JPWO2017014310A1 - 非水系電解液 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】
充放電容量の高い電気二重層キャパシタを提供すること。
【解決手段】
下記一般式(1)で表されるイオン液体を含有する非水系電解液。
【化1】

Description

本発明は、新規イオン液体を含有する非水系電解液、及びこれを備える電気化学デバイスに関る。
従来技術
電気二重層を利用する技術分野は多岐に亘る先端技術を支えている。特に、電気二重層を用いて既に用途展開されている技術の一例に電気二重層キャパシタがある。
電気二重層キャパシタは、高い充放電速度を有し、繰り返し特性にも優れることから、ハイブリッド技術などの先端産業において期待されており、広く普及することが予想されている。
電気二重層キャパシタは、他の蓄電デバイスと比較して、内部抵抗が低いため短時間で充放電を行うことができ、また、充放電による劣化が少ないため優れた繰り返し特性を有する。しかしながら、耐電圧が低く、充電できる電圧は最高でも3V程度となることから、充放電容量の観点では他の蓄電デバイスに比べて大きく劣っている。
この問題を解決するため、多くの電気二重層キャパシタにおいては、電極として表面積の大きい活性炭が用いられている。しかしながら、これらの技術を用いても、十分な大きさの充放電容量を有する電気二重層キャパシタはいまだ実現していない。
電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池、色素増感太陽電池等の電気化学デバイスは、一対の電極と、その間を満たすイオン伝導体を備えた非水系電解液で構成される。電気化学デバイスの非水系電解液として、イミダゾリウム塩、アルキル4級アンモニウム塩等のイオン液体を含有した非水系電解液が提案されている(例えば、特許文献1〜5を参照)。しかしながら、これらの非水系電解液を用いた電気化学デバイスの性能は十分とは言えず、例えば、電気二重層キャパシタでは、耐電圧が低く、充放電容量も小さいという問題があり、充放電容量を上げるために電極表面の改良等が行われていた。
一方、イミダゾリウム塩をエーテル基で連結したイオン液体が開発され、グラフェンの分散液としての応用が検討されている(例えば、特許文献6を参照)が、電気化学デバイスの非水系電解液への応用は検討されていない。
国際公開第2002/076924号パンフレット 国際公開第2004/019356号パンフレット 国際公開第2006/051897号パンフレット 特開2010−244857号公報 特表2013−544764号公報 国際公開第2013/172350号パンフレット
本発明は、充放電容量の高い電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
また、本発明は、改良された性能の電気二重層キャパシタ、非水系電解液二次電池、色素増感太陽電池等の電気化学デバイスを提供することを目的とする。
本発明者等は、電極表面を改良することにより充放電容量を上げる従来の手法とは全く異なり、電解質として用いられるイオン液体の化学構造を変化させることで充放電容量を上げることを目指して鋭意検討したところ、特定の化学構造を有するイオン液体を用いると、充放電容量を上げることができることを見出し、本発明を完成した。より具体的には、イオン液体を構成する特定のカチオンの化学構造をオリゴマー化させることにより、イオン液体のキャパシタンスを飛躍的に向上させることが可能であることを見出した。
更に、本発明者等は、特定の化学構造を有するイオン液体が、電気二重層キャパシタに加えて、非水系電解液二次電池、色素増感太陽電池などのその他の電気化学デバイス用の添加剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
[1]下記一般式(1)で表されるイオン液体を少なくとも1種含有する非水系電解液。
Figure 2017014310
(式中、
及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、置換又は無置換の炭素数1〜7の直鎖又は分岐アルキル基を表し、
は、
(i)炭素数1〜10のアルキレン基又は
(ii)
Figure 2017014310
から選択され、
(式(2)において、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、mは1〜5の整数を表す。)
及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、水素原子、置換又は無置換の炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基を表し、
は、対イオンを表し、
nは0〜30を表す。)
[2]Xは、PF 、(CFSO、BF 、Cl又はBrから選択される、[1]に記載の非水系電解液。
[3]下記一般式(3)で表されるモノマーイオン液体を更に含有する、[1]又は[2]に記載の非水系電解液。
Figure 2017014310

(式中、R、R、R、R及びXは、式(1)で定義した通りである。)
[4]前記モノマーイオン液体が、ブチルメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート又はブチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである、[3]に記載の非水系電解液。
[5]下記一般式(4)で表されるイオン液体を含有する非水系電解液。
Figure 2017014310
(式中、
〜R10は、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、置換又は無置換の炭素数1〜10直鎖又は分岐アルキル基を表し、
11は、以下の式(2)で表され、
Figure 2017014310
(式(2)において、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、mは1〜5の整数を表す。)
は、対イオンを表す。)
[6]Yは、PF 、(CFSO、BF 、Cl又はBrから選択される、[5]に記載の非水系電解液。
[7]下記一般式(5)で表されるモノマーイオン液体を更に含有する、[5]又は[6]に記載の非水系電解液。
Figure 2017014310
(式中、R〜R10及びYは、式(4)で定義した通りである。)
[8]電気化学デバイス用の非水系電解液である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の非水系電解液。
[9]前記電気化学デバイスが電気二重層キャパシタである、[8]に記載の非水系電解液。
[10]前記電気化学デバイスが非水系電解液二次電池である、[8]に記載の非水系電解液。
[11]前記電気化学デバイスが色素増感太陽電池である、[8]に記載の非水系電解液。
[12]前記電気化学デバイスが電気二重層トランジスタである、[8]に記載の非水系電解液。
[13][1]〜[12]のいずれか1項に記載の非水系電解液を備える電気二重層キャパシタ。
[14][1]〜[12]のいずれか1項に記載の非水系電解液を備える非水系電解液二次電池。
[15][1]〜[12]のいずれか1項に記載の非水系電解液を備えるリチウムイオンキャパシタ。
[16][1]〜[12]のいずれか1項に記載の非水系電解液を備える色素増感太陽電池。
[17][1]〜[12]のいずれか1項に記載の非水系電解液を備える電気二重層トランジスタ。
[18]下記一般式(4)で表されるイオン液体。
Figure 2017014310
(式中、
〜R10は、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、置換又は無置換の炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基を表し、
11は、以下の式(2)で表され、
Figure 2017014310
(式(2)において、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、mは1〜5の整数を表す。)
は、対イオンを表す。)
を、提供するものである。
本発明のイオン液体を含有する非水系電解液を用いることにより、充放電容量の高い電気二重層キャパシタを提供することができる。
また、本発明のイオン液体を含有する非水系電解液を用いることにより、電池内部での発熱が低減されたリチウムイオン二次電池等の非水系電解液二次電池を提供することができる。
また、本発明のイオン液体を含有する非水系電解液を用いることにより、発電効率の高い色素増感太陽電池を提供することができる。
イオン液体を用いた電気二重層トランジスタデバイス 各種イオン液体を用いたデバイスのトランスファーカーブ 各種イオン液体を用いたデバイスのホール効果測定 バイアス電圧(−0.5V(黒)、+0.5V(白)印加)時のキャパシタンス 実施例で作製した光電変換素子 図5の光電変換素子の導電層と金属酸化物半導体層の拡大図
1.非水系電解液
(1)実施態様1の非水系電解液
本発明の1つの実施態様は、下記一般式(1)で表されるイオン液体を少なくとも1種含有する非水系電解液である(以下「実施態様1の非水系電解液」とも言う)。
Figure 2017014310
式(1)中、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、置換又は無置換の炭素数1〜7の直鎖又は分岐アルキル基を表す。実施態様1においては、R及びRは、好ましくは炭素数1〜6の直鎖アルキル基、即ちメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル又はn−ヘキシルであり、特に好ましくはn−ブチルである。
式(1)において、Rは、
(i)炭素数1〜10のアルキレン基又は
(ii)
Figure 2017014310
から選択される。
の炭素数1〜10のアルキレン基には、直鎖、分岐及び環状のアルキレンが含まれる。アルキレン基の炭素数は、好ましくは4〜10、より好ましくは6〜8である。好ましいアルキレンとして、例えば、ヘキセン、オクテンなどが挙げられる。
式(2)において、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基を表す。実施態様1においては、R及びRは、好ましくは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基であり、更に好ましくはエチレン基である。
また、式(2)において、mは1〜5の整数であり、好ましくは、mは2又は3である。
実施態様1においては、とりわけ、式(2)で表される部分がトリエチレングリコール鎖、即ち−CHCHOCHCHOCHCH−を形成していることが好ましい。
式(1)において、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、水素原子、置換又は無置換の炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基を表す。実施態様1においては、R及びRはいずれも水素であることが好ましい。
式(1)において、Xは、対イオンを表し、好ましくは、PF 、(CFSO、BF 、Cl又はBrから選択される。
式(1)において、nは0〜30を表す。nが大きな数の場合は、実施態様1の非水系電解液の粘性が上がり、性能が低下することから、nが0〜2の整数であること、即ち、イミダゾリウム塩部分がダイマー、トリマー、テトラマーである場合が好ましい。また、nが1〜2の整数であること、即ち、イミダゾリウム塩部分がトリマー、テトラマーである場合がより好ましい。
一般にキャパシタはその厚さが狭いほど高いキャパシタンスを示す。電気二重層をキャパシタと考える電気二重層キャパシタでは、イオン性固体を溶媒に溶かした溶液を電解質に用いる場合、そのイオン強度が低い状態では電気二重層の厚みが大きくなり、結果としてキャパシタンスが低下する。しかしながら、室温溶融塩であるイオン液体はイオン強度が著しく高く、そのためカチオン、アニオン層からなる多層構造(5層程度)からなる電気二重層を形成する。このイオン液体の電気二重層は一般の電気二重層に比べて極端に厚みが小さいために高いキャパシタンスを与えることが知られている(Fujimoto, T; Awaga, K. Phys. Chem. Chem. Phys. 2013, 15, 8963-9006)。ここで、理論に拘束されることを意図するものではないが、カチオンの化学構造をオリゴマー化することにより、結合効果からイオン液体分子の拡散が抑制され、更に、多価カチオンの多点相互作用の効果により電極表面の負電荷との静電的相互作用が増長され、これにより、厚みが薄い安定した電気二重層を形成することが可能になり、結果として高いキャパシタンスを与えると考えられる。一方、nが4以上になると系の粘性が上がり、分子の分子運動性が低下し、高周波数時のキャパシタンスの低下が考えられる。
なお、nが大きい場合は、式(1)のイオン性液体の合成にあたり、逐次合成法ではなく連続合成法が用いられ、この場合には、式(1)のイオン性液体は数種のnからなる化合物の混合物であり、nはこれらの平均値となる。実施態様1は、式(1)で表されるイオン性液体がこのような混合物である場合も包含する。
実施態様1の非水系電解液は、一般式(1)で表されるイオン液体を2種以上、例えば、nが異なる複数のオリゴマーイオン液体を含有してもよい。
また、実施態様1の非水系電解液は、粘性を低下させるために、下記一般式(3)で表されるモノマーイオン液体を更に含有してもよい。
Figure 2017014310
式(3)において、R、R、R、R及びXは、式(1)で定義した通りである。
ここで、実施態様1の非水系電解液に含まれる一般式(3)で表されるモノマーイオン液体は、当該非水系電解液に含まれる一般式(1)で表されるイオン液体のモノマーを構成する部分(即ち、R、R、R、R及びX)は、同じであっても異なっていてもよい。
一般式(3)で表されるモノマーイオン液体としては、ブチルメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート又はブチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
一般式(1)で表されるイオン液体(A)と一般式(3)で表されるモノマーイオン液体(B)の合計に対するAの比があまりに少ない場合にはAが十分な効果を発揮できない場合があることから、AとBとの合計に対するAの比は質量比で、少なくとも0.1であることが好ましく、少なくとも0.5であることが更に好ましい。以下、一般式(1)で表されるイオン液体、及び一般式(1)で表されるイオン液体と一般式(3)で表されるモノマーイオン液体の混合物を合わせて、実施態様1のイオン液体ともいう。
実施態様1の非水系電解液には、実施態様1のイオン液体以外に、他の溶媒、例えば、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメチルホル ムアミドや、スルホラン誘導体などを適宜添加することができる。
(2)実施態様2の非水系電解液
本発明のもう1つの実施態様は、下記一般式(4)で表されるイオン液体である。
Figure 2017014310
また、本発明のもう1つの実施態様は、下記一般式(4)で表されるイオン液体を含有する非水系電解液である(以下「実施態様2の非水系電解液」とも言う)。
Figure 2017014310
式(4)において、R〜R10は、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、置換又は無置換の炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基を表す。
実施態様2においては、R〜R10は、好ましくは炭素数1〜6の直鎖アルキル基、即ちメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル又はn−ヘキシルである。実施態様2において、特に好ましくは、R及びRはエチル、R10はメチルである。
11は以下の式(2)で表される。
Figure 2017014310
式(2)のR、R及びmについては、実施態様1の非水系電解液について記載したのと同様である。
は、対イオンを表し、好ましくは、PF 、(CFSO、BF 、Cl又はBrから選択される。
実施態様2の非水系電解液は、一般式(4)で表されるイオン液体を2種以上含有してもよい。
また、実施態様2の非水系電解液は、下記一般式(5)で表されるモノマーイオン液体を更に含有してもよい。
Figure 2017014310
式(5)において、R〜R10及びYは、式(4)で定義した通りである。
以下、一般式(4)で表されるイオン液体、及び一般式(4)で表されるイオン液体と一般式(5)で表されるモノマーイオン液体の混合物を合わせて、実施態様2のイオン液体ともいう。
ここで、実施態様2の非水系電解液に含まれる一般式(5)で表されるモノマーイオン液体は、当該非水系電解液に含まれる一般式(4)で表されるイオン液体のモノマーを構成する部分(即ち、R〜R10及びY)は、同じであっても異なっていてもよい。
一般式(5)で表されるモノマーイオン液体としては、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどが好ましい。
一般式(4)で表されるイオン液体(C)と一般式(5)で表されるモノマーイオン液体(D)の体積比は、Cのイオン液体の種類により変わり得る。
実施態様2の非水系電解液には、CとD以外に、他の溶媒、例えば、水、プロピレンカーボネート、 γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメチルホル ムアミドや、スルホラン誘導体などを適宜添加することができる。
式(1)の化合物は、前記特許文献6(WO2013/172350)、WO2014/175449に記載の方法により合成することができる。
式(4)の化合物の合成方法の一例として、R及びRはエチル、R10はメチルであり、Yが(CFSOである本発明の化合物3の合成方法を示す。
Figure 2017014310
(1)化合物3aの合成
アルゴン雰囲気下、トリエチレングリコールビス(p−トルエンスルホン酸エステル)のアセトニトリル溶液にN,N-ジエチルメチルアミンを添加し、混合液を加熱混和する。反応混合物を減圧下で濃縮、乾固し、粘調な残渣に塩化メチレンを添加した後、酢酸エチルなどにより洗浄を行なう。イオン液体層を、ロータリーエバポレーター及び真空オーブンにより乾燥すると、透明な粘調な液体である化合物3aが得られる。
(2)化合物3の合成
化合物3aのアセトニトリル溶液に、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを溶解させた水溶液を添加し、混合物を攪拌する。反応混合物は水層とイオン液体層に分離し、上澄みの水層を分離した後、残ったイオン液体層に塩化メチレンなどを加え、有機層を蒸留水で洗浄する。イオン液体層を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、一晩真空オーブン中で乾燥すると、粘調な液体である化合物3が得られる。
実施態様1及び実施態様2の非水系電解液(以下、実施態様1及び実施態様2の非水系電解液を合わせて、「本発明の非水系電解液」とも言う。)の好ましい態様は、電気化学デバイス用の非水系電解液である。
電気化学デバイスとしては、電気二重層キャパシタ、非水系電解液二次電池、リチウムイオンキャパシタ、色素増感太陽電池、電気二重層トランジスタ等が挙げられる。以下、各種電気化学デバイスについて詳細に説明する。
2.電気二重層キャパシタ
(1)電気二重層キャパシタ用の非水系電解液
本発明の非水系電解液の1つの好ましい側面は、電気二重層キャパシタ用の非水系電解液である。
(1)電気二重層キャパシタ用の非水系電解液
本発明の電気二重層キャパシタ用の非水系電解液は、本発明のイオン液体(実施態様1のイオン液体と実施態様2のイオン液体を合わせて、「本発明のイオン液体」とも言う)のみでもよいし、1種又は2種以上の有機溶媒、1種又は2種以上の電解質、及び1種又は2種以上の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の電気二重層キャパシタ用の非水系電解液における本発明のイオン液体以外の成分の含有量は、電解液100質量部当たり、好ましくは
1質量部〜90質量部であり、更に好ましくは10質量部〜80質量部である。本発明のイオン液体単独を電解液として使用する場合にもっとも容量増加が期待できるが、低温で使用を考慮すると、イオン液体の粘度増加に起因する抵抗増加を抑えるため希釈して使用することが好ましい。本発明のイオン液体以外の成分の含量が90質量部を超えると本発明のイオン液体の効果が活かされない場合がある。
(1−1)有機溶媒
有機溶媒の種類は、特に限定されないが、例えば、環状カーボネート化合物、環状エステル化合物、スルホキシド化合物、スルホン化合物、アマイド化合物、鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物、鎖状エステル化合物及び含リン有機溶媒等である。
中でも、環状カーボネート化合物、環状エステル化合物、スルホキシド化合物、スルホン化合物及びアマイド化合物が好ましく、環状カーボネート化合物がより好ましい。比誘電率が高いため、電解液の誘電率が向上するからである。
または、鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物及び鎖状エステル化合物が好ましく、鎖状カーボネート化合物がより好ましい。電解液の粘度が低下するため、イオンの移動性が向上する。これにより、キャパシタでは出力密度等の蓄電特性が向上する。特に、鎖状カーボネート化合物の粘度は著しく低いため、低温環境中においても電解液の性能が向上する。
環状カーボネート化合物の具体例は、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,3−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,1,−ジメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート及びジフルオロエチレンカーボネート等である。
環状エステル化合物の具体例は、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−ヘキサノラクトン及びδ−オクタノラクトン等である。
スルホキシド化合物の具体例は、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド及びチオフェン等である。
スルホン化合物の具体例は、メチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、スルホラン(テトラメチレンスルホンともいう)、3−メチルスルホラン、3,4−ジメチルスルホラン、3,4−ジフェニメチルスルホラン、スルホレン、3−メチルスルホレン、3−エチルスルホレン及び3−ブロモメチルスルホレン等である。中でも、スルホラン及びテトラメチルスルホラン等が好ましい。
アマイド化合物の具体例は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等である。
鎖状カーボネート化合物の具体例は、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート及びt−ブチルプロピルカーボネート等である。
鎖状エーテル化合物及び環状エーテル化合物のそれぞれの具体例は、ジメトキシエタン(DME)、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、1,2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)プロパン、エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、プロピレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、エチレングリコールビス(トリフルオロメチル)エーテル及びジエチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル等である。中でも、ジオキソランが好ましい。
鎖状エステル化合物としては、炭素数が2〜8であるモノエステル化合物及びジエステル化合物等が好ましい。モノエステル化合物及びジエステル化合物のそれぞれの具体例は、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、マロン酸メチル、マロン酸エチル、コハク酸メチル、コハク酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールジアセチル、プロピレングリコールジアセチル等が挙げられ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル及びプロピオン酸エチル等である。
含リン有機溶媒の具体例は、例えば、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類、ホスフィンオキシド類及びホスファゼン類等である。リン酸エステル類の具体例は、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル及びリン酸トリフェニル等である。亜リン酸エステル類の具体例は、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル及び亜リン酸トリフェニル等である。ホスフィンオキシド類の具体例は、トリメチルホスフィンオキシド、トリエチルフォスフィンオキシド及びトリフェニルホスフィンオキシド等である。
尚、有機溶媒は、上記以外の他の化合物でもよい。他の化合物は、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン及びそれらの誘導体等である。
(1−2)電解質
電解質としては、カチオン及びアニオンを含んでいる。カチオンの種類は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。このことは、アニオンに関しても同様である。
カチオンの種類は、任意の価数の陽イオンであれば特に限定されないが、例えば、第四級アンモニウムイオン、第四級ホスホニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン及び金属イオン等である。
第四級アンモニウムイオンは、例えば、テトラアルキルアンモニウムイオン等である。このテトラアルキルアンモニウムイオンの具体例は、テトラメチルアンモニウムイオン、エチルトリメチルアンモニウムイオン、ジエチルジメチルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン及びトリメチルプロピルアンモニウムイオン等である。
第四級ホスホニウムイオンは、例えば、テトラアルキルホスホニウムイオン等である。このテトラアルキルホスホニウムイオンの具体例は、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラブチルホスホニウムイオン、メチルトリエチルホスホニウムイオン、メチルトリブチルホスホニウムイオン及びジメチルジエチルホスホニウムイオン等である。
ピリジニウムイオンの具体例は、1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−ブチルピリジニウム、1−メチル−3−メチルピリジニウム、1−メチル−4−メチルピリジニウム、1−メチル−3,4−ジメチルピリジニウム、1−メチル−3,5−ジメチルピリジニウム及び1−メチル−3,4,5−トリメチルピリジニウム等である。
ピロリジニウムイオンの具体例は、1−ジメチルピロリジニウム、1−エチル−1−メチルピロリジニウム、1−ジエチルピロリジニウム及び1−ブチル−1−メチルピロリジニウム等である。
ピペリジニウムイオンの具体例は、1−ジメチルピぺリジニウム、1−エチル−1−メチルピペリジニウム、1−ジエチルピペリジニウム及び1−ブチル−1−メチルピペリジニウム等である。
金属イオンは、例えば、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオン等である。アルカリ金属イオンの具体例は、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオン等である。アルカリ土類金属イオンの具体例は、マグネシウムイオン及びカルシウムイオン等である。
但し、カチオンの種類は、上記以外の他の陽イオンでもよい。
アニオンの種類は、任意の価数の陰イオンであれば特に限定されないが、例えば、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、N(RfSO3 2 -、C(RfSO2 3 -、RfSO3 -(Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)、N(FSO2 2 -、F- 、Cl- 、Br- 、I- 、NO3 -、NO2 -、ClO4 -、AlCl4 -、AlF4 -、TaF6 -、NbF6 -、SiF6 -、CN- 及びCH3 BF3 -等である。但し、アニオンの種類は、上記以外の他の陰イオンでもよい。
電解液中における電解質の含有量は、特に限定されないが、中でも、0.5mol/L〜2mol/Lであることが好ましい。キャパシタの静電容量を確保しつつ、内部抵抗が低く抑えられるからである。詳細には、含有量が0.5mol/Lよりも少ないと、電解液中におけるイオンの絶対量が不足するため、静電容量の低下を招く可能性がある。一方、含有量が2mol/Lよりも多いと、電解液中におけるイオンの絶対量が過剰になるため、内部抵抗の増加を招く可能性がある。
尚、本発明の電気二重層用の非水系電解液は、1種類又は2種類以上の難燃剤を含んでもよい。電解液に難燃性が付与されるため、その電解液が燃焼しにくくなるからである。
電解液中における難燃剤の含有量は、特に限定されないが、中でも、好ましくは有機溶媒に対して1質量%〜50質量%、より好ましくは3質量%〜10質量%である。電解液の性能に悪影響を及ぼすことを回避しつつ、十分な難燃性が得られるからである。
この難燃剤の種類は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン系難燃剤及びリン系難燃剤等である。ハロゲン系難燃剤の具体例は、ジ(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、ジ(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート、ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)カーボネート及び2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル等である。リン系難燃剤の具体例は、トリメチルホスフェート及びトリエチルホスフェート等である。但し、難燃剤の種類は、上記以外の他の難燃剤でよい。
(2)電気二重層キャパシタ
本発明のもう1つの実施態様は、本発明の電気二重層キャパシタ用非水系電解液を備える電気二重層キャパシタである。
電気二重層キャパシタの基本構造としては、例えば、2つの分極性電極(正極及び負極)の間にセパレーターを挟み、電解液を含浸させたものが挙げられる。分極性電極の主成分は、電解液に対して電気化学的に不活性で、かつ、適度な電気伝導度を有することから活性炭、グラファイト、ポリアセン系有機半導体などの炭素質物質が好ましく、通常、正極と負極の少なくとも一方は炭素質物質である。
本発明の電気二重層キャパシタの形態としては、コイン型、捲回型、角形のものが挙げられる。
正極は、例えば、集電体と、その集電体の表面に設けられた分極性電極層とを含んでおり、その集電体には、リード線が接続されている。集電体は、例えば、アルミニウム箔などである。分極性電極層は、例えば、イオンを吸着及び脱離することが可能である活物質(正極活物質)のうちのいずれか1種類又は2種類以上を含んでおり、その活物質は、例えば、炭素材料及び有機半導体等を含んでいる。
炭素材料は、例えば、活性炭、カーボンナノチューブ、グラファイト及びグラフェン等であり、その活性炭は、例えば、木粉系、ヤシガラ系、フェノール樹脂系、石油コークス系、石炭コークス系、ピッチ系等の原料が賦活された材料である。有機半導体は、例えば、ポリアセン及びその誘導体等である。
負極は、例えば、上記した正極と同様の構成を有している。すなわち、負極は、リード線が接続された集電体と、分極性電極層と、を含んでおり、その分極性電極層は、イオンを吸着及び脱離することが可能である活物質(負極活物質)を含んでいる。
活物質の種類は、上記した炭素材料及び有機半導体等であれば、特に限定されない。中でも、正極活物質及び負極活物質のうちの一方又は双方は、炭素材料を含んでいることが好ましい。イオンを容易且つ安定に吸着及び脱離することが可能であるため、優れた性能が得られるからである。
尚、分極性電極層は、活物質と一緒に、結着剤及び導電性補助剤等の他の材料のうちのいずれか1種類又は2種類以上を含んでいてもよい。
このキャパシタでは、上記したように、正極と負極との間にセパレーターが介在していることが好ましい。このセパレーターは、例えば、高分子化合物により形成された微多孔性のフィルム等であり、その微多孔性のフィルムは、単層でもよいし、多層(複層フィルム)でもよい。
微多孔性のフィルムを形成する高分子化合物の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド及びポリ(メタ)アクリル酸等である。また、高分子化合物は、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類でもよいし、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類でもよい。この他、高分子化合物は、上記した一連の高分子化合物のエステル等及びその誘導体でもよいし、上記した一連の高分子化合物のうちの2種類以上の共重合体及び混合物でもよい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン及びセルロース等が好ましい。
尚、高分子化合物に添加剤のうちのいずれか1種類又は2種類以上が含有されていてもよい。この添加剤の種類及び含有量は、特に限定されない。
セパレーターを形成するフィルムは、上記したように、微多孔性であることが好ましい。セパレーターに電解液が浸透しやすいため、そのセパレーターをイオンが透過しやすくなるからである。
フィルムを微多孔化する方法は、特に限定されないが、例えば、相分離法及び延伸法などである。相分離法では、例えば、高分子化合物と有機溶剤等とを含む溶液を調製した後、その溶液をミクロ相分離させながら製膜する。続いて、膜中の有機溶剤を抽出除去することで、その膜を多孔化する。延伸法では、例えば、溶融された高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜した後、その膜を熱処理する。続いて、膜中の結晶を一方向に配列させた後、その膜を延伸する。これにより、膜中では結晶間に隙間が形成されるため、その膜が多孔化する。この微多孔化の方法は、例えば、セパレーターとして用いるフィルムの種類等に応じて適宜選択可能である。
封口部材は、例えば、ゴムなどであり、ケースの開口部に嵌め込まれている。キャパシタの製造工程において、開口部の近傍におけるケースの側面に絞り加工部(窪み)が形成されることで、そのケースの内側面と封口部材6の外側面との間の隙間が封止される。尚、封口部材には、ケースの内部から外部へリード線を導くために、そのリード線を通すための挿入孔が設けられている。
尚、安全性を向上させることを目的として、電極は、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤及びヒンダードアミン化合物等の添加剤を含んでいてもよい。このように添加剤を含んでいてもよいことは、セパレーター及び電解液に関しても同様である。
3.非水系電解液二次電池
本発明の非水系電解液のもう1つの好ましい側面は、非水系電解液二次電池用の非水系電解液であり、非水系電解液二次電池として、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池等が挙げられる。
(1)リチウムイオン二次電池用非水系電解液
本発明の非水系電解液のもう1つの好ましい側面は、リチウムイオン二次電池用の非水系電解液である。
本発明のイオン液体をリチウムイオン二次電池用の非水系電解液に添加すると、リチウムイオンが負極へ吸着することを阻害して電池機能を阻害することなく、電池内部での発熱を低減することができるという効果を奏する。
本発明のリチウムイオン二次電池用の非水系電解液は、本発明のイオン液体と一緒に、通常、1種又は2種以上の有機溶媒、及び1種又は2種以上の電解質を含む。
本発明のリチウムイオン二次電池用の非水系電解液における本発明のイオン液体の含有量は、電解液100質量部当たり、好ましくは0.1質量部〜50質量部であり、更に好ましくは1質量部〜20質量部である。本発明のイオン液体の含量が0.1質量部よりも少ないと十分な効果が得られない場合があり、50質量部よりも多いと粘度が増加しレート特性の低下を引き起こす場合がある。
有機溶媒としては特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロピオン酸メチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランもしくは4−メチル−1,3−ジオキソランなどのエーテル類、またはスルホランなどが挙げられ、これらを単独でまたは二種類以上を混合して用いることができる。
電解液の電解質はリチウム塩であり、過塩素酸リチウムLiClO、リチウムヘキサフルオロアルセネートLiAsF、リチウムヘキサフルオロホスフェートLiPF、リチウムテトラフルオロボレートLiBF、リチウムトリフルオロメタンスルホネートLiCFSO、リチウムトリフルオロメタンスルホンイミドLiN(CFSO、リチウムトリフルオロメタンスルホンメチドLiC(CFSO及びその混合物から選択される。
(2)リチウムイオン二次電池
本発明の1つの好ましい態様は、本発明の非水系電解液を備えるリチウムイオン二次電池である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、通常、正極、負極、及び本発明の非水系電解液を備える。
(2−1)負極
負極としては、当該技術分野において公知の電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出できる負極活物質を含む電極が挙げられる。このような負極活物質としては、公知のリチウムイオン二次電池用負極活物質を用いることができ、例えば、天然グラファイト(黒鉛)、高配向性グラファイト(Highly Oriented Pyrolytic Graphite;HOPG)、非晶質炭素等の炭素質材料が挙げられる。さらに他の例として、リチウム金属、又はリチウム元素を含む合金や金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物のような金属化合物が挙げられる。例えば、リチウム元素を有する合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。また、リチウム元素を有する金属酸化物としては、例えばチタン酸リチウム(LiTi12等)等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。これら負極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、負極活物質としては、チタン酸リチウムが好ましい。
上記負極は、負極活物質のみを含有するものであっても良く、負極活物質の他に、導電性材料および結着材(バインダー)の少なくとも一方を含有し、負極合材として負極集電体に付着させた形態であるものであっても良い。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極とすることができる。一方、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質および結着材(バインダー)を有する負極とすることができる。粉末状の負極活物質を用いて負極を形成する方法としては、ドクターブレード法や圧着プレスによる成型方法等を用いることができる。
導電性材料としては、例えば、炭素材料、金属繊維等の導電性繊維、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属粉末、ポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料を使用することができる。炭素材料として、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等を使用することができる。また、芳香環を含む合成樹脂、石油ピッチ等を焼成して得られたメソポーラスカーボンを使用することもできる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)等のフッ素系樹脂、或いは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを好ましく用いることができる。負極集電体としては、銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレススチール等を主体とする棒状体、板状体、箔状体、網状体等を使用することができる。
(2−2)正極
正極としては、当該技術分野において公知の電極構成を用いることができ、正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)等の1種類以上の遷移金属を含むリチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物、リン酸鉄リチウム(LiFePO)やピロリン酸鉄リチウム(LiFeP)などの1種類以上の遷移金属を含むリチウム含有ポリアニオン系化合物、硫黄系化合物(LiS)などが挙げられる。当該正極には、導電性材料や結着剤を含有してもよい。好ましくは、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムである。
導電性材料及び結着剤(バインダー)としては、上記負極と同様のものを用いることができる。
(2−3)セパレーター
本発明のリチウムイオン二次電池は、通常、セパレーターを備えることができる。セパレーターとしては、正極層と負極層とを電気的に分離する機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂からなる多孔質シートや、不織布、ガラス繊維等の多孔質絶縁材料等を挙げることができる。
(2−4)形状等
本発明の二次電池の形状は、正極、負極、及び電解液を収納することができれば特に限定されるものではないが、例えば、円筒型、コイン型、平板型、ラミネート型等を挙げることができる。
(3)ナトリウムイオン二次電池用非水系電解液
本発明の非水系電解液のもう1つの好ましい側面は、ナトリウムイオン二次電池用の非水系電解液である。
本発明のイオン液体をナトリウムイオン二次電池用の非水系電解液に添加すると、ナトリウムイオンが負極へ吸着することを阻害して電池機能を阻害することなく、電池内部での発熱を低減することができるという効果を奏する。
本発明のナトリウムイオン二次電池用の非水系電解液は、本発明のイオン液体、と一緒に、通常、1種又は2種以上の有機溶媒、及び1種又は2種以上の電解質を含む。
本発明のナトリウムイオン二次電池用の非水系電解液における本発明のイオン液体の含有量は、電解液100質量部当たり、好ましくは0.1質量部〜50質量部であり、更に好ましくは1質量部〜20質量部である。
本発明のイオン液体の含量が0.1質量部よりも少ないと十分な効果が得られない場合があり、50質量部よりも多いと粘度が増加しレート特性の低下を引き起こす場合がある。
有機溶媒としては特に限定されるものではないが、例えば、リチウムイオン二次電池用の非水系電解液で例示した有機溶剤が挙げられる。
電解液に使用する電解質は、ナトリウム塩であり、過塩素酸ナトリウムNaClO、ナトリウムヘキサフルオロホスフェートNaPF、ナトリウムテトラフルオロボレートNaBF、ナトリウムトリフルオロメタンスルホンイミドNaCFSO、ナトリウムトリフルオロメタンスルホンメチド(CFSONNa、ナトリウムトリフルオロメタンスルホネートNaC(CFSO及びその混合物から選択される。
(4)ナトリウムイオン二次電池
本発明の1つの好ましい態様は、本発明の非水系電解液を備えるナトリウムイオン二次電池である。
本発明のナトリウムイオン二次電池は、通常、正極、負極、及び本発明の非水系電解液を備える。
(4−1)負極
負極としては、当該技術分野において公知の電気化学的にナトリウムイオンを吸蔵・放出できる負極活物質を含む電極が挙げられる。このような負極活物質としては、公知のナトリウムイオン二次電池用負極活物質を用いることができ、例えば、天然グラファイ、高配向性グラファイト、非晶質炭素等の炭素質材料が挙げられる。さらに他の例として、ナトリウム、チタン、亜鉛、インジウム、スズ、ケイ素などの金属もしくは半金属;前記金属もしくは半金属から得られる合金;前記金属もしくは半金属の化合物;炭素質材料などが例示できる。なお、合金は、前記金属および半金属以外に、さらに他のアルカリ金属、アルカリ土類金属などを含んでもよい。
前記金属もしくは半金属の化合物としては、チタン酸リチウム(例えば、LiTi、LiTi12など)などのリチウム含有チタン酸化物;チタン酸ナトリウム(例えば、LiTi、LiTi12など)などのナトリウム含有チタン酸化物などが例示できる。
負極活物質としては、天然グラファイ、高配向性グラファイト、ナトリウム含有チタン酸化物が好ましい。
上記負極は、負極活物質のみを含有するものであっても良く、負極活物質の他に、導電性材料および結着材(バインダー)の少なくとも一方を含有し、負極合材として負極集電体に付着させた形態であるものであっても良い。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極とすることができる。一方、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質および結着材(バインダー)を有する負極とすることができる。粉末状の負極活物質を用いて負極を形成する方法としては、ドクターブレード法や圧着プレスによる成型方法等を用いることができる。
導電性材料及び結着剤としては、例えば、例えば、リチウムイオン二次電池用の非水系電解液で例示した導電性材料及び結着剤が挙げられる。
(4−2)正極
正極としては、当該技術分野において公知の電極構成を用いることができ、正極活物質としては、正極活物質はNaを含む複合酸化物であり、ナトリウムイオン二次電池の正極活物質として公知のものをいずれも採用できる。「Naを含む複合酸化物」とは、Naに加えて、Na以外の金属元素(遷移金属元素等)及び/又は非金属元素(P、S等)を含んだ酸化物を意味する。例えば、コバルト酸ナトリウム(NaCoO)、マンガン酸ナトリウム(NaMn)、ニッケル酸ナトリウム(NaNiO)等の1種類以上の遷移金属を含むナトリウム含有遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物、リン酸鉄ナトリウム(LiFePO)やピロリン酸鉄ナトリウム(LiFeP)などの1種類以上の遷移金属を含むナトリウム含有ポリアニオン系化合物などが挙げられる。当該正極には、導電性材料や結着剤を含有してもよい。
導電性材料及び結着剤(バインダー)としては、上記負極と同様のものを用いることができる。
(4−3)セパレーター
本発明のナトリウムイオン二次電池は、通常、セパレーターを備えることができる。セパレーターとしては、正極層と負極層とを電気的に分離する機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂からなる多孔質シートや、不織布、ガラス繊維等の多孔質絶縁材料等を挙げることができる。
(4−4)形状等
本発明の二次電池の形状は、正極、負極、及び電解液を収納することができれば特に限定されるものではないが、例えば、円筒型、コイン型、平板型、ラミネート型等を挙げることができる。
4.リチウムイオンキャパシタ
(1)リチウムイオンキャパシタ用非水系電解液
本発明の非水系電解液のもう1つの好ましい側面は、リチウムイオンキャパシタ用の非水系電解液である。
本発明のイオン液体をリチウムイオンキャパシタ用の非水系電解液に添加すると、電気二重層キャパシタの場合と同様に高い充放電容量が得ることができる。
本発明のリチウムイオンキャパシタ用の非水系電解液は、本発明のイオン液体と、一緒に、通常、1種又は2種以上の非水溶媒、1種又は2種以上の電解質、及び場合により、非水溶媒や添加剤を含む。
本発明のリチウムイオンキャパシタ用の非水系電解液における本発明のイオン液体の含有量は、電解液100質量部当たり、好ましくは、0.1質量部〜50質量部であり、更に好ましくは1質量部〜20質量部である。本発明のイオン液体の含量が0.1質量部よりも少ないと十分な効果が得られない場合があり、50質量部よりも多いと粘度が増加しレート特性の低下を引き起こす場合がある。
非水溶媒としては、得られる非水電解液の粘度を低く抑える等の観点から、非プロトン性溶媒が好適である。なかでも、環状カーボネート、鎖状カーボネート、脂肪族カルボン酸エステル、ラクトン、ラクタム、環状エーテル、鎖状エーテル、スルホン、及び、これらのハロゲン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。なかでも、環状カーボネート、鎖状カーボネートがより好ましく用いられる。
環状カーボネートとしては、例えば、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン等が挙げられる。
鎖状カーボネートとしては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルメチル等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル等が挙げられる。
ラクトンとしては、例えば、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
ラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン等が挙げられる。
スルホンとしては、例えば、スルホラン等が挙げられる。
ハロゲン誘導体としては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン等が挙げられる。
これらの非水溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電解質は、リチウム塩であり、なかでも、LiAlCl、LiBF、LiPF、LiClO、LiAsF、LiN(SOCF、LiN(SOF)、LiB(C、LiSOCF及び、LiSbFからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、解離度が高く電解液のイオン伝導度を高めることができ、さらには耐酸化還元特性により長期間使用による蓄電デバイスの性能劣化を抑制する作用がある等の観点から、LiBF及び/又はLiPFであることがより好ましい。これらの電解質は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(2)リチウムイオンキャパシタ
本発明の1つの好ましい態様は、本発明の非水系電解液を備えるリチウムイオンキャパシタである。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、通常、正極、負極、及び本発明の非水系電解液を備える。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいて用いることができる、正極、負極、セパレーターは、前記した本発明のリチウムイオン二次電池で用いることができる、正極、負極、セパレーターと同様である。
5.色素増感太陽電池
(1)色素増感太陽電池用非水系電解液
本発明の非水系電解液のもう1つの好ましい側面は、色素増感太陽電池用の非水系電解液である。
本発明のイオン液体を色素増感太陽電池用の非水系電解液に添加すると、発電効率を向上させることができる。これは色素吸着電極の表面に本発明のイオン液体により厚い電気二重層を形成されることによるものと推定される。
本発明の色素増感太陽電池用の非水系電解液は、本発明のイオン液体と一緒に、通常、1種又は2種以上の有機溶媒、1種又は2種以上の電解質、及び場合により添加物を含む。
本発明の色素増感太陽電池用の非水系電解液における本発明のイオン液体の含有量は、電解液100質量部当たり、好ましくは0.1質量部〜80質量部であり、更に好ましくは1質量部〜50質量部である。本発明のイオン液体の含量が0.1質量部よりも少ないと十分な効果が得られない場合があり、80質量部よりも多いと十分な発電効率が得られない場合がある。
有機溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、イオン液体等を用いることができ、粘度が低く、十分なイオン伝導性を有するものであることが好ましい。非プロトン性有機溶媒の例としては、スルホラン、メチルスルホラン等の環状スルホン、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル類、またN−メチルキサゾリジノン、ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。また、耐久性を低下させない範囲少量であれば、従来の溶媒であるニトリル化合物やラクトン類なども使用することができる。
イオン液体の好ましい例としては、例えば、カチオンが、1−メチル−ピリジウム、1−ブチル−ピリジウム、1−ヘキシル−ピリジウム、1−ブチル−3−メチルピリジニウム等のピリジウム系、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムなどのピロリジニウム系、ピラゾリウム系、脂肪族アミン系であるもの、アニオンが、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロボレート、トリフルオロメタンスルホネートなどのフッ素化スルホン酸、トリフルオロ酢酸等のフッ素化カルボン酸、シアネート系、チオシアネート系、ジシアナミド系、また、ビスフルオロスルホニルイミドやビストリフルオロメタンスルホニルイミドなどのスルホニルイミド系であるもの等を挙げることができる。これらの物質は、いずれか一種を単独で用いても良いし、複数を混合して用いても良い。
好ましい電解質は、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム等の金属ヨウ化物−ヨウ素の組み合わせ、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、テトラプロピルヨーダイド(TPAI)、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩−ヨウ素の組み合わせ、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の金属臭化物−臭素の組み合わせ、テトラアルキルアンモニウムブラマイド、ピリジニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムパークロレート(TBAP)等の4級アンモニウム化合物もしくは臭素塩−臭素との組み合わせ、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げられる。上述の電解質は単独の組み合わせであっても混合であってもよい。また、電解質として、室温で溶融状態の塩を用いることもできる。この溶融塩を用いた場合は、特に溶媒を用いなくともよい。
非水電解液における電解質濃度は、0.01〜20mol/Lが好ましく、0.05〜15mol/Lが更に好ましい。電解液に用いる溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒等が好ましい。
本発明では、電解質は、ポリマー添加、オイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマー架橋反応等の手法によりゲル化させることもできる。ポリマー添加によりゲル化させる場合の好ましいポリマーとしては、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン等を挙げることができる。オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合の好ましいゲル化剤としては、ジベンジルデン−D−ソルビトール、コレステトール誘導体、アミノ酸誘導体、トランス−(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジアミンのアルキルアミド誘導体、アルキル尿素誘導体、N−オクチル−D−グルコンアミドベンゾエート、双頭型アミノ酸誘導体、4級アンモニウム誘導体等を挙げることができる。
本発明における電解質の形成方法としては、マイクログラビアコーティング、ディップコーティング、スクリーンコーティング、スピンコーティング等を用いることができる。固体電解質又はp型半導体を用いる場合は、任意の溶媒を用いた溶液にした後、上記方法を用いて塗工し、基材を任意の温度に加熱して溶媒を蒸発させる等により形成する。
(2)色素増感太陽電池
本発明の1つの好ましい態様は、本発明の非水系電解液を備える色素増感太陽電池である。
本発明の色素増感太陽電池は、通常、電極基材、第一の透明導電層、色素が吸着(担持)した金属酸化物膜、電解質層、第二の透明導電層、対向基材が順に形成されてなるものであり、該電解質層中に本発明のイオン液体を含有していることを特徴とする色素増感太陽電池である。
電極基材に用いられる材料は、透明であれば特に限定されるものではない。具体的には、ガラスや強化ガラス等のガラス類、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサルファイド、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等、トリアセチルセルロース、ポリイミド、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系等のプラスチックフィルムを用いることができる。
電極基材の厚さは、材料がプラスチックフィルムの場合は、10μm以上500μm以下が好ましく、50μm以上200μm以下がより好ましく、さらに100μ以上200μm以下がより一層好ましい。ガラス類の場合は、0.1mm以上5mm以下が好ましく、0.5mm以上4mm以下がより好ましく、さらに0.5mm以上2mm以下がより一層好ましい。また、電極基材は光の入射面として用いる場合、可視光域の透過率が85%以上であって、耐候性に優れ、かつ指示材として耐えうる強度をもつことが好ましい。
このような電極基材は、必要に応じて表面がコロナ処理、プラズマ処理、薬品処理等によって改質されたものであってもよい。
本発明において、一方の電極基材は透明である必要があるが、他方の対向基材は透明である必要はない。導電性被膜を形成できる程度の平滑性を備えた表面を形成でき、かつ封止材を挟み込む程度の強度を有するものであれば、用いられる材料は特に限定されるものではなく、無機系材料、有機系材料、金属系材料等の材質を問わず用いることができる。
例えば、白金、金、銀等の貴金属や銅やアルミニウムや炭素等の導電性材料が挙げられる。腐食や長期耐久性を考慮すると、白金や金、銀等の貴金属材料や炭素が好ましく、これらの貴金属又は炭素を蒸着したガラス又はプラスチックを使用することが好ましい。また対向基材の厚さは、材質にもよるが、強度と製品の軽量性を考慮して10μm以上3000μm以下が好ましく、50μm以上1000μm以下がより好ましい。
本発明の色素増感太陽電池において、電極基材と色素が吸着した金属酸化物膜との間に透明導電層(第一の透明導電層)を設ける。透明導電層としては、公知の可視光領域の吸収が少なく導電性のある透明導電材料を用いることができる。透明導電材料としては、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、フッ素やインジウムやアンチモン等をドープした酸化スズ、アルミニウムやガリウム等をドープした酸化亜鉛等が好ましい。また、銀あるいは銀合金(AgAuCu等)をITO、TiO2、ZnO等で挟んだ3層型透明導電材料も挙げられる。これらの中でも、特にITO又はフッ素をドープした酸化スズを使用することが好ましい。
透明導電層の形成方法としては、真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の真空製膜プロセスによることができる。しかしこれらの例に限定されることはなく、いかなる成膜方法であっても構わない。透明導電層の厚さは50nm以上1μm以下が好ましい。条件にもよるが、ITOの場合は、100nm以上400nm以下の膜厚が好ましく、フッ素ドープ酸化スズの場合は、300nm以上900nm以下が好ましい。透明導電層は、可視光域の透過率が65%以上であることが好ましい。
色素が吸着した金属酸化物膜としては、n型あるいはp型半導体の性質を示す金属酸化物を用いることができる。具体的には、亜鉛、ニオブ、錫、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガン、鉄、銅、ニッケル、イリジウム、ロジウム、クロム、ルテニウムの酸化物等が挙げられる。また、SrTiO3、CaTiO3、BaTiO3、MgTiO3、SrNb26のようなペロブスカイト、あるいは、これらの複合酸化物又は酸化物混合物等も使用することができる。
金属酸化物膜の形成方法は、以下の通りである。金属酸化物の成膜には、形成したい金属酸化物に対応する金属、金属酸化物、金属亜酸化物等を蒸着源として電子ビームやプラズマ銃による加熱を用いた蒸着法、あるいは酸素ガスを導入しながら蒸着を行なう反応性蒸着法を用いることができる。成膜圧力は用いる蒸着源の種類によって異なるが、1×10-2Pa〜1Paの範囲で行なう。成膜の際、任意のガスを用いたプラズマやイオン銃、ラジカル銃等でアシストを行なってもよい。基板温度は、−50℃から600℃の間で任意に選択することができるが、多孔性を高く保つためには300℃以下であることが好ましい。また目的の金属酸化物によっては、スパッタリング法、イオンプレーティング、CVD等の真空成膜法を用いてもよい。また基材にプラスチックフィルムを用いた場合には、ロールトゥロール方式で成膜すればより高い生産性を得ることができる。
以上で得られた金属酸化物膜は、プラズマ処理、コロナ処理、UV処理、薬品処理等の任意の方法で表面処理することができる。また、熱による焼成や圧縮機を用いた加圧処置、レーザアニーリング等の任意の手段を用いて後処理することもできる。
色素
本発明において、金属酸化物膜に吸着させる色素としては、例えば、ルテニウム錯体色素としては、N3、ブラックダイ、ビピリジン−カルボン酸基、ビピリジン系、フェナントロリン、キノリン、β−ジケトナート錯体等、種類を問わず使用することができる。他に、Os金属錯体、Fe金属錯体、Cu金属錯体、Pt金属錯体、Re金属錯体等の金属錯体色素や、シアニン色素やメロシアニン色素等のメチン色素、マーキュロクロム色素、キサンテン系色素、ポルフィリン色素、フタロシアニン色素、シアニジン色素、ローダミン色素、アゾ系色素、クマリン系色素等の有機系色素等を用いることもできる。
これらの色素は、吸収係数が大きくかつ繰り返しの酸化還元に対して安定であることが好ましい。また、上記色素は金属酸化物半導体上に化学的に吸着することが好ましく、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、アミド基、アミノ基、カルボニル基、ホスフィン基等の官能基を有することが好ましい。
対向電極(第二の透明導電層)としては、白金や金、銀等の貴金属材料、銅やアルミニウムや炭素等の導電性材料が挙げられる。腐食や長期耐久性を考慮すると、白金や金、銀等の貴金属材料や炭素が望ましく、これらの貴金属又は炭素を蒸着したガラス又はプラスチックを使用することが好ましい。また、可視光透過性を有する色素増感太陽電池を得るために、該対向電極には、ITO、酸化錫、弗素ドープされた酸化錫等の透明導電膜を使用することもできる。
また、本発明における色素増感太陽電池において、必要に応じて導電性触媒層を設けてもよい。導電性触媒層としては、任意の導電性材料を用いることができ、白金や金、銀、銅等の金属、もしくは炭素等を挙げることができる。また、ポリアニリン、ポリチオフェン、PEDOT、ポリピロール等の導電性材料を用いることもできる。これらを形成する際には、透明導電層と同様の真空成膜法、あるいはこれら材料の微粒子をペーストにしたものをウェットコーティングする方法を用いることができる。
導電性触媒層の厚さは、0.1nm以上500nm以下が好ましく、5nm以上200nm以下がより好ましく、5nm以上150nm以下がさらに好ましい。また、導電性触媒はヨウ素等の酸化還元系を使用する場合、白金、炭素等の酸化能の強い材料を用いる。固体状電化輸送材料を用いる場合、仕事関数がそれに近い材料を用いることが好ましい。具体的には仕事関数4.5eV以上が好ましい。
また、本発明の色素増感太陽電池は、電極基材と対抗基材との間に電解質層を封止する封止材を設けてもよい。封止材としては、耐候性、耐光性、高防湿性、耐熱性が求められる。さらに、電解液の蒸散を防止するために、電解液に不溶な物質が好ましく、フィルム状の樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、エチレンビニルアセテート等)を電極周辺に張り合わせて、加熱若しくは圧力を加えながら加熱することにより、フィルムを融着させて封止する。さらに、その周囲を接着剤(例えば、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂等)を用いて封止することで、完全に電解液の蒸散を防ぐことができる。
6.電気二重層トランジスタ
本発明の非水系電解液のもう1つの好ましい側面は、電気二重層トランジスタ用の非水系電解液である。
本発明のイオン液体を電気二重層トランジスタ用の非水系電解液に添加すると、動作電圧を下げ、電荷移動度を向上させる事ができる。これは、誘起される電気二重層がソースードレイン電極間の半導体のキャリア密度変化を大きくし、動作電圧を下がるためと推定される。
本発明の電気二重層トランジスタ用の非水系電解液は、本発明のイオン液体のみでもよいし、1種又は2種以上の有機溶媒、1種又は2種以上の電解質、及び添加物を含んでいてもよい。
有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、γ―ブチロラクトン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等が挙げられる。
電解質としては、リチウムイオン二次電池及びナトリウムイオン二次電池で例示した電解質に加えて、CsClO、Sr(ClO、等が挙げられる。
添加剤としては、低駆動電圧化、高電流増幅率、高応答性を目的に、添加剤としてナノ粒子やイオンを添加する事も可能である。ナノ粒子としては、酸化アルミニウムや酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化チタンが挙げられる。イオンとしてはリチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオンが挙げられる。
本発明の1つの好ましい態様は、本発明の非水系電解液を備える電気二重層トランジスタである。
本発明の電気二重層トランジスタは、通常、基板、半導体、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、本発明の非水系電解液を備えている。
<基板>
本発明の有機薄膜トランジスタの基板を構成する支持体材料としては、例えば、ガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素等のセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素等半導体基板、紙、不織布、合成樹脂等を使用できる。本発明の有機薄膜トランジスタを電子ペーパーに適用する場合には、支持体材料は合成樹脂であることが好ましく、プラスチックフィルム(シート状の合成樹脂)であることが更に好ましい。プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。プラスチックフィルムを基板とする場合の基板の厚さは、合成樹脂の種類等により異なるが、フレキシビリティを有する有機薄膜トランジスタであるためには0.1〜3.0mm程度であることが好ましく、0.5〜1.3mmであることが更に好ましい。
<ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極パターンの形成方法>
本発明の有機薄膜トランジスタでは、ソース電極パターン、ドレイン電極パターン、ゲート電極パターンの3つの電極パターンは、公知の電極形成方法により形成することができる。
例えば、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法等のドライプロセス;スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等のウェットプロセス等の各種の公知の方法で全面に導電性層を形成した後、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法を挙げることができる。また、基板がプラスチックフィルム等の柔軟性を有する基板の場合には、基板に金属箔を貼り合わせた後、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法でもよい。
ウェットプロセスで作製可能な場合は、直接インクジェットによりパターニングしてもよいし、導電性インク又はペーストを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷、オフセット印刷等の印刷法でパターニングしてもよい。
これらの電極形成方法によって形成される電極材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等の金属化合物、また酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛等の導電性金属酸化物、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等のドーピング等で導電率を向上させた各種の導電性ポリマー等が挙げられる。
<半導体材料>
本発明の電気二重層トランジスタに用いられる半導体材料としては無機半導体材料や有機半導体材料があり、有機半導体材料には種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が適用可能である。
無機半導体材料にはアモルファスシリコンや多結晶シリコン、IGZOやITO、ZnO、NiO、SnO2、TiO2、VO2、In2O3、SrTiO3などの酸化物半導体、有機半導体、フラーレンやカーボンナノチューブ、グラフェンからなる炭素半導体を用いることができる。
前記縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、へプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
前記共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーのうち、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
さらに、ポルフィリンや銅フタロシアニン、特開平11−251601号公報に記載のフッ素置換銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類、Chem.Commun.1998,1661頁や特開2003−304104号公報等に記載のポルフィリン類及びその金属化合物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N′−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N′−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N′−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N′−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミド等のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミド等のアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等も用いることができる。
これらのπ共役系材料のうちでも、高い電荷移動度が得られることから、ペンタセン等の縮合多環芳香族化合物の誘導体、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニン及び金属ポルフィリンが好ましい。
有機半導体材料を用いて、本発明の有機薄膜トランジスタの半導体膜を形成するには、公知の方法で形成することができ、例えば、真空蒸着、MBE(Molecular Beam Epitaxy)、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、スパッター法、CVD(Chemical Vapor Deposition)、レーザ蒸着、電子ビーム蒸着、電着、スピンコート、ディップコート、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、及びLB法等、またスクリーン印刷、インクジェット印刷、ブレード塗布等の方法が挙げられる。工業的な生産性の観点から、適切な溶媒に溶解し必要に応じ添加剤を加えて調製した溶液をキャストコート、スピンコート、印刷、インクジェット法、アブレーション法等によって基板上に設置するのが好ましい。
この場合、有機半導体材料を溶解する溶媒は、有機半導体材料を溶解して適切な濃度の溶液が調製できるものであれば格別の制限はないが、具体的にはジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル等の鎖状エーテル系溶媒、テトラヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルムや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、トルエン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、m−クレゾール等の芳香族系溶媒、N−メチルピロリドン、2硫化炭素等を挙げられ、中でも、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等が好ましい。
有機半導体膜の膜厚は、特に制限はないが、得られたトランジスタの特性は、有機半導体膜の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、有機半導体により異なるが、一般に1μm以下、特に10nm〜300nmが好ましい。有機半導体膜は、有機半導体材料を活性化させる目的で、必要に応じてアニール処理が行われる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.試料
以下に示すイオン液体を以下の手順により合成した。
化合物1(IL4TFSI)
Figure 2017014310
化合物2(IL2TFSI)
Figure 2017014310
化合物3(AM2TFSI)
Figure 2017014310
比較化合物1(BMITFSI)
Figure 2017014310
比較化合物2(DEMETFSI)
Figure 2017014310
化合物1は、以下の手順により合成した。
Figure 2017014310
(1)化合物1aの合成
化合物1aは、WO2013/172350の実施例に記載の合成例1の手順に則り合成した。
(2)化合物1の合成
化合物1a(5.51g、3.93mmol)のアセトニトリル溶液(10mL)に、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(5.41g、18mmol)を溶解させた水溶液(15mL)を添加し、混合物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物は水層とイオン液体層に分離した。上澄みの水層を分離した後、残ったイオン液体層に15mLの塩化メチレンを加え、有機層を蒸留水(45mL)で3回洗浄した。イオン液体層を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、Pを用いて105℃、一晩真空オーブン中で乾燥すると、粘調な液体である化合物1が得られた(6.63g、3.56mmol、収率:91%)。
1HNMR(500MHz,DMSO−d6,25°C)δ(ppm)9.08(s,2H),9.04(s,2H),7.74(s,2H),7.68―7.66(m,6H),4.32―4.27(m,12H),4.14(t,J=7.2Hz,4H),3.71―3.69(m,12H),1.73(tt,J=7.2Hz,4H),1.24(tq,J=7.2Hz,4H),0.85(t,J=7.2Hz,6H);13CNMR(125MHz,DMSO−d6,25°C)δ(ppm)136.3,136.2,122.8,122.6,122.3,69.3,68.2,68.1,48.8,48.6,31.3,18.7,13.2.
化合物2は、特許文献6の実施例に記載の合成例2の手順に則り合成した。
化合物3は、以下の手順に則り合成した。
Figure 2017014310
化合物3の合成スキーム
(1)化合物3aの合成
アルゴン雰囲気下、トリエチレングリコールビス(p−トルエンスルホン酸エステル)(2.34g、5.01mmol)のアセトニトリル溶液(3mL)にN,N-ジエチルメチルアミン(3mL、24.3mmol)を添加し、混合液をマイクロ波合成装置CEM社Discover(登録商標)のスタンダードモードで110℃、2時間、加熱混和した。反応混合物を減圧下で濃縮、乾固し、粘調な残渣に塩化メチレン(10mL)を添加した。酢酸エチル(10mL)により洗浄を3回行なった。イオン液体層を、ロータリーエバポレーター、及びPを用いて105℃で一晩真空オーブンにより乾燥すると、透明な粘調な液体である化合物3aが得られた(3.00g、4.74mmol、収率:95%)。
HNMR(500MHz,DMSO−d6,25°C)δ(ppm)7.47(d,J=8Hz,4H),7.11(d,J=7Hz,4H),3.78(t,J=4.3Hz,4H),3.58(s,4H),3.44(t,J=4.8Hz,4H),3.32(q,J=7.3Hz,8H),2.95(s,6H),2.28(s,6H),1.18(t,J=7.3Hz,12H);13CNMR(125MHz,DMSO−d6,,25°C)δ(ppm)145.8,137.6,128.1,125.5,69.3,63.6,59.1,56.3,47.2,20.8,7.59
(2)化合物3の合成
化合物3a(3.00g、4.74mmol)のアセトニトリル溶液(2mL)に、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(2.98g、10.4mmol)を溶解させた水溶液(3.5mL)を添加し、混合物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物は水層とイオン液体層に分離した。上澄みの水層を分離した後、残ったイオン液体層に5mLの塩化メチレンを加え、有機層を蒸留水(15mL)で3回洗浄した。イオン液体層を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、Pを用いて105℃で一晩真空オーブン中で乾燥すると、粘調な液体である化合物3が得られた(3.74g、4.39mol、収率:93%)。
1HNMR(500MHz,DMSO−d6,25°C)δ(ppm)3.79(t,J=4.8Hz,4H),3.59(s,4H),3.43(t,J=4.8Hz,4H),3.25(q,J=7.2Hz,8H),2.94(s,6H),1.20(t,J=7.0Hz,12H);13CNMR(125MHz,DMSO−d6,25°C)δ(ppm)119.5(q,J=320Hz),69.3,63.6,59.1,56.4,47.2,7.5;ESI−MS:m/z570.2261([M−TFSI]+,calcd. for C1838+570.2100).
比較化合物1は、Aldrichから購入した。
比較化合物2は、関東化学(株)から購入した。
[実験例1]
電気二重層トランジスタを用いた比較評価
(1)実験手法
SrTiO単結晶の原子スケールで平坦な(001)面を示す基板(フルウチ化学より購入)上に図1に示す電極デバイスを作成した。金/チタン電極はオーミック接触するように電子線蒸着により作成された。各種イオン液体の液滴をそれぞれゲート電極とチャネル全体を覆うよう設置し、他の電極にはイオン液体が接触しないようにしてデバイスを作製した。
このようにして作られたデバイスにゲート電圧(V)0−3Vを5mV/sの掃引速度で室温(300K)条件下、徐々に印加した。この時、ソース電極−ドレイン電極間電圧(V)を100mVとした。この条件下で、ゲート電圧印加に応じて流れるソース電極−ドレイン電極間電流(I)(結果1)と磁場印加時に発生する電圧より求められる電子密度(結果2)を測定した。
(2)結果1(トランスファーカーブによる性能向上の示唆)
図2左に示すトランスファーカーブの通り、全てのデバイスに関して、ゲート電圧印加(V)に応じてチャネル表面の電荷密度が上昇することでソース電極−ドレイン電極間に電流(I)が発生する現象を観測した。さらに、ゲート電圧の電位分配に応じた、イオン液体−チャネルにかかる電圧(V)を基準にすることでヒステリシスの少ないトランスファーカーブ図2右を得た。また、流れる電流の値はイオン液体各種において異なり、化合物1、2、比較化合物1の結果を比較すると、同一ゲート電圧印加時に流れる電流値はテトラマー>ダイマー>モノマーの関係にあり、各イオン液体が異なるキャパシタンスを示すことが示唆された。
(3)結果2(ホール効果測定によるキャパシタンスの決定)
上記で示唆されたオリゴマーイオン液体の高キャパシタンス化の直接的手法による観察を試みた。電流がソース電極−ドレイン電極間を流れている条件で強磁場を平面デバイスに直行して貫く磁場を印加すると、流れる電子にローレンツ力がかかることで平面デバイス内のソース電極−ドレイン電極間電流と直交する向きに電圧が生じる(ホール効果)。この電圧はチャネル電極内の平面電子密度に依存するため、このホール効果に伴う電圧差を測定することで直接的に平面電子密度を求めることが可能である。その印加電圧に対する平面電子密度を求めた結果を図3に示す。キャパシタンスは平面電子密度の電圧に対する傾きに応答し、それは結果1で示唆された通り、テトラマー>ダイマー>モノマーの順であることがわかった。
[実験例2]
電気化学インピーダンス測定による比較評価
上述のトランジスタによる測定結果はSrTiO表面でのキャパシタンスを示すものであった。このオリゴマー化によるキャパシタンスの増加が用いるキャパシタの基板に依存しないことを示すために、金を電極に用いた電気化学インピーダンス測定を行った。
(1)手法
電極表面を50μm粒子を用いて研磨した金電極(φ3mm)(作用電極)、白金黒(対極)とAg/AgCl(in ionic liquid)(参照電極)を各種イオン液体に浸し、バイアス電圧に対して±10mVの交流電圧を周波数10−10-1Hzで印加することでインピーダンス測定を行った。
(2)結果3(インピーダンス測定)
各種測定から得られたインピーダンス測定の結果からボード線図を作成し、フィッティングを行うことでキャパシタンスの評価を行った。その結果、−0.5Vのバイアス電圧を印加した際に顕著にテトラマー>ダイマー>モノマーのオリゴマー化によるキャパシタンスの増加が確認できた。一方、+0.5Vを印加した際にはオリゴマー化によるキャパシタンスの増加は認められなかった。このことはカチオンをオリゴマー化した本系の特徴を如実に表すものである。つまり、電極が負に帯電した際にはカチオンとの相互作用が電極近傍で発生するためオリゴマー化の効果が現れるのに対して、正に帯電させた際にはアニオンは連結されていないため、カチオンのオリゴマー化の影響は示さないと考えられる。
上記の実験例で示したように、イオン液体を構成するカチオンの化学構造をオリゴマー化させることにより、イオン液体のキャパシタンスを飛躍的に向上させることが可能である。
[非水電解液の作製]
エチレンカーボネート30体積%、ジメチルカーボネート30体積%、エチルメチルカーボネート40体積%からなる混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解し電解質溶液を調製した。
電解液添加剤として、[表]に記載の化合物を10wt%、電解質溶液に溶解し、本発明の非水電解液を作製した。
実施例3:化合物4
実施例4:化合物5
比較例1:比較化合物3
比較例2:添加剤なし
化合物4
Figure 2017014310
化合物5
Figure 2017014310
比較化合物3
Figure 2017014310
[非水電解液二次電池の作製及び評価]
実施例3〜4及び比較例1〜2において、非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)を以下の作製手順に従って作製した。
〈作製手順〉
[正極の作製]
活物質としてLiMn90質量部、導電材としてアセチレンブラック5質量部、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量部を混合した後、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)140質量部に分散させてスラリー状とした。このスラリーをアルミニウム製の集電体に塗布し、乾燥後、プレス成型した。その後、この正極を所定の大きさにカットして円盤状正極を作製した。
[負極の作製]
活物質として人造黒鉛97.0質量部、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1.5質量部、及び増粘剤としてカルボキシメチルセルロース1.5質量部を混合し、水120質量部に分散させてスラリー状とした。このスラリーを銅製の負極集電体に塗布し、乾燥後、プレス成型した。その後、この負極を所定の大きさにカットし、円盤状負極を作製した。
[電池の組み立て]
得られた円盤状正極と円盤状負極を、厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔フィルムセパレーターをはさんでケース内に保持した。その後、上記で調整した各非水電解液をケース内に注入し、ケースを密閉、封止して、実施例及び比較例の非水電解液二次電池(φ20mm、厚さ3.2mmのコイン型)を製作した。
[電池評価]
実施例3〜4及び比較例1〜2の非水電解液二次電池の放電容量を、下記試験法により評価した。
<放電容量試験方法>
非水電解液二次電池を、25℃の恒温槽内に入れ、充電電流0.3mA/cm(0.2C相当の電流値)で4.3Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.3mA/cm(0.2C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電する操作を5回行った。5サイクル目の各電池の放電容量を、実施例3を100とした場合の割合として求めた。
実施例3:100
実施例4:100
比較例1:70
比較例2:101
[非水電解液の熱分析]
上記で調整した各非水電解液の安定性を大気雰囲気における示差熱分析(DTA)により評価した。70℃から150℃に観測される発熱ピーク面積を、実施例1を100とした場合の割合として求めた。
実施例3:100
実施例4:114
比較例1:133
比較例2:138
上記の結果より、本発明のイオン液体は、非水電解液二次電池用の電解液添加剤として用いた場合、容量を低下させないにもかかわらず、安全性を付与できることが明らかなため有用なものである。
[色素増感太陽電池の評価]
次に、本発明の非水系電解液を色素増感太陽電池の電解液として用いた例を説明する。色素はそれぞれ単独で評価しているが複数の色素を組み合わせる場合も考えられる。
<酸化チタン担体の製造(導電性基板11)>
縦2.0cm×横1.5cm×厚さ1.1mmの導電性ガラス基板(F−SnO2)よりなる導電性基板11を用意した。続いて、導電性基板11に、縦0.5cm×横0.5cmの四角形を囲むように厚さ70μmのマスキングテープを貼り、この四角形の部分に金属酸化物スラリー3cm3を一様の厚さとなるように塗布して乾燥させた。金属酸化物スラリーとしては、10重量%となるように酸化チタン粉末(TiO2、日揮触媒化成社製PST−18NR)を、水に懸濁したものを用いた。続いて、導電性基板11上のマスキングテープを剥がし取り、この基板を電気炉により450℃、30分で焼成し、厚さ約5μmの金属酸化物半導体層12を形成した。
<担持体(作用電極10)の製造>
以下の化合物A−化合物Eを0.3mMの濃度になるようにエタノールに溶解させて、色素溶液を調整した。続いて、上記で製造した酸化チタンを担体とする導電性基板11を浸漬させ、色素化合物13を担持させた作用電極10を作製した。
化合物A:ルテニウム錯体色素N3
化合物B:インドリン系有機色素D102
化合物C:カルバゾール系有機色素1
化合物D:カルバゾール系有機色素2
化合物E:シアニン系有機色素
Figure 2017014310
Figure 2017014310
<光電変換素子の製造及び変換効率評価>
図5に示すように、作製した作用電極10と、導電性基板21としてPtコートステンレス板(対向電極20)とを、スペーサー(63μm)を介して対向させ、それらの間に電解質含有層30を配し、これらをクリップで固定し、電解質含有層30に表1に示す電解液を浸透させ、光電変換素子を作製した。セル上部を開口部1cmのマスクで覆い、AM−1.5G、100mW/cmのソーラーシミュレーターで光発電特性(短絡電流密度、開放電圧、曲線因子、光電変換効率)を測定した。結果を表2に示す。
ここで、ソーラーシミュレーターにて測定されるI−V特性より、0V時の電流を短絡電流Isc(A)と呼び、Iscを太陽電池の受光面積で割った値が短絡電流密度Jsc(A/cm)と定義される。太陽電池に電流が流れていない際の電圧は開放電圧Voc(V)と呼び、太陽電池から取り出される最大の出力Pmax(W)をIscとVocで割った値が曲線因子FFとして定義される。光電変換効率η(%)はJscとVoc、FFの積を入射光Is(mW/cm)で割って求める事ができる。短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、曲線因子FFの値を向上させる事が太陽電池の特性改良に繋がる。
FF=Pmax/(Isc×Voc
η(%)={(Jsc[A/cm]×Voc[V]×FF)/I[W/cm]}×100
電解液1〜7の作製
アセトニトリルに対して、ヨウ化リチウム(0.10mol/L)、ヨウ素(0.05mol/L)、1,2‐ジメチル‐3‐プロピルイミダゾリウムヨージド(0.50mol/L)、表1に示す各電解液添加剤を表記載の濃度で混合したもの
以下に各電解液の添加剤内訳を示す。
Figure 2017014310
比較化合物4:ジメチルプロピルイミダゾリウム ヨージド(DMPII)
比較化合物5:ジメチルプロピルイミダゾリウム ビス(トリフロオロメチルスルホニル)イミド(DMPITFSI)
比較化合物6:テトラヘキシルアンモニウム ヨージド(THAI)
Figure 2017014310
Figure 2017014310
Figure 2017014310
表2の結果より、本発明のイオン液体は、光電変換素子用の電解液添加剤として用いた場合、高い変換効率を達成できることが明らかなため有用なものであることが示される。

Claims (18)

  1. 下記一般式(1)で表されるイオン液体を少なくとも1種含有する非水系電解液。
    Figure 2017014310

    (式中、
    及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、置換又は無置換の炭素数1〜7の直鎖又は分岐アルキル基を表し、
    は、
    (i)炭素数1〜10のアルキレン基又は
    (ii)
    Figure 2017014310

    から選択され、
    (式(2)において、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、mは1〜5の整数を表す。)
    及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、水素原子、置換又は無置換の炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基を表し、
    は、対イオンを表し、
    nは0〜30を表す。)
  2. は、PF 、(CFSO、BF 、Cl又はBrから選択される、請求項1に記載の非水系電解液。
  3. 下記一般式(3)で表されるモノマーイオン液体を更に含有する、請求項1又は2に記載の非水系電解液。
    Figure 2017014310
    (式中、R、R、R、R及びXは、式(1)で定義した通りである。)
  4. 前記モノマーイオン液体が、ブチルメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート又はブチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである、請求項3に記載の非水系電解液。
  5. 下記一般式(4)で表されるイオン液体を含有する非水系電解液。
    Figure 2017014310
    (式中、
    〜R10は、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、置換又は無置換の炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基を表し、
    11は、以下の式(2)で表され、
    Figure 2017014310
    (式(2)において、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、mは1〜5の整数を表す。)
    は、対イオンを表す。)
  6. は、PF 、(CFSO、BF 、Cl又はBrから選択される、請求項5に記載の非水系電解液。
  7. 下記一般式(5)で表されるモノマーイオン液体を更に含有する、請求項5又は6に記載の非水系電解液。
    Figure 2017014310
    (式中、R〜R10及びYは、式(4)で定義した通りである。)
  8. 電気化学デバイス用の非水系電解液である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  9. 前記電気化学デバイスが電気二重層キャパシタである、請求項8に記載の非水系電解液。
  10. 前記電気化学デバイスが非水系電解液二次電池である、請求項8に記載の非水系電解液。
  11. 前記電気化学デバイスが色素増感太陽電池である、請求項8に記載の非水系電解液。
  12. 前記電気化学デバイスが電気二重層トランジスタである、請求項8に記載の非水系電解液。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の非水系電解液を備える電気二重層キャパシタ。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の非水系電解液を備える非水系電解液二次電池。
  15. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の非水系電解液を備えるリチウムイオンキャパシタ。
  16. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の非水系電解液を備える色素増感太陽電池。
  17. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の非水系電解液を備える電気二重層トランジスタ。
  18. 下記一般式(4)で表されるイオン液体。
    Figure 2017014310
    (式中、
    〜R10は、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、置換又は無置換の炭素数1〜10直鎖又は分岐アルキル基を表し、
    11は、以下の式(2)で表され、
    Figure 2017014310
    (式(2)において、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、各々独立に、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、mは1〜5の整数を表す。)
    は、対イオンを表す。)
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