JPWO2017135162A1 - 水処理装置及び水処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]被処理水の少なくとも濁質成分及び有機物を除去する固液分離装置と、
当該固液分離装置からの洗浄排水中に含まれる少なくとも粘着性の濁質成分及び有機物を濃縮分離する泡沫分離装置と、
当該固液分離装置からの洗浄排水を当該泡沫分離装置に導入する洗浄排水送水管と、
を具備することを特徴とする、水処理装置。
[2]被処理水の少なくとも濁質成分及び有機物を除去する固液分離装置と、
当該固液分離装置からの洗浄排水中に含まれる少なくとも粘着性の濁質成分及び有機物を濃縮分離する泡沫分離装置と、
当該固液分離装置からの洗浄排水を当該泡沫分離装置に導入する洗浄排水送水管と、
当該泡沫分離装置からの処理済み洗浄排水である分離水を当該固液分離装置に再導入する分離水送水管と、
を具備することを特徴とする、水処理装置。
[3]前記固液分離装置は、砂ろ過装置、凝集砂ろ過装置、精密ろ過膜(MF膜)モジュール、及び限界ろ過膜(UF膜)モジュールから選択される1種以上である、[1]又は[2]に記載の水処理装置。
[4]前記泡沫分離装置は、被処理水と気泡とを混合する反応塔、当該反応塔への被処理水の導入管、当該反応塔への気泡の導入手段、及び当該反応塔からの越流水を排出する越流水排出手段を具備し、当該反応塔は、濁質成分及び有機物を含有する泡状体を高密度化して濃縮する濃縮部及び/又は泡状体を水面上の所定領域に集める泡状体収集部、及び泡状体除去部を有する、[1]乃至[3]のいずれかに記載の水処理装置。
[5]被処理水の少なくとも濁質成分及び有機物を除去する固液分離装置及び泡沫分離装置を含む水処理装置の運転方法であって、
当該固液分離装置の逆洗時に、当該固液分離装置から排出される洗浄排水を当該泡沫分離装置に導入し、当該泡沫分離装置で洗浄排水中に含まれる少なくとも粘着性の濁質成分及び有機物を濃縮分離した濃縮水を少量の越流水として排出することを特徴とする、水処理装置の運転方法。
[6]被処理水の少なくとも濁質成分及び有機物を除去する固液分離装置及び泡沫分離装置を含む水処理装置の運転方法であって、
当該固液分離装置の逆洗時に、当該固液分離装置から排出される洗浄排水を当該泡沫分離装置に導入し、当該泡沫分離装置で洗浄排水中に含まれる少なくとも粘着性の濁質成分及び有機物を濃縮分離した濃縮水を少量の越流水として排出し、
当該泡沫分離装置からの処理済み洗浄排水である分離水を当該固液分離装置に再導入することを特徴とする、水処理装置の運転方法。
[1]固液分離装置と、泡沫分離装置と、逆浸透膜装置と、
当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置に送液する透過水送水管と
当該泡沫分離装置からの分離水を当該逆浸透膜装置に送液する分離水送水管と、
を具備し、当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置にて処理した後に当該逆浸透膜装置にて脱塩処理する水処理装置。
[2]前記固液分離装置は、砂ろ過装置、生物膜ろ過装置、膜ろ過装置、メンブレンバイオリアクター及びこれらの任意の組合せから選択される、[1]に記載の水処理装置。
[3]前記固液分離装置は、少なくともメンブレンバイオリアクターを含み、
前記泡沫分離装置からの泡沫含有濃縮水を前記メンブレンバイオリアクターに返送する泡沫含有濃縮水送水管を具備する、[1]又は[2]に記載の水処理装置。
[4]前記逆浸透膜からの濃縮水を前記泡沫分離装置に返送する濃縮水送水管を具備する、[1]〜[3]のいずれか1に記載の水処理装置。
[5]被処理水を固液分離して透過水を得る固液分離工程と、
当該透過水を泡沫分離して分離水を得る泡沫分離工程と、
当該分離水を逆浸透膜により脱塩する脱塩工程と、
を具備する水処理方法。
[6]前記透過水のSDIは5以下である、[5]に記載の水処理方法。
[7]前記泡沫分離工程における透過水の滞留時間は0.5分乃至10分である、[4]又は[5]に記載の水処理方法。
固液分離装置としては、砂ろ過装置、凝集砂ろ過装置、精密ろ過膜(MF膜)や限界ろ過膜(UF膜)、生物膜ろ過装置、メンブレンバイオリアクター(MBR)など、水処理分野において通常用いられる固液分離装置を好適に用いることができる。
泡沫分離処理は、従来用いられている加圧浮上分離とは異なる。加圧浮上分離は、凝集剤を添加し、空気と水を共存させた状態で加圧して水中に空気を過飽和溶解させ、その後大気圧に戻すことにより、過飽和溶解した空気を大量の微細気泡として出現させ、微細気泡に浮遊物質を捕捉させて水面に浮上させ、水面にて微細気泡が消失して残る浮遊物質を集めて除去する方法であり、凝集剤を添加して形成した非溶解性の懸濁物質のフロックの周囲に、通常、泡径30μm〜50μmのマイクロバブルといわれる微細な気泡を付着させる。微細気泡の浮上速度は遅く、液の滞留時間が20分以上となり、浮上の途中に気泡が破泡して、非溶解性の懸濁物質が沈降することもある。
逆浸透膜装置は、きわめて高い脱塩率が得られる半透性の膜であって、酢酸セルロース系ポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ビニルポリマーなどから構成される逆浸透膜を含む。
本実施形態の水処理装置は、被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置と、被処理水から少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置と、前記泡沫分離装置からの分離水を前記固液分離装置に供給する分離水配管と、逆洗時に前記固液分離装置から排出される洗浄排水を前記泡沫分離装置に導入する洗浄排水配管と、を具備し、前記泡沫分離装置からの濃縮水を少量の越流水として排出することを特徴とする。
通常はSDIが5以下の透過水であれば、逆浸透膜の閉塞を生じさせる可能性は低いが、SDIでは評価できない粘着性の濁質成分や溶解性有機物を透過水が含むことがある。これらの粘着性の濁質成分や溶解性有機物は逆浸透膜を閉塞させるため、透過水を逆浸透膜に導入する前に、泡沫分離装置により処理することが好ましい。
本実施形態の水処理装置は、固液分離装置と、泡沫分離装置と、逆浸透膜装置と、当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置に送液する透過水送水管と当該泡沫分離装置からの分離水を当該逆浸透膜装置に送液する分離水送水管と、を具備する。本実施形態の水処理装置においては、被処理水を固液分離装置に送り、固液分離装置からの透過水を泡沫分離装置にて処理した後に逆浸透膜装置にて脱塩処理する。
本実施形態の水処理装置は、被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置と、被処理水から少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置と、を含み、前記固液分離装置からの透過水を前記泡沫分離装置に供給する透過水送水管と、前記泡沫分離装置からの濃縮水を前記固液分離装置に返送する濃縮水送水管と、を具備する。
[SDI]
SDIは、SDI(FI)自動測定器を用いて測定した。
[TEP濃度]
アルシアンブルー染色液で染色された主にムコ多糖類の濃度で示す。サンプルをポリカーボネート紙にて20kPaで吸引ろ過し、そのろ紙(ろ紙上に残留した物質を含む状態)を80%の硫酸溶液に浸漬させ、溶出した物質の吸光度を測定することで定量した。
[透水性低下率]
以下の計算式で算出した。水の透過係数は、逆浸透膜のフラックス(m/s)を有効圧(操作圧(kPa)から浸透圧(kPa)を引いた値)で除した値である。
図1に示す装置構成を含み、被処理水を泡沫分離装置20に供給して濃縮分離し、泡沫分離装置20からの分離水を凝集砂ろ過装置10にて固液分離した後、逆浸透膜装置で脱塩処理する海水淡水化装置において、逆洗を実施した。
図1に示す装置構成において、被処理水を泡沫分離装置20にて処理した後、凝集砂ろ過装置10に導入して固液分離して、得られた透過水は透過水送水管13を介して逆浸透膜装置に導入し、脱塩処理した。凝集砂ろ過装置10から得られる洗浄排水は未処理のまま洗浄排水送水管15を介して装置外に排出した。水回収率は94%であった。
図2に示す装置構成を含み、泡沫分離装置20からの分離水をUF膜ろ過装置110にて固液分離した後、逆浸透膜装置30で脱塩処理する海水淡水化装置において、逆洗を実施した。
図2に示す装置構成において、被処理水を泡沫分離装置20にて処理した後、UF膜ろ過装置110に導入して固液分離して、得られた透過水は透過水送水管113を介して逆浸透膜装置30に導入して脱塩処理した。UF膜ろ過装置110から得られる洗浄排水は未処理のまま洗浄排水送水管15を介して装置外に排出した。水回収率は92%であった。
図2に示す装置構成において、随伴水を処理する水処理を行った。処理条件は実施例2と同様とした。泡沫分離装置20とUF膜ろ過装置110における水回収率は98%であった。
図2に示す装置構成において、随伴水を処理する水処理を行った。処理条件は比較例2と同様とした。泡沫分離装置20とUF膜ろ過装置110における水回収率は90%であった。
実施例2において、泡沫分離装置の代わりに加圧浮上装置を用いる装置構成において、被処理水を加圧浮上装置にて処理した後、UF膜ろ過装置110に導入して固液分離して、得られた透過水は透過水送水管113を介して逆浸透膜装置30に導入して脱塩処理した。加圧浮上装置の気液比は0.2、滞留時間は20分とした。加圧浮上装置の水回収率は90%であった。逆浸透膜装置30の性能低下は約6ヶ月で5%であった。実施例2と対比すると、逆浸透膜装置の性能低下は同等であるが、加圧浮上装置における被処理液の滞留時間が20分と長いため、処理単位量当たりの逆浸透膜装置の性能低下は実施例2の10倍と算出される。
図4に示す装置構成を含み、凝集砂ろ過装置10からの透過水を逆浸透膜装置30で脱塩処理する海水淡水化処理装置において、逆洗を実施した。
図4に示す装置構成において、被処理水を凝集砂ろ過装置10にて固液分離した後、透過水送水管13を介して逆浸透膜装置30に導入して脱塩処理した。凝集砂ろ過装置10の洗浄排水は未処理のまま、装置外に排出した。凝集砂ろ過装置10における洗浄排水量は、被処理水量に対して10%であり、水回収率は90%であった。
図5に示す装置構成を含み、UF膜ろ過装置110からの処理水を逆浸透膜装置30で脱塩処理する海水淡水化装置において、逆洗を実施した。
図5に示す装置構成において、被処理水をUF膜ろ過装置110にて固液分離した後、透過水送水管113を介して逆浸透膜装置30に導入して脱塩処理した。UF膜ろ過装置110からの洗浄排水を未処理のまま、洗浄排水送水管115を介して装置外に排出した。水回収率は88%であり、膜間差圧上昇速度は1.5kPa/hrであった。
図6に示す装置において、砂ろ過装置10からの透過水を泡沫分離装置20に供給し、泡沫分離装置20にて濃縮分離して溶解性有機物等を除去した分離水を逆浸透膜装置30で脱塩処理した。
図6に示す装置において、泡沫分離装置を設置せず、砂ろ過装置10からの透過水を直接逆浸透膜装置30に導入して脱塩処理した。逆浸透膜の透水性低下率は3ヶ月で25%程度であった。
図8に示す装置において、被処理水を生物膜ろ過装置40に供給し、生物膜ろ過装置40からの透過水を砂ろ過装置10に供給し、砂ろ過装置10からの透過水を泡沫分離装置20に供給し、泡沫分離装置20からの分離水を逆浸透膜装置30に供給して脱塩処理した。
図9に示す装置において、被処理水をUF膜ろ過装置110に供給し、UF膜ろ過装置110からの透過水を泡沫分離装置20に供給し、泡沫分離装置20からの溶解性有機物等を除去した分離水を逆浸透膜装置30で脱塩処理した。
図9に示す装置において、泡沫分離装置を設置せず、UF膜ろ過装置110からの透過水を直接逆浸透膜装置30に導入して脱塩処理した。逆浸透膜の透水性低下率は3ヶ月で10%程度であった。
図10に示す装置において、被処理水をMBR50に供給し、MBR50からの透過水を泡沫分離装置20に供給し、泡沫分離装置20からの溶解性有機物等を除去した分離水を逆浸透膜装置30で脱塩処理した。
図10に示す装置において、泡沫分離装置を設置せず、MBR50からの透過水を直接逆浸透膜装置30に導入して脱塩処理した。逆浸透膜の透水性低下率は3ヶ月で30%程度であった。
11:被処理水導入管
12:空気導入管
13:透過水送水管
14:洗浄水送水管
15:洗浄排水送水管
16:ろ材
17:圧力計
20:泡沫分離装置
21:被処理水導入管
22:空気導入管(気泡発生手段)
23:反応塔
24:濃縮除去部
25:濃縮水送水管
26:分離水送水管
30:逆浸透膜装置
40:生物膜ろ過装置
41:被処理水導入管
42:空気導入管
44:洗浄水送水管
45:洗浄排水送水管
46:生物膜
47:透過水送水管
50:メンブランバイオリアクター
51:被処理水導入管
52:空気導入管
53:透過水送水管
56:分離膜
58:余剰汚泥送液管
60:制御部
110:膜ろ過装置
111:被処理水導入管
112:空気導入管
113:透過水送水管
114:洗浄水送水管
115:洗浄排水送水管
116:ろ過膜
117:圧力計
118:圧力計
技術分野
[0001]
本発明は、被処理水中の濁質や有機物を除去する水処理装置に関する。特に、海水や汽水の淡水化、随伴水などの含油排水の再利用及び処理、気泡や泡沫によって分離しやすい油や藻類を含む湖沼水の浄化、工場排水の再利用などに適用される水処理装置であって、被処理水から濁質や有機物を除去する水処理装置及びその運転方法並びに水処理方法に関する。
背景技術
[0002]
例えば逆浸透膜(RO膜)を用いた海水淡水化方法において、RO膜に海水由来の濁度成分や有機物、藻類、油などが付着すると、RO膜の水の透過性能が低下するため、造水量が低下し、エネルギーコストが増大する。そのため、ROの前段に、砂ろ過装置、凝集砂ろ過装置、加圧浮上装置、精密ろ過膜(MF膜)や限界ろ過膜(UF膜)などの固液分離装置を設けて、RO膜の性能を低下させる物質を除去する前処理を行っている。しかしながら、海水に含まれる透明で粘着性の高いゼリー状の有機物など(Transparent Exopolymer Particles(TEP):生体外分泌高分子粒子)は、前記固液分離装置をすり抜けてRO膜に到達してしまうため、RO膜の性能低下や、前処理に用いるMF膜やUF膜などの性能低下の原因ともなっていた。例えば、下水処理や各種産業排水処理において、MBR(Membrane Bio Reactor:膜分離活性汚泥法メンブレンバイオリアクター)の透過水をRO膜で脱塩する場合においても、被処理水中に溶存している有機物がMBR膜を透過してRO膜に到達するため、RO膜のファウリングを起こし、エネルギーコストが増大し、造水量が低下する。例えばポリアミド系のRO膜の場合は、クエン酸などの酸洗浄剤や、水酸化ナトリウムなどのアルカリ洗浄剤を用いてRO膜を洗浄し、処理性能を回復させる操作を行うが、初期性能まで回復させることは困難である。また、RO膜の洗浄中は装置を稼働できないため、装置稼
として、逆浸透膜装置の透過流速を低下させる要因となる界面活性剤をRO膜処理の前段で選択的かつ効率的に除去することで、長期に渡って安定的に造水可能となったことが開示されている(特許文献4)。しかしながら、気泡塔のみでは十分なRO供給水質にならず、気泡塔の後段に膜ろ過装置を設置する場合もあり、この場合水回収率の低下となっていた。
[0009]
本出願人は、取水した海水中に気泡を発生させ、当該気泡にTEP成分が吸着してなるTEP含有気泡を水面に集めてTEP含有泡沫として除去する泡沫除去部を具備するTEP成分除去槽と、TEP成分が除去された海水を脱塩処理して淡水化する逆浸透膜処理装置と、を具備することを特徴とする海水淡水化装置、及び、泡沫除去装置の後段に、MF膜、UF膜、砂、アンスラサイト、ガラス、ガーネット、活性炭、繊維部材から選択される少なくとも1種をろ材として充填してなるろ過装置を備えた海水淡水化装置を提案している(特許文献5)。特許文献5には、泡沫分離装置でTEP成分を除去することの記載はあるが、藻類や油、赤潮などを対象とした記載はなく、また、前述のろ過装置から排出される洗浄水を前段の泡沫分離装置で処理することの記載はない。
[0010]
1段の前処理装置ではRO膜装置のファウリングを抑制できない場合には、加圧浮上装置を用いて浮上しやすい物質を除去し、ろ過装置を用いて沈降しやすい物質を除去している。このため、CAPEX(Capital Expenditure、設備投資)、OPEX(Operating Expense、運用維持費)が増加し、水回収率も低下する。また、RO膜装置に導入する被処理液の前処理として加圧浮上装置とろ過装置との組合せを用いる場合には、前処理の処理水SDI(Silt Density Index:膜モジュールへの供給水中の懸濁物質を定量化する指標:シルト濃度指数)(ASTM D 4189−95))を5以下、好ましくは4以下まで低下させていたが、逆浸透膜の処理性能の低下を避けることはできなかった。
[0011]
2種類の固液分離装置を用いる場合には、原水の負荷変動に対応することができるものの、水質が良好な季節においては処理性能が過大となり、OP
[6]被処理水の少なくとも濁質成分及び有機物を除去する固液分離装置及び泡沫分離装置を含む水処理装置の運転方法であって、
当該固液分離装置の逆洗時に、当該固液分離装置から排出される洗浄排水を当該泡沫分離装置に導入し、当該泡沫分離装置で洗浄排水中に含まれる少なくとも粘着性の濁質成分及び有機物を濃縮分離した濃縮水を少量の越流水として排出し、
当該泡沫分離装置からの処理済み洗浄排水である分離水を当該固液分離装置に再導入することを特徴とする、水処理装置の運転方法。
[7]固液分離装置と、泡沫分離装置と、逆浸透膜装置と、
当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置に送液する透過水送水管と
当該泡沫分離装置からの分離水を当該逆浸透膜装置に送液する分離水送水管と、
を具備し、当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置にて処理した後に当該逆浸透膜装置にて脱塩処理する水処理装置。
[8]前記固液分離装置は、砂ろ過装置、生物膜ろ過装置、膜ろ過装置、メンブレンバイオリアクター及びこれらの任意の組合せから選択される、[7]に記載の水処理装置。
[9]前記固液分離装置は、少なくともメンブレンバイオリアクターを含み、
前記泡沫分離装置からの泡沫含有濃縮水を前記メンブレンバイオリアクターに返送する泡沫含有濃縮水送水管を具備する、[7]又は[8]に記載の水処理装置。
[10]前記逆浸透膜からの濃縮水を前記泡沫分離装置に返送する濃縮水送水管を具備する、[7]〜[9]のいずれか1に記載の水処理装置。
[11]被処理水を固液分離して透過水を得る固液分離工程と、
当該透過水を泡沫分離して分離水を得る泡沫分離工程と、
当該分離水を逆浸透膜により脱塩する脱塩工程と、
を具備する水処理方法。
[12]前記透過水のSDIは5以下である、[11]に記載の水処理方法。
[13]前記泡沫分離工程における透過水の滞留時間は0.5分乃至10分である、[10]又は[11]に記載の水処理方法。
[14]被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置と、
少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置と、
逆洗時に当該固液分離装置からの洗浄排水を当該泡沫分離装置に供給する洗浄排水送水管と、を具備することを特徴とする水処理装置。
[15]前記泡沫分離装置は、逆洗時に前記固液分離装置からの洗浄排水を濃縮分離して、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物が除去された分離水を前記固液分離装置に返送する分離水送水管をさらに具備することを特徴とする[14]に記載の水処理装置。
[16]前記泡沫分離装置は、逆洗時に前記固液分離装置からの洗浄排水を濃縮分離して、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を含む濃縮水を越流水として排出することを特徴とする[14]又は[15]に記載の水処理装置。
[17]前記固液分離装置からの透過水を脱塩処理する逆浸透膜装置をさらに具備することを特徴とする[14]〜[16]のいずれか1に記載の水処理装置。
[18]固液分離装置と、泡沫分離装置と、逆浸透膜装置と、
当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置に送液する透過水送水管と
当該泡沫分離装置からの分離水を当該逆浸透膜装置に送液する分離水送水管と、
を具備し、当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置にて処理した後に当該逆浸透膜装置にて脱塩処理する水処理装置。
[19]被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置と、
被処理水から少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置と、
当該泡沫分離装置からの濃縮水を当該固液分離装置に返送する濃縮水送水管と、
を具備することを特徴とする水処理装置。
[20]当該泡沫分離装置からの分離水を脱塩処理する逆浸透膜装置と、
前記泡沫分離装置からの分離水を当該逆浸透膜装置に導入する分離水送水管と、
をさらに具備することを特徴とする[19]に記載の水処理装置。
[21]前記固液分離装置は、砂ろ過装置、凝集砂ろ過装置、精密ろ過膜(MF膜)モジュール、限界ろ過膜(UF膜)モジュール、生物膜ろ過装置、メンブレンバイオリアクター及びこれらの任意の組合せから選択される1種以上であることを特徴とする[14]〜[20]のいずれか1に記載の水処理装置。
[22]前記固液分離装置の水頭圧又は膜間差圧又は入口側圧を計測する圧力計と、
当該圧力計により計測された水頭圧又は膜間差圧又は入口側圧に基づいて、前記泡沫分離装置に供給する空気量又は凝集剤添加量、若しくは通常運転と逆洗運転との切り替えを制御する制御部と、
を具備することを特徴とする[14]〜[21]のいずれか1に記載の水処理装置。
[23]前記泡沫分離装置は、被処理水と気泡とを混合する反応塔、当該反応塔への被処理水の導入管、当該反応塔への気泡の導入手段、及び当該反応塔からの越流水を排出する越流水排出手段を具備し、
当該反応塔は、濁質成分及び有機物を含有する泡状体を高密度化して濃縮する濃縮部及び泡状体を水面上の所定領域に集める泡状体収集部の少なくとも一方を有することを特徴とする[14]〜[22]のいずれか1に記載の水処理装置。
[24]被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置、及び被処理水から少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置を含む水処理装置の運転方法であって、
逆洗時に、当該固液分離装置から排出される洗浄排水を当該泡沫分離装置に導入し、当該泡沫分離装置で洗浄排水中に含まれる少なくとも粘着性の濁質成分及び有機物を濃縮分離した濃縮水を少量の越流水として排出することを特徴とする、水処理装置の運転方法。
[25]逆洗時に、前記泡沫分離装置からの分離水を前記固液分離装置に返送することを特徴とする[24]に記載の水処理装置の運転方法。
[26]前記固液分離装置の水頭圧又は膜間差圧を計測し、計測した圧力に基づいて、前記泡沫分離装置への空気又は凝集剤の供給量若しくは通常運転と逆洗運転との切り換えを制御することを特徴とする[24]又は[25]に記載の水処理装置の運転方法。
[27]被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置、及び被処理水から少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置を含む水処理装置において、
当該泡沫分離装置からの濃縮水を当該固液分離装置に導入することを特徴とする水処理方法。
[28]被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置、及び被処理水から少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置と、逆浸透膜装置と、を含む水処理装置において、
当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置に供給し、当該泡沫分離装置にて当該透過水を濃縮分離して、分離水と濃縮水とを得て、
当該分離水を逆浸透膜装置にて脱塩処理し、
当該濃縮水を当該固液分離装置に返送することを特徴とする水処理方法。
[29]被処理水を固液分離して、SDI(シルト濃度指数)が5以下の透過水を得る固液分離工程と、
当該透過水を0.5分乃至10分の滞留時間で泡沫分離して、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を含む濃縮水と、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を除去された分離水を得る泡沫分離工程と、
当該分離水を逆浸透膜により脱塩する脱塩工程と、
を含むことを特徴とする水処理方法。
[30]被処理水を0.5分乃至10分の滞留時間で泡沫分離して、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を含む濃縮水と、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物が除去された分離水を得る泡沫分離工程と、
当該分離水を固液分離して、SDI(シルト濃度指数)が5以下の透過水を得る固液分離工程と、
当該透過水を逆浸透膜により脱塩する脱塩工程と、
を含むことを特徴とする水処理方法。
発明の効果
[0017]
本発明によれば、固液分離装置からの洗浄排水を泡沫分離装置で濃縮分離し、その分離水を再度固液分離装置に導入することで、水回収率が増加し、系全体からの濃縮水排出量を削減することができる。
[0018]
また、本発明によれば、固液分離装置からのSDIが低下した透過水を泡沫分離装置で処理し、その分離水を逆浸透膜装置に導入することで、逆浸透膜装置の性能低下を抑制すると共に水回収率が増加し、また、泡沫分離装置には空気を導入するだけでよいから、系全体からの濃縮水排出量を削減することができる。
[0019]
さらに、本発明によれば、泡沫分離装置からの濃縮水を固液分離装置に返送し、固液分離装置からの透過水を再度、泡沫分離装置に導入することで、系全体からの濃縮水排出量を削減することができる。
[0020]
本発明で用いる泡沫分離装置は、類似した技術である加圧浮上装置に比べ、原水の滞留時間が1/10と極めて短く、装置を極めて小型化することができる。また、固液分離装置と組み合わせることで、固液分離装置単独の場合よりも負荷変動に効率的に対応できる。さらに、固液分離装置を2段設置するよりも、設備投資及び/又は運用維持費並びに設置面積を大きく削減することができる。
図面の簡単な説明
[0021]
[図1]泡沫分離装置の下流に固液分離装置(砂ろ過装置)を配置した本発明の水処理装置の一実施態様を示す概略説明図である。
[図2]泡沫分離装置の下流に固液分離装置(膜ろ過装置)を配置し、膜ろ過装置への流入圧力を計測して、逆洗運転への切り換え及び泡沫分離装置への気体導入量を制御する本発明の水処理装置の一実施態様を示す概略説明図であ
Claims (18)
- 被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置と、
少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置と、
逆洗時に当該固液分離装置からの洗浄排水を当該泡沫分離装置に供給する洗浄排水送水管と、を具備することを特徴とする水処理装置。 - 前記泡沫分離装置は、逆洗時に前記固液分離装置からの洗浄排水を濃縮分離して、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物が除去された分離水を前記固液分離装置に返送する分離水送水管をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
- 前記泡沫分離装置は、逆洗時に前記固液分離装置からの洗浄排水を濃縮分離して、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を含む濃縮水を越流水として排出することを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理装置。
- 前記固液分離装置からの透過水を脱塩処理する逆浸透膜装置をさらに具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の水処理装置。
- 固液分離装置と、泡沫分離装置と、逆浸透膜装置と、
当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置に送液する透過水送水管と
当該泡沫分離装置からの分離水を当該逆浸透膜装置に送液する分離水送水管と、
を具備し、当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置にて処理した後に当該逆浸透膜装置にて脱塩処理する水処理装置。 - 被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置と、
被処理水から少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置と、
当該泡沫分離装置からの濃縮水を当該固液分離装置に返送する濃縮水送水管と、
を具備することを特徴とする水処理装置。 - 当該泡沫分離装置からの分離水を脱塩処理する逆浸透膜装置と、
前記泡沫分離装置からの分離水を当該逆浸透膜装置に導入する分離水送水管と、
をさらに具備することを特徴とする請求項6に記載の水処理装置。 - 前記固液分離装置は、砂ろ過装置、凝集砂ろ過装置、精密ろ過膜(MF膜)モジュール、限界ろ過膜(UF膜)モジュール、生物膜ろ過装置、メンブレンバイオリアクター及びこれらの任意の組合せから選択される1種以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の水処理装置。
- 前記固液分離装置の水頭圧又は膜間差圧又は入口側圧を計測する圧力計と、
当該圧力計により計測された水頭圧又は膜間差圧又は入口側圧に基づいて、前記泡沫分離装置に供給する空気量又は凝集剤添加量、若しくは通常運転と逆洗運転との切り替えを制御する制御部と、
を具備することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載の水処理装置。 - 前記泡沫分離装置は、被処理水と気泡とを混合する反応塔、当該反応塔への被処理水の導入管、当該反応塔への気泡の導入手段、及び当該反応塔からの越流水を排出する越流水排出手段を具備し、
当該反応塔は、濁質成分及び有機物を含有する泡状体を高密度化して濃縮する濃縮部及び泡状体を水面上の所定領域に集める泡状体収集部の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1に記載の水処理装置。 - 被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置、及び被処理水から少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置を含む水処理装置の運転方法であって、
逆洗時に、当該固液分離装置から排出される洗浄排水を当該泡沫分離装置に導入し、当該泡沫分離装置で洗浄排水中に含まれる少なくとも粘着性の濁質成分及び有機物を濃縮分離した濃縮水を少量の越流水として排出することを特徴とする、水処理装置の運転方法。 - 逆洗時に、前記泡沫分離装置からの分離水を前記固液分離装置に返送することを特徴とする請求項11に記載の水処理装置の運転方法。
- 前記固液分離装置の水頭圧又は膜間差圧を計測し、計測した圧力に基づいて、前記泡沫分離装置への空気又は凝集剤の供給量若しくは通常運転と逆洗運転との切り換えを制御することを特徴とする請求項11又は12に記載の水処理装置の運転方法。
- 被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置、及び被処理水から少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置を含む水処理装置において、
当該泡沫分離装置からの濃縮水を当該固液分離装置に導入することを特徴とする水処理方法。 - 被処理水から少なくとも濁質成分及び有機物を除去して透過水を得る固液分離装置、及び被処理水から少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を濃縮分離して濃縮水及び分離水を得る泡沫分離装置と、逆浸透膜装置と、を含む水処理装置において、
当該固液分離装置からの透過水を当該泡沫分離装置に供給し、当該泡沫分離装置にて当該透過水を濃縮分離して、分離水と濃縮水とを得て、
当該分離水を逆浸透膜装置にて脱塩処理し、
当該濃縮水を当該固液分離装置に返送することを特徴とする水処理方法。 - 被処理水を固液分離して透過水を得る固液分離工程と、
当該透過水を泡沫分離して分離水を得る泡沫分離工程と、
当該分離水を逆浸透膜により脱塩する脱塩工程と、
を具備する水処理方法。 - 被処理水を固液分離して、SDI(シルト濃度指数)が5以下の透過水を得る固液分離工程と、
当該透過水を0.5分乃至10分の滞留時間で泡沫分離して、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を含む濃縮水と、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を除去された分離水を得る泡沫分離工程と、
当該分離水を逆浸透膜により脱塩する脱塩工程と、
を含むことを特徴とする水処理方法。 - 被処理水を0.5分乃至10分の滞留時間で泡沫分離して、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物を含む濃縮水と、少なくとも粘着性の濁質成分及び溶解性有機物が除去された分離水を得る泡沫分離工程と、
当該分離水を固液分離して、SDI(シルト濃度指数)が5以下の透過水を得る固液分離工程と、
当該透過水を逆浸透膜により脱塩する脱塩工程と、
を含むことを特徴とする水処理方法。
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