JPWO2016152820A1 - 容器詰め冷凍温野菜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

喫食時の蒸し状態を適切にでき、野菜の旨みを引き出すことができる容器詰め冷凍温野菜及びその製造方法を提供する。カット(ステップS2)された状態でブランチング処理(ステップS3)を施された後に急速冷凍(ステップS5)された野菜を収納した電子レンジ用袋体20を準備し(ステップS6)、電子レンジ用袋体20を電子レンジで加熱することで、電子レンジ用袋体20内の野菜を当該野菜の水分を利用した蒸気加熱によって温野菜として喫食できるようにしている。このため、蒸し時間を短くしつつも加熱後の温野菜の蒸し状態を適度な状態に設定することができる。

Description

本発明は、電子レンジその他の加熱調理器具による加熱調理によって温野菜として喫食可能な容器詰め冷凍温野菜及びその製造方法に関する。
電子レンジ加熱用の容器詰めカット野菜として、第1群の生野菜類と第2群の生野菜類とが互いに接触しない状態で、かつ、電子レンジ加熱時に発生する蒸気を互いに利用して蒸し調理が可能になるように、包装容器内に密閉充填されるものが存在する(特許文献1参照)。
しかし、上記した容器詰めカット野菜は、生野菜を用いているので、調理済みのものに比較して蒸し時間が長くなり、保存状態等に依存して野菜の品質が変化しやすいことから、電子レンジ加熱による加熱後の蒸し状態を適切に設定することは必ずしも容易でなく、野菜の旨みを引き出すことも容易でない。また、このような方法では、蒸ムラが発生する。
特開2014−171430号公報
本発明は、上記背景技術の課題に鑑みてなされたものであり、喫食時の蒸し状態を適切にでき、野菜の旨みを引き出すことができる容器詰め冷凍温野菜及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る容器詰め冷凍温野菜は、カットされた状態で蒸気によるブランチング処理を施された後に急速冷凍された野菜と、急速冷凍された野菜を密封状態で収納するとともに、蒸気圧を部分的に解放する加熱調理器具用袋体とを備え、加熱調理器具で加熱することにより、加熱調理器具用袋体内の野菜を当該野菜の水分を利用した蒸気加熱によって温野菜として喫食できるようにしたものである。なお、加熱調理器具用袋体は、蒸気圧を部分的に解放可能であればよく、例えば比較的サイズが小さい1以上の孔を有するものとすることができ、或いは蒸気圧によって動作する圧力解放機構を有するものとすることができる。また、密封状態には、袋体に蒸気が通る極小さな孔が形成されているような準密封状態が含まれるものとする。
上記容器詰め冷凍温野菜によれば、カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された野菜を収納した加熱調理器具用袋体を準備し、加熱調理器具用袋体を加熱調理器具で加熱することで、加熱調理器具用袋体内の野菜を当該野菜の水分を利用した蒸気加熱によって温野菜として喫食できるようにしているので、蒸し時間を短くしつつも加熱後の温野菜の蒸し状態を適度な状態に設定することができる。しかも、急速冷凍前にカットされた状態の野菜に蒸気によるブランチング処理を施しているので、保存状態等に依存して野菜の品質が変化することを抑制できる。すなわち、野菜の鮮度や栄養素が保持されることから、味わいの劣化を防止でき、喫食のための蒸気加熱後の温野菜の味わいや歯ごたえ等を含む最終的な蒸し状態を簡易かつ確実に所期の状態にすることができる。なお、熱調理器具用袋体が蒸気圧を部分的に解放するものであることにより、袋体の破裂を防止しつつ袋体内に蒸気を溜めることができる。
本発明の別の側面では、ブランチング処理は、100℃以下の低温スチームによって行われる。この場合、野菜の鮮度、栄養素等を維持しやすいだけでなく、瑞々しい温野菜を提供できる。
本発明のさらに別の側面では、ブランチング処理は、70℃以上100℃以下の低温スチームにより、2分以上30分以下の処理時間で行われる。なお、野菜が豆類、芋類、及び根菜類のいずれかである場合は、85℃以上100℃以下の低温スチームにより、2分以上30分以下の処理時間で行うことが望ましい。また、野菜が果菜類、きのこ類、葉菜類、及び果物のいずれかである場合は、75℃以上85℃以下の低温スチームにより、2分以上30分以下の処理時間で行うことが、野菜の味わいを生かす観点で望ましい。豆類、芋類、及び根菜類の低温スチームの温度を85℃から100℃以下にする理由は、果菜類、きのこ類、葉菜類及び果物と比べ、澱粉を多く含み、繊維が多く、さらに土壌菌が多く付着しているために高めの温度設定が必要である。なお、原料の野菜は、低温スチーム処理を行う前に、目的とするサイズにカットされる。これにより原料野菜丸ごとの状態よりも低温スチームによる加熱が均等に早く達成できる。
本発明のさらに別の側面では、カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された複数種類の野菜がミックスされて加熱調理器具用袋体内に充填されている。この場合、栄養、風味、色味のバランスをとった温野菜を提供できる。
本発明のさらに別の側面では、カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された単一種類の野菜が加熱調理器具用袋体内に充填されている。この場合、風味の混合を防止できる。
本発明のさらに別の側面では、カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された単一種類又は複数種類の野菜は、当該野菜と調和するように選択され加工された副食材が添加された状態で加熱調理器具用袋体内に充填されている。この場合、野菜と副食材との組み合わせによって、温野菜を含む様々な調理品を喫食することができる。
本発明のさらに別の側面では、加熱調理器具は、電子レンジである。
本発明のさらに別の側面では、加熱調理器具用袋体の容量に対する急速冷凍された野菜の重量の比は、0.16g/cc以上0.60g/cc以下である。この比を0.16g/cc以上とすることで、加熱調理器具用袋体内に十分な蒸気を発生させることができる。また、この比を0.60g/cc以下とすることで、加熱調理器具用袋体内に蒸気を蓄える十分な空間を形成し、野菜の表面に蒸気が十分に接触する状態を確保できる。
本発明のさらに別の側面では、加熱調理器具は、スチームコンベクション又はスチーマーである。ここで、スチームコンベクションは、ファンにより熱風を強制対流させるオーブンに、蒸気発生装置を取り付けたものであり、スチーマーは、加熱対象を収納する容器状のものであり、加熱対象とともに電子レンジ、オーブン等に収納されて加熱及び蒸気を伴う調理を可能にする。
上記目的を達成するため、本発明に係る容器詰め冷凍温野菜の製造方法は、カットされた野菜を準備する工程と、カットされた野菜に蒸気によるブランチング処理を施す工程と、ブランチング処理後の野菜を急速冷凍する工程と、蒸気圧を部分的に解放する加熱調理器具用袋体に急速冷凍後の野菜を充填し密封する工程とを備え、加熱調理器具で加熱することにより、加熱調理器具用袋体内の野菜を当該野菜の水分を利用した蒸気加熱によって温野菜として喫食できるようにする。
上記容器詰め冷凍温野菜の製造方法によれば、ブランチング処理された後に急速冷凍された野菜を加熱調理器具用袋体に充填し密封するので、これを加熱調理器具で加熱することにより、加熱調理器具用袋体内の野菜を当該野菜の水分を利用した蒸気加熱によって温野菜として喫食できる。これにより、蒸し時間を短くしつつも加熱後の温野菜の蒸し状態を適度な状態に設定することができる。しかも、急速冷凍前にカットされた状態の野菜に蒸気によるブランチング処理を施しているので、保存状態等に依存して野菜の品質が変化することを抑制でき、野菜の鮮度や栄養素が保持され、味わいの劣化を防止でき、喫食のための蒸気加熱後の味わいや歯ごたえ等を含む最終的な蒸し状態を簡易かつ確実に所期の状態にすることができる。
実施形態に係る容器詰め冷凍温野菜の製造方法を説明するためのフロー図である。 図2A及び2Bは、加熱調理器具用袋体の構造の一例を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態である容器詰め冷凍温野菜及びその製造方法ついて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本明細書において、冷凍温野菜とは、蒸気による加熱処理を経ることで温野菜として喫食できるようにしてある冷凍食料品を意味し、保管、流通等の対象となり、加熱仕上げ調理の対象となる。また、温野菜とは、生鮮野菜又は冷凍温野菜を加熱して喫食できるようにした蒸野菜を意味し、通常は味付け調理をしないで温かいうちに料理として喫食する。本発明では、冷凍温野菜に対して蒸気で加熱仕上げ調理することが前提となっているので、冷凍温野菜とされる前のブランチング処理後の野菜は、温野菜と呼ばず、ブランチング済み野菜と呼ぶ。
図1に示すように、本実施形態の容器詰め冷凍温野菜の製造方法は、選別・洗浄工程(ステップS1)と、切削・切断工程(ステップS2)と、ブランチングのための加熱工程(ステップS3)と、冷却工程(ステップS4)と、凍結工程(ステップS5)と、袋詰め工程(ステップS5)とを備える。なお、本実施形態による製法の対処となる野菜は、例えば葉菜類、果菜類、豆類、芋類、根菜類、きのこ類、果物等である。
選別・洗浄工程(ステップS1)において、原料となる玉ねぎ、かぼちゃ、キャベツ、長ねぎ等の野菜について、目視等により虫害、傷、腐敗等の不良部分がいないか判断して適切に選別し、洗浄する。選別に際しては、野菜の不要な部分を切削又は切断することができる。つまり、野菜に対して必要に応じて皮むきやトリミングを行う。トリミングは、根や頭等の部位について、玉ねぎ、かぼちゃ、キャベツ、長ねぎ等の野菜の種類に応じて行われる。洗浄は、流水中又は換水下で行われる。これにより、泥のほか原料に残留している異物等があれば除去することができる。洗浄する野菜は、収穫適期に収穫したものとできるが、収穫後適宜の期間冷却して保存したものすることもできる。
切削・切断工程(ステップS2)において、選別・洗浄工程(ステップS1)を経た野菜を切削及び切断する。まず、洗浄後の野菜を用途に応じて所望の大きさ及び形状に切断する。つまり、切断の大きさ及び形状は、調理用途によって異なる。切断には、例えば切断機や人手を用いてスライス、角切り、寸切り、乱切り等するなど、様々な手法を用いることができる。
加熱工程(ステップS3)において、切削・切断工程(ステップS2)を経た野菜を蒸気で加熱することによってブランチング処理を行う。加熱は、一般的な低温スチーム装置を用いて行う。低温スチームによって加熱処理することにより、野菜の旨みや甘みを保ちつつ、野菜の酸化を低減し、アクを除去することができる。低温スチーム装置は、処理室内を50℃〜100℃の蒸気が飽和している状態を保ちつつ対象を加熱するものであり、後の蒸し調理のための水分を野菜に十分に残すことができる。切削・切断工程(ステップS2)において適切な大きさ及び形状に切断された野菜は、予め所定の処理温度に保持した低温スチーム装置の処理室の中に入れられ、加熱処理される。加熱処理の温度は、野菜の種類や切断後のサイズによるが、例えば70℃〜100℃程度、好ましくは80℃〜100℃とする。加熱処理の時間も、野菜の種類や切断後のサイズによるが、例えば数分〜数10分程度とする。
以上のブランチング処理は、後述する外食を提供する業者(以下、外食と称する)等の末端ユーザーや消費者による加熱仕上げ調理を考慮したものとする。つまり、ブランチング処理は、外食等の末端ユーザーや消費者による加熱仕上げ調理を補完するものとなっている。具体的には、例えば電子レンジにより指定のワット数及び加熱時間で加熱仕上げ調理する場合を想定し、このような加熱仕上げ調理によって蒸し上がりの状態が最も良くなるように、低温スチームによる加熱処理の程度(温度及び時間)が設定される。
なお、ブランチング処理の条件は、野菜の種類やサイズに応じて設定することが望ましい。すなわち、野菜の種類やサイズを含むタイプ毎に、蒸らし効果が最大限引き出されるように加熱処理の温度及び時間の設定を行うことにより、特に多種の野菜を混合する場合において、蒸しムラがでにくくなる。なお、多種の野菜を一定の温度及び時間の条件下で蒸す所謂温野菜料理の場合、本実施形態の冷凍温野菜とは異なり、野菜ごとに蒸し上り状態が異なって蒸しムラが出てしまう。
低温スチームを行う蒸機(つまり低温スチーム装置)には、箱型または部屋型(バッチ式)と、トンネル型(連続式)との2種類がある。実際の製造では、機械により個性があり投入量と蒸気の量とにより、設定温度の時間にかなりの差が生じることが分かっている。また、これらの低温スチーム装置おいて記録式温度計を用いて温度の経時変化を測っても、温度を一様に保つことは容易でない。さらに、低温スチームの温度と時間との設定には、原料による要素が影響しており、(1)野菜のカットサイズ及びカット形状、(2)野菜を収穫した時期と産地を考慮する必要ある。実際、野菜を収穫した時期と産地によって葉の厚みや硬さなどが異なり、低温スチームの温度や時間を調整する必要が生じる。したがって、野菜の種類や量だけでなく、低温スチーム装置の種類、カットのサイズ及び形状、収穫時期、産地等を考慮して、低温スチームの温度と時間との設定を原料に応じて適正にする必要がある。
具体的な例で説明すると、野菜が果菜類、きのこ類、葉菜類、及び果物のいずれかである場合は、75℃以上85℃以下の低温スチームにより、2分以上30分以下の処理時間でブランチング処理を行うことが望ましい。また、例えば、野菜が豆類、芋類、及び根菜類のいずれかである場合は、85℃以上100℃以下の低温スチームにより、2分以上30分以下の処理時間でブランチング処理を行うことが望ましい。ただし、以上は目安であり、低温スチーム装置のタイプ(例えばバッチ式か連続式か等)、野菜のカットサイズ、野菜の投入量、その投入方法といった諸条件によってブランチング条件の調整が必要となる。
なお、野菜が果菜類、きのこ類、葉菜類、及び果物のいずれかである場合は、比較的低温で処理することによって野菜の旨味を保持しやすいが、ブランチング処理に時間がかかって処理効率の低下につながりやすい。このような観点で、野菜が果菜類、きのこ類、葉菜類、及び果物のいずれかであっても、85℃以上100℃以下の低温スチームを用いることができ、この場合、比較的短時間の加熱処理を行うとともに、処理の温度や時間を正確に管理することで蒸し上がりを調整し、野菜の旨味を保持することができる。
冷却工程(ステップS4)において、加熱工程(ステップS3)のブランチング処理を経た野菜(つまりブランチング済み野菜)を冷却する。冷却は、マイクロバブルを導入した常温水やチラー水を用いてブランチング済み野菜をこれに浸漬し、例えば常温から5℃程度まで冷却する。冷却処理時間は、例えば20分程度とする。
凍結工程(ステップS5)において、冷却工程(ステップS4)を経たブランチング済み野菜を凍結することで、冷凍温野菜を得る。凍結は、例えば急速バラ凍結によって行う。凍結処理温度は、例えば−30℃〜−35℃、好ましくは−35℃である。また、凍結時間は、例えば20分である。凍結したブランチング済み野菜、すなわち冷凍野菜は、必要ならば−18℃以下(具体的は−18℃〜−48℃)の温度で保管する。
袋詰め工程(ステップS6)において、凍結工程(ステップS5)を経た冷凍温野菜をそのまま解凍することなく電子レンジ用袋体に充填する。電子レンジ用袋体への充填は、単一種の冷凍温野菜(単品)とすることができるが、複数種の冷凍温野菜を混合したもの(ミックス野菜)とすることもできる。電子レンジ用袋体への冷凍温野菜の充填は、例えば0℃〜室温で行われるが、充填作業を速やかに行えば再凍結の必要はなく、真空包装の必要もない。冷凍温野菜を充填した電子レンジ用袋体(容器詰め冷凍温野菜)は、−18℃以下(具体的は−18℃〜−48℃)で保管される。
なお、加熱工程後のブランチング済み野菜を急速凍結することによって損なわれる栄養素は殆どなく、−18℃以下の冷凍保存中の栄養価については、−18℃以下の冷凍庫で温度変化をできるだけ少なくして保存した場合、素材や加工方法等にもよるが概ね8〜24ヶ月間は最初の栄養価が保たれる。
冷凍温野菜を充填する電子レンジ用袋体又は加熱調理器具用袋体については、後述する外食等の末端ユーザーや消費者による加熱仕上げ調理に際して蒸らし効果を高めるため、電子レンジ用袋体の容量に対する冷凍温野菜の重量の比が、0.16g/cc以上0.60g/cc以下となるようにする。具体的には、電子レンジ用袋体が最大内容量1200ccのものである場合、内容固形物たる冷凍温野菜の重量を約200g〜700gとする。
図2Aは、加熱調理器具用袋体の一例を説明する図である。図示の電子レンジ用袋体(加熱調理器具用袋体)20は、上側の第1シート部21と下側の第2シート部22とを周縁部23でシールしたものであり、内部に冷凍温野菜(不図示)を収納している。電子レンジ用袋体20は、上側の第1シート部21に設けたタブ状部分24の一部に、V字シールとして形成された圧力解放機構25を有する。
図2Bは、図2Aのタブ状部分24を部分的に拡大した断面図であり、圧力解放機構25の構造を説明している。圧力解放機構25は、ここに電子レンジ加熱された電子レンジ用袋体20内の加熱蒸気を集中させることにより、破壊又は破断を生じさせる。具体的には、ナイロン、PET等で形成された基材21c間においてLDPE(Low Density Polyethylene)等からなり互いに接着されたシーラント21a,21bの部分に破壊又は破断を生じさせ蒸気開口を形成する。この蒸気開口からは、蒸気が徐々に解放される。これにより、電子レンジ用袋体20内の蒸気圧が略一定に保たれ、内蔵された野菜について十分な蒸らし効果を実現でき、野菜の旨味を逃がさないような仕上げ調理が可能になる。なお、電子レンジ用袋体20の表面には、冷凍温野菜の加熱時間等の調理に関する情報が記入されている。
圧力解放機構25において、電子レンジ加熱によって形成される蒸気開口は、加熱仕上げ調理に際して十分な蒸らし効果が得られるよう、最終的に5mm〜30mm程度のサイズとなるように予め設定されている。なお、蒸気開口は、内部からの蒸気の発生量により徐々に開口され蒸気の排出量も徐々に拡大される。
電子レンジ用袋体20の圧力解放機構25は、上記の例に限らず様々な形態とできる。圧力解放機構25の詳細については、例えば特開2006−290395号公報において、詳細な開示がなされている。
以上では、圧力解放機構25付きの電子レンジ用袋体20について説明したが、圧力解放機構25に代えて、蒸気圧を部分的に解放可能な様々な構造又は手段を電子レンジ用袋体に設けることができる。このような蒸気圧解放構造として、例えば比較的サイズが小さい1つ以上の蒸気抜き孔を用いることができる。このような蒸気抜き孔を用いた場合、電子レンジ用袋体の保管や流通に際して、蒸気抜き孔からの昇華が問題となる。つまり、蒸気抜き孔から水分が昇華すると、内容物である冷凍温野菜が徐々に乾燥し、品質面で問題が生じる。このような現象を回避するためには、冷凍温野菜を充填した電子レンジ用袋体を複数個合わせて、これら一組として孔が無く機密性が保たれた袋のような衛生的な保存容器に封入すればよく、このような保存容器単位で保管や流通を行えばよい。ただし、蒸気による調理を適切なものにするためには、蒸気抜き孔の配置やサイズ等に関して工夫が必要となる。実際に圧力解放機構25付きの電子レンジ用袋体20に冷凍温野菜を充填したものと、蒸気抜き孔付きの電子レンジ用袋体に冷凍温野菜を充填した後に密閉性の保存容器に封入したものとについて、保管等を行った結果、調理後を含めて品質に差が認められず、蒸気抜き孔からの昇華が大きな問題とならないことを確認した。
袋詰め工程(ステップS6)後の冷凍温野菜である容器詰め冷凍温野菜は、レンジ調理食品として、例えば−18℃〜−48℃の温度に保持されて、保冷車、店舗冷蔵庫等の流通過程に置かれるが、このような温度及び流通過程は単なる例示である。
上記のような袋詰め又は容器詰めの冷凍温野菜又はレンジ調理食品を購入した外食等の末端ユーザーや消費者は、加熱仕上げ調理を行う。すなわち、外食等の末端ユーザーや消費者は、容器詰め冷凍温野菜又はレンジ調理食品を、密閉状態又は準密閉状態のまま電子レンジにより加熱する。この際の加熱時間は電子レンジ用袋体に表示された加熱時間とする。電子レンジ用袋体内で加熱された冷凍温野菜は、解凍された野菜の有する水分によって蒸気を発生するとともに、圧力解放機構25又は蒸気抜き孔において蒸気を適度にリークさせる。このような蒸気を利用した加熱により、解凍された野菜が温野菜に調理される。蒸気による加熱仕上げ調理がなされた温野菜は、野菜の旨味を生かしてそのまま喫食することができるが、消費者の好みにより、ドレッシング、ソース等をかけてもよい。
なお、消費者が行う加熱仕上げ調理については、電子レンジに代えて、スチーマー、スチームコンベクションオーブン、湯煎(鍋と沸騰した湯とを利用するもの)等を利用することができる。
以下、電子レンジによる加熱仕上げ調理の条件について説明する。加熱仕上げ調理の条件は、電子レンジの能力(ワット数)、並びに、電子レンジ用袋体に充填された冷凍温野菜の内容量及び種類に応じたものとなる。まず、電子レンジ用袋体及びその内容物に応じて電子レンジによる加熱時間が設定される。特に、加熱により電子レンジ用袋体内に蒸気が発生し蒸気開口が開いて(具体的には調理開始後から30秒くらいまでで開口して)からの蒸らし時間が大切であり、このような開口後の蒸らし時間は、開口直後から例えば3〜10分間(具体的には5分間)に設定される。このような開口後の蒸らし時間を前提として、電子レンジ用袋体の内容物の蒸気をどの程度開放するかを調整することにより、冷凍温野菜毎に美味しい温野菜を喫食できる条件を決定する。なお、蒸気の開放の程度は、電子レンジ用袋体に形成される蒸気開口のサイズによって任意に設定される。
電子レンジではなく、スチームコンベクションやスチーマーにより加熱仕上げ調理を行う場合は、加熱温度を100℃〜120℃に設定し、対象の冷凍温野菜の投入量、種類、サイズ等によっても異なるが、電子レンジの場合と同じく、加熱により蒸気を発生させ蒸気開口が開いてからの蒸らし時間は、開口直後から例えば45〜90秒の期間(具体的には60秒間)に熱調理器具用袋体の内容物の蒸気をどの程度開放するかを調整することにより、冷凍温野菜毎に美味しい温野菜を喫食できる条件を決定する。なお、葉菜類の場合は開口直後に電子レンジ等を止めて蒸気の発生を停止させる場合もある。
外食等の業務用ユーザー向けの用途を考慮して、個食用(40g〜100g位)ではなく、200g〜500gの業務用包装でテストを行った。業務用ユーザーの環境(例えばスーパーなどの惣菜調理の現場)には、電子レンジがないので、スチームコンベクション等を含む他の手法を用いた。テストにおける加熱対象は、(1)電子レンジ対応の袋に充填した冷凍温、或いは(2)ポリエチレン(PE)の袋に充填した冷凍温野菜であって、スチーム処理の直前に小さな切れ目を入れたものとした。湯煎加熱では、蒸気が十分に発せず、スチーマーでは、熱処理に時間がかかって効率的でないことが分かった。スチームコンベションの場合、比較的低温の加熱モード(120℃以下)であれば、十分な蒸らしが可能であり、温野菜の旨味を逃がさないような仕上げ調理が可能であった。一方、比較的高温の加熱モード(120℃より高温)では、熱風が直接袋に当たる傾向が生じ、この場合、袋が熱で収縮して加熱解凍できなかった。
容器詰め冷凍温野菜の内容物については、カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された単一種類の野菜からなるものに限らず、複数種類の野菜を組み合わせたものとできる。さらに、単一種類又は複数種類の野菜は、当該野菜と調和するように選択され加工された副食材が添加された状態で電子レンジ用袋体内に充填可能である。この場合、単一種類又は複数種類の野菜と副食材との組み合わせによって、温野菜を含む様々な調理品の提供が可能になる。野菜と組み合わせる副食材は、全体の重量を基準として50%以下とする。例えば冷凍温野菜が80%程度に対し、調理済み肉を20%程度とすることができる。
冷凍温野菜との混合に適した食材について以下に例示する。冷凍温野菜との混合に適した食材として、例えばひじきやワカメといった冷凍海産物を挙げることができる。冷凍温野菜との混合に適した食材として、冷凍卵を挙げることができる。冷凍温野菜との混合に適した食材として、鶏肉、豚肉、牛肉といった冷凍調理肉を挙げることができる。冷凍温野菜との混合に適した食材として、ハム、ベーコン、ウィンナー、ソーセージといった冷凍肉の加工品を挙げることができる。冷凍温野菜との混合に適した食材として、冷凍チーズ、冷凍豆腐、冷凍油揚げ、冷凍こんにゃく、冷凍梅干し等を挙げることができる。冷凍温野菜との混合に適した食材として、冷凍剥き海老、冷凍イカ、冷凍タコ、冷凍ホタテ貝、冷凍鮭、冷凍レーズン、冷凍アーモンドスライス等を挙げることができる。冷凍温野菜との混合に適した食材として、マカロニ、ペンネ、スパゲッティといった冷凍パスタを挙げることができる。冷凍温野菜との混合に適した食材として、冷凍餃子、冷凍焼売等を挙げることができる。冷凍温野菜との混合に適した食材として、葉ねぎ、にら、にんにくといった冷凍野菜(カットした生鮮野菜に対して一般的なブランチングを施した冷凍品)を挙げることができる。冷凍温野菜との混合に適した食材として、ダイズ、キドニービーンといった冷凍豆類を挙げることができる。
以上説明した容器詰め冷凍温野菜の製造方法によれば、カット(ステップS2)された状態で加熱をともなうブランチング処理(ステップS3)を施された後に急速冷凍(ステップS5)された野菜を収納した電子レンジ用袋体を準備し(ステップS6)、電子レンジ用袋体を電子レンジで加熱することで、電子レンジ用袋体内の野菜を当該野菜の水分を利用した蒸気加熱によって温野菜として喫食できるようにしている。このため、蒸時間を短くしつつも加熱後の温野菜の蒸状態を適度な状態に設定することができ、調理の簡便性を高めることができる。しかも、急速冷凍前にカットされた状態の野菜に蒸気によるブランチング処理を施しているので、保存状態等に依存して野菜の品質が変化することを抑制できる。すなわち、野菜の鮮度や栄養素が保持されることから、味わいの劣化を防止でき、仕上げの蒸気加熱後の味わいや歯ごたえ等を含む最終的な蒸し状態を簡易かつ確実に所期の状態とできる。
以下、具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
予め、原料となる玉ねぎを準備し、虫害、変色、傷、腐敗等の不良部分がいないか判断し、かかる不良部分があるものを除去する。次に、玉ねぎの頭と根とを除去するトリミングを行った後、トリミング後のものを洗浄する。洗浄後の玉ねぎは、切削・切断工程において、スライス加工又はダイス加工される。スライス加工の場合、8mm×20mmのサイズとし、ダイス加工の場合、5mm×5mmのサイズとした。その後、切断等された玉ねぎ片を流水洗浄し、ブランチングを行った。スライス加工された玉ねぎ片については、98℃で180秒の低温スチーム処理を行い、ダイス加工された玉ねぎ片については、98℃で300秒の低温スチーム処理を行った。その後、バブルを利用した冷却及び洗浄を行い、水切りを行った。その後、冷却された玉ねぎ片を冷凍した。冷凍に際しての凍結温度は−30℃であり、保管温度は−18℃であった。このように冷凍された玉ねぎ片は、サイズ、欠け、褐変等に関する規格に基づいて選別され、500g単位で電子レンジ用袋体20に充填され、電子レンジ用袋体20の封止処理が行われた。
[実施例2]
予め、原料となるかぼちゃを準備し、3週間の風乾処理を行った。風乾後のかぼちゃについて、サイズの適合するものを選別した。次に、かぼちゃから土を除去する洗浄を行い、切削・切断工程において、頭部と尻尾を除去するトリミングを行った後、かぼちゃを20〜25g/個に角切りにした。角切りに際しての不良部等は、選別によって除去された。その後、角切りにされたかぼちゃ片をバブルを利用して洗浄し、ブランチングを行った。ブランチングに際して、かぼちゃ片は、98℃で480秒の低温スチーム処理を施された。次に、自然放冷を利用して冷却を行った。その後、冷却されたかぼちゃ片を冷凍した。冷凍に際しての凍結温度は−30℃であり、保管温度は−18℃であった。このように冷凍されたかぼちゃ片は、欠け、褐変等に関する規格に基づいて選別され、1kg単位で電子レンジ用袋体20に充填され、電子レンジ用袋体20が封止処理が行われた。
[実施例3]
予め、原料となるキャベツを準備した。キャベツは、当日収穫したものであり、圃場にて鬼葉が除去されたものである。このキャベツは、計量に際して腐敗、傷、虫害、変色等の不良部分が除去され、洗浄される。キャベツの洗浄に際しては、虫食い部分その他の夾雑物が除去される。洗浄後のキャベツは、切削・切断工程において、20mm×20mmのサイズにカットされた。カットに際しての不良部(変色、虫害等)は、選別によって除去された。その後、切断等されたキャベツをバブルを利用して洗浄し、ブランチングを行った。ブランチングに際して、キャベツ片は、98℃で240秒の低温スチーム処理を施された。その後、バブルを利用した冷却及び洗浄を行い、水切りを行った。その後、冷却されたキャベツ片を冷凍した。冷凍に際しての凍結温度は−30℃であり、保管温度は−18℃であった。このように冷凍されたキャベツ片は、変色、カット不良等に関する規格に基づいて選別され、500g単位で電子レンジ用袋体20に充填され、電子レンジ用袋体20の封止処理が行われた。
[実施例4]
予め、原料となる長ねぎを準備し、病気、虫害、変色、腐敗等の不良部分がいないか判断し、かかる不良部分があるものを除去する。次に、長ねぎの皮と根とを除去するトリミングを行った後、トリミング後のものを流水で洗浄する。洗浄後の長ねぎは、サイズに関する規格外のものが除去された後に、切削・切断工程において、緑色部分と白色部分とを切り分ける処理が行われるとともに、洗浄されて夾雑物が除去され、スライス加工又は斜め切り加工される。スライス加工の場合、7mmのサイズとし、斜め切り加工の場合、40〜50mmのサイズとした。その後、切断等された長ねぎ片に対して、ブランチングを行った。スライス加工された長ねぎ片については、98℃で120秒の低温スチーム処理を行い、斜め切り加工された長ねぎ片については、98℃で240秒の低温スチーム処理を行った。次に、自然放冷を利用して長ねぎ片の冷却を行うとともに、規格外を除去する選別が行われた。その後、冷却された長ねぎ片を冷凍した。冷凍に際しての凍結温度は−30℃であり、保管温度は−18℃であった。このように冷凍された長ねぎ片は、欠け、褐変等に関する規格に基づいて選別され、1kg単位で電子レンジ用袋体20に充填され、電子レンジ用袋体20が封止処理が行われた。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、冷却工程(ステップS4)、袋詰め工程(ステップS6)において、冷凍温野菜に水分等を追加することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る容器詰め冷凍温野菜は、カットされた状態で100℃以下の低温スチームによるブランチング処理を施された後に急速冷凍された野菜と、急速冷凍された野菜を密封状態で収納するとともに、蒸気圧を部分的に解放する加熱調理器具用袋体とを備え、カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された複数種類の野菜がミックスされて加熱調理器具用袋体内に充填され、ブランチング処理の条件は、複数種類の野菜について野菜の種類及びサイズに応じて設定され、加熱調理器具で加熱することにより、加熱調理器具用袋体内の野菜を当該野菜の水分を利用した蒸気加熱によって温野菜として喫食できるようにしたものである。なお、加熱調理器具用袋体は、蒸気圧を部分的に解放可能であればよく、例えば比較的サイズが小さい1以上の孔を有するものとすることができ、或いは蒸気圧によって動作する圧力解放機構を有するものとすることができる。また、密封状態には、袋体に蒸気が通る極小さな孔が形成されているような準密封状態が含まれるものとする。
さらに、上記容器詰め冷凍温野菜によれば、ブランチング処理は、100℃以下の低温スチームによって行われる。この場合、野菜の鮮度、栄養素等を維持しやすいだけでなく、瑞々しい温野菜を提供できる。
さらに、上記容器詰め冷凍温野菜によれば、カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された複数種類の野菜がミックスされて加熱調理器具用袋体内に充填されている。この場合、栄養、風味、色味のバランスをとった温野菜を提供できる。
本発明のの側面では、野菜が豆類、芋類、及び根菜類のいずれかである場合は、85℃以上100℃以下の低温スチームにより、2分以上30分以下の処理時間で行うことが望ましい。また、野菜が果菜類、きのこ類、葉菜類、及び果物のいずれかである場合は、75℃以上85℃以下の低温スチームにより、2分以上30分以下の処理時間で行うことが、野菜の味わいを生かす観点で望ましい。豆類、芋類、及び根菜類の低温スチームの温度を85℃から100℃以下にする理由は、果菜類、きのこ類、葉菜類及び果物と比べ、澱粉を多く含み、繊維が多く、さらに土壌菌が多く付着しているために高めの温度設定が必要である。なお、原料の野菜は、低温スチーム処理を行う前に、目的とするサイズにカットされる。これにより原料野菜丸ごとの状態よりも低温スチームによる加熱が均等に早く達成できる。
本発明のさらに別の側面では、ブランチング処理は、70℃以上100℃以下の低温スチームにより、2分以上30分以下の処理時間で行われる。
本発明のさらに別の側面では、カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された複数種類の野菜は、当該野菜と調和するように選択され加工された副食材が添加された状態で加熱調理器具用袋体内に充填されている。この場合、野菜と副食材との組み合わせによって、温野菜を含む様々な調理品を喫食することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る容器詰め冷凍温野菜の製造方法は、カットされた野菜を準備する工程と、カットされた野菜に100℃以下の低温スチームによるブランチング処理を施す工程と、ブランチング処理後の野菜を急速冷凍する工程と、蒸気圧を部分的に解放する加熱調理器具用袋体に急速冷凍後の野菜を充填し密封する工程とを備え、カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された複数種類の野菜がミックスされて加熱調理器具用袋体内に充填され、ブランチング処理の条件は、複数種類の野菜について野菜の種類及びサイズに応じて設定され、加熱調理器具で加熱することにより、加熱調理器具用袋体内の野菜を当該野菜の水分を利用した蒸気加熱によって温野菜として喫食できるようにする。

Claims (10)

  1. カットされた状態で蒸気によるブランチング処理を施された後に急速冷凍された野菜と、
    前記急速冷凍された野菜を密封状態で収納するとともに、蒸気圧を部分的に解放する加熱調理器具用袋体と、を備え、
    加熱調理器具で加熱することにより、前記加熱調理器具用袋体内の野菜を当該野菜の水分を利用した蒸気加熱によって温野菜として喫食できるようにした、容器詰め冷凍温野菜。
  2. 前記ブランチング処理は、100℃以下の低温スチームによって行われる、請求項1に記載の容器詰め冷凍温野菜。
  3. 前記ブランチング処理は、70℃以上100℃以下の低温スチームにより、2分以上30分以下の処理時間で行われる、請求項1に記載の容器詰め冷凍温野菜。
  4. カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された複数種類の野菜がミックスされて前記加熱調理器具用袋体内に充填されている、請求項1に記載の容器詰め冷凍温野菜。
  5. カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された単一種類の野菜が前記加熱調理器具用袋体内に充填されている、請求項1に記載の容器詰め冷凍温野菜。
  6. カットされた状態でブランチング処理を施された後に急速冷凍された単一種類又は複数種類の野菜は、当該野菜と調和するように選択され加工された副食材が添加された状態で前記加熱調理器具用袋体内に充填されている、請求項1に記載の容器詰め冷凍温野菜。
  7. 前記加熱調理器具は、電子レンジである、請求項1に記載の容器詰め冷凍温野菜。
  8. 前記加熱調理器具用袋体の容量に対する前記急速冷凍された野菜の重量の比は、0.16g/cc以上0.60g/cc以下である、請求項1に記載の容器詰め冷凍温野菜。
  9. 前記加熱調理器具は、スチームコンベクション又はスチーマーである、請求項1に記載の容器詰め冷凍温野菜。
  10. カットされた野菜を準備する工程と、
    カットされた野菜に蒸気によるブランチング処理を施す工程と、
    前記ブランチング処理後の野菜を急速冷凍する工程と、
    蒸気圧を部分的に解放する加熱調理器具用袋体に急速冷凍後の野菜を充填し密封する工程と、を備え、
    加熱調理器具で加熱することにより、前記加熱調理器具用袋体内の野菜を当該野菜の水分を利用した蒸気加熱によって温野菜として喫食できるようにした、容器詰め冷凍温野菜の製造方法。
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