JPWO2017002426A1 - 電機子、電機子の製造方法および回転電機 - Google Patents

電機子、電機子の製造方法および回転電機 Download PDF

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Abstract

複数のコイル(55)のコイル端末部のうち、異なる位置のスロット(11)から引き出される第1コイル端末部(60)と第2コイル端末部(61)とが、コイルエンド部(52)の軸方向上端(52U)位置にて径方向外側(K2)に屈曲され、互いに接続されて接続部(62)を形成する。接続部(62)は、コイルエンド部(52)の最外径より径方向外側、且つ、異なる位置のスロット(11)間の周方向中間位置において、第1コイル端末部(60)の第1組側面(A)と、対向する第2コイル端末部(61)の第2組側面(B)とが接続されて形成される。こうしてコイル(55)の巻線の断線あるいは絶縁皮膜の損傷を低減することができる。

Description

本発明は、電機子、電機子の製造方法および回転電機に係り、特に、コイル同士の結線構造に関するものである。
従来、電機子のスロット内のコイル占積率を高めるために、断面形状が矩形の導体(平角導体)を用いてコイルを形成する方法が知られている。この場合、形成されたコイル同士の結線を確実にするために、次のような結線構造を備えた固定子が開示されている。
外周線の導体端末を、コイルエンドに沿って内周側の導体端末の方向に渦巻状に這い回し、外周側の導体端末の接続部分を内周側の導体端末に対して径方向に沿って対向させる。外周側の導体端末はこの這い回しを行うため、端末長さが内周側の導体端末に比べて長く設定されている。
次に、内周側の導体端末をコイルエンドに沿って径方向に這い回し、内周側の導体端末の接続部分を外周側の導体端末の接続部分に近接させて接続する。固定子コイルの長辺の面が対向するように接続部を接続することで接続をより確実にすることができる。接続部の短辺の面同士を周方向に対向させて接続しても構わない。
外周側の導体端末と内周側の導体端末の接続が終了したら、接続部をコイルエンドの径方向外周側に折り曲げる(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1では、次のような他の結線構造も開示されている。
外周側の導体端末をコイルエンドに沿って内周側の導体端末の方向に渦巻状に這い回し、外周側の導体端末の引き出し位置と内周側の導体端末の引き出し位置との中間位置近傍にて、外周側の導体端末の這い回し方向をやや内径側に向ける。次いで、内周側の導体端末をコイルエンドに沿って外周側の導体端末の方向に渦巻状に這い回す。そして、外周側の導体端末の引き出し位置と内周側の導体端末の引き出し位置との間で、例えば中間位置近傍で、内周側の導体端末の這い回し方向をやや外形側に向け、外周側の導体端末の接続部の右側側面に、内周側の導体端末の接続部の左側側面とを当接して接続する。接続時の熱がコイルエンド皮膜に影響を与えないように、コイルエンドの上方の一定距離において接続部の側面同士を対向させる。
特開2009−219343号公報(第12頁、第13頁 段落[0034]〜[0036]、図8)、(第14頁 段落[0043]〜[0044]、図10)
上記従来の結線構造では、外周側の巻線のみを、スロットからの引き出し位置付近で屈曲させることで、内周側の巻線の引き出し位置付近にまでコイルエンドに沿って這い回しさせている。そのため、この引き出し位置付近において外周側の巻線は急角度に屈曲される必要があった。そしてこの急角度の屈曲により巻線の断線あるいは絶縁皮膜の損傷が生じるという問題点があった。
また、上記後述の従来の結線構造では、接続部を溶接する際の熱により、接続部の下方に位置するコイルエンドの絶縁皮膜を損傷する可能性があるという問題点があった。
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、コイルの巻線の断線あるいは絶縁皮膜の損傷を低減することができる電機子、電機子の製造方法および回転電機の提供を目的とする。
本発明に係る電機子は、
周方向に複数のスロットを有する円環状の鉄心と、
外形が四角状であって、対向する2組の第1組側面および第2組側面を有する複数の巻線を、前記スロットに巻回して成る複数のコイルとを備え、
前記コイルが、前記鉄心の軸方向端面から突出する円環状のコイルエンド部を形成する電機子であって、
複数の前記コイルのコイル端末部のうち、異なる位置の前記スロットから引き出される第1コイル端末部と第2コイル端末部とが、前記コイルエンド部の軸方向上端位置にて径方向外側に屈曲され、互いに接続されて接続部を形成し、
前記接続部は、前記コイルエンド部の最外径より径方向外側、且つ、前記異なる位置の前記スロット間の周方向中間位置において、前記第1コイル端末部の前記第1組側面と、対向する前記第2コイル端末部の前記第2組側面とが接続されて形成されるものである。
本発明に係る回転電機は、上記に示した電機子を、固定子または回転子のいずれか一方として用いるものである。
本発明に係る電機子の製造方法は、
周方向に複数のスロットを有する円環状の鉄心と、
外形が四角状であって、対向する2組の第1組側面および第2組側面を有する複数の巻線を、前記スロットに巻回して成る複数のコイルとを備え、
前記コイルが、前記鉄心の軸方向端面から突出する円環状のコイルエンド部を形成する電機子の製造方法であって、
複数の前記コイルのコイル端末部のうち、異なる位置の前記スロットから引き出される第1コイル端末部と第2コイル端末部とを、前記コイルエンド部の軸方向上端位置にて径方向外側に屈曲する第1屈曲工程と、
屈曲された前記第1コイル端末部の前記第1組側面と、対向する前記第2コイル端末部の前記第2組側面とを、前記コイルエンド部の最外径より径方向外側、且つ、前記異なる位置の前記スロット間の周方向中間位置において接触させる接触工程と、
接触された前記第1コイル端末部と前記第2コイル端末部とを電気的に接続して接続部を形成する接続工程とを備えるものである。
この発明に係る電機子、電機子の製造方法および回転電機によれば、急角度の巻線の屈曲と、コイル間を結線する際の熱の巻線への影響とを防ぐものなので、コイルの巻線の断線あるいは絶縁皮膜の損傷を低減することが可能になる。
本発明の実施の形態1によるコイルの構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1による固定子を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1による回転電機を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態1による回転電機の要部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1による固定子の鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図である。 本発明の実施の形態1による各コイルの結線構造を拡大して示す斜視図である。 本発明の実施の形態1によるコイル端末部間の結線構造を説明するための正面図である。 本発明の実施の形態1によるコイル端末部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1によるコイル端末部間の結線構造を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態1によるコイル端末の屈曲方法を示す図である。 本発明の実施の形態1による接続工程を示す図である。 本発明の実施の形態1によるコイル端末部間の結線構造を示す上面図である。 本発明の実施の形態2によるコイル端末部間の結線構造を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態2によるコイル端末部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2によるコイル端末部における調整屈曲箇所の形成方法を示す図である。 本発明の実施の形態3によるコイル端末部間の結線構造を示す正面図である。 本発明の実施の形態3によるコイル端末部間の他の結線構造を示す正面図である。 本発明の実施の形態4によるコイル端末部間の結線構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4によるコイル端末部間の他の結線構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5によるコイル端末部間の結線構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態6によるコイル端末部間の結線構造を示す正面図である。 本発明の実施の形態7によるコイル端末部間の結線方法を示す図である。 本発明の実施の形態8によるコイル端末部間の結線構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態8によるコイル端末部間の結線構造を示す正面図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1による電機子、回転電機、電機子の製造方法について図を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1によるコイル55の構成を示す斜視図である。
図2は、図1に示したコイル55を用いた固定子50の構成を示す斜視図である。
図3は、図2に示した固定子50を用いた回転電機100を示す部分断面図である。
図4は、図3に示した回転電機100の要部の構成を示す斜視図である。
図5は、図4に示した固定子50の鉄心51の鉄心ブロック10の構成を示す斜視図である。
図6は、図1に示したコイルの構成において、各コイル55のコイル端末部間の結線構造(図1の点線部内)を拡大して示す斜視図である。
図7は、図6に示したコイル端末部間の結線構造を説明するためのコイル端末の正面から見た状態を示す正面図である。
図8(a)は、図6に示したコイルエンド部52の最内径側から引き出される第1コイル端末部60を示す斜視図である。
図8(b)は、図6に示したコイルエンド部52の最外径側から引き出される第2コイル端末部61を示す斜視図である。
図9は、図6に示したコイル端末部間の結線構造を、コイル端末の正面から見た状態を示す概略構成図である。
なお、図6〜図8では、便宜上、鉄心51あるいはコイルエンド部52の図示を省略している。
図10(a)は、異なる位置のスロット11から引き出されるコイル端末の構成を示す図である。
図10(b)は、スロット11の引き出し位置付近で屈曲されたコイル端末と、支持部材70との構成を示す図である。
図10(c)は、図10(b)の状態から、コイルエンド部52の軸方向上端52Uの位置において径方向外側K2に屈曲されたコイル端末と、支持部材70との構成を示す図である。
図11は、本発明の実施の形態1による接続工程で用いる巻線チャック部71の構成を示す図である。
図3に示すように、回転電機100は、電機子としての固定子50と、固定子50の内周側に回転可能に配設された回転子80と、固定子50の外周に配設されたハウジング1とを備える。
ハウジング1は、有底円筒状のフレーム2と、フレーム2の開口を塞口する端板3とを有する。固定子50は、このフレーム2の円筒部の内側に固着されている。また、回転子80は、回転電機100の軸心位置に貫通された回転軸5に固着されている。この回転軸5はフレーム2の端板3にベアリング4を介して回転可能に支持されている。
回転子80は、回転子鉄心7と、回転子鉄心7の外周面側に周方向Sに所定のピッチで配列された磁極を構成する永久磁石8とを備えた永久磁石型回転子である。
なお、回転子80は、この永久磁石型回転子に限定されるものではない。例えば、絶縁しない回転子導体を、回転子鉄心のスロットに収納して、導体の両側を短絡環で短絡した、かご形回転子や、絶縁した導体線を回転子鉄心のスロットに装着した巻線形回転子を用いてもよい。
図1に示すように、本実施の形態の固定子50に用いるコイル群550は、複数のコイル55を円環状に組み立て、各コイル55の端末部同士を結線した構成である。
図2に示すように、固定子50は、周方向Sに複数のスロット11を有する円環状の鉄心51と、スロット11に複数の巻線を巻回して成る上述の複数のコイル55(コイル群550)とを備える。この複数のコイル55により、鉄心51の軸方向Gの上端面から突出する円環状のコイルエンド部52が形成されている。
また、鉄心51は、周方向Sに30等分割された鉄心ブロック10から構成されている。
図5に示すように、鉄心ブロック10は、電磁鋼板片12を所定枚数軸方向Gに積層して構成されている。鉄心ブロック10は、円弧形のコアバック部10aと、コアバック部10aの内周壁面から径方向内側K1に延設する2本のティース部10bとを備える。
また、ティース部10bは、周方向Sの幅が径方向内側K1に向って漸次狭くなる先細り形状である。
このように形成された鉄心ブロック10を複数個(ここでは30個)、各鉄心ブロック10のティース部10bが径方向内側K1を向くように配置し、各鉄心ブロック10のコアバック部10aの周方向Sの端部同士を突き合わせて連結する。こうして、図2、図4に示した環状の鉄心51が形成される。このように形成された鉄心51は、径方向内側K1に開口するスロット11が、周方向Sに等角ピッチで配列されている。
また、スロット11には、鉄心51とコイル55とを電機的に絶縁するためのスロットセル(図示せず)が備えられている。
なお、本実施の形態では、極数が10極、スロット数が60個、三相巻線のコイル55の回転電機100を用いるが、この構成に限るものではない。
図6に示すように、固定子50を構成する複数のコイル55のコイル端末部のうちで、異なる位置のスロット11から引き出されるコイル端末部を、それぞれ第1コイル端末部60、第2コイル端末部61と称して示す。
そして、本実施の形態の固定子50では、第1コイル端末部60はコイルエンド部52の径方向内側K1の最内径側から引き出され、第2コイル端末部61はコイルエンド部52の径方向外側K2の最外径側から引き出されている。
また、コイル55を構成する巻線には、外形が四角状の巻線を用いる。
図7、図8に示すように、この巻線の断面において、対向する2組の側面を、それぞれ第1組側面A、第2組側面Bと称して示す。
図9に示すように、第1コイル端末部60および第2コイル端末部61は、コイルエンド部52の軸方向上端52Uで互いに近接するように、それぞれのスロット11の引き出し位置付近において角度θ1、θ2で屈曲されている。そして、図6に示すように、第1コイル端末部60および第2コイル端末部61は、コイルエンド部52の軸方向上端52Uの位置において、径方向外側K2に向かってそれぞれ屈曲されている。
コイルエンド部52の軸方向上端52Uの位置において屈曲された第1コイル端末部60は、コイルエンド部52を跨いで、コイルエンド部52の最外径より径方向外側K2、且つ、引き出されたスロット11間の周方向Sの中間位置T1(図9参照)近傍において、第2コイル端末部61と接続されて接続部62を形成する。
この接続部62は、図7および図8に示す、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部61の第2組側面Bとが接触する。
なお、本実施の形態では、巻線の断面形状が正方形のものを示しているが、長方形のものを用いてもよい。また、巻線には、例えば、エナメル塗料で絶縁被覆された継ぎ目のない連続した銅線やアルミニウム線などが用いられる。
次に、上記のように構成された本実施の形態1による固定子50の製造工程におけるコイル端末間の結線方法を説明する。
まず、図10(a)に示すような、異なる位置のスロット11から引き出される第1コイル端末部60および第2コイル端末部61を、図10(b)に示すように、コイルエンド部52の軸方向上端52Uの位置で互いに近接するように、それぞれのスロット11の引き出し位置付近で角度θ1、θ2にて屈曲する。
次に、図10(b)に示すように、コイルエンド部52の軸方向上端52U付近において、第1コイル端末部60および第2コイル端末部61の径方向外側K2に支持部材70を配置する。
次に、図10(c)に示すように、第1コイル端末部60および第2コイル端末部61を支持部材70により支持した状態で、径方向外側K2に屈曲させる第1屈曲工程を行う。
次に、径方向外側K2に屈曲された第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部61の第2組側面Bとを、コイルエンド部52の外径より径方向外側K2、且つ、スロット11間の周方向Sの中間位置T1において接触させる接触工程を行う。
なお、上記第1屈曲工程と上記接触工程とを同時に行うことも可能であり、その場合は、各コイル端末を屈曲させつつコイル端末間を接触させる。
次に、図11に示すように、接触された第1コイル端末部60と第2コイル端末部61とを、一対の巻線チャック部71により挟んで溶接して電機的に接続し、接続部62を形成する接続工程を行う。
なお、この接続工程では、例えばTIG(Tungsten Inert Gas)溶接法が用いられる。TIG溶接を用いる場合には、図に示すように、巻線チャック部71は、溶接する面Eと平行になるように配置される。
このように、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部61の第2組側面Bとを接触させる。そのため、接続部62の手前で巻線にひねりあるいは屈曲を加えていない。そのため、図9に示すように、第1コイル端末部60の斜辺部Cと第2コイル端末部61の斜辺部Dの成す角度θ3は、ほぼ90°となる。また、接続部62の溶接する面Eは、第1コイル端末部60の斜辺部Cとほぼ平行に形成される。
上記のように構成された本実施の形態の電機子、電機子の製造方法および回転電機によると、第1コイル端末部60および第2コイル端末部61は、互いに近接するように、それぞれのスロット11の引き出し位置付近で屈曲されている。そのため、引き出し位置付近における屈曲角度θ1、θ2(図9参照)が緩やかになる。これにより、急角度の屈曲により生じる巻線の断線あるいは絶縁皮膜の損傷を低減することができる。
また、接続部62がコイルエンド部52の最外径よりも径方向外側K2に備えられている。そのため、接続部62がコイルエンド部52に接触せず、接続部62を溶接する際の熱によるコイルエンド部52の絶縁皮膜の損傷を防止することができる。
また、接続部62を溶接する際の熱の影響をさけるため、コイルエンド部52から一定距離軸方向上方に接続部を形成する必要がない。そのため、図9に示すように、第1コイル端末部60の断面の軸方向G下方の角部T2は、コイルエンド部52に近接している。このため、接続部62を含んだコイルエンドの軸方向の高さは、接続部62を含まないコイルエンド部52の高さに、第1コイル端末部60の対角の長さT3のみを加えたものとなる。これにより、固定子50の軸方向Gの高さを低く抑えることができる。
また、従来の結線構造では、巻線の長辺の面同士または短辺の面同士とが対向するように接続させるため、巻線に対してひねりあるいは屈曲を、接続部手前において加える必要があった。例えば特許文献1では、巻線の長辺の面同士を当接させるために、コイルエンドに沿って這い回しされた外側の巻線に対し、接続部手前で、一旦固定子の軸方向上方へ屈曲させていた。そのため、巻線の屈曲回数が多くなっていた。
本実施の形態の固定子50の結線構造では、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部61の第2組側面Bとが当接する構成となっている。そのため、接続部62の手前で巻線に対してひねりあるいは屈曲を加える必要がない。
これにより、外形が四角状のコイル55の巻線において特に生じやすいしわや亀裂の発生を抑え、巻線の断線あるいは絶縁皮膜の損傷をさらに防止する効果が得られる。
また、第1屈曲工程における第1コイル端末部60の屈曲位置と、第2コイル端末部61の屈曲位置とは、周方向Sに異なり径方向に対して同一線上に配置されない。
そのため、図10に示すように、第1屈曲工程において、第1コイル端末部60の径方向外側K2に支持部材70を配置する際に、第2コイル端末部61が障害とならない。これにより、支持部材70の配置が容易になり、屈曲工程を簡易化できる。
また、第1屈曲工程において、第1コイル端末部60と第2コイル端末部61とを個々に屈曲させる。そのため、第1屈曲工程において必要な曲げ加工力は、1つ分の巻線を屈曲可能な曲げ加工力で足りる。
これにより屈曲工程をさらに簡易化することができる。
また、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部61の第2組側面Bとが当接する。そのため、図11に示すように、接続部62の溶接する面Eは、鉄心51の上端面に対して傾斜している。そのため、接続工程において巻線チャック部71を、鉄心51の上端面に対して傾斜して配置することになり、巻線チャック部71の稼働範囲Hを広く確保することができる。これにより、大型の巻線チャック部71を用いて接続部62の剛性を高めることができる。
こうして、外形が四角状の巻線を用いて高いコイル占積率を保持しつつ、外形が四角状の巻線において生じやすい巻線の断線や絶縁皮膜の損傷を防ぐことができる。これにより絶縁性能を向上させることができ、信頼性が高い固定子50、固定子50の製造方法および回転電機100を提供するこができる。
なお、上記では電機子として固定子50を用いて説明したが、電機子としての回転子に本実施の形態の発明を適用させることも可能である。
また、上記では、第1コイル端末部60は、コイルエンド部52の最内径側から引き出されるコイル端末とし、第2コイル端末部61は、コイルエンド部52の最外径側から引き出されるコイル端末として説明したが、これは逆でもよい。
上記では、コイル端末部においては継ぎ目のない巻線を用いる例を示したが、以下においては、コイル端末部が、絶縁皮膜と、絶縁皮膜の一部を剥離した導体部とにて構成されている場合について説明する。
図12は、本発明の実施の形態1によるコイル端末部の結線構造における、第1屈曲工程における曲げ角度θ5を示す上面図である。
図において、絶縁皮膜を剥離した第1コイル端末部60の導体部分を導体部60a、第2コイル端末部61の導体部分を導体部61aとして示す。
図に示すように、第1屈曲工程における第2コイル端末部61の曲げ角度θ5を調節して、第2コイル端末部61を第1コイル端末部60に対して傾斜させて接続することができる。よって、コイル端末部の絶縁皮膜と導体部60a、61bとの段差を避けて、第1コイル端末部60と第2コイル端末部61とを接続することが可能となる。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図13は、本発明の実施の形態2によるコイル端末部間の結線構造を、コイル端末の正面から見た状態を示す概略構成図である。
図14は、図13に示したコイルエンド部52の最外径側から引き出される第2コイル端末部261の構成を示す斜視図である。
図に示すように、第2コイル端末部261は、スロット11とコイルエンド部52の軸方向上端52Uとの間に調整屈曲箇所263を有する。
このような構成とすることで、第1コイル端末部60の引き出しと、第2コイル端末部261の引き出しとの間の距離のばらつきや、コイル端末の長さにばらつきがある場合でも、この調整屈曲箇所263の曲げ角度θ4を調節することができる。こうして、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部261の第2組側面Bとを確実に接触させて接続部62を形成することができる。
このように、調整屈曲箇所263を形成し、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部261の第2組側面Bとを接触させている。そのため、上記実施の形態1と同様に、第1コイル端末部60の斜辺部Cと第2コイル端末部261の斜辺部D1との成す角度θ3は、ほぼ90°となる。また、接続部62の溶接する面Eは、第1コイル端末部60の斜辺部Cとほぼ平行になる。
また、コイル端末が長い場合でも、この調整屈曲箇所263の曲げ角度θ4を調節することで、第1コイル端末部60の断面の軸方向G下方の角部T2を、コイルエンド部52の軸方向上端52Uに近接させることができる。これにより、接続部62の軸方向Gの高さを低く抑えることができ、固定子を軸方向Gに小型化できる。
図15(a)は、円環状に配置され、スロット11の引き出し位置付近において屈曲された状態の各第2コイル端末部261と、屈曲機構272とを示す正面図である。
図15(b)は、図15(a)に示した第2コイル端末部261が、屈曲機構272により屈曲された状態を示す正面図である。
屈曲機構272は、屈曲機構272aと屈曲機構272bとで一対に形成されており、屈曲機構272aは円筒形状であり、屈曲機構272bは板形状である。
次に、上記のように構成された本実施の形態2による固定子の製造工程における調整屈曲箇所263を形成する方法を説明する。
まず、図15(a)に示すように、各第2コイル端末部261を、屈曲機構272aと屈曲機構272bとで挟むように、各第2コイル端末部261間に各屈曲機構272を一斉挿入する。
次に、図15(b)に示すように、屈曲機構272aを固定し、この固定された状態の屈曲機構272aを軸心として屈曲機構272bを矢印Yの方向に回動させる。このようにして、各第2コイル端末部261に調整屈曲箇所263を形成する第2屈曲工程を行う。
複数の第2コイル端末部261を一斉に屈曲させることで、調整屈曲箇所263の形状ばらつきを小さく形成することができる。
なお、コイルエンド部52の軸方向上端52Uに近接し過ぎる箇所に調整屈曲箇所263を形成すると、形成された調整屈曲箇所263が、この後の第1屈曲工程における屈曲箇所に干渉する。そのため、図13に示すように、調整屈曲箇所263の高さHは、その後の第1屈曲工程の際の屈曲に干渉しないような高さに設定する。
なお、上記実施の形態2では、第2コイル端末部261側のみに調整屈曲箇所263を形成する例を示したが、第1コイル端末部60側に調整屈曲箇所263を設けてもよい。第1コイル端末部60、第2コイル端末部261の少なくとも一方に対して、調整屈曲箇所263を設けることで、上述の効果を得ることができる。
第1コイル端末部60に調整屈曲箇所263を形成する場合、上述の第2屈曲工程と同様に行うことができる。
上記のように構成された本実施の形態の電機子、電機子の製造方法および回転電機によると、上記実施の形態1と同様の効果を奏し、外形が四角状の巻線を用いて高いコイル占積率を保持しつつ、外形が四角状の巻線において生じやすい巻線の断線や絶縁皮膜の損傷を防ぐことができる。
さらに、各コイル55のコイル端末長さ等にばらつきがあるような場合でも、調整屈曲箇所263を設ける。これにより、第1コイル端末部60の断面の軸方向下方の角部T2を、コイルエンド部52に近接させて接続部62の軸方向Gの高さを低く抑えつつ、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部261の第2組側面Bとを確実に接触させることができる。
これにより信頼性の高い固定子、固定子の製造方法および回転電機を提供するこができる。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は説明を省略する。
図16は、本発明の実施の形態3によるコイル端末部間の結線構造を示す正面図である。
図17は、本発明の実施の形態3によるコイル端末部間の他の結線構造を示す正面図である。
本実施の形態3では、上記実施の形態1とは異なり、図中右側から引き出されるコイル端末を第2コイル端末部61とし、図中左側から引き出されるコイル端末を第1コイル端末部60として示す。
図16に示す本実施の形態の結線構造では、第1コイル端末部60を、第2コイル端末部61より軸方向Gの下方に配置させている。そして、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部61の第2組側面Bとを接触させて、接続部62を形成している。
また、図17に示す本実施の形態の結線構造では、第1コイル端末部60を、第2コイル端末部61より軸方向Gの上方に配置させている。そして、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部61の第2組側面Bとを接触させて、接続部62を形成している。
これにより、第1コイル端末部60の引き出しと、第2コイル端末部261の引き出しとの間の距離のばらつきや、コイル端末の長さにばらつきがある場合でも、上記実施の形態1および上記実施の形態2のいずれかの結線構造と、本実施の形態3の結線構造とを含めた複数の結線構造の内から、適宜、適した結線構造を選択して、接続部62を形成することができる。
上記のように構成された本実施の形態の電機子、電機子の製造方法および回転電機によると、上記実施の形態1と同様の効果を奏し、外形が四角状の巻線を用いて高いコイル占積率を保持しつつ、外形が四角状の巻線において生じやすい巻線の断線や絶縁皮膜の損傷を防ぐことができる。
さらに、各コイル55のコイル端末長さ等にばらつきがあるような場合でも、適した結線構造を選択することができ、結線構造の自由度を高くすることができる。
これにより信頼性の高い固定子、固定子の製造方法および回転電機を提供するこができる。
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は説明を省略する。
図18は、本発明の実施の形態4によるコイル端末部間の結線構造を示す斜視図である。
図19は、本発明の実施の形態4によるコイル端末部間の他の結線構造を示す斜視図である。
図18に示す本実施の形態の結線構造では、第1コイル端末部60および第2コイル端末部61の両方が、コイルエンド部52の径方向内側K1の最内径側から引き出されて接続部62を形成している。
また、図19に示す本実施の形態の結線構造では、第1コイル端末部60および第2コイル端末部61の両方が、コイルエンド部52の径方向外側K2の最外径側から引き出されて接続部62を形成している。
上記のように構成された本実施の形態の電機子、電機子の製造方法および回転電機によると、上記実施の形態1と同様の効果を奏し、外形が四角状の巻線を用いて高いコイル占積率を保持しつつ、外形が四角状の巻線において生じやすい巻線の断線や絶縁皮膜の損傷を防ぐことができる。
さらに、各コイル55のコイル端末部の引き出し位置に応じて、上記実施の形態1の結線構造と、本実施の形態4の結線構造とを含めた複数の結線構造の内から、適宜、適した結線構造を選択して、接続部62を形成することができる。
これにより信頼性の高い固定子、固定子の製造方法および回転電機を提供するこができる。
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は説明を省略する。
図20(a)は、径方向外側K2に屈曲されたコイル端末の構成を示す斜視図である。
図20(b)は、図20(a)に示したコイル端末をさらに屈曲させて形成した接続部562の構成を示す斜視図である。
図20(a)に示すように、スロット11から引き出された第1コイル端末部60および第2コイル端末は、コイルエンド部52の軸方向上端52Uの位置において径方向外側K2に屈曲する。
図20(b)に示すように、図20(a)に示した第1コイル端末部60および第2コイル端末部61は、コイルエンド部52の最外径より径方向外側K2において、コイルエンド部52の最外径に沿う方向にさらに屈曲し、接続部562を形成する。
上記のように構成された本実施の形態の電機子、電機子の製造方法および回転電機によると、上記実施の形態1と同様の効果を奏し、外形が四角状の巻線を用いて高いコイル占積率を保持しつつ、外形が四角状の巻線において生じやすい巻線の断線や絶縁皮膜の損傷を防ぐことができる。
さらに、接続部562は、コイルエンド部52の最外径に沿う方向に屈曲されているため、固定子を径方向に小型化することが可能である。
これにより信頼性が高く、小型の固定子、固定子の製造方法および回転電機を提供するこができる。
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は説明を省略する。
図21は、本発明の実施の形態6によるコイル端末部間の結線構造を、コイル端末の正面から見た状態を示す正面図である。
図に示すように、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部61の第2組側面Bとを、軸方向上方に隅角部673を形成するようにずらして当接させている。そして、この隅角部673を軸方向Gの上方から隅肉溶接等で溶接して溶接部Zを形成する。第1コイル端末部60と第2コイル端末部61とは電機的に接続され、これにより接続部662が形成される。
上記のように構成された本実施の形態の電機子、電機子の製造方法および回転電機によると、上記実施の形態1と同様の効果を奏し、外形が四角状の巻線を用いて高いコイル占積率を保持しつつ、外形が四角状の巻線において生じやすい巻線の断線や絶縁皮膜の損傷を防ぐことができる。
さらに、コイル端末間を軸方向Gの上方から溶接することができる。そのため、接続工程を簡易化することができる。
これにより信頼性の高い固定子、固定子の製造方法および回転電機を提供するこができる。
実施の形態7.
以下、本発明の実施の形態7を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は説明を省略する。
図22(a)は、円環状に組み立てられる前のコイル55における第1コイル端末部と第2コイル端末部との構成を示す図である。
図22(b)は、図22(a)に示した状態から、互いに近接する方向に屈曲された第1コイル端末部60と第2コイル端末部61との構成を示す図である。
図22(c)は、図22(b)に示した状態の各コイル55が円環状に組み立てられて、コイルエンド部52が形成された状態の第1コイル端末部60と第2コイル端末部61との構成を示す図である。
図22(d)は、図22(c)に示した状態から、接続部62が形成された状態を示す図である。
本実施の形態で用いる固定子は、第1コイル端末部60が、コイルエンド部52の径方向内側K1の最内径側から引き出され、第2コイル端末部61が、コイルエンド部52の径方向外側K2の最外径側から引き出される。
このように構成される本実施の形態7による固定子の製造工程におけるコイル端末部間の結線方法を説明する。
まず、複数のコイル55を円環状に組み立てる前の段階において、図22(a)に示す各コイル55の第1コイル端末部60と、各コイル55の第2コイル端末部61とを、図22(b)に示すように、互いに近接するように屈曲させておく。そして第2コイル端末部61に対しては、さらに第1屈曲工程を行って径方向外側K2に屈曲しておく。
次に、各コイル55を円環状に組み立て、鉄心51に組み付ける。こうして、図22(c)に示すように、鉄心51の軸方向Gの上端面から突出する円環状のコイルエンド部52が形成され、第1コイル端末部60と第2コイル端末部61とが、異なる位置のスロット11から引き出される構成となる。
次に、図22(d)に示すように、第1コイル端末部60に対して第1屈曲工程を行い、第1コイル端末部60を、コイルエンド部52の軸方向上端52Uの位置において径方向外側K2に屈曲させる。そして、第1コイル端末部60の第1組側面Aと、対向する第2コイル端末部261の第2組側面Bとを接続して接続部62を形成する。
このように、複数のコイル55を円環状に形成してコイルエンド部52を形成する前の段階において、コイルエンド部52の最内径側から引き出される第1コイル端末部60に対しては第1屈曲工程を行わない。
そのため、複数のコイル55を円環状に組み立てる際に、各第1コイル端末部60が径方向外側K2側に突出していないため、他のコイル端末と干渉しない。これにより、コイル55の組み立てが簡易となる。
また、このように、複数のコイル55を円環状に形成してコイルエンド部52を形成する前の段階において、コイルエンド部52の最外径側から引き出される第2コイル端末部61に対しては、第1屈曲工程を行う。
そのため、第1屈曲工程において用いられる支持部材70等の屈曲機構が、コイルエンド部52と干渉することがない。これにより、コイルエンド部52の軸方向上端52Uの位置よりも軸方向Gの下方において、第2コイル端末部61を径方向外側K2に屈曲させることができる。こうして、接続部62の軸方向Gの位置を低く抑えることができ、図に示すように、第1コイル端末部60の断面の軸方向G下方の角部T2は、コイルエンド部52に接触している。これにより、固定子を軸方向Gに小型化することができる。
また、上記では、第1コイル端末部60は、コイルエンド部52の最内径側から引き出されるコイル端末とし、第2コイル端末部61は、コイルエンド部52の最外径側から引き出されるコイル端末として説明したが、これは逆でもよい。
コイルエンド部52の最外径側から引き出されるコイル端末を、コイルエンド部52の形成前に径方向外側K2に屈曲させ、コイルエンド部52の最内径側から引き出される方のコイル端末を、コイルエンド部52の形成後に径方向外側K2に屈曲させるものであればよい。
上記のように構成された本実施の形態の電機子、電機子の製造方法および回転電機によると、上記実施の形態1と同様の効果を奏し、外形が四角状の巻線を用いて高いコイル占積率を保持しつつ、外形が四角状の巻線において生じやすい巻線の断線や絶縁皮膜の損傷を防ぐことができる。
また、複数のコイル55を円環状に組み立てることが容易であるとともに、固定子を小型化することができる。
これにより信頼性の高い固定子、固定子の製造方法および回転電機を提供するこができる。
実施の形態8.
以下、本発明の実施の形態8を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図23は、本発明の実施の形態8によるコイル端末部間の結線構造を示す斜視図である。
図24は、本発明の実施の形態8によるコイル端末部間の結線構造を拡大して示す正面図である。
図に示すように、接続部862における第1コイル端末部860に、切欠813が形成されている。これにより、接続部862における第1コイル端末部860の第1組側面A間の厚みX1が、接続部862以外における第1コイル端末部860の第1組側面A間の厚みX2より薄く形成された構成となっている。
こうして、実施の形態1の図11に示した巻線チャック部71を用いて第1コイル端末部860と第2コイル端末部61とを挟んで溶接する際に、断面積が大きく太い第1コイル端末部860を用いる場合であっても、第1コイル端末部860と第2コイル端末部61との接触姿勢を安定させた状態で溶接することができる。
上記のように構成された本実施の形態の電機子、電機子の製造方法および回転電機によると、上記実施の形態1と同様の効果を奏し、外形が四角状の巻線を用いて高いコイル占積率を保持しつつ、外形が四角状の巻線において生じやすい巻線の断線や絶縁皮膜の損傷を防ぐことができる。
また、接続部862における第1コイル端末部860の第1組側面A間の厚みX1を薄くしているため、第1コイル端末部860と第2コイル端末部61とを安定して溶接することが可能になる。
なお、上記では、第1コイル端末部860にのみ切欠813を設ける例を示したが、これに限定するものではない。第2コイル端末部61の第2組側面B間の厚みを薄くするように、第2コイル端末部61に切欠813を設けても同様の効果を奏する。また、第1コイル端末部860と第2コイル端末部61の両方に切欠813を設けるものでもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

Claims (14)

  1. 周方向に複数のスロットを有する円環状の鉄心と、
    外形が四角状であって、対向する2組の第1組側面および第2組側面を有する複数の巻線を、前記スロットに巻回して成る複数のコイルとを備え、
    前記コイルが、前記鉄心の軸方向端面から突出する円環状のコイルエンド部を形成する電機子であって、
    複数の前記コイルのコイル端末部のうち、異なる位置の前記スロットから引き出される第1コイル端末部と第2コイル端末部とが、前記コイルエンド部の軸方向上端位置にて径方向外側に屈曲され、互いに接続されて接続部を形成し、
    前記接続部は、前記コイルエンド部の最外径より径方向外側、且つ、前記異なる位置の前記スロット間の周方向中間位置において、前記第1コイル端末部の前記第1組側面と、対向する前記第2コイル端末部の前記第2組側面とが接続されて形成される電機子。
  2. 前記第1コイル端末部、前記第2コイル端末部の少なくとも一方は、前記スロットと前記コイルエンド部の軸方向上端面との間に調整屈曲箇所を有する請求項1に記載の電機子。
  3. 前記接続部は、前記コイルエンド部の最外径に沿う方向に屈曲され形成される請求項1または請求項2に記載の電機子。
  4. 前記接続部は、前記第1コイル端末部の前記第1組側面と、対向する前記第2コイル端末部の前記第2組側面とを、軸方向上方に隅角部を形成するようにずらして当接させ、前記隅角部を溶接して形成される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電機子。
  5. 前記第1コイル端末部、前記第2コイル端末部のいずれか一方は、前記コイルエンド部の最内径側から引き出されて前記コイルエンド部を跨ぎ、他方は前記コイルエンド部の最外径側から引き出されて前記接続部を形成する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電機子。
  6. 前記第1コイル端末部および前記第2コイル端末部が、前記コイルエンド部の最外径側から引き出されて前記接続部を形成する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電機子。
  7. 前記第1コイル端末部および前記第2コイル端末部が、前記コイルエンド部の最内径側から引き出されて前記接続部を形成する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電機子。
  8. 前記接続部における前記第1コイル端末部の前記第1組側面間の厚み、前記第2コイル端末部の前記第2組側面間の厚み、の少なくとも一方が、前記接続部以外の前記第1コイル端末部の前記第1組側面間の厚み、前記第2コイル端末部の前記第2組側面間の厚みより薄く形成された請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電機子。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電機子を、固定子または回転子のいずれか一方として用いた回転電機。
  10. 周方向に複数のスロットを有する円環状の鉄心と、
    外形が四角状であって、対向する2組の第1組側面および第2組側面を有する複数の巻線を、前記スロットに巻回して成る複数のコイルとを備え、
    前記コイルが、前記鉄心の軸方向端面から突出する円環状のコイルエンド部を形成する電機子の製造方法であって、
    複数の前記コイルのコイル端末部のうち、異なる位置の前記スロットから引き出される第1コイル端末部と第2コイル端末部とを、前記コイルエンド部の軸方向上端位置にて径方向外側に屈曲する第1屈曲工程と、
    屈曲された前記第1コイル端末部の前記第1組側面と、対向する前記第2コイル端末部の前記第2組側面とを、前記コイルエンド部の最外径より径方向外側、且つ、前記異なる位置の前記スロット間の周方向中間位置において接触させる接触工程と、
    接触された前記第1コイル端末部と前記第2コイル端末部とを電気的に接続して接続部を形成する接続工程とを備えた電機子の製造方法。
  11. 前記接続工程は、接触された前記第1コイル端末部と前記第2コイル端末部とを、一対の巻線チャック部により挟んで前記接続部を形成する請求項10に記載の電機子の製造方法。
  12. 前記第1コイル端末部、前記第2コイル端末部のいずれか一方が、前記コイルエンド部の最内径側から引き出され、他方が前記コイルエンド部の最外径側から引き出される場合において、
    前記第1屈曲工程は、前記コイルエンド部の最外径側から引き出される一方を、前記コイルエンド部の形成前に径方向外側に屈曲させ、前記コイルエンド部の最内径側から引き出される他方を、前記コイルエンド部の形成後に径方向外側に屈曲させる請求項10または請求項11に記載の電機子の製造方法。
  13. 前記第1屈曲工程は、前記第1コイル端末部、前記第2コイル端末部の少なくとも一方の径方向外側に支持部材を配置して、該支持部材の支持により径方向外側に屈曲させる請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の電機子の製造方法。
  14. 前記接触工程の前に、前記第1コイル端末部、前記第2コイル端末部の少なくとも一方に対し、前記スロットと前記コイルエンド部の軸方向上端面との間に調整屈曲箇所を形成する第2屈曲工程を備え、
    前記第2屈曲工程は、
    前記第1コイル端末部、前記第2コイル端末部の少なくとも一方を、一対の屈曲機構にて挟んだ後に、一方の前記屈曲機構の位置を固定した状態で、他方の前記屈曲機構を回動させて、前記調整屈曲箇所を形成する請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の電機子の製造方法。
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