JPWO2016181498A1 - 天井モジュールを備える軌条車両 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に、天井部の製作時間を短縮するとともに、天井の美観を向上できる天井構造が開示されている。この天井構造は、空調ダクト、天井灯、スピーカー等を複数のユニットとするとともに、これらのユニットを屋根構体の下面に形成した支持部に装着するようにしている。そして、各ユニットの下面を同一平面とすることで、平滑な天井面が得られるようにしている。
また、空調装置からの調和空気を客室に供給する調和空気ダクトを低天井部に配備した場合、調和空気ダクトから客室に吹き出される調和空気が、乗客の身体に直接吹き出され、乗客の快適性を損ねる懸念があった。
そこで、本発明の目的は、乗客の快適性を損なうことなく、製作コストを低減し、簡単な作業で組み付けることができ、しかも、快適性に優れ、美観に優れた低天井部を備える軌条車両を提供することである。
なお、軌条車両とは敷設された軌道に沿って運行される車両の総称であり、鉄道車両、モノレール車両、路面電車、新交通システム車両などを含み、以下、こうした軌条車両として鉄道車両の例を挙げて、本発明の実施例を説明する。
図1は、低天井部を備える鉄道車両を含んだ編成列車の概念図である。編成列車1は、先頭車両1aと中間車両1bとから構成されており、先頭車両1aの中間車両1bよりの屋根構体上には、架線2から電力を得る集電装置16が搭載される。また、各車両の屋根構体上には、空気の温度、湿度を調和した調和空気を客室へ供給する空調装置17が搭載されている。
先頭車両1aは、床面7をなす台枠と、台枠の幅方向(枕木方向)の両端部に立設される側構体32と、台枠の長手方向(レール方向)の端部に立設される、図示しない妻構体あるいは先頭構体と、側構体32および妻構体あるいは先頭構体の上端部35に接続する低屋根構体34と、からなる6面体である。屋根構体における高さ方向の端部35により、低屋根構体34の幅方向の両側部に略三角形状の空間が形成される。
台枠6の下面には、床下に装着される各種機器(図1参照)が配備され、これらは台枠6の幅方向端部から垂下する側スカート25により覆われている。
空調装置17は高屋根構体36の上面に設置されており(図1参照)、高屋根構体36内方(下方)の幅方向(枕木方向)中央部には、空調装置17からの調和空気を供給する調和空気ダクト94が設けられている。低屋根部Bの内方には、接続ダクト93を介して調和空気ダクト94に接続され、調和空気を客室に供給する調和空気ダクト80と、調和空気ダクト94に直接接続され、出入り台75の上方空間に供給する調和空気ダクト89とが設けられている。これらの調和空気ダクト94、89は、いずれも先頭車両1aの長手方向に沿う面内に設けられている。
図5に示されるように、低屋根部Bの客室へ送風される調和空気は、空調装置17が設置される高屋根構体36と天井パネル83aとの間に配設される調和空気ダクト94、この調和空気ダクト94に一方の端部が接続される接続ダクト93、そして接続ダクト93の他方の端部に接続される調和空気ダクト80によって供給される。
なお、天井パネル83bは、接続ダクト93と調和空気ダクト94との接続部付近まで高屋根部A側に延びている。また、低屋根構体34及び高屋根構体36の車室側の面には、車内と車外との熱の出入りを抑制する断熱材85が全面にわたって貼付されている。
吹き出し口87は、環状をなす調和空気ダクト80により形成される流路(ダクト)の内側(中心部側)の縁に沿って形成されている。調和空気は、矢印99に示すように、接続ダクト93を流れる調和空気の流れ方向に対し、交差する方向に分岐して調和空気ダクト80に流入する。調和空気は、環状をなす調和空気ダクト80に沿って流れる過程で、略水平方向に、調和空気ダクト80の中央部に向けて吹き出される。
照明装置81は、LED等の光源と、光源から放射された光を拡散する拡散板88を水平方向に備えており、さらに、照明装置81の中央部には放送設備(スピーカ)82(図4参照)が取り付けられている。
拡散板88は、吹き出し口87を構成する水平端部80ecとほぼ平行に配置され、吹き出し口87から吹き出される調和空気を略水平方向に案内する。
まず、垂直片80a、水平片80b、斜片80cからなるチャンネル材と天井パネル83bをアウトワークで接続して、調和空気ダクト80を内蔵する天井モジュール92を製作する。
また、低屋根構体34の下面には照明装置81、放送設備82等が固定されており、拡散板88の下面には、パッキン90bが取り付けられている。
なお、天井モジュール92を製作する際、予め、放送設備82や、照明装置81等を取り付け、これらを一体化してもよい。
側構体32の上端部35と端部斜面34aで囲まれる空間91は、低屋根部Bの範囲であっても高屋根部Aと同じ高さであるため比較的大きな高さを備えており、これを利用して、排気ダクト86、高屋根部Aに配置される調和空気ダクト94から連続して調和空気ダクト89(図3参照)を配設することができる。
さらに、Cチャンネル状の開放流路と天井パネル83bを組み合わせて調和空気ダクト80を製作することにより、低屋根構体34とその下方の天井パネル83bと高さ方向の間隙H2(図4参照)を必要最小限として、低屋根部の天井高さ寸法H1を大きく確保することができる。このため、調和空気の吹き出し口87と乗客との距離が大きくなるので、天井高さを確保して開放感を得られる。しかも、吹き出し風が水平方向に沿って吹き出された後、下方に向かうので、吹き出し風が直接乗客に送風されることによる不快感を低減して、快適性を高めることができる。
図7は、実施例2の高天井部と低天井部の水平断面図(図3に対応)であり、図8は、本実施例の低天井部の幅方向の端部の長手方向に交差する断面図(図7のH−H断面)である。
実施例1と共通する事項については説明を省略し、相違する構成を主に説明する。
調和空気ダクト90の平面視形状は、実施例1と異なるが、開放部を有するCチャンネル部材と天井パネル83bを組み合わせて構成される点、調和空気を水平方向に吹き出して客室内に供給する吹き出し口87を有する点などは、実施例1と同様である。
調和空気ダクト90から内方に向かう吹き出し口87側に拡散板が配置されないので、調和空気ダクト80の吹き出し口87の下流に、調和空気の流れ99を案内する整流板97を配置している。
1b・・・中間車両 2・・・架線
4・・・軌道 7・・・床面
8・・・高床面 10・・・補助電源装置
12・・・主変圧器 14・・・主変換器
15・・・ジェネレータユニット 16・・・集電装置
17・・・空調装置 25・・・側スカート
26・・・トイレユニット 32・・・側構体
34・・・低屋根構体 34a・・・端部斜面
34b・・・水平部
35・・・側構体の上端部(屋根構体の幅方向の端部)
36・・・高屋根構体 37・・・接続板
40・・・座席 71・・・側引戸
75・・・出入り台 85・・・断熱材
86・・・排気ダクト 89・・・調和空気ダクト
80、90・・・調和空気ダクト(低屋根構体)
81・・・照明装置 82・・・放送設備
83・・・天井パネル 84・・・情報表示装置
85・・・断熱材 91・・・空間
92・・・天井モジュール 93・・・接続ダクト
94・・・調和空気ダクト(高屋根構体) 95・・・支持部
96・・・スリット 97・・・整流板
99・・・調和空気の流れ
A・・・高屋根部(一般部) B・・・低屋根部
H1・・・低屋根部天井高さ H2・・・高屋根部天井高さ
H3・・・低屋根部天井スペース H4・・・床面高さ
Claims (7)
- 温湿度を調和した調和空気を生成する空調装置と、
前記調和空気を車内へ供給するダクトと、
を備える軌条車両において、
前記ダクトは、
前記軌条車両の屋根構体下方に配置される天井パネルに向けて開放面を有するチャンネル材と、
前記開放面を覆うように配設される天井パネルと、
から構成されており、
前記ダクトは、
前記ダクト内を流れる前記調和空気の流れ方向に交差するとともに略水平方向に前記調和空気が吹き出される吹き出し口を、前記チャンネル材と前記天井パネルとの間に設けたこと
を特徴とする軌条車両。 - 請求項1に記載された軌条車両において、
前記ダクトは、俯瞰した前記ダクトの形態が環状、あるいは、略長方形状であること
を特徴とする軌条車両。 - 請求項1に記載される軌条車両において、
前記チャンネル材と前記屋根構体下方の天井パネルとを一体化して、天井モジュールとしたこと
を特徴とする軌条車両。 - 請求項1に記載される軌条車両において、
前記吹き出し口の下流に、前記吹き出し口から吹き出される前記調和空気を案内する整流板が配置されていること
を特徴とする軌条車両。 - 請求項3に記載される軌条車両において、
前記ダクトの内方であって、前記吹き出し口の下流に配置される照明装置と、
前記照明装置から照射される光を拡散する拡散板と、が備えられており、
前記拡散板を前記整流板とすること
を特徴とする軌条車両。 - 請求項3に記載される軌条車両において、
前記天井モジュールが、照明装置と、放送設備とを合わせて一体化したものであること
を特徴とする軌条車両。 - 請求項1に記載される軌条車両において、
前記ダクトを構成する前記天井パネルに、前記調和空気の一部を下方に吹き出すスリットが備えられること
を特徴とする軌条車両。
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