JPWO2016147404A1 - 負極活物質、非水電解質電池、電池パック及び車 - Google Patents

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Abstract

実施形態によれば、チタンの酸化物の粒子と、チタンの酸化物粒子の表面の少なくとも一部に存在し、Si成分及び有機成分を含む層とを含む負極活物質が提供される。負極活物質において、C/Siモル比は0.4以上2以下である。

Description

本実施形態は、活物質及びその製造方法、非水電解質電池及び電池パックに関する。
チタンの酸化物を負極に用いた非水電解質電池は、チタンの酸化物のLi吸蔵放出電位が炭素質物に比して高いために、炭素質物を用いた電池と比較してリチウムデンドライドの発生する可能性が低い。また、チタンの酸化物はセラミックスであることから熱暴走を起こしにくい。そのため、チタンの酸化物を負極に用いた非水電解質電池は安全性が高い。
しかしながら、チタンの酸化物は一般的に用いられるグラファイト系負極に比べ、非水電解質との反応性が高い。チタンの酸化物が非水電解質と反応すると、例えば非水電解質の分解生成物によりインピーダンスが増加したり、ガスが発生して電池が膨れたりするという問題がある。このために、チタンの酸化物を用いた電池はサイクル寿命が低下しやすい場合があった。特に単斜晶系二酸化チタンの結晶構造を有するチタンの酸化物はサイクル寿命の低下が著しいという問題があった。
特表2010−534915号公報 特開2013−69532号公報 特開2010−118330号公報
R. Marchand, L. Brohan, M. Tournoux, Material Research Bulletin 15, 1129 (1980).
サイクル寿命が向上された非水電解質電池、該電池に用いられる活物質及びその製造方法、並びに電池パックを提供する。
実施形態によれば、チタンの酸化物の粒子と、チタンの酸化物粒子の表面の少なくとも一部に存在し、Si成分及び有機成分を含む層とを含む負極活物質が提供される。負極活物質において、C/Siモル比は0.4以上2以下である。
また、実施形態によれば、上記活物質を含む負極と、正極と、非水電解質とを含む非水電解質電池が提供される。
他の実施形態によれば、上記非水電解質電池を含む電池パックが提供される。
実施形態の扁平型非水電解質電池を示す断面図である。 図1のA部の拡大断面図である。 実施形態に係る他の扁平型非水電解質電池を模式的に示す部分切欠斜視図である。 図3のB部の拡大断面図である。 実施形態に係る電池パックの分解斜視図である。 図5の電池パックの電気回路を示すブロック図である。
以下に、各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は発明の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の負極活物質は、チタンの酸化物粒子と、チタンの酸化物粒子の表面に存在し、Si成分及び有機成分を含む層とを含む。C/Siモル比が0.4以上2以下である。
チタンの酸化物は、表面に固体酸点又は水酸基などを有するため、非水電解質との反応性が高い。そのため、チタンの酸化物を負極活物質として用いた電池では、充放電に伴い負極に過剰な無機皮膜や有機被膜が形成され、抵抗が増加し、出力特性が低下する。その結果、電極性能の低下、電池の内部抵抗の上昇、非水電解質の劣化等が生じ、それらの要因によって電池のサイクル寿命が低下する。
特に、単斜晶系二酸化チタンの結晶構造を有するチタンの酸化物は固体酸であるため非水電解質との反応性が高い。単斜晶系二酸化チタンの結晶構造を有するチタンの酸化物は、高い理論容量を有するため、活物質として用いることにより、電池の容量を上昇させることが期待される。しかしながら、上述のような理由により、サイクル寿命の低下が著しいという問題を有している。
なお、単斜晶系二酸化チタンの結晶構造は、主に空間群C2/mに属し、トンネル構造を示す。ここでは、そのような結晶構造をTiO2(B)結晶構造と称することとする。また、単斜晶系二酸化チタンの結晶構造を有するチタンの酸化物を、TiO2(B)結晶構造のチタンの酸化物と称することとする。TiO2(B)の詳細な結晶構造は、非特許文献1に記載されている。TiO2(B)構造のチタンの酸化物の組成は、一般式LixTiO2 (0≦x≦1)により表わすことができる。ここで、上式のxは、充放電反応により0から1の範囲で変動する。
負極活物質として炭素質物又はスピネル構造のチタン酸リチウムを用いた電池では、ビニレンカーボネートを非水電解質に添加することにより、負極と非水電解質との反応を抑制することが可能である。このような電池では、ビニレンカーボネートが負極上で還元分解されて負極に安定な被膜を形成することにより、過剰な被膜形成が抑制され得る。しかし、TiO2(B)構造のチタンの酸化物のように、表面に固体酸点又は水酸基などを有するチタンの酸化物を負極活物質に用いた電池では、ビニレンカーボネートを添加しても負極と非水電解質との反応が抑制されず、負極に被膜が継続して形成される。そのため、抵抗が増加し、サイクル寿命が低下するという問題がある。
しかしながら、本実施形態に従って、チタンの酸化物の粒子と、チタンの酸化物の粒子の表面に存在し、Si成分及び有機成分を含む層とを含み、C/Siモル比が0.4以上2以下の負極活物質を用いることにより、非水電解質電池の抵抗の増加を抑制し、サイクル寿命を向上させることが可能である。
チタンの酸化物の粒子は、ルイス酸点(固体酸点)を有するものであれば良く、例えば、TiO2(B)結晶構造のチタンの酸化物、アナターゼ構造を有するTiO、ルチル構造を有するTiO等を挙げることができる。
チタンの酸化物の粒子は、一次粒子が単独で存在するもの、一次粒子が凝集した二次粒子、一次粒子と二次粒子が混在するもの、いずれであっても良い。
有機成分の例には、Cを含むもの、具体的には金属アルコキシドに分散可能な有機溶媒(例えば、CH基、C基、C基、C基などを含む有機成分)、その他の有機溶媒、もしくはそれら有機溶媒の一部が含まれる。有機成分の種類は1種類又は2種類以上にすることができる。被覆層に残存している有機成分は、重合反応で生じた活物質表面を被覆するSiOネットワーク内に絡み合って存在していると推測される。
Si成分の例には、珪素の酸化物(例えばSiO)のようなSiを含む無機系酸化物を挙げることができる。
チタンの酸化物の粒子の表面には、SiO及びCを含有する層が表面全体又は表面の一部に形成され得る。C/Siモル比を0.4以上2以下の範囲にするのは以下の理由によるものである。C/Siモル比を0.4未満にすると、非水電解質の還元分解反応が進行してサイクル寿命が短くなる。C/Siモル比が2を超えるものは、負極活物質のLi吸蔵放出が阻害されてサイクル寿命が短くなる。
C/Siモル比のより好ましい範囲は0.4以上1.2以下である。
Siを含む無機系酸化物と有機成分を含んだ被覆層を形成するには、例えば、Siを含む無機系酸化物を表面に被覆するために金属アルコキシドを使用すること、さらにその酸化物内に有機成分を共存させるために、乾燥条件を調節すること、金属アルコキシドと共に沸点の高い有機物を使用することが挙げられる。
金属アルコキシドの例には、メチルシリケート又はエチルシリケートのような単量体、メチルポリシリケートやエチルポリシリケートのような縮重合体が含まれる。使用する金属アルコキシドの種類は、1種類又は2種類以上にすることができる。
チタンの酸化物の粒子の表面にSiを含有する被覆層を形成する方法を以下に説明する。エタノール等の溶媒で金属アルコキシドを希釈した溶液とチタンの酸化物の粒子を混合し、得られた混合物を乾燥させる。次いで、ゾルゲル反応(加水分解・重合反応)により被覆層を形成する。チタンの酸化物の粒子表面のSiを含む無機成分は充放電に寄与しないので、粒子上に薄い無機系酸化物を均一に被覆させるために、ゾルゲル反応に必要な水分は液体状態の水として添加しないことが望ましい。
また無機被覆層内部に有機成分を残留させるために、乾燥温度は0〜50℃、さらにのぞましくは10〜40℃であることが望ましい。低い温度であると加水分解・重合反応や希釈溶媒等の乾燥に要する時間が長くなってしまう。一方で、乾燥温度が高いと加水分解・重合反応や希釈溶媒の揮散が早く起こってしまうので、無機系被膜が不均一に生成されたり、溶媒が急速に揮散することで残留有機成分が減少してしまうので、望ましくない。
さらに余分な水分が粒子表面に取り込まれないように、湿度が低い環境で乾燥処理を行う。望ましい乾燥条件での露点は、0℃以下、さらに望ましくは−20℃、さらに望ましくは−40℃以下である。露点が−40℃以下の環境で乾燥すると、余分な水分が取り込まれることなく、Siを含む被覆層を形成することができる。例えば一般的な実験室の環境(温度が25℃、湿度が25〜70%)と比較し、実施形態の製造条件によると、乾燥速度が遅くなるが、それによって形成時の被覆層に取り込まれる水分量が減ることでSiを含む無機系被覆層が粒子表面に均一に形成され、かつ、無機系被覆層内に有機成分(例えば金属アルコキシドに由来する残留有機成分)を取り込むことができる。有機成分の無機系被覆層内への取り込み量は、乾燥条件以外の方法によっても調整することができる。例えば、金属アルコキシドとチタンの酸化物の粒子と希釈溶媒(エタノール等)とを混合する際に、高沸点の有機溶媒を添加することによっても調整することができる。
また、乾燥工程において露点を調整する以外に、例えば、金属アルコキシドとチタンの酸化物の粒子と希釈溶媒(エタノール等)を混合したものを、乾燥ガス(例えば窒素、アルゴン等)を用いて置換した槽内で乾燥することによっても、有機成分の無機系被覆層内への取り込み量を調整することができる。
また、被覆層中のSiO換算でのSi量は、TiO換算でのチタンの酸化物の重量に対して0.5〜20重量%であることが好ましい。被覆層中のSiO換算でのSi量を20重量%以下にすることにより、電池容量の低下を抑制することができる。一方、当該Si量を0.5重量%以上にすることにより、チタンの酸化物と非水電解質との反応を抑制することができる。より好ましい範囲は0.5〜15重量%であり、さらに好ましい範囲は1〜10重量%である。
C/Siモル比、TiO換算でのチタンの酸化物の重量、SiO換算でのSi量は、例えば、ICP(inductively coupled plasma;誘導結合高周波プラズマ分光分析)の様な湿式分析によって測定される。まず、電池内の負極の場合は、活物質が含まれる部位を取り出し、活物質に混合されている高分子材料や導電剤をソックスレー抽出法(詳細な方法を後述する)と熱処理を併用することで除去して活物質を抽出する。その活物質を酸溶媒に溶出させてICP発光分析装置によって、主として酸化チタンからなる粒子とSiを主成分とする被覆層の構成成分の全組成量を算出する。次に同活物質をエポキシ樹脂等に埋め込み後切断したサンプルをSEM(scanning electron microscope;走査電子顕微鏡)−EDX(energy-dispersive X-ray analysis;エネルギー分散X線解析)で観察することで、粒子の表面を覆う物質を確認すると共に付属のEDXで粒子と被覆物質の元素分析を行う。上記のICP分析とSEM−EDXの併用により粒子と被覆層の各成分の重量算出することができる。TEM(transmission electron microscope;透過型電子顕微鏡)−EDXで元素分析を行う場合は、被覆処理後の活物質をTEM観察用に前処理して、粒子の中心から端部に向かってEDXにより元素分析を行い、中心から端部に向かってTiのピークに対してSiのピークが増加する様子が観測される。C/Siモル比は、以下の方法で測定する。C量は赤外線吸収法などの手法により、活物質内の全炭素量を測定する。また、ICP分析で測定した活物質内の全Si量を測定する。得られたC量及びSi量からC/Si比を算出する。その際予め走査電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)などでSi及びCが活物質内部に存在しないことを確認する。
(Si元素を含む無機系被覆層の確認方法)
チタンの酸化物の粒子上のSiを含む無機系被覆層の存在を確認する方法は以下の手法によって行う。活物質を1N硫酸水溶液に溶解させ、その溶液中のSi成分をICP発光分析等の分析手法を用いて調べることにより、Siを含む無機系化合物の存在を確認する。存在を確認した後、活物質粉末にピリジンを吸着させて、その粉末の赤外吸収スペクトルを観察することで、Siを含む無機系被覆層がチタンの酸化物の粒子表面に存在することを確認することができる。例えばTiO(B)の様なチタンの酸化物の粒子をSiを含む無機系被覆層で被覆した場合について説明すると、TiO(B)の様な固体酸では、ピリジン吸着後の粉末の赤外吸収スペクトルを取得すると、B酸点とL酸点が現れる。実施形態の手法を用いてSi元素を含む被覆層をTiO(B)粒子表面に形成したものと、未被覆のTiO(B)粒子それぞれにピリジンを吸着させて赤外スペクトルを調べると、L酸点のピーク(例えば1608cm−1)のみがB酸点のピーク(例えば1540cm−1)に比べ選択的に低下している様子が実施形態の活物質に観測される。
また、実施形態の活物質をTEM−EDX観察することでチタンの酸化物の粒子表面にSiを含む無機系被覆層が存在することを直接確認することができる。無機系被覆層は非常に薄いので、SiO換算のSi量が少ない領域ではチタンの酸化物粒子表面に被膜を形成している状態を確認できない場合がある。その際はEDXのビームを粒子中心部から端部(粒子表面側)にずらしながら測定していくと、端部に移動するに従ってSiのピーク強度が活物質構成成分のTiのピーク強度に対して相対的に増加してゆく様子が観察される。
(赤外拡散反射分光法)
赤外拡散反射スペクトルの測定方法について説明する。
まず、測定に供する活物質をサンプルカップに入れ、拡散反射測定装置に設置する。窒素ガスを50mL/minで流通させながら、500℃まで昇温し、1時間保持する。その後、温度を室温まで降下させ、再度100℃まで昇温する。次いで、サンプルカップを設置したセル内を減圧し、セル内にピリジン蒸気を導入し、30分間吸着させる。
次いで、窒素ガスを100mL/minで流通させながら100℃で1時間保持し、その後150℃に昇温して1時間保持する。これによって、活物質に物理吸着又は水素結合したピリジンを脱離させる。その後、赤外拡散反射測定を行う。
得られたスペクトルにおいて、バックグラウンドを除外し、ピーク面積を求める。ピーク面積は、ピークの両端からベースラインを引いて求める。
このような赤外拡散反射分光法によれば、試料中に存在する官能基が分かるため、測定試料の構成を明らかにすることができる。
(ソックスレー抽出法)
ソックスレー抽出法において、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用いることにより、電極から高分子材料を取り除くことができる。ソックスレー抽出法により得られた活物質と導電剤(例えばカーボン材料)の混合物から、導電剤を酸素やオゾンなどにより酸化させ、二酸化炭素として除去することで活物質のみを抽出することができる。
実施形態における活物質であるチタンの酸化物は、TiO2(B)構造のチタンの酸化物を含むことが好ましい。TiO2(B)構造のチタンの酸化物は非水電解質と反応性が高いため、実施形態の構成にすると、電池のサイクル寿命の大幅な改善を期待できる。
チタンの酸化物がTiO2(B)の結晶構造を有することは、Cu−Kαを線源とする粉末X線回折により測定することができる。粉末X線回折測定は、次のように行うことができる。まず、対象試料を平均粒子径が5μm程度となるまで粉砕する。平均粒子径はレーザー回折法によって求めることができる。粉砕した試料を、ガラス試料板上に形成された深さ0.2mmのホルダー部分に充填する。このとき、試料が十分にホルダー部分に充填されるように留意する。また、試料の充填不足によりひび割れ、空隙等がないように注意する。次いで、外部から別のガラス板を使い、充分に押し付けて平滑化する。充填量の過不足により、ホルダーの基準面より凹凸が生じることのないように注意する。次いで、試料が充填されたガラス板を粉末X線回折装置に設置し、Cu−Kα線を用いて回折パターンを取得する。なお、一般的にTiO(B)は結晶性が低いため、サンプルによっては、粉末X線測定においてX線回折図形のピーク強度が弱く、いずれかのピークの強度が観測しにくいものもある。なお、粉末X線回折法で得られるチタンの酸化物の回折スペクトルは、被覆層中のSiO換算でのSi量がTiO換算でのチタンの酸化物の重量に対して0.5〜20重量%である時、被覆層にほとんど影響されずに測定することができる。さらに、そのようなTiO(B)構造のチタンの酸化物は、異種元素を含んでいてもよい。異種元素としては、Zr、Nb、Mo、Ta、Y、P及びBから選択される少なくとも1つの元素を用いることができる。異種元素が含まれることにより、チタンの酸化物の表面のルイス酸点の影響力が抑制される。
異種元素は、異種元素を含有するチタンの酸化物の総重量に対して、0.01〜8重量%の範囲で含まれることが好ましい。異種元素を0.01重量%以上含むことにより、ルイス酸点の影響力を低下させることができる。異種元素の固溶限界の観点から、8重量%以下の範囲で含まれることが好ましい。異種元素は、0.05〜3重量%の範囲で含まれることがより好ましい。異種元素を含有するチタンの酸化物中において、異種元素の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法によって測定することができる。
以上説明した第1の実施形態の活物質によれば、チタンの酸化物の粒子と、チタンの酸化物の粒子の表面に存在し、Si成分及び有機成分とを含有する層とを含み、C/Siモル比が0.4以上2以下である。この活物質を用いた非水電解質電池は、抵抗増加の抑制と、サイクル寿命の向上を図ることが可能である。
(第2実施形態)
次に、第1実施形態に係る活物質の製造方法を説明する。本実施形態によれば、チタンの酸化物の粒子の表面に、Si元素を含有する金属酸化物と残留有機成分とを含む被覆層を形成してチタン酸化物の表面物性を改変することができ、第1実施形態に係る活物質を製造することができる。
チタン酸化物の表面にSi元素を含有する金属酸化物を含む被覆層を形成する方法としては、例えば、以下の2つの方法が挙げられる。
(第1の方法)
第1の方法は、チタンの酸化物粒子の粉末を、Si元素を含有する金属アルコキシドと混合して混合物を得ることと、混合物を乾燥することにより、チタンの酸化物粒子の表面に、Siを含有する金属酸化物を含む被覆層を形成することとを含む。
チタンの酸化物粒子の粉末を、Si元素を含有する金属アルコキシドと、希釈有機溶媒(例えばエタノール等)と混合することにより、チタンの酸化物粒子の表面に、金属酸化物前駆体を形成することができる。次いで、この粉末を乾燥処理に供することにより、金属酸化物前駆体を重合させ、金属酸化物の被覆層を形成させることができる。このような方法は、ゾルゲル法と称される。過剰な金属酸化物前駆体や不均一な被覆層を活物質表面に形成しないために、加水分解・重合反応に要する水分を液体状態の水として外部から加えないことが望ましい。
乾燥処理は、低温で行うことが好ましい。また無機被覆層内部に有機成分を残留させるために、乾燥温度は、0〜50℃、さらにのぞましくは10〜40℃であることが望ましい。低い温度であると加水分解・重合反応や希釈溶媒等の乾燥に要する時間が長くなってしまう。一方で、乾燥温度が高いと加水分解・重合反応や希釈溶媒の揮散が早く起こってしまうので、無機系被膜が不均一に生成されたり、溶媒が急速に揮散することで残留有機成分が減少してしまうので、望ましくない。高温により乾燥を行うと、金属酸化物前駆体や重合反応で分離した有機物が蒸発する。その結果、チタンの酸化物の粒子の表面が均一に被覆されず、被覆層が斑に存在する恐れがある。また残留有機成分が減少してサイクル特性を低下させてしまう。また乾燥温度が低すぎると乾燥終了までに要する時間が長くなってしまう。よって、乾燥処理は0〜50℃以下で行うことが望ましく、さらに、望ましくは、10〜40℃の温度で行うことがより好ましい。
また金属アルコキシドにおいても、メチルシリケートあるいはエチルシリケートの様なモノマーよりもポリメチルシリケート又はポリエチルシリケートなどの縮重合体を用いると、効率よく残留有機成分を無機系被膜内に残すことができるので望ましい。
さらに余分な水分がチタンの酸化物の粒子表面に取り込まれないように、湿度が低い環境で乾燥処理を行う。望ましい乾燥条件での露点は、第1の実施形態で説明したのと同様な理由により、0℃以下、さらに望ましくは−20℃、さらに望ましくは−40℃以下にする。
なお、このようなゾルゲル法は、チタンの酸化物がTiO2(B)構造のチタンの酸化物である場合、特に適している。TiO2(B)構造のチタンの酸化物はその触媒作用がアルコキシドの重合反応を促進するために、触媒を添加する必要がないという利点を有する。
(第2の方法)
第2の方法は、第1の方法での低露点乾燥環境の代わりに、比較的露点の高い室温大気雰囲気での乾燥により、チタンの酸化物の粒子表面に残留有機成分が混在したSiを含む無機系被膜を作製する方法である。第1の方法では、乾燥環境の過剰な水分による無機系被覆層の不均一な形成や残留有機成分の揮散を抑制するために、加水分解・重合反応に必要な水分を液体状態の水として添加せず、低露点環境で乾燥処理を行う。第2の方法で用いる室温大気環境は、比較的露点が高いため、加水分解・重合反応が進みやすく、有機成分が揮散してしまう恐れがある。残留有機成分を確保して、かつ、薄い無機系被覆層を均一に形成するため、乾燥環境中の水分と原料との接触を抑制し、かつ、残留有機成分量を確保する。その方法として、例えば、金属アルコキシドとチタンの酸化物の粒子を混合する際に用いる希釈溶媒(例えばエタノール)の一部に高沸点の有機溶媒を用いる方法が挙げられる。この手法を用いることで、比較的露点が高い環境で乾燥処理を行った場合でも、加水分解・重合反応の進行を抑制し、残留有機成分を確保することができる。高沸点有機溶媒の一例には、プロパノールやブタノールなどのアルコール類、ゾルゲル法で乾燥抑制剤に使用するジメチルホルムアミド((CHNCHO:沸点153℃)及びフォルムアミド(NHCHO:沸点210℃)などが含まれる。またこの手法は第一の方法にも適応できて、残留有機成分量を調整する方法として用いることができる。
(TiO2(B)構造のチタンの酸化物の第1の合成方法)
本実施形態において用いるチタン酸化物は、原料から合成して得られたものであってもよく、または、商業的に入手可能なものであってもよい。以下に、チタン酸化物の合成例として、TiO2(B)構造のチタンの酸化物を合成する方法を説明する。
TiO2(B)構造のチタンの酸化物の合成方法は、Tiを含有する化合物、及び、アルカリ元素を含有する化合物を混合し、加熱することにより、チタン酸アルカリ化合物を合成する工程と、チタン酸アルカリ化合物を酸と反応させて、アルカリカチオンをプロトンに交換することにより、チタン酸プロトン化合物を得る工程と、チタン酸プロトン化合物を少なくとも2回加熱処理する工程とを含む。
まず、出発原料として、Tiを含有する化合物、及びアルカリ元素を含有する化合物を用いる。これらの出発原料を所定の化学量論比で混合し、加熱して、チタン酸アルカリ化合物を合成する。ここで合成されたチタン酸アルカリ化合物の結晶形状は、何れの形状であってもよい。加熱処理は、800〜1100℃で行うことができる。
出発原料のうち、Tiを含有する化合物には、アナターゼ型TiO、ルチル型TiO、TiClから選択される一以上の化合物を用いることができる。アルカリ元素を含有する化合物には、Na、K、又はCsを含む化合物を用いることができ、例えば、炭酸塩、水酸化物及び塩化物から選択される一以上の化合物を用いることができる。
次に、酸処理によるプロトン交換を行う。まず、チタン酸アルカリ化合物を蒸留水でよく水洗し、不純物を除去する。その後、該チタン酸アルカリ化合物を酸処理し、チタン酸アルカリ化合物のアルカリカチオンをプロトンに交換することにより、チタン酸プロトン化合物を得ることができる。チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム及びチタン酸セシウムのようなチタン酸アルカリ化合物は、結晶構造を崩さずにそれらのアルカリカチオンをプロトンと交換することが可能である。
酸処理は、チタン酸アルカリ化合物の粉末に酸を加えて攪拌することによって行うことができる。酸は、濃度0.5〜2Mの塩酸、硝酸及び硫酸から選択される酸を用いることができる。酸処理は、アルカリカチオンがプロトンに十分に交換されるまで継続することが好ましい。酸処理の時間は、特に制限されないが、室温25℃付近で、24時間以上行うことが好ましく、1〜2週間ほど行うことがより好ましい。さらに、24時間ごとに酸溶液を新しいものと交換することがより好ましい。酸処理の条件は、例えば、室温で、1M硫酸を用いて24時間とすることができる。
例えば、超音波のような振動を加えながら酸処理することによって、プロトン交換をより円滑に行うことができ、好適な状態のチタン酸プロトン化合物を得ることができる。
また、プロトン交換をより効率的に行うために、チタン酸アルカリ化合物を、予めボールミルなどで粉砕することも好ましい。粉砕は、例えば、100cm2の容器あたり、直径10〜15mm程度のジルコニアボールを用い、600〜1000rpmの回転速度で1〜3時間ほどジルコニアボールを回転させることにより行うことができる。粉砕を1時間以上行うことにより、チタン酸アルカリ化合物を十分に粉砕することができる。粉砕時間を3時間以下にすることにより、メカノケミカル反応によって目的生成物と異なる化合物が生じることを防ぐことができる。
プロトン交換が完了した後、任意に、水酸化リチウム水溶液のようなアルカリ性溶液を添加し、残留した酸を中和する。得られたチタン酸プロトン化合物は、蒸留水で水洗し、次いで乾燥する。チタン酸プロトン化合物は、洗浄水のpHが6〜8の範囲に入るまで十分に水洗することが好ましい。一方で、酸処理後に残留した酸の中和や洗浄、乾燥をせずに次の工程に進むこともできる。
次に、チタン酸プロトン化合物を少なくとも2回加熱処理する。第1の加熱処理は、350〜500℃の範囲の温度で1〜3時間行う。次いで、得られたチタン酸化物を第2の加熱処理に供する。第2の加熱処理は、200〜300℃の範囲の温度で、1〜24時間行う。さらに、200〜300℃の範囲の温度で、さらなる加熱処理を繰返してもよい。
以上の方法により、TiO2(B)構造のチタンの酸化物を合成することができる。なお、このような方法により得られたTiO2(B)構造のチタンの酸化物は、出発原料にLiを含む化合物を用いることにより、Liが予め含まれていても良いが、充放電によりLiが吸蔵されるものであってもよい。
(異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物の第2の合成方法)
次に、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物を合成する方法を説明する。
該方法は、Tiを含有する化合物、アルカリ元素を含有する化合物、及び、異種元素を含有する化合物を混合し、加熱することにより、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を合成する工程と、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を酸と反応させて、アルカリカチオンをプロトンに交換することにより、異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物を得る工程と、異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物を加熱処理することにより、単斜晶系二酸化チタンの結晶構造を有し、異種元素を含有するチタンの酸化物を生成する工程とを含む。
まず、出発原料として、Tiを含有する化合物、アルカリ元素を含有する化合物、及び、異種元素を含有する化合物を用いる。これらの出発原料を所定の化学量論比で混合し、加熱して、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を合成する。ここで合成されたチタン酸アルカリ化合物の結晶形状は、何れの形状であってもよい。加熱処理は、これに限定されないが、800〜1100℃で行うことができる。
出発原料のうち、Tiを含有する化合物及びアルカリ元素を含有する化合物は、第1の合成方法で記載したものを用いることができる。
異種元素を含有する化合物には、Zr、Nb、Mo、Ta、Y、P及びBから選択される少なくとも1つの元素を含む化合物を用いることができ、例えば、炭酸塩、及び水酸化物などから選択される一以上の化合物を用いることができる。
異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物の例には、異種元素を含有するチタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム及びチタン酸セシウムが含まれるが、これらに限定されない。
次に、酸処理によるプロトン交換を行う。まず、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を蒸留水でよく水洗し、不純物を除去する。その後、該チタン酸アルカリ化合物を酸処理し、チタン酸アルカリ化合物のアルカリカチオンをプロトンに交換することにより、異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物を得ることができる。チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム及びチタン酸セシウムのようなチタン酸アルカリ化合物は、結晶構造を崩さずにそれらのアルカリカチオンをプロトンと交換することが可能であり、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物も同様である。
酸処理は、チタン酸アルカリ化合物の粉末に酸を加えて攪拌することによって行うことができる。酸は、濃度0.5〜2Mの塩酸、硝酸及び硫酸から選択される酸を用いることができる。酸処理は、アルカリカチオンがプロトンに十分に交換されるまで継続することが好ましい。酸処理の時間は、特に制限されないが、室温25℃付近で、濃度1M程度の塩酸を用いた場合、24時間以上行うことが好ましく、1〜2週間ほど行うことがより好ましい。さらに、24時間ごとに酸溶液を新しいものと交換することがより好ましい。第1の合成方法で記載したように、超音波のような振動を加えながら酸処理してもよい。また、プロトン交換をより効率的に行うために、チタン酸アルカリ化合物を予めボールミルなどで粉砕することも好ましい。
プロトン交換が完了した後、任意に、水酸化リチウム水溶液のようなアルカリ性溶液を添加し、残留した酸を中和する。得られた異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物は、蒸留水で水洗し、次いで乾燥する。チタン酸プロトン化合物は、洗浄水のpHが6〜8の範囲に入るまで十分に水洗することが好ましい。一方で、酸処理後に残留した酸の中和や洗浄、乾燥をせずに次の工程に進むこともできる。
次に、異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物を加熱処理することにより、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物を得ることができる。
加熱処理温度は、チタン酸プロトン化合物体の組成や粒子径、結晶形状のような条件により最適な温度が異なるため、チタン酸プロトン化合物に依存して適宜決定されるが、250〜500℃の範囲であることが好ましい。250℃以上であると、結晶性が良好であり、H2Ti817の不純物相の生成が抑制され、電極容量、充放電効率、繰り返し特性も良好である。一方、500℃以下であると、H2Ti817並びにアナターゼ型TiO2の不純物相の生成が抑制されるため、電極容量の低下を防ぐことができる。より好ましい加熱処理温度は、300〜400℃である。
加熱時間は、温度に応じて30分以上24時間以下の範囲に設定できる。例えば、300℃以上400℃以下の温度の場合、1時間以上3時間以下にすることができる。
以上の方法により、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物を合成することができる。なお、このような方法により得られたTiO2(B)構造のチタンの酸化物は、出発原料にLiを含む化合物を用いることにより、Liが予め含まれていても良いが、充放電によりLiが吸蔵されるものであってもよい。
以上説明した第1又は第2の合成方法で得られたTiO(B)粒子に第一の方法および第二の方法に示した手法でTiO(B)粒子表面上にSiを含む無機系被覆層を作製することで、C/Siのモル比が0.4以上2以下を満たす被覆層を有するチタンの酸化物の粒子を製造することができる。このような活物質を用いることにより、抵抗増加が抑制され、サイクル寿命が向上された非水電解質電池を実現することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の非水電解質電池は、第1の実施形態の活物質を含む負極と、正極と、非水電解質とを含む。
第3実施形態に係る非水電解質電池を、図面を参照してより具体的に説明する。図1は、扁平型非水電解質電池の断面図である。図2は図1のA部の拡大断面図である。なお、各図は発明の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる点があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜設計変更することができる。
扁平状の捲回電極群1は、2枚の樹脂層の間に金属層を介在したラミネートフィルムからなる袋状外装部材2内に収納されている。扁平状の捲回電極群1は、外側から負極3、セパレータ4、正極5、セパレータ4の順で積層した積層物を渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成される。
負極3は、負極集電体3aと負極活物質含有層3bから構成される。最外層の負極3は、図2に示すように負極集電体3aの内面側の片面に負極活物質含有層3bを形成した構成を有する。その他の負極3は、負極集電体3aの両面に負極活物質含有層3bが形成されている。
正極5は、正極集電体5aの両面に正極活物質含有層5bが形成されている。
捲回電極群1の外周端近傍において、負極端子6は最外層の負極3の負極集電体3aに接続され、正極端子7は内側の正極5の正極集電体5aに接続されている。これらの負極端子6及び正極端子7は、袋状外装部材2の開口部から外部に延出されている。例えば液状非水電解質は、袋状外装部材2の開口部から注入されている。袋状外装部材2の開口部を負極端子6及び正極端子7を挟んだ状態でヒートシールすることにより捲回電極群1及び液状非水電解質が外装部材内に封止される。
以下、実施形態の非水電解質電池に用いられる負極、正極、非水電解質、セパレータ、外装部材、正極端子、負極端子について詳細に説明する。
(負極)
負極は、負極集電体及び負極活物質含有層を含む。負極活物質含有層は、負極活物質、導電剤及び結着剤を含む。負極活物質含有層は、負極集電体の片面若しくは両面に形成される。
活物質として、第1実施形態の活物質が用いられる。このような活物質は、例えば、第2の実施形態の方法で製造することができる。このような活物質は、前述したように抵抗増加が抑制されたものである。それ故、そのような活物質を含む負極を用いることにより、非水電解質電池のサイクル寿命を向上することができる。
なお、活物質として、TiO(B)以外のチタン酸化物を含んでもよい。他の活物質の例には、スピネル構造を有するチタン酸リチウム(例えばLi4+xTi12(0≦x≦3)、Ramsdellite型構造を有するLiTi、LiTiNbO、LiTi12、ルチル構造を有するTiO、TiO−P(TiPなど)、TiO−V,TiO−Nb,MgTi,TiNb,TiO−SnO,TiO−P−MeO(MeはCu,Ni,Fe及びCoから選択される少なくとも1種類の元素)系化合物が含まれる。活物質の種類は、1種類又は2種類以上にすることができる。
導電剤は、集電性能を高め、活物質と集電体との接触抵抗を抑える。導電剤の例には、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノファイバー、及びカーボンナノチューブが含まれる。導電剤の種類は、1種類又は2種類以上にすることができる。
結着剤は、活物質、導電剤及び集電体を結着させる。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、セルロース系水溶性高分子(カルボキシメチルセルロース(CMC)など)、フッ素系ゴム、及びスチレンブタジェンゴムが含まれる。結着剤の種類は、1種類又は2種類以上にすることができる。
負極活物質含有層中の活物質、導電剤及び結着剤は、それぞれ70重量%以上96重量%以下、2重量%以上28重量%以下、及び2重量%以上28重量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤の量を2重量%以上にすることにより、負極活物質含有層の集電性能を向上させることができる。また、結着剤の量を2重量%以上にすることにより、負極活物質含有層と集電体の結着性を向上させることができる。一方、導電剤及び結着剤はそれぞれ28重量%以下にすることが高容量化を図る上で好ましい。
負極集電体は、1V(v.s.Li+/Li)よりも貴である電位範囲において電気化学的に安定である材料から形成されることが望ましい。このような材料の例には、アルミニウム箔、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含むアルミニウム合金箔が含まれる。
負極は、例えば次の方法により作製することができる。まず、負極活物質、導電剤及び結着剤を溶媒に懸濁してスラリーを調製する。このスラリーを、負極集電体の片面又は両面に塗布し、乾燥して、負極活物質含有層を形成する。その後、プレスを施す。或いは、負極活物質、導電剤及び結着剤をペレット状に形成し、負極活物質含有層として用いることもできる。
(正極)
正極は、正極集電体及び正極活物質含有層を含む。正極活物質含有層は、正極活物質、導電剤及び結着剤を含む。正極活物質含有層は、正極集電体の片面若しくは両面に形成される。
活物質は、例えば、酸化物又はポリマーを用いることができる。活物質の種類は、1種類又は2種類以上にすることができる。
酸化物の例には、リチウムを吸蔵放出することが可能な二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅または酸化ニッケル;リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LixMn2O4又はLixMnO2(0<x≦1);リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LixNiO2(0<x≦1));リチウムコバルト複合酸化物(例えば、LixCoO2(0<x≦1));リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えば、LixNi1-yCoyO2(0<x≦1、0<y<1));リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えば、LixMnyCo1-yO2(0<x≦1、0<y<1));リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えば、LiNi1-y-zCoyMnzO2(0<1−y−z<1、0<y<1、0<z<1));リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物(例えば、LiNi1-y-zCoyAlzO2(0<1−y−z<1、0<y<1、0<z<1));スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えば、LixMn2-yNiyO4(0<x≦1、0<y<2));オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えば、LixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4(0<x≦1、0<y<1));硫酸鉄(Fe2(SO4)3);及びバナジウム酸化物(例えば、V2O5)が含まれる。活物質として、これらの化合物を単独で用いてもよく、或いは、複数の化合物を組合せて用いてもよい。
ポリマーの例には、ポリアニリン及びポリピロールのような導電性ポリマー材料、及び、ジスルフィド系ポリマー材料が含まれる。
また、イオウ(S)又はフッ化カーボンも活物質として使用できる。
より好ましい活物質の例には、正極電圧が高いリチウムマンガン複合酸化物(LixMn2O4(0<x≦1))、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2 -yNiyO4(0<x≦1、0<y<2))、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2(0<x≦1))、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2(0<x≦1))、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1-yCoyO2(0<x≦1、0<y<1))、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LixMnyCo1-yO2(0<x≦1、0<y<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えばLiNi1-y-zCoyMnzO2(0<1−y−z<1、0<y<1、0<z<1))及びリチウムリン酸鉄(LixFePO4(0<x≦1))が含まれる。
導電剤は、集電性能を高め、且つ活物質と集電体との接触抵抗を抑える。導電剤の例には、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノファイバー、及びカーボンナノチューブのような炭素質物が含まれる。導電剤の種類は、1種類又は2種類以上にすることができる。
結着剤は、活物質、導電剤、及び集電体とを結着させる。結着剤の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)及びフッ素系ゴムが含まれる。結着剤の種類は、1種類又は2種類以上にすることができる。
正極活物質含有層中の活物質、導電剤及び結着剤は、それぞれ80重量%以上95重量%以下、3重量%以上18重量%以下、及び2重量%以上17重量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤は、3重量%以上の量にすることにより上述した効果を発揮することができる。導電剤は、18重量%以下の量にすることにより高温保存下での導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。結着剤は、2重量%以上の量にすることにより十分な正極強度が得られる。結着剤は、17重量%以下の量にすることにより、正極中の絶縁材料である結着剤の配合量を減少させ、内部抵抗を減少できる。
集電体は、アルミニウム箔、又は、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、及びSiから選択される一以上の元素を含むアルミニウム合金箔から形成されることが好ましい。
正極は、例えば次の方法により作製することができる。まず、正極活物質、導電剤及び結着剤を溶媒に懸濁してスラリーを調製する。このスラリーを、正極集電体の片面又は両面に塗布し、乾燥して、正極活物質含有層を形成する。その後、プレスを施す。或いは、正極活物質、導電剤及び結着剤をペレット状に形成し、正極活物質含有層として用いることもできる。
(非水電解質)
非水電解質としては、液状非水電解質又はゲル状非水電解質を用いることができる。液状非水電解質は、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される。電解質の濃度は、0.5〜2.5 mol/lの範囲であることが好ましい。ゲル状非水電解質は、液状電解質と高分子材料を複合化することにより調製される。
電解質の例には、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒酸リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、及びビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO2)2]のようなリチウム塩及びそれらの混合物が含まれる。電解質は、高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPF6が最も好ましい。
有機溶媒の例は、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネートのような環状カーボネート;ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)のような鎖状カーボネート;テトラヒドロフラン(THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、ジオキソラン(DOX)のような環状エーテル;ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)のような鎖状エーテル;又はγ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)を含む。これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組合せて用いることができる。
より好ましい有機溶媒の例には、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、及びメチルエチルカーボネート(MEC)からなる群のうち、少なくとも2つ以上を混合した混合溶媒、及び、γ−ブチロラクトン(GBL)を含む混合溶媒が含まれる。このような混合溶媒を用いることによって、低温特性の優れた非水電解質電池を得ることができる。
高分子材料の例には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)が含まれる。
(セパレータ)
セパレータには、例えば、多孔質フィルム、合成樹脂製不織布等を用いることができる。セパレータを構成する材料の例には、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、セルロース及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)が含まれる。材料の種類は、1種類又は2種類以上にすることができる。中でも、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流を遮断することが可能であり、安全性向上の観点から好ましい。
(外装部材)
外装部材としては、ラミネートフィルム製の袋状容器又は金属製容器が用いられる。
形状としては、扁平型、角型、円筒型、コイン型、ボタン型、シート型、積層型等が挙げられる。なお、無論、携帯用電子機器等に積載される小型電池の他、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池でも良い。
ラミネートフィルムとしては、樹脂フィルム間に金属層を介在した多層フィルムが用いられる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔もしくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂フィルムには、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、及びポリエチレンテレフタレート(PET)のような高分子材料を1種類以上用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装部材の形状に成形することができる。ラミネートフィルムは、肉厚が0.2mm以下であることが好ましい。
金属製容器は、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されることができる。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛及びケイ素のような元素を少なくとも1種類含むことが好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロム等の1種類以上の遷移金属の含有量は100重量ppm以下にすることが好ましい。これにより、高温環境下での長期信頼性、放熱性を飛躍的に向上させることが可能となる。金属製容器は、肉厚が0.5mm以下であることが好ましく、肉厚が0.2mm以下であることがより好ましい。
(正極端子)
正極端子は、Li電位に対して3.0V(v.s.Li+/Li)以上4.25V(v.s.Li+/Li)以下の範囲において電気的に安定であり、且つ導電性を有する材料から形成される。アルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiのような元素を1種類以上含むアルミニウム合金から形成されることが好ましい。正極端子は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料から形成されることが好ましい。
(負極端子)
負極端子は、Li電位に対して1.0V(v.s.Li+/Li)以上3.0V(v.s.Li+/Li)以下の範囲において電気的に安定であり、かつ導電性を有する材料から形成される。アルミニウム、又は、Mg,Ti,Zn,Mn,Fe,Cu,Siのような元素を1種類以上含むアルミニウム合金から形成されることが好ましい。負極端子は、負極集電体との接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料から形成されることが好ましい。
第3実施形態に係る非水電解質電池は、図1および図2に示す構成のものに限らず、例えば図3および図4に示す構成の電池であってもよい。図3は、第3実施形態に係る別の扁平型非水電解質二次電池を模式的に示す部分切欠斜視図であり、図4は図3のB部の拡大断面図である。
積層型電極群11は、2枚の樹脂フィルムの間に金属層を介在したラミネートフィルムからなる外装部材12内に収納されている。積層型電極群11は、図4に示すように正極13と負極14とをその間にセパレータ15を介在させながら交互に積層した構造を有する。正極13は複数枚存在し、それぞれが集電体13aと、集電体13aの両面に担持された正極活物質含有層13bとを備える。負極14は複数枚存在し、それぞれが負極集電体14aと、負極集電体14aの両面に担持された負極活物質含有層14bとを備える。各負極14の負極集電体14aは、一辺が負極14から突出している。突出した負極集電体14aは、帯状の負極端子16に電気的に接続されている。帯状の負極端子16の先端は、外装部材11から外部に引き出されている。また、図示しないが、正極13の正極集電体13aは、負極集電体14aの突出辺と反対側に位置する辺が正極13から突出している。正極13から突出した正極集電体13aは、帯状の正極端子17に電気的に接続されている。帯状の正極端子17の先端は、負極端子16とは反対側に位置し、外装部材11の辺から外部に引き出されている。
以上の第3の実施形態によれば、第1の実施形態の活物質を負極に含有させるため、抵抗増加が抑制され、サイクル寿命が向上された非水電解質電池を提供することが可能である。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る電池パックについて、図面を参照して説明する。電池パックは、第3の実施形態に係る非水電解質電池(単電池)を1個又は複数有する。複数の単電池を含む場合、各単電池は、電気的に直列もしくは並列に接続して配置される。
図5及び図6に、図1に示した扁平型電池を複数含む電池パックの一例を示す。図5は、電池パックの分解斜視図である。図6は、図5の電池パックの電気回路を示すブロック図である。
複数の単電池21は、外部に延出した負極端子6及び正極端子7が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することにより組電池23を構成している。これらの単電池21は、図6に示すように互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、負極端子6及び正極端子7が延出する単電池21側面と対向して配置されている。プリント配線基板24には、図6に示すようにサーミスタ25、保護回路26及び外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、組電池23と対向する保護回路基板24の面には組電池23の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池23の最下層に位置する正極端子7に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池23の最上層に位置する負極端子6に接続され、その先端はプリント配線基板24の負極側コネクタ31に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29,31は、プリント配線基板24に形成された配線32,33を通して保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出するために用いられる。その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線34a及びマイナス側配線34bを遮断できる。所定の条件とは、例えばサーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件とは単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは単電池21全体について行われる。個々の単電池21を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図5及び図6の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線35を接続し、これら配線35を通して検出信号が保護回路26に送信される。
正極端子7及び負極端子6が突出する側面を除く組電池23の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート36がそれぞれ配置されている。
組電池23は、各保護シート36及びプリント配線基板24と共に収納容器37内に収納される。すなわち、収納容器37の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート36が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池23は、保護シート36及びプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋38は、収納容器37の上面に取り付けられている。
なお、組電池23の固定には粘着テープ22に代えて、熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて組電池を結束させる。
図5、図6では単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには並列に接続してもよい。あるいは、直列接続と並列接続を組合せてもよい。組み上がった電池パックをさらに直列又は並列に接続することもできる。
また、電池パックの態様は用途により適宜変更される。実施形態に係る電池パックは、大電流を取り出したときにサイクル特性が優れていることが要求される用途に好適に用いられる。具体的には、デジタルカメラの電源として、又は、例えば二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、及び、アシスト自転車の車載用電池として用いられる。特に、車載用電池として好適に用いられる。
以上説明した第4の実施形態の電池パックによれば、第1の実施形態の活物質を含む負極を含む非水電解質電池を備えるため、低SOC領域においても高い入出力性能が得られ、かつ充放電サイクル性能に優れる電池パックを実現することができる。
(実施例1)
<TiO2(B)構造のチタンの酸化物の合成>
出発原料として、炭酸カリウム(KCO)及びアナターゼ型二酸化チタン(TiO)を用いた。出発原料を混合し、1000℃で24時間焼成して、チタン酸カリウム化合物(KTi)を合成した。このチタン酸カリウム化合物を、ジルコニアビーズで乾式粉砕して粒度調整した後、蒸留水で洗浄してプロトン交換前駆体を得た。このプロトン交換前駆体を、1M濃度の塩酸溶液中に投入し、25℃で1時間の超音波攪拌を行った。この操作を、塩酸溶液を交換しながら12回繰返した。酸処理の終了後、蒸留水で洗浄して、チタン酸プロトン化合物を得た。このチタン酸プロトン化合物を、大気中で、350℃で3時間焼成し、TiO2(B)構造のTiOを得た。
<負極活物質の作製>
上記のように合成した、TiO2(B)構造のTiO15gに対して、ポリメチルシリケート(Si(n−1)(OCH2(n+1);n=3〜5(平均);シリカとして50〜53%)0.8g、エタノール2gを添加し、室温環境(温度が25℃、露点−40℃、窒素ガスフロー)で乾燥処理を行い、乾燥後の重量が添加前の重量に対して5%重量増加していることを確認した。この粉末をTEMにより表面観察を行ったところ、二酸化チタン粒子の表面にSi酸化物の被覆層が形成されていることを確認した。この被覆層を有するTiO2(B)構造のTiO粒子を負極活物質として用いた。
<負極の作製>
負極活物質の粉末を90重量%、アセチレンブラック5重量%、及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%を、NMP加えて混合し、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより電極密度が2.0g/cmの負極を作製した。
<正極の作製>
正極活物質としてリチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物(LiNi0.82Co0.15Al0.032)を用い、導電剤としてアセチレンブラックとポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いた。リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物の粉末90重量%、アセチレンブラック5重量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%を、NMPに加えて混合してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより、電極密度が3.15g/cm3の正極を作製した。
<電極群の作製>
正極、厚さ25μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータ、負極、及びセパレータを、この順序で積層した後、渦巻き状に捲回した。これを90℃で加熱プレスすることにより、幅が30mm、厚さ3.0mmの偏平状電極群を作製した。得られた電極群をラミネートフィルムからなるパックに収納し、80℃で24時間真空乾燥した。ラミネートフィルムは厚さ40μmのアルミニウム箔の両面にポリプロピレン層を形成して構成されたものであり、全体の厚さは0.1mmであった。
<液状非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)を1:2の体積比率で混合して混合溶媒を調製した。この混合溶媒に電解質としてLiPF6を1M溶解し、液状非水電解質を調製した。
<非水電解質二次電池の製造>
電極群を収納したラミネートフィルムのパック内に液状非水電解質を注入した。その後、パックをヒートシールにより密閉し、図1に示すような構造を有し、幅35mm、厚さ3.2mm、高さが65mmの非水電解質二次電池を製造した。
(実施例2)
<Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物の合成>
出発原料として、炭酸カリウム(KCO)、アナターゼ型二酸化チタン(TiO)、及び水酸化ニオブ(Nb・nHO)を用いた。出発原料を混合し、1000℃で24時間焼成して、Nbを含有するチタン酸アルカリ化合物(K-Ti-Nb-O化合物)を合成した。このK-Ti-Nb-O化合物を、ジルコニアビーズで乾式粉砕して粒度調整した後、蒸留水で洗浄してプロトン交換前駆体を得た。このプロトン交換前駆体を、1M濃度の塩酸溶液中に投入し、25℃で1時間の超音波攪拌を行った。この操作を、塩酸溶液を交換しながら12回繰返した。酸処理の終了後、蒸留水で洗浄して、Nbを含有するチタン酸プロトン化合物を得た。このNbを含有するチタン酸プロトン化合物を、大気中で、350℃で3時間焼成し、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物を得た。
得られたチタンの酸化物をICP発光分光測定で測定した結果、Nbの含有量(Nb換算)は、Nbを含有するチタンの酸化物の総重量に対して8重量%であった。
<負極活物質の作製>
上記のように合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート0.6g、エタノール2gを添加し、室温環境(温度が25℃、窒素フロー、露点:-20℃で乾燥処理を行い、乾燥後の重量が添加前の重量に対して9%重量増加していることを確認した。この粉末をTEM−EDXにより表面観察を行ったところ、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物粒子の表面にSi酸化物の被覆層が形成していることを確認した。この被覆層を有するチタンの酸化物を負極活物質として用いた。
<非水電解質二次電池の製造>
上記の負極活物質を用い、実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート3g、エタノール2gを添加し、室温環境(温度が25℃、窒素フロー、露点-40℃で乾燥処理を行い、乾燥後の重量が添加前の重量に対して9%重量増加していることを確認した。TEM−EDXによる表面観察によって、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物粒子の表面にSiを主成分とする酸化物の被覆層が存在することが確認された。この被覆層を有するチタンの酸化物を負極活物質として用いた。
上記のように得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様に非水電解質電池を製造した。
(実施例4)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート0.7g、エタノール1g、1−プロパノール2gを添加し、室温環境(25℃、窒素フロー、露点:−30℃)で乾燥処理を行い、乾燥後の重量が添加前の重量に対して3%重量増加していることを確認した。TEM−EDXによる表面観察によって、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物の表面にSiを主成分とする酸化物の被覆層が存在することが確認された。この被覆層を有するチタンの酸化物を負極活物質として用いた。
上記のように得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様に非水電解質電池を製造した。
(実施例5)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート0.45g、エタノール1g、1−プロパノール2gを用いて、露点−40℃の環境で乾燥した以外は、実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
(実施例6)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリエチルシリケート0.6g、エタノール2g、1−ブタノール2gを用いて、露点−40℃の環境で乾燥した以外は、実施例2と同等の条件で作製し、重量増加2.8%を確認した。さらに同様の手法で非水電解質電池を製造した。
(実施例7)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリエチルシリケート1g、エタノール2g、1−プロパノール1g、1−ブタノール1gを用いて、露点−40℃の環境で乾燥した以外は、実施例2と同等の条件で作製し、重量増加3.8%を確認した。さらに同様の手法で非水電解質電池を製造した。
(実施例8)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、メチルシリケート1.6g、エタノール2gを用いて、アルゴンフロー環境の露点−40℃の環境で乾燥した以外は、実施例2と同等の条件で作製し、重量増加3.1%を確認した。さらに同様の手法で非水電解質電池を製造した。
(実施例9)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、メチルシリケート1g、エタノール2g、1−プロパノール1g、1−ブタノール1gを用いて、アルゴンフロー環境の露点−40℃の環境で乾燥した以外は、実施例2と同等の条件で作製し、重量増加2.1%を確認した。さらに同様の手法で非水電解質電池を製造した。
(実施例10)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、エチルシリケート1.3g、エタノール2gを用いて、アルゴンフロー環境の露点−40℃の環境で乾燥した以外は、実施例2と同等の条件で作製し、重量増加1.9%を確認した。さらに同様の手法で非水電解質電池を製造した。
(実施例11)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート0.8g、エタノール2g、高沸点有機溶媒として1−ブタノール2gを用いて、大気雰囲気(25℃、湿度50%)の環境で乾燥処理を行い、重量増加2.8%を確認した。その後実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
(実施例12)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート0.6g、高沸点有機溶媒として1−プロパノール1g及び1−ブタノール2gを用いて、大気雰囲気(25℃、湿度40%)の環境で乾燥処理を行い、重量増加1.8%を確認した。その後実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
(実施例13)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート3g、エタノール2g、高沸点有機溶媒として1−プロパノール2g及び1−ブタノール1gを用いて、大気雰囲気(25℃、湿度25%)の環境で乾燥処理を行い、重量増加8.9%を確認した。その後実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
(実施例14)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート0.7g、エタノール1g、高沸点有機溶媒として1−プロパノール2g及び1−ブタノール1gを用いて、大気雰囲気(25℃、湿度30%)の環境で乾燥処理を行い、重量増加2.9%を確認した。その後実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
(比較例1)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物を負極活物質(SiO被覆などを行っていないもの)として用い、実施例1と同様に非水電解質電池を製造した。
(比較例2)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート0.8g、エタノール2gを用いて、大気雰囲気(25℃、湿度50%)の環境で乾燥処理を行い、重量増加2.5%を確認した。その後、実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
(比較例3)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート0.6g、エタノール2gを用いて、大気雰囲気(25℃、湿度40%)の環境で乾燥処理を行い、重量増加2.0%を確認した。その後、実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
(比較例4)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート3g、エタノール2gを用いて、大気雰囲気(25℃、湿度70%)の環境で乾燥処理を行い、重量増加7.7%を確認した。その後、実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
(比較例5)
実施例2において合成した、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタンの酸化物15gに対して、ポリメチルシリケート0.7g、エタノール2gを用いて、大気雰囲気(25℃、湿度30%)の環境で乾燥処理を行い、重量増加2.2%を確認した。その後、実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
(充放電サイクル試験)
実施例1〜14及び比較例1〜5の負極それぞれから三極セルを作製した。三極セルの対極と参照極にLi金属、セパレータにガラスフィルターを用いた。また、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)が1:2の割合で混合された溶媒に、LiPF6を支持塩として溶解させ、電解液を調製した。各三極セルに45℃環境で単極の充放電サイクル試験を行い、容量維持率を測定した。
充放電条件は、45℃環境下において、1Cレートで行った。充電は1.4Vの定電流定電圧充電を行い、充電時間は3時間とした。放電カットオフ電圧を3.0Vとして定電流放電を行った。50サイクル繰り返し充放電を行い(充電/放電で1サイクルとする)、1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の比率を算出し、50サイクル後の容量維持率として表2,4に示す。表2,4には、負極活物質について、TiO換算でのチタンの酸化物の重量(wt%)、被覆層中のSiO換算でのSi量(表中ではSiO2量(wt%)と表記)、C量(wt%)、C/Si比(モル比)を併記する。
Figure 2016147404
Figure 2016147404
Figure 2016147404
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表1〜表4から明らかな通り、C/Siモル比が0.4〜2の範囲の実施例1〜14の電池は、50サイクル目の容量維持率が85%以上と高い。
これに対し、被覆層を形成していない比較例1、C/Siモル比が0.4未満の比較例2〜5の電池は、50サイクル目の容量維持率が高くても66%であった。比較例2,3,5では、原料に1−プロパノール及び1−ブタノールといったエタノールよりも高沸点の有機溶媒が含まれていないため、被覆層に残留した有機成分が少なく、C/Siモル比が0.4未満となった。一方、比較例4では、湿度が70%と高いため、有機成分の揮発やゾルゲル反応が早く進行し、重合反応で生じた活物質表面を被覆するSiOネットワーク内に有機成分が残留できず、C/Siモル比が0.4未満となった。
以上の実施例では、チタンの酸化物としてTiO2(B)構造の二酸化チタンを用いたが、これに限定されず、固体酸点又は水酸基を粒子表面に有するチタンの酸化物及びチタン酸複合酸化物の粒子を負極活物質に使用したものに対しても有効である。
以上説明したうちの少なくとも一つの実施形態及び実施例の活物質によれば、チタンの酸化物の粒子の表面にSi成分及び有機成分を含有する層を含み、C/Siモル比が0.4以上2以下であるため、抵抗増加の抑制と、サイクル寿命の向上とを図ることが可能な非水電解質電池を実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,11…電極群、2,12…外装部材、3,13…正極、3a,13a…正極集電体、3b,13b…正極活物質含有層、4,15…セパレータ、5,14…負極、5a,14a…負極集電体、5b,14b…負極活物質含有層、6,16…負極端子、7,17…正極端子、20…電池パック、21…単電池、22…粘着テープ、23…組電池、24…プリント配線基板、28…正極側配線、29…正極側コネクタ、30…負極側配線、31…負極側コネクタ、37…収納容器、38…蓋。
実施形態によれば、TiO (B)構造からなるチタンの酸化物の粒子と、チタンの酸化物粒子の表面の少なくとも一部に存在し、Si成分及び有機成分を含む層とを含む負極活物質が提供される。負極活物質において、C/Siモル比は0.4以上2以下である。
他の実施形態によれば、上記非水電解質電池を含む電池パックが提供される。また、他の実施形態によれば、実施形態に係る電池パックを含む車が提供される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]チタンの酸化物粒子と、前記チタンの酸化物粒子の表面の少なくとも一部に存在し、Si成分及び有機成分を含む層とを含み、C/Siモル比が0.4以上2以下である負極活物質。
[2]前記Si成分は、珪素の酸化物である、[1]に記載の負極活物質。
[3]前記有機成分は、金属アルコキシドに由来する成分を含む、[1]または[2]に記載の負極活物質。
[4] [1]〜[3]いずれかに記載の負極活物質を含む負極と、
正極と、
非水電解質と、
を含む非水電解質電池。
[5] [4]に記載の非水電解質電池を含む電池パック。

Claims (5)

  1. チタンの酸化物粒子と、前記チタンの酸化物粒子の表面の少なくとも一部に存在し、Si成分及び有機成分を含む層とを含み、C/Siモル比が0.4以上2以下である負極活物質。
  2. 前記Si成分は、珪素の酸化物である、請求項1に記載の負極活物質。
  3. 前記有機成分は、金属アルコキシドに由来する成分を含む、請求項1または2に記載の負極活物質。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の負極活物質を含む負極と、
    正極と、
    非水電解質と、
    を含む非水電解質電池。
  5. 請求項4に記載の非水電解質電池を含む電池パック。
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