JP2017099622A - 無菌材料移送方法 - Google Patents

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誠一 横尾
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Abstract

【課題】無菌環境を維持したままでの物資の移送を実現できる無菌材料移送方法のを提供。【解決手段】無菌材料を無菌空間150の外部と内部の間で移送する際に、隣接する薬液貯留部1に殺菌薬液を貯留して、無菌空間150の外部と内部の間を無菌に封止すると共に、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように無菌材料を浸漬させることで、無菌空間150を汚染せずに無菌空間150の内部と外部の間で無菌材料を移送する、無菌材料移送方法。【選択図】図1

Description

本発明は、無菌材料移送方法に関する。
特許文献1は、フロースルー気相除染装置を開示する。同装置は、除染のために装填物を受容するアイソレーションチャンバーを規定する少なくとも1つのアイソレーターユニットを備え、かつ、少なくとも1つのアイソレーターユニットに一体的に連結された気相除染剤生成システムを備える。気相除染剤発生システムはキャリアガスと気化されたH22のような除染剤との組合せをアイソレーションチャンバーに注入する1つ以上の気化器を備える。送風機は、キャリアガスを1つ以上の気化器を介して除染剤気体の補給のために再循環させる。あるいは、自動化装填システムは容器の無菌的な装填のためにアイソレーションチャンバー中で提供される。コンベヤシステムは、容器アイソレーションチャンバーの中へ、そして外へ輸送する。除染装置は除染操作を制御するために電子制御システムを備える。
特表2001−518816号公報
本開示の第1側面にかかる無菌材料移送方法は、無菌材料を無菌空間の外部と前記無菌空間の内部との間で移送する際に、薬液貯留部に殺菌薬液を貯留して、前記無菌空間の外部と前記無菌空間の内部との間を無菌に封止すると共に、前記殺菌薬液に前記無菌材料の表面全体が接触するように前記無菌材料を浸漬させることで、前記無菌空間を汚染せずに前記無菌空間の外部と前記無菌空間の内部との間で前記無菌材料を移送する。
図1は、第1実施形態の無菌材料移送装置の概略構成の一例を示す模式図である。 図2は、第1実施形態の第1変形例にかかる無菌材料移送装置の概略構成の一例を示す模式図である。 図3は、第1実施形態の第2変形例にかかる無菌材料移送装置の概略構成の一例を示す模式図である。 図4は、実施例にかかる無菌材料移送方法を示す図であって、無菌空間と薬液貯留部とを用意するステップを示す図である。 図5は、実施例にかかる無菌材料移送方法を示す図であって、無菌空間と薬液貯留部とを接合するステップを示す図である。 図6は、実施例にかかる無菌材料移送方法を示す図であって、薬液貯留部に殺菌薬液を貯留して、無菌空間の外部と無菌空間の内部との間を無菌に封止し、かつ、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように無菌材料を浸漬させるステップを示す図である。 図7は、実施例にかかる無菌材料移送方法を示す図であって、表面が滅菌された無菌材料を薬液貯留部から無菌空間へと移動させるステップを示す図である。
本発明者は、再生医療等において必要となる小規模な細胞培養を効率的に行う方法について鋭意検討した。その結果、以下の知見を得た。
まず、異分野の技術を含め、従来から存在する構成について本発明者が独自の視点から検討した結果を示す。なお、以下の内容は本発明者独自の検討結果であり、検討結果が従来技術であること、および、これらの内容が当業者において本開示と何らかの関連性を有すると認識できるものであること、を意味するものではない。また、以下の内容はあくまで本開示の理解を助けるために記載されるものであり、本開示を限定するものではない。
手術室、医薬品および医療機器の製造所では、塵に付着した菌体のほか、空気中を浮遊する真菌の胞子等により、患部および製造物等が汚染され患者に感染症をもたらすため無菌性が要求される。そのため外部環境より隔絶された無菌環境が望まれる。
食品製造用途でも異物、病原菌等の汚染物が混入する可能性を排除するために、外部環境より隔絶された無菌環境が構築されることがある。
さらに、放射性物質、毒劇物、および遺伝子組み換え生物等の拡散を防ぐ目的でも、外部環境より隔絶された環境が構築されうる。
外部への拡散が極めて危険な感染症に罹患した患者や動物の搬送および治療において、外部環境より隔絶された環境が構築されることもある。
外部環境より隔絶された無菌環境を構築する手段として無菌箱が挙げられる。しかし無菌箱は無菌環境を構築し維持できるが、維持のためには外部環境から閉鎖され続ける必要がある。そのため物資の搬入および搬出の際に外部環境と接続する必要があり、その度に無菌箱内を滅菌する必要があった。
クリーンベンチはフィルターを通して局所的な作業空間に清浄な空気を送り続けることにより外部環境の汚染された空気を排除することができる。一度構築した無菌環境を維持したままで作業が可能であることから、無菌箱より便利である。しかし外部より持ちこんだ資材表面や作業者の手等は汚染されているため、無菌環境が損なわれるリスクを完全には排除できない。また作業者が適切な無菌操作を行わないと、送り続けられている清浄な空気の流れが乱され、外部の汚染された空気が侵入し、無菌環境を維持することができない。そのためクリーンベンチ内の無菌環境は外部環境の清浄度の影響を受ける。
外部環境の清浄度を向上させる手段としてクリーンルームが設置されることがある。クリーンルームを構築する場合、建屋内で閉鎖した区画に対し、エアフィルターを通じて無塵の清浄な空気を送り込み、当該区画の気圧を外部の区画の気圧より高くすること(陽圧)で、塵、菌体、真菌の胞子等の汚染物の侵入を防ぐ。
クリーンルーム内で作業を行う際、多くは作業者である人間が立ち入る。作業者の体調を維持するために冷暖房による温度管理や湿度の維持が必要である。
作業者は汚染された塵の発生源である。普段外部環境で活動する全ての人間の表面と内部には多数の細菌、真菌、真菌の胞子、Demodex folliculorum等のダニが付着または活動しているほか、ハウスダスト等の塵、および、皮膚の角質および皮脂等人間そのものに由来する塵等が発生する。そのためクリーンルームに人間が立ち入る際には、クリーンルーム内の清浄度を保つために、無塵衣、無菌衣、マスク、帽子、手袋等を装備し汚染物の飛散を防護する必要がある。
作業員が無塵衣、無菌衣、マスク、帽子、手袋等を装備するために男女別の更衣室が必要とされる。緊急時に備え非常口を設置する必要もある。クリーンルームへの作業員の入退室および原材料の出し入れの際には、汚染物質の侵入を防ぐためにエアシャワー等を設置した二重扉の出入り口またはパスボックス等が必要となる。
特に無塵が強く要求される半導体工場等のクリーンルームでは内部で使用する用具の中にも塵を発生させるものがある(例えば、鉛筆等の筆記用具)。記録用の紙も塵を発生させる恐れかあるので、塵が発生しない無塵紙を使用する場合もある。
更にクリーンルーム内の清浄環境が当初の計画通り構築維持されているかモニタリングを行い、または確認する必要がある。異常があればクリーンルームの清浄環境を再構築する必要がある。
クリーンルームの清浄な環境を構築するためには、塵を発生させない清掃用具を使った高度な清掃が必要である。所望の清浄度が達成されるまで清浄な空気を送り込む他、ホルマリン、過酢酸、および過酸化水素等の除染剤の噴霧を行い、無菌検査を行うことで、除染を達成する必要がある。
このようにクリーンルームの設置と運営は多大な設置コストと高い専門性を伴う労力を必要とする。そのため部屋全体をクリーンルームとするのではなく、無菌性が求められる局所的な作業区域を設定し、当該区域への作業員の立ち入りを不要とするアイソレータシステム、および、アクセス制限バリアシステム:ラブス(Restricted Access Barrier System : RABS)等の先進的な無菌操作法関連技術の導入が進んでいる。
先進的な無菌操作法関連技術では、汚染の発生源である作業者から物理的に隔離された空間に対し除染を行い、高度に清浄化した環境を達成し維持する。
たとえば、アイソレータ技術がある(特許文献1:特表2001−518816号公報)。無菌操作が必要な作業スペースは作業員から隔離されている。製造装置類は隔離されたアイソレータ内に存在し、グローブを介して作業員が操作出来る。そのため無菌区域に汚染原因である作業員が出入りする必要がない。内部は清浄な空気が絶えず送り込まれ陽圧を保っている。万が一製造中にグローブにピンホール等が発生しても内部の陽圧清浄空気により外部からの汚染物を侵入させない。またアイソレータの壁に微細な隙間があっても、内部が陽圧であるため、外部からの汚染物質の侵入を防ぐことができる。部屋全体を無菌化するクリーンルームと比較して無菌環境を大幅に縮小でき、コストや労力の軽減を図ることができる。
また特表2001−518816号公報で示されるアイソレータが遠心分離機、顕微鏡、培養器等多数の機器類を内包しているのに対し、これら複数の機器類を必要なものだけを連結可能とし、更なる汎用性とコストの低減を目指した細胞培養処理システムがある(特許文献2:特開2012−147685)。
更に人件費を低減させ、均一な再生医療製品を製造するための自動培養装置が複数開発されている(特許文献3:国際公開第2004/011593号パンフレット(図2)、特許文献4:特開2008−54690号公報(図1)、特許文献5:特開2009−291104)。
他の先進的な無菌操作法として使用されるアイソレータとして特開2015−064164号公報(特許文献6)で示される乾燥気体供給手段と除染ガスを供給する配管を共通化するアイソレータがある。
しかしながら、アイソレータおよび自動培養装置等により、クリーンルームと比較してコストや労力が軽減されても、アイソレータおよび自動培養装置等は依然として高額な機器であり、更なる導入コストと維持コストの低減が望まれる。
更にアイソレータは閉鎖されているが完全に密閉された空間ではない。そのため内部を陽圧管理することで外部からの汚染物の侵入を防いでいる(非特許文献1:無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課事務連絡 平成23年4月20日)。そのため外部の清浄度に影響される可能性があり、清浄度レベルグレードD以上(非特許文献1:厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課、『「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」の改訂について』、事務連絡平成23年4月20日、55頁;非特許文献2:第16改正日本薬局方、表1「無菌医薬品製造のための空気清浄度」、2047頁)のクリーンルームに設置することとされており、アイソレータの設置においてもクリーンルームの設置が求められている。
大量生産される工業品は規格の均一化が可能であり、大量の製造物から成る製造ロットごとに安全性を担保する試験を行うことができる点で、スケールメリットが存在する。しかしながら、個別化医療に該当する再生医療等において、同一ロットの製造物を使用できる患者は1人またはごく少数である。このため安全性を担保するには、製造物(移植材料等)に対して個々に安全性を担保するための試験が必要であり、スケールメリットが存在しない。血小板および角膜内皮等、拒絶反応がなく大量生産が将来可能になることが期待されている組織もある。しかし、動物から採取した細胞の分裂回数は有限であることから、やはり小ロットでの生産となる。
また大量生産が可能な医薬品および医療機器においても、希少疾患を対象とする場合は対象患者が少ないため、クリーンルーム等の先進的な無菌操作法を用いると製造に必要な投資を回収できない。そのため多くの希少疾患について、有効と考えられる医薬品候補があっても積極的な開発を行うことができていない。
このような希少疾患向けの医薬品、即ちオーファンドラッグもスケールメリットが存在しないため、現在の先進的な無菌操作法でもってしても製品が高額となる。小ロットまたは個別化医療が実施可能となるように、大量生産に対応する能力は低くても更なるコスト削減が可能な技術が求められる。
個別化医療および希少疾患医薬品をはじめとする、無菌環境で製造する必要があるものの大量生産による低コスト化等が困難な製品ないし材料を、低コストで製造または加工可能な無菌環境を提供することが求められる。
上記課題を達成するため、本発明者は鋭意検討の結果、気密性が実現可能で最も安価であり、外部から内部環境を操作できるな無菌箱に、簡便かつ容易に極めて短時間で表面滅菌可能なパスボックスを備え付けることによって、無菌箱で問題となる、無菌環境を維持したままでの物資の移送を実現できることを着想した。すなわち液体の殺菌剤で滅菌可能な殺菌剤浸漬式パスボックスを設置することにより滅菌時間を10分に短縮できる。これにより無菌箱で達成できなかった内部環境を無塵および無菌環境に保ったまま資材を搬入ないし排出することができる。
本開示は殺菌剤浸漬式パスボックスにより安価な無菌箱をはじめとする無菌環境について、短時間に資材または製品または廃棄物を搬入または搬出できる。本開示により多品種小ロットの医薬品および再生医療等製品を低コストで製造可能になることが期待される。
なお、上述の説明では医薬品、再生医療等製品、小ロットの製品等について説明したが、本開示は他の製品についても適用可能である。また、本開示において無塵環境の構築ないし維持は必須とされなくてもよい。
以下、添付図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、以下の実施形態はあくまで一例であり、本開示を限定するものではない。
以下で説明する実施形態は、いずれも本開示の望ましい一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、あくまで一例であり、本開示を限定するものではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より望ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状及び寸法比等については正確な表示ではない場合がある。また、製造方法においては、必要に応じて、各工程の順序等を変更でき、かつ、他の公知の工程を追加できる。
(第1実施形態)
第1の無菌材料移送方法は、無菌材料を無菌空間の外部と無菌空間の内部との間で移送する際に、無菌空間に隣接する薬液貯留部に殺菌薬液を貯留して、無菌空間の外部と無菌空間の内部との間を無菌に封止すると共に、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように無菌材料を浸漬させることで、無菌空間を汚染せずに無菌空間の外部と無菌空間の内部との間で無菌材料を移送するものである。
第2の無菌材料移送方法は、第1の無菌材料移送方法であって、無菌空間の外部および薬液貯留部を接続する第1移送部を開放させると共に、無菌空間の内部および薬液貯留部を無菌に接続する第2移送部を封止し、その後、無菌空間の外部から薬液貯留部へと無菌材料を収容し、その後、第1移送部を封止して薬液貯留部を殺菌薬液で完全に満たすことで、無菌空間の外部と無菌空間の内部との間を無菌に封止すると共に、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように無菌材料を浸漬させて無菌材料の表面全体を滅菌し、その後、第1移送部を封止すると共に第2移送部を開放し、その後、薬液貯留部から無菌空間へと無菌材料を取り出すものである。
第3の無菌材料移送方法は、第2の無菌材料移送方法であって、薬液貯留部において殺菌薬液に無菌材料を浸漬させ、その後、薬液貯留部に残留する空気を吸引することで、薬液貯留部を殺菌薬液で完全に満たすものである。
第4の無菌材料移送方法は、第2の無菌材料移送方法であって、無菌空間の外部から薬液貯留部へと無菌材料を収容した後に、薬液貯留部に薬液貯留部を注入することで、薬液貯留部を殺菌薬液で完全に満たすものである。
第5の無菌材料移送装置は、無菌空間の外部と無菌空間の内部との間で無菌空間を汚染せずに無菌材料を移送する無菌材料移送装置であって、無菌空間に隣接され、殺菌薬液が貯留されると、無菌空間の外部と無菌空間の内部との間を無菌に封止し、かつ、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように無菌材料を浸漬可能となる、薬液貯留部と、無菌空間の外部と薬液貯留部との間を、無菌材料を移送可能に接続する、第1移送部と、無菌空間の内部と薬液貯留部との間を、無菌材料の表面全体の無菌状態を維持したままで無菌材料を移送可能に接続する、第2移送部とを備えるものである。
第6の無菌材料移送装置は、第5の無菌材料移送装置であって、第1移送部と第2移送部とを封止した状態で薬液貯留部から空気および殺菌薬液の少なくともいずれか一方を含む流体を排出するための流体排出部を備えるものである。
第7の無菌材料移送装置は、第6の無菌材料移送装置であって、第1移送部と第2移送部とを封止した状態で薬液貯留部に殺菌薬液を注入する薬液注入部を備えるものである。
第8の培養装置は、第5ないし7のいずれかに記載の無菌材料移送装置と、無菌空間としての無菌操作室と、を備え、無菌材料が細胞である。
第9の無菌操作装置は、第5ないし7のいずれかに記載の無菌材料移送装置と、無菌空間としての無菌操作室と、を備える。
図1は、第1実施形態の無菌材料移送装置の概略構成の一例を示す模式図である。以下、図1を参照しつつ、第1実施形態の無菌材料移送方法および無菌材料移送装置について説明する。
第1実施形態の無菌材料移送方法では、無菌材料を無菌空間150の外部と無菌空間150の内部との間で移送する際に、無菌空間150に隣接する薬液貯留部1に殺菌薬液を貯留して、無菌空間150の外部と無菌空間150の内部との間を無菌に封止する(ステップA)。また、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように無菌材料を浸漬させる(ステップB)。そして、無菌空間150を汚染せずに無菌空間150の外部と無菌空間150の内部との間で無菌材料を移送する(ステップC)。
薬液貯留部1は、無菌空間150に隣接する。薬液貯留部1は、無菌空間150の内部と無菌空間150の外部との間に配設される。
「薬液貯留部1に殺菌薬液を貯留して、無菌空間150の外部と無菌空間150の内部との間を無菌に封止する」とは、薬液貯留部1に殺菌薬液を貯留することにより、薬液貯留部1よりも無菌空間150に近い側へと薬液貯留部1を通じて雑菌等が侵入できないようにすることを言う。
「無菌材料の表面全体が接触する」とは、無菌材料の表面のうち、無菌空間150に導入した場合に無菌空間150の内部空間に暴露される表面、の全部に殺菌薬剤が接触することをいう。かかる接触が実現されるように無菌材料を浸漬させることで、無菌材料の表面が滅菌される。
ステップAとステップBとを実行する順序は特に限定されない。ステップA、ステップBの順に実行されてもよい。ステップB、ステップAの順に実行されてもよい。ステップAとステップBとが同時に実行されてもよい。ステップCはステップAおよびステップBのいずれよりも後に実行することができる。
具体的には、ステップAおよびステップBの操作を、薬液貯留部1への殺菌薬液の供給を開始するステップ(ステップ1)、薬液貯留部1への殺菌薬液の供給を完了して無菌空間150の外部と無菌空間150の内部との間の封止を完成するステップ(ステップ2)、薬液貯留部1へ無菌材料を導入するステップ(ステップ3)、殺菌薬液に無菌材料の全体を浸漬させるステップ(ステップ4)の4つに分けた場合に、それぞれのステップの順番は特に限定されない。ただし、ステップ2はステップ1の後に行われる。また、ステップ4はステップ3の後に行われる。さらに、ステップ4はステップ1の後に行われる。
薬液貯留部1への殺菌薬液の供給を開始(ステップ1)した後に、薬液貯留部1に無菌材料が導入(ステップ3)されてもよい。このとき、ステップ1、ステップ2、ステップ3、ステップ4がこの順に実行されてもよい(第1のフロー)。あるいは、ステップ1、ステップ3、ステップ4、ステップ2がこの順に実行されてもよい(第2のフロー)。あるいは、ステップ1、ステップ3、ステップ2、ステップ4がこの順に実行されてもよい(第3のフロー)。
薬液貯留部1へ無菌材料が導入(ステップ3)された後に、薬液貯留部1への殺菌薬液の供給が開始(ステップ1)されてもよい。このとき、ステップ3、ステップ1、ステップ2、ステップ4がこの順に実行されてもよい(第4のフロー)。あるいは、ステップ3、ステップ1、ステップ4、ステップ2がこの順に実行されてもよい(第5のフロー)。
ステップ4およびステップ2がこの順に行われる場合(第2のフロー、第5のフロー)において、薬液貯留部1への殺菌薬液の供給により実行されてもよいし、薬液貯留部1からの余剰な空気の強制排出により実行されてもよい。
ステップ2およびステップ4がこの順に実行される場合(第1のフロー、第3のフロー、第4のフロー)は、例えば、薬液貯留部1と無菌空間150との間に蓋および仕切り板等を設けることなく、殺菌薬液が無菌空間150に直接露出することで、無菌空間150を外部から無菌に封止し、殺菌薬液を薬液貯留部1に貯留したままの状態で無菌空間150の滅菌が行われる態様とすることができる。無菌材料は、殺菌薬液を通って無菌空間150へと移送される。この場合、薬液貯留部1の内部での無菌材料の移動は、薬液貯留部1の内部に設けられて無菌空間150の外部から回転可能に構成された回転テーブルを用いて実行されてもよいし、無菌空間150の壁に設けられたグローブを用いて実行されてもよい。
図1に例示するように、第1実施形態の無菌材料移送装置100は、薬液貯留部1と、第1移送部10と、第2移送部20とを備えている。第1実施形態の無菌材料移送装置100は、無菌空間150の外部と無菌空間150の内部との間で無菌空間150を汚染せずに無菌材料を移送するためのものである。なお以下に述べる変形は、第1変形例、第2変形例、第3変形例、実施例についても適用可能である。
無菌空間150は、当該空間内部での操作(培養、分解、抽出等)の対象となる細胞等を除き、その他の雑菌等が存在しないようにコントロールされた空間である。無菌空間150は、具体的には例えば、再生医療に用いられる細胞および組織の少なくともいずれか一方を培養する空間、希少疾病を対象とする医薬品(オーファンドラッグ)を無菌状態で製造するためのシステムを格納する空間等とすることができる。医薬品としては、例えば、抗体医薬、バイオ製剤等とすることができる。
無菌空間150は、外部の空間から雑菌およびウイルス等が侵入しないように隔離されている。無菌空間150は、具体的には例えば、完全に密封されていてもよいし、フィルタ等により気体分子の出入りが可能となるように封止されていてもよい。フィルタとしては、通過した空気が無菌状態となるフィルタ(以下、「無菌フィルタ」)とすることができ、具体的には例えば、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ、シリンジフィルタ、メンブランフィルタ等を使用することができる。無菌フィルタにより気体分子の出入りが可能とされている場合において、無菌空間150の内部には電源に接続された加温装置、攪拌装置等が格納されていてもよい。無菌フィルタを通じてポンプで空気が無菌空間150の内部へと供給されてもよい。
無菌空間150は、グローブボックスとして構成されていてもよい。具体的には、例えば、無菌空間150を構成する壁に孔が配設されており、その孔にゴム製のグローブが設けられていてもよい。かかる構成では、内部の無菌状態を維持したままで無菌空間150の内部での人間による作業が容易に可能となる。
薬液貯留部1は、殺菌薬液が貯留されると、無菌空間150の外部と無菌空間150の内部との間を無菌に封止し、かつ、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように無菌材料を浸漬可能となる。殺菌薬液に無菌材料の表面全体を接触させることで、例えば、約10分程度での迅速な滅菌が可能となる。霧吹きで殺菌剤を噴霧する方法等に比べ、より確実かつ迅速な滅菌が可能となる。
薬液貯留部1は、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように、無菌材料よりも十分大きくてもよい。
「無菌材料」とは、無菌空間150を使用するに当たり、少なくとも外表面を無菌状態としなければ無菌空間150の内外を移送することが望ましくない材料をいう。無菌材料は、無菌空間150の内外を迅速に移送することが必要な材料(細胞、血清、タンパク質、酵素、変質しやすい栄養素等)であってもよい。無菌材料として、具体的には例えば、培養細胞、抗体、試薬、培養培地等が含まれ得る。培養細胞、抗体試薬、培養培地等は、滅菌可能なケースの内部に格納されていてもよい。この場合、ケース内部はガンマ線等で滅菌されてもよい。ケース内部に目的の細胞等が格納されている場合には、無菌空間150内部へのケースの搬入に当たり、ケース内部を滅菌しなくてもよい。
無菌材料は、内部に気体を含んだままで密封された遠心管を、上部に網の蓋を設けた網製のケースに格納したものであってもよい。かかる構成では、無菌材料を殺菌薬液に浸漬する際、遠心管が浮力により浮き上がろうとしても、網の蓋により浮き上がりが防止され、遠心管の表面の全体を容易に殺菌薬液に接触させることができる。
殺菌薬液としては、例えば、過酢酸殺菌剤(濃度は例えば0.36%)、過酸化水素、およびホルマリン等を用いることができる。殺菌薬液は液体である。本明細書において、「液体」とは、微粒子化された液体を含まない。
薬液貯留部1は、それ自体で殺菌薬液を貯留可能に構成されていてもよい。この場合、例えば、第1移送部10および第2移送部20を封止しなくても、薬液貯留部1が殺菌薬液を貯留可能である。具体的には、薬液貯留部1の上面に設けられた開口部として第1移送部10および第2移送部20が形成されているような場合である。
薬液貯留部1は、第1移送部10と協同して殺菌薬液を貯留可能に構成されていてもよい。この場合、第1移送部10を封止することで初めて、薬液貯留部1が殺菌薬液を貯留可能となる。具体的には、薬液貯留部1の側面に無菌材料が通過可能な開口部として第1移送部10が形成されているような場合である。
薬液貯留部1は、第2移送部20と協同して殺菌薬液を貯留可能に構成されていてもよい。この場合、第2移送部20を封止することで初めて、薬液貯留部1が殺菌薬液を貯留可能となる。具体的には、薬液貯留部1の側面に無菌材料が通過可能な開口部として第2移送部20が形成されているような場合である。
薬液貯留部1は、第1移送部10および第2移送部20と協同して殺菌薬液を貯留可能に構成されていてもよい。この場合、第1移送部10および第2移送部20を封止することで初めて、薬液貯留部1が殺菌薬液を貯留可能となる。具体的には、薬液貯留部1の側面に無菌材料が通過可能な開口部として第1移送部10および第2移送部20が形成されているような場合である。
殺菌薬液は、第1移送部10を介して薬液貯留部に導入されてもよいし、第2移送部20を介して薬液貯留部に導入されてもよい。あるいは、第1移送部10および第2移送部20とは別個独立に設けられた薬液導入部(図示せず)を介して薬液貯留部に導入されてもよい。
薬液貯留部1は、透明な材料(プラスチック等)で構成されていてもよい。かかる構成では、薬液貯留部1が殺菌薬液で完全に満たされているかを容易に判断できる。
薬液貯留部1は、底部に凹凸を有してもよい。かかる構成では、無菌材料の底面を容易に殺菌薬液に接触させて滅菌できる。具体的には例えば、薬液貯留部1の底部に網が設けられてもよい。あるいは例えば、薬液貯留部1の底部にスポンジが設けられてもよい。あるいは例えば、薬液貯留部1の底部に剣山(先端部が全体として平面をなすように互いに平行に伸びる3以上の針の集合体)が設けられてもよい。底部に凹凸を有するとは、側面に突出部が設けられることで底面の高さが不均一となる場合を含む。この場合、突出部により無菌材料が薬液貯留部1の底面から浮くように保持され得る。
薬液貯留部1は、内部の無菌状態を維持したままで空気を供給または排出可能なフィルタ(無菌フィルタ)を備えた通気口を備えていてもよい。かかる構成では、無菌材料を移送した後、薬液貯留部1の内部を速やかに乾燥させることができる。
第1移送部10は、無菌空間150の外部と薬液貯留部1との間を、無菌材料を移送可能に接続する。「移送可能に接続する」とは、無菌空間150の外部と薬液貯留部1との間を、第1移送部10を通じて、無菌材料が移送可能であることをいう。
第1移送部10は、気密ファスナーで構成されていてもよい。第1移送部10は、薬液貯留部1に設けられた開口部であってもよい。開口部には水密に封止可能な蓋(例えば、水密扉、より詳しくはネジおよびパッキンを含む水密扉等)が設けられていてもよい。なお、第1移送部10において、無菌空間150と薬液貯留部1とを分離する蓋、仕切り板等は必須ではない。例えば、第1移送部10と第2移送部20とが同一部材である場合に、かかる蓋、仕切り板等は、例えば、無菌空間側の装置が備えていてもよい。
第2移送部20は、無菌空間150の内部と薬液貯留部1との間を、無菌材料の表面全体の無菌状態を維持したままで無菌材料を移送可能に接続する。「無菌状態を維持したままで無菌材料を移送可能に接続する」とは、無菌空間150の内部と薬液貯留部1との間を、第2移送部20を通じて、無菌材料が移送可能であり、その際に、無菌材料の表面および無菌空間150の無菌状態が損なわれないことをいう。
第2移送部20は、気密ファスナーで構成されていてもよい。第2移送部20は、薬液貯留部1に設けられた開口部であってもよい。開口部には水密に封止可能な蓋(例えば、水密扉、より詳しくはネジおよびパッキンを含む水密扉等)が設けられていてもよい。なお、第2移送部20において、無菌空間150と薬液貯留部1とを分離する蓋、仕切り板等は必須ではない。かかる蓋、仕切り板等は、例えば、無菌空間側の装置が備えていてもよい。
第2移送部20と第1移送部10とは別個独立に設けられていてもよい。なお、第2移送部20と第1移送部10とは必ずしも別個独立に設けられている必要はない。例えば、第2移送部20と第1移送部10とは同一部材であってもよい。具体的には例えば、薬液貯留部1が一方の端が封止され他方の端が開放された筒状の容器で構成され、第1移送部10と第2移送部20とが他方の端をなす開口部であってもよい。このとき容器は薬液貯留部1を構成する。この場合には例えば、無菌空間150の開口部に雄ネジが形成され、雌ネジが雄ネジに螺合することで容器が無菌空間150に取り付けられ得る。
無菌空間150開口部に容易に除去可能なプラスチックシートによる蓋が設置されていてもよい。この場合、第1移送部10および第2移送部20には蓋が不要である。かかる構成では、例えば、容器に無菌材料を入れた上で殺菌薬液をあふれるまで充填し、雌ネジと雄ネジとを螺合することで容器を無菌空間150に固定する。無菌材料の表面全体が殺菌薬液に接触するように無菌材料を浸漬することで、無菌材料の表面全体を滅菌する。このとき、プラスチックシートの全面にも殺菌薬液が接触することで、プラスチックシートも滅菌される。その後、プラスチックシートを無菌空間150側から除去することで、無菌材料の表面全体の無菌状態を維持したままで、無菌材料を無菌空間150へと取り出すことができる。
第2移送部20が、水密に封止可能な蓋(例えば、水密扉、より詳しくはネジおよびパッキンを含む水密扉等)を備える場合、蓋の外側(無菌空間150側)は、無菌空間150の内部を滅菌する際に滅菌されてもよい。この場合、無菌空間150の内部を滅菌する前に、無菌空間150に第2移送部20が接続される。滅菌方法は特に限定されず、例えば、殺菌薬液を用いて行われてもよいし、ガスを用いて行われてもよいし、オートクレーブを用いて行われてもよい。
薬液貯留部1と無菌空間150との間に蓋および仕切り板等を設けることなく、殺菌薬液自体で無菌空間150を外部から無菌に封止してもよい。殺菌薬液は無菌空間150に直接露出する。この場合において、例えば、殺菌薬液を薬液貯留部1に貯留したままの状態で無菌空間150の滅菌が行われてもよい。無菌空間150の滅菌は、気体状の殺菌剤、ドライミスト、殺菌薬液等の任意の殺菌手段を用いて実行されうる。
無菌材料移送装置100は、いわゆるパスボックスとして構成されうる。
第1実施形態によれば、迅速にかつ低コストで、無菌空間の無菌状態を維持したまま、無菌空間の外部と無菌空間の内部との間で無菌材料を移送できる。より具体的には例えば、無菌空間の外部から無菌空間の内部へと無菌材料(培養細胞、培地等)を搬入するに当たり、当該搬入に伴って無菌空間の汚染が発生する可能性を低減することが、迅速にかつ低コストで実現可能となる。あるいは例えば、無菌空間の内部から無菌空間の外部へと無菌材料(成果物、廃棄物等)を搬出するに当たり、当該搬出に伴って無菌空間の汚染が発生する可能性を低減することが、迅速にかつ低コストで実現可能となる。
[変形]
第1実施形態の無菌材料移送方法において、無菌空間150の外部および薬液貯留部1を接続する第1移送部10を開放させると共に、無菌空間150の内部および薬液貯留部1を無菌に接続する第2移送部20を封止するステップ(ステップD)と、無菌空間150の外部から薬液貯留部1へと無菌材料を収容するステップ(ステップE)と、第1移送部10を封止して薬液貯留部1を殺菌薬液で完全に満たすことで、無菌空間150の外部と無菌空間150の内部との間を無菌に封止すると共に、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように無菌材料を浸漬させて無菌材料の表面全体を滅菌するステップ(ステップF)と、第1移送部10を封止すると共に第2移送部20を開放するステップ(ステップG)と、薬液貯留部1から無菌空間150へと無菌材料を取り出すステップ(ステップH)とを含んでもよい。ステップFは、ステップAおよびステップBに相当する。ステップD、ステップE、ステップF、ステップG、ステップHはこの順に実行される。
この変形では、第1移送部10および第2移送部20は開閉可能に構成されている。
ステップDに関し、「第1移送部を開放させる」とは、無菌空間150の外部から薬液貯留部1へと第1移送部10を通じて無菌材料を導入することを可能にすることを言う。また、「無菌空間の内部および薬液貯留部を無菌に接続する」とは、無菌空間の内部から薬液貯留部に至る空間の無菌状態を維持しながら、無菌空間の内部と薬液貯留部とを接続することをいう。薬液貯留部1の内部が無菌に維持されている限り、第2移送部20を開放しても無菌空間150の無菌状態は損なわれない。
ステップEにおける無菌材料の収容は、第1移送部10を通じて行われる。
ステップFに関し、薬液貯留部1への殺菌薬液の供給は、薬液供給部(図示せず)を通じて行われる。薬液供給部1は第1移送部10と共通であってもよいし、第2移送部20と共通であってもよい。薬液貯留部を殺菌薬液で完全に満たすことで、薬液貯留部の内壁面が殺菌薬液に接触して滅菌されうる。
ステップGに関し、「第1移送部10を封止する」とは、封止されている第1移送部10の状態をそのまま維持する操作を含む。
ステップHにおける無菌材料の取り出しは、第2移送部20を通じて行われる。
第1移送部10が開放されていると、無菌空間150を無菌化するために、第2移送部20を封止する必要が生じる場合が考えられる。無菌空間150が直接的に第2移送部20に連通している場合等がこれに当たる。この場合、無菌空間150の無菌化に先立ち、第2移送部20が封止される。すなわち、ステップDにおいて、第2移送部20の封止は、第1移送部10の開放よりも前に行われてもよい。
第2移送部20の構成に応じて、ステップFとステップGとの間に、薬液貯留部1から殺菌薬液を排出するステップが実行されてもよい。
[第1変形例]
第1変形例は、第3の無菌材料移送方法および第6の無菌材料移送装置に対応するものである。図2は、第1実施形態の第1変形例にかかる無菌材料移送装置の概略構成の一例を示す模式図である。以下、図2を参照しつつ、第1変形例の無菌材料移送方法および無菌材料移送装置について説明する。
第1変形例にかかる無菌材料移送方法は、無菌空間150の外部から薬液貯留部1へと無菌材料を収容する前に、薬液貯留部1に殺菌薬液を貯留し、無菌空間150の外部から薬液貯留部1へと無菌材料を収容した後に、薬液貯留部1に残留する空気を吸引することで、薬液貯留部1を殺菌薬液で完全に満たす。
第1変形例にかかる無菌材料移送方法は、上記変形にかかる無菌材料移送方法の一例である。薬液貯留部1に残留する空気を吸引するステップは、ステップFの一例である。
図2に示すように、第1変形例にかかる無菌材料移送装置200は、流体排出部30を備える。
流体排出部30は、第1移送部10と第2移送部20とを封止した状態で薬液貯留部1から空気および殺菌薬液の少なくともいずれか一方を含む流体を排出するための構成である。
流体排出部30は、雑菌等の通過を防止する無菌フィルタを備えていてもよい。フィルタとしては、例えば、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ、シリンジフィルタ、メンブランフィルタ等を使用することができる。
流体排出部30が設けられる位置は特に限定されない。流体排出部30が空気を排出するものである場合には、流体排出部30は薬液貯留部1の上部に設けられ得る。流体排出部30が空気および殺菌薬液を排出するものである場合には、流体排出部30は薬液貯留部1の上部に設けられ得る。かかる構成では、薬液貯留部1の上部に溜まった空気を、流体排出部30を通じて容易に排出できる。流体排出部30が殺菌薬液を排出するものである場合には、流体排出部30は薬液貯留部1の下部に設けられ得る。かかる構成では、薬液貯留部1から殺菌薬液を、重力の作用を利用して、流体排出部30を通じて容易に排出できる。薬液貯留部1と無菌空間150との間に開口部を設け、該開口部を通じて殺菌薬液の排出時に薬液貯留部1へと空気が供給されてもよい。
流体排出部30と第1移送部10とは別個独立に設けられていてもよい。なお、流体排出部30と第1移送部10とは必ずしも別個独立に設けられている必要はない。例えば、流体排出部30と第1移送部10とは同一部材であってもよい。流体排出部30と第1移送部10とはその一部が同一部材で構成されていてもよい。例えば、流体排出部30および第1移送部10を気密ファスナーで構成して、無菌材料を薬液貯留部1へ収容する場合(気密ファスナーを第1移送部10として機能させる場合)には気密ファスナーを全開とし、空気を排出する場合(気密ファスナーを流体排出部30として機能させる場合)には気密ファスナーを部分的に閉止してもよい。
殺菌薬液は、第1移送部10を通じて薬液貯留部1へと供給されてもよいし、流体排出部30を通じて薬液貯留部1へと供給されてもよい。
第1変形例において、薬液貯留部1は、容積を調節可能である。容積を調節可能な構成では、空気を吸引することで薬液貯留部1を殺菌薬液で満たすことが容易となる。具体的には例えば、薬液貯留部1は、柔軟性のある材料(プラスチックフィルム等)で構成されていてもよい。柔軟性があるとは、空気の出し入れによって薬液貯留部1の容積が容易に変化しうる程度の柔軟性をいう。あるいは例えば、薬液貯留部1が、薬液貯留部1の内部空間に連通するシリンダを備えてもよい。シリンダの位置を変更することで、薬液貯留部1の容積を容易に変更できる。
薬液貯留部1が柔軟性のある材料で構成されている場合において、第2移送部20が気密ファスナで構成されていてもよい。気密ファスナは、柔軟性のある材料にも容易に取り付けることができる。
第1変形例では、第1移送部10と第2移送部20とが別個独立に設けられていてもよい。第1移送部10と第2移送部20と流体排出部30とがそれぞれ別個独立に設けられていてもよい。
以上の他、無菌材料移送装置200は、無菌材料移送装置100と同様の構成とすることができる。よって、図2と図1とで共通する構成要素については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
[第2変形例]
第2変形例は、第4の無菌材料移送方法および第7の無菌材料移送装置に対応するものである。図3は、第1実施形態の第2変形例にかかる無菌材料移送装置の概略構成の一例を示す模式図である。以下、図3を参照しつつ、第2変形例の無菌材料移送方法および無菌材料移送装置について説明する。
第2変形例にかかる無菌材料移送方法は、無菌空間150の外部から薬液貯留部1へと無菌材料を収容した後に、薬液貯留部1に殺菌薬液を注入することで、薬液貯留部1を殺菌薬液で完全に満たす。
第2変形例にかかる無菌材料移送方法は、上記変形にかかる無菌材料移送方法の一例である。薬液貯留部1に殺菌薬液を注入するステップは、ステップFの一例である。
図3に示すように、第2変形例にかかる無菌材料移送装置300は、薬液注入部40と流体排出部50とを備える。
薬液注入部40は、第1移送部10と第2移送部20とを封止した状態で薬液貯留部1に殺菌薬液を注入するための構成である。空気抜きは、薬液注入部40を通じて行われてもよいし、流体排出部50を通じて行われてもよい。薬液注入部40は、薬液貯留部1の上部に設けることができる。
空気抜きが薬液注入部40を通じて行われる構成において、薬液注入部40は、雑菌等の通過を防止する無菌フィルタを備えていてもよい。無菌フィルタとしては、例えば、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ、シリンジフィルタ、メンブランフィルタ等を使用することができる。
薬液注入部40と第1移送部10とは別個独立に設けられていてもよい。なお、薬液注入部40と第1移送部10とは必ずしも別個独立に設けられている必要はない。例えば、薬液注入部40と第1移送部10とは同一部材であってもよい。薬液注入部40と第1移送部10とはその一部が同一部材で構成されていてもよい。
例えば、薬液注入部40および第1移送部10を気密ファスナーで構成して、無菌材料を薬液貯留部1へ収容する場合(気密ファスナーを第1移送部10として機能させる場合)には気密ファスナーを全開とし、殺菌薬液を供給する場合(気密ファスナーを薬液注入部40として機能させる場合)には気密ファスナーを部分的に閉止してもよい。
流体排出部50は、第1移送部10と第2移送部20とを封止した状態で薬液貯留部1から空気および殺菌薬液の少なくともいずれか一方を含む流体を排出するための構成である。流体排出部50は、薬液を排出する薬液排出部として構成されてもよい。この場合、流体排出部50は、薬液貯留部1の下部に設けることができる。かかる構成では、重力の作用を利用して、薬液貯留部1の内部の殺菌薬液を、流体排出部50を通じて容易に排出できる。薬液貯留部1と無菌空間150との間に開口部を設け、該開口部を通じて殺菌薬液の排出時に薬液貯留部1へと空気が供給されてもよい。
流体排出部50と第1移送部10とは別個独立に設けられていてもよい。なお、流体排出部50と第1移送部10とは必ずしも別個独立に設けられている必要はない。例えば、流体排出部50と第1移送部10とは同一部材であってもよい。流体排出部50と第1移送部10とはその一部が同一部材で構成されていてもよい。
第2変形例では、第1移送部10と第2移送部20とが別個独立に設けられていてもよい。第1移送部10と第2移送部20と薬液注入部40と流体排出部50とが別個独立に設けられていてもよい。
第2変形例において、第1移送部10および第2移送部20のいずれか一方または両方は、薬液貯留部1に設けられた開口部であってもよい。開口部には水密に封止可能な蓋(例えば、水密扉、より詳しくはネジおよびパッキンを含む水密扉等)が設けられていてもよい。
第2変形例では、第2移送部20において、無菌空間150と薬液貯留部1とを分離する蓋、仕切り板等は必須ではない。かかる蓋、仕切り板等は、例えば、無菌空間側の装置が備えていてもよい。
[第3変形例]
第3変形例は、第8の培養装置に対応するものである。第3変形例にかかる培養装置は、上述したいずれかの無菌材料移送装置と、無菌空間としての無菌操作室とを備える。無菌材料は細胞である。無菌操作室は無菌空間150と同様の構成とすることができる。無菌操作室の内部で細胞の培養を行うことができる。無菌操作室は細胞培養をするために必要な操作を行うところである。具体的には例えば、ガス透過性容器に、細胞を播種した培養容器を格納する。その上で、ガス透過性容器を培養器に入れて培養する。
第3変形例にかかる培養装置は、例えば、再生医療等に用いる細胞および組織等の培養に用いることができる。
第1実施形態は、上述の無菌材料移送装置と、無菌空間としての無菌操作室と、を備える無菌操作装置としても実現可能である。
[実施例]
実施例にかかる無菌材料移送方法および無菌材料移送装置は、第2変形例をより具体化したものである。図4ないし図7は、実施例にかかる無菌材料移送方法を模式的に示す図である。図4は無菌空間と薬液貯留部とを用意するステップを示す。図5は無菌空間と薬液貯留部とを接合するステップを示す。図6は薬液貯留部に殺菌薬液を貯留して、無菌空間の外部と無菌空間の内部との間を無菌に封止し、かつ、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように無菌材料を浸漬させるステップを示す。図7は表面が滅菌された無菌材料を薬液貯留部から無菌空間へと移動させるステップを示す。
図4に示すように、実施例の無菌材料移送装置は、全体として円筒状をなし、蓋51と、薬液排出口52と、薬液注入口54と薬液容器60と、雄ネジ部62とを備えている。
蓋51を薬液容器60から取り外した時にできる第1移送口56は、第1移送部の一例である。雄ネジ部62の開口部である第2移送口64は、第2移送部の一例である。移送容器60の内部空間は、薬液貯留部の一例である。薬液排出口52は、流体排出部50の一例である。薬液注入口54は、薬液注入部40の一例である。
蓋51は、ポリエチレン樹脂で構成される。薬液排出口52は、ポリエチレン樹脂で構成された蛇口が蓋51に取り付けられて構成される。薬液注入口54は、ポリエチレン樹脂で構成されたチューブが蓋51に取り付けられて構成される。移送容器60は、内部の状態が確認しやすいように、無色透明のアクリル樹脂で構成される円筒状の容器である。雄ネジ部62は、ポリエチレン樹脂で構成される。雄ネジ部62には、雌ネジ部68(後述)のネジ溝と対応するネジ山が設けられている。
図4には、上記の無菌材料移送装置に加え、無菌操作装置が図示されている。無菌操作装置は、全体として円筒状をなし、雌ネジ部68と、無菌容器70と、蓋72と、グローブ74とを備えている。無菌容器70の内部空間が無菌空間に相当する。
雌ネジ部68は、ポリエチレン樹脂で構成される。雌ネジ部68には、雄ネジ部62のネジ山と対応するネジ溝が設けられている。無菌容器70は、内部の状態が確認しやすいように、無色透明のアクリル樹脂で構成される円筒状の容器である。蓋72は、ポリエチレン樹脂で構成される。グローブ74は、ゴム製の長手袋である。
無菌材料移送装置を無菌走査装置に取り付ける際には、雌ネジ部68と雄ネジ部62との間に、プラスチックシート66が配置される。プラスチックシート66は、ポリエチレン樹脂で構成される。プラスチックシート66は、雌ネジ部68の内径よりもやや大きい円形をなす。
図5に示すように、無菌空間と薬液貯留部とを接合するステップでは、開口67に第2移送口64が挿入されて、雌ネジ部68の雄ネジ部62とが嵌め合わされ、締め付けられる。これにより、雌ネジ部68の基部にプラスチックシート66が固定される。この状態で、無菌容器70の内部を滅菌することで無菌空間が構成される。
さらに、無菌材料58が、第1移送口56を通じて薬液容器60の内部に挿入され、蓋51が薬液容器60に取り付けられる。取り付けはネジ、接着剤、クリップ、パッキン等の任意の固定手段で行われる。
図6に示すように、薬液貯留部に殺菌薬液を貯留して、無菌空間の外部と無菌空間の内部との間を無菌に封止し、かつ、殺菌薬液に無菌材料の表面全体が接触するように無菌材料を浸漬させるステップでは、薬液排出口52を閉止した上で、薬液注入口54から殺菌薬液が注入される。殺菌薬液としては、0.36%過酢酸が用いられる。殺菌薬液が移送容器60の内部を完全に充填することで、移送容器60の内部および無菌材料の表面が滅菌される。
図7に示すように、表面が滅菌された無菌材料を薬液貯留部から無菌空間へと移動させるステップでは、薬液注入口54にシリンジフィルタを取り付けて雑菌が入らないようにして薬液注入口54を開放した上で、薬液排出口52を開放し、殺菌薬液を排出する。その後、グローブ74を使ってプラスチックシート66を破ると共に、無菌材料58を無菌容器70の内部へと移動させる。
かかる操作により、無菌空間の無菌状態を維持したまま、迅速かつ安価に、無菌材料を無菌空間の外部から無菌空間の内部へと移送することができる。無菌材料移送装置は使い捨てとすることができる。
本実施例では、無菌材料移送装置と無菌操作装置とが、互いに直径の等しい円筒形状であり、全体として1個の円筒をなす。かかる構成では、例えば、一方の端から空気を供給し、他方の端から排気を行って、空気を循環(更新)させる場合でも、乱流が起こり難いという利点がある。
(その他)
本開示は、以下の態様でも実現可能である。
搬入資材を入れた閉鎖された殺菌剤浸漬式パスボックス内の空間の中に、特に指定はされないが0.36%過酢酸殺菌剤等の殺菌作用がある薬剤を満たし、10分間の表面殺菌の後、満たされた殺菌剤を排出し、表面滅菌された資材を製造に用いる無塵および無菌環境に搬入する。
搬入する資材はあらかじめ密封された容器内に入れ、無菌環境を維持または滅菌しておいてもよい。これにより液体浸漬式パスボックス内で表面滅菌のみ行うことで無塵および無菌環境を維持したまま搬入することが可能となる。
殺菌剤浸漬式パスボックスに殺菌剤投入口と排出口があっても良い。投入口と排出口は開閉できる栓等を設けることが望ましい。また外部からの汚染された空気等を完全に排除できるよう投入口には滅菌フィルター等をベントとして用いても良い。
資材底面の殺菌を確実とするため、パスボックスの底面に殺菌剤が浸透する素材を敷いても良い。または透過する金網等の透過性底面を設置しても良い。
搬入する資材が軽量の場合は底面に殺菌剤が浸漬する十分な空間が確保されるが、その場合は殺菌剤が浸透または透過する底面を使わずとも良い。
搬入または搬出の際にパスボックスに搬入口と搬出口が備わることが望まれる。搬入および搬出口の形態は問わないが、搬入および搬出の際に開放することが可能で、殺菌剤を満たす際には閉鎖し気密できることが望ましい。たとえば気密扉があり、気密ファスナーがあり、栓があり、ばね式密封瓶で用いられるばね式密封栓でも良い。
この搬入および搬出口は殺菌剤浸漬式パスボックスに設置されていなくても、接続する無塵および無菌環境との接続口に備わっても良い。
また、殺菌剤を排出しない殺菌剤浸漬式パスボックスとして、外部環境より侵入した気体のみを排出することで殺菌剤浸漬式パスボックス内を殺菌剤で満たす形態がある。
資材の搬入口は気密できることが望ましい。また外部より侵入した汚染気体を完全に排除できるベントが備わっていることが望ましい。
外部環境に接している殺菌剤浸漬式パスボックス搬入口を空け、殺菌剤に資材を漬けた後、搬入口を完全に閉じ気密する。次に滅菌フィルターが接続されたベントより外部環境より侵入した汚染気体を完全に吸い出す。
殺菌剤浸漬式パスボックス内が殺菌剤で満たされたら、殺菌が達成される時間まで待機した後、あらかじめ達成してある無塵および無菌環境より搬入口を開け、資材を取り出す。
この形式の殺菌剤浸漬式パスボックスはパスボックス内の汚染空気を完全に排出するため、パスボックスの内圧が変化しないよう樹脂製の柔らかい素材、例えば塩化ビニル等の柔軟性のあるバッグで構成することができる。
また別の殺菌剤浸漬式パスボックスとして、外部環境からの汚染空気の侵入可能性がなく殺菌剤を注入ないし排出しない方式としてパスボックス開口部を殺菌剤で閉鎖した殺菌剤浸漬式パスボックスの形態がある。
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
50 蓋
52 薬液排出口
54 薬液注入口
56 第1移送口
58 無菌材料
60 移送容器
62 雄ネジ部
64 第2移送口
66 プラスチックシート
67 開口
68 雌ネジ部
70 無菌容器
72 蓋
74 グローブ

Claims (8)

  1. 無菌材料を無菌空間の外部と前記無菌空間の内部との間で移送する際に、
    無菌空間に隣接する薬液貯留部に殺菌薬液を貯留して、前記無菌空間の外部と前記無菌空間の内部との間を無菌に封止すると共に、
    前記殺菌薬液に前記無菌材料の表面全体が接触するように前記無菌材料を浸漬させることで、
    前記無菌空間を汚染せずに前記無菌空間の外部と前記無菌空間の内部との間で前記無菌材料を移送する、
    無菌材料移送方法。
  2. 前記無菌空間の外部および前記薬液貯留部を接続する第1移送部を開放させると共に、前記無菌空間の内部および前記薬液貯留部を無菌に接続する第2移送部を封止し、
    その後、前記無菌空間の外部から前記薬液貯留部へと前記無菌材料を収容し、
    その後、前記第1移送部を封止して前記薬液貯留部を前記殺菌薬液で完全に満たすことで、前記無菌空間の外部と前記無菌空間の内部との間を無菌に封止すると共に、前記殺菌薬液に前記無菌材料の表面全体が接触するように前記無菌材料を浸漬させて前記無菌材料の表面全体を滅菌し、
    その後、前記第1移送部を封止すると共に前記第2移送部を開放し、
    その後、前記薬液貯留部から前記無菌空間へと前記無菌材料を取り出す、
    請求項1に記載の無菌材料移送方法。
  3. 前記薬液貯留部において前記殺菌薬液に前記無菌材料を浸漬させ、
    その後、前記薬液貯留部に残留する空気を吸引することで、前記薬液貯留部を前記殺菌薬液で完全に満たす、
    請求項2に記載の無菌材料移送方法。
  4. 前記無菌空間の外部から前記薬液貯留部へと前記無菌材料を収容した後に、前記薬液貯留部に前記殺菌薬液を注入することで、前記薬液貯留部を前記殺菌薬液で完全に満たす、
    請求項2に記載の無菌材料移送方法。
  5. 無菌空間の外部と前記無菌空間の内部との間で前記無菌空間を汚染せずに無菌材料を移送する無菌材料移送装置であって、
    無菌空間に隣接され、殺菌薬液が貯留されると、前記無菌空間の外部と前記無菌空間の内部との間を無菌に封止し、かつ、前記殺菌薬液に前記無菌材料の表面全体が接触するように前記無菌材料を浸漬可能となる、薬液貯留部と、
    前記無菌空間の外部と前記薬液貯留部との間を、前記無菌材料を移送可能に接続する、第1移送部と、
    前記無菌空間の内部と前記薬液貯留部との間を、前記無菌材料の表面全体の無菌状態を維持したままで前記無菌材料を移送可能に接続する、第2移送部と
    を備える、無菌材料移送装置。
  6. 前記第1移送部と前記第2移送部とを封止した状態で前記薬液貯留部から空気および前記殺菌薬液の少なくともいずれか一方を含む流体を排出するための流体排出部を備える、請求項5に記載の無菌材料移送装置。
  7. 前記第1移送部と前記第2移送部とを封止した状態で前記薬液貯留部に殺菌薬液を注入する薬液注入部を備える、請求項6に記載の無菌材料移送装置。
  8. 請求項5ないし7のいずれかに記載の無菌材料移送装置と、
    前記無菌空間としての無菌操作室と、を備え、
    前記無菌材料が細胞である、
    培養装置。
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