以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
本発明の照明付き鏡の第一実施形態について、図1ないし図4Bに基づいて説明する。
図1は、第一実施形態の照明付き鏡1を備えた洗面化粧台6の斜視図である。図2は、第一実施形態の照明付き鏡1を有するミラーキャビネット7の水平断面図である。図3Aは、図2のA部の拡大図である。図3Bは、図3Aの一部拡大図である。図4Aは、第一実施形態の照明付き鏡1における照明装置18の一部の斜視図である。図4Bは、第一実施形態の照明付き鏡1における照明装置18の一部の分解斜視図である。
図1および図2に示すように、第一実施形態の照明付き鏡1は、洗面化粧台6に備えられるミラーキャビネット7を構成する鏡であり、鏡面体17と、鏡面体17の前方に向けて光を照射する左右一対の照明部10を備える。鏡面体17は、第1ミラー11と、第1ミラー11の左側に配設された第2ミラー12と、第1ミラーの右側に配設された第3ミラー13と、第1ミラー11と第2ミラー12との間及び第1ミラー11と第3ミラー13との間に配設されたハーフミラー部5を有する。ハーフミラー部5は後方からの光を透過させる。第1ミラー11、第2ミラー12および第3ミラー13は、ハーフミラー部5より透過率の低いミラー部の一例である。また、ハーフミラー部5は、照明部10の出光部32を覆うカバー4の一部である(図3A、図3B参照)。
第1ミラー11は、その鏡面の正面視における形状(単に鏡面形状という)は特に限定されない。第一実施形態では、図1に示すように、第1ミラー11の鏡面の形状は、上下に長い矩形をしている。具体的には、上下方向の長さは600mm〜900mm、横方向の長さは300mm〜600mmである。なお、第1ミラー11の鏡面の形状は、正方形であってもよいし、一部または全部の角部が面取りされた矩形状または正方形状であってもよい。また、第1ミラー11の鏡面の形状は、多角形状や端辺に曲線を有する形状であってもよいが、概ね矩形状をしていることが好ましい。
また、第1ミラー11の鏡面は、第一実施形態では平面により構成されるが、一部に他の部分と異なる方向を向く部分があってもよい。ここで、図1、図2に示すように、第1ミラー11の鏡面の主な部分が向く方向を前方Fとして定義する。すなわち、第1ミラー11の鏡面において、設計上、使用者が自身の姿を映すと想定される中央部が向く方向を前方Fとする。第一実施形態のように第1ミラー11の鏡面が平面である場合には、鏡面全体が前方Fを向く。そして、前方Fと反対の方向を後方Bとし、後方Bを向いたときの左右をそれぞれ左方Lおよび右方Rとする。
第2ミラー12は、第1ミラー11の横方向に並設されるものである。ここで、横方向とは、鉛直方向と交差する方向である。第一実施形態では、図1、図2に示すように、照明付き鏡1が横方向(特に水平方向)に並設される三個のミラーを有している。三個のミラーのうちの中央のミラーが第1ミラー11となっており、左右の一方(左方L側)のミラーが第2ミラー12となっている。さらに、三個のミラーのうちの左右の他方(右方R側)のミラーが第3ミラー13となっている。つまり、照明付き鏡1は、第1ミラー11をメインミラー、第2ミラー12および第3ミラー13をサイドミラーとした、3つの鏡面が面一となる3面鏡である。なお、第2ミラー12と第3ミラー13は、左右の位置が逆であってもよい。
なお、第一実施形態では、照明付き鏡1が横方向に並設される三個のミラーを有しているが、横方向に並設される四個以上のミラーを有してもよい。この場合、第4ミラー、第5ミラー、・・・(以降は省略、まとめて第4以降のミラーという)は、第1ミラー11からみて第2ミラー12または第3ミラー13の外方に設けられる。
第2ミラー12および第3ミラー13は、鏡面形状は特に限定されない。第一実施形態では、第2ミラー12および第3ミラー13の鏡面形状は、第1ミラー11と同様に正面視において上下に長い矩形をしている。なお、第2ミラー12および第3ミラー13の鏡面形状も、第1ミラー11と同様に矩形状や正方形状や多角形状等でもよいが、概ね矩形状をしていることが好ましい。
また、第2ミラー12および第3ミラー13の鏡面形状は、第1ミラー11の鏡面形状と異なってもよいし、同じであってもよい。また、第2ミラー12および第3ミラー13の鏡面形状が第1ミラー11の鏡面形状と異なる場合でも、第2ミラー12および第3ミラー13の鏡面と第1ミラー11の鏡面の上下長さが同じであることが好ましい。
また、第2ミラー12および第3ミラー13の鏡面は、第一実施形態では第1ミラー11と同様に平面により構成されるが、一部に他の部分と異なる方向を向く部分があってもよい。そして、第2ミラー12および第3ミラー13の鏡面の主な部分が向く方向(鏡面が平面の場合は鏡面全体において同一方向)は、第一実施形態では第1ミラー11と同様に前方Fである。なお、第2ミラー12および第3ミラー13の鏡面は、前方Fのみならず第1ミラー11に対して様々な向きとなるように向きが可変に形成されてもよいし、前方Fを向かないものであってもよい。
また、上述した第2ミラー12および第3ミラー13についての説明は、第4以降のミラーを有するときにも同様に第4以降のミラーに適用される。
図2に示すように、鏡面体17は、第1ミラー11と、第2ミラー12と、第3ミラー13と、ハーフミラー部5を有する。そして、第1ミラー11とハーフミラー部5とは別体である。ハーフミラー部5はカバー4に取り付けられている(図3A、図3B、図4A、図4B参照)。第1ミラー11と第2ミラー12は、所定の幅の隙間14をあけて並設される。隙間14にハーフミラー部5が配設される。第一実施形態では、照明付き鏡1は、図1に示すように、洗面化粧台6に設けられる。洗面化粧台6は、洗面キャビネット60と、ミラーキャビネット7と、を備えている。
図1に示すように、洗面キャビネット60は、側壁部61および底壁部と、カウンター62と、バックガード63と、を備えている。側壁部61および底壁部は、上方に開口する筐体状に組み合わされ、側壁部61の一部に扉64が設けられている。筐体状をした側壁部61および底壁部の上端の開口に、カウンター62が載置されて、筐体の内部に形成される空間に、洗面用具等の収納物や配管が収納される。照明付き鏡1の下方配設されたカウンター62にはボウル65が設けられている。カウンター62の後端部には、上方に向かってバックガード63が突設されている。バックガード63には、シャワーやカランといった吐出口66が設けられている。吐出口66は、上記内部の空間に収納される配管を介して水道や給湯器等に接続されている。
図2に示すように、ミラーキャビネット7は、キャビネット本体70と、扉8と、照明付き鏡1と、を備えている。
キャビネット本体70は、図1、図2に示すように、天壁部71と、一対の側壁部72と、底壁部73と、背壁部74と、を備えている。キャビネット本体70は、内部に仕切壁部75を備え、仕切壁部75によって内部空間が複数の収納空間76に仕切られている。第一実施形態では、三つの収納空間76が左右に並設されており、これらを仕切る二つの縦長の仕切壁部75が、天壁部71から底壁部73に亘って設けられている。
図2に示すように、左側の収納空間76の前方Fに左側の扉82が設けられ、同様に、中央の収納空間76の前方Fに中央の扉81が設けられ、右側の収納空間76の前方Fに右側の扉83が設けられる。図2に示すように、第1ミラー11は、中央の扉81の前面に設けられ、第2ミラー12は、左側の扉82の前面に設けられ、第3ミラー13は、右側の扉83の前面に設けられる。左側の扉82および中央の扉81は間隔をあけて設けられ、その間に左側の仕切壁部75が位置している。また、中央の扉81および右側の扉83は間隔をあけて設けられ、その間に右側の仕切壁部75が位置している。なお、左側の扉82および中央の扉81の間隔と、中央の扉81および右側の扉83の間隔は、同じでもよいし異なってもよい。また、前記間隔は、上下位置によって異なってもよいし、同じであってもよい。また、キャビネット本体70には、三つの収納空間76が左右に併設されているが、隣り合う収納空間76の仕切り壁が一部ないような場合であってもよい。
照明部10は、第一実施形態では、図2に示すように、第1ミラー11と第2ミラー12との間に形成される隙間14に設けられるものである。さらに、第1ミラー11と第3ミラー13との間に形成される隙間14にも、照明部10が設けられている。
なお、第4以降のミラーを有する場合も同様に、第4以降のミラーと、第2ミラー12または第3ミラー13または他の第4以降のミラーとの間に形成される隙間14に照明部10が設けられてもよい。また、第3ミラー13が任意の構成であることから、第1ミラー11と第3ミラー13との間の隙間14に設けられる照明部10も任意の構成である。
第一実施形態では、図2に示すように、仕切壁部75の前面は、天壁部71の前面、側壁部72の前面および底壁部73の前面よりも後方Bに位置している。天壁部71の前面、側壁部72の前面および底壁部73の前面は、前後方向において同じ位置に配置されている。そして、仕切壁部75の前面に照明部10が設けられる。
図4Aおよび図4Bに示すように、照明装置18は、照明部10と、カバー4と、放熱板22、放熱板カバー25を有する。
図3A、図3B、図4Aおよび図4Bに示すように、照明部10は、導光部材3と、導光部材3の上方端部に配設される一個の光源20と、導光部材3を保持するホルダー34を有するものである。
照明部10は、前方Fに向けて光を照射するものである。そして、照明部10は、上下方向に細長いライン状である。例えば、横方向の長さが20mm以下であり、上下方向の長さが400mm以上である。ハーフミラー部5も照明部10と上下方向の長さ及び横方向の長さが略同一である。照明部10をライン状としたことで、照明部10を隠すハーフミラー部5もライン状とすることができ、ハーフミラー部5も目立たなくなる。
光源20は、図4Bに示すように、例えばLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)により構成される点光源である。光源20は、第一実施形態ではLEDであるが、特にLEDに限定されない。光源20は、回路基板21の下面に実装されている。光源20は、回路基板21に一つだけ設けられているが、複数設けられていてもよい。
図4Bに示すように、回路基板21には、放熱板22が取り付けられている。放熱板22は、回路基板21の上面に接触した状態で取り付けられている。放熱板22は、例えば、アルミニウム等の金属により構成されている。放熱板22は、平面視矩形状の放熱部23と、この放熱部23の前端部の一部から前方Fに向かって突出した突出部24とを備えている。突出部24は、回路基板21に熱的に接続される。光源20が発光することで発生した熱は、回路基板21を介して突出部24に伝導して、突出部24から放熱部23に伝導し、放熱部23は外気と熱交換を行う。これにより、光源20から発生した熱は、放熱板22より放熱される。
また、図4Bに示すように、放熱板22には、放熱板カバー25が取り付けられる。放熱板カバー25は、下方に開口する箱状に形成されている。放熱板カバー25の内部に、放熱板22が嵌め込まれ、放熱板カバー25は放熱板22の上方および側方を覆っている。
放熱板カバー25の下端は、放熱板22の下面よりも下方に位置するように構成されている。これにより、放熱板22に放熱板カバー25が取り付けられた状態で、放熱板カバー25は、設置面(つまり、ミラーキャビネット7の天壁部71の上面)と放熱板22の下面との間に隙間を形成し、放熱が促進される。なお、放熱板22、放熱部23、突出部24、放熱板カバー25は、任意の構成であり、なくても構わない。
照明部10は、図3Aおよび図3Bに示すように、透光性を有する導光部材3を備えている。導光部材3は、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂により形成されるが、特に材質は限定されない。導光部材3は、その長手方向に沿う面の一部が出光部32となり、出光部32以外の表面の一部が光源20からの光が入射する入光部となっている。第一実施形態では、導光部材3は上下方向を長手方向とし、長手方向に沿う面のうちの前面が出光部32となり、長手方向の端部となる上端面が入光部となっているが、特に限定されない。
導光部材3の入光部から入射した光は、直進したり、導光部材3の長手方向に沿う面(出光部32も含む)で反射して、導光部材3の出光部32より出射するものである。第一実施形態では、導光部材3の長手方向に沿う面のうち出光部32以外の一部(特に、出光部32と対向する部分)に、光を拡散させる拡散部33が設けられている。拡散部33は、例えば、導光部材3の表面に、印刷や蒸着によって反射性の物質が設けられたり、微細な凹凸が設けられたり、あるいは、二色成形によって反射部分が設けられたりして形成されるが、形成方法は特に限定されない。
導光部材3には、図3Bに示すように、後方Bに向けて突出する突出部31が設けられており、この突出部31によりホルダー34に保持される。ホルダー34は、前方Fに開口する断面C字状に形成されており、導光部材3の後方Bに配置され、内部に導光部材3を収納して保持する。ホルダー34は、図3Bに示すように、後部の内面(導光部材3を向く面343)に、前方Fに開口する保持溝340が設けられており、突出部31がホルダー34の保持溝340に嵌め込まれることで、導光部材3がホルダー34に固定される。
第一実施形態では、ホルダー34の導光部材3を向く面343に反射部を有している。面343は、導光部材3の入光部および出光部32以外の略全面を覆うように位置しており、その面343の一部または全部に反射部を有している。反射部は、例えば、ホルダー34がアルミニウム等の金属により形成されたり、面343に印刷や蒸着によって反射性の物質が設けられたり、面343にシート状のミラーが貼付されて設けられる。なお、反射部は他の方法により設けられてもよく、特に限定されない。このような反射部がホルダー34に設けられることにより、導光部材3を透過した光が反射部で反射して再び導光部材3に入射して、出光部32からの出光量が増加し、エネルギー効率がよい。
図3Bに示すように、ホルダー34の前部には、カバー4が被嵌されてカバー4を保持するための保持部341が設けられている。保持部341は、外方に向けて突出する突起により構成されている。ホルダー34の後部には、取付ベース35に取り付けられるための取付部342が設けられている。取付部342は、外方に向けて突出する突起により構成されている。
取付ベース35は、図3Aに示すように、後片351と、この後片351の左右方向の両端から前方Fに向かって突出する側片352とを備え、前方Fに開口する断面C字状に形成されている。
取付ベース35の側片352には、内方に向けて突出する突起353が設けられている。前方Fより取付ベース35に挿入されたホルダー34の取付部342が突起353を乗り越えて後方Bに位置し、ホルダー34の前方Fへの抜け止めがなされる。
取付ベース35の後片351には、仕切壁部75に固定されるための固定部が設けられている。固定部は、例えば、固着具挿通孔により構成され、ビスや釘等の固着具354が固着具挿通孔を挿通して仕切壁部75に打ち込まれることで、取付ベース35が仕切壁部75に固定される。
上記のような導光部材3、ホルダー34および取付ベース35により、照明部10が構成されている。
カバー4は、図3Aおよび図3Bに示すように、照明部10の前方Fに設けられ、透光性を有するものである。カバー4は、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂やガラスにより形成されるが、特に材質は限定されない。カバー4は、照明部10の汚損や破損を抑制するものである。また、光拡散機能を有し、使用者が感じる眩しさを防ぐため、指向性の高い光を拡散性の高い光に変換するものである。カバー4は、図3Bに示すように、第一実施形態では、前片41と、この前片41の左右方向の両端から後方Bに向かって突出する側片42とを備え、後方Bに開口する断面C字状に形成されているが、特に形状は限定されない。
カバー4の側片42には、内方に向けて突出する突起43が設けられている。前方Fよりホルダー34に被嵌されたカバー4の突起43がホルダー34の保持部341を乗り越えて後方Bに位置し、カバー4の前方Fへの抜け止めがなされる。
そして、図3Aおよび図3Bに示すように、カバー4は、ハーフミラー部5を有するものである。ハーフミラー部5は、到達した光のうちの一部が透過し、他の全部(または一部)が反射するものである。ハーフミラー部5は、例えば金属粒子が蒸着やメッキによりカバー4の表面にコーティングされて設けられてもよいし、カバー4と別体のハーフミラー機能を有するシート状のものがカバー4に貼付されて設けられてもよい。ここで利用されるハーフミラー部5は、例えば、前方の光に対する反射率が60%以上、前方および後方からの光に対する透過率が40%以下である。
ハーフミラー部5としては、既存の様々な形態のものが適宜利用可能であり、特に限定されない。ただし、ハーフミラー部5は、ミラー部である第1ミラー11、第2ミラー12および第3ミラー13よりも前方からの光に対する反射率が高く、後方からの光に対する透過率が低い。
第一実施形態では、図3Aおよび図3Bに示すように、ハーフミラー部5は、カバー4の前面に配設されている。さらに説明すると、ハーフミラー部5は、前片41の前面と、側片42の外面とに設けられているが、少なくとも前片41の前面に設けられていればよく、側片42の外面には設けられなくてもよい。
ハーフミラー部5の前片41の前面は、図3Aに示すように、第1ミラー11の鏡面、第2ミラー12の鏡面および第3ミラー13の鏡面と、同一平面上に位置することが好ましい。また、図示しないが、カバー4の前片41の後面に、微細な凹凸が設けられてもよい。
上記のようなハーフミラー部5を有するカバー4を備えた照明付き鏡1にあっては、前方Fからカバー4に入射しようとする光はハーフミラー部5で一部が反射する。このため、照明部10より光を照射しないときには、前方Fに向かってカバー4を透過する光が殆どなく、照明付き鏡1の前方Fに位置する使用者には、カバー4が鏡のように見える。これにより、照明部10より光を照射しないときでも、鏡でない構成(すなわちカバー4を構成する樹脂や照明部10の内部)が目立ち難くなり、意匠性に優れたものとなる。
また、照明部10をライン状としたことで、照明部10を隠すハーフミラー部5もライン状とすることができる。ハーフミラー部5とハーフミラー部5よりも透過率の低いミラー部(第1ミラー11、第2ミラー12および第3ミラー13)は少々見た目が異なるが、ハーフミラー部5をライン状とすることでハーフミラー部5が目立ち難くなる。
なお、このとき、ホルダー34の導光部材3を収容する面、つまり、導光部材3を向く面343に反射部が形成されず、代わりに面343が黒く、もしくは金属光沢面で形成されていてもよい。照明部10が照射していない時、外からの光がカバー4を透過した場合でも、ホルダー34とハーフミラー部5が似たような色なので、ホルダー34が目立たない。
また、照明部10より光を照射しないときでも、カバー4が鏡と同様に機能するため、照明付き鏡1の全体の鏡面が広くとれる。特に、ハーフミラー部5の前面が、第1ミラー11の鏡面、第2ミラー12の鏡面および第3ミラー13の鏡面とともに同一平面上に位置することで、一連の鏡として機能し、意匠性および鏡としての機能性が向上する。なお、図3Aおよび図3Bに示す照明付き鏡1にあっては、ハーフミラー部5と、第1ミラー11、第2ミラー12および第3ミラー13との間に間隔があいているが、この間隔がないかあるいは小さいほど好ましい。
また、ハーフミラー部5がカバー4の前面(すなわち前片41の前面)に設けられることにより、ハーフミラー部5よりも前方Fにカバー4の構成部材が位置せず、照明部10より光を照射しないときにカバー4の構成部材が前方Fより見え難くなる。
次に、第二実施形態の照明付き鏡について、図5に基づいて説明する。
図5は、第二実施形態の照明付き鏡1における照明装置18の一部の水平断面図である。なお、以下の説明では、上述した第一実施形態と異なる部分について説明し、その他の部分については第一実施形態と同じであって説明が重複するため説明を省略する。
第二実施形態では、ハーフミラー部5が、カバー4の後面(すなわち前片41の後面410)に設けられるもので、この点でのみ第一実施形態と異なっており、その他の点では第一実施形態と同じである。なお、図5に示す照明部10にあっては、ハーフミラー部5が前片41の後面410と側片42の内面とに設けられているが、少なくとも前片41の後面410に設けられていればよく、側片42の内面には設けられなくてもよい。
ハーフミラー部5がカバー4の後面(前片41の後面410)に設けられることにより、ハーフミラー部5よりも前方Fにカバー4の構成部材が位置することとなる。これにより、照明部10より光を照射しないときにカバー4の構成部材の奥(後方B)にハーフミラー部5が見えて、奥行き感が得られる。また、ハーフミラー部5が損傷するのが抑えられる。
次に、第三実施形態の照明付き鏡について、図6に基づいて説明する。
図6は、第三実施形態の照明付き鏡1における照明装置18の水平断面図である。なお、以下の説明では、上述した第一実施形態と異なる部分について説明し、その他の部分については第一実施形態と同じであって説明が重複するため説明を省略する。
第三実施形態では、照明部10が第一実施形態と異なっており、その他の点では第一実施形態と同じである。
第三実施形態では、照明部10は、光源20を備えるが、導光部材3を備えていない。
光源20は、例えばLED等の点光源であり、上下を長手方向とする回路基板21に、上下に複数の光源20が間隔をあけて並設されている。光源20を有する回路基板21は、ケース26に収納されている。なお、光源20は、LEDではなく、白熱球やハロゲンランプ等、特に限定されない。
ケース26は、後片と、この後片の左右方向の両端から前方Fに向かって突出する側片とを備え、前方Fに開口する断面C字状に形成されている。また、ケース26は、回路基板21を収容する面が黒色又は金属光沢面で形成されている。
ケース26の後片には、仕切壁部75に固定されるための固定部が設けられている。固定部は、例えば、固着具挿通孔により構成され、ビスや釘等の固着具(不図示)が固着具挿通孔を挿通して仕切壁部75に打ち込まれることで、ケース26が仕切壁部75に固定される。
上記のような光源20、回路基板21およびケース26により、照明部10が構成されている。
なお、第一実施形態における放熱板22や放熱部23や放熱板カバー25といった部材が設けられてもよいし、なくても構わない。
第三実施形態では、第一実施形態や第二実施形態におけるような導光部材3が不要であるため、部材削減が可能となり、省スペース化、低コスト化が図られる。
また、第三実施形態では、カバー4が拡散部を有することが好ましい。拡散部は、カバー4の表面(前片41の後面410)に、シボ加工等により凹凸が形成されたり、半透明(例えばすりガラス状)となる樹脂によりカバー4が形成されることで、カバー4に設けられる。拡散部の色は、白色が好ましいが、特に限定されない。これにより、複数の光源20が並設されていても、光源20からの光が点状ではなく連続した線状に見える。
また、ハーフミラー部5がカバー4の前面(すなわち前片41の前面)に設けられているため、照明部10より光を照射しないときにカバー4の構成部材が前方Fより見え難くなる。
また、図示しないが、第三実施形態において、ハーフミラー部5がカバー4の前面に設けられるのに代えて、ハーフミラー部5がカバー4の前片41の後面410に設けられてもよい。これにより、照明部10より光を照射しないときにカバー4の奥(後方B)にハーフミラー部5が見えて、奥行き感が得られる。また、ハーフミラー部5が損傷するのが抑えられる。
次に、第四実施形態の照明付き鏡について、図7に基づいて説明する。
図7は、第四実施形態の照明付き鏡1における照明装置18の水平断面図である。なお、以下の説明では、上述した第三実施形態と異なる部分について説明し、その他の部分については第三実施形態と同じであって説明が重複するため説明を省略する。
第四実施形態では、照明部10が拡散カバー27を備える点で第三実施形態と異なっているが、その他の点では第三実施形態と同じである。
拡散カバー27は、光源20とカバー4との間に設けられる。拡散カバー27は、表面に、シボ加工等により凹凸が形成されたり、半透明(例えばすりガラス状)となる樹脂により形成される。拡散カバー27の色は、白色が好ましいが、特に限定されない。これにより、複数の光源20が並設されていても、光源20からの光が点状ではなく連続した線状に見える。
なお、第四実施形態では、拡散カバー27を備えているため、カバー4が拡散部を有しなくても上述した効果が得られる。
また、図示しないが、第四実施形態において、ハーフミラー部5がカバー4の前面に設けられるのに代えて、ハーフミラー部5がカバー4の後面410に設けられてもよい。これにより、照明部10より光を照射しないときにカバー4の奥(後方B)にハーフミラー部5が見えて、奥行き感が得られる。また、ハーフミラー部5が損傷するのが抑えられる。
次に、照明付き鏡の第五実施形態について、図8Aおよび図8Bに基づいて説明する。
図8Aは、第五実施形態の照明付き鏡1の正面図である。図8Bは、第五実施形態の照明付き鏡1の水平断面図である。第五実施形態の照明付き鏡1は、鏡面体17と照明部10とを備えた一面鏡である。鏡面体17は、第一実施形態ないし第四実施形態のいずれかと同様の第1ミラー11と第1ミラー11の左右方向の両端に設けられたハーフミラー部5である。
第1ミラー11とハーフミラー部5とは別体であるが、隙間がないように併設されている。また、前方を面一として、一枚の鏡面にしている。図8Aおよび図8Bに示す照明付き鏡1では、第1ミラー11の左右方向の両端部にそれぞれ、上下に長いハーフミラー部5が設けられ、その後方Bに同じく上下に長い照明部10が配設されている。
照明部10は、ハーフミラー部5よりも小さくライン状である。照明付き鏡本体91は、前面を開口した箱体である。箱体の底面に照明部10は設置されている。照明部10は、導光部材3と、カバー4と、ホルダー34とを有する。カバー4は第一実施形態ないし第四実施形態と異なり、ハーフミラー部5を有さない。そして、箱体の開口を閉じる様に、照明付き鏡本体91の前面に鏡面体17が装着されている。
照明部10はハーフミラー部5の後ろに位置し、前方から見るとハーフミラー部5に全体が隠れる。そして、第1ミラー11の鏡面が向く前方Fに向けて光を照射するもので、第一実施形態ないし第四実施形態のいずれかの照明部10と同様である。また、照明部10をライン状としたことで、ハーフミラー部5を細長くして、鏡面体17の大きさを変えずとも第1ミラー11の横方向の長さを広くすることができる。
また、照明部10とハーフミラー部5との間に所定の間隔Kがあり、具体的には5mm以上としている。このような間隔を設けることで、照明部10が消灯している時、外光がハーフミラー部5を透過しても照明部10まで光が届き難くい。なお、照明部10は、照明付き鏡本体91と鏡面体17の中にあるので、カバー4がなくてもよい。
次に、照明付き鏡1の第六実施形態について、図9Aおよび図9Bに基づいて説明する。
図9Aは、第六実施形態のLEDの光源20の配列を示す図である。図9Bは、第六実施形態の照明付き鏡1の水平断面図である。なお、以下の説明では、上述した第五実施形態と異なる部分について説明し、その他の部分については第五実施形態と同じであって説明が重複するため説明を省略する。
なお、図9Aは、LEDの光源20の配列を示すために、鏡面体17とカバー4を外した照明付き鏡1の正面図を示している。
第六実施形態では、照明部10は、LEDの光源20を複数有し、複数の光源20は間隔をあけて1列に並んだライン状である。LEDの光源20を固定した回路基板21は、断面C字状のケース26の底面に固定される。このようにして、回路基板21はケース26に収容される。なお、照明部10がライン状であるとは、LED光源が2列に並んだものも含まれる。
次に、照明付き鏡1の第七実施形態について、図10に基づいて説明する。
図10は、第七実施形態の照明付き鏡1の正面図である。第七実施の形態では、ハーフミラー部5を鏡面体17の横(左右)方向の端部より離れ、少し内側の位置に浮島のような形状で設けたものである。
このような鏡面体17とするために、鏡面体17は、一枚のガラス部材と、このガラス部材の後面に蒸着等で形成したミラー膜と、ガラス部材の後面に蒸着等で形成したハーフミラー膜を有する。
このように、ミラー部(第1ミラー11)とハーフミラー部5とが別体ではなく、一体に形成されているので、ミラー部(第1ミラー11)とハーフミラー部5との連続性および一体性が確保され、意匠性に優れる。
次に、照明付き鏡の第八実施形態について、図11に基づいて説明する。
図11は、第八実施形態の照明付き鏡1の正面図である。第八実施形態では、鏡面体17は全面をハーフミラー部5とする。つまり、ミラー部は設けられていない。このような鏡面体17を用いることにより、鏡面体17の中に異なる種類のミラーが存在することが回避されるために、意匠性に優れる。
次に、照明付き鏡の第九実施形態について、図12に基づいて説明する。
図12は、第九実施形態の照明付き鏡1の正面図である。なお、以下の説明では、上述した第六実施形態と異なる部分について説明し、その他の部分については第六実施形態と同じであって説明が重複するため説明を省略する。
第九実施形態において、鏡面体17は、第1ミラー11と、第1ミラーの左側に配設された第2ミラー12と、第1ミラー11の右側に配設された第3ミラー13とを有する。そして、第1ミラー11は左右方向の両端にハーフミラー部5を有する。ハーフミラー部5は、第一実施形態ないし第四実施形態のいずれかのハーフミラー部5と同様である。
図12に示す照明付き鏡1では、第1ミラー11の左右方向の両端部にそれぞれ、上下に長いハーフミラー部5が設けられ、その後方Bに同じく上下に長い照明部10が設けられている。これにより、第1ミラー11の左右方向の両端部の鏡としての機能を発揮し難いところに照明部10が設けられるため、照明部10より光を照射する場合でも第1ミラー11の鏡としての機能を損なうことがない。また、照明部10より光を照射しない場合には、ハーフミラー部5も鏡として機能して、連続した鏡として広く使用することができる。また、第2ミラー12および第3ミラー13はサイドミラーとして、第1ミラー11に対して回動することができる。
次に、照明付き鏡の第十実施形態について、図13に基づいて説明する。
図13は、第十実施形態の照明付き鏡1の正面図である。第十の実施形態について、鏡面体17は、第1ミラー11と、第1ミラーの左側に配設された第2ミラー12と、第1ミラー11の右側に配設された第3ミラー13とを有する。そして、第2ミラー12と第3ミラー13とは第1ミラー11側の端部(部分)にハーフミラー部5を有する。このようにサイドミラーである第2ミラー12および第3ミラー13に照明部10を設けることで、照明部10が照射している時、第1ミラー11の鏡面を広くすることができる。
次に、照明付き鏡の第十一実施形態について、図14に基づいて説明する。
図14は、第十一実施形態の照明付き鏡1の正面図である。第十一の実施形態について、鏡面体17は、第1ミラー11と、第1ミラーの左側に配設された第2ミラー12と、第1ミラー11の右側に配設された第3ミラー13とを有する。第2ミラー12および第3ミラー13は、全面がハーフミラー部5である。このような構成により、第2ミラー12および第3ミラー13と第1ミラー11とは鏡面の種類が異なるが別体であるので、各ミラーにおいては異なる種類のミラーが存在することが回避されるので、鏡面の違いは目立つことなく意匠性に優れる。
以上のように、本発明の照明付き鏡1は、後方からの光を透過させるハーフミラー部5を少なくとも一部に有する鏡面体17と、鏡面体17の前方に向けて光を照射する左右一対の照明部10とを備える。左右一対の照明部10は、上下方向に細長いライン状であり、ハーフミラー部5の後方に配設されていることを特徴とする。
これにより、照明部10より光を照射しないときでも、鏡でない構成が目立ち難くなり、意匠性に優れる。また、照明部10をライン状としたことで、照明部10を隠すハーフミラー部5もライン状とすることができ、ハーフミラー部5も目立たなくなる。
また、鏡面体17は、ハーフミラー部5と、ハーフミラー部5より透過率の低いミラー部(第1ミラー11、または、第1ミラー11、第2ミラー12および第3ミラー13)とを有する。これにより、ハーフミラー部5より透過率の低いミラー部が設けられることで、鏡としての機能性がより確保される。
また、照明部10は、横方向の長さが20mm以下で、上下方向の長さが400mm以上のライン形状である。
また、照明部10は、ハーフミラー部5との間に所定の間隔を設けて配設されている。これにより、照明部10より光を照射しないときでも、ハーフミラー部5を越して照明部10が目立ち難くなり、意匠性に優れる。
また、照明部10は、LEDの光源20を複数有し、間隔をあけて前記複数のLEDの光源20を1列又は2列に並ばせてライン状に構成されている。
また、照明部10は、導光部材3と、導光部材3の上端又は下端に配設された光源20と、導光部材3を収容するホルダー34とを有する。ホルダー34は、導光部材3を収容する面343が黒色又は金属光沢面で形成されている。これにより、ハーフミラー部5を透過した場合でも、照明部が目立ち難くなり、意匠性に優れる。
また、照明部10は、複数のLEDの光源20と、複数のLEDの光源20を装着した回路基板21と、回路基板21を収容するケース26とを有する。ケース26は、回路基板21を収容する面が黒色又は金属光沢面で形成されている。これにより、ハーフミラー部5を透過した場合でも、照明部が目立ち難くなり、意匠性に優れる。
また、鏡面体17は、ハーフミラー部5を左右方向の両端に有する。
また、ミラー部とハーフミラー部5とは別体であり、ハーフミラー部5は、照明部10に取り付けられている。ミラー部とハーフミラー部5とは別体であるので、独自に制作し易い。
また、鏡面体17は全体をハーフミラー部5としたものである。このような鏡面体17を用いることにより、鏡面体17の中に異なる種類のミラーが存在することが回避されるので、意匠性に優れる。
また、鏡面体17は、第1ミラー11と、第1ミラー11の左側に配設された第2ミラー12と、第1ミラー11の右側に配設された第3ミラー13とを有する。そして、ハーフミラー部5を第1ミラー11、第2ミラー12及び第3ミラー13の少なくとも一つに設けたものである。これにより、前面からの外観は、3面鏡となるので、意匠性に優れる。
また、鏡面体17は、第1ミラー11と、第1ミラー11の左側に配設された第2ミラー12と、第1ミラー11の右側に配設された第3ミラー13とを有し、ハーフミラー部5は、第1ミラー11と第2ミラー12との間及び第1ミラー11と第3ミラー13との間に配設されている。これにより、ハーフミラー部5は、2つのミラーの間という目立ち難い場所に配設されるので、意匠性に優れる。
本発明の洗面化粧台は、照明付き鏡1と、照明付き鏡1の下方に配設されたカウンター62とを備え、カウンター62はボウル65を有するものである。
これにより、照明部10より光を照射しないときでも、鏡でない構成が目立ち難くなり、意匠性に優れる。また、照明部10をライン状としたことで、照明部10を隠すハーフミラー部5もライン状とすることができ、ハーフミラー部5も目立たなくなる。
以上、本発明の照明付き鏡および洗面化粧台について、第一実施形態ないし第十一実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施形態に施したものや、各実施形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。