JPWO2016185829A1 - 回転子、回転電機および回転子の製造方法 - Google Patents

回転子、回転電機および回転子の製造方法 Download PDF

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Abstract

軸方向(Y)に貫通する挿入孔(7)が周方向(X)に間隔を隔てて複数個形成された回転子鉄心(30)と、挿入孔(7)にそれぞれ配設された磁石(6)とを有する回転子(3)において、挿入孔(7)の孔内側周面(81)と磁石(6)の磁石内側周面(91)とは当接せず、挿入孔(7)の孔外側周面(80)と磁石(6)の磁石外側周面(90)とは、第一箇所(E)および第二箇所(F)の2箇所にて当接し、第一箇所(E)と第二箇所(F)との間であって、挿入孔(7)の孔外側周面(80)と磁石(6)の磁石外側周面(90)と間には各接着層部(11、12)が形成され、挿入孔(7)の孔内側周面(81)には、径方向(X)の外側に突出するとともに磁石(6)に当接する第一突出部(82)が形成されている。

Description

この発明は、磁石の位置ずれを低減して、トルクの低下、回転子鉄心に加わる応力の増加、および、回転圧バランスの増加を抑制することができる回転子、回転電機および回転子の製造方法に関するものである。
近年、電動機または発電機として使用される回転電機において、小型化、高速回転化および高出力化が求められている。小型、高速回転化、および高出力の回転電機を実現するための1つの方法として、回転子に磁石を埋め込んだ形状で、リラクタンストルクを活用し、磁石によるマグネットトルクと合わせることで発生トルクを高める方法がある。しかし、回転電機の小型化、高速回転化を達成しようとした場合、回転子鉄心の遠心力による応力が大きくなり、回転子鉄心または磁石が破断する恐れが生じるといった問題があった。
これに対し、例えば、特許文献1に記載されるように、回転子鉄心に挿入する磁石を突起により保持することで、磁石の回転遠心力を低減し、回転子鉄心内に発生する応力を低減するものがある。
特開2014−100048号公報
従来の回転電機は、回転子鉄心に埋め込んだ磁石を突起により保持する形状となっているが、回転子鉄心に磁石を挿入するときの、挿入精度と、磁石の位置精度とが考慮されておらず、トルクの低下、回転子鉄心に加わる応力の増加、および、回転アンバランスの増加が生じるという問題点があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、磁石の位置ずれを低減し、トルクの低下、回転子鉄心に加わる応力の増加を防止する回転子、回転電機および回転子の製造方法を提供することを目的とする。
この発明の回転子は、
軸方向に貫通する挿入孔が周方向に間隔を隔てて複数個形成された回転子鉄心と、
前記挿入孔にそれぞれ配設された磁石とを有する回転子において、
前記挿入孔の孔内側周面と前記磁石の磁石内側周面とは接触せず、
前記挿入孔の孔外側周面と前記磁石の磁石外側周面とは、第一箇所および第二箇所の2箇所にて接触し、
前記第一箇所と前記第二箇所との間であって、前記挿入孔の前記孔外側周面と前記磁石の前記磁石外側周面と間には接着層部が形成され、
前記挿入孔の前記孔内側周面には、径方向の外側に突出する第一突出部が形成されており、前記第一突出部は前記磁石の周方向側周面と接触するものである。
また、この発明の回転電機は、
上記に示した回転子と、
前記回転子鉄心を回転する回転軸と、
前記回転子とエアギャップを介して配設されるとともにコイルを有する固定子とを備えたものである。
また、この発明の上記に示した回転子の製造方法は、
前記磁石の前記磁石外側周面上に接着材を塗布する工程と、
前記挿入孔に前記磁石を挿入する工程と、
前記磁石の前記磁石外側周面と前記挿入孔の前記孔外側周面とを押し当てる工程と、
前記磁石の前記周方向側周面を前記第一突出部に押し当てる工程と、
前記回転子鉄心を回転させながら前記接着材を硬化させ前記接着層部を形成する工程とを備えたものである。
また、この発明の上記に示した回転子の製造方法は、
前記磁石の前記磁石外側周面上に接着材を塗布する工程と、
前記挿入孔に前記磁石を挿入する工程と、
前記磁石の前記磁石外側周面と前記挿入孔の前記孔外側周面とを押し当てる工程と、
前記回転子鉄心を回転させながら前記磁石の前記周方向側周面を前記第一突出部に押し当て前記接着材を硬化させ前記接着層部を形成する工程とを備えたものである。
この発明の回転子、回転電機および回転子の製造方法によれば、
磁石の位置ずれを低減して、トルクの低下、回転子鉄心に加わる応力の増加、および、回転圧バランスの増加を抑制することができる。
この発明の実施の形態1の回転子の構成を示す平面図である。 図1に示した回転子の構成を示す部分拡大平面図である。 図1に示した回転子を用いた回転電機の構成を示す斜視図である。 図3に示した回転電機の構成を示す平面図である。 図1に示した回転子の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示した回転子の製造工程を示す部分拡大平面図である。 図1に示した回転子の製造工程を示す部分拡大平面図である。 図1に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせる前の状態を説明するための部分拡大平面図である。 図1に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせた後の状態を説明するための部分拡大平面図である。 この発明の回転電機と、比較例の回転電機とのトルク差を示す図である。 この発明の実施の形態2の回転子の構成を示す平面図である。 図11に示した回転子の構成を示す部分拡大平面図である。 図11に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせる前の状態を説明するための部分拡大平面図である。 図11に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせた後の状態を説明するための部分拡大平面図である。 この発明の実施の形態3の回転子の構成を示す平面図である。 図15に示した回転子の構成を示す部分拡大平面図である。 図15に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせる前の状態を説明するための部分拡大平面図である。 図15に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせた後の状態を説明するための部分拡大平面図である。 この発明の実施の形態4の回転子の構成を示す平面図である。 図19に示した回転子の構成を示す部分拡大平面図である。 図19に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせる前の状態を説明するための部分拡大平面図である。 図19に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせた後の状態を説明するための部分拡大平面図である。
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1の回転子の構成を示す平面図である。図2は図1に示した回転子の1/8モデルの構成を示す部分拡大平面図である。図3は図1に示した回転子を用いた回転電機の構成を示す斜視図である。図4は図3に示した回転電機の構成を示す平面図である。図5は図1に示した回転子の製造方法を説明するためのフローチャートである。図6から図9は図1に示した回転子の製造工程を示す部分拡大平面図である。
図10はこの発明の回転子と、比較例の回転子とのトルク差を示す図である。尚、図9においてのみ、構造物を理解するためのハッチングを付して示している。他の図においては、同様の構造物から構成されているものであり、ハッチングは省略して示している。
本実施の形態においては、8極48スロットの永久磁石型の回転電機1の例を用いて説明する。但し、回転電機1の極数およびスロット数は適宜増減可能であり、本実施の形態および以下の実施の形態においても同様に構成することができるため、その説明は適宜省略する。
図3および図4において、回転電機1は、固定子2と、回転子3と、シャフト4にて構成される。回転電機1の外周側から、固定子2、回転子3、シャフト4の順番に配設されている。固定子2は回転子3と空隙であるエアギャップ5を有して配設されている。このエアギャップ5は、径方向の間隔L2が0.1mm〜2.5mmにて形成される。
固定子2は、固定子鉄心20とコイル21とを有している。固定子鉄心20は、円環状に形成されている。そして、固定子鉄心20は、例えば、電磁鋼板が軸方向Yに複数枚積層されて構成されている。そして、1枚の電磁鋼板の厚さは、0.1mmから1.0mmの間を使用する場合が多い。尚、本実施の形態では、固定子鉄心20を電磁鋼板にて構成する例を示したが、これに限られることなく、電磁鋼板以外にて構成することも可能であり、以下の実施の形態においても同様に構成することができるため、その説明は適宜省略する。また、固定子鉄心20に巻回されているコイル21は、分布巻き、または、集中巻きのどちらで形成されていてもよい。
回転子3は、回転子鉄心30が軸心位置に挿通されたシャフト4に固定され形成されている。回転子3は、回転子鉄心30が固定子2の内側に配置されるとともに、永久磁石6を備えた永久磁石型回転子である。そして、シャフト4は、例として焼きばめまたは圧入等にて回転子鉄心30に固定されている。
次に、図1および図2において、回転子3の構成の詳細について説明する。図1に示すように、回転子3は、軸方向Yに貫通する挿入孔7が周方向Zに間隔を隔てて複数個形成された回転子鉄心30と、各挿入孔7にそれぞれ配設された各永久磁石6(以下、永久磁石は磁石として示す)と、回転子鉄心30を回転するためのシャフト4とから構成されている。
よって、各磁石6は、各挿入孔7に挿入することが可能な大きさおよび形状にて形成されている。尚、以下の説明において、磁石6および挿入孔7と示すときは、回転子3における、全ての磁石6および挿入孔7を指すものとして示している。
図2に示すように、挿入孔7は、回転子鉄心30の周方向Zに間隔を隔てて複数個形成されるとともに、径方向Xに複数層にて形成されている。本実施の形態においては、挿入孔7が径方向Xに二層に並んだ場合について説明する。挿入孔7は、第一挿入孔71と第二挿入孔72との2層を有している。また、第二挿入孔72は、第二ブリッジ部42を磁極中心軸上に形成し、当該中心軸上において、左右線対称な形状にて第二挿入孔72Aおよび第二挿入孔72Bが分割して形成されている。
そして、第一挿入孔71には第一磁石61が、第二挿入孔72Aおよび第二挿入孔72Bには、第二磁石62Aおよび第二磁石62Bがそれぞれ挿入されている。よって、第二磁石62は、第二磁石62Aおよび第二磁石62Bにて構成されることとなる。
また、各挿入孔71、72の径方向Xの外側の周方向Zの側面である孔外側周面80および径方向Xの内側の周方向Zの側面である孔内側周面81は、回転子3の径方向Xの内側凸の円弧面形状にてそれぞれ形成されている。また、各磁石61、62の径方向Xの外側の周方向Zの面である磁石外側周面90および径方向Xの内側の周方向Zの面である磁石内側周面91は、回転子3の径方向Xの内側凸の円弧面形状にてそれぞれ形成されている。
そして、各挿入孔71、72の孔外側周面80を円弧面形状として形成するための曲率半径R1とし、各磁石61、62の磁石外側周面90を円弧面形状として形成するための曲率半径R2とすると、R1>R2の関係が成り立つ。尚、曲率半径R1および曲率半径R2は、それぞれの関係のみを示しているものであり、数値はそれぞれ適宜設定されるものである。
挿入孔7および磁石6がこのような関係にて形成されているため、各挿入孔71、72の孔外側周面80と、各磁石61、62の磁石外側周面90とは、第一箇所Eおよび第二箇所Fの2箇所にてそれぞれ接触されている。また、第一挿入孔71の孔内側周面81と、第一磁石61の磁石内側周面91とは接触せず、隙間が設けられており第一空隙部51が形成されている。また、第二挿入孔72の孔内側周面81と、第二磁石62の磁石内側周面91とは接触せず、隙間が設けられており第二空隙部52が形成されている。
そして、図9に示すように、第一箇所Eと第二箇所Fとの間であって、第一挿入孔71の孔外側周面80と、第一磁石61の磁石外側周面90との間には、第一接着層部11が形成されている。また、第二挿入孔72の孔外側周面80と、第二磁石62の磁石外側周面90との間には、第二接着層部12が形成されている。各接着層部11、12の径方向Xにおける最大間隔L1は、
おおむね5/100(mm)<L1<20/100(mm)
にて形成されている。
尚、各接着層部11、12および最大間隔L1については、図9に示している。他の図においては、各部分は適宜省略する。また、以下の実施の形態においても、各接着層部11、12および最大間隔L1の図示は適宜省略する。
この最大間隔L1は、5/100mmより小さいと、各接着層部11、12の接着力が弱くなり、接着剤の表面にムラが生じる。
また、20/100mmより大きいと、回転中に接着剤の表面張力で各磁石61、62は空隙に接着剤が留まらず、抜けてしまう恐れがある。よって、先に示した曲率半径R1および曲率半径R2は、この最大間隔L1が上記に示したような関係となるように設定されるものである。また、各接着層部11、12のそれぞれの最大間隔L1は、上記に示した範囲でそれぞれの箇所に応じて形成されるものである。
尚、上記に示した、曲率半径R1および曲率半径R2の関係、および、最大間隔L1の関係は、径方向Xにおいて形成される各層の挿入孔7および磁石6において同様に形成することが可能である。よって、以下の実施の形態においても同様に形成することができるため、その説明は適宜省略する。
そして、第一挿入孔71の孔内側周面81には、径方向Xの外側に突出するとともに第一磁石61の周方向Zの周方向側周面92に接触する第一突出部82が形成されている。尚、第一挿入孔71に挿入された第一磁石61は、回転子鉄心30の回転による遠心力により、周方向Zのいずれの方向に移動する。よって、第一突出部82は、第一挿入孔71内の周方向Zにおいて、第一磁石61の周方向Zの両周方向側周面92のうちいずれの周方向側周面92が接触してもよいように、周方向Zに2箇所形成されている。尚、磁石6の周方向側周面92と第一突出部82との接触されていない側は、挿入孔7内に磁石6を挿入する際に、圧接する必要が無い程度の間隔を有するものであり、このことは以下の実施の形態においても同様である。
また、第二挿入孔72A、72Bの孔内側周面81には、径方向Xの外側に突出するとともに第二磁石62A、62Bの周方向Zの第二ブリッジ部42が形成されている側と反対側の周方向側周面92に接触する第一突出部82がそれぞれ形成されている。これは、第二挿入孔72に挿入された第二磁石62は、回転子鉄心30の回転による遠心力により、径方向Xの外側に移動する。よって、第一突出部82が、第二ブリッジ部42と反対側に形成されている。そして、第二磁石62A、62Bは第二ブリッジ部42と接触せず、第二ブリッジ部42と第二磁石62A、62Bの周方向側周面の外周側である他周方向側周面93との間には、隙間が設けられており第四空隙部54がそれぞれ形成されている。
次に、上記のように構成された実施の形態1の回転電機の回転子の製造方法について図5から図7を用いて説明する。まず、磁石6の磁石外側周面90上に接着剤を塗布する(図5のステップST1)。尚、接着剤は、磁石6と挿入孔7とを固定するために可能な材料であれば、どの材料を使用してもよい。また、硬化する前の塗布された接着剤の図示は省略している。このことは以下の実施の形態においても同様である。次に、図6に示すように、磁石6を挿入孔7内に挿入する(図5のステップST2)。この磁石6の挿入時には、挿入孔7において、回転子3の磁極の中心軸上になるべく近い位置に挿入する。
次に、図6に示した状態から矢印Kの方向に磁石6をそれぞれ移動させて、図7に示すように、磁石6の磁石外側周面90を挿入孔7の孔外側周面80に押し当てる(図5のステップST3)。尚、この押し当てる工程は、磁石6または挿入孔7が割れたり、欠けたりすることない条件であればいずれの条件でもよく、磁石6を挿入孔7に押し当てる手段および回数は問わないものである。
そしてこの際、磁石6の磁石内側周面91と、挿入孔7の孔内側周面81とを接触せず、磁石6の磁石内側周面91と、挿入孔7の孔内側周面81との間には、隙間が設けられており第一空隙部51、および第二空隙部52がそれぞれ形成される。
次に、磁石6を、図7に示す矢印Jの方向、すなわち、第一突出部82が形成されている方向に移動する。尚、第一磁石61は周方向Zのいずれの方向に移動させてもよい。そして、磁石6の周方向側周面92を、第一突出部82に接触させる(図5のステップST4)。この際、第二磁石62A、62Bと、第二ブリッジ部42とは接触せず、第二磁石62A、62Bの他周方向側周面93と、第二ブリッジ部42との間には隙間が設けられており第四空隙部54が形成される。次に、回転子鉄心30を回転させて、接着剤を硬化して、各接着層部11、12を形成する(図5のステップST5)。
上記に示したように回転子3が製造されるものの、回転子鉄心30を回転させて遠心力を働かせる前および接着剤が硬化する前は、磁石6の位置が周方向Zにおいて不安定になる可能性がある。そこで、回転子鉄心30を回転させて遠心力を働かせることにより、図9に示すように磁石6の位置が挿入孔7において安定することができる。以下、この状態について説明する。
まず、遠心力が働く前は図8に示すように、磁石6と挿入孔7とは、接着剤にて完全に固着されていない。よって、第一磁石61を第一挿入孔71に挿入した後、磁石外側周面90が孔外側周面80に接触するまで第一磁石61を径方向Xの外側に押し当て、磁石外側周面90と孔外側周面80とは2点にて接触する。しかし、第一磁石61は回転子3の周方向Zには固定されていないため、第一磁石61の挿入時のばらつきによって第一磁石61は左右どちらかの第一突出部82に接触する、またはいずれにも接触しないことにより、第一磁石61の周方向Zにおける位置が不安定である。
また、第二磁石62も第一磁石61と同様に、第二挿入孔72に挿入した後、磁石外側周面90が孔外側周面80に接触するまで第二磁石62を径方向Xの外側に押し当て、磁石外側周面90と孔外側周面80とは2点にて接触する。さらに、第二磁石62の周方向側周面92を第一突出部82に接触させる。しかし、接着剤が硬化する前は第二磁石62は回転子3の周方向Zには固定されていないため、第二磁石62は磁極の中心軸上、すなわち第二ブリッジ部42形成側に移動する可能性があり、第二磁石62の周方向Zにおける位置が不安定である。
このような状態にて、回転子鉄心30を回転させ、回転子鉄心30の径方向Xの外側に遠心力を加え、接着剤を硬化して、各接着層部11、12を形成する(図9)。すなわち、回転子3を回転させると、磁石6と挿入孔7には回転子3の径方向Xの外側に遠心力が加わる。この遠心力によって、第一磁石61は回転子3の径方向Xの外側に移動するとともに、第一磁石61の磁石外側周面90と第一挿入孔71の孔外側周面80との2点の接触は第一箇所Eおよび第二箇所Fにて固定される。そして、第一磁石61の周方向Zの左右どちらかの周方向側周面92は、第一突出部82の左右どちらかと接触する。このことにより、第一磁石61は第一挿入孔71内において3箇所にて接触され所定位置で安定する。
また、第二磁石62A、62Bも、第一磁石61と同様に、回転子3の径方向Xの外側に遠心力が加わる。この遠心力によって、第二磁石62A、62Bは回転子3の径方向Xの外側に移動し、第二磁石62A、62Bの磁石外側周面90と第二挿入孔72A、72Bの孔外側周面80との2点の接触は第一箇所Eおよび第二箇所Fにて固定される。そして、第二磁石62A、62Bの周方向側周面92は、第一突出部82と接触する。このことにより、第二磁石62は第二挿入孔72内において3箇所にて接触され所定位置で安定する。
尚、上記に示した磁石6と挿入孔7との固着における、回転子鉄心30に遠心力を働かせる前と、遠心力を働かせた後との関係は、以下の実施の形態においても同様に行われるため、その説明は適宜省略する。
次に、上記のようにして製造された回転子3を用いて回転電機1を組み立てる方法について説明する。固定子2は、主な材料である電磁鋼板を打ち抜いて固定子鉄心20を形成する。尚、固定子鉄心20の形成方法は、電磁鋼板の打ち抜きに限らない。次に、円環状に組み立てたコイル21に、絶縁シートを取り付け固定子鉄心20に挿入する。尚、コイル21および固定子鉄心20の組み立て方法はこの方法に限らなくてもよい。次に、上記のようにして製造された回転子3の回転子鉄心30にシャフト4を固定する。次に、固定子2にエアギャップ5を介して回転子3を挿入して組み立て回転電機1を製造する。尚、回転電機1の構成は、以下の実施の形態においても同様に構成することが可能なため、その説明および図示は省略する。
上記のように構成された実施の形態1によれば、最終的には挿入孔の孔内側周面と磁石の磁石内側周面とは接触しないように隙間が設けられて構成されているため、挿入孔内に磁石を容易に挿入することができる。そして最終的には、磁石の磁石外側周面と挿入孔の孔外側周面とを2箇所にて接触するとともに、磁石と第一突出部とを接触することにより、3箇所にて接触して、挿入孔内の磁石の位置精度を向上することができる。よって、磁石の位置のばらつきによる、トルクの低下および回転子鉄心に加わる応力の増加、回転アンバランスの増加を低減することができる。
具体的に、挿入孔内に圧接にて磁石が挿入され固定されるような場合の回転電機である比較例のトルクと、本発明のトルクとの差を図10に示す。トルクの算出はどちらも同じ条件で実施した。図10から明らかなように、本発明のトルクの方が大きいことが分かる。これより、本発明を行うことで磁石のトルクの低下のばらつきを防ぐことができることが確認できた。
また、磁石の磁石外側周面と挿入孔の孔外側周面とを、径方向の内側凸となる円弧面形状にて形成しているため、磁石の磁石外側周面と挿入孔の孔外側周面とを2箇所にて確実に接触することができる。よって、このことにより、挿入孔内の磁石の位置精度をさらに向上することができる。
また、挿入孔の磁極中心軸上に左右線対称のブリッジ部を形成してるため、回転子鉄心に加わる応力集中を低減することができる。
また、回転子鉄心を回転させながら接着剤を硬化させ、接着層部を形成しているので、挿入孔内の磁石の位置精度をさらに向上することができる。
尚、本実施の形態においては磁石を第一突出部に押し当てた後に、回転子鉄心を回転させながら接着材を硬化させ接着層部を形成する例を示したがこれに限られることはなく、例えば、回転子鉄心を回転させながら磁石を第一突出部に押し当て接着材を硬化させ接着層部を形成するようにしてもよい。この場合、回転鉄心を回転させながら磁石を第一突出部に押し当てるため、工程を削減することができ、低コストにて製造することができる。
尚、本実施の形態においては、各挿入孔71、72の孔外側周面80と、各磁石61、62の磁石外側周面90とを、回転子3の径方向Xの内側凸の円弧面形状にてそれぞれ形成し、第一箇所Eおよび第二箇所Fの2箇所にてそれぞれ接触する例を示したが、これに限られることはなく、他の形状であっても、挿入孔7の孔外側周面80と、磁石6の磁石外側周面90とを、第一箇所Eおよび第二箇所Fの2箇所にてそれぞれ接触し、第一箇所Eと第二箇所Fとの間であって、挿入孔7の孔外側周面80と、磁石6の磁石外側周面90との間に各接着層部11、12を形成することができれば、本実施の形態と同様に行うことができ同様の効果を奏することができる。また、以下の実施の形態においても同様であるためその説明は適宜省略する。
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2の回転子の構成を示す平面図である。図12は図11に示した回転子の1/8モデルの構成を示す部分拡大平面図である。図13は図11に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせる前の状態を説明するための部分拡大平面図である。図14は図11に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせた後の状態を説明するための部分拡大平面図である。尚、図14においてのみ、構造物を理解するためのハッチングを付して示している。他の図においては、同様の構造物から構成されているものであり、ハッチングは省略して示している。
図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。第二挿入孔72の第二ブリッジ部42には、第二挿入孔72の第二磁石62側に突出するとともに第二磁石62に接触しない第二突出部83が形成されている。
上記のように構成された実施の形態2の回転電機の回転子は、上記実施の形態1と同様に図5に示したように製造することが可能であるものの、回転子鉄心30を回転させて遠心力を働かせる前および接着剤が硬化する前は磁石6の位置が周方向Zにおいて不安定になる可能性がある。そこで、回転子鉄心30を回転させて遠心力を働かせることにより、図14に示すように磁石6の位置が挿入孔7において安定することができる。以下、この状態について説明する。
まず、遠心力が働く前は図13に示すように、磁石6と挿入孔7とは、接着剤にて完全に固着されていない。第一磁石61と第一挿入孔71との関係については上記実施の形態1と同様であるためその説明は省略する。第二磁石62は、第二挿入孔72に挿入した後、磁石外側周面90が孔外側周面80に接触するまで第二磁石62を径方向Xの外側に押し当て、磁石外側周面90と孔外側周面80とは2点にて接触する。さらに、第二磁石62の周方向側周面92を第一突出部82に接触させる。しかし、接着剤が硬化する前は第二磁石62は回転子3の周方向Zには固定されていないため、第二磁石62は磁極の中心軸上、すなわち第二ブリッジ部42形成側に移動する可能性がある。よって、第二磁石62の他周方向側周面93が第二ブリッジ部42に形成されている第二突出部83に接触してしまい、第二磁石62の周方向Zにおける所定の位置への配置ができなくなる。
このような状態にて、回転子鉄心30を回転させ、回転子鉄心30の径方向Xの外側に遠心力を加える。そして、接着剤を硬化して、各接着層部11、12を形成する(図14)。すなわち、回転子3を回転させると、磁石6つまり第二磁石62A、62Bには、回転子3の径方向Xの外側に遠心力が加わる。
そして、第二磁石62A、62Bは回転子3の径方向Xの外側に移動し、第二磁石62A、62Bの磁石外側周面90と第二挿入孔72A、82Bの孔外側周面80との2点の接触は第一箇所Eおよび第二箇所Fにて固定される。そして、第二磁石62A、62Bの周方向側周面92は、第一突出部82と接触する。このことにより、第二磁石62は第二挿入孔72内において3箇所にて接触され所定位置で安定する。
上記のように構成された実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、ブリッジ部が形成されている挿入孔に第二突出部を設けていなければ、磁石とブリッジ部とが接触する可能性があるため、磁束を通しにくいフラックスバリアの距離が短くなる。このため、磁石には磁束の漏れが発生する可能性がある。
本実施の形態2においては、ブリッジ部が形成されている挿入孔に第二突出部を設けることで磁石と第二突出部が接触し、磁石とブリッジ部とが接触せず、磁石とブリッジ部との間にはフラックスバリアを確保することが可能となる。よって、磁石の磁束漏れを抑制することが可能となり、トルクの低下を防ぐことができる。
実施の形態3.
図15はこの発明の実施の形態3の回転子の構成を示す平面図である。図16は図15に示した回転子の1/8モデルの構成を示す部分拡大平面図である。図17は図15に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせる前の状態を説明するための部分拡大平面図である。図18は図15に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせた後の状態を説明するための部分拡大平面図である。尚、図18においてのみ、構造物を理解するためのハッチングを付して示している。他の図においては、同様の構造物から構成されているものであり、ハッチングは省略して示している。
図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。第一挿入孔71は、第一ブリッジ部41により分割され、第一挿入孔71Aおよび第一挿入孔71Bにて構成される。そして、第一挿入孔71Aおよび第一挿入孔71Bには、第一磁石61Aおよび第一磁石61Bがそれぞれ配設される。よって、第一磁石61は、第一磁石61Aおよび第一磁石61Bにて構成される。第一ブリッジ部41は、第一挿入孔71Aおよび第一挿入孔71Bが、第一挿入孔71の磁極中心軸上に左右線対称となるように形成されている。これより、回転子鉄心に加わる応力集中を低減している。
そして、第一挿入孔71Aおよび第一挿入孔71Bの径方向Xの外側の周方向Zの側面である孔外側周面80および径方向Xの内側の周方向Zの側面である孔内側周面81は、上記各実施の形態と同様に、回転子3の径方向Xの内側凸の円弧面形状にてそれぞれ形成されている。また、第一磁石61Aおよび第一磁石61Bの径方向Xの外側の周方向Zの面である磁石外側周面90および径方向Xの内側の周方向Zの面である磁石内側周面91は、上記各実施の形態と同様に、回転子3の径方向Xの内側凸の円弧面形状にてそれぞれ形成されている。また、第一空隙部51および第一接着層部11は、上記各実施の形態と同様に形成されている。
また、第一挿入孔71A、71Bの孔内側周面81には、径方向Xの外側に突出するとともに第一磁石61A、61Bの周方向Zの第一ブリッジ部41が形成されている側と反対側の周方向側周面92に接触する第一突出部82がそれぞれ形成されている。これは、第一挿入孔71に挿入された第一磁石61は、回転子鉄心30の回転による遠心力により、径方向Xの外側に移動する。そして、第一磁石61A、61Bは第一ブリッジ部41と接触せず、第一ブリッジ部41と第一磁石61A、61Bの他周方向側周面93との間には、隙間が設けられており第四空隙部54がそれぞれ形成されている。
上記のように構成された実施の形態3の回転電機の回転子は、上記各実施の形態と同様に図5に示したように製造することが可能であるものの、回転子鉄心30を回転させて遠心力を働かせる前および接着剤が硬化する前は磁石6の位置が周方向Zにおいて不安定になる可能性がある。そこで、回転子鉄心30を回転させて遠心力を働かせることにより、図18に示すように磁石6の位置が挿入孔7において安定することができる。以下、この状態について説明する。
まず、遠心力が働く前は図17に示すように、磁石6と挿入孔7とは、接着剤にて完全に固着されていない。よって、第一磁石61を第一挿入孔71に挿入した後、磁石外側周面90が孔外側周面80に接触するまで第一磁石61を径方向Xの外側に押し当て、磁石外側周面90と孔外側周面80とは2点にて接触する。さらに、第二磁石62の周方向側周面92を第一突出部82に接触させる。しかし、接着剤が硬化する前は第一磁石61は回転子3の周方向Zには固定されていないため、第一磁石61は磁極の中心軸上、すなわち第一ブリッジ部41形成側に移動する可能性があり、第一磁石61の周方向Zにおける位置が不安定である。尚、第二磁石62と第二挿入孔72との関係については上記実施の形態1と同様であるためその説明は省略する。
このような状態にて、回転子鉄心30を回転させ、回転子鉄心30の径方向Xの外側に遠心力を加え、接着剤を硬化して、各接着層部11、12を形成する(図18)。すなわち、回転子3を回転させると、磁石6と挿入孔7には回転子3の径方向Xの外側に遠心力が加わる。この遠心力によって、第一磁石61は回転子3の径方向Xの外側に移動するとともに、第一磁石61の磁石外側周面90と第一挿入孔71の孔外側周面80との2点の接触は第一箇所Eおよび第二箇所Fにて固定される。そして、第一磁石61の周方向側周面92は、第一突出部82と接触する。このことにより、第一磁石61は第一挿入孔71内において3箇所にて接触され所定位置で安定する。
上記のように構成された実施の形態3によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、第一挿入孔に第一ブリッジ部を形成した場合であっても、回転子が回転し、第一磁石に遠心力が加わると、第一磁石の磁石外側周面と第一挿入孔の孔外側周面とが2箇所にて接触し、第一磁石の周方向側周面が第一突出部に接触するため、第一磁石の位置精度を向上させることが可能である。
実施の形態4.
図19はこの発明の実施の形態4の回転子の構成を示す平面図である。図20は図19に示した回転子の1/8モデルの構成を示す部分拡大平面図である。図21は図19に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせる前の状態を説明するための部分拡大平面図である。図22は図19に示した回転子の製造工程において、回転子鉄心に遠心力を働かせた後の状態を説明するための部分拡大平面図である。尚、図22においてのみ、構造物を理解するためのハッチングを付して示している。他の図においては、同様の構造物から構成されているものであり、ハッチングは省略して示している。
図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態4においては、挿入孔7を回転子3の径方向Xに三層構造にて形成する例で、第三挿入孔73を備えたものである。よって、第三挿入孔73には第三磁石63が挿入されている。また、第三挿入孔73の径方向Xの外側の周方向Zの側面である孔外側周面80および径方向Xの内側の周方向Zの側面である孔内側周面81は、回転子3の径方向Xの内側凸の円弧面形状にてそれぞれ形成されている。また、第三磁石63の径方向Xの外側の周方向Zの面である磁石外側周面90および径方向Xの内側の周方向Zの面である磁石内側周面91は、回転子3の径方向Xの内側凸の円弧面形状にてそれぞれ形成されている。
そして、図22に示すように、第三挿入孔73の孔外側周面80と、第三磁石63の磁石外側周面90とは、第一箇所Eおよび第二箇所Fの2箇所にてそれぞれ接触されている。また、第三挿入孔73の孔内側周面81と、第三磁石63の磁石内側周面91とは接触せず、隙間が設けられており第三空隙部53が形成されている。
そして、第一箇所Eと第二箇所Fとの間であって、第三挿入孔73の孔外側周面80と、第三磁石63の磁石外側周面90との間には、第三接着層部13が形成されている。第三接着層部13の径方向Xにおける最大間隔L1は、上記各実施の形態と同様にて形成されている。そして、第三挿入孔73の孔内側周面81には、径方向Xの外側に突出するとともに第三磁石63の周方向Zの周方向側周面92に接触する第一突出部82が周方向Zに形成されている。尚、第三挿入孔73に挿入された第三磁石63、回転子鉄心30の回転による遠心力により、周方向Zのいずれの方向に移動するか不明である。よって、第一突出部82は、第三挿入孔73内の周方向Zにおいて、第三磁石63の周方向Zの周方向側周面92のいずれの周方向側周面92が接触してもよいように、周方向Zに2箇所形成されている。
上記のように構成された実施の形態4の回転電機の回転子は、上記各実施の形態と同様に図5に示したように製造することが可能であるものの、回転子鉄心30を回転させて遠心力を働かせる前および接着剤が硬化する前は磁石6の位置が周方向Zにおいて不安定になる可能性がある。そこで、回転子鉄心30を回転させて遠心力を働かせることにより、図22に示すように磁石6の位置が挿入孔7において安定することができる。以下、この状態について説明する。
まず、遠心力が働く前は図21に示すように、磁石6と挿入孔7とは、接着剤にて完全に固着されていない。尚、第一磁石61と第一挿入孔71との関係、および、第二磁石62と第二挿入孔72との関係については上記実施の形態1と同様であるためその説明は省略する。第三磁石63は、第三挿入孔73に挿入した後、磁石外側周面90が孔外側周面80に接触するまで第三磁石63を径方向Xの外側に押し当て、磁石外側周面90と孔外側周面80とは2点にて接触する。さらに、第二磁石62の周方向側周面92を第一突出部82に接触させる。しかし、接着剤が硬化する前は第三磁石63は回転子3の周方向Zには固定されていないため、第三磁石63の挿入時のばらつきによって第三磁石63とは左右どちらかの第一突出部82に接触する、またはいずれにも接触しないことにより、第三磁石63の周方向Zにおける位置が不安定である。
このような状態にて、回転子鉄心30を回転させ、回転子鉄心30の径方向Xの外側に遠心力を加え、接着剤を硬化して、各接着層部11、12、13を形成する(図22)。すなわち、回転子3を回転させると、磁石6と挿入孔7には回転子3の径方向Xの外側に遠心力が加わる。この遠心力によって、第三磁石63は回転子3の径方向Xの外側に移動するとともに、第三磁石63の磁石外側周面90と第三挿入孔73の孔外側周面80との2点の接触は第一箇所Eおよび第二箇所Fにて固定される。そして、第三磁石63の周方向Zの左右どちらかの周方向側周面92は、第一突出部82の左右どちらかと接触する。このことにより、第三磁石63は第三挿入孔73内において3箇所にて接触され所定位置で安定する。
上記のように構成された実施の形態4によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、挿入孔の層数を三層にすることで、回転子に流れる磁束の量を増加させることができ、トルクの向上が可能となる。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

Claims (9)

  1. 軸方向に貫通する挿入孔が周方向に間隔を隔てて複数個形成された回転子鉄心と、
    前記挿入孔にそれぞれ配設された磁石とを有する回転子において、
    前記挿入孔の孔内側周面と前記磁石の磁石内側周面とは接触せず、
    前記挿入孔の孔外側周面と前記磁石の磁石外側周面とは、第一箇所および第二箇所の2箇所にて接触し、
    前記第一箇所と前記第二箇所との間であって、前記挿入孔の前記孔外側周面と前記磁石の前記磁石外側周面と間には接着層部が形成され、
    前記挿入孔の前記孔内側周面には、径方向の外側に突出する第一突出部が形成されており、前記第一突出部は前記磁石の周方向側周面と接触する回転子。
  2. 各前記挿入孔の内、ブリッジ部にて分割されている挿入孔を備えた回転子において、
    前記ブリッジ部にて分割されている前記挿入孔の前記第一突出部は、前記磁石の前記周方向側周面の外周側と接触するように形成されている請求項1に記載の回転子。
  3. 前記ブリッジ部にて分割されている前記挿入孔の前記ブリッジ部には、前記挿入孔の前記磁石側に突出するとともに前記磁石に接触しない第二突出部が形成されている請求項2に記載の回転子。
  4. 前記挿入孔の孔外側周面および前記磁石の磁石外側周面は、径方向の内側凸となる円弧面形状にて形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転子。
  5. 前記接着層部の径方向における最大間隔L1は、
    5/100(mm)<L1<20/100(mm)
    にて形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転子。
  6. 前記挿入孔は、径方向において複数層にて形成されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転子。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転子と、
    前記回転子鉄心を回転する回転軸と、
    前記回転子とエアギャップを介して配設されるとともにコイルを有する固定子とを備えた回転電機。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転子の製造方法において、
    前記磁石の前記磁石外側周面上に接着材を塗布する工程と、
    前記挿入孔に前記磁石を挿入する工程と、
    前記磁石の前記磁石外側周面と前記挿入孔の前記孔外側周面とを押し当てる工程と、
    前記磁石の前記周方向側周面を前記第一突出部に押し当てる工程と、
    前記回転子鉄心を回転させながら前記接着材を硬化させ前記接着層部を形成する工程とを備えた回転子の製造方法。
  9. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転子の製造方法において、
    前記磁石の前記磁石外側周面上に接着材を塗布する工程と、
    前記挿入孔に前記磁石を挿入する工程と、
    前記磁石の前記磁石外側周面と前記挿入孔の前記孔外側周面とを押し当てる工程と、
    前記回転子鉄心を回転させながら前記磁石の前記周方向側周面を前記第一突出部に押し当て前記接着材を硬化させ前記接着層部を形成する工程とを備えた回転子の製造方法。
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