JP5810322B2 - ミラーキャビネット - Google Patents
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Description
本発明は、照明機能を備えたミラーキャビネットに関するものである。
従来、洗面化粧台のミラーキャビネットに照明器具を取り付けるにあたり、三面鏡の上側部位、或いは三面鏡のミラー扉間の隙間に、蛍光灯や白熱灯を固定して、洗面台の前面全体を照らすようにした構造が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
ところが、蛍光灯等を三面鏡の上方に固定した場合は、洗面台の前面全体を照らすためには、三面鏡の上方から大型の照明カバーを前方向に向かって大きく張り出すように設置する必要があるため、三面鏡におけるミラー面積が大きく制約されるという課題がある。一方、蛍光灯等を三面鏡のミラー扉間の隙間に固定する場合は、蛍光灯を収納するためには横幅が約100mm程度の照明灯用スペースを設ける必要があり、このためミラー扉におけるミラー面積が大きく制約されるという課題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ミラー扉におけるミラー面積を十分に確保しながら、ミラー扉の前に立った人の顔や手元部分を明るく照らすことができるミラーキャビネットを提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を特徴としている。
隣合うミラー扉2,3の奥側に収納空間4,5をそれぞれ設けたミラーキャビネットであって、隣合うミラー扉2,3の間の隙間Sに臨んだ部位に縦長状の導光性材料を配置し、導光性材料の奥側の端面10aを光源15からの光が入射する光入射面13とし、導光性材料の両側面を光反射面60c、60とし、光入射面13と対向する、導光性材料の前側の端面10bを、隣合うミラー扉2,3の間の隙間Sに臨ませて配置して、光入射面13から入射した光を帯状照明光Rとして隣合うミラー扉2,3の間から前方に向かって出射する光出射面14としてなることを特徴としている。
また本発明において、前記導光性材料は導光板であることが好ましい。
本発明に係るミラーキャビネットは、隣合うミラー扉の間の隙間に臨んだ部位に縦長状の導光性材料を配置し、導光性材料の光出射面を隣合うミラー扉間の隙間に臨ませたことにより、導光性材料の光出射面から発光する帯状照明光を隣合うミラー扉間の隙間を通して前方に照射できるものであり、これにより、導光性材料をコンパクトに且つ納まりよく仕込むことができると共に、隣合うミラー扉間に帯状照明光が通過し得る幅狭の隙間を確保すればよいので、従来の蛍光灯用の幅広の照明灯用スペースを設ける場合と異なり、ミラー扉におけるミラー面積が大きく制約されることもない。結果、ミラー扉におけるミラー面積を十分に確保しながら、帯状照明光によってミラー扉の前に立った人の顔や手元部分を明るく照らすことができるものである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
図3は本実施形態の洗面化粧台に用いるミラーキャビネット1の一例を示している。
洗面台20の上方に配置されるミラーキャビネット1の前面には、中央のミラー扉2と両サイドのミラー扉3,3とを有する三面鏡が配設されている。
ミラーキャビネット1は、図4に示すように、天板21と両側板22と背板(図示せず)と底板23とで囲まれた空間部を有すると共に、この空間部が縦方向Dに配置される2枚の縦板6を用いて、中央のミラー扉2で開閉される中央の収納空間4と、両サイドのミラー扉3,3でそれぞれ開閉される両サイドの収納空間5,5とに仕切られている。各ミラー扉2,3は、例えば図6に示すようにベースパネル16の表面にミラーパネル17を止着し、その外周部に縦サッシ18を嵌め込んだものである。
中央のミラー扉2の基端部2aは、図4(b)に示すように、左側の縦板6の側面部に設けたスライド丁番24に連結され、このミラー扉2の先端部2bは右側の縦板6の前端面7に設けた一方の扉受け面8(図1参照)で受けられる。スライド丁番24は、例えば図6(a)(b)に示すように、ミラー扉2を広角度で開放可能とするための展伸・折り畳み可能な平行リンクプレート25を備えたものであり、このスライド丁番24によりミラー扉2の基端部2aは後述する導光板10とは干渉しない位置で回動可能とされる。なお、スライド丁番24の具体的構造については、本出願人が既に開示している特開2003−189950号公報等により公知となっている技術を採用できる。
左側サイドのミラー扉3の基端部3aは左側の側板22の側面部に設けた開閉丁番(図示せず)に連結され、先端部3bは左側の縦板6の前端面7に設けた扉受け面8(図1)で受けられる。
右側サイドのミラー扉3の基端部3aは右側の側板22の側面部に設けた開閉丁番(図示せず)に連結され、先端部3bは右側の縦板6の前端面7に設けた扉受け面9(図1)で受けられる。
本例では、左右の縦板6,6は、前端面7の幅方向A両側がそれぞれ扉受け面8,9(図5)となったものと、幅方向A片側のみが扉受け面9となり、幅方向A他側が丁番取り付け面30(図6)となったものとに分けているが、縦板6の内部に前方Bに開口した収納凹所11を備える構成においては共通している。
左右の縦板6は、それぞれ、断面コ字状のアルミ押出成形材により一体に形成されている。図1に示すように、左右のアルミ押出成形部6a,6a間から前方Bに向かって縦長状に前面開口部12が開口している。なお図1中の26はアルミ押出成形部6aと天板21とを連結金具(図示せず)を用いて連結するためのダボ穴であり、27は収納凹所11の両内壁面からそれぞれ突出して導光板10のがたつきを防止する凸部であり、図1及び図2中の28、29は、収納凹所11の上下両端部をそれぞれ閉鎖する板材である。
上記縦板6の収納凹所11内には、図1及び図2に示すように、導光板10が縦向き姿勢で収納される。導光板10は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透光性材料からなり、縦方向Dに長い矩形状に形成されている。導光板10の奥側の端面10aには光源15からの光を取り入れる光入射面13が設けられ、前側の端面10bには該光入射面13から入射した光源15からの光を帯状照明光Rとして出射させる光出射面14が設けられ、これら光入射面13と光出射面14以外の他の上下両端面及び両側面はそれぞれ光反射面60a、60b、60c、60dとなっている。光反射面60の形成方法として、例えば外面にアルミ蒸着などの反射処理を施すか、或いは散乱反射面を形成する等の方法がある。
導光板10の光出射面14は、縦板6の前面開口部12から隣合うミラー扉2,3間の隙間Sに臨ませて配置される。本例では、光出射面14は、縦板6の前面開口部12から隣合うミラー扉2,3とは干渉しない前方B位置に向かって、扉受け面8,9よりも所定寸法だけ突出している。その突出寸法は、意匠性を配慮して図5に示すように、閉状態にあるミラー扉2,3のミラーパネル17と光出射面14とが略面一となるように設定するのが望ましい。勿論、光出射面14は前面開口部12よりも前方Bに向かって突出させる場合に限らず、少なくとも光出射面14から発する帯状照明光Rがミラー扉2,3間の隙間Sから前方Bに向かって照射されるようにすればよいものである。
導光板10の光入射面13に対向して光源15が配置される。光源15は図2に示すように、上下複数個のLED(発光ダイオード)15aで構成される。各LED15aは、LED15aの光軸が導光板10の光入射面13に対して垂直方向に向くようにしてLED基板15bに実装されている。
しかして、上記構成によれば、LED15aの点灯時には、LED15aの光は図2(a)(b)に示すように、導光板10の光入射面13から入射して、導光板10の内部で光入射面13から離れる程広がりながら、且つ上下両端面及び両側面の光反射面60a〜60dにより鏡面反射されながら光出射面14に向かって進んでゆき、光出射面14全面に亘ってほぼ一定光量となって出射される。これにより全体的に明るさにむらのない帯状照明光Rが隣合うミラー扉2,3間の隙間Sを通して前方Bに向けて照射されるようになり、これによりミラー扉2,3の前に居る人の顔や手元部分を十分に照らすことができる。
また、縦板6の前端面7の幅方向A中央側に設けた前面開口部12から導光板10の光出射面14を露出させたことにより、導光板10とミラー扉2,3との干渉を防止しながら、隣合うミラー扉2,3間の隙間Sに導光板10の光出射面14を配置できるようになる。しかも本例では、導光板10の光出射面14をミラー扉2,3のミラーパネル17と略面一状となるように突出配置しているので、ミラーパネル17と光出射面14とが段差のない連続した外観を呈するようになり、この状態でLED15aを点灯させると隣合うミラーパネル17間の隙間Sが帯状に光った状態となり、意匠性がより高まるようになる。
また隣合うミラー扉2,3間には、導光板10の厚み分に相当する幅狭の隙間Sを設けるだけでよいので、従来の蛍光灯用の幅広の照明スペースを設ける場合と異なり、ミラー扉2,3におけるミラー面積が大きく制約されることがない。しかも、縦板6内部に、導光板10をコンパクトでしかも納まりよく収納できるので、縦板6の厚み増加を防止でき、縦板6によって仕切られる収納空間4,5がそれぞれ狭まることもなくなる。
なお、光源15として蛍光灯や白熱灯を用いた場合は、発熱して消費電力が大きく、寿命が短くて取り換えが必要となるという問題があるが、本例ではLED15aを用いているのでかかる問題はなく、寿命が長く、低電力量で作動する小型で且つコンパクトな照明機能付き縦板6が得られる。
また、縦板6をアルミ押出成形材で形成することにより、導光板10の強度が高められ、しかも強度を確保しながら、導光板10を収納した縦板6全体の厚みを薄く抑えることができる。しかも金属製とすることで照明の放熱対策も兼ねるようになる。そのうえ押出成形により縦板6を縦方向Dにおいてどこで切断しても断面形状が一定形状となるので、キャビネットサイズに応じて所定長に切断して使用可能になる利点もある。
本実施形態のミラーキャビネット1は、隣合うミラー扉2,3の奥側に収納空間4,5をそれぞれ設け、縦方向Dに配置した縦板6によりミラー扉2,3それぞれの収納空間4,5を仕切るようにしたミラーキャビネットであって、上記縦板6の内部に、前方Bに開口した平面断面略コ字状の収納凹所11を縦長状に凹設すると共に、収納凹所11の前面開口部12を縦板6の前端面7であって縦板6を挟んで隣合うミラー扉2,3間の隙間Sに臨んだ部位に縦長状に開設する。上記収納凹所11内部に導光性材料からなる導光板10を縦向き収納し、導光板10の奥側の端面10aを光源15からの光が入射する光入射面13とし、導光板10の両側面を光反射面60c、60とし、導光板10の奥側の端面10aと対向する前側の端面10bを、上記前面開口部12から隣合うミラー扉2,3の間の隙間Sに臨ませて配置して、光入射面13から入射した光を帯状照明光Rとして隣合うミラー扉2,3の間から前方に向かって出射する光出射面14としてなることを特徴としている。
このような構成とすることで、光源15の点灯時には、縦板6内部に縦向き収納された導光板10の光出射面14からの帯状照明光Rが隣合うミラー扉2,3間の隙間Sを通して前方Bに照射するので、ミラー扉2,3の前に居る人の顔や手元部分を十分に照らすことができる。しかも収納空間4,5を仕切る縦板6の内部に、導光板10をコンパクトに且つ納まりよく仕込むことができると共に、隣合うミラー扉2,3間には、光出射面14からの帯状照明光Rが通過可能な幅狭の隙間Sを設けるだけでよいので、従来の蛍光灯を収納する幅広の照明スペースを設ける場合と異なり、ミラー扉2,3におけるミラー面積が大きく制約されることもなくなる。
すなわち、本実施形態のミラーキャビネット1は、縦板6内部に設けられる前方に開口した収納凹所11内に、奥側の端面10aが光入射面13をなし前側の端面10bが光出射面14をなす導光板10を縦向き収納して、導光板10の光出射面14を収納凹所11の前面開口部12から縦板6を挟んで隣合うミラー扉2,3間の隙間Sに臨ませたことにより、導光板10の光出射面14から発光する帯状照明光を隣合うミラー扉2,3間の隙間Sを通して前方に照射できるものであり、これにより、収納空間4,5を仕切る縦板6を利用して、導光板10をコンパクトに且つ納まりよく仕込むことができると共に、隣合うミラー扉2,3間に帯状照明光が通過し得る幅狭の隙間Sを確保すればよいので、従来の蛍光灯用の幅広の照明灯用スペースを設ける場合と異なり、ミラー扉2,3におけるミラー面積が大きく制約されることもない。結果、ミラー扉2,3におけるミラー面積を十分に確保しながら、帯状照明光によってミラー扉2,3の前に立った人の顔や手元部分を明るく照らすことができるものである。
また、ミラーキャビネット1は、上記導光板10の光出射面14を縦板6の前面開口部12よりもミラー扉2,3とは干渉しない前方B位置に向かって突出配置してなるのが好ましい。この場合、ミラー扉2,3を開閉する際の導光板10とミラー扉2,3との干渉を防止しながら、導光板10の光出射面14をミラー扉2,3の鏡面と面一状に配置可能となり、これにより、光出射面14と鏡面との間が段差のない連続した外観を呈するようになり、意匠性が高められる。
また、ミラーキャビネット1は、上記光源15はLED15aからなるのが好ましい。この場合、蛍光灯や白熱灯等の照明灯具と比較して小型で寿命が長くしかも低電力量でミラー照明が可能となる。
また、ミラーキャビネット1は、上記縦板6は、断面コ字状のアルミ押出成形材であり、この縦板6の内部に導光板10を収納してなるのが好ましい。この場合、アルミ押出成形材により導光板10の強度を確保しながら、導光板10を含む縦板6全体の厚みを薄く抑えることができ、さらに押出成形材をアルミのような金属製とすることで照明の放熱対策も兼ねることができる。
前記実施形態では、縦板6の前端面7の幅方向A両側の少なくとも一方を扉受け面8(9)とし、他方を縦板6の側面部を丁番を取り付ける扉取り付け面30(図6)としたが、縦板6の側面部の両方をそれぞれ扉取り付け面30としたものであってもよい。つまり、扉取り付け面30又は扉受け面8(9)の少なくとも一方が、縦板6に備わっていればよいものである。
前記実施形態では、縦板6をアルミ押出成形品としたが、独立した2枚の金属板の間に導光板10を挟んで、これらを一体に組み立てることも可能である。
前記実施形態では、LED15aの設置場所として、導光板10の奥側を例示したが、これ以外に、例えば導光板10の上方側或いは下方側に設置して、LED15aの光を例えば光ファイバー束を用いて導光板10の奥側の光入射面13に伝送する構造も可能である。
また導光板10とLED15aとを別体で構成したが、導光板10の端面にLED15aを埋込状に一体形成することも可能である。
本発明の照明機能付き縦板6を備えるミラーキャビネット1は、洗面化粧台以外に、システムキッチン等の各種設備ユニットに広く適用可能である。
1 ミラーキャビネット
2 中央のミラー扉
3 両側のミラー扉
4 中央の収納空間
5 両側の収納空間
6 縦板
7 縦板の前端面
10 導光板
10a 奥側の端面
10b 前側の端面
11 収納凹所
12 前面開口部
13 光入射面
14 光出射面
15 光源
15a LED
B 前方
D 縦方向
R 帯状照明光
2 中央のミラー扉
3 両側のミラー扉
4 中央の収納空間
5 両側の収納空間
6 縦板
7 縦板の前端面
10 導光板
10a 奥側の端面
10b 前側の端面
11 収納凹所
12 前面開口部
13 光入射面
14 光出射面
15 光源
15a LED
B 前方
D 縦方向
R 帯状照明光
Claims (2)
- 隣合うミラー扉の奥側に収納空間をそれぞれ設けたミラーキャビネットであって、隣合うミラー扉の間の隙間に臨んだ部位に縦長状の導光性材料を配置し、導光性材料の奥側の端面を光源からの光が入射する光入射面とし、導光性材料の両側面を光反射面とし、光入射面と対向する、導光性材料の前側の端面を、隣合うミラー扉の間の隙間に臨ませて配置して、光入射面から入射した光を帯状照明光として隣合うミラー扉の間から前方に向かって出射する光出射面としてなることを特徴とするミラーキャビネット。
- 前記導光性材料は導光板であることを特徴とする請求項1に記載のミラーキャビネット。
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