JPWO2017038773A1 - 熱電変換モジュール、熱電変換モジュールの製造方法および熱伝導性基板 - Google Patents

熱電変換モジュール、熱電変換モジュールの製造方法および熱伝導性基板 Download PDF

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Abstract

いわゆるロール・トゥ・ロールによって、高い生産性で製造することができる熱電変換モジュール、この熱電変換モジュールの製造方法、および、熱電変換モジュールなどに利用される熱伝導性基板の提供を課題とする。熱電変換モジュールが、可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体と、支持体の一方の面に支持体の長手方向に間隔を有して形成される複数の金属層と、支持体の金属層と同じ面に、支持体の長手方向に間隔を有して形成される複数の熱電変換層と、支持体の長手方向に隣接する熱電変換層を接続する接続電極とを有し、金属層が剛性が他の領域よりも低い低剛性部を支持体の幅方向と平行に有し、かつ、低剛性部が一定間隔であり、さらに、金属層の低剛性部において、長手方向に山折りおよび谷折りで交互に折れ曲がっていることにより、この課題を解決する。

Description

本発明は、生産性が良好な熱電変換モジュール、および、この熱電変換モジュールの製造方法、ならびに熱電変換モジュールなどに利用される熱伝導性基板に関する。
熱エネルギーと電気エネルギーとを相互に変換することができる熱電変換材料が、熱によって発電する発電素子、ペルチェ素子のような熱電変換素子に用いられている。
熱電変換素子は、熱エネルギーを直接電力に変換することができ、可動部を必要としない等の利点を有する。そのため、複数の熱電変換素子を接続してなる熱電変換モジュール(発電装置)は、例えば、焼却炉、工場の各種の設備など、排熱される部位に設けることで、動作コストを掛ける必要なく、簡易に電力を得ることができる。
熱電変換素子としては、Bi−Te等の熱電変換材料等を用いた、いわゆるπ型の熱電変換素子が知られている。
π型の熱電変換素子とは、互いに離間する一対の電極を設け、一方の電極の上にn型熱電変換材料からなるn型熱電変換層を、他方の電極の上にp型熱電変換材料からなるp型熱電変換層を、同じく互いに離間して設け、両熱電変換層の上面を電極によって接続してなる構成を有する。
また、n型熱電変換層とp型熱電変換層とが交互に配置されるように、複数の熱電変換素子を配列して、熱電変換層の下部の電極を直列に接続することで、多数の熱電変換素子からなる熱電変換モジュールが形成される。
従来の熱電変換モジュールの問題点は、多数の熱電変換層を直列に接続する製造の手間が非常に大きいことである。また、熱膨張係数の違いによる熱歪の影響、熱歪みの変化が繰返し発生することで、界面の疲労現象も発生しやすくなる。
このような問題点を解決する方法として、樹脂フィルムなどの可撓性を有する支持体を用いる熱電変換モジュールが提案されている。
この熱電変換モジュールは、可撓性および絶縁性を有する長尺な支持体の表面に、支持体の幅方向に長尺なp型熱電変換層とn型熱電変換層とを、支持体の長手方向に交互に配列し、さらに、各熱電変換層を直列で接続するように、支持体の表面に電極を形成したものである。
これらの熱電変換モジュールは、例えば、支持体を折り曲げ、または、円柱状に巻回したのち、上部および下部に熱伝導板を配置して、熱源に接触させる。また、支持体上に熱電変換材料を成膜し、支持体を断熱性板の間に挟みながら折り曲げることで熱電変換モジュールを形成する場合もある。
このような熱電変換モジュールは、可撓性を有する支持体の表面に、多数の熱電変換層が電極によって直列に接続された構造を、例えば成膜技術や膜のパターニング技術を利用して形成できる。
そのため、多数の熱電変換層を接続する、多数の接続部分を作製する手間は、先に述べた従来のπ型の熱電変換モジュールに比して、はるかに容易である。また、支持体が可撓性を有する点を活かして、熱電変換層や電極等を形成した後であっても、支持体そのものを変形することにより、比較的自由度の高い形状にすることが可能である。
具体的な一例として、特許文献1の図14には、可撓性支持体の表面にn型熱電変換層とp型熱電変換層とを交互に配列して形成し、n型熱電変換層とp型熱電変換層との1組毎に、可撓性支持体の表裏面に切れ込みを入れ、間に断熱シートを挟んで、n型熱電変換層とp型熱電変換層との1組毎に可撓性支持体を折り畳んだ熱電変換モジュール(熱電変換デバイス)が記載されている。
特許文献2には、可撓性を有する支持体を用いる構成では無いが、図5に、短冊状のn型熱電変換層とp型熱電変換層とを、交互に配列して、端手方向の端部を1〜2mm程度の導電性接着剤で接着して、熱電変換層ごとに折り返した、蛇腹状の熱電変換モジュールが記載されている。
特許文献3には、複数種の長尺な熱電変換層が支持体の一方の面に交互に配列され、この配列方向と交差する方向における、複数種の長尺な熱電変換層の端部間を接続した、熱電変換モジュール(熱電変換装置)が記載されている。
さらに、特許文献4には、可撓性支持体の表面にスパッタリングで形成された薄膜p型熱電変換層と、可撓性支持体の表面に薄膜p型熱電変換層に隣接してスパッタリングで形成された薄膜n型熱電変換層と、可撓性支持体の表面に形成される薄膜p型熱電変換層の第1の端部と薄膜n型熱電変換層の第2の端部とを導電的に接続する導電部材を有する熱電変換モジュール(導電部材)が記載されている。この特許文献4の図7には、細いテープ状の可撓性支持体を用い、薄膜p型熱電変換層と薄膜n型熱電変換層との組み合わせ毎に可撓性基板を折り返した、蛇腹状の熱電変換モジュールが記載されている。
特開2013−225550号公報 特開2012−174911号公報 特開2004−104041号公報 特表2007−518252号公報
しかしながら、従来の可撓性支持体を用いた折り畳んだ熱電変換モジュールには、改良が望まれる点も多い。
例えば、特許文献1に記載される熱電変換モジュールでは、基板の表裏面に切れ込みを入れることが困難である。また、切れ込みを入れない場合には、折り返す際の折り目の位置が定まらず、折り込んだ後の熱電変換モジュールの形が定まらず、熱源と接触させる場合に、熱の利用効率が低下する懸念が有る。
可撓性の支持体を用いない特許文献2に記載される熱電変換モジュールでは、接合前はp型熱電変換層およびn型熱電変換層が単体の部材であるため、静電気の影響によって取り扱いが難しく、また、製造プロセスが複雑になる懸念が有る。
特許文献3に記載される熱電変換モジュールは、長尺な熱電変換層を用い、長手方向の端部で熱電変換層の接合を行うため、モジュールの高さすなわち熱源間距離が大きくなってしまう懸念が有る。
特許文献4に記載される熱電変換モジュールでは、細いテープ状の可撓性支持体に熱電変換層を形成した構成で、取り扱い性が悪く、また、折り返す際の折り目の位置が定まらず、折り込んだ後の熱電変換モジュールの形が定まらず、熱源と接触させる場合に、熱の利用効率が低下する懸念が有る。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、いわゆるロール・トゥ・ロールによる製造が可能で、製造プロセスが簡易で生産性が高く、ロール状に巻回することで取り扱い性も良好にでき、さらに、折り込む際の折り目の位置も適正にできる熱電変換モジュール、この熱電変換モジュールの製造方法、および、熱電変換モジュール等に利用される熱伝導性基板を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の熱電変換モジュールの第1の態様は、可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体と、
支持体の一方の面に、支持体の長手方向に間隔を有して形成される、複数の金属層と、
支持体の金属層と同じ面に、支持体の長手方向に間隔を有して形成される複数の熱電変換層と、
支持体の長手方向に隣接する熱電変換層を接続する接続電極と、を有し、
金属層は剛性が他の領域よりも低い低剛性部を支持体の幅方向と平行に有し、かつ、低剛性部の間隔が支持体の長手方向に一定であり、さらに、金属層の低剛性部において、長手方向に山折りおよび谷折りで交互に折れ曲がっていることを特徴とする熱電変換モジュールを提供する。
このような本発明の熱電変換モジュールの第1の態様において、接続電極が金属層を兼ねるのが好ましい。
また、低剛性部が、金属層に形成される支持体の幅方向と平行な1つ以上のスリット、および、金属層に形成される支持体の幅方向と平行な破線の少なくとも一方であるのが好ましい。
さらに、熱電変換層として、支持体の長手方向に交互に形成されるp型熱電変換層とn型熱電変換層とを有するのが好ましい。
また、本発明の熱電変換モジュールの第2の態様は、本発明の熱電変換モジュールの第1の態様からなるモジュール本体、および、
可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体と、支持体の一方の面に、全面的に形成される、または、一部に形成される、または、支持体の長手方向に間隔を有して複数形成される、金属層と、を有し、金属層は剛性が他の領域よりも低い低剛性部を支持体の幅方向と平行に有し、さらに、金属層の低剛性部において、長手方向に、山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっている熱伝導性基板、を有し、
熱伝導性基板の支持体を、モジュール本体の折れ曲がりによって接続電極が露出している側の面に向け、モジュール本体と熱伝導性基板との凹凸を合わせて、モジュール本体と熱伝導性基板とを積層したことを特徴とする熱電変換モジュールを提供する。
このような本発明の熱電変換モジュールの第2の態様において、熱伝導性基板の支持体をモジュール本体側に向けて、モジュール本体と熱伝導性基板との凹凸を合わせて、モジュール本体の両面に熱伝導性基板を積層するのが好ましい。
また、熱伝導性基板の山折り部の頂部と、モジュール本体の山折り部の頂部との距離が、モジュール本体の凹凸の高さの0.5〜5倍であるのが好ましい。
また、熱伝導性基板は、高さが異なる凹凸を有するのが好ましい。
また、熱伝導性基板が、支持体の幅方向にモジュール本体よりも突出しているのが好ましい。
また、山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっている、長尺な熱伝導性の板状物からなる放熱部材を有し、熱伝導性基板の山折り部の頂部と、放熱部材の山折り部の頂部とで、対向する面が離間するように、熱伝導性基板と放熱部材との凹凸を合わせて、熱伝導性基板に放熱部材を積層したのが好ましい。
また、放熱部材は、剛性が他の領域よりも低い低剛性部を幅方向と平行に有し、かつ、低剛性部において、山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっているのが好ましい。
また、放熱部材は、高さが異なる凹凸を有するのが好ましい。
また、山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっている、長尺な熱伝導性の板状物からなる、幅方向の大きさがモジュール本体よりも大きい放熱部材を有し、放熱部材が、支持体の幅方向にモジュール本体よりも突出するように、熱伝導性基板と放熱部材との凹凸を合わせて、熱伝導性基板に放熱部材を積層したのが好ましい。
さらに、放熱部材は、剛性が他の領域よりも低い低剛性部を幅方向と平行に有し、かつ、低剛性部において、山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっているのが好ましい。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体を長手方向に搬送しつつ、
支持体の一方の面に、支持体の長手方向に間隔を有して複数の熱電変換層を形成する変換層形成工程;
支持体の熱電変換層と同じ面に、支持体の長手方向に隣接する熱電変換層を接続する接続電極を形成する電極形成工程;
支持体の熱電変換層と同じ面に、支持体の長手方向に間隔を有して複数の金属層を形成する金属層形成工程;
および、金属層に、支持体の幅方向と平行で剛性が他の領域よりも低い低剛性部を、支持体の長手方向の間隔が一定となるように形成する低剛性部形成工程; を行い、
さらに、金属層工程、変換層形成工程、低剛性部形成工程および電極形成工程を行った後に、支持体を長手方向に搬送しつつ、金属層の低剛性部において、支持体を長手方向に山折りおよび谷折りで交互に折り曲げる折り曲げ工程、を行うことを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法を提供する。
このような本発明の熱電変換モジュールの製造方法において、電極形成工程が、金属層形成工程も兼ねるのが好ましい。
また、支持体が、一面の全面に金属膜が形成されたものであり、金属膜の除去によって、電極形成工程、金属層形成工程および低剛性部形成工程を同時に行うのが好ましい。
また、折り曲げ工程を、支持体を、低剛性部の間隔よりも狭いピッチを有する、互いに歯合する歯車間を通過させることによって行うのが好ましい。
また、本発明の熱伝導性基板は、可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体と、
支持体の一方の面に、全面的に形成される、または、一部に形成される、または、支持体の長手方向に間隔を有して複数形成される、金属層と、を有し、
金属層が剛性が他の領域よりも低い低剛性部を支持体の幅方向と平行に有し、さらに、金属層の低剛性部において、長手方向に、山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっていることを特徴とする熱伝導性基板を提供する。
さらに、本発明の熱電変換モジュールの第3の態様は、可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体と、支持体の一方の面に、支持体の長手方向に間隔を有して形成される複数の熱電変換層とを有し、熱電変換層が、支持体の長手方向の側部において隣接する熱電変換層と電気的に接続されていることを特徴とする熱電変換モジュールを提供する。
このような本発明によれば、ロール・トゥ・ロールによる製造が可能で、製造プロセスが簡易で生産性が高く、ロール状に巻回することでハンドリングも良好にでき、さらに、折り込む際の折り目の位置も適正にできる熱電変換モジュール、および、熱電変換モジュール等に利用される熱伝導性基板が得られる。
図1Aは、本発明の熱電変換モジュールの一例を概念的に示す正面図である。 図1Bは、図1Aに示す熱電変換モジュールを部分拡大した平面図である。 図2Aは、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図2Bは、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図2Cは、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図3Aは、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図3Bは、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図4は、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図5Aは、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図5Bは、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図5Cは、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図6Aは、本発明の熱伝導性基板の一例を概念的に示す正面図である。 図6Bは、本発明の熱伝導性基板の一例を概念的に示す正面図である。 図6Cは、本発明の熱伝導性基板の一例を概念的に示す正面図である。 図6Dは、本発明の熱伝導性基板の一例を概念的に示す正面図である。 図7Aは、図6A〜図6Dに示す熱伝導性基板の製造方法の一例を説明するための概念図である。 図7Bは、図6A〜図6Dに示す熱伝導性基板の製造方法の一例を説明するための概念図である。 図7Cは、図6A〜図6Dに示す熱伝導性基板の製造方法の一例を説明するための概念図である。 図8は、熱電変換モジュールの別の例を概念的に示す正面図である。 図9Aは、図8に示す熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図9Bは、図8に示す熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図9Cは、図8に示す熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図10は、本発明の熱電変換モジュールの別の例を概念的に示す図である。 図11は、本発明の熱電変換モジュールの別の例を概念的に示す図である。 図12は、本発明の熱電変換モジュールの別の例を概念的に示す図である。 図13Aは、本発明の熱電変換モジュールの別の例を概念的に示す図である。 図13Bは、本発明の熱電変換モジュールの別の例を概念的に示す図である。 図14は、本発明の熱電変換モジュールの別の例を概念的に示す図である。 図15は、図14に示す熱電変換モジュールの使用方法の一例を説明するための概念図である。
以下、本発明の熱電変換モジュール、熱電変換モジュールの製造方法、および、熱伝導性基板について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
なお、本明細書において、『〜』を用いて表される数値範囲は、『〜』の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
図1Aに、本発明の熱電変換モジュールの一例を概念的に示す。なお、図1Aは、正面図であり、本発明の熱電変換モジュールを支持体の面方向に見た図である。
図1Aに示すように、熱電変換モジュール10は、支持体12と、p型熱電変換層14pと、n型熱電変換層16nと、接続電極18とを有する。
なお、図示例の熱電変換モジュール10は、好ましい態様として、接続電極18が本発明における金属層を兼ねている。
図1Aに示すように、熱電変換モジュール10は、長尺な支持体12の一面に、支持体12の長手方向に一定間隔で一定長さの接続電極18を形成し、支持体12の同じ面に、支持体12の長手方向に一定間隔で一定長さのp型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを、交互に形成している。
なお、本発明において、長手方向の長さ、および、長手方向の間隔とは、モジュール10を平面状に延ばした状態における、長さおよび間隔である。
以下の説明では、『支持体12の長手方向』を『長手方向』とも言う。図1Aより明らかなように、長手方向は、図1Aの横方向である。支持体12の幅方向とは、支持体12の長手方向と直交する方向である。
また、以下の説明では、『熱電変換モジュール10』を『モジュール10』とも言う。
また、モジュール10は、接続電極18において、支持体12の幅方向に平行な折れ線によって、山折りおよび谷折りに、交互に折れ曲がって、蛇腹状になっている。従って、モジュール10は、蛇腹状の折り返しによって、長手方向に頂部(山部)と底部(谷部)とを交互に有する。
この折れ線、すなわち後述する接続電極18(金属層)の低剛性部18aは、長手方向に一定間隔で形成される。
モジュール10は、離間する1対の接続電極18の、一方にp型熱電変換層14pを、他方にn型熱電変換層16nを接続し、離間する接続電極16とは逆側の端部でp型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとを接続した、前述のπ型の熱電変換素子を、直列に接続した構成を有する。
従って、モジュール10は、図1Aの下側に高温熱源を、上側に低温熱源(放熱フィンなどの放熱手段)を設けられて、図1Aにおける上下方向に温度差を生じさせられることで、発熱する。言い換えれば、長手方向に熱電変換層に温度差を生じさせることで、発電する。
支持体12は、長尺で、可撓性を有し、かつ、絶縁性を有するものである。
本発明のモジュールにおいて、支持体12は、可撓性および絶縁性を有するものであれば、可撓性支持体を用いる公知の熱電変換モジュールで利用されている長尺なシート状物(フィルム)が、各種、利用可能である。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−フタレンジカルボキシレート等のポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、トリアセチルセルロース(TAC)等の樹脂、ガラスエポキシ、液晶性ポリエステル等からなるシート状物が例示される。
中でも、熱伝導率、耐熱性、耐溶剤性、入手の容易性、経済性等の点で、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等からなるシート状物は、好適に利用される。
支持体12の厚さは、支持体12の形成材料等に応じて、十分な可撓性を得られ、また、支持体12として機能する厚さを、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、支持体12の厚さは、15μm以下が好ましく、13μm以下がより好ましい。
本発明のモジュール10は、山折りおよび谷折りで、交互に折れ曲がった状態を維持できる必要がある。後述するが、モジュール10においては、接続電極18すなわち金属層の塑性変形によって、この折れ曲がりを維持する。ここで、支持体12が厚いと、接続電極18が、支持体12の折れ曲がりを維持できなくなってしまう可能性が有る。これに対して、支持体12の厚さを15μm以下にすることにより、接続電極18によるモジュール10の折れ曲がりの維持を、より好適にできる。
また、支持体12の厚さを15μm以下にすることにより、熱の利用効率を向上できる等の点でも好ましい。
なお、支持体12の長さおよび幅は、モジュール10の大きさや用途等に応じて、適宜、設定すればよい。
支持体12の一方の面には、長手方向に、一定間隔で、一定長さのp型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを、交互に有している。
なお、本発明のモジュール10は、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの両者を有するものに限定はされない。すなわち、本発明のモジュールは、p型熱電変換層14pのみを間隔を有して長手方向に配列したものであってもよく、あるいは、n型熱電変換層16nのみを間隔を有して長手方向に配列したものであってもよい。
ただ、発電効率等の点では、図示例のように、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの両者を有するのが好ましい。
以下の説明では、p型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとを区別する必要がない場合には、両者をまとめて『熱電変換層』とも言う。
本発明のモジュール10において、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nは、公知の熱電変換材料からなるものが、各種、利用可能である。
p型熱電変換層14pやn型熱電変換層16nを構成する熱電変換材料としては、例えば、ニッケルまたはニッケル合金がある。
ニッケル合金は、温度差を生じることで発電するニッケル合金が、各種、利用可能である。具体的には、バナジウム、クロム、シリコン、アルミニウム、チタン、モリブデン、マンガン、亜鉛、錫、銅、コバルト、鉄、マグネシウム、ジルコニウムなどの1成分、または2成分以上と混合したニッケル合金等が例示される。
p型熱電変換層14pおよび/またはn型熱電変換層16nに、ニッケルまたはニッケル合金を用いる場合、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nは、ニッケルの含有量が90原子%以上であるのが好ましく、ニッケルの含有量が95原子%以上であるのがより好ましく、ニッケルからなるのが特に好ましい。ニッケルからなるp型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nは、不可避的不純物を有するものも含む。
p型熱電変換層14pの熱電変換材料としてニッケル合金を用いる場合には、ニッケルおよびクロムを主成分とするクロメルが典型的なものである。また、n型熱電変換層16nの熱電材料としてニッケル合金を用いる場合には、銅およびニッケルを主成分とするコンスタンタンが典型的なものである。
p型熱電変換層14pおよび/またはn型熱電変換層16nとしてニッケルまたはニッケル合金を用いる場合に、接続電極18もニッケルまたはニッケル合金を用いる場合には、p型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nと接続電極18とを一体的に形成してもよい。
p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nに利用可能な熱電変換材料としては、ニッケルおよびニッケル合金以外にも、以下の材料が例示される。なお、括弧内が材料組成を示す。
BiTe系(BiTe、SbTe、BiSe及びこれらの化合物)、PbTe系(PbTe、SnTe、AgSbTe、GeTe及びこれらの化合物)、Si−Ge系(Si、Ge、SiGe)、シリサイド系(FeSi、MnSi、CrSi)、スクッテルダイト系(MX3、若しくはRM412と記載される化合物、ここでM=Co、Rh、Irを表し、X=As、P、Sbを表し、R=La、Yb、Ceを表す)、遷移金属酸化物系(NaCoO、CaCoO、ZnInO、SrTiO、BiSrCoO、PbSrCoO、CaBiCoO、BaBiCoO)、亜鉛アンチモン系(ZnSb)、ホウ素化合物(CeB、BaB、SrB、CaB、MgB、VB、NiB、CuB、LiB)、クラスター固体(Bクラスター、Siクラスター、Cクラスター、AlRe、AlReSi)、酸化亜鉛系(ZnO)などが挙げられる。
p型熱電変換層14pやn型熱電変換層16nに用いられる熱電変換材料には、塗布または印刷で膜形成可能なペースト化可能な材料も利用可能である。
このような熱電変換材料としては、具体的には、導電性高分子または導電性ナノ炭素材料等の有機系熱電変換材料が例示される。
導電性高分子としては、共役系の分子構造を有する高分子化合物(共役系高分子)が例示される。具体的には、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフルオレン、アセチレン、ポリフェニレン等の公知のπ共役高分子等が例示される。特に、ポリジオキシチオフェンは、好適に使用できる。
導電性ナノ炭素材料としては、具体的には、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラファイト、グラフェン、カーボンナノ粒子等が例示される。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、熱電特性がより良好となる理由から、カーボンナノチューブが好ましく利用される。以下の説明では、『カーボンナノチューブ』を『CNT』とも言う。
CNTには、1枚の炭素膜(グラフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT、および複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNTがある。本発明においては、単層CNT、2層CNT、多層CNTを各々単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。特に、導電性および半導体特性において優れた性質を持つ単層CNTおよび2層CNTを用いるのが好ましく、単層CNTを用いるのがより好ましい。
単層CNTは、半導体性のものであっても、金属性のものであってもよく、両者を併せて用いてもよい。半導体性CNTと金属性CNTとを両方を用いる場合、両者の含有比率は、適宜調整することができる。また、CNTには金属等が内包されていてもよく、フラーレン等の分子が内包されたものを用いてもよい。
CNTの平均長さは特に限定されず、適宜選択することができる。具体的には、電極間距離にもよるが、製造容易性、成膜性、導電性等の観点から、CNTの平均長さが0.01〜2000μmが好ましく、0.1〜1000μmがより好ましく、1〜1000μmが特に好ましい。
また、CNTの直径は特に限定されないが、耐久性、透明性、成膜性、導電性等の観点から、0.4〜100nmが好ましく、50nm以下がより好ましく、15nm以下が特に好ましい。特に、単層CNTを用いる場合には、CNTの直径は、0.5〜2.2nmが好ましく、1.0〜2.2nmがより好ましく、1.5〜2.0nmが特に好ましい。
CNTには、欠陥のあるCNTが含まれていることがある。このようなCNTの欠陥は、熱電変換層の導電性を低下させるため、低減化するのが好ましい。CNTの欠陥の量は、ラマンスペクトルのG−バンドとD−バンドとの比率G/Dで見積もることができる。G/D比が高いほど、欠陥の量が少ないCNT材料であると推定できる。CNTは、G/D比が10以上であるのが好ましく、30以上であるのがより好ましい。
本発明においては、CNTを修飾または処理したCNTも利用可能である。修飾方法および処理方法としては、フェロセン誘導体または窒素置換フラーレン(アザフラーレン)を内包する方法、イオンドーピング法によりアルカリ金属(カリウム等)または金属元素(インジウム等)をCNTにドープする方法、真空中でCNTを加熱する方法等が例示される。
また、p型熱電変換層14pおよび/またはn型熱電変換層16nにCNTを利用する場合には、単層CNTおよび多層CNTの他に、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カーボンナノビーズ、グラファイト、グラフェン、アモルファスカーボン等のナノカーボンが含まれてもよい。
p型熱電変換層14pおよび/またはn型熱電変換層16nにCNTを利用する場合、熱電変換層にはp型ドーパントまたはn型ドーパントを含むことが好ましい。
(p型ドーパント)
p型ドーパントとしては、ハロゲン(ヨウ素、臭素等)、ルイス酸(PF5、AsF5等)、プロトン酸(塩酸、硫酸等)、遷移金属ハロゲン化物(FeCl3、SnCl4等)、金属酸化物(酸化モリブデン、酸化バナジウム等)、有機の電子受容性物質等が例示される。有機の電子受容性物質としては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、2,5−ジメチル−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、2−フルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、2,5−ジフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン等のテトラシアノキノジメタン(TCNQ)誘導体、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、テトラフルオロ−1,4−ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体等、5,8H−5,8−ビス(ジシアノメチレン)キノキサリン、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル等が好適に例示される。
中でも、材料の安定性、CNTとの相溶性等の点で、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)誘導体またはベンゾキノン誘導体等の有機の電子受容性物質は好適に例示される。
p型ドーパントおよびn型ドーパントは、いずれも単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(n型ドーパント)
n型ドーパントとしては、(1)ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、(2)トリフェニルホスフィン、エチレンビス(ジフェニルホスフィン)等のホスフィン類、(3)ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン等のポリマー類等の公知の材料を用いることができる。
また、例えば、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、フェノールまたはナフトール等のエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、および、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等、または、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、および、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。また、アセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコーン系等の界面活性剤も同様に使用することができる。
p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nとしては、樹脂材料(バインダ)に、熱電変換材料を分散してなる熱電変換層も好適に利用される。
中でも、樹脂材料に導電性ナノ炭素材料を分散してなる熱電変換層は、より好適に例示される。その中でも、高い導電性が得られる等の点で、樹脂材料にCNTを分散してなる熱電変換層は、特に好適に例示される。
樹脂材料は、公知の各種の非導電性の樹脂材料(高分子材料)が利用可能である。
具体的には、ビニル化合物、(メタ)アクリレート化合物、カーボネート化合物、エステル化合物、エポキシ化合物、シロキサン化合物、ゼラチン等が例示される。
より具体的には、ビニル化合物としては、ポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルフェノール、ポリビニルブチラール等が例示される。(メタ)アクリレート化合物としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリフェノキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリベンジル(メタ)アクリレート等が例示される。カーボネート化合物としては、ビスフェノールZ型ポリカーボネート、および、ビスフェノールC型ポリカーボネート等が例示される。エステル化合物としては、非晶性ポリエステルが例示される。
好ましくは、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、(メタ)アクリレート化合物、カーボネート化合物、エステル化合物が例示され、より好ましくは、ポリビニルブチラール、ポリフェノキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリベンジル(メタ)アクリレート、および、非晶性ポリエステルが例示される。
樹脂材料に熱電変換材料を分散してなる熱電変換層において、樹脂材料と熱電変換材料との量比は、用いる材料、要求される熱電変換効率、印刷に影響する溶液の粘度または固形分濃度等に応じて、適宜設定すればよい。
また、p型熱電変換層14pおよび/またはn型熱電変換層16nにCNTを利用する場合には、主にCNTと界面活性剤とからなる熱電変換層も好適に利用される。
熱電変換層をCNTと界面活性剤とで構成することにより、熱電変換層を界面活性剤を添加した塗布組成物で形成できる。そのため、熱電変換層の形成を、CNTを無理なく分散した塗布組成物で行うことができる。その結果、長くて欠陥が少ないCNTを多く含む熱電変換層によって、良好な熱電変換性能が得られる。
界面活性剤は、CNTを分散させる機能を有するものであれば、公知の界面活性剤を使用することができる。より具体的には、界面活性剤は、水、極性溶媒、水と極性溶媒との混合物に溶解し、CNTを吸着する基を有するものであれば、各種の界面活性剤が利用可能である。
従って、界面活性剤は、イオン性でも非イオン性でもよい。また、イオン性の界面活性剤は、カチオン性、アニオン性および両性のいずれでもよい。
一例として、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸系界面活性剤、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤およびでデオキシコール酸ナトリウムまたはコール酸ナトリウム等のカルボン酸系界面活性剤、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩、および、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩等の水溶性ポリマー等が例示される。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等が例示される。両性界面活性剤としては、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤等が例示される。
さらに、非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル等の糖エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレン樹脂酸エステルどの脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤等が例示される。
中でも、イオン性の界面活性剤は好適に利用され、その中でも、コール酸塩またはデオキシコール酸塩は好適に利用される。
CNTと界面活性剤とを有する熱電変換層においては、界面活性剤/CNTの質量比が5以下であるのが好ましく、3以下であるのがより好ましい。
界面活性剤/CNTの質量比を5以下とすることにより、より高い熱電変換性能が得られる等の点で好ましい。
なお、有機材料からなる熱電変換層は、必要に応じて、SiO2、TiO2、Al23、ZrO2等の無機材料を有してもよい。
なお、熱電変換層が、無機材料を含有する場合には、その含有量は20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
このようなp型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nは、公知の方法で形成すればよい。一例として、以下の方法が例示される。
まず、熱電変換材料と、界面活性剤などの必要な成分とを含有する、熱電変換層を形成するための塗布組成物を調製する。
次いで、調製した熱電変換層となる塗布組成物を、形成する熱電変換層に応じてパターンニングして塗布する。この塗布組成物の塗布は、マスクを使う方法、印刷法等、公知の方法で行えばよい。
塗布組成物を塗布したら、樹脂材料に応じた方法で塗布組成物を乾燥して、熱電変換層を形成する。なお、必要に応じて、塗布組成物を乾燥した後に、紫外線照射等による塗布組成物(樹脂材料)の硬化を行ってもよい。
また、絶縁性基板表面全面に、調製した熱電変換層となる塗布組成物を塗布し、乾燥した後、エッチング等によって、熱電変換層をパターン形成してもよい。
なお、主にCNTと界面活性剤とからなる熱電変換層を形成する場合には、塗布組成物によって熱電変換層を形成した後、熱電変換層を界面活性剤を溶解する溶剤に浸漬するか、または、熱電変換層を界面活性剤を溶解する溶剤で洗浄し、その後、乾燥することで、熱電変換層を形成するのが好ましい。
これにより、熱電変換層から界面活性剤を除去して、界面活性剤/CNTの質量比が極めて小さい、より好ましくは界面活性剤が存在しない、熱電変換層を形成できる。
熱電変換層は、印刷によってパターン形成することが好ましい。
印刷方法は、スクリーン印刷、メタルマスク印刷、インクジェット等の公知の各種の印刷法が利用可能である。なお、CNTを含有する塗布組成物を用いて熱電変換層をパターン形成する場合は、メタルマスク印刷を用いるのがより好ましい。
印刷条件は、用いる塗布組成物の物性(固形分濃度、粘度、粘弾性物性)、印刷版の開口サイズ、開口数、開口形状、印刷面積等により、適宜設定すればよい。
なお、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを、前述のニッケル、ニッケル合金、BiTe系材料等の無機材料で形成する場合には、このような塗布組成物を用いる形成方法以外にも、スパッタリング法、蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、メッキ法またはエアロゾルデポジッション法等の成膜方法を用いて、熱電変換層を形成することも可能である。
p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの大きさは、モジュール10の大きさ、支持体12の幅、接続電極18の大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。なお、本発明において、大きさとは、支持体12の面方向の大きさである。
なお、前述のように、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nは、長手方向には同じ長さである。また、熱電変換層は、一定間隔で形成されるので、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nは、同間隔で交互に形成される。
p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの厚さは、熱電変換層の形成材料等に応じて、適宜、設定すればよいが、1〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましい。
p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの厚さを上記範囲とすることにより、良好な電気伝導性が得られる、良好な印刷適性が得られる等の点で好ましい。
なお、p型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとは、厚さが同じでも異なってもよいが、基本的に、同じ厚さである。
また、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの厚さは、金属層を兼ねる接続電極18よりも薄いのが好ましい。金属層と接続電極とが別々の場合には、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの厚さは、金属層よりも薄いのが好ましい。
このような構成を有することにより、後述するように蛇腹状のモジュール10を長手方向に圧縮した際において、p型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとの接触を生じ難くできる。
モジュール10において、支持体12のp型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの形成面には、接続電極18が形成される。
接続電極18は、長手方向に交互に形成されたp型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとを直列で電気的に接続するものである。前述のように、図示例において、熱電変換層は、長手方向に一定長さのものが一定間隔で形成される。従って、接続電極18も、一定長さのものが一定間隔で形成される。
なお、本発明のモジュール10において、後述する接続電極18(金属層)に形成される低剛性部18aの間隔が長手方向に一定間隔であれば、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16n、接続電極18は、長手方向の長さおよび間隔は、必ずしも一定である必要は無い。接続電極と金属層とを別々に形成する場合には、金属層の長手方向の長さおよび間隔も、同様である。
また、モジュール10においては、熱電変換層同士や接続電極18同士で、長さ、形成間隔等が、互いに異なるものが存在してもよい。
接続電極18の形成材料は、必要な導電率を有するものであれば、各種の導電性材料で形成可能である。
具体的には、銅、銀、金、白金、ニッケル、アルミニウム、コンスタンタン、クロム、インジウム、鉄、銅合金などの金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)等の各種のデバイスで透明電極として利用されている材料等が例示される。中でも、銅、金、銀、白金、ニッケル、銅合金、アルミニウム、コンスタンタン等は好ましく例示され、銅、金、銀、白金、ニッケルは、より好ましく例示される。
また、接続電極18は、例えば、クロム層の上に銅層を形成してなる構成等、積層電極であってもよい。
なお、接続電極と金属層とを、別々に形成する場合には、金属層の形成材料としては、公知の金属材料が全て利用可能であり、上述した金属材料は好適に例示される。
前述のように、本発明のモジュール10において、接続電極18は、金属層も兼ねるものである。従って、接続電極18には、幅方向に平行な低剛性部18aが形成される。
低剛性部18aは、長手方向に一定間隔で形成される。
低剛性部18aは、接続電極18において他の部分よりも剛性が低い部分であり、すなわち、他の部分よりも折り曲げ易い部分である。
図1Bに、モジュール10を部分拡大した平面図を概念的に示す。図1Bの平面図は、モジュール10を支持体12の表面(最大面)と直交する方向から見た図であり、モジュール10を図1Aの図中上方から見た図である。
図示例のモジュール10においては、接続電極18によって幅方向に平行な破線を形成することで、幅方向と平行な低剛性部18aを形成している。言い換えれば、接続電極18に、電極(金属)が有る部分と無い部分とを、幅方向に交互に形成することで、低剛性部18aを形成している。
後述するが、本発明のモジュール10は、平板状の支持体12に、低剛性部18aを有する接続電極18、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを形成して、その後、各接続電極18を、山折りおよび谷折りで交互に折り曲げることで、図1Aに示すような、蛇腹状に折り曲げた本発明のモジュール10とする。
折り曲げは、接続電極18を長手方向に折り曲げることで行う。従って、幅方向に平行に他の領域よりも剛性の低い低剛性部18aを有することにより、接続電極18を低剛性部18aで選択的に折り曲げることができる。また、低剛性部18aの形成間隔は長手方向に等間隔であるので、全ての接続電極18において、山折り部の頂部および谷折り部の底部の位置を、揃えることができる。
前述のように、本発明のモジュール10は、図1Aにおける上下方向すなわち蛇腹状に折り返された山折り部(頂部、山部)と谷折り部(底部、谷部)との間に温度差を生じさせられることで、発熱する。従って、全ての山折り部の頂部および谷折り部の底部の位置を、揃えることにより、高温側および低温側の接続電極18を、効率よく高温熱源および低温熱源に接触させることができ、熱の利用効率を向上して、効率の良い発電を行うことができる。
さらに、後に詳述するが、本発明のモジュール10の製造において、低剛性部18aを有する接続電極18の形成、熱電変換層の形成、折り曲げ加工等は、全て、いわゆるロール・トゥ・ロールで行うことができる。従って、モジュール10は、高い生産性で、かつ、良好な取り扱い性で、製造できる熱電変換モジュールである。
従って、長手方向における低剛性部18aの間隔は、蛇腹折り状のモジュール10に要求される高さ等に応じて、適宜、設定すればよい。逆に、モジュール10の高さに制限がある場合には、高さの制限に応じて長手方向における低剛性部18aの間隔を設定し、この低剛性部18aの間隔に応じて、長手方向の接続電極18、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの大きさを設定すればよい。
なお、モジュール10の高さとは、図1Aにおける図中上下方向のモジュール10の大きさであり、すなわち、高温熱源および低温熱源の配置方向のモジュール10の大きさである。
本発明のモジュール10において、低剛性部は、図示例のような接続電極18による破線に限定はされず、他の領域に比して剛性が低く、平面状の接続電極18を長手方向に折り曲げた際に、接続電極18内において、その部分が選択的に折り曲がるものであれば、各種の構成が利用可能である。
一例として、幅方向に長尺なスリットを、1個あるいは幅方向に配列して複数個形成した低剛性部、他の領域よりも厚さが薄い肉薄部を幅方向と平行の溝状に形成した低剛性部等が例示される。
なお、幅方向の端部近傍には接続電極18で形成する破線を有し、幅方向の中央部には接続電極18に形成するスリットを有する構成など、低剛性部は、複数の低剛性化方法を併用するものであってもよい。
ここで、低剛性部18aは、低剛性部18aとなる領域に接続電極18(金属層)が存在するように形成する必要がある。すなわち、接続電極18を長手方向に見た際に、幅方向の少なくとも一部に、長手方向の全域に接続電極18が存在する領域を有するように、低剛性部18aを形成する必要がある。
幅方向に貫通するように、接続電極18が無い領域を形成すると、支持体12を折り曲げた後に、支持体12が有する弾性や剛性によって、支持体12が元の平面状に戻ってしまう可能性が有る。
これに対し、図示例のような破線状など、低剛性部18aにおいて接続電極18が残った状態とすることで、支持体12を折り曲げた後でも、接続電極18の塑性変形によって支持体12が折れ曲がった状態を維持できる。また、図示例のモジュール10のように、金属層が接続電極18を兼ねる場合でも、熱電変換層を電気的に接続できる。
なお、低剛性部18aにおける接続電極18の残存量は、接続電極18の厚さや剛性等に応じて、接続電極18の組成変形で支持体12を折り曲げた状態が維持できる量を、適宜、設定すればよい。
接続電極18の大きさは、モジュール10の大きさ、支持体12の幅、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。
接続電極18の厚さは、形成材料に応じて、p型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとを十分な導電性を確保できる厚さを、適宜、設定すればよい。
ここで、接続電極18が金属層を兼ねるモジュール10においては、接続電極18の厚さは、3μm以上であるのが好ましく、6μm以上であるのがより好ましい。さらに、接続電極18の厚さは、支持体12の厚さよりも厚いのが好ましい。
接続電極16の厚さが、上記条件を満たすことにより、電極として十分な導電性を確保できるのみならず、接続電極18の塑性変形によって、モジュール10を蛇腹状に折り曲げた状態を好適に維持できる。
図示例のモジュール10は、構成が簡易で、かつ、製造も簡易に行える方法として、接続電極18が、低剛性部を有する金属層を兼ねている。言い換えれば、図示例のモジュール10は、低剛性部を有する金属層が接続電極を兼ねている。
しかしながら、本発明は、これに限定はされず、接続電極と金属層とを、別々に形成してもよい。例えば、隣接するp型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとの間に、p型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとは電気的に離間して低剛性部を有する金属層を形成し、幅方向の端部近傍など、幅方向の金属層よりも外側に、金属層とは電気的に離間して、p型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとを接続する接続電極を設けてもよい。
この場合において、金属層の厚さは、前述の金属層を兼ねる接続電極16の厚さに準じればよい。また、接続電極の厚さは、接続電極の形成材料や面方向の大きさ等に応じて、十分な導電性を得られる厚さを、適宜、設定すればよい。
以下、図2A〜図5Cの概念図を参照して、本発明のモジュール10を製造する、本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明する。
なお、接続電極と金属層とが、別々である構成の熱電変換モジュールも、基本的に、同様に製造できる。
以下の製造方法は、いわゆるロール・トゥ・ロールを利用する方法である。以下の説明では、『ロール・トゥ・ロール』を『RtoR』とも言う。
周知のようにRtoRとは、長尺な被処理体を巻回してなるロールから、被処理体を引き出して、被処理体を長手方向に搬送しつつ、成膜、表面処理等の各種の処理を行い、処理済の被処理体を、ロール状に巻回する方法である。
本発明のモジュール10は、このようなRtoRによる製造が可能であり、すなわち、生産性が良好で、さらに、15μm以下という薄い支持体12を利用した場合でも、製造途中の工程における中間の構造体の取り扱い性も良好なモジュール10である。
なお、以下に説明する製造方法おいて、ロールからの支持体12の繰り出し、支持体12の搬送、処理済の支持体12の巻取り等の各種の操作は、RtoRを行う装置で利用されている公知の方法で行えばよい。
まず、図2Aに示すような、支持体12の表面全面に銅箔などの金属膜12Mが形成された積層体12Aを巻回してなるロール12ARを用意する。
次いで、図2Bに示すように、ロール12ARから積層体12Aを引き出して、長手方向に搬送しつつ、エッチング装置20によって、金属膜12Mのエッチングを行う。この金属膜12Mのエッチングによって、不要な金属膜12Mを除去して、長手方向に一定間隔で一定長さの接続電極18を形成し、同時に、接続電極18に、幅方向に平行な低剛性部18aを長手方向に一定間隔で形成する。図2Cに、図2Bにおける領域Cの平面図を示す。図2B〜図3Bにおいては、構成を分かりやすくするために、接続電極18にハッチングを付している。
図2Aおよび図2Bでは図示は省略するが、接続電極18および低剛性部18aを形成した支持体12Bは、ロール状に巻回して、支持体ロール12BRとする。
金属膜12Mのエッチングによる接続電極18および低剛性部18aの形成は、公知の方法で行えばよい。一例として、レーザビームによるアブレーションによって金属膜12Mを除去する方法、フォトリソグラフィによってエッチングする方法等が例示される。
次いで、図3Aに示すように、支持体ロール12BRから接続電極18および低剛性部18aを形成した支持体12Bを引き出し、長手方向に搬送しつつ、エッチングによって支持体12が露出された部分に、成膜装置24によって、p型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとを交互に形成する。図3Bに、図3Aにおける領域Bの平面図を示す。
図示は省略するが、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを形成した支持体12Cは、ロール状に巻回して、支持体ロール12CRとする。
なお、成膜装置24によるp型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの形成は、前述のように、スクリーン印刷、メタルマスク印刷等の印刷法で行えばよい。
また、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nが無機材料からなるものである場合には、スパッタリング、真空蒸着等の成膜方法によってp型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを形成してもよいのは、前述のとおりである。
さらに、図4に示すように、支持体ロール12CRからp型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを形成した支持体12Cを引き出し、長手方向に搬送しつつ、低剛性部18aの長手方向の間隔よりも狭いピッチを有し、互いに歯合する歯車26aと歯車26bとの間を通すことにより、支持体12Cを折り曲げ加工して、本発明のモジュール10を作製する。
前述のように、支持体12Cには長手方向に一定間隔で幅方向に平行な低剛性部18aが形成されている。また、歯車26aおよび26bは、低剛性部18aの間隔よりも狭いピッチを有する。従って、支持体12Cは、低剛性部18aによって長手方向に折り曲げられ、全ての山折り部の頂部および谷折り部の底部の位置が揃った、蛇腹状のモジュール10が製造できる。
さらに、必要に応じて、図5Aに示すように、長手方向の低剛性部18aの間隔に応じた間隔を有する上板28と下板30との間にモジュール10を挿入し、図5Bに示すように、押圧部材32によって付当て部34に押圧して、折り曲げたモジュール10を長手方向に圧縮することにより、図5Cに示すように、モジュール10の折り曲げの状態を調節してもよい。
以上のように、本発明のモジュール10は、RtoRを利用して、高い生産性で製造することができる。
また、RtoRを利用できるため、例えば、接続電極18および低剛性部18aを形成した支持体12B、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを形成した支持体12Cなど、モジュール10の製造における中間の構造体をロール状に巻回した状態で取り扱うことができる。そのため、支持体12が15μm以下の薄膜であっても、良好な取り扱い性を確保できる。
以上の点は、後述する本発明の熱伝導性基板においても、同様である。
本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、以上の例に限定はされない。
例えば、以上の例は、接続電極18と低剛性部18aとを同時に形成したが、本発明は、これに限定はされず、接続電極16を形成した後に、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを形成し、その後、低剛性部18aを形成してもよい。
あるいは、支持体12の全面に銅箔が形成された積層体12Aを用いるのではなく、通常の樹脂フィルムなどを支持体12として用い、支持体12の表面に印刷等によってp型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを形成して、その後、スパッタリングあるいは真空蒸着によって接続電極18を形成し、その後、接続電極18に低剛性部18aを形成してもよい。
また、折り曲げ加工は、互いに歯合する歯車を用いる方法以外にも、例えば、長手方向の低剛性部18aの間隔よりも狭い凹凸を有するプレス板等によって、押圧する方法等も利用可能である。
図6Aに、本発明の熱伝導性基板の一例の正面図を概念的に示す。
図6Aに示す熱伝導性基板50Aは、基本的に、長尺な支持体52と、金属層54を有して構成される。また、金属層54には、幅方向に平行な低剛性部54aが形成されている。図6A(図6B〜図6D)に示される例では、一例として、低剛性部54a(56a)は、長手方向に等間隔に形成されている。
熱伝導性基板50Aも、低剛性部54aにおいて、山折りおよび谷折りで交互に折り曲がった、頂部(山部)および底部(谷部)を交互に有する、蛇腹状の形状を有する。
このような熱伝導性基板50Aは、長さが可変で、電子回路との接触を避けつつ放熱する必要が有る場合など、熱伝導性と絶縁性とを要求される、各種の用途に利用可能である。好ましくは、前述の本発明のモジュール10と組み合わされて、本発明の第2の態様の熱電変換モジュールとされる。
また、図6Aに示す熱伝導性基板50A等は、山折りおよび谷折りで交互に折り曲がった、蛇腹状の形状を有するが、本発明の熱伝導性基板は、これに限定はされない。すなわち、本発明の熱伝導性基板は、長手方向に山折りのみされた構成、長手方向に谷折りのみされた構成であってもよい。従って、本発明の熱伝導性基板は、低剛性部を1つのみ有し一カ所だけで長手方向に山折りされた、あるいは、低剛性部を1つのみ有し一カ所だけで長手方向に谷折りされた、略V字状の形状を有するものであってもよい。また、例えば、後述する図8に示す本発明の第2の態様の熱電変換モジュール60は、このような略V字状の熱伝導性基板を、複数、用いて構成してもよい。この点に関しては、後述する放熱部材も同様である。
熱伝導性基板50Aにおいて、支持体52は、長尺で可撓性および絶縁性を有する、前述のモジュール10の支持体12と同様のものである。
また、金属層54および低剛性部54aも、前述のモジュール10における、金属層を兼ねる接続電極18と同様のものである。
なお、本発明の熱伝導性基板は、図6Aに示す熱伝導性基板50Aのように、支持体52の全面に金属層54を形成した構成以外にも、長手方向に間隔を有して金属層を形成した構成でもよい。いずれの構成においても、金属層に形成される幅方向に平行な低剛性部は、長手方向に一定間隔で形成される。
例えば、図6Bに示す熱伝導性基板50Bのように、折り曲げ部のみに、低剛性部56aを形成した金属層56を有する構成であってもよい。すなわち、本発明の熱伝導性基板は、図1Aに示すモジュール10から、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nを除いた構成であってもよい。
また、図6Cに示す熱伝導性基板50Cのように、山折り部のみに、低剛性部56aを形成した金属層56を有する構成であってもよい。さらに、図6Dに示す熱伝導性基板50Dのように、谷折り部のみに、低剛性部56aを形成した金属層56を有する構成であってもよい。
なお、本明細書においては、便宜的に、山折り部とは、支持体が内側になる折り曲げ部を、谷折り部とは、支持体が外側になる折り曲げ部を、それぞれ示す。従って、山折り部では、金属層54および金属層56が凸状となり、谷折り部では金属層54および金属層56が凹状となる。
このような熱伝導性基板は、熱電変換層の形成を行わない以外は、基本的に、前述のモジュール10と同様に製造できる。
すなわち、まず、図7Aに示すような、支持体52の表面全面に銅箔などの金属膜52Mが形成された積層体52Aを巻回してなるロール52ARを用意する。
次いで、図7Bに示すように、ロール52ARから積層体52Aを引き出して、長手方向に搬送しつつ、エッチング装置20によって金属膜52Mのエッチングを行う。
本例においては、金属膜52Mが、そのまま金属層54となる。この金属膜52Mすなわち金属層54のエッチングによって、金属層54に、幅方向に平行な低剛性部54aを、長手方向に一定間隔で形成する。図7Cに、図7Bにおける領域Cの平面図を示す。
図示は省略するが、金属層54に低剛性部54aを形成した支持体52Bは、ロール状に巻回する。
なお、エッチングは、前述のモジュール10の製造と同様の方法が利用可能である。
また、図6B〜図6Dに示すような、金属層56が長手方向に離間して形成される熱伝導性基板50B〜50Dを製造する場合には、低剛性部54aを形成するためのエッチングと同時に、金属膜52Mの不要な領域をエッチングによって除去すればよい。
これ以降は、p型熱電変換層14pおよびn型熱電変換層16nの形成を行わない以外は、前述のモジュール10と同様にして、熱伝導性基板50Aを作製すればよい。
すなわち、低剛性部18aを形成した支持体52Bを巻回したロールから、支持体52Bを引き出して、長手方向に搬送しつつ、図4に示すように、低剛性部54aの長手方向の間隔と同じピッチを有し、互いに歯合する歯車26aおよび26bの間を通すことにより、支持体52Bを折り曲げ加工して、本発明の熱伝導性基板50Aを作製する。
さらに、必要に応じて、図5A〜図5Cに示すように、熱伝導性基板50Aを長手方向に圧縮することで、熱伝導性基板50Aの折り曲げの状態を調節してもよい。
図8に、本発明の熱電変換モジュールの第2の態様の正面図を概念的に示す。
この熱電変換モジュール60は、前述の図1Aに示すモジュール10をモジュール本体として、モジュール10両面に、モジュール10と熱伝導性基板50Aの凹凸を合わせて、かつ、支持体52をモジュール10に向けて、前述の図6Aに示す熱伝導性基板50Aを積層し、さらに、長手方向に圧縮した構成を有する。なお、図8においては、低剛性部18aおよび低剛性部54aは省略する。
すなわち、図8の熱電変換モジュール60では、モジュール10の接続電極18等を有する側では、モジュール10の山折り部と熱伝導性基板50Aの山折り部とを一致し、モジュール10の支持体12側では、モジュール10の谷折り部と熱伝導性基板50Aの山折り部とを一致して、モジュール10と熱伝導性基板50Aとが積層される。
以下の説明では、『熱電変換モジュール60』を『モジュール60』とも言う。
図1Aに示すモジュール10は、図5A〜図5Cに示すように圧縮した際に、p型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとの接触による短絡(ショート)、接続電極18同士の不要な接触による短絡を生じる可能性が有る。
これに対して、図8に示すモジュール60では、絶縁性を有する支持体52をモジュール10に向けて、熱伝導性基板50Aを積層するので、接続電極18の接触が問題になる、折れ曲がりによって接続電極18が外方に露出する側の面において、接続電極18同士の接触を防げる。すなわち、支持体12が内側で接続電極18が外方に露出する山折り部において、接続電極18同士の接触を防げる。
また、モジュール10の山折り部同士および谷折り部同士は、厚さを有する、熱伝導性基板50A(支持体52および金属層54)を介して、長手方向に圧縮される。従って、対面するp型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとにおける山折り部側の端部は、この厚さ分だけ、離間された状態となる。また、対面するp型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとは、谷折り部側の端部では、モジュール10の接続電極18の厚さ分だけ離間している。この各部材の厚さによる離間によって、対面するp型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとは、略V字を形成するような状態となり、その結果、不要に接触して短絡することを防止できる。
加えて、モジュール60では、金属製で熱伝導性の高い熱伝導性基板50Aの金属層54が、モジュール10の接続電極18を覆うように位置する。そのため、モジュール60は、高温熱源側では熱源からの熱を効率良くモジュール10に伝え、低温熱源側ではモジュール10の熱を効率良く放出できる。
図8に示す熱電変換モジュールは、モジュール10の両面に、支持体52を向けて熱伝導性基板50Aを積層している。
しかしながら、本発明の熱電変換モジュールの第2の態様は、これに限定はされず、モジュール10の一方の面のみに、支持体52を向けて熱伝導性基板50Aを積層してもよい。但し、この場合には、前述の不要な接続電極18同士の接触、谷折りによって対面するp型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとの接触を防止するために、熱伝導性基板50Aは、モジュール10の折り曲げることによって接続電極18が外方に露出する側の面、すなわち、モジュール10の山折り部側の面に積層する必要がある。
なお、本発明の熱電変換モジュールの第2の態様において、以上の作用効果は、金属層を折り曲げ部のみに形成した、図6B〜図6Dに示す熱伝導性基板50B〜50Dを用いた場合でも、同様に得ることができる。
図8に示すモジュール60の製造方法を、図9A〜図9Cの概念図を参照して説明する。
モジュール60は、基本的に、図5A〜図5Cに示すモジュール10の製造方法と同様にして製造できる。
まず、前述のようにして、モジュール10および熱伝導性基板50Aを作製する。
次いで、図9Aに示すように、下板30の上に、モジュール10と熱伝導性基板50Aとの凹凸を合わせて、モジュール10の両面に熱伝導性基板50Aを積層して積層体62とする。本発明においては、この積層体62を熱電変換モジュールとしてもよい。
次いで、図9Bに示すように、上板28によってモジュール10の両面に熱伝導性基板50Aを積層した積層体62の上の、低剛性部18aの間隔および熱伝導性基板50Aの厚さ(支持体52と金属層54の厚さ)に応じた位置に上板28を配置し、押圧部材32によって付当て部34に押圧して、積層体62を長手方向に圧縮して、モジュール60を作製する。
さらに、圧縮した積層体62を上板28と下板30との間から取りだし、接続電極18を長手方向に圧縮するようにフレーム64で締付け、モジュール60とする。
図10に、本発明の第2の態様の熱電変換モジュールの別の例を示す。
図8に示すモジュール60は、図1Aに示すモジュール10をモジュール本体として、図6Aに示す全面に金属層54を有する熱伝導性基板50Aを、凹凸を合わせて、支持体52を向けて、モジュール10の両面に設けている。
これに対して、図10に示す熱電変換モジュール70は、図1Aに示すモジュール10をモジュール本体として、図6Bに示す山折り部および谷折り部のみに金属層56を設けた熱伝導性基板50Bを、凹凸を合わせて、支持体52を向けて、モジュール10の熱電変換層等の形成面に積層したものである。
以下の説明では、『熱電変換モジュール70』を『モジュール70』とも言う。また、以下の説明では、熱電変換モジュールにおける熱電変換層等の形成面を『上面』、逆側の面を『裏面』とも言う。
図8に示すモジュール60では、熱伝導性基板50Aは、モジュール10の蛇腹の凹凸に比して凹凸の高さが低い蛇腹状で、接続電極18のみに対応する。
これに対して、図10に示すモジュール70では、熱伝導性基板50Bは、モジュール10の蛇腹の凹凸に比して、遥かに高い凹凸を有する蛇腹状である。従って、熱伝導性基板50Bの山折り部の頂部と、モジュール10の表面側の頂部とは、対向する面が離間している。すなわち、熱伝導性基板50Bの山折り部の頂部は、モジュール10の表面側の頂部から大きく突出している。
なお、以下の説明では、『熱伝導性基板の山折り部の頂部』を『熱伝導性基板の頂部』、『モジュールの表面側の頂部』を『モジュールの頂部』とも言う。
また、熱伝導性基板50Bの山折り部において、モジュール10の頂部から突出している領域は、長手方向に押圧されて、頂部で折り返された支持体52が密着している。
さらに、モジュール70において、熱伝導性基板50Bの山折り部に設けられる金属層56は、長手方向に、モジュール本体となるモジュール10の頂部側の接続電極18に対応する領域から、熱伝導性基板50Bの頂部に至り、折り返されて頂部側の接続電極18に対応する領域まで形成されている。すなわち、熱伝導性基板50Bのモジュール10の頂部から突出した領域は、全面的に、金属層56が形成さている。従って、モジュール70に用いられる熱伝導性基板50Bは、幅が広い金属層56と幅の狭い金属層56とが、交互に形成されている。
また、モジュール10の熱電変換層が形成されている領域は、谷折り部の金属層56の形成部を除き、大部分が熱伝導性基板50Bの金属層56が存在しない領域となる。
周知のように、金属は熱伝導性が高い。従って、このように、モジュール10に比して、熱伝導性基板50Bの凹凸の高さを大幅に高くして、熱伝導性基板50Bの頂部をモジュール10の頂部より突出させ、熱伝導性基板50Bのモジュール10の頂部から突出した領域に金属層56を設けることにより、熱伝導性基板50Bを放熱フィンのように作用させて、放熱手段としての機能を大幅に向上できる。これにより、熱電変換層における温度差を大きくして、熱電変換モジュールにおける発電量を大きくできる。
また、本発明の熱電変換モジュールは、良好な可撓性を利用して、長手方向を周方向として管等の円筒状物の周面に巻き付けて使用することができる。この場合には、モジュール70では、熱伝導性基板50Bの山折り部の間隔が離間して頂部が離間するため、より高い放熱効果が得られる。
さらに、熱伝導性基板50Bの支持体52をモジュール10の表面に向けて熱伝導性基板50Bとモジュール10とを積層し、支持体52によってモジュール10の表面を覆った状態とすることにより、支持体52を絶縁層として作用させることができる。そのため、好ましい態様としてモジュール10を長手方向に圧縮した場合にも、山折り部の接続電極18同士、p型熱電変換層14pとn型熱電変換層16nとが接触して短絡することを防止できる。
加えて、モジュール10の熱電変換層が形成されている領域に、熱伝導性基板50Bの金属層56が無い領域を設けることにより、熱電変換層における温度差も確保できる。
モジュール70において、モジュール10の頂部に対する熱伝導性基板50Bの頂部の突出量は、モジュール70の大きさ、想定されるモジュール70の設置場所等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、図10に示すように、モジュール10の凹凸の高さをH、モジュール10の頂部と熱伝導性基板50Bの頂部との距離、すなわちモジュール10の頂部からの熱伝導性基板50Bの頂部の突出量をL1とした際に、突出量L1が高さHの0.5〜5倍であるのが好ましい。
すなわち、『0.5H≦L1≦5H』を満たすのが好ましい。
熱伝導性基板50Bの頂部の突出量L1をモジュール10の凹凸の高さHの0.5倍以上とすることにより、充分な放熱効果を得て、発電量を向上できる。
また、熱伝導性基板50Bの頂部の突出量L1がモジュール10の凹凸の高さHの5倍以上になると、それ以上突出量を大きくしても、放熱効果の向上効果は小さい。従って、熱伝導性基板50Bの頂部の突出量L1をモジュール10の凹凸の高さHの5倍以下とすることにより、モジュール70が不要に大きくなることを防止して、設置場所の自由度の向上、モジュール70の用途の拡大等を図ることができる。
熱伝導性基板50Bの頂部がモジュール10の頂部から突出する構成では、図11に示す熱電変換モジュール72のように、熱伝導性基板50Bは、モジュール10の頂部からの頂部の突出量すなわち頂部の高さが異なってもよい。すなわち、熱伝導性基板50Bは、高さが異なる凹凸(高さが異なる山折り部)を有してもよい。
このように、熱伝導性基板50Bが高さが異なる頂部を有することにより、熱伝導性基板50Bのモジュール10からの突出部において、空気が通り易くなり、熱伝導性基板50Bによる放熱効果を向上できる。
熱伝導性基板50Bが高さが異なる頂部を有する場合には、頂部の高さは、2種でも2種以上でもよい。また、頂部の高さの変化は、例えば2種の高さの凹凸を交互に形成する、3種の高さの凹凸を順番で形成するなど周期的であっても良く、あるいは、長手方向において頂部の高さが不規則に変化するなど非周期的であってもよい。
従って、本例においては、熱伝導性基板50Bにおける低剛性部56aの長手方向の間隔は、一定間隔ではなく、熱伝導性基板50Bの頂部の高さの変化に応じた繰り返しパターンとなる間隔、あるいは、非規則的な間隔になる。
熱伝導性基板50Bが高さが異なる頂部を有する場合には、頂部の高さの差は、モジュール70の大きさ、想定されるモジュール70の設置場所等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、熱伝導性基板50Bにおいて、モジュール10の頂部からの突出量が最も大きい頂部の突出量を最大突出量L2、それ以外の頂部のモジュール10の頂部からの突出量をL3とした際に、最大突出量L2と突出量L3との差Ldが、最大突出量L2の1/2以上であるのが好ましい。
すなわち、『Ld≧0.5L2(但し、Ld=L2−L3)』を満たすのが好ましい。
高さの異なる頂部を有する熱伝導性基板50Bにおいて、最大突出量L2と突出量L3との差Ldを、最大突出量L2の1/2以上とすることにより、モジュール72において、熱伝導性基板50Bの突出部に空気が篭もることを好適に防止して、放熱効果を向上して、より大きな発電量が得られる。
図10に示すモジュール70や図11に示すモジュール72においても、モジュール10の両面に、本発明の熱伝導性基板を設けてもよい。この際には、モジュール10の両面に同じ熱伝導性基板を設けてもよく、あるいは、モジュール10の裏面側には、上面側とは異なる熱伝導性基板を設けてもよい。
また、裏面に、上面とは異なる熱伝導性基板を用いる場合には、裏面側に設ける熱伝導性基板は、図10に示す例のようにモジュール10の蛇腹の凹凸よりも高い凹凸を有する蛇腹状であっても、モジュール10の蛇腹の凹凸と同じ高さの凹凸を有する蛇腹状であっても、モジュール10の蛇腹の凹凸に比して凹凸が低く、例えば図8に示す例のように接続電極18のみに対応する高さの凹凸を有する蛇腹状であってもよい。
なお、このように熱伝導性基板の頂部が、モジュール10の頂部から突出する構成は、長手方向に間隔を有して、山折り部と谷折り部とに金属層を有する熱伝導性基板50B以外にも、山折り部に金属層を有するものであれば、本発明の各種の熱伝導性基板が利用可能である。
例えば、図8に示すモジュール60のように、支持体52の全面に金属層54を有する熱伝導性基板50Aを用いる熱電変換モジュールでも、利用可能である。その一例を、図12の熱電変換モジュール74に示す。
この構成においても、モジュール10の頂部から突出する頂部を有する、金属層54が形成された熱伝導性基板50Aの山折り部によって、放熱効率を向上できる。なお、図12においては、低剛性部18aおよび低剛性部54aは省略する。
また、この例においても、熱伝導性基板50Aが高さの異なる頂部を有することにより、より放熱効率を向上できる。さらに、管等に巻き付けることで、熱伝導性基板50Aの山折り部が離間して、より高い放熱効果が得られる。
図13Aおよび図13Bに、本発明の熱電変換モジュールの第2の態様の別の例を示す。
この熱電変換モジュール76は、図8、図9Aおよび図9Bに示すモジュール60において、上面側の熱伝導性基板50Aの上に、蛇腹状の放熱部材78を積層したものである。
以下の説明では、『熱電変換モジュール76』を『モジュール76』とも言う。
放熱部材78は、熱伝導性を有する長尺な板状物を、山折りおよび谷折りを交互に行うことによって、蛇腹状にしたものである。従って、放熱部材78も、蛇腹状の折り返しによって、長手方向に交互に頂部および底部を有する。
なお、放熱部材78は、熱伝導性基板50A等と同様の理由で低剛性部54a等と同様の幅方向と平行な低剛性部を有し、この低剛性部において、山折りおよび谷折りを行われてもよい。
なお、放熱部材78の形成材料としては、アルミニウム、銅などの各種の金属材料等が例示される。
このような蛇腹状の放熱部材78は、プレス加工等の公知の方法で製造すればよい。また、モジュール10や熱伝導性基板50A等の製造方法に準じた方法でも製造できる。
このモジュール76は、前述の図9Aと同様、モジュール10と熱伝導性基板50Aとの凹凸を合わせて、モジュール10の両面に熱伝導性基板50Aを積層して積層体62とする。さらに、熱伝導性基板50Aと放熱部材78との凹凸を合わせて、表面側の熱伝導性基板50Aの上に、放熱部材78を積層して、モジュール76とする。
図13Bに示す例においては、好ましい態様として、図13Bに示すように、前述の図9Bと同様に、モジュール76を長手方向に圧縮している。さらに、放熱部材78の熱伝導性基板50Aから突出する部分も長手方向に圧縮して、折り返される放熱部材を密着させる。さらに、必要に応じて、圧縮したモジュール76を長手方向に圧縮するように、フレーム64で締付ける。
ここで、図13Aおよび図13Bに示すように、放熱部材78は、熱伝導性基板50Aの蛇腹の凹凸に比して、非常に高い凹凸を有する蛇腹状である。従って、熱伝導性基板50Aの山折り部の頂部と、放熱部材78の山折り部の頂部とは、対向する面が離間している。すなわち、放熱部材78の山折り部は、熱伝導性基板50Aの頂部から突出している。
そのためモジュール76は、熱伝導性基板50Aの頂部から突出する放熱部材78の山折り部によって、高い放熱効果が得られる。モジュール76は、これにより、熱電変換層における温度差を大きくして、熱電変換モジュールにおける発電量を大きくできる。
また、前述のように、熱伝導性基板50Aは、金属層54が図中上方に位置する。従って、金属製等で良好な熱伝導性を有する放熱部材78は、金属層54に接触して積層される。モジュール76は、この点でも、高い放熱効果を得られる。
なお、放熱部材78を有するモジュール76において、熱伝導性基板50Aの頂部からの、好ましい放熱部材78の突出量は、前述のモジュール70に準ずる。
モジュール76のように、熱伝導性基板50Aの頂部から突出する放熱部材78を有する構成であっても、放熱部材78は、高さが異なる凹凸(山折り部)を有するのが好ましい。これにより、先のモジュール72と同様、放熱部材78の熱伝導性基板50Aからの突出部における空気の通りを良好にして、より高い放熱効果が得られる。
なお、放熱部材78を有するモジュール76において、高さが異なる凹凸を有する場合には、好ましい山折り部の高さの差は、前述のモジュール72に準ずる。
図14に、本発明の第2の態様の熱電変換モジュールの別の例を概念的に示す。
この熱電変換モジュール82も、先の図13Bに示すモジュール76と同様、図9Aおよび図9Bに示すモジュール60において、上面側の熱伝導性基板50Aの上に、蛇腹状の放熱部材84を積層したものである。
なお、図14の下段において、左側は、熱電変換モジュール82を上方すなわち放熱部材84の上から見た平面図であり、右側は、熱電変換モジュール82を長手方向に見た側面図である。
以下の説明では、『熱電変換モジュール82』を『モジュール82』とも言う。
放熱部材84は、放熱部材78と同様、熱伝導性を有する長尺な板状物を、山折りおよび谷折りを交互に行うことによって、蛇腹状にしたものである。
従って、放熱部材78も、蛇腹状の折り返しによって、長手方向に交互に頂部および底部を有する。また、この放熱部材84も、熱伝導性基板50A等と同様の理由で低剛性部54a等と同様の幅方向と平行な低剛性部を有し、低剛性部において山折りおよび谷折りを行われてもよい。
このモジュール82も、図13Bに示すモジュール76と同様に作製できる。すなわち、モジュール10と熱伝導性基板50Aとの凹凸を合わせて、モジュール10の両面に熱伝導性基板50Aを積層して積層体62とする。さらに、熱伝導性基板50Aと放熱部材78との凹凸を合わせて、表面側(図中上方)の熱伝導性基板50Aの上に、放熱部材84を積層して、モジュール82とする。
このモジュール82も、長手方向に圧縮するのが好ましい。さらに、必要に応じて、圧縮したモジュール82の圧縮を維持するようにフレームで締付けてもよい。
ここで、モジュール82は、図14の下段に示すように、放熱部材84は、凹凸の大きさは熱伝導性基板50Aと略同一であるが、幅方向にモジュール本体となるモジュール10(積層体62)よりも突出している。すなわち、図14の上段においては、放熱部材84は、紙面と垂直方向にモジュール10よりも突出している。
このモジュール82においては、放熱部材84の幅方向にモジュール10から突出する領域が放熱フィンのように作用して、高い放熱効果が得られる。モジュール82は、これにより、熱電変換層における温度差を大きくして、熱電変換モジュールにおける発電量を大きくできる。
また、前述のように、熱伝導性基板50Aは、金属層54が図中上方に位置する。従って、金属製等で良好な熱伝導性を有する放熱部材84は、金属層54に接触して積層される。モジュール82は、この点でも、高い放熱効果を得られる。
モジュール82において、モジュール10からの放熱部材84の幅方向の突出量は、モジュール82の大きさ、想定されるモジュール82の設置場所等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、図14の下段に示すように、モジュール10の幅(幅方向の大きさ)をW、モジュール10からの幅方向への放熱部材84の突出量をPとした際に、突出量Pが、モジュール10の幅Wの0.1〜10倍であるのが好ましい。
すなわち、『0.1W≦P≦10W』を満たすのが好ましい。なお、この突出量は、熱伝導性基板50Aが幅方向にモジュール10よりも突出している場合には、熱伝導性基板50Aからの幅方向の放熱部材84の突出量とする。
幅方向への放熱部材84の突出量Pをモジュール10の幅Wの0.1倍以上とすることにより、充分な放熱効果を得て、発電量を向上できる。
また、幅方向への放熱部材84の突出量Pがモジュール10の幅Wの10倍以上になると、それ以上突出量を大きくしても、放熱効果の向上効果は小さい。従って、放熱部材84の突出量Pをモジュール10の幅Wの10倍以下とすることにより、モジュール82が不要に大きくなることを防止して、設置場所の自由度の向上、モジュール82の用途の拡大等を図ることができる。
図15に、放熱部材84が幅方向にモジュール10から突出するモジュール82の使用例を概念的に示す。なお、放熱部材84の突出方向から明らかなように、図15では、図中横方向が幅方向であり、従って、紙面と垂直方向が長手方向である。
図15に示すように、このモジュール82を使用する際には、高温の熱源90の上にモジュール82を載置すると共に、熱源90におけるモジュール82の載置領域以外に断熱材92を載置して、断熱材92の上に放熱部材84と同様の金属等からなる熱伝導性部材94を載置し、この熱伝導性部材94に放熱部材84のモジュール10からの突出領域を載置させるのが好ましい。
なお、断熱材92は、グラスウール等の公知の各種の物が利用可能であり、また、市販の断熱材を用いてもよい。
モジュール82を図15に示すように使用することにより、放熱部材84の幅方向へのモジュール10からの突出領域を、ほぼ室温の熱伝導性部材94に接触できる。
従って、放熱部材84の突出領域が高温の熱源90によって加熱されることを防止して、ほぼ室温に保てるので、モジュール10の熱電変換層に充分な温度差をつけることができ、その結果、モジュール82による発電量を大きくできる。
なお、放熱部材84が幅方向にモジュール10から突出するモジュール82においても、放熱部材84の凹凸を熱伝導性基板50Aの凹凸よりも高くして、放熱部材84の山折り部を熱伝導性基板50Aから大きく突出させてもよい。
さらに、熱伝導性基板50Aから突出した放熱部材84の山折り部が、高さの異なる凹凸を有してもよい。
また、放熱部材84は、幅方向の両側に突出するのみならず、幅方向の片側のみに突出してもよい。
このような構成は、図8に示すモジュール60、図10に示すモジュール70、図11に示すモジュール72、および、図12に示すモジュール74のように、放熱部材を有さない熱電変換モジュールでも、利用可能である。
すなわち、モジュール60やモジュール70等において、熱伝導性基板50Aや熱伝導性基板50Bの幅方向の大きさを、モジュール10の幅方向の大きさよりも大きくして、熱伝導性基板50Aや熱伝導性基板50Bを、幅方向に、モジュール10から突出させてもよい。なお、この際には、必ずしも、熱伝導性基板50B等の頂部は、モジュール10の頂部から大きく突出させる必要はない。すなわち、熱伝導性基板50B等の凹凸の高さは、モジュール10の凹凸の高さに応じたものとすればよい。
この構成でも、同様に、モジュール10の冷却側における冷却効率を向上して、熱電変換層における温度差を大きくして、発電量を向上できる。
以上の本発明の熱電変換モジュールは、いずれも、熱電変換層と金属層とを設け、かつ、長手方向に等間隔の低剛性部を金属層に設け、この低剛性部において山折りおよび谷折りで交互に折り曲げることで、蛇腹状の形状を有する。
これに対し、本発明の第3の態様の熱電変換モジュールは、長尺な支持体の一方の面に配列して熱電変換層を設け、各熱電変換層を長手方向に側部において、各熱電変換層を電気的に接合した構成を有する。このような本発明の熱電変換モジュールによれば、部材の数を低減して、簡易な構成の熱電変換モジュールを得ることができる。
以上、本発明の熱電変換モジュール、熱電変換モジュールの製造方法および熱伝導性基板について説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行っても良いのは、もちろんである。
発電装置等に、好適に利用可能である。
10,60,70,72,74,76,82 (熱電変換)モジュール
12,12B,12C,52,52B 支持体
12A,52A 積層体
12M,52M 金属膜
12AR ロール
12BR,12CR,52AR 支持体ロール
12M 金属膜
14p p型熱電変換層
16n n型熱電変換層
18 接続電極
18a,54a,56a 低剛性部
20 エッチング装置
24 成膜装置
26a,26b 歯車
28 上板
30 下板
32 押圧部材
34 付当て部
50A,50B,50C,50D 熱伝導性基板
54,56 金属層
62,80,86 積層体
78,84 放熱部材
90 熱源
92 断熱材
94 熱伝導性部材

Claims (20)

  1. 可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体と、
    前記支持体の一方の面に、前記支持体の長手方向に間隔を有して形成される、複数の金属層と、
    前記支持体の前記金属層と同じ面に、前記支持体の長手方向に間隔を有して形成される複数の熱電変換層と、
    前記支持体の長手方向に隣接する前記熱電変換層を接続する接続電極と、を有し、
    前記金属層は剛性が他の領域よりも低い低剛性部を前記支持体の幅方向と平行に有し、かつ、前記低剛性部の間隔が支持体の長手方向に一定であり、さらに、前記金属層の低剛性部において、長手方向に山折りおよび谷折りで交互に折れ曲がっていることを特徴とする熱電変換モジュール。
  2. 前記接続電極が金属層を兼ねる請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記低剛性部が、前記金属層に形成される前記支持体の幅方向と平行な1つ以上のスリット、および、前記金属層に形成される前記支持体の幅方向と平行な破線の少なくとも一方である請求項1または2に記載の熱電変換モジュール。
  4. 前記熱電変換層として、前記支持体の長手方向に交互に形成されるp型熱電変換層とn型熱電変換層とを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換モジュール。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換モジュールからなるモジュール本体、および、
    可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体と、前記支持体の一方の面に、全面的に形成される、または、一部に形成される、または、前記支持体の長手方向に間隔を有して複数形成される、金属層と、を有し、前記金属層は剛性が他の領域よりも低い低剛性部を前記支持体の幅方向と平行に有し、前記金属層の低剛性部において、長手方向に、山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっている熱伝導性基板、を有し、
    前記熱伝導性基板の支持体を、前記モジュール本体の折れ曲がりによって接続電極が露出している側の面に向け、前記モジュール本体と熱伝導性基板との凹凸を合わせて、前記モジュール本体と熱伝導性基板とを積層したことを特徴とする熱電変換モジュール。
  6. 前記熱伝導性基板の支持体を前記モジュール本体側に向けて、前記モジュール本体と熱伝導性基板との凹凸を合わせて、前記モジュール本体の両面に前記熱伝導性基板を積層する請求項5に記載の熱電変換モジュール。
  7. 前記熱伝導性基板の山折り部の頂部と、前記モジュール本体の山折り部の頂部との距離が、前記モジュール本体の凹凸の高さの0.5〜5倍である請求項5または6に記載の熱電変換モジュール。
  8. 前記熱伝導性基板は、高さが異なる凹凸を有する請求項7に記載の熱電変換モジュール。
  9. 前記熱伝導性基板が、前記支持体の幅方向に前記モジュール本体よりも突出している請求項5〜8のいずれか1項に記載の熱電変換モジュール。
  10. 山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっている、長尺な熱伝導性の板状物からなる放熱部材を有し、
    前記熱伝導性基板の山折り部の頂部と、前記放熱部材の山折り部の頂部とで、対向する面が離間するように、前記熱伝導性基板と放熱部材との凹凸を合わせて、前記熱伝導性基板に放熱部材を積層した請求項5または6に記載の熱電変換モジュール。
  11. 前記放熱部材は、剛性が他の領域よりも低い低剛性部を幅方向と平行に有し、かつ、前記低剛性部において、山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっている請求項10に記載の熱電変換モジュール。
  12. 前記放熱部材は、高さが異なる凹凸を有する請求項10または11に記載の熱電変換モジュール。
  13. 山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっている、長尺な熱伝導性の板状物からなる、幅方向の大きさが前記モジュール本体よりも大きい放熱部材を有し、
    前記放熱部材が、前記支持体の幅方向に前記モジュール本体よりも突出するように、前記熱伝導性基板と放熱部材との凹凸を合わせて、前記熱伝導性基板に放熱部材を積層した請求項5または6に記載の熱電変換モジュール。
  14. 前記放熱部材は、剛性が他の領域よりも低い低剛性部を幅方向と平行に有し、かつ、前記低剛性部において、山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっている請求項13に記載の熱電変換モジュール。
  15. 可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体を長手方向に搬送しつつ、
    前記支持体の一方の面に、前記支持体の長手方向に間隔を有して複数の熱電変換層を形成する変換層形成工程;
    前記支持体の前記熱電変換層と同じ面に、前記支持体の長手方向に隣接する前記熱電変換層を接続する接続電極を形成する電極形成工程;
    前記支持体の前記熱電変換層と同じ面に、前記支持体の長手方向に間隔を有して複数の金属層を形成する金属層形成工程;
    および、前記金属層に、前記支持体の幅方向と平行で剛性が他の領域よりも低い低剛性部を、前記支持体の長手方向の間隔が一定となるように形成する低剛性部形成工程; を行い、
    さらに、前記金属層形成工程、変換層形成工程、低剛性部形成工程および電極形成工程を行った後に、前記支持体を長手方向に搬送しつつ、前記金属層の低剛性部において、前記支持体を長手方向に山折りおよび谷折りで交互に折り曲げる折り曲げ工程、を行うことを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
  16. 前記電極形成工程が、前記金属層形成工程も兼ねる請求項15に記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  17. 前記支持体が、一面の全面に金属膜が形成されたものであり、
    前記金属膜の除去によって、前記電極形成工程、金属層形成工程および低剛性部形成工程を同時に行う請求項15または16に記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  18. 前記折り曲げ工程を、前記支持体を、前記低剛性部の間隔よりも狭いピッチを有する、互いに歯合する歯車間を通過させることによって行う請求項15〜17のいずれか1項に記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  19. 可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体と、
    前記支持体の一方の面に、全面的に形成される、または、一部に形成される、または、前記支持体の長手方向に間隔を有して複数形成される、金属層と、を有し、
    前記金属層が剛性が他の領域よりも低い低剛性部を前記支持体の幅方向と平行に有し、さらに、前記金属層の低剛性部において、長手方向に、山折りで、または谷折りで、または山折りおよび谷折りで交互に、折れ曲がっていることを特徴とする熱伝導性基板。
  20. 可撓性を有する絶縁性の長尺な支持体と、前記支持体の一方の面に、前記支持体の長手方向に間隔を有して形成される複数の熱電変換層とを有し、前記熱電変換層が、前記支持体の長手方向の側部において隣接する熱電変換層と電気的に接続されていることを特徴とする熱電変換モジュール。
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