JPWO2016159226A1 - クリーンベンチ機能付きインキュベータおよびインキュベータシステム - Google Patents
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Abstract
Description
110 ボックス
111 開口部
114 第1のフック
116 殺菌灯
117 密閉扉
118 内扉
119 操作カバー固定穴
120 第3の弾性部材
121 第2の弾性部材
122 第1の弾性部材
136 操作カバー
140 濃度制御部
160 温度制御部
170 二酸化炭素ボンベ
180 窒素ボンベ
190 窒素ガス生成装置
300 円形固定具
図12A―12Dを参照して、操作カバー136を操作カバー固定穴119に取り付ける手法について説明する。図12Aを参照すると、まず、操作カバー136を円形固定具300の内周に通す。次に、図12Bを参照すると、操作カバー136の口を裏返し、円形固定具300の外周から円周固定具300を覆う。次に、図12Cを参照すると、円形固定具300が取り付けられた操作カバー136を、円形固定具300を開きながら、フランジ132に被せる。次に図12Dを参照すると、作業者が円形固定具300から手を離すと、円形固定具300が閉じ、フランジ132と係合する。これにより、操作カバー136及び円形固定具300が操作カバー固定穴119に取り付けられる。なお、円形固定金具の形状は、図11に示される形状に限定されず、材質も金具でなくても良い。ガス滅菌あるいはアルコール滅菌が可能であれば、袋物の口紐の開閉時に用いられるコードストッパーのような器具の付属したシリコーンゴム製あるいは布製などの紐状で円形形状が可能なもの等でもよい。操作カバー136において、フランジ132に取り付けられる端部の大きさは、他方の端部よりも大きい。すなわち、操作カバー136は、内扉118側から先端に向かうにつれて先細りとなる方が好ましい。クリーンベンチとしてクリーンベンチ機能付きインキュベータ100を使用するとき、フランジ132に操作カバー136が取り付けられ、作業者は、先端が切断されていない滅菌済みグローブをはめた手を、先端を切断した筒状のグローブや腕カバーの操作カバー136に挿入する。前述のように、操作カバー136が先細りとなっているため、手に装着した先端が切断されていないグローブと、操作カバー136とが密着し、手に装着した先端が切断されていないグローブと、操作カバー136との間を気体が流れにくくなる。ボックス110がグローブボックスとして使用されていないとき、操作カバー136の他端は第1のフック114に掛け置かれうる。操作カバー136の他端が第1のフック114に掛け置かれると、操作カバー136が重力により折れ曲がる。これにより、操作カバー136の内部を介してボックス110内部に気体が流入、またはボックス110外部に気体が流出しにくくなる。
まず、フランジ132に操作カバー136が取り付けられ、殺菌灯116が点灯され、あるいはアルコール消毒が行われてボックス110内部が滅菌される。その後、作業者は、濃度制御部140から二酸化炭素ガスおよび窒素ガスを流入させるとともに、手動弁184を解放して、窒素ボンベ180から窒素ガスをボックス110内部に流入させる。これにより、多量の窒素ガスがボックス110内部に流入し、ボックス110内部の圧力が大気圧と比較して陽圧になり、ボックス110内部に雑菌を含む大気が流入することを防止する。この状態を維持しながら、作業者は内扉118あるいは操作カバー固定穴119の膜134の下方あるいはスリット135から培養容器や器具・試料をボックス110内部に出し入れする。試料は、例えば細胞等である。培養容器や器具・試料の入った容器がボックス110内部に格納された後、内扉118あるいは操作カバー固定穴119が閉じられ、殺菌灯116を点灯し、手動弁184を閉じて、準備作業中の庫内滅菌をする。この準備作業中に、試料に培養液を供給・排出する管が、内扉118と第1の溝127a−127dとの間に通される(図5参照)。そして、作業者は、作業時に、また、手動弁184の開放、殺菌灯116の消灯を行い、先端の切断されていない滅菌済みグローブをはめた手を、操作カバー136に挿入し、試料や培地などを操作する。操作終了後、作業者は、手に装着したグローブの培地および試料などに触れた指の部分がグローブの手の平部分に来るように、グローブのまま握り拳を作り、手の甲の部分が上に来るようにして、操作カバー136の端付近をフック114に指が触れないように腕や肘を動かして引掛け、操作カバー136の内側周囲に、培地および試料などに触れた手に装着したグローブの指の部分が付着しないように気をつけながら、手に装着したグローブごと引き抜く。そして、手に装着したグローブをボックス100の外で新しい滅菌済みグローブと交換した後、操作カバー固定穴119をアルコール滅菌した栓133で閉じ、殺菌灯116を点灯し、手動弁184を閉じる。
クリーンベンチ作業時には、作業開始直前に手動弁184を解放し、多量の窒素ガスがボックス110内部に流入した状態で、内扉118の開閉の時間や幅、頻度を最小限に留め、主に、操作カバー固定穴119に設置した膜134の下方あるいはスリット135からの培養容器や器具・試料の入った容器の出し入れをする。これにより、クリーンベンチとして使用時のボックス110内部の酸素や二酸化炭素の濃度や温度の変化が最小限に抑えられる。
なお、培養容器や器具・試料の入った容器の出し入れの際の容器の持ち方も、同様に、手に装着したグローブの指の部分が内側になるようにグローブのまま握り拳様の状態で持って出し入れするか、あるいは、茶道で抹茶をいれる棗などの容器を持つ時の様に、手の甲の部分が弧を描くように上から容器や器具を持って、膜134の下方あるいはスリット135から、操作カバー136を通って、ボックス110の内部に設置する。また、ボックス110の外に手に装着したグローブと一緒に器具や容器を出す時は、操作カバー136の端付近をフック114などに指先を使わずに腕や肘を動かして引っ掛けて、同様の手つきで作業を行う。
また、もし、培養操作終了時などに、手に装着したグローブをボックス100から引き抜く際に、操作カバー136の内側に、培地および試料などに触れたグローブの手指の部分が付着した場合や、その可能性のある場合、長期の培養時などは、殺菌灯116を点灯して殺菌後、新しい滅菌済みのグローブを装着して、再度、手動弁184を開放し、培地および試料などに触れたグローブの手指に接触していない方(片側)の操作カバー136の固定穴119および操作カバー136から、新しい滅菌済みのグローブを装着した手を庫内に入れ、培地および試料などに触れたグローブの手指に接触した方の操作カバー136をフランジ132に固定していた円形固定具を外して、事前に、ボックス110の庫内に用意して置いた滅菌済みの新しい操作カバー136などと交換する。なお、膜134およびそのスリット部分135に付着した場合も、同様に、固定金具134aを外して滅菌済みの新しい膜134に容易に交換が可能である。従来のグローブボックスでは難しかった作業中のあるいは培養を継続しながらのグローブ交換が容易であるだけでなく、膜134や操作カバー136などボックス110の庫内から内扉の外までの器具や試料容器などの通る全ての経路での交換が可能になっている。
前述の構成は一例で、培養条件により、培養液を供給・排出する管が不要な場合や、酸素や二酸化炭素濃度が大気圧に近い状態や、出し入れの時間や頻度が少ない作業時などは、操作カバー136が不要で、固定穴119に設置した膜134やスリット135と、手動弁184の開放による多量の窒素ガスのボックス110への流入だけで充分な場合もある。
まず、フランジ132に先端を切断していないグローブが操作カバー136として操作カバー固定穴119に取り付けられ、殺菌灯116が点灯され、アルコール消毒が行われてボックス110内部が滅菌される。手動弁184を解放して、窒素ボンベ180から多量の窒素ガスをボックス110内部に流入させる。そして、殺菌灯116を消灯し、ボックス110内に培養容器や器具・試料が置かれた後に、内扉118あるいは操作カバー固定穴119の栓133が閉じられ、培養対象に影響がない場合は殺菌灯116を点灯し、手動弁184を閉じる。培養容器や器具・試料設置時に、試料に培養液を供給・排出する管が、内扉118と第1の溝127a−127dとの間に通される(図5参照)。培地の灌流が不要な場合は、この培養液を供給・排出する管を通さない場合もある。
培養開始前や培養後の内扉118の開閉時には、手動弁184を解放したままで多量の窒素ガスをボックス110内部に流入した状態で、内扉118の開閉の時間、幅、頻度を最小限に抑えることにより、前述のように二酸化炭素および酸素の濃度や温度が保たれる。この状態を維持しながら、作業者は、作業時に殺菌灯116を消灯し作業を行う。他方、気相による外部への流出を避けたい細菌や人体への影響が懸念される試薬などを扱う場合には、封入密閉容器から試料や試薬を取り出す際は、手動弁184は閉じたままで、後述の第一の作業チャンバー220とボックス110の気相の交換ポンプ154のスイッチを止めて遮断し、先端を切断していないグローブ136の外側からボックス110内部での作業を行い、作業後に殺菌灯116を点灯し、ボックス110内部を殺菌する。このとき、試料や試薬を封入した容器をボックス110内への設置や内扉118への培地の供給・排出する管の設置と、庫内の殺菌灯116による容器外側の滅菌までの操作は、前述の作業と同様である。
これにより、培地交換の際、本装置100の内扉118や固定穴119を開閉することなく、酸素・二酸化炭素分圧や温度などの培養環境を維持しながら培地の灌流を行い、装置100の外部からの培地の補充および排出が可能となる。
さらに作業者の安全が心配な場合などは、先端の切断されていない滅菌済みグローブをはめた手を、ボックス110に固定された先端を切断していないグローブ136に挿入し、先端を切断していないグローブの二重グローブ構造として試料を操作する事も可能である。
Claims (23)
- 密閉および開放可能なボックスと、
複数の種類の気体を前記ボックスに供給する気体供給部と、
前記ボックス内における前記複数の種類の気体の濃度を制御する濃度制御部と、
前記ボックス内の温度を制御する温度制御部と、
を備える、クリーンベンチ機能付きインキュベータ。 - 前記ボックスは開口部を有し、前記開口部全体を塞ぐ内扉と、前記内扉に設けられた操作カバーとをさらに備える請求項1に記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記内扉は、前記操作カバーが取り付けられる操作カバー固定穴をさらに備える請求項2に記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記ボックスは開口部を有し、前記開口部全体を塞ぎ、かつ前記ボックスの内部を外気から遮断する密閉用扉を備える請求項1から3のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記ボックスの外部から内部に管を引き込むライン導入部をさらに備える請求項1から4のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記ボックスは、
開口部と、
前記開口部全体を塞ぐ内扉と、
前記開口部全体を塞ぎ、かつ前記ボックスの内部を外気から遮断する密閉用扉と、
前記内扉と前記開口部との間および前記密閉用扉と前記開口部との間に設けられる弾性部材とを備え、
前記弾性部材は、前記弾性部材の幅方向に延びる溝を有し、
前記溝は、前記ボックスの外部から内部に管を引き込むライン導入部を成す請求項1から5のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。 - 前記ボックスは、
開口部と、
前記開口部全体を塞ぐ内扉と、
前記開口部全体を塞ぎ、かつ前記ボックスの内部を外気から遮断する密閉用扉と、
前記内扉と前記開口部との間であって前記ボックスに取り付けられる第1の弾性部材と、
前記密閉用扉と前記開口部との間であって前記密閉用扉に取り付けられる第2の弾性部材と、
前記密閉用扉と前記開口部との間であって前記ボックスに取り付けられる第3の弾性部材とを備え、
前記第1の弾性部材、前記第2の弾性部材、および前記第3の弾性部材は、前記弾性部材の幅方向に延びる第1の溝、第2の溝、および第3の溝を各々有し、
前記第1の溝、前記第2の溝、および前記第3の溝は、前記ボックスの外部から内部に管を引き込むライン導入部を成す請求項1から6のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。 - 前記第1の溝、前記第2の溝、または前記第3の溝に沿って延びる直線が、隣接する他の溝の端部と交わらないように、前記第1の溝、前記第2の溝、および前記第3の溝の位置が決定される請求項7に記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記複数の種類の気体は酸素ガスを含む請求項1から8のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記複数の種類の気体は二酸化炭素ガスを含み、前記気体供給部は二酸化炭素ボンベを備える請求項1から9のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記複数の種類の気体は窒素ガスを含み、前記気体供給部は窒素ガスを生成する装置または窒素ボンベを備える請求項1から10のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記複数の種類の気体は酸素ガスおよび二酸化炭素ガスを含み、前記濃度制御部は、前記酸素の濃度を25%以下に制御し、前記二酸化炭素の濃度を20%以下に制御する請求項1から11のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記複数の種類の気体は窒素ガスを含み、前記クリーンベンチ機能付きインキュベータがクリーンベンチとして使用されるとき、前記ボックスの内部が外部に対して陽圧となるように前記気体供給部が前記ボックス内へ窒素ガスを供給し、前記クリーンベンチ機能付きインキュベータがインキュベータとして使用されるとき、前記気体供給部が前記ボックスへ窒素ガスを供給しない、請求項1から12のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記温度制御部は、前記ボックス内の温度が摂氏4度以上50度以下の範囲となるように制御する請求項1から13のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記ボックスは開口部を有し、前記開口部全体を塞ぐ内扉と、前記内扉に設けられた操作カバーと、前記ボックスの内部に設けられ、前記操作カバーを引っかけることが可能なフックとをさらに備える請求項1から14のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記フックは、前記ボックスの内側側面から突出し、内側背面に向けて湾曲する棒状部材である請求項15に記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 前記ボックスの内側に設けられた殺菌灯をさらに備える請求項1から16のいずれかに記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
- 請求項1に記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータと、
前記クリーンベンチ機能付きインキュベータ内部よりも低い温度に内部温度を保つ低温チャンバーと、
前記低温チャンバー内に設けられる作業チャンバーと、
前記作業チャンバー内部の気体の濃度を制御する気体制御部とを備えるインキュベータシステム。 - 前記濃度制御部は、前記クリーンベンチ機能付きインキュベータの内部に含まれる気体の成分と同じになるように、前記作業チャンバーの内部に含まれる気体の成分を制御する請求項18に記載のインキュベータシステム。
- 前記濃度制御部は、前記クリーンベンチ機能付きインキュベータの内部に含まれる気体を、前記作業チャンバーの内部に含まれる気体と交換する請求項19に記載のインキュベータシステム。
- 前記気体制御部は、前記作業チャンバー内における前記複数の種類の気体の濃度を制御する請求項18に記載のインキュベータシステム。
- 前記気体制御部は、前記クリーンベンチ機能付きインキュベータの内部に含まれる気体の成分と異なるように、前記作業チャンバーの内部に含まれる気体の成分を制御する請求項21に記載のインキュベータシステム。
- 前記操作カバーは、円形固定具を用いて操作カバー固定穴に取り付けられ、前記円形固定具は2つの半円環を備え、前記2つの半円環の一方の端部どうしは、互いに旋回可能となるように接続され、前記2つの半円環の他方の端部は引っ張りバネで繋がれる請求項3に記載のクリーンベンチ機能付きインキュベータ。
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