水分解性シラン化合物としては、特に限定されず、例えば下記式(i−1)で表される化合物が挙げられる。
Si(OR (R4−n ・・・(i−1)
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシアルキル基であり、Rは有機反応基であり、nは1〜4の整数である。)
式(i−1)中、Rとしては、メチル基、エチル基、またはメトキシエチル基が好ましい。
としては、例えばアミノ基や、(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基、イソシアネート基、イソシアヌレート基等の反応性官能基を有する有機基が挙げられる。(メタ)アクリル基は、アクリル基およびメタアクリル基の両方を示す。
としては、ポリアクリル酸系重合体との反応性の点で、エポキシ基を有する有機基が好ましい。エポキシ基を有する有機基としては、例えば3−グリシドキシプロピル基が挙げられる。
nは3が好ましい。
加水分解性シラン化合物の具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシランや、ビニルトリエトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらの加水分解性シラン化合物は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ケイ素化合物(i)は、加水分解性シラン化合物自体であってもよく、加水分解性シラン化合物が加水分解した加水分解物でもよく、これらの縮合物であってもよい。
ケイ素化合物(i)としては、例えばゾルゲル法を用いて、加水分解および縮合反応を行った加水分解性シラン化合物を用いることができる。
なお、通常、加水分解性シラン化合物は、加水分解が容易におこり、また、酸、アルカリ存在下では容易に縮合反応がおこる。例えば式(i−1)で表される加水分解性シラン化合物は、アルコキシ基(OR)の少なくとも一部が容易に水酸基に置換され加水分解物となる。さらに該加水分解物が縮合することによって、ケイ素原子(Si)が酸素を介して結合した化合物が形成される。この縮合が繰り返されることにより、縮合物が得られる。以下、加水分解性シラン化合物の加水分解物が縮合した構成を加水分解縮合物とも記す。
そのため、ケイ素化合物(i)は、加水分解性シラン化合物のみ、その加水分解物のみ、またはこれらの縮合物のみで存在することは稀である。すなわちケイ素化合物(i)には、加水分解性シラン化合物、その加水分解物および加水分解縮合物が混在していることが多い。また、加水分解物には、部分加水分解物、完全加水分解物が含まれることが多い。
ケイ素化合物(i)は、少なくとも加水分解縮合物を含むことが好ましい。
(他の成分)
ポリカルボン酸系重合体およびケイ素化合物(i)以外の他の成分としては、特に限定されず、各種の添加剤が含まれていてもよい。
添加剤としては可塑剤や、樹脂、分散剤、界面活性剤、柔軟剤、安定剤、アンチブロッキング剤、膜形成剤、粘着剤、酸素吸収剤等が挙げられる。
ガスバリア層2が可塑剤を含むと、ガスバリア層2の延伸性が向上し、包装材料用前駆体10の耐虐待性が向上する。
可塑剤としては、公知の可塑剤から適宜選択して使用することが可能である。可塑剤の具体例としては、例えば、エチレングリコールや、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンオキサイド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、エリトリトール、グリセリン、乳酸、脂肪酸、澱粉、フタル酸エステルなどを例示することができる。これらは必要に応じて、混合物で用いてもよい。
これらの中でも、延伸性及びガスバリア性の観点から、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、グリセリン、及び澱粉が好ましい。
なお、ガスバリア層2が添加剤として、ポリビニルアルコール等の水酸基を2つ以上有する化合物を含む場合には、その水酸基と、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の一部とがエステル結合を形成していてもよい。
(各成分の含有量)
ガスバリア層2におけるケイ素化合物(i)の含有量は、前記ポリカルボン酸系重合体(100質量%)に対して2〜25質量%であり、2〜20質量%が好ましい。ケイ素化合物(i)の含有量が上記範囲内であれば、支持体1との密着性に優れる。また、包装材料用前駆体10から得られる包装材料の耐水性がより優れ、冷水にさらされた際に白化しにくい。
ここで、加水分解性シラン化合物以外のケイ素化合物(i)の質量は、加水分解性シラン化合物換算の質量である。つまり、ケイ素化合物(i)には、通常、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物が混在するが、ケイ素化合物(i)の質量は、加水分解性シラン化合物に換算した量、すなわち加水分解性シラン化合物の仕込み量である。
ガスバリア層2におけるポリカルボン酸系重合体とケイ素化合物(i)との合計の含有量は、ガスバリア層2の全質量に対し、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
加水分解性シラン化合物以外のケイ素化合物(i)の質量は、前記と同様、加水分解性シラン化合物換算の質量である。
ガスバリア層2における他の成分の含有量は、ポリカルボン酸系重合体(100質量%)に対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
(最大ピーク高さの比(α/β))
ガスバリア層2の赤外線吸収スペクトルを測定したときの、波数1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、波数1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)は1以上7未満である。
最大ピーク高さ(α)は、塩を形成しているカルボキシル基(−COO)(以下、「カルボキシル基の塩」ともいう。)に帰属する、波数1560cm−1のC=O伸縮振動の赤外線吸収スペクトルにおいて、吸光度の最大ピーク高さである。すなわち、通常、カルボキシル基の塩(−COO)に帰属するC=O伸縮振動は、波数1490cm−1〜1659cm−1の赤外光波数領域において、1560cm−1付近に吸収極大を有する吸収ピークを与える。
最大ピーク高さ(β)は、最大ピーク高さ(α)とは分離独立した赤外線吸収スペクトルの吸光度の最大ピーク高さである。つまり、最大ピーク高さ(β)は、遊離カルボキシル基(−COOH)に帰属する、波数1700cm−1のC=O伸縮振動の赤外線吸収スペクトルにおいて、吸光度の最大ピーク高さである。すなわち、通常、遊離カルボキシル基(−COOH)に帰属するC=O伸縮振動は、波数1660cm−1〜1750cm−1の赤外光波数領域に、1700cm−1付近に吸収極大を有する吸収ピークを与える。
ガスバリア層2の赤外線吸収スペクトルを測定したときの前記の吸光度は、ガスバリア層2中に存在する赤外活性を有する化学種の量と比例関係にある。
したがって、比(α/β)は、ガスバリア層2中の、カルボキシル基の多価金属塩(−COO)と、遊離カルボキシル基(−COOH)との比を表す尺度として代用することができる。比(α/β)が大きいほど、遊離カルボキシル基に対するカルボキシル基の多価金属塩の比率が高い。
比(α/β)が1以上7未満である場合、ポリカルボン酸系重合体が有する全てのカルボキシ基(塩を形成しているカルボキシル基および遊離カルボキシル基)に対するカルボキシル基の多価金属塩の比率、つまり多価金属イオンによりイオン架橋されているカルボキシ基の比率(イオン架橋度)が50モル%程度であると判断できる。
包装材料用前駆体10に対してレトルト処理、ボイル処理等の熱水処理を行うと、水分がガスバリア層2および保護層3に供給される。このときガスバリア層2では、供給された水分によるガスバリア層2の膨張と、保護層3からの多価金属イオンによるポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基のイオン架橋とが進行する。保護層3における多価金属イオンの生成には、ガスバリア層2のポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の電離により生成するHが関係する。また、カルボキシル基の電離には、ガスバリア層2に供給される水分および熱が利用される。
熱水処理前のガスバリア層2の吸光度の最大ピーク高さの比(α/β)が1未満の場合、イオン架橋度が低いために、熱水処理時にガスバリア層2が膨張しやすい。
支持体1の水蒸気透過度が低い場合は水分の供給量が少ないため、比(α/β)が1未満でもガスバリア層2があまり膨張しないうちに比(α/β)が7以上となる程度までイオン架橋度が高くなる。そのため、架橋密度の高い、ひいてはガスバリア性の高いガスバリア層となる。
しかし、支持体1の水蒸気透過度が100g/m以上と高い場合に比(α/β)が1未満であると、熱水処理時の水分の供給量が多いため、比(α/β)が7以上となる前にガスバリア層2が膨張してしまう。そのため、ガスバリア層の架橋密度が低くなってガスバリア性が不充分になる。
比(α/β)が1以上であれば、熱水処理により優れたガスバリア性が発現する。これは、熱水処理前にポリカルボン酸系重合体のカルボキシ基が50モル%程度イオン架橋していることで、熱水処理時のガスバリア層2の膨張が抑制され、架橋密度が高くなるためと考えられる。
比(α/β)が7未満であれば、ガスバリア層2の可とう性が良好であり、包装材料用前駆体10を袋等の形態に加工しやすい。
比(α/β)は、ガスバリア層2の赤外線吸収スペクトルを測定し、波数1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)および波数1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)を計測して求めることができる。
赤外線吸収スペクトルの測定は、透過法や、ATR法(減衰全反射法)、KBrペレット法、拡散反射法、光音響法(PAS法)等の公知の方法を用いて行うことができる。例えば、フーリエ変換赤外分光(FT−IT)分析機として、Perkin Elmer社製のAuto Imageを用いて、ATR法による赤外線吸収スペクトルの測定を行うことができる。FT−IRを用いた赤外線吸収スペクトル測定法については、例えば、田隅三生著、「FT−IRの基礎と実際」を参照できる。
赤外線吸収スペクトルの測定方法としては、簡便性の観点から、透過法またはATR法が好ましい。
代表的な赤外線吸収スペクトルの測定方法としては、ガスバリア層2の表面をATR法で測定する方法が挙げられる。このときの赤外線吸収スペクトルの測定条件としては、侵入深さの観点より、Ge(ゲルマニウム)を用い、入射角45度、分解能4cm−1、積算回数10回での測定条件が挙げられる。
透過法で赤外線吸収スペクトルを測定する場合、包装材料用前駆体10からガスバリア層2および保護層3を除いた状態での赤外線吸収スペクトルと、包装材料用前駆体10の赤外線吸収スペクトルとを比較する。この場合、包装材料用前駆体10からガスバリア層2および保護層3を除いた状態での赤外線吸収スペクトルをバックグラウンドとして用いることが好ましい。ガスバリア層2および保護層3は、塩酸や水酸化ナトリウム水溶液のような、強酸または強塩基で包装材料用前駆体10から取り除くことができる。
赤外線吸収スペクトルにおいて、吸光度の最高ピーク高さは、波数900cm−1の吸光度と波数1900cm−1の吸光度とを直線で結んだ線をベースラインとして計測した値を用いる。
なお、赤外線吸収スペクトルは、主に、カルボキシル基の化学構造に由来し、塩の金属種による影響は少ない。そのため、ガスバリア層2中のポリカルボン酸系重合体のカルボキシ基の一部が、ガスバリア性を損なわない範囲で、ナトリウム塩等の一価金属塩となっている場合には、カルボキシル基の一価金属塩(−COO)に帰属するC=O伸縮振動は、波数1490cm−1〜1659cm−1の赤外光波数領域において、1560cm−1付近に吸収極大を有する吸収ピークを与える。
ガスバリア層2に存在する金属種は、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析やEDX(エネルギー分散型X線)分光法などにより確認できる。
ガスバリア層2の単位面積当たりの質量は、0.1〜10g/mが好ましく、0.1〜6g/mがより好ましく、0.1〜2g/mがさらに好ましい。ガスバリア層2の単位面積当たりの質量が上記範囲内であれば、ガスバリア性がより優れる。
ガスバリア層2の厚さは、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましく、0.1〜1μmがさらに好ましい。ガスバリア層2の厚さが上記範囲内であれば、ガスバリア性がより優れる。
〔保護層〕
保護層3は、多価金属成分と、ポリエステル樹脂と、分散剤とを含む。
保護層3は、イソシアネート化合物をさらに含むことが好ましい。
保護層3は、多価金属成分、ポリエステル樹脂、分散剤およびイソシアネート化合物以外の他の成分をさらに含んでもよい。
(多価金属成分)
多価金属成分は、多価金属イオンの供給源として機能する。多価金属イオンは、ガスバリア層2に含まれるポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基をイオン架橋させ、ガスバリア性を向上させる。
多価金属成分としては、多価金属原子単体や、多価金属化合物等が挙げられる。
多価金属は、金属イオンの価数が2以上の金属であり、例えばベリリウムや、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の遷移金属、アルミニウム等が挙げられる。ガスバリア性、高温水蒸気や熱水に対する耐性、製造性の観点で、多価金属は、金属イオンの価数が2である2価金属が好ましい。酸素バリア性の点では、亜鉛、銅が好ましく、亜鉛が特に好ましい。
多価金属化合物の具体例としては、前記多価金属の酸化物や、水酸化物、炭酸塩、有機酸塩および無機酸塩、前記多価金属のアンモニウム錯体および2〜4級アミン錯体、それら錯体の炭酸塩および有機酸塩、多価金属のアルキルアルコキシド等が挙げられる。有機酸塩としては、酢酸塩や、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、ステアリン酸塩、モノエチレン性不飽和カルボン酸塩等が挙げられる。無機酸塩としては、塩化物や、硫酸塩、硝酸塩等が挙げられる。
多価金属化合物としては、酸素バリア性の点で、酸化亜鉛、酸化銅、及び炭酸カルシウムが好ましい。
包装材料用前駆体10の透明性、酸素バリア性等の点で、超微粒子状の多価金属成分を用いることが好ましい。
「超微粒子」とは、レーザー回折散乱法で測定される平均一次粒子径が1nm〜1000nmの粒子を意味する。
超微粒子の平均一次粒径は、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、100nm以下が特に好ましい。また、超微粒子の平均一次粒子径は、5nm以上が好ましい。超微粒子の平均一次粒径が上記上限値(200nm)以下であれば、保護層3の透明性がより優れる。また、保護層用塗液中での超微粒子の分散性が優れ、液安定性が良好である。
多価金属成分の超微粒子としては、市販品を用いてもよい。例えば酸化亜鉛超微粒子の市販品としては、FINEX(登録商標)50(堺化学工業株式会社製、平均一次粒子径20nm)や、ZINCOX SUPER F−2(ハクスイテック株式会社製、平均一次粒子径65nm)等が挙げられる。
(ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂は、多価金属成分のバインダーとして機能する。バインダーがポリエステル樹脂であることで、他のバインダーを用いる場合に比べて、包装材料用前駆体10の透明性が優れる。
ポリエステル樹脂としては、多塩基酸および多塩基酸無水物のいずれか一方または両方と、多価アルコールとの共重合体(重縮合体)が挙げられる。ポリエステル樹脂を形成する多塩基酸、多塩基酸無水物、及び多価アルコールはそれぞれ1種でもよく2種以上でもよい。
多塩基酸としては、特に限定はなく、例えば芳香族多塩基酸や、脂肪族多塩基酸、脂環式多塩基酸等が挙げられる。また、多塩基酸としては、2官能の多塩基酸を用いても、3官能以上の多塩基酸を用いてもよい。
2官能の芳香族多塩基酸、すなわち芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸や、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。2官能の脂肪族多塩基酸、すなわち脂肪族ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸や、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、水添ダイマー酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フマル酸や、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。2官能の脂環式多塩基酸、すなわち脂環式ジカルボン酸としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸や、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。
3官能以上の多塩基酸としては、例えばトリメリット酸や、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。
多塩基酸無水物としては、特に限定はなく、例えば前述の多塩基酸の酸無水物が挙げられる。多塩基酸無水物としては、2官能の多塩基酸の酸無水物を用いても、3官能以上の多塩基酸の酸無水物を用いてもよい。
2官能の多塩基酸の酸無水物としては、例えば無水フタル酸や、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物等が挙げられる。3官能以上の多塩基酸の酸無水物としては、例えば無水トリメリット酸や、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。
ポリエステル樹脂製造時のゲル化を抑制する観点から、多塩基酸および多塩基酸無水物の合計100モル%に対し、3官能以上の多塩基酸および3官能以上の多塩基酸の酸無水物の合計量は、5モル%以下であることが好ましい。すなわち、2官能の多塩基酸および2官能の多塩基酸の酸無水物の合計量が95モル%以上であることが好ましい。
前記多塩基酸および多塩基酸無水物の中でも、芳香族ジカルボン酸や、無水フタル酸等の芳香族ジカルボン酸の酸無水物が好ましい。
多価アルコールとしては、特に限定はなく、2官能の多価アルコールを用いても、3官能以上の多価アルコールを用いてもよい。
2官能の多価アルコールとしては、例えば炭素数2〜10の脂肪族グリコールや、炭素数6〜12の脂環族グリコール、エーテル結合含有グリコール、ビスフェノール類のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体等が挙げられる。
炭素数2〜10の脂肪族グリコールとしては、エチレングリコールや、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ヘプタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等が挙げられる。炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。エーテル結合含有グリコールとしては、ジエチレングリコールや、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。ビスフェノール類のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体におけるビスフェノール類としては、例えば2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパンや、ビスフェノールA、ビスフェノールS等が挙げられる。
3官能以上の多価アルコールとしては、例えばグリセリンや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ポリエステル樹脂製造時のゲル化を抑制する観点から、多価アルコール100モル%に対し、3官能以上の多価アルコールの量は、5モル%以下であることが好ましい。すなわち、2官能の多価アルコールの量が95モル%以上であることが好ましい。
多価アルコールとしては、安価である点から、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールが好ましい。
多価アルコール100モル%中のエチレングリコールとネオペンチルグリコールとの合計の量は、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、100モル%であってもよい。
ポリエステル樹脂においては、前述の多塩基酸および多塩基酸無水物のいずれか一方または両方と多価アルコールとともに、モノカルボン酸、モノアルコール、ラクトン、およびヒドロキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種が共重合されていてもよい。モノカルボン酸、モノアルコール、ラクトンまたはヒドロキシカルボン酸として、具体的には、ラウリン酸や、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール、ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。
多塩基酸および多塩基酸無水物のいずれか一方または両方と、多価アルコールとの共重合(重縮合)は、公知の方法により行うことができる。例えば、全モノマー及びその低重合体の少なくとも一方を不活性雰囲気下で180〜260℃、2.5〜10時間程度反応させてエステル化反応を行う。引き続いてエステル交換反応触媒の存在下、130Pa以下の減圧下に220〜280℃の温度で所望の分子量に達するまで重縮合反応を進めてポリエステル樹脂を得る方法等が挙げられる。
ポリエステル樹脂に所望の酸価や水酸基価を付与する方法として、例えば、上記の重縮合反応に引き続き、多塩基酸や多価アルコールをさらに添加し、不活性雰囲気下、解重合を行う方法が挙げられる。多塩基酸を添加すると酸価が大きくなり、多価アルコールを添加すると水酸基価が大きくなる。
解重合した際に樹脂中に泡が発生し、払出しの際、泡のためにペレット化できない場合がある。このような場合は、解重合後、系内を再減圧し脱泡すればよい。再減圧を行なう際の減圧度は67,000Pa以下が好ましく、10,000Pa以下がより好ましい。減圧度が67,000Paよりも高いと再減圧しても脱泡するのに要する時間が長くなるので好ましくない。
また、ポリエステル樹脂に酸価を付与する方法として、上記の重縮合反応に引き続き、多塩基酸無水物をさらに添加し、不活性雰囲気下、ポリエステル樹脂の水酸基と付加反応する方法も挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、多塩基酸を用いた解重合及び多塩基酸無水物を用いた付加反応の少なくとも一方によりカルボキシル基を導入したポリエステル樹脂が好ましい。解重合及び付加反応の少なくとも一方によりカルボキシル基を導入することにより、ポリエステル樹脂の分子量や酸価を容易にコントロールすることができる。
前記解重合の際に使用する多塩基酸は、3官能以上の多塩基酸を含むことが好ましい。
3官能以上の多塩基酸を使用することにより、解重合によるポリエステル樹脂の分子量低下を抑えながら、所望の酸価を付与することができる。また、解重合や付加反応に3官能以上の多塩基酸や3官能以上の多塩基酸の酸無水物を使用することにより、詳細は不明であるが、より貯蔵安定性の優れた水性分散体を得ることができる。
解重合及び付加反応の少なくとも一方で用いる多塩基酸または多塩基酸の酸無水物としては、前記で挙げたものと同様のものが挙げられる。その中でも、芳香族多塩基酸や芳香族多塩基酸の酸無水物が好ましく、芳香族ジカルボン酸であるテレフタル酸、イソフタル酸、芳香族ジカルボン酸の酸無水物である無水フタル酸、3官能の多塩基酸であるトリメリット酸、3官能の多塩基酸の酸無水物である無水トリメリット酸が好ましい。特に無水トリメリット酸を使用した場合には、解重合と付加反応とが平行して起こると考えられる。そのため、解重合によるポリエステル樹脂の分子量低下を極力抑えながら、所望の酸価を付与することができるので、無水トリメリット酸を使用することが特に好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価は、15mgKOH/g以下であることが好ましく、10mgKOH/g以下であることがより好ましく、8mgKOH/g以下であることが特に好ましい。酸価が上記上限値(15mgKOH/g)以下であれば、保護層3を有する包装材料用前駆体10の耐水性が優れる。
ポリエステル樹脂の酸価の下限に特に限定はないが、測定精度の限界上、通常は0.05mgKOH/g以上である。
ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K0070:1992に準拠して測定される。
ポリエステル樹脂は、保護層3の耐水性を損なわない範囲で、水酸基が含まれていてもよい。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、30mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以下であることがより好ましい。ポリエステル樹脂の水酸基価の下限に特に限定はないが、測定精度の限界上、通常は0.05mgKOH/g以上である。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−30℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが特に好ましい。Tgが上記下限値(−30℃)以上であれば、保護層3を有する包装材料用前駆体10の耐水性および耐熱性が優れる。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)の上限に特に限定はないが、典型的には80℃以下である。
ポリエステル樹脂の数平均分子量は、5,000〜50,000であることが好ましく、9,000〜40,000であることがより好ましく、10,000〜30,000であることが特に好ましい。数平均分子量が上記範囲内であれば、保護層3を有する包装材料用前駆体10の耐水性および耐熱性がより優れる。
保護層3に含まれるポリエステル樹脂は1種でも2種以上でもよい。
保護層3に含まれるポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂水性分散体に由来することが好ましい。ポリエステル樹脂水性分散体に由来するポリエステル樹脂が含まれると、保護層3の耐熱水性がより優れる。
ポリエステル樹脂水性分散体は、ポリエステル樹脂および分散媒である水を含む。
ポリエステル樹脂水性分散体は、ポリエステル樹脂を良好に水中に分散するために、塩基性化合物をさらに含むことが好ましい。
ポリエステル樹脂水性分散体は、他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分としては特に限定はないが、例えば、界面活性剤や、有機溶剤、硬化剤、保護コロイド作用を有する化合物、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料、染料、水性ウレタン樹脂、水性オレフィン樹脂、水性アクリル樹脂等の水性樹脂等が挙げられる。
ポリエステル樹脂水性分散体としては、市販品を用いてもよく、例えば、エリーテル(登録商標) KT−8803や、エリーテル KT−0507、エリーテル KT−9204(以上、ユニチカ株式会社製)、バイロナール(登録商標) MD−1200、バイロナール MD−1480(以上、東洋紡績株式会社製)、ペスレジン A124GP(高松油脂株式会社製)等が挙げられる。
(分散剤)
分散剤は、上述の多価金属成分およびポリエステル樹脂を含む保護層用塗液における多価金属成分の分散性、ひいては保護層3における多価金属成分の分散性の向上に寄与する。保護層3中に多価金属成分が均一に分散することで、保護層3の透明性、包装材料用前駆体10の熱水処理後のガスバリア性が高まる。
分散剤としては、ポリカルボン酸ナトリウム塩およびポリカルボン酸アンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。ポリカルボン酸ナトリウム塩及びポリカルボン酸アンモニウム塩は、多価金属成分表面に対する吸着能が高い。また、多価金属成分表面に吸着した後の電離による電気的斥力が生じやすいため、多価金属成分の好適な分散に寄与する。また、ポリカルボン酸ナトリウム塩及びポリカルボン酸アンモニウム塩は、ガスバリア層2に含まれるポリカルボン酸系重合体と物理的、化学的に似た性質を持つ。そのため、ガスバリア層2に隣接して保護層3を形成したときに、層間の反応による透明性不良が生じにくく、透明性に優れた包装材料用前駆体10を得ることができる。
ポリカルボン酸ナトリウム塩またはポリカルボン酸アンモニウム塩におけるポリカルボン酸としては、例えば、不飽和カルボン酸の単独重合体または共重合体が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸や、マレイン酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。
不飽和カルボン酸の共重合体としては、2種以上の不飽和カルボン酸の共重合体や、1種以上の不飽和カルボン酸と1種以上の他の単量体との共重合体等が挙げられる。2種以上の不飽和カルボン酸の共重合体は、2種以上の不飽和カルボン酸と他の単量体との共重合体であってもよい。
ポリカルボン酸ナトリウム塩は、不飽和カルボン酸を(共)重合することにより得たポリカルボン酸が有するカルボキシル基を、ナトリウムで中和することにより得られるポリカルボン酸ナトリウム塩でもよく、不飽和カルボン酸のナトリウム塩を(共)重合することにより得られるポリカルボン酸ナトリウム塩でもよい。
ポリカルボン酸アンモニウム塩は、不飽和カルボン酸を(共)重合することにより得たポリカルボン酸が有するカルボキシル基を、アンモニアで中和することにより得られるポリカルボン酸アンモニウム塩でもよく、不飽和カルボン酸のアンモニウム塩を(共)重合することにより得られるポリカルボン酸アンモニウム塩でもよい。
分散剤は、1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
(イソシアネート化合物)
イソシアネート化合物とは、分子中に少なくとも一つのイソシアネート基を有する化合物を意味する。保護層3にイソシアネート化合物が含まれると、保護層3の成膜性、耐熱水性、及びガスバリア層2との密着性がより優れる。
イソシアネート化合物としては、分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物が好ましく、例えば、フェニレンジイソシアネートや、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネートまたはテトラメチレンキシリレンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネート化合物、該有機ポリイソシアネート化合物の誘導体等が挙げられる。
保護層3が、水を含む保護層用塗液を用いて形成される場合は、水に対する分散性を有するイソシアネート化合物(水分散性イソシアネート化合物)を用いることが好ましい。水分散性イソシアネート化合物としては、例えば(1)上記有機ポリイソシアネート化合物の一部のイソシアネート基を、ポリエチレンオキサイドや、カルボキシ基、またはスルホン酸基等の親水性基によって変性して自己乳化型にしたイソシアネート化合物や、(2)上記有機ポリイソシアネート化合物を界面活性剤等によって強制乳化して水分散可能にしたイソシアネート化合物、(3)上記有機ポリイソシアネート化合物から誘導される種々のプレポリマー類、(4)上記有機ポリイソシアネート中のイソシアネート基の一部をアルコール類や、フェノール類、オキシム類、メルカプタン類、アミド類、イミド類またはラクタム類等のブロック化剤でブロックした化合物、いわゆるブロック化ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
イソシアネート化合物は、1種単独で使用されてもよく2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
(他の成分)
他の成分としては、柔軟剤や、安定剤、膜形成剤、増粘剤等が挙げられる。
(各成分の含有量)
保護層3における多価金属成分の含有量は、保護層3の全質量に対して40〜90質量%であり、50〜85質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましい。多価金属成分の含有量が上記範囲内であれば、包装材料用前駆体10を熱水処理して得られる包装材料のガスバリア性がより優れる。
保護層3におけるポリエステル樹脂の含有量は、保護層3の全質量に対して10〜60質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。ポリエステル樹脂の含有量が上記範囲内であれば、包装材料用前駆体10の耐水性、耐熱性、及び透明性がより優れる。
保護層3における分散剤の含有量は、多価金属成分に対して2〜20質量%であり、2〜15質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。分散剤の含有量が上記範囲内であれば、保護層用塗液中の多価金属成分の分散性、ひいては保護層3中での多価金属成分の分散の均一性がより優れる。そのため、保護層3の透明性、包装材料用前駆体10を熱水処理して得られる包装材料のガスバリア性がより優れる。
保護層3がイソシアネート化合物を含む場合、保護層3におけるイソシアネート化合物の含有量は、保護層3の全質量に対して1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。イソシアネート化合物の含有量が上記範囲内であれば、保護層3の成膜性、耐熱水性、及びガスバリア層2との密着性がより優れる。また、包装材料用前駆体10を熱水処理して得られる包装材料のガスバリア性がより優れる。また、後述する第3実施形態に示すように保護層3に接着層を介して他の基材をラミネートする場合に、他の基材との密着性にも優れる。
保護層3における多価金属成分とポリエステル樹脂と分散剤とイソシアネート化合物との合計の含有量は、保護層3の全質量に対し、95質量%より大きいことが好ましく、97質量%より大きいことがより好ましく、100質量%であってもよい。
保護層3における他の成分の含有量は、保護層3の全質量に対し、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましい。
保護層3の単位面積当たりの質量は、0.1〜10g/mが好ましく、0.1〜6g/mがより好ましく、0.1〜2g/mがさらに好ましい。保護層3の単位面積当たりの質量が上記下限値(0.1g/m)以上であれば、ガスバリア性がより優れ、上記上限値(10g/m)以下であれば、外観が良好である。
保護層3の厚さは、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましく、0.1〜1μmがさらに好ましい。保護層3の厚さが上記下限値(0.05μm)以上であれば、ガスバリア性がより優れ、上記上限値(5μm)以下であれば、外観が良好である。
〔包装材料用前駆体の製造方法〕
包装材料用前駆体10は、例えば、以下の(α1)および(α2)の工程を含む製造方法により製造できる。
(α1):支持体1の一方の表面に下記のガスバリア層用塗液を塗布し乾燥させてガスバリア層2を形成する工程。
(α2):ガスバリア層2の表面に下記の保護層用塗液を塗布し乾燥させて保護層3を形成する工程。
(ガスバリア層用塗液)
ガスバリア層用塗液は、ポリカルボン酸系重合体と、ケイ素化合物(i)と、液状媒体とを含む。ガスバリア層用塗液は、必要に応じて、ポリカルボン酸系重合体およびケイ素化合物(i)以外の他の成分をさらに含有してもよい。
ガスバリア層用塗液中のポリカルボン酸系重合体は、カルボキシル基の多価金属による中和度が0モル%であること以外は、前述のガスバリア層2におけるポリカルボン酸系重合体と同様であり、好ましい態様も同様である。
保護層用塗液をガスバリア層2の表面に塗布すると、多価金属イオンおよび水分が供給され、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の多価金属イオンによるイオン架橋反応が進む。このとき、カルボキシル基の中和度が低いほど、イオン架橋反応が進みやすい。
上記中和度が0モル%より大きく40モル%以下であると、ガスバリア層2上に保護層用塗液を塗布した際のイオン架橋反応が進みにくく、比(α/β)を1以上にすることが困難である。
上記中和度が40モル%より大きいと、ガスバリア層用塗液がゲル化し、塗布が困難になる。
なお、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基は、保護層用塗液の塗布面に近いほどイオン架橋されやすいと考えられる。したがって、ガスバリア層2中の多価金属によるイオン架橋度は、保護層3に近いほど高くなっていると考えられる。例えば上記中和度が0モル%の場合、ガスバリア層2中では、支持体1との界面付近から保護層3との界面付近にかけて、イオン架橋度が0モル%から100モル%まで変化し、全体としてのイオン架橋度が50モル%程度になっていることが考えられる。一方、上記中和度が20モル%程度である場合、ガスバリア層2中では、支持体1との界面付近から保護層3との界面付近にかけて、イオン架橋度が20モル%から25モル%程度までしか変化しないことが考えられる。
ガスバリア層用塗液におけるケイ素化合物(i)、他の成分はそれぞれ、前述のガスバリア層2におけるケイ素化合物(i)、他の成分と同様であり、好ましい態様も同様である。
液状媒体としては、特に限定が無く、水や、有機溶剤、水と有機溶剤との混合溶媒等を用いることができる。ケイ素化合物(i)が加水分解性シラン化合物を含む場合には、加水分解性シラン化合物の加水分解反応を行うために、液状媒体が水を含むことが好ましい。
有機溶剤としては、炭素数1〜5の低級アルコールおよび炭素数3〜5の低級ケトンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。具体的には、メタノールや、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
水と有機溶剤との混合溶媒としては、上述した有機溶剤を用いた混合溶媒が好ましく、水と炭素数1〜5の低級アルコールとの混合溶媒がより好ましい。
混合溶媒としては、水が20〜95質量%の量で存在し、該有機溶剤が80〜5質量%の量で存在する(ただし、水と有機溶剤との合計を100質量%とする)溶媒が好ましい。
液状媒体としては、ポリカルボン酸系重合体の溶解性、コストの面では、水が好ましい。加水分解性シラン化合物の溶解性、ガスバリア層用塗液の塗布性の観点からは、炭素数1〜5の低級アルコールを含んでいることが好ましい。したがって、水、または水と炭素数1〜5の低級アルコールとの混合溶媒が好ましい。
ガスバリア層用塗液におけるケイ素化合物(i)の含有量は、前記ポリカルボン酸系重合体(100質量%)に対して2〜25質量%であり、2〜20質量%が好ましい。ケイ素化合物(i)の含有量が上記範囲内であれば、ガスバリア層2と支持体1との密着性に優れる。また、包装材料用前駆体10から得られる包装材料の耐水性がより優れ、冷水にさらされた際に白化しにくい。
ここで、加水分解性シラン化合物以外のケイ素化合物(i)の質量は、前述のとおり、加水分解性シラン化合物換算の質量である。
ガスバリア層用塗液における他の成分の含有量は、ポリカルボン酸系重合体(100質量%)に対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
ガスバリア層用塗液においては、ガスバリア性および塗工性の観点から、ガスバリア層用塗液中のポリカルボン酸系重合体と、ケイ素化合物(i)と、必要に応じて含まれる他の成分との合計含有量(固形分質量)が、ガスバリア層用塗液の総質量に対して、0.5〜50質量%であることが好ましく、0.8〜30質量%であることがより好ましく、1.0〜20質量%であることが特に好ましい。
ガスバリア層用塗液におけるポリカルボン酸系重合体とケイ素化合物(i)との合計の含有量は、ガスバリア層用塗液中の固形分質量に対し、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
加水分解性シラン化合物以外のケイ素化合物(i)の質量は、前記と同様、加水分解性シラン化合物換算の質量である。
ガスバリア層用塗液は、各成分を混合することにより調製できる。
ガスバリア層用塗液の調製時に多価金属成分を配合すると、ガスバリア層用塗液中でポリカルボン酸系重合体と多価金属成分とが反応してカルボキシル基が中和され、上記中和度が0モル%とはならない。そのため、ガスバリア層用塗液には多価金属成分を配合しない。
ガスバリア層用塗液がケイ素化合物(i)として加水分解縮合物を含む場合には、加水分解性シラン化合物を、ポリカルボン酸系重合体および水を含む液に直接混合してガスバリア層用塗液を調製してもよい。また、加水分解性シラン化合物に水を加えることによって、加水分解およびそれに続く縮合反応を行い、得られた加水分解縮合物を、ポリカルボン酸系重合体と混合してガスバリア層用塗液を調製してもよい。
(保護層用塗液)
保護層用塗液は、多価金属成分と、ポリエステル樹脂と、分散剤と、水とを含む。保護層用塗液は、イソシアネート化合物をさらに含むことが好ましい。保護層用塗液は、必要に応じて、多価金属成分、ポリエステル樹脂、分散剤およびイソシアネート化合物以外の他の成分をさらに含んでもよい。保護層用塗液は、有機溶剤をさらに含んでもよい。
多価金属成分、ポリエステル樹脂、分散剤、イソシアネート化合物、及び他の成分はそれぞれ、前述の保護層3における多価金属成分、ポリエステル樹脂、分散剤、イソシアネート化合物、及び他の成分と同様であり、好ましい態様も同様である。
有機溶剤としては、塗工性、乾燥効率向上の観点から、例えばエタノールや、2−プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらの有機溶剤が保護層用塗液に含まれる場合には1種単独で含まれていても2種以上が含まれていてもよい。
有機溶剤の含有量は、水と有機溶剤との合計を100質量%としたときに、水が20〜95質量%の量で存在し、該有機溶剤が80〜5質量%の量で存在する量が好ましい。
保護層用塗液の固形分濃度は、3〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
固形分濃度は、保護層用塗液の全量(100質量%)に対する全固形分の割合である。
保護層用塗液の全固形分は、保護層用塗液中の多価金属成分と、ポリエステル樹脂と、分散剤と、イソシアネート化合物と、他の成分のうち固体であるものとの合計量(イソシアネート化合物を含まない場合や他の成分のうち固体であるものを含まない場合を含む。)である。
保護層用塗液における多価金属成分の含有量は、保護層用塗液の全固形分(100質量%)に対し、40〜90質量%であり、50〜85質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましい。
保護層用塗液におけるポリエステル樹脂の含有量は、保護層用塗液の全固形分に対して10〜60質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
保護層用塗液における分散剤の含有量は、多価金属成分に対して2〜20質量%であり、2〜15質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
保護層用塗液がイソシアネート化合物を含む場合、保護層用塗液におけるイソシアネート化合物の含有量は、保護層用塗液の全固形分に対して1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。
保護層用塗液中、他の成分のうち固体である成分の含有量は、保護層用塗液の全固形分に対し、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましい。つまり、保護層用塗液中の多価金属成分とポリエステル樹脂と分散剤とイソシアネート化合物との合計量は、全固形分に対し、95質量%より大きいことが好ましく、97質量%より大きいことがより好ましい。
保護層用塗液の調製方法としては、特に限定はなく、上述の各成分を、均一になるように混合することにより保護層用塗液を得ることができる。
本実施形態において、ポリエステル樹脂は、前述のようにポリエステル樹脂水性分散体に由来することが好ましい。つまり、保護層用塗液の調製方法としては、多価金属成分、ポリエステル樹脂水性分散体、分散剤、および必要に応じて水、イソシアネート化合物、他の成分を混合する方法が好ましい。
保護層用塗液の調製方法の好ましい例としては、以下の方法が挙げられる。まず、蒸留水に酸化亜鉛超微粒子および分散剤を加え、酸化亜鉛超微粒子の一次粒子の凝集を解砕し、分散する。これにより、酸化亜鉛超微粒子の水性分散体を得て、該酸化亜鉛超微粒子の水性分散体に蒸留水、ポリエステル樹脂水性分散体および水分散性イソシアネート化合物を加えて攪拌する。必要に応じて、2−プロパノール等の有機溶剤を加えて攪拌することにより保護層用塗液を得る。
前記酸化亜鉛超微粒子の水性分散体を得る際の凝集の解砕には、ビーズミル、高速攪拌機等を用いることができる。特にビーズミルを用いると、得られる包装材料用前駆体のヘイズが小さくなる傾向があり好ましい。
保護層用塗液の調製方法の他の好ましい例としては、以下のような方法が挙げられる。まず、あらかじめ水分散性イソシアネート化合物に蒸留水を加えて攪拌し、水分散性イソシアネート化合物の水性分散体を得る。別途、上記と同様の方法で酸化亜鉛超微粒子の水性分散体を得て、該酸化亜鉛超微粒子の水性分散体にポリエステル樹脂水性分散体を加える。得られた分散液に前記水分散性イソシアネート化合物の水性分散体を加えて攪拌する。必要に応じて、2−プロパノール等の有機溶剤を加えて攪拌することにより保護層用塗液を得る。
(工程(α1))
支持体1上にガスバリア層用塗液を塗布し、ガスバリア層用塗液の液状媒体を乾燥により除去することによってガスバリア層2が形成される。
ガスバリア層用塗液の塗工方法としては、特に限定されず、例えばキャスト法や、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
乾燥の方法としては特に限定は無く、例えば熱風乾燥法や、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等の方法が挙げられる。該方法は単独または組み合わせて行ってもよい。乾燥温度としては特に限定は無いが、溶媒として上述した水や、水と有機溶剤との混合溶媒を用いる場合には、通常は50〜160℃が好ましい。また乾燥の際の圧力は通常は常圧または減圧下で行うことが好ましく、設備の簡便性の観点から常圧で行うことが好ましい。
ガスバリア層2に含まれるケイ素化合物(i)中の縮合物の割合を増加させる目的で、乾燥が終了(または、ほぼ終了)した時点で、熱処理を行ってもよい。前記熱処理としては通常は、温度120〜240℃、好ましくは150〜230℃で、通常は10秒〜30分、好ましくは20秒〜20分行われる。
なお、前記乾燥および熱処理は、温度等の条件が重複する部分があるが、これらは明確に区別される必要は無く、連続的に行われてもよい。
(工程(α2))
工程(α1)で形成したガスバリア層2の表面に保護層用塗液を塗布し、乾燥により保護層用塗液中の水(有機溶剤を含む場合は有機溶剤も)を除去することによって保護層3が形成される。
保護層用塗液の塗工方法としては、特に限定されず、例えばキャスト法や、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
乾燥の方法としては特に限定は無く、例えば熱風乾燥法や、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等の方法が挙げられ、該方法は単独または組み合わせて行ってもよい。乾燥温度としては特に限定は無いが、通常は50〜160℃が好ましい。また乾燥の際の圧力は通常は常圧または減圧下で行うことが好ましく、設備の簡便性の観点から常圧で行うことが好ましい。
〔用途〕
包装材料用前駆体10は、以下に示すような包装材料の前駆体として、あるいは被包装物を包装材料で包装した包装体の製造用として有用である。
<包装材料>
包装材料11は、ガスバリア層2の代わりにガスバリア層4を有すること以外は包装材料用前駆体10と同様であり、支持体1とガスバリア層4と保護層3とがこの順に隣接して積層した積層構造を備える。
包装材料11のガスバリア層4は、前記波数1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、前記波数1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が7以上であること以外は、包装材料用前駆体10のガスバリア層2と同様である。
包装材料11は、包装材料用前駆体10を熱水処理することにより得ることができる。
熱水処理としては、レトルト処理や、ボイル処理等が挙げられる。レトルト処理、ボイル処理については、この後の包装体の製造方法で詳しく説明する。
包装材料用前駆体10を熱水処理すると、水分がガスバリア層2および保護層3に供給される。そのため、ガスバリア層2に含まれるポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の多価金属イオンによるイオン架橋が進み、比(α/β)が1以上7未満の範囲から7以上に増大し、ガスバリア層2がガスバリア層4となる。これにより包装材料11が得られる。
熱水処理前のガスバリア層2の比(α/β)が1以上7未満であれば、支持体1を介して供給される水分によってガスバリア層2が膨張しにくい。熱水処理後の比(α/β)が7以上であれば、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基のイオン架橋度が充分に高い。そのため、熱水処理後のガスバリア層4の架橋密度が充分に高くなり、ガスバリア層4が、高湿度条件下であっても優れたガスバリア性を発揮する。
包装材料11、すなわち熱水処理を行った後の包装材料用前駆体10の酸素透過度は、50cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることが好ましく、20cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることがより好ましく、10cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることがさらに好ましい。該酸素透過度は低いほど好ましく、その下限としては特に限定はないが通常は0.1cm/(m・day・MPa)以上である。
上記酸素透過度は、ASTM F1927−98(2004)に準拠して、温度30℃、相対湿度(RH)70%の条件で測定される値である。(STP)は、酸素の体積を規定するための標準条件(0℃、1気圧)を意味する。
<包装体の製造方法>
包装材料用前駆体10を用いて被包装物を包装し、熱水処理することで、被包装物を包装材料11で包装した包装体を得ることができる。
被包装物としては、特に限定されないが、酸素、水蒸気等の影響により劣化しやすい物品、例えば食品や、飲料、医薬品、電子部品等の精密金属部品等の物品が好ましく、食品が特に好ましい。食品としては、例えば味噌や、漬物、液体スープ、加工食肉等が挙げられる。
被包装物を包装する方法としては、特に限定されない。例えば包装材料用前駆体10を、開口を有する袋状に加工し、これに被包装物を収容し、開口を密閉する方法が挙げられる。
熱水処理としては、例えばレトルト処理、ボイル処理等が挙げられる。
以下、レトルト処理、ボイル処理の条件を説明するが、前記条件は被包装物に応じて適宜変更することができる。
レトルト処理とは、一般に食品等を保存するために、カビ、酵母、細菌などの微生物を加圧殺菌する方法である。通常は、被包装物を包装した包装材料用前駆体10を、105〜140℃、0.15〜0.3MPaで、10〜120分の条件で加圧殺菌処理する。レトルト装置は、加熱蒸気を利用する蒸気式や加圧過熱水を利用する熱水式等があり、被包装物となる食品等の殺菌条件に応じて適宜使い分けられる。
ボイル処理は、食品等を保存するため湿熱で殺菌する方法である。通常は、被包装物にもよるが、被包装物を包装した包装材料用前駆体10を60〜100℃、大気圧下で、10〜120分の条件で殺菌処理を行う。ボイル処理は、通常、熱水槽を用いて行う。一定温度の熱水槽の中に浸漬し、一定時間後に取り出すバッチ式と、熱水槽の中をトンネル式に通して殺菌する連続式とがある。
≪第2実施形態≫
図3は、本発明の第2実施形態に係る包装材料用前駆体20の模式断面図である。図4は、包装材料用前駆体20から得た包装材料21の模式断面図である。なお、以下に示す実施形態において、前出の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の包装材料用前駆体20は、支持体7とガスバリア層2と保護層3とがこの順に隣接して積層した積層構造を備える。つまり、本実施形態の包装材料用前駆体20において、ガスバリア層2が支持体7の上に直接設けられ、保護層3がガスバリア層2の上に直接設けられている。
支持体7は、基材5と、基材5の片面(ガスバリア層2側)に隣接して設けられたアンカーコート層6とを有する。
包装材料21は、ガスバリア層2がガスバリア層4になっていること以外は包装材料用前駆体20と同様である。
<包装材料用前駆体>
(支持体)
支持体7の水蒸気透過度は、支持体1の水蒸気透過度と同様、100g/m以上であり、120g/m以上がより好ましい。
支持体7を構成する基材5としては、第1実施形態の支持体1と同様の構成が挙げられる。ただし、アンカーコート層6が積層した状態での水蒸気透過度が100g/m以上である必要がある。
アンカーコート層6は、基材5とガスバリア層2との密着性を高めるために設けられている。
アンカーコート層6を構成する材質としては、例えば、アルキッド樹脂や、メラミン樹脂、アクリル樹脂、硝化綿、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、およびカルボジイミド基含有樹脂を用いることができ、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂およびカルボジイミド基含有樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、一種単独でも、二種以上を用いてもよい。
前記樹脂としては特に、ポリウレタン樹脂が好ましい。ポリウレタン樹脂を構成するポリオールとしては、ポリエステル系ポリオールが好ましい。ポリエステル系ポリオールとしては、例えば多価カルボン酸等とグリコール類とを反応させて得られるポリエステル系ポリオールが挙げられる。ポリウレタン樹脂を構成するポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。
アンカーコート層6は、ガスバリア層2との密着性の点から、カルボジイミド基含有樹脂を含んでいてもよい。
必要に応じて、前記の樹脂に、硬化剤や、加水分解性シラン化合物等の添加物が添加されていてもよい。加水分解性シラン化合物としては、前記と同様のものが挙げられる。
アンカーコート層6の厚みは、密着性及び外観の観点から、0.01〜1μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがより好ましい。
アンカーコート層6の単位面積当たりの質量は、密着性と外観の観点から、0.01〜1g/mであることが好ましく、0.05〜1g/mであることがより好ましい。
〔包装材料用前駆体の製造方法〕
包装材料用前駆体20は、例えば、以下の(β1)、(β2)および(β3)の工程を含む製造方法により製造できる。
(β1):基材5の一方の面上にアンカーコート層6を形成して支持体7を得る工程。
(β2):支持体7のアンカーコート層6側の表面にガスバリア層用塗液を塗布し乾燥させてガスバリア層2を形成する工程。
(β3):ガスバリア層2の表面に保護層用塗液を塗布し乾燥させて保護層3を形成する工程。
ガスバリア層用塗液、保護層用塗液はそれぞれ第1実施形態と同様である。
(工程(β1))
アンカーコート層6の形成方法は特に限定されず、公知の方法を適宜選択できる。例えば、アンカーコート層用塗液を塗布し乾燥することによりアンカーコート層6を形成できる。
アンカーコート層用塗液としては、前述の樹脂またはその前駆体と、溶媒と、必要に応じて添加剤とを含む塗液が挙げられる。樹脂またはその前駆体としては、ポリウレタン系、ポリエステル系またはアクリル系のポリマー材料が好ましい。中でも、ポリウレタン系ポリマー材料である、ポリエステル系ポリオールを含有する主剤と、イソシアネートを含有する硬化剤とを含有する二液型のアンカーコート剤が好ましい。
(工程(β2))
工程(β2)は、第1実施形態における工程(α1)と同様にして行うことができる。
(工程(β3))
工程(β3)は、第1実施形態における工程(α2)と同様にして行うことができる。
工程(β1)にて基材5上にアンカーコート層6を形成した後、または工程(β2)にてガスバリア層2を形成した後、または工程(β3)にて保護層3を形成した後に、熟成処理を行ってもよい。熟成処理としては、通常30〜200℃、好ましくは30〜150℃の温度条件で、0.5〜10日、好ましくは1〜7日間保持する処理が挙げられる。
ガスバリア層2に含まれるケイ素化合物(i)中の縮合物の割合を増加させる目的で、工程(β2)での乾燥が終了(または、ほぼ終了)した時点、または工程(β2)または(β3)の後に前記熟成処理を行い、この前記熟成処理が終了した時点で、熱処理を行ってもよい。前記熱処理としては通常は、温度120〜240℃、好ましくは150〜230℃で、通常は10秒〜30分、好ましくは20秒〜20分行われる。
なお、前記乾燥、熱処理、および熟成処理は、温度等の条件が重複する部分があるが、これらは明確に区別される必要は無く、連続的に行われてもよい。
〔用途〕
包装材料用前駆体20は、包装材料21の前駆体として、あるいは被包装物を包装材料21で包装した包装体の製造用として有用である。
<包装材料>
包装材料21は、ガスバリア層2の代わりにガスバリア層4を有すること以外は包装材料用前駆体20と同様であり、支持体7とガスバリア層4と保護層3とがこの順に隣接して積層した積層構造を備える。
包装材料21は、包装材料用前駆体20を熱水処理することにより得ることができる。
熱水処理は前記と同様である。
包装材料21、すなわち熱水処理を行った後の包装材料用前駆体20の好ましい酸素透過度は第1実施形態と同様である。
<包装体の製造方法>
包装材料用前駆体20を用いて被包装物を包装し、熱水処理することで、被包装物を包装材料21で包装した包装体を得ることができる。
被包装物の包装および熱水処理は第1実施形態と同様に行うことができる。
≪第3実施形態≫
図5は、本発明の第3実施形態に係る包装材料用前駆体30の模式断面図である。図6は、包装材料用前駆体30から得た包装材料31の模式断面図である。
本実施形態の包装材料用前駆体30は、支持体1とガスバリア層2と保護層3とがこの順に隣接して積層した積層構造と、前記積層構造の保護層3側の面に接着層9を介して積層した他の基材8とを備える。つまり、本実施形態の包装材料用前駆体30においては、ガスバリア層2が支持体1の上に直接設けられ、保護層3がガスバリア層2の上に直接設けられている。
包装材料31は、ガスバリア層2がガスバリア層4になっていること以外は包装材料用前駆体30と同様である。
<包装材料用前駆体>
(他の基材)
他の基材8は、包装材料用前駆体30や包装材料31に任意の物性を付与するために用いられる。具体的には、他の基材8によって、強度付与や、シール性、シール時の易開封性付与、意匠性付与、光遮断性付与、防湿性付与等が可能である。さらに、レトルト処理、ボイル処理等を施す際に、保護層3が熱水や蒸気に直接さらされず、外観が良好となる。
他の基材8としては、目的に応じて適宜選択されるが、プラスチックフィルム類が好ましい。他の基材8は、二層以上の層を有する積層体であってもよい。
他の基材8の材質としては、例えば、ポリオレフィンや、ナイロン、無機蒸着ナイロン等が挙げられる。
他の基材8の厚みは、1〜1000μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましい。
(接着層)
接着層は、保護層3と他の基材8とを接着する層である。
接着層9の材質としては、特に限定はない。例えばドライラミネート法で他の基材8をラミネートする場合には、一液型や二液型のポリウレタン系接着剤やアクリル系接着剤を用いて接着層9を形成できる。押出しラミネート法で他の基材8をラミネートする場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体や、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂等の接着性を有する樹脂を用いて接着層9を形成できる。
〔包装材料用前駆体の製造方法〕
包装材料用前駆体30は、例えば、以下の(γ1)、(γ2)および(γ3)の工程を含む製造方法により製造できる。
(γ1):支持体1の一方の表面に下記のガスバリア層用塗液を塗布し乾燥させてガスバリア層2を形成する工程。
(γ2):ガスバリア層2の表面に下記の保護層用塗液を塗布し乾燥させて保護層3を形成する工程。
(γ3):保護層3の上に、接着層9を介して他の基材8をラミネートする工程。
(工程(γ1))
工程(γ1)は、第1実施形態における工程(α1)と同様にして行うことができる。
(工程(γ2))
工程(γ2)は、第1実施形態における工程(α2)と同様にして行うことができる。
(工程(γ3))
他の基材8のラミネート方法としては、特に限定されず、例えばドライラミネート法、押出しラミネート法が挙げられる。
ドライラミネート法の際の接着剤の塗工方法としては、特に限定されず、例えばグラビアコート法が挙げられる。
〔用途〕
包装材料用前駆体30は、包装材料31の前駆体として、あるいは被包装物を包装材料31で包装した包装体の製造用として有用である。
<包装材料>
包装材料31は、ガスバリア層2の代わりにガスバリア層4を有すること以外は包装材料用前駆体30と同様である。包装材料31は、支持体1とガスバリア層4と保護層3とがこの順に隣接して積層した積層構造と、前記積層構造の保護層3側の面に接着層9を介して積層した他の基材8とを備える。
包装材料31は、包装材料用前駆体30を熱水処理することにより得ることができる。
熱水処理は前記と同様である。
包装材料31、すなわち熱水処理を行った後の包装材料用前駆体30の好ましい酸素透過度は第1実施形態と同様である。
<包装体の製造方法>
包装材料用前駆体30を用いて被包装物を包装し、熱水処理することで、被包装物を包装材料31で包装した包装体を得ることができる。
被包装物の包装および熱水処理は第1実施形態と同様に行うことができる。
他の基材8がシーラント層として機能する場合、包装材料用前駆体30の他の基材8側の面同士を対向させて外縁部をヒートシールすることで、袋状にすることができる。袋の形態としては、例えば三方シールや、四方シール、スタンディングパウチ、ピロー包装等が挙げられる。
≪第4実施形態≫
図7は、本発明の第4実施形態の包装材料用前駆体110の模式断面図である。図8は、包装材料用前駆体110から得た包装材料111の模式断面図である。
本実施形態の包装材料用前駆体110は、支持体101と中間層103とガスバリア層102とがこの順に隣接して積層した積層構造を備える。つまり、本実施形態の包装材料用前駆体110においては、中間層103が支持体101の上に直接設けられ、ガスバリア層102が中間層103の上に直接設けられている。
包装材料111は、ガスバリア層102がガスバリア層104になっていること以外は包装材料用前駆体110と同様である。
<包装材料用前駆体>
〔支持体〕
本実施形態の支持体101は、第1実施形態の支持体1と同様の構成を有する。
〔中間層〕
本実施形態の中間層103は、支持体101の一方の表面に形成される。それ以外は、第1実施形態の保護層と同様の構成を有する。つまり、中間層103は、第1実施形態の保護層と同様の多価金属成分と、ポリエステル樹脂と、分散剤とを含む。 中間層103は、第1実施形態の保護層と同様のイソシアネート化合物をさらに含むことが好ましい。
中間層103は、多価金属成分、ポリエステル樹脂、分散剤およびイソシアネート化合物以外の他の成分を、第1実施形態の保護層と同様にさらに含んでもよい。中間層103にイソシアネート化合物が含まれると、中間層103の成膜性、耐熱水性、ガスバリア層102や支持体101との密着性がより優れる。
〔ガスバリア層〕
本実施形態のガスバリア層102は、支持体101の一方の表面に形成された中間層103上に形成される。それ以外は、第1実施形態のガスバリア層2と同様の構成を有する。つまり、本実施形態のガスバリア層102は、第1実施形態のガスバリア層2と同様のポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物(以下、「ケイ素化合物(i)」ともいう。)とを含む層である。
ガスバリア層102は、必要に応じて、ポリカルボン酸系重合体およびケイ素化合物(i)以外の他の成分を、第1実施形態のガスバリア層2と同様に、さらに含有してもよい。
〔包装材料用前駆体の製造方法〕
包装材料用前駆体110は、例えば、以下の(α11)および(α12)の工程を含む製造方法により製造できる。
(α11):支持体101の一方の表面に下記の中間層用塗液を塗布し乾燥させて中間層103を形成する工程。
(α12):ガスバリア層102の表面に下記のガスバリア層用塗液を塗布し乾燥させてガスバリア層102を形成する工程。
(中間層用塗液)
中間層用塗液は、多価金属成分と、ポリエステル樹脂と、分散剤と、液状媒体とを含む。中間層用塗液は、イソシアネート化合物をさらに含むことが好ましい。中間層用塗液は、必要に応じて、多価金属成分、ポリエステル樹脂、分散剤およびイソシアネート化合物以外の他の成分をさらに含んでもよい。
多価金属成分、ポリエステル樹脂、分散剤、イソシアネート化合物、他の成分はそれぞれ、前述の中間層103における多価金属成分、ポリエステル樹脂、分散剤、イソシアネート化合物、他の成分と同様であり、好ましい態様も同様である。
液状媒体としては、特に限定が無く、水、有機溶剤、水と有機溶剤との混合溶媒等を用いることができる。
有機溶剤としては、塗工性、乾燥効率向上の観点から、例えばエタノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらの有機溶剤が中間層用塗液に含まれる場合には1種単独で含まれていても2種以上が含まれていてもよい。
液状媒体としては、水、または水と有機溶剤との混合溶媒が好ましい。水と有機溶剤との混合溶媒としては、上述した有機溶剤を用いた混合溶媒が好ましく、水が20〜95質量%の量で存在し、該有機溶剤が80〜5質量%の量で存在するものが特に好ましい。
中間層用塗液の固形分濃度は、3〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
固形分濃度は、中間層用塗液の全量(100質量%)に対する全固形分の割合である。
中間層用塗液の全固形分は、中間層用塗液中の多価金属成分と、ポリエステル樹脂と、分散剤と、イソシアネート化合物と、他の成分のうち固体であるものとの合計量(イソシアネート化合物を含まない場合や他の成分のうち固体であるものを含まない場合を含む。)である。
中間層用塗液における多価金属成分の含有量は、中間層用塗液の全固形分(100質量%)に対し、40〜90質量%であり、50〜85質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましい。
中間層用塗液におけるポリエステル樹脂の含有量は、中間層用塗液の全固形分に対して10〜60質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
中間層用塗液における分散剤の含有量は、多価金属成分に対して2〜20質量%であり、2〜15質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
中間層用塗液がイソシアネート化合物を含む場合、中間層用塗液におけるイソシアネート化合物の含有量は、中間層用塗液の全固形分に対して1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。
中間層用塗液中、他の成分のうち固体であるものの含有量は、中間層用塗液の全固形分に対し、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましい。つまり、中間層用塗液中の多価金属成分とポリエステル樹脂と分散剤とイソシアネート化合物との合計量は、全固形分に対し、95質量%超が好ましく、97質量%超がより好ましい。
中間層用塗液の調製方法としては、特に限定はなく、上述の各成分を、均一になるように混合することにより中間層用塗液を得ることができる。
本発明において、ポリエステル樹脂は、前述のようにポリエステル樹脂水性分散体に由来することが好ましく、中間層用塗液の調製方法としては、多価金属成分、ポリエステル樹脂水性分散体、分散剤、および必要に応じて水、イソシアネート化合物、他の成分を混合する方法が好ましい。
中間層用塗液の調製方法の好ましい例としては、蒸留水に酸化亜鉛超微粒子および分散剤を加え、酸化亜鉛超微粒子の一次粒子の凝集を解砕し、分散することにより、酸化亜鉛超微粒子の水性分散体を得て、該酸化亜鉛超微粒子の水性分散体に蒸留水、ポリエステル樹脂水性分散体および水分散性イソシアネート化合物を加えて攪拌し、必要に応じて、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を加えて攪拌することにより中間層用塗液を得る方法が挙げられる。
前記酸化亜鉛超微粒子の水性分散体を得る際の凝集の解砕には、ビーズミル、高速攪拌機等を用いることができる。特にビーズミルを用いると、得られる包装材料用前駆体のヘイズが小さくなる傾向があり好ましい。
中間層用塗液の調製方法の他の好ましい例としては、あらかじめ水分散性イソシアネート化合物に蒸留水を加えて攪拌し、水分散性イソシアネート化合物の水性分散体を得て、別途、上記と同様の方法で酸化亜鉛超微粒子の水性分散体を得て、該酸化亜鉛超微粒子の水性分散体にポリエステル樹脂水性分散体を加え、得られた分散液に前記水分散性イソシアネート化合物の水性分散体を加えて攪拌し、必要に応じて、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を加えて攪拌することにより中間層用塗液を得る方法が挙げられる。
(ガスバリア層用塗液)
本実施形態のガスバリア層用塗液は、ポリカルボン酸系重合体と、ケイ素化合物(i)と、水とを含む。ガスバリア層用塗液は、必要に応じて、ポリカルボン酸系重合体およびケイ素化合物(i)以外の他の成分をさらに含有してもよい。ガスバリア層用塗液は、有機溶剤をさらに含んでもよい。
ガスバリア層用塗液におけるポリカルボン酸系重合体は、カルボキシル基の多価金属による中和度が20〜50モル%である以外は、前述のガスバリア層102におけるポリカルボン酸系重合体と同様であり、好ましい態様も同様である。
ポリカルボン酸系重合体を含むガスバリア層用塗液を中間層103の表面に塗布すると、塗液が乾燥するまでの間に中間層103から多価金属イオンが供給され、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の多価金属イオンによるイオン架橋反応が進む。このとき、カルボキシル基の中和度が低いほど、イオン架橋反応が進みやすい。
上記中和度が20モル%未満であると、イオン架橋反応が急速に進み、ガスバリア層102の比(α/β)が50モル%以上になってしまう。
上記中和度が50モル%より大きいと、ガスバリア層用塗液がゲル化し、塗布が困難になる。
なお、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基は、中間層103に近いほどイオン架橋されやすいと考えられる。したがって、ガスバリア層102中の多価金属によるイオン架橋度は、中間層103に近いほど高くなっていると考えられる。例えば上記中和度が20モル%の場合、ガスバリア層102中では、中間層103との界面付近からその反対側の表面付近にかけて、イオン架橋度が100モル%から20モル%まで変化し、全体としてのイオン架橋度が50モル%程度になっていることが考えられる。
一方、上記中和度が0モル%である場合、乾燥するまでの間にカルボキシル基が完全にイオン架橋してしまい、中間層103との界面付近からその反対側の表面付近にかけてのイオン架橋度の傾斜がなく、イオン架橋度が全て100モル%になると考えられる。
ガスバリア層用塗液におけるケイ素化合物(i)、他の成分はそれぞれ、前述のガスバリア層102におけるケイ素化合物(i)、他の成分と同様であり、好ましい態様も同様である。
有機溶剤としては、炭素数1〜5の低級アルコールおよび炭素数3〜5の低級ケトンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
ガスバリア層用塗液の塗布性の観点からは、有機溶剤として炭素数1〜5の低級アルコールを含むことが特に好ましい。
有機溶剤の含有量は、水と有機溶剤との合計を100質量%としたときに、水が20〜95質量%の量で存在し、該有機溶剤が80〜5質量%の量で存在する量が好ましい。
ガスバリア層用塗液におけるケイ素化合物(i)の含有量は、前記ポリカルボン酸系重合体(100質量%)に対して2〜25質量%であり、2〜20質量%が好ましい。ケイ素化合物(i)の含有量が上記範囲内であれば、ガスバリア層102と支持体101との密着性に優れ、また、包装材料用前駆体110から得られる包装材料の耐水性がより優れ、冷水にさらされた際に白化しにくい。
ここで、加水分解性シラン化合物以外のケイ素化合物(i)の質量は、前述のとおり、加水分解性シラン化合物換算の質量である。
ガスバリア層用塗液における他の成分の含有量は、ポリカルボン酸系重合体(100質量%)に対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
ガスバリア層用塗液においては、ガスバリア性および塗工性の観点から、ガスバリア層用塗液中のポリカルボン酸系重合体と、ケイ素化合物(i)と、必要に応じて含まれる他の成分との合計含有量(固形分質量)が、ガスバリア層用塗液の総質量に対して、0.5〜50質量%であることが好ましく、0.8〜30質量%であることがより好ましく、1.0〜20質量%であることが特に好ましい。
ガスバリア層用塗液におけるポリカルボン酸系重合体とケイ素化合物(i)との合計の含有量は、ガスバリア層用塗液中の固形分質量に対し、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
加水分解性シラン化合物以外のケイ素化合物(i)の質量は、前記と同様、加水分解性シラン化合物換算の質量である。
本実施形態のガスバリア層用塗液は、各成分を混合することにより調製できる。
ポリカルボン酸系重合体は、既に上記中和度が20〜50モル%となっているものを用いてもよく、上記中和度が0モル%のポリカルボン酸系重合体を用い、ガスバリア層用塗液の調製時に上記中和度を20〜50モル%としてもよい。例えば上記中和度が0モル%のポリカルボン酸系重合体と多価金属成分と水とを混合すると、ポリカルボン酸系重合体と多価金属成分とが反応してカルボキシル基が中和される。多価金属成分の配合量によって中和度を調整できる。
ガスバリア層用塗液がケイ素化合物(i)として加水分解縮合物を含む場合には、加水分解性シラン化合物を、ポリカルボン酸系重合体および水を含む液に直接混合してガスバリア層用塗液を調製してもよく、加水分解性シラン化合物に水を加えることによって、加水分解およびそれに続く縮合反応を行い、得られた加水分解縮合物を、ポリカルボン酸系重合体と混合してガスバリア層用塗液を調製してもよい。
(工程(α11))
支持体101上に中間層用塗液を塗布し、中間層用塗液の液状媒体を乾燥により除去することによって中間層103が形成される。
中間層用塗液の塗工方法としては、特に限定されず、例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
乾燥の方法としては特に限定は無く、例えば熱風乾燥法、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等の方法が挙げられ、該方法は単独または組み合わせて行ってもよい。乾燥温度としては特に限定は無いが、通常は50〜160℃が好ましい。また乾燥の際の圧力は通常は常圧または減圧下で行うことが好ましく、設備の簡便性の観点から常圧で行うことが好ましい。
(工程(α12))
工程(α11)で形成した中間層103の表面にガスバリア層用塗液を塗布し、乾燥によりガスバリア層用塗液中の水(有機溶剤を含む場合は有機溶剤も)除去することによってガスバリア層102が形成される。
ガスバリア層用塗液の塗工方法としては、特に限定されず、例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
乾燥の方法としては特に限定は無く、例えば熱風乾燥法、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等の方法が挙げられ、該方法は単独または組み合わせて行ってもよい。乾燥温度としては特に限定は無いが、溶媒として上述した水や、水と有機溶剤との混合溶媒を用いる場合には、通常は50〜160℃が好ましい。また乾燥の際の圧力は通常は常圧または減圧下で行うことが好ましく、設備の簡便性の観点から常圧で行うことが好ましい。
ガスバリア層102に含まれるケイ素化合物(i)中の縮合物の割合を増加させる目的で、乾燥が終了(または、ほぼ終了)した時点で、熱処理を行ってもよい。前記熱処理としては通常は、温度120〜240℃、好ましくは150〜230℃で、通常は10秒〜30分、好ましくは20秒〜20分行われる。
なお、前記乾燥および熱処理は、温度等の条件が重複する部分があるが、これらは明確に区別される必要は無く、連続的に行われてもよい。
〔用途〕
包装材料用前駆体110は、以下に示すような包装材料の前駆体として、あるいは被包装物を包装材料で包装した包装体の製造用として有用である。
<包装材料>
本実施形態の包装材料111は、ガスバリア層102の代わりにガスバリア層104を有すること以外は包装材料用前駆体110と同様であり、支持体101と中間層103とガスバリア層104とがこの順に隣接して積層した積層構造を備える。
包装材料111のガスバリア層104は、前記1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、前記1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が7以上であること以外は、包装材料用前駆体110のガスバリア層102と同様である。
包装材料111は、包装材料用前駆体110を熱水処理することにより得ることができる。
熱水処理としては、レトルト処理、ボイル処理等が挙げられる。レトルト処理、ボイル処理については、この後の包装体の製造方法で詳しく説明する。
包装材料用前駆体110を熱水処理すると、水分がガスバリア層102および中間層103に供給され、ガスバリア層102に含まれるポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の多価金属イオンによるイオン架橋が進み、比(α/β)が1以上7未満の範囲から7以上に増大し、ガスバリア層102がガスバリア層104となる。これにより包装材料111が得られる。
熱水処理前のガスバリア層102の比(α/β)が1以上7未満であれば、支持体101を介して供給される水分によってガスバリア層102が膨張しにくい。熱水処理後の比(α/β)が7以上であれば、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基のイオン架橋度が充分に高い。そのため、熱水処理後のガスバリア層104の架橋密度が充分に高くなり、ガスバリア層104が、高湿度条件下であっても優れたガスバリア性を発揮する。
包装材料111、すなわち熱水処理を行った後の包装材料用前駆体110の酸素透過度は、50cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることが好ましく、20cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることがより好ましく、10cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることがさらに好ましい。該酸素透過度は低いほど好ましく、その下限としては特に限定はないが通常は0.1cm/(m・day・MPa)以上である。
上記酸素透過度は、ASTM F1927−98(2004)に準拠して、温度30℃、相対湿度(RH)70%の条件で測定される値である。(STP)は、酸素の体積を規定するための標準条件(0℃、1気圧)を意味する。
<包装体の製造方法>
第1実施形態の包装体の製造方法と同様の方法を用いて、包装材料用前駆体110を用いて被包装物を包装し、熱水処理することで、被包装物を包装材料111で包装した包装体を得ることができる。
≪第5実施形態≫
図9は、本発明の第5実施形態の包装材料用前駆体120の模式断面図である。図10は、包装材料用前駆体120から得た包装材料121の模式断面図である。なお、以下に示す実施形態において、前出の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の包装材料用前駆体120は、支持体107と中間層103とガスバリア層102とがこの順に隣接して積層した積層構造を備える。つまり、本実施形態の包装材料用前駆体120においては、中間層103が支持体107の上に直接設けられ、ガスバリア層102が中間層103の上に直接設けられている。
支持体107は、基材105と、基材105の片面(中間層103側)に隣接して設けられたアンカーコート層106とからなる。
包装材料121は、ガスバリア層102がガスバリア層104になっていること以外は包装材料用前駆体120と同様である。
<包装材料用前駆体>
(支持体)
支持体107の水蒸気透過度は、支持体101の水蒸気透過度と同様、100g/m以上であり、120g/m以上がより好ましい。
支持体107を構成する基材105としては、第4実施形態の支持体101と同様のものが挙げられる。ただし、アンカーコート層106が積層した状態での水蒸気透過度が100g/m以上である必要がある。
アンカーコート層106は、基材105と中間層103との密着性を高めるために設けられている。
アンカーコート層106は、第2実施形態のアンカーコート層6と同様の構成を有することができる。
〔包装材料用前駆体の製造方法〕
包装材料用前駆体120は、例えば、以下の(β11)、(β12)および(β13)の工程を含む製造方法により製造できる。
(β11):基材105の一方の面上にアンカーコート層106を形成して支持体107を得る工程。
(β12):支持体107のアンカーコート層106側の表面に中間層用塗液を塗布し乾燥させて中間層103を形成する工程。
(β13):ガスバリア層102の表面にガスバリア層用塗液を塗布し乾燥させてガスバリア層102を形成する工程。
中間層用塗液、ガスバリア層用塗液はそれぞれ第4実施形態と同様である。
(工程(β11))
アンカーコート層106の形成方法は特に限定されず、公知の方法を適宜選択できる。例えば、アンカーコート層用塗液を塗布し乾燥することによりアンカーコート層106を形成できる。
アンカーコート層用塗液としては、前述の樹脂またはその前駆体と、溶媒と、必要に応じて添加剤を含むものが挙げられる。樹脂またはその前駆体としては、ポリウレタン系、ポリエステル系またはアクリル系のポリマー材料が好ましく、中でも、ポリウレタン系ポリマー材料である、ポリエステル系ポリオールを含有する主剤と、イソシアネートを含有する硬化剤からなる二液型のアンカーコート剤が好ましい。
(工程(β12))
工程(β12)は、第4実施形態における工程(α11)と同様にして行うことができる。
(工程(β13))
工程(β13)は、第4実施形態における工程(α12)と同様にして行うことができる。
工程(β11)にて基材105上にアンカーコート層106を形成した後、または工程(β12)にて中間層103を形成した後、または工程(β13)にてガスバリア層102を形成した後に、熟成処理を行ってもよい。熟成処理としては、通常30〜200℃、好ましくは30〜150℃の温度条件で、0.5〜10日、好ましくは1〜7日間保持する処理が挙げられる。
ガスバリア層102に含まれるケイ素化合物(i)中の縮合物の割合を増加させる目的で、工程(β13)での乾燥が終了(または、ほぼ終了)した時点、または工程(β13)の後に前記熟成処理を行い、この熟成処理が終了した時点で、熱処理を行ってもよい。前記熱処理としては通常は、温度120〜240℃、好ましくは150〜230℃で、通常は10秒〜30分、好ましくは20秒〜20分行われる。
なお、前記乾燥、熱処理および熟成処理は、温度等の条件が重複する部分があるが、これらは明確に区別される必要は無く、連続的に行われてもよい。
〔用途〕
包装材料用前駆体120は、包装材料121の前駆体として、あるいは被包装物を包装材料121で包装した包装体の製造用として有用である。
<包装材料>
包装材料121は、ガスバリア層102の代わりにガスバリア層104を有すること以外は包装材料用前駆体120と同様であり、支持体107と中間層103とガスバリア層104とがこの順に隣接して積層した積層構造を備える。
包装材料121は、包装材料用前駆体120を熱水処理することにより得ることができる。
熱水処理は前記と同様である。
包装材料121、すなわち熱水処理を行った後の包装材料用前駆体120の好ましい酸素透過度は第4実施形態と同様である。
<包装体の製造方法>
包装材料用前駆体120を用いて被包装物を包装し、熱水処理することで、被包装物を包装材料121で包装した包装体を得ることができる。
被包装物の包装および熱水処理は第4実施形態と同様に行うことができる。
≪第6実施形態≫
図11は、本発明の第6実施形態の包装材料用前駆体130の模式断面図である。図12は、包装材料用前駆体130から得た包装材料131の模式断面図である。
本実施形態の包装材料用前駆体130は、支持体101と中間層103とガスバリア層102とがこの順に隣接して積層した積層構造と、前記積層構造のガスバリア層102側の面に接着層109を介して積層した他の基材108とを備える。つまり、本実施形態の包装材料用前駆体130においては、中間層103が支持体101の上に直接設けられ、ガスバリア層102が中間層103の上に直接設けられている。
包装材料131は、ガスバリア層102がガスバリア層104になっていること以外は包装材料用前駆体130と同様である。
<包装材料用前駆体>
(他の基材)
他の基材108は、包装材料用前駆体130や包装材料131に任意の物性を付与するために用いられる。具体的には、他の基材108によって、強度付与や、シール性やシール時の易開封性付与、意匠性付与、光遮断性付与、防湿性付与等が可能である。さらに、レトルト処理、ボイル処理等を施す際に、ガスバリア層102が熱水や蒸気に直接さらされず、外観が良好となる。
他の基材108としては、目的に応じて適宜選択されるが、プラスチックフィルム類が好ましい。他の基材108は、二層以上の層を有する積層体であってもよい。
他の基材108の材質としては、例えば、ポリオレフィン、ナイロン、無機蒸着ナイロン等が挙げられる。
他の基材108の厚みは、1〜1000μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましい。
(接着層)
接着層は、中間層103と他の基材108とを接着する層である。
接着層109の材質としては、特に限定はない。例えばドライラミネート法で他の基材108をラミネートする場合には、一液型や二液型のポリウレタン系接着剤やアクリル系接着剤を用いて接着層109を形成できる。押出しラミネート法で他の基材108をラミネートする場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂等の接着性を有する樹脂を用いて接着層109を形成できる。
〔包装材料用前駆体の製造方法〕
包装材料用前駆体130は、例えば、以下の(γ11)、(γ12)および(γ13)の工程を含む製造方法により製造できる。
(γ11):支持体101の一方の表面に下記の中間層用塗液を塗布し乾燥させて中間層3を形成する工程。
(γ12):ガスバリア層102の表面に下記のガスバリア層用塗液を塗布し乾燥させてガスバリア層102を形成する工程。
(γ13):ガスバリア層102の上に、接着層109を介して他の基材108をラミネートする工程。
(工程(γ11))
工程(γ11)は、第4実施形態における工程(α11)と同様にして行うことができる。
(工程(γ12))
工程(γ12)は、第4実施形態における工程(α12)と同様にして行うことができる。
(工程(γ13))
他の基材108のラミネート方法としては、特に限定されず、例えばドライラミネート法、押出しラミネート法が挙げられる。
ドライラミネート法の際の接着剤の塗工方法としては、特に限定されず、例えばグラビアコート法が挙げられる。
〔用途〕
包装材料用前駆体130は、包装材料131の前駆体として、あるいは被包装物を包装材料131で包装した包装体の製造用として有用である。
<包装材料>
包装材料131は、ガスバリア層102の代わりにガスバリア層104を有すること以外は包装材料用前駆体130と同様であり、支持体101と中間層103とガスバリア層104とがこの順に隣接して積層した積層構造と、前記積層構造の中間層103側の面に接着層109を介して積層した他の基材108とを備える。
包装材料131は、包装材料用前駆体130を熱水処理することにより得ることができる。
熱水処理は前記と同様である。
包装材料131、すなわち熱水処理を行った後の包装材料用前駆体130の好ましい酸素透過度は第4実施形態と同様である。
<包装体の製造方法>
包装材料用前駆体130を用いて被包装物を包装し、熱水処理することで、被包装物を包装材料131で包装した包装体を得ることができる。
被包装物の包装および熱水処理は第4実施形態と同様に行うことができる。
他の基材108がシーラント層として機能する場合、包装材料用前駆体130の他の基材108側の面同士を対向させて外縁部をヒートシールすることで、袋状にすることができる。袋の形態としては、例えば三方シール、四方シール、スタンディングパウチ、ピロー包装等が挙げられる。
以上、第1実施形態〜第6実施形態を示して本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
例えば、第3実施形態において、支持体1の代わりに支持体7を用いてもよい。また、意匠性付与、光遮断性付与、防湿性付与などの観点から、他の基材8に印刷や蒸着が施されていてもよい。
また、第6実施形態において、支持体101の代わりに支持体107を用いてもよい。意匠性付与、光遮断性付与、防湿性付与などの観点から、他の基材108に印刷や蒸着が施されていてもよい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下で用いた評価方法を以下に示す。
<評価方法>
[ラミネーション]
実施例1〜9、および比較例1〜7で得られた包装材料用前駆体の保護層側の面に、接着剤を用い、HIRANO TECSEED製マルチコーターTM−MCにて、CPP(ポリプロピレンフィルム)と貼り合わせた。さらに、実施例10〜18、および比較例8〜15で得られた包装材料用前駆体の保護層側の面に、接着剤を用い、HIRANO TECSEED製マルチコーターTM−MCにて、CPP(ポリプロピレンフィルム)と貼り合わせた。このように、包装材料用前駆体/接着層/CPPの構成のラミネートフィルムとした。接着剤は、三井化学ポリウレタン製2液硬化型接着剤タケラック(登録商標)A620(主剤)/タケネート(登録商標)A65(硬化剤)を使用した。CPPは、東レフィルム加工製ポリプロピレンフィルム トレファン(登録商標)ZK93KM(厚さ60μm)を使用した。得られたラミネートフィルムは貼り合わせ後、40℃にて3日間養生した。
[屈曲による虐待試験]
上記ラミネーションにより得られたラミネートフィルムに、テスター産業製ゲルボフレックステスターにて、50回の屈曲を与えた。
[製袋および水充填]
上記ラミネーションにより得られた得られたラミネートフィルムまたは上記虐待試験後のラミネートフィルムのCPP面同士をインパルスシーラーで貼り合わせることにより100mm×140mmの大きさの三方パウチを作製した。この三方パウチに水100gを充填した。
[レトルト処理]
水を充填した三方パウチに対し、日阪製作所(株)製貯湯式レトルト釜:RCS−60/10TGを用い、処理温度120℃、処理時間30分間、処理槽圧力2kg(0.2MPa)の条件でレトルト処理を実施した。その後、三方パウチから水を除去し、三方パウチを構成するラミネートフィルムの酸素透過度を測定した。
[酸素透過度(OTR)の測定]
ラミネートフィルムの酸素透過度は、Modern Control社製酸素透過試験器OXTRAN(登録商標)2/20を用いて、温度30℃、相対湿度70%の条件下で測定した。測定方法は、ASTM F1927−98(2004)に準拠し、測定値は、単位cm(STP)/(m・day・MPa)で表記した。(STP)は酸素の体積を規定するための標準条件(0℃、1気圧)を意味する。
虐待試験を行っていないラミネートフィルムのOTRを「レトルト後OTR」、虐待試験を行ったラミネートフィルムのOTRを「虐待後レトルトOTR」とも記す。
[水蒸気透過度の測定]
実施例および比較例で得られた包装材料用前駆体(CPPをラミネートしていない構成)の水蒸気透過度は、Modern Control社製のPERMATRAN−W 3/31を用いて、温度40℃、相対湿度90%における透湿度(WVTR)を測定した。
測定方法は、ASTM F1249−01に準拠し、測定値は、単位g/(m・day)で表記した。
[赤外線吸収スペクトルの測定]
上記ラミネーションにより得られた得られたラミネートフィルムのガスバリア層の赤外線吸収スペクトルを、上記レトルト処理を行う前および行った後に、以下の手順で測定した。1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)を求めた。
実施例1〜9、および比較例1〜7について、まず、ラミネートフィルムのCPPフィルムを剥離した。その後、接着剤をトルエン等の有機溶媒を用いて溶解し、さらに2−プロパノール等のアルコール類を用いて保護層を剥がしガスバリア層を露出した。次に、露出したガスバリア層について、Perkin−Elmer社製FT−JR1710を用いてATR法によって赤外線吸収スペクトルを測定した。
実施例10〜18、および比較例8〜15については、まず、ラミネートフィルムのCPPフィルムを剥離した。その後、接着剤をトルエン等の有機溶媒を用いて溶解し、ガスバリア層を露出した。次に、露出したガスバリア層について、Perkin−Elmer社製FT−JR1710を用いてATR法によって赤外線吸収スペクトルを測定した。
<アンカーコート層用の塗液Aの調製>
[塗液A−1の調製]
ポリオール、Si剤、硬化剤および酢酸エチルを表1に示す配合で混合し、塗液A−1を調製した。
ポリオールとして、三菱レイヨン製ダイヤナールLR209(アクリルポリオール)を用いた。Si剤として、信越シリコーン製KBE9007(3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン)を用いた。硬化剤として、三井化学ポリウレタン製タケネートA56(イソホロンジイソシアネート(IPDI)・キシリレンジイソシアネート(XDI))を用いた。酢酸エチルとして、東京化成工業製酢酸エチルを用いた。
表1中、固形分濃度の「%」は「質量%」であり、以下においても同様である。
Figure 2017104695
[塗液A−2の調製]
ポリオール、硬化剤および酢酸エチルを表2に示す配合で混合し、塗液A−2を作製した。
ポリオールとして、三井化学ポリウレタン製タケラックA525(ポリエステルポリオール)を用いた。硬化剤として、三井化学ポリウレタン製タケネートA52(ジイソシアネート)を用いた。酢酸エチルとして、東京化成工業製酢酸エチルを用いた。
Figure 2017104695
<ガスバリア層用の塗液Bの調製>
ポリカルボン酸系重合体、多価金属化合物、Si剤、蒸留水および2−プロパノールを表3に示す配合で混合し、塗液B(B−1、B−2、B−3、B−4、B’−1、B’−2、B’−3、B’−4)を調製した。
ポリカルボン酸系重合体として、東亞合成製アロンA10−H(ポリアクリル酸、中和度0モル%)を用いた。多価金属化合物として、東京化成工業製酸化亜鉛(酸化亜鉛)を用いた。ケイ素化合物として、信越シリコーン製KBM403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を用いた。2−プロパノールとして、東京化成工業製2−プロパノールを用いた。
表3中、中和度は、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基のモル数に対する多価金属化合物の多価金属原子換算のモル数の割合(モル%)として求めた。Si剤量は、ポリカルボン酸系重合体に対するSi剤の割合(質量%)である。
Figure 2017104695
<保護層用及び中間層用の塗液Tの調製>
多価金属化合物、分散剤および水を表4に示す配合で混合し、塗液Taを調製した。
多価金属化合物として、堺化学工業製FINEX50(酸化亜鉛超微粒子、平均一次粒子径20nm)を用いた。分散剤として、東亞合成製アロン(登録商標)T−50(ポリアクリル酸ナトリウム、平均分子量6000)を用いた。攪拌にはプライミクス製T.Kフィルミックス(高速攪拌機)を使用した。
得られた塗液Ta、ポリエステル樹脂、イソシアネート化合物、溶媒として水および2−プロパノールを表4に示す配合で混合し、塗液T(T−1〜T−3、T’−1、T’−2)を調製した。
ポリエステル系樹脂として、ユニチカ製エリーテルKT−8803(ポリエステル樹脂)を用いた。イソシアネート化合物として、Henkel製Liofol Hardener UR5889−21(ヘキサメチレンジイソシアネートポリマー)を用いた。2−プロパノールとして、東京化成工業製2−プロパノールを用いた。
表4中、多価金属化合物率は、塗液Tの全固形分に対する多価金属化合物の割合(質量%)であり、分散剤比率は、多価金属成分に対する分散剤の割合(質量%)である。
Figure 2017104695
<実施例1:Ny/B−1/T−1>
延伸ナイロン(Ny)フィルムの片面上に、上記塗液B−1、T−1を順次、乾燥後の厚さがそれぞれ0.3μm、0.3μmになるように、バーコーターを用いて塗布、乾燥させた。こうして、Ny/ガスバリア層/保護層の構成の包装材料用前駆体を得た。延伸Nyフィルムとして、ユニチカ製延伸ナイロンフィルム エンブレムONBC(厚さ15μm)を使用した。この延伸Nyフィルムの水蒸気透過度は150g/mであった。
得られた包装材料用前駆体について、前述の評価([ラミネーション]〜[水蒸気透過度の測定])を行った。結果を表5に示す。
<実施例2:Ny/A−1/B−1/T−1>
延伸Nyフィルムの片面上に、上記塗液A−1を、乾燥後の厚さが0.2μmになるようにバーコーターを用いて塗布、乾燥させてアンカーコート層を形成した。こうして、Ny/A−1の構成の支持体を得た。延伸Nyフィルムとして、ユニチカ製延伸ナイロンフィルム、エンブレムONBC(厚さ15μm)を使用した。支持体の水蒸気透過度は150g/mであった。
上記支持体のアンカーコート層上に、上記塗液B−1、T−1を順次、乾燥後の厚さがそれぞれ0.3μm、0.3μmになるように、バーコーターを用いて塗布、乾燥させた。こうして、Ny/アンカーコート層/ガスバリア層/保護層の構成の包装材料用前駆体を得た。得られた包装材料用前駆体について、前述の評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例3:Ny/B−1/T−2>
塗液T−1の代わりに塗液T−2を使用したこと以外は実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例4:Ny/B−1/T−3>
塗液T−1の代わりに塗液T−3を使用したこと以外は実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例5:Ny/B−2/T−1>
塗液B−1の代わりに塗液B−2を使用したこと以外は実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例6:Ny/A−2/B−1/T−1>
塗液A−1の代わりに塗液A−2を使用したこと以外は実施例2と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。支持体の水蒸気透過度は150g/mであった。
<実施例7>
上記塗液T−1における分散剤の代わりに、日本触媒製アクアリックDL40S(ポリアクリル酸ナトリウム、固形分(溶質)濃度40%、平均分子量3500)を使用したこと以外は上記と同様にして塗液T−4を調製した。
塗液T−1の代わりに塗液T−4を使用したこと以外は実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例8>
上記塗液T−1における分散剤の代わりに、東亞合成製アロンA−6330(アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム、固形分(溶質)濃度40%、平均分子量10000)を使用したこと以外は上記と同様にして塗液T−5を調製した。
塗液T−1の代わりに塗液T−5を使用したこと以外は実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例9>
上記塗液T−1における分散剤の代わりに、花王製ポイズ520(アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム、固形分(溶質)濃度40%、平均分子量4000)を使用したこと以外は上記と同様にして塗液T−6を調製した。
塗液T−1の代わりに塗液T−6を使用したこと以外は実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例10:Ny/T−1/B−3>
延伸ナイロン(Ny)フィルムの片面上に、上記塗液T−1、B−3を順次、乾燥後の厚さがそれぞれ0.3μm、0.3μmになるように、バーコーターを用いて塗布、乾燥させた。こうして、Ny/中間層/ガスバリア層の構成の包装材料用前駆体を得た。延伸Nyフィルムは、ユニチカ製延伸ナイロンフィルム エンブレムONBC(厚さ15μm)を使用した。この延伸Nyフィルムの水蒸気透過度は150g/mであった。
得られた包装材料用前駆体について、前述の評価([ラミネーション]〜[水蒸気透過度の測定])を行った。結果を表5に示す。
<実施例11:Ny/A−1/T−1/B−3>
延伸Nyフィルムの片面上に、上記塗液A−1を、乾燥後の厚さが0.2μmになるようにバーコーターを用いて塗布、乾燥させてアンカーコート層を形成し、Ny/A−1の構成の支持体を得た。延伸Nyフィルムは、ユニチカ製延伸ナイロンフィルム、エンブレムONBC(厚さ15μm)を使用した。支持体の水蒸気透過度は150g/mであった。
上記支持体のアンカーコート層上に、上記塗液T−1、B−3を順次、乾燥後の厚さがそれぞれ0.3μm、0.3μmになるように、バーコーターを用いて塗布、乾燥させ、Ny/アンカーコート層/中間層/ガスバリア層の構成の包装材料用前駆体を得た。得られた包装材料用前駆体について、前述の評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例12:Ny/T−2/B−3>
塗液T−1の代わりに塗液T−2を使用したこと以外は実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例13:Ny/T−3/B−3>
塗液T−1の代わりに塗液T−3を使用したこと以外は実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例14:Ny/T−1/B−4>
塗液B−3の代わりに塗液B−4を使用したこと以外は実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例15:Ny/A−2/T−1/B−3>
塗液A−1の代わりに塗液A−2を使用したこと以外は実施例11と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。支持体の水蒸気透過度は150g/mであった。
<実施例16>
上記塗液T−1における分散剤の代わりに、日本触媒製アクアリックDL40S(ポリアクリル酸ナトリウム、固形分(溶質)濃度40%、平均分子量3500)を使用したこと以外は上記と同様にして塗液T−4を調製した。
塗液T−1の代わりに塗液T−4を使用した以外は実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例17>
上記塗液T−1における分散剤の代わりに、東亞合成製アロンA−6330(アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム、固形分(溶質)濃度40%、平均分子量10000)を使用したこと以外は上記と同様にして塗液T−5を調製した。
塗液T−1の代わりに塗液T−5を使用した以外は実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<実施例18>
上記塗液T−1における分散剤の代わりに、花王製ポイズ520(アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム、固形分(溶質)濃度40%、平均分子量4000)を使用したこと以外は上記と同様にして塗液T−6を調製した。
塗液T−1の代わりに塗液T−6を使用したこと以外は実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例1:PET/B−1/T−1>
延伸Nyフィルムの代わりに東レ製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムルミラーP60(厚さ12μm)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。このPETフィルムの水蒸気透過度は50g/mであった。
<比較例2:Ny/B’−1/T−1>
塗液B−1の代わりに塗液B’−1を使用したこと以外は実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例3:Ny/B’−2/T−1>
塗液B−1の代わりに塗液B’−2を使用したこと以外は実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例4:Ny/B−1/T’−1>
塗液T−1の代わりに塗液T’−1を使用したこと以外は実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例5:Ny/B−1/T’−2>
塗液T−1の代わりに塗液T’−2を使用したこと以外は実施例1と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例6:Ny/A−1/無機蒸着層/B−1/T−1>
延伸Nyフィルムの片面上に、上記塗液A−1を、乾燥後の厚さが0.2μmになるようにバーコーターを用いて塗布、乾燥させてアンカーコート層を形成した。延伸Nyフィルムとして、ユニチカ製延伸ナイロンフィルム、エンブレムONBC(厚さ15μm)を使用した。
電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、上記アンカーコート層上に、酸化アルミニウムを蒸着した。厚さ20nmの無機蒸着層を形成させることによって、Ny/アンカーコート層/無機蒸着層の構成の支持体を得た。この支持体の水蒸気透過度は1g/mであった。
上記支持体の無機蒸着層上に、上記塗液B−1、T−1を順次、乾燥後の厚さがそれぞれ0.3μm、0.3μmになるように、バーコーターを用いて塗布、乾燥させた。こうして、Ny/アンカーコート層/無機蒸着層/ガスバリア層/保護層の構成の包装材料用前駆体を得た。得られた包装材料用前駆体について、前述の評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例7:Ny/無機蒸着層/B−1/T−1>
電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、延伸Nyフィルムの片面上に、酸化アルミニウムを蒸着して厚さ20nmの無機蒸着層を形成させた。これにより、Ny/無機蒸着層の構成の支持体を得た。延伸Nyフィルムは、ユニチカ製延伸ナイロンフィルム、エンブレムONBC(厚さ15μm)を使用した。この支持体の水蒸気透過度は1g/mであった。
上記支持体の無機蒸着層上に、上記塗液B−1、T−1を順次、乾燥後の厚さがそれぞれ0.3μm、0.3μmになるように、バーコーターを用いて塗布、乾燥させ、Ny/無機蒸着層/ガスバリア層/保護層の構成の包装材料用前駆体を得た。得られた包装材料用前駆体について、前述の評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例8:PET/T−1/B−3>
延伸Nyフィルムの代わりに東レ製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムルミラーP60(厚さ12μm)を使用したこと以外は、実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。このPETフィルムの水蒸気透過度は50g/mであった。
<比較例9:Ny/T−1/B’−3>
塗液B−3の代わりに塗液B’−3を使用したこと以外は実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例10:Ny/T−1/B’−4>
塗液B−3の代わりに塗液B’−4を使用したこと以外は実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例11:Ny/T’−1/B−3>
塗液T−1の代わりに塗液T’−1を使用したこと以外は実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例12:Ny/T’−2/B−3>
塗液T−1の代わりに塗液T’−2を使用したこと以外は実施例10と同様にして包装材料用前駆体を得て、評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例13:Ny/A−1/無機蒸着層/T−1/B−3>
延伸Nyフィルムの片面上に、上記塗液A−1を、乾燥後の厚さが0.2μmになるようにバーコーターを用いて塗布、乾燥させてアンカーコート層を形成した。延伸Nyフィルムは、ユニチカ製延伸ナイロンフィルム、エンブレムONBC(厚さ15μm)を使用した。
上記アンカーコート層上に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、酸化アルミニウムを蒸着して厚さ20nmの無機蒸着層を形成させることによって、Ny/アンカーコート層/無機蒸着層の構成の支持体を得た。この支持体の水蒸気透過度は1g/mであった。
上記支持体の無機蒸着層上に、上記塗液T−1、B−3を順次、乾燥後の厚さがそれぞれ0.3μm、0.3μmになるように、バーコーターを用いて塗布、乾燥させ、Ny/アンカーコート層/無機蒸着層/中間層/ガスバリア層の構成の包装材料用前駆体を得た。得られた包装材料用前駆体について、前述の評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例14:Ny/無機蒸着層/T−1/B−3>
延伸Nyフィルムの片面上に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、酸化アルミニウムを蒸着して厚さ20nmの無機蒸着層を形成させることによって、Ny/無機蒸着層の構成の支持体を得た。延伸Nyフィルムは、ユニチカ製延伸ナイロンフィルム、エンブレムONBC(厚さ15μm)を使用した。この支持体の水蒸気透過度は1g/mであった。
上記支持体の無機蒸着層上に、上記塗液T−1、B−3を順次、乾燥後の厚さがそれぞれ0.3μm、0.3μmになるように、バーコーターを用いて塗布、乾燥させ、Ny/無機蒸着層/中間層/ガスバリア層の構成の包装材料用前駆体を得た。得られた包装材料用前駆体について、前述の評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例15:Ny/B−3/T−1>
延伸ナイロン(Ny)フィルムの片面上に、上記塗液B−3、T−1を順次、乾燥後の厚さがそれぞれ0.3μm、0.3μmになるように、バーコーターを用いて塗布、乾燥させ、Ny/ガスバリア層/中間層の構成の包装材料用前駆体を得た。延伸Nyフィルムは、ユニチカ製延伸ナイロンフィルム エンブレムONBC(厚さ15μm)を使用した。
得られた包装材料用前駆体について、前述の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2017104695
上記結果に示すとおり、実施例1〜9の包装材料用前駆体をレトルト処理すると、優れた酸素ガスバリア性が発現した。レトルト処理前に虐待を行った場合でも、酸素ガスバリア性の劣化は見られなかった。
一方、支持体の水蒸気透過度が100g/m未満である比較例1、6〜7、ガスバリア層塗液中のポリカルボン酸系重合体の中和度が0%より大きい比較例2〜3、保護層用塗液中の分散剤の含有量が多価金属成分に対して2質量%未満である比較例4、保護層用塗液中の多価金属成分の含有量が全固形分に対して40質量%未満である比較例5の包装材料用前駆体は、レトルト処理後の酸素ガスバリア性が実施例1〜9よりも劣っていた。また、レトルト処理前に虐待を行うと、酸素ガスバリア性が劣化した。
また、上記結果に示すとおり、実施例10〜18の包装材料用前駆体をレトルト処理すると、優れた酸素ガスバリア性が発現した。レトルト処理前に虐待を行った場合でも、酸素ガスバリア性の劣化は見られなかった。
一方、支持体の水蒸気透過度が100g/m未満である比較例8、13〜14、ガスバリア層塗液中のポリカルボン酸系重合体の中和度が0%である比較例9〜10、中間層用塗液中の分散剤の含有量が多価金属成分に対して2質量%未満である比較例11、中間層用塗液中の多価金属成分の含有量が全固形分に対して40質量%未満である比較例12、ガスバリア層と中間層との積層順を逆にした比較例15の包装材料用前駆体は、レトルト処理後の酸素ガスバリア性が実施例10〜18よりも劣っていた。特に比較例8〜14では、レトルト処理前に虐待を行うと、酸素ガスバリア性が劣化した。
本発明のガスバリア性包装材料用前駆体は、上記特性を有しているため、酸素、水蒸気等の影響により劣化しやすい物品、例えば食品、飲料、医薬品、電子部品などの精密金属部品等の物品を包装する包装材料の前駆体として、あるいは該物品を包装材料で包装した包装体の製造用として有用である。
例えば上記のような物品(被包装物)をガスバリア性包装材料用前駆体で包装し、ボイル処理、レトルト処理等の熱水処理を行うことにより、ガスバリア性包装材料用前駆体をガスバリア性包装材料とすることができ、同時に、ガスバリア性包装材料で被包装物が包装された包装体とすることができる。
1,101 支持体
2,102 ガスバリア層
3,103 保護層
4,104 ガスバリア層
5,105 基材
6,106 アンカーコート層
7,107 支持体
8,108 他の基材
9,109 接着層
10,110 包装材料用前駆体
11,111 包装材料
20,120 包装材料用前駆体
21,121 包装材料
30,130 包装材料用前駆体
31,131 包装材料

Claims (8)

  1. 支持体と;
    前記支持体の上に直接設けられ、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物とを含むガスバリア層と;
    前記ガスバリア層の上に直接設けられ、多価金属成分、ポリエステル樹脂、及び分散剤を含む保護層と、を備え、
    前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、
    前記多価金属成分の含有量が、前記保護層の全質量に対して40〜90質量%であり、
    前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、
    前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、
    前記ガスバリア層の赤外線吸収スペクトルを測定したときの、波数1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、波数1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が1以上7未満であるガスバリア性包装材料用前駆体。
  2. 支持体と;
    前記支持体の上に直接設けられ、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物とを含むガスバリア層と;
    前記ガスバリア層の上に直接設けられ、多価金属成分、ポリエステル樹脂、及び分散剤を含む保護層と、を備え、
    前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、
    前記多価金属成分の含有量が、前記保護層の全質量に対して40〜90質量%であり、
    前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、
    前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、
    前記ガスバリア層の赤外線吸収スペクトルを測定したときの、波数1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、波数1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が7以上であるガスバリア性包装材料。
  3. 支持体の表面に、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物と、液状媒体とを含むガスバリア層用塗液を塗布し乾燥させてガスバリア層を形成し、
    前記ガスバリア層の表面に、多価金属成分と、ポリエステル樹脂と、分散剤と、水とを含む保護層用塗液を塗布し乾燥させて保護層を形成することを有し、
    前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、
    前記多価金属成分の含有量が、前記保護層用塗液の全固形分に対して40〜90質量%であり、
    前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、
    前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、
    前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の多価金属による中和度が0モル%であるガスバリア性包装材料用前駆体の製造方法。
  4. 請求項1に記載のガスバリア性包装材料用前駆体を用いて被包装物を包装し、熱水処理して包装体を得る包装体の製造方法。
  5. 支持体と;
    前記支持体の上に直接設けられ、多価金属成分、ポリエステル樹脂、及び分散剤を含む中間層と;
    前記中間層の上に直接設けられ、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物とを含むガスバリア層と、を備え、
    前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、
    前記多価金属成分の含有量が、前記中間層の全質量に対して40〜90質量%であり、
    前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、
    前記ガスバリア層の赤外線吸収スペクトルを測定したときの、波数1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、波数1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が1以上7未満であるガスバリア性包装材料用前駆体。
  6. 支持体と;
    前記支持体の上に直接設けられ、多価金属成分、ポリエステル樹脂、及び分散剤を含む中間層と;
    前記中間層の上に直接設けられ、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物とを含むガスバリア層と、を備え、
    前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、
    前記多価金属成分の含有量が、前記中間層の全質量に対して40〜90質量%であり、
    前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、
    前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、
    前記ガスバリア層の赤外線吸収スペクトルを測定したときの、1490cm−1〜1659cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(α)と、1660cm−1〜1750cm−1の範囲内の吸光度の最大ピーク高さ(β)との比(α/β)が7以上であるガスバリア性包装材料。
  7. 支持体の表面に、多価金属成分、ポリエステル樹脂、分散剤、及び液状媒体を含む中間層用塗液を塗布し乾燥させて中間層を形成し、
    前記中間層の表面に、ポリカルボン酸系重合体と、加水分解性シラン化合物、その加水分解物およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素化合物と、水とを含むガスバリア層用塗液を塗布し乾燥させてガスバリア層を形成することを有し、
    前記支持体の40℃、相対湿度90%での水蒸気透過度が100g/m以上であり、
    前記多価金属成分の含有量が、前記中間層用塗液の全固形分に対して40〜90質量%であり、
    前記分散剤の含有量が、前記多価金属成分に対して2〜20質量%であり、
    前記ケイ素化合物の含有量が、前記ポリカルボン酸系重合体に対して2〜25質量%であり、
    前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の多価金属による中和度が20〜50モル%であるガスバリア性包装材料用前駆体の製造方法。
  8. 請求項5に記載のガスバリア性包装材料用前駆体を用いて被包装物を包装し、熱水処理して包装体を得る包装体の製造方法。
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