JPWO2017159843A1 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラック(ステアリングラック)機構の物理モデルに基づいて制御系を構成し、規範モデルに制御対象の出力が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、運転者が適切な反力を感じ、巻き込みによる運転者への違和感を抑制する電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。【解決手段】電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置の制御装置において、ラック変位に対する粘弾性モデルを規範モデルとしたモデルフォローイング制御の構成とし、モデルフォローイング制御の構成により、路面反力に相当する軸力を入力とするフィードバック制御を行い、仮想反力を生成する。【選択図】図3

Description

本発明は、電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、車両の操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に粘弾性モデルを規範モデルとし、操舵時に仮想的な反力を発生することにより巻き込みを抑制する電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
車両の操舵系にモータの回転力でアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)は、モータの駆動力で減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸にアシスト力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシスト力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいて、アシストマップを用いてアシスト指令の電流指令値の演算を行い、演算された電流指令値に補償等を施した電圧制御値Vrefによってモータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VelはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
このような電動パワーステアリング装置において、コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCUを含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと、例えば図2に示されるような構成となっている。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10からの操舵トルクTh及び車速センサ12からの車速Velは電流指令値を演算するトルク制御部31に入力され、演算された電流指令値Irefは減算部32に入力され、モータ電流検出値Imと減算される。減算部32での減算結果である偏差I(=Iref−Im)はPI制御等の電流制御部35で制御され、電流制御された電圧制御値VrefがPWM制御部36に入力されてデューティを演算され、PWM信号でインバータ37を介してモータ20をPWM駆動する。モータ20のモータ電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32に入力されてフィードバックされる。モータ20にはレゾルバ等の回転角センサ21が連結されており、回転角θeが検出されて出力される。
このような電動パワーステアリング装置がアシスト力を付与する車両には、後進時に操舵角が大きくなるにつれて反力であるセルフアライニングトルク(SAT)が小さくなり、前進時にも操舵角が大きくなるにつれSATが小さくなる特性をもつサスペンションの車両がある。このような特性においては、操舵時にラックエンド(操舵系の最大舵角)方向への巻き込みが発生し、運転者は車両の取り回しに違和感を覚えることがある。これに対して、操舵系に適切な反力を与えることにより、巻き込みを抑制し、ハンドルを中立方向に戻すことも可能となる。適切な反力を与たえるという観点から、いくつかの技術が提案されている。
特許第4747958号公報(特許文献1)にて開示されているパワーステアリング装置では、ロック(エンド)位置付近でのアッカーマンステアリングの達成率低下によるSAT減少により戻り特性が悪化するのを改善するために、転舵角が最大転舵角付近であるときに戻し補正量(戻しトルク)を増大させている。また、車両制動時には、戻し補正量を非制動時よりも増大させることにより、制動時での戻り特性の改善も図っている。
特開平6−144262号公報(特許文献2)にて開示されているパワーステアリング装置では、車両後退時の操舵安定性及び操舵フィーリングの改善及び車両後退時におけるステアリングホイールの戻り性向上のために、車両の後退を検出した場合、転舵方向のアシスト力を低くし、戻し方向のアシスト力は高くなるように調整している。
特許第4293734号公報(特許文献3)にて開示されている電動式パワーステアリング制御装置では、滑り易い路面での走行等においても、走行条件に応じて操舵ハンドルに適切な操舵反力を与えるために、操舵系の反力トルクや路面反力トルクが大きい時には重畳反力トルクを低減し、操舵系の反力トルクや路面反力トルクが小さい時には重畳反力トルクを増大している。
特許第4400544号公報(特許文献4)にて開示されている車両の操舵装置では、操舵ハンドルを切り出した時に多大な戻しトルクが作用するのを防ぎ、操舵感を向上させるために、操舵トルクの絶対値が大きくなるに従って戻しトルクが小さくなるようにしている。また、それに加えて、操舵角が大きくなるに従って戻しトルクが大きくなるようにもしている。
特許第4997472号公報(特許文献5)にて開示されている電動パワーステアリング装置では、凍結路等の低μ路走行時のようにSATが低下するような場合でも適切なステアリング戻し補償制御(ハンドル戻し補償制御)を行い、走行路面の状態に関わらず良好なステアリング戻し性を実現するために、操舵角の絶対値が大きいほど、ステアリングを中立方向に回転させる基礎制御量がより強くなるようにし、その基礎制御量又は操舵角を積分した積分値に応じた制御量をステアリング戻し補償成分としている。これにより、操舵角に残留舵角が発生するような場合でも、積分値が増大することで、より大きなステアリング戻し補償成分が演算され、低μ路等においても良好なステアリング戻し性を確保できるようにしている。また、中立位置近傍では積分値をクリアすることにより、速やかにステアリング位置を中立位置に復帰させるようにしている。
特許第4747958号公報 特開平6−144262号公報 特許第4293734号公報 特許第4400544号公報 特許第4997472号公報
反力(トルク)を求めるために、特許文献1乃至5では、予め定められたマップ(又はテーブル)を使用している。
特許文献1の装置では、転舵角と制動時/保持中の基本戻しトルクとの関係を定めた2次元マップを使用している。特許文献2の装置では、転舵方向においては操舵トルクと基本転舵アシスト量との関係を定めたマップ及び車速に応じた係数を使用し、戻し方向においては操舵角と基本戻しアシスト量との関係を定めたマップ及び車速に応じた係数を使用している。特許文献3の装置では、ステアリング軸反力トルク(操舵系の反力)又は路面反力トルクとゲイン(操舵角F/Bゲイン)との関係を定めたマップを使用している。特許文献4の装置では、操舵角に依存して決定される基準戻しトルクを記憶しているテーブルと、操舵トルクに依存して決定される戻しトルクを記憶しているテーブルを使用している。特許文献4にはテーブルの代わりに予め定義された関数を使用しても良いとの記述があるが、具体的な関数は開示されていない。特許文献5の装置では、操舵角と基礎制御量とが関連付けられたマップを使用している。
しかしながら、各特許文献にはマップの具体的な作成方法は開示されておらず、通常は多量のデータからの推測、試行錯誤、経験則等により作成することになるので、作成が容易ではなく、使用環境や条件の変化、特に想定外の変化に対して柔軟な対応が取れない可能性がある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、ラック(ステアリングラック)機構の物理モデルに基づいて制御系を構成し、規範モデルに制御対象の出力が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、運転者が適切な反力を感じ、巻き込みによる運転者への違和感を抑制する電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、本発明の上記目的は、ラック変位に対する粘弾性モデルを規範モデルとしたモデルフォローイング制御の構成とし、前記モデルフォローイング制御の構成により、路面反力に相当する軸力を入力とするフィードバック制御を行い、仮想反力を生成することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記モータの回転角を判定用ラック位置に変換するラック位置変換部と、前記判定用ラック位置が所定の第1ラック位置を越えたことを判定し、ラック変位及び切替信号を出力するラック位置判定部と、路面反力に相当する軸力、前記ラック変位及び前記切替信号に基づいて、粘弾性モデルを規範モデルとして仮想軸力を生成する粘弾性モデル追従制御部と、前記仮想軸力を制御指令値に変換する指令値変換部とを備え、前記粘弾性モデル追従制御部は、前記軸力及び前記ラック変位に基づいてフィードバック制御により前記仮想軸力を出力するフィードバック制御部と、前記切替信号により前記仮想軸力の出力を切り替える切替部とを具備しており、前記制御指令値を前記電流指令値に加算して演算される補償電流指令値によって前記アシスト制御を行うことにより達成される。
さらに、本発明の上記目的は、操舵トルクを操舵軸力に変換する第1軸力変換部と、前記補償電流指令値をアシスト軸力に変換する第2軸力変換部とをさらに備え、前記操舵軸力及び前記アシスト軸力の加算により前記軸力を求めることにより、或いは、電動パワーステアリング装置の機構部に作用する抵抗力を求める抵抗力演算部をさらに備え、前記操舵軸力及び前記アシスト軸力の加算において前記抵抗力を減算することにより前記軸力を求めることにより、或いは、前記ラック変位又は仮想ラック変位により前記フィードバック制御部の制御パラメータを変更することにより、或いは、前記ラック変位又は前記仮想ラック変位が小さいところでは前記制御パラメータを小さくし、前記ラック変位又は前記仮想ラック変位が大きくなるにつれて前記制御パラメータを大きくするように変更することにより、或いは、前記第1ラック位置より大きくラックエンド位置より小さい所定の第2ラック位置を前記ラック変位が越えた場合、前記仮想軸力を制限する第1制限部をさらに備えることにより、或いは、前記仮想軸力に対して上限値及び下限値を設定し、前記仮想軸力を制限する第2制限部をさらに備えることにより、或いは、前記上限値及び下限値を操舵方向に応じて設定することにより、或いは、前記上限値及び下限値を前記軸力に基づいて設定することにより、或いは、前記上限値及び下限値を操舵速度により変更することにより、或いは、前記上限値及び下限値を車速により変更することにより、或いは、前記ラック変位により前記フィードバック制御部のモデルパラメータを変更することにより、或いは、前記判定用ラック位置が前記第1ラック位置を越えた時点の前記軸力を初期軸力として記憶し、前記時点以降は前記軸力と前記初期軸力の差分を前記軸力として用いることにより、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置の制御装置によれば、ラック機構の物理モデルに基づいて制御系を構成しているので、定数設計に見通しが立て易くなり、規範モデルに制御対象の出力が追従するようなモデルフォローイング制御を構成しているので、負荷状態(外乱)や制御対象の変動にロバスト(頑健)な巻き込み抑制制御が可能となる利点がある。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の構成例(第1実施形態)を示すブロック図である。 ラック位置変換部の特性例を示す図である。 粘弾性モデル追従制御部の構成例(第1実施形態)を示すブロック図である。 粘弾性モデルの模式図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(第1実施形態)を示すブロック図である。 仮想ラック変位及び仮想反力の発生による仮想ラック位置及びラック反力の変化の様子を示す図である。(A)は仮想ラック位置の変化の様子を示す図であり、(B)はラック反力の変化の様子を示す図である。 本発明の動作例(第1実施形態)を示すフローチャートである。 粘弾性モデル追従制御の動作例(第1実施形態)を示すフローチャートである。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(第2実施形態)を示すブロック図である。 ラック変位によって制御パラメータを変更する例を示す図である。 粘弾性モデル追従制御の動作例(第2実施形態)を示すフローチャートである。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(第3実施形態)を示すブロック図である。 粘弾性モデル追従制御の動作例(第3実施形態)を示すフローチャートである。 本発明の構成例(第4実施形態)を示すブロック図である。 第1制限部の構成例(第4実施形態)を示すブロック図である。 粘弾性モデル追従制御の動作例(第4実施形態)を示すフローチャートである。 第1制限部の動作例(第4実施形態)を示すフローチャートである。 本発明の構成例(第5実施形態)を示すブロック図である。 本発明の動作例(第5実施形態)を示すフローチャートである。 粘弾性モデル追従制御の動作例(第5実施形態)を示すフローチャートである。 第2制限部の動作例(第5実施形態)を示すフローチャートである。 本発明の構成例(第6実施形態)を示すブロック図である。 第5実施形態での制限値の変化例を示す図である。 第6実施形態での制限値の変化例を示す図である。 第2制限部の動作例(第6実施形態)を示すフローチャートである。 第7実施形態での制限値の変化例を示す図である。 第8実施形態での制限値の変化例を示す図である。 本発明の構成例(第9実施形態)を示すブロック図である。 第2制限部の構成例(第9実施形態)を示すブロック図である。 操舵速度に対する高操舵時ゲインの特性例を示す図である。 操舵速度に対する低操舵時ゲインの特性例を示す図である。 第2制限部の動作例(第9実施形態)を示すフローチャートである。 本発明の構成例(第10実施形態)を示すブロック図である。 第2制限部の構成例(第10実施形態)を示すブロック図である。 車速に対する高速時ゲインの特性例を示す図である。 車速に対する低速時ゲインの特性例を示す図である。 第2制限部の動作例(第10実施形態)を示すフローチャートである。 本発明の構成例(第11実施形態)を示すブロック図である。 抵抗力演算部の構成例(第11実施形態)を示すブロック図である。 粘弾性モデル追従制御の動作例(第11実施形態)を示すフローチャートである。 抵抗力演算部の動作例(第11実施形態)を示すフローチャートである。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(第12実施形態)を示すブロック図である。 ラック変位によってモデルパラメータを変更する例を示す図である。 粘弾性モデル追従制御の動作例(第12実施形態)を示すフローチャートである。 本発明の構成例(第13実施形態)を示すブロック図である。 粘弾性モデル追従制御の動作例(第13実施形態)を示すフローチャートである。
本発明は、ラック(ステアリングラック)機構の物理モデルに基づいて制御系を構成し、粘弾性モデル(バネ定数、粘性摩擦係数)を規範モデルとし、その規範モデルに制御対象の出力(ラック位置)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、運転者が適切な反力を感じ、巻き込みによる運転者への違和感を抑制する電動パワーステアリング装置の制御装置である。
モデルフォローイング制御は粘弾性モデル追従制御部で構成し、粘弾性モデル追従制御部をフィードバック制御部で構成し、路面反力に相当する力を入力としたフィードバック制御により仮想反力を生成し、巻き込みを抑制し、ハンドルを中立方向へ戻すことも可能とする。路面反力に相当する力として、路面反力が伝達するラック軸やコラム軸等に荷重されるラック軸力やコラム軸トルク等の軸力を使用する。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、軸力としてラック軸力を使用するが、ラック軸力とコラム軸トルクとは等価であるから、コラム軸トルクを使用しても良い。また、ラック軸力は操舵トルク及び補償電流指令値より算出する。補償電流指令値は、粘弾性モデル追従制御部が生成する仮想軸力に基づいて電流指令値を補償した値(データ)であり、補償電流指令値に基づいて、操舵系のアシスト制御が行われる。
図3は本発明の実施形態の構成例(第1実施形態)を図2に対応させて示しており、同一構成には同一符号を付して説明は省略する。
操舵トルクThはトルク制御部31に入力されると共に、第1軸力変換部101に入力される。
第1軸力変換部101は、操舵トルクThを下記数1に従って変換することにより、ラック軸力f算出のための操舵軸力fsを算出する。
Figure 2017159843
ここで、Cfはステアリングホイールが1回転したときのラック軸の移動量である比ストローク(ラック&ピニオン比ストローク)[m/rev.]である。
ラック軸力fを算出するために使用される補償電流指令値としては、記憶部(Z−1)106に保持される1サンプル前の補償電流指令値(補償電流指令値過去値Irefmp)が使用される。補償電流指令値算出の基となる仮想軸力ffはラック軸力fを用いて粘弾性モデル追従制御部120で算出されるので、ラック軸力fを算出するためには、1サンプル前の補償電流指令値である補償電流指令値過去値Irefmpを使用することになる。補償電流指令値過去値Irefmpは、第2軸力変換部102にて、下記数2に従って、アシスト軸力faに変換される。
Figure 2017159843
ここで、Ktはトルク定数[Nm/A]、Grは減速比である。
ラック軸力fは、加算部104にて操舵軸力fs及びアシスト軸力faを加算することにより算出され、粘弾性モデル追従制御部120に入力される。
回転角センサ21からの回転角θeはラック位置変換部100に入力され、判定用ラック位置Rxに変換される。判定用ラック位置Rxはラック位置判定部110に入力され、ラック位置判定部110は、図4に示すように、判定用ラック位置Rxがラックエンドより手前に設定された所定の位置(第1ラック位置)xを越えた場合、モデルフォローイング制御を実行するために切替信号SWSを出力すると共に、第1ラック位置xからの距離をラック変位xとして出力する。判定用ラック位置Rxが第1ラック位置xを越えていない場合は、何も出力されず、通常のアシスト制御が行われる。切替信号SWS及びラック変位xは、ラック軸力fと共に粘弾性モデル追従制御部120へ入力され、粘弾性モデル追従制御部120で制御演算された仮想軸力ffは指令値変換部103で、下記数3に従って、制御指令値Irefcに変換される。
Figure 2017159843
制御指令値Irefcは、電流指令値Irefを補償するために、加算部105で電流指令値Irefと加算され、補償電流指令値Irefmとなる。そして、補償電流指令値Irefmに基づいて、アシスト制御が行われる。
なお、図4に示される第1ラック位置xは適宜な位置に設定可能であり、車両が前進する場合と後進する場合とで違う値を設定しても良い。また、回転角θeをモータに連結された回転角センサ21から得ているが、舵角センサから取得するようにしても良い。
粘弾性モデル追従制御部120の構成例は、図5に示される。
図5に示されるように、ラック変位x及びラック軸力fはフィードバック制御部130に入力される。フィードバック制御部130からの仮想軸力FBは切替部121に入力される。切替部121は切替信号SWSによってON/OFFされ、切替信号SWSによってOFFされているときは、切替部121からの出力はゼロである。切替信号SWSによって切替部121がONされたとき、仮想軸力FBが仮想軸力ffとして出力される。仮想軸力ffは、指令値変換部103で制御指令値Irefcに変換される。
本発明の粘弾性モデル追従制御部120は、ラック機構の物理モデルに基づいた制御系となっており、第1ラック位置からラックエンドまでの範囲(以下、「制御範囲」とする)で粘弾性モデル(バネ定数k[N/m]、粘性摩擦係数μ[N/(m/s)])を規範モデル(入力:力、出力:変位で記述された物理モデル)としたモデルフォローイング制御を構成している。
図6は制御範囲での模式図を示しており、質量mと力F,Fの関係は下記数4である。粘弾性モデルの方程式の算出は、例えば関西大学理工学会誌「理工学と技術」Vol.17(2010)の「弾性膜と粘弾性の力学の基礎」(大場謙吉)に示されている。
Figure 2017159843
そして、ラック変位x、xに対して、k、kをバネ定数とすると、数5〜数7が成立する。
Figure 2017159843
Figure 2017159843
Figure 2017159843
従って、上記数4に上記数5〜数7を代入して数8となる。
Figure 2017159843
上記数8を微分すると、下記数9となり、μ/kを両辺に乗算すると数10となる。
Figure 2017159843
Figure 2017159843
そして、数8と数10を加算すると、数11となる。
Figure 2017159843
数11に上記数5及び数7を代入すると、下記数12となる。
Figure 2017159843
ここで、μ/k=τ,k=E,μ(1/k+1/k)=τδとすると、上記数12は数13となり、ラプラス変換すると数14が成立する。
Figure 2017159843
Figure 2017159843
上記数14をX(s)/F(s)で整理すると、下記数15となる。
Figure 2017159843
数15は入力力fから出力変位xまでの特性を示す3次の物理モデル(伝達関数)となり、バネ定数k=∞のバネとするとτ→0であり、τδ=μ・1/kであるので、2次関数の下記数16が導かれる。
Figure 2017159843

本発明では、数16で表される2次関数を規範モデルGmとして説明する。即ち、数17を規範モデルGmとしている。ここで、μ=μとしている。
Figure 2017159843

次に、電動パワーステアリング装置の実プラント136を下記数18で表わされるPとし、規範モデル追従型制御を2自由度制御系で設計すると、Pn及びPdを実際のモデルとして図7の構成となる。ブロック133(Cd)は制御要素部を示している。(例えば朝倉書店発行の前田肇、杉江俊治著「アドバンスト制御のためのシステム制御理論」参照)
Figure 2017159843
実プラントPを安定な有理関数の比で表わすために、N及びDを下記数19で表わす。Nの分子はPの分子、Dの分子はPの分母となる。ただし、αは(s+α)=0の極が任意に選択できる。
Figure 2017159843

図7の構成を規範モデルGmに適用すると、x/f=Gmとなるためには、1/Fを下記数20のように設定する必要がある。なお、数20は、数17及び数19より導かれる。
Figure 2017159843
ブロック131(N/F)は下記数21であり、ブロック134(D/F)は下記数22である。
Figure 2017159843
Figure 2017159843

2自由度制御系の一例を示す図7において、実プラントPへの入力(仮想軸力に対応する制御指令値)uは、下記数23で表される。
Figure 2017159843
また、実プラントPの出力(ラック変位)xは下記数24である。
Figure 2017159843
数24を整理し、出力xの項を左辺に、入力fの項を右辺に揃えると、数25が導かれる。
Figure 2017159843
数25を入力fに対する出力xの伝達関数として表わすと、数26となる。ここで、3項目以降ではP=Pn/Pdとして表現している。
Figure 2017159843

実プラントPを正確に表現できたとすれば、Pn=N、Pd=Dとすることができ、入力fに対する出力xの特性は、Pn/F(=N/F)として表わされるので、数27が成立する。
Figure 2017159843
入力fに対して出力xの特性(規範モデル(伝達関数))を、下記数28のようにすると考えるとき、
Figure 2017159843
1/Fを下記数29のようにすることで達成できる。
Figure 2017159843

図7に示される構成はフィードバック制御系とフィードフォワード制御系を有しているが、どちらか一方の制御系だけでもモデルフォローイング制御が可能である。よって、本発明ではフィードバック制御系のみで構成し、図5で示されるように、粘弾性モデル追従制御部120は、フィードバック制御系であるフィードバック制御部130のみを備えている。
上記前提を踏まえ、以下に第1実施形態での粘弾性モデル追従制御部120の具体的な構成例を図8に示して説明する。
図8の構成例は図5の構成例に対応しており、ラック軸力f及びラック変位xはフィードバック制御部130に入力される。フィードバック制御部130はフィードバック要素(N/F)131、減算部132、制御要素部133で構成され、フィードバック制御部130からの仮想軸力FB、つまり制御要素部133の出力は切替部121のb1接点に入力される。切替部121のa1接点には、固定部122から固定値「0」が入力されている。
制御要素部133はPD(比例微分)制御の構成で、伝達関数は下記数30で表わされる。
Figure 2017159843
kpは比例ゲイン、kdは微分ゲインであり、フィードバック制御部130の制御パラメータとなっている。
ラック軸力fはフィードバック制御部130のフィードバック要素(N/F)131に入力され、ラック変位xはフィードバック制御部130の減算部132に減算入力される。切替信号SWSは切替部121に入力され、切替部121の接点は通常時は接点a1に接続されており、切替信号SWSによって接点b1に切替えられるようになっている。
フィードバック要素(N/F)131が、規範モデルである粘弾性モデルに相当し、巻き込みを発生しないような規範車両特性を粘弾性モデルが模擬するように、粘弾性モデルのパラメータ(モデルパラメータ)であるバネ定数k及び粘性摩擦係数μを設定する。例えば、12Nm/radのバネ特性をもつように設定する。そして、設定されたバネ定数k及び粘性摩擦係数μを用いて、数21に基づいて、ラック軸力fを仮想ラック変位ixに変換する。つまり、仮想ラック変位ixは、巻き込みを発生しない特性におけるラック軸力fに対するラック変位に相当する。よって、粘弾性モデルであるフィードバック要素(N/F)131に巻き込みを発生しない特性のラック軸力fを入力すれば、仮想ラック変位ixと実際のラック変位であるラック変位xとは一致するが、巻き込みを発生する特性のラック軸力fを入力すると、ラック軸力fが小さいために、仮想ラック変位ixがラックエンド方向に十分進まず、ラック変位xとの間に差が生じてしまう。この差Δx(=ix−x)に基づいて、制御要素部133を介して仮想軸力FB、さらに仮想軸力ffが出力される。そして、仮想軸力ffは指令値変換部103で制御指令値Irefcに変換され、制御指令値Irefcを電流指令値Irefに加算した補償電流指令値Irefmに基づいてモータ20が駆動制御されることにより、反力が発生する。実際には、仮想ラック変位ixはラック変位xより小さいために、仮想軸力ffは負となるので、アシスト力が小さくなることにより、仮想的に反力(仮想反力)が大きくなることとなる。
図9は、仮想ラック変位及び仮想反力の発生による、仮想ラック変位に対応する判定用ラック位置(以下、「仮想ラック位置」とする)及びラック軸にかかる反力(以下、「ラック反力」とする)の変化の様子を示す図である。図9(A)は仮想ラック位置の変化の様子を示しており、横軸が判定用ラック位置で、縦軸が仮想ラック位置であり、実線は巻き込みを発生する特性の場合、点線は巻き込みを発生しない特性の場合の変化を表わしている。図9(B)はラック反力の変化の様子を示しており、横軸が判定用ラック位置で、縦軸がラック反力であり、実線は巻き込みを発生する特性での前進及び後進の場合、点線は巻き込みを発生しない特性での前進及び後進の場合の変化を表わしている。図9(A)に示されるように、巻き込みを発生しない特性の場合は判定用ラック位置と仮想ラック位置とは一致するが、巻き込みを発生する特性の場合は、第1ラック位置xを越えた後、仮想ラック位置は次第に減少に転じ、判定用ラック位置(=巻き込みを発生しない特性の場合の仮想ラック位置)との間に矢印で示すような差が生じてしまう。その結果、図9(B)に示されるように、巻き込みを発生する特性の場合、ラック反力が減少してしまう。そこで、上記の差を用いて仮想軸力を電流指令値にフィードバックし、アシスト力を減少させることにより仮想反力を発生させ、図9(B)の矢印のようにラック反力を増加させ、巻き込みを発生しない特性へと近付ける。これにより、運転者は適切な反力を感じることができ、さらに、手放し時等にハンドルを効果的に中立方向へ戻すことが可能となり、巻き込みによる運転者への違和感を抑制できる。
このような構成において、先ず第1実施形態の動作例全体を図10のフローチャートを参照して、次いで粘弾性モデル追従制御の動作例を図11のフローチャートを参照して説明する。
スタート段階においては、切替部121は切替信号SWSによってOFF(接点a1に接続)されており、記憶部106の補償電流指令値過去値Irefmpにはゼロが設定されている。そして、動作がスタートすると先ず、トルク制御部31は操舵トルクTh及び車速Velに基づいて電流指令値Irefを演算し(ステップS10)、ラック位置変換部100は回転角センサ21からの回転角θeを判定用ラック位置Rxに変換する(ステップS20)。ラック位置判定部110は判定用ラック位置Rxが第1ラック位置xを越えたか否かを判定し(ステップS30)、越えていないと判定された場合には、粘弾性モデル追従制御部120から仮想軸力ffは出力されず、電流指令値Irefに基づく通常の操舵制御が実行され(ステップS40)、終了となるまで継続される(ステップS50)。
一方、ラック位置判定部110で判定用ラック位置Rxが第1ラック位置xを越えたと判定された場合には、粘弾性モデル追従制御部120による粘弾性モデル追従制御が実行される(ステップS60)。
粘弾性モデル追従制御では、図11に示すように、ラック位置判定部110から切替信号SWSが出力されると共に(ステップS610)、ラック変位xが出力される(ステップS620)。ラック変位xは減算部132に減算入力される。また、第1軸力変換部101は操舵トルクThを数1に従って操舵軸力fsに変換し(ステップS630)、第2軸力変換部102は、記憶部106に保持されている補償電流指令値過去値Irefmpを数2に従ってアシスト軸力faに変換する(ステップS640)。操舵軸力fs及びアシスト軸力faは加算部104で加算され(ステップS650)、ラック軸力fとしてフィードバック要素(N/F)131に入力される。フィードバック要素(N/F)131は、予め設定されたバネ定数k、粘性摩擦係数μ及び質量mを用いて、数21に基づいてラック軸力fを仮想ラック変位ixに変換する(ステップS660)。仮想ラック変位ixは減算部132に加算入力され、ラック変位xが減算され(ステップS670)、その減算値Δxが制御要素部133で数30を用いて仮想軸力FBに変換される(ステップS680)。制御要素部133から、変換された仮想軸力FBが出力され、切替部121の接点b1に入力される。
ラック位置判定部110からの切替信号SWSは切替部121に入力され、切替部121がON(接点をa1からb1へ切替)される(ステップS690)。切替部121がONされると、フィードバック制御部130からの仮想軸力FBが仮想軸力ffとして出力され、仮想軸力ffが指令値変換部103で、数3に従って制御指令値Irefcに変換される(ステップS700)。制御指令値Irefcは加算部105に入力され、電流指令値Irefに加算され、補償電流指令値Irefmが出力される(ステップS710)。補償電流指令値Irefmは記憶部106に補償電流指令値過去値Irefmpとして保持される(ステップS720)と共に、補償電流指令値Irefmに基づいて操舵制御が実行され、ステップS50へとつながる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、フィードバック制御部の制御パラメータ(比例ゲインkp、微分ゲインkd)は固定値であるが、第2実施形態ではラック変位に基づいて可変とする。例えば、ラック変位がゼロ付近では制御パラメータを小さくし、ラックエンド方向に向かうにつれ大きくなるようにする。ラック変位がゼロ付近で小さくすることにより、仮想反力の変化を小さくし、運転者が変化を感知しにくくすることができる。
図12は第2実施形態での粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例を示しており、図8に示される第1実施形態での粘弾性モデル追従制御部の構成例と比べると、制御パラメータ設定部223が追加され、制御要素部133が制御要素部233に代わっている。他の構成要素は第1実施形態と同じであるから、説明は省略する。
制御パラメータ設定部223はラック変位xに対して、例えば図13に示すような特性を有する比例ゲインkp及び微分ゲインkdを出力する。制御要素部233は比例ゲインkp及び微分ゲインkdを入力し、数30による仮想軸力FBへの変換で使用する。比例ゲインkp及び微分ゲインkdを図13に示すような特性にすることにより、ラック変位xが小さい範囲では制御要素部233の制御ゲインは小さくなり、ラック変位が大きくなるにつれて制御ゲインが大きくなる。
このような構成において、第2実施形態の動作例を図14のフローチャートを参照して説明する。第2実施形態の動作例は、第1実施形態の動作例と比べて、粘弾性モデル追従制御の動作が異なり、さらに、粘弾性モデル追従制御の動作では、制御パラメータ設定部223の動作が加わるだけである。図14には粘弾性モデル追従制御の動作例を示しており、図11に示される第1実施形態の動作例と比べると、ステップS621が加わっている。その他の動作は第1実施形態と同じである。
ステップS621では、ラック位置判定部110から出力されたラック変位xを制御パラメータ設定部223が入力し、制御パラメータ設定部223は、ラック変位xに応じて図13に示される特性に従って求められた比例ゲインkp及び微分ゲインkdを制御要素部233に設定する。制御要素部233は、設定された比例ゲインkp及び微分ゲインkdを用いて、ステップS680にて、数30に従って減算値Δxを仮想軸力FBに変換する。
なお、比例ゲインkp及び微分ゲインkdの特性は、図13に示されるような変化をする特性に限られず、直線的に変化するような特性等でも良い。
本発明の第3実施形態について説明する。
第2実施形態では、フィードバック制御部の制御パラメータをラック変位に基づいて可変としているが、第3実施形態では、仮想ラック変位に基づいて可変とする。
図15は第3実施形態での粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例を示しており、図12に示される第2実施形態での粘弾性モデル追従制御部の構成例と比べると、制御パラメータ設定部323にはラック変位xではなく、仮想ラック変位ixが入力されている。制御パラメータ設定部323は仮想ラック変位ixに対して、例えば図13に示される特性と同様な特性を有する比例ゲインkp及び微分ゲインkdを出力する。制御パラメータ設定部323以外は第2実施形態での粘弾性モデル追従制御部と同様の構成である。
第3実施形態での粘弾性モデル追従制御の動作例を図16に示す。第3実施形態では仮想ラック変位ixを用いて制御パラメータを設定するので、図14に示される第2実施形態での粘弾性モデル追従制御の動作例と比べると、制御パラメータ設定のタイミングが異なっている。即ち、第3実施形態での粘弾性モデル追従制御では、ステップS620の後ではなく、仮想ラック変位ixが演算されるステップS660の後に制御パラメータを設定する(ステップS661)。
ステップS661では、フィードバック要素(N/F)131から出力された仮想ラック変位ixを制御パラメータ設定部323が入力し、制御パラメータ設定部323は、仮想ラック変位ixに応じて図13に示される特性と同様の特性に従って求められた比例ゲインkp及び微分ゲインkdを制御要素部233に設定する。制御要素部233は、設定された比例ゲインkp及び微分ゲインkdを用いて、ステップS680にて、数30に従って減算値Δxを仮想軸力FBに変換する。
なお、第2実施形態の場合と同様に、比例ゲインkp及び微分ゲインkdの特性は、図13に示されるような変化をする特性に限られず、直線的に変化するような特性等でも良い。また、第2実施形態で使用する特性に合わせなくても良い。
本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、第1ラック位置xの他に、第1ラック位置xより大きくラックエンド位置より小さい所定の位置(第2ラック位置)xを設け、ラック変位xが第2ラック位置xを越えたら、仮想軸力ffを大きくさせないようにする。ラックエンド付近で過剰にアシスト力を小さくすると、運転者の操舵力が大きくなり、操作性が悪くなるので、第2ラック位置xを設けることにより、それを抑制することができる。
図17に第4実施形態の構成例を示す。図3に示される第1実施形態の構成例と比べると、第1制限部440が追加されている。その他の構成要素は第1実施形態と同じであるから、説明は省略する。
第1制限部440は、粘弾性モデル追従制御部120から出力される仮想軸力ff及びラック位置判定部110から出力されるラック変位xを入力し、ラック変位xに基づいて仮想軸力ffに制限をかける。
第1制限部440の構成例を図18に示す。第1制限部440は判定制限部441及び記憶部(Z−1)442を備える。判定制限部441は、仮想軸力ff及びラック変位xを入力し、ラック変位xが第2ラック位置xを越えていない場合、仮想軸力ffを変更せずに仮想軸力ff1として出力する。仮想軸力ff1は、1サンプル前の仮想軸力(仮想軸力過去値ffp)として記憶部442に保持される。ラック変位xが第2ラック位置xを越えていた場合、記憶部442に保持されている仮想軸力過去値ffpを仮想軸力ff1として出力する。これにより、ラック変位xが第2ラック位置xを越えている間は、越える直前の仮想軸力ffが仮想軸力ff1として出力され続けることになる。
第4実施形態の動作例を図19に示す。第4実施形態の動作例は、第1実施形態の動作例と比べて、粘弾性モデル追従制御の動作が異なり、さらに、粘弾性モデル追従制御の動作では、第1制限部440の動作が加わるだけで、他の動作は第1実施形態の動作例と同じである。
ステップS620にてラック位置判定部110から出力されたラック変位xは、粘弾性モデル追従制御部120の減算部132に減算入力されると共に、第1制限部440に入力される。また、ステップS690にて切替部121がONされて、粘弾性モデル追従制御部120のフィードバック制御部130から出力された仮想軸力ffも第1制限部440に入力される。第1制限部440は、ラック変位xに基づいて、仮想軸力ffの制限処理(以下、「第1制限処理」とする)を行い(ステップS691)、制限処理された仮想軸力ff1が指令値変換部103で制限指令値Irefcに変換される(ステップS701)。
第1制限部440での第1制限処理の動作例を図20に示す。ラック変位x及び仮想軸力ffは判定制限部441に入力され(ステップS810)、判定制限部441は、予め設定された第2ラック位置xとラック位置xとの比較を行う(ステップS820)。そして、ラック変位xが第2ラック位置xを越えていない場合、仮想軸力ffをそのまま仮想軸力ff1とする(ステップS830)。ラック変位xが第2ラック位置xを越えていた場合、記憶部442に保持されている仮想軸力過去値ffpを仮想軸力ff1とする(ステップS840)。仮想軸力ff1は、指令値変換部103に出力されると共に、仮想軸力過去値ffpとして記憶部442に保持され(ステップS850)、ステップS701へとつながる。
なお、第2ラック位置xは、第1ラック位置xとラックエンド位置の間であれば、適宜な位置に設定可能であり、車両が前進する場合と後進する場合とで違う値を設定しても良い。また、ラック変位xが第2ラック位置xを越えていた場合、仮想軸力過去値を仮想軸力ff1としているが、第2ラック位置xを越えていない場合の過去の仮想軸力の平均値や最大値(負の値の場合は最小値)等を仮想軸力ff1としても良く、固定値を仮想軸力ff1としても良い。
本発明の第5実施形態について説明する。
第4実施形態では、ラック変位の位置に応じて仮想軸力に制限をかけているが、第5実施形態では、仮想軸力が過度に大きくならないように、仮想軸力に対して上限値及び下限値を設定して制限をかける。なお、第5実施形態以降の実施形態において、ラック軸力等のラック軸に対する回転力は、ハンドルが右に切られている(以下、「右切操舵」とする)ときは正の値に、ハンドルが左に切られている(以下、「左切操舵」とする)ときは負の値になるように設定されているとする。
図21に第5実施形態の構成例を示す。図17に示される第4実施形態の構成例と比べると、第1制限部440が第2制限部550に代わり、ラック位置判定部110がラック位置判定部510に代わっている。その他の構成要素は第4実施形態と同じであるから、説明は省略する。なお、第1制限部440の代わりに第2制限部550を設置するのではなく、第1制限部と第2制限部両方を設置しても良い。
ラック位置判定部510は、ラック変位x及び切替信号SWSの他に、ハンドルの操舵方向を示す方向信号Sdを出力する。ラック位置判定部510に入力される判定用ラック位置Rxに基づいてハンドルの操舵方向を判定し、右切操舵の場合は方向信号Sdを「右切」にして出力し、左切操舵の場合は方向信号Sdを「左切」にして出力する。
第2制限部550は、粘弾性モデル追従制御部120から出力される仮想軸力ffの最大値及び最小値を制限する。制限するために仮想軸力ffに対する上限値及び下限値(以下、上限値及び下限値の総称を「制限値」とする)を設定するが、右切操舵の場合の制限値と左切操舵の場合の制限値をそれぞれ設定する。例えば、右切操舵の場合、上限値(以下、「右切上限値」とする)RU1は下記数31のように所定の値Fx1(例えば2Nm(ニュートンメートル))とし、下限値(以下、「右切下限値」とする)RL1は下記数32のようにシステムの最大出力fmax(正の値)の符号を反転した値から所定の値Fx2(例えば10Nm)を減算した値とする。
Figure 2017159843
Figure 2017159843
左切操舵の場合は、右切操舵の場合の上限値及び下限値を入れ替えた値を上限値(以下、「左切上限値」とする)LU1及び下限値(以下、「左切下限値」とする)LL1とする。即ち、下記数33及び数34のようになる。
Figure 2017159843
Figure 2017159843

第2制限部550はラック位置判定部510から出力される方向信号Sdを入力する。そして、方向信号Sdが「右切」の場合、右切上限値RU1及び右切下限値RL1を用いて仮想軸力ffに制限をかけ、方向信号Sdが「左切」の場合、左切上限値LU1及び左切下限値LL1を用いて仮想軸力ffに制限をかける。制限された仮想軸力ffは仮想軸力ff2として指令値変換部103に出力される。
このような構成において、第5実施形態の動作例を、図22、図23及び図24のフローチャートを参照して説明する。
図22に全体の動作例をフローチャートで示しており、図10のフローチャートと比べると、方向信号Sdの出力(ステップS21)が追加され、通常操舵(ステップS40)及び粘弾性モデル追従制御(ステップS60)に第2制限部550での処理が加わるので、変更が生じている(ステップS41、S61)。
ステップS21では、ラック位置判定部510が、入力された判定用ラック位置Rxに基づいてハンドルの操舵方向を判定し、判定結果(右切、左切)を方向信号Sdとして第2制限部550に出力する。
粘弾性モデル追従制御(ステップS61)での動作例を図23のフローチャートで示す。図19に示される第4実施形態の動作例と比べると、ステップS691及びS701がそれぞれステップS692及びS702に代わっている。ステップS692では、ラック位置判定部510から出力された方向信号Sdに基づいて、粘弾性モデル追従制御部120から出力された仮想軸力ffに対する制限処理(以下、「第2制限処理」とする)が第2制限部550にて行われる。図24に第2制限部550の動作例を示す。第2制限部550は方向信号Sdを入力する(ステップS910)。そして、方向信号Sdが「右切」の場合(ステップS920)、仮想軸力ffが右切上限値RU1以上ならば(ステップS930)、仮想軸力ffの値を右切上限値RU1とし(ステップS940)、仮想軸力ffが右切下限値RL1以下ならば(ステップS950)、仮想軸力ffの値を右切下限値RL1とし(ステップS960)、それ以外ならば仮想軸力ffの値は変更しない。方向信号Sdが「左切」の場合(ステップS920)、仮想軸力ffが左切上限値LU1以上ならば(ステップS970)、仮想軸力ffの値を左切上限値LU1とし(ステップS980)、仮想軸力ffが左切下限値LL1以下ならば(ステップS990)、仮想軸力ffの値を左切下限値LL1とし(ステップS1000)、それ以外ならば仮想軸力ffの値は変更しない。制限をかけられた仮想軸力ffは仮想軸力ff2として出力され(ステップS1010)、仮想軸力ff2は指令値変換部103で制限指令値Irefcに変換され(ステップS702)、加算部105で電流指令値Irefに加算される。
通常操舵(ステップS41)でも、粘弾性モデル追従制御の場合と同様に、粘弾性モデル追従制御部120から出力された仮想軸力ffに制限がかけられる。しかし、この場合の仮想軸力ffの値はゼロであるから、制限されることなく、仮想軸力ffがそのまま仮想軸力ff2として出力される。
なお、左切上限値及び左切下限値は右切上限値及び右切下限値を入れ替えた値としているが、違う所定の値を使用する等して、入れ替えた値にしなくても良い。また、右切操舵の場合と左切操舵の場合で同じ制限値を使用しても良く、その場合は、方向信号Sdは不要となるので、ラック位置判定部510でのハンドルの操舵方向の判定及び第2制限部550での方向信号Sdによる動作の切替えも不要となる。
本発明の第6実施形態について説明する。
第5実施形態では仮想軸力ffに対する制限値は固定の値であるが、第6実施形態では、粘弾性モデル追従制御部120に入力されるラック軸力fに基づいて設定される。ラック軸力fに基づいて設定することにより、より適切な制限値を設定することができる。
図25に第6実施形態の構成例を示す。図21に示される第5実施形態の構成例と比べると、第2制限部550が第2制限部650に代わっている。第2制限部650には、仮想軸力ff及び方向信号Sdの他に、加算部104から出力されるラック軸力fが入力されており、方向信号Sd及びラック軸力fに基づいて仮想軸力ffの最大値及び最小値を制限する。具体的には、例えば右切上限値RU2は下記数35のようにラック軸力fに所定の値Fx3(例えば2Nm)を加算した値とし、右切下限値RL2は下記数36のようにラック軸力fの符号を反転した値から所定の値Fx4(例えば10Nm)を減算した値とする。
Figure 2017159843
Figure 2017159843
左切上限値LU2及び左切下限値LL2は、右切上限値RU2及び右切下限値RL2を入れ替えた、下記数37及び数38のような値とする。
Figure 2017159843
Figure 2017159843
例えば、ラック軸力fが操舵角に対して図27の破線で示されるように変化する場合、第5実施形態での制限値は図26に示されるようにラック軸力fによらず一定であるが、第6実施形態での制限値は図27の実線で示されるように変化する。
このような構成において、第6実施形態の動作例を図28のフローチャートを参照して説明する。
図28は第2制限部650の動作例を示すフローチャートであり、図24に示される第5実施形態の動作例と比べると、粘弾性モデル追従制御部120から出力された仮想軸力ffを制限値と比較する前に、加算部104から出力されたラック軸力fに基づいて各制限値が設定されている。即ち、仮想軸力ffを右切上限値RU2と比較する前に右切上限値RU2が数35により設定され(ステップS921)、仮想軸力ffを右切下限値RL2と比較する前に右切下限値RL2が数36により設定され(ステップS941)、仮想軸力ffを左切上限値LU2と比較する前に左切上限値LU2が数37により設定され(ステップS961)、仮想軸力ffを左切下限値LL2と比較する前に左切下限値LL2が数38により設定される(ステップS981)。その他の動作は第5実施形態の動作と同じである。
なお、制限値算出で使用する所定の値Fx3及びFx4として、第5実施形態で使用する所定の値Fx1及びFx2を使用しても良い。また、第5実施形態の場合と同様に、左切上限値及び左切下限値は右切上限値及び右切下限値を入れ替えた値ではなく、違う所定の値を使用する等して、入れ替えた値にしなくても良く、右切操舵の場合と左切操舵の場合で同じ制限値を使用しても良い。
本発明の第7実施形態について説明する。
第7実施形態では、第6実施形態と同様に、制限値をラック軸力fに基づいて設定するが、より強く制限するために、右切下限値及び左切上限値の算出において所定の値の加減算を第6実施形態とは逆にする。しかし、逆方向のアシスト力を加えないようにするために、右切下限値はゼロを超えず、左切上限値はゼロ未満にならないようにする。
第7実施形態の構成例は、図25に示される第6実施形態の構成例と基本的に同じであるが、第2制限部での動作が異なる。即ち、第2制限部では、例えば右切上限値RU3は下記数39のようにラック軸力fに所定の値Fx5(例えば2Nm)を加算した値とし、右切下限値RL3は下記数40のようにラック軸力fの符号を反転した値に所定の値Fx6(例えば5Nm)を加算した値とするが、右切下限値RL3がゼロを超えた場合、右切下限値RL3はゼロにする。
Figure 2017159843
Figure 2017159843
左切上限値LU3及び左切下限値LL3は、右切上限値RU3及び右切下限値RL3を入れ替えた、下記数41及び数42のような値とするが、左切上限値LU3がゼロ未満の場合、左切上限値LU3はゼロにする。
Figure 2017159843
Figure 2017159843
例えば、ラック軸力fが操舵角に対して図29の破線で示されるように変化する場合、第7実施形態での制限値は実線で示されるように変化する。
第7実施形態の動作は、上述のように第2制限部での動作が第6実施形態の動作例と異なるだけで、他は同じである。
なお、制限値算出で使用する所定の値Fx5及びFx6として、第5実施形態及び/又は第6実施形態で使用する所定の値を使用しても良い。また、左切上限値及び左切下限値は右切上限値及び右切下限値を入れ替えた値ではなく、違う所定の値を使用する等して、入れ替えた値にしなくても良い。
本発明の第8実施形態について説明する。
第8実施形態では、第5実施形態と第6実施形態とでの制限値の設定方法を組み合わせて、制限値を設定する。例えば、右切上限値及び左切下限値は第5実施形態のようにして設定し、右切下限値及び左切上限値は第6実施形態のようにして設定する。即ち、右切上限値RU4、右切下限値RL4、左切上限値LU4及び左切下限値LL4は、下記数43〜46にように設定される。
Figure 2017159843
Figure 2017159843
Figure 2017159843
Figure 2017159843
例えば、ラック軸力fが操舵角に対して図30の破線で示されるように変化する場合、第8実施形態での制限値は実線で示されるように変化する。
第8実施形態の構成例及び動作例は、第2制限部での動作が上述のように異なるのみで、他は第6実施形態の構成例及び動作例と同じである。
なお、制限値の設定方法の組み合わせとして、上述とは逆に、右切上限値及び左切下限値は第6実施形態のようにして設定し、右切下限値及び左切上限値は第5実施形態のようにして設定しても良い。また、第5実施形態と第7実施形態とでの制限値の設定方法を組み合わせても良い。
本発明の第9実施形態について説明する。
第6〜第8実施形態ではラック軸力fに基づいて制限値を設定しているが、第9実施形態では、さらに操舵速度により制限値を変更する。これにより、操舵速度が速いときは仮想軸力の制限を緩めて巻き込み抑制を強くし、遅いときは仮想軸力の制限を強くして過度な反力を抑える等、より柔軟な対応を取ることが可能となる。
図31に第9実施形態の構成例を示す。図25に示される第6実施形態の構成例と比べると、第2制限部650が第2制限部750に代わっており、第2制限部750には、仮想軸力ff、方向信号Sd及びラック軸力fの他に、操舵速度ωが入力されている。
第2制限部750は、操舵速度が速いときは仮想軸力の制限を緩めて巻き込み抑制を強くするために第6実施形態での設定方法で制限値を設定し、操舵速度が遅いときは仮想軸力の制限を強くして過度な反力を抑えるために第7実施形態での設定方法で制限値を設定する。また、設定方法の移行が徐々に行われるように、第6実施形態及び第7実施形態での設定方法で設定された各制限値にゲインを乗算し、それらを加算した値を制限値とする。
第2制限部750の構成例を図32に示す。第2制限部750は、高操舵時制限値演算部751、低操舵時制限値演算部752、高操舵時ゲイン部753、低操舵時ゲイン部754、制限処理部755及び加算部756、757で構成されている。
高操舵時制限値演算部751は、方向信号Sd及びラック軸力fを用いて、第6実施形態での設定方法により上限値UPH及び下限値LWHを算出する。即ち、方向信号Sdが「右切」の場合は、数35で算出される右切上限値RU2(=f+Fx3)を上限値UPHとし、数36で算出される右切下限値RL2(=−f−Fx4)を下限値LWHとする。方向信号Sdが「左切」の場合は、数37で算出される左切上限値LU2(=−f+Fx4)を上限値UPHとし、数38で算出される左切下限値LL2(=f−Fx3)を下限値LWHとする。
低操舵時制限値演算部752は、方向信号Sd及びラック軸力fを用いて、第7実施形態での設定方法により上限値UPL及び下限値LWLを算出する。即ち、方向信号Sdが「右切」の場合は、数39で算出される右切上限値RU3(=f+Fx5)を上限値UPLとし、数40で算出される右切下限値RL3(=−f+Fx6)を下限値LWLとするが、下限値LWLがゼロを超えた場合、下限値LWLはゼロにする。方向信号Sdが「左切」の場合は、数41で算出される左切上限値LU3(=−f−Fx6)を上限値UPLとし、数42で算出される左切下限値LL3(=f−Fx5)を下限値LWLとするが、上限値UPLがゼロ未満の場合、上限値UPLはゼロにする。
高操舵時ゲイン部753は、操舵速度ωに対して、例えば図33に示されるような特性を有する高操舵時ゲインGHを上限値UPH及び下限値LWHにそれぞれ乗算し、上限値UPHg及び下限値LWHgを算出する。図33に示される高操舵時ゲインGHの特性は、所定の操舵速度ω1までは0%で、所定の操舵速度ω1からω2(ω2>ω1)の間では操舵速度ωに比例して大きくなり、所定の操舵速度ω2を超えると100%となるような特性である。
低操舵時ゲイン部754は、操舵速度ωに対して、例えば図34に示されるような特性を有する低操舵時ゲインGLを上限値UPL及び下限値LWLにそれぞれ乗算し、上限値UPLg及び下限値LWLgを算出する。図34に示される低操舵時ゲインGLの特性は、図33に示される高操舵時ゲインGHの特性の逆の特性となっている。
加算部756は、上限値UPHgとUPLgを加算し、上限値UPを算出する。加算部757は、下限値LWHgとLWLgを加算し、下限値LWを算出する。
制限処理部755は、上限値UP及び下限値LWを用いて、仮想軸力ffに制限をかける。
このような構成において、第9実施形態の動作例を図35のフローチャートを参照して説明する。
図35は第2制限部750の動作例を示すフローチャートであり、第9実施形態の動作は、第2制限部750の動作が異なるだけで、他の動作は第5〜第8実施形態の動作と同じである。
ラック位置判定部510から出力された方向信号Sd及び加算部104から出力されたラック軸力fは、高操舵時制限値演算部751及び低操舵時制限値演算部752に入力される(ステップS301)。
高操舵時制限値演算部751は、方向信号Sdが「右切」の場合(ステップS302)、右切上限値RU2を上限値UPHとし、右切下限値RL2を下限値LWHとして出力する(ステップS303)。方向信号Sdが「左切」の場合(ステップS302)、左切上限値LU2を上限値UPHとし、左切下限値LL2を下限値LWHとして出力する(ステップS304)。
低操舵時制限値演算部752は、方向信号Sdが「右切」の場合(ステップS305)、右切上限値RU3を上限値UPLとし、右切下限値RL3を下限値LWLとして出力する(ステップS306)。方向信号Sdが「左切」の場合(ステップS305)、左切上限値LU3を上限値UPLとし、左切下限値LL3を下限値LWLとして出力する(ステップS307)。なお、高操舵時制限値演算部751での動作と低操舵時制限値演算部752での動作の順番は逆でも並行して実行しても良い。
高操舵時ゲイン部753は、上限値UPH、下限値LWH及び操舵速度ωを入力し、図33に示される特性を用いて操舵速度ωに対する高操舵時ゲインGHを求め、上限値UPH及び下限値LWHにそれぞれ乗算し、上限値UPHg(=UPH×GH)及び下限値LWHg(=LWH×GH)を出力する(ステップS308)。
低操舵時ゲイン部754は、上限値UPL、下限値LWL及び操舵速度ωを入力し、図34に示される特性を用いて操舵速度ωに対する低操舵時ゲインGLを求め、上限値UPL及び下限値LWLにそれぞれ乗算し、上限値UPLg(=UPL×GL)及び下限値LWLg(=LWL×GL)を出力する(ステップS309)。なお、高操舵時ゲイン部753での動作と低操舵時ゲイン部754での動作の順番は逆でも並行して実行しても良い。
上限値UPHg及びUPLgは加算部756に入力され、加算結果が上限値UPとして出力される(ステップS310)。下限値LWHg及びLWLgは加算部757に入力され、加算結果が下限値LWとして出力される(ステップS311)。
上限値UP及び下限値LWは、粘弾性モデル追従制御部120から出力された仮想軸力ffと共に、制限処理部755に入力される。制限処理部755は、仮想軸力ffが上限値UP以上ならば(ステップS312)、仮想軸力ffの値を上限値UPとし(ステップS313)、仮想軸力ffが下限値LW以下ならば(ステップS314)、仮想軸力ffの値を下限値LWとし(ステップS315)、それ以外ならば仮想軸力ffの値を変更しない。制限をかけられた仮想軸力ffは仮想軸力ff2として出力される(ステップS316)。
なお、高操舵時ゲインGH及び低操舵時ゲインGLの操舵速度ω1とω2の間の特性は、図33及び図34に示されるような直線的な特性に限られず、高操舵時ゲインGHと低操舵時ゲインGLの和が100%となるならば、曲線的な特性でも良い。また、高操舵時制限値演算部751及び/又は低操舵時制限値演算部752において第5実施形態での設定方法で制限値を設定しても良い。
本発明の第10実施形態について説明する。
第9実施形態では操舵速度により制限値を変更しているが、第10実施形態では車速により制限値を変更する。例えば、停車を含む極低速走行時は仮想軸力の制限を緩めて巻き込み抑制を強くし、低速走行を超えるようになるにつれて、制限値を徐々に変化させていく。
図36に第10実施形態の構成例を示す。図31に示される第9実施形態の構成例に比べると、第2制限部750が第2制限部850に代わっており、第2制限部850には、操舵速度ωの代わりに車速Velが入力されている。
第2制限部850は、車速が低速のときは、仮想軸力の制限を緩めて巻き込み抑制を強くするために第6実施形態での設定方法で制限値を設定し、車速が高速になると第7実施形態での設定方法で制限値を設定する。そして、第9実施形態と同様に、設定方法の移行が徐々に行われるように、第6実施形態及び第7実施形態での設定方法で設定された各制限値にゲインを乗算し、それらを加算した値を制限値とする。
第2制限処理部850の構成例を図37に示す。第2制限処理部850は、高速時制限値演算部851、低速時制限値演算部852、高速時ゲイン部853、低速時ゲイン部854、制限処理部755及び加算部756、757で構成されている。制限処理部755及び加算部756、757は、第9実施形態と同様の構成で同様の動作をするので、説明は省略する。
高速時制限値演算部851は、第9実施形態での低操舵時制限値演算部752と同様に、方向信号Sd及びラック軸力fを用いて、第7実施形態での設定方法により上限値UpH及び下限値LwHを算出する。
低速時制限値演算部852は、第9実施形態での高操舵時制限値演算部751と同様に、方向信号Sd及びラック軸力fを用いて、第6実施形態での設定方法により上限値UpL及び下限値LwLを算出する。
高速時ゲイン部853は、車速Velに対して、例えば図38に示されるような特性を有する高速時ゲインgHを上限値UpH及び下限値LwHにそれぞれ乗算し、上限値UpHg及び下限値LwHgを算出する。図38に示される高速時ゲインgHの特性は、所定の車速Vel1までは0%で、所定の車速Vel1からVel2(Vel2>Vel1)の間では車速Velに比例して大きくなり、所定の車速Vel2を超えると100%となるような特性である。
低速時ゲイン部854は、車速Velに対して、例えば図39に示されるような特性を有する低速時ゲインgLを上限値UpL及び下限値LwLにそれぞれ乗算し、上限値UpLg及び下限値LwLgを算出する。図39に示される低速時ゲインgLの特性は、図38に示される高速時ゲインgHの特性の逆の特性となっている。
このような構成において、第10実施形態の動作例を図40のフローチャートを参照して説明する。
図40は第2制限処理部850の動作例を示すフローチャートであり、第10実施形態の動作は、第2制限処理部850の動作が異なるだけで、他の動作は第9実施形態の動作と同じである。
方向信号Sd及びラック軸力fは、高速時制限値演算部851及び低速時制限値演算部852に入力される(ステップS301A)。
高速時制限値演算部851は、方向信号Sdが「右切」の場合(ステップS302A)、右切上限値RU3を上限値UpHとし、右切下限値RL3を下限値LwHとして出力する(ステップS303A)。方向信号Sdが「左切」の場合(ステップS302A)、左切上限値LU3を上限値UpHとし、左切下限値LL3を下限値LwHとして出力する(ステップS304A)。
低速時制限値演算部852は、方向信号Sdが「右切」の場合(ステップS305A)、右切上限値RU2を上限値UpLとし、右切下限値RL2を下限値LwLとして出力する(ステップS306A)。方向信号Sdが「左切」の場合(ステップS305A)、左切上限値LU2を上限値UpLとし、左切下限値LL2を下限値LwLとして出力する(ステップS307A)。なお、高速時制限値演算部851での動作と低速時制限値演算部852での動作の順番は逆でも並行して実行しても良い。
高速時ゲイン部853は、上限値UpH、下限値LwH及び車速Velを入力し、図38に示される特性を用いて車速Velに対する高速時ゲインgHを求め、上限値UpH及び下限値LwHにそれぞれ乗算し、上限値UpHg(=UpH×gH)及び下限値LwHg(=LwH×gH)を出力する(ステップS308A)。
低速時ゲイン部854は、上限値UpL、下限値LwL及び車速Velを入力し、図39に示される特性を用いて車速Velに対する低速時ゲインgLを求め、上限値UpL及び下限値LwLにそれぞれ乗算し、上限値UpLg(=UpL×gL)及び下限値LwLg(=LwL×gL)を出力する(ステップS309A)。なお、高速時ゲイン部853での動作と低速時ゲイン部854での動作の順番は逆でも並行して実行しても良い。
その後は、第9実施形態での動作と同様に、上限値UpHg、UpLg及び下限値LwHg、LwLgから加算部756、757を介して上限値Up及び下限値Lwを算出し(ステップS310、S311)、上限値Up、下限値Lw及び仮想軸力ffから制限処理部755を介して仮想軸力ff2を出力する(ステップS312〜S316)。
なお、高速時ゲインgH及び低速時ゲインgLの車速Vel1とVel2の間の特性は、図38及び図39に示されるような直線的な特性に限られず、高速時ゲインgHと低速時ゲインgLの和が100%となるならば、曲線的な特性でも良い。また、高速時制限値演算部851及び/又は低速時制限値演算部852において第5実施形態での設定方法で制限値を設定しても良い。
本発明の第11実施形態について説明する。
上述の実施形態では、ラック軸力を操舵トルク及び補償電流指令値より算出している。しかし、操舵系の機構部(減速ギア、ピニオンラック機構等)に作用する慣性力や摩擦力等がハンドル操舵の抵抗力となることがあり、路面反力に相当する力としてラック軸力を使用する場合、ラック軸力をより正確に算出するためには、このような抵抗力を考慮する必要がある。そこで、第11実施形態では、操舵トルク及び補償電流指令値より算出される操舵軸力及びアシスト軸力の加算において、機構部に作用する慣性力及び摩擦力を減算する。
図41に第11実施形態の構成例を示す。図3に示される第1実施形態の構成例と比べると、抵抗力演算部960が追加され、抵抗力演算部960はラック位置判定部110より出力されるラック変位xを入力し、抵抗力frを出力し、第2軸力変換部102より出力されるアシスト軸力faから抵抗力frが減算部107にて減算される。その他の構成要素は第1実施形態と同じであるから、説明は省略する。
抵抗力演算部960は、ラック変位xに基づいて慣性力pi及び摩擦力pfを算出し、これらの加算値を抵抗力frとして出力するが、慣性力pi及び摩擦力pfは以下のようにして算出される。
運転者がハンドルを操舵することによって操舵トルクThが発生し、その操舵トルクThに従ってモータがアシストトルクTmを発生する。その結果、車輪が転舵され、路面反力Trが発生する。操舵トルクTh及びアシストトルクTmは、ラック軸においてそれぞれ操舵軸力fs及びアシスト軸力faとなるが、機構部の慣性J及び摩擦(動摩擦)Frによる抵抗力も発生するので、これらの力の釣り合いから、下記数47のような運動方程式が得られる。
Figure 2017159843
ここで、αrはラック加速度、vrはラック速度である。上記数47を初期値ゼロとしてラプラス変換し、Trについて解くと下記数48が得られる。
Figure 2017159843
上記数48からわかるように、機構部に作用する抵抗力が無視できない場合、ラック軸力fを路面反力Trの代用とするためには、操舵軸力fs及びアシスト軸力faの加算値から、慣性Jによる慣性力pi及び動摩擦Frによる摩擦力pfを減算する必要があり、慣性力pi及び摩擦力pfはそれぞれ下記数49及び数50より算出される。
Figure 2017159843
Figure 2017159843

抵抗力演算部960の構成例を図42に示す。抵抗力演算部960は、ラック速度演算部961、ラック加速度演算部962、摩擦力演算部963、慣性力演算部964及び加算部965を備える。ラック速度演算部961は、ラック変位xを微分することによりラック速度vrを算出し、ラック加速度演算部962は、ラック速度vrを微分することによりラック加速度αrを算出する。摩擦力演算部963は、動摩擦Frを定数として予め求めておき、ラック速度vrを用いて、数50より摩擦力pfを算出する。慣性力演算部964は、慣性Jを定数として予め求めておき、ラック加速度αrを用いて、数49より慣性力piを算出する。摩擦力pf及び慣性力piは加算部965で加算され、抵抗力frとして出力される。
第11実施形態の動作例を図43に示す。第11実施形態の動作例は、第1実施形態の動作例と比べて、粘弾性モデル追従制御の動作が異なり、さらに、粘弾性モデル追従制御の動作では、抵抗力演算部960の動作及び抵抗力frの減算動作が加わるだけで、他の動作は第1実施形態の動作例と同じである。
ステップS620にてラック位置判定部110から出力されたラック変位xは、粘弾性モデル追従制御部120の減算部132に減算入力されると共に、抵抗力演算部960に入力される。抵抗力演算部960はラック変位xに基づいて抵抗力演算を行い(ステップS641)、抵抗力frを出力し、抵抗力frは減算部107に減算入力される。第2軸力変換部102で変換されたアシスト軸力faは減算部107に加算入力され、抵抗力frを減算され、さらに加算部104で操舵軸力fsを加算され、ラック軸力fとして出力される(ステップS651)。
抵抗力演算部960の動作例を図44に示す。ラック変位xはラック速度演算部961に入力され、ラック速度演算部961はラック変位xよりラック速度vrを算出し(ステップS401)、ラック加速度演算部962及び摩擦力演算部963に出力する。ラック加速度演算部962は、ラック速度vrよりラック加速度αrを算出し(ステップS402)、慣性力演算部964に出力する。摩擦力演算部963はラック速度vrを用いて数50より摩擦力pfを算出し(ステップS403)、加算部965に出力する。慣性力演算部964はラック加速度αrを用いて数49より慣性力piを算出し(ステップS404)、加算部965に出力する。加算部965では、摩擦力pf及び慣性力piが加算され(ステップS405)、抵抗力frとして出力される。
なお、抵抗力frの減算は、アシスト軸力faに対してではなく、操舵軸力fsに対して行っても良く、操舵軸力fs及びアシスト軸力faの加算後に行っても良い。また、ラック速度vrは、ラック位置変換部100から出力される判定用ラック位置Rxより算出しても良い。
本発明の第12実施形態について説明する。
上述の実施形態では、モデルパラメータ(バネ定数k、粘性摩擦係数μ)は予め設定されているが、本実施形態では、ラック変位に基づいて可変とする。例えば、仮想反力が発生し始める第1ラック位置(ラック変位x=0)付近では仮想反力が滑らかに立ち上がるようにモデルパラメータを小さくし、ラック変位が大きくなるにつれ、巻き込みを発生しないような規範車両特性を粘弾性モデルが模擬するように、モデルパラメータを徐々に大きくする。
図45は第12実施形態での粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例を示しており、図8に示される第1実施形態での粘弾性モデル追従制御部の構成例と比べると、モデルパラメータ設定部424が追加され、フィードバック要素(N/F)131がフィードバック要素(N/F)431に代わっている。他の構成要素は第1実施形態と同じであるから、説明は省略する。
モデルパラメータ設定部424はラック変位xに対して、例えば図46に示すような特性を有するバネ定数k及び粘性摩擦係数μを出力する。フィードバック要素(N/F)431はバネ定数k及び粘性摩擦係数μを入力し、数21によるラック軸力fから仮想ラック変位ixへの変換に使用する。
このような構成において、第12実施形態の動作例を図47のフローチャートを参照して説明する。第12実施形態の動作例は、第1実施形態の動作例と比べて、粘弾性モデル追従制御の動作が異なり、さらに、粘弾性モデル追従制御の動作では、モデルパラメータ設定部424の動作が加わるだけである。図47には粘弾性モデル追従制御の動作例を示しており、図11に示される第1実施形態の動作例と比べると、ステップS622が加わっている。その他の動作は第1実施形態と同じである。
ステップS622では、ラック位置判定部110から出力されたラック変位xをモデルパラメータ設定部424が入力し、モデルパラメータ設定部424は、ラック変位xに応じて図46に示される特性に従って求められたバネ定数k、粘性摩擦係数μをフィードバック要素(N/F)431に設定する。フィードバック要素(N/F)431は、設定されたモデルパラメータを用いて、ステップS660にて、数21に従ってラック軸力fを仮想ラック変位ixに変換する。
なお、バネ定数k、粘性摩擦係数μの特性は、図46に示されるような変化をする特性に限られず、直線的に変化するような特性等でも良い。また、第2実施形態での制御パラメータ設定部223又は第3実施形態での制御パラメータ設定部323と組み合わせて、制御パラメータ及びモデルパラメータ双方を可変としても良い。
本発明の第13実施形態について説明する。
本実施形態では、判定用ラック位置が第1ラック位置を越えた時点(以下、「制御開始時点」とする)、即ち巻き込み特性が発生し始めるラック位置(仮想反力を発生し始めることが必要とされるラック位置)でのラック軸力を初期ラック軸力(初期軸力)として記憶し、制御開始時点以降は、ラック軸力と初期ラック軸力の差分をラック軸力として使用する。これにより、制御開始時点での規範モデル(フィードバック要素(N/F))の出力はゼロとなり、制御要素部の出力もゼロとなるので、第1ラック位置付近での操舵で補償電流指令値の段差がなくなり、保舵を容易にすることができる。
図48に第13実施形態の構成例を示す。図3に示される第1実施形態の構成例と比べると、軸力演算部970が追加され、軸力演算部970は加算部104より出力されるラック軸力f及びラック位置判定部110より出力される切替信号SWSを入力し、ラック軸力f’を出力する。その他の構成要素は第1実施形態と同じであるから、説明は省略する。
軸力演算部970は設定記憶部971及び減算部972を備える。設定記憶部971は制御開始時点のラック軸力fを記憶する。即ち、判定用ラック位置Rxが第1ラック位置を越えて、ラック位置判定部110が切替信号SWSを出力したら、設定記憶部971は切替信号SWSを入力し、切替信号SWSの入力により制御開始時点であることを判断し、その時点で入力したラック軸力を初期ラック軸力Fzとして記憶する。よって、設定記憶部971に記憶されている初期ラック軸力Fzは、制御開始時点でのみ更新されることになる。減算部972は、設定記憶部971に記憶されている初期ラック軸力Fzを、ラック軸力fから減算することによりラック軸力f’を算出し、出力する。
第13実施形態の動作例を図49に示す。第13実施形態の動作例は、第1実施形態の動作例と比べて、粘弾性モデル追従制御の動作が異なり、さらに、粘弾性モデル追従制御の動作では、軸力演算部970の動作が加わるだけで、他の動作は第1実施形態の動作例と同じである。
ステップS610にてラック位置判定部110から出力された切替信号SWSは、粘弾性モデル追従制御部120に入力されると共に、軸力演算部970の設定記憶部971に入力される。設定記憶部971は、切替信号SWSが制御開始時点で出力されたものである場合(ステップS652)、ステップS650にて加算部104から出力されたラック軸力fを、初期ラック軸力Fzとして記憶する(ステップS653)。切替信号SWSが制御開始時点で出力されたものでない場合(ステップS652)、設定記憶部971に記憶されている初期ラック軸力Fzはそのままである。加算部104から出力されたラック軸力fは、減算部972にも入力され、減算部972は、設定記憶部971に記憶されている初期ラック軸力Fzを、ラック軸力fから減算し(ステップS654)、ラック軸力f’を出力する。ラック軸力f’は、粘弾性モデル追従制御部120に入力される。
なお、設定記憶部971に記憶される初期ラック軸力Fzを利用して、第2実施形態での制御パラメータ設定部223で設定される制御パラメータ(比例ゲインkp、微分ゲインkd)や、第12実施形態でのモデルパラメータ設定部424で設定されるモデルパラメータ(バネ定数k、粘性摩擦係数μ)を調整しても良い。路面状態(アスファルト、濡れた路面、氷上、雪上等)により制御範囲のラック軸力は変化し、路面摩擦係数が小さい場合(氷上、雪上)ではラック軸力が小さく、アスファルトでは路面摩擦係数が大きく、ラック軸力が大きい。よって、制御パラメータやモデルパラメータの特性をアスファルトで適切になるように調整した場合、氷上や雪上等では適切でなくなる可能性があるので、上記のラック軸力の違いを、初期ラック軸力Fzを利用して調整することにより、改善を図ることができる。
上述の実施形態(第1実施形態〜第13実施形態)では、制御要素部はPD制御の構成であるが、PID(比例積分微分)制御或いはPI制御の構成でも良い。PID制御の構成とした場合、伝達関数は下記数51で表わされ、比例ゲインkp、微分ゲインkd及び積分ゲインkiが制御パラメータとなり、第2及び第3実施形態において、積分ゲインkiは比例ゲインkp及び微分ゲインkdに近似した特性を有するようにする。
Figure 2017159843
PI制御の構成とした場合の伝達関数は下記数52となる。
Figure 2017159843
また、PD制御での制御要素部の伝達関数として、微分ゲインkdの代わりに微分時間Tdを用いた下記数53を使用しても良い。
Figure 2017159843
この場合、比例ゲインkp及び微分時間Tdが制御パラメータとなる。同様に、PID制御又はPI制御において、積分ゲインkiの代わりに積分時間Tiを用いても良い。
上述の実施形態では操舵トルク及び補償電流指令値よりラック軸力を算出しているが、ラック軸力を検出するセンサを設置し、センサからラック軸力を取得するようにしても良い。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
3 減速ギア
10 トルクセンサ
12 車速センサ
13 バッテリ
14 舵角センサ
20 モータ
21 回転角センサ
30 コントロールユニット(ECU)
31 トルク制御部
35 電流制御部
36 PWM制御部
100 ラック位置変換部
101 第1軸力変換部
102 第2軸力変換部
103 指令値変換部
106、442 記憶部
110、510 ラック位置判定部
120 粘弾性モデル追従制御部
121 切替部
130、230、330、430 フィードバック制御部
223、323 制御パラメータ設定部
424 モデルパラメータ設定部
440 第1制限部
441 判定制限部
550、650、750、850 第2制限部
751 高操舵時制限値演算部
752 低操舵時制限値演算部
753 高操舵時ゲイン部
754 低操舵時ゲイン部
755 制限処理部
851 高速時制限値演算部
852 低速時制限値演算部
853 高速時ゲイン部
854 低速時ゲイン部
960 抵抗力演算部
961 ラック速度演算部
962 ラック加速度演算部
963 摩擦力演算部
964 慣性力演算部
970 軸力演算部
971 設定記憶部
本発明は、電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、本発明の上記目的は、ラック変位に対する粘弾性モデルを規範モデルとしたモデルフォローイング制御の構成とし、前記モデルフォローイング制御の構成により、操舵トルクを変換して求められる操舵軸力と前記電流指令値を基にして求められるアシスト軸力とを加算して求められる軸力及び前記ラック変位を入力とするフィードバック制御を行い、仮想反力を生成することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、操舵トルクを操舵軸力に変換する第1軸力変換部と、補償電流指令値をアシスト軸力に変換する第2軸力変換部と、前記モータの回転角を判定用ラック位置に変換するラック位置変換部と、前記判定用ラック位置が所定の第1ラック位置を越えたことを判定し、ラック変位及び切替信号を出力するラック位置判定部と、前記操舵軸力及び前記アシスト軸力を加算して求められる軸力、前記ラック変位及び前記切替信号に基づいて、粘弾性モデルを規範モデルとして仮想軸力を生成する粘弾性モデル追従制御部と、前記仮想軸力を制御指令値に変換する指令値変換部とを備え、前記粘弾性モデル追従制御部は、前記軸力及び前記ラック変位に基づいてフィードバック制御により前記仮想軸力を出力するフィードバック制御部と、前記切替信号により前記仮想軸力の出力を切り替える切替部とを具備しており、前記制御指令値を前記電流指令値に加算して演算される前記補償電流指令値によって前記アシスト制御を行うことにより達成される。
さらに、本発明の上記目的は、電動パワーステアリング装置の機構部に作用する抵抗力を求める抵抗力演算部をさらに備え、前記操舵軸力及び前記アシスト軸力の加算において前記抵抗力を減算することにより前記軸力を求めることにより、或いは、前記ラック変位又は仮想ラック変位により前記フィードバック制御部の制御パラメータを変更することにより、或いは、前記ラック変位又は前記仮想ラック変位が小さいところでは前記制御パラメータを小さくし、前記ラック変位又は前記仮想ラック変位が大きくなるにつれて前記制御パラメータを大きくするように変更することにより、或いは、前記第1ラック位置より大きくラックエンド位置より小さい所定の第2ラック位置を前記ラック変位が越えた場合、前記仮想軸力を制限する第1制限部をさらに備えることにより、或いは、前記仮想軸力に対して上限値及び下限値を設定し、前記仮想軸力を制限する第2制限部をさらに備えることにより、或いは、前記上限値及び下限値を操舵方向に応じて設定することにより、或いは、前記上限値及び下限値を前記軸力に基づいて設定することにより、或いは、前記上限値及び下限値を操舵速度により変更することにより、或いは、前記上限値及び下限値を車速により変更することにより、或いは、前記ラック変位により前記フィードバック制御部のモデルパラメータを変更することにより、或いは、前記判定用ラック位置が前記第1ラック位置を越えた時点の前記軸力を初期軸力として記憶し、前記時点以降は前記軸力と前記初期軸力の差分を前記軸力として用いることにより、より効果的に達成される。

Claims (14)

  1. 電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    ラック変位に対する粘弾性モデルを規範モデルとしたモデルフォローイング制御の構成とし、
    前記モデルフォローイング制御の構成により、路面反力に相当する軸力を入力とするフィードバック制御を行い、仮想反力を生成することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記モータの回転角を判定用ラック位置に変換するラック位置変換部と、
    前記判定用ラック位置が所定の第1ラック位置を越えたことを判定し、ラック変位及び切替信号を出力するラック位置判定部と、
    路面反力に相当する軸力、前記ラック変位及び前記切替信号に基づいて、粘弾性モデルを規範モデルとして仮想軸力を生成する粘弾性モデル追従制御部と、
    前記仮想軸力を制御指令値に変換する指令値変換部とを備え、
    前記粘弾性モデル追従制御部は、
    前記軸力及び前記ラック変位に基づいてフィードバック制御により前記仮想軸力を出力するフィードバック制御部と、
    前記切替信号により前記仮想軸力の出力を切り替える切替部とを具備しており、
    前記制御指令値を前記電流指令値に加算して演算される補償電流指令値によって前記アシスト制御を行うことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 操舵トルクを操舵軸力に変換する第1軸力変換部と、
    前記補償電流指令値をアシスト軸力に変換する第2軸力変換部とをさらに備え、
    前記操舵軸力及び前記アシスト軸力の加算により前記軸力を求める請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 電動パワーステアリング装置の機構部に作用する抵抗力を求める抵抗力演算部をさらに備え、
    前記操舵軸力及び前記アシスト軸力の加算において前記抵抗力を減算することにより前記軸力を求める請求項3に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記ラック変位又は仮想ラック変位により前記フィードバック制御部の制御パラメータを変更する請求項2乃至4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  6. 前記ラック変位又は前記仮想ラック変位が小さいところでは前記制御パラメータを小さくし、前記ラック変位又は前記仮想ラック変位が大きくなるにつれて前記制御パラメータを大きくするように変更する請求項5に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  7. 前記第1ラック位置より大きくラックエンド位置より小さい所定の第2ラック位置を前記ラック変位が越えた場合、前記仮想軸力を制限する第1制限部をさらに備える請求項2乃至6のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  8. 前記仮想軸力に対して上限値及び下限値を設定し、前記仮想軸力を制限する第2制限部をさらに備える請求項2乃至7のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  9. 前記上限値及び下限値を操舵方向に応じて設定する請求項8に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  10. 前記上限値及び下限値を前記軸力に基づいて設定する請求項8又は9に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  11. 前記上限値及び下限値を操舵速度により変更する請求項8乃至10のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  12. 前記上限値及び下限値を車速により変更する請求項8乃至10のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  13. 前記ラック変位により前記フィードバック制御部のモデルパラメータを変更する請求項2乃至12のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  14. 前記判定用ラック位置が前記第1ラック位置を越えた時点の前記軸力を初期軸力として記憶し、前記時点以降は前記軸力と前記初期軸力の差分を前記軸力として用いる請求項2乃至13のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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