JP6663679B2 - 照明器具を備えたドア - Google Patents
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例えば、特許文献1では、LEDプレートを形材本体に配置し、そのLEDプレートの上からコーティング材を充填して照明器具を構成し、その照明器具を内ケースとして、外ケースに組み込んでいる建材を提案している。
かかる建材は、建物の方立、無目、巾木、下枠等に取り付け、室内においては壁面の巾木等に取り付けられるもので、建物の出入り口、通路等での足元灯、誘導灯の照明として、通行者等に安全、安心感を与え、また建物のライトアップを図ることとしている(同文献の段落0041)。
建具の浴室ドア等に、前記LEDプレートと同じく、発光手段として発光ダイオードを用い、ドアの面材をライトアップする構成が特許文献2に開示されている。
同文献2の段落0017には「図1〜図3に示すように、框組体23における面材24よりも面外方向他側寄りに発光ダイオード4を、面材24の面外方向他側面24aと対向して設け、この発光ダイオード4で面材24の面外方向他側面24aを照明するようにしてある・・・」旨が記載されている。
また同文献2の段落0018では「このようにすることで、建具を面外方向一側方(室5)から見ると、その面材24の面外方向一側面24bが明るくライトアップされて装飾された外観となる・・・発光ダイオード4の光を直接見るのではなく、面材24を透して見るので、やさしい感じとなるから、癒やしの効果がより優れたものにできる」旨が記載されている。
発光ダイオード4の光の性質、例えばその指向特性から面材24に発光ダイオード4の光源の斑点模様が強く現れるおそれがあること、そのため建具の外観の装飾効果にも限界があること、建具に発光ダイオードを適用する場合には 建具の機能に応じて装飾効果に加えて、それ以外の効果が奏されることが望ましいこと等である。
また、前記反射面より放射される光を生成する形材を用いることで、発光ダイオードの光源の斑点模様が視認されることを防止すると共に、前記照明器具の照射光に変化を与えて、ドアの外観の装飾効果を高め、さらに装飾効果以外の効果を奏することができる。
さらに、前記拡散板により、光源としてのLEDプレートの斑点模様が更に見え難くすることができる。
なお、これらの各照明において、各実施形態の各構成に共通する構成は、共通する用語を用い、且つ、各図において略同一に図示すると共に、必要に応じて同一の符号で示すことで、詳細な説明は省略する。
ドア本体表側の照明S1(以下、単に照明S1とも称する)は、来訪者等の視線が集中するドア本体1の屋外側に臨む表面10を照明するものである。
この照明S1は、図3のように、ドア本体1の内部に収容され、且つ、LEDプレート20を備えた照明器具2と、前記照明器具2から放射された光が入射され、散乱させて出射させる散乱板としての複層ガラス3と、前記複層ガラス3から出射される光をその一部に絞るスリット口40、このスリット口40に進行した光を所定の方向として斜め下の方向に導くスリット通路41及びこのスリット通路41を進行した光を屋外側に放射するスリット放射口42から構成される。
前記第1の取付板50、50は、前記複層ガラス3を収納するドア本体1のスペース部11に固定されるもので、このスペース部11は、ドア本体1の横幅に沿って設けられ、前記第1の取付板50、50は、そのスペース部11の上縁又は下縁に沿って、それぞれ長尺状に、且つ、その断面形状が略L字に形成されている。
前記第2の取付板51、51は、前記スペース部11の屋内側を塞ぐと共に、屋内側の開口13を形成するもので、前記第1の取付板50、50と同様に長尺状に形成され、第1の取付板50の端部にそれぞれ固定されている。
前記第2の取付板51が前記複層ガラス3に対向する位置には、前記照明器具2の本体21に形成されている係合ヒレ25(図9参照)をスライドさせて固定できる係合溝52が形成され、この係合溝52に取付られる前記照明器具2の照射面24が前記複層ガラス3に対面できるようになっている。
なお、前記第2の取付板51、51は、図3に図示されているように、前記複層ガラス3を支持する押縁となっている。
前記照明器具2からの照射光は、光の進路に関する法則に従い、空気とガラス板(室内側)の境界面に到達すると、その一部は反射され、残りの光は屈折されてガラス板内を進み、ガラス板(室外側)と空気との境界面において全反射する光を除き、屈折光として放射される。
この場合、ガラス板が「摺板ガラス」であることから、フロート板ガラスの片面が金剛砂と金剛ブラシにより凹凸面が形成されているので、その境界面において、光が乱反射されたり、光が不規則に拡散され、散乱されて放射される。
よって、前記照明器具2のLEDチップ201の光が照射面24に表れる斑点模様が視認されずに、柔らかな光として放射されるようになっている。
前記上板材43及び中間板材45の下端並びに下板材44及び中間板材45の上端には、図3に図示されているように、屋外側から屋内側に向って上方に傾斜する傾斜面46、47が形成されている。
これらの傾斜面46、47が、略平行に、且つ、対面するように各板材43〜45がドア本体1の力骨に固定されることで、ドア本体1の横幅に沿って、屋内側に前記スリット口40が、屋外側に前記スリット放射口42が、その間に前記スリット通路41がそれぞれ形成される。
前記傾斜面47に、光を反射させ易くする反射板48を取付けてもよい。
よって、前記スリット放射口42からは前記照明面24が見え難く、更に斑点模様が解消されると共に、柔らかい光が放射されるようになっている。また前記スリット放射口42から工具が入れられて、前記複層ガラス3が破損されたり、ドアが開錠されることが防止され、防犯性を高めることができる。さらに、来訪者等の視野に入る前記スリット放射口42が幅狭であっても、光が回析されるように拡がって放射されるようになっている。
(1) 前記複層ガラス3により、前記照射面24に表れる斑点模様が視認されずに、柔らかな光として放射され、スリット放射口42からは前記照明面24が見え難く、更に斑点模様が解消され、装飾効果が発揮される。
(2) 前記スリット放射口42から工具が入れられて、前記複層ガラス3が破損されたり、ドアが開錠されることが防止され、防犯性を高めることができる。
(3) 来訪者等の視野に入る前記スリット放射口42が幅狭であっても、光が回析されるように拡がって放射される。
(4) 前記スリット放射口42から光が見えると、来訪者等に在宅していると認識させ易い。即ち、前記スリット放射口42からの光は、屋内側からの照明のように認識させ易く、犯行を防止できることが期待される。
ドア本体裏側の照明S2(以下、単に照明S2とも称する)は、居住者等の利便を図り、またドアの装飾効果を高めるために、屋内に臨むドア本体1の裏面12を照明させるものである。
この照明S2は、図2及び図3のように、前記照明器具2と、この照明器具2から放射された光が入射され、散乱させて反射させる前記複層ガラス3と、この複層ガラス3から出射される光をその一部に絞って屋内側に放射する前記開口13から構成されている。
ドア本体1の下部の照明S3(以下、単に照明S3とも称する)は、来訪者等にドア本体1の下端から屋外側を照射して、足元の安全を図り、またドアの装飾効果を高めるものである。
この照明S3は、図3のように前記照明器具2と、この照明器具2を取付るために、ドア本体1の下力骨14に沿って固定されている長尺状の取付形材6を備え、この取付形材6は前記照明器具2の照射面24を屋内側から屋外側に向けて外を照らす向きに配置すると共に、前記照射面24に対向する拡散板7を配置してなる。前記拡散板7は前記照明器具2の照射光を拡散させるもので、詳細は後述する。
よって、前記拡散板7から出射される光は、下力骨14より屋外側の範囲を照射できるようなっている。
前記形材8は、図8及び図9に図示するように、前記照明器具2の照射光を反射させる反射面80を備えると共に、湾曲面の前記反射面80に照明器具2の照射面24を対向させ、その湾曲面の一端側81に前記照明器具2を取付る取付部82及び形材8をLED組込スペース部86(後述)に取り付けるための一端側係止部83を備え、その湾曲面の他端側84に他端側係止部85を備えている。
本実施形態では、反射面80は、前記一端側81から、順次、照射面24から照射される光を反射させる傾斜面800と、照射面24と略平行に形成され、照射面24から照射される光を反射させる平面801と、平面801から他端側84にかけて湾曲する曲面802とを備えている。
この場合の前記照明S3の作用効果は、前記形材8により、次の作用効果を奏することができる。
(5) 前記形材8はアミル形材からなるもので、前記反射面80により、柔らかな光沢の光が生成され、柔らかな光の演出が可能となって、形材8を光学的手段の金属鏡として機能させることができる。
(6) 前記形材8の収容枠820は、前記反射面80に前記照射面24が対向するように構成されているので、光源としてのLEDプレート20が見え難くなっており、前記照明器具2を間接照明形とすることができる。
(7) 前記形材8の前記反射面80により、前記照明器具2の照射光は、反射面80の全範囲に亘って反射されて、その反射面80より光源である照明器具2の後方向(例えば、図9において紙面の上側)に放射されるように制御される。
即ち、前記拡散板7は、その長手方向の端縁が前記形材8Aのスライド部821の外側に形成される取付凹部822に、他方の長手方向の端縁が前記反射面80の前記平面801を略半分に分ける境界線上に形成される取付溝部823に、それぞれ位置されている。
前記拡散板7は入射した光束が拡散されて放射されるものであればよく、例えば商品名「カーボグラスDEFR」(カ−ボグラス\CARBOGLASSは旭硝子株式会社の所有に係る登録商標)を用いる。
前記拡散板7を配置する場合の前記反射面80に対する第1面803及び第2面804の按分は、上記構成に限定されるものではなく、前記反射面80の領域内で任意に按分することができる。
なお、前記形材8Aは、前記取付溝部823の左右に亘って、前記平面801から前記曲面802の一部にかけて、肉厚に形成されて補強されている。
係る構成では、ドア本体1の下力骨14の屋外側の端部が、ドアを閉鎖した状態で、下枠17の屋外側の端部よりも、屋外側に飛び出しており、且つ、その下力骨14の屋外側の端部と、屋内側の端部とは略同一との高さ寸法に形成されている。
よって、前記拡散板7から出射される光は、下力骨14の下側の範囲を照射できるようなっている。
また、前記形材8Aを用いる場合の前記照明S3の作用効果として、次の作用効果を付加させることができる。
(9) 前記拡散板7により、光源としてのLEDプレート20の斑点模様が更に見え難くなっており、前記照明器具2を間接照明形とすることができる。
図11に示した前記形材8Bの前記拡散板7は、前記反射面80より反射される光が通過し、そのまま放射される位置に配置されている。
即ち、前記拡散板7は、その長手方向の端縁が前記スライド部821の外側(図11において紙面の下側)に形成されている取付凹部824に、他方の長手方向の端縁が前記他端側84の他端側係止部85の内側(図11において紙面の上側)に形成される取付凹部825に、それぞれ配置されている。
(10) 前記拡散板7から拡散される光は、前記反射面80により反射される光であることから、前記形材8Aが生成する光よりも更に柔らかな光となっている。
かかる前記形材8等の組込構造は、前記下力骨14から前記形材8等を取外すことができることとなり、前記形材8等のメンテナンスとして、例えば前記照明器具2の交換等が容易にできるようになっている。
ドア本体取手の照明S4(以下、単に照明S4とも称する)は、来訪者等がドアの開閉を操作する場合に、その取手の存在及び位置を認識し易くし、また取手を光により浮き上がらせる装飾効果を発揮させるものである。
この照明S4は、前記照明器具2と、この照明器具2を取り付けるために取手15の裏面に形成される取付ヒレ150からになる。
なお、照明S4に来訪者等を感知するセンサーを設けて、前記照明器具2を動作させるようにしてもよい。
ドアの額縁の照明S5(以下、単に照明S5とも称する)は、居住者等の利便のために、またドアの装飾効果を高めに、ドア本体1の裏面12の周囲に設けられた額縁9に設けられるものである。
この照明S5は、図3、図5及び図7に図示するように、前記照明器具2と、この照明器具2を取付ける前記形材8、前記形材8A又は前記形材8Bと、これらの前記形材8、前記形材8A又は前記形材8Bを取り付けるために、前記額縁9に形成されているLED組込スペース部90と、前記照明器具2の照射光を拡散させる前記拡散板7からなる。
この照明S5においても、照明S3と同様の作用効果を奏することができる。
ドアのダウンライトの照明S6(以下、単に照明S6とも称する)は、来訪者等にドアの上部から屋外側を照射して、足元の安全を図り、またドアの装飾効果を高めるためるものである。
この照明S6は、図3に図示するように、前記照明器具2と、この照明器具2を取付るために、ドアの上枠に取り付けられた上化粧カバー16に沿って固定されている長尺状の取付形材60、この取付形材60に取り付けられ、且つ、照明器具2の照射光を拡散させる拡散板7からなる。
なお、照明S6においても、来訪者等を感知するセンサーを設けて、前記照明器具2を動作させるようにしてもよい。
11 スペース部 12 裏面
13 開口 14 下力骨
15 取手 16 上化粧カバー
17 下枠
2 照明器具
20 LEDプレート
21 アルミ形材の本体
22 線材
23 コーティング材
24 照射面
25 係合ヒレ
200 基板 201 LEDチップ
202 コーティング層
3 複層ガラス
40 スリット口
41 スリット通路
42 スリット放射口
43〜45 板材
46 47 傾斜面
48 反射板
50 第1の取付板
51 第2の取付板
52 係合溝
6 60 取付形材
7 拡散板
8 8A 8B 形材
80 反射面
81 一端側 82 取付部
83 一端側係止部 84 他端側
85 他端側係止部
800 傾斜面 801 平面
802 曲面 803 第1面
804 第2面
820 収容枠
821 スライド部
822 824 825 取付凹部 823 取付溝部
86 LED組込スペース部 861 受溝
862 受片 863 弾性材
9 額縁 90 LED組込スペース部
S1 ドア本体表側の照明 S2 ドア本体裏側の照明
S3 ドア本体下部の照明 S4 ドア本体取手の照明
S5 ドアの額縁の照明
S6 ドアのダウンライトの照明
Claims (8)
- ドア本体の内部に収容され、且つ、LEDプレートを備えた照明器具と、
前記照明器具から放射された光が入射され、散乱させて出射させる散乱板と、
前記散乱板から出射される光をその一部に絞るスリット口、このスリット口に進行した光を所定の方向に導くスリット通路及びこのスリット通路を進行した光を屋外側に放射するスリット放射口を備えていることを特徴とするドア。 - 前記散乱板から出射される光をその一部に絞って屋内側に放射する開口をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のドア。
- 前記散乱板は、摺板ガラスを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドア。
- 前記照明器具の照明面が前記散乱板に対向する位置と前記スリット口が前記散乱板に対向する位置とが一致していないことを特徴とする請求項1に記載のドア。
- 前記スリット通路が傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のドア。
- LEDプレートを備えた照明器具と、この照明器具を取り付けると共に、その照射面を屋内側から屋外側に向けて外を照らす向きに配置する取付形材と、前記照射面に対向する拡散板が、ドア本体の下力骨に配置されていることを特徴とするドア。
- LEDプレートを備えた照明器具と、この照明器具を取り付けると共に、その照明器具の照射光を反射させる反射面を備え、且つ、その反射面より放射される光を生成する形材が、ドア本体の下力骨に配置されていることを特徴とするドア。
- 反射面より放射される光を生成する形材が、ドアの額縁にさらに配置されることを特徴とする請求項7に記載のドア。
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