JPWO2016152293A1 - 癌細胞のglut1の発現抑制用組成物および発現抑制方法 - Google Patents

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Abstract

課題:癌細胞に依存した各種疾患の治療薬や予防薬、もしくはそれらの医薬品原料としてのD−アロースの利用法の提供。構成:D−アロースを含有してなる癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物、および該組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、対象における癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現を抑制する方法。該組成物が、ヒトまたはヒト以外の動物における、グルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌細胞の疾患の治療または予防を必要とする患者に有効量にて投与するための医薬品、または、保健機能食品またはダイエタリーサプリメントである。

Description

本発明は、D−アロースを有効成分とする癌細胞のグルコーストランスポ−ター1(GLUT1)発現抑制に関する。より詳細には本発明は、D−アロースを含有してなる癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物、およびD−アロースを投与することを含む癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現を抑制する方法に関する。
現在のところ、癌の治療では患者体内の新生物細胞を根絶するために外科手術、化学療法および/または放射線療法を必要とする。これらのアプローチにはいずれも、患者にとってかなり不都合な点がある。化学療法に関しては、各種の抗腫瘍薬・制ガン剤が知られているが、一般的にその副作用が問題となっている。そのため、当分野では、前述の副作用が低減されているかまたは前述の副作用を生じない、癌を治療するのに有用な新規化合物、組成物および方法が切望されている。さらに、特異性がより高くかつ毒性がより低い癌細胞特異的な療法を提供する癌の治療方法も必要とされている。
また、現在では疾患の治療にターゲットを置いた薬剤より、むしろその予防にターゲットを置いた薬剤又は食品(機能性食品)に対する意識や期待が高まっている。糖と癌との関係では、オリゴ糖が整腸作用を持つことを利用して便秘を解消し大腸癌などになりにくい効果を有することや、最近ではアガリクスなどの多糖体が癌抑制効果を持つことなどの報告、糖鎖と癌転移などの関連の報告などはあるが、単糖そのものが癌細胞増殖抑制効果を持つことについてはほとんど報告がない。例えば、特許文献1に記載されているように、癌の予防に有効である多糖類「アラビノキシランを主成分とする水溶性多糖類を有効成分とする大腸癌抑制剤」が知られている。また、オリゴ糖が整腸作用を持つことを利用して便秘を解消し大腸癌などになりにくい効果をもつことや、最近ではアガリスクなどの多糖体が癌抑制効果を持つことなどの報告、糖鎖と癌転移関連の報告もある。
糖類の活性酸素に対する性質を利用したものでは、例えば、特許文献2に記載されているように、医学分野における希少糖の応用研究の成果の中にD−アロースを有効成分として配合した生体内抗酸化剤がある。これは、D−アロースを有効成分とする生体内抗酸化剤を含有するヒトを含む哺乳類に用いる医薬組成物であって、肝臓癌または皮膚癌の患者に投与することにより肝臓癌または皮膚癌を治療するための医薬組成物である。
癌細胞は培養液により十分な栄養と酸素を供給すれば急速に増殖する。この培養液にD−アロースを作用すると、癌細胞の増殖が抑制される。希少糖に属するアルドースやケトースの各種の株化癌細胞に対する増殖の影響を検討し、これにより、希少糖に属するアルドースが株化癌細胞の増殖抑制が確認された。糖代謝に影響を及ぼさない希少糖に属するアルドースが株化癌細胞の増殖を抑制させる効果が確認されたことは、副作用の少ない癌の治療剤、予防剤、増殖抑制剤として期待される。また、希少糖に属するアルドースは機能性食品としての付加価値が高まることが期待される。希少糖に属するアルドースとしてはD−アロースが最も有効であった。癌細胞の増殖を抑制効果があることは、それまでは全く知られていない新規な働きであったが、そのメカニズムについては明らかでなく、D−アロースは細胞増殖を抑制するものの細胞を殺す働きはないこと、細胞周期G2期を遅延させる効果があることがわかっただけである。
特許2787252号公報 特許第5330976号公報 国際公開第2010/113785号
応用糖質科学、第5巻、第1号、44−49(2015)
本発明者らはこれまでに、D−アロースの活性酸素に対する性質を利用したもので、D−アロースによる癌細胞の増殖を防止する治療法の開発を目指してきた(特許文献2)。またその後の研究で、D-アロースがTXNIP(thioredoxin interacting protein)という癌抑制遺伝子物質の発現を促し、その結果細胞分裂を抑えることで癌細胞の増殖を停めるということを明らかにした作用ではなく、本発明では、これらの作用に加え、D−アロースが癌細胞がその栄養補給のためにグルコースを取り込む働きをしているグルコーストランスポーターのうちのひとつグルコーストランスポーター(GLUT1)の発現を抑制し、その結果盛んに増殖するのにエネルギーの補給を必要としている癌細胞へのグルコース供給を抑えることで、癌細胞を兵糧詰めすることにより、癌の増殖を抑制、あるいは、細胞死に至らせしめる作用を持つことを明らかにした。
本発明者は、D−アロースがグルコーストランスポ−ター1(GLUT1)の発現を抑制することで癌細胞の代謝に不可欠なD−グルコースの細胞内濃度を高めることを強力に抑制し、癌細胞の増殖を抑えることを見出した。この効果はさらに、癌細胞の浸潤、及び転移を抑制する可能性も示している。したがって、本発明は、D−アロースをGLUT1の発現抑制剤として利用可能であること、すなわち、癌細胞に依存した各種疾患の治療薬や予防薬、もしくはそれらの医薬品原料としてのD−アロースの利用法を提供するものであり、その代表的な利用法は癌細胞のGLUT1発現抑制剤である。
本発明は、以下の(1)ないし(8)の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物を要旨とする。
(1)D−アロースを含有してなる癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
(2)前記D−アロースが、D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物である、上記(1)に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
(3)D−アロースの誘導体が、D−アロースのカルボニル基がアルコール基となった糖アルコール、D−アロースのアルコール基が酸化したウロン酸、D−アロースのアルコール基がNH基で置換されたアミノ糖から選ばれるD−アロース誘導体である、上記(2)に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
(4)医薬品である、上記(1)、(2)または(3)に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
(5)ヒトまたはヒト以外の動物における、グルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌細胞の疾患の治療または予防を必要とする患者に有効量にて投与するための医薬品である、上記(4)に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
(6)食品である、上記(1)、(2)または(3)に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
(7)食品が保健機能食品またはダイエタリーサプリメントである、上記(6)に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
(8)保健機能食品が特定保健用食品または栄養機能食品である、上記(7)に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
本発明は、以下の(9)ないし(16)の対象における癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現を抑制する方法を要旨とする。
(9)D−アロースを含有してなる癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、対象における癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現を抑制する方法。
(10)前記D−アロースが、D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物である、上記(9)に記載の方法。
(11)D−アロースの誘導体が、D−アロースのカルボニル基がアルコール基となった糖アルコール、D−アロースのアルコール基が酸化したウロン酸、D−アロースのアルコール基がNH基で置換されたアミノ糖から選ばれるD−アロース誘導体である、上記(10)に記載の方法。
(12)医薬品として有効量にて投与することを含む、上記(9),(10)または(11)に記載の方法。
(13)ヒトまたはヒト以外の動物における、グルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌細胞の疾患の治療または予防を必要とする患者に有効量にて投与することを含む、上記(12)に記載の方法。
(14)食品として経口投与することを含む、上記(9),(10)または(11)に記載の方法。
(15)保健機能食品またはダイエタリーサプリメントとして経口投与することを含む、上記(14)に記載の方法。
(16)特定保健用食品または栄養機能食品として経口投与することを含む、上記(15)に記載の方法。
D−アロースの癌細胞の増殖抑制発現に至るシグナル伝達経路は複数存在し、また、そのシグナルを受ける細胞膜上の受容体も複数存在することから、D−アロースが癌細胞のGLUT1発現抑制作用を有すると想到することは当業者であっても困難であった。
本発明者は、D−アロースが癌細胞のGLUT1発現を抑制することで癌細胞の増殖を抑制することは初めて見出した。これまでの研究の成果を併せると、希少糖D−アロースはTXNIPの誘導とGLUT1の発現抑制によって癌細胞増殖を抑制することを見出したことを意味する。したがって、本発明の癌細胞のGLUT1の発現が抑制剤は、医薬組成物(医薬品)の他に、例えば、医療用食品、特定保健用食品、健康補助食品、健康食品、サプリメント、またはハーブティなどとして有用である。すなわち本発明は、GLUT1の発現抑制に依存した各種疾患の治療薬や予防薬、もしくはそれらの医薬品原料としてのD−アロースの利用法を提供するものであり、その代表的な利用法はGLUT11発現癌の分子標的治療薬である。
D−アロースのヒト癌細胞株(HuH−7、MB231、SHSY5Yの培養細胞増殖に及ぼす影響を調べた結果を示す。結果は標準誤差(n=3)で表した。 HuH−7、MB231、SHSY5Yにおいて、GLUT1の発現抑制と癌抑制遺伝子産物(TXNIP)の発現増加が起こっていた結果を示すウエスタンブロットの写真。 D−アロースの濃度依存的にGLUT1の発現を抑制する、その逆にTXNIPの発現は濃度依存的に増加することを示す。上側は、ウエスタンブ HuH−7 細胞(3日目と7日目)を用いてmRNAレベルをリアルタイムPCRで解析した結果を示す。棒グラフは標準誤差(n=3)で表した。 GLUT1の発現を制御している転写因子の活性を調べた結果を示す。棒グラフは標準誤差(n=3)で表した。 D−グルコースの取り込みは2−デオキシD−グルコースの取り込みにより測定して、D−アロースを作用させた細胞ではD−グルコースの取り込みは、コントロールに比べて有意に減少していたことを示す。棒グラフは標準誤差(n=3)で表した。 TXNIPの過剰発現はGLUT1の発現を抑制することを示す。 GLUT1遺伝子の発現調節メカニズムを説明する図面である。 D−アロースとTXNIPの過剰発現はHRE活性を抑制することを示す。 D−アロースはGLUT1プロモーター活性を抑制することを示す。図の上側にGLUT1プロモーターの塩基配列(配列表の配列番号1)を示し、下側左にGLUT1プロモーターの遺伝子地図、下側右にD−アロースとTXNIPのルシフェラーゼ活性(luciferase activity) を調べた結果を示す。 D−アロースによる癌細胞増殖抑制メカニズムを示す。
本発明は、薬学上許容される担体と有効量のD−アロースまたは薬学上許容されるその塩とを含む組成物を提供する。薬学上許容される担体とD−アロースまたは薬学上許容されるその塩とを含む該組成物は、癌細胞の増殖を抑制する際に有用である。グルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌細胞の疾患の治療または予防のために用いられる。また、これらの組成物はグルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌の治療または予防を必要とする患者において、かかる癌を治療または予防する際に有用である。
さらにまた、本発明は、それを必要とする対象(グルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌の治療または予防を必要とする患者)に投与することを含む、対象における癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現を抑制する方法を提供する。本発明は、患者において癌を治療または予防する方法であって、かかる治療または予防を必要とする患者にD−アロースまたは薬学上許容されるその塩を有効量にて投与することを含む前記方法を提供する。
D−アロースは、既存の癌のさらなる増殖を低下させ得るか、処置された癌の再発を低下させ得るか、または以前の処置によって死滅しなかった癌細胞の疾患進行を変化させ得る。
本発明で用いるD−アロースは、自然界に大量に存在するD−グルコース(ブドウ糖)に比べて圧倒的に存在量が少ない。糖の基本単位である単糖(炭素数が6つの単糖(ヘキソース)は全部で34種類あり、アルドースが16種類、ケトースが8種類、糖アルコールが10種類ある)のうち、自然界に大量に存在するD−グルコース(ブドウ糖)に代表される「天然型単糖」に対して、自然界に微量にしか存在しない単糖(アルドース、ケトース)およびその誘導体(糖アルコール)を「希少糖」と定義付けられている。現在、大量生産が可能な希少糖は、D−プシコースとD−アロースである。D−アロースは、アルドースに分類されるD−アロースのD体であり、六炭糖である。
D−アロースを得る方法としては、L−ラムノース・イソメラーゼを用いてD−プシコースから合成する方法や、D−プシコース含有溶液にD−キシロース・イソメラーゼを作用させて得る方法などが開示されているが、本発明におけるD−アロースは、それだけに限られず、化学的な処理方法により異性化されたものなど、何れの方法によって得られたものでも構わない。D−アロースの原料となるD−プシコースは、現在のところ、フラクトースを酵素(エピメラーゼ)処理して得られる製法が一般的であるが、それだけに限られず、該酵素を生産する微生物を利用した製法により得られたものでも良いし、天然物から抽出されたもの、もしくは天然物中に含まれるものをそのまま用いても良いし、化学的な処理方法により異性化されたものでも良い。また、酵素を利用してD−プシコースを精製する方法は公知である。
また、D−アロースは、D−アロース含有シロップの形態で用いることもできる。D−アロース含有シロップは、一般的なシロップ(液糖)に適宜混合することでも得られるが、市販品「レアシュガースウィート」(発売元:(株)レアスウィート、販売者:松谷化学工業(株))として、一般店頭で販売されている「食品」であり、容易に入手することができる。
D−アロース含有シロップを得る方法は、単糖(D−グルコースやD−フラクトース)にアルカリを作用させ、19世紀後半に発見された反応、ロブリー・ドブリュイン−ファン エッケンシュタイン転位反応やレトロアルドール反応とそれに続くアルドール反応を起こさせ(以上の反応をアルカリ異性化反応と呼ぶ)、生じた各種単糖(希少糖含む)を含むシロップを広く「希少糖含有シロップ」と呼ぶことができ、D−グルコースおよび/もしくはD−フラクトースを原料として、D−グルコースおよび/もしくはD−フラクトース含量が55〜99質量%になるまでアルカリ異性化したシロップが例示される。上記の「レアシュガースウィート」は、異性化糖を原料とし、特許文献3に開示される手法により得られる希少糖を含有するシロップであり、希少糖として主にD−プシコースおよびD−アロースが含まれるように製造されたものである。 当該手法により得られる希少糖含有シロップに含まれる希少糖は、全糖に対する割合でD−プシコース0.5〜17質量%、D−アロース0.2〜10質量%である。非特許文献1によると、D−プシコース5.4g/100g、D−ソルボース5.3g/100g、D−タガトース2.0g/100g、D−アロース1.4g/100g、D−マンノース4.3g/100gが含まれるシロップであることが報告されている。
前記希少糖含有シロップの製造に使用される原料としては、でん粉、砂糖、異性化糖、フラクトース、グルコースなどが挙げられる。異性化糖とは、特定組成比のD−グルコースとD−フラクトースを主組成分とする混合糖として広く捉えられ、一般的には、でん粉をアミラーゼ等の酵素または酸により加水分解して得られた、主にブドウ糖からなる糖液を、グルコースイソメラーゼまたはアルカリにより異性化したブドウ糖および果糖を主成分とする液状の糖のことを指す。JAS規格においては、果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が50%未満のものを「ブドウ糖果糖液糖」、50%以上90%未満のものを「果糖ブドウ糖液糖」、90%以上のものを「高果糖液糖」、およびブドウ糖果糖液糖にブドウ糖果糖液糖を超えない量の砂糖を加えたものを「砂糖混合果糖ブドウ糖液糖」とよぶが、本発明の希少糖含有シロップの原料としては、何れの異性化糖を用いても構わない。
例えば、D-フラクトースを原料とした希少糖含有シロップは、D-プシコース5.2%、D-アロース1.8%、グルコース15.0%、D-フラクトース69.3%を含んでいる。また、異性化糖を原料とした希少糖含有シロップは、D-プシコース3.7%、D-アロース1.5%、グルコース45.9%、D-フラクトース37.7%を含み、D-グルコースを原料とすると、D-プシコース5.7%、D-アロース2.7%、グルコース47.4%、D-フラクトース32.1%を含んでいるが、原料および処理方法の違いにより含有糖組成は変化する。これらのシロップからD−アロースを分離精製して使用しても良いが、シロップのままでの使用も考えられる。
D−アロースの誘導体について説明する。ある出発化合物から分子の構造を化学反応により変換した化合物を出発化合物の誘導体と呼称する。D−アロースを含む六炭糖の誘導体には、糖アルコール(単糖類を還元すると、アルデヒド基およびケトン基はアルコール基となり、炭素原子と同数の多価アルコールとなる)や、ウロン酸(単糖類のアルコール基が酸化したもので、天然ではD−グルクロン酸、ガラクチュロン酸、マンヌロン酸が知られている)、アミノ糖(糖分子のOH基がNH基で置換されたもの、グルコサミン、コンドロサミン、配糖体などがある)などが一般的であるが、それらに限定されるものではない。D−アロースの誘導体が、D−アロースのカルボニル基がアルコール基となった糖アルコール、D−アロースのアルコール基が酸化したウロン酸、D−アロースのアルコール基がNH基で置換されたアミノ糖から選ばれるD−アロース誘導体である。
本発明の「食品」は、食品全般を意味するが、いわゆる健康食品を含む一般食品の他、特定保健用食品や栄養機能食品等の保健機能食品をも含むものであり、さらにダイエタリーサプリメント(サプリメント、栄養補助食品)、飼料、食品添加物等も本発明の食品に包含される。本発明の癌細胞のGLUT1の発現抑制剤は、D−アロースという食品を有効成分とするものであるから、癌細胞の増殖抑制に用いることができる甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品・医薬部外品および飼料の形態が例示され、いずれの形態で用いても、癌細胞のGLUT1の発現が抑制される。以上述べたような甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品・医薬部外品および飼料にD−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態で含有せしめる方法は、その製品が完成するまでの工程でD−アロースとして0.1重量%以上、望ましくは0.5重量%以上含有せしめればよく、例えば、混和、混捏、溶解、融解、浸漬、浸透、散布、塗布、被覆、噴霧、注入、晶析、固化などの公知の方法が適宜選ばれる。
本発明のD−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物において、D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物は、組成物中に0.1〜50重量%含まれるように配合されている。好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。組成物中において、D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物が0.1重量%未満だと、癌細胞のGLUT1の発現が抑制の作用が充分ではない。また、組成物中において、D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物が50重量%を越えると、経済的な意味で好ましくない。
希少糖D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を食品の一成分として使用した場合、日常の食生活のなかで、希少糖D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物の有効量を安全に摂取することができる。その根拠として希少糖D−アロースは、アルドースであり、その面からヒトに投与できる安全性の高い化合物である。
なお、以下の記述において、「D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物」を単に「D−アロース」と省略して記載することもある。
医薬品・医薬部外品や食品等の開発において最も重要で大きなハードルは新規物質としての希少糖の安全性の検証である。変異原性、生分解度試験および3種類の急性毒性試験(経口急性毒性試験、皮膚一次刺激試験、眼一次刺激試験)が最も基本的な安全性試験として定められている。希少糖は微量ながらも自然界に存在する単糖であるので、安全であろうとの予想はできるものの、きちんとした検証が必要である。すでに我々は希少糖のうちD−プシコース、D−アロース、アリトールの3種に対し、基本部分の安全性試験を指定機関に依頼し実施した。その結果、どの希少糖もその安全性において問題がないことが確認された。
本発明の希少糖D−アロースあるいはその薬理的に許容される塩、または/および水和物の製剤についてさらに詳細に説明する。
D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物のみで用いるほか、一般的賦形剤、安定剤、保存剤、結合剤、崩壊剤等の適当な添加剤を配合し、液剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、錠剤等の適宜な剤型を選んで製剤することができる。本発明の癌細胞のGLUT1の発現抑制剤の剤型(医薬品)としては、有効成分を医学的に許容される担体、賦形剤、滑沢剤、結合剤等の添加物を含有する種々の形態、例えば水または各種の輸液用製剤に溶解させた液剤、散剤、顆粒剤、錠剤、注射剤、坐剤、または外用製剤等が、公知の製剤技術により製造できる。非経口剤としては、注射剤、点滴剤、外用薬剤、あるいは座剤等の剤型を選択することができる。注射剤には、皮下注射剤、筋肉注射剤、あるいは腹腔内注射剤等を示すことができる。外用薬剤には、軟膏剤等を示すことができる。主成分である本発明の薬剤を含むように、上記の剤型とする製剤技術は公知である。投与量は、経口投与の場合、成人に対しD−アロースとして、1日量0.3〜50gを内服するのが好ましいが、年令、症状により適宜増減することも可能である。本発明の製剤(医薬品)は、癌細胞のGLUT1の発現を効率良く抑制することができ、かつ毒性が低い。
本発明の希少糖D−アロースあるいはその薬理的に許容される塩などを注射で投与する場合、水性注射剤、水性懸濁注射剤、脂肪乳剤、またはリポソーム注射剤等が好ましい。水性注射剤、または水性懸濁注射剤においては、本発明に係る希少糖D−アロースあるいはその薬理的に許容される塩を、精製水と混合し、必要に応じて水溶性あるいは水膨潤性高分子、pH調整剤、界面活性剤、浸透圧調整剤、防腐剤、または保存剤などを加え、混合して、必要に応じて加熱しながら溶解乃至懸濁させ、滅菌して注射剤容器に充填密封し、水性注射剤、または水性懸濁注射剤とする。水性注射剤は、静脈内、皮下、筋肉内、皮内、または関節腔内等に投与することができる。また、水性懸濁注射剤は皮下、筋肉内、皮内、または関節腔内等に服用することができる。また経口でも投与することができる。
水溶性あるいは水膨潤性高分子としては、ゼラチン、セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、ポビドン、マクロゴール、ポリアミノ酸誘導体、または多糖体類が好ましく、ゼラチン類では精製ゼラチンが好ましく、セルロース誘導体では、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム、アクリル酸誘導体として、アミノアクリルメタアクリレートコポリマー、メタアクリル酸コポリマー、ポリアミノ酸誘導体としては、ポリリジン、ポリグルタミン酸が好ましい。多糖体としては、ヒアルロン酸、デキストラン、またはデキストリンが特に好ましい。水溶性あるいは水膨潤性高分子の添加量は、エスクレチン、その誘導体、あるいはその薬理的に許容される塩の性質、量、並びに水溶性あるいは水膨潤性高分子の性質、分子量、適用部位によって異なるが概ね製剤全量に対し、0.01%乃至10%の範囲で使用可能である。
pH調整剤には、人体に無害な酸あるいはアルカリが用いられ、界面活性剤には、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が用いられる。また、浸透圧調整剤には、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が、防腐剤にはパラベン類が、保存剤にはアスコルビン酸や亜硫酸塩類が例示される。これらの使用量は、特に限定はないが、その作用がそれぞれ発揮できる範囲で用いることができる。また、必要に応じ塩酸プロカイン等の局所麻酔剤、ベンジルアルコール等の無痛化剤、キレート剤、緩衝剤、あるいは水溶性有機溶剤等を加えてもよい。
脂肪乳剤は適当な油脂に乳化剤と希少糖D−アロース、あるいはその薬理的に許容される塩を配合し、精製水を加えて、必要に応じて水溶性あるいは水膨潤性高分子、pH調整剤、界面活性剤、浸透圧調整剤、防腐剤、または保存剤などを加え、適当な乳化装置で乳化し、滅菌して注射剤容器に充填密封することによって調製される。
本発明の希少糖D−アロース、あるいはその薬理的に許容される塩からなる経口用製剤としては例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤や、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、または油性ないし水性の懸濁液等を投与法に応じ適当な製剤を選択し、通常の賦形剤、滑沢剤、結合剤等の添加物と共に、公知の製剤技術により製造できる。
固形製剤としては希少糖D−アロース、あるいはその薬理的に許容される塩とともに製剤学上許容されている添加物を含み、例えば充填剤類や増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤類、または潤滑剤類等を必要に応じて選択して混合し、製剤化することができる。本発明の希少糖D−アロースあるいはその薬理的に許容される塩、または/および水和物に賦形剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤等を加えて混合し、圧縮整形することにより製造することができる。賦形剤には、乳糖、デンプン、あるいはマンニトール等が一般に用いられる。崩壊剤としては、炭酸カルシウムやカルボキシメチルセルロースカルシウム等が一般に用いられる。結合剤には、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、あるいはポリビニルピロリドンが用いられる。滑沢剤としては、タルクやステアリン酸マグネシウム等が公知である。
錠剤は、マスキングや、腸溶性製剤とするために、公知のコーティングを施すことができる。コーティング剤には、エチルセルロースやポリオキシエチレングリコール等を用いることができる。
また外用製剤として固形、液状、あるいは半固形状の組成物、具体的には溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、およびスプレー等とすることができる。固形、あるいは液状の組成物については、先に述べたものと同様の組成物とすることで外用剤とすることができる。半固形状の組成物は、適当な溶剤に必要に応じて増粘剤を加えて調製することができる。溶剤には、水、エチルアルコール、あるいはポリエチレングリコール等を用いることができる。増粘剤には、一般にベントナイト、ポリビニルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、あるいはポリビニルピロリドン等が用いられる。この組成物には、塩化ベンザルコニウム等の保存剤を加えることができる。
本発明者は、D−アロースが癌細胞のGLUT1発現を抑制することで癌細胞の増殖を抑制することを見出した。したがって、本発明の癌細胞のGLUT1の発現が抑制剤は、上述の医薬組成物(医薬品)の他に、例えば、医療用食品、特定保健用食品、健康補助食品、健康食品、サプリメント、またはハーブティなどとして有用である。
本発明の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物抑制用組成物は、含有するD−アロースの生物学的作用を有効に発揮させるためには、特定保健用食品または栄養機能食品として用いられることが好ましく、その際、「癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現に起因する状態の予防または改善に用いられる」という表示を付すことが推奨される。
また、本発明の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物抑制用組成物は、含有するD−アロースの生物学的作用を有効に発揮させるためには、特定保健用食品または栄養機能食品として用いられることが好ましく、その際、「グルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌細胞の疾患の改善または予防のために用いられる」という表示を付すことが推奨される。
本発明の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物抑制用組成物は、含有するD−アロースの生物学的作用を有効に発揮させるためには、特定保健用食品または栄養機能食品として用いられることが好ましく、その際、「グルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌細胞の疾患の改善または予防のために用いられる」という表示を付すことが推奨される。
本発明は、好ましくはGLUT1の発現抑制に依存した各種疾患の治療薬や予防薬、もしくはそれらの医薬品原料としてのD−アロースの利用法を提供するものであり、その代表的な利用法はGLUT11発現癌の分子標的治療薬である。したがって、D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分とするGLUT1発現癌特異的抗癌剤もまた本発明に含まれる。
本発明の組成物の対象は、ヒトを含む動物(ヒト、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等の哺乳類、ニワトリ等の鳥類等)である。また、本発明の組成物が標的とする細胞は、グルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌細胞、具体的には、ヒト肝臓癌細胞(HuH−7)、ヒト乳腺癌細胞(MB231)、ヒト神経芽細胞腫(SHSY5Y)があげられるがそれらに限定されない。
本発明の対象とする飼料の形態は、家畜、家禽などの飼育動物のための飼料であって、D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物がD−アロースとして飼料中の炭水化物量(糖質量)に対して0.1〜50重量%となるように配合されていることを特徴とする。このような飼料を家畜、家禽などの飼育動物のための飼料動物に投与した場合、癌細胞のGLUT1の発現が抑制される。
次に、本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
D-アロースによる癌細胞のGLUT1の発現抑制
(D−アロースの培養細胞増殖に及ぼす影響)
以下の条件により、各種の希少糖を培養液中に50mMの濃度で添加して、D−アロースが株化癌細胞の増殖進行に及ぼす影響を調べた。
(1)添加対象細胞:ヒト癌細胞株3種(ヒト肝臓癌細胞(HuH−7)、ヒト乳腺癌細胞(MB231)、ヒト神経芽細胞腫(SHSY5Y)を、添加する対象細胞とした。
(2)添加した希少糖:D−アロースの他に、比較する他の糖として、D−プシコースを各添加対象細胞に添加した。
(3)実験方法:96穴のマルチウェルプラスティックディッシュ(ウェル)に各添加対象細胞を5,000個撒き、細胞種により5〜10%のFetal Bovine Serum(FBS)を添加し、栄養源としてのD−グルコースを1g/l含む培地で培養した。1日後D−アロース、D−プシコースを、各々50mMの濃度で各添加対象細胞に添加し、7日間培養した。
細胞増殖に及ぼす影響を調べるため、下記のMTT法により細胞数を確認した。
<MTT法>
(i)試薬の調製:MTT(tetrazolium salt)の所定量をオートクレープで滅菌したPBS(−)で溶解し、濾過滅菌しMTT溶液を得る。酸性溶液としては、SDSの所定量(20g)にN,N−ジメチルホルムアミドの50mL及び水を加えて100mLとし、1Nの塩酸約200mLを加えてpH4.7に調整する。室温で保存して使用前に37℃とする。
(ii)試験方法:細胞をTEPで処理し、細胞浮遊液を調製する。その細胞浮遊液を所定数(300〜52000細胞/ウェル)、各ウェルに分注する(96ウェルプレート:培地0.1mL)。薬剤としての糖を所定量添加し、炭酸ガスインキュベーターで一昼夜前培養する。上述のMTT液0.5mg/mLを添加し、炭酸ガスインキュベーター内で4時間培養後、培地を完全に取り除く。さらに、37℃に保たれた室内で酸性溶液を0.1mL/ウェルの量で加え、マイクロプレートミキサーに載せ、37℃で20分間振動させながら溶解させる(formazanを酸性溶液で溶解させる)。分光光度計を用いて、570〜600nmの波長で吸光度を測定する。着色物質(formazan)酸性溶液で溶解させた後、そのままプレートリーダで吸光度を測定できる。
(4) 実験結果:図1に示すように、ヒト肝臓癌細胞(HuH−7)、ヒト乳腺癌細胞(MB231)、ヒト神経芽細胞腫(SHSY5Y)の全てにおいて、50mMのD−アロースでは細胞数はコントロールより少なかった。別の希少糖であるD−プシコースは有意差はなかった。
図2のウェスタンブロット(Western blot)で検出した蛋白質が示すとおり、これらの細胞において、GLUT1の発現抑制と癌抑制遺伝子産物(TXNIP)の発現増加が起こっていた。D−アロースの投与により、癌抑制遺伝子であるTXNIPが増えることは既に報告している(特許文献2)。今回癌細胞であるヒト肝臓癌細胞(HuH−7)、ヒト乳腺癌細胞(MB231)、ヒト神経芽細胞腫(SHSY5Y)がD−グルコースを取り込み栄養補給をする通り道となるグルコーストランスポーター1(GLUT1)の発現が抑制されることを発見した。このことにより、癌細胞は栄養補給が十分に行えなくなるため、細胞増殖速度が遅くなると考えられる。D−アロースの新しい作用機序と考えられる。
ヒト肝臓癌細胞(HuH−7)の7日目を用いて上記と同様にウエスタンブロットで蛋白質を検出した。
(1)実験方法:添加対象細胞として、ヒト肝臓癌細胞(HuH−7)の7日目を選択し、D−アロース濃度を12.5mM、25mM、50mMとして添加した。比較のためD−プシコース、D−グルコースについては50mMとして添加した。ヒト肝臓癌細胞(HuH−7)の7日目の培養方法は前記と同様である。
(2)実験結果:その結果、図3に示すとおり、D−アロースの濃度依存的にGLUT1の発現抑制が認められた。またその逆にTXNIPの発現は濃度依存的に増加した。D−プシコースやD−グルコースにはその効果は無かった。
HuH−7 細胞(3日目と7日目)を用いてmRNAレベルをリアルタイムPCRで解析した。リアルタイムPCRを使って、GLUT1のmRNA発現量をサンプル同士で相対的に比較して示したものである。リアルタイムPCRは、サーマルサイクラーと分光蛍光光度計を一体化したリアルタイムPCR専用装置を用いた。サーマルサイクラーでDNAをPCR増幅しつつ、分光蛍光光度計でその増幅産物をモニタリングした。その結果を図4、5に示す。
(1)実験方法:HuH−7(2×10 cells/well)を24−well plateの各ウェルにDMEM中に分注し、GLUT1、HRE(熱ショック因子)、または、HIF−1α(低酸素誘導因子)遺伝子導入レポータープラスミド(200ng/well)およびpGl4.74(コントロールベクター)プラスミドをFuGEN6トランスフェクション試薬を用いて導入した。24時間後、新鮮なDMEMに交換し、D−アロース(25µM)を添加する。その処理後ルシフェラーゼ (luciferase) 活性はLumimoskanTM付きのDual−GloTM Luciferase Assay Systemで24時間測定した。試料間のトランスフェクション効率のバラツキはコントロールレポーターの発光で標準化した。結果は標準誤差(n=3)で表した。
(2)実験結果:その結果、図5に示すようにD−アロースによるGLUT1のmRNAの発現抑制が認められた。またその逆TXNIPのmRNAの発現は増加した。mRNAレベルでも裏付けられたことになる。図4には、にHuH−7 細胞(3日目と7日目)を用いてmRNAレベルをリアルタイムPCRで解析した結果を、図5にはGLUT1の発現を制御している転写因子の活性を調べた結果を示す。図5によると、HIF−1αがHREに結合し、その結果GLUT1プロモーター活性が高まるのを、D−アロースはそのどのステップも抑えることが示されている。
〈D−グルコースの取り込み〉
D−アロースを作用させた細胞ではD−グルコースの取り込みに変化が起こっているかどうかを調べるため、D−グルコースの取り込みを調べた。D−グルコースの取り込みは、D−グルコースと似た構造を持ち細胞内に入っても代謝を受けない2−デオキシD−グルコース(2−DG)の取り込みにより測定した。結果は図6に示す。また細胞外にD−アロースが存在すると、D−グルコースと構造のよく似たD−アロースは、グルコーストランスポーターを通ろうとするためにD−グルコースの取り込みが抑制されるため、この実験では細胞外にはD−アロースを一切加えていない。D−アロースを7日間処理して図2、図3で示したようにGLUT1の発現の抑制が起こっている細胞を用いて、2−DGの取り込みを調べた結果、コントロールに比べて有意に減少していた。これはGLUT1の発現抑制のためにD−グルコースの細胞への取り込みが少なくなっていると解釈できる。その結果として細胞増殖が抑えられていると考えられる。
なお、グルコーストランスポーター1は正常細胞にも存在するが、癌細胞になるとその発現量が著しく増えるものが多い。グルコーストランスポーター1の発現レベルについて細胞検査を行い、癌細胞の疾患ステージを決定することが期待される。
D−アロースは正常細胞(肝臓細胞や皮膚細胞)の増殖を抑えることがなく、これらの結果は、D−アロースが正常細胞には影響がなかったことを示している。D−アロースが癌細胞に対して(例えば正常細胞と比較して)選択的であることを示している。
D−アロースは、既存の癌のさらなる増殖を低下させ得るか、処置された癌の再発を低下させ得るか、または以前の処置によって死滅しなかった癌細胞の疾患進行を変化させ得る。
〈実験のまとめ〉
グルコーストランスポーターは、大部分の哺乳類の細胞に見出される一連の膜タンパクファミリーであり、グルコース輸送を促進する。勿論、グルコーストランスポーター1(Gult1)は、細胞膜のグルコースの通過{たいない}に関与し、赤血球および内皮細胞の中で高度に発現する。興味深いことに、Gult1は多くの癌細胞の中で過剰に発現され、細胞の増殖に重要な役割を担っている。希少糖D−アロースはヒト肝臓癌細胞(HuH−7)、ヒト乳腺癌細胞(MB231)、ヒト神経芽細胞腫(SHSY5Y)において濃度依存的{ようりょういそん てき}にTXNIP発現を誘発し、Gult1発現を阻害した。そして、HuH−7においてグルコースの膜通過はD−アロース処理により顕著に阻害された。D−アロース処理により、TXNIPの過剰な発現、およびGult1の転写因子であり、多くの癌細胞で過剰発現している低酸素誘導因子HIF−1α発現の両方を阻害したことは、Gult1発現の減少の結果である。チオレドキシンは核内因子κB (NF-κB)のp50−RelAサブユニットに結合することによってHIF−1αのプロモーター活性を増加させることが知られている。TXNIPはチオレドキシン活性を阻害するので、TXNIPの過剰発現、またはD−アロース処理はNF-κBのプロモーター活性を減少させ、HIF−1α発現を減少させた。
特許文献2において、細胞周期阻害物質p27を安定化し、G1細胞周期を停止させるというD−アロースの癌細胞増殖を阻害するメカニズムを明らかとしたが、本発明においては、Gult1発現を減少させるD−アロースによる癌細胞の増殖を阻害する新規メカニズムを明らかにした。
[TXNIPの過剰発現はGLUT1の発現を抑制する]
D-アロースによりTXNIの発現が増加することを示したが、より直接的に細胞内のTXNIを増加するため、TXNI遺伝子を含むベクターをHuH−7細胞に導入することでTXNIの過剰発現を行った。
図7は、TXNIPの過剰発現はGLUT1の発現を抑制することを示す。ヒト肝臓癌細胞HuH−7 細胞においてpME-FLAG-TXNIP(ヒトTXNIPを配列表の配列番号2および3の5’−GTGAATTCATGGTGATGTTCAAGAAGATCAAG−3’;antisense primer, 5’−TCCTCTAGATCACTGCACATTGTTGTTGAGGAT−3’でクローニングしてpME-FLAGに導入したベクター)を導入して過剰発現させ7日間培養した。蛋白質発現はウエスタンブロットで、mRNAの発現はTaqman proveを用いたリアルタイムPCRで解析した。
その結果、HuH−7 細胞においてTXNIPを過剰発現させると、TXNIPの蛋白質量は約3倍に、mRNA量は約8倍に増加した。その時、GLUT1蛋白質の量は約20%減少し、mRNA量も約20%低下した。
D-アロースによるGLUT1の発現抑制にTXNIPが関連しているということを示すことができた。
次にD−アロースによるGLUT1遺伝子の発現調節メカニズムについての解析を行った。
GLUT1遺伝子の発現調節メカニズムを説明する図面を図8に示す。
GLUT1遺伝子のプロモーターには、いくつかの転写因子結合サイトがあり、遺伝子発現を抑制している。
HREサイトにはHypoxia−inducible factor 1α(HIF−1α)が結合し、GLUT1の発現を誘導する。Thioredxinによる制御を受ける可能性があり、TXNIPのターゲットとなる。
D−アロースによるGLUT1遺伝子の発現調節メカニズムについての解析を行った。
GLUT1遺伝子のプロモーター部分には低酸素状態に反応するHypoxia Response Elememnt、通称HREが存在する。HREサイトにはHypoxia−inducible factor 1α、HIF−1αが結合しGLUT1の発現を誘導する。癌細胞では癌組織内の低酸素や遺伝子変異によってHIF−1αの発現が亢進しているという報告もある。この制御にThioredxinが関与しており、Thioredxinの結合蛋白質であるTXNIPも制御機構に関与している可能性が高いことが想定された。HREの遺伝子活性とGLUT1のプロモーター活性とがD−アロースおよびTXNIPにより調節される機構について調べた。
図9は、D−アロースとTXNIPの過剰発現はHRE活性を抑制することを示す。
HREサイトを含むルシフェラーゼベクター(pGL4.42−HRE)を24ウェルのプレートに培養したHuH−7細胞に導入し、50mMD−アロースを添加、24時間培養した後に、Dual-Glo® Luciferase Assay System(Promega)を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。また、pME-FLAG-TXNIPを導入して48時間培養しTXNIPを過剰発現した細胞にルシフェラーゼベクターを導入し24時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。対象としては、TXNIP遺伝子を含まない空ベクターを用いた。
その結果、D−アロースの添加によって、HREのルシフェラーゼ活性は有意に減少しており、また、TXNIPを過剰発現した細胞においても、HREのルシフェラーゼ活性は減少していた。従ってD−アロース添加により増加したTXNIP、あるいは遺伝子過剰発現により増加したTXNIPはHRE活性を抑えることが判った。
図10は、D−アロースはGLUT1プロモーター活性を抑制することを示す。
HRE領域を含むGLUT1プロモーターの下流にルシフェラーゼを含む発現ベクター(配列表の配列番号4および5のsense 5’-GCCCGGTACCCAACAGAGCCTTTTCCGGGGTGTC-3’; antisense: 5’-GCCAAGCTTGAGCTCCCAGGAACTTGGGGGGAG-3’によってクローニングしてpGL4.16に導入したベクター)を、24ウェルプレートに培養したHuH−7細胞に導入した。GLUT1のプロモーター活性の変化を先述のキットでルシフェラーゼ活性を測定することで調べた。
その結果、50mMD−アロース添加後24時間培養することによりTXNIPが増加した細胞、あるいはpME-FLAG-TXNIPを導入して48時間培養しTXNIPの過剰発現を行った細胞のどちらにおいても、GLUT1のプロモーター活性が有意に減少しているということが分かった。
以上の結果より、D-アロースは細胞内にTXNIPを増加させることにより、HREサイトの活性低下を通じてGLUT1プロモーター活性の低下を起こすことで、GLUT1発現を下げるという、遺伝子発現調節機構が判明した。
図11は、D−アロースによる癌細胞増殖抑制メカニズムを示す。
D−アロースは癌抑制因子であるthioredoxin interacting protein略してTXNIPの発現を誘導する。TXNIPは細胞周期調節因子p27kip1を安定化させ、G1期で細胞周期を停止させることで細胞増殖を抑制する。
今回は、それと同時にD−アロースにより増加したTXNIがGLUT1プロモーター上のHRE活性を抑制することでGLUT1の発現を抑制し、その結果として癌細胞内への糖の取り込みを阻害することで癌細胞の増殖を抑える機構も存在することを示した。
今後はGLUT1の有意な発現減少が認められる最低の濃度や投与方法検証する実験を行う必要がある。更に、癌細胞を移植した動物モデルを使って同様の効果があるかどうかについて研究を進める必要がある。
本発明者は、D−アロースが癌細胞のGLUT1発現を抑制することで癌細胞の増殖を抑制することを見出した。D−アロースは食品であるから、本発明の癌細胞のGLUT1の発現が抑制剤は、上述の医薬組成物(医薬品)の他に、例えば、医療用食品、特定保健用食品、健康補助食品、健康食品、サプリメント、またはハーブティなどとして有用である。すなわち本発明は、GLUT1の発現抑制に依存した各種疾患の治療薬や予防薬、もしくはそれらの医薬品原料としてのD−アロースの利用法を提供するものであり、その代表的な利用法はGLUT11発現癌の分子標的治療薬である。

Claims (16)

  1. D−アロースを含有してなる癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
  2. 前記D−アロースが、D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物である、請求項1に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
  3. D−アロースの誘導体が、D−アロースのカルボニル基がアルコール基となった糖アルコール、D−アロースのアルコール基が酸化したウロン酸、D−アロースのアルコール基がNH基で置換されたアミノ糖から選ばれるD−アロース誘導体である、請求項2に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
  4. 医薬品である、請求項1、2または3に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
  5. ヒトまたはヒト以外の動物における、グルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌細胞の疾患の治療または予防を必要とする患者に有効量にて投与するための医薬品である、請求項4に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
  6. 食品である、請求項1,2または3に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
  7. 食品が保健機能食品またはダイエタリーサプリメントである、請求項6に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
  8. 保健機能食品が特定保健用食品または栄養機能食品である、請求項7に記載の癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物。
  9. D−アロースを含有してなる癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現抑制用組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、対象における癌細胞のグルコーストランスポ−ター1発現を抑制する方法。
  10. 前記D−アロースが、D−アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物である、請求項9に記載の方法。
  11. D−アロースの誘導体が、D−アロースのカルボニル基がアルコール基となった糖アルコール、D−アロースのアルコール基が酸化したウロン酸、D−アロースのアルコール基がNH基で置換されたアミノ糖から選ばれるD−アロース誘導体である、請求項10に記載の方法。
  12. 医薬品として有効量にて投与することを含む、請求項9,10または11に記載の方法。
  13. ヒトまたはヒト以外の動物における、グルコーストランスポ−ター1発現に起因する癌細胞の疾患の治療または予防を必要とする患者に有効量にて投与することを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 食品として経口投与することを含む、請求項9,10または11に記載の方法。
  15. 保健機能食品またはダイエタリーサプリメントとして経口投与することを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 特定保健用食品または栄養機能食品として経口投与することを含む、請求項15に記載の方法。

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