JP6103163B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、電流指令値によってモータを駆動し、車両の操舵系にアシストトルクを付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特に粘弾性モデルを規範モデルとし、ラックエンド近傍で電流指令値を絞ることによりアシストトルクを減少させ、端当て時の勢いを減衰して衝撃エネルギーを低くし、運転者の不快に感じる打音(異音)を抑制し、操舵フィーリングを向上した電動パワーステアリング装置に関する。また、ラック軸力、ラック変位並びに操舵状態(切増し/切戻し)に基づいて規範モデルのモデルパラメータ、制御系(フィードバック制御部)の制御パラメータを可変させ、入力の制限により衝撃を抑制し、あらゆる路面状況にも対応可能な高性能な電動パワーステアリング装置に関する。
車両の操舵系にモータの回転力でアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸にアシスト力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシスト力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいて、アシストマップを用いてアシスト指令の電流指令値の演算を行い、演算された電流指令値に補償等を施した電圧制御値Vrefによってモータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VelはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
このような電動パワーステアリング装置において、コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCUを含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと、例えば図2に示されるような構成となっている。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10からの操舵トルクTh及び車速センサ12からの車速Velは電流指令値を演算するトルク制御部31に入力され、演算された電流指令値Iref1は減算部32Bに入力され、モータ電流検出値Imと減算される。減算部32Bでの減算結果である偏差I(=Iref1−Im)はPI制御等の電流制御部35で制御され、電流制御された電圧制御値VrefがPWM制御部36に入力されてデューティを演算され、PWM信号でインバータ37を介してモータ20をPWM駆動する。モータ20のモータ電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bに入力されてフィードバックされる。モータ20にはレゾルバ等の回転角センサ21が連結されており、回転角θが検出されて出力される。
このような電動パワーステアリング装置では、操舵系の最大舵角(ラックエンド)の近傍で大きなアシストトルクがモータにより付加されると、操舵系が最大舵角に至った時点で大きな衝撃が生じ、打音(異音)が発生して、運転者が不快に感じる可能性がある。
そのため、特公平6−4417号公報(特許文献1)には、操舵系の操舵角が最大操舵角より所定値手前になったことを判定する操舵角判定手段を備えると共に、操舵角が最大操舵角より所定値手前になったときにモータへ供給する電力を減少させて、アシストトルクを減少させる補正手段を備えた電動式パワーステアリング装置が開示されている。
また、特許第4115156号公報(特許文献2)には、調節機構が端位置に近づいているかどうかを決定し、調節機構が端位置に近づいていることが分かった場合、ステアリング補助を減少するように駆動手段を制御し、調節機構が端位置に近付く速度を決定するため、位置センサによって決定された調節速度が評価される電動パワーステアリング装置が示されている。
特公平6−4417号公報 特許第4115156号公報
しかしながら、特許文献1に開示された電動式パワーステアリング装置では、操舵角が最大操舵角より所定値手前になったことで電力を減少させており、操舵速度等を全く考慮していないので、微細な電流低減制御ができない。また、モータのアシストトルクを減少させる特性が全く示されておらず、具体的な構成となっていない。
また、特許文献2に開示された電動パワーステアリング装置では、アシスト量を終端に向かうに従って減少していくが、終端に近づく速度に応じてアシスト量低減の速さを調整し、終端での速度を十分に落とすようにしている。しかし、特許文献2では、速度に応じて低減する特性を変化させることのみを示しており、物理的なモデルには基づいていない。また、フィードバック制御していないため、路面状況(負荷状態)によっては特性或いは結果が変化する恐れがある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、物理モデルに基づいた制御系を構成し、規範モデルに制御対象の出力(ラックエンドまでの距離)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、運転者に操舵違和感を与えずに端当て時の異音の発生を抑制し、衝撃力を減衰する電動パワーステアリング装置を提供することにある。また、ラック軸力、ラック変位並びに操舵状態(切増し/切戻し)に基づいてフィードバック(FB)制御部のモデルパラメータ、制御パラメータを可変とし、入力制限により衝撃力を抑制した高性能な電動パワーステアリング装置を提供することも、目的とする。
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値1を演算し、前記電流指令値1に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記電流指令値1をラック軸力1に変換する第1の変換部と、前記モータの回転角から判定用ラック位置に変換するラック位置変換部と、前記判定用ラック位置に基づいてラックエンドに接近したことを判定し、ラック変位及び切替信号を出力するラックエンド接近判定部と、前記ラック軸力1、前記ラック変位及び前記切替信号に基づいて、粘弾性モデルを規範モデルとしたラック軸力2を生成する粘弾性モデル追従制御部と、前記ラック軸力2を電流指令値2に変換する第2の変換部と、を具備し、前記粘弾性モデル追従制御部が、前記ラック軸力1に基づいてフィードフォワード制御してラック軸力3を出力するフィードフォワード制御部と、前記ラック変位及び前記ラック軸力1に基づいてフィードバック制御してラック軸力4を出力するフィードバック制御部と、前記切替信号により前記ラック軸力3の出力をON/OFFする第1の切替部と、前記切替信号により前記ラック軸力4の出力をON/OFFする第2の切替部と、前記第1及び第2の切替部の出力を加算して前記ラック軸力2を出力する加算部と、で構成されており、前記電流指令値2を前記電流指令値1に加算して前記アシスト制御を行い、ラックエンド端当て時の衝撃力を減衰することにより達成される。また、本発明の上記目的は、前記粘弾性モデル追従制御部が、前記ラック変位に基づいてフィードフォワード制御してラック軸力3を出力するフィードフォワード制御部と、前記ラック変位及び前記ラック軸力1に基づいてフィードバック制御してラック軸力4を出力するフィードバック制御部と、前記切替信号により前記ラック軸力3の出力をON/OFFする第1の切替部と、前記切替信号により前記ラック軸力4の出力をON/OFFする第2の切替部と、前記第1及び第2の切替部の出力を加算して前記ラック軸力2を出力する加算部と、で構成されていることにより、或いは、前記粘弾性モデル追従制御部が、前記ラック変位及び前記ラック軸力1に基づいてフィードバック制御してラック軸力2を出力するフィードバック制御部と、前記切替信号により前記ラック軸力2の出力をON/OFFする切替部とを具備しており、前記ラック変位又は目標ラック変位によって、前記フィードバック制御部の制御パラメータを変更するようになっていることにより達成される。
更に、本発明の上記目的は、ラックエンド手前の所定角度xの範囲内で粘弾性モデルを規範モデルとした、フィードバック制御部で成るモデルフォローイング制御の構成であり、前記フィードバック制御部が入力側ラック軸力fに基づいて目標ラック変位を演算するフィードバック要素と、前記目標ラック変位及びラック変位xの位置偏差に基づいて出力側ラック軸力ffを出力する制御要素部とで構成され、前記フィードバック要素及び前記制御要素部の少なくとも一方のパラメータを可変して設定する補正部と、前記操舵トルク及び前記電流指令値に基づいてラック軸力f4を演算する軸力演算部と、前記ラック軸力f4の最大値を制限値により制限して前記入力側ラック軸力fを出力するリミッタと、操舵状態を判定する操舵状態判定部とを具備し、前記操舵状態判定部の判定結果に応じて前記パラメータを可変若しくは切替えることにより達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、物理モデルに基づいた制御系を構成しているので、定数設計に見通しが立て易くなり、規範モデルに制御対象の出力(ラックエンドまでの距離)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成しているので、負荷状態(外乱)や制御対象の変動にロバスト(頑健)な制御が可能となる利点がある。
また、制御パラメータを所定角度の範囲内で可変としているので、運転者にアシスト力変化による反力違和感を与えず、また、ラックエンドに到達する時の衝撃力を減衰することができると共に、モータに対してのブレーキ効果があり、モータ慣性の衝撃力も抑制できるので、インタミやギアの保護もできる。
更に、本発明の電動パワーステアリング装置によれば、規範モデルのモデルパラメータ及び制御要素のパラメータをラック軸力、ラック変位並びに操舵状態(切増し/切戻し)に基づいて可変しているので制御性が一層向上し、また、ラック軸力の入力を制限しているので衝撃を抑制することができ、あらゆる路面状況に応じた対応が可能となる利点がある。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の構成例を示すブロック図である。 ラック位置変換部の特性例を示す図である。 粘弾性モデル追従制御部の構成例(実施形態1)を示すブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の構成例(実施形態2)を示すブロック図である。 本発明の動作例(全体)を示すフローチャートである。 粘弾性モデル追従制御部の動作例を示すフローチャートである。 粘弾性モデルの模式図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(実施例1)を示すブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(実施例2)を示すブロック図である。 ラック位置によって規範モデルのパラメータを変更する例及びラックエンド付近を示す図である。 粘弾性モデル追従制御部の動作例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態(実施形態3)を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態(実施形態4)を示すブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(実施例3)を示すブロック図である。 ラック変位によって制御パラメータを変更する例を示す図である。 粘弾性モデル追従制御部の動作例(実施例3)を示すフローチャートである。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(実施例4)を示すブロック図である。 ラック位置によって規範モデルのパラメータを変更する例を示す図である。 走行状態による反力(ラック軸力)の特性例を示す特性図である。 本発明の実施例5を示すブロック構成図である。 リミッタの特性例を示す特性図である。 制御パラメータ設定部の特性例を示す特性図である。 切増し/切戻しの切替パターンの一例を示す特性図である。 切増し/切戻しの切替パターンの他の例を示す特性図である。 本発明の実施例5の動作例を示すフローチャートである。 フィードバック制御の動作例を示すフローチャートである。 入力制限の効果を説明する特性図である。 本発明の実施例7を示すブロック構成図である。
本発明は、ラックエンド近傍の物理モデルに基づいた制御系を構成し、粘弾性モデル(バネ定数、粘性摩擦係数)を規範モデルとし、その規範モデルに制御対象の出力(ラックエンドまでの距離)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、運転者に操舵違和感を与えずに端当て時の異音の発生を抑制し、ラックエンド端当ての抑制(ラックエンド端当て時の衝撃力の減衰を含む)を図る電動パワーステアリング装置である。
モデルフォローイング制御は粘弾性モデル追従制御部で構成し、粘弾性モデル追従制御部をフィードフォワード制御部若しくはフィードバック制御部或いはその両者で構成し、ラックエンド手前の所定角度外では通常のアシスト制御を行い、ラックエンド手前の所定角度内でモデルフォローイング制御を行い、ラックエンドに当たる時の衝撃力を抑制する。
また、フィードバック制御部の制御パラメータを、所定角度の範囲内において、ラック変位又は目標ラック変位(目標舵角)に基づいて可変とする。例えば、開始舵角(モデルフォローイング制御を開始する舵角)付近ではフィードバック制御部の制御ゲインが小さくなるような制御パラメータを設定し、ラックエンドに近付くにつれて制御ゲインが大きくなるような制御パラメータを設定する。これにより、開始舵角付近の制御量が小さくなり、所定角度の範囲内外でのアシスト力の変化量が小さくなるので、運転者にアシスト力変化による反力違和感を与えるのを抑えることができる。また、ラックエンドに近い領域では制御量を大きくすることができるので、ラックエンドに到達する時の衝撃力を抑制できる。
更に本発明では、モデルフォローイング制御の粘弾性モデルのモデルパラメータ及び制御要素に対する制御パラメータ(フィードバック制御部の制御ゲイン)を所定角度内で可変すると共に、ラック軸力の最大入力を制限する。例えば、開始舵角付近では、粘弾性モデルのバネ項を小さく、制御ゲインを低くし、ラックエンドに近づくにつれて大きく設定する。また、所定角度範囲内に入ったときのラック軸力が小さいほどバネ項を大きくし、制御ゲインを大きく設定する。このようにすることで、開始舵角付近の制御量が小さく、所定範囲内外でのアシスト量の変化量が小さくなる。これにより、運転者はアシスト量の変化による反力違和感を感じないようにできる。また、ラックエンドに近い領域では制御ゲインを大きく設定し、制御量を大きくすることができるため、ラックエンドに到達する時の衝撃力を減衰できる。
また、路面状態(アスファルト、濡れた路面、氷上、雪上等)により、所定角度範囲のラック軸力が変化する。路面の摩擦係数が小さい場合(氷上、雪上)ではラック軸力が小さく、アスファルトでは路面摩擦係数が大きくラック軸力が大きい。モデルパラメータ、制御パラメータ(ゲイン)をアスファルトで適切に設定した場合、氷上、雪上などでは適切ではなくなる可能性がある。摩擦係数が小さい場合は、ラックエンドに向けて大きなアシスト力を発生できる余裕量が大きく、舵角が大きく進み、ラックエンドに到達する可能性が高くなる。所定角度範囲に入った時点でのラック軸力が小さいほど、粘弾性モデルのバネ定数を大きくし、制御ゲインを高くすることで、舵角進み角度を小さくすることが望まれる。そこで、本発明では、ラック軸力が小さいほど、バネ定数が大きく制御ゲインを高くすることのできる補正部を設けると共に、ラック軸力の最大入力を制限値により制限して、衝撃の抑制を図っている。
更に本発明では、切増し操舵と切戻し操舵の操舵状態に応じて、モデルパラメータ及び制御パラメータを可変することで、運転者が感じる操舵トルクの変化を変えることを可能としている。例えば、切戻し時に操舵トルクが急に小さくなると、運転者は戻されるような感覚を覚えるため、快適性が損なわれる。切戻し時には粘性が大きくなるようなパラメータ設計にすることで、これを回避することが可能となる。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図3は本発明の実施形態の一例を図2に対応させて示しており、電流指令値Iref1は変換部101でラック軸力fに変換され、ラック軸力fは粘弾性モデル追従制御部120に入力される。ラック軸力fはコラム軸トルクと等価であるが、以下の説明では便宜的にラック軸力として説明する。
電流指令値Iref1からラック軸力fへの変換は、下記数1に従って行われる。
(数1)
f=G1×Iref1
ここで、Ktをトルク定数[Nm/A]、Grを減速比、Cfを比スト
ローク[m/rev.]として、G1=Kt×Gr×(2π/Cf)で
ある。

回転角センサ21からの回転角θはラック位置変換部100に入力され、判定用ラック位置Rxに変換される。判定用ラック位置Rxはラックエンド接近判定部110に入力され、ラックエンド接近判定部110は図4に示すように、判定用ラック位置Rxがラックエンド手前の所定位置x以内にあると判定したときに端当て抑制制御機能を働かせ、ラック変位xを出力すると共に切替信号SWSを出力する。切替信号SWS及びラック変位xは、ラック軸力fと共に粘弾性モデル追従制御部120へ入力され、粘弾性モデル追従制御部120で制御演算されたラック軸力ffは変換部102で電流指令値Iref2に変換され、電流指令値Iref2は加算部103で電流指令値Iref1と加算されて電流指令値Iref3となる。電流指令値Iref3に基づいて、上述したアシスト制御が行われる。
なお、図4に示すラックエンド近接領域を設定する所定位置xは、適宜な位置に設定可能である。所定位置xはラック比ストロ−ク、車種、フィール等により一義的には定まらず、通常ラックエンド手前1〜50mm程度に設定される。
変換部102でのラック軸力ffから電流指令値Iref2への変換は、下記数2に従って行われる。
(数2)
Iref2=ff/G1

粘弾性モデル追従制御部120の詳細は、図5又は図6に示される。
図5の実施形態1では、ラック軸力fはフィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部140に入力され、ラック変位xはフィードバック制御部140に入力される。フィードフォワード制御部130からのラック軸力FFは切替部121に入力され、フィードバック制御部140からのラック軸力FBは切替部122入力される。切替部121及び122は切替信号SWSによってON/OFFされ、切替信号SWSによってOFFされているときは、各出力u及びuはゼロである。切替信号SWSによって切替部121及び122がONされたとき、切替部121からのラック軸力FFがラック軸力uとして出力され、切替部122からのラック軸力FBがラック軸力uとして出力される。切替部121及び122からのラック軸力u及びuが加算部123で加算され、加算値のラック軸力ffが粘弾性モデル追従制御部120から出力される。ラック軸力ffは、変換部102で電流指令値Iref2に変換される。
また、図6の実施形態2では、ラック変位xはフィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部140に入力され、ラック軸力fはフィードバック制御部140に入力される。以下は図5の実施形態1と同様に、フィードフォワード制御部130からのラック軸力FFは切替部121に入力され、フィードバック制御部140からのラック軸力FBは切替部122入力される。切替部121及び122は切替信号SWSによってON/OFFされ、切替信号SWSによってOFFされているときは、各出力u及びuはゼロである。切替信号SWSによって切替部121及び122がONされたとき、切替部121からのラック軸力FFがラック軸力uとして出力され、切替部122からのラック軸力FBがラック軸力uとして出力される。切替部121及び122からのラック軸力u及びuが加算部123で加算され、加算値のラック軸力ffが粘弾性モデル追従制御部120から出力される。ラック軸力ffは変換部102で電流指令値Iref2に変換される。
このような構成において、先ず本発明の動作例全体を図7のフローチャートを参照して、次いで粘弾性モデル追従制御(実施形態1及び2)の動作例を図8のフローチャートを参照して説明する。
スタート段階においては、切替部121及び122は切替信号SWSによってOFFされている。そして、動作がスタートすると先ず、トルク制御部31は操舵トルクTh及び車速Velに基づいて電流指令値Iref1を演算し(ステップS10)、ラック位置変換部100は回転角センサ21からの回転角θを判定用ラック位置Rxに変換する(ステップS11)。ラックエンド接近判定部110は判定用ラック位置Rxに基づいてラックエンド接近か否かを判定し(ステップS12)、ラックエンド接近でない場合には、粘弾性モデル追従制御部120からラック軸力ffは出力されず、電流指令値Iref1に基づく通常の操舵制御が実行され(ステップS13)、終了となるまで継続される(ステップS14)。
一方、ラックエンド接近判定部110でラックエンド接近が判定された場合には、粘弾性モデル追従制御部120による粘弾性モデル追従制御が実行される(ステップS20)。即ち、図8に示すように、ラックエンド接近判定部110から切替信号SWSが出力されると共に(ステップS201)、ラック変位xが出力される(ステップS202)。また、変換部101は、前記数1に従って電流指令値Iref1をラック軸力fに変換する(ステップS203)。図5の実施形態1では、フィードフォワード制御部130はラック軸力fに基づいてフィードフォワード制御を行い(ステップS204)、フィードバック制御部140はラック変位x及びラック軸力fに基づいてフィードバック制御を行う(ステップS205)。また、図6の実施形態2では、フィードフォワード制御部130はラック変位xに基づいてフィードフォワード制御を行い(ステップS204)、フィードバック制御部140はラック変位x及びラック軸力fに基づいてフィードバック制御を行う(ステップS205)。なお、いずれの場合も、フィードフォワード制御及びフィードバック制御の順番は、逆であっても良い。
ラックエンド接近判定部110からの切替信号SWSは切替部121及び122に入力され、切替部121及び122がONされる(ステップS206)。切替部121及び122がONされると、フィードフォワード制御部130からのラック軸力FFがラック軸力uとして出力され、フィードバック制御部140からのラック軸力FBがラック軸力uとして出力される。ラック軸力u及びuは加算部123で加算され(ステップS207)、加算結果としてのラック軸力ffが変換部102で、前記数2に従って電流指令値Iref2に変換される(ステップS208)。
ここで、本発明の粘弾性モデル追従制御部120は、ラックエンド近辺の物理モデルに基づいた制御系となっており、ラックエンド手前の所定角度以内で粘弾性モデル(バネ定数k[N/m]、粘性摩擦係数μ[N/(m/s)])を規範モデル(入力:力、出力:変位で記述された物理モデル)としたモデルフォローイング制御を構成し、ラックエンドに当たる時の衝撃力を減衰している。
図9はラックエンド近傍の模式図を示しており、質量mと力Fo,Fの関係は数3である。粘弾性モデルの方程式の算出は、例えば関西大学理工学会誌「理工学と技術」Vol.17(2010)の「弾性膜と粘弾性の力学の基礎」(大場謙吉)に示されている。
Figure 0006103163
そして、ラック変位x、xに対して、k、kをバネ定数とすると、数4〜数6が成立する。
(数4)
x=x+x
(数5)
=k
Figure 0006103163
従って、上記数3に上記数4〜数6を代入して数7となる。
Figure 0006103163
上記数7を微分すると、下記数8となり、μ/kを両辺に乗算すると数9となる。
Figure 0006103163
Figure 0006103163
そして、数7と数9を加算すると、数10となる。
Figure 0006103163
数10に上記数4及び数6を代入すると、下記数11となる。
Figure 0006103163
ここで、μ/k=τ,k=E,μ(1/k+1/k)=τδとすると、上記数11は数12となり、ラプラス変換すると数13が成立する。
Figure 0006103163
Figure 0006103163
上記数13をX(s)/F(s)で整理すると、下記数14となる。
Figure 0006103163
数14は入力力fから出力変位xまでの特性を示す3次の物理モデル(伝達関数)となり、バネ定数k=∞のバネとするとτe→0であり、τδ=μ・1/kであるので、2次関数の下記数15が導かれる。
Figure 0006103163

本発明では、数15で表される2次関数を規範モデルGmとして説明する。即ち、数16を規範モデルGmとしている。ここで、μ=μとしている。
Figure 0006103163

次に、電動パワーステアリング装置の実プラント146を下記数17で表わされるPとし、本発明の規範モデル追従型制御を2自由度制御系で設計すると、Pn及びPdを実際のモデルとして図10の構成となる。ブロック143(Cd)は制御要素部を示している。(例えば朝倉書店発行の前田肇、杉江俊治著「アドバンスト制御のためのシステム制御理論」参照)
Figure 0006103163
実プラントPを安定な有理関数の比で表わすために、N及びDを下記数18で表わす。Nの分子はPの分子、Dの分子はPの分母となる。ただし、αは(s+α)=0の極が任意に選択できる。
Figure 0006103163

図10の構成を規範モデルGmに適用すると、x/f=Gmとなるためには、1/Fを下記数19のように設定する必要がある。なお、数19は、数16及び数18より導かれる。
Figure 0006103163
フィードバック制御部のブロックN/Fは下記数20である。
Figure 0006103163
フィードフォワード制御部のブロックD/Fは下記数21である。
Figure 0006103163

2自由度制御系の一例を示す図10において、実プラントPへの入力(ラック軸力若しくはコラム軸トルクに対応する電流指令値)uは、下記数22で表される。
Figure 0006103163
また、実プラントPの出力(ラック変位)xは下記数23である。
Figure 0006103163
数23を整理し、出力xの項と左辺fの項を右辺に揃えると、数24が導かれる。
Figure 0006103163
数24を入力fに対する出力xの伝達関数として表わすと、数25となる。ここで、3項目以降ではP=Pn/Pdとして表現している。
Figure 0006103163
実プラントPを正確に表現できたとすれば、Pn=N、Pd=Dとすることができ、入力fに対する出力xの特性は、Pn/F(=N/F)として表わされるので、数26が成立する。
Figure 0006103163
入力fに対して出力xの特性(規範モデル(伝達関数))を、下記数27のようにすると考えるとき、
Figure 0006103163
1/Fを下記数28のようにすることで達成できる。
Figure 0006103163

図10において、フィードフォワード制御系をブロック144→実プラントPの経路で考えると、図11となる。ここで、P=N/Dとすると、図11(A)は図11(B)となり、数20より図11(C)が得られる。図11(C)より、f=(m・s+μ・s+k0)xとなるので、これを逆ラプラス変換すると、下記数29が得られる。
Figure 0006103163

一方、図12に示すようなフィードフォワード制御系の伝達関数ブロックを考えると、下記数30が入力f及び出力xにおいて成立する。
Figure 0006103163
数30を整理すると下記31となり、数31を入力fについて整理すると、数32が得られる。
Figure 0006103163
Figure 0006103163
数32を逆ラプラス変換すると上記数29となり、結果的に図13に示すように2つのフィードフォワード制御部A及びBは等価である。
上記前提を踏まえ、以下に本発明の具体的な構成例を図14及び図15に示して説明する。図14の実施例1は図5の実施形態1に対応し、ラック軸力fがフィードフォワード制御部130内のフィードフォワード要素144(数21で示されるD/F)及びフィードバック制御部140に入力され、ラック変位xがフィードバック制御部140に入力される。また、図15の実施例2は図6の実施形態2に対応し、ラック変位xがフィードフォワード制御部130内のバネ定数項131及び粘性摩擦係数項132に入力され、ラック軸力fがフィードバック制御部140に入力される。
図14の実施例1ではフィードフォワード要素144からのラック軸力FFは切替部121のb1接点に入力される。また、図15の実施例2では、フィードフォワード制御部130内のバネ定数項131及び粘性摩擦係数項132の出力を減算部133で減算し、減算部133の減算結果であるラック軸力FFが切替部121のb1接点に入力される。切替部121のa1接点には、固定部125から固定値「0」が入力されている。
図14の実施例1及び図15の実施例2のいずれにおいても、フィードバック制御部140はフィードバック要素(N/F)141、減算部142、制御要素部143で構成され、フィードバック制御部140からのラック軸力FB、つまり制御要素部143の出力は切替部122のb2接点に入力される。切替部122のa2接点には、固定部126から固定値「0」が入力されている。
図14の実施例1では、ラック軸力fはフィードフォワード制御部130内のフィードフォワード要素144に入力されると共に、フィードバック制御部140のフィードバック要素(N/F)141に入力される。ラック変位xはフィードバック制御部140の減算部142に減算入力されると共に、パラメータ設定部124に入力される。パラメータ設定部124はラック変位xに対して、例えば図16(A)に示すような特性のバネ定数k及び粘性摩擦係数μを出力し、バネ定数k及び粘性摩擦係数μは、フィードフォワード制御部130内のフィードフォワード要素144及びフィードバック制御部140内のフィードバック要素(N/F)141に入力される。
なお、図16(B)は、実際に制御した場合の端当て付近の電流I[A](若しくはラック軸力f[N])のイメージを示しており、制御が入っていなければラックエンド又は目標値まで一定或いは増加し、粘弾性効果はない。本発明はステップ状よりも衝撃力を抑制でき、徐変よりもハンドルの手感で端当て時の感触(ブレーキ効果)がある。
図15の実施例2では、ラック変位xはフィードフォワード制御部130内のバネ定数項131及び粘性摩擦係数項132に入力されると共に、フィードバック制御部140の減算部142に入力され、更にパラメータ設定部124に入力される。ラック軸力fはフィードバック制御部140のフィードバック要素(N/F)141に入力される。パラメータ設定部124はラック変位xに対して、上述と同様なバネ定数k及び粘性摩擦係数μを出力し、バネ定数kはバネ定数項131及びフィードバック要素(N/F)141に入力され、粘性摩擦係数μは粘性摩擦係数項132及びフィードバック要素(N/F)141に入力される。
また、切替信号SWSは、実施例1及び2においていずれも切替部121及び122に入力され、切替部121及び122の接点は通常時はそれぞれ接点a1及びa2に接続されており、切替信号SWSによってそれぞれ接点b1及びb2に切替えられるようになっている。
このような構成において、図15の実施例2の動作例を図17のフローチャートを参照して説明する。
ラックエンド接近判定部110から切替信号SWSが出力されると共に(ステップS21)、ラック変位xが出力される(ステップS22)。ラック変位xはバネ定数項131、粘性摩擦係数項132、パラメータ設定部124及び減算部142に入力される。パラメータ設定部124は、ラック変位xに応じて図16(A)の特性に従って求められたバネ定数k及び粘性摩擦係数μを、バネ定数項131、粘性摩擦係数項132及びフィードバック要素(N/F)141に設定する(ステップS23)。また、変換部101は電流指令値Iref1をラック軸力fに変換し(ステップS23A)、ラック軸力fはフィードバック要素(N/F)141に入力され、N/F演算される(ステップS24)。N/F演算値は減算部142に加算入力され、ラック変位xが減算され(ステップS24A)、その減算値が制御要素部143でCd演算される(ステップS24B)。制御要素部143から、演算されたラック軸力FBが出力されて切替部122の接点b2に入力される。
フィードフォワード制御部130内の粘性摩擦係数項132は、粘性摩擦係数μに基づいて“(μ−η)・s”の演算を行い(ステップS25)、バネ定数項131にバネ定数kを設定し(ステップS25A)、減算部でバネ定数k及び“(μ−η)・s”の減算を行い(ステップS25B)、演算結果としてラック軸力FFを出力する。ラック軸力FFは切替部121の接点b1に入力される。なお、フィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部140の演算の順番は、逆であっても良い。
ラックエンド接近判定部110からの切替信号SWSは切替部121及び122に入力され、切替部121及び122の各接点がa1からb1へ、a2からb2へ切替えられ、切替部121及び122からのラック軸力u及びuが加算部123で加算され(ステップS26)、加算結果としてのラック軸力ffが変換部102で電流指令値Iref2に変換される(ステップS26A)。電流指令値Iref2は加算部103に入力され、電流指令値Iref1に加算され(ステップS27)、操舵制御が実行され、ステップS14へリターンする。
図14の実施例1及び図15の実施例2では、実施形態1及び2において、フィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部140の両方の制御演算を実行しているが、図18に示すようにフィードバック制御部140のみの構成(実施形態3)でも良く、また、図19に示すようにフィードフォワード制御部130のみの構成(実施形態4)でも良い。
図20は本発明の実施例3の粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例を図15に対応させて示しており、実施例2に対して制御パラメータ設定部127が追加されている。制御パラメータ設定部127からの出力はフィードバック制御部150の制御要素部153に入力される。他の構成は実施形態4と同じであるから、説明は省略する。
制御要素部153はPD(比例微分)制御の構成で、伝達関数は下記数33で表わされる。
Figure 0006103163
kpは比例ゲイン、kdは微分ゲインであり、フィードバック制御部150の制御パラメータとなっている。

制御パラメータ設定部127はラック変位xに対して、例えば図21に示すような特性を有する比例ゲインkp及び微分ゲインkdを出力し、比例ゲインkp及び微分ゲインkdは制御要素部153に入力される。比例ゲインkp及び微分ゲインkdを図21に示すような特性にすることにより、ラック変位xが小さい範囲(即ち開始舵角付近)では制御要素部153の制御ゲインは小さくなり、ラック変位が大きくなるにつれて(即ちラックエンドに近付くにつれて)制御ゲインが大きくなる。
このような構成において、粘弾性モデル追従制御の動作例を図22のフローチャートを参照して説明する。なお、ステップS23aが異なるだけで、その他の動作は実施例2と同じである。
ラックエンド接近判定部110から切替信号SWSが出力されると共に(ステップS21)、ラック変位xが出力される(ステップS22)。ラック変位xはバネ定数項131、粘性摩擦係数項132、パラメータ設定部124、減算部142及び制御パラメータ設定部127に入力される。パラメータ設定部124は、ラック変位xに応じて図16(A)の特性に従って求められたバネ定数k及び粘性摩擦係数μを、バネ定数項131、粘性摩擦係数項132及びフィードバック要素(N/F)141に設定する(ステップS23)。制御パラメータ設定部127は、ラック変位xに応じて図21の特性に従って求められた比例ゲインkp及び微分ゲインkdを制御要素部153に設定する(ステップS23a)。また、変換部101は数1に従って電流指令値Iref1をラック軸力fに変換し(ステップS23A)、ラック軸力fはフィードバック要素(N/F)141に入力され、N/F演算される(ステップS24)。N/F演算値は減算部142に加算入力され、ラック変位xが減算され(ステップS24A)、その減算値が制御要素部153でCd演算される(ステップS24B)。制御要素部153から、演算されたラック軸力FBが出力されて切替部122の接点b2に入力される。
フィードフォワード制御部130は、実施例2でのステップS25〜S25Bと同様の動作によりラック軸力FFを出力し、ラック軸力FFは切替部121の接点b1に入力される。なお、フィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部150の演算の順番は、逆であっても良い。
その後は、実施例2でのステップS26〜S27と同様の動作が実行され、ステップS14へリターンする。
次に、他の実施例4について説明する。
実施例3では、フィードバック制御部の制御パラメータをラック変位に基づいて可変としているが、実施例4では、目標ラック変位(目標舵角)に基づいて可変とする。
図23は実施例2での粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例を示しており、図20に示される実施例3での粘弾性モデル追従制御部の構成例と比べると、制御パラメータ設定部128にはラック変位xではなく、目標ラック変位であるフィードバック要素(N/F)141からのN/F演算値が入力されている。制御パラメータ設定部128は目標ラック変位に対して、例えば図21に示される特性と同様な特性を有する比例ゲインkp及び微分ゲインkdを出力する。制御パラメータ設定部128以外は実施例1での粘弾性モデル追従制御部と同様の構成で、同様の動作を行う。
上述の実施例(実施例1〜実施例4)では、制御要素部143(Cd)(又は153)はPD制御の構成であるが、PID(比例積分微分)制御或いはPI制御の構成でも良い。PID制御の構成とした場合、伝達関数は下記数34で表わされ、比例ゲインkp、微分ゲインkd及び積分ゲインkiが制御パラメータとなり、積分ゲインkiは比例ゲインkp及び微分ゲインkdに近似した特性を有する。
Figure 0006103163
PI制御の構成とした場合の伝達関数は下記数35となる。
Figure 0006103163
また、PD制御での制御要素部153(又は143)の伝達関数として、微分ゲインkdの代わりに微分時間Tdを用いた下記数36を使用しても良い。
Figure 0006103163
この場合、比例ゲインkp及び微分時間Tdが制御パラメータとなる。同様に、PID制御又はPI制御において、積分ゲインkiの代わりに積分時間Tiを用いても良い。
なお、図14の実施例1に対しても、実施例3で追加した制御パラメータ設定部127又は実施例4で追加した制御パラメータ設定部128を、同様の態様で追加することが可能である。また、実施例1及び実施例2の場合と同様に、フィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部150を具備した構成ではなく、フィードバック制御部150のみの構成としても良い。
次に、実施例5を述べる。
図18に示す実施形態3では、フィードバック制御部140は、バネ定数k、粘性摩擦係数μをパラメータとして、ラック軸力fに基づいて目標ラック変位(目標舵角)を演算するフィードバック要素(N/F)141と、目標ラック変位及びラック変位xの位置偏差を求める減算部142と、位置偏差に基づいてラック軸力FBを制御処理するPID、PI等で成る制御要素部143とで構成され、フィードバック制御部140からのラック軸力FB、つまり制御要素部143の出力は切替部122のb2接点に入力される。切替部122のa2接点には、固定部126から固定値「0」が入力されている。そして、ラック軸力fがフィードバック要素141に入力され、ラック変位xがフィードバック制御部140内の減算部142に減算入力されると共に、パラメータ設定部124に入力される。パラメータ設定部124はラック変位xに対して、図24の実線に示すような特性でバネ定数k及び粘性摩擦係数μを出力し、バネ定数k及び粘性摩擦係数μはフィードバック要素141に入力される。切替部122の接点は、ラックエンド接近判定部120からの切替信号SWSによって接点a2と接点b2を切替えられる。そして、実施形態3に加えて規範モデルのモデルパラメータ(フィードバック要素141)又は制御要素部の制御パラメータ或いは両者のパラメータを、ラック軸力(SAT)f、ラック変位x及び操舵状態(切増し/切戻し)に基づいて可変させると共に、入力側ラック軸力fのフィードバック要素141への入力を、制限値(可変)の設定により制限する。
即ち、ラックエンド手前の所定角度の範囲内で、粘弾性モデルを規範モデルとしたモデルフォローイング制御の構成をとり、その粘弾性モデルのモデルパラメータ及び制御パラメータ(制御ゲイン)を所定角度内で可変とする。さらに加えて、所定角度範囲内に入ったときのラック軸力に応じてモデルパラメータ及び制御パラメータを可変とする。例えば、開始舵角付近では、粘弾性モデルのバネ項を小さく、制御ゲインを低くし、ラックエンドに近づくに従って大きく設定する。また、所定角度範囲内に入ったときのラック軸力が小さいほどバネ項を大きく、制御ゲインを大きく設定する。このようにすることで、開始舵角付近の制御量が小さく、所定範囲内外でのアシスト量の変化量が小さく、結果、運転者はアシスト量変化による反力違和感を感じないようにできる。また、ラックエンドに近い領域では制御ゲインを大きく設定し、制御量を大きくすることができるため、ラックエンドに到達する時の衝撃力を減衰できる。
更に、路面状態(アスファルト、濡れた路面、氷上、雪上)により、所定角度範囲のラック軸力が変化する。路面の摩擦係数が小さい場合(氷上、雪上)ではラック軸力が小さく、アスファルトでは路面摩擦係数が大きくラック軸力が大きい。また、図25に示すように、停車中やクリーピング速度での走行では、タイヤからの反力が異なり、ラック軸力が変わる。また、タイヤの捩れ程度によっても、負荷特性が異なる。路面状態や走行状態によらず、ほぼ一定で舵角を制御することが望まれ、それを達成するために、本実施例5では規範モデルへのラック軸力の入力の正負最大値を制限する。制限値を設定して入力を制限すれば、規範モデル出力(目標舵角)は一定となり、制御効果のバラツキを抑えられる。また、制限値をラック軸力に応じて調整できるようにすることで、規範モデル出力(目標舵角)を調整でき、さらに効果のバラツキを小さくできる。
更に実施例5では、操舵状態(切増し/切戻し)に応じて規範モデルおよび制御パラメータを可変とする。切増し操舵と切戻し操舵の操舵状態に応じて、モデルパラメータ及び制御パラメータを可変することで、運転者が感じる操舵トルクの変化を変えることが可能となる。例えば、切戻し時に操舵トルクが急に小さくなると、運転者は戻されるような感覚を覚えるため、快適性が損なわれる。切戻し時には粘性が大きくなるようなパラメータ設計にすることで、これを回避することが可能となる。
なお、切増し/切戻しの判定は、例えばラック変位xとラック変位速度が同じ方向(同符号)の場合を切増しと判定し、ラック変位xとラック変位速度が異なる方向(異符号)の場合を切戻しと判定する。ラック変位xとラック変位速度に代えて、コラム軸角度とコラム軸角速度の各方向でも操舵状態の判定が可能である。
図26は、実施例5を図3及び図14に対応させて示しており、操舵トルクThからラック軸力f1に変換する変換部200と、ラック軸力f1と変換部101からのラック軸力f2を加算する加算部202と、加算部202で得られたラック軸力f3(=f1+f2)からラック軸力f4を演算する軸力演算部201と、軸力演算部201からのラック軸力f4の最大値を制限して入力側ラック軸力fを出力するリミッタ204と、制御系の制御パラメータを設定する制御パラメータ設定部211と、モデル系のモデルパラメータを設定するモデルパラメータ設定部221とが設けられている。
更に、ラック変位x(若しくは判定用ラック位置Rx)を入力し、ラック変位速度を演算し、ラック変位xとラック変位速度の方向(正負)によって操舵状態(切増し/切戻し)を判定し、判定結果Sbを出力する操舵状態判定部205が設けられている。操舵状態の判定結果Sbは、制御パラメータ設定部211及びモデルパラメータ設定部221に入力される。
ラック軸力f3(=f1+f2)を入力する軸力演算部201は、ラック変位xが所定角度範囲になった時のラック軸力f3を初期ラック軸力Fzとして設定し記憶する設定記憶部201−1と、以後、ラック軸力f3から初期ラック軸力Fzを減算して軸力f4を出力する減算部201−2とで構成されている。初期ラック軸力Fzは、ラック変位xが所定角度範囲になった時のラック軸力であり、軸力演算部201は、ラック変位xが所定角度範囲になって以降、下記数37に従ってラック軸力f4を演算する。これは、所定角度では規範モデルの出力として“0”とし、制御要素部143から出力されるラック軸力FBを“0”とするためである。所定角度付近での操舵で指令値の段差をなくし、保舵を容易とするためである。
(数37)
f4=(f1+f2)−Fz

リミッタ204は、例えば図27に示すような特性で正負最大値を制限し、最大値を制限された入力側ラック軸力fがフィードバック制御部140内のフィードバック要素141に入力される。なお、図27において、xOR及びxOLは、所定角度範囲を設定する角度である。
また、制御系の制御パラメータ設定部211はラック変位xを入力し、例えば図28の実線に示すように、ラック変位xが大きくなるに従って増加率が大きくなる非線形な関係で、制御パラメータkd、kpを出力する。制御パラメータkd、kpは、フィードバック制御部140内の制御要素部143に、下記数38に示すように設定される。
(数38)
Cd=kp+kd・s

モデル系のモデルパラメータ設定部221はラック変位xを入力し、例えば図24の実線に示すような特性でモデルパラメータμ(粘性摩擦係数)、k(バネ定数)を出力する。モデルパラメータμ、kは、フィードバック制御部140内のフィードバック要素(N/F)141に設定される。
実施例5では操舵状態判定部205は操舵の切増し又は切戻しを判定し、その判定結果Sbが制御パラメータ設定部211及びモデルパラメータ設定部221に入力されている。モデルパラメータ設定部221は、操舵状態の切増し又は切戻しに応じて図24の実線と破線の間でモデルパラメータμ、kを変化させる。また、制御パラメータ設定部211は、操舵状態の切増し又は切戻しに応じて図28の実線と破線の間で制御パラメータkd、kpを変化させる。
その切替の際、制御パラメータ設定部211及びモデルパラメータ設定部221は、図29に示すように、切増し状態量1から切戻し状態量0に変わるときは、切増しパラメータから切戻しパラメータへ徐々に切替え、所定期間内で切替わるようにする。或いは、図30に示すように、ラック変位速度に所定領域を設定して状態量ゲインαを割り付け、下記数39の演算を行って最終パラメータを求めるようにしても良い。
(数39)
最終パラメータ=切増しパラメータ×α+切戻しパラメータ×(1−α)

このような構成において、図26の実施例5の動作例を図31及び図32のフローチャートを参照して説明する。
ラックエンド接近判定部110から切替信号SWSが出力され、切替部122の接点がa2から接点b2に切替えられると共に(ステップS201)、変換部200で操舵トルクThがラック軸力f1に変換される(ステップS202)。トルク制御部31で電流指令値Iref1が演算され、電流指令値Iref1は変換部101でラック軸力f2に変換され(ステップS203)、切替部122が接点b2に切替えられた瞬間にその時のラック軸力f3を初期ラック軸力Fzとして設定記憶部201−1に設定し(ステップS204)、その後はラック軸力f3から、記憶された初期ラック軸力Fzを減算部201−2で減算してラック軸力f4を演算し(ステップS205)、リミッタ204で制限処理を行い(ステップS206)、制限処理されたラック軸力をフィードバック制御部140内のフィードバック要素141に入力側ラック軸力fとして入力する。
また、ラックエンド接近判定部110からラック変位xが出力され(ステップS210)、ラック変位xは操舵状態判定部205に入力され、操舵状態が判定され(ステップS211)、判定結果Sbが制御パラメータ設定部211及びモデルパラメータ設定部221に入力される。
また、ラック変位xはフィードバック制御部140内の減算部142に減算入力されると共に、制御パラメータ設定部211及びモデルパラメータ設定部221に入力される。制御パラメータ設定部211はラック変位x及び判定結果Sbに基づいて制御パラメータkp、kdを演算し(ステップS212)、制御パラメータkp、kdは、フィードバック制御部140内の制御要素部143に設定される。また、モデルパラメータ設定部221はラック変位x及び判定結果Sbに基づいてモデルパラメータμ、kを演算し(ステップS213)、モデルパラメータμ、kは、フィードバック制御部140内のフィードバック要素141に設定される。
フィードバック制御部140は、ラック軸力f、ラック変位x及び設定された制御パラメータkp、kd、モデルパラメータμ、kによりフィードバック制御の処理を行い(ステップS220)、出力側ラック軸力ffを出力する(ステップS230)。ラック軸力ffは変換部102で電流指令値Iref2に変換され(ステップS231)、終了となるまで上記動作を繰り返す(ステップS232)。
上記ステップS232で終了となった場合には、切替信号SWSの出力によって切替部122の接点を接点b2から接点a2に切替え(ステップS233)、その後、図7のステップS14に移行する。
フィードバック制御部140におけるフィードバック制御の処理は、図32に示すような動作で実施される。
先ずモデルパラメータ設定部221で演算されたモデルパラメータμ、kがフィードバック要素141に設定され(ステップS221)、フィードバック要素141でN/F処理が実施され、目標ラック変位(目標舵角)が演算される(ステップS222)。目標ラック変位は減算部142に加算入力され、減算入力されるラック変位xとの位置偏差が演算され(ステップS223)、求められた位置偏差は制御要素部143に入力される。また、制御パラメータ設定部211で演算された制御パラメータkp、kdが、制御要素部143に設定され(ステップS224)、制御演算が実施され(ステップS225)、制御演算により得られたラック軸力FBが出力される(ステップS226)。なお、制御パラメータkp、kdの設定順序は適宜変更可能である。
本実施例5では、入力側ラック軸力fの入力がリミッタ204で制限されるため、図33の実線に示すように規範モデル出力が飽和する。制限されないと、破線のように飽和しないで変化し続ける。
実施例5ではラック変位x及びラック変位速度に基づいて操舵状態を判定しているが、コラム軸角度(θ)及びコラム軸角速度(ω)で操舵状態を判定するようにしても良い(実施例6)。
上述の実施例5及び実施例6では、モデルフォローイング制御の構成にフィードフォワード制御部を含まない第3実施形態を説明したが、モデルフォローイング制御の構成がフィードバック制御部及びフィードフォワード制御部である実施形態1及び実施形態2にも同様に適用でき、ラック変位x及び操舵状態の判定結果Sbに応じて、フィードフォワード制御部のパラメータを可変若しくは切替えるようにしても良い。
この場合の構成例を図34に示して説明する。 ラック変位xはフィードフォワード制御部130内のバネ定数項131及び粘性摩擦係数項132に入力されると共に、フィードバック制御部140の減算部142に入力され、更にパラメータ設定部124及び操舵状態判定部205に入力される。ラック軸力fはフィードバック制御部140のフィードバック要素(N/F)141に入力される。パラメータ設定部124はラック変位x及び操舵状態判定部205の判定結果Sbに応じてバネ定数k及び粘性摩擦係数μを出力し、バネ定数kはバネ定数項131及びフィードバック要素(N/F)141に入力され、粘性摩擦係数μは粘性摩擦係数項132及びフィードバック要素(N/F)141に入力される。また、切替信号SWSは切替部121及び122に入力され、切替部121及び122の接点は通常時はそれぞれ接点a1及びa2に接続されており、切替信号SWSによってそれぞれ接点b1及びb2に切替えられるようになっている。
なお、制御要素部143(Cd)は任意のPID(比例積分微分)制御、PI制御、PD制御の構成のいずれでも良い。また、上述では回転角θをモータに連結された回転角センサから得ているが、舵角センサから取得するようにしても良く、CAN等から取得しても良い。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
13 バッテリ
14 舵角センサ
20 モータ
23 モータ駆動部
30 コントロールユニット(ECU)
31 トルク制御部
35 電流制御部
36 PWM制御部
100 ラック位置変換部
110 ラックエンド接近判定部
120 粘弾性モデル追従制御部
121、122 切替部
130 フィードフォワード制御部
140 フィードバック制御部

Claims (15)

  1. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値1を演算し、前記電流指令値1に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記電流指令値1をラック軸力1に変換する第1の変換部と、
    前記モータの回転角から判定用ラック位置に変換するラック位置変換部と、
    前記判定用ラック位置に基づいてラックエンドに接近したことを判定し、ラック変位及び切替信号を出力するラックエンド接近判定部と、
    前記ラック軸力1、前記ラック変位及び前記切替信号に基づいて、粘弾性モデルを規範モデルとしたラック軸力2を生成する粘弾性モデル追従制御部と、
    前記ラック軸力2を電流指令値2に変換する第2の変換部と、
    を具備し、
    前記粘弾性モデル追従制御部が、
    前記ラック軸力1に基づいてフィードフォワード制御してラック軸力3を出力するフィードフォワード制御部と、
    前記ラック変位及び前記ラック軸力1に基づいてフィードバック制御してラック軸力4を出力するフィードバック制御部と、
    前記切替信号により前記ラック軸力3の出力をON/OFFする第1の切替部と、
    前記切替信号により前記ラック軸力4の出力をON/OFFする第2の切替部と、
    前記第1及び第2の切替部の出力を加算して前記ラック軸力2を出力する加算部と、
    で構成されており、
    前記電流指令値2を前記電流指令値1に加算して前記アシスト制御を行い、ラックエンド端当てを抑制するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値1を演算し、前記電流指令値1に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記電流指令値1をラック軸力1に変換する第1の変換部と、
    前記モータの回転角から判定用ラック位置に変換するラック位置変換部と、
    前記判定用ラック位置に基づいてラックエンドに接近したことを判定し、ラック変位及び切替信号を出力するラックエンド接近判定部と、
    前記ラック軸力1、前記ラック変位及び前記切替信号に基づいて、粘弾性モデルを規範モデルとしたラック軸力2を生成する粘弾性モデル追従制御部と、
    前記ラック軸力2を電流指令値2に変換する第2の変換部と、
    を具備し、
    前記粘弾性モデル追従制御部が、
    前記ラック変位に基づいてフィードフォワード制御してラック軸力3を出力するフィードフォワード制御部と、
    前記ラック変位及び前記ラック軸力1に基づいてフィードバック制御してラック軸力4を出力するフィードバック制御部と、
    前記切替信号により前記ラック軸力3の出力をON/OFFする第1の切替部と、
    前記切替信号により前記ラック軸力4の出力をON/OFFする第2の切替部と、
    前記第1及び第2の切替部の出力を加算して前記ラック軸力2を出力する加算部と、
    で構成されており、
    前記電流指令値2を前記電流指令値1に加算して前記アシスト制御を行い、ラックエンド端当てを抑制するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 前記ラック変位によって、前記フィードバック制御部及びフィードフォワード制御部のパラメータを変更する請求項9又は10に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値1を演算し、前記電流指令値1に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記電流指令値1をラック軸力1に変換する第1の変換部と、
    前記モータの回転角から判定用ラック位置に変換するラック位置変換部と、
    前記判定用ラック位置に基づいてラックエンドに接近したことを判定し、ラック変位及び切替信号を出力するラックエンド接近判定部と、
    前記ラック軸力1、前記ラック変位及び前記切替信号に基づいて、粘弾性モデルを規範モデルとしたラック軸力2を生成する粘弾性モデル追従制御部と、
    前記ラック軸力2を電流指令値2に変換する第2の変換部と、
    を具備し、
    前記粘弾性モデル追従制御部が、
    前記ラック変位及び前記ラック軸力1に基づいてフィードバック制御してラック軸力2を出力するフィードバック制御部と、
    前記切替信号により前記ラック軸力2の出力をON/OFFする切替部とを具備しており、
    前記ラック変位又は目標ラック変位によって、前記フィードバック制御部の制御パラメータを変更するようになっており、
    前記電流指令値2を前記電流指令値1に加算して前記アシスト制御を行い、ラックエンド端当てを抑制するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 前記ラック変位又は前記目標ラック変位が小さいところでは制御ゲインを小さく、前記ラック変位又は前記目標ラック変位が大きくなるにつれて前記制御ゲインを大きくするように、前記制御パラメータを変更する請求項12に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記ラック変位によって、前記規範モデルのパラメータを変更する請求項12又は13に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    ラックエンド手前の所定角度x0の範囲内で粘弾性モデルを規範モデルとした、フィードバック制御部で成るモデルフォローイング制御の構成であり、
    前記フィードバック制御部が入力側ラック軸力fに基づいて目標ラック変位を演算するフィードバック要素と、前記目標ラック変位及びラック変位xの位置偏差に基づいて出力側ラック軸力ffを出力する制御要素部とで構成され、
    前記フィードバック要素及び前記制御要素部の少なくとも一方のパラメータを可変して設定する補正部と、
    前記操舵トルク及び前記電流指令値に基づいてラック軸力f4を演算する軸力演算部と、
    前記ラック軸力f4の最大値を制限値により制限して前記入力側ラック軸力fを出力するリミッタと、
    操舵状態を判定する操舵状態判定部と、
    を具備し、前記操舵状態判定部の判定結果に応じて前記パラメータを可変若しくは切替えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 前記モデルフォローイング制御の構成に更にフィードフォワード制御部が設けられ、前記ラック変位x及び前記操舵状態判定部の判定結果に応じて前記フィードフォワード制御部のパラメータを可変若しくは切替えるようになっている請求項15に記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記操舵状態判定部が、前記ラック変位x及びラック変位速度に基づいて切増し/切戻しを判定するようになっている請求項15又は16に記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 前記操舵状態判定部が、コラム軸角及びコラム軸角速度に基づいて切増し/切戻しを判定するようになっている請求項15又は16に記載の電動パワーステアリング装置。
  11. 前記切増し/切戻しの判定結果により、前記パラメータの可変若しくは切替を徐々に行うようになっている請求項17又は18に記載の電動パワーステアリング装置。
  12. 前記切増し/切戻しの状態を状態量ゲイン0〜1として演算し、前記切増し/切戻しのパラメータに対して前記状態量ゲインに重み付けを行って最終パラメータを演算する請求項19に記載の電動パワーステアリング装置。
  13. 前記状態量ゲインをαとし、前記切増しパラメータ×α+前記切戻しパラメータ×(1−α)で前記最終パラメータを演算する請求項20に記載の電動パワーステアリング装置。
  14. 前記ラック軸力1、前記ラック軸力2、前記ラック軸力3及び前記ラック軸力4はそれぞれコラム軸トルク1、コラム軸トルク2、コラム軸トルク3及びコラム軸トルク4と等価である請求項9又は10に記載の電動パワーステアリング装置。
  15. 前記ラック軸力1及び前記ラック軸力2はそれぞれコラム軸トルク1及びコラム軸トルク2と等価である請求項12に記載の電動パワーステアリング装置。
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