JPWO2017033533A1 - サーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体 - Google Patents

サーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、優れたサーモクロミック性及び耐久性を示す二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体を提供することである。本発明のサーモクロミックフィルムは、透明基材上に、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子とバインダー樹脂を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムであって、前記バインダー樹脂が、反応性官能基を有し、かつ水溶性であり、80℃、湿度80%で24時間放置した後の前記光学機能層の水分含有量が、0.5〜5.0g/m2の範囲内であり、かつ前記光学機能層の膜厚が、0.5〜5.0μmの範囲内であることを特徴とする。

Description

本発明は、サーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体に関する。より詳しくは、サーモクロミック性を有する二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミックフィルム等に関する。
近年、車窓から入り込む太陽光の影響によって人肌で感じる暑さを低減するため、高い断熱性又は遮熱性を備えた合わせガラスが市場に流通している。最近では、電気自動車等の普及に伴い、車内の冷房効率を高める観点から、合わせガラスに適用する近赤外光(熱線)遮蔽フィルムの開発が盛んに行われている。
近赤外光遮蔽フィルムは、車体や建物の窓ガラスに適用することにより、車内のエア・コンディショナー等の冷房設備への負荷を低減することができ、省エネルギー対策として有効な手段である。
このような近赤外光遮蔽フィルムとしては、赤外線吸収性物質としてITO(インジウム・スズ酸化物)などの導電体を含む光学フィルムが開示されている。また、赤外線反射層と赤外線吸収層とを有する機能性プラスチックフィルムを含む近赤外光遮蔽フィルムや、低屈折率層と高屈折率層とを交互に多数積層させた反射層積層体を有し、当該各屈折率層の層厚を調整することにより、近赤外光を選択的に反射する近赤外光遮蔽フィルムが提案されている。
このような構成の近赤外光遮蔽フィルムは、太陽光の照度が高い赤道近傍の低緯度地帯では、その高い近赤外光遮蔽効果により、好ましく利用されている。しかしながら、中緯度〜高緯度地帯の冬場においては、逆に、太陽光をできるだけ車内や室内に取り込みたい場合にも、一律に入射光線を遮蔽してしまうという問題がある。
このような問題に対し、近赤外光の遮蔽や透過の光学的性質を温度により制御するサーモクロミック材料を適用する方法の検討がなされている。その代表的な材料として、二酸化バナジウム(以下、「VO」ともいう。)が挙げられる。VOは、60℃前後の温度領域で相転移を起こし、サーモクロミック性を示すことが知られている。
VO粒子を透明樹脂中に分散させ、樹脂基材上にVO分散樹脂層を形成する積層体として、サーモクロミックフィルムを提供する方法(例えば、特許文献1参照。)や、モリブデン等をドープしたVO粒子をポリエステル樹脂に混合してTダイ法でサーモクロミックフィルムを提供する方法(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
しかしながら、VO粒子は、粒子を合成した後に濾過して乾燥させる、又は水系溶剤に不溶なバインダーとともに調製した溶剤系塗布液を用いて、サーモクロミック性を発現する光学機能膜を形成する場合、VO粒子の一次粒子が凝集して、二次粒子を生じやすいことが判明した。そこで、バインダーとして水溶性バインダーを用いることが考えられるが、水溶性バインダーを用いた場合には、高温高湿下にVO粒子が長期間保存されると、サーモクロミック性能が低下することが分かった。
また、特許文献3には、サーモクロミック材料を水溶性アクリル樹脂に分散させて積層体を得ることが記載されているが、遮熱層を設けなければならず、サーモクロミック性は十分とはいえなかった。特に冬場は、可変性質層が吸収した熱が伝熱により室内に伝わるだけであり、十分ではなかった。
特開2013−184091号公報 特開2004−346260号公報 特開2010−247522号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、優れたサーモクロミック性及び耐久性を示す二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく上記問題の原因等について検討した結果、本発明のサーモクロミックフィルムは、バインダー樹脂が、反応性官能基を有し、かつ水溶性であり、光学機能層の膜厚及び水分含有量が、所定の範囲内であることで、優れたサーモクロミック性及び耐久性を示すことを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.透明基材上に、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子とバインダー樹脂を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムであって、
前記バインダー樹脂が、反応性官能基を有し、かつ水溶性であり、
80℃、湿度80%で24時間放置した後の前記光学機能層の水分含有量が、0.5〜5.0g/mの範囲内であり、かつ
前記光学機能層の膜厚が、0.5〜5.0μmの範囲内であることを特徴とするサーモクロミックフィルム。
2.前記水分含有量が、0.6〜2.0g/mの範囲内であることを特徴とする第1項に記載のサーモクロミックフィルム。
3.前記バインダー樹脂として水溶性セルロース系樹脂を含有することを特徴する第1項又は第2項に記載のサーモクロミックフィルム。
4.前記光学機能層が、さらにイソシアネート化合物、メラミン系化合物、カルボジイミド系化合物及びエポキシ化合物のうち少なくとも1種類を含有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルム。
5.第1項から第4項までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルムを構成要素として備えていることを特徴とするサーモクロミック複合体。
本発明の上記手段により、優れたサーモクロミック性及び耐久性を示す二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
前述のとおり、VO粒子は、粒子を合成した後に濾過して乾燥させる、又は水系溶剤に不溶なバインダーとともに調製した溶剤系塗布液を用いて、サーモクロミック性を発現する光学機能膜を形成する場合、VO粒子の一次粒子が凝集して、二次粒子を生じやすい。また、二酸化バナジウム粒子が含有する水分量を調節することなく水溶性バインダーを使用して、高温高湿下に長期間保存されると、二酸化バナジウム粒子の還元が促進されてしまい、二酸化バナジウムのサーモクロミック性が損なわれてしまったり、フィルムの耐久性が低下してしまうと考えられる。
具体的には、サーモクロミックフィルム中の光学機能層の水分含有量が0.5g/mより小さいとフィルムが固くなってしまい、折り曲げによりひび割れが起きやすく施工性が悪くなってしまう。一方で、サーモクロミックフィルム中の光学機能層の水分含有量が、5.0g/mより大きいとサーモクロミック性の低下が著しい。
そこで、サーモクロミックフィルム中の光学機能層に含有される水分量を規定し、さらに樹脂に反応性官能基を導入することにより、二酸化バナジウム粒子の凝集を抑制することができるため、ヘイズを低くすることができる。
これにより、優れたサーモクロミック性及び耐久性を示すサーモクロミックフィルムを提供することができるものと推察している。
本発明のサーモクロミックフィルムの概略断面図
本発明のサーモクロミックフィルムは、透明基材上に、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子とバインダー樹脂を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムであって、前記バインダー樹脂が、反応性官能基を有し、かつ水溶性であり、80℃、湿度80%で24時間放置した後の前記光学機能層の水分含有量が、0.5〜5.0g/mの範囲内であり、かつ前記光学機能層の膜厚が、0.5〜5.0μmの範囲内であることを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記水分含有量が、0.6〜2.0g/mの範囲内であることが、本発明の効果発現の観点からより好ましい。
また、前記バインダー樹脂として水溶性セルロース系樹脂を含有することが、二酸化バナジウム粒子の分散性が良く、高いサーモクロミック性や低いヘイズと柔軟性の観点からより好ましい。
また、前記光学機能層が、さらにイソシアネート化合物、メラミン系化合物、カルボジイミド系化合物及びエポキシ化合物のうち少なくとも1種類を含有することが、本発明の効果発現の観点から好ましい。
また、本発明のサーモクロミック複合体は、本発明のサーモクロミックフィルムを構成要素として備えていることが、本発明の効果発現の観点から好ましい。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、以下の説明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
〔酸化バナジウム〕
本発明に係る二酸化バナジウムは、酸化バナジウムの一態様である。酸化バナジウムは自然界において様々な形態をとり、V、H 、HVO 、HVO 2−、VO 3−、VO2+、VO、V3+、V、V2+、V、V等の構造が挙げられる。それぞれの環境雰囲気によってその形態が変化し、一般的には酸性環境下であればV、還元環境下であればVが形成される。そのため、VOは比較的酸化・還元しやすく、周囲の環境によって結晶構造が変化する。
サーモクロミック性(自動調光性)を示すVOは単斜晶構造で発現するため、本発明で用いるVOは単斜晶である。
〔二酸化バナジウム粒子〕
本発明で用いられる二酸化バナジウム粒子の結晶形は、サーモクロミック性を効率よく発現させる観点から、ルチル型のVO粒子(以下、単に、「VO粒子」ともいう。)を用いることが好ましい。
ルチル型のVO粒子は、転移温度以下では、単斜晶系(monoclinic)の構造を有するため、M型とも呼ばれる。本発明に係る二酸化バナジウム粒子においては、目的を損なわない範囲で、A型、又はB型などの他の結晶型のVO粒子を含んでもよい。
本発明に係るVO粒子は、光学機能層中において一次粒子及び二次粒子の数平均粒子径が500nm未満で分散されて存在していることが好ましい。
粒子径の測定方法は種々の測定法を適用することができるが、動的光散乱法に従って測定することが好ましい。
本発明に係るVO粒子における一次粒子及び二次粒子の好ましい数平均粒子径は、1〜200nmの範囲内であり、より好ましくは、5〜100nmの範囲内であり、最も好ましくは5〜60nmの範囲内である。
また、VO粒子のアスペクト比としては、1.0〜3.0の範囲内であることが好ましい。
このような特徴をもつVO粒子では、アスペクト比が十分に小さく、形状が等方的であるので、溶液に添加した場合の分散性が良好である。加えて、単結晶の粒子径が十分に小さいので、従来の粒子に比べて、良好なサーモクロミック性を発揮することができる。
本発明の目的効果が達成される限りにおいて、二酸化バナジウム粒子の相転移温度を調整するための元素を含む物質をさらに含んでも良い。相転移温度を調整する物質としては、特に制限されないがタングステン、チタン、モリブデン、ニオブ、タンタル、スズ、レニウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ゲルマニウム、クロム、鉄、ガリウム、アルミニウム、フッ素及びリン等が使用できる。上記物質を含むことにより、二酸化バナジウム粒子の相転移温度を低下させることができる。上記物質の添加量は特に制限されないが、バナジウム 100元素に対して、好ましくは0.03〜1元素、より好ましくは0.04〜0.08元素の範囲内となるような量である。
(1:二酸化バナジウム粒子水系分散液の製造方法)
一般に、二酸化バナジウム粒子の合成方法は、固相法により合成されたVO焼結体を粉砕する方法と、五酸化バナジウム(V)を原料として、液相でVOを合成しながら粒子成長させる水系合成法が挙げられる。
本発明においては、いずれの方法で作製されたVOでも適用することができる。いずれかの方法で作製したVOに分散剤を添加し、水系分散液として調製する。
分散剤の添加量は、溶媒に水を用いることで、有機溶媒を用いる場合よりも少なくすることができ、0.1〜1.0質量%の範囲内であることが好ましい。
分散剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシルエチルセルロース等が挙げられ、特に、ポリビニルピロリドン又はセルロース樹脂であることが好ましい。
そして、水系分散液中のVO粒子を乾燥させることなく、後述のように光学機能層形成用塗布液を調製することができる。
この状態の光学機能層形成用塗布液を用いて、光学機能層を形成することにより、一次粒子及び二次粒子の数平均粒子径が150nm未満である好ましい数平均粒子径のVO粒子を含有する光学機能層を形成することができる。
また、VO粒子の製造方法として、必要に応じて、粒子成長の核となる微小なTiO等の粒子を核粒子として添加し、その核粒子を成長させることによりVO粒子を製造することもできる。
なお、バインダー樹脂として水溶性バインダー樹脂を使用する場合、上述のVO粒子を含む水系分散液として調製した後、水系分散液中のVO粒子を乾燥させることなく、VO粒子が離間している分散状態で水溶性バインダー樹脂溶液と混合して、光学機能層形成用塗布液を調製することが好ましい。
次いで、本発明に好適な水熱法によるVO粒子の製造方法について、その詳細をさらに説明する。
以下に、代表的な水熱法によるVO粒子の製造工程を示す。
(工程1)
バナジウム(V)を含む物質(I)と、ヒドラジン(N)又はその水和物(N・nHO)と、水とを混ぜて溶液(A)を調製する。この溶液(A)は、物質(I)が水中に溶解した水溶液であっても良いし、物質(I)が水中に分散した懸濁液であっても良い。
物質(I)としては、例えば、五酸化バナジウム(V)、バナジン酸アンモニウム(NHVO)、三塩化酸化バナジウム(VOCl)、メタバナジン酸ナトリウム(NaVO)等が挙げられる。なお、物質(I)としては、五価のバナジウム(V)を含む化合物であれば、特に限定されない。ヒドラジン(N)及びその水和物(N・nHO)は、物質(I)の還元剤として機能するものであって、水に容易に溶解する性質を有する。
溶液(A)は、最終的に得られる二酸化バナジウム(VO)の単結晶粒子に元素を添加するため、添加する元素を含む物質(II)を更に含有していてもよい。添加する元素としては、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、フッ素(F)又はリン(P)が挙げられる。
これらの元素を、最終的に得られる二酸化バナジウム(VO)の単結晶粒子に添加することにより、二酸化バナジウム粒子のサーモクロミック性、特に、転移温度を制御することができる。
また、この溶液(A)は、酸化性又は還元性を有する物質(III)を更に含有していてもよい。物質(III)としては、例えば、過酸化水素(H)が挙げられる。酸化性又は還元性を有する物質(III)を添加することにより、溶液のpHを調整したり、物質(I)であるバナジウム(V)を含む物質を均一に溶解させたりすることができる。
(工程2)
次に、調製した溶液(A)を用いて、水熱反応処理を行う。ここで、「水熱反応」とは、温度と圧力が、水の臨界点(374℃、22MPa)よりも低い熱水(亜臨界水)中において生じる化学反応を意味する。水熱反応処理は、例えば、オートクレーブ装置内で行われる。水熱反応処理により、二酸化バナジウム(VO)含有の単結晶粒子が得られる。
水熱反応処理の条件(例えば、反応物の量、処理温度、処理圧力、処理時間等。)は、適宜設定されるが、水熱反応処理の温度は、例えば、250〜350℃の範囲内であり、好ましくは250〜300℃の範囲内であり、より好ましくは250〜280℃の範囲内である。温度を低くすることにより、得られる単結晶粒子の粒子径を小さくすることができるが、過度に粒子径が小さいと、結晶性が低くなる。また、水熱反応処理の時間は、例えば1時間〜5日の範囲内であることが好ましい。時間を長くすることにより、得られる単結晶粒子の粒子径等を制御することができるが、過度に長い処理時間では、エネルギー消費量が多くなる。
(工程3)
必要に応じて、得られた二酸化バナジウム粒子の表面に、樹脂によるコーティング処理又は表面改質処理を行っても良い。これにより、二酸化バナジウム粒子の表面が保護され、表面改質された単結晶微粒子を得ることができる。本発明では、その中でも、二酸化バナジウム粒子の表面をガラス転移温度が65℃以下である、本発明に係るバインダー樹脂で被覆されていることが好ましい態様である。
なお、本発明でいう「被覆」とは、二酸化バナジウム粒子に対し、当該樹脂により粒子全面が完全に覆われている状態であってもよいし、粒子表面の一部が樹脂により覆われている状態であってもよい。好ましくは、当該粒子表面の全面積の50%以上が被覆されている状態がよく、80%以上被覆されている状態がより好ましい。
以上の工程1〜工程3を経て、サーモクロミック性を有するVO含有の単結晶粒子を含む分散液が得られる。
〔VOの粉砕方法〕
VOを微粒子化する方法は種々の方法があるが、ビーズミル、超音波破砕、高圧ホモジナイザー等種々の方法があり、いずれの方法を用いてもVO粒子を作製することができる。
ビーズミルでは、種々のビーズを用いることができるが、硬度、価格の観点からジルコニアビーズを利用するのが好ましい。
〈二酸化バナジウム粒子水系分散液中の不純物の除去処理〉
上記水系合成法により調製された二酸化バナジウム粒子の分散液中には、合成過程で生じた残渣などの不純物が含まれており、光学機能層を形成する際に、二次凝集粒子発生のきっかけとなり、光学機能層の長期保存での劣化要因となることがあり、分散液の段階で不純物を除去することが好ましい。
二酸化バナジウム粒子水系分散液中の不純物を除去する方法としては、従来公知の異物や不純物を分離する手段を適用することができ、例えば、VO粒子水系分散液に遠心分離を施し、二酸化バナジウム粒子を沈殿させ、上澄み中の不純物を除去し、再び分散媒を添加、分散する方法でも良いし、限外濾過膜などの交換膜を用いて不純物を系外へ除去する方法でも良いが、二酸化バナジウム粒子の凝集を防止する観点からは、限外濾過膜を用いる方法が最も好ましい。
限外濾過膜の材質としては、セルロース系、ポリエーテルスルホン系、ポリテトラフルオロエチレン(略称:PTFE)などを挙げることができ、その中でも、ポリエーテルスルホン系、PTFEを用いることが好ましい。
<サーモクロミックフィルムの層構成の概要>
本発明のサーモクロミックフィルムの代表的な構成例について、図を交えて説明する。
本発明のサーモクロミックフィルムの好ましい態様の一つは、透明基材上に、光学機能層が形成されている構成である。
図1は、本発明で規定する二酸化バナジウム粒子とバインダー樹脂を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムの基本的な構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示すサーモクロミックフィルム1は、透明基材2上に、光学機能層3を積層した構成を有している。この光学機能層3は、光学機能層に含有されるバインダー樹脂B1中に、二酸化バナジウム粒子が分散された状態で存在している。この二酸化バナジウム粒子には、二酸化バナジウム粒子が独立して存在している二酸化バナジウムの一次粒子VOと、2個以上の二酸化バナジウム粒子の集合体(凝集体ともいう。)を構成している、VOの二次粒子VOが存在している。本発明では、2個以上の二酸化バナジウム粒子の集合体を総括して二次粒子と称し、二次粒子凝集体、又は二次凝集粒子ともいう。
(光学機能層の水分含有量・膜厚)
本発明のサーモクロミックフィルムは、80℃、湿度80%で24時間放置した後、カールフィッシャー法(JIS K 0068−2001)で測定した光学機能層の水分含有量が、0.5〜5.0g/mの範囲内であり、かつ光学機能層の膜厚が、0.5〜5.0μmの範囲内であることを特徴とする。
当該膜厚は、好ましくは、1.0〜3.0μmの範囲内である。また、水分含有量は、好ましくは、0.6〜2.0g/mの範囲内、さらに好ましくは0.7〜1.0g/mの範囲内である。本発明のサーモクロミックフィルムは、光学機能層の膜厚と光学機能層に含有されるバインダー樹脂や硬膜剤によって水分含有量を調整することができる。
水分含有量の測定方法は、カールフィッシャー法(JIS K 0068−2001)で測定でき、例えば三菱化学製カールフィッシャー水分測定装置CA−31を用いて測定することができる。
本発明の光学機能層の膜厚は、0.5μmより薄いと十分な水分を含有することができず折れやすくなってしまう。また、5.0μmより厚いと可撓性が損なわれてしまう。
また、光学機能層が前記範囲内の膜厚のサーモクロミックフィルムは、水分含有量が、0.5g/mより少ないと折れやすく、5.0g/mより多いと二酸化バナジウムの還元が進みすぎてしまう。
よって、本発明のサーモクロミックフィルムの光学機能層が、当該範囲内の膜厚かつ水分含有量であることにより、フィルムを柔軟にするとともに、含有する二酸化バナジウムの還元を最適な範囲に進めることができるため、優れたサーモクロミック性と耐久性を両立することができる。
(数平均粒子径)
また、光学機能層3中におけるVO粒子の一次粒子VO及び二次粒子VOの全粒子による数平均粒子径が、200nm以下であることが好ましく、150nm未満であることがより好ましい。
光学機能層中におけるVO粒子の上記数平均粒子径は、下記の方法に従って求めることができる。
はじめに、二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層の側面を、ミクロトーム等を用いてトリミングし、図1に示すような光学機能層の断面を露出させる。
次いで、露出した断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、1万〜10万倍で撮影する。撮影した断面の一定領域内に存在している全ての二酸化バナジウム粒子について、その粒子径を測定する。この時、測定する二酸化バナジウム粒子としては、50〜300個の範囲内であることが好ましい。撮影した二酸化バナジウム粒子群には、図1に示すように一次粒子と二次粒子とが混在しており、二酸化バナジウムの一次粒子の粒子径は、各独立している粒子の直径を測定する。もし、球形でない場合には、粒子の投影面積を円換算し、その直径をもって粒子径とする。
一方、2個以上の粒子が凝集して存在している二酸化バナジウムの二次粒子については、凝集体全体の投影面積を求めたのち、投影面積を円換算し、その直径をもって粒子径と、それらの凝集した二次粒子を1粒子とする。以上のようにして求めた一次粒子と二次粒子の各直径について、数平均直径を求める。切り出した断面部には粒子分布のバラつきがあるため、このような数平均直径の測定について、異なるシーンの断面領域10か所について行い、全体の数平均直径を求め、本発明でいう数平均粒子径とした。
本発明のサーモクロミックフィルムにおいては、光学機能層に加えて、700〜1000nmの波長範囲内の光の少なくとも一部を遮蔽する機能を有する近赤外光遮蔽層を有していてもよい。
本発明のサーモクロミックフィルムの光学特性として、JIS R 3106−1998で測定される可視光透過率としては、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。また、波長900〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
《サーモクロミックフィルムの各構成材料》
以下、本発明のサーモクロミックフィルムの構成要素である光学機能層、必要により設ける樹脂基材、近赤外光遮蔽層の詳細について説明する。
[光学機能層]
本発明で用いられる光学機能層は、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子と、樹脂バインダーを含有している。
サーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子は前述のとおりであり、樹脂バインダーについては、反応性官能基を有し、かつ水溶性である。以下、本発明に係る樹脂バインダーは、「反応性官能基を有する水溶性バインダー樹脂」ともいう。
(反応性官能基を有する水溶性バインダー樹脂)
本発明に係る光学機能層において用いるバインダー樹脂は、反応性官能基を有し、かつ水溶性である(反応性官能基を有する水溶性バインダー樹脂)。
ここでいうバインダー樹脂の水溶性とは、当該水溶性樹脂が最も溶解する温度で、0.5質量%の濃度で水に溶解させた際、G2グラスフィルター(最大細孔40〜50μm)で濾過した場合に濾別される不溶物の質量が、加えた前記水溶性樹脂の50質量%以内であるものをいう。
また、反応性官能基とは、例えば、ヒドロキシ基、メトキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、アセトアセチル基、カルボニル基及びカルボキシ基等である。
本発明に適用可能な反応性官能基を有する水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩及びセルロース系樹脂が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、セルロース系樹脂が挙げられる。
(水溶性セルロース系樹脂)
本発明に係る光学機能層の形成に用いることのできる水溶性セルロース系樹脂としては、水溶性のセルロース誘導体であって、例えば、カルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性セルロース誘導体や、カルボン酸基含有セルロース系樹脂であるカルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、カルボキシエチルセルロース等を挙げることができる。その他には、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース、セルロース硫酸エステル等のセルロース誘導体を挙げることができる。
本発明においては、反応性官能基を有する水溶性バインダー樹脂が、ヒドロキシ基を有する繰り返し単位を50モル%以上含有する樹脂であることが好ましい態様の一つである。セルロース系樹脂の場合では、繰り返し単位成分はもともと三つのヒドロキシ基を有し、この三つのヒドロキシ基の一部が置換されている。ヒドロキシ基を有する繰り返し単位成分を50mol%以上含有するとは、この置換基にヒドロキシ基を有する繰り返し単位成分、又は置換されていないヒドロキシ基が一つ以上残った繰り返し単位成分が50mol%以上含有することを表す。
[硬膜剤]
本発明で用いられる硬膜剤としては、当該バインダー樹脂と硬化反応を起こすものであれば特に制限はない。
例えば、ホウ酸やイソシアネート化合物、メラミン系化合物、カルボジイミド系化合物、エポキシ化合物等を用いることができる。イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等のイソシアネート基を有する化合物がある。
市販品としては、旭化成ケミカルズ株式会社製デュラネート(HDI)や三井化学株式会社製タケネート(XDI、IPDI、HDI)、コスモネート(TDI)、東ソー株式会社製ミリオネート(MDI)などがある。メラミン系化合物としては、株式会社三和ケミカル製MX−706、DIC株式会社製ベッカミン、ウォーターゾール、日本カーバイド工業株式会社製ニカレヂンなどがある。カルボジイミド系化合物としては、日清紡ケミカル株式会社製カルボジライト、エポキシ化合物としては、ナガセケムテックス株式会社製デナコール、共栄社化学株式会社製エポライトなどがある添加濃度は樹脂に対して、1〜50質量%の範囲内が好ましい。
また、上記硬膜剤は2種類以上を併用して用いても良い。
[光学機能層のその他の添加剤]
本発明に用いられる光学機能層に、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、及び特開昭62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、及び特開平3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、及び特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素及び顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
[光学機能層の形成方法]
上記光学機能層の形成に用いる湿式塗布方式としては、特に制限されず、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、又は米国特許第2761419号明細書、米国特許第2761791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。
《透明基材》
本発明に適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限はなく、ガラス、石英及び透明樹脂フィルム等を挙げることができるが、可撓性の付与及び生産適性(製造工程適性)の観点からは、透明樹脂フィルムであることが好ましい。本発明でいう「透明」とは、可視光領域における平均光線透過率が50%以上であることをいい、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
透明基材の厚さは、30〜200μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは30〜100μmの範囲内であり、更に好ましくは35〜70μmでの範囲内である。透明基材の厚さが30μm以上であれば、取り扱い中にシワ等が発生しにくくなり、また厚さが200μm以下であれば、例えば合わせガラスを作製する場合、ガラス基材と貼り合わせる際のガラス曲面への追従性がよくなる。
透明基材は、二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましいが、未延伸又は少なくとも一方に延伸されたポリエステルフィルムを用いることもできる。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。特に、本発明のサーモクロミックフィルムを具備した合わせガラスを、自動車のフロントガラスとして用いる場合には、延伸フィルムがより好ましい。
透明基材は、サーモクロミックフィルムのシワの生成や赤外線反射層の割れを防止する観点から、温度150℃において、熱収縮率が0.1〜3.0%の範囲内であることが好ましく、1.5〜3.0%の範囲内であることがより好ましく、1.9〜2.7%の範囲内であることがさらに好ましい。
本発明のサーモクロミックフィルムに適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限されることはないが、種々の樹脂フィルムを用いることが好ましく、例えば、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースフィルム等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルムである。
ポリエステルフィルム(以降、単にポリエステルと称す。)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、及びこれらのポリエステルの2種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
透明基材として透明樹脂フィルムを用いる場合、取り扱いを容易にするために、透明性を損なわない範囲内で粒子を含有させてもよい。本発明で用いる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子や、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。また粒子を添加する方法としては、原料とするポリエステル中に粒子を含有させて添加する方法、押出機に直接添加する方法等を挙げることができ、このうちいずれか一方の方法を採用してもよく、二つの方法を併用してもよい。本発明では必要に応じて上記粒子の他にも添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。
また、透明樹脂フィルムは、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸成膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、又はテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80〜200℃の範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃の範囲内である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%の範囲内で処理されることである。弛緩処理された基材は、オフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
透明樹脂フィルムは、成膜過程で片面又は両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。本発明においては、成膜工程中での下引塗布をインライン下引という。
《近赤外光遮蔽層》
本発明のサーモクロミックフィルムにおいては、光学機能層に加え、700〜1000nmの範囲内の光波長範囲内の少なくとも一部を遮蔽する機能を有する近赤外光遮蔽層を設ける構成とすることもできる。
本発明に適用可能な近赤外光遮蔽層の詳細については、例えば、特開2012−131130号公報、特開2012−139948号公報、特開2012−185342号公報、特開2013−080178号公報、特開2014−089347号公報等に記載されている構成要素及び形成方法等を参考にすることができる。
《サーモクロミックフィルムの用途》
本発明のサーモクロミックフィルムの用途としては、サーモクロミックフィルムを構成要素として備えているサーモクロミック複合体として使用することができる。例えば、1対のガラス構成部材で挟持させて、合わせガラスを構成することができ、この合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。上記合わせガラスは、建築用又は車両用の合わせガラスであることが好ましい。上記合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス又はルーフガラス等に使用できる。
ガラス部材としては、無機ガラス及び有機ガラス(樹脂グレージング)が挙げられる。無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、及び、グリーンガラス等の着色ガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代用される合成樹脂ガラスである。上記有機ガラス(樹脂グレージング)としては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。本発明においては、外部から衝撃が加わって破損した際の安全性の観点からは、無機ガラスであることが好ましい。
また、ガラス以外にも適用することができ、ガラスを含めたサーモクロミックフィルムの支持体全般とサーモクロミックから構成されている複合体とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。なお、表中の「フィルム」とはサーモクロミックフィルムを表し、「複合体」とはサーモクロミック複合体を表すものとする。また、「膜厚」とは、光学機能層の膜厚を表し、「水分含有量」とは、光学機能層の水分含有量を表す。ただし、フィルム136については、遮熱層及び可変性質層の合計を光学機能層の膜厚とした。
《サーモクロミックフィルムの作製》
〔フィルム101の作製〕
一次粒子径55nmの二酸化バナジウム粒子水系分散液(15質量%)9gと、5質量%のポリビニルアルコール(PVA−124;重合度:2400、ケン化度:98〜99mol%、株式会社クラレ製)91gと、硬膜剤としてホウ酸(5質量%)9.1gを混合した塗布液を作製した。
次いで、50μmの厚さのPETフィルム上に光学機能層の膜厚が1.5μmになるように前記塗布液を塗布し、110℃の温風で2分間乾燥させ、フィルム101を作製した。
〔フィルム102〜133の作製〕
フィルム102〜133は、表1に従って材料を変更した以外はフィルム101と同様に作製した。
表1中、MCは、5質量%メチルセルロースを表し、信越化学工業社製のものを使用した。HECは、5質量%ヒドロキシエチルセルロースを表し、信越化学工業社製のものを使用した。HPMCは、5質量%ヒドロキシプロピルメチルセルロースを表し、信越化学工業社製のものを使用した。PLは、ポリエステル樹脂を表し、イーストマンケミカル社製“EASTER”Copolyester6763を使用した。FPは、65質量%TFE系硬化性官能基含有フッ素樹脂溶液を表し、ダイキン工業(株)製のゼッフルGK570を使用した。
また、硬膜剤の種類については、A:ホウ酸(関東化学株式会社製)、B:ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成ケミカルズ(株)製デュラネート(登録商標)WT30−100)、C:ポリイソシアネート(DIC(株)製ベッカミン(登録商標)M−3)、E:水性メラミン樹脂(DIC(株)製ウォーターゾール(登録商標)S−695)、F:カルボジイミド(日清紡ケミカル(株)製カルボジライト(登録商標)SW−126)、G:エポキシ(ナガセケムテックス(株)製デナコール(登録商標)EX−810)、H:ポリイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製スミジュール(登録商標)N3300)を使用した。
〔フィルム134の作製〕
バナジルトリイソプロポキシド13.7g、モリブデンペンタエトキシド0.73gをイソプロパノール500mLに溶解した。この溶液にイオン交換水15mLを添加し室温で72時間撹拌後、溶媒を除去した。残渣を解砕後、400℃で2時間焼成し、引き続き水素気流中、450℃で2時間焼成することによりモリブデンドープ二酸化バナジウムを得た。
前記モリブデンドープ二酸化バナジウムを3部、ポリエステル樹脂“EASTER”Copolyester6763(イーストマンケミカル社製)を97部の組成で混合後、Tダイ法により、厚さ50μmのフィルム(光学機能層)134を得た。
〔フィルム135の作製〕
モリブデンドープ二酸化バナジウムを23部、ポリエステル樹脂“EASTER”Copolyester6763(イーストマンケミカル社製)を77部に変更した以外はフィルム134と同様にしてフィルム(光学機能層)135を得た。
〔フィルム136の作製〕
(遮熱層形成用塗料組成物の調製)
ゼッフルGK570(ダイキン工業(株)製のTFE系硬化性官能基含有フッ素樹脂溶液。固形分濃度65質量%)49質量部、酸化チタン(堺化学工業(株)製のD918)32質量部及び酢酸ブチル20質量部を混合後、ガラスビーズを投入し、サンドミル分散した。得られた分散液に硬化剤(住化バイエルウレタン(株)製のスミジュールN3300)を6.5質量部混合して遮熱層形成用塗料組成物を調製した。
(可変性質層形成用塗料組成物の調製)
ゼッフルGK570の88質量部にサーモクロミック顔料(サンズ社製の黒 TCA1015)を12質量部混合し、ホモディスパーで混合し得られた分散液に硬化剤(住化バイエルウレタン(株)製のスミジュールN3300)を12.4質量部混合し、可変性質層形成用塗料組成物を調製した。
(積層体の作製)
100μmの厚さのPETフィルム上に遮熱層形成用塗料組成物をバーコートにより塗装し、23℃で24時間硬化乾燥させて厚さ60μmの遮熱層を形成した。遮熱層上に可変性質層形成用塗料組成物をバーコートにより塗装し、乾燥させて厚さ50μmの可変性質層を形成した。この積層体を23℃で24時間硬化させて試験用の積層体を作製した。
以上により作製したサーモクロミックフィルム101〜136の構成を、表1に示す。水分含有量の測定方法は以下のとおりである。
《水分含有量の測定》
80℃、湿度80%で24時間放置した後、カールフィッシャー法(JIS K 0068−2001)に基づいて、三菱化学製カールフィッシャー水分測定装置CA−31を用いて測定した。具体的には、得られたサーモクロミックフィルム全体の水分含有量から基材として用いたPETフィルムの水分含有量を引いて、光学機能層の水分含有量を求めた。
Figure 2017033533
《柔軟性評価》
サーモクロミックフィルム101〜136について、JIS K5600−5−1:1999に準拠した屈曲試験法に基づき、屈曲試験機タイプ1(井元製作所社製、型式IMC−AOF2、マンドレル径φ20mm)を用いて、1000回の屈曲試験を行った。
屈曲試験を行った後のサーモクロミックフィルム表面を、目視観察し、下記の基準に従って柔軟性を評価した。
◎:サーモクロミックフィルム表面に折り曲げ跡やひび割れが観察されない
○:サーモクロミックフィルム表面に僅かに折り曲げ跡が観察される
△:サーモクロミックフィルム表面に微小なひび割れが僅かに観察される
×:サーモクロミックフィルム表面に明らかなひび割れが多数発生している
《サーモクロミック複合体の作製》
上記作製した各サーモクロミックフィルム101〜136を、厚さ1.3mmのガラス板(松浪硝子工業社製、「スライドガラス白縁磨」)のサイズ15cm×20cmに透明粘着シート(日東電工社製、LUCIACS CS9621T)を貼り合わせて作製した各サーモクロミック複合体201〜236について評価した。
〔サーモクロミック性評価〕
作製したサーモクロミック複合体201〜236を用いて、下記の夏場想定及び冬場想定の湿熱耐性を評価し、サーモクロミックフィルムのサーモクロミック性を判定した。
(夏場想定評価)
〈測定環境〉
室温が28℃の環境試験室の壁面に、サーモクロミック複合体を配置した。具体的には、環境試験室の室内側がサーモクロミックフィルム、壁面と隣接する側がガラスとなるように配置し、日本のクールビズ室内を想定した環境試験室を用いた。
環境試験室のサーモクロミック複合体を配置した部分の壁面から50cm離れた位置より、夏場の太陽を想定した150Wのハロゲンランプを点灯した。
さらに、太陽光照射の蓄積によりサーモクロミック複合体が加熱されると想定して、サーモクロミック複合体を熱電対で70℃に加熱した。
〈評価1〉
環境試験室内のサーモクロミック複合体より1m離れた位置に温度計を設置し、上記条件で1時間経過後の温度を測定し、下記の基準に従って行った評価を「湿熱耐性前」の評価とした。
また、85℃、湿度85%の環境下で100時間放置した後、湿熱耐性前の評価と同様に、環境試験室内のサーモクロミック複合体より1m離れた位置に温度計を設置し、上記条件で1時間経過後の温度を測定し、下記の基準に従って行った評価を「湿熱耐性後」の評価とした。
◎:1時間経過後の温度が29℃未満で、外部光による温度上昇がほとんど認められない
○:1時間経過後の温度が29℃以上、32℃未満である
○△:1時間経過後の温度が32℃以上、34℃未満である
△:1時間経過後の温度が34℃以上、36℃未満である
×:1時間経過後の温度が36℃以上であり、過酷な環境である
(冬場想定評価)
〈測定環境〉
室温が20℃の環境試験室の壁面に、サーモクロミック複合体を配置した。具体的には、環境試験室の室内側がサーモクロミックフィルム、壁面と隣接する側がガラスとなるように配置し、日本のウォームビズ室内を想定した環境試験室を用いた。
環境試験室のサーモクロミック複合体を配置した部分の壁面から50cm離れた位置より、冬場の太陽を想定した100Wのハロゲンランプを点灯した。
〈評価2〉
環境試験室内のサーモクロミック複合体より1m離れた位置に温度計を設置し、上記条件で1時間経過後の温度を測定し、下記の基準に従って行った評価を「湿熱耐性前」の評価とした。
また、85℃、湿度85%の環境下で100時間放置した後、湿熱耐性前の評価と同様に、環境試験室内のサーモクロミック複合体より1m離れた位置に温度計を設置し、上記条件で1時間経過後の温度を測定し、下記の基準に従って行った評価を「湿熱耐性後」の評価とした。
◎:1時間経過後の温度が26℃以上となり、外部光による熱エネルギーが適度に侵入している
○:1時間経過後の温度が24℃以上、26℃未満である
○△:1時間経過後の温度が22℃以上、24℃未満である
△:1時間経過後の温度が21℃以上、22℃未満である
×:多くの近赤外光が無条件で遮蔽され、1時間経過後の温度が21℃未満である
《ヘイズの評価》
上記作製した各サーモクロミック複合体について、85℃、湿度85%の環境下で100時間放置した後、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH2000)を用いて、ヘイズ(%)を測定し、下記の基準に従ってヘイズの評価を行った。
◎:ヘイズが2.0%未満である
○:ヘイズが2.0%以上、3.0%未満である
○△:ヘイズが3.0%以上、5.0%未満である
△:ヘイズが5.0%以上、8.0%未満である
×:ヘイズが8.0%以上である
Figure 2017033533
<評価結果>
表2の結果から分かるように、本発明のサーモクロミックフィルムを用いた場合の柔軟性、湿熱耐性及びヘイズは、比較例のサーモクロミックフィルムを用いた場合と比べて優れていることが分かった。
本発明により、優れたサーモクロミック性及び耐久性を示す二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体を得ることができ、これらは近赤外光遮蔽フィルム等に好適に利用できる。
1 サーモクロミックフィルム
2 透明基材
3 光学機能層
B1 バインダー樹脂
VO 二酸化バナジウムの一次粒子
VO 二酸化バナジウムの二次粒子

Claims (5)

  1. 透明基材上に、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子とバインダー樹脂を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムであって、
    前記バインダー樹脂が、反応性官能基を有し、かつ水溶性であり、
    80℃、湿度80%で24時間放置した後の前記光学機能層の水分含有量が、0.5〜5.0g/mの範囲内であり、かつ
    前記光学機能層の膜厚が、0.5〜5.0μmの範囲内であることを特徴とするサーモクロミックフィルム。
  2. 前記水分含有量が、0.6〜2.0g/mの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のサーモクロミックフィルム。
  3. 前記バインダー樹脂として水溶性セルロース系樹脂を含有することを特徴する請求項1又は請求項2に記載のサーモクロミックフィルム。
  4. 前記光学機能層が、さらにイソシアネート化合物、メラミン系化合物、カルボジイミド系化合物及びエポキシ化合物のうち少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルム。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルムを構成要素として備えていることを特徴とするサーモクロミック複合体。
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