JPWO2016152466A1 - 医療用成形品、医療用成形品の押出成形方法、および医療用成形品の押出成形装置 - Google Patents

医療用成形品、医療用成形品の押出成形方法、および医療用成形品の押出成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】着色性の低い医療用成形品を安価に製造できる技術を提供する。【解決手段】ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部に対して、エステル可塑剤 30〜160質量部、エポキシ可塑剤 5〜25質量部、および亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸 0.01〜0.1質量部(合計量)と含む組成物を押出成形されてなり、白色度(W.I.)が25以上でかつ黄色度(Y.I.)が3.5以下である、医療用成形品。この医療用成形品を押出成形するにあたっては、溝22の深さdが同じ深さに形成された押出機20のスクリュー21に、固形状に形成した組成物11を、押出機内において組成物に剪断発熱を生じさせない量に調整した供給量にて供給する。そして、スクリューに供給された固形状の組成物にヒーター41、42、43からの熱を加えて溶融し、押出機から押し出された溶融状態の組成物をダイ50によって医療用成形品12の形状に成形する。【選択図】図1

Description

本発明は、医療用成形品、医療用成形品の押出成形方法、および医療用成形品の押出成形装置に関する。
医療用材料として、従来、軟質ポリ塩化ビニル樹脂が広く使用されている。医療用具は、接触した血液が生体に戻される、生体組織中に挿入される、あるいは体力の落ちている患者付近で使用されるため、安全性がかなり配慮されている、このため、医療用具は一般的に滅菌形態で使用されるが、その滅菌方法としては、放射線滅菌、エチレンオキサイド滅菌または高圧蒸気滅菌が一般的に採用されている。その中でも放射線滅菌は、エチレンオキサイド滅菌のようにエチレンオキサイドガスの残留の心配がなく、高圧蒸気滅菌のように医療器具が高温に晒されることがないため、衛生的で医療材料にダメージの小さい優れた滅菌方法として採用されている。
その一方で、軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物で作られた医療用具は、放射線や加熱により軟質ポリ塩化ビニル樹脂またはその配合剤が劣化/変性して、着色の促進等の不具合が発生する。
上記課題を鑑みて、特許文献1では、電子線滅菌時でも変色しにくい成形品が報告される。上記特許文献1では、3価以上の多価アルコールの3−メルカプトプロピオン酸エステルを特定量含むポリ塩化ビニル樹脂組成物で成形することを特徴としている。
特開2012−057099号公報
上記特許文献1に記載の成形品はたしかに電子線滅菌に対する耐変色性に優れ、電子線滅菌後に変色しにくい成形品である。
一方で、ポリ塩化ビニル樹脂製の医療用成形品は汎用品であり、他の高機能医療用具に比して安価に製造することが望まれている。このため、コスト削減を考慮すると、配合剤(添加剤)の種類や量を可能な限り低減することが望まれる。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、着色(変色)を低減した医療用成形品を安価に製造できる技術を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、熱安定剤である金属石鹸量を低減しても着色度の低い(白色度が高くかつ黄色度が低い)ポリ塩化ビニル樹脂製医療用成形品を製造する技術を見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち、上記諸目的は、ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部に対して、エステル可塑剤 30〜160質量部、エポキシ可塑剤 5〜25質量部、および亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸 0.01〜0.1質量部(合計量)と含む組成物を押出成形されてなり、白色度(W.I.)が25以上でかつ黄色度(Y.I.)が3.5以下である、医療用成形品によって達成される。
上記目的を達成する医療用成形品の押出成形方法は、上記の組成物を押出成形し、白色度(W.I.)が25以上でかつ黄色度(Y.I.)が3.5以下である医療用成形品を成形する押出成形方法である。まず、溝の深さが同じ深さに形成された押出機のスクリューに、固形状に形成した前記組成物を、前記押出機内において前記組成物に剪断発熱を生じさせない量に調整した供給量にて供給する。前記スクリューに供給された固形状の前記組成物にヒーターからの熱を加えて溶融する。そして、前記押出機から押し出された溶融状態の前記組成物をダイによって医療用成形品の形状に成形する。
上記目的を達成する医療用成形品の押出成形装置は、上記の組成物を押出成形し、白色度(W.I.)が25以上でかつ黄色度(Y.I.)が3.5以下である医療用成形品を成形する押出成形装置である。押出成形装置は、溝の深さが同じ深さに形成されたスクリューをバレル内に回転駆動自在に配置した押出機と、固形状に形成した前記組成物を前記スクリューに供給するとともに前記組成物の供給量を調整自在なフィーダーと、前記スクリューに供給された固形状の前記組成物を溶融させる熱を加えるヒーターと、前記押出機から押し出された溶融状態の前記組成物を医療用成形品の形状に成形するダイと、を有する。そして、前記フィーダーは、前記組成物の供給量を、前記押出機内において前記組成物に剪断発熱を生じさせない量に調整する。
本発明の医療用成形品は、少ない量の金属石鹸であっても着色度は低い(白色度が高くかつ黄色度が低い)。ゆえに、本発明の医療用成形品は低コストで製造できる。
本発明の医療用成形品の押出成形技術によれば、溝の深さが同じ深さに形成されたスクリューを使用し、固形状に形成した組成物を、押出機内において組成物に剪断発熱を生じさせない量に調整した供給量にて供給している。このため、押出機内において組成物が滞留することが抑えられ、さらに押出機内において組成物が過度に剪断発熱されることが抑えられる。成形品の焼けの原因となる2つの要因を抑制できる結果、少ない量の金属石鹸であっても着色度の低い(白色度が高くかつ黄色度が低い)医療用成形品を低コストに製造できる。
本発明の実施形態に係る医療用成形品の押出成形装置を示す概略構成図である。 図1に示す医療用成形品の押出成形装置の要部を示す断面図である。
本発明の第一は、ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部に対して、エステル可塑剤 30〜160質量部、エポキシ可塑剤 5〜25質量部、および亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸 0.01〜0.1質量部(合計量)と含む組成物を押出成形されてなり、白色度(W.I.)が25以上でかつ黄色度(Y.I.)が3.5以下である、医療用成形品を提供する。
上記構成を満たす医療用成形品は、少ない量の金属石鹸であっても着色度は低い(白色度が高くかつ黄色度が低い)。ゆえに、本発明の医療用成形品は低コストで製造できる。
一般的に、汎用型の医療用ポリ塩化ビニル樹脂製の成形品は、輸液、輸血用のバッグ、連結用チューブなど、様々な用途に使用される。この際、成形品内容物(例えば、血液、栄養剤等)の状態(例えば、液体の流れ、色)など観察が容易であるように、成形品は黄色味が低く白色味の高いものが好まれる。このため、上記特許文献1に記載されるように、従来、様々な添加剤を用いて変色や着色を抑えることが試みられてきた。その一方で、このような汎用型の医療用成形品は、様々な用途に大量に使用されるため、安価であることが要求されている。このため、コストを低減するという観点からは、配合剤(添加剤)の種類や量は少ないことが好ましい。すなわち、医療用成形品の、着色や変色の抑制・防止と、コスト削減と、は、トレードオフの関係にある。
これに対して、本発明の医療用成形品は、下記に詳述するような特定の手段で製造することによって、少ない量の安定化剤(亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸)であっても、白色度が高くかつ黄色度の低い医療用成形品を作製することが可能になったのである。
以下、本発明に係るポリ塩化ビニル樹脂組成物の構成成分を詳細に説明する。なお、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
(医療用成形品)
本発明の医療用成形品は、上述したような特定の組成物(ポリ塩化ビニル樹脂組成物)を押出成形することによって製造される。また、本発明の医療用成形品は、25以上の白色度(W.I.)および3.5以下の黄色度(Y.I.)を有する。このように白色度が高くかつ着色度(黄色度)の低い成形品は、高い視認性を発揮するため、成形品(例えば、チューブ)内に液体(例えば、血液、栄養剤等)を流しても、その状態(例えば、液体の流れ、色)を良好に視認できる。
視認性のより向上効果などを考慮すると、医療用成形品の白色度は、好ましくは26以上、より好ましくは27以上、特に好ましくは28以上である。なお、医療用成形品の白色度は、高いほど好ましいため、特に上限は設定されないが、50以下程度であれば十分である。同様にして、視認性のより向上効果などを考慮すると、医療用成形品の黄色度は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下である。なお、医療用成形品の黄色度は、低いほど好ましいため、特に下限は設定されず、0以上である。
本明細書において、医療用成形品の白色度及び黄色度は下記方法に従って測定された値である。
(医療用成形品の白色度および黄色度の測定方法)
内径:3.0mm、外径:4.4mmのチューブを押出成形する(サンプルチューブ)。このサンプルチューブ(n=8)について、白色度(W.I.)及び黄色度(Y.I.)は、ASTM E313−73に準拠した方法に従って、下記条件にて測定し、その平均の値を採用する。
(ポリ塩化ビニル樹脂)
ポリ塩化ビニル樹脂は、特に制限されず、通常、医療用途で使用されるポリ塩化ビニル樹脂が同様にして使用される。このため、ポリ塩化ビニル樹脂は、合成品を用いてもいいし、市販品を用いてもよい。好ましくは、重合度が、1000〜2000程度のポリ塩化ビニル樹脂を使用される。ここで、市販品の例としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂 S−400、S1006、S1007、S1008、S1001、S1001N、S1003、S1003N、S1004、KS−1700、KS−2500、KS−3000(以上、株式会社カネカ製)などが挙げられる。また、ポリ塩化ビニル樹脂の合成方法としては、特に制限されないが、例えば、懸濁重合法などが挙げられる。なお、上記ポリ塩化ビニル樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(エステル可塑剤)
本発明に係るポリ塩化ビニル樹脂組成物には、エステル可塑剤が、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対し、30〜160質量部、好ましくは40〜100質量部の量で、配合されている。ここで、エステル可塑剤の配合量が160質量部を超えると、エステル可塑剤が均一に混合されにくくなるので、ポリ塩化ビニル樹脂組成物のコンパウンドとして製造することが困難となる場合がある。逆に、エステル可塑剤の配合量が30質量部未満であると、ポリ塩化ビニル樹脂との相溶性が低下し、所望の柔軟性が得られず、好ましくない。
エステル可塑剤の例としては、特に限定されないが、例えば、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(TOTM)等のトリメリット酸エステル;アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリヘキシル、n−ブチリルクエン酸トリヘキシルなどのクエン酸エステル;フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHP)(フタル酸ジオクチル(DOP))、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジブチル(DBP)等のフタル酸エステル;アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸エステル;リン酸トリクレシル等のリン酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、柔軟性(特に低温柔軟性)、熱安定性、安全性の観点から、トリメリット酸エステルやフタル酸エステルが好ましく、TOTMやDEHPがより好ましい。
本発明で用いられるエステル可塑剤は、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、例えば、ジェイ・プラス社製 TOTM−NBが挙げられる。また、合成方法としては、例えば、無水トリメリット酸とアルコールとを混合しエステル化する方法が挙げられる。
上記エステル可塑剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(エポキシ可塑剤)
本発明に係るポリ塩化ビニル樹脂組成物には、エポキシ可塑剤が、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対し、5〜25質量部、好ましくは7〜15質量部の量で、配合されている。エポキシ可塑剤は、可塑剤兼加工助剤として作用する。また、エポキシ可塑剤は、亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸(安定剤)の熱安定補助剤としても作用する。ここで、エポキシ可塑剤の配合量が多すぎると、細胞毒性の悪化、成形時のエポキシ可塑剤のブリードアウトが懸念される。一方、エポキシ可塑剤の配合量が少なすぎると、所望の柔軟性、耐変色性、耐熱性が低下したり、着色を誘発したりする場合がある。
エポキシ可塑剤の例としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油などのエポキシ類などが挙げられる。
本発明で用いられるエポキシ可塑剤は、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、例えば、株式会社ADEKA製 O−130P、O−180Aなどが挙げられる。また、合成方法としては、例えば、アルケンを直接エポキシ化する方法が挙げられる。
上記エポキシ可塑剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸)
本発明に係るポリ塩化ビニル樹脂組成物には、亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸が、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対し、安定剤として、これらの合計量として、0.01〜0.1質量部、好ましくは0.03〜0.08質量部の量で、配合されている。ここで、上記配合量が多すぎると、ポリ塩化ビニル樹脂組成物の透明性が低下する。また、ポリ塩化ビニル樹脂の滅菌後の着色が増大する傾向にある。一方、配合量が少なすぎると、耐熱性、耐変色性が低下したり、着色を誘発したりしうる。
亜鉛石鹸としては、特に限定されないが、ラウリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛およびオレイン酸亜鉛のようなラウリル基、パルミチル基、ステアリル基またはオレイル基を含むものが好ましく用いられる。このようなアルキル基を有するものは、安全性の観点から医療用途に好適である。
本発明で用いられる亜鉛石鹸は、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、例えば、堺化学工業株式会社製のステアリン酸亜鉛が挙げられる。また、亜鉛石鹸を合成するための合成方法としては、例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩水溶液と、無機金属塩とを複分解反応させる方法が挙げられる。
また、カルシウム石鹸としては、特に制限されないが、上記亜鉛石鹸と同様に、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、またはオレイン酸カルシウムのようなラウリル基、パルミチル基、ステアリル基またはオレイル基を含むものが好ましく用いられる。このようなアルキル基を有するものは、安全性の面から特に医療用途に好適である。
本発明で用いられるカルシウム石鹸は、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、例えば、堺化学工業株式会社製のステアリン酸カルシウムが挙げられる。また、カルシウム石鹸を合成するための合成方法としては、例えば脂肪酸のアルカリ金属塩水溶液と無機金属塩とで複分解反応させる方法が挙げられる。
上記亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸は、それぞれ、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るポリ塩化ビニル樹脂組成物は、亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸を含む。ここで、亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸の混合割合は、特に制限されないが、好ましくは亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸の混合比(亜鉛石鹸:カルシウム石鹸の質量比)は、好ましくは1:1〜3、より好ましくは1:1〜2である。このような混合比であれば、着色を有意に低減でき、白色度がより高くかつ黄色度がより低い医療用成形品がより安価に製造できる。
亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸は、ポリ塩化ビニル樹脂組成物にそれぞれ別個に配合されてもよいが、所定の割合で予め配合された混合物を配合してもよい。後者の場合、混合物は、市販品を使用してもよい。市販品の例としては、例えば、安定剤 アデカスタブシリーズ SC−12、593、37、SC−308E(以上、株式会社ADEKA製)などが挙げられる。
(その他の成分)
本発明の成形品を形成するポリ塩化ビニル樹脂組成物は、本発明の目的を達成でき、本来の特性を特に損なわない限り、さらに他の任意成分を配合させることもできる。これら任意成分とは、例えば、金属酸化物、耐熱性向上剤、滑剤、顔料、界面活性剤、加工助剤等が挙げられる。
これらのうち、金属酸化物としては、特に制限されないが、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。
耐熱性向上剤としては、特に制限されないが、例えば、ペンタエリスリトール類、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
滑剤としては、特に制限されないが、例えば、シリコーンオイル等が挙げられる。
顔料としては、特に制限されないが、例えば、金属錯塩系顔料等が挙げられる。
界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、ステアリン酸モノグリセライド等が挙げられる。
加工助剤としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系高分子加工助剤等が挙げられる。
これら配合剤の配合量は、ポリ塩化ビニル樹脂組成物としての安全性、耐熱性、および耐着色性を損なわない範囲であれば、特に制限されるものではない。好ましくは、これらの配合剤の配合量の合計は、本発明に係るポリ塩化ビニル樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは0.1〜0.5質量部である。
本発明に係るポリ塩化ビニル樹脂組成物は、特に制限されず、上記ポリ塩化ビニル樹脂組成物を押出成形することによって製造される。
(医療用成形品の押出成形方法、およびその装置)
次に、少ない量の安定化剤であっても、白色度が高くかつ黄色度の低い医療用成形品を作製することが可能な押出成形方法、およびその押出成形方具現化した押出成形装置10について説明する。
以下、図面を参照して、実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る医療用成形品の押出成形装置10を示す概略構成図、図2は、図1に示す医療用成形品の押出成形装置10の要部を示す断面図である。
図1、図2を参照して、本実施形態の押出成形装置10は、概説すると、上述した組成物11を押出成形し、白色度(W.I.)が25以上でかつ黄色度(Y.I.)が3.5以下である医療用成形品12としての例えばチューブを成形する。押出成形装置10は、溝22の深さdが同じ深さに形成されたスクリュー21をバレル23内に回転駆動自在に配置した押出機20と、固形状に形成した組成物11をスクリュー21に供給するとともに組成物11の供給量を調整自在なフィーダー30と、スクリュー21に供給された固形状の組成物11を溶融させる熱を加えるヒーター41、42、43と、押出機20から押し出された溶融状態の組成物11を医療用成形品12の形状に成形するダイ50と、を有している。そして、フィーダー30は、組成物11の供給量を、押出機20内において組成物11に剪断発熱を生じさせない量に調整する。この医療用成形品の押出成形装置10にあっては、溝22の深さdが同じ深さに形成された押出機20のスクリュー21に、固形状に形成した組成物11を、押出機20内において組成物11に剪断発熱を生じさせない量に調整した供給量にて供給する。そして、スクリュー21に供給された固形状の組成物11にヒーター41、42、43からの熱を加えて溶融し、押出機20から押し出された溶融状態の組成物11をダイ50によって医療用成形品12の形状に成形している。以下、詳述する。
組成物11は、上述したとおり、ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部に対して、エステル可塑剤 30〜160質量部、エポキシ可塑剤 5〜25質量部、および亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸 0.01〜0.1質量部(合計量)を含んでいる。組成物11は、固形状のペレットに形成される。ペレット11(組成物)は、図示しない除湿乾燥機において加熱乾燥されている。ペレット11は、樹脂メーカー推奨の乾燥条件にて樹脂メーカー指定の含水率に保たれている。ペレット11は、例えば、φ3〜4mmの球形形状を有する。ペレット11の形状は球形形状に限られるものではなく、たとえば、短い棒形状を有していてもよい。
押出機20は、シリンダーとも称されるバレル23と、バレル23内に回転可能に保持されるスクリュー21と、スクリュー21を回転駆動する歯車列24やモータ25と、を有している。バレル23には、成形材料を投入する投入口が開口されている。スクリュー21は、基端側から先端側に順に、フィードゾーンC1、移送ゾーンC2、およびメータリングゾーンC3が形成されている。スクリュー21のフィードゾーンC1、およびスクリュー21基端部がバレル23の投入口に臨む部位によって供給部26が構成される。二軸押出機を用いた場合は、可塑化や混練は行い易いものの、過度な剪断発熱が組成物11に加えられ、焼けの原因となる。このため、押出機20は、単軸押出機の方が好ましい。
スクリュー21は、本体部21aと、本体部21aの外周面から突出するフライト部21bとを有する。フライト部21bは、本体部21aの外周面上を螺旋状に伸びている。本体部21aは、外径が一定寸法の直管形状を有する。フライト部21bは、外径が一定寸法である。したがって、スクリュー21は、溝22の深さdが同じ深さに形成されている。スクリュー21のフィードゾーンC1とバレル23内周面との間の隙間寸法、移送ゾーンC2とバレル23内周面との間の隙間寸法、およびメータリングゾーンC3とバレル23内周面との間の隙間寸法は、いずれも同じ寸法である。
フィーダー30は、ペレット11がローダー(図示せず)によって供給される予備ホッパー31と、押出機20のバレル23の投入口に接続される主ホッパー32と、予備ホッパー31から主ホッパー32にペレット11を搬送する輸送部33と、を有している。輸送部33は、フィードスクリュー34を回転可能に保持する筒体35と、フィードスクリュー34を回転駆動するモータ36とを有している。モータ36によってフィードスクリュー34を回転駆動することによって、予備ホッパー31から落下・供給されたペレット11を搬送して、主ホッパー32内へ供給する。フィーダー30は、フィードスクリュー34の回転速度を調整することによって、組成物11の供給量を調整できる。
輸送部33は、図示したスクリュー式のほか、コイル式、ベルト式、振動式、空気輸送、ピストン輸送、その他の方法を適用して、ペレット11を搬送することができる。輸送部33には、容量式定量フィーダー以外にも、重量式定量フィーダーも好適に用いることができる。主ホッパー32には、減圧ユニットや、不活性ガスの導入ユニットを適宜設けることができる。
バレル23の周囲には、ペレット11を溶融させる熱を加えるヒーター41、42、43が設けられている。ヒーター41、42、43は、スクリュー21のフィードゾーンC1、移送ゾーンC2、およびメータリングゾーンC3のそれぞれに対応して設けられている。ヒーター41、42、43は、例えば、温度制御が容易な電気ヒーターであるバンドヒーターを用いている。熱媒体を循環させるタイプのヒーターを用いることもできる。バレル23の壁面温度を検出するため、熱電対などの温度センサー61、62、63の先端部がバレル23の壁面内に埋め込まれている。温度センサー61、62、63の先端部をバレル23の表面に密着させて取り付けることもできる。バンドヒーター41、42、43への通電をオンオフ制御することによって、バレル23の壁面温度を設定温度に維持する。設定温度は、組成物11に含まれる材料の重合度、可塑剤の種類や添加量によって異なるが、例えば、160〜170℃である。
ダイ50は、押出機20から押し出された溶融状態の組成物11が通過する通路が形成されている。ダイ50の先端部の開口形状は、医療用成形品12の形状に合致した形状を有する。ダイ50の基端部が、押出機20の先端部に接続されている。
ダイ50の基端部および先端部にも、押出機20から押し出された溶融状態の組成物11に熱を加えるダイ用ヒーター44、45が設けられている。バレル23に設けたヒーター41、42、43と同様に、ダイ用ヒーター44、45にもバンドヒーターを用いている。ダイ50の壁面内に、ダイ50の壁面温度を検出するため、熱電対などの温度センサー64、65の先端部が埋め込まれている。温度センサー64、65の先端部をダイ50の表面に密着させて取り付けることもできる。バンドヒーター44、45への通電をオンオフ制御することによって、ダイ50の壁面温度を設定温度に維持する。設定温度は、例えば、160〜170℃である。
押出成形装置10は、さらに、押出機20やフィーダー30の作動を制御するコントローラー70を有している。そして、フィーダー30は、コントローラー70によって作動が制御され、固形状に形成した組成物11の供給量を、押出機20内において組成物11に剪断発熱を生じさせない量に調整される。押出機20は、コントローラー70によって作動が制御され、スクリュー21の回転数が調整される。
本実施形態にあっては、溝22の深さdが同じ深さに形成されたスクリュー21を使用している。さらに、フィーダー30は、フィードスクリュー34の回転速度を調整することによって、固形状に形成した組成物11を、押出機20内において組成物11に剪断発熱を生じさせない量に調整した供給量にて供給している。このため、押出機20内において組成物11が滞留することが抑えられ、さらに押出機20内において組成物11が過度に剪断発熱されることが抑えられる。したがって、成形品の焼けの原因となる2つの要因を抑制することができる。
ここで、「押出機20内において組成物11に剪断発熱を生じさせない量」とは、スクリュー21の溝22の深さdとの関係において組成物11の供給量を定めることによって、「押出機20内において組成物11が滞留することを抑え、さらに押出機20内において組成物11が過度に剪断発熱されることを抑えることができる量」を意味している。したがって、組成物11に剪断発熱が多少生じる量であっても、焼けの原因となる過度の剪断発熱が生じていない限りにおいて、その「組成物11に剪断発熱が多少生じる量」は、「押出機20内において組成物11に剪断発熱を生じさせない量」に含まれると理解されなければならない。
押出機20内において組成物11が過度に剪断発熱されることを抑える観点から、押出機20内における組成物11の温度は「設定温度+5℃以下」、より好ましくは「設定温度+2℃以下」になるように、フィーダー30によって組成物11の供給量を制御することが好ましい。成形品の焼けの原因となる過度の剪断発熱を確実に抑制できるからである。尚、押出機20内における組成物11の温度は、温度センサー61、62、63にて容易に確認できる。
次に、作用を説明する。
まず、ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部に対して、エステル可塑剤 30〜160質量部、エポキシ可塑剤 5〜25質量部、および亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸 0.01〜0.1質量部(合計量)を含む組成物11を、固形状のペレット11に形成する。
ヒーター41、42、43およびダイ用ヒーター44、45への通電をオンオフ制御することによって、バレル23の壁面温度およびダイ50の壁面温度を設定温度に昇温する。
フィーダー30は、溝22の深さdが同じ深さに形成された押出機20のスクリュー21に、ペレット11を供給する。このとき、フィーダー30は、フィードスクリュー34の回転速度を調整することによって、ペレット11を、押出機20内において組成物11に剪断発熱を生じさせない量に調整した供給量にて供給する。
スクリュー21に供給されたペレット11は、ヒーター41、42、43からの熱が加えられて溶融する。溶融した組成物11は、スクリュー21の溝22を通ってスクリュー21の先端まで達すると、溝22による誘導がなくなるため、前進する力が弱くなる。溶融状態の組成物11の前進が抑制されるので、メータリングゾーンC3では溶融状態の組成物11の圧力は若干高くなる。ただし、この圧力の増加は、組成物11に剪断発熱を生じさせるものではない。
そして、押出機20から押し出された溶融状態の組成物11をダイ50によって医療用成形品12の形状に成形する。押出成形中は、ヒーター41、42、43およびダイ用ヒーター44、45への通電をオンオフ制御することによって、バレル23の壁面温度およびダイ50の壁面温度を設定温度に維持する。
以上説明したように、本実施形態の医療用成形品の押出成形技術によれば、溝22の深さdが同じ深さに形成されたスクリュー21を使用し、さらに、固形状に形成した組成物11を、押出機20内において組成物11に剪断発熱を生じさせない量に調整した供給量にて供給している。このため、押出機20内において組成物11が滞留することが抑えられ、さらに押出機20内において組成物11が過度に剪断発熱されることが抑えられる。成形品の焼けの原因となる2つの要因を抑制できる結果、少ない量の金属石鹸であっても着色度の低い(白色度が高くかつ黄色度が低い)医療用成形品12を低コストに製造できる。
押出機20内における組成物11の温度は、「設定温度+5℃以下」になるようにしている。このように構成することによって、成形品の焼けの原因となる過度の剪断発熱を確実に抑制して、少ない量の金属石鹸であっても着色度の低い(白色度が高くかつ黄色度が低い)医療用成形品12を低コストに製造できる。
医療用成形品12としてのチューブを成形する押出成形装置10について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。輸液、輸血用のバッグ、これらのバッグに連結されるチューブなど、様々な用途の医療用成形品を成形するために、押出成形装置10を適宜改変して適用することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。
実施例1
ポリ塩化ビニル樹脂(株式会社カネカ製、KS−1700、平均重合度:1700) 100kg、エステル可塑剤としてフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHP) 52kg、エポキシ可塑剤としてエポキシ化大豆油(株式会社ADEKA製、O−130P) 8kg、安定剤としてCa−Zn系安定剤(株式会社ADEKA製、商品名:アデカスタブ37、ステアリン酸カルシウム含量:約7.57質量%、ステアリン酸亜鉛含有量:約10.1質量%) 0.07kg、およびシリコーンオイル(信越化学 商品名:KF−50) 0.15kgを混合し、ポリ塩化ビニル樹脂組成物を調製した。なお、このポリ塩化ビニル樹脂組成物中、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛は、それぞれ、0.0053kg及び0.00707kg含まれている。
次に、このポリ塩化ビニル樹脂組成物を、ペレットに形成し、上述した医療用成形品の押出成形装置を使用して、内径がφ3.0mm、外径がφ4.4mmであるチューブを押出成形した。使用したペレットはφ3〜4mmの球形形状を有し、供給量を4kg/hrに設定した。押出機のバレルの内径はφ22mmである。スクリューの回転速度を50rpmに設定した。押出成形装置において、溝の深さが同じ深さに形成された押出機のスクリューに、ペレットを、押出機内において組成物に剪断発熱を生じさせない量に調整した供給量にて供給した。そして、スクリューに供給されたペレットにヒーターからの熱を加えて溶融し、押出機から押し出された溶融状態の組成物をダイによってチューブの形状に成形した。ヒーターの設定温度は、ヒーター41については160℃、ヒーター42〜45については170℃とした。
得られたチューブについて白色度及び黄色度を測定したところ、それぞれ、25.8及び2.5であった。この結果から、本実施例のチューブは、少ない安定剤量(亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸)であっても、高い白色度及び低い黄色度を示すことが分かる。
実施例2
実施例1において、Ca−Zn系安定剤(株式会社ADEKA製、商品名:アデカスタブ37)の配合量を0.21kgに変更した以外は、実施例1と同様にしてチューブを製造した。
得られたチューブについて白色度及び黄色度を測定したところ、それぞれ、28.4及び1.1であった。この結果から、本実施例のチューブは、少ない安定剤量(亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸)であっても、高い白色度及び低い黄色度を示すことが分かる。
実施例3
実施例1において、Ca−Zn系安定剤(株式会社ADEKA製、商品名:アデカスタブ37)の配合量を0.35kgに変更した以外は、実施例1と同様にしてチューブを製造した。
得られたチューブについて白色度及び黄色度を測定したところ、それぞれ、28.0及び1.2であった。この結果から、本実施例のチューブは、少ない安定剤量(亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸)であっても、高い白色度及び低い黄色度を示すことが分かる。
実施例4
実施例1において、Ca−Zn系安定剤(株式会社ADEKA製、商品名:アデカスタブ37)の配合量を0.70kgに変更した以外は、実施例1と同様にしてチューブを製造した。
得られたチューブについて白色度及び黄色度を測定したところ、それぞれ、27.6及び0.8であった。この結果から、本実施例のチューブは、少ない安定剤量(亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸)であっても、高い白色度及び低い黄色度を示すことが分かる。
本出願は、2015年3月26日に出願された日本特許出願番号2015−064449号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
10 医療用成形品の押出成形装置、
11 ペレット(組成物)、
12 チューブ(医療用成形品)、
20 押出機、
21 スクリュー、
22 溝、
23 バレル、
30 フィーダー、
34 フィードスクリュー、
41、42、43 ヒーター、
44、45 ダイ用ヒーター、
50 ダイ、
61、62、63 温度センサー、
64、65 温度センサー、
70 コントローラー、
C1 フィードゾーン、
C2 移送ゾーン、
C3 メータリングゾーン、
d 溝の深さ。

Claims (8)

  1. ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部に対して、
    エステル可塑剤 30〜160質量部、
    エポキシ可塑剤 5〜25質量部、および
    亜鉛石鹸およびカルシウム石鹸 0.01〜0.1質量部(合計量)
    と含む組成物を押出成形されてなり、
    白色度(W.I.)が25以上でかつ黄色度(Y.I.)が3.5以下である、医療用成形品。
  2. 請求項1に記載の組成物を押出成形し、白色度(W.I.)が25以上でかつ黄色度(Y.I.)が3.5以下である医療用成形品を成形する、医療用成形品の押出成形方法であって、
    溝の深さが同じ深さに形成された押出機のスクリューに、固形状に形成した前記組成物を、前記押出機内において前記組成物に剪断発熱を生じさせない量に調整した供給量にて供給し、
    前記スクリューに供給された固形状の前記組成物にヒーターからの熱を加えて溶融し、
    前記押出機から押し出された溶融状態の前記組成物をダイによって医療用成形品の形状に成形する、医療用成形品の押出成形方法。
  3. 前記押出機内において前記組成物の温度が「設定温度+5℃」以下である、請求項2に記載の医療用成形品の押出成形方法。
  4. 前記医療用成形品が、輸液用のバッグ、輸血用のバッグ、またはチューブである、請求項2または請求項3に記載の医療用成形品の押出成形方法。
  5. 請求項1に記載の組成物を押出成形し、白色度(W.I.)が25以上でかつ黄色度(Y.I.)が3.5以下である医療用成形品を成形する、医療用成形品の押出成形装置であって、
    溝の深さが同じ深さに形成されたスクリューをバレル内に回転駆動自在に配置した押出機と、
    固形状に形成した前記組成物を前記スクリューに供給するとともに前記組成物の供給量を調整自在なフィーダーと、
    前記スクリューに供給された固形状の前記組成物を溶融させる熱を加えるヒーターと、
    前記押出機から押し出された溶融状態の前記組成物を医療用成形品の形状に成形するダイと、を有し、
    前記フィーダーは、前記組成物の供給量を、前記押出機内において前記組成物に剪断発熱を生じさせない量に調整する、医療用成形品の押出成形装置。
  6. 前記押出機内において前記組成物の温度が「設定温度+5℃」以下である、請求項5に記載の医療用成形品の押出成形装置。
  7. 前記押出機から押し出された溶融状態の前記組成物に熱を加えるダイ用ヒーターをさらに有する、請求項5または請求項6に記載の医療用成形品の押出成形装置。
  8. 前記医療用成形品が、輸液用のバッグ、輸血用のバッグ、またはチューブである、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の医療用成形品の押出成形装置。
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