JPWO2017110460A1 - 低背インダクタ - Google Patents
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Abstract
表面電極による磁界形成の妨げが抑制された厚み0.5mm以下の低背インダクタを提供する。矩形薄板状の素体1と、素体1に内蔵された基材層の積層方向に巻回軸を有するループ状導体パターン3a〜3gと、素体1の一方主面に形成された4つの表面電極5a〜5dと、を備え、表面実装型であり、積層方向に透視した場合に、4つの表面電極5a〜5dの各中心が、それぞれ、ループ状導体パターン3a〜3gが形成された領域内に配置されるようにした。4つの表面電極5a〜5dは、たとえば、素体1の一方主面の4隅に分けて配置される。
Description
本発明は、表面実装型の超低背インダクタ(Ultra Thin Inductor)に関し、さらに詳しくは、表面電極による磁界形成の妨げが抑制された厚み0.5mm以下の低背インダクタに関する。
複数の基材層が積層された素体に、コイル導体が内蔵されたインダクタが、種々の電子機器に使用されている。
そのようなインダクタが、特許文献1(WO2013-128702号公報)に開示されている。
図7に、特許文献1に開示されたインダクタ(積層型インダクタ)500を示す。
インダクタ500は、複数の磁性体からなる基材層(磁性体層)101a〜101hが積層された素体101を備える。基材層101b、101gは、図7から分かるように、他の基材層101a、101c〜101f、101hよりも厚みが大きい。
基材層101a〜101hの層間には、ループ状導体パターン(線状導体)102a〜102eや、配線導体103a、103bが配置されている。
また、基材層101a〜101gには、それぞれ、両主面間を貫通して、ビア導体(層間接続導体)104が形成されている。
素体101の一方主面(下側主面)には、1対の表面電極(外部接続導体)105a、105bが形成されている。
インダクタ500は、表面電極105aを起点にし、表面電極105を終点にして、ループ状導体パターン102a〜102e、配線導体103b、103aを、順に、ビア導体104により接続することにより、コイルが形成されている。
電子機器の小型化にともない、インダクタを含む電子部品においても、小型化が極めて重要な課題の1つになっている。
たとえば、ICカード型デバイスでは、0.5mm以下の厚みの低背インダクタが求められている。
しかしながら、0.5mm以下の厚みのインダクタを、従来のインダクタの構造、たとえば特許文献1に開示されたインダクタ500の構造で作製すると、大きなインダクタンス値や高いQを有するインダクタを得ることが難しいという問題があった。
すなわち、特許文献1に開示されたインダクタ500において、厚みを0.5mm以下にしようとした場合には、図7に示す、基材層101b、101gの厚みを小さくすることが必要になる。すなわち、基材層101b、101gの厚みを、少なくとも、他の基材層101a、101c〜101f、101hと同じ程度に小さくするか、あるいは、ループ状導体パターン102a〜102eの層数を減らさなければ、厚みが0.5mm以下のインダクタの作製は難しい。
しかしながら、ループ状導体パターン102a〜102eの層数を減らすと、大きなインダクタンス値を得ることが難しくなってしまう。
また、コイル開口に面した基材層101b、101gの厚みを小さくすると、ループ状導体パターン102aと、表面電極105a、105bとの距離が小さくなってしまう。そして、ループ状導体パターン102aと、表面電極105a、105bとの距離が小さくなると、表面電極105a、105bが、ループ状導体パターン102a〜102eによる磁界形成を妨げ、インダクタ500が高いQ値を得ることができなくなってしまう。
特に、インダクタ500は、表面電極105a、105bが、それぞれ、大きな面積を備えているため、ループ状導体パターン102aと表面電極105a、105bとの距離が小さくなると、表面電極105a、105bが磁界形成を妨げる影響が大きかった。
また、インダクタ500は、素体1の積層方向に透視した場合、表面電極105a、105bが、コイルの開口部(ループ状導体パターン102a〜102eが形成された領域の内側の領域)と大きく重なっているため、ループ状導体パターン102aと表面電極105a、105bとの距離が小さくなると、表面電極105a、105bが磁界形成を妨げる影響が極めて大きかった。すなわち、コイルの開口部は、ループ状導体パターン102a〜102eが形成する磁束が最も集中する領域であり、この領域を表面電極105a、105bが塞いでしまうことにより、磁界形成が大きく妨げられ、Q値が大きく低下してしまうという問題があった。
以上のように、従来の構造のインダクタにおいて、厚みを小さく(0.5mm以下に)すると、十分に大きなインダクタンス値やQ値を得ることができないという問題があった。
本発明は、上述した従来の問題を解決するためになされたものであり、その手段として、本発明の低背インダクタは、複数の基材層が積層され、厚みが0.5mm以下である矩形薄板状の素体と、素体に内蔵され、基材層の積層方向に巻回軸を有するコイル導体と、素体の一方主面の面内に形成された4つの表面電極と、を備え、コイル導体の一端が表面電極の少なくとも1つに接続され、コイル導体の他端が表面電極の他の少なくとも1つに接続された表面実装型の低背インダクタであって、基材層の積層方向に透視した場合に、4つの表面電極の各中心が、それぞれ、コイル導体が形成された領域内に配置されたものとした。
なお、コイル導体が形成された領域とは、平面視した場合(基材層の積層方向に透視した場合)に、コイル導体の内周端と外周端との間の幅により形成される領域をいう。
なお、コイル導体は、1つのループ状導体パターンで構成される場合もあるが、複数のループ状導体パターンがビア導体などの層間接続導体により接続されて構成される場合もある。
また、低背インダクタは、少なくとも4つの表面電極を備えていれば良い。すなわち、低背インダクタの表面電極の個数は、4つには限られず、5つ、6つであっても良く、さらに多くであっても良い。
4つの表面電極が、素体の一方主面の4隅に分けてそれぞれ配置されることが好ましい。この場合には、低背インダクタを実装した場合に、素体の一方主面が安定する。
基材層の積層方向に透視した場合に、4つの表面電極が、それぞれ、コイル導体の開口と重なっていない、あるいは、コイル導体の開口と重なっているとしても、重なり面積が、表面電極の面積の10%以下であることが好ましい。この場合には、表面電極が磁界形成を妨げる影響をさらに抑制することができ、Q値の低下をより小さくすることができる。
また、コイル導体の一端が、表面電極の2つに接続され、コイル導体の他端が、表面電極の残りの2つに接続されたものとすることが好ましい。この場合には、コイル導体の両端が、それぞれ、2つの表面電極により外部(基板等)のランド電極に接続されるため電気的接続が確実になり、抵抗成分も小さくできる。
また、素体の一方主面近傍の、基材層の層間に、第1分配電極と第2分配電極とが設けられ、コイル導体の一端が第1分配電極に接続され、第1分配電極が表面電極の2つに接続され、コイル導体の他端が第2分配電極に接続され、第2分配電極が表面電極の残りの2つに接続されることが好ましい。この場合には、容易に、コイル導体の一端を2つの表面電極に接続し、コイル導体の他端を残りの2つの表面電極に接続することができる。
この場合において、第1分配電極および第2分配電極は、それぞれ、基材層の積層方向に透視した場合に、主にコイル導体が形成された領域内に配置されていることが好ましい。この場合には、第1分配電極および第2分配電極が磁界形成を妨げる影響を抑制することができる。
コイル導体の一端を、表面電極の1つに接続し、コイル導体の他端を、表面電極の他の1つに接続し、コイル導体が接続されなかった残りの2つの表面電極を、それぞれ、電気的接続をおこなわない、第1ダミー表面電極としても良い。この場合には、第1ダミー表面電極により、実装強度を高めることができる。
また、本発明の別の低背インダクタは、上述した課題を解決するために、複数の基材層が積層され、厚みが0.5mm以下である矩形薄板状の素体と、素体に内蔵され、基材層の積層方向に巻回軸を有するコイル導体と、素体の一方主面の面内に形成された4つの表面電極と、を備え、コイル導体の一端が4つの表面電極のうちの2つに接続され、コイル導体の他端が4つの表面電極のうちの他の2つに接続されており、4つの表面電極が素体の一方主面の4隅に分けてそれぞれ配置されたものとした。
さらに、素体の一方主面の中央近傍に、電気的接続をおこなわない、実装強度を高めるための、第2ダミー表面電極を形成することが好ましい。この場合には、第2ダミー表面電極により、プリント配線板への実装強度を高めることができる。なお、第2ダミー表面電極は、電気的接続をおこなわず、基板に実装した後も、信号ラインやグランドに接続されないため、素体の一方主面の中央近傍に設けられていても、磁界形成を大きく妨げない。
また、第2ダミー表面電極が、複数に分割されていることが好ましい。第2ダミー表面電極を分割せずに大面積で形成した場合には、第2ダミー表面電極を基板のランド電極等にはんだ付けをした際に、はんだ膜厚が大きくなり過ぎて、低背インダクタの実装不良の原因となる虞がある。しかしながら、このように、第2ダミー表面電極を複数に分割した場合には、分割された各第2ダミー表面電極の面積が小さくなるため、はんだ付けをした際のはんだ膜厚が小さくなり、実装不良の発生を抑制することができる。また、第2ダミー表面電極を複数に分割することで、磁界形成の妨げにもなりにくくなる。
また、素体がセラミックスからなり、素体の他方主面に、電気的接続をおこなわない、第3ダミー表面電極が形成されることが好ましい。素体がセラミックスからなる場合には、製造工程中に焼成工程が必要になるが、素体の一方主面にのみ電極(表面電極等)が形成され、素体の他方主面に電極が形成されていない場合には、両主面間で熱収縮率や焼成挙動が異なってしまい、特に極薄のセラミックスの場合、焼成後の素体(焼結体)に反りが発生しやすい。しかしながら、このように、素体の他方主面に第3ダミー表面電極を形成すれば、焼成工程において素体に反りが発生することを抑制することができる。
この場合において、第3ダミー表面電極が複数からなり、基材層の積層方向に透視した場合に、第3ダミー表面電極が、それぞれ、表面電極と重なる位置に形成されているか、または、表面電極および第1ダミー表面電極と重なる位置に形成されているか、または、表面電極および第2ダミー表面電極と重なる位置に形成されているか、または、表面電極、第1ダミー表面電極および第2ダミー表面電極と重なる位置に形成されていることが好ましい。この場合には、これらの電極による磁界形成の妨げを最小限にとどめることができる。すなわち、第3ダミー表面電極が、表面電極等と重ならない位置に形成されていると、コイル導体により形成された磁束の一部が、素体の一方主面において表面電極等により妨げられ、コイル導体により形成された磁束の他の一部が、素体の他方主面において第3ダミー表面電極により妨げられることにより、これらの電極による磁界形成の妨げが大きくなる。しかしながら、第3ダミー表面電極が、表面電極等と重なる位置に形成されていると、素体の一方主面において表面電極等により妨げられた磁束は、素体の他方主面において第3ダミー表面電極によっても妨げられてしまうが、素体の一方主面において表面電極等により妨げられなかった磁束は、素体の他方主面において第3ダミー表面電極によっても妨げられない。すなわち、素体の一方主面において表面電極等により妨げられる磁束と、素体の他方主面において第3ダミー表面電極により妨げられる磁束とを共通化することにより、素体の一方主面において表面電極等により妨げられず、かつ、素体の他方主面において第3ダミー表面電極に妨げられない磁束の量を十分に確保することができ、これらの電極による磁界形成の妨げを最小限にとどめることができる。
また、基材層が、複数の磁性体基材層と、少なくとも1層の非磁性体基材層とで構成され、素体において、非磁性基材層が、2層の磁性体基材層に挟まれて積層されていることが好ましい。素体が、全て磁性体基材層で形成されていると、大きな直流電流が流れた場合に磁気飽和が発生しやすく、インダクタンス値が急激に低下してしまう虞がある。しかしながら、このように、コイル導体間に、少なくとも1層の非磁性体基材層を積層しておくことにより、直流重畳特性が改善され、大きな直流電流が流れても、磁気飽和が発生しにくくなり、インダクタンス値が急激に低下してしまうことを抑制することができる。
また、素体がセラミックスからなり、素体の内部に、少なくとも1層の、基材層の積層方向に対して垂直方向に広がる空隙が形成され、基材層の積層方向に透視した場合に、空隙が、コイル導体が形成された領域と重なっていることが好ましい。素体がセラミックスからなる場合には、製造工程中に焼成工程が必要になるが、焼成した後の冷却時に、基材層とコイル導体との間に、熱収縮率の違いから応力が発生し、焼成後の素体に応力歪が生じて、磁気特性が低下(透磁率の低下等)してしまうという問題があった。しかしながら、このように、基材層の内部に少なくとも1層の空隙を形成しておくことにより、基材層とコイル導体との間に発生する応力を空隙によって緩和することができ、磁気特性の低下を抑制することができる。
本発明の低背インダクタは、基材層の積層方向に透視した場合に、4つの表面電極の各中心が、それぞれ、コイル導体が形成された領域内に配置されたものとしたため、厚みが0.5mm以下であっても、表面電極による磁界形成の妨げが最小限に抑制されている。
また、本発明のもう1つの低背インダクタは、コイル導体の一端が4つの表面電極のうちの2つに接続され、コイル導体の他端が4つの表面電極のうちの他の2つに接続され、4つの表面電極が、素体の一方主面の4隅に分けて配置されたものとしたため、厚みが0.5mm以下であっても、表面電極による磁界形成の妨げが最小限に抑制されている。
これらの本発明の低背インダクタは、個々の表面電極の面積が小さくなったとしても、4つの表面電極によりしっかりと外部の電極(基板のランド電極等)に固定されるため、実装強度の低下を最小限に抑制できる。
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。また、図面は、実施形態の理解を助けるためのものであり、必ずしも厳密に描画されていない場合がある。たとえば、描画された構成要素ないし構成要素間の寸法の比率が、明細書に記載されたそれらの寸法の比率と一致していない場合がある。また、明細書に記載されている構成要素が、図面において省略されている場合や、個数を省略して描画されている場合等がある。
[第1実施形態]
図1(A)、(B)、図2、図3(A)、(B)に、第1実施形態にかかる低背インダクタ100を示す。ただし、図1(A)、(B)は、それぞれ、低背インダクタ100を示す斜視図である。図2は、低背インダクタ100の分解斜視図である。図3(A)、(B)は、それぞれ、低背インダクタ100を下側主面側(一方主面側)からみた透視図である。
図1(A)、(B)、図2、図3(A)、(B)に、第1実施形態にかかる低背インダクタ100を示す。ただし、図1(A)、(B)は、それぞれ、低背インダクタ100を示す斜視図である。図2は、低背インダクタ100の分解斜視図である。図3(A)、(B)は、それぞれ、低背インダクタ100を下側主面側(一方主面側)からみた透視図である。
低背インダクタ100は、素体1を備える。本実施形態においては、図1に示す素体1の外形寸法を、幅W3.5mm、奥行D3.2mm、厚みT0.35mmとし、極めて薄型(低背)に構成した。本発明の低背インダクタは、厚みTが0.5mm以下であるのに対し、幅Wおよび奥行Dが、それぞれ、2.0mm〜10.0mm程度からなる、極めて薄型のインダクタを対象としている。
素体1は、下から順に、磁性体基材層1a〜1d、非磁性体基材層1e、磁性体基材層1f〜1jが積層された構造からなる。非磁性体基材層1eは、低透磁率または非磁性のセラミックスにより形成されている。磁性体基材層1a〜1d、1f〜1jは、非磁性体基材層1eよりも透磁率が大きいフェライトなどの磁性セラミックスにより形成されている。
磁性体基材層1aと磁性体基材層1bの層間には、第1分配電極2aと、第2分配電極2bとが形成されている。
磁性体基材層1bと磁性体基材層1cの層間には、3ターンのループ状導体パターン3aが形成されている。
磁性体基材層1cと磁性体基材層1dの層間には、3ターンのループ状導体パターン3bが形成されている。
磁性体基材層1dと非磁性体基材層1eの層間には、3ターンのループ状導体パターン3cが形成されている。
非磁性体基材層1eと磁性体基材層1fの層間には、3ターンのループ状導体パターン3dが形成されている。
磁性体基材層1fと磁性体基材層1gの層間には、ループ状導体パターンは形成されていない。代わりに、磁性体基材層1fと磁性体基材層1gの層間には、環状の空隙4が形成されている。
磁性体基材層1gと磁性体基材層1hの層間には、3ターンのループ状導体パターン3eが形成されている。
磁性体基材層1hと磁性体基材層1iの層間には、3ターンのループ状導体パターン3fが形成されている。
磁性体基材層1iと磁性体基材層1jの層間には、3ターン弱のループ状導体パターン3eが形成されている。
素体1の一方主面(下側主面)には、4隅に分散させて、4つの表面電極5a〜5dが形成されている。なお、素体の下側主面のみに実装用の電極が形成された電子部品を、LGA(Land grid array)型と呼ぶ場合がある。
また、素体1の一方主面の中央近傍には、電気的接続をおこなわない、実装強度を高めるための、4つの第2ダミー表面電極6a〜6dが形成されている。第2ダミー表面電極は、プリント配線板に機械的には接合されるが、電気的接続をおこなわず、基板等に実装した後も、信号ラインやグランドに接続されないものであるため、素体1の一方主面に設けられているにもかかわらず、磁界形成を大きく妨げない。なお、第2ダミー表面電極6a〜6dは、本発明において必須の構成ではなく、省略することも可能である。
磁性体基材層1a〜1d、非磁性体基材層1e、磁性体基材層1f〜1iには、それぞれ、両主面間を貫通して、ビア導体7が形成されている。
表面電極5a、5bが、ビア導体7により、第1分配電極2aに接続されている。同様に、表面電極5c、5dが、ビア導体7により、第2分配電極2bに接続されている。
そして、第1分配電極2a、ループ状導体パターン3a〜3g、第2分配電極2bが、順に、ビア導体7により接続されている。なお、本実施形態においては、ループ状導体パターン3a〜3gがビア導体7により接続されて、コイル導体が構成されている。
この結果、低背インダクタ100は、表面電極5a、5bと、表面電極5c、5dとの間に、コイルが形成されている。
第1分配電極2a、第2分配電極2b、ループ状導体パターン3a〜3g、ビア導体7は、たとえば、銀を主成分としている。ただし、これらの材質は任意であり、銅や、その他の金属を主成分としても良い。また、複数の種類の金属が含まれていても良く、それらの金属が合金であっても良い。
以上の構造からなる、第1実施形態にかかる低背インダクタ100は、次のような特徴を備える。
低背インダクタ100は、図3(A)に示すように、4つの表面電極5a〜5dが、素体1の一方主面(下側主面)の4隅に分散されて配置されている。そして、素体1の積層方向(基材層の積層方向)に透視した場合に、表面電極5a〜5dの各中心Pが、コイル導体(ループ状導体パターン3a〜3g)が形成された領域E内に配置されている。
低背インダクタ100は、一方の表面電極が2つの表面電極5a、5bに分割され、他方の表面電極が2つの表面電極5c、5dに分割されたことにより、個々の表面電極5a〜5dの面積が小さくなっている。表面電極の面積が大きいほど、表面電極がコイルの磁界形成を妨げる影響は大きくなるが、低背インダクタ100では、表面電極5a〜5dの面積を小さくすることにより、表面電極5a〜5dよる磁界形成の妨げを小さくしている。
また、素体1の積層方向(基材層の積層方向)に透視した場合に、表面電極5a〜5dが、コイルの開口F内にある場合の方が、コイル導体(ループ状導体パターン3a〜3g)の形成領域E内にある場合よりも磁界形成を妨げる影響が大きい。低背インダクタ100は、表面電極5a〜5dの各中心Pを領域E内に配置することにより、表面電極5a〜5dよる磁界形成の妨げを小さくしている。
さらに、低背インダクタ100は、表面電極5a〜5dが、それぞれ、コイルの開口Fと僅かにしか重なっていない。本実施形態においては、表面電極5a〜5dとコイルの開口Fとの重なり面積は、表面電極5a〜5dの面積の3%以下である。表面電極5a〜5dとコイルの開口Fとは、重ならないことが最も良い。表面電極5a〜5dとコイルの開口Fとが重なる場合であっても、その面積はできるだけ小さい方が良く、磁界形成の妨げを考慮すると、表面電極5a〜5dの面積の10%以下であることが好ましい。低背インダクタ100は、表面電極5a〜5dとコイルの開口Fとの重なりを小さくすることにより、表面電極5a〜5dよる磁界形成の妨げを小さくしている。
以上により、低背インダクタ100は、厚みが0.35mmと小さく、ループ状導体パターン3aと表面電極5a〜5dとの距離が小さいにもかかわらず、表面電極5a〜5dによる、コイル導体(ループ状導体パターン3a〜3g)による磁界形成の妨げが最小限に抑制されている。
なお、低背インダクタ100は、表面電極5a〜5dの面積が小さいが、4つの表面電極5a〜5dを備えているため、外部の電極(基板のランド電極等)にしっかりと固定され、十分な実装強度を保つことができる。
また、低背インダクタ100は、図3(B)に示すように、素体1の積層方向(基材層の積層方向)に透視した場合に、第1分配電極2a、第2分配電極2bが、それぞれ、主にコイル導体(ループ状導体パターン3a〜3g)が形成された領域E内に配置されている。第1分配電極2a、第2分配電極2bが、コイルの開口F内にある場合の方が、コイル導体(ループ状導体パターン3a〜3g)の形成領域E内にある場合よりも磁界形成を妨げる影響が大きい。低背インダクタ100では、第1分配電極2a、第2分配電極2bを主に領域E内に配置することにより、第1分配電極2a、第2分配電極2bよる磁界形成の妨げを小さくしている。
また、低背インダクタ100は、素体1が、磁性体基材層1a〜1d、1f〜1jと、非磁性体基材層1eとで構成されている。素体1が、全て磁性体基材層で形成されていると、大きな直流電流が流れた場合に磁気飽和が発生しやすく、インダクタンス値が急激に低下してしまう虞がある。しかしながら、低背インダクタ100は、素体1が非磁性体基材層1eを備えているため、直流重畳特性が改善されており、大きな直流電流が流れても、磁気飽和が発生しにくく、インダクタンス値が急激に低下してしまうことがない。
また、低背インダクタ100は、磁性体基材層1fと磁性体基材層1gの層間に、環状の空隙4が形成されている。素体1の積層方向(基材層の積層方向)に透視した場合に、空隙4は、コイル導体(ループ状導体パターン3a〜3g)が形成された領域Eとほぼ重なって形成されている。本実施形態のように、素体1がセラミックスにより形成されている場合には、製造工程中に焼成工程が必要になるが、焼成した後の冷却時に、基材層(磁性体基材層1a〜1d、1f〜1j、非磁性体基材層1e)とループ状導体パターン3a〜3gとの間に、熱収縮率の違いから応力が発生し、焼成後の素体1に応力歪が生じて透磁率が低下するなど磁気特性が低下してしまう虞がある。しかしながら、素体1の内部に空隙を形成すれば、その空隙によって、基材層とループ状導体パターンとの間に発生する応力を緩和することができる。低背インダクタ100は、空隙4を形成したことにより、基材層とループ状導体パターンとの間に発生する応力が緩和され、磁気特性の低下が抑制されている。
さらに、低背インダクタ100は、第2ダミー表面電極6a〜6dが4つに分割されている。第2ダミー表面電極を分割せずに1つの大きな面積の電極とした場合には、第2ダミー表面電極を基板のランド電極等にはんだ付けをした際に、はんだ膜厚が大きくなり過ぎて、実装不良の原因となる虞がある。低背インダクタ100は、第2ダミー表面電極を4つの第2ダミー表面電極6a〜6dに分割し、それぞれの面積を小さくすることにより、はんだ付けの際にはんだ膜厚が大きくなり過ぎないようにし、実装不良の発生を抑制している。
以上のような構造および特徴を備えた本実施形態にかかる低背インダクタ100は、既存の、一般的な、複数の基材層が積層された素体にコイル導体が内蔵されたインダクタの製造方法により製造することができる。低背インダクタ100は、たとえば、次の方法により製造することができる。
まず、磁性体基材層1a〜1d、1f〜1jを形成するための、磁性フェライト等からなるセラミックグリーンシートを準備する。また、非磁性体基材層1eを形成するための、非磁性フェライト等からなるセラミックグリーンシートを準備する。
次に、これらのセラミックグリーンシートに、必要に応じて、ビア導体7を形成するための孔を形成する。続いて、形成した孔に導電性ペーストを充填する。また、セラミックグリーンシートの主面に、必要に応じて、ループ状導体パターン3a〜3g、表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6dを形成するための導電性ペーストを所定の形状に塗布する。
また、空隙4を形成するために、磁性体基材層1fを形成するためのセラミックグリーンシートの主面(上側主面)に、焼成により消失する材料を所定の形状に塗布する。焼成により消失する材料としては、たとえば、カーボンペーストを用いることができる。
セラミックグリーンシートを所定の順番に積層し、加圧して一体化させ、未焼成の素体を得る。続いて、未焼成の素体を、所定のプロファイルで焼成して、第1実施形態にかかる低背インダクタ100を完成させる。なお、さらに、表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6dの表面に、めっきを施しても良い。
[第2実施形態]
図4に、第2実施形態にかかる低背インダクタ200を示す。ただし、図4は、低背インダクタ200の要部分解斜視図である。
図4に、第2実施形態にかかる低背インダクタ200を示す。ただし、図4は、低背インダクタ200の要部分解斜視図である。
低背インダクタ200は、第1実施形態にかかる低背インダクタ100の一部に変更を加えた。
低背インダクタ100では、2つの表面電極5a、5bを第1分配電極2aに接続し、2つの表面電極5c、5dを第2分配電極2bに接続していた。
低背インダクタ200では、第1実施形態の第1分配電極2aを形状の異なる第1配線電極12aに置換え、第1実施形態の第2分配電極2bを形状の異なる第2配線電極12bに置換えた。そして、表面電極5aのみをビア導体7により第1配線電極12aに接続し、表面電極5cのみをビア導体7により第2配線電極12bに接続した。
第1実施形態の表面電極5bは、第1配線電極12aには接続せず、電気的接続をおこなわない第1ダミー表面電極16aとした。第1実施形態の表面電極5dは、第2配線電極12bには接続せず、電気的接続をおこなわない第1ダミー表面電極16bとした。
低背インダクタ200の他の構成については、第1実施形態にかかる低背インダクタ100と同じにした。
[第3実施形態]
図5に、第3実施形態にかかる低背インダクタ300を示す。ただし、図5は、低背インダクタ300の分解斜視図である。
図5に、第3実施形態にかかる低背インダクタ300を示す。ただし、図5は、低背インダクタ300の分解斜視図である。
低背インダクタ300は、第1実施形態にかかる低背インダクタ100に構成を追加した。
低背インダクタ300は、素体1(磁性体基材層1j)の他方主面(上側主面)に、電気的接続をおこなわない8つの第3ダミー表面電極26a〜26hが追加されている。
第3ダミー表面電極26a〜26hは、焼成工程において、素体1に反りが発生しないように設けられたものである。すなわち、素体1がセラミックスからなる場合には、製造工程中に焼成工程が必要になるが、素体1の一方主面にのみ電極(表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6d)が形成され、素体1の他方主面に電極が形成されない場合には、素体1の両主面間で熱収縮率が異なってしまい、焼成後の素体1に反りが発生してしまう虞がある。低背インダクタ300は、素体1の他方主面に第3ダミー表面電極26a〜26hを形成することにより、素体1の両主面間の熱収縮率を均等にし、焼成工程において素体1に反りが発生することを抑制している。
なお、第3ダミー表面電極26a〜26hは、素体1を積層方向(基体の積層方向)に透視した場合、表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6dと重なる位置に形成されている。これは、磁界形成の妨げを最小限にとどめるためである。すなわち、第3ダミー表面電極26a〜26hが、表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6dと重ならない位置に形成された場合には、磁束の一部が、素体1の一方主面において表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6dにより妨げられ、磁束の他の一部が、素体1の他方主面において第3ダミー表面電極26a〜26hにより妨げられる。この結果、これらの電極により、磁界形成が大きく妨げられる。しかしながら、第3ダミー表面電極26a〜26hを、表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6dと重なる位置に形成すれば、素体1の一方主面において表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6dにより妨げられた磁束は、素体1の他方主面において第3ダミー表面電極26a〜26hによっても妨げられてしまうが、素体1の一方主面において表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6dより妨げられなかった磁束は、素体の他方主面において第3ダミー表面電極26a〜26hによっても妨げられない。すなわち、低背インダクタ300は、素体1の一方主面において表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6dにより妨げられる磁束と、素体の他方主面において第3ダミー表面電極26a〜26hによって妨げられる磁束とを共通化することにより、素体の一方主面において表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6dにより妨げられず、かつ、素体の他方主面において第3ダミー表面電極26a〜26hによって妨げられない磁束の量を十分に確保することにより、表面電極5a〜5d、第2ダミー表面電極6a〜6d、第3ダミー表面電極26a〜26hによる磁界形成の妨げを最小限に抑制している。
低背インダクタ300の他の構成については、第1実施形態にかかる低背インダクタ100と同じにした。
[第4実施形態]
図6に、第4実施形態にかかる低背インダクタ400を示す。ただし、図6は、低背インダクタ400を下側主面側(一方主面側)からみた斜視図である。
図6に、第4実施形態にかかる低背インダクタ400を示す。ただし、図6は、低背インダクタ400を下側主面側(一方主面側)からみた斜視図である。
低背インダクタ400は、第1実施形態にかかる低背インダクタ100の一部に変更を加えた。
すなわち、低背インダクタ100では、4つの表面電極5a〜5dを、それぞれ、素体1の下側主面(一方主面)の4隅に分けて配置していた。
これに対し、低背インダクタ400では、4つの表面電極5a’〜5d’を、それぞれ、素体1の下側主面(一方主面)の4つの辺の中間部分に沿わせて配置した。
低背インダクタ400の他の構成については、第1実施形態にかかる低背インダクタ100と同じにした。
このように、表面電極の形成位置は、適宜、調整することができる。
以上、第1実施形態〜第4実施形態にかかる低背インダクタ100〜400について説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って、種々の変更をなすことがきる。
たとえば、低背インダクタ100〜400は、厚みを0.35mmとしたが、厚みはこの大きさには限定されず、0.5mm以下の大きさから任意に設定することができる。
また、低背インダクタ100〜400では、素体1をセラミックスにより形成したが、素体1の材質は任意であり、たとえば、樹脂等により形成しても良い。
また、低背インダクタ100〜400では、ループ状導体パターン3a〜3gを、それぞれ3ターンまたは3ターン弱に形成したが、ループ状導体パターン3a〜3gのターン数や形状は任意である。たとえば、ターン数を、1ターンとしても良いし、2ターン、あるいは、4ターン以上としても良い。また、ループ状導体パターン3a〜3gの形状を変更させても良い。
さらに、素体1を形成する基材層(磁性体基材層1a〜1d、1f〜1j、非磁性体基材層1e)の層数や、ループ状導体パターン3a〜3gの層数は任意であり、上述した内容には限定されず、それぞれ、増減することができる。
1・・・素体
1a〜1d、1f〜1j・・・磁性体基材層
1e・・・非磁性体基材層
2a・・・第1分配電極
2b・・・第2分配電極
3a〜3g・・・ループ状導体パターン
4・・・空隙
5a〜5d、5a’〜5d’・・・表面電極
6a〜6d・・・第2ダミー表面電極
7・・・ビア導体
16a、16b・・・第1ダミー表面電極
26a〜26h・・・第3ダミー表面電極
E・・・コイル導体(ループ状導体パターン3a〜3g)が形成された領域
F・・・コイルの開口
1a〜1d、1f〜1j・・・磁性体基材層
1e・・・非磁性体基材層
2a・・・第1分配電極
2b・・・第2分配電極
3a〜3g・・・ループ状導体パターン
4・・・空隙
5a〜5d、5a’〜5d’・・・表面電極
6a〜6d・・・第2ダミー表面電極
7・・・ビア導体
16a、16b・・・第1ダミー表面電極
26a〜26h・・・第3ダミー表面電極
E・・・コイル導体(ループ状導体パターン3a〜3g)が形成された領域
F・・・コイルの開口
本発明は、上述した従来の問題を解決するためになされたものであり、その手段として、本発明の低背インダクタは、複数の基材層が積層され、厚みが0.5mm以下である矩形薄板状の素体と、 素体に内蔵され、基材層の積層方向に巻回軸を有するコイル導体と、素体の一方主面の面内に形成された4つの表面電極と、素体の一方主面近傍の、基材層の層間に形成された、第1配線電極と第2配線電極と、を備え、コイル導体の一端が第1配線電極を介して表面電極の少なくとも1つに接続され、コイル導体の他端が第2配線電極を介して表面電極の他の少なくとも1つに接続された表面実装型の低背インダクタであって、基材層の積層方向に透視した場合に、4つの表面電極の各中心が、それぞれ、コイル導体が形成された領域内に配置され、基材層の積層方向に透視した場合に、第1配線電極および第2配線電極が、それぞれ、主にコイル導体が形成された領域内に配置されたものとした。
また、第1配線電極は第1分配電極を含み、第2配線電極は第2分配電極を含み、コイル導体の一端が第1分配電極に接続され、第1分配電極が表面電極の2つに接続され、コイル導体の他端が第2分配電極に接続され、第2分配電極が表面電極の残りの2つに接続されることが好ましい。この場合には、容易に、コイル導体の一端を2つの表面電極に接続し、コイル導体の他端を残りの2つの表面電極に接続することができる。
また、本発明の別の低背インダクタは、上述した課題を解決するために、複数の基材層が積層され、厚みが0.5mm以下である矩形薄板状の素体と、素体に内蔵され、基材層の積層方向に巻回軸を有するコイル導体と、素体の一方主面の面内に形成された4つの表面電極と、素体の一方主面近傍の、基材層の層間に形成された、第1分配電極と第2分配電極と、を備え、コイル導体の一端が4つの表面電極のうちの2つに接続され、コイル導体の他端が4つの表面電極のうちの他の2つに接続されており、4つの表面電極が素体の一方主面の4隅に分けてそれぞれ配置され、コイル導体の一端が第1分配電極に接続され、第1分配電極が表面電極の2つに接続され、コイル導体の他端が第2分配電極に接続され、第2分配電極が表面電極の残りの2つに接続され、基材層の積層方向に透視した場合に、第1分配電極および第2分配電極が、それぞれ、主にコイル導体が形成された領域内に配置されたものとした。
さらに、素体の一方主面のコイルの開口部に重なる位置に、電気的接続をおこなわない、実装強度を高めるための、第2ダミー表面電極を形成することが好ましい。この場合には、第2ダミー表面電極により、プリント配線板への実装強度を高めることができる。なお、第2ダミー表面電極は、電気的接続をおこなわず、基板に実装した後も、信号ラインやグランドに接続されないため、素体の一方主面の中央近傍に設けられていても、磁界形成を大きく妨げない。
また、素体がセラミックスからなり、素体の内部に、少なくとも1層の、基材層の積層方向に対して垂直方向に広がる空隙が形成され、基材層の積層方向に透視した場合に、空隙が、コイル導体が形成された領域と重なっていることが好ましい。素体がセラミックスからなる場合には、製造工程中に焼成工程が必要になるが、焼成した後の冷却時に、基材層とコイル導体との間に、熱収縮率の違いから応力が発生し、焼成後の素体に応力歪が生じて、磁気特性が低下(透磁率の低下等)してしまうという問題があった。しかしながら、このように、基材層の内部に少なくとも1層の空隙を形成しておくことにより、基材層とコイル導体との間に発生する応力を空隙によって緩和することができ、磁気特性の低下を抑制することができる。
また、本発明の更に別の低背インダクタは、上述した課題を解決するために、複数の基材層が積層され、厚みが0.5mm以下である矩形薄板状の素体と、素体に内蔵され、基材層の積層方向に巻回軸を有するコイル導体と、素体の一方主面の面内に形成された4つの表面電極と、を備え、コイル導体の一端が、表面電極の2つに接続され、コイル導体の他端が、表面電極の残りの2つに接続された表面実装型の低背インダクタであって、基材層の積層方向に透視した場合に、4つの表面電極の各中心が、それぞれ、コイル導体が形成された領域内に配置されたものとした。
また、本発明の更に別の低背インダクタは、上述した課題を解決するために、複数の基材層が積層され、厚みが0.5mm以下である矩形薄板状の素体と、素体に内蔵され、基材層の積層方向に巻回軸を有するコイル導体と、素体の一方主面の面内に形成された4つの表面電極と、を備え、コイル導体の一端が、表面電極の2つに接続され、コイル導体の他端が、表面電極の残りの2つに接続された表面実装型の低背インダクタであって、基材層の積層方向に透視した場合に、4つの表面電極の各中心が、それぞれ、コイル導体が形成された領域内に配置されたものとした。
本発明の低背インダクタは、基材層の積層方向に透視した場合に、4つの表面電極の各中心が、それぞれ、コイル導体が形成された領域内に配置され、基材層の積層方向に透視した場合に、第1配線電極および第2配線電極が、それぞれ、主にコイル導体が形成された領域内に配置されたものとしたため、厚みが0.5mm以下であっても、表面電極、第1配線電極および第2配線電極による磁界形成の妨げが最小限に抑制されている。
また、本発明のもう1つの低背インダクタは、コイル導体の一端が4つの表面電極のうちの2つに接続され、コイル導体の他端が4つの表面電極のうちの他の2つに接続され、4つの表面電極が、素体の一方主面の4隅に分けて配置され、コイル導体の一端が第1分配電極に接続され、第1分配電極が表面電極の2つに接続され、コイル導体の他端が第2分配電極に接続され、第2分配電極が表面電極の残りの2つに接続され、基材層の積層方向に透視した場合に、第1分配電極および第2分配電極が、それぞれ、主にコイル導体が形成された領域内に配置されたものとしたため、厚みが0.5mm以下であっても、表面電極、第1分配電極および第2分配電極による磁界形成の妨げが最小限に抑制されている。
また、本発明の更にもう1つの低背インダクタは、コイル導体の一端が、表面電極の2つに接続され、コイル導体の他端が、表面電極の残りの2つに接続され、基材層の積層方向に透視した場合に、4つの表面電極の各中心が、それぞれ、コイル導体が形成された領域内に配置されたものとしたため、厚みが0.5mm以下であっても、表面電極による磁界形成の妨げが最小限に抑制されている。
また、本発明の更にもう1つの低背インダクタは、コイル導体の一端が、表面電極の2つに接続され、コイル導体の他端が、表面電極の残りの2つに接続され、基材層の積層方向に透視した場合に、4つの表面電極の各中心が、それぞれ、コイル導体が形成された領域内に配置されたものとしたため、厚みが0.5mm以下であっても、表面電極による磁界形成の妨げが最小限に抑制されている。
Claims (17)
- 複数の基材層が積層され、厚みが0.5mm以下である矩形薄板状の素体と、
前記素体に内蔵され、前記基材層の積層方向に巻回軸を有するコイル導体と、
前記素体の一方主面の面内に形成された4つの表面電極と、を備え、
前記コイル導体の一端が前記表面電極の少なくとも1つに接続され、前記コイル導体の他端が前記表面電極の他の少なくとも1つに接続された表面実装型の低背インダクタであって、
前記基材層の積層方向に透視した場合に、4つの前記表面電極の各中心が、それぞれ、前記コイル導体が形成された領域内に配置されている、低背インダクタ。 - 4つの前記表面電極が、前記素体の前記一方主面の4隅に分けてそれぞれ配置された、請求項1に記載された低背インダクタ。
- 前記基材層の積層方向に透視した場合に、4つの前記表面電極が、それぞれ、前記コイル導体の開口と重なっていない、あるいは、前記コイル導体の開口と重なっているとしても、重なり面積が、前記表面電極の面積の10%以下である、請求項1または2に記載された低背インダクタ。
- 前記コイル導体の一端が、前記表面電極の2つに接続され、前記コイル導体の他端が、前記表面電極の残りの2つに接続された、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された低背インダクタ。
- 前記素体の前記一方主面近傍の、前記基材層の層間に、第1分配電極と第2分配電極とが設けられ、前記コイル導体の一端が前記第1分配電極に接続され、前記第1分配電極が前記表面電極の2つに接続され、前記コイル導体の他端が前記第2分配電極に接続され、前記第2分配電極が前記表面電極の残りの2つに接続された、請求項4に記載された低背インダクタ。
- 前記基材層の積層方向に透視した場合に、前記第1分配電極および前記第2分配電極が、それぞれ、主に前記コイル導体が形成された領域内に配置されている、請求項5に記載された低背インダクタ。
- 前記コイル導体の一端が、前記表面電極の1つに接続され、前記コイル導体の他端が、前記表面電極の他の1つに接続され、
前記コイル導体が接続されなかった残りの2つの前記表面電極が、それぞれ、電気的接続をおこなわない、実装強度を高めるための第1ダミー表面電極である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された低背インダクタ。 - 複数の基材層が積層され、厚みが0.5mm以下である矩形薄板状の素体と、
前記素体に内蔵され、前記基材層の積層方向に巻回軸を有するコイル導体と、
前記素体の一方主面の面内に形成された4つの表面電極と、を備え、
前記コイル導体の一端が4つの前記表面電極のうちの2つに接続され、前記コイル導体の他端が4つの前記表面電極のうちの他の2つに接続されており、
4つの前記表面電極が前記素体の前記一方主面の4隅に分けてそれぞれ配置されている、低背インダクタ。 - 前記基材層の積層方向に透視した場合に、4つの前記表面電極が、それぞれ、前記コイル導体の開口と重なっていない、あるいは、前記コイル導体の開口と重なっているとしても、重なり面積が、前記表面電極の面積の10%以下である、請求項8に記載された低背インダクタ。
- 前記素体の前記一方主面近傍の、前記基材層の層間に、第1分配電極と第2分配電極とが設けられ、前記コイル導体の一端が前記第1分配電極に接続され、前記第1分配電極が前記表面電極の2つに接続され、前記コイル導体の他端が前記第2分配電極に接続され、前記第2分配電極が前記表面電極の残りの2つに接続された、請求項8または9に記載された低背インダクタ。
- 前記基材層の積層方向に透視した場合に、前記第1分配電極および前記第2分配電極が、それぞれ、主に前記コイル導体が形成された領域内に配置されている、請求項10に記載された低背インダクタ。
- さらに、前記素体の前記一方主面の中央近傍に、電気的接続をおこなわない、実装強度を高めるための、第2ダミー表面電極が形成された、請求項1ないし11のいずれか1項に記載された低背インダクタ。
- 前記第2ダミー表面電極が、複数に分割されている、請求項12に記載された低背インダクタ。
- 前記素体がセラミックスからなり、
前記素体の他方主面に、電気的接続をおこなわない、第3ダミー表面電極が形成された、請求項1ないし13のいずれか1項に記載された低背インダクタ。 - 前記第3ダミー表面電極が複数からなり、
前記基材層の積層方向に透視した場合に、前記第3ダミー表面電極が、それぞれ、
前記表面電極と重なる位置に形成されているか、
または、前記表面電極および前記第1ダミー表面電極と重なる位置に形成されているか、または、前記表面電極および前記第2ダミー表面電極と重なる位置に形成されているか、または、前記表面電極、前記第1ダミー表面電極および前記第2ダミー表面電極と重なる位置に形成されている、請求項14に記載された低背インダクタ。 - 前記基材層が、複数の磁性体基材層と、少なくとも1層の非磁性体基材層とで構成され、前記素体において、前記非磁性基材層が、2層の前記磁性体基材層に挟まれて積層されている、請求項1ないし15のいずれか1項に記載された低背インダクタ。
- 前記素体がセラミックスからなり、
前記素体の内部に、少なくとも1層の、前記基材層の積層方向に対して垂直方向に広がる空隙が形成され、
前記基材層の積層方向に透視した場合に、前記空隙が、前記コイル導体が形成された領域と重なっている、請求項1ないし16のいずれか1項に記載された低背インダクタ。
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