JPWO2017033814A1 - 有機ケイ素化合物、高分子化合物、無機材料および樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

下記一般式(I)で表される有機ケイ素化合物。
【化1】
Figure 2017033814

(式中、R〜Rはそれぞれ独立して塩素原子、メトキシ基またはエトキシ基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。)

Description

本発明は、新規な有機ケイ素化合物、高分子化合物、無機材料および樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、シリル基のβ位にアルキル基を有する有機ケイ素化合物、該有機ケイ素化合物由来の構成単位を有する高分子化合物、該有機ケイ素化合物により表面処理された無機材料および前記無機材料を含有する樹脂組成物に関する。
シランカップリング剤は、樹脂と無機材料との間の密着性向上のために広く用いられている。
シランカップリング剤は典型的にはケイ素原子にメトキシ基やエトキシ基などの加水分解基とアミノ基やエポキシ基などの有機官能基が結合した化合物で、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
典型的な使用方法としては、シランカップリング剤により無機充填材を前もって表面処理した後、樹脂に添加する方法が挙げられる。この場合、シランカップリング剤の加水分解基は溶液中や空気中の水分、無機材料表面の吸着水分等によって加水分解されて水酸基に変化し、分子間脱水縮合によりオリゴマーが生成される。オリゴマーの余剰の水酸基は無機材料表面の水酸基と水素結合を形成し、オリゴマーが無機材料と結合する。その後、熱乾燥処理等により脱水・縮合が生じ、表面にシランカップリング剤オリゴマーが強固に化学結合した無機材料が得られる。こうして表面処理された無機材料を樹脂と組み合せることで、無機材料と樹脂が強固に密着される。
その他の使用方法としては、樹脂とシランカップリング剤を前もって複合化させたうえで無機材料と結合させる方法が挙げられる。例えば、炭素−炭素二重結合を有するシランカップリング剤と、メタクリル酸メチル等とを共重合させ、得られた樹脂を無機材料と結合させる方法がある。このような方法により、例えば無機材料表面への強固な塗装が可能になる。
しかしながら、高温多湿な使用条件下、および酸性または塩基性の使用条件下においてはシランカップリング剤層の加水分解により無機材料と樹脂が剥離することが問題視されており、耐加水分解性に優れたシランカップリング剤が提案されている。例としては、長鎖スペーサー型シランカップリング剤(特許文献1)、ペルフルオロアルキレン基含有シランカップリング剤(特許文献2)等が挙げられる。
特開昭64−50887号公報 特開2000−248114号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の直鎖アルキル長鎖スペーサー型シランカップリング剤を用いた場合、シランカップリング剤層の耐加水分解性は向上するが、無機材料と樹脂との間の密着性が低下するという課題や、シランカップリング剤の無機材料表面への導入速度が遅いという課題があった。また、特許文献2に記載のペルフルオロアルキレン基含有型シランカップリング剤では、シランカップリング剤層の耐加水分解性は向上するが、製造するための原料であるペルフルオロジイオドアルカンが高価で入手困難であるという課題があった。
しかして本発明の目的は、シランカップリング剤として用いた場合に無機材料表面に円滑に導入され、無機材料と樹脂との間の密着性向上効果が高く、かつシランカップリング剤層の耐加水分解性に優れる有機ケイ素化合物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、シリル基のβ位にアルキル基を有する有機ケイ素化合物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記[1]〜[4]を提供する。
[1]下記一般式(I)で表される有機ケイ素化合物。
Figure 2017033814
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して塩素原子、メトキシ基またはエトキシ基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
[2][1]の有機ケイ素化合物由来の構成単位を有する高分子化合物。
[3][1]の有機ケイ素化合物により表面処理された無機材料。
[4][3]の無機材料を含有する樹脂組成物。
本発明の有機ケイ素化合物をシランカップリング剤として用いることで、シランカップリング剤が無機材料表面に円滑に導入され、かつ無機材料と樹脂との間の密着性およびシランカップリング剤層の耐加水分解性が向上する。
[有機ケイ素化合物]
以下、本発明の一般式(I)で表される有機ケイ素化合物(以下、化合物(I)と称する)について説明する。
〜Rは、それぞれ独立して塩素原子、メトキシ基またはエトキシ基を表す。これらのうち、メトキシ基またはエトキシ基であることが好ましい。
は炭素数1〜10のアルキル基を表す。Rが表すアルキル基は直鎖状に限定されず、分岐状または環状であってもよく、直鎖および/または分岐構造と環状構造が結合した構造であってもよい。
が表す炭素数1〜10のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプタニル基、シクロオクタニル基などが挙げられる。中でも、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基がさらに好ましく、メチル基が最も好ましい。
は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。Rが表すアルキレン基は直鎖状に限定されず、分岐状または環状であってもよく、直鎖および/または分岐構造と環状構造が結合した構造であってもよい。
が表す炭素数1〜10のアルキレン基の例としては、メチレン基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基などが挙げられる。無機材料と樹脂との密着性向上の観点から、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましく、メチレン基またはエチレン基がさらに好ましく、メチレン基が最も好ましい。
は、化合物(I)において、無機材料との結合に伴う脱水縮合に関わる部位と、樹脂との反応に関わる部位である(メタ)アクリロイル基との間のスペーサーとしての役割を有する。ここで、「(メタ)アクリロイル基」とはメタクリロイル基またはアクリロイル基を表す。スペーサーとしてRが存在することにより、脱水縮合に関わる部位と、樹脂と反応する(メタ)アクリロイル基とが適切な距離を保ち、円滑な脱水縮合が行われる。
は、水素原子又はメチル基を表す。
化合物(I)において、シリル基のα位の炭素は2つの水素原子を有し、β位の炭素は少なくとも1つのアルキル基を有する。化合物(I)がシランカップリング剤として作用する場合、R〜Rは加水分解により水酸基となり、該水酸基のうち少なくともひとつが無機材料表面の水酸基と脱水縮合する。
この際、シリル基の近傍にアルキル基が存在すると、当該アルキル基は脱水縮合部への水の接近の障害となり、シランカップリング剤層の加水分解が抑制される。
一方で、そのようなアルキル基は、R〜Rの加水分解による水酸基の発生をも抑制しうるため、無機材料表面への円滑な結合の妨げとなる恐れがある。
本発明者らの詳細な検討により、シリル基のα位の炭素がアルキル基を有する場合には、R〜Rへの水の接近を過剰に妨げ、R〜Rの加水分解を抑制し、無機材料表面への円滑な結合を妨げることが判明した。一方、シリル基のα位、β位の炭素がそれぞれ水素原子を2つずつ有し、γ位の炭素がアルキル基を有する場合には、脱水縮合部への水等の接近を妨げる効果が小さく、シランカップリング剤層の加水分解の抑制効果が小さいことが判明した。
しかし、シリル基に対し、α位の炭素が2つの水素原子を有し、β位の炭素がアルキル基を有する場合には、R〜Rの加水分解による水酸基の発生を妨げずに無機材料表面に円滑にシランカップリング剤層を導入することができ、かつ、シランカップリング剤層形成後においては脱水縮合部への水等の接近が適度に妨げられ、加水分解が効果的に抑制されることを見出した。
化合物(I)の具体例として下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2017033814
Figure 2017033814
化合物(I)の製造方法に特に制限はなく、公知方法を組み合わせることにより製造できる。例としては、まずアルコール(II)と、(メタ)アクリル酸(III)または(メタ)アクリル酸ハライド(V)とよりエステル化合物(IV)を得、次いでヒドロシラン類(VI)を用いてヒドロシリル化することより有機ケイ素化合物(I)を製造する方法(製造法1)、ハロシラン化合物(VII)と(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩(VIII)とより有機ケイ素化合物(I)を製造する方法(製造法2)などがある。
(製造法1)
Figure 2017033814
(式中、R〜Rは前記定義の通りである。Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
(製造法2)
Figure 2017033814
(式中、R〜RおよびXは前記定義の通りである。Mはナトリウム原子またはカリウム原子を表す。)
以下、製造法1について詳細に説明する。
なお、酸の存在下、アルコール(II)と(メタ)アクリル酸(III)とよりエステル化合物(IV)を得る工程を工程1−1a、アルコール(II)と(メタ)アクリル酸ハライド(V)とよりエステル化合物(IV)を得る工程を工程1−1b、白金系触媒の存在下、工程1−1aまたは工程1−1bにより得られたエステル化合物(IV)を、ヒドロシラン類(VI)を用いてヒドロシリル化することにより化合物(I)を得る工程を工程1−2と称する。
(工程1−1a)
(メタ)アクリル酸の使用量に特に制限はないが、原料のアルコール(II)に対して、通常、0.8〜10モル倍の範囲であることが好ましく、収率及び容積効率の観点から、1〜5倍モルであることがより好ましい。
工程1−1aは、溶媒の存在下または非存在下に実施することができる。
かかる溶媒としては反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、へプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;クロロベンゼン、フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などが挙げられる。これらは一種類を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
溶媒を使用する場合の使用量に特に制限はないが、原料のアルコール(II)に対して、通常、0.5〜20質量倍の範囲であることが好ましく、容積効率の観点からは、1〜5質量倍の範囲であることが好ましい。
工程1−1aでは反応の進行に従って水が副生し、反応が平衡状態となる。そのため、目的とするエステル化合物(IV)の収率向上の観点からは、かかる水を反応系外に除去しながら反応を行うことが好ましい。水を反応系外に除去する方法に特に制限はないが、例えば、水と共沸する溶媒を共存させ、該溶媒と共沸させて反応系外に水を除去する方法が好ましく、かかる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、へプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類などが挙げられる。また、モレキュラーシーブなどの反応に悪影響を及ぼさない脱水剤を反応系に共存させることにより、副生する水を除去してもよい。
工程1−1aで使用する酸としては、例えば硫酸、塩酸などの鉱酸;p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸;アルミニウムトリイソプロポキシド、チタンアセチルアセトナート、バナジウムアセチルアセトナートなどのルイス酸;ケイモリブデン酸、リンタングステン酸などのヘテロポリ酸;シリカ−アルミナ、活性白土、酸性イオン交換樹脂などの固体酸などが挙げられる。これらの中でも、反応を円滑に進行させる観点からは有機酸または鉱酸を用いることが好ましい。酸の使用量に特に制限はないが、原料のアルコール(II)に対して、通常、0.0001〜40質量%の範囲であることが好ましく、反応速度及び副反応抑制の観点からは、0.001〜20質量%の範囲であることがより好ましい。
工程1−1aは、重合禁止剤の存在下に実施することが好ましい。かかる重合禁止剤としては、例えばヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンなどのヒドロキノン類;p−ベンゾキノンなどのキノン類;α−ナフトール、β−ナフトールなどのナフトール類;カテコール、3,5−ジ−t−ブチルカテコールなどのカテコール類などが挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、反応混合物全体の質量に対して5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
工程1−1aにおける反応温度は、通常20〜200℃の範囲であることが好ましく、50〜150℃の範囲であることがより好ましい。また、反応は、空気雰囲気下でも、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下でも実施することができる。さらに、反応は大気圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。
反応終了後、使用した酸に応じ、適宜、反応混合物を水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液などの塩基性物質の水溶液で洗浄して酸を除去するか、またはろ過、デカンテーションなどにより固体酸を除去した後、濃縮し、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段で精製することによって、目的とするエステル化合物(IV)を分離取得することができる。
(工程1−1b)
工程1−1bで用いる(メタ)アクリル酸ハライド(V)において、Xは塩素原子であることが好ましい。(メタ)アクリル酸ハライド(V)の使用量に特に制限はないが、原料のアルコール(II)に対して、通常、0.8〜10モル倍の範囲であることが好ましく、収率及び容積効率の観点から、1〜5倍モルであることがより好ましい。
工程1−1bは、溶媒の存在下または非存在下に実施することができる。使用できる溶媒は反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、へプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;クロロベンゼン、フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、キノリン、トリエチルアミン、トリメチルアミンなどの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類などが挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量に特に制限はないが、原料のアルコール(II)に対して、通常、0.5〜200質量倍であることが好ましく、容積効率の観点からは1〜50質量倍であることがより好ましい。
工程1−1bは、塩基性化合物の存在下または非存在下に実施することができる。塩基性化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、キノリン、イソキノリン、1,8−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等を使用することができ、これらのうち、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンが好ましい。塩基性化合物の使用量に特に制限はないが、(メタ)アクリル酸ハライド(V)に対して、0.8〜20モル倍であることが好ましく、1〜10モル倍であることがより好ましい。これらの塩基性化合物は単独で、または2種類以上を混合して使用してもよい。また、これらの塩基性化合物を溶媒としてもよい。
工程1−1bは、重合禁止剤の存在下に実施することが好ましい。かかる重合禁止剤としては、例えばヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンなどのヒドロキノン類;p−ベンゾキノンなどのキノン類;α−ナフトール、β−ナフトールなどのナフトール類;カテコール、3,5−ジ−t−ブチルカテコールなどのカテコール類;p−ヒドロキシジフェニルアミン、フェノチアジン、ジエチルヒドロキシルアミンなどのアミン類;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルなどのN−オキシル類などが挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、反応混合物全体の質量に対して5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
反応温度は、通常、−40〜100℃の範囲であることが好ましく、−20〜60℃の範囲であることがより好ましい。
反応終了後、反応混合物の水洗等を行い、得られた該有機層を濃縮した後、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段で精製することによって、目的とするエステル化合物(IV)を分離取得することができる。
(工程1−2)
工程1−2で用いられるヒドロシラン類(VI)は、例えばトリクロロシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどが挙げられる。
工程1−2で用いられる白金系触媒としては、好ましくは塩化白金系触媒を用いることができ、具体的にはヘキサクロリド白金(IV)酸(HPtCl)、塩化白金・不飽和ケトン錯体、塩化白金・β−ジケトン錯体、塩化白金オレフィン錯体などが挙げられる。白金系触媒の使用量に特に制限はないが、原料のエステル化合物(IV)1モルに対し、10−7〜10−3モルが好ましく、10−6〜10−3モルがより好ましい。
工程1−2は、溶媒の存在下または非存在下に実施することができる。使用できる溶媒は反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、へプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;クロロベンゼン、フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類などが挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量に特に制限はないが、原料のエステル化合物(IV)に対して、通常、0.5〜100質量倍であることが好ましく、容積効率の観点からは1〜10質量倍であることがより好ましい。
反応温度は、通常、−10〜100℃の範囲であることが好ましく、20〜80℃の範囲であることがより好ましい。反応時間は、通常、0.5時間〜48時間である。
化合物(I)において、R〜Rがメトキシ基またはエトキシ基である化合物を得たい場合は、トリメトキシシランまたはトリエトキシシランを用いて直接合成する方法や、トリクロロシランと反応させたのちに、メタノールまたはエタノール中で所望のアルコキシ体を得る方法でも取得できる。トリクロロ体経由の場合、アルコキシ化の際に発生する塩化水素を捕捉する為に、塩基としてトリエチルアミン、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどを共存させることもできる。塩基の使用量に特に制限はないが、ヒドロシラン類(VI)に対して、通常、0.8〜20モル倍であることが好ましく、1.0〜10モル倍であることがより好ましい。
反応は、常圧下または加圧下で実施できるが、通常は常圧下で行われる。
反応終了後に得られる化合物(I)は、有機化合物の単離・精製において通常用いられる方法により単離することができる。例えば、反応混合物をろ過後、濃縮し、減圧蒸留などにより精製することで、目的とする有機ケイ素化合物(I)を得ることができる。また、反応混合物をそのまま濃縮することでシランカップリング剤として使用することもできる。
このようにして製造される化合物(I)はシランカップリング剤としての機能を有し、無機材料の表面改質、接着剤の接着性の向上、被膜の耐久性向上、有機ポリマーの架橋化等を目的として、接着剤、プライマー、シーラント、シーリング材、塗料、コーティング材、ガラス繊維強化樹脂、無機フィラー配合樹脂、複合強化樹脂、印刷用インク、エラストマー材料、熱可塑性樹脂材料、複合材料、電気絶縁体等に広く使用可能である。
[高分子化合物]
本発明の高分子化合物は、化合物(I)由来の構成単位を有する。
そのような高分子化合物は、例えば化合物(I)単独を重合、または化合物(I)および他のモノマーを共重合させることによって得られる。
前記他のモノマーとしては化合物(I)と共重合可能なものであれば制限はなく、例えばエチレンやプロピレンなどのオレフィン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレンなどのビニル芳香族化合物;ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエンなどの共役ジエンなどが挙げられる。
本発明の高分子化合物は化合物(I)由来の構成単位を有するため、無機材料表面への密着性が高く、塗料やコーティング剤等として有用である。
[無機材料および樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は化合物(I)により表面処理された無機材料(典型的には無機充填材)を含有する。なお、本明細書中において、「樹脂」とはエラストマーも含む概念である。
化合物(I)により表面処理される無機材料としては、一般にシラノール基と反応し、結合を形成する無機材料からなるものであれば特に限定はなく、無機材料の形状も特に限定されない。そのような無機材料としては、例えばケイ素、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、スズ及びそれらの単独又は複合酸化物からなるフィラー;ガラス繊維、ガラスクロス、ガラステープ、ガラスマット、ガラスペーパー等のガラスフィラー;シリカ系充填材;クレー、マイカ、タルク、ワラストナイト等の鉱物系充填材;鉄、アルミニウム等の金属基材等が挙げられる。
無機材料の表面処理方法に特に制限はない。例えば、無機材料を樹脂に添加した後に原液あるいは有機溶剤や水等で希釈した化合物(I)を添加し混合する方法や、無機材料を樹脂に添加する前に予め乾式法や湿式法により化合物(I)により処理する方法や、有機溶剤や水等で希釈した化合物(I)を無機材料に直接塗布するプライマー法などが挙げられる。
無機材料の表面処理においては、熱による乾燥処理を伴うことが好ましい。熱による乾燥処理を行うことにより、化合物(I)の水酸基と無機材料表面の水酸基との間における脱水縮合が進行し、強固な結合を形成できる。
乾燥処理における温度は、通常60〜180℃であり、好ましくは80〜150℃である。また、乾燥時間は5分〜4時間が好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成する樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテル、アクリル樹脂、ジアリルフタレート、ブチルゴム等が挙げられる。
これらの樹脂は1種を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、上記表面処理された無機材料および樹脂の他、用途に応じて溶剤、界面活性剤、防腐剤、変色防止剤、酸化防止剤、難燃剤、光安定剤、表面処理されていない無機充填材等の他の添加剤を、本発明の趣旨を損なわない範囲で含有してもよい。
本発明の樹脂組成物は、上記の各構成成分を、公知の方法に従って混合することにより調製できる。例えば、樹脂とその他の成分をドライブレンドする方法、押出機を用いて各構成成分を溶融混練する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物を成形することにより、無機材料と樹脂との間の密着性が高く、かつシランカップリング剤層の耐加水分解性に優れる成形体を得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<実施例1>
(工程1−1b:3−メチル−3−ブテン メタクリレートの合成)
Figure 2017033814
撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた200ml反応器に、窒素気流下、3−メチル−3−ブテン−1−オール5.0g(58.1mmol)、ジクロロメタン40ml、トリエチルアミン17.6g(174mmol)を仕込み、撹拌しながら内温5℃以下に冷却した。メタクリル酸クロリド12.2g(117mmol)を内温5℃以下を保持しながら滴下し、終了後は25℃に昇温した。内温25℃で4時間撹拌し反応が終了したことを確認したのち、内温5℃以下に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム50gを加え撹拌したのち、有機相を分離した。該有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50g、次いで飽和食塩水50gで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過した。ろ液にヒドロキノンモノメチルエーテル5mgを加え減圧濃縮した。該濃縮物をシリカゲルカラムクロマトにて精製することで、3−メチル−3−ブテン メタクリレート4.7g(30.8mmol;収率53%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ:6.10(s,1H),5.55−5.54(m,1H),4.81(s,1H),4.76(s,1H),4.26(t,J=6.8Hz,2H),2.39(t,J=6.8Hz,2H),1.94(s,3H),1.78(s,3H)
(工程1−2:4−メタクリロキシ−2−メチルブチルトリメトキシシランの合成)
Figure 2017033814
窒素気流下、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた25ml反応器に、3−メチル−3−ブテン メタクリレート1.0g(6.48mmol)を仕込み、HPtCl・6HO1.8mg(3.48μmol)のテトラヒドロフラン溶液0.3mlを加えた後、トリクロロシラン1.32g(9.74mmol)を滴下し、25℃で20時間撹拌した。別途、用意した撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた50ml反応器に、メタノール5mlとトリエチルアミン8mlを仕込み、5℃以下で撹拌しながら、該反応液を滴下した。滴下後、25℃で2時間撹拌した。反応液を濃縮し、ジイソプロピルエーテル10mlを加え析出した塩をろ過した。該ろ液を濃縮することで、4−メタクリロキシ−2−メチルブチルトリメトキシシラン1.10g(3.95mmol;収率61%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ:6.10(s,1H),5.55−5.54(m,1H),4.18(t,J=7.2Hz,2H),3.56(s,9H),1.94(s,3H),1.94−1.82(m,1H),1.78−1.52(m,2H),1.02(d,J=6.4Hz,3H),0.78(dd,J=15.2,5.6Hz,1H),0.58(dd,J=15.2,8.4Hz,1H)
<実施例2>
(工程1−1b:3−メチル−3−ブテン アクリレートの合成)
Figure 2017033814
撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた200ml反応器に、窒素気流下、3−メチル−3−ブテン−1−オール5.0g(58.1mmol)、ジクロロメタン40ml、トリエチルアミン17.6g(174mmol)を仕込み、撹拌しながら内温5℃以下に冷却した。アクリル酸クロリド8.0g(88.4mmol)を内温5℃以下を保持しながら滴下し、終了後は25℃に昇温した。内温25℃で4時間撹拌し反応が終了したことを確認したのち、内温5℃以下に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム50gを加え撹拌したのち、有機相を分離した。該有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50g、次いで飽和食塩水50gで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥しろ過した。ろ液にヒドロキノンモノメチルエーテル5mgを加え減圧濃縮した。該濃縮物をシリカゲルカラムクロマトにて精製することで、3−メチル−3−ブテン アクリレート5.6g(40.0mmol;収率69%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ:6.40(dd,J=17.2,1.6Hz,1H),6.12(dd,J=17.2,10.4Hz,1H)、5.82(dd,J=10.4,1.6Hz,1H)、4.82(s,1H),4.76(s,1H),4.28(t,J=6.8Hz,2H)、2.39(t,J=6.8Hz,1H)、1.77(s,3H)
(工程1−2:4−アクリロキシ−2−メチルブチルトリメトキシシランの合成)
Figure 2017033814
窒素気流下、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた25ml反応器に、3−メチル−3−ブテン アクリレート1.0g(7.13mmol)を仕込み、HPtCl・6HO1.8mg(3.48μmol)のテトラヒドロフラン溶液0.3mlを加えた後、トリクロロシラン1.45g(10.7mmol)を滴下し、25℃で20時間撹拌した。別途、用意した撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた50ml反応器に、メタノール5mlとトリエチルアミン8mlを仕込み、5℃以下で撹拌しながら、該反応液を滴下した。滴下後、25℃で2時間撹拌した。反応液を濃縮し、ジイソプロピルエーテル10mlを加え析出した塩をろ過した。該ろ液を濃縮することで、4−アクリロキシ−2−メチルブチルトリメトキシシラン1.35g(4.21mmol;収率59%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ:6.54(dd,J=17.2,1.6Hz,1H),6.27(dd,J=17.2,10.4Hz,1H),5.95(dd,J=10.4,1.6Hz,1H),4.26(t,J=6.8Hz,2H),3.58(s,9H),1.95−1.81(m,1H),1.76−1.58(m,2H),1.05(d,3H),0.96−0.84(m,1H),0.78−0.65(m,1H)
<実施例3>
メタクリル酸メチル、実施例1で得られた4−メタクリロキシ−2−メチルブチルトリメトキシシランおよび2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を50:50:0.2(モル比)となる割合で、反応物が全体の25質量%となるようにメチルイソブチルケトンに溶解し、窒素バブリングを行った後に70℃で8時間反応させた。反応後の混合物に対しメッシュ濾過を行い、共重合体を得た。
次に、入手した共重合体100質量部(固形分換算)にトルエン100質量部を加えて希釈溶液とし、有機金属触媒としてオルトチタン酸テトラブチルを該共重合体の固形分に対し5質量部加え、撹拌機を用いて均一に混合並びに脱泡し、コーティング剤組成物を得た。25℃、湿度50%の空気下で該コーティング剤組成物をバーコーター(No.14)にてガラス板にコーティングし、室温で乾燥させて後述する各種評価を実施した。
<比較例1>
4−メタクリロキシ−2−メチルブチルトリメトキシシランの代わりに3−メタクリロキシ−プロピルトリメトキシシランを用いた以外は実施例3と同様に共重合体の製造およびコーティングを行い、後述する各種評価を実施した。
<比較例2>
4−メタクリロキシ−2−メチルブチルトリメトキシシランの代わりに8−メタクリロキシ−オクチルトリメトキシシランを用いた以外は実施例3と同様に共重合体の製造およびコーティングを行い、後述する各種評価を実施した。
[各種評価]
(低温硬化性)
コーティング剤組成物をガラス板に塗布後、アセトンを含浸させた脱脂綿で塗膜表面を擦った際、剥がれや傷が目視で確認されなくなる状態になるまでに要した時間を確認した。結果を表1に示す。
(鉛筆硬度)
コーティング剤組成物をガラス板に塗布後、1週間後にJIS K5600−5−4による鉛筆引掻き試験に準じた方法で測定した。結果を表1に示す。
(耐アルカリ性)
コーティング剤組成物をガラス板に塗布して室温で1週間静置した後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を一滴、計2か所垂らして室温にて1時間静置し、その後水で水滴を洗い流し余分な水を拭き取り、膜の溶解や水滴の痕跡を目視で確認した。水滴の痕跡が全く観測されなかった場合には、耐アルカリ性に優れるものとして「○」と評価した。コーティングの溶解または剥がれが確認された場合には「×」と評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017033814
表1の結果から、本発明の有機ケイ素化合物由来の構成単位を有する高分子化合物は、8−メタクリロキシ−オクチルトリメトキシシランのような長鎖のシランカップリング剤を用いた場合よりも無機材料表面への導入がスムーズであり、かつ無機材料表面との密着性に優れ、かつ塩基性条件下における耐加水分解性に優れることがわかる。
<実施例4>
石英板を濃塩酸に浸漬し、表面の付着物を除去した後、蒸留水にて洗浄し、乾燥を行った。前記石英板を、実施例1で得られた4−メタクリロキシ−2−メチルブチルトリメトキシシランの2.0mol/Lのエタノール/水(95/5、v/v)溶液に25℃で2時間浸漬した後、110℃で3時間加熱乾燥処理を行った。この試験片を用いて、FTA−188(First Ten Angstroms社製)にて水との接触角を測定した。結果を表2に示す。
<比較例3>
4−メタクリロキシ−2−メチルブチルトリメトキシシランの代わりに3−メタクリロキシ−プロピルトリメトキシシランを用いた以外は実施例4と同様とし、接触角を測定した。結果を表2に示す。
<比較例4>
4−メタクリロキシ−2−メチルブチルトリメトキシシランの代わりに8−メタクリロキシ−オクチルトリメトキシシランを用いた以外は実施例4と同様とし、接触角を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2017033814
本発明の有機ケイ素化合物を用いた場合、より疎水性が高いと考えられる8−メタクリロキシ−オクチルトリメトキシシランを用いた場合よりも接触角が大きいという結果になった。本発明の有機ケイ素化合物は、同じ時間処理した際の表面導入率が高い(すなわち、表面導入速度に優れる)ことが原因の一つとして考えられる。
本発明の有機ケイ素化合物は、樹脂と無機材料との密着性を向上させるためのシランカップリング剤として有用である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される有機ケイ素化合物。
    Figure 2017033814
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して塩素原子、メトキシ基またはエトキシ基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
  2. 請求項1に記載の有機ケイ素化合物由来の構成単位を有する高分子化合物。
  3. 請求項1に記載の有機ケイ素化合物により表面処理された無機材料。
  4. 請求項3に記載の無機材料を含有する樹脂組成物。
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