JP2021042192A - ガン予防及び/又は治療用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
不均一な性質等を有する細胞の集合体であることが明らかとなっている。また、ガン組織
にガン幹細胞が含有され、このガン幹細胞からガン細胞が分化されると共に、ガン幹細胞
そのものも増殖することも知られている。
よりガン幹細胞を誘導することができる。このように誘導されて作製されたガン幹細胞を
用いて、ガン治療のための有効成分をスクリーニングする技術が知られている(特許文献
1、2)。また、胚性幹細胞からガン幹細胞への誘導方法が、上記するiPS細胞からガ
ン幹細胞への誘導方法と同じであることが、非特許文献1に開示されている。
り、例えば、レスベラトロール、プテロスチルベン等のような抗酸化機能を発揮する化合
物が知られている。プテロスチルベン又はその配糖体は、抗酸化機能だけではなく、美白
効果(特許文献3、4)及び育毛効果(特許文献5)を発揮することが知られている。
ば、スチルベン化合物に糖を付与する技術が開発されている(特許文献6)。しかしなが
ら、ある化合物を配糖化することにより、配糖化前の化合物が有する生理活性が失われて
しまうことも知られている(非特許文献2)。故に、水溶性の付与等を所望して化合物を
配糖化に供しても、そのメリットを享受できることは、ごく僅かであると理解されている
。
らもわかるように、現実的に、ガンの根治は困難というのが一般的である。分子標的治療
薬を含めた既存のガン治療薬が、ガン組織に含有される細胞集団内の特定のガン細胞にの
み効果を示し、不均一性を示す残りのガン細胞やガン幹細胞には薬効を示さないために、
ガンが根治される可能性が少ないと推測される。ガンが根治できないことは、ガンに罹患
する患者のみならず、その治療期間の長期化等により、患者の家族又は医療機関等にも重
大な問題を及ぼす。このような事情に鑑み、本発明は、ガン幹細胞を抑制する技術を提供
することを目的とする。
るプテロスチルベン及び/又はその配糖体が、iPS細胞からガン幹細胞への誘導を抑制
することを見い出した。
包含する。
I―1 プテロスチルベン及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも一種を
含有する、幹細胞からガン幹細胞への誘導を抑制するために用いられる組成物。
化学構造を有する、上記I―1に記載する組成物。
成物。
―3に記載する組成物。
I―4に記載する組成物。
成物。
、セプタノース環、又はオクタノース環構造の何れかの構造を取り得る、アルドース、ケ
トース、又はこれらの酸化物若しくは還元化物からなる群より選択される少なくとも一種
の単糖である、上記I―6に記載する組成物。
、セプタノース環、又はオクタノース環構造の何れかの構造を取り得る、アルドース、ケ
トース、デオキシ糖、又はこれらの酸化物若しくは還元化物からなる群より選択される少
なくとも2種以上の単糖が、互いにグリコシド結合した構造を有する多糖である、上記I
―6〜1−8のいずれかに記載する組成物。
組成物。
である、上記I―1〜I―10の何れかに記載する組成物;
ース間のO―グリコシド結合は、全てα結合であり、nは、0〜8の整数である。)。
上記I―1〜I−11に記載する組成物。
II―1 上記I―1〜I―12の何れかに記載する組成物を含有する飲食品組成物。
食品組成物。
III―1 上記I―1〜I―12の何れかに記載する組成物を含有する医薬組成物。
る医薬組成物。
IV―1 上記I―1〜I―12の何れかに記載する組成物を含有する、ガン幹細胞の
誘導を阻害するために用いられる幹細胞用培地組成物。
上記IV―1に記載する幹細胞用培地組成物。
V―1 ガンの罹患に対して予防を所望する生体に、プテロスチルベン及びその配糖体
からなる群より選択される少なくとも一種を含有する組成物を投与する工程を含む、ガン
の予防方法。
される少なくとも一種を含有する組成物を投与する工程を含む、ガンの治療方法。
、体性幹細胞、又は胚性幹細胞等に代表される幹細胞から、ガン幹細胞への誘導を抑制す
る効果を発揮する。
効果を発揮する本発明の組成物は、ガンを治療する効果を発揮する。このような効果は、
ガン細胞を分化させる基となるガン幹細胞への誘導を阻害することで奏される効果である
ことから、ガンの根治も期待できる効果であると言える。また、このようなメカニズムに
鑑みると、本発明の組成物は、ガン細胞を発生させない効果、すなわち、ガンの予防効果
を発揮する。これらの効果を期待して、本発明の組成物を、飲食品又は医薬の分野に採用
することができる。
スチルベン及び/又はその配糖体は、ブドウ等の植物体に含有される成分であることから
、生体が摂食経験のある成分ということができる。そのため、幹細胞からガン幹細胞への
誘導の阻害を目的としてこれを摂食した生体が、その生命の危機に晒される程度の副作用
を生じる可能性は、極めて低い。
るための原料として極めて優れた素材であるものの、幹細胞から製造された臓器はガン化
しやすいと指摘されることがある。本発明の組成物は、幹細胞を原料に製造される各種の
臓器のガン化を抑制するためにも使用することができる。よってこの観点から、再生医療
の分野にも採用することができる。
は「含有する」は、「本質的にからなる」及び、「からなる」と意味を包含する。なお、
用語「質量」は、「重量」と読み替えることができる。
本発明の組成物は、プテロスチルベン及びその配糖体からなる群より選択される少なく
とも一種を含有する。また、本発明の組成物は、幹細胞からガン幹細胞への誘導を抑制す
るために用いることができる。
ヒドロキシフェニル)エチレン又は4’―ヒドロキシ―3,5―ジメトキシ―トランス―
スチルベンとも呼ばれるスチルベン化合物である。プテロスチルベンは、スチルベン骨格
を有するポリフェノールであり、ブドウ等に含有されている。
において、特に限定されない。例えば、プテロスチルベンと糖とが、グリコシド結合した
化合物を挙げることができる。斯かる配糖体は、生体適合性を有するリンカー等を介して
グリコシド結合したものも包含する。
、N―グリコシド結合、又はS―グリコシド結合等を挙げることができる。上記する糖が
入手しやすいこと又はプテロスチルベンを比較的簡便に配糖化できること等を理由に、上
記するグリコシド結合は、O―グリコシド結合であることが好ましい。すなわち、プテロ
スチルベンが有する水酸基を介したグリコシド結合であることが好ましい。
合におけるアノマーの結合態様は、本発明の効果を奏する範囲において、特に限定されな
い。例えば、α―グリコシド結合であっても、β―グリコシド結合であってもよい。本発
明の効果をより発揮することができる観点から、上記するアノマーの結合態様は、β―グ
リコシド結合であることが好ましい。
明の効果を奏する範囲において、特に限定されない。例えば、単糖であっても、多糖であ
ってもよい。
シキロース環、オキセトース環、ピラノース環、フラノース環、セプタノース環、又はオ
クタノース環構造を取り得る、アルドース又はケトース等を挙げることができる。斯かる
単糖として、具体的に、グルコース、マルトース、又はガラクトース等を挙げることがで
き、グルコースが好ましい。なお、上記するアルドース又はケトースの酸化体であるウロ
ン酸、アルドン酸、若しくはアルダル酸、又は還元化体であるアルジトール若しくは糖ア
ルコール等も、上記する単糖に包含することができる。
セミ体とすることもできる。上記する糖が入手しやすいこと又はプテロスチルベンを比較
的簡便に配糖化できること等を理由に、上記する単糖の立体構造は、D体であることが好
ましい。
シキロース環、オキセトース環、ピラノース環、フラノース環、セプタノース環、又はオ
クタノース環構造を取り得る、アルドース又はケトースより選択される少なくとも2個以
上の単糖が、互いにグリコシド結合した構造を有する多糖を挙げることができる。斯かる
多糖を構成する単糖は、全て同一であっても、それぞれ異なっていてもよい。上記するプ
テロスチルベンを比較的簡便に配糖化できることを理由に、多糖を構成する単糖は、全て
同一であることが好ましい。
い。例えば、上記するプテロスチルベンの配糖体において、プテロスチルベンに結合する
単糖と同じ単糖を挙げることができる。
結合には限定されず、C―グリコシド結合、N―グリコシド結合、又はS−グリコシド結
合を挙げることができる。上記する糖が入手しやすいこと又はプテロスチルベンを比較的
簡便に配糖化できること等を理由に、2個以上の単糖間のグリコシド結合の態様は、O―
グリコシド結合であることが好ましい。また、これらのグリコシド結合の態様は、全てが
同一である必要はなく、それぞれ異なった態様であってもよい。上記するプテロスチルベ
ンを比較的簡便に配糖化できる事等を理由に、上記する2個以上の単糖間のグリコシド結
合の態様は、全て同一であることが好ましい。
発明の効果を奏する範囲において、特に限定されない。例えば、α―グリコシド結合であ
っても、β―グリコシド結合であってもよい。上記するプテロスチルベンを比較的簡便に
配糖化できる事等を理由に、2個以上の単糖間のグリコシド結合のアノマー結合態様は、
α―グリコシド結合であることが好ましい。また、これらのアノマー結合態様は、全てが
同一である必要はなく、それぞれ異なったアノマー結合態様であってもよい。上記するプ
テロスチルベンを比較的簡便に配糖化できる事等を理由に、上記する多糖における、2個
以上の単糖間のグリコシド結合のアノマー結合態様は、全て同一であることが好ましい。
の結合態様は、本発明の効果を奏する範囲において、特に限定されない。例えば、(1―
1)グリコシド結合、(1―2)グリコシド結合、(1―3)グリコシド結合、(1―4
)グリコシド結合、又は(1―6)グリコシド結合を挙げることができる。上記する糖が
入手しやすいこと又はプテロスチルベンを比較的簡便に配糖化できること等を理由に、(
1−4)グリコシド結合であることが好ましい。また、これらの結合態様は、全て同一で
ある必要はなく、それぞれ異なった単糖の炭素番号間の結合態様とすることもできる。上
記するプテロスチルベンを簡便に配糖化することに鑑みて、2個以上の単糖間のグリコシ
ド結合における単糖の炭素番号間の結合態様は、全て同一であることが好ましい。
示す化合物を挙げることかできる。
る。)。
り、グルコース間のO−グリコシド結合は、全てα結合であり、nは、0〜8の整数であ
る。)。
に好ましい。
数の化合物から構成される混合物として含有されることもできる。このような混合物を構
成する、それぞれ式(2)で表される化合物の含有比率は特に限定されない。例えば、n
が大きい整数の化合物になるにつれて、その含有比率が少なくなる傾向とすることができ
る。また、本発明の組成物に上記する混合物が含有される場合、式(1)で表される化合
物も含有されることもできる。
1〜4等に記載の方法を採用して作成することもできる。
への誘導を抑制する対象となる幹細胞は、特に限定されることは無い。このような幹細胞
として、生体(特に、哺乳類)に保持される幹細胞であることが好ましい。具体的には、
胚性幹細胞及び成体幹細胞等を挙げることができる。斯かる成体幹細胞は、体性幹細胞又
は組織幹細胞とも呼ばれ、ガン幹細胞への誘導能を有することが知られる幹細胞である限
り、特に限定されない。具体的には、造血幹細胞、衛星細胞、腸管幹細胞、毛包幹細胞、
乳腺幹細胞、間葉系幹細胞、ニューロスフェア、内皮幹細胞、嗅粘膜幹細胞、神経冠幹細
胞、及び精巣細胞等を挙げることができる。
効果を奏する範囲において、特に限定されない。具体的に、100質量%の組成物に対す
るプテロスチルベン及び/又はその配糖体の含有量を、0.001〜100質量%程度と
することができる。
幹細胞への誘導を阻害する効果を発揮する。ガン細胞は、ガン幹細胞から分化するので、
本発明の組成物は、ガンの予防及び/又は治療効果を発揮する。このような効果を発揮す
ることを期待して、本発明の組成物を、例えば、飲食品又は医薬の分野で用いることがで
きる。
る際に、これらの細胞等のガン化が問題となっている。このような問題を解決すべく、本
発明の組成物は、幹細胞を細胞、組織、又は臓器等に誘導する際のガン化を抑制するため
に用いることもできる。より具体的には、例えば、幹細胞を原料に再生医療用の細胞等を
製造する際の使用する培地に、例えば、バッファー等の形態にして添加することができる
。
本発明の飲食品組成物に含有される有効成分は、上記する本発明の組成物に含有される
プテロスチルベン及び/又はその配糖体である。プテロスチルベン及び/又はその配糖体
は、幹細胞からガン幹細胞への誘導を阻害する効果を発揮するので、本発明の飲食品組成
物は、ガン幹細胞を産生させない効果を発揮する飲食品組成物とすることができる。ガン
細胞は、ガン幹細胞から分化するので、本発明の飲食品組成物は、ガンの予防及び/又は
治療のために、好ましくはガンの予防のために用いることができる。
て、特に限定されない。具体的に、100質量%の飲食品組成物に対する有効成分の含有
量を、0.001〜100質量%程度とすることができる。
保健機能食品(飲料を含む);栄養補助食品、健康補助食品、及び栄養調整食品等;並び
に一般食品(飲料を含む)の何れもが包含されるものとすることができる。また、本発明
の飲食品組成物には、家畜用飼料、養魚用飼料、及びペットフード等の愛玩動物用飼料等
の飼料も包含することができる。これらの飲食品組成物は、慣用の飲食物の形状を有して
いればよく、例えば、一般の食品、飲料の形態(明らか食品)のほか、幹細胞からガン幹
細胞への誘導を抑制する効果を奏することを、飲食品の機能として謳うことのできる特定
保健用食品、又は機能性表示食品とすることができる。具体的に、本発明の飲食品組成物
は、健康維持、元気になる、毎日を元気に過ごせる、悪い酸素を消すパワー、ガンが気に
なるかたへ等と謳うことができる。
い。例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリ
ーム、かき氷等の冷菓;ガム、チョコレート、飴、錠菓、スナック菓子、ゼリー、ジャム
、クリーム、グミ等の菓子;そば、うどん、即席麺、中華麺等の麺;かまぼこ、ハム、ソ
ーセージ等の水産又は畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、マヨネーズ
、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂、又は油脂加工食品;ソース、たれ等の調味
料;スープ、サラダ、惣菜、漬物、パン、又はシリアル等を挙げることができる。
レット)等の固形製剤;シロップ又はドリンク等の液体製剤等、一般にサプリメントとし
て提供される製剤形態とすることもできる。
生体であって、幹細胞からガン幹細胞への誘導を抑制することを所望する生体である限り
、特に限定されない。
イ、ウサギ、トナカイ、及びカエル等の家畜;ニワトリ、アヒル、ガチョウ、シチメンチ
ョウ、バリケン、ウズラ、ダチョウ、ハト、キジ、カモ、及びウ等の家禽;魚類、甲殻類
、軟体動物等の養殖海産物;ハチ及びカイコ等の飼育昆虫;イヌ、ネコ、げっ歯類、ウサ
ギ、サル、ブタ等、オウム、インコ、ヘビ、ワニ、カメ、サンショウウオ、観賞魚(金魚
及び熱帯魚等)、カブトムシ、クワガタムシ、クモ、サソリ等の愛玩動物を挙げることが
できる。
態、所望する効果の程度等に基づいて適宜設定することができ、特に限定されない。例え
ば、体重50gのマウスであれば、本発明の飲食品組成物の有効成分を、一日当たり、0
.1mg〜1000mg程度となる量で摂取させることができる。なお、マウス以外の対
象に対する摂取量は、上記する数値範囲を基に、その対象の体重等を勘案して、適宜設定
することができる。
の適用形態、所望する効果の程度等に基づいて適宜設定することができ、特に限定されな
い。例えば、上記する本発明の飲食品組成物を、一日一回で摂取させてもよいし、2〜3
回の複数回の間隔に分けて摂取させてもよい。また、数日〜数週間に一回の間隔で摂取さ
せることもできる。
本発明の医薬組成物に含有される有効成分は、上記する本発明の組成物に含有されるプ
テロスチルベン及び/又はその配糖体である。プテロスチルベン及び/又はその配糖体は
、幹細胞からガン幹細胞への誘導を阻害する効果を発揮するので、本発明の医薬組成物は
、ガン幹細胞を産生させない効果を発揮する医薬組成物とすることができる。ガン細胞は
、ガン幹細胞から分化するので、本発明の医薬組成物は、ガンの予防及び/又は治療のた
めに、好ましくはガンの予防のために用いることができる。
、特に限定されない。具体的に、100質量%の医薬組成物に対する有効成分の含有量を
、0.001〜100質量%程度とすることができる。
、薬学的に許容可能な公知の担体又は添加物とを配合することによって、製造することが
できる。斯かる担体又は添加物は、本発明の効果を奏する範囲において、特に限定されな
い。例えば、任意の担体、希釈剤、賦形剤、懸濁剤、潤滑剤、アジュバント、媒体、送達
システム、乳化剤、錠剤分解物質、吸収剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、香料、又は甘
味料等を挙げることができる。
ることができる。よって、本発明の医薬組成物の剤形は、本発明の効果を奏する範囲にお
いて、特に限定されない。具体的には、輸液剤、埋め込み注射剤、マイクロニードル、又
は持続性注射剤等の注射剤;腹膜透析用剤又は血液透析用剤等の透析用剤;口腔内崩壊錠
、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、又は溶解錠等の錠剤;硬カプセル錠又は軟カプセル錠
等のカプセル剤;発泡顆粒剤、徐放性顆粒剤、又は腸溶性顆粒剤等を含有する顆粒剤;散
剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、又はリモナーデ剤等の経口液剤;シロップ剤、経口ゼ
リー剤、トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠、又はガム剤等の口腔用錠剤;口腔用
スプレー剤、口腔用半固形剤、含嗽剤、吸入粉末剤、吸入液剤、又は吸入エアゾール剤等
の吸入剤;眼軟膏剤等の点眼剤;点耳剤;点鼻粉末剤又は点鼻液剤等の点鼻剤;坐剤、直
腸用半固形剤、注腸剤、膣錠、膣用坐剤、又は外用散剤等の外用固形剤;リニメント剤又
はローション剤等の外用液剤;外用エアゾール剤又はポンプスプレー剤等のスプレー剤;
軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、テープ剤、又はパップ剤等の貼付剤等を挙げることができ
る。
る限り、特に限定されない。具体的には、経口投与、筋肉内投与、静脈内投与、動脈内投
与、蜘蛛膜下腔内投与、皮内投与、腹腔内投与、鼻腔内投与、肺内投与、眼内投与、腟内
投与、頸部内投与、直腸内投与、又は皮下投与等を挙げることができる。
体(ガンに罹患する可能性がある生体)であって、幹細胞からガン幹細胞への誘導を抑制
することを所望する生体(ガンの予防及び/又は治療されることを所望する生体)である
限り、特に限定されない。具体的には、上記する飲食品組成物を摂取させる対象と同様に
することができる。
い。具体的には、適用対象の性別や年齢、当該医薬組成物の適用形態、所望する効果の程
度などに基づいて、適宜設定することができる。例えば、体重50gのマウスであれば、
本発明の医薬組成物の有効成分を、一日当たり、0.1mg〜1000mg程度となる量
で投与することができる。なお、マウス以外の対象に対する投与量は、上記する数値範囲
を基に、その対象の体重等を勘案して、適宜設定することができる。
形態、所望する効果の程度等に基づいて適宜設定することができ、特に限定されない。例
えば、上記する本発明の飲食品組成物を、一日一回の投与としてもよいし、2〜3回の複
数回の間隔に分けて投与してもよい。また、数日〜数週間に一回の間隔の投与とすること
もできる。
本発明の幹細胞用培地組成物に含有される有効成分は、上記する本発明の組成物に含有
されるプテロスチルベン及び/又はその配糖体である。プテロスチルベン及び/又はその
配糖体は、幹細胞からガン幹細胞への誘導を阻害する効果を発揮するので、本発明の幹細
胞用培地組成物は、ガン幹細胞を産生させない効果を発揮する幹細胞用培地組成物とする
ことができる。ガン細胞は、ガン幹細胞から分化するので、本発明の幹細胞用培地組成物
は、幹細胞を原料に製造される各種細胞、組織、又は臓器等のガン化を予防するために用
いることができる。
幹細胞等を挙げることができる。成体幹細胞とは、上記する1.組成物の記載を参考にす
ることができる。
において、特に限定されない。具体的に、100質量%の幹細胞用培地添加剤に対する有
効成分の含有量を、0.001〜100質量%程度とすることができる。
養して得るために通常使用される分化用又は増殖用培地に含有される成分を、上記する有
効成分の他に含有させることができる。このような分化用又は増殖用培地に含有される成
分とは、特に限定はされない。具体的には、どのような細胞、組織、又は臓器を分化させ
る目的の培養であるか又は培養対象とする幹細胞の種類等に鑑みて、適宜決定することが
できる。
されない。具体的には、液体培地、固体培地、固形培地、半固体培地、反固形培地、二層
培地等を挙げることができる。
本発明の予防方法は、ガンの罹患に対して予防を所望する生体に、プテロスチルベン及
びその配糖体からなる群より選択される少なくとも一種を含有する組成物を接触させる工
程を含む、ガンの予防方法である。
る群より選択される少なくとも一種を含有する組成物を接触させる工程を含む、ガンの治
療方法である。
組成物は、上記する1.組成物の記載を参考にすることができる。
3.医薬組成物の記載を参考にすることができる。
例に記載する発明に限定されないのは言うまでもない。
種類の化合物である。これらの化合物の入手先は、全てマイスターバイオ社である。
1.プテロスチルベン(アグリコン)
2.プテロスチルベンーα―モノグルコシド
3.プテロスチルベンーβ―モノグルコシド
4.下記式(2)で表される、プテロスチルベンジグルコシド(n=0)
5.下記式(2)で表される、プテロスチルベントリグルコシド(n=1)
6.下記式(1)で表される、プテロスチルベンーβ―モノグルコシドと、下記式(2)
で表されるプテロスチルベンポリグルコシド(n=0〜8)との混合物
ース間のO−グリコシド結合は、全てα結合である。)
フィーダレス培養に純化したマウスiPS細胞(iPS―MEF−NG―20D−17
;理化学研究所BRC)をガン幹細胞誘導培地に懸濁し、96ウェルプレートに、ウェル
当たり1000細胞の量で播種した。ガン幹細胞誘導培地とは、ルイス肺癌細胞株(JC
RB細胞バンク)の培養上清と、LIFを含有しないマウスiPS細胞用培地(DMEM
high glucose(和光純薬),15% FBS,0.1mM NEAA,2
mM L−Glutamine,50U/ml Pen/Strep,0.1mM 2−
mercaptoethanol)との混合培地である。
希釈を行い、これらをそれぞれウェルに播種した細胞に曝露した。その翌日から6日目ま
で、同一のサンプル濃度を含有する培地を用いて、各ウェルの培養上清のハーフチェンジ
を行った。
た実験を行った。また、上記のガン幹細胞誘導培地にする効果を発揮する0.8〜50μ
g/mLのPD0325901(ガン幹細胞誘導促進剤;Stemgent)及び0.8
〜50μg/mLのオールトランスレチノイン酸(ATRA:ガン幹細胞誘導抑制剤;S
temgent)を添加した培地を用い、それぞれ上記サンプル同様に、添加する最終濃
度を希釈して使用した実験も行った。
マウスiPS細胞(iPS−MEF−Ng−20D−17)は、Nanog遺伝子のプ
ロモーター下流に、GFP遺伝子が設けられた核酸を発現する細胞であるため、細胞が未
分化な状態であるとGFP蛍光が強く検出される。これを利用して、この細胞へ各サンプ
ルを暴露した後の7日目に、1.0%のTween20を加えて各細胞を溶解して、それ
ぞれのウェル内の相対GFP蛍光強度を測定し、各細胞がどの程度の幹細胞性を示すかど
うかを評価した。
される。ガン幹細胞は、未分化細胞であることから、細胞内のNanog遺伝子の発現に
伴って相対GFP蛍光が維持され、初日から比較する7日目までは測定されるGFP蛍光
強度が強くなる傾向を示す。各サンプルにおける相対GFP蛍光強度を図1に示す。
ロールであるDMSOを添加したときに得られる相対GFP蛍光強度に対して算出した数
値である。
するため、19.4μg/ml以下の添加量であっても、相対GFP蛍光強度を100%
以上に増強した。また、それよりも少量の0.8μg/mlの添加量であっても、相対G
FP蛍光強度は、70%を超えていた。その一方で、ガン幹細胞の誘導を阻害するATR
Aは、0.8μg/mlとの低濃度の添加量であっても、その相対GFP蛍光強度は、1
00%を超えることなく、高濃度の添加量となるにつれて幹細胞性を保持していることを
示す相対GFP蛍光強度が下がる傾向となった。しかしながら、その強度は50%を超え
ることないことから、死滅した細胞は、ほとんど無いと考られる。
)と50%の相対GFP蛍光強度を示す濃度(50%点)とを、各サンプル毎に算出した
結果を、下記の表1に示す。
細胞からガン幹細胞への誘導を抑制することが明らかとなった。中でも、プテロスチルベ
ンのアグリコン(サンプル1)、プテロスチルベンーα―モノグルコシド(サンプル2)
、プテロスチルベンーβ―モノグルコシド(サンプル3)、プテロスチルベンジグルコシ
ド(サンプル4)、及びプテロスチルベントリグルコシド(サンプル5)による効果が、
より優れていることも判明した。
実施例1と同じ条件にて7日間培養したマウスiPS細胞を、MTTアッセイに供した
。その結果を図2に示し、この結果から算出したIC50値を表2に示す。
示し、そしてiPS細胞の死滅する傾向が見受けられなかったことに鑑みると、MTTア
ッセイの結果は、細胞が分化することによる増殖の抑制の程度を示していると解釈できる
。具体的には、IC50値が低い方が、マウスiPS細胞の増殖が抑制されること、すな
わち、ガン幹細胞への誘導を抑制する効果が高いと判断できる。
ガン幹細胞への誘導を抑制する効果を発揮することが明らかとなった。中でも、プテロス
チルベンのアグリコン(サンプル1)、プテロスチルベンーβ―モノグルコシド(サンプ
ル3)、及びプテロスチルベンジグルコシド(サンプル4)による効果が、より優れてい
ることも判明した。
Claims (7)
- プテロスチルベン及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも一種を含有する、幹細胞からガン幹細胞への誘導を抑制するために用いられる、ガン予防組成物。
- プテロスチルベン配糖体を含有する、幹細胞からガン幹細胞への誘導を抑制するために用いられる、がん予防組成物。
- 前記プテロスチルベン配糖体が、プテロスチルベンと糖とが、O―グリコシド結合した構造を有する、請求項2に記載するガン予防組成物。
- 前記O―グリコシド結合が、β―グリコシド結合である、請求項3に記載するガン予防組成物。
- 前記幹細胞が、iPS細胞、胚性幹細胞、又は成体幹細胞である、請求項1〜5の何れかに記載するガン予防組成物。
- 医薬組成物又は飲食品組成物である、請求項1〜5の何れかに記載するガン予防組成物。
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