JP7240813B2 - コイル部品 - Google Patents

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Description

本発明は、コイル部品に関する。より具体的には、本発明は、コイル部品における実効透磁率の改善に関する。
従来から、コイル部品における実効透磁率を改善するための技術が提案されている。例えば、特開2016-072556号公報(特許文献1)には、等方性磁性材料から成るコア部と、当該コア部の周囲に巻回されたコイル導体と、当該コイル導体の径方向外側に設けられた等方性磁性材料から成る外周部と、当該コイル導体の上面及び下面に設けられた異方性磁性材料から成る異方性磁性材料層と、を備えたコイル部品が記載されている。
特許文献1に記載されたコイル部品は、コア部及び外周部と異方性磁性材料層とがコイル導体のコイル軸と直交する方向において隣接するように構成されているため、当該コイル導体から発生した磁束は、当該異方性磁性材料層内において磁化容易方向から磁化困難方向にその向きを大きく変えることなく、当該コア部及び当該外周部に入射するとされている。このため、この特許文献1のコイル部品においては、磁束が異方性磁性材料層内で磁化困難方向を向かず、その結果、高い実効透磁率が得られるとされている。
特開2016-072556号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたコイル部品においては、磁束がコイル導体の側方にあるコア部又は外周部から当該コイル導体の上方又は下方に向かう領域において、磁束の向きが異方性磁性材料層の磁化容易方向から逸れてしまう。この理由は以下のとおりである。
すなわち、特許文献1に記載されたコイル部品において発生した磁束は、コイル導体の側方においては概ねコイル軸に平行な方向を向き、コイル導体の上方及び下方においては概ねコイル軸に垂直な方向を向いている。よって、磁束がコイル導体の側方から上方又は下方に向かう領域では、磁束の向きがコイル軸に対して平行な方向から垂直な方向に変化する。また、特許文献1のコイル部品においては、コイル導体の側方においてコイル軸に対して平行な方向に向いている磁束がコイル導体の上方及び下方に向かうときに、このコイル導体の上方及び下方に設けられている異方性磁性材料層に入射する。この異方性磁性材料層は、磁化容易方向がコイル軸に対して垂直な方向に向いているので、当該異方性磁性材料層のうちコイル導体の側方に隣接する領域においては、磁束の向きが異方性磁性材料層の磁化容易方向から逸れてしまう。この逸脱は、コイル導体の近傍において特に大きくなる。
このように、特許文献1のコイル部品では、磁束がコイル導体の側方からその上方又は下方に向かう領域における磁束の向きと磁化容易方向との不一致により、当該コイル部品の実効透磁率は悪化してしまう。
そこで、本発明は、コイル部品における磁束の向きと磁化容易方向との不一致を緩和し、これにより当該コイル部品の実効透磁率を改善することを目的の一つとする。より具体的な本発明の目的の一つは、磁束がコイル導体の側方からその上方又は下方に向かう領域における、磁束の向きと磁化容易方向との不一致を緩和することである。本発明のこれ以外の目的は、明細書全体の記載を通じて明らかにされる。
本発明の一実施形態によるコイル部品は、コイルと、前記コイルの上面及び下面の少なくとも一方に設けられ、等方性磁性材料から成る等方性磁性材料層と、前記等方性磁性材料層の前記コイルとは反対側の面に積層された異方性磁性材料層と、を備える。当該態様において、前記異方性磁性材料層は、前記等方性磁性材料層と前記異方性磁性材料層との積層方向に対して垂直な方向に磁化容易方向を持つ第1の異方性磁性材料から成る。
当該実施形態によれば、当該コイルから発生した磁束がコイル導体の側方からその上方又は下方に向かう領域に等方性磁性材料層が配されているので、この等方性磁性材料層において、磁束の向きが積層方向に水平な方向から当該積層方向に垂直な方向へ向かって変化する。よって、当該磁束は、当該等方性磁性材料層において積層方向に水平な方向から垂直な方向寄りに向きを変えた後に異方性磁性材料層に入射する。これにより、磁束がコイル導体の側方から異方性磁性材料層に直接入射する場合よりも、磁束の向きと磁化容易方向との不一致を緩和できる。したがって、当該実施形態によるコイル部品によれば、磁束がコイル導体の側方から異方性磁性材料層に直接入射する従来のコイル部品よりも実効透磁率を改善することができる。
本明細書の開示によれば、コイル部品における磁束の向きと磁化容易方向との不一致を緩和し、これにより当該コイル部品の実効透磁率を改善することができる。
本発明の一実施形態に係るコイル部品の斜視図である。 図1のコイル部品の分解斜視図である。 図1のコイル部品をI-I線で切断した断面を模式的に示す図である。 従来のコイル部品の断面を模式的に示す図である。 本発明の別の実施形態に係るコイル部品の分解斜視図である。 図5のコイル部品の断面を模式的に示す図である。 本発明の別の実施形態に係るコイル部品の分解斜視図である。
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
図1は、本発明の一実施形態に係るコイル部品1の斜視図であり、図2は、図1に示したコイル部品1の分解斜視図であり、図3は、図1のコイル部品をI-I線で切断した断面を模式的に示す図である。
これらの図には、コイル部品1の一例として、様々な回路で受動素子として用いられる積層インダクタが示されている。積層インダクタは、本発明を適用可能なコイル部品の一例である。本発明は、電源ラインに組み込まれるパワーインダクタ及びそれ以外の様々なコイル部品に適用することができる。
図示の実施形態におけるコイル部品1は、磁性材料から成る絶縁体本体10と、この絶縁体本体10に埋設されたコイル導体C11~C17と、当該コイル導体C17の一端と電気的に接続された外部電極21と、当該コイル導体C11の一端と電気的に接続された外部電極22と、を備える。コイル導体C11~C17の各々は、隣接するコイル導体と後述するビアV1~ビアV6を介して電気的に接続され、このようにして接続されたコイル導体C11~C17がコイル25を形成する。
絶縁体本体10は、第1の主面10a、第2の主面10b、第1の端面10c、第2の端面10d、第1の側面10e、及び第2の側面10fを有する。絶縁体本体10は、これらの6つの面によってその外面が画定される。第1の主面10aと第2の主面10bとは互いに対向し、第1の端面10cと第2の端面10dとは互いに対向し、第1の側面10eと第2の側面10fとは互いに対向している。
図1において第1の主面10aは絶縁体本体10の上側にあるため、本明細書において第1の主面10aを「上面」と呼ぶことがある。同様に、第2の主面10bを「下面」と呼ぶことがある。コイル部品1は、第2の主面10bが回路基板(不図示)と対向するように配置されるので、本明細書において第2の主面10bを「実装面」と呼ぶこともある。また、コイル部品1の上下方向に言及する際には、図1の上下方向を基準とする。
本明細書においては、文脈上別に解される場合を除き、コイル部品1の「長さ」方向、「幅」方向、及び「厚さ」方向はそれぞれ、図1の「L」方向、「W」方向、及び「T」方向とする。
図2は、図1のコイル部品1の分解斜視図である。図2においては、外部電極21及び外部電極22を省略している。図示のように、絶縁体本体10は、絶縁体部20、この絶縁体部20の上面に積層された上部カバー層18、及びこの絶縁体部20の下面に積層された下部カバー層19を備える。このように、上部カバー層18、絶縁体部20、及び下部カバー層19は、T軸と平行な積層方向に積層されている。絶縁体部20は、積層された絶縁体層11~17を備える。この絶縁体本体10においては、T軸方向の正方向側から負方向側に向かって、上部カバー層18、絶縁体層11、絶縁体層12、絶縁体層13、絶縁体層14、絶縁体層15、絶縁体層16、絶縁体層17、下部カバー層19の順に積層されている。このように、コイル部品1を構成する各層は、T軸と平行な積層方向に積層されている。本明細書では、T軸と平行な方向をコイル部品1の積層方向と呼ぶことがある。
絶縁体層11~絶縁体層17は、樹脂及び多数のフィラー粒子を含む。このフィラー粒子は、当該樹脂に分散されている。絶縁体層11~絶縁体層17は、フィラー粒子を含まなくともよい。
上部カバー層18は、4枚の磁性体シート18a~18dが積層された積層体である。この上部カバー層18においては、T軸方向の正方向側から負方向側に向かって、磁性体シート18a、磁性体シート18b、磁性体シート18c、磁性体シート18dの順に積層されている。
磁性体シート18a及び磁性体シート18bは、等方性磁性材料から形成される。この等方性磁性材料は、樹脂及び球形のフィラー粒子を含む複合磁性材料である。
磁性体シート18c及び磁性体シート18dは、異方性磁性材料から形成される。一実施形態において、この異方性磁性材料は、樹脂及び扁平形状のフィラー粒子を含む複合磁性材料である。
下部カバー層19は、4枚の磁性体シート19a~19dが積層された積層体である。この下部カバー層19においては、T軸方向の正方向側から負方向側に向かって、磁性体シート19a、磁性体シート19b、磁性体シート19c、磁性体シート19dの順に積層されている。
磁性体シート19a及び磁性体シート19bは、等方性磁性材料から形成される。この等方性磁性材料は、樹脂及び球形のフィラー粒子を含む複合磁性材料である。
磁性体シート19c及び磁性体シート19dは、異方性磁性材料から形成される。一実施形態において、この異方性磁性材料は、樹脂及び扁平形状のフィラー粒子を含む複合磁性材料である。
磁性体シート18c、磁性体シート18d、磁性体シート19c及び磁性体シート19dに含まれる扁平形状のフィラー粒子は、例えば、そのアスペクト比(扁平率)が1.5以上、2以上、3以上、4以上、又は5以上とされる。フィラー粒子のアスペクト比は、当該粒子の最短軸方向の長さに対する最長軸方向の長さの比(最長軸の方向の長さ/最短軸方向の長さ)を意味する。このアスペクト比が大きくなると、当該フィラー粒子は、箔状となる。つまり、磁性体シート18c、磁性体シート18d、磁性体シート19c及び磁性体シート19dに含まれる扁平形状のフィラー粒子には、磁性材料からなる箔(磁性箔)が含まれてもよい。一実施形態において、磁性体シート18cに含まれる磁性箔は、磁性体シート18cのW軸及びL軸を含む面の一部を覆う。一実施形態において、磁性体シート18cに含まれる磁性箔は、磁性体シート18cのW軸及びL軸を含む面の全部を覆う。同様に、磁性体シート18d、磁性体シート19c、又は磁性体シート19dに磁性箔が含まれる場合には、これらの磁性箔は、磁性体シート18d、磁性体シート19c、又は磁性体シート19dの一部又は全部を覆う。磁性体シート18c、磁性体シート18d、磁性体シート19c及び磁性体シート19dに含まれる扁平形状のフィラー粒子は、円盤状に形成されてもよい。
他の実施形態において、磁性体シート18c及び磁性体シート18dは、箔状の磁性材料から成る磁性箔である。この場合、磁性体シート18c及び磁性体シート18dは、樹脂を含まなくともよい。他の実施形態において、磁性体シート19c及び磁性体シート19dは、箔状の磁性材料から成る磁性箔である。この場合、磁性体シート19c及び磁性体シート19dは、樹脂を含まなくともよい。磁性箔は、磁性粒子を薄く延ばすことにより形成されてもよい。磁性箔は、下層に、蒸着、スパッタリング、めっき、又はこれら以外の公知の方法により形成されてもよい。
磁性体シート18c、磁性体シート18d、磁性体シート19c及び磁性体シート19dに含まれる扁平形状のフィラー粒子は、その最長軸方向がT軸(後述するコイル軸CLと一致する。)に垂直な方向を向き、その最短軸がコイル軸CLに平行な方向を向く姿勢を取るように、各磁性体シートに含められる。換言すれば、当該扁平形状のフィラー粒子は、その最長軸方向がコイル軸CLと垂直な方向又はコイル部品1の積層方向と垂直な方向を向くように配される。フィラー粒子が箔状の磁性箔である場合には、当該磁性箔は、T軸に垂直な方向に沿って延在する。フィラー粒子がこのような姿勢を取ることにより、磁性体シート18c、磁性体シート18d、磁性体シート19c及び磁性体シート19dのT軸に垂直な方向の透磁率は、T軸に平行な方向の透磁率よりも大きくなる。これにより、T軸に垂直な方向が、磁性体シート18c、磁性体シート18d、磁性体シート19c及び磁性体シート19dの磁化容易方向となり、T軸に平行な方向がこれらの磁性体シートの磁化困難方向となる。磁性体シート18c、磁性体シート18d、磁性体シート19c及び磁性体シート19dに含まれるフィラー粒子の全てについて、その最長軸方向がT軸に対して正確に垂直な方向を向いている必要はない。フィラー粒子が円盤状である場合には、当該フィラー粒子はT軸方向から見たときに(すなわち、平面視において)円形又は概ね円形となる。円盤状のフィラー粒子は、T軸と垂直な方向において異方性を有しないため、製造時においてフィラー粒子を配向させるための工程が簡易化できる。
絶縁体層11~絶縁体層17、磁性体シート18a~18d、及び磁性体シート19a~19dに含まれる樹脂は、絶縁性に優れた熱硬化性樹脂であり、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)樹脂、フェノール(Phenolic)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、又はポリベンゾオキサゾール(PBO)樹脂である。各シートに含まれる樹脂は、他のシートに含まれる樹脂と同種であってもよく異種であってもよい。
絶縁体層11~絶縁体層17、磁性体シート18a~18d、及び磁性体シート19a~19dに含まれるフィラー粒子は、フェライト材料の粒子、金属磁性粒子、SiO2やAl23などの無機材料粒子、ガラス系粒子である。本発明に適用可能なフェライト材料の粒子は、例えば、Ni-Znフェライトの粒子またはNi-Zn-Cuフェライトの粒子である。本発明に適用可能な金属磁性粒子は、酸化されていない金属部分において磁性が発現する材料であり、例えば、酸化されていない金属粒子や合金粒子を含む粒子である。本発明に適用可能な金属磁性粒子には、例えば、合金系のFe-Si-Cr、Fe-Si-Al、もしくはFe-Ni、非晶質のFe―Si-Cr-B-C、もしくはFe-Si-B-Cr、Fe、またはこれらの混合材料の粒子が含まれる。本発明に適用可能な金属磁性粒子には、さらにFe-Si-Al、FeSi-Al-Crの粒子が含まれる。これらの粒子から得られる圧粉体も本発明の金属磁性粒子として用いることができる。さらに、これらの粒子または圧粉体の表面に熱処理して酸化膜を形成したものも本発明の金属磁性粒子として利用することができる。本発明に適用可能な金属磁性粒子は、例えばアトマイズ法で製造される。また、本発明に適用可能な金属磁性粒子は、公知の方法を用いて製造することができる。また、本発明には、市販されている金属磁性粒子を用いることもできる。市販の金属磁性粒子として、例えば、エプソンアトミックス(株)社製PF-20F、日本アトマイズ加工(株)社製SFR-FeSiAlがある。絶縁体層11~絶縁体層17、磁性体シート18a~18d、及び磁性体シート19a~19dに含まれるフィラー粒子は、フェライト箔、Fe及び不可避不純物から成る純鉄の箔、金属磁性材料の箔、アモルファス状合金の箔、SiO2やAl23などの無機材料の箔、又はガラス系粒子の箔を粉砕することによって作成されてもよい。
コイル導体C11~C17は、対応する絶縁体層11~絶縁体層17上にそれぞれ形成される。コイル導体C11~C17は、メッキ、エッチング、又はこれら以外の任意の公知の手法を用いて形成される。コイル導体C11~C17の各々は、その断面が矩形となるように形成されてもよい。
絶縁体層11~絶縁体層16の所定の位置には、ビアV1~V6がそれぞれ形成される。ビアV1~V6は、絶縁体層11~絶縁体層16の所定の位置に、絶縁体層11~絶縁体層16をT軸方向に貫く貫通孔を形成し、当該貫通孔に金属材料を埋め込むことにより形成される。
コイル導体C11~C17及びビアV1~V6は、導電性に優れた金属を含むように形成され、例えば、Ag、Pd、Cu、Al又はこれらの合金から形成される。
外部電極21は、絶縁体本体10の第1の端面10cに設けられる。外部電極22は、絶縁体本体10の第2の端面10dに設けられる。外部電極21及び外部電極22は、図示のように、絶縁体本体10の上面及び下面まで延伸する。
次に、コイル部品1の製造方法の一例を説明する。まず、絶縁体層11~絶縁体層17、磁性体シート18a~18d、及び磁性体シート19a~磁性体シート19dとなる磁性体シートを作成する。
具体的には、絶縁体層11~絶縁体層17の作成のために、フィラー粒子を分散させた熱硬化性の樹脂(例えばエポキシ樹脂)へ溶剤を加えてスラリーを作成する。このフィラー粒子は、球形又は扁平形状を有する。このスラリーをプラスチック製のベースフィルムの表面に塗布して乾燥させ、この乾燥後のスラリーを所定サイズに切断することで絶縁体層11~絶縁体層17となる磁性体シートがそれぞれ得られる。フィラー粒子が扁平形状を有する場合には、当該フィラー粒子は、その最長軸方向がT軸に平行な方向を向くように配される。フィラー粒子は、磁気配向等の任意の公知の手法を用いて配向される。磁気配向を用いる場合には、スラリー中の樹脂が流動性を有している間に、一定形状に形成されたスラリーに対して磁場を一定方向に印加することにより、フィラー粒子を所定方向に配向させることができる。
磁性体シート18a、磁性体シート18b、磁性体シート19a及び磁性体シート19b用の磁性シートを作成するために、球形のフィラー粒子を分散させた熱硬化性の樹脂(例えばエポキシ樹脂)へ溶剤を加えてスラリーを作成する。このスラリーをプラスチック製のベースフィルムの表面に塗布して乾燥させ、この乾燥後のスラリーを所定サイズに切断することで磁性体シート18a、磁性体シート18b、磁性体シート19a及び磁性体シート19bとなる磁性体シートがそれぞれ得られる。
磁性体シート18c、磁性体シート18d、磁性体シート19c及び磁性体シート19d用の磁性シートを作成するために、扁平形状のフィラー粒子を分散させた熱硬化性の樹脂(例えばエポキシ樹脂)へ溶剤を加えてスラリーを作成する。このスラリーをプラスチック製のベースフィルムの表面に塗布して乾燥させ、この乾燥後のスラリーを所定サイズに切断することで磁性体シート18c、磁性体シート18d、磁性体シート19c及び磁性体シート19dとなる磁性体シートがそれぞれ得られる。当該扁平形状のフィラー粒子は、その最長軸方向がT軸に垂直な方向を向くように配される。
次に、絶縁体層11~絶縁体層16の所定の位置に、各絶縁体層16をT軸方向に貫く貫通孔を形成する。
次に、メッキ、エッチング、又はこれら以外の任意の公知の手法により、絶縁体層11~絶縁体層17の上面に金属材料(例えばAg)から成るコイル導体C11~C17を形成するとともに、絶縁体層11~絶縁体層16に形成された貫通孔に当該金属材料を埋め込む。このようにして貫通孔に埋め込まれた金属がビアV1~V6となる。
次に、絶縁体層11~絶縁体層17を積層して積層体を得る。絶縁体層11~絶縁体層17は、各絶縁体層に形成されているコイル導体C11~C17の各々が隣接するコイル導体とビアV1~V6を介して電気的に接続されるように積層される。
次に、磁性体シート18a~磁性体シート18dを積層して、上部カバー層18に相当する上部カバー層積層体を形成し、磁性体シート19a~磁性体シート19dを積層して、下部カバー層19に相当する下部カバー層積層体を形成する。
次に、絶縁体層11~絶縁体層17から成る積層体を上下から上部カバー層積層体及び下部カバー層19に相当する下部カバー層積層体で挟み込み、プレス機を用いて熱圧着して本体積層体を得る。次に、ダイシング機やレーザ加工機等の切断機を用いて当該本体積層体を所望のサイズに個片化することで、絶縁体本体10に相当するチップ積層体が得られる。次に、このチップ積層体を脱脂し、脱脂されたチップ積層体を加熱処理する。次に、加熱処理されたチップ積層体の両端部に導体ペーストを塗布することにより、外部電極21及び外部電極22を形成する。以上により、コイル部品1が得られる。
次に、図3を参照して、コイル部品1における磁化容易方向と磁力線の向きとの関係について説明する。図3は、図1のコイル部品をI-I線で切断した断面を模式的に示す図である。図3においては、コイル導体から発生する磁力線が矢印で記載されている。また、図3においては、説明の便宜のために、互いに電気的に接続されたコイル導体C11~C17がコイル25、磁性体シート18a及び磁性体シート18bが等方性磁性材料層30U、磁性体シート19a及び磁性体シート19bが等方性磁性材料層30D、磁性体シート18c及び磁性体シート18dが異方性磁性材料層40U、磁性体シート19c及び磁性体シート19dが異方性磁性材料層40Dとして、いずれも模式的に表されている。また、図3においては、外部電極21及び外部電極22は省略されている。このように、等方性磁性材料層30Uは、コイル25の上面に積層されており、等方性磁性材料層30Dは、コイル25の下面に積層されている。等方性磁性材料層30Uは、コイル25の上面に直接形成されてもよく、等方性磁性材料からなる他の層を介してコイル25の上面に形成されてもよい。等方性磁性材料層30Dは、コイル25の下面に直接形成されてもよく、等方性磁性材料からなる他の層を介してコイル25の下面に形成されてもよい。また、異方性磁性材料層40Uは、等方性磁性材料層30Uの上面(コイル25とは反対側の面)に積層されており、異方性磁性材料層40Dは、等方性磁性材料層30Dの下面(コイル25とは反対側の面)に積層されている。
図示のように、磁性体部20は、コイル25の内側に形成されたコア部20aと、当該コイル25の外側に形成された外周部20bと、を備える。
上述のように、異方性磁性材料層40U及び異方性磁性材料層40Dは、その最長軸方向がコイル部品1の積層方向に垂直な方向を向いている扁平形状のフィラー粒子を含む。よって、異方性磁性材料層40U及び異方性磁性材料層40Dにおいては、コイル部品1の積層方向(コイル軸CL)に垂直な方向が磁化容易方向となっている。上述したように、コイル部品1の積層方向は、T軸方向及びコイル軸CLの方向と一致する。以下では、磁束の無機をコイル軸CLを基準として説明する。
このコイル部品1では、コイル25を流れる電流から発生した磁束が、コア部20a、等方性磁性材料層30U、異方性磁性材料層40U、等方性磁性材料層30U、外周部20b、等方性磁性材料層30D、異方性磁性材料層40D、及び等方性磁性材料層30Dを通ってコア部20aに戻る閉磁路を通る。
この閉磁路を通る磁束は、コア部20aにおいては、コイル軸CLとほぼ平行な方向を向く。この磁束は、等方性磁性材料層30Uにおいて、コイル軸CLとほぼ平行な方向からコイル軸CLに対して垂直な方向へ向かって徐々に曲げられる。すなわち、磁束の向きがコイル軸CLに垂直な方向と為す角度は、コア部20aにおいてはほぼ90度であるのに対し、等方性磁性材料層30Uから異方性磁性材料層40Uに入射するときには、90度よりも小さい角度α1となる。このように、磁束は、等方性磁性材料層30Uを通過する過程で、その向きが異方性磁性材料層40Uの磁化容易方向(すなわち、コイル軸CLに対して水平な方向)に近づくように変化する。よって、異方性磁性材料層40Uへの入射時には、磁束の向きと異方性磁性材料層40Uの磁化容易方向とのずれが小さくなる。
コイル部品1においては、磁束が外周部20bから等方性磁性材料層30Dを介して異方性磁性材料層40Dへ向かう場合にも上記と同様に、当該磁束の向きは、異方性磁性材料層40Uの磁化容易方向に近づくように変化する。よって、異方性磁性材料層40Dへの入射時には、磁束の向きと異方性磁性材料層40Dの磁化容易方向とのずれが小さくなる。
異方性磁性材料層40Uに含まれるフィラー粒子を円盤状に形成すれば、異方性磁性材料層40Uにおいて磁束の方向と磁化容易方向を一致させやすい。同様に、異方性磁性材料層40Dに含まれるフィラー粒子を円盤状に形成すれば、異方性磁性材料層40Dにおいて磁束の方向と磁化容易方向を一致させやすい。
図4は、特開2016-072556号公報に示されている従来のコイル部品における磁束の向きを模式的に示す図である。同公報には、図4に示されているコイル部品100が記載されている。このコイル部品100は、等方性磁性材料から成るコア部130a、等方性磁性材料から成る外周部130b、及び異方性磁性材料から成る異方性磁性材料層140a及び異方性磁性材料層140bを備えている。異方性磁性材料層140aは、コイル135の上面を覆うように設けられており、異方性磁性材料層140bは、コイル135の下面を覆うように設けられている。異方性磁性材料層140a及び異方性磁性材料層140bはいずれも、コイル軸CLと直交する方向が磁化容易方向となるように構成されている。
この図4に示した従来のコイル部品100において、コイル導体135を流れる電流から発生した磁束は、コア部130a、異方性磁性材料層140a、外周部130b、異方性磁性材料層140aを通ってコア部130aに戻る閉磁路を通過する。よって、この磁束は、コア部130aから異方性磁性材料層140aに直接入射する。磁束は、コア部130aにおいては、コイル軸CLとほぼ平行な方向を向いているため、コア部130aから異方性磁性材料層140aへ入射する際の磁束の向きは、概ねコイル軸CLと平行な方向を向いている。すなわち、磁束の向きがコイル軸CLに垂直な方向と為す角度は、コア部130aにおいてはほぼ90度であるから、磁束がコア部130aから異方性磁性材料層40Uに入射するときにも、コイル軸CLに垂直な方向と為す角度は、90度に近い角度α2となる。上記のとおり、異方性磁性材料層140aの磁化容易方向はコイル軸CLと垂直な方向であるため、従来のコイル部品100においては、異方性磁性材料層140aのうちコア部130aとの境界付近において、磁束の向きと磁化容易方向との不一致が大きい。
これに対して、図3に示されている本発明の一実施形態によるコイル部品1によれば、磁束が、コア部20aから異方性磁性材料層40Uへ、直接ではなく等方性磁性材料層30Uを経由して入射している。これにより、磁束の向きは、等方性磁性材料層30Uにおいて、コイル軸CLに対して垂直な方向に近づくように曲げられるので、異方性磁性材料層40Uへの入射時に、当該磁束の向きと異方性磁性材料層40Uの磁化容易方向とのずれが小さくなっている。
続いて、図5及び図6を参照して、別の実施形態によるコイル部品を説明する。図5は、別の実施形態によるコイル部品101の分解斜視図であり、図6は、コイル部品101の断面を模式的に示す図である。図5及び図6に示されているコイル部品101は、絶縁体部20に代えて絶縁体部120を有し、コイル25に代えてコイル125を有している。
図示のように、絶縁体部120は、絶縁体層111及び絶縁体層112を備える。絶縁体部120は、3層以上の絶縁体層を備えてもよい。絶縁体層111及び絶縁体層112は、絶縁体層11と同様に、樹脂及び多数のフィラー粒子を含む。このフィラー粒子は、当該樹脂に分散されている。絶縁体層111及び絶縁体層112は、フィラー粒子を含まなくともよい。一実施形態において、絶縁体層111及び絶縁体層112は、等方性磁性材料から成る。
コイル125は、絶縁体層111上に形成されている。コイル125は、メッキ、エッチング、又はこれら以外の任意の公知の手法を用いて形成される。図示の実施形態において、コイル125は、L軸方向の延伸する直線状に形成されている。コイル125の一端は、外部電極21に接続され、コイル125の他端は、外部電極22に接続される。
図6に示されているように、コイル125は、その断面が矩形となるように形成されてもよい。コイル導体125は、等方性磁性材料層30Uと等方性磁性材料層30Dとの間に挟まれている。換言すれば、等方性磁性材料層30Uは、コイル導体125の上面に積層されており、等方性磁性材料層30Dは、コイル導体125の下面に積層されている。また、異方性磁性材料層40Uは、等方性磁性材料層30Uの上面(コイル125とは反対側の面)に積層されており、異方性磁性材料層40Dは、等方性磁性材料層30Dの下面(コイル125とは反対側の面)に積層されている。コイル部品1と同様に、異方性磁性材料層40U及び異方性磁性材料層40Dにおいては、コイル部品101の積層方向(T軸方向)に垂直な方向が磁化容易方向となっている。異方性磁性材料層40Uは、その磁化容易方向が、コイル部品101の積層方向(図示の実施形態ではT軸方向)に垂直であるとともに、コイル125の延伸方向(図示の実施形態ではL軸方向)と垂直な方向となるなるように形成されてもよい。異方性磁性材料層40Dについても同様に、その磁化容易方向が、コイル部品101の積層方向(図示の実施形態ではT軸方向)に垂直であるとともに、コイル125の延伸方向(図示の実施形態ではL軸方向)と垂直な方向となるなるように形成されてもよい。異方性磁性材料層40U及び異方性磁性材料層40Dの少なくとも一方の磁化容易方向をコイル軸の延伸方向と垂直な方向とすることにより、磁化容易方向がそれ以外の方向を向いている場合と比較して、コイル部品101のインダクタンスを高くすることができる。
このコイル部品101では、コイル125を流れる電流から発生した磁束が、絶縁体部120、等方性磁性材料層30U、異方性磁性材料層40U、等方性磁性材料層30U、絶縁体部120、等方性磁性材料層30D、異方性磁性材料層40D、及び等方性磁性材料層30Dを通って絶縁体部120に戻る閉磁路を通る。したがって、コイル部品1について説明したのと同様の理由により、磁束が異方性磁性材料層40U及び異方性磁性材料層40Dへ入射する時に、当該磁束の向きと異方性磁性材料層40U及び異方性磁性材料層40Dの磁化容易方向とのずれを小さくすることができる。
続いて、図7を参照して、別の実施形態によるコイル部品を説明する。図7は、別の実施形態によるコイル部品201の分解斜視図である。図7に示されているコイル部品201は、コイル部品101におけるコイル125に代えてコイル225を有している。
図示のように、コイル225は、つづら折り形状(ミアンダ形状とも呼ばれる。)に形成されている。コイル225は、メッキ、エッチング、又はこれら以外の任意の公知の手法を用いて形成される。コイル225の一端は、外部電極21に接続され、コイル225の他端は、外部電極22に接続される。このコイル導体225は、等方性磁性材料層30Uと等方性磁性材料層30Dとの間に挟まれている。換言すれば、等方性磁性材料層30Uは、コイル導体225の上面に積層されており、等方性磁性材料層30Dは、コイル導体225の下面に積層されている。また、異方性磁性材料層40Uは、等方性磁性材料層30Uの上面(コイル225とは反対側の面)に積層されており、異方性磁性材料層40Dは、等方性磁性材料層30Dの下面(コイル225とは反対側の面)に積層されている。コイル部品101と同様に、異方性磁性材料層40U及び異方性磁性材料層40Dにおいては、コイル部品201の積層方向(T軸方向)に垂直な方向が磁化容易方向となっている。
このコイル部品121では、コイル225を流れる電流から発生した磁束が、絶縁体部120、等方性磁性材料層30U、異方性磁性材料層40U、等方性磁性材料層30U、絶縁体部120、等方性磁性材料層30D、異方性磁性材料層40D、及び等方性磁性材料層30Dを通って絶縁体部120に戻る閉磁路を通る。したがって、コイル部品1及びコイル部品101について説明したのと同様の理由により、磁束が異方性磁性材料層40U及び異方性磁性材料層40Dへ入射する時に、当該磁束の向きと異方性磁性材料層40U及び異方性磁性材料層40Dの磁化容易方向とのずれを小さくすることができる。
以上のとおり、本発明の一実施形態によるコイル部品1によれば、等方性磁性材料層30U及び等方性磁性材料層30Dにより、磁束の向きと異方性磁性材料層40U及び異方性磁性材料層40Dにおける磁化容易方向との不一致を緩和できる。したがって、コイル部品1によれば、磁束がコイル導体の側方から異方性磁性材料層に直接入射する従来のコイル部品よりも実効透磁率を改善することができる。
上記のように、磁性体シート11~磁性体シート17の各々は、その最長軸方向がコイル軸CLに平行な方向を向くように配された扁平形状のフィラー粒子を含んでいてもよい。換言すれば、当該扁平形状のフィラー粒子は、その最長軸方向がコイル軸CLと平行な方向又はコイル部品1の積層方向と平行な方向を向くように配されてもよい。磁性体シート11~磁性体シート17がこのようなフィラー粒子を有すると、磁性体シート11~磁性体シート17(すなわち、磁性体部20)においては、コイル軸CLに平行な方向が磁化容易方向となる。コイル部品1において、磁束は、磁性体部20においてコイル軸CLに平行な方向を向く。よって、その最長軸方向がコイル軸CLに平行な方向を向くように配されたフィラー粒子を磁性体シート11~磁性体シート17に含有させることにより、磁性体部20において磁束の向きと磁化容易方向を一致させることができる。これにより、コイル部品1の実効透磁率をさらに改善することができる。
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
例えば、コイル部品1から、等方性磁性材料層30U又は等方性磁性材料層30Dの一方を省略することができる。例えば等方性磁性材料層30Dが省略されたコイル部品1は、コイル25の上面に等方性磁性材料層30Uを有するが、コイル25の下面には等方性磁性材料層30Dを有しない。この場合でも、コイル25の上面において、磁束の向きと異方性磁性材料層40Uの磁化容易方向との不一致を緩和できる。
本発明のコイル部品に適用可能なコイルは、本発明の趣旨を逸脱しない限り、任意の形状に形成され得る。本発明のコイル部品に適用可能なコイルは、コイル25のように複数の層に分散して積層されたコイル導体同士をビア導体で接続することにより形成される積層コイルであってもよいし、コイル125及びコイル225のように1つの層に形成された平面コイルであってもよい。
上記の実施形態で説明したコイル部品は、複数のインダクタ素子が一体として形成されたインダクタアレイであってもよい。例えば、コイル部品が2個のインダクタ素子が一体として形成されたインダクタアレイである場合には、当該コイル部品は、2つのコイルと、当該2つのコイルのいずれかに接続される4つの外部電極と、を有する。
上記の実施形態で説明したコイル部品は、複数のコイルが互いに磁気結合するように構成された磁気結合型コイル部品であってもよい。磁気結合型コイル部品として、例えば、コモンモードチョークコイル、トランス及びカップルドインダクタがある。
1,101,201 コイル部品
10 磁性体本体
11~17 磁性体層
18 上部カバー層
19 下部カバー層
25,125,225 コイル
30U,30D 等方性磁性材料層
40U,40D 異方性磁性材料層

Claims (16)

  1. コイルと、
    前記コイルの内側に設けられ、複数の扁平形状の扁平フィラー粒子を含むコア部と、
    前記コイル及び前記コア部の上面及び下面の少なくとも一方に直接接するように設けられ、等方性磁性材料から成る等方性磁性材料層と、
    前記等方性磁性材料層の前記コイルとは反対側の面に積層された、異方性磁性材料層と、
    を備え、
    前記等方性磁性材料層は、前記コア部の上面全体又は前記コア部の下面全体を覆い、
    前記異方性磁性材料層は、複数の扁平形状の扁平フィラー粒子を含む第1の異方磁性材料であって、前記等方性磁性材料層と前記異方性磁性材料層との積層方向に対して垂直な方向に前記複数の扁平フィラー粒子の最長軸が向くことにより磁化容易方向を持つ第1の異方性磁性材料から成る、コイル部品。
  2. 第1の外部電極と、第2の外部電極と、をさらに備え、
    前記コイルは、第1の磁性体層に形成された第1のコイル導体を有し、
    前記第1のコイル導体の一端は、前記第1の外部電極に接続され、
    前記第1のコイル導体の他端は、前記第2の外部電極に接続さ
    前記等方性磁性材料層及び前記異方性磁性材料層は、前記第1の外部電極と前記第2の外部電極に接する、
    請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第1のコイル導体は、直線状に形成されている、請求項2に記載のコイル部品。
  4. 前記第1のコイル導体は、つづら折り形状に形成されている、請求項2に記載のコイル部品。
  5. 前記コイルは、第1の磁性体層に形成された第1のコイル導体と、前記第1の磁性体層に積層された第2の磁性体層に形成された第2のコイル導体と、を有する、請求項1に記載のコイル部品。
  6. 前記コイルは、前記積層方向に沿って延びるコイル軸の周りに巻回されている、請求項1に記載のコイル部品。
  7. 前記コア部は、前記積層方向に平行な方向に磁化容易方向を持つ第2の異方性磁性材料から成る、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコイル部品。
  8. 前記コイルの外側に設けられた外周部をさらに備え、
    当該外周部は、前記積層方向に平行な方向に磁化容易方向を持つ第3の異方性磁性材料から成る、請求項1から請求項7に記載のコイル部品。
  9. 前記等方性磁性材料層は、球形の球形フィラー粒子を有する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のコイル部品。
  10. 前記第2の異方性磁性材料は、扁平形状の扁平フィラー粒子を有する、請求項7に記載のコイル部品。
  11. 前記第3の異方性磁性材料は、扁平形状の扁平フィラー粒子を有する、請求項8に記載のコイル部品。
  12. 前記第1の異方性磁性材料に含まれる前記扁平フィラー粒子は、円盤状に形成されている、請求項に記載のコイル部品。
  13. 前記第2の異方性磁性材料に含まれる前記扁平フィラー粒子は、円盤状に形成されている、請求項10に記載のコイル部品。
  14. 前記第3の異方性磁性材料に含まれる前記扁平フィラー粒子は、円盤状に形成されている、請求項11に記載のコイル部品。
  15. 前記第2の異方性磁性材料に含まれる前記扁平フィラー粒子は、その最長軸が前記積層方向に対して平行な方向を向く姿勢を取っている、請求項10又は請求項13に記載のコイル部品。
  16. 前記第3の異方性磁性材料に含まれる前記扁平フィラー粒子は、その最長軸が前記積層方向に対して平行な方向を向く姿勢を取っている、請求項11又は請求項14に記載のコイル部品。
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