(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態の鉗子処置具(バイポーラ処置具)2が用いられる処置システム(バイポーラ処置システム)1を示す図である。図1に示すように、鉗子処置具2は、長手軸Cを有する。ここで、長手軸Cに沿う方向の一方側が先端側(図1の矢印C1側)であり、先端側とは反対が基端側(図1の矢印C2側)である。本実施形態では、鉗子処置具2は、エネルギーとして高周波電気エネルギー(高周波電流)を用いて処置対象を処置する。
鉗子処置具2は、保持可能なハウジング3を備え、ハウジング3は、長手軸Cに沿って延設されるハウジング本体5と、長手軸Cに対して交差する方向へ向かってハウジング本体5から延設されるグリップ(固定ハンドル)6と、を備える。また、ハウジング3には、ハンドル(可動ハンドル)7が支点ピン8を介して回動可能に取付けられ、ハンドル7がハウジング3に対して支点ピン8を中心として回動することにより、ハンドル7がグリップ6に対して開く又は閉じる。ハンドル7は、グリップ6に対して最も離間する第1の移動位置とグリップ6に対して最も近接する第2の移動位置との間で移動可能である。図1では、ハンドル7は、第1の移動位置に位置している。本実施形態では、ハンドル7は、長手軸Cに対して略平行に移動し、ハンドル7はグリップ6に対して先端側に位置している。
ハウジング3のハウジング本体5の基端部には、ケーブル11の一端が接続されている。ケーブル11の他端は、エネルギー制御装置10に着脱可能に接続される。エネルギー制御装置10は、バッテリー又はコンセントからの電力を高周波電気エネルギーに変換する変換回路、CPU(Central Processing Unit)又はASIC(application specific integrated circuit)等を備えるプロセッサ、及び、メモリ等の記憶媒体を備える。エネルギー制御装置10には、操作入力部としてフットスイッチ13が電気的に接続されている。エネルギー制御装置10は、フットスイッチ13での操作入力を検出したことに基づいて、高周波電気エネルギーを出力する。なお、操作入力部は、フットスイッチ13に限るものでなく、例えば、ハウジング3に取付けられる操作ボタンであってもよい。
ハウジング3のハウジング本体5には、先端側から回転ノブ(回転操作部)15が連結されている。回転ノブ15は、ハウジング3に対して長手軸Cを中心として回転可能である。また、回転ノブ15には、回転ノブ15の内部に先端側から挿入される状態で、シース(固定シース)16が固定されている。シース16は、長手軸Cに沿って延設されている。また、回転ノブ15が回転することにより、シース16は、回転ノブ15と一緒にハウジング3に対して長手軸Cを中心として回転する。
ハウジング本体5の内部からは、シース16の内部を通って、導電ロッド(プローブ)17が先端側に向かって延設されている。長手軸Cは、導電ロッド17の内部を通って、先端側から基端側へ延設されている。導電ロッド17の先端部には、第1のクランプ部(ロッド処置部)21が形成されている。導電ロッド17の第1のクランプ部(first clamp portion)21は、シース16の先端から先端側に向かって突出している。シース16の先端部には、第2のクランプ部(ジョー)22が支点ピン23を介して取付けられ、第2のクランプ部(second clamp portion)22は、支点ピン23を中心としてシース16に対して回動可能である。本実施形態では、第1のクランプ部21及び第2のクランプ部22(一対のクランプ部21,22)によって、処置対象を処置するエンドエフェクタ20が形成されている。
また、ハウジング本体5の内部からは、シース16の内部を通って、可動体(可動部)18が先端側に向かって延設されている。可動体18は、導電材料から形成され、長手軸Cに沿う方向についてハウジング3、回転ノブ15、シース16及び導電ロッド17に対して移動可能である。ハウジング本体5の内部では、可動体18の基端部にハンドル7が連結されている。そして、可動体18の先端部は、接続ピン25を介して第2のクランプ部22に接続されている。
ハンドル7をハウジング3(グリップ6)に対して第1の移動位置と第2の移動位置との間で移動させることにより、可動体18が長手軸Cに沿う方向についてハウジング3、回転ノブ15、シース16及び導電ロッド17に対して移動する。可動体18が移動することにより、第2のクランプ部22がシース16に対して回動し、第2のクランプ部22が第1のクランプ部21に対して移動する(開く又は閉じる)。すなわち、ハンドル7をハウジング3に対して移動させることにより、エンドエフェクタ20が動作する。エンドエフェクタ20が動作することにより、第1のクランプ部21に対する第2のクランプ部22の相対位置が変化し、第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間の離間距離が変化する。
エンドエフェクタ20は、第1のクランプ部21に対して第2のクランプ部22が最も離間する(第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間の離間距離が最も大きくなる)最離間位置と、第1のクランプ部21に対して第2のクランプ部22が最も近接する(第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間の離間距離が最も小さくなる)最近接位置と、の間で動作する。ハンドル7がグリップ6に対して最も離間する第1の移動位置へハンドル7が移動することにより、エンドエフェクタ20は最離間位置へ動作する。また、ハンドル7がグリップ6に対して最も近接する第2の移動位置へハンドル7が移動することにより、エンドエフェクタ20は最近接位置へ動作する。なお、図1では、エンドエフェクタ20は、最離間位置に位置している。
(第1のクランプ部21を含む)導電ロッド17、可動体18及び第2のクランプ部22は、回転ノブ15及びシース16と一緒に、ハウジング3に対して長手軸C回りに回転可能である。このため、回転ノブ15を回転させることにより、エンドエフェクタ20の長手軸C回りの角度位置が変化する。
ハウジング3の内部では、導電ロッド17に電気配線26の一端が接続され、可動体18に電気配線27の一端が接続されている。電気配線26,27は、ケーブル11の内部を通って延設され、他端がエネルギー制御装置10に接続されている。また、導電ロッド17では、第1のクランプ部21によって第1の電極31が形成されている。エネルギー制御装置10から出力された高周波電気エネルギー(高周波電力)は、電気配線26及び導電ロッド17を通して第1の電極31(第1のクランプ部21)に供給される。第1の電極31に高周波電気エネルギーが供給されることにより、第1の電極31は第1の電位E1を有する。第1の電極31は、第2のクランプ部22と対向する第1の電極対向面35を備える。
また、第2のクランプ部22は、導電材料から形成される第2の電極32と、電気的に絶縁材料から形成されるパッド部(当接部)33と、を備える。エネルギー制御装置10から出力された高周波電気エネルギー(高周波電力)は、電気配線27及び可動体18を通して第2のクランプ部22の第2の電極32に供給される。第2の電極32に高周波電気エネルギーが供給されることにより、第2の電極32は第1の電位E1とは異なる第2の電位E2を有する。第2の電極32は、第1のクランプ部21(第1の電極対向面35)と対向する第2の電極対向面36を備える。
ハウジング3の内部には、付勢部材として板バネ37が設けられている。板バネ37によって、ハンドル7がグリップ6に対して離間する状態に付勢力が作用する。すなわち、板バネ37は、ハンドル7を第1の移動位置に向かって移動させる付勢力をハンドルに作用させている。ハンドル7が第1の移動位置に向かう状態に付勢されることにより、エンドエフェクタ20(第2のクランプ部22)を最離間位置に向かって動作させる付勢力がエンドエフェクタ20に作用する。なお、ハンドル7及びエンドエフェクタ20に付勢力を作用させる付勢部材は板バネ37に限るものではなく、例えば、ハウジング3とハンドル7との間に接続されるコイルバネが板バネ37の代わりに設けられ、ハンドル7及びエンドエフェクタ20に前述した付勢力を作用させてもよい。
ハンドル7には、ハンドル片(ハンドルフック)41が設けられている。ハンドル7が第1の移動位置から第2の移動位置へ移動することにより、ハンドル片41は、移動経路P0を移動する。また、ハウジング3の内周面には、ガイド溝42が形成されている。ハウジング3の内部には突起(係合部)43が設けられ、突起43はガイド溝42を移動可能である。突起43は、図1において実線で示す係合位置と図1において破線で示す非係合位置との間で移動可能である。突起(係合部)43を移動させる操作は、例えばハウジング3に取付けられるレバー(図示しない)によって手動で行われる。突起43は、本実施形態では、基端側を向く規制面45を備える。突起43が係合位置に位置する状態では、突起(係合部)43はハンドル7のハンドル片41と係合可能である。
図2は、ハンドル7のハンドル片41が突起(係合部)43と係合している状態を示す図である。また、図3は、ハンドル7のハンドル片41が突起43と係合している状態でのエンドエフェクタ20を示す図である。図1及び図2に示すように、突起43が係合位置に位置している状態では、ハンドル7が第1の移動位置から第2の移動位置へ移動している状態でのハンドル片41の移動経路P0の途中に、突起(係合部)43の規制面45が位置している。このため、ハンドル7のハンドル片41が突起43と係合可能となる。一方、突起43が非係合位置に位置している状態では、規制面45を含む突起43は、ハンドル片41の移動経路P0から離間して位置している。このため、ハンドル7のハンドル片41は、突起43と係合しない。
ハンドル片41が突起43と係合した状態では、ハンドル片41が突起43の規制面45に基端側から当接し、規制面45によってハンドル片41の先端側への移動が規制される。ハンドル片41の先端側への移動が規制されることにより、ハンドル7の第1の移動位置への移動が規制されている。このため、突起43が非係合位置に移動しない限り、板バネ(付勢部材)37からの付勢力の作用によってハンドル7の第1の移動位置へ移動することはない。また、ハンドル7は第1の移動位置へ向かって移動する状態に付勢されているため、ハンドル片41が突起43と係合している状態では、ハンドル7に基端側への操作力(ハンドル7を第2の移動位置に向かって移動させる操作力)が印加されない限り、ハンドル7は、第2の移動位置へ向かって移動しない。したがって、ハンドル7に基端側への操作力が印加されず、かつ、突起43が非係合位置に移動しない限り、ハンドル片41が突起43と係合している状態が維持される。
図3に示すように、ハンドル片41が突起(係合部)43と係合している状態では、第2の電極32及びパッド部33を含む第2のクランプ部22は第1のクランプ部21から離間し、第1のクランプ部21及び第2のクランプ部22は互いに対して離間している。そして、本実施形態では、ハンドル片41が突起(係合部)43と係合している状態において、第1の電極31の第1の電極対向面35と第2の電極32の第2の電極対向面36との間が、所定の離間距離α0となる。所定の離間距離α0は、エンドエフェクタ20の最離間位置での第1の電極対向面35と第2の電極対向面36との間の離間距離より小さく、エンドエフェクタ20の最近接位置での第1の電極対向面35と第2の電極対向面36との間の離間距離より大きい。
ハンドル片41が突起(係合部)43と係合している状態では、前述のようにハンドル7の第1の移動位置への移動が規制されるため、エンドエフェクタ20(第2のクランプ部22)の最離間位置への動作も規制される。このため、突起43が非係合位置に移動しない限り、板バネ37からの付勢力によってエンドエフェクタ20が最離間位置に位置することはない。また、エンドエフェクタ20は最離間位置に向かって動作する状態に付勢されているため、ハンドル片41が突起43と係合している状態では、ハンドル7に基端側への操作力(ハンドル7を第2の移動位置に向かって移動させる操作力)が印加されない限り、エンドエフェクタ20は、最近接位置へ動作しない。したがって、ハンドル7に基端側への操作力が印加されず、かつ、突起43が非係合位置に移動しない限り、第1の電極31の第1の電極対向面35と第2の電極32の第2の電極対向面36との間が所定の離間距離α0で維持される。
図4は、突起43が係合位置に位置し、かつ、ハンドル7が第2の移動位置に位置する状態でのハンドル7のハンドル片41及び突起(係合部)43を示す図である。図5は、エンドエフェクタ20を最近接位置に位置する状態で示す図である。図4に示すように、ハンドル片41は、突起43と係合した状態(基端側から規制面45に当接した状態)から基端側へ向かって移動可能である。このため、ハンドル片41が突起43と係合した状態からハンドル7に基端側へ操作力が印加されることにより、板バネ37からの付勢力に反してハンドル7が第2の移動位置へ移動する。ハンドル7が第2の移動位置へ移動することにより、第1の電極対向面35と第2の電極対向面36との間が所定の離間距離α0になる位置から最近接位置へエンドエフェクタ20が動作する。
図5に示すように、エンドエフェクタ20が最近接位置に位置する状態では、パッド部33が第1のクランプ部21(第1の電極対向面35)に当接する。この際、第1の電極31に対して第2の電極32は離間している。したがって、本実施形態では、高周波電気エネルギーが供給されることにより互いに対して異なる電位(E1,E2)を有する第1の電極31及び第2の電極32の接触が防止される。ただし、エンドエフェクタ20が最近接位置に位置する状態では、第1の電極対向面35と第2の電極対向面36との間の離間距離が、所定の離間距離α0より小さくなる。
次に、本実施形態の鉗子処置具2の作用及び効果について説明する。鉗子処置具2を用いて処置を行う際には、術者がハウジング3を保持し、腹腔等の体腔にエンドエフェクタ20を挿入する。そして、体腔において処置対象の近傍までエンドエフェクタ20を移動させる。この際、ハンドル7は第1の移動位置に位置し、エンドエフェクタ20は最離間位置に位置している。また、突起(係合部)43は、非係合位置に位置している。
そして、ハンドル7に基端側へ操作力を印加し、ハンドル7を第2の移動位置へ向かって移動させる。ハンドル7が第2の移動位置へ移動している状態においてハンドル7のハンドル片(ハンドルフック)41がガイド溝42(突起43)より基端側の領域まで移動すると、術者は、例えば手動での操作によって突起(係合部)43を係合位置へ移動させるとともに、ハンドル7への操作力の印加を停止する。これにより、ハンドル片41が突起43の規制面45に基端側(第2の移動位置に近い側)から当接し、ハンドル片41が突起43に係合する。すなわち、ハンドル7の第1の移動位置から第2の移動位置へ向かう移動経路の途中において、ハンドル7のハンドル片41が突起43と係合する。
ハンドル片41が突起43と係合した状態では、前述のように、ハンドル7に基端側への操作力が印加されず、かつ、突起43が非係合位置に移動しない限り、ハンドル片41が突起43と係合している状態が維持される。ハンドル片41が突起43と係合している状態が維持されることにより、第1の移動位置から第2の移動位置へ移動する移動経路P0の途中の位置でハンドル7が維持される。これにより、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持され、第1の電極31の第1の電極対向面35と第2の電極32の第2の電極対向面36との間が所定の離間距離α0で維持される。
図6は、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持された状態で行われる処置の一例を示す図である。図6に示す処置では、例えば鉗子処置具2とは別の補助具を用いて、処置対象Tの表面に生理食塩水等の液体Lが送液されている。そして、ハンドル7のハンドル片41が突起43と係合している状態(最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持されている状態)で、第1の電極31及び第2の電極32を送液された液体Lに浸透する。第1の電極31及び第2の電極32が液体Lに浸透された状態で、術者がフットスイッチ13で操作入力を行うことにより、前述したように第1の電極31及び第2の電極32に高周波電気エネルギーが供給される。これにより、互いに対して異なる電位(E1,E2)を有する第1の電極31と第2の電極32との間で高周波電流が流れる。液体Lに高周波電流が流れることにより、ジュール熱を発生することによって液体Lが蒸散され、処置対象が止血(凝固)される。図6に示す処置は、微細な脈管を有する肝臓等の実質臓器を処置対象として止血する場合に行われる。なお、シース16に接続口金が設けるとともに、シース16の内部にルーメン(送液ルーメン)を形成することにより、補助具を用いることなく、処置対象Tの表面に液体Lを送液することが可能となる。この場合、貯液タンク及びポンプ等を備える送液源(図示しない)から送液チューブの内部及びルーメンを通して、処置対象Tの表面に液体Lが送液される。
本実施形態では、ハンドル7のハンドル片41を突起(係合部)43と係合させることにより、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持され、第1の電極31の第1の電極対向面35と第2の電極32の第2の電極対向面36との間が所定の離間距離α0で維持される。また、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持されている状態では、術者は、ハンドル7に操作力を印加する必要もない。したがって、術者は、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置で容易かつ適切にエンドエフェクタ20を維持することができる。これにより、図6に示す処置において、作業性及び効率が確保される。
また、図6に示す処置を行っている際において、第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間で把持を行う必要性が生じることがある。この場合、ハンドル片41が突起43と係合している状態からハンドル7を第2の移動位置へ移動させ、エンドエフェクタ20を最近接位置へ動作させる。これにより、第1の電極対向面35と第2の電極対向面36との間の離間距離が所定の離間距離α0から小さくなり、第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間で対象物が適切に把持される。また、この際、術者は、第2の移動位置(基端側)へ向かう操作力をハンドル7に印加するのみでよい。したがって、本実施形態では、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持されている状態(ハンドル片41が突起43に係合している状態)から、エンドエフェクタ20を最近接位置に向かって容易かつ適切に動作させることができる。
また、例えば図6に示す処置の完了後において、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持されている状態からエンドエフェクタ20を最離間位置に動作させる際には、術者は(例えば手動で)突起43を非係合位置に移動させる。これにより、ハンドル片41の突起(係合部)43との係合が解除され、板バネ(付勢部材)37からの付勢力によってハンドル7が第1の移動位置へ移動する。ハンドル7が第1の移動位置へ移動することにより、エンドエフェクタ20が適切に最離間位置へ動作する。したがって、本実施形態では、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持されている状態(ハンドル片41が突起43に係合している状態)から、エンドエフェクタ20を最離間位置に向かって容易かつ適切に動作させることができる。
(第1の実施形態の変形例)
なお、図7に示す第1の実施形態の第1の変形例では、第1の実施形態と同様にハウジング3にガイド溝42が設けられ、突起(係合部)43は、ガイド溝42を移動可能である。ただし、本変形例では、突起43は、3つの係合位置S1〜S3で、ハンドル7のハンドル片41と係合可能である。突起43が係合位置S1〜S3のいずれに位置する場合でも、ハンドル7が第1の移動位置から第2の移動位置へ移動している状態でのハンドル片41の移動経路P0の途中に、突起(係合部)43の規制面45が位置している。このため、突起43は、係合位置S1〜S3でハンドル片41と係合可能となる。
ハンドル片41が係合位置(第1の係合位置)S1に位置する突起43と係合している状態に比べて、ハンドル片41が係合位置(第2の係合位置)S2に位置する突起43と係合している状態では、ハンドル7が基端側(第2の移動位置に近い側)に位置する。また、ハンドル片41が係合位置(第2の係合位置)S2に位置する突起43と係合している状態に比べて、ハンドル片41が係合位置(第3の係合位置)S3に位置する突起43と係合している状態では、ハンドル7が基端側(第2の移動位置に近い側)に位置する。したがって、本変形例は、突起(係合部)43が移動することにより、第1の移動位置から第2の移動位置へ向かうハンドルの移動経路P0の途中においての突起43のハンドル片41との係合位置S1〜S3が変化する。
突起43のハンドル片41との係合位置S1〜S3が変化することにより、最離間位置から最近接位置に変化する途中においてのエンドエフェクタ20が維持される位置が変化し、ハンドル7のハンドル片41が突起(係合部)43と係合した状態での第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間の離間距離が変化する。例えば、ハンドル片41が係合位置S1に位置する突起43と係合している状態に比べて、ハンドル片41が係合位置S2に位置する突起43と係合している状態では、エンドエフェクタ20は最近接位置に近づき、第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間の離間距離が小さくなる。また、ハンドル片41が係合位置S2に位置する突起43と係合している状態に比べて、ハンドル片41が係合位置S3に位置する突起43と係合している状態では、エンドエフェクタ20は最近接位置に近づき、第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間の離間距離が小さくなる。
前述のように本変形例では、突起(係合部)43のハンドル片41との係合位置S1〜S3が変化可能であり、突起43とハンドル片41との係合位置S1〜S3が変化することにより、最離間位置から最近接位置に変化する途中においてのエンドエフェクタ20が維持される位置が変化する。このため、処置が行われる環境、処置対象の状態等に対応させて、術者は、エンドエフェクタ20が維持される位置を変化させ、ハンドル片41が突起43と係合している状態での第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間の離間距離を調整することができる。
なお、図7の変形例では、突起43は、3つの係合位置S1〜S3でハンドル片41と係合可能であるが、突起(係合部)43が複数の係合位置でハンドル片41と係合可能な構成であれば、図7の変形例と同様の作用及び効果を奏する。
また、第1の実施形態の第2の変形例を図8乃至図12を参照して説明する。図8は、本変形例のハウジング3及びハンドル7の構成を示す図であり、図9は、ハンドル7を先端側から視た図である。図8及び図9に示すように、本変形例では、ハンドル7にハンドル片(ハンドルフック)41の代わりにハンドル片(ハンドル突起)51が設けられている。ここで、ハウジング3の幅方向(図8において紙面に垂直な方向、図9において矢印W1及び矢印W2で示す方向)を規定すると、ハンドル片51は、ハウジング3の幅方向について一方側(本変形例では矢印W2側)に向かって突出している。ハンドル7が第1の移動位置から第2の移動位置へ移動することにより、ハンドル片51は、移動経路P´0を移動する。ハウジング3の内部では、ハウジング3の内周面に回動部材(係合部)52が支軸53を介して取付けられている。ハンドル片(ハンドル突起)51は、ハウジング3の幅方向について回動部材52が位置する側に向かって突出している。
図10は、回動部材52の構成を示す図である。回動部材(係合部)52の構成を示す図である。回動部材52は、支軸53の中心軸である回動軸Rを中心として回動可能にハウジング3に取付けられる。本変形例では、回動軸Rは、ハウジング3の幅方向と略平行に延設されている。また、支軸53は付勢部材であるコイルバネ55を介してハウジング3の内周面に接続されている。ここで、長手軸Cに交差し(略垂直で)、かつ、ハウジング3の幅方向に交差する(略垂直な)交差方向(図10において矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)を規定する。回動部材52及び支軸53は、コイルバネ55の伸縮に対応して、交差方向についてハウジング3に対して一緒に移動する。したがって、コイルバネ55が伸長又は収縮することにより、回動部材52の回動軸Rも交差方向についてハウジング3に対して移動する。
コイルバネ55は、交差方向について回動部材(係合部)52を中立位置に向かって移動させる付勢力を回動部材52及び支軸53に作用させている。例えば、押圧によって回動部材52が交差方向について一方側(図10の矢印Y1側)に向かって中立位置から移動した後に、回動部材52への押圧が解除されると、コイルバネ55からの付勢力によって回動部材52が交差方向について他方側(図10の矢印Y2側)へ向かって移動する。なお、図10では、回動部材52は、中立位置に位置している。
また、ハウジング3の内部には、板バネ37(図1参照)及びコイルバネ55とは別の付勢部材として板バネ56が設けられている。板バネ56は、回動軸R回りについて回動部材(係合部)52を中立位置に向かって回動させる付勢力を回動部材52に作用させている。例えば、押圧によって回動部材52が回動軸R回りについて一方側(図10の矢印R1側)に向かって中立位置から回動した後に、回動部材52への押圧が解除されると、板バネ56からの付勢力によって回動部材52が回動軸R回りについて他方側(図10の矢印R2側)へ向かって回動する(移動する)。
回動部材52は、図10の矢印Y2側(交差方向の他方側)を向く延設面(第1の延設面)61及び延設面(第2の延設面)62を備える。延設面62は、延設面61より基端側(図10の矢印C2側)に位置し、延設面61と延設面62との間には、基端側を向く規制面63が形成されている。規制面63によって、交差方向について回動部材52に段差が形成される。本変形例では、規制面63での段差によって、延設面62が、延設面61に比べて図10の矢印Y1側に位置する。また、回動部材52は、交差方向について延設面61,62とは反対側(図10の矢印Y1側)を向く延設面(第3の延設面)65が設けられている。
回動部材52が中立位置に位置している状態では、ハンドル7が第1の移動位置から第2の移動位置へ移動している状態(第2の移動位置から第1の移動位置へ移動している状態)でのハンドル片51の移動経路P´0の途中に規制面63が位置しない。このため、回動部材52の中立位置は、ハンドル7のハンドル片51と係合しない非係合位置となる。
次に、本変形例の作用及び効果について説明する。図11は、ハンドル7の第1の移動位置から第2の移動位置への移動においての、ハンドル片51及び回動部材(係合部)52の動作を説明する図である。図11に示すように、ハンドル7を第1の移動位置から第2の移動位置へ向かって移動させると(エンドエフェクタ20を最離間位置から最近接位置へ向かって動作させると)、ハンドル片51が回動部材52の延設面(第1の延設面)61に当接する。そして、ハンドル片51は、回動部材52の延設面61に沿って基端側に向かって移動する。
ハンドル片51が延設面61に沿って移動している状態では、ハンドル片51は延設面61を介して回動部材(係合部)52を押圧する。これにより、コイルバネ55からの付勢力に反して回動部材52が中立位置(非係合位置)から交差方向の一方側(図11の矢印Y1側)へ移動するとともに、板バネ56からの付勢力に反して回動部材52が中立位置(非係合位置)から回動軸R回りの一方側(図11の矢印R1側)へ回動する。ハンドル片51からの押圧によって回動部材52が移動及び回動することにより、回動部材52はハンドル片51と係合可能な係合位置に移動する。回動部材52が係合位置に移動することにより、ハンドル片51の移動経路P´0が規制面63を通過する状態になる。
そして、ハンドル7を第2の移動位置へ向かってさらに移動させると、ハンドル片51は、規制面63を通過し、延設面(第2の延設面)62に当接する。この際、ハンドル片51は延設面62を介して回動部材(係合部)52を押圧する。このため、コイルバネ55からの付勢力及び板バネ56からの付勢力に反して、回動部材52は前述の係合位置で維持される。このため、ハンドル片51が延設面62に当接している状態でハンドル7への操作力の印加を停止することにより、ハンドル片51が回動部材52の規制面63に基端側(第2の移動位置に近い側)から当接する。これにより、ハンドル片51が回動部材52に係合する。すなわち、ハンドル7の第1の移動位置から第2の移動位置へ向かう移動経路P´0の途中において、ハンドル7のハンドル片51が回動部材52と係合する。ハンドル片51が規制面63に基端側から当接することにより、ハンドル7の第1の移動位置への移動が規制されている。このため、板バネ(付勢部材)37からの付勢力の作用によってハンドル7の第1の移動位置へ移動することはない。
また、本変形例では、ハンドル7に基端側への操作力が印加されない限り、ハンドル片51が回動部材52と係合している状態が維持される。ハンドル片51が回動部材52と係合している状態が維持されることにより、第1の移動位置から第2の移動位置へ移動する移動経路P´0の途中の位置でハンドル7が維持される。これにより、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持され、第1の電極31の第1の電極対向面35と第2の電極32の第2の電極対向面36との間が所定の離間距離α0で維持される。
ハンドル片51が回動部材52と係合している状態から、ハンドル7に基端側へ向かう(第2の移動位置向かう)操作力が印加されると、ハンドル片51は、回動部材52の延設面62に沿って基端側に向かって移動する。そして、ハンドル片51が延設面62を通過すると、ハンドル片51は回動部材52から離間し、第2の移動位置まで移動する。ハンドル片51が延設面62を通過すると、回動部材(係合部)52は、ハンドル片51から押圧されなくなる。このため、コイルバネ55からの付勢力及び板バネ56からの付勢力によって、回動部材52は、係合位置から中立位置(非係合位置)へ移動する。
図12は、ハンドル7の第2の移動位置から第1の移動位置への移動においての、ハンドル片51及び回動部材(係合部)52の動作を説明する図である。ハンドル7が第2の移動位置に位置する状態(エンドエフェクタ20が最近接位置に位置する状態)において、ハンドル12への操作力の印加が停止されると、板バネ37からの付勢力によってハンドル7は第1の移動位置へ向かって移動する。図12に示すように、ハンドル7を第2の移動位置から第1の移動位置へ向かって移動させると(エンドエフェクタ20を最近接位置から最離間位置へ向かって動作させると)、ハンドル片51が回動部材52の延設面(第3の延設面)65に当接する。そして、ハンドル片51は、回動部材52の延設面65に沿って先端側(図12において矢印C1側)に向かって移動する。
ハンドル片51が延設面65に沿って移動している状態では、ハンドル片51は延設面65を介して回動部材(係合部)52を押圧する。これにより、板バネ56からの付勢力に反して回動部材52が中立位置(非係合位置)から回動軸R回りの一方側(図12の矢印R1側)へ回動する。そして、ハンドル片51は、中立位置から回動軸R回りの一方側へ回動した回動部材52において、延設面65を先端側へ向かって移動する。
そして、板バネ37からの付勢力によってハンドル7が第1の移動位置へ向かってさらに移動すると、ハンドル片51は、延設面65を通過する。そして、ハンドル片51は、回動部材52から離間し、第1の移動位置まで移動する。ハンドル片51が延設面65を通過すると、回動部材(係合部)52は、ハンドル片51から押圧されなくなる。このため、板バネ56からの付勢力によって、回動部材52は、中立位置(非係合位置)へ移動する。前述のようにハンドル7が第2の移動位置から第1の移動位置へ移動するため、ハンドル7の第2の移動位置から第1の移動位置への移動においては、ハンドル片51が規制面63と当接することはない。
本変形例では、ハンドル7を第1の移動位置から第2の移動位置へ向かってある程度移動させた後にハンドル7への操作力の印加を停止することにより、ハンドル片51が回動部材(係合部)52と係合し、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持される。また、ハンドル片51が回動部材52と係合した状態からハンドル7を第2の移動位置まで移動させることにより、ハンドル片51と回動部材52との係合が解除される。そして、第2の移動位置から第1の移動位置へのハンドル7の移動においては、ハンドル片51が規制面63と当接せず、ハンドル片51が回動部材52と係合しない。したがって、術者は、ハンドル7のみを操作することにより、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持することができるとともに、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持された状態から最離間位置にエンドエフェクタ20を動作させることができる。これにより、処置における作業性及び効率が向上する。
また、図8乃至図12に示す変形例で回動部材52及び支軸53が設けられる代わりに、図13及び図14に示す第1の実施形態の第3の変形例では、ハウジング3の内部に固定部(係合部)70が設けられている。本変形例でも図8乃至図12の変形例と同様に交差方向(図13及び図14において矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)を規定する。図13及び図14に示すように、固定部70は、図13及び図14の矢印Y2側(交差方向の他方側)を向く延設面(第1の延設面)71及び延設面(第2の延設面)72を備える。延設面72は、延設面71より基端側(図13及び図14の矢印C2側)に位置し、延設面71と延設面72との間には、基端側を向く規制面73が形成されている。規制面73によって、交差方向について固定部70に段差が形成される。本変形例では、規制面73での段差によって、延設面72が、延設面71に比べて図13及び図14の矢印Y1側に位置する。また、固定部70には、交差方向について延設面71,72とは反対側(図13及び図14の矢印Y1側)を向く延設面(第3の延設面)75が設けられている。
また、本変形例でも、ハウジング3の幅方向について一方側に向かって突出するハンドル片51が設けられ、ハンドル7が第1の移動位置から第2の移動位置へ移動することにより、ハンドル片51は、移動経路P´0を移動する。本変形例では、ハンドル片51は弾性を有し、移動経路P´0に垂直な方向(交差方向)について屈曲し易い。ただし、移動経路P´0に平行な方向(長手軸Cに沿う方向)について、ハンドル片51は、屈曲し難くなっている。
図13に示すように、ハンドル7を第1の移動位置から第2の移動位置へ向かって移動させると(エンドエフェクタ20を最離間位置から最近接位置へ向かって動作させると)、ハンドル片51が固定部70の延設面(第1の延設面)71に当接し、ハンドル片51は、固定部70の延設面71に沿って基端側に向かって移動する。この際、ハンドル片51は延設面71を介して固定部(係合部)70から押圧され、移動経路P´0に垂直な方向について図13の矢印Y2側(交差方向の他方側)へ屈曲する。
そして、ハンドル7を第2の移動位置へ向かってさらに移動させると、ハンドル片51は、規制面73を通過し、延設面(第2の延設面)72に当接する。この際、ハンドル片51は延設面72を介して固定部(係合部)70から押圧され、移動経路P´0に垂直な方向について図13の矢印Y2側(交差方向の他方側)へ屈曲する。ハンドル片51が延設面72に当接している状態でハンドル7への操作力の印加を停止することにより、ハンドル片51が固定部70の規制面73に基端側(第2の移動位置に近い側)から当接する。この際、ハンドル片51は、規制面73を介して固定部70から基端側へ向かって押圧される。ただし、本変形例では、移動経路P´0に平行な方向(長手軸Cに沿う方向)についてハンドル片51は屈曲し難いため、規制面73を介して固定部70から押圧されても、ハンドル片51は、基端側へ屈曲しない。これにより、ハンドル片51が固定部70に係合する。すなわち、ハンドル7の第1の移動位置から第2の移動位置へ向かう移動経路P´0の途中において、ハンドル7のハンドル片51が固定部70と係合する。また、ハンドル片51が規制面73で固定部70と係合することにより、ハンドル7の第1の移動位置への移動が規制されている。このため、板バネ(付勢部材)37からの付勢力の作用によってハンドル7の第1の移動位置へ移動することはない。
また、本変形例でも、ハンドル7に基端側への操作力が印加されない限り、ハンドル片51が固定部70と係合している状態が維持される。ハンドル片51が固定部70と係合している状態が維持されることにより、第1の移動位置から第2の移動位置へ移動する移動経路P´0の途中の位置でハンドル7が維持される。これにより、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持され、第1の電極31の第1の電極対向面35と第2の電極32の第2の電極対向面36との間が所定の離間距離α0で維持される。
ハンドル片51が固定部70と係合している状態から、ハンドル7に基端側へ向かう(第2の移動位置向かう)操作力が印加されると、ハンドル片51は、固定部70の延設面72に沿って基端側に向かって移動する。そして、ハンドル片51が延設面72を通過すると、ハンドル片51は固定部70から離間し、第2の移動位置まで移動する。ハンドル片51が延設面72を通過すると、ハンドル片51は固定部70から押圧されなくなる。このため、ハンドル片51は屈曲しない状態となる。
図14に示すように、ハンドル7を第2の移動位置から第1の移動位置へ向かって移動させると(エンドエフェクタ20を最近接位置から最離間位置へ向かって動作させると)、ハンドル片51が固定部70の延設面(第3の延設面)75に当接する。そして、ハンドル片51は、固定部70の延設面75に沿って先端側(図14において矢印C1側)に向かって移動する。この際、ハンドル片51は延設面75を介して固定部(係合部)70から押圧され、移動経路P´0に垂直な方向について図14の矢印Y1側(交差方向の一方側)へ屈曲する。
そして、板バネ37からの付勢力によってハンドル7が第1の移動位置へ向かってさらに移動すると、ハンドル片51は、延設面75を通過する。そして、ハンドル片51は、固定部70から離間し、第1の移動位置まで移動する。ハンドル片51が延設面75を通過すると、ハンドル片51は固定部(係合部)70から押圧されなくなる。このため、ハンドル片51は屈曲しない状態となる。前述のようにハンドル7が第2の移動位置から第1の移動位置へ移動するため、ハンドル7の第2の移動位置から第1の移動位置への移動においては、ハンドル片51が規制面73と当接することはない。
本変形例でも図8乃至図12の変形例と同様に、ハンドル7を第1の移動位置から第2の移動位置へ向かってある程度移動させた後にハンドル7への操作力の印加を停止することにより、ハンドル片51が固定部(係合部)70と係合し、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持される。また、ハンドル片51が固定部70と係合した状態からハンドル7を第2の移動位置まで移動させることにより、ハンドル片51と固定部70との係合が解除される。そして、第2の移動位置から第1の移動位置へのハンドル7の移動においては、ハンドル片51が規制面73と当接せず、ハンドル片51が固定部70と係合しない。したがって、本変形例でも図8乃至図12の変形例と同様の作用及び効果を奏する。
また、図15乃至図18に、第1の実施形態の第4の変形例を示す。図1に示す第1の実施形態では、ハンドル7が第2の移動位置まで移動することでエンドエフェクタ20が最近接位置に位置する。これに対し、本変形例では、ハンドル7の第1の移動位置(図15の位置X1)から第2の移動位置(図18の位置X4)までの移動において、ハンドル片41が突起43に係合する位置(図16の位置X2)と第2の移動位置との間の基準位置(図17の位置X3)までハンドル7が移動することにより、エンドエフェクタ20が最近接位置に位置する(最近接位置へ動作する)。本変形例では、図1に示す第1の実施形態で可動体18が設けられる代わりに、可動体180が設けられ、可動体180に加えて弾性部材(ばね)100、リング(スライダー)101及びピン104がハウジング3の内部に設けられている。
回転ノブ15の基端部には、ホルダー106が設けられ、回転ノブ15が回転することによりホルダー106も長手軸Cを中心に回転する。ホルダー106には、可動体180が挿通される孔が形成され、可動体180に係合するピン104が固定されている。可動体180には、ピン104が係合するピン溝105が長手軸Cに沿って延設され、可動体180のピン溝105は、ピン104に対して長手軸Cに沿って移動可能である。また、回転ノブ15の回転によってホルダー106が回転することにより、ピン104を介して可動体180に動力が伝達され、可動体180も長手軸Cを中心として回転する。可動体180の基端部には、可動体180に対して長手軸Cに沿って移動可能なリング101が設けられ、可動体180が回転することにより、リング101も長手軸C回りに回転する。リング(スライダー)101には円周溝103が形成され、ハンドル7に設けられる突起部102が円周溝103と係合する。ハンドル7が支点ピン8を中心に回転することにより、突起部102が円周溝103でリング101を押圧し、リング101を長手軸Cに沿って進退させる。突起部102とリング101との間では、長手軸C回りの運動は伝達されない。このため、回転ノブ15の回転によって可動体180及びリング101を回転させても、ハンドル7は長手軸C回りに回転しない。弾性部材(ばね)100は、一端(基端)がリング101に接続され、他端(先端)が可動体180に接続されている。
前述の構成において、ハンドル7をグリップ6に対して握り込む(第1の移動位置から第2の移動位置に移動させる)ことにより、以下のように動作する。図15に示すように、本変形例でもハンドル7が第1の移動位置に位置する状態では、エンドエフェクタ20が最離間位置に位置している。そして、第1の移動位置から第2の移動位置に向かってハンドル7を移動させると、図16に示すように、ハンドル7が第1の移動位置(初期位置)X1からハンドル片41が突起43に係合する位置X2まで移動する。第1の移動位置X1から位置X2までハンドル7が移動している状態では、ハンドル7の突起部102からの押圧によって、リング101及び可動体180が一緒に長手軸Cに沿って先端側へ移動する。可動体180が先端側へ向かって移動することにより、エンドエフェクタ20が最近接位置に向かって動作する。
そして、図16の状態からさらにハンドル7を第2の移動位置に向かって移動させると、図17に示すように、ハンドル片41が突起43と係合する位置X2と第2の移動位置X4との間の基準位置X3までハンドルが移動することにより、エンドエフェクタ20が最近接位置に位置する(到達する)。そして、図17に示す状態(基準位置X3)から図18に示す第2の移動位置X4までハンドル7を移動させることにより、ハンドル7の突起部102からの押圧によって、可動体180に対してリング101が先端側へ移動する。この際、可動体180は移動しないため、エンドエフェクタ20は最近接位置で維持される。基準位置X3から第2の移動位置X4までのハンドル7が移動している状態においてリング101が可動体180に対して移動することにより、弾性部材100が収縮する。弾性部材100が収縮することにより、ハンドルが第2の移動位置X4まで移動した状態では、弾性部材100で所定の弾性力が発生する。これにより、ハンドルが第2の移動位置X4まで移動した状態では、弾性部材100からの弾性力によって、最近接位置に位置するエンドエフェクタ20の第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間に所定の把持力が作用する。すなわち、ハンドルが第2の移動位置X4まで移動した状態では常時、略一定の把持力が第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間に作用する。
また、前述の実施形態等では、ハンドル7の移動に対応して一対のクランプ部21,22の一方(第2のクランプ部22)のみがシース16に対して回動するが、これに限るものではない。例えば、ある変形例では、ハンドル(7)の移動に対応して一対のクランプ部(21,22)の両方がシース(16)に対して回動することにより、クランプ部(21,22)の間の離間距離が変化する鉗子処置具(2)において、前述した構成(ハンドル(7)の係合部(43;52;70)への係合によって、最離間位置へのエンドエフェクタ(20)の動作が規制される構成)を適用してもよい。
また、前述の実施形態等では、ハンドル7は、グリップ6に対して先端側に位置するが、ある変形例では、ハンドル(7)がグリップ(6)に対して基端側に位置してもよい。この場合、ハンドル(7)の第1の移動位置から第2の移動位置への移動(エンドエフェクタ(20)の最離間位置から最近接位置への動作)において、ハンドル(7)は先端側に向かって移動する。また、別のある変形例では、ハンドル(7)が長手軸(C)に対して交差する方向に(長手軸(C)に対して略垂直に)移動する構成であってもよい。
第1の実施形態及びその変形例では、鉗子処置具(2)に設けられるエンドエフェクタ(20)は、第1のクランプ部(21)と、第1のクランプ部(21)に対する相対位置が変化可能な第2のクランプ部(22)と、を備え、エンドエフェクタ(20)は、第1のクランプ部(21)に対して第2のクランプ部(22)が最も離間する最離間位置と第1のクランプ部(21)に対して第2のクランプ部(22)が最も近接する最近接位置との間で動作する。鉗子処置具(2)は、保持可能なハウジング(3)と、第1の移動位置と第2の移動位置との間でハウジング(3)に対して移動可能なハンドル(7)と、を備え、ハンドル(7)は、第1の移動位置へ移動することによりエンドエフェクタ(20)を最離間位置へ動作させるとともに、第2の移動位置へ移動することによりエンドエフェクタ(20)を最近接位置へ動作させる。そして、鉗子処置具(2)では、第1の移動位置から第2の移動位置へ向かうハンドル(7)の移動経路の途中にハンドル(7)と係合可能な係合部(43;52;70)が設けられ、係合部(43;52;70)がハンドル(7)と係合することにより、ハンドル(7)の第1の移動位置への移動が規制され、エンドエフェクタ(20)の最離間位置への動作が規制される。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図19乃至図21を参照にして説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図19及び図20は、本実施形態の鉗子処置具2の構成を示す図である。また、図21は、図19のXXI−XXI線断面図である。図19乃至図21に示すように、本実施形態では、シース(固定シース)16の外周側が可動シース80によって覆われている。可動シース80は、ハウジング3、シース16及び導電ロッド17に対して長手軸Cに対して移動可能である。可動シース80は、例えばパッチン留めから形成される係合爪81を備える。また、ハウジング3(ハウジング本体5)の外表面には、2つの係合溝82,83が形成されている。本実施形態では、係合溝(第1の係合溝)82に対して係合溝(第2の係合溝)83が、先端側に位置している。係合爪81が係合溝(82又は83)と係合した状態では、可動シース80の長手軸Cに沿う移動が規制される。なお、可動シース80の移動は、例えば手動によって行われ、係合爪81と係合溝(82又は83)との係合は、例えば手動によって解除される。
可動シース80の先端部の内周面には、エンドエフェクタ20の第2のクランプ部22を押圧可能な押圧部85が設けられている。係合爪81が係合溝82に係合する図19に示す位置では、押圧部85を含む可動シース80は、エンドエフェクタ20と接触せず、可動シース80(押圧部85)によって第2のクランプ部22は押圧されない。一方、係合爪81が係合溝83に係合する図20に示す位置では、押圧部85はエンドエフェクタ20の第2のクランプ部22に当接可能となり、第2のクランプ部22を第1のクランプ部21に向かって押圧可能となる。したがって、可動シース80は、エンドエフェクタ20を押圧しない非押圧位置(図19に示す位置)と押圧部85によってエンドエフェクタ20の第2のクランプ部22を押圧可能な押圧位置との間で移動可能である。
可動シース80が図19に示す非押圧位置に位置する状態では、エンドエフェクタ20は、ハンドル7の移動に対応して最離間位置と最近接位置との間で動作する。本実施形態でも第1の実施形態と同様に、エンドエフェクタ20を最離間位置に向かって動作させる付勢力をエンドエフェクタ20に作用させる付勢部材として板バネ37が設けられている。したがって、可動シース80が非押圧位置に位置する状態においてハンドル7に操作力が印加されていない場合は、エンドエフェクタ20は最離間位置に位置する。
可動シース80が図20に示す押圧位置に位置する状態では、可動シース80の押圧部85がエンドエフェクタ20の第2のクランプ部22を第1のクランプ部21に向かって押圧可能となる。この際、板バネ37からの付勢力によってエンドエフェクタ20が最離間位置に向かって動作すると、第2のクランプ部22が可動シース80の押圧部85に当接する。これにより、第2のクランプ部22が第1のクランプ部21に向かって押圧部85によって押圧され、エンドエフェクタ20(第2のクランプ部22)の最離間位置への移動が規制される。このため、可動シース80が押圧位置に位置している限り、板バネ37からの付勢力によってエンドエフェクタ20が最離間位置に位置することはない。
また、エンドエフェクタ20は最離間位置に向かって動作する状態に付勢されているため、ハンドル7を第2の移動位置に向かって移動させる操作力が印加されない限り、エンドエフェクタ20は、最近接位置へ動作しない。したがって、可動シース80が押圧位置に位置する状態では、ハンドル7に操作力が印加されない限り、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持される。最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持されることにより、第1の電極31の第1の電極対向面35と第2の電極32の第2の電極対向面36との間が所定の離間距離α0で維持される。なお、可動シース80が押圧位置に位置する状態では、エンドエフェクタ20は、ハンドル7の移動に対応して第1の電極対向面35と第2の電極対向面36との間が所定の離間距離α0となる位置と最近接位置との間で動作する。
前述のように、本実施形態では、押圧部85によって第2のクランプ部22が押圧可能な押圧位置に可動シース80を移動さることにより、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持され、第1の電極31の第1の電極対向面35と第2の電極32の第2の電極対向面36との間が所定の離間距離α0で維持される。また、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持されている状態では、術者は、ハンドル7に操作力を印加する必要もない。したがって、第1の実施形態と同様に、術者は、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置で容易かつ適切にエンドエフェクタ20を維持することができる。これにより、第1の実施形態と同様に、図6に示す処置において、作業性及び効率が確保される。
また、可動シース80が押圧位置に位置する状態では、ハンドル7を第2の移動位置へ移動させることにより、第1の電極対向面35と第2の電極対向面36との間が所定の離間距離α0となる位置から最近接位置へエンドエフェクタが動作する。これにより、第1の電極対向面35と第2の電極対向面36との間の離間距離が所定の離間距離α0から小さくなり、第1のクランプ部21と第2のクランプ部22との間で対象物が適切に把持される。また、この際、術者は、第2の移動位置へ向かう操作力をハンドル7に印加するのみでよい。したがって、本実施形態でも第1の実施形態と同様には、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持されている状態から、エンドエフェクタ20を最近接位置に向かって容易かつ適切に動作させることができる。
また、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持されている状態からエンドエフェクタ20を最離間位置に動作させる際には、術者は(例えば手動で)可動シース80を非押圧位置に移動させる。これにより、可動シース80(押圧部85)はエンドエフェクタ20を押圧しなくなり、板バネ(付勢部材)37からの付勢力によって、エンドエフェクタ20が適切に最離間位置へ動作する。したがって、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、最離間位置から最近接位置に変化する途中の位置でエンドエフェクタ20が維持されている状態から、エンドエフェクタ20を最離間位置に向かって容易かつ適切に動作させることができる。
(第2の実施形態の変形例)
なお、図22及び図23に示す第2の実施形態のある変形例では、可動シース80に接続口金86が設けられ、接続口金86に送液チューブ87の一端が接続されている。送液チューブ87の他端は、貯液タンク及びポンプ等を備える送液源(図示しない)に接続されている。また、可動シース80には、ルーメン(送液ルーメン)90が長手軸Cに沿って形成されている。接続口金86では、送液チューブ87の内部がルーメン90に連通している。可動シース80の先端には、ルーメン90の噴出口91が形成されている。
本変形例では、図6に示す処置を行っている状態において、送液源から送液チューブ87の内部を通してルーメン90に生理食塩水等の液体(流体)が供給される。そして、ルーメン90において基端側から先端側に向かって液体(流体)が供給され、噴出口91から供給された液体が噴出される(図23の矢印F1)。ここで、図6に示す処置が行われている際には、可動シース80(押圧部85)はエンドエフェクタ20(第2のクランプ部22)を押圧可能な押圧位置に位置している。このため、可動シース80の先端に位置する噴出口91は、シース(固定シース)16の先端より先端側に位置する。したがって、シース16の先端より処置対象Tに近い位置で液体が噴出されるため、図6の処置において適切に処置対象Tの表面に液体Lが送液される。これにより、図6の処置における処置性能が向上する。
また、ある変形例では、ハンドル(7)の移動に対応して一対のクランプ部(21,22)の両方がシース(16)に対して回動することにより、クランプ部(21,22)の間の離間距離が変化する鉗子処置具(2)において、第2の実施形態と同様の可動シース(80)が設けられてもよい。この場合、可動シース(80)が押圧位置に移動した状態において、押圧部(85)は、クランプ部(21,22)の一方のみを押圧可能であってもよく、クランプ部(21,22)の両方を押圧可能であってもよい。いずれの場合も、押圧位置に位置する押圧部(85)によってエンドエフェクタ(20)(クランプ部(21,22)の一方又は他方)が押圧されることにより、第2の実施形態と同様に、エンドエフェクタ(20)の最離間位置への動作が規制される。なお、押圧部(85)によってクランプ部(21,22)の両方が押圧可能な場合は、クランプ部(21,22)は互いに対して近接する方向へ向かって押圧される。
また、第1の実施形態の変形例で前述したように、ハンドル7のハウジング3に対する位置、及び、ハンドル7の移動方向は、限定されるものではない。
第2の実施形態及びその変形例では、鉗子処置具(2)に設けられるエンドエフェクタ(20)は、第1のクランプ部(21)と、第1のクランプ部(21)に対する相対位置が変化可能な第2のクランプ部(22)と、を備え、エンドエフェクタ(20)は、第1のクランプ部(21)に対して第2のクランプ部(22)が最も離間する最離間位置と第1のクランプ部(21)に対して第2のクランプ部(22)が最も近接する最近接位置との間で動作する。鉗子処置具(2)では、付勢部材(37)によって、最離間位置に向かって動作させる付勢力が、エンドエフェクタ(20)に作用している。そして、鉗子処置具(2)では、エンドエフェクタ(20)の第1のクランプ部(21)及び第2のクランプ部(22)の少なくとも一方を押圧可能な押圧部(85)が設けられ、押圧部(85)がエンドエフェクタ(20)を押圧することにより、エンドエフェクタ(20)の最離間位置への動作が規制される。
(その他の変形例)
前述の実施形態等では、処置に用いられるエネルギーとして高周波電気エネルギーのみがエンドエフェクタ20に供給されるが、これに限るものではない。例えば、ある変形例では、高周波電気エネルギーをエンドエフェクタ(20)に供給可能であるとともに、超音波振動がエンドエフェクタ(20)に伝達されてもよい。この場合、ハウジング(3)の内部に圧電素子等の振動発生部が設けられ、エネルギー制御装置10から前述の高周波電気エネルギーとは別の電気エネルギーが振動発生部に供給されることにより、振動発生部で超音波振動が発生する。そして、導電ロッド(18)を通して第1のクランプ部(21)に超音波振動が伝達される。また、別のある変形例では、エンドエフェクタ(20)に高周波電気エネルギーが供給可能であるとともに、エンドエフェクタ(20)にヒータが設けられてもよい。この場合、ヒータに前述の高周波電気エネルギーとは別の電気エネルギーが供給されることにより、ヒータで熱が発生する。
なお、前述の実施形態等を適宜変更してもよく、前述の実施形態等を適宜部分的に組み合わせてもよい。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、本発明は前述の実施形態等に限るものではなく、発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形ができることは、もちろんである。
前記目的を達成するため、本発明のある態様の鉗子処置具は、高周波電気エネルギーが供給されることにより、第1の電位を有する第1の電極を備える第1のクランプ部と、前記高周波電気エネルギーが供給されることにより、前記第1の電位とは異なる第2の電位を有する第2の電極を備え、前記第1のクランプ部に対する相対位置が変化可能な第2のクランプ部と、を備え、前記第1のクランプ部に対して前記第2のクランプ部が最も離間する最離間位置と前記第1のクランプ部に対して前記第2のクランプ部が最も近接する最近接位置との間で動作するエンドエフェクタと、ハウジングと、所定の軸を中心として回転することにより第1の移動位置と第2の移動位置との間で前記ハウジングに対して移動可能であり、前記第1の移動位置へ移動することにより前記エンドエフェクタを前記最離間位置へ動作させるとともに、前記第2の移動位置へ移動することにより前記エンドエフェクタを前記最近接位置へ動作させるハンドルと、前記ハンドルが前記第1の移動位置から前記第2の移動位置へ向かう移動経路の途中において前記ハンドルと当接する第1の延設面と、前記ハンドルが前記第2の移動位置から前記第1の移動位置へ向かう移動経路の途中において前記ハンドルと当接する第2の延設面と、前記ハンドルが係合することにより前記エンドエフェクタの動作を規制する規制面と、を備える係合部材と、を備える。