JPWO2017006909A1 - クローラ装置および走行体 - Google Patents

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Abstract

クローラ装置2は、クローラユニット5を備えている。このクローラユニット5は、第1回転軸線L1に沿って延びる第1サポート10と、第1サポート10に設けられた一対のクローラ部20A,20Bと、第1サポート10に設けられた一対の接地構造30A,30Bとを有している。一対の接地構造30A,30Bは、一対のクローラ部20A,20Bの対向方向において一対のクローラ部20A,20Bの外側に配置されている。クローラユニット5は、第2サポート41,42により、第1回転軸線L1を中心に回転可能に支持されている。クローラユニット5の円筒形状をなす外周は、一対のクローラ部20A,20Bが占める第1ゾーンZ1と、一対の接地構造30A,30Bが占める第2ゾーンZ2とを、周方向に交互に有している。

Description

本発明は、二方向に走行可能なクローラ装置およびこのクローラ装置を複数装備する走行体に関する。
特許文献1に開示されているロボット(走行体)は、ロボットボデイ(走行体ボデイ)の左右に、ボデイの前後方向に延びる一対のクローラ装置を装備している。各クローラ装置は、前後のホイールと、これらホイールに架け渡されたベルト(無端条体)を備えている。
上記構成のロボットは、左右のクローラ装置を同方向に同速度で駆動することにより、前進または後退することができる。また、左右のクローラ装置の速度を違えることにより、曲線を描くようにして左右に旋回することもできる。さらに、左右のクローラ装置を異なる方向に駆動することにより、超信地旋回(移動せずにその場で旋回)することもできる。
上記ロボットは、狭い通路での直角をなす曲がり角では、超信地旋回によってロボットの方向を転換することができない。また、地面の凹凸の大きい場所でも、地面の抵抗によりクローラ装置の回転駆動が妨げられ、超信地旋回による方向転換ができない。
さらに上記ロボットは、目的地が斜め方向にある場合、目的地まで直線的に移動できず、そのために正確に目的地に到達できないことがある。
特許文献2は、二方向に走行可能なクローラ装置を開示している。このクローラ装置は、第1方向に延びる回転軸線を中心に回転可能なクローラユニットを備えている。このクローラユニットは、第1方向に延びるサポートと、このサポートに設けられ、上記回転軸線を挟んで対向する一対のクローラ部とを有している。
上記一対のクローラ部の各々は、上記第1回転軸線方向に離れて配置された一対のホイールと、これらホイールに架け渡された無端条体と、この無端条体に取り付けられた多数の接地ラグとを有している。
上記一対のクローラ部の駆動によりクローラ装置は第1方向に走行することができる。以下、この走行モードを「クローラ走行」と言う。
さらに、上記一対のクローラユニットが上記回転軸線を中心に回転し、第2方向に転がる(ローリングする)ことにより、クローラ装置は第1方向と直交する第2方向に走行することができる。以下、この走行モードを「ローリング走行」と言う。
特許文献2のクローラ装置を装備するロボットは、超信地旋回せずに、クローラ走行とローリング走行を選択することにより、第1方向から第2方向へ、第2方向から第1方向へと進行方向を転換することができる。
また、クローラ走行とローリング走行を同時に実行することにより、ロボットは任意の斜め方向に直線的に走行することができる。以下、この走行モードを「斜め走行」と言う。
特開2007−191153号公報 特開2009−241916号公報
特許文献2のクローラ装置では、クローラユニットのローリングを可能にするため、一対のクローラ部により、クローラユニットに円筒形状を付与している。具体的には、一対のクローラ部の接地ラグが、無端条体への固定位置から広い角度範囲(90度近い角度範囲)にわたって周方向に円弧状に延び、これら接地ラグの外面だけで、クローラユニットの外周に円筒形状を付与している。接地ラグが片持ち状態で周方向に延びているため、ローリング走行において、接地ラグが無端条体への取り付け位置から離れた部位で接地する度に、接地ラグに繰り返し大きな曲げ荷重が加わるため、接地ラグと無端条体が短期間で劣化してしまう。また、接地ラグの強度が低いため、大きな荷重を負担することもできない。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、クローラ装置は、
第1回転軸線に沿って延びる第1サポートと、上記第1回転軸線方向に延びて上記第1サポートに設けられるとともに上記第1回転軸線を挟んで対向するように配置された一対のクローラ部とを有するクローラユニットと、
上記クローラユニットを、上記第1回転軸線を中心に回転可能に支持する第2サポートと、
を備え、
上記クローラユニットはさらに、上記第1サポートに設けられた一対の接地構造を備え、これら一対の接地構造は、上記一対のクローラ部の対向方向において上記一対のクローラ部の外側に配置され、
上記一対のクローラ部と上記一対の接地構造が協働して、上記クローラユニットに、上記第1回転軸線を中心とする円筒形状を付与しており、
上記クローラユニットの外周は、上記一対のクローラ部が占める第1ゾーンと、上記一対の接地構造が占める第2ゾーンとを、周方向に交互に有することを特徴とする。
上記構成によれば、クローラ装置は、2方向に走行可能であるので、地面を擦らずに方向転換することができ、走行性能を向上させることができる。
一対のクローラ部と一対の接地構造が協働して、クローラユニットの外周に円筒形状を付与するので、クローラユニットの外周における一対のクローラ部が占める角度範囲を減じることができる。そのため、クローラ部に無理な力が加わらず、クローラ部の耐久性を向上させることができる。また、大きな荷重を負担することもできる。
好ましくは、上記一対のクローラ部の各々は、上記第1回転軸線方向に離れて配置された一対のホイールと、これら一対のホイールに架け渡された無端条体と、この無端条体に取り付けられた多数の接地ラグとを有し、上記一対のホイールは、上記第1回転軸線と直交するとともに上記一対のクローラ部の対向方向に延びる互いに平行な第2回転軸線を中心として、それぞれ上記第1サポートに回転可能に支持され、上記接地ラグの外面と上記接地構造の外面が協働して、上記クローラユニットに円筒形状の外周を提供する。
上記構成によれば、接地ラグの無端条体からの周方向の延びが小さいので、接地ラグを安定して支持でき、接地ラグと無端条体の耐久性を向上できる。
好ましくは、上記第1サポートは上記第1回転軸線を挟んで離間対向する一対の側板を有し、これら一対の側板間に上記一対のクローラ部が配置され、上記一対の側板の外面に上記接地構造を構成する1つまたは複数の接地部材が固定されている。
上記構成によれば、側板を用いることにより、接地構造をクローラ部と干渉せずに安定して支持できる。
好ましくは、上記複数の接地部材が、上記第1回転軸線方向に間隔をおいて配置されており、これら接地部材の各々の外面が上記第1回転軸線を中心とする円弧面を有している。この構成によれば、接地構造の簡略化を図ることができる。
好ましくは、上記接地部材の外面には、凹部が形成されている。この構成によれば、クローラユニットがローリングしながら障害物を乗り越える際に、接地部材の凹部が障害物に引っ掛かるため、乗り越えを円滑に行うことができる。
好ましくは、上記第2サポートは、上記第1回転軸線方向に離間して一対装備され、これら一対の第2サポートにより上記クローラユニットはその両端部で回転可能に支持されている。この構成によれば、クローラユニットを両持ち状態で安定して支持できる。
上記一対の第2サポートのうち、上記クローラユニットの一端部を支持する一方の第2サポートは、ベースと、このベースに上記第1回転軸線を中心として回転可能に支持されたトルク伝達部材を有し、このトルク伝達部材は、上記第1回転軸線を中心とする相対回転不能にして上記第1サポートに連結され、さらに、上記一方の第2サポートの上記トルク伝達部材を回転駆動するローリングアクチュエータと、上記一対のクローラ部を同時に同方向に回転駆動するクローラアクチュエータを備えている。
上記構成によれば、両持ち状態で支持されたクローラユニットを、ローリングアクチュエータとクローラアクチュエータを用いることにより、人力によらずに走行させることができる。
上記クローラユニットが一端部のみで上記第2サポートに支持され、この第2サポートは、ベースと、このベースに上記第1回転軸線を中心として回転可能に支持されたトルク伝達部材を有し、このトルク伝達部材は、上記第1回転軸線を中心とする相対回転不能にして上記第1サポートに連結され、さらに、上記第2サポートの上記トルク伝達部材を回転駆動するローリングアクチュエータと、上記一対のクローラ部を同時に同方向に回転駆動するクローラアクチュエータとを備えている。
この構成によれば、クローラユニットを片持ち状態で支持されたクローラユニットを、ローリングアクチュエータとクローラアクチュエータを用いることにより、人力によらずに走行させることができる。
さらに、上記第2サポートを上記第1回転軸線と直交する第3回転軸線を中心として回転可能に支持する第3サポートと、上記第2サポートを回転駆動するフリッパアクチュエータとを備えている。
この構成によれば、クローラユニットをフリッパとして用いるので、段差等の障害物を容易に乗り越えることができる。
本発明の走行体の一態様は、走行体ボデイと、少なくとも一対の上記両持ち式クローラ装置とを備え、上記一対のクローラ装置の上記クローラユニットは、互いに上記第1回転軸線と直交する方向に離れて平行に配置され、各クローラ装置の上記一対の第2サポートが上記走行体ボデイに固定されている。
本発明の走行体の他の態様は、走行体ボデイと、二対の上記片持ち式クローラ装置とを備え、一方の対をなすクローラ装置と他方の対をなすクローラ装置が上記第1回動軸線方向に離れており、各対のクローラ装置が、第1回動軸線と直交する方向に離れており、各対のクローラ装置の上記第3回転軸線が同一直線上に配置されており、各クローラ装置の上記第3サポートが上記走行体ボデイに固定されている。
本発明によれば、クローラ装置は、地面を擦らずに方向転換することができ、しかも、一対のクローラ部に無理な力が加わらず、クローラ部の耐久性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態をなす、クローラ装置を組み込んだロボット(走行体)の平面図であり、一部構成を省略して示す。 図1においてA方向から見た上記ロボットの側面図であり、一部構成を省略して示す。 図1においてB方向から見た上記クローラ装置の側面図である。 上記ロボットの底面図である。 上記クローラ装置の縦断面図である、 図3のD−D矢視断面図である。 本発明の第2実施形態をなすクローラ装置を組み込んだロボット(走行体)の平面図である。 同第2実施形態のロボットの側面図である。 同第2実施形態のクローラ装置の平断面図である。 同第2実施形態のクローラ装置の側断面図である。
以下、本発明の第1実施形態をなすクローラ装置を組み込んだロボット(走行体)について図1〜図6を参照しながら説明する。図1、図4において互いに直交するX方向(第1方向)とY方向(第2方向)を定めておく。
図1、図2、図4に示すように、ロボットはロボットボデイ1(走行体ボデイ)を有している。このロボットボデイ1には、ビデオカメラ等の観測器材や必要に応じて種々の作業が可能な作業アーム等が搭載されるとともに、送受信器、バッテリも搭載されている。図示しないリモートコントローラからの操作信号により、ロボットの走行制御が実行される。
上記ロボットボデイ1の下面には、一対のクローラ装置2、2が設けられている。これらクローラ装置2、2は互いにY方向に離間している。
各クローラ装置2は、X方向に延びる細長い形状のクローラユニット5を備えている。このクローラユニット5は、後述するようにX方向に延びる第1回転軸線L1を中心に回転可能である。
図5に示すように、クローラユニット5は、第1回転軸線L1に沿って延びる第1サポート10と、第1サポート10に設けられた一対のクローラ部20A,20Bと、第1サポート10に設けられた一対の接地構造30A,30Bとを有している。
上記第1サポート10は、互いに平行をなして第1回転軸線L1方向に延びるとともに第1回転軸線L1を挟んで離間対向する一対の側板11と、これら側板11の一端部に回転可能に連結された原動側シャフト12と、側板11の他端部に連結された従動側シャフト13と、側板11の中間部に固定された固定板14とを有している。
原動側シャフト12と従動側シャフト13の中心軸線L2,L2’は、上記第1回転軸線L1と直交して一対の側板11の対向方向に延びるとともに互いに平行をなしており、それぞれ後述のスプロケットホイール21,22の回転軸線(第2回転軸線)として提供される。
上記一対のクローラ部20A,20Bは、上記第1サポート10の一対の側板11間に配置され、互いに第1回転軸線L1を挟んで離間対向している。クローラ部20A,20Bの各々は、第1回転軸線L1方向に離れた一対のスプロケットホイール21,22(ホイール)と、これらスプロケットホイール21,22に掛け渡されたチェーン23(無端条体)と、このチェーン23に取り付けられた多数の接地ラグ24とを有している。
クローラ部20Aのスプロケットホイール21は、原動側シャフト12に直接固定されており、クローラ部20Bのスプロケットホイール21は、原動側シャフト12に後述の傘歯車62bを介して固定されている。クローラ部20A,20Bの他方のスプロケットホイール22は、従動側シャフト13に回転可能に支持されている。
図6に示すように、上記チェーン23は、対をなす内側リンク23aと、対をなす外側リンク23bを、周方向に交互に配置し、連結ピン23cで連結することにより構成されている。これらピン23cの中央の大径部と、スプロケットホイール21,22の外周に間隔をおいて形成された係合凹部との係合を介して、ホイール21,22とチェーン23との間のトルク伝達が行われる
上記接地ラグ24は例えばゴム製であり、等間隔をなしてチェーン23に固定されている。詳述すると、チェーン23の対をなす内側リンク23aに固定板25が溶接され、対をなす外側リンク23bにも固定板25が溶接されており、これら固定板25に上記接地ラグ24が固定されている。接地ラグ24と固定板25を2本のボルトが貫通し、固定板25から突出したボルトの先端部にナットが螺合されている。接地ラグ24の外面には座グリ穴が形成され、ボルトのヘッドが収容されている。
上記一対の接地構造30A,30Bは、一対のクローラ部20A,20Bの対向方向(第2回転軸線L2,L2’方向)において、一対のクローラ部20A,20Bの外側に配置されている。
一対の接地構造30A,30Bの各々は、第1回転軸線L1方向に間隔をおいて配置された複数(本実施形態では5個)の接地板31(接地部材)を有している。これら接地板31は、例えばゴムからなり、側板11の外面に側板11と直角をなして固定されており、上記第2回転軸線方向L2,L2’方向において、上記クローラ部20A,20Bの外側に突出している。
図6に示すように、上記クローラ部20A,20Bの一部を構成する接地ラグ24の外面は、第1回転軸線L1を中心とする仮想円筒面Sに対応して円弧形状をなしており、接地ラグ24がホイール21,22間に位置している時には、接地ラグ24の外面は、この仮想円筒面S上に配置されている。
図6に示すように、上記接地板31の外面も、上記仮想円筒面Sに沿う円弧形状をなしている。その結果、一対のクローラ部20A,20Bの接地ラグ24の外面と、上記一対の接地構造30A,30Bの接地板31の外面が協働して、クローラユニット5の外周に円筒形状を付与している。
接地板31の外面には、凹部31aが形成されている。
図2に示すように、クローラユニット5の外周は、一対のクローラ部20A,20Bが占める第1ゾーンZ1と、接地構造30A,30Bが占める第2ゾーンZ2とを、周方向に交互に有している。接地構造30A,30Bを設けたことにより、一対のクローラ部20A,20Bの接地ラグ24が占める第1ゾーン1の角度範囲を減じることができる。第1ゾーンZ1の角度範囲は、120度以下、好ましくは90度以下である。
図3〜図5に示すように、上記クローラユニット5の両端部は一対の第2サポート41,42により第1回転軸線L1を中心に回転可能に支持されている。以下、詳述する。
一対の第2サポート41,42は、それぞれベース41a,42aとシャフト41b,42bを有している。ベース41a,42aは互いにクローラユニット5を挟んで第1回転軸線L1方向に離れて配置され、ロボットボデイ1の下面に固定されている。シャフト41b,42bは、第1回転軸線L1上に配置され、ベース41a,42aにそれぞれ回転可能に支持されている。一方のシャフト41bは後述するようにトルク伝達部材として提供される。
一方のシャフト41bは、一対のクローラ部20A,20Bの一端部間の間隙を通ってクローラユニット5の内部まで延びており、その先端部が第1サポート10の原動側シャフト12に連結されている。なお、この連結状態において、シャフト41bと原動側シャフト12は第1回転軸線L1を中心とする相対回転はできないが、原動側シャフト12の第2回転軸線L2を中心とする回転は許容されている。
他方の支持シャフト42bは、一対のクローラ部20A,20Bの他端部間の間隙を通ってクローラユニット5の内部まで延びており、その先端部が第1サポート10の従動側シャフト13に連結されている。なお、支持シャフト42bはベース42aに固定され、従動側シャフト13に回転可能に連結されていてもよい。
図3〜図5に示すように、上記クローラユニット5は、ローリングアクチュエータ50により、第1回転軸線L1を中心に回転される。ローリングアクチュエータ50は、上記ベース41aに固定されたモータ51と、このモータ51の回転トルクを上記シャフト41bに伝達するトルク伝達機構52とを有している。モータ51は正逆回転可能である。
上記トルク伝達機構52は、モータ51の出力軸に固定されたタイミングプーリ52aと、上記シャフト41bに固定されたタイミングプーリ52bと、これらタイミングプーリ52a,52bに架け渡されたタイミングベルト52cとを有している。
図5に示すように、上記一対のクローラ部20A,20Bは、クローラユニット5に内蔵されたクローラアクチュエータ60により回転駆動される。このクローラアクチュエータ60は、第1サポート10の固定板14に固定されたモータ61と、このモータ61の回転トルクをクローラ部20A,20Bのホイール21に伝達するトルク伝達機構62とを有している。このトルク伝達機構62は、モータ61の出力軸に固定された傘歯車62aと、この傘歯車62aと噛み合うとともに原動側シャフト12に固定された傘歯車62bとを有している。モータ61の回転トルクは、傘歯車62a,62bを介してクローラ部20Bのホイール21に伝達され、さらに原動側シャフト12を介してクローラ部20Aのホイール21に伝達される。これにより、クローラ部20A,20Bが同時に同方向に同速度で駆動される。
なお、上記モータ61に接続された2本の電力コード(図示しない)の一方は、シャフト41bに形成された穴41xを通って、ベース41aに設けられたロータリジョイント63に接続され、他方の電力コードは、支持シャフト42bに形成された穴42xを通って、ベース42aに設けられたロータリジョイント64に接続されている。これらロータリジョイント63,64は、図示しない電力コードを介してロボットボデイ1に搭載されたバッテリに接続されている。
一対のクローラ装置2のローリングアクチュエータ50のモータ51を駆動すると、クローラユニット5が第1回転軸線L1を中心に回転(ローリング)し、これによりロボットはY方向にローリング走行することができる。
一対のクローラ装置2のクローラモータ60のモータ61の駆動により、2つのクローラ装置2のクローラ部20A,20Bが回転し、これによりロボットはX方向にクローラ走行することができる。なお、クローラ走行時には、クローラユニット5の第1ゾーンZ1を接地させる必要がある。第2ゾーンZ2が接地された状態でモータ61を駆動させてもクローラ部20A,20Bが空回りするからである。
上記モータ51,61の一方の駆動から他方の駆動への切り替えにより、ロボットボデイ1をその場で旋回することなく、X方向からY方向へ、またはY方向からX方向へと、直角に方向転換することができる。
また、両モータ51,61を同時に駆動し、その回転速度、回転方向を制御することにより、斜め方向へも直線的に走行することもできる。
上記クローラユニット5のローリングの際に、クローラ部20A,20Bの接地ラグ24が占める第1ゾーンZ1と、接地構造30A,30Bの接地板31が占める第2ゾーンZ2が、交互に地面に接し、荷重を負担する。第2ゾーンZ2を設定した分だけ第1ゾーンZ1の角度範囲を減じることができるので、一対のクローラ部20A,20Bの周方向寸法、より具体的には接地ラグ24の周方向寸法が小さくすることができる。その結果、接地ラグ24をチェーン23に安定して支持することができる。また、接地ラグ24やチェーン23に大きな曲げ荷重が加わらず、クローラ部20A,20Bの耐久性および耐荷性を向上させることができる。
クローラユニット5のローリングによりロボットが前後方向に走行し、障害物を乗り越える際に、上記接地板31には凹部31aがあるので、クローラユニット5は障害物に対して滑らずに凹部31aで引っ掛けて乗り越えることができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図7〜図10を参照しながら説明する。本実施形態において、第1実施形態に対応する構成部には同番号または類似番号を付してその詳細な説明を省略する。図7においてX、Y方向を定めておく。
図7、図8に示すように、ロボット(走行体)は、ロボットボデイ1(走行体ボデイ)に取り付けられた二対のフリッパ式クローラ装置2’を備えている。
一方の対をなすクローラ装置2’,2’と他方の対をなすクローラ装置2’,2’は、X方向(第1回動軸線L1)方向に離れている。各対のクローラ装置2’,2’は、Y方向(第1回動軸線L1と直交する方向)に離れている。
本実施形態のクローラ装置2’では、クローラユニット5’の一端部が第2サポート45に片持ちで支持され、他端部は自由端となっている。
図9、図10に示すように、第2サポート45はボックス形状のベース45aと、このベース部45aに第1回動軸線L1を中心に回転可能に支持された板形状のトルク伝達部材45bを有している。このトルク伝達部材45bは、クローラ部20A,20Bの一端部間を通って、第1サポート10の原動側シャフト12に連結されている。トルク伝達部材45bは原動側シャフト12に対して第1回転軸線L1を中心とした相対回転ができない。この連結状態において、原動側シャフト12は第2回転軸線L2を中心とした回転を許容されている。
図10に示すように、ローリングアクチュエータ55は、第2サポート45のベース45aに固定されたモータ56と、このモータ56の回転トルクをトルク伝達部材45bを介して第1サポート10に伝達するトルク伝達機構57とを有している。トルク伝達機構57は、ベース45a内に配置され互いに噛み合う傘歯車57a,57bを有している。傘歯車57aはモータ56の出力軸に固定され、傘歯車57bはトルク伝達部材45bの軸部に固定されている。
第1実施形態と同様に、モータ56のトルクがトルク伝達機構57とトルク伝達部材45bを介してクローラユニット5’に伝達され、クローラユニット5’が第1回転軸線L1を中心として回転される。
図7、図9に示すように、上記第2サポート45は、第3サポート70により、第3回転軸線L3を中心に回転可能にしてロボットボデイ1に支持されている。詳述すると、第3サポート70は、ロボットボデイ1の側面に固定されたベース70aと、このベース70aに第3回転軸線L3を中心に回転可能に支持されたトルク伝達部材70bとを有しており、このトルク伝達部材70bに上記第2サポート45のベース45aが固定されている。
第3回転軸線L3は、図7においてY方向に延びている。Y方向に対峙する一対のクローラ装置2’の第3回転軸線L3は、同一直線上にある。
トルク伝達部材70bと第2サポート45は、第3サポート70に設けられたモータ81を含むフリッパアクチュエータ80により第3回転軸線L3を中心として正逆方向に回転され、これにより、図8に矢印で示すようにクローラユニット5’が上下方向に180度回転される。ロボットが前進して障害物に遭遇した時に、クローラユニット5’の回動により、障害物を容易に乗り越えることができる。
なお、上記第1実施形態において、クローラユニット5,5’にアンカー機構を設けてもよい。このアンカー機構は、第1サポート10または接地板31に回動可能に支持された爪と、この爪を仮想円筒面Sから外方向に突出させたり仮想円筒面S内に収めるアクチュエータを有している。このロボットを海洋資源探査に用いる場合、地盤をコアリングする際に、爪を出して地盤に食い込ませ、ロボットの姿勢を保持する。
本発明の制御態様は上記実施形態に制約されず、種々採用可能である。
一対のクローラ部の接地ラグの外面と接地構造の外面が協働して形成するクローラユニットの外周は、ローリングを可能とするように実質的に円筒形状であればよい。すなわち、滑らかな円筒面でなくてもよく、凹凸があってもよい。接地ラグの外面と接地板の外面は、第1回転軸線を中心とする仮想円筒面に沿う円弧面でなくてもよい。
クローラ部は、一対のホイールと、このホイールに架け渡されてホイールの外周に摩擦係合またはピン係合されるベルトにより構成してもよい。
接地構造は単一の接地部材で構成してもよい。
クローラアクチュエータとローリングアクチュエータを同時に駆動する斜め走行は実行しなくてもよい。
クローラアクチュエータのモータはクローラユニットの外に配置してもよい。この配置を例えば第1実施形態に適用すると、モータ61がクローラユニット5の外においてベース42aに固定され、支持シャフト42bがクローラユニット5内を長く延びてその内端が傘歯車62aに固定され、支持シャフト42bの外端がモータ61に接続される。
本発明は、ロボット以外の走行体、例えば荷物を運搬する台車に適用することもできる。 台車を手で押す場合には、全てのアクチュエータを省くことができる。この場合、第2サポートのトルク伝達部材は、単に第1サポートを回転可能に支持するための支持部材として提供される。
本発明は、ロボット等の走行体に装備されるクローラ装置に適用することができる。

Claims (11)

  1. 第1回転軸線(L1)に沿って延びる第1サポート(10)と、上記第1回転軸線方向に延びて上記第1サポートに設けられるとともに上記第1回転軸線を挟んで対向するように配置された一対のクローラ部(20A,20B)とを有するクローラユニット(5;5’)と、
    上記クローラユニット(5;5’)を、上記第1回転軸線(L1)を中心に回転可能に支持する第2サポート(41,42;45)と、
    を備えたクローラ装置において、
    上記クローラユニット(5;5’)はさらに、上記第1サポート(10)に設けられた一対の接地構造(30A,30B)を備え、これら一対の接地構造は、上記一対のクローラ部(20A,20B)の対向方向において上記一対のクローラ部の外側に配置され、
    上記一対のクローラ部(20A,20B)と上記一対の接地構造(30A,30B)が協働して、上記クローラユニット(5;5’)に、上記第1回転軸線(L1)を中心とする円筒形状を付与しており、
    上記クローラユニット(5;5’)の外周は、上記一対のクローラ部(20A,20B)が占める第1ゾーン(Z1)と、上記一対の接地構造(30A,30B)が占める第2ゾーン(Z2)とを、周方向に交互に有することを特徴とするクローラ装置。
  2. 上記一対のクローラ部(20A,20B)の各々は、上記第1回転軸線(L1)方向に離れて配置された一対のホイール(21,22)と、これら一対のホイールに架け渡された無端条体(23)と、この無端条体に取り付けられた多数の接地ラグ(24)とを有し、上記一対のホイールは、上記第1回転軸線と直交するとともに上記一対のクローラ部の対向方向に延びる互いに平行な第2回転軸線(L2,L2’)を中心として、それぞれ上記第1サポート(10)に回転可能に支持され、
    上記接地ラグ(24)の外面と上記接地構造(30A,30B)の外面が協働して、上記クローラユニット(5;5’)に円筒形状の外周を提供することを特徴とする請求項1に記載のクローラ装置。
  3. 上記第1サポート(10)は上記第1回転軸線(L1)を挟んで離間対向する一対の側板(11)を有し、これら一対の側板(11)間に上記一対のクローラ部(20A,20B)が配置され、上記一対の側板の外面に上記接地構造(30A,30B)を構成する1つまたは複数の接地部材(31)が固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のクローラ装置。
  4. 上記複数の接地部材(31)が、上記第1回転軸線方向に間隔をおいて配置されており、これら接地部材の各々の外面が上記第1回転軸線(L1)を中心とする円弧面を有していることを特徴とする請求項3に記載のクローラ装置。
  5. 上記接地部材(31)の外面には、凹部(31a)が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のクローラ装置。
  6. 上記第2サポート(41,42)は、上記第1回転軸線(L1)方向に離間して一対装備され、これら一対の第2サポートにより上記クローラユニット(5)はその両端部で回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクローラ装置。
  7. 上記一対の第2サポート(41,42)のうち、上記クローラユニット(5)の一端部を支持する一方の第2サポート(41)は、ベース(41a)と、このベースに上記第1回転軸線(L1)を中心として回転可能に支持されたトルク伝達部材(41b)を有し、このトルク伝達部材は、上記第1回転軸線を中心とする相対回転不能にして上記第1サポート(10)に連結され、
    さらに、上記一方の第2サポート(41)の上記トルク伝達部材(41b)を回転駆動するローリングアクチュエータ(50)と、上記一対のクローラ部(20A,20B)を同時に同方向に回転駆動するクローラアクチュエータ(60)を備えていることを特徴とする請求項6に記載のクローラ装置。
  8. 上記クローラユニット(5’)が一端部のみで上記第2サポート(45)に支持され、この第2サポートは、ベース(45a)と、このベースに上記第1回転軸線(L1)を中心として回転可能に支持されたトルク伝達部材(45b)を有し、このトルク伝達部材は、上記第1回転軸線を中心とする相対回転不能にして上記第1サポート(10)に連結され、
    さらに、上記第2サポート(45)の上記トルク伝達部材(45b)を回転駆動するローリングアクチュエータ(55)と、上記一対のクローラ部(20A,20B)を同時に同方向に回転駆動するクローラアクチュエータ(60)とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクローラ装置。
  9. さらに、上記第2サポート(45)を上記第1回転軸線(L1)と直交する第3回転軸線(L3)を中心として回転可能に支持する第3サポート(70)と、上記第2サポートを回転駆動するフリッパアクチュエータ(80)とを備えたことを特徴とする請求項8に記載のクローラ装置。
  10. 走行体ボデイ(1)と、少なくとも一対の請求項7に記載のクローラ装置(2)とを備え、
    上記一対のクローラ装置(2)の上記クローラユニット(5)は、互いに上記第1回転軸線(L1)と直交する方向に離れて平行に配置され、
    各クローラ装置(2)の上記一対の第2サポート(41,42)が上記走行体ボデイ(1)に固定されていることを特徴とする走行体。
  11. 走行体ボデイ(1)と、二対の請求項9に記載のクローラ装置(2’)とを備え、
    一方の対をなすクローラ装置(2’)と他方の対をなすクローラ装置(2’)が上記第1回動軸線(L1)方向に離れており、各対のクローラ装置(2’)が、第1回動軸線と直交する方向に離れており、各対のクローラ装置の上記第3回転軸線(L1)が同一直線上に配置されており、
    各クローラ装置(2’)の上記第3サポート(70)が上記走行体ボデイ(1)に固定されていることを特徴とする走行体。
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