JPWO2016151776A1 - レーザ加工方法、レーザ加工機、加工プログラム生成装置およびレーザ加工システム - Google Patents

レーザ加工方法、レーザ加工機、加工プログラム生成装置およびレーザ加工システム Download PDF

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Abstract

繊維を含んだ複合材料であるワークにレーザビームを照射して加工するレーザ加工方法であって、前記ワークの繊維方向と加工方向との関係に依存して前記レーザビームのビームパラメータまたは加工方法を調整する。

Description

本発明は、加工異方性を有する複合材料に対するレーザ加工方法、レーザ加工機、加工プログラム生成装置およびレーザ加工システムに関する。
炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic:以下、CFRPと称する)、ガラス繊維強化プラスチック(Glass Fiber Reinforced Plastic:以下、GFRPと称する)といった複合材料に対する加工方法としてレーザ加工が提案されている。しかしながら複合材料は、母材である樹脂と、強化材である炭素繊維とでは、熱物性が大きく異なるため、従来の板金切断用途に代表される高出力連続発振のレーザ発振器によるレーザ加工では、生産性は高くなるが入熱過多により加工品質は低くなる。一方、プリント基板の穴の形成といった用途に使用される短パルス発振可能なレーザ発振器によるレーザ加工では、入熱が抑えられるため加工品質は高くなるが、出力が低いため生産性は低くなるという問題がある。したがって、現在では短パルスのレーザ発振器の高出力化が進んでいる。
並行して、特許文献1に示されるような新しいレーザ加工方法も提案されている。具体的には、材料に対する熱影響を低減するため超短パルスレーザのような比較的低パルスエネルギー、短パルス幅を有するレーザ光を切断箇所に複数回走査して照射することにより、表面から多層的に材料の蒸発および除去を実行して、深くまで材料を切断するレーザ加工方法が提案されている。また、ビームの異なる高出力連続発振固体レーザおよび超短パルスレーザのレーザ光をそれぞれ使い分けて、荒加工および仕上げ加工を行うレーザ加工方法も提案されている。
特開2010−247206号公報
加工対象であるCFRPといった強化繊維を含んだ複合材料は、その材料の性質上、仕様および用途に応じて強化繊維の繊維方向または充填率を変化させることによって強度および弾性率を向上させている。そのため、材料の方向または部位によって熱物性値が大きく異なる。よってレーザ光による熱を利用した加工では熱物性値の違いによる加工異方性が発生しやすい。特に、超短パルスレーザの様な低出力発振器を用いた場合または加工対象の板厚が厚い場合において、加工異方性は顕著となり、加工品質の低下または加工不良を誘発しやすいという課題がある。
しかしながら、上記した従来のレーザ加工方法は、CFRPといった複合材料にレーザ加工を行う際に、入熱過多による加工品質の低下を防ぐために考案されたレーザ加工方法であって、加工異方性の問題に対処するものではなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複合材料の加工異方性を考慮することにより加工品質の向上が可能になるレーザ加工方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、繊維を含んだ複合材料であるワークにレーザビームを照射して加工するレーザ加工方法であって、ワークの繊維方向と加工方向との関係に依存してレーザビームのビームパラメータまたは加工方法を調整することを特徴とする。
本発明にかかるレーザ加工方法は、複合材料の加工異方性を考慮することにより加工品質の向上が可能になるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかるレーザ加工方法の対象となる複合材料であるワークの構成を示す図 実施の形態1にかかる複合材料の繊維方向と繊維方向に垂直な方向とでの熱物性値を示した図 実施の形態1にかかる繊維方向に加工した場合と繊維方向に垂直な方向に加工した場合それぞれにおける加工点におけるワーク温度の時間変化を示した図 実施の形態1においてレーザビームのビームパラメータを繊維方向に最適化した場合と繊維方向に垂直な方向に最適化した場合とにおけるレーザ加工の様子を示した図 実施の形態1にかかるレーザ加工システムの構成を示す図 実施の形態1にかかる制御装置のハードウェア構成を示す図 実施の形態1にかかる加工プログラム生成装置のハードウェア構成を示す図 実施の形態1にかかる加工プログラム生成装置による加工プログラムの作成の流れを示すフローチャート 実施の形態2にかかるレーザ加工システムの構成を示す図 実施の形態2にかかる加工プログラム生成装置による加工プログラムの作成の流れを示すフローチャート 実施の形態2にかかるレーザ加工機によるレーザ加工の流れを示すフローチャート 実施の形態3にかかる制御装置のハードウェア構成を示す図 実施の形態3にかかる加工プログラム生成装置による加工プログラムの作成の流れを示すフローチャート 実施の形態4にかかるレーザ加工機の構成を示す図 実施の形態4にかかるレーザ加工機の別の構成を示す図 実施の形態4にかかるレーザ加工機によるレーザ加工の流れを示すフローチャート 実施の形態4における加工位置と加工音との関係を示す図 実施の形態4における加工位置とプラズマの輝度との関係を示す図 実施の形態5にかかるレーザ加工機の構成を示す図 実施の形態5にかかるレーザ加工機によるレーザ加工の流れを示すフローチャート 実施の形態5におけるビームパラメータに依存したワークの加工点における温度の時間変化を示した図 実施の形態5におけるビームパラメータとワークの加工点における温度との関係を示す図 実施の形態5にかかるレーザ加工機の別の構成を示す図 実施の形態5にかかるレーザ加工機によるレーザ加工の流れを示すフローチャート
以下に、本発明の実施の形態にかかるレーザ加工方法、レーザ加工機、加工プログラム生成装置およびレーザ加工システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるレーザ加工方法の対象となる複合材料であるワーク1の構成を示す図である。ワーク1は、CFRPまたはGFRPといった繊維を含んだ複合材料である。ワーク1は、図1の繊維方向に延伸した黒線で示した強化繊維1aと、強化繊維1aを取り囲んだ白線で示した樹脂といった母材1bと、からなる複合材料である。複合材料は、用途および仕様に応じて、強化繊維の延伸方向である繊維方向および繊維の充填率を設定している。
ところで、母材1bを構成する樹脂と強化繊維1aとでは、融点および熱伝導率といった熱物性値が大きく異なる。その結果、レーザビームを走査する加工方向によってワーク1の熱物性値が大きく異なることが多い。図2は、複合材料の繊維方向と繊維方向に垂直な方向とでの熱物性値を示した図である。図2における熱物性値としては、熱容量または熱伝導率を想定している。図2からわかるように、繊維方向における熱伝導率は、繊維方向に垂直な方向における熱伝導率より大きい傾向がある。すなわち、繊維方向は繊維方向に垂直な方向に比べてより熱が伝わり易い熱異方性を有する傾向がある。レーザ加工においては、この熱物性値の異方性による加工異方性が発生しやすく、加工不良の原因となりやすい。そして、ワーク1の板厚が厚いほど異方性に起因する加工異方性の影響は顕著になる。また、繊維の充填率が高いほどワーク1の温度が上昇し易い傾向がある。
図3は、繊維方向に加工した場合と繊維方向に垂直な方向に加工した場合それぞれにおけるワーク1の加工点における温度の時間変化を示した図である。図3の横軸は同一強度のレーザビームを同一速度で走査した場合の加工時間であり、縦軸は加工点における温度である。図3の実線が繊維方向に加工した場合の温度変化を示し、破線が繊維方向に垂直な方向に加工した場合の温度変化を示す。
図3の「ワークの溶融温度」は、ワーク1をレーザ加工で分断可能になる温度であって、これ以上の温度で加工が可能であり、これ以下の温度では加工ができない加工可能な温度閾値である。図3の「熱損傷閾値温度」は、母材1bの樹脂が完全に溶けて複合材料としての強度を維持できなくなる温度であり、これ以下の温度でなければ適切な加工ができない。従って、複合材料であるワーク1の加工は、ワーク1の加工点における温度が「ワークの溶融温度」以上であって「熱損傷閾値温度」以下となる温度の範囲で実行される必要がある。図3では、繊維方向に加工した場合、繊維方向に垂直な方向に加工した場合、のいずれのグラフもワーク1が「ワークの溶融温度」になってレーザ加工が開始された時を加工時間の原点として示してある。
図3に示されるように、熱伝導率が高い繊維方向に加工した場合、ワーク1の加工点における温度は上昇し易く、繊維方向に垂直な方向に加工した場合に比べて短時間で「熱損傷閾値温度」に達する。逆に、繊維方向に垂直な方向に加工した場合は、加工点における温度は上昇し難いので、レーザの出力が低い状態で加工すると入熱不足のためワーク1に切れ残りが発生しやすい。
図4は、実施の形態1においてレーザビームのビームパラメータを繊維方向に最適化した場合と繊維方向に垂直な方向に最適化した場合とにおけるレーザ加工の様子を示した図である。レーザビームのビームパラメータとは、ビーム強度であるレーザパルスエネルギーまたはレーザパルス照射領域におけるビームのオーバーラップ率といったパラメータである。
図4の上段には、ビームパラメータを繊維方向に最適化した場合のレーザ加工の様子を示してある。図4の上段左には、ビームパラメータを繊維方向に最適化して繊維方向に加工する場合に加工良好となる様子が示してある。図4の上段右には、ビームパラメータを繊維方向に最適化して繊維方向に垂直な方向に加工する場合に入熱不足によりワーク1に切れ残りが発生して加工不良となる様子が示してある。図4の上段右では、ビームパラメータを熱伝導率が高く温度上昇し易い繊維方向に最適化した状態で熱伝導率が低く温度上昇し難い繊維方向に垂直な方向に加工すると、レーザビームによる熱量が不足となることが示されている。
図4の下段には、ビームパラメータを繊維方向に垂直な方向に最適化した場合のレーザ加工の様子を示してある。図4の下段左には、ビームパラメータを繊維方向に垂直な方向に最適化して繊維方向に加工する場合に入熱過多による熱損傷がワーク1に発生して加工品質が低下する様子が示してある。図4の下段右には、ビームパラメータを繊維方向に垂直な方向に最適化して繊維方向に垂直な方向に加工する場合に加工良好となる様子が示してある。図4の下段左では、ビームパラメータを熱伝導率が低く温度上昇し難い繊維方向に垂直な方向に最適化した状態で熱伝導率が高く温度上昇し易い繊維方向に加工すると、レーザビームによる熱量が過多となることが示されている。
図5は、実施の形態1にかかるレーザ加工システム100の構成を示す図である。レーザ加工システム100は、レーザ加工機10および加工プログラム生成装置20からなる。レーザ加工機10としては、短パルス発振器のレーザを用いた加工機がある。加工プログラム生成装置20の具体例は、CAD(Computer Aided Design)−CAM(Computer Aided Manufacturing)装置である。
レーザ加工機10は、複合材料であるワーク1を搭載して駆動可能なテーブル2と、レーザビームを出力するレーザ発振器3と、レーザビームを整形するビーム整形光学系4と、レーザビームを反射するミラー5と、レーザビームを集光する集光レンズ6と、加工プログラムに基づいてレーザビームのビームパラメータを設定して加工を制御する制御装置7と、を備える。制御装置7は数値制御装置であって、テーブル2、レーザ発振器3、ビーム整形光学系4、ミラー5および集光レンズ6を制御することによりレーザビームをワーク1に照射してレーザ加工を実行する。
図6は、実施の形態1にかかる制御装置7のハードウェア構成を示す図である。制御装置7は、加工プログラムに基づいた制御を指示するCPU(Central Processing Unit)といった演算装置71と、演算装置71がワークエリアに用いるメモリ72と、加工プログラムを記憶する記憶装置73と、レーザ加工機10の他の構成要素に演算装置71の制御信号を伝える通信機能を有する通信装置74と、を備える。制御装置7の機能は、演算装置71による加工プログラムの実行により実現される。
加工プログラム生成装置20は、入力データであるCADデータに基づいて、数値制御プログラムである加工プログラムを作成して制御装置7に提供する。CADデータは、ワーク1の加工形状パラメータおよびワーク1の加工材料パラメータを含んでいる。図7は、実施の形態1にかかる加工プログラム生成装置20のハードウェア構成を示す図である。加工プログラム生成装置20は、パーソナルコンピュータまたはタブレット端末といった情報処理端末であってよいが、これらに限定されない。加工プログラム生成装置20は、演算処理を行うCPUといった演算装置21と、演算装置21がワークエリアに用いるメモリ22と、作成された加工プログラムを記憶する記憶装置23と、ユーザとの間の入力インタフェースである入力装置24と、ユーザに情報を表示する表示装置25と、通信機能を有する通信装置26と、を備える。通信装置26は、レーザ加工機10との通信機能を有して、加工プログラム生成装置20が作成した加工プログラムをレーザ加工機10の制御装置7に転送する機能を担ってもよい。しかし、通信装置26がレーザ加工機10との通信機能は有さないで、加工プログラム生成装置20がレーザ加工機10と独立したものであってもかまわない。
加工プログラム生成装置20は、入力データであるCADデータに含まれるワーク1の加工形状パラメータおよびワーク1の加工材料パラメータに基づいて、加工異方性を有するワーク1に対して、ビームパラメータまたは加工方法を調整する。ワーク1の加工形状パラメータは、図面データの情報、即ち、ワーク1の加工後の目標となる加工形状についての情報である。ワーク1の加工材料パラメータは、ワーク1の材料の材質、厚み、強化繊維の繊維方向および繊維充填率といった材料の熱物性値、繊維の種類、繊維の切り方といったワーク1の材料に関する情報である。材料の材質の情報には、材料が複合材料か否か、即ち加工異方性の有無についての情報も含まれる。
図8は、実施の形態1にかかる加工プログラム生成装置20による加工プログラムの作成の流れを示すフローチャートである。
まず、通信装置26を介するなどしてCADデータが加工プログラム生成装置20に入力される(ステップS11)。次に、演算装置21は、CADデータから加工形状パラメータを取得する(ステップS12)。さらに、演算装置21は、CADデータから加工材料パラメータを取得する(ステップS13)。演算装置21は、取得した加工材料パラメータに基づいてワーク1が加工異方性を有する材料か否かの判定を行う(ステップS14)。加工異方性を有する材料か否かの判定では、ワーク1が複合材料で熱異方性を有していることに加えてワーク1の厚みも考慮する。ワーク1が薄い素材の場合は、熱異方性を有する材料であっても加工異方性は無視出来る場合があるのに対し、逆に、ワーク1の厚みが大きくなると、加工異方性は無視できなくなるからである。
ワーク1が加工異方性を有する材料ではない場合(ステップS14:No)は、加工異方性を考慮せずにビームパラメータおよび加工方法を設定して、加工プログラムを作成する(ステップS16)。
ワーク1が加工異方性を有する材料である場合(ステップS14:Yes)は、加工異方性を考慮してビームパラメータまたは加工方法を調整する。即ち、レーザビームを走査する加工方向が、強化繊維の繊維方向であっても、繊維方向に垂直な方向であっても、加工点におけるワーク温度が「ワークの溶融温度」以上であって「熱損傷閾値温度」以下となる温度の範囲となるようにビームパラメータまたは加工方法を調整する(ステップS15)。具体的には、加工形状パラメータに基づいて加工方向を設定し、熱伝導率が高く温度上昇し易い繊維方向の加工では、繊維方向に垂直な方向の加工よりもレーザパルスエネルギーまたはレーザパルス照射領域のオーバーラップ率を低くしてレーザビームの照射エネルギーが小さくなるように設定する。繊維方向と加工方向との関係に依存したビームパラメータはテーブル化されていて、当該テーブルに基づいてビームパラメータを設定してもよい。また、同一のビームパラメータを用いた加工方法の選択により、加工方向によって照射エネルギーを変化させてもよい。具体的には、繊維方向の加工では、繊維方向に垂直な方向の加工よりも走査回数を減らすまたは走査速度を速めるといった加工方法の選択によって、繊維方向の加工でのトータルな照射エネルギーを繊維方向に垂直な方向の加工よりも小さくすることが可能である。加工方法の選択としては、荒加工または仕上げ加工の選択または走査ではなく1発のパルスで加工することの選択も考慮にいれてもよい。その後、調整されたビームパラメータまたは加工方法で加工プログラムを作成する(ステップS16)。
加工プログラム生成装置20によって作成された加工プログラムに基づいて、その後、レーザ加工機10は加工を行う。レーザ加工機10で実行されるレーザ加工方法においては、上述したように繊維方向と加工方向との関係に依存してビームパラメータまたは加工方法が調整される。さらに、ワーク1が加工異方性を有する材料か否かの判定においてはワーク1の厚みも考慮しているので、ビームパラメータまたは加工方法はワーク1の厚みにも基づいて調整される。
実施の形態1にかかるレーザ加工方法によれば、加工プログラムに従った加工方向が、強化繊維の繊維方向であっても、繊維方向に垂直な方向であっても、加工点におけるワーク温度が「ワークの溶融温度」以上であって「熱損傷閾値温度」以下となる温度の範囲となるようにビームパラメータまたは加工方法が制御される。即ち、熱伝導率が高く温度上昇し易い繊維方向に加工する場合は、レーザパルスエネルギーまたはレーザパルス照射領域のオーバーラップ率を低くするまたは加工方法を調整することにより、繊維方向に垂直な方向に加工する場合よりも、レーザビームの照射エネルギーを小さく制御してレーザ加工を実行する。
これにより、ワーク1が加工異方性を有する材料であっても加工品質低下および加工不良を防ぐことができる。即ち、実施の形態1にかかるレーザ加工システム100が実行するレーザ加工方法によれば、レーザ加工による加工品質の向上が可能となる。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2にかかるレーザ加工システム101の構成を示す図である。レーザ加工システム100は、レーザ加工機10および加工プログラム生成装置20からなる。レーザ加工システム101の構成は、図5に示したレーザ加工システム100の構成と同様であるが、制御装置7が加工異方性を考慮してビームパラメータまたは加工方法を調整する加工調整部75の機能を有している。
実施の形態2にかかる制御装置7のハードウェア構成は、図6と同様である。加工調整部75の機能は、加工プログラム生成装置20が生成した加工プログラムおよび記憶装置73に保持される制御プログラムに基づいて演算装置71が実現する。記憶装置73に保持される制御プログラムには、ワーク1の加工異方性に基づいてどのようなビームパラメータまたは加工方法を選択して加工するかについての具体的なアルゴリズムが記載されている。制御プログラムには、繊維方向と加工方向との関係に依存したビームパラメータのテーブルといった情報が含まれていてもよい。実施の形態2にかかる加工プログラム生成装置20のハードウェア構成は、図7と同様である。
実施の形態2において、加工プログラム生成装置20は、CADデータに含まれるワーク1の加工形状パラメータおよびワーク1の加工材料パラメータに基づいて加工プログラムを作成するが、ビームパラメータまたは加工方法の調整はレーザ加工機10が実行する。
図10は、実施の形態2にかかる加工プログラム生成装置20による加工プログラムの作成の流れを示すフローチャートである。
まず、通信装置26を介するなどしてCADデータが加工プログラム生成装置20に入力される(ステップS11)。次に、演算装置21は、CADデータから加工形状パラメータを取得する(ステップS12)。さらに、演算装置21は、CADデータから加工材料パラメータを取得する(ステップS13)。取得した加工形状パラメータおよび加工材料パラメータに基づいて、加工プログラムを作成する(ステップS16)。ステップS16で作成された加工プログラムには加工方向および繊維方向を含む加工材料パラメータの情報が含まれている。
図11は、実施の形態2にかかるレーザ加工機10によるレーザ加工の流れを示すフローチャートである。
レーザ加工機10は加工プログラム生成装置20が作成した加工プログラムに基づいて加工を実行するが、その際取得した加工材料パラメータに基づいてワーク1が加工異方性を有する材料か否かの判定を行う(ステップS21)。加工異方性を有する材料か否かの判定は、ワーク1が複合材料で熱異方性を有していることに加えてワーク1の厚みも考慮する。ワーク1が薄い素材の場合は、熱異方性を有する材料であっても加工異方性は無視出来る場合がある。逆に、ワーク1の厚みが大きくなるほど、加工異方性が無視できなくなるからである。
ワーク1が加工異方性を有する材料ではない場合(ステップS21:No)は、加工異方性を考慮せずに、通常の加工を実行する(ステップS23)。
ワーク1が加工異方性を有する材料である場合(ステップS21:Yes)は、加工プログラム、加工材料パラメータに加えて上述した制御プログラムにも基づいて、加工異方性を考慮して、加工調整部75が、ビームパラメータまたは加工方法を調整して加工を実行する。即ち、加工プログラムに記載された加工方向が、強化繊維の繊維方向であっても、繊維方向に垂直な方向であっても、加工点におけるワーク温度が「ワークの溶融温度」以上であって「熱損傷閾値温度」以下となる温度の範囲となるようにビームパラメータまたは加工方法を調整して加工する(ステップS22)。具体的には、熱伝導率が高く温度上昇し易い繊維方向の加工では、繊維方向に垂直な方向の加工よりもレーザパルスエネルギーまたはレーザパルス照射領域のオーバーラップ率を低くしてレーザビームの照射エネルギーが小さくなるように設定して加工する。記憶装置73に保持されている繊維方向と加工方向との関係に依存したビームパラメータのテーブルに基づいて、ビームパラメータを設定して加工してもよい。また、同一のビームパラメータを用いた加工方法の選択により、加工方向によって照射エネルギーを変化させて加工してもよい。具体的には、繊維方向の加工では、繊維方向に垂直な方向の加工よりも走査回数を減らすまたは走査速度を速めるといった加工方法の選択によって、繊維方向の加工でのトータルな照射エネルギーを繊維方向に垂直な方向の加工よりも小さくして加工することが可能である。加工方法の選択としては、荒加工または仕上げ加工の選択または走査ではなく1発のパルスで加工することの選択も考慮にいれてもよい。
上述したように、加工調整部75は、繊維方向と加工方向との関係に依存してビームパラメータまたは加工方法を調整する。さらに、ワーク1が加工異方性を有する材料か否かの判定においてはワーク1の厚みも考慮しているので、ビームパラメータまたは加工方法はワーク1の厚みにも基づいて調整される。
即ち、加工調整部75は、加工プログラムに従った加工方向が、強化繊維の繊維方向であっても、繊維方向に垂直な方向であっても、加工点におけるワーク温度が「ワークの溶融温度」以上であって「熱損傷閾値温度」以下となる温度の範囲となるようにビームパラメータまたは加工方法を制御する。具体的には、熱伝導率が高く温度上昇し易い繊維方向に加工する場合は、レーザパルスエネルギーまたはレーザパルス照射領域のオーバーラップ率を低くするまたは加工方法を調整することにより、繊維方向に垂直な方向に加工する場合よりも、レーザビームの照射エネルギーを小さく制御してレーザ加工を実行する。
これにより、ワーク1が加工異方性を有する材料であっても加工品質低下および加工不良を防ぐことができる。即ち、実施の形態2にかかるレーザ加工システム101が実行するレーザ加工方法によれば、レーザ加工による加工品質の向上が可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3にかかるレーザ加工システム101の構成は図9と同様である。ただし、ワーク1の加工材料パラメータは、CADデータに含まれておらず、レーザ加工機10の制御装置7に入力される。
図12は、実施の形態3にかかる制御装置7のハードウェア構成を示す図である。制御装置7は、加工プログラムに基づいた制御を指示するCPUといった演算装置71と、演算装置71がワークエリアに用いるメモリ72と、制御プログラムおよび加工プログラム生成装置20が生成した加工プログラムを記憶する記憶装置73と、レーザ加工機10の他の構成要素に演算装置71の制御信号を伝える通信機能を有する通信装置74と、ワーク1の加工材料パラメータを受け付ける入力装置76と、を備える。加工調整部75の機能は、加工プログラムおよび制御プログラムに基づいて演算装置71が実現する。記憶装置73に保持される制御プログラムには、ワーク1の加工異方性に基づいてどのようなビームパラメータまたは加工方法を選択して加工するかについての具体的なアルゴリズムが記載されている。制御プログラムには、繊維方向と加工方向との関係に依存したビームパラメータのテーブルといった情報が含まれていてもよい。実施の形態3にかかる加工プログラム生成装置20のハードウェア構成は、図7と同様である。
実施の形態3において、加工プログラム生成装置20は、CADデータに含まれるワーク1の加工形状パラメータに基づいて加工プログラムを作成するが、ビームパラメータまたは加工方法の調整は、加工材料パラメータを受け付けるレーザ加工機10が実行する。
図13は、実施の形態3にかかる加工プログラム生成装置20による加工プログラムの作成の流れを示すフローチャートである。
まず、通信装置26を介するなどしてCADデータが加工プログラム生成装置20に入力される(ステップS11)。次に、演算装置21は、CADデータから加工形状パラメータを取得する(ステップS12)。取得した加工形状パラメータに基づいて、加工プログラムを作成する(ステップS16)。ステップS16で作成された加工プログラムには加工材料パラメータの情報は含まれていない。
実施の形態3にかかるレーザ加工機10による加工の流れを示すフローチャートは図11と同様である。しかし、ステップS21においては、制御装置7の入力装置76が受け付けたワーク1の加工材料パラメータに基づいて、ワーク1が加工異方性を有する材料か否かの判定を行う。それ以外のステップの動作は実施の形態2と同様である。なお、ワーク1の加工材料パラメータは制御装置7の通信装置74を介して受け付けてもかまわない。
これにより、ワーク1が加工異方性を有する材料であっても加工品質低下および加工不良を防ぐことができる。即ち、実施の形態3にかかるレーザ加工システム101が実行するレーザ加工方法によれば、レーザ加工による加工品質の向上が可能となる。
実施の形態4.
図14は、実施の形態4にかかるレーザ加工機の構成を示す図である。図15は、実施の形態4にかかるレーザ加工機の別の構成を示す図である。図14のレーザ加工機11は、図5のレーザ加工機10に貫通検知センサ30が追加されたものである。図15のレーザ加工機12は、図9のレーザ加工機10に貫通検知センサ30が追加されたものである。貫通検知センサ30は、レーザ加工中に加工点で発生する加工音または加工点で発生するプラズマの輝度を検知するセンサである。
実施の形態1から3で説明したレーザ加工方法で、ビームパラメータまたは加工方法を加工方向に応じて自動的に調整した場合であっても、加工品質維持のためにはワーク1の加工点における温度が図3の「ワークの溶融温度」付近となるようなビームパラメータまたは加工方法にて加工するのが望ましい。従って、ワーク1の加工点における温度が「ワークの溶融温度」を少し超えた温度となるように加工を実行した場合には、レーザビーム強度のばらつきまたは材料の熱物性のばらつきに起因して切れ残りによる未貫通箇所の発生の可能性がある。そこで、実施の形態4にかかるレーザ加工機では、レーザ加工中に加工点で発生する加工音または加工点で発生するプラズマの輝度を検知する貫通検知センサ30を用いて未貫通箇所を検出し、当該未貫通箇所を追加工する。
実施の形態4にかかるレーザ加工方法を以下に説明する。図16は、実施の形態4にかかるレーザ加工機によるレーザ加工の流れを示すフローチャートである。図16のフローチャートはレーザ加工機11およびレーザ加工機12で共通である。以下では、貫通検知センサ30は加工音を検知するとして図17を用いて説明する。図17は、実施の形態4における加工位置と加工音との関係を示す図である。
加工を開始すると、まず、貫通検知センサ30が検知するセンサデータを制御装置7が取得開始する(ステップS31)。その後、加工中は常時、制御装置7が未貫通情報を検知したか否かを判断する(ステップS32)。具体的には、図17に示すように、貫通検知センサ30は、加工位置の変化に伴う加工音の大きさの変化をモニタしており、制御装置7は、加工音の大きさが貫通基準値を超えた場合に未貫通情報を検知したと判断する。加工音の大きさは加工によりワーク1をレーザビームが貫通すると小さくなる。図17の加工位置Aで未貫通情報を検知すると(ステップS32:Yes)、制御装置7は、未貫通箇所の位置情報をメモリ72または記憶装置73に記録する(ステップS33)。ステップS33の後はステップS32に戻り、加工音の大きさが貫通基準値を超え続ける間、制御装置7は、未貫通箇所の位置情報をメモリ72または記憶装置73に記録し続ける。そして、図17の加工位置Bで加工音の大きさが貫通基準値以下になって、未貫通情報が検知されなくなると(ステップS32:No)、記録された未貫通箇所の位置情報に基づいて、制御装置7は、未貫通箇所である加工位置Aから加工位置Bの間を追加工する(ステップS34)。なお、未貫通箇所が存在しない場合はステップS34での追加工は行われない。
上記では、貫通検知センサ30は加工音を検知するとして説明したが、貫通検知センサ30がプラズマの輝度を検知する場合も同様である。図18は、実施の形態4における加工位置とプラズマの輝度との関係を示す図である。プラズマの輝度は、ワーク1をレーザビームが貫通出来ないと大きくなり、ワーク1をレーザビームが貫通すると小さくなる。従って、プラズマの輝度に貫通基準値を設定すれば、図16のフローチャートがそのまま適用できる。なお、貫通検知センサ30が検知する物理量は、振動または電位差であってもよい。加工中にワーク1をレーザビームが貫通しているか否かを判定できる物理量であれば特に限定されない。
実施の形態4にかかるレーザ加工機11,12が実行するレーザ加工方法によれば、実施の形態1から3で得られる効果に加えて、さらに加工品質の向上が図れる。
実施の形態5.
図19は、実施の形態5にかかるレーザ加工機13の構成を示す図である。図19のレーザ加工機13は、図9のレーザ加工機10に温度測定センサ31が追加されたものである。温度測定センサ31は、レーザ加工中のワーク1の加工点における温度を測定する非接触式のセンサである。
実施の形態2または3で説明したレーザ加工方法で、ビームパラメータを加工方向に応じてレーザ加工機で自動的に調整した場合であっても、加工方向に応じたビームパラメータの調整が不十分で、ワーク1の加工点における温度が図3の「熱損傷閾値温度」を超えてしまう可能性もある。そこで、実施の形態5にかかるレーザ加工機13では、レーザ加工中のワーク1の加工点における温度を測定する温度測定センサ31を用いて、温度が「熱損傷閾値温度」を超えたことを検知して、入熱過多による加工品質低下を防ぐためにビームパラメータを修正して加工する。
実施の形態5にかかるレーザ加工方法を以下に説明する。図20は、実施の形態5にかかるレーザ加工機13によるレーザ加工の流れを示すフローチャートである。図21は、実施の形態5におけるビームパラメータに依存したワーク1の加工点における温度の時間変化を示した図である。図22は、実施の形態5におけるビームパラメータとワーク1の加工点における温度との関係を示す図である。
まず、レーザパルスエネルギーまたはレーザパルス照射領域におけるビームのオーバーラップ率といったビームパラメータが図21の「ビームパラメータ(1)」の状態で加工を開始すると、温度測定センサ31が測定した温度データを制御装置7が取得開始する(ステップS41)。その後、制御装置7により加工が完了したか否かが判定され(ステップS42)、完了していない場合(ステップS42:No)、ワーク1の加工点における温度が「熱損傷閾値温度」を超えたか否かが制御装置7により判定される(ステップS43)。図21のAに示すようにワーク1の加工点における温度が「熱損傷閾値温度」を超えた場合(ステップS43:Yes)、加工調整部75は、図22の関係に基づいてワーク1の加工点における温度が低下するようにビームパラメータを修正する(ステップS44)。修正後のビームパラメータは、図21の「ビームパラメータ(2)」になっており、加工が進んでもワーク1の加工点における温度が「熱損傷閾値温度」を超えないビームパラメータとなっている。ステップS44の後は、ステップS42に戻る。ワーク1の加工点における温度が「熱損傷閾値温度」を超えない場合(ステップS43:No)、ビームパラメータは修正しないで、ステップS42に戻る。ステップS42で加工が完了されたと判定されれば(ステップS42:Yes)、加工完了である。
以上では、ワーク1の加工点における温度が「熱損傷閾値温度」を超えないように加工中にビームパラメータをリアルタイムに修正するとして説明したが、以後の加工のためにビームパラメータの修正を登録するようにしてもよい。図23は、実施の形態5にかかるレーザ加工機の別の構成を示す図である。図23のレーザ加工機14は、図5のレーザ加工機10に温度測定センサ31が追加されたものである。
実施の形態1で説明したレーザ加工方法で、ビームパラメータを加工方向に応じて調整した場合であっても、加工方向に応じたビームパラメータの調整が不十分で、ワーク1の加工点における温度が図3の「熱損傷閾値温度」を超えてしまう可能性もある。そこで、実施の形態5にかかるレーザ加工機14では、レーザ加工中のワーク1の加工点における温度を測定する温度測定センサ31を用いて、温度が「熱損傷閾値温度」を超えたことを検知して、ビームパラメータを修正することを登録する。これにより、以後の同様な箇所の加工において入熱過多による加工品質低下を防ぐことが可能となる。
実施の形態5にかかる別のレーザ加工方法を以下に説明する。図24は、実施の形態5にかかるレーザ加工機14によるレーザ加工の流れを示すフローチャートである。
まず、レーザパルスエネルギーまたはレーザパルス照射領域におけるビームのオーバーラップ率といったビームパラメータが図21の「ビームパラメータ(1)」の状態で加工を開始すると、温度測定センサ31が測定した温度データを制御装置7が取得開始する(ステップS51)。その後、制御装置7により加工が完了したか否かが判定され(ステップS52)、完了していない場合(ステップS52:No)、ワーク1の加工点における温度が「熱損傷閾値温度」を超えたか否かが制御装置7により判定される(ステップS53)。図21のAに示すようにワーク1の加工点における温度が「熱損傷閾値温度」を超えた場合(ステップS53:Yes)、制御装置7は、「ビームパラメータ(1)」を図22の関係に基づいてワーク1の加工点における温度が低下するようなビームパラメータに修正することを図6の記憶装置73に登録する(ステップS54)。登録された修正後のビームパラメータは、図21の「ビームパラメータ(2)」になっており、加工が進んでもワーク1の加工点における温度が「熱損傷閾値温度」を超えないビームパラメータとなっている。ステップS54の後は、ステップS52に戻る。ワーク1の加工点における温度が「熱損傷閾値温度」を超えない場合(ステップS53:No)、ビームパラメータの修正を登録しないで、ステップS52に戻る。ステップS52で加工が完了されたと判定されれば(ステップS52:Yes)、加工完了である。
実施の形態5にかかるレーザ加工機13,14が実行するレーザ加工方法によれば、実施の形態1から3で得られる効果に加えて、レーザ加工時の入熱過多による加工品質の低下を防ぐことが可能になる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 ワーク、1a 強化繊維、1b 母材、2 テーブル、3 レーザ発振器、4 ビーム整形光学系、5 ミラー、6 集光レンズ、7 制御装置、10,11,12,13,14 レーザ加工機、20 加工プログラム生成装置、21,71 演算装置、22,72 メモリ、23,73 記憶装置、24,76 入力装置、25 表示装置、26,74 通信装置、30 貫通検知センサ、31 温度測定センサ、75 加工調整部、100,101 レーザ加工システム。

Claims (18)

  1. 繊維を含んだ複合材料であるワークにレーザビームを照射して加工するレーザ加工方法であって、
    前記ワークの繊維方向と加工方向との関係に依存して前記レーザビームのビームパラメータまたは加工方法を調整する
    ことを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 前記ワークの厚みにも基づいて、前記ビームパラメータまたは前記加工方法を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記繊維方向に加工する場合は、前記繊維方向に垂直な方向に加工する場合よりも、レーザビームの照射エネルギーを小さく制御してレーザ加工を実行する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工方法。
  4. 加工中の前記ワークの加工点における温度が熱損傷閾値温度以下となるように前記ビームパラメータまたは前記加工方法を調整する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工方法。
  5. 繊維を含んだ複合材料であるワークにレーザビームを照射して加工するレーザ加工機であって、
    前記ワークの繊維方向と加工方向との関係に依存して前記レーザビームのビームパラメータまたは加工方法を調整する加工調整部を有した制御部を備える
    ことを特徴とするレーザ加工機。
  6. 前記加工調整部は、前記ワークの厚みにも基づいて、前記ビームパラメータまたは前記加工方法を調整する
    ことを特徴とする請求項5に記載のレーザ加工機。
  7. 前記加工調整部は、前記繊維方向に加工する場合は、前記繊維方向に垂直な方向に加工する場合よりも、レーザビームの照射エネルギーを小さく制御してレーザ加工を実行する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のレーザ加工機。
  8. 前記加工調整部は、加工中の前記ワークの加工点における温度が熱損傷閾値温度以下となるように前記ビームパラメータまたは前記加工方法を調整する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のレーザ加工機。
  9. 加工中に前記ワークを前記レーザビームが貫通しているか否かを判定できる物理量を検知する貫通検知センサをさらに備え、
    前記制御部は、前記物理量に基づいて未貫通箇所を記録し、前記未貫通箇所を追加工する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のレーザ加工機。
  10. 加工中に前記ワークの加工点における温度を測定する温度測定センサをさらに備え、
    前記制御部は、前記温度が熱損傷閾値温度を超えた場合は、前記ビームパラメータを修正する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のレーザ加工機。
  11. 繊維を含んだ複合材料であるワークにレーザビームを照射して加工するレーザ加工機の加工プログラムを生成する加工プログラム生成装置であって、
    前記ワークの加工形状および前記ワークの繊維方向の情報を含んだ入力データに基づいて、前記繊維方向と加工方向との関係に依存して前記レーザビームのビームパラメータまたは加工方法を調整した前記加工プログラムを生成する
    ことを特徴とする加工プログラム生成装置。
  12. 前記ワークの厚みにも基づいて、前記ビームパラメータまたは前記加工方法を調整した前記加工プログラムを生成する
    ことを特徴とする請求項11に記載の加工プログラム生成装置。
  13. 前記繊維方向に加工する場合は、前記繊維方向に垂直な方向に加工する場合よりも、レーザビームの照射エネルギーを小さく制御してレーザ加工を実行する前記加工プログラムを生成する
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の加工プログラム生成装置。
  14. 加工中の前記ワークの加工点における温度が熱損傷閾値温度以下となるように前記ビームパラメータまたは前記加工方法を調整する前記加工プログラムを生成する
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の加工プログラム生成装置。
  15. 加工プログラムに基づいて繊維を含んだ複合材料であるワークにレーザビームを照射して加工するレーザ加工機であって、前記ワークの繊維方向と加工方向との関係に依存して前記レーザビームのビームパラメータまたは加工方法を調整する加工調整部を有した制御部を備えるレーザ加工機と、
    前記ワークの加工形状および前記繊維方向の情報を含んだ入力データに基づいて、前記加工方向と前記繊維方向の情報を含んだ前記加工プログラムを生成する加工プログラム生成装置と、
    を備えた
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  16. 前記加工調整部は、前記ワークの厚みにも基づいて、前記ビームパラメータまたは前記加工方法を調整する
    ことを特徴とする請求項15に記載のレーザ加工システム。
  17. 前記加工調整部は、前記繊維方向に加工する場合は、前記繊維方向に垂直な方向に加工する場合よりも、レーザビームの照射エネルギーを小さく制御してレーザ加工を実行する
    ことを特徴とする請求項15または16に記載のレーザ加工システム。
  18. 前記加工調整部は、加工中の前記ワークの加工点における温度が熱損傷閾値温度以下となるように前記ビームパラメータまたは前記加工方法を調整する
    ことを特徴とする請求項15または16に記載のレーザ加工システム。
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