JPWO2017155046A1 - 熱電変換材料とそれを有する熱電変換装置、熱化学電池及び熱電センサー - Google Patents

熱電変換材料とそれを有する熱電変換装置、熱化学電池及び熱電センサー Download PDF

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Abstract

ゼーベック係数を大幅に増加させる熱電変換材料とそれを有する熱電変換装置、熱化学電池及び熱電センサーを提供する。本発明の熱電変換材料は、レドックス対と、前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物と、を有する。

Description

本発明は、熱電変換材料とそれを有する熱電変換装置、熱化学電池及び熱電センサーに関する。
本願は、2016年3月9日に、日本に出願された特願2016−046309号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
廃熱などの微少なエネルギーを電力に変換するため、熱電変換材料が近年注目を集めている。中でもモバイル機器などへのエネルギー源として、薄くて効率の良い熱電変換材料に期待が集まっている。しかし、従来の合金系熱電変換材料には、熱伝導性が高く、ゼーベック係数(Se)が低いという欠点があった。そこで、酸化還元可能なイオンの溶液を用いた熱電変換材料の一種である熱化学電池が、近年注目を集めている(非特許文献1)。
従来の固体の熱電合金のゼーベック係数(Se)が約0.2mV/Kであるのに対して、熱化学電池はゼーベック係数(Se)が一桁大きい値を持ちながら、低コストで製造できることが期待されている。例えば、IとI からなる熱化学電池では、酸化還元平衡により形成される平衡電位が、高温と低温ではずれることにより電位を発生する。そのゼーベック係数は約600μV/Kとなり、合金系熱電変換材料と比較して高いことが知られている。しかしながら、電解質の伝導性が低い問題があった。一層のゼーベック係数の向上が必要とされていた(非特許文献2)。
シーオドー・ジェー・エーブラハム(Theodore J. Abraham)ら、「ハイ・シーベック・コーイフィッシエント・レドックス・アイオニック・リクィッド・イレクトロライツ・フォー・サーマル・エナジー・ハービスティング(High Seebeck coefficient redox ionic liquid electrolytes for thermal energy harvesting)」、エナジー・アンド・インバイオレンメンタル・サイエンス(Energy & Environmental Science)、(英国)、2013年、第6巻、p.2639−2645 シーオドー・ジェー・エーブラハム(Theodore J. Abraham)ら、「シーベック・コーイフィッシェンツ・イン・アイオニック・リクィドズ−プロスペクツ・フォー・サーモー・イレクトロークミキル・セルズ(Seebeck coefficients in ionic liquids−prospects for thermo−electrochemical cells)」、ケミッカル・コミューニケーションズ(Chemical Communications)、(英国)、2011年、第47巻、p.6260−6262
本発明は、上記のような問題を解決するため、ゼーベック係数を向上させる新たな手法として、レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出することが可能な捕捉化合物に着目した。レドックス対がヨウ化物イオン(I)と三ヨウ化物イオン(I )である場合の具体的な例としては、ホスト−ゲスト化学に着目し、例えば、シクロデキストリンを電解液に加えることで、低温ではI がシクロデキストリンに捕捉される一方、高温ではI が放出されるため、酸化還元の平衡電位が大きくずれる。これによりゼーベック係数を向上させ、熱電変換効率を向上させた熱電変換材料を提供することを目的とする。
レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物を電解質に添加することにより、ゼーベック係数を従来の熱電変換材料より向上させることが可能であることを見出した。ヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオンからなる熱化学電池の具体例の場合、三ヨウ化物イオンを低温で捕捉し、かつ、高温で放出するシクロデキストリンを添加することで、ゼーベック係数(Se)を2mV/K程度まで向上させることが可能であることを見出した。
本発明は以下の[1]〜[11]の通りである。
[1] レドックス対と、
前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物と、を有することを特徴とする熱電変換材料。
[2] 前記捕捉化合物が環状化合物、らせん状化合物からなる群から選択された少なくとも1種以上であることを特徴とする[1]に記載の熱電変換材料。
[3] 前記捕捉化合物が低温において自己集合する分子であることを特徴とする[1]または[2]のいずれかに記載の熱電変換材料。
[4] 前記捕捉化合物が包接化合物を形成するホスト化合物であることを特徴とする[1]または[2]のいずれかに記載の熱電変換材料。
[5] 前記捕捉化合物が、シクロデキストリン、デンプン(アミロース)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の熱電変換材料。
[6] 前記レドックス対は、ヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオン、フェロシアン化物イオンとフェリシアン化物イオン、コバルトトリスビピリジン(II)とコバルトトリスビピリジン(III)からなる群から選択された1対であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の熱電変換材料。
[7] 前記捕捉化合物を低温において自己集合させる電解質を更に含むことを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の熱電変換材料。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の熱電変換材料と一対の電極と
を備える熱電変換装置。
[9] 前記一対の電極が異なる温度に設定されたことを特徴とする[8]に記載の熱電変換装置。
[10] [8]または[9]に記載の熱電変換装置を含むことを特徴とする熱化学電池。
[11] [8]または[9]に記載の熱電変換装置を含むことを特徴とする熱電センサー。
本発明によれば、レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物を電解質に添加することにより、ゼーベック係数を従来の熱電変換材料より向上させることが可能となる。特に、ヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオンからなる熱化学電池にシクロデキストリンを添加することで、ゼーベック係数を2000μV/K程度まで向上させることが可能となる。
本発明の熱電変換材料を備える熱電変換装置を示す概念図である。 α−シクロデキストリンによるI を選択的に包接することを示す概念図である。 α−シクロデキストリン(α―CD)を添加することより、低温側第1電極付近にI を選択的に包接することを示す概念図である。 ゼーベック係数(Se)と、α―シクロデキストリンの添加濃度([α―CD])とI の添加濃度([I )の比([α―CD]/[I )との関係を示す図である。 カリウムイオンを含む系において、α−シクロデキストリンとI との包接化合物が更にカリウムイオンと自己集合することを示す概念図である。 錯体の353nmの吸光度から評価した溶液中の錯体濃度を示す図である。 α−シクロデキストリン(α−CD)、β−シクロデキストリン(β−CD)、γ−シクロデキストリン(γ−CD)とI イオンと包接化合物を形成する結合定数のアレニウスプロットである。 デンプンの主成分であるアミロースがヨウ素を取り込むことを示す概念図である。 ヨウ素−デンプン錯体による吸光度の変化(観測波長552nm)を示す図である。 H型容器を用いて作成した実施例1の熱化学電池を示す概念図である。 実施例1のゼーベック係数の評価のプロットである。 HCl添加後のゼーベック係数(実線、mV/K)を示す図である。 包接による電力密度の増加(電解質:HCl)を示す図である。 α−CDと電解質を加えた電池の電力密度の経時変化を記録した図である。 KCl添加後のゼーベック係数(実線、mV/K)を示す図である。 針状結晶の顕微鏡写真である。 K[(α−CD)−I]の結晶構造を示す図である。 包接による電力密度の増加(電解質:KCl)を示す図である。 ゼーベック係数(Se)と、α−CDの濃度とI 濃度との比との関係を表す図です。濃度条件:[CD]=0〜5mM;[I ]=2.5mM;[I]=10mM;[KCl]=0、200mM。 ゼーベック係数(Se)と、β−CDの濃度とI 濃度との比との関係を表す図です。濃度条件:[CD]=0〜5mM;[I ]=2.5mM;[I]=10mM;[KCl]=0、200mM。 ゼーベック係数(Se)と、γ−CDの濃度とI 濃度との比との関係を表す図です。濃度条件:[CD]=0〜5mM;[I ]=2.5mM;[I]=10mM;[KCl]=0、200mM。 ゼーベック係数(Se)と、5種類のホスト分子の濃度との関係を表す図です。濃度条件:[CD]=0〜8mM;[I ]=2.5mM;[I]=10mM。 KCl添加なしの電流密度/電力密度−電圧曲線である。 KCl200mM添加の電流密度/電力密度−電圧曲線である。 ゼーベック係数を評価する図である。 ゼーベック係数と、デンプン濃度(6個のグルコース換算)とI 濃度との比との関係を示す図である。 デンプン添加する実施例5におけるKClを0.2M加えた場合電力の経時変化を示す図である。 ゼーベック係数(Se)と、ポリエチレングリコール3000(PEG3000)の濃度(モノマー換算、mMmonomer)との関係を示す図である。 ゼーベック係数(Se)と、ポリビニルピロリドン(PVP)の濃度(モノマー換算、mMmonomer)との関係を示す図である。 ゼーベック係数を評価する図である。
<熱電変換材料>
本発明の熱電変換材料は、レドックス対と、前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物と、を有する。なお、本明細書において「熱電変換材料」とは、熱を電気に、または、電気を熱に直接変換する材料をいい、例えば、ゼーベック効果を利用するデバイス、ペルチェ効果を利用するデバイス、トムソン効果を利用するデバイス等において用いることができる材料を意味する。図1は、本発明の熱電変換材料を備える熱電変換装置を示す概念図である。
前記捕捉化合物としては、前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物であれば特に制限がないが、例えば、捕捉対象を化合物の中に閉じ込むことができる環状化合物、らせん状化合物等の高分子などが挙げられる。また、例えば、前記捕捉化合物が低温において自己集合してからなる集合体が前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出することができれば、前記捕捉化合物が低温において自己集合する化合物であってもよい。その環状化合物は、例えばシクロデキストリンであり、そのらせん状化合物は、例えば、デンプンである。前記捕捉化合物がシクロデキストリン、デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール等からなる群から選択された1種以上であることが好ましく、シクロデキストリンであることがより好ましい。
前記レドックス対は、酸化剤活性種と還元剤活性種とからなる。酸化剤活性種から還元反応で還元剤活性種に還元し、あるいは、還元剤活性種から酸化反応で酸化剤活性種に酸化することができる。前記レドックス対は、ヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオン等からなる群から選択された1対であることが好ましく、より好ましくはヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオンである。
本発明の熱電変換材料は、イオン性電解質を含み、このイオン性電解質がイオン液体であることが好ましく、水と有機溶媒とを含む水系溶媒または水であることがより好ましい。例えば、イオン性電解質が水系溶媒または水である場合、レドックス対が水系溶媒または水において酸化還元反応が起こし、かつ、前記捕捉化合物が、水系溶媒または水において、前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出することを特徴とする。
イオン性電解質がレドックス対以外のイオンを含んでもよい。例えば、イオン性電解質が水系溶媒または水である場合、アルカリイオンを含むことが好ましい。
さらに、前記捕捉化合物を低温において自己集合させる電解質を含むことが好ましい。
前記レドックス対がヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオンである場合、捕捉化合物は三ヨウ化物イオンを捕捉することができるシクロデキストリンであることが好ましく、α―シクロデキストリンであることがより好ましい。イオン性電解質が水系溶媒または水であることが好ましい。水系溶媒または水が更にアルカリイオンを含むことが好ましい。
<熱電変換装置>
本発明の熱電変換装置は前述の熱電変換材料と一対の電極を有する。なお、「熱電変換装置」とは、熱電変換材料を利用したゼーベック素子やペルチェ素子等の熱エネルギーと電気エネルギーとを相互変換することができる熱電変換素子や、熱電変換材料を利用する公知の装置をすべて含む装置をいう。
本発明の熱電変換装置は、例えば、レドックス対と、前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物と、イオン性電解質と、第1電極と第2電極とを備え、かつ、前記電解質は、前記第1電極の少なくとも一部の表面及び第2電極の少なくとも一部の表面と物理的に接触している。
<<捕捉化合物>>
捕捉化合物が、前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物であれば特に制限がないが、例えば、捕捉対象を化合物の中に閉じ込むことができる環状化合物、らせん状化合物等の高分子などが挙げられる。また、例えば、捕捉化合物は、捕捉対象を包接して包接化合物を形成するホスト化合物であることが好ましい。また、例えば、前記捕捉化合物が低温において自己集合してからなる集合体が前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出することができれば、前記捕捉化合物が低温において自己集合する化合物であってもよい。その環状化合物は例えばシクロデキストリンであり、そのらせん状化合物は、例えば、デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドである。また、そのホスト化合物は、例えば、シクロデキストリン、デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドである。前記捕捉化合物がシクロデキストリン、デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール等からなる群から選択された1種以上であることが好ましく、シクロデキストリンであることがより好ましい。
シクロデキストリンとしては、例えば、α―シクロデキストリン(α−CD)、β−シクロデキストリン(β−CD)、γ−シクロデキストリン(γ−CD)、ヘキサキス‐(2,6−ジ−O−メチル)−α−シクロデキストリン(Di−O−Me−α−CD)、およびヘキサキス‐(2,3,6−トリ−O−メチル)−α−シクロデキストリン(Tri−O−Me−α−CD)からなる群から選択された1つ又は2つ以上の化合物が挙げられる。α―シクロデキストリン(α−CD)、ヘキサキス‐(2,6−ジ−O−メチル)−α−シクロデキストリン(Di−O−Me−α−CD)、およびヘキサキス‐(2,3,6−トリ−O−メチル)−α−シクロデキストリン(Tri−O−Me−α−CD)からなる群から選択された1つ又は2つ以上の化合物がより好ましい。
<<レドックス対>>
前記レドックス対は、酸化剤活性種と還元剤活性種とからなる。酸化剤活性種から還元反応で還元剤活性種に還元し、あるいは、還元剤活性種から酸化反応で酸化剤活性種に酸化することができる。前記レドックス対はヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオン、フェロシアン化物イオンとフェリシアン化物イオン、コバルトトリスビピリジン(II)とコバルトトリスビピリジン(III)、フェロセンモノカルボン酸(FeII)とフェロセニウムモノカルボン酸(FeIII)からなる群から選択された1対であることが好ましく、より好ましいはヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオンである。
<<イオン性電解質>>
イオン性電解質は、イオン液体やイオン性固体であることが好ましく、水と有機溶媒とを含む水系溶媒または水であることがより好ましい。例えば、イオン性電解質が水系溶媒または水である場合、レドックス対が水系溶媒または水において酸化還元反応が起こり、かつ、前記捕捉化合物が、水系溶媒または水において、前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出することを特徴とする。水系電解質が更にカリウムなどのアルカリイオンを含むことが好ましい。
<<第1電極または第2電極>>
前記電解質に接触している第1電極または第2電極の一部表面部分の材料としては、白金または炭素などの導電材料が挙げられるが、溶解電位が高く耐腐食性が優れた白金が好ましい。また、製造コストが低く表面積が大きい観点から黒鉛などの炭素が好ましい。
<<第1の実施態様の熱電変換装置>>
本発明の第1の実施態様の熱電変換装置としては、例えば、第1電極において、前記レドックス対の一方の還元剤が他方の酸化剤に変化する酸化反応が起こり、前記第2電極において、前記酸化剤が前記還元剤に変化する還元反応が起こる。第1電極と第2電極の間に温度差が存在し、その温度差に起因して電位差が生じ、前記第1電極と第2電極の間に熱起電力を発生するゼーベック素子などの発電装置が挙げられる。
<<第2の実施態様の熱電変換装置>>
本発明の第2の実施態様の熱電変換装置としては、例えば、第1電極において、前記レドックス対の一方の還元剤が他方の酸化剤に変化する酸化反応が起こり、前記第2電極において、前記酸化剤を前記還元剤に変化する還元反応が起る。前記第1電極と第2電極の間の電位差が存在し、その電位差に起因して温度差が生じ、前記第1電極と第2電極の間に熱の移動を生じるペルチェ素子などの冷却・加熱装置が挙げられる。
<<第3の実施態様の熱電変換装置>>
本発明の第3の実施態様の熱電変換装置としては、例えば、低温側の前記第1電極においてレドックス対の酸化反応が起こり、高温側の前記第2電極において前記レドックス対の還元反応が起こる。捕捉化合物が前記レドックス対の酸化剤活性種をトラップし、前記第1電極と第2電極の間に熱起電力を発生させるn−型のゼーベック素子が挙げられる。
<<第4の実施態様の熱電変換装置>>
本発明の第4の実施態様の熱電変換装置は、例えば、ヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオンと、シクロデキストリンと、水または水系溶媒とを備え、かつ、低温側の第1電極と高温側の第2電極とを備える。水系電解質は、第1電極の少なくとも一部の表面及び第2電極の少なくとも一部の表面と物理的に接触し、少なくとも電解液と接触している電極表面部分の材料は白金または炭素などの導電材料である。この中でも溶解電位が高く耐腐食性が優れた白金が特に好ましい。また、製造コストが低く表面積が大きい観点から黒鉛などの炭素が好ましい。
水系電解質としては、更にカリウムなどのアルカリイオンを含むことが好ましい。
<熱化学電池(thermo−electrochemical cell)>
本発明の熱化学電池(thermo−electrochemical cell)は、本発明の熱電変換材料を利用して、第1電極と第2電極間の温度差より、第1電極と第2電極において酸化還元反応が起こり、第1電極と第2電極間の電位差を生じるゼーベック素子を備える。
ゼーベック素子は、下記の数式1で示すゼーベック系数(Se)で評価する。
(式中、ΔEが電極間の電位差であり、ΔTが温度差である。)
本発明の熱化学電池が備える熱電変換材料は、レドックス対と、前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物とを含む。レドックス対の酸化剤活性種濃度([Ox])及び還元剤活性種濃度([Red])と、電極温度(T)、標準電位(Ef)との関係から、第1電極または第2電極において、レドックス対の酸化還元電位(E)は、ネルンストの式である以下の数式(2)で表すことができる。
式(2)で示す通り、レドックス対の酸化還元電位(E)は、標準電位(Ef)、温度、レドックス対の酸化剤活性種濃度([Ox])及び還元剤活性種濃度([Red])に依存する。
本発明は、レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物とを含むことより、例えば、低温側の第1電極付近において、酸化反応で生じた酸化剤活性種を捕捉し、酸化剤活性種濃度([Ox])を減少させる。高温の第2電極付近において、還元反応の反応物である酸化剤活性種を放出し、酸化剤活性種濃度([Ox])を増加させる。その結果、第1電極付近と第2電極付近との酸化剤活性種濃度([Ox])差が生じ、捕捉化合物を含まない従来の温度差電池に比べて、濃度差を使って第1電極と第2電極との電位差を発生させる。
<<第1実施態様の熱化学電池>>
[シクロデキストリンの添加]
本発明の第1実施態様の熱化学電池は、ヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオンと、α−シクロデキストリンと、水または水系溶媒とを備え、かつ、低温側の第1電極と高温側の第2電極とを備える。
[α−シクロデキストリンによるI の包接]
化学式(1)で表すα−シクロデキストリンによるI の包接は、従来技術に開示されているように、親水的なIより、疎水的なI を選択的包接する。
図2は、低温側電極付近において、α−シクロデキストリンによるI を選択的に包接することを示す概念図である。
低温側の第1電極付近において、酸化反応(I/I )で生じた酸化剤活性種I を捕捉し、酸化剤活性種濃度([I ])を減少させる。高温の第2電極付近において、還元反応(I /I)の反応物である酸化剤活性種を放出し、酸化剤活性種濃度([I ])を増加させる。その結果、第1電極付近と第2電極付近との酸化剤活性種濃度([I ])差が生じ、捕捉化合物を含まない従来の温度差電池に比べて、濃度差を使って第1電極と第2電極との電位差を増大する(数式3)。
ネルンストの式である下記の数式(4)より、電位は濃度に依存するので、濃度差がある場合、電位差が増大する(図3に示す)。
図3は、α−シクロデキストリン(α―CD)を添加することより、低温側第1電極付近にI を選択的に包接することを示す概念図である。
その結果、α―シクロデキストリンの添加により、ゼーベック係数が、添加前の3倍の約2mV/Kという高い値を得ることができる。
[捕捉化合物の相対濃度とゼーベック係数]
図4は、ゼーベック係数(Se)と、α―シクロデキストリン添加濃度([α―CD])とI の添加濃度([I )の比([α―CD]/[I )との関係及び包接されていないI の濃度と[α―CD]/[I との関係を示す図である。図4に示すように、[α―CD]/[I >1以後、10℃の第1電極(破線)と40℃の第2電極(実線)で表す包接されていないI の濃度の差が大きくなる。
等温滴定型カロリーメトリーより求めたα−CDとI の結合定数を下記表1に示す。温度が30℃上昇した場合、α−CDとI の結合定数が12%減少した。
図4の実線は、ネルンスト式である数式(5)でシミュレーションで求めたゼーベック係数(Se)である。I の濃度差により、ゼーベック係数の増加することが示された。
<<第2実施態様の熱化学電池>>
[支持電解質のゼーベック係数への影響]
本発明の第2実施態様の熱化学電池は、カリウムイオンなどのアルカリイオンを更に添加すること以外は、第1実施態様の熱化学電池と同じである。アルカリイオンの添加により、更に高いゼーベック係数が得られる。
例えば、カリウムイオン(K)を添加することによって、第1電極付近、暗緑色の沈殿K[(α−CD)−I]が生じ、I の濃度をさらに減少させる。低温側第1電極付近の沈殿の量は、高温側第2電極付近の沈澱の量より多い。沈殿生成によるI の濃度差を拡大する。その結果、ゼーベック係数が最大1.96mV/Kに増加する。そのゼーベック係数が得られる理由には、以下の3つがある。(図5)
〔1〕 低温において自己集合(沈殿生成)する。
〔2〕 溶液中の錯体濃度が低くなる。
〔3〕 低温におけるI 濃度がさらに低くなる。
図5は、カリウムイオンを含む系において、α−シクロデキストリンとI との包接化合物が更にカリウムイオンと自己集合することを示す概念図である。
図6は、α−シクロデキストリンとI の錯体の353nmの吸光度評価した溶液中の錯体濃度を示す図である。低温側にα−シクロデキストリンとI の錯体が自己集合し、溶液中の濃度が低減する。
図6から第1電極が10℃、第2電極が40℃において、沈殿がある場合と沈殿がない場合のI の濃度のデータを、表2に示す。
したがって、カリウムイオンを添加する場合にゼーベック係数が増加した理由は、沈殿の生成により、I の濃度差が拡大されたことであると考えられる。
<<本発明の第3実施態様と第4実施態様の熱化学電池>>
[α−CD、β−CD、γ−CDの間で効果を比較]
本発明の第3実施態様と第4実施態様の熱化学電池は、α―シクロデキストリン(α−CD)の代わりに、それぞれ、β−シクロデキストリン(β−CD)、γ−シクロデキストリン(γ−CD)を用いること以外は、第1実施態様の熱化学電池と同じである。
α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンとI イオンと包接化合物を形成する結合定数のアレニウスプロットを、図7に示す。β−シクロデキストリンとγ−シクロデキストリンは、α―シクロデキストリンほどの結合定数がないが、一定の温度依存性がある。
β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンを有する熱化学電池は、α―シクロデキストリンほど高いゼーベック係数(Se)が得られない。しかし、シクロデキストリンなしのものより、高いゼーベック係数(Se)を示す。
図7は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンとI イオンとが包接化合物を形成する結合定数のアレニウスプロットである。
図7に示すように、α−シクロデキストリン(α−CD)と同様に、β−シクロデキストリン(β−CD)を添加した場合、β−CD−I 包接化合物を形成し、例えば、4mMのβ−シクロデキストリンの場合、Seが1.1mV/Kである。更にKを添加した場合、沈殿が生じ、Seが1.5mV/Kである。γ−シクロデキストリンを添加した場合、γ−CD−I 包接化合物を形成する。Seが0.92mV/Kである。しかし、更にKを添加しても、沈殿が生じない。Seが1.0mV/Kである。
<<本発明の第5実施態様の熱化学電池>>
[捕捉化合物にデンプンを使う]
本発明の第5実施態様の熱化学電池は、シクロデキストリンの代わりにアミロース(デンプンの主成分)を用いること以外は、第1実施態様の熱化学電池と同じである。同様にゼーベック係数の向上効果が見られた。
デンプンの主成分であるアミロースは、図8に示すようにヨウ素を取り込む(捕捉する)。
アミロース(デンプン)でも同様にゼーベック係数の向上効果が見られる。
図9は、ヨウ素−デンプン錯体による吸光度の変化(観測波長552nm)を示す図である。温度が上がると、濃度が減少し、温度が下がると、濃度が増加する。
本発明の第5実施態様の熱化学電池は、第1実施態様と同様にデンプンの添加によってゼーベック係数が増加する。
<熱電センサー>
本発明の熱電センサーは、前述の本発明の各熱電変換材料を利用して、電極間の温度差を感知する装置である。本発明の熱電変換材料は、ゼーベック係数が高いので、温度センサーとしての感度が高い。例えば、前述のα―シクロデキストリンと、ヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオンと、カリウムイオンとを有する水溶液とを含む熱電変換材料を用いて、さらに第1及び第2白金電極とを備える熱電変換装置からなる熱電センサーが挙げられる。そのような熱電センサーの場合、第1と第2電極間の温度差が1℃だけでも2mVの電圧を生じることができる。精度の良い電圧計等の電位差を測定する装置をつなぐことで、0.000001℃程度の違いを認識できるセンサーを作成できる。この程度の温度差を認識できれば、例えば、壁の向こう側にいる人の体温から伝わる熱が1方の電極を加熱し、人を感知することができる。また、熱源から輻射した微弱な赤外線を感知することができる。さらに、1方の電極側に例えば紫外線等の特定の光を吸収して発熱ができる材料が設けられる場合、わずかな光を感知する熱電センサーに応用することが可能である。
(実施例1)
<電解液の調製>
図10に示すような2つの試験管を有するH型容器に、I(317mg、1.25mmol)とKI(415mg、2.50mmol)と水とを入れ、[KI]50mM、[KI]50mMの溶液を調整した。その溶液2.5mlに、α−CD(25mM)0.2mmolを添加した後、KI水溶液で希釈し、[KI]2.5mM、[KI]10mM、[α−CD]4mMの溶液を得た。H型の2つの試験管の第1試験管を氷浴に設置して第1電極付近の温度を10℃に保持し、第2試験管を10〜50℃で調整できる恒温槽に設置して第2電極付近の温度を10〜50℃に調整した。
<電池の構成>
[KI]2.5mM、[KI]10mM、[α−CD]4mMからなる水溶液を含む第1試験管と第2試験管のそれぞれに白金線を挿入した。
<I の包接によるゼーベック係数の増加>
図11に示す直線の傾きから、ゼーベック係数を求めた。α−シクロデキストリンを加えるとゼーベック係数が0.86mV/Kから1.43m/Kに増加した。
(実施例2)
実施例2は、HCl(0.1M)を添加すること以外は、実施例1と同じである。図12は、HCl添加後のゼーベック係数(実線)[mV/K]を示す図である。実施例1と同様に、図12からゼーベック系数(Se)はα−CD未添加の0.56mV/Kから添加後の1.16に増加した。図12に実施例1との対比も示した。HCl添加により、I /Iの活量が変化した。Seはα−CD添加の場合、1.43mV/Kから1.16mV/Kに減少し、α−CD未添加の場合、0.86mV/Kから0.56mV/Kに減少した。
<包接による電力密度増加(電解質:HCl)>
α−CDの添加により、開放電圧(Voc)の増加と出力電力密度の増加が観測された。
図13がI 包接による電力密度の増加(電解質:HCl)を示す図である。
<電力密度の経時変化(α−CDあり)>
図14はα−CDと電解質(◇:HCl)を加えた電池の電力密度の経時変化を記録した図である。
(実施例3)
実施例3は、KCl(0.2M)を添加したこと以外は、実施例1と同じである。図15は、KCl添加後のゼーベック係数(実線、mV/K)を示す図である。実施例1と同様に、図15において、ゼーベック系数(Se)は、α−CD未添加の0.86mV/Kから添加後の1.96mV/Kへと増加した。図15に実施例1との対比も示した。KCl添加により、I /Iの活量が変化しなかった。Seはα−CD添加の場合、1.43mV/Kから1.96mV/Kに増加し、α−CD未添加の場合、0.86mV/Kで変化しなかった。
実施例3では、実施例1、2と異なり、暗緑色の沈殿K[(α−CD)−I]が観測された。沈殿の生成はゼーベック係数増加の原因であると考えられる。
<K[(α−CD)−I]の結晶構造>
暗緑色の沈殿物を同定するために、以下の水溶液を調整し、その沈殿物の構造を評価した。水溶液中の各イオン濃度を以下に示した。
[I =[I=8mM、
[α−CD]=4mM、
[KCl]=80mM
上記溶液を2日静置して針状結晶(図16)を得た。その結晶構造は、X線回折装置(XRD)を測定し、その解析結果を図17に示す。
[包接による電力密度増加(電解質:KCl)]
図18に示すように、α−CDの添加により、開放電圧(Voc)の増加と出力電力密度の増加が観測された。
[電力密度の経時変化(α−CDあり)]
図14は、α−CDと電解質(○:KCl)を加えた電池の電力密度の経時変化を記録した図である。
(実施例4)
<α−CD、β−CD、γ−CD、Di−O−Me−α−CD、Tri−O−Me−α−CDの添加効果>
実施例4の熱化学電池は、α―シクロデキストリン(α−CD)の代わりに、それぞれ、β−シクロデキストリン(β−CD)、γ−シクロデキストリン(γ−CD)、ヘキサキス‐(2,6−ジ−O−メチル)−α−シクロデキストリン(Di−O−Me−α−CD)、ヘキサキス‐(2,3,6−トリ−O−メチル)−α−シクロデキストリン(Tri−O−Me−α−CD)を用いること以外は、実施例1の熱化学電池と同じである。
図19A、19B、19Cは、ゼーベック係数とホスト分子の相対濃度との関係を示す図である、シクロデキストリンの添加濃度([CD])が0〜5mM、三ヨウ化物イオンの添加濃度([I )が2.5mM、ヨウ化物イオンの濃度([I])が10mM、塩化カリウムの濃度(([KCl])が0、200mMである。
図19A、19B、19Cに示すように、α−シクロデキストリンと同様に、β−シクロデキストリンを添加した場合、β−CD−I 包接化合物を形成し、例えば、4mMのβ−シクロデキストリンの場合、Seが1.1mV/Kである。更にKを添加した場合、沈殿が生じ、Seが1.5mV/Kである。γ−シクロデキストリンを添加した場合、γ−CD−I 包接化合物を形成し、例えば、4mMのβ−シクロデキストリンの場合、Seが1.1mV/Kである。更にKを添加した場合、沈殿が生じない。
図19Dは、ゼーベック係数と5種類のホスト分子の濃度との関係を表す図である、シクロデキストリンの添加濃度([CD])が0〜8mM、三ヨウ化物イオンの添加濃度([I )が2.5mM、ヨウ化物イオンの濃度([I])が10mMである。
図19Dに示すように、α−シクロデキストリンと同様に、β−シクロデキストリンを添加した場合、β−CD−I 包接化合物を形成し、例えば、4mMのβ−シクロデキストリンの場合、Seが1.1mV/Kである。γ−シクロデキストリンを添加した場合、γ−CD−I 包接化合物を形成し、例えば、4mMのγ−シクロデキストリンの場合、Seが0.8mV/Kである。ヘキサキス‐(2,6−ジ−O−メチル)−α−シクロデキストリンを添加した場合、Di−O−Me−α−CD−I 包接化合物を形成し、例えば、4mMのヘキサキス‐(2,6−ジ−O−メチル)−α−シクロデキストリンの場合、Seが1.5mV/Kである。ヘキサキス‐(2,3,6−トリ−O−メチル)−α−シクロデキストリンを添加した場合、Tri−O−Me−α−CD−I 包接化合物を形成し、例えば、4mMのTri−O−Me−α−CDの場合、Seが1.85mV/Kである。
<α−CD、β−CD、γ−CDの間で電流密度/電力密度−電圧曲線の比較>
図20は、KCl添加なしの電流密度/電力密度−電圧曲線の図である。溶液の各イオンの濃度は以下である。
×: [CD]=0mM
[I ]=2.5mM
[I]=10mM
◇:γ−CD添加
△:β−CD添加
○:α−CD添加
実線:電力密度−電圧曲線
破線:電流密度−電圧曲線
図21は、KCl200mM添加の電流密度/電力密度−電圧曲線の図である。溶液の各イオンの濃度は以下である。
×:[CD]=0mM
[I ]=2.5mM
[I]=10mM
[KCl]=200mM
▽:[CD]=0mM
[I ]=50mM
[I−]=50mM
△:×にβ−CD添加
○:×にα−CD添加
実線:電力密度−電圧曲線
破線:電流密度−電圧曲線
上記の結果から、α体に比べて空孔が大きなβ−CDおよびγ−CD をホスト分子に用いた場合も、それぞれのI との結合定数を反映したゼーベック係数の変化を示した。
(実施例5)
実施例5はシクロデキストリンの代わりに添加濃度がグルコース換算で0、30、60mM(glu換算)のデンプンを添加した以外は、実施例1と同様である。ゼーベック係数の評価を行い、添加濃度がグルコース換算で0、30、60mM(glu換算)のデンプンを添加後開放電圧(Voc)と電極間の温度差との関係を評価し、図22に示すゼーベック係数を求めた。
図23はゼーベック係数と、デンプン濃度(6個グルコース換算濃度、6gluose)とI 濃度の比([6gluose]/[I ])との関係を示す図である。
<電力密度の経時変化(デンプン)>
図24は、デンプン添加する本実施例におけるKClを0.2M加えた場合の電力密度の経時変化を示す図である。対比するために、α―シクロデキストリンを添加した実施例3におけるKClを0.2M加えた場合の電力密度の経時変化も併記した。
(実施例6)
実施例6はシクロデキストリンの代わりにポリエチレングリコール4000(キシダ化学株式会社製、平均分子量は2,700〜3,400)(PEG4000)添加した以外に、実施例1と同様にゼーベック係数の評価を行った。図26はゼーベック係数とポリエチレングリコール3000の濃度(モノマー換算、mMmonomer)との関係を示す図である。図26に示すように添加濃度がモノマー換算で10mMである場合、ゼーベック係数が1.35mV/Kであった。
(実施例7)
実施例7はシクロデキストリンの代わりにポリビニルピロリドン(キシダ化学株式会社製、分子量40,000)(PVP)添加した以外に、実施例1と同様にゼーベック係数の評価を行った。図27はゼーベック係数とポリビニルピロリドンの濃度(モノマー換算濃度、mMmonomer)との関係を示す図である。添加濃度がモノマー換算で20mMである場合、ゼーベック係数が1.15mV/Kであった。
(実施例8)
実施例8はレドックス対としてヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオンの代わりにフェロセンモノカルボン酸(FeII)(シグマアルドリッチ社製)とその酸化体であるフェロセニウムモノカルボン酸(FeIII)を用い、α―シクロデキストリンの代わりにβ―シクロデキストリンを添加した以外に、実施例1と同様にゼーベック係数の評価を行った。図27に示すように、β―シクロデキストリンなしおよびβ―シクロデキストリンを2.0mM添加した開放電圧(Voc)と電極間の温度差(ΔT)との関係を評価し、それぞれのゼーベック係数が−0.98と−1.20mV/Kであった。β―シクロデキストリンが還元体のフェロセンモノカルボン酸(FeII)を選択的に補足することが確認された。

Claims (11)

  1. レドックス対と、
    前記レドックス対の一方のみを選択的に、低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物と、を有することを特徴とする熱電変換材料。
  2. 前記捕捉化合物が環状化合物、らせん状化合物からなる群から選択された少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換材料。
  3. 前記捕捉化合物が低温において自己集合する分子であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の熱電変換材料。
  4. 前記捕捉化合物が包接化合物を形成するホスト化合物であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の熱電変換材料。
  5. 前記捕捉化合物が、シクロデキストリン、デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電変換材料。
  6. 前記レドックス対は、ヨウ化物イオンと三ヨウ化物イオン、フェロシアン化物イオンとフェリシアン化物イオン、コバルトトリスビピリジン(II)とコバルトトリスビピリジン(III)からなる群から選択された1対であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱電変換材料。
  7. 前記捕捉化合物を低温において自己集合させる電解質を更に含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱電変換材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱電変換材料と一対の電極と
    を備える熱電変換装置。
  9. 前記一対の電極が異なる温度に設定されたことを特徴とする請求項8に記載の熱電変換装置。
  10. 請求項8または9に記載の熱電変換装置を含むことを特徴とする熱化学電池。
  11. 請求項8または9に記載の熱電変換装置を含むことを特徴とする熱電センサー。
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