JPWO2016185633A6 - 複合体 - Google Patents

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Abstract

十分な接合強度を有する金属部材とサーメット部材の複合体を提供する。
解決手段は、サーメット部材と金属部材と中間層とを有する複合体である。
サーメット部材はサーメット酸化物相とサーメット金属相とを含む。サーメット酸化物相はNiを含む酸化物またはFeを含む酸化物を含む。サーメット金属相はNiを含む。中間層はCuを含む。サーメット部材と中間層との界面からサーメット部材側に10、50、100、1000μm離れた点におけるサーメット金属相中のCuの質量比率をC10、C50、C100、C1000(mass%)とする。界面からサーメット部材側に10、100μm離れた点におけるサーメット酸化物相中のCuの質量比率をM10、M100(mass%)としたときに、C10>C50>C100>C1000かつ5>M10―M100>−5である。

Description

本発明は、サーメット部材と金属部材の中間層を介した複合体に関する。
希土類金属の精錬において塩化物電解法や酸化物電解法が用いられている。塩化物電解法では大量の塩素ガスが発生する。これに対し、酸化物を用いる酸化物電解法での発生ガスは、陽極である炭素に由来する一酸化炭素(CO)もしくは二酸化炭素(CO)が大部分である。一酸化炭素および二酸化炭素が発生することは塩素ガスが発生することと比べれば環境面で好ましい(非特許文献1)。
近年、地球温暖化の観点から、さらにCO, COガスを削減することが求められており、CO, COガスを発生しない不活性陽極が求められている。そこで、セラミックの導電性を向上させる観点からセラミック中に金属を添加するサーメット(Cermet)材料が開発されている(特許文献1)。しかしながら、サーメット材料からなる電極は、炭素電極に対して導電率が低い。
また、フェライト部材と金属部材とが接合した電極が開発されている。当該電極は、フェライト部材を単独で用いた電極よりも電気抵抗を低くすることができ、電解精錬等の電力消費を低減することができる(特許文献2)。しかしながら、当該電極のフェライト部材の代替材としてサーメット部材を使用した場合、サーメット部材と金属部材とで熱膨張係数が大きく異なるため、サーメット部材と金属部材との接合強度が低下してしまう。
希土類の材料技術ハンドブック(NTS)
特表2011−514931号公報 実開昭54−31036号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、十分な接合強度を有する金属部材とサーメット部材との複合体を提供することを目的とする。
本目的を達成するためには、本発明の複合体は、
サーメット部材と金属部材と中間層とを有する複合体であって、
前記サーメット部材はサーメット酸化物相とサーメット金属相とを含み、
前記サーメット酸化物相はNiを含む酸化物またはFeを含む酸化物を含み、
前記サーメット金属相はNiを含み、
前記中間層はCuを含み、
前記サーメット部材と前記中間層との界面から前記サーメット部材側に10、50、100、1000μm離れた点における前記金属相中のCuの質量比率をC10、C50、C100、C1000(mass%)とし、
前記界面から前記サーメット部材側に10、100μm離れた点における前記酸化物相中のCuの質量比率をM10、M100(mass%)としたときに、下記式1、式2を同時に満たすことを特徴とする。

C10>C50>C100>C1000(mass%):(式1)

5>M10―M100>−5(mass%):(式2)
このような特徴を持つ複合体では、中間層中のCuが、サーメット部材中のサーメット金属相へと選択的に拡散している。そのため、複合体においては、中間層とサーメット部材との界面からサーメット部材側へ離れるにつれて、サーメット部材中のサーメット金属相におけるCuの質量比率が傾斜的に低下している。このことにより、サーメット部材内において、残留応力が傾斜を成しながら分布する。その結果、サーメット部材において、局所的に残留応力が集中する箇所がなくなり、クラックの発生が抑制される。
また、サーメット部材中のサーメット酸化物相およびサーメット金属相にNiを用いることで中間層にNiが拡散するため、中間層とサーメット部材の界面近傍において、サーメット部材の熱膨張差を比較的低い値に制御できる。
さらに前記複合体において、金属部材がNiまたはNiを含む合金であることが望ましい。このことにより、中間層へ金属部材からもNiを供給することができるため、接合強度がさらに良好になる。また、Niは溶融塩への溶解度が低いため、金属部材に用いられる金属としてNiまたはNiを含む合金を選択することによって、溶融塩電解等を行う際の耐久度が向上する。
次に前記複合体の中間層において、NiとCuの質量比率を百分率で表したときに、Niが10<Ni<70(mass%)、Cuが30<Cu<90(mass%)であることが望ましい。このことにより、サーメット部材中のサーメット金属相へのCuの拡散が良好となり、接合強度がさらに良好となる。
また、前記複合体においては、
前記中間層は少なくとも第1の中間層および第2の中間層を有し、
前記第1の中間層は、前記サーメット部材と接合しており、
前記第1の中間層は少なくとも第1金属Cuを含み、
前記第2の中間層は少なくとも第2金属M2を含み、
前記第1金属Cuの融点が前記第2金属M2の融点よりも低く、
前記第1の中間層におけるCuの質量濃度が前記第2の中間層におけるCuの質量濃度よりも高く、
前記第2の中間層におけるM2の質量濃度が前記第1の中間層におけるM2の質量濃度よりも高くてもよい。
さらに、前記第1の中間層が、前記第2の中間層とも接合していてもよい。
さらに、前記第2の中間層が、前記金属部材と接合していてもよい。
さらに、前記第1の中間層におけるCuとM2との質量比(Cu/M2)が下記の式3の範囲内であることが好ましい。

40/60≦Cu/M2≦90/10:(式3)
さらに、M2がNiであることが好ましい。
また、前記中間層は、前記第1の中間層、前記第2の中間層に加えて第3の中間層を有し、
前記第3の中間層は、前記金属部材と接合してもよい。
さらに、前記第3の中間層におけるCuの質量濃度が前記第2の中間層におけるCuの質量濃度より高く、
前記第3の中間層におけるM2の質量濃度が前記第2に中間層におけるM2の質量濃度よりも低いことが好ましい。
さらに、前記第2の中間層が、前記第1の中間層および前記第3の中間層と接合していてもよい。
さらに、前記サーメット部材に含まれる前記サーメット酸化物相は、少なくともNiの酸化物を含むことが好ましい。
さらに、前記サーメット部材に含まれる前記サーメット酸化物相のうち少なくとも一部はニッケルフェライトからなることが好ましい。
さらに、前記中間層は中間酸化物相と中間金属相とを含み、
前記中間酸化物相は少なくとも一種以上の金属の酸化物を含むことが好ましい。
さらに、前記少なくとも一種以上の金属の酸化物はサーメット酸化物相に含まれる金属の酸化物から選択されることが好ましい。
さらに、前記サーメット部材と前記中間層との界面に対して垂直に前記複合体を切断した切断面において、前記中間酸化物相が存在する領域における前記中間酸化物相が占める面積と前記中間金属相が占める面積との合計を100%とする場合に、前記中間酸化物相が占める面積比率が、10%〜50%であることが好ましい。
さらに、前記中間層全体に占めるボイドの面積比率が30%以下であることが好ましい。
また、前記サーメット部材の断面における前記サーメット酸化物相の面積をS、前記サーメット金属相の面積をSとし、前記サーメット酸化物相と前記サーメット金属相との面積比をS/Sとする場合に、S/Sが下記の式4を満たすことが好ましい。

60/40≦S/S≦90/10:(式4)
さらに、前記サーメット酸化物相が、
組成式NiFe(x+y+z=3、x≠0、y≠0、MはAl、Co、Cr、Mn、Ti、Zr、Sn、V、Nb、Ta、Hfからなる群から選択される少なくとも1種以上)で表されるスピネルフェライト相と、
組成式Nix’Fe1−x’O(x’≠0)で表される酸化ニッケル相と、を有し、
前記サーメット酸化物相と前記サーメット金属相とを含む前記サーメット部材全体を100質量%とする場合において、
前記スピネルフェライト相の含有率が40〜80質量%であり、
前記酸化ニッケル相の含有率が0〜10質量%(0質量%を含む)であり、
前記サーメット金属相の含有率が15〜45質量%であることが好ましい。
さらに、前記サーメット部材に含まれる前記スピネルフェライト相の平均組成が組成式Nix1Fey1z1(0.60≦x1≦0.90、1.90≦y1≦2.40、0.00≦z1≦0.20)で表されることが好ましい。
さらに、前記サーメット部材に前記酸化ニッケル相が含まれ、前記酸化ニッケル相の平均組成が組成式Nix’1Fe1−x’1O(0.70≦x’1≦1.00)で表されることが好ましい。
上記の構造を有するサーメット部材と金属部材の複合体は、従来よりも接合強度が高くなる。すなわち、本願発明により、従来よりも接合強度が高いサーメット部材と金属部材の複合体を提供することができる。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る複合体を得るために、サーメット部材と金属部材によって中間部材を挟み、熱処理の準備をした状態の模式図である。 図1Bは、本発明の一実施形態に係る中間層を介したサーメット部材と金属部材の複合体の模式図である。 図2Aは、本発明の一実施形態を構成するサーメット部材の断面図の一部を拡大して示す模式図である。 図2Bは、本発明の一実施形態を構成するサーメット部材の断面図の一部を拡大して示す模式図である。 図3は、本発明の一実施形態においてSEM−EDSの点分析を行うサーメット金属相およびサーメット酸化物相の部位を示す模式図である。 図4は、4点曲げによる強度測定を行う際に用いるサンプルの形状を示す模式図である。 図5は、中間層とサーメット部材との界面からの距離とCuのサーメット金属相全体に対する質量比率の関係性を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る複合体の断面の模式図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る複合体の断面の模式図である。 図8は、各層間の界面および各層の元素濃度を決定する方法を示すライン分析結果の模式図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る複合体の断面の模式図である。 図10は、4点曲げによる強度測定を行う状態を示す模式図である。
本発明の実施形態につき、図面を参照し説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
本実施形態のサーメット部材―金属部材の複合体を得るための工程を説明する。本実施形態に係る複合体の作製工程は、FeとNiOよりNi系フェライトを得る工程と、Ni系フェライトと金属粉末よりサーメット部材を得る工程と、サーメット部材、中間部材および金属部材よりサーメット―金属複合体を得る工程との三つの工程に大別される。このうちサーメット部材、中間部材および金属部材よりサーメット―金属複合体を得る工程では、図1Aのように、Cuを含む中間部材2を、金属部材1およびサーメット部材3により挟みこんで熱処理を行う。このことにより、図1Bに示したように、中間部材2が中間層4に変化し、前記中間層4を介して金属部材1とサーメット部材3とが接合する。その結果、本実施形態のサーメット―金属複合体が得られる。なお、以下の記載では、サーメット―金属複合体を単に複合体と呼ぶ場合がある。
図1Bに示すように、本実施形態の一実施形態に係る中間層を介したサーメット部材と金属部材の複合体は、金属部材1とサーメット部材3が中間層4を介して接合している。また、金属部材1、サーメット部材3および中間層4について、その寸法に特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
図2Aは、図1B中のサーメット部材3について、その断面を拡大した模式図である。本実施形態の一実施形態に係るサーメット部材は、サーメット酸化物相5およびサーメット金属相6より構成される。ただしサーメット酸化物相5は単相でなくてもよく、複数の酸化物相が混在していても良い。すなわち、複数の組成領域を有していても良い。
図2A中のサーメット酸化物相5は、FeまたはNiを含む酸化物を含んでいれば良いが、スピネル構造を有するNi系フェライトが主成分であることが望ましい。Ni系フェライトは、溶融塩への溶解度が低いため、溶融塩電解用の電極として利用する際、良好な耐久性を示す。サーメット金属相6との焼結性の観点から他の酸化物相(例えばNiO、Feなど)が混在していても良い。サーメット金属相6は、NiまたはNiを含む合金である。サーメット金属相6は前記サーメット部材3の導電率を高める働きをしている。
また、サーメット酸化物相5の少なくとも一部はニッケルフェライトからなることが導電性および耐食性の向上の観点から好ましく、サーメット酸化物相5が主にニッケルフェライトからなることがより好ましい。
「サーメット酸化物相5が主にニッケルフェライトからなる」とは、サーメット酸化物相5に占めるNiの酸化物全体を100質量%とした場合に、ニッケルフェライトの含有率が70質量%以上であることを意味する。
サーメット酸化物相5の面積をS、サーメット金属相6の面積をSとし、サーメット酸化物相5とサーメット金属相6との面積比をS/Sとする場合に、S/S
60/40≦S/S≦90/10を満たすこと好ましい。S/Sが上記の範囲内であることが好ましいのは、サーメット部材3中のサーメット金属相6をサーメット酸化物相5で覆うことでサーメット金属相5の溶融塩(特にフッ化物)への溶解を防ぐとともにサーメット部材3の導電性を向上することができるためである。
サーメット金属相6は、少なくともNi、Cuのうち一種以上の金属を含むことが好ましく、サーメット金属相6全体を100質量%とする場合において、Niの含有率が20〜90質量%であり、Cuの含有率が10〜80質量%であることがより好ましい。上記のサーメット金属相6の構成が好ましいのは、サーメット部材3の耐食性を向上させることができるためである。
なお、サーメット酸化物相5とサーメット金属相6との面積比は、サーメット部材3の切断面を電子顕微鏡による反射電子線像(BEI)を用いて、倍率300〜1000倍で観察することで算出する。
図2Aの模式図をさらに実際のサーメット部材3に近づけた模式図が図2Bである。図2Bの通り、サーメット酸化物相5は、スピネルフェライト相5aと酸化ニッケル相5bとを有していてもよい。スピネルフェライト相5aは、スピネル型結晶構造を有し、組成式NiFe(x+y+z=3、x≠0、y≠0、MはAl、Co、Cr、Mn、Ti、Zr、Sn、V、Nb、Ta、Hfからなる群から選択される少なくとも1種以上)で表されるスピネルフェライトを含有する。酸化ニッケル相5bは、組成式Ni Fe1−x’O(x’≠0)で表される酸化ニッケルを含有する。また、サーメット酸化物相5は、少なくともスピネルフェライト相5aを有することが好ましい。
サーメット金属相6は、サーメット酸化物相5の中に分散しており、主にスピネルフェライト相5aの中に分散していることが好ましい。言いかえれば、サーメット金属相6の多くはスピネルフェライト相5aに閉じ込められた構成となっていることが好ましい。また、サーメット部材3は焼結体であることから、スピネルフェライト相5aの内部、酸化ニッケル相5bの内部、および/または各相の境界部分に、少量の空孔(図示せず)を有する。
サーメット部材3全体を100質量%とする場合において、スピネルフェライト相5aの含有率が40〜80質量%であり、酸化ニッケル相5bの含有率が0〜10質量%(0質量%を含む)であり、サーメット金属相6の含有率が15〜45質量%であることが好ましい。各相の含有率が上記の範囲内であることが好ましいのは、溶融塩電解時のサーメット部材3の溶融塩に対する溶解を最小化するとともに導電性を兼ね備えているため電解効率を向上させることができるためである。
サーメット部材3に含まれる全スピネルフェライト相5aの平均組成が、組成式Ni Fey1z1(0.60≦x1≦0.90、1.90≦y1≦2.40、0.00≦z1≦0.20)で表される範囲内であることが好ましい。スピネルフェライト相5aの平均組成が上記の範囲内であることが好ましいのは、良好な導電性と良好な耐食性とを両立させることができるためである。
サーメット部材3が酸化ニッケル相5bを含むことが好ましく、サーメット部材3に含まれる全酸化ニッケル相5bの平均組成が、組成式Nix’1Fe1−x’1O(0.70≦x’1≦1.00)で表される範囲内であることが、より好ましい。その他の相(スピネルフェライト相5aとサーメット金属相6)との化学的なバランスのため、酸化ニッケル相5bの平均組成が上記の範囲内であることが好ましい。
図3はサーメット部材3と金属部材1とを接合した界面近傍の模式図である。本発明では、図3中のサーメット部材3と中間層4との界面からそれぞれ10μm、50μm、100μm、1000μm離れたところに存在するサーメット部材3中のサーメット金属相8〜11に着目した。各々一定距離、界面から離れたサーメット金属相8〜11に対し、Cuのサーメット金属相全体に対する質量比率を、C10(mass%)、C50(mass%)、C100(mass%)、C1000(mass%)とし、関係性を定義した。またサーメット酸化物相12、13に関しても同様にしてサーメット部材3と中間層4との界面からそれぞれ10μm、100μm離れたところに存在するサーメット部材中のサーメット酸化物相12、13に着目した。各々一定距離、界面から離れたサーメット酸化物相12、13に対し、Cuのサーメット酸化物相全体に対する質量比率を、M10(mass%)、M100(mass%)、とし、関係性を定義した。
本複合体では、サーメット部材3と金属部材1とを接合した界面近傍において、サーメット部材3中のサーメット金属相8〜11およびサーメット酸化物相12、13に着目し、それぞれの相におけるCuの比率が下記式1および下記式2の関係を満たしていることを特徴とする。またサーメット酸化物相12、13が複数の組成領域を持つ場合、いずれか一つの相が式2を満たせばよい。
C10>C50>C100>C1000(mass%):式1

5>M10−M100>−5(mass%):式2
上記式1は、界面から離れるにつれて、サーメット金属相6におけるCuのサーメット金属相全体に対する質量比率が段階的に減少していることを意味している。これは、中間層4からサーメット金属相6へとCuが拡散していることを示唆している。また、上記式2は、Cuのサーメット酸化物相5における質量比率が、界面からの距離に関わらず、ほぼ一定の値であることを示している。言い換えれば、中間層4からサーメット酸化物相5へのCuの拡散はほとんどないことを意味している。
本実施形態の複合体では、上記式1および上記式2を満たすことを特徴としている。上記式1および上記式2を満たす本実施形態の複合体がクラックの発生が少なく、接合強度が良好である。メカニズムの詳細は不明だが、中間層4とサーメット部材3との界面からサーメット部材3側へ離れるにつれて、サーメット部材3の熱膨張係数が傾斜を成しながら段階的に変化すると考えられる。そのため、局所的に応力が増加することなく、残留応力はサーメット部材3中で傾斜を成しながら分布することとなる。このことから、クラックの発生が抑制され、良好な接合強度が得られたと考えられる。
次に、中間層4とサーメット部材3との界面近傍について述べる。Niの熱膨張係数とCuの熱膨張係数とを比較すると、Cuの熱膨張係数の方が高い。そのため、Cuが局所的に中間層4とサーメット部材3との界面近傍に集中してしまうと、熱膨張差が大きくなりクラックの原因となる。
しかし、本実施形態の複合体では、Cuがサーメット部材3中のサーメット金属相6に拡散しているため、局所的に中間層4とサーメット部材3との界面近傍にCuが集中することがなく、中間層4とサーメット部材3との界面近傍において、サーメット部材3と中間層4との熱膨張差が緩和される。
その結果、接合強度が良好な複合体を得ることができる。本実施形態では、例えば、4点曲げ強度測定による接合強度を評価した場合に、接合強度が50MPa以上である複合体を得ることができる。
図1B中の金属部材1について使用する金属に限定はない。例えば、用途に応じて、ステンレス鋼等の構造用に使用されるものを選択すればよい。複合体中の金属部材1は、電極として使用した場合、電流経路の一部となる。溶融塩電解で使用する際はNiやNi、Cr、FeよりなるNi系合金を選択すると、耐熱性および耐酸化性が高く、溶融塩への溶解度が低い良好な複合体電極を形成することができる。
図1Bの中間層4は、Cuを含む合金より構成される。本中間層4は、図1Aのように、金属部材1およびサーメット部材3の間にCuもしくはCuを含む合金よりなる中間部材2が挟まれた状態で熱処理されることによって形成される。本実施形態では、中間層4よりサーメット部材3中のサーメット金属相6へとCuが選択的に拡散している。これは、中間部材2に含まれるCuが接合のための熱処理中にサーメット部材3へ拡散することに起因する。さらにサーメット部材3中のNiが中間部材2へ拡散することから、中間部材2は、NiとCuの合金またはNiとCuの混合物を使用することが好ましい。NiとCuの質量比率に特に制限はなく、Cuが含まれてさえいれば良い。適切な接合温度および適切な焼成時間を選択することによって接合が可能になる。
接合後の中間層4において、NiとCuとの質量比率を百分率で表した時に、Niが10<Ni<70(mass%)、Cuが30<Cu<90(mass%)であることが好ましい。本条件を満たすことにより、中間層4からサーメット金属相6へのCuの拡散が効果的に進行し、接合強度はさらに良好となる。
また、本実施形態の中間層4は2つ以上の中間層を有していてもよい。すなわち、中間層4は二層構造以上の多層構造であってもよい。例えば、図6に示すように中間層4が第1の中間層41および第2の中間層42からなっていてもよい。なお、本実施形態では、サーメット部材3に近い方から順に第1の中間層41、第2の中間層42とする。
サーメット部材3と中間層4との界面、各中間層の界面、および中間層4と金属部材1との界面の決定方法について、図8を参照しながら以下に述べる。なお、図8では例として図6に記載された複合体を用いる。
まず、EDS(Energy Dispersive Spectroscopy)を用いて、複合体のサーメット部材3と中間層4との接合面に対し垂直方向に各金属元素の濃度のライン分析を行い、図8のようにグラフ化する。そして、濃度曲線の変曲点であって、濃度曲線の傾きの絶対値が極大となる点(図8ではN0、N1、N2)を界面の位置とする。図8では、N0がサーメット部材3と第1の中間層41との界面、N1が第1の中間層41と第2の中間層42との界面、N2が第2の中間層42と金属部材1との界面の位置である。
変曲点とは、曲線を関数y=f(x)上の点(x,y)で表した場合に、二次導関数f' '(x)が0となる点であって、一次導関数f' (x)が極値となる点である。
また、界面の位置はEDSを用いて各元素のマッピングを行い、目視にて決定することも可能であり、ライン分析により上記の方法で決定した界面の位置と、マッピングから目視にて決定した界面の位置とでは、実質的に一致する。
続いて、各中間層における各元素濃度の決定方法について、図8を参照しながら以下に述べる。
各中間層における各元素の濃度は、当該中間層内において当該元素の濃度が極大値または極小値を持つ場合には、当該極大値または極小値とする。例えば、図8の第1の中間層41の濃度は、極大値C1である。また、当該中間層内において当該元素の濃度が極大値および極小値を持たない場合には、二つの界面の中点における当該元素の濃度とする。例えば、図8の第2の中間層42の濃度は、第1の中間層41と第2の中間層42との界面N1および第2の中間層42と金属部材1との界面N2との中点(図示せず)における濃度C2である。
ここで、中間層4は少なくとも2種類の金属元素Cu、M2を含有してもよい。M2の融点がCuの融点よりも高い点を除いてM2の種類に特に限定はない。そして、第1の中間層41は少なくともCuを含有し、第2の中間層42は少なくともM2を含有してもよい。そして、Cuの濃度は第1の中間層41の方が第2の中間層42よりも高く、M2の濃度は第2の中間層42の方が第1の中間層41よりも高いことが好ましい。
図7は中間層4が三層構造である複合体の模式図である。図7に示す複合体は、第2の中間層42と金属部材1との間に第3の中間層43が存在し、第2の中間層42および金属部材1と接合している点以外は全て図6の複合体と同様の複合体である。
第3の中間層43における各元素の濃度や界面の決定方法は、上記した第1の中間層41、第2の中間層42における各元素の濃度や界面の決定方法と同様である。
第3の中間層43は、例えば第1の中間層41、第2の中間層42と同様に主にCuおよび/またはM2により構成されていてもよく、これらの構成に限定されない。
第1の中間層41、第2の中間層42と同様に第3の中間層43にCuおよび/またはM2が含まれる場合には、第3の中間層43におけるCuの質量濃度が第2の中間層42におけるCuの質量濃度よりも高く、第3の中間層43におけるM2の質量濃度が第2の中間層42におけるM2の質量濃度よりも低いことが好ましい。
中間層4は四層構造以上でもよい。また、中間層4が多層構造である場合において、中間層1つあたりの厚さの下限は10μmである。さらに、中間層1つあたりの厚さは20〜2000μmとすることが好ましく、中間層4全体の厚さは20〜3000μmとすることが好ましい。
図6、図7に示す複合体では、M2としてNiを用いることが好ましい。上記の構成が好ましいのは、サーメット部材3と金属部材1との接合強度を向上することができるためである。
また、本実施形態に係る中間層4は、図9に示されるように、サーメット部材3および金属部材1と接合し、かつ中間金属相46と中間酸化物相48とを有していてもよい。
図9に示す複合体の中間層4が、少なくとも一種以上の金属の酸化物を有することで、当該酸化物が中間層4中に生じるボイドを限定することができる。言いかえれば、複合体の中間層4には、前記金属の酸化物を有する前記中間酸化物相48が金属の凝固収縮によって生じるボイドの体積を限定する。すなわち、中間層4に中間酸化物相48を存在させることで、中間層4に存在するボイドの割合を著しく減少させることができる。
ボイドは、中間層4における応力の集中箇所となりうるため、ボイドの量を減少させることにより、複合体の接合強度を増加させることができると考えられる。図9に示す実施形態においては、中間層4に存在するボイドの割合を減少させることにより、複合体にクラックが生じることを防ぐことができ、複合体の接合強度を著しく向上させることができる。
中間酸化物相48に含まれる酸化物のうち1種以上がサーメット酸化物相5に含まれる酸化物であることが好ましい。上記の構成により、中間層4の熱膨張の大きさをサーメット部材3の熱膨張の大きさに近づけることができる。中間層4の熱膨張の大きさをサーメット部材3の熱膨張の大きさに近づけることで、熱歪により生じる残留応力が減少し、クラックを防止するとともに複合体の接合強度を向上させることができる。
中間金属相46を構成する金属元素の種類には、上記の通りCuを含有する点以外に限定はない。中間金属相46はCuのみから構成されていてもよく、Cuを含む複数の金属元素から構成されていてもよい。なお、中間金属相46はCuの他にNi、Feのうち一種以上を含むことが好ましい
サーメット部材3と中間層4との界面に対して垂直に複合体を切断した切断面において、サーメット部材3と中間部材4との界面から垂線方向に最も離れた位置に存在する中間酸化物相48までの距離をdとする。前記界面から距離dまでの範囲を測定範囲とする。当該測定範囲における中間酸化物相48が占める面積と中間金属相46が占める面積との合計を100%とする場合に、中間酸化物相48が占める面積比率が、10%〜50%であることが好ましい。
中間酸化物相48が占める面積比率が10%以上であることにより、中間層4中のボイドを金属の酸化物が充分に充填し、クラックを防止すると共に接合強度を向上させることができる。
図9に示す複合体では、サーメット部材3と中間層4との界面、および中間層4と金属部材1との界面は、前記の断面に対して光学顕微鏡を用いて目視により観察して決定することが可能である。また、走査電子顕微鏡を用いて得たBEI(反射電子)像を観察して決定することも可能である。また、中間酸化物相48は、走査電子顕微鏡を用いて得たBEI(反射電子)像における中間層4内での灰色部である。
また、図9に示す複合体では、中間層4に含まれる金属がCuおよびNiのみからなることがさらに好ましい。また、上記の構成が好ましいのは、サーメット部材3と金属部材1の接合強度を向上することができるためである。
[複合体の製造方法]
次に、本実施形態に係る複合体の好適な製造方法について説明するが、以下の記載により本発明に係る複合体の製造方法は限定されない。
本実施形態の複合体を構成するサーメット部材3の製造方法は、フェライト酸化物粉末と金属粉末とを混合して混合粉末を得る混合工程と、混合粉末を成形して成形体を得る成形工程と、成形体を所定の雰囲気および温度で焼成して焼結体を得る焼成工程と、を有する。
混合工程では、酸化鉄(例えばFe)と金属の酸化物(例えばNiO)とを、所望のモル比率で含有するフェライト原料粉を準備する。そして、前記フェライト原料粉を仮焼きし、粉砕してフェライト酸化物粉末を得る。
本実施形態に係る複合体を溶融塩電解用電極に用いる場合には、最終的に得られるサーメット部材がNiを含有することにより、Niを含有しない場合と比較して、溶融塩(特にフッ化物)に対する溶解度を低下させることが可能である。
また、前記フェライト酸化物粉末とは別に金属粉末を準備する。前記金属粉末の種類に特に制限はなく、Niが含まれてさえいれば良い。金属単体の粉末、例えばNi金属単体の粉末でもよいし、2種類以上の金属粉末、例えばNiの金属粉末およびCuの金属粉末を特定の重量比率で混合した金属粉末でもよい。さらに、2種類以上の金属粉末を溶融し、合金化した合金粉末を金属粉末として用いてもよい。
そして、前記フェライト酸化物粉末と前記金属粉末とを混合し、混合粉末を得る。前記フェライト酸化物粉末と前記金属粉末とを混合する方法に特に制限はなく、ボールミル等による通常の混合方法を用いることができる。また、混合方法は湿式法でも乾式法でもよく、前記フェライト酸化物粉末と前記金属粉末とを均一に混合できる方法であればよい。
混合工程により得られる混合粉末の平均一次粒子径にも特に制限はないが、通常は、平均一次粒子径が1〜30μmの混合粉末を得る。
成形工程では、前記混合粉末を成形して成形体を作製する。成形方法に特に制限はなく、例えば一般的に用いられる通常の乾式成形によって成形体を作製することができる。通常の乾式成形を行う場合には、通常の金型の中にバインダが添加された前記混合粉末を充填し、プレス成形して成形体を作製する。バインダの種類にも特に限定はなく、通常の成形において用いられるバインダを用いることが可能である。良好な成形性が得られるという観点から、バインダとしてポリビニルアルコール(PVA)を用いることが好ましい。
なお、成形方法は乾式成形に限定されるものではなく、混合粉末と溶媒とを含むスラリーを、溶媒を除去しながら加圧成形する湿式成形であってもよく、その他の成形方法であっても良い。
焼成工程は、活性ガスの雰囲気下で行うことも可能であるが、不活性ガス、例えば、窒素ガスまたはアルゴンガスの雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガス雰囲気下で成形体を焼成することにより、金属粉末の酸化を防ぐと共に、酸化ニッケルが還元されNiが遊離し、金属粉末と遊離したNiとの合金化が促進される。そして、金属粉末とNiとの合金化によりサーメット部材3の導電率の低下を防ぐことができる。
焼成工程における焼成温度および焼成時間は特に限定されず、原料として使用するフェライト酸化物粉末および金属粉末により適宜調整することができる。例えば、窒素ガスまたはアルゴンガス焼成雰囲気下で昇温し、好ましくは1200〜1450℃、より好ましくは1300〜1400℃の焼成温度で、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜6時間焼成して焼結体を得ることができる。焼成温度を上記の範囲内とすることにより、サーメット部材3のサーメット酸化物相5における酸化ニッケル相の量を小さくでき、サーメット部材3の導電率が向上する傾向がある。
また、焼成設備の耐熱性および製造コストを考慮する場合、焼成温度は1450℃以下であることが好ましい。
さらに、焼成工程における昇温速度は30〜500℃/時間であることが好ましく、50〜350℃/時間であることがより好ましい。昇温速度を500℃/時間以下とすることにより、サーメット部材3の密度の低下を防ぐことができる。また、昇温速度を30℃/時間以上とすることにより、サーメット部材3の生産コストを低減することができる。
また、焼成工程における降温速度については、10〜500℃/時間であることが好ましく、30〜350℃/時間であることがより好ましい。降温速度を500℃/時間以下とすることにより、サーメット部材3の密度の低下を防ぐことができる。また、昇温速度を30℃/時間以上とすることにより、サーメット部材3の生産コストを低減することができる。
焼成工程によって得られた焼結体は、加工せずにそのままサーメット部材3としてもよいし、何らかの加工を施して所望の形状のサーメット部材3としてもよい。
金属部材1について、使用する金属に限定はない。例えば、ステンレス鋼等の構造用に使用されるものを選択してもよい。本実施形態に係る複合体を溶融塩電解用電極に用いる場合には、金属部材1の材質としてNi−Fe合金などのNi系合金を選択すると、耐熱性および耐酸化性が高く溶融塩(特にフッ化物)への溶解度が低いため、好ましい。また、サーメット部材3は電解中に鉄を失い、金属部材中の鉄が補充されるため、金属部材1は鉄を含むことが好ましい。中間部材2中のNiの存在により、金属部材1からサーメット部材3への鉄の移動を有利に調整できる。また、市販のこれらの元素を含む合金から選択することも可能である。
次に、複合体に含まれる中間層4について、その準備方法を説明する。以下、サーメット部材3と金属部材1とを一体化させる工程を熱処理工程と呼ぶ。
本実施形態の中間部材2を構成する金属としては、接合時の熱処理を行う際に、溶融する金属であるCuを選択することが好ましい。さらに、Cuが含まれていれば、他の金属がさらに含まれていても良い。例えば、CuとNiとの合金など比較的低温で溶融する金属を選択しても良い。
本実施形態の中間部材2としてはCu粉のみでもよく、NiとCuとの合金またはNi粉とCu粉の混合物を使用してもよい。また、形状は粉体の成形体、箔、板等、特に限定はない。前述の通り、中間部材2においてNiとCuの質量比率において特に制限はなく、Cuが含まれてさえいれば良い。中間部材2の組成に関わらず、適切な焼成温度および焼成時間を選択すれば接合が可能となる。ここで、中間部材2に金属の粉体を使用する場合には、加圧によって成形体としても良い。その際には、厚みを0.01〜0.1cm、好ましくは、0.015〜0.025cmになるように、加圧成形する。本条件を満たすことにより、サーメット部材3と金属部材1との熱処理過程において、良好な中間層4を提供できる。ここで、厚みに関しては、0.01cm未満になると、中間層4を形成する中間部材2の量が不足してしまい十分な接合強度が得られず、0.1cmを超えると、中間層4の焼成時における変形が無視できなくなる。成形圧に関しては、140MPa以上、好ましくは200MPa以上とする。成形圧が140MPaを下回る場合には、圧力が不足してしまうことにより、混合成形体を好適な厚みにすることができない。
中間部材2をサーメット部材3と金属部材1によって挟み、熱処理工程の準備を完了する。
また、図6に示すように中間層4が複数の中間層(第1の中間層41および第2の中間層42)からなる複合体は、例えば、サーメット部材3と金属部材1との間に複数の中間部材を挿入して加圧しながら加熱する方法を用いることで得ることができる。以下、複数の中間部材をサーメット部材3から金属部材1に向かって第1中間部材、第2中間部材と呼ぶ。第1中間部材には少なくともCuが含まれ、第2中間部材には少なくとも第2金属M2が含まれる。
第2金属M2の種類には特に限定はないが、M2の融点がCuの融点よりも高いことが好ましい。さらに、接合工程における加熱温度がCuの融点よりも高くM2の融点よりも低いことが好ましい。Cuの融点よりも高い温度で加熱することにより、第1中間部材が溶融し、サーメット部材3および第2中間部材に対して液相拡散接合を行うことができ、サーメット部材3と接する第1中間部材が溶融しない場合と比較して接合強度を向上させることができる。そして、M2の融点よりも低い温度で加熱することにより、第2中間部材は溶融せず、サーメット部材3中の金属が第1中間部材および第2中間部材を通過して金属部材1まで拡散しないように反応を抑制することができる。第1中間部材のみを溶融させるために第1中間部材のCu濃度は第2中間部材のCu濃度より高くし、第2中間部材のM2濃度は第1中間部材のM2濃度より高くする。
第1中間部材のCu濃度が第2中間部材のCu濃度より高いことにより、図6に示す複合体における第1の中間層41のCu濃度が第2の中間層42のCu濃度より高くなる。また、第2中間部材のM2濃度が第1中間部材のM2濃度より高いことにより、第2の中間層42のM2濃度が第1の中間層41のM2濃度より高くなる。
上記の場合には、加熱により溶融しない第2中間部材が存在するために、サーメット部材3中のサーメット金属相6が第2中間部材にブロックされて金属部材1へ拡散移動しにくい。そのため、サーメット部材3と中間層4との界面近傍におけるボイドの増加およびクラックの発生を防止することができる。
以上より、上記の複数の中間部材を用いる構成により、サーメット部材3と中間層4との界面近傍においてボイドが発生しにくくなり、接合強度がさらに向上しやすくなる。
なお、第1金属Cuの融点は1083℃である。そして、第2金属M2がNi(融点1455℃)であることが好ましい。
さらに、上記の通りに金属部材1がNiを含むことで、中間層4中のNiおよびCu成分、特に金属部材1と接する第2の中間層42のNiおよびCu成分が金属部材1中に拡散するため接合強度が増加する。
図6の複合体においては、第1の中間層41のNiとCuの総重量を100としたときNiの量が10から60、Cuの量が90から40であり、第2の中間層42のNiとCuの総重量を100としたときNiの量が100から70、Cuの量が0から30であることが接合強度を向上させる観点から好ましい。
さらに、図7に示す複合体は、中間部材の枚数を3枚に増やすことで形成できる。ここで、最も金属部材1に近い中間部材を第3中間部材とする。
第3中間部材には少なくとも第1金属Cuが含まれることが好ましい。そして、第3中間部材のCu濃度は第2中間部材のCu濃度より高くし、第2中間部材のM2濃度は第3中間部材のM2濃度より高くすることが好ましい。
以上の構成により、Cuの融点よりも高くM2の融点よりも低い温度で加熱することで第3中間部材が溶融し、第2中間部材および金属部材1と液相拡散接合を行う。
第1中間部材、第2中間部材の2枚で実施する実施形態では、金属部材1と接する第2中間部材が溶融しないので、金属部材1と第2中間部材との接合が固相拡散接合となる。これに対し、第1中間部材、第2中間部材、第3中間部材の3枚で実施する実施形態では、金属部材50と第3中間部材との接合が液相拡散接合となる。すなわち、第1中間部材が溶融する際、第3中間部材も溶融して液相拡散接合することができ、第2中間部材および金属部材1に対して良好な液相拡散反応を示し、接合強度が向上する。
したがって、第3中間部材を用いる場合には、最終的に得られる複合体において、第2の中間層42と金属部材1との間に形成されるボイドを減少させることが可能となる。ボイドを減少させることにより、本実施形態に係る複合体を電解用電極として使用した場合に、高く均一な電流密度分布が得られるという効果を奏する。
第3中間部材を用いて第3の中間層43を設ける実施形態においては、最終的に得られる複合体において、第1の中間層41および/または第3の中間層43のNiとCuの総重量を100としたとき、当該中間層におけるNiの量が10から60、Cuの量が90から40であることが好ましい。
以下、図9に示す複合体における中間層4の準備方法について説明する。
図9に示す複合体における中間部材4を構成する金属としては、接合時の加熱処理を行う際に、溶融する金属を選択することが好ましい。例えば、CuとNiとの合金など比較的低温で溶融する金属を選択することが好ましい。
図9に示す複合体における中間層4を構成する酸化物としては、前記サーメット部材3を構成する酸化物と全部または一部が共通する酸化物を用いることが好ましい。例えばサーメット部材3に含まれる酸化物がNi系フェライトとNiOとの混合物により構成されるのであれば、中間層4を構成する酸化物としては、Ni系フェライトおよび/またはNiOを含むことが好ましい。
前記中間層4を構成する前記金属と前記酸化物とを、熱処理前に粉体の状態で十分に混合しておく。混合比率としては、質量ベースで金属:酸化物=95:5〜65:35とすることが好ましく、90:10〜65:35とすることがより好ましい。上記の配合比とすることで、前記中間層4における前記中間酸化物相48が占める面積と前記中間金属相46が占める面積との合計を100%とする場合に、前記中間酸化物相48が占める面積比率が10%〜50%となる。
前記中間酸化物相48が占める面積比率を10%〜50%とすることによって、前記中間層におけるボイドの発生率を抑制することが容易になり、更に複合体における接合強度が良好になる。
本実施形態では、前記混合後の粉体を加圧によって成形体として中間部材2とする方法について説明するが、中間部材2は成形体に限定されない。例えば、前記混合後の粉体に有機溶剤を用いて塗料化した塗料を中間部材2としても良い。
前記混合後の粉体を、好ましくは厚さ0.01〜0.1cm、より好ましくは厚さ0.015〜0.025cmになるように加圧成形する。成形後の厚さを上記の範囲内とすることで、熱処理工程において、十分な量の中間層4を提供できるようになり、最終的に得られる複合体の接合強度を高め、かつ、熱処理工程における中間層4の変形を無視できる程度の小ささに抑制しやすくなる。成形圧に関しては、好ましくは140MPa以上、より好ましくは200MPa以上とする。成形圧を上記の範囲内とすることで、成形体を好適な厚みとしやすくなる。
得られた前記成形体を中間部材2とし、サーメット部材3と金属部材1との間に挟むことによって、熱処理工程の準備を完了する。
熱処理工程は、上記工程によって得られたサーメット部材3と選定した金属部材1で中間部材2を挟み熱処理を行う工程である。熱処理工程は、窒素ガス又はアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気もしくは真空雰囲気で行う。不活性ガスもしくは真空雰囲気で焼成することにより、金属部材1の酸化を防ぐことができる。
金属部材1とサーメット部材3とを接合するにあたり、熱処理温度に関しては、拡散の進行が十分に進む温度を選択すれば良い。また適度な加圧を行いながら熱処理をおこなってもよい。もし、金属部材1およびサーメット部材3の熱耐性によって熱処理温度が制限される場合には、熱処理時間を増加させることによって、前述の式1を満足するような拡散を進行させてもよい。よって、本実施形態では熱処理温度および熱処理時間は特に限定されず、使用する金属部材1およびサーメット部材3の熱耐性に合わせ、適宜調整することができる。
しかし、実際の制限としては、製造コスト低減およびサーメット部材3の熱処理温度の観点から、熱処理温度は1450℃以下であることが好ましく、より好ましくは1300℃以下であることが好ましい。また熱処理温度が低すぎると、熱処理時間が過度に増加し、100時間を超えてしまう。そのため、熱処理温度は1050℃から1300℃、熱処理時間は好ましくは0.1〜100時間、より好ましくは1〜75時間で熱処理を行い、複合体を得る。
熱処理における昇温速度は30〜600℃・h−1とし、好ましくは、50〜350℃・h−1である。この条件よりも昇温速度が速い場合には、十分な接合がなされず、接合強度が低下してしまう傾向にあり、昇温速度が遅い場合には、生産コストが上昇してしまう。また、降温速度については、10〜600℃・h−1とし、好ましくは、30〜350℃・h−1である。降温速度がこの条件よりも早い場合には、クラックが多発してしまう傾向にあり、遅い場合には、生産コストが上昇してしまう。
上記工程を経て、中間層4を介したサーメット部材3と金属部材1との複合体を得る。
得られた複合体は、そのまま使用してもよいし、用途に合わせて加工してもよい。また、得られた複合体の用途に限定はないが、電解用電極として用いることが好適である。
上記工程で得られた複合体について、断面の観測、サーメット部材3中のサーメット金属相6およびサーメット酸化物相5における組成分析および4点曲げによる強度測定を行った。
得られた複合体を、サーメット部材3および金属部材1が中間層4を介して接合している部位が見えるように切断し、断面を露出させる。断面を鏡面研磨したのち、光学顕微鏡を用い、金属部材1、サーメット部材3、中間層4およびクラックの観察を行った。
次に光学顕微鏡によって観測された断面像についてボイド解析を行った。ここで、中間層4において確認される黒色の部位をボイドと判断し、その比率を算出した。得られた複合体の中間層4に対し、ボイドが算出される最大のところでライン分析を行った。ラインの長さは3mmとし、ライン全体に占めるボイドの比率を算出した。同様の測定を10個のサンプルについて行い平均値を算出し、ボイド比率とした。また、一直線として例えば3mm相当のラインが引けない場合は、測定するサンプルの個数を増加させ、合計の測定範囲が30mm(例えば、測定可能長さが1.5mmであれば、20本分)となるようにし、ボイド比率を算出した。
本実施形態では、中間層4におけるボイドの比率が5%未満となるものを良好な複合体と判断した。
次にSEM−EDSによる点分析によりサーメット部材3中のサーメット金属相6の組成分析を行った。中間層4とサーメット部材3との界面より、垂直方向に10、50、100、1000μm離れたところに存在する図3中のサーメット金属相8〜11の組成分析を行った。組成分析の結果より、各サーメット金属相8〜11におけるサーメット金属相を構成する元素に対するCuの質量比率を算出した。算出された値をそれぞれ、中間層4とサーメット部材3との界面からの距離に対応させ、C10、C50、C100、C1000(mass%)と定義した。
さらに、SEM−EDSによる点分析によりサーメット酸化物相12、13の組成分析を行った。中間層4とサーメット部材3との界面より、垂直方向に10、100μm離れたところに存在する図3中のサーメット酸化物相12、13の組成分析を行った。組成分析の結果より、各サーメット酸化物相12、13におけるサーメット酸化物相を構成する元素に対するCuの質量比率を算出した。算出された値をそれぞれ、中間層4とサーメット部材3との界面からの距離に対応させ、M10、M100(mass%)と定義した。
次に、各複合体サンプルを図4のように加工した。加工したサンプルに対し、4点曲げをおこない接合強度を評価した。図4のように、金属部材1およびサーメット部材3を、D1=D4=2.0cm,D2=D6=0.3cm,D3=D5=0.4cmに加工した。
上記サンプルを20個作製し、4点曲げ強度測定を行った。20個のサンプルの平均値を接合強度とした。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。また、サーメット部材3は、サーメット酸化物相5、およびサーメット金属相6とは異なる他の相を含んでいてもよい。また、金属部材1の材質には特に限定はない。接合強度をさらに上昇させる観点から機械的圧力の助けを借りた拡散接合法を適用してもよい。また、サーメット部材3は、前述した式1を満たすように、金属組成の異なる複数のサーメット部材を物理的に積層してもよい。
以下に、実施例及び比較例を参照して、本発明の内容をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実験例1)
(実施例1〜45および比較例1〜24)
市販のNiO粉末とFe粉末とを、NiOとFeのモル比率が70:30となるように配合し、ボールミルを用いて混合した。混合により得られた混合粉を、大気中、温度1000℃で3時間保持して仮焼を行った。仮焼により得られた仮焼粉をボールミルで粉砕し、フェライト酸化物粉末を調製した。
得られたフェライト酸化物粉末と金属粉末とを混合した。ここで、金属粉末としてNi粉末、Ni粉末とCu粉末との混合粉末、Ni粉末とAg粉末との混合粉末、および、Ni粉末とCu粉末とAg粉末との混合粉末を準備した。Ni粉末とCu粉末との混合粉末については、NiとCuとの質量比率が、45<Ni<100(mass%)、0<Cu<55(mass%)を満たす混合比率とした。Ni粉末とAg粉末との混合比率はNi=98(mass%)、Ag=2(mass%)とした。Ni粉末とCu粉末とAg粉末との混合粉末については、NiとCuとAgとの質量比率が49<Ni<98(mass%)、0<Cu<49(mass%)、Ag=2(mass%)を満たす混合比率とした。また、前記フェライト酸化物と前記金属粉末の質量比率が83:17(mass%)となるように配合した。配合した粉末をボールミルにより混合し、得られた混合粉に対し、バインダー(PVA)を0.8mass%添加した。その後、これらをボールミルによって混合することで、混合粉末を得た。
得られた混合粉末をプレス成形し、直方体形状を有する成形体を得た。この成形体を、窒素ガス雰囲気中、温度1300℃で3時間保持して焼成し、窒素ガス中で徐冷して、サーメット部材である焼結体を得た。得られた焼結体のうち1個を切断し、切断面を電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー製:S−2100)による反射電子線像(BEI)を用いてランダムに30視野、500倍で観察し、サーメット酸化物相とサーメット金属相との面積比(So/Sm)を算出した。
次に上記のようにして得られた焼結体(サーメット部材)を1.5cm×1.5cm×2.0cmに加工したものと組成がNi100mass%、(Ni72mass%Cr17mass%Fe10mass%)、(Ni63mass%Cr25mass%Fe11mass%Al1mass%)、(Ni65mass%Cu33mass%Fe2mass%)、(Ni10mass%Cr20mass%Fe70mass%)、(Fe88mass%Cr11mass%Si1mass%)の金属部材をそれぞれ1.5cm×1.5cm×2.0cmに加工したものを用意した。
上記作製方法で得たサーメット部材と金属部材の1.5cm×1.5cmの面を、鏡面研磨し、鏡面処理面を接合面とした。
次に、中間部材を準備した。中間部材としては、混合成形体を選択した。NiとCuの質量比率がNi=5(mass%)、Cu=95(mass%)という混合比率となるように混合粉を作製した。得られた混合粉を、厚みが0.02cmとなるように、195MPaで加圧して、混合成形体を作製した。
次に、作製した厚み0.02cmの混合成形体を、サーメット部材の上に置き、混合成形体の上に金属部材を置いた。この際、サーメット部材と金属部材の鏡面処理を行った面に混合成形体が接するように混合成形体を挟んだ。
そして、焼成温度を900〜1425℃として熱処理を行い、複合体を得た。昇温速度、降温速度は300℃・h−1とし、保持時間は0.1〜100時間とした。
次に、得られた複合体に対し、サーメット部材の鏡面研磨を行った面に対して垂直な平面で切断して断面を出した。当該断面に対し、光学顕微鏡を用いてクラックの観察をおこなった。次に中間層におけるボイド解析についてのライン分析を行った。ライン分析は合計の測定範囲が30mmとなるように分析し、中間層におけるボイド比率とした。表1の「クラック」欄では、クラックの有無について記載した。さらに、表1の「ボイド」欄では、中間層におけるボイド比率が5%未満となる場合を○、5%以上10%未満となる場合を△、10%以上となる場合を×と表記した。
得られた複合体における中間層の金属組成を測定した。当該中間層の金属組成はEDSを用いて測定した。表1にはNiおよびCuのみを記載した。
次に、得られた複合体に対し、中間層とサーメット部材との界面断面の組成分析を行った。本実施例では、中間層とサーメット部材との界面より、垂直方向に10、50、100、1000μm離れたところに存在するサーメット金属相の組成分析を行った。組成分析の結果より、各サーメット金属相におけるCuの金属相全体に対する質量比率を算出し、算出された値をそれぞれ、中間層とサーメット部材との界面からの距離に対応させ、C10、C50、C100、C1000(mass%)と定義した。また、中間層とサーメット部材との界面より、垂直方向に10、100μm離れたところに存在するサーメット酸化物相も同様に組成分析を行った。組成分析の結果より、各酸化物相におけるCuのサーメット酸化物相に対する質量比率を算出し、算出された値をそれぞれ、中間層とサーメット部材の界面からの距離に対応させ、M10、M100(mass%)と定義した。得られた結果について表2に示した。
また、得られた複合体に対して、図4に示すように0.4cm×0.3cm×2.0cmに加工したサンプルを20個用意した。それぞれのサンプルに対し、4点曲げ強度測定を行った。4点曲げ強度測定により得られた結果の平均値を接合強度とし評価した。4点曲げ強度試験は図10の概略図に示される方法により実施した。なお、4点曲げ強度試験装置としてアイコーエンジニアリング製:Model1311−Dを用いた。本願の実施例においては、接合強度50MPa以上を良好な接合強度とした。これらの結果を表2に示した。
Figure 2016185633
Figure 2016185633
表1および表2を用いて、結果を説明していく。クラックが存在せず、4点曲げ強度測定の接合強度が50MPa以上の例を良好と判断した。
ここで、クラックが存在せず、接合強度が50MPa以上である実施例に着目する。表2に示すように、これらの実施例においては、サーメット部材中のサーメット金属相およびサーメット酸化物相におけるCuの質量比率が、前述の式1および式2の関係を満たし、Cuがサーメット部材中のサーメット金属相へと選択的に拡散していることがわかる。これは、適切な熱処理温度および熱処理時間を選択することにより、中間層中のCuが十分にサーメット部材中のサーメット金属相へと選択的に拡散したことに起因する。これらの実施例では、接合強度が50MPaを上回り良好な複合体を得られた。
前述した実施例に対し、比較例1〜7、11〜24では、Cuのサーメット金属相への拡散が効率的に進行せず、式1を満たすような傾斜組成は得られなかった。これらの比較例では、中間層とサーメット部材との界面近傍においてCuが集中し、接合強度は50MPaを下回り良好な複合体を得られなかった。特に、中間層においてボイドが5%以上発生した比較例6および7では接合強度がさらに低下した。これは、ボイドが多く発生することにより、中間層とサーメット部材との界面近傍において応力が集中したことに起因すると考えられる。
また、比較例8〜10では、式1の条件は満たしているが、式2の条件を満たさなかった。つまり、Cuの拡散がサーメット部材全体におこっており、サーメット部材にクラックが生じた。その結果、接合強度が20MPa以下となった。
実施例では、サーメット部材の界面近傍においては、中間層とサーメット部材との界面から離れるにつれて、熱膨張係数が傾斜を成しながら段階的に変化していると考えられる。このことにより、残留応力もサーメット部材内で傾斜を成しながら分布することとなる。その結果、サーメット部材内において、局所的に残留応力が集中する箇所が消失すると考えられる。このことが要因となり、中間層におけるボイドが少なくても、クラックの発生が抑制される。
次に接合強度について説明する。実施例では、接合強度が50MPaを越えた。これは、前述したCuのサーメット金属相への選択的な拡散に起因し、局所的に残留応力が集中する箇所が少なくなったことに由来すると考えられる。
ここで、各々の金属の熱膨張係数について考える。接合前のサーメット金属相に含まれるNiよりも、中間部材中に含まれるCuの方が、熱膨張係数が高い。よって、本来は、Cuが局所的に中間層とサーメット部材との界面近傍に集中してしまうと、同部位におけるサーメット部材と金属部材との熱膨張差が大きくなる。このことに対し、本発明の複合体では、中間部材のCuがサーメット部材の内部に存在するサーメット金属相へと選択的に拡散している。そのため、中間層とサーメット部材との界面近傍において、中間層とサーメット部材との熱膨張差が小さくなり、サーメット部材中の残留応力低減につながったと考えられる。
実施例と比較例との拡散の挙動の違いについて、図5で説明する。図5に実施例7と比較例7の場合について、中間層とサーメット部材との界面からの距離と、サーメット部材中におけるサーメット金属相に対するCuの質量比率と、の関係性を示す。図5から明らかなように、実施例7の場合、Cuの質量比率は、サーメット部材中の1000μmのところまで分布しているのに対し、比較例7では、サーメット部材中の100μmと1000μmのところでCuの質量比率が変化しておらず、Cuの拡散が十分に進行していないことがわかる。比較例7では、サーメット部材中において熱膨張差による残留応力があり、クラックの発生により接合強度が低下したと考えられる。
次に、それぞれ金属部材、サーメット部材および中間部材を同じにし、熱処理温度について検討した、実施例1〜9および比較例1、2、4〜7を参照する。これらの結果から、熱処理温度が1085℃以上であれば、熱処理時間が3時間の場合に、式1を満たすようなCuが金属相へ十分に拡散した複合体が得られている。また、実施例1〜9は、サーメット酸化物相における条件である式2も満たしており、良好な複合体を得ることができた。
次に熱処理時間を変化させた比較例1および実施例10、比較例2〜3および実施例11をそれぞれ比べると、サーメット金属相全体におけるCuの質量比率が式1を満たさなかった比較例1、2の場合でも、熱処理時間の増加によって、Cuのサーメット金属相への拡散が進行し、式1を満たすようになった場合には、接合強度が増加することがわかった。具体的には、比較例1に対しては熱処理時間を15時間とした実施例10、比較例2および3に対しては熱処理時間を75時間とした実施例11において、式1の関係が満たされ、接合強度が50MPa以上である良好な複合体を得ることができた。また、これらの例でもサーメット酸化物相における条件である式2は満たされていた。
しかし、熱処理温度を1300℃とし、熱処理時間を変えた比較例8から10と実施例4、12〜14を比較すると、熱処理時間が不適切な場合には接合強度が低下してしまっていることがわかる。これは、サーメット酸化物相におけるCuのサーメット酸化物相に対する質量比率が、拡散により変動してしまい、式2の関係を満たさなくなってしまったことに起因すると考えられる。
前述のように、熱処理温度および熱処理時間は相補的であり、適切な条件を選択することにより接合は可能であることが分かった。そこで本発明では、熱処理温度および熱処理時間に特に制限は設けない。
実施例4、10、15〜24および比較例1、11〜15では、使用する金属部材について検討を行った。ここで表1および表2において、同一金属部材を用い、熱処理条件の検討を行った実施例4、10および比較例1、実施例15、16および比較例11、実施例17、18および比較例12、実施例19,20および比較例13、実施例21、22および比較例14、実施例23,24および比較例15をそれぞれ比較する。これらの比較より、適切な熱処理温度および熱処理時間を選択すれば、金属部材の種類に関わらず、前述の式1および2の関係が満足されることが分かった。このとき、接合強度も50MPaを越え良好な複合体が得られた。よって、本発明では金属部材に制限を設けない。
また、金属部材として、NiまたはNiを主成分とする合金を用いた実施例1〜22、25〜42ではNiを含まない合金を用いた実施例23、24と比較して接合強度が増加した。これは、中間層に、金属部材からもNiが拡散されることによって、強度が増したことに起因する。そこで、これらの例を、本発明の好適な例とした。
さらに、複合体によって、溶融塩電解を行う場合には、溶融塩への溶解度の観点からも、金属部材として、NiまたはNiを含む合金を選択することが望ましいと判断した。
実施例4、10、25〜34および比較例1、16〜20に、接合前のサーメット部材中のサーメット金属相におけるNiとCuの比率を変えた場合について示した。ここで表1において、接合前のサーメット金属相の組成を同一とし、熱処理条件の検討を行った実施例4、10および比較例1、実施例25、26および比較例16、実施例27、28および比較例17、実施例29、30および比較例18、実施例31、32および比較例19、実施例33、34および比較例20をそれぞれ比較すると、適切な熱処理温度および熱処理時間を選択すれば、接合前のサーメット金属相におけるNiとCuの比率に関わらず、接合強度は50MPa以上の良好な複合体が得られた。よって本発明では、接合前のサーメット部材中のサーメット金属相におけるNiとCuの比率に制限を設けない。
実施例35〜42および比較例21〜24に、接合前の前記サーメット金属相に、CuとNi以外の金属が入る場合について示した。ここで表1において、接合前のサーメット金属相の組成を同一とし、熱処理条件の検討を行った。実施例35、36および比較例21、実施例37、38および比較例22、実施例39、40および比較例23、実施例41、42および比較例24をそれぞれ比較すると、Agが接合前のサーメット金属相に含まれていても、適切な熱処理温度および熱処理時間を選択すれば、前述の式1および式2の関係が満足され、50MPa以上の接合強度の良好な複合体が得られた。これらの場合についても本発明の範囲とした。
実施例について、中間層の組成に関わらず、接合強度は50MPaを越えた。よって、これらの例を本発明の範囲内とした。このことに対し、NiとCuの質量比率が10≦Ni≦70(mass%)、30≦Cu≦90(mass%)であるような実施例2〜8、12〜14、15、17、19、21、23、25、27、29,31、33、35、37,39、41を本発明のより好適な例とした。
以上より、Cuがサーメット金属相へと選択的に拡散していることを特徴とするサーメットと金属部材との複合体について説明した。このような複合体は、サーメット部材中にかかる接合による応力が傾斜的であり、好適な接合強度を示す。
さらに、サーメット部材におけるサーメット酸化物相とサーメット金属相との面積比(So/Sm)が、60/40〜90/10となるようにフェライト酸化物と金属粉末の使用比率を変化させた点以外は実施例6と同様にして、実施例43〜45のサンプルを作製した。
So/Smを変化させても、前述の式1および式2の関係を満足することができた。そして、実施例43〜45は50MPa以上の接合強度の良好な複合体となった。よって、実施例43〜45も本願の範囲と判断した。
(実験例2)
(実施例50〜75)
実験例2では、実験例1とは異なり、NiO粉末とFe粉末との混合比率を、NiOとFeのモル比率が50:50になるようにした。また、接合時間も変化させた。さらに、表2に示す材質の中間部材(実施例50では第1中間部材のみ、実施例51〜69では第1中間部材および第2中間部材、実施例70〜75では第1中間部材、第2中間部材に加えて第3中間部材)を準備した。各中間部材の厚みは0.02cmとした。
そして、第3中間部材を用いない場合(実施例51〜69)には、第1中間部材をサーメット部材の上に置き、第1中間部材の上に第2中間部材を置き、第2中間部材の上に金属部材を置いた。この際、サーメット部材の鏡面処理を行った面に第1中間部材が、金属部材の鏡面処理を行った面に第2中間部材が接するように第1中間部材および第2中間部材を挟んだ。
第2中間部材および第3中間部材を用いない場合(実施例50)には、第1中間部材をサーメット部材の上に置き、第1中間部材の上に金属部材を置いた。この際、サーメット部材の鏡面処理を行った面および金属部材の鏡面処理を行った面に第1中間部材が接するように第1中間部材を挟んだ。
第3中間部材を用いる場合(実施例70〜75)には、第2中間部材の上に第3中間部材を置き、第3中間部材の上に金属部材を置く点以外は、第3中間部材を用いない場合と同様である。この際には、サーメット部材の鏡面処理を行った面に第1中間部材が、金属部材の鏡面処理を行った面に第3中間部材が接する
上記した点および表3に記載のある条件以外は、実験例1の実施例6と同様にして表3の実施例51〜75を作製した。なお、比較のために、実施例6の条件から接合時間およびNiO粉末とFe粉末との混合比率だけを変更した実施例50も同時に作製した。これらのサンプルについて、表4に示す各種特性を測定した。なお、全ての実施例でクラックは発生せず、中間層におけるボイド比率が5%未満であった。
Figure 2016185633
Figure 2016185633
実施例51〜75より、複数の中間部材を用いることで、複数の中間層を有する場合であっても、式1および式2を満たす場合には好適な接合強度を示す。
ここで、複合体が第1中間層のみを有する実施例50に比べ、複数の中間層を有する実施例51〜75において、接合強度はより増加した。よって、実施例51〜75を本願のより好適な例とした。
(実験例3)
(実施例80〜92)
実験例3では、実験例2と同様に、NiO粉末とFe粉末との混合比率を、NiOとFeのモル比率が50:50になるようにした。さらに、中間部材として以下に示す製法により作製した混合成形体を用いた。上記した点および表5に記載のある条件以外は、実験例2の実施例50と同様にして表5に示す実施例81〜92を得た。そして、表5および表6に示す各種特性を測定した。全ての実施例でクラックは発生せず、中間部材におけるボイド比率が5%未満であった。
実験例3における混合成形体の製法は以下の通りである。混合成形体の原料となる金属粉体としてCu粉末を選択した。また、混合成形体の原料となる酸化物の粉体としてNiO−NiFe粉体を選択した。これらに関して、Cu金属:NiO−NiFe =100:0〜50:50(mass%)(100:0を含まない)という混合比率となるように混合した。Cu金属とNiO−NiFeの質量比率を変えることにより、中間層中の中間金属相と中間酸化物相との面積比率を任意の値に制御することが可能である。得られた混合粉を、厚みが0.02cmとなるように、195MPaで加圧して、混合成形体を作製した。
さらに、各実施例について中間酸化物相の面積比率を算出した。算出の手順には、各サンプルのBEI像において測定範囲を判断する工程、前記測定範囲と判断した部位において中間酸化物相が占める面積比率を算出する工程を含む。それぞれの工程について、以下に記述する。
各サンプルについて、前記サーメット部材と前記金属部材とが前記中間層を挟んでいる領域のBEI像を倍率100倍で観測した。次に、前記サーメット部材と前記中間部材との界面から前記中間層側に存在し、前記界面から垂線方向に最も離れた位置に存在する中間酸化物相(BEI像における灰色部)までの距離dを計測した。具体的には、前記サーメット部材と前記中間層との界面からの垂線と前記BEI像において前記中間酸化物相が占める領域との交点の中で、前記界面から最も離れた点と界面との距離dを計測した。界面からの距離がd以下である前記中間部材内の領域を測定範囲とした。
前記測定範囲において、BEI像のコントラストを解析し、前記BEI像全体に対する前記中間酸化物相を反映した灰色部の面積割合を計算した。同様の計算を10視野について行い、前記灰色部の平均面積割合を算出した。得られた値を前記中間層における前記中間酸化物相の面積比率とした。
Figure 2016185633
Figure 2016185633
表5および表6より、中間層に中間酸化物相が含まれている場合においても、式1および式2を満たす場合には好適な接合強度を示す。
また、中間層に中間酸化物相を含む実施例81〜92の場合のほうが、中間層が中間金属相のみからなる実施例50よりも高い接合強度を示した。よって、これらを本願のより好適な例とした。
以上のように、本発明のような中間層中のCuがサーメット金属相へと選択的に拡散していることを特徴とするサーメット部材と金属部材との複合体は、好適な接合強度を示す。本発明の複合体を用いることで、サーメット部材と金属部材の利点を兼ね備えたハイブリットな電解用電極を作成することができる。
1・・・金属部材
2・・・中間部材
3・・・サーメット部材
4・・・中間層
5・・・サーメット酸化物相
5a・・・スピネルフェライト相
5b・・・酸化ニッケル相
6・・・サーメット金属相
8・・・サーメット金属相(C10測定)
9・・・サーメット金属相(C50測定)
10・・・サーメット金属相(C100測定)
11・・・サーメット金属相(C1000測定)
12・・・サーメット酸化物相(M10測定)
13・・・サーメット酸化物相(M100測定)
41・・・第1の中間層
42・・・第2の中間層
43・・・第3の中間層
46・・・中間金属相
48・・・中間酸化物相
D1、D2、D3・・・サーメット部材の寸法
D4、D5、D6・・・金属部材の寸法

Claims (21)

  1. サーメット部材と金属部材と中間層とを有する複合体であって、
    前記サーメット部材はサーメット酸化物相とサーメット金属相とを含み、
    前記サーメット酸化物相はNiを含む酸化物またはFeを含む酸化物を含み、
    前記サーメット金属相はNiを含み、
    前記中間層はCuを含み、
    前記サーメット部材と前記中間層との界面から前記サーメット部材側に10、50、100、1000μm離れた点における前記金属相中のCuの質量比率をC10、C50、C100、C1000(mass%)とし、
    前記界面から前記サーメット部材側に10、100μm離れた点における前記酸化物相中のCuの質量比率をM10、M100(mass%)としたときに、下記式1、式2を同時に満たすことを特徴とする複合体。

    C10>C50>C100>C1000(mass%):(式1)

    5>M10―M100>−5(mass%):(式2)
  2. 請求項1に記載の複合体であって、前記金属部材は少なくともNiを含むことを特徴とする複合体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の複合体であって、前記中間層の、NiとCuの質量比率を百分率で表したときに、Niが10<Ni<70(mass%)、Cuが30<Cu<90(mass%)であることを特徴とする複合体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合体であって、
    前記中間層は少なくとも第1の中間層および第2の中間層を有し、
    前記第1の中間層は、前記サーメット部材と接合しており、
    前記第1の中間層は少なくとも第1金属Cuを含み、
    前記第2の中間層は少なくとも第2金属M2を含み、
    前記第1金属Cuの融点が前記第2金属M2の融点よりも低く、
    前記第1の中間層におけるCuの質量濃度が前記第2の中間層におけるCuの質量濃度よりも高く、
    前記第2の中間層におけるM2の質量濃度が前記第1の中間層におけるM2の質量濃度よりも高いことを特徴とする複合体。
  5. 請求項4に記載の複合体であって、
    前記第1の中間層が、前記第2の中間層とも接合している複合体。
  6. 請求項4または請求項5に記載の複合体であって、前記第2の中間層が、前記金属部材と接合している複合体。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の複合体であって、
    前記第1の中間層におけるCuとM2との質量比(Cu/M2)が下記の式3の範囲内である複合体。

    40/60≦Cu/M2≦90/10:(式3)
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載の複合体であってM2がNiである複合体。
  9. 請求項4、5、7、8のいずれかに記載の複合体であって、
    前記中間層は、前記第1の中間層、前記第2の中間層に加えて第3の中間層を有し、
    前記第3の中間層は、前記金属部材と接合している複合体。
  10. 請求項9に記載の複合体であって、
    前記第3の中間層におけるCuの質量濃度が前記第2の中間層におけるCuの質量濃度より高く、
    前記第3の中間層におけるM2の質量濃度が前記第2に中間層におけるM2の質量濃度よりも低い複合体。
  11. 請求項9または請求項10に記載の複合体であって、前記第2の中間層が、前記第1の中間層および前記第3の中間層と接合している複合体。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の複合体であって、前記サーメット部材に含まれる前記サーメット酸化物相は、少なくともNiの酸化物を含む複合体。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の複合体であって、前記サーメット部材に含まれる前記サーメット酸化物相のうち少なくとも一部はニッケルフェライトからなる複合体。
  14. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合体であって、
    前記中間層は中間酸化物相と中間金属相とを含み、
    前記中間酸化物相は少なくとも一種以上の金属の酸化物を含む複合体。
  15. 請求項14に記載の複合体であって、前記少なくとも一種以上の金属の酸化物はサーメット酸化物相に含まれる金属の酸化物から選択される複合体。
  16. 請求項14または請求項15に記載の複合体であって、前記サーメット部材と前記中間層との界面に対して垂直に前記複合体を切断した切断面において、前記中間酸化物相が存在する領域における前記中間酸化物相が占める面積と前記中間金属相が占める面積との合計を100%とする場合に、前記中間酸化物相が占める面積比率が、10%〜50%である複合体。
  17. 請求項14〜16のいずれかに記載の複合体であって、前記中間層全体に占めるボイドの面積比率が30%以下である複合体。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の複合体であって、前記サーメット部材の断面における前記サーメット酸化物相の面積をS、前記サーメット金属相の面積をSとし、前記サーメット酸化物相と前記サーメット金属相との面積比をS/Sとする場合に、S/Sが下記の式4を満たす複合体。

    60/40≦S/S≦90/10:(式4)
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の複合体であって、
    前記サーメット酸化物相が、
    組成式NiFe(x+y+z=3、x≠0、y≠0、MはAl、Co、Cr、Mn、Ti、Zr、Sn、V、Nb、Ta、Hfからなる群から選択される少なくとも1種以上)で表されるスピネルフェライト相と、
    組成式Nix’Fe1−x’O(x’≠0)で表される酸化ニッケル相と、を有し、
    前記サーメット酸化物相と前記サーメット金属相とを含む前記サーメット部材全体を100質量%とする場合において、
    前記スピネルフェライト相の含有率が40〜80質量%であり、
    前記酸化ニッケル相の含有率が0〜10質量%(0質量%を含む)であり、
    前記サーメット金属相の含有率が15〜45質量%である複合体。
  20. 請求項19に記載の複合体であって、前記サーメット部材に含まれる前記スピネルフェライト相の平均組成が組成式Nix1Fey1z1(0.60≦x1≦0.90、1.90≦y1≦2.40、0.00≦z1≦0.20)で表される複合体。
  21. 請求項19または請求項20に記載の複合体であって、前記サーメット部材に前記酸化ニッケル相が含まれ、前記酸化ニッケル相の平均組成が組成式Nix’1Fe1−x’1O(0.70≦x’1≦1.00)で表される複合体。
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