JP2003093040A - 生物試料観察装置及び方法 - Google Patents

生物試料観察装置及び方法

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JP2003093040A
JP2003093040A JP2001291965A JP2001291965A JP2003093040A JP 2003093040 A JP2003093040 A JP 2003093040A JP 2001291965 A JP2001291965 A JP 2001291965A JP 2001291965 A JP2001291965 A JP 2001291965A JP 2003093040 A JP2003093040 A JP 2003093040A
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biological sample
clean bench
container
incubator
containers
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Takuji Kataoka
卓治 片岡
Yoshinori Mizuguchi
義則 水口
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーンベンチ内において、培養された生物
試料への悪影響を十分に防止できる生物試料観察装置及
び方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、複数の容器17に含まれる生
物試料を培養器3で培養する工程、容器17を培養器3
からクリーンベンチ2に移送する工程、クリーンベンチ
2内に設けられた顕微鏡16を用いて、容器17に含ま
れる生物試料を観察する工程を含む生物試料観察方法に
おいて、クリーンベンチ2内で容器17を培養ケース4
6で包囲する工程、培養ケース46と容器17との間に
形成される空間の温度、湿度及び炭酸ガス濃度を調整す
る工程を含む。この場合、培養ケース46と容器17と
の間に形成される空間の温度、湿度及び炭酸ガス濃度を
培養器3と同一にできる。従って、容器17に含まれる
生物試料を培養器3にあるのと同じ状態で観察すること
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学、薬品等の
分野に使用される生物試料観察装置及び方法に関する。
【0002】
【従来技術】生化学、薬品等の分野においては、細胞等
の生物試料を複数の容器に収容し、これらを培養器で培
養した後、培養された試料を培養器から取り出して顕微
鏡で観察することが一般に行われている。
【0003】例えば特開2001−25387号公報に
は、クリーンベンチの作業室の側壁面に設けられた培養
器から培養細胞を収容したシャーレを取り出し、作業室
に設けられた顕微鏡を用いて培養細胞を観察する方法が
開示されている。この観察方法においては、クリーンベ
ンチの作業室の側壁面に培養器が設けられ、培養器から
取り出された容器がクリーンベンチの作業室内に移送さ
れるため、顕微鏡観察時における生物試料への雑菌等の
混入防止を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の公報に記載の観察装置は、顕微鏡観察時におけ
る生物試料への雑菌等の混入防止を図ることができるも
のの、以下に示す課題を有する。
【0005】即ち培養器では一般に温度、湿度及び炭酸
ガス濃度がそれぞれ一定の値に制御されるのに対し、ク
リーンベンチでは一般にそのような環境の制御が行われ
ない。このため、培養器からシャーレを取り出すと、培
養細胞の環境が変化し、培養細胞に悪影響が生じ、この
影響は時間の経過とともに大きくなる。従って、培養細
胞の経時的な形態変化等を観察することが困難となる。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、クリーンベンチ内で、培養された生物試料への
悪影響を十分に防止できる生物試料観察装置及び方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、複数の容器に含まれる生物試料を培養器
で培養する培養工程と、容器を培養器からクリーンベン
チに移送する移送工程と、クリーンベンチ内に設けられ
た顕微鏡を用いて、容器に含まれる生物試料を観察する
観察工程とを含む生物試料観察方法において、クリーン
ベンチ内で容器を培養ケースで包囲する包囲工程と、培
養ケースと容器との間に形成される空間の温度、湿度及
び炭酸ガス濃度を調整する調整工程とを含むことを特徴
とする。
【0008】この観察方法によれば、複数の容器に含ま
れる生物試料が培養器で培養され、容器が培養器からク
リーンベンチに移送される。そして、クリーンベンチ内
で容器が培養ケースで包囲され、培養ケースと容器との
間に形成される空間の温度、湿度及び炭酸ガス濃度が調
整される。このため、培養ケースと容器との間に形成さ
れる空間の温度、湿度及び炭酸ガス濃度を培養器内のも
のと同一にすることが可能となる。従って、容器に含ま
れる生物試料を、顕微鏡を用いて観察する場合に、培養
器にあるのと同じ状態で観察することが可能となる。
【0009】上記方法は、上記観察工程の前に、クリー
ンベンチを遮光する遮光工程を更に含むことが好まし
い。この場合、観察工程において、生物試料から発せら
れる微弱な発光像を確認することができる。
【0010】また、本発明は、複数の容器に含まれる生
物試料を培養する培養器と、容器を培養器からクリーン
ベンチに移送する移送手段と、クリーンベンチ内に設け
られ、容器に含まれる生物試料の観察に用いられる顕微
鏡とを備える生物試料観察装置において、クリーンベン
チ内で容器を培養ケースで包囲する包囲手段と、培養ケ
ースと容器との間に形成される空間の温度、湿度及び炭
酸ガス濃度を調整する調整手段とを備えることを特徴と
する。
【0011】この装置によれば、上記観察方法の発明を
有効に実施することができる。
【0012】上記クリーンベンチが、作業空間を包囲し
且つ遮光性を有するケーシングと、ケーシングに形成さ
れる開口を開閉し且つ遮光性を有する遮光扉とを備える
ことが好ましい。
【0013】この場合、遮光扉によってケーシングに形
成される開口が閉じられると、クリーンベンチ内部は真
暗となるため、顕微鏡を用いて生物試料を観察するとき
に、微弱な発光像を確認できる。
【0014】上記装置は、容器に含まれる生物試料に試
薬を注入する注入ノズルを更に有し、培養ケースが、注
入ノズルを挿入するための挿入口を有することが好まし
い。
【0015】この場合、容器に含まれる生物試料に試薬
を注入する場合に、培養ケースの挿入口に注入ノズルが
挿入される。このため、培養ケースと容器との間に形成
される空間の温度、湿度及び炭酸ガス濃度を培養器と同
一に維持しながら、生物試料に試薬を注入することが可
能となる。
【0016】上記装置は、容器に含まれる生物試料に試
薬を注入する注入ノズルを更に有し、注入ノズルの先端
が屈曲していることが好ましい。
【0017】この場合、注入ノズルによる透過照明光の
遮断が十分に防止される。このため、透過照明による透
過光像を観察しながら、生物試料に試薬を注入すること
ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の生物試料観察装置の一実
施形態を示す正面図、図2は、クリーンベンチの側面図
である。図1に示すように、生物試料観察装置1は、ク
リーンベンチ2と、培養器3と、試薬プレート保持器4
とを備えている。
【0020】試薬プレート保持器4は、複数の試薬を収
容する試薬プレート26を保持するものである。
【0021】培養器3は、複数のマイクロプレート(容
器)を収納し、マイクロプレートに収容された生物試料
を培養するものであり、培養器3では、温度、湿度及び
炭酸ガス濃度が一定の値に制御されるようになってい
る。また、培養器3は、複数のマイクロプレートを上下
方向に積層しており、下側のマイクロプレートから順次
クリーンベンチ2に移送するようになっている。
【0022】図1及び図2に示すように、クリーンベン
チ2は、作業空間を包囲し且つ遮光性を有するケーシン
グ5を有し、ケーシング5の前面には開口6が形成され
ている。ケーシング5には、開口6を開閉するガラス扉
7が設置され、ガラス扉7は、上下にスライド可能に設
置されている。ガラス扉7の前面側には、遮光扉8が重
ねて設置され、遮光扉8はケーシング5に上下にスライ
ド可能に設置されている。なお、遮光扉8の表面には、
取っ手9が取り付けられ、これにより遮光扉8が容易に
開閉されるようになっている。
【0023】なお、ケーシング5は、金属等から構成さ
れ、ガラス扉7は、石英ガラス等から構成され、遮光扉
8は、金属から構成されている。
【0024】図2に示すように、ケーシング5の作業空
間の天井5aには、外気をケーシング5内に取り込む外
気取込部10が設けられ、外気取込部10には、ファン
11が設けられ、ファン11の上方には、ケーシング5
内に温風を送り込む格子状のヒーティングユニットが設
けられ、ファン11の下方には、温風を濾過するHEP
Aフィルタが設けられている。従って、ケーシング5内
の温度が所望の値に調整されるとともに、ケーシング5
内部の無塵状態が維持される。また、ケーシング5の奥
壁5bには、殺菌灯12が設置され、ケーシング5内部
の無菌状態が維持される。
【0025】図3は、図1の生物試料観察装置1を示す
平面図であり、クリーンベンチ2の内部構成を示すもの
である。図4は、図1の生物試料観察装置1を示す正面
図であり、クリーンベンチ2の内部構成を示すものであ
る。図3及び図4に示すように、ケーシング5内には、
顕微鏡16が設けられ、顕微鏡16は、顕微鏡本体15
と、顕微鏡本体15上に設けられるXYステージ18を
備えている。XYステージ18上には、マイクロプレー
ト17が載置されるようになっている。顕微鏡16にお
いては、可視像、蛍光像および発光像の観察が可能とな
っている。また、ケーシング5には、カメラ接続口19
が形成され、カメラ接続口19にCCDカメラ20を挿
入することによりCCDカメラ20が顕微鏡16に接続
されている。従って、CCDカメラ20により顕微鏡1
6の観察像を撮像することが可能となっている。CCD
カメラ20は、モニタ21に電気的に接続され、モニタ
21によりCCDカメラ20で撮像される顕微鏡16の
観察像を確認できるようになっている。なお、顕微鏡1
6の観察像は、作業者が直接確認することも可能となっ
ている。また、CCDカメラ20に代えて、フィルムを
使用したカメラを用いてもよい。
【0026】一方、図3に示すように、生物試料観察装
置1は、ケーシング5から培養器3に延びる搬送レール
22を備えており、搬送レール22には、マイクロプレ
ート17を搬送する搬送台23がスライド可能に設けら
れている。また、ケーシング5の側壁5cには、マイク
ロプレート17を通過させるためのマイクロプレート通
過口14が形成されており、マイクロプレート17を搬
送する搬送台23が培養器3からマイクロプレート通過
口14を経てケーシング5に移送されるようになってい
る(図2参照)。ケーシング5の側壁5cには、マイク
ロプレート通過口14を開閉するシャッタ24が設置さ
れている(図4参照)。
【0027】また、図3に示すように、生物試料観察装
置1は、ケーシング5から試薬プレート保持器4まで延
びる搬送レール25を備えており、搬送レール25に
は、試薬プレート26を搬送する搬送台27がスライド
可能に設けられている。また、ケーシング5の側壁5c
には、試薬プレート26を通過させる試薬プレート通過
口13が形成されている(図2参照)。従って、試薬プ
レート26を搬送する搬送台27が試薬プレート保持器
4から試薬プレート通過口13を経てケーシング5に移
送されるようになっている。ケーシング5の側壁5c
に、試薬プレート通過口13を開閉するシャッタが設置
されている点については、マイクロプレート通過口14
の場合と同じである。なお、クリーンベンチ2のケーシ
ング5内に移送された試薬プレート26は、プレート台
29上に載置されるようになっている。
【0028】図3に示すように、ケーシング5内には、
ロボット用ガイドレール30が敷設され、ロボット用ガ
イドレール30には、ロボット31がスライド可能に設
けられている。
【0029】ここで、ロボット31は、図4に示すよう
に、例えばロボット用ガイドレール30にスライド可能
に設けられる可動部材32と、可動部材32に対して回
転自在に設けられる回転部材33と、回転部材33に設
けられる作業アーム34とから構成され、作業アーム3
4は、マイクロプレート17及び試薬プレート26を把
持することが可能となっている。従って、ロボット31
は、培養器3からケーシング5内に移送されるマイクロ
プレート17を把持し、顕微鏡16のXYステージ18
上に配置することが可能であり、試薬プレート保持器4
からケーシング5内に移送される試薬プレート26を把
持し、プレート台29上に配置することが可能である。
【0030】また、図3に示すように、ケーシング5の
天井5aの前面側と奥壁5a側にはそれぞれ、左右方向
に沿ってガイドレール35,36が延びており、ガイド
レール35,36には、これらに直交するようにガイド
レール37が掛け渡され、ガイドレール37は、左右方
向に往復移動可能となっている。
【0031】図4に示すように、ガイドレール37に
は、基部38がスライド可能に設けられ、基部38には
支持部材39が回転可能に接続されている。支持部材3
9には、マイクロプレート17に試薬を注入する試薬注
入装置40が上下方向にスライド可能に設けられてい
る。
【0032】試薬注入装置40は、支持部材39にスラ
イド可能に設けられるスライド部材41と、スライド部
材41に設けられるアーム42と、アーム42の先端に
取り付けられる注入ノズル43とから構成されている。
注入ノズル43は、アーム42に対して着脱可能に取り
付けられている。
【0033】なお、使用済みの注入ノズル43を廃棄す
る場合は、試薬注入装置40が、プレート台29上の回
収容器44まで移動され、使用済みの注入ノズル43が
回収容器44に投入される。そして、新たな注入ノズル
43をアーム42に装着する場合は、試薬注入装置40
が、プレート台29上のノズル入りプレート45まで移
動され、注入ノズル43がアーム42に装着される。
【0034】また、ケーシング5内には、マイクロプレ
ート17を包囲する培養ケース46が配置されている。
【0035】図5は、培養ケース46を示す斜視図であ
る。図5に示すように、培養ケース46は、上壁46a
にヒータ47を内蔵し、培養ケース46には温度センサ
が設けられている。従って、温度センサで検知された温
度に基づきヒータ47を制御することで、培養ケース4
6とマイクロプレート17との間に形成される空間の温
度を調整することが可能となっている。
【0036】また、培養ケース46の側壁46bには、
炭酸ガスを導入する炭酸ガス導入ノズル48aと、空気
を導入する空気導入ノズル48bが設けられている。炭
酸ガス導入ノズル48aは、チューブを介して炭酸ガス
ボンベに接続され、チューブには弁が設置されている。
一方、空気導入ノズル48bは、チューブを介してブロ
ワ等に接続されている。また、培養ケース46には、炭
酸ガス濃度を検知するCO2センサが設けられている。
従って、CO2センサで検知された炭酸ガス濃度に基づ
き弁やブロワを制御することで、培養ケース46とマイ
クロプレート17との間に形成される空間の炭酸ガス濃
度を調整することが可能となっている。
【0037】更に、培養ケース46の内壁には、加湿水
を収容する加湿水トレイ(図示せず)が設置され、培養
ケース46内の湿度は、加湿水トレイを加熱して加湿水
を蒸発させることにより調整されるようになっている。
【0038】なお、ヒータ47、温度センサ、炭酸ガス
導入ノズル48a、空気導入ノズル48b、弁、チュー
ブ、ブロワ、CO2センサ、加湿水トレイにより調整手
段が構成されている。
【0039】また、培養ケース46の側壁46bには、
試薬注入装置40の注入ノズル43を挿入する挿入スリ
ット(挿入口)49が形成され、側壁46bには、挿入
スリット49を開閉するシャッタ50が設けられてい
る。シャッタ50は、例えば図6に示すように、モータ
51に回転軸52を取り付け、回転軸52に扉53を設
けることにより構成されている。従って、モータ51の
作動により回転軸52が回転し、扉53が挿入スリット
49を開閉するようになっている。
【0040】なお、培養ケース46には、図5に示すよ
うに仕切板54が設けられることが好ましい。ここで、
仕切板54は、例えば炭酸ガス導入ノズル48aを経て
導入される炭酸ガスが、渦巻き状に流れるように設けら
れる。このようにすることで、培養ケース46内で1つ
のガス流路が形成され、炭酸ガスが培養ケース46内に
均一に行き渡ることとなる。
【0041】次に、前述した生物試料観察装置1を用い
た生物試料観察方法について説明する。
【0042】先ず培養器3が作動され、複数のマイクロ
プレート17に収容された生物試料が培養される(培養
工程)。このとき、培養器3においては、温度、湿度及
び炭酸ガス濃度が一定の値に制御される。
【0043】一方、クリーンベンチ2のガラス扉7及び
遮光扉8が閉じられ、ファン11及び殺菌灯12が作動
され、クリーンベンチ2の内部が無菌、無塵状態に維持
される。そして、シャッタ24が開かれ、培養された生
物試料を収容するマイクロプレート17が培養器3で搬
送台23に載せられ、マイクロプレート17は、搬送レ
ール22に沿って培養器3からマイクロプレート通過口
14を経てクリーンベンチ2のケーシング5内に移送さ
れる(移送工程)。
【0044】マイクロプレート7がクリーンベンチ2の
ケーシング5内に移送された後は、ロボット31がロボ
ット用ガイドレール30に沿って移動され、作業アーム
34によりマイクロプレート17が把持される。そし
て、ロボット31がロボット用ガイドレール30に沿っ
て移動され、顕微鏡16の近傍で回転部材33が回転さ
れ、作業アーム34によってXYステージ18上にマイ
クロプレート17が配置される。
【0045】次に、培養ケース46がロボット31によ
り把持され、マイクロプレート17を包囲するようにX
Yステージ18上に配置される(包囲工程)。このと
き、XYステージ18と、培養ケース46によって形成
される空間はほぼ密閉状態となる(以下、この空間を
「密閉空間」と称する)。
【0046】次に、密閉空間の温度、湿度、及び炭酸ガ
ス濃度が調整される(調整工程)。密閉空間の温度を調
整する場合、培養ケース46に内蔵されたヒータ47が
作動され、密閉空間の温度が培養器3と同じ温度(例え
ば37℃)まで上昇される。温度センサにより、温度が
培養器3の温度よりも高いと検知された場合には、ヒー
タ47の作動が停止され、温度が降下される。こうして
密閉空間の温度が調整される。
【0047】密閉空間の湿度は、加湿水トレイを加熱
し、収容された水を蒸発させることにより調整される。
【0048】密閉空間の炭酸ガス濃度は、次のようにし
て調整される。即ち、先ず炭酸ボンベからチューブを経
て炭酸ガス導入ノズル48aに炭酸ガスが導入される。
導入された炭酸ガスは、仕切板54により培養ケース4
6内で渦巻き状に流れる。こうして炭酸ガスが培養ケー
ス46内で均一に行き渡ることとなる。このとき、CO
2センサにより、炭酸ガス濃度が培養器3の炭酸ガス濃
度よりも大きいと検知された場合は、ブロワが作動さ
れ、チューブを経て空気導入ノズル48bに空気が導入
される。これにより、炭酸ガス濃度が希釈され、炭酸ガ
ス濃度が減少される。こうして密閉空間の炭酸ガス濃度
が調整されることとなる。
【0049】以上のようにして密閉空間の温度、湿度、
及び炭酸ガス濃度を調整することにより、密閉空間の温
度、湿度、及び炭酸ガス濃度を培養器3の内部と同一に
することが可能となり、クリーンベンチ2において、培
養された生物試料への悪影響を十分に防止できる。
【0050】こうして密閉空間の温度、湿度、及び炭酸
ガス濃度が調整され、マイクロプレート17に収容され
た生物試料の環境が培養器3と同じ環境にされた後は、
所望のウェル内の生物試料が顕微鏡16を用いて観察さ
れる(観察工程)。即ち、顕微鏡16の観察像がCCD
カメラ20で撮像されてモニタ21に表示される。これ
により、作業者は、クリーンベンチ2の外部にいなが
ら、顕微鏡16の観察像をリアルタイムに確認すること
が可能となる。また、生物試料観察装置1は、培養器3
から搬送レール22を用いてクリーンベンチ2内にマイ
クロプレート17を移送し、これを、ロボット31を用
いてXYステージ18上に配置すると共に、培養ケース
46で包囲することとしている。このため、作業効率が
著しく向上し、複数のマイクロプレート17があって
も、容易に処理することができる。更に、生物試料観察
装置1では、ケーシング5が遮光性を有すると共に、遮
光扉8により開口6が閉じられているため、透過照明に
よる観察像のみならず、微弱な蛍光像や発光像をも観察
することができる。
【0051】ここで、生物試料に試薬を注入する場合
は、試薬注入装置40がプレート台29上の試薬プレー
ト26まで移動され、試薬プレート26から試薬が吸引
される。そして、試薬注入装置40は、顕微鏡16に配
置されている培養ケース46の近傍まで移動される。続
いて、注入ノズル43が培養ケース46のスリット49
に対向配置される。そして、シャッタ50が開かれ、ス
リット49を通して培養ケース46内に注入ノズル43
が挿入される。そして、マイクロプレート17の所望の
ウェルに試薬が注入される。即ち、培養ケース46を取
り外すことなく試薬がマイクロプレート17に注入され
る。このため、マイクロプレート17に収容された生物
試料に試薬を注入する場合においても、マイクロプレー
ト17に収容される生物試料を培養器3と同じ環境に維
持したまま、生物試料の観察を行うことができる。
【0052】このとき、注入ノズル43の先端が屈曲さ
れているため、透過照明光の遮断が十分に防止される。
このため、透過照明による透過光像を観察しながら、生
物試料に試薬を注入することができる。
【0053】なお、別の試薬を注入する場合には、試薬
注入装置40がプレート台29上の回収容器44まで移
動され、注入ノズル43を回収容器44に投入した後、
ノズル入りプレート45まで移動され、アーム42に新
たな注入ノズル43が装着される。
【0054】こうして観察が終了した生物試料は、培養
器3と同じ環境で培養された状態にされているため、良
好な状態に維持されている。このため、かかる生物試料
は、再利用が可能である。
【0055】従って、生物試料の観察が終了した後は、
ロボット31により、培養ケース46をXYステージ1
8から取り外した後、マイクロプレート17を搬送台2
3に載せ、搬送台23を搬送レール22に沿って移動さ
せることによりマイクロプレート17を培養器3に戻
す。
【0056】次に、本発明の生物試料観察装置の第2実
施形態について説明する。なお、図7において、第1実
施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号
を付し、重複する説明は省略する。
【0057】図7は、本発明の生物試料観察装置の第2
実施形態の内部構成を示す平面図、図8は、本発明の生
物試料観察装置の第2実施形態を示す側面図である。
【0058】本実施形態の生物試料観察装置60は、回
転テーブル61を有し、各回転テーブル61に複数のマ
イクロプレート17を配置した培養器3を用いている点
で第1実施形態の生物試料観察装置1と相違する。ま
た、本実施形態の生物試料観察装置60は、搬送レール
22及び搬送台23を取り除き、ロボット31により培
養器3からマイクロプレート17を取り出すようにした
点でも第1実施形態の生物試料観察装置1と相違する。
従って、クリーンベンチ2と培養器3との間の側壁には
取出口62が形成され、取出口62を開閉する扉63が
取り付けられている。
【0059】本実施形態の生物試料観察装置60によれ
ば、所望のマイクロプレート17を培養器3から取り出
す場合、先ず扉63が開かれ、ロボット31がロボット
用ガイドレール30に沿って培養器3の方へ移動され
る。そして、回転テーブル61が回転され、所望のマイ
クロプレート17が取出口62の前に配置されるとき
に、ロボット31により所望のマイクロプレート17が
取り出される。所望のマイクロプレート17が培養器3
から取り出された後は、ロボット31が後退し、扉63
が閉じられ、こうしてマイクロプレート17の取出しが
完了する。
【0060】本発明は、前述した第1及び第2実施形態
に限定されるものではない。例えば、第1、第2実施形
態では、培養器3からマイクロプレート17を取り出
し、顕微鏡16のXYステージ18上に配置し、マイク
ロプレート17を培養ケース46で包囲するという一連
の作業がロボット31により行われているが、この一連
の作業は、作業者が行ってもよい。この場合でも、顕微
鏡観察時における生物試料の環境を培養器3内のものと
同一にすることができ、培養された生物試料への悪影響
を十分に防止することができる。
【0061】また、上記第1、第2実施形態では、生物
試料を収容する容器として、マイクロプレート17が用
いられているが、マイクロプレート17の代わりにシャ
ーレ等を用いてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明の生物試料観
察方法及び装置によれば、クリーンベンチに移送される
容器が培養ケースで包囲され、培養ケースと容器との間
に形成された空間の温度、湿度及び炭酸ガス濃度が調整
されるため、その空間を培養器内部の環境と同一にする
ことが可能となり、クリーンベンチ内において、培養さ
れた生物試料への悪影響を十分に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生物試料観察装置の一実施形態を示す
正面図である。
【図2】クリーンベンチの側面図である。
【図3】図1の生物試料観察装置を示す平面図であり、
クリーンベンチの内部構成を示すものである。
【図4】図1の生物試料観察装置を示す正面図であり、
クリーンベンチの内部構成を示すものである。
【図5】培養ケースを示す斜視図である。
【図6】培養ケースに形成されたスリットを開閉するシ
ャッタの一例を示す斜視図である。
【図7】本発明の生物試料観察装置の第2実施形態の内
部構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1…生物試料観察装置、2…クリーンベンチ、3…培養
器、5…ケーシング、6…開口、8…遮光扉、16…顕
微鏡、17…マイクロプレート(容器)、22…搬送レ
ール(移送手段)、23…搬送台(移送手段)、31…
ロボット(包囲手段)、43…注入ノズル、46…培養
ケース、47…ヒータ(調整手段)、48a…炭酸ガス
導入ノズル(調整手段)、48b…空気導入ノズル(調
整手段)、49…挿入スリット(挿入口)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B029 AA12 AA17 BB01 CC02 CC07 FA15 4B063 QA01 QQ05 QS39 QX01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の容器に含まれる生物試料を培養器
    で培養する培養工程と、前記容器を前記培養器からクリ
    ーンベンチに移送する移送工程と、前記クリーンベンチ
    内に設けられた顕微鏡を用いて、前記容器に含まれる生
    物試料を観察する観察工程とを含む生物試料観察方法に
    おいて、 前記クリーンベンチ内で前記容器を培養ケースで包囲す
    る包囲工程と、 前記培養ケースと前記容器との間に形成される空間の温
    度、湿度及び炭酸ガス濃度を調整する調整工程と、を含
    むことを特徴とする生物試料観察方法。
  2. 【請求項2】 前記観察工程の前に、前記クリーンベン
    チを遮光する遮光工程を更に含むことを特徴とする請求
    項1に記載の生物試料観察方法。
  3. 【請求項3】 複数の容器に含まれる生物試料を培養す
    る培養器と、前記容器を前記培養器からクリーンベンチ
    に移送する移送手段と、前記クリーンベンチ内に設けら
    れ、前記容器に含まれる生物試料の観察に用いられる顕
    微鏡とを備える生物試料観察装置において、 前記クリーンベンチ内で前記容器を培養ケースで包囲す
    る包囲手段と、 前記培養ケースと前記容器との間に形成される空間の温
    度、湿度及び炭酸ガス濃度を調整する調整手段と、を備
    えることを特徴とする生物試料観察装置。
  4. 【請求項4】 前記クリーンベンチが、作業空間を包囲
    し且つ遮光性を有するケーシングと、前記ケーシングに
    形成される開口を開閉し且つ遮光性を有する遮光扉とを
    備えることを特徴とする請求項3に記載の生物試料観察
    装置。
  5. 【請求項5】 前記容器に含まれる生物試料に試薬を注
    入する注入ノズルを更に有し、前記培養ケースが、前記
    注入ノズルを挿入するための挿入口を有することを特徴
    とする請求項3又は4に記載の生物試料観察装置。
  6. 【請求項6】 前記容器に含まれる生物試料に試薬を注
    入する注入ノズルを更に有し、前記注入ノズルの先端が
    屈曲していることを特徴とする請求項3〜5のいずれか
    一項に記載の生物試料観察装置。
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